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特開2023-157084データ統合装置、データ統合方法、プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157084
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】データ統合装置、データ統合方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G01D 9/00 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
G01D9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066755
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】磯 悠記
(72)【発明者】
【氏名】大坂 壮司
(72)【発明者】
【氏名】田中 真
【テーマコード(参考)】
2F070
【Fターム(参考)】
2F070AA01
2F070BB01
2F070CC03
2F070CC06
2F070CC11
2F070DD08
2F070DD20
2F070FF12
2F070GG07
2F070HH05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】異なる測定装置で測定された同一測定項目の複数データを統合して一つのデータにすることが可能なデータ統合装置を提供する。
【解決手段】本発明のデータ統合装置は、データ取得部、及び、データ統合部を含み、前記データ取得部は、統合対象の複数の測定データを取得し、前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、前記データ統合部は、前記複数の前記測定データにおいて、前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ取得部、及び、データ統合部を含み、
前記データ取得部は、統合対象の複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、
前記データ統合部は、
前記複数の前記測定データにおいて、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択する、
データ統合装置。
【請求項2】
前記データ統合部は、
前記複数の前記測定装置において前記測定時間帯が一部重複する一部重複時間帯がある場合、
前記統合測定データが分割可能な数字データである場合、
前記測定時間帯全体に対する前記一部重複時間帯の割合に応じて、前記測定時間帯全体の数字データから前記一部重複時間帯の数字データを算出し、
前記一部重複時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択し、
前記統合測定データが分割不可能な数字データである場合、
前記測定時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択する、
請求項1記載のデータ統合装置。
【請求項3】
さらに、記憶部を含み、
前記記憶部は、前記統合測定データを記憶する、
請求項1又は2記載のデータ統合装置。
【請求項4】
データ取得工程、及び、データ統合工程を含み、
前記データ取得工程は、統合対象の複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、
前記データ統合工程は、
前記複数の前記測定データにおいて、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択する、
データ統合方法。
【請求項5】
前記データ統合工程は、
前記複数の前記測定装置において前記測定時間帯が一部重複する一部重複時間帯がある場合、
前記統合測定データが分割可能な数字データである場合、
前記測定時間帯全体に対する前記一部重複時間帯の割合に応じて、前記測定時間帯全体の数字データから前記一部重複時間帯の数字データを算出し、
前記一部重複時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択し、
前記統合測定データが分割不可能な数字データである場合、
前記測定時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択する、
請求項4記載のデータ統合方法。
【請求項6】
さらに、記憶工程を含み、
前記記憶工程は、前記統合測定データを記憶する、
請求項4又は5に記載のデータ統合方法。
【請求項7】
データ取得手順、及び、データ統合手順を含み、
前記データ取得手順は、統合対象の複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、
前記データ統合手順は、
前記複数の前記測定データにおいて、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記各手順が、コンピュータにより実行される、プログラム。
【請求項8】
前記データ統合手順は、
前記複数の前記測定装置において前記測定時間帯が一部重複する一部重複時間帯がある場合、
前記統合測定データが分割可能な数字データである場合、
前記測定時間帯全体に対する前記一部重複時間帯の割合に応じて、前記測定時間帯全体の数字データから前記一部重複時間帯の数字データを算出し、
前記一部重複時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択し、
前記統合測定データが分割不可能な数字データである場合、
前記測定時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択する、
請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
さらに、記憶手順を含み、
前記記憶手順は、前記統合測定データを記憶する、
請求項7又は8記載のプログラム。
【請求項10】
データ取得手順、及び、データ統合手順を含み、
前記データ取得手順は、統合対象の複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、
前記データ統合手順は、
前記複数の前記測定データにおいて、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ統合装置、データ統合方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モノのインターネット(IoT)技術の進展に伴い、様々なデータが測定されデータベースに記憶されている。データベースに記憶されたデータは、いわゆるビッグデータとして、様々な分野に活用されている。例えば、特許文献1には、IoTデバイスとの安全な通信チャネルを確立するためのシステム及び方法を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-48140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、歩数及び心拍数等の生体データ(バイタルデータ)は、スマートフォン及びウエラブルデバイス(例えば、腕時計型デバイス)に測定でき、一人で、スマートフォンとウエラブルデバイスで、同じ測定項目のデータを測定している場合がある。異なるデバイス(測定装置)で同じ測定項目を測定すると、重複測定となり、重複測定されたデータは活用が困難という問題がある。この問題は、生体データに限らず、全ての種類のデータに共通する。
【0005】
そこで、本発明は、異なる測定装置で測定された同一測定項目の複数データを統合して一つのデータにすることが可能な、データ統合装置、データ統合方法、及び、プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のデータ統合装置は、
データ取得部、及び、データ統合部を含み、
前記データ取得部は、統合対象の複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、
前記データ統合部は、
前記複数の前記測定データにおいて、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択する。
【0007】
本発明のデータ統合方法は、
データ取得工程、及び、データ統合工程を含み、
前記データ取得工程は、統合対象の複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、
前記データ統合工程は、
前記複数の前記測定データにおいて、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択する。
【0008】
本発明のプログラムは、
データ取得手順、及び、データ統合手順を含み、
前記データ取得手順は、統合対象の複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、
前記データ統合手順は、
前記複数の前記測定データにおいて、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記各手順が、コンピュータにより実行される、プログラムである。
【0009】
本発明の記録媒体は、
データ取得手順、及び、データ統合手順を含み、
前記データ取得手順は、統合対象の複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、
前記データ統合手順は、
前記複数の前記測定データにおいて、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、異なる測定装置で測定された同一測定項目の複数データを統合して一つのデータにすることが可能となり、例えば、データ活用の促進が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態1のデータ統合装置の一例の構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態1のデータ統合装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態1のデータ統合方法の処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態2のデータ統合の全体構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態2の統合前のデータの状態を示す図である。
図6図6は、実施形態2のデータ統合方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のデータ統合装置において、例えば、
前記データ統合部は、
前記複数の前記測定装置において前記測定時間帯が一部重複する一部重複時間帯がある場合、
前記統合測定データが分割可能な数字データである場合、
前記測定時間帯全体に対する前記一部重複時間帯の割合に応じて、前記測定時間帯全体の数字データから前記一部重複時間帯の数字データを算出し、
前記一部重複時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択し、
前記統合測定データが分割不可能な数字データである場合、
前記測定時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択する、
という態様であってもよい。
【0013】
本発明のデータ統合装置は、例えば、
さらに、記憶部を含み、
前記記憶部は、前記統合測定データを記憶する、
という態様であってもよい。
【0014】
本発明のデータ統合方法において、例えば、
前記データ統合工程は、
前記複数の前記測定方法において前記測定時間帯が一工程重複する一工程重複時間帯がある場合、
前記統合測定データが分割可能な数字データである場合、
前記測定時間帯全体に対する前記一工程重複時間帯の割合に応じて、前記測定時間帯全体の数字データから前記一工程重複時間帯の数字データを算出し、
前記一工程重複時間帯の数字データを、前記一工程重複時間帯の統合測定データとして選択し、
前記統合測定データが分割不可能な数字データである場合、
前記測定時間帯の数字データを、前記一工程重複時間帯の統合測定データとして選択する、
という態様であってもよい。
【0015】
本発明のデータ統合方法は、例えば、
さらに、記憶工程を含み、
前記記憶工程は、前記統合測定データを記憶する、
という態様であってもよい。
【0016】
本発明のプログラムにおいて、例えば、
前記データ統合手順は、
前記複数の前記測定方法において前記測定時間帯が一手順重複する一手順重複時間帯がある場合、
前記統合測定データが分割可能な数字データである場合、
前記測定時間帯全体に対する前記一手順重複時間帯の割合に応じて、前記測定時間帯全体の数字データから前記一手順重複時間帯の数字データを算出し、
前記一手順重複時間帯の数字データを、前記一手順重複時間帯の統合測定データとして選択し、
前記統合測定データが分割不可能な数字データである場合、
前記測定時間帯の数字データを、前記一手順重複時間帯の統合測定データとして選択する、
という態様であってもよい。
【0017】
本発明のプログラムは、例えば、
さらに、記憶手順を含み、
前記記憶手順は、前記統合測定データを記憶する、
という態様であってもよい。
【0018】
本発明の記録媒体は、例えば、前記本発明のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0019】
本発明において、統合するデータは、特に制限されず、例えば、分割可能なデータであってもよいし、分割不可能なデータであってもよい。前記分割可能なデータは、例えば、分割可能な数字データがあげられ、特に制限されず、その具体例として、活動量のデータ(歩数、移動距離(ランニング、歩行)、自転車の漕ぎ回数、水泳のストローク数)等があげられる。前記分割不可能なデータは、例えば、数値データであってもよいし、それ以外のデータでもよい。前記分割不可能なデータは、特に制限されず、その具体例として、例えば、バイタルデータ(例えば、体温、心拍(脈拍)数、血圧、血糖値等);観測データ(例えば、温度、湿度、振動、照度、pH、濃度等);睡眠状態、起床状態、疲労状態、疾患の罹患状態、体調状態、精神(メンタル)状態(例えば、抑うつ状態の有無、気分のよしあし等)等の前記バイタルデータ及び/又は前記観測データから推測される状態を示すデータ;等があげられる。本発明において、「統合」という用語は、例えば、「二つ以上のものを一つにする」意味である。本発明において、「測定時間帯」は、例えば、時間的に連続して測定している時間帯である。
【0020】
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
げられる。
【0021】
[実施形態1]
図1は、本実施形態のデータ統合装置10の一例の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本装置10は、データ取得部11、及び、データ統合部12を含む。また、本装置10は、図示していないが、入力部、出力部、表示部及び/又は記憶部等を含んでもよい。
【0022】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0023】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、出力装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0024】
中央処理装置101は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10Aにおいて、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、データ取得部11、及び、データ統合部12として機能する。本装置10は、演算装置として、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、これらの組合せを備えてもよい。
【0025】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0026】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0027】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本装置10Aが前記記憶部を含む場合、例えば、記憶装置104は、前記記憶部として機能する。前記記憶部は、例えば、本装置のユーザ(例えば、本装置所有者、本装置管理者、本装置利用者等)の情報(例えば、氏名、名称、担当者名、識別番号、属性情報(性別、年齢、所属組織、住所、連絡先等))、データ測定者のデータ(例えば、測定者の情報、測定装置の情報等)、本装置が取得するデータ(統合前データともいう)、本装置により統合されたデータ(統合後データともいう)、各種マスタデータ、及び、本装置で生成する情報等を記憶できる。
【0028】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。この場合、メモリ102及び記憶装置104は、例えば、前述の本装置のユーザの情報及び各種データ等を記憶していてもよい。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0029】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、出力装置106を備える。入力装置105は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。出力装置106は、例えば、LEDディスプレー、液晶ディスプレー等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等があげられる。本実施形態1において、入力装置105と出力装置106とは、別個に構成されているが、入力装置105と出力装置106とは、タッチパネルディスプレーのように、一体として構成されてもよい。
【0030】
つぎに、本実施形態のデータ統合方法の一例を、図3のフローチャートS10に基づき説明する。本実施形態のデータ統合方法は、例えば、図1又は図2の装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態のデータ統合方法は、図1又は図2の装置10の使用には限定されない。
【0031】
まず、データ取得部11により、統合対象の複数の測定データを取得する(S11、データ取得工程)。複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含む。測定装置としては、例えば、スマートフォン、ウエラブルデバイス(腕時計型等)、カメラ、及び、各種センサーがある。データの種類は、前述の通りである。
【0032】
次に、データ統合部12により、複数の前記測定データにおいて、複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、測定時間帯が重複する複数の測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択し(S12、データ統合工程)、統合測定データは出力又は記憶される(END)。
【0033】
本発明において、測定装置毎の統合優先度の設定は、特に制限されず、例えば、測定者が統合優先度と決定してもよいし、又は、自動的に統合優先度を決定してもよい。統合優先度は、例えば、ウエラブルデバイスの優先度を高くしたり、新しい測定装置の優先度を高くしたりすることができる。測定装置毎の統合優先度は、本装置に記憶部がある場合、記憶部に記憶されていてもよいし、外部装置に記憶されていてもよい。前記統合優先度が外部装置に記憶されている場合、例えば、本装置10は、通信回線網を介して前記外部装置から統合優先度を取得してもよい。
【0034】
本発明において、測定データの測定時間の単位は、例えば、測定データの種類に応じて設定できる。例えば、測定データが歩数の場合、測定時間単位は秒単位とすることができ、測定データが心拍数の場合、測定時間単位は分単位とすることができる。
【0035】
データ統工程S12において、複数の前記測定装置において測定時間帯が一部重複する一部重複時間帯がある場合、統合測定データが分割可能な数字データである場合は、測定時間帯全体に対する前記一部重複時間帯の割合に応じて、前記測定時間帯全体の数字データから前記一部重複時間帯の数字データを算出し、一部重複時間帯の数字データを、一部重複時間帯の統合測定データとして選択し、統合測定データが分割不可能な数字データである場合は、測定時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択するという態様であってもよい。
【0036】
[実施形態2]
図4に、本実施形態の全体構成の一例を示す。同図に示すように、測定者の測定装置(スマートフォンSP(A)、スマートフォンSP(B)、及び腕時計型ウエラブルデバイスW(C))から、通信回線網(図示せず)を介して、測定データがデータ管理サーバに送信される。データ管理サーバ内には、本発明のデータ統合装置10が格納され、統合された測定データ(統合測定データ)は、データ管理サーバ内にあるデータ管理データベース(DB)において記憶され管理される。
【0037】
図5に、本実施形態の統合前のデータの例を示す。同図において、上側のSP(A)、W(C)、及びSP(B)は、前述の各測定装置を示し、左側の数値は、測定時間の時間軸(例えば、X分Y秒)を示し、縦長の帯は、各測定装置によりデータが測定された測定時間帯を示す。各測定時間帯において、測定時間における測定データの測定値(例えば、歩数であれば、測定時間のカウント(0:01で一歩、0:02で一歩等))が記録されている。
【0038】
図6に、図5の統合前データを統合する方法の一例を示す。本件の測定データは、分割可能な数字データ(例えば、歩数)である。図6に示すように、各測定装置に統合優先度が付されており、SP(A)の優先度は(2)であり、W(C)の優先度は(1)であり、SP(B)の優先度は(3)である。まず、測定時間の時間軸において、0:00~0:01の間は、重複がないため、SP(B)の1/5のデータを統合測定データとして選択する。測定時間の時間軸において、0:01~0:03の間は、SP(A)とSP(B)が重複するため、優先度の高いSP(A)の2/8のデータを選択する。測定時間の時間軸において、0:03~0:08の間は、SP(A)、W(C)及びSP(B)が重複しているため、優先度の高いW(C)のデータを選択する。測定時間の時間軸において、0:08~0:09の間は、SP(A)とSP(B)が重複するため、優先度の高いSP(A)の1/8のデータを選択する。測定時間の時間軸において、0:09~0:11の間は、重複無しのため、SP(B)の2/5のデータを選択する。図6の右側に統合後のデータを示す。統合後のデータは、測定時間の時間軸に沿った一つの測定データとなっている。
【0039】
[実施形態3]
本実施形態のプログラムは、前述のデータ統合方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、データ取得手順、及び、データ統合手順を実行させるためのプログラムである。
【0040】
前記データ取得手順は、統合対象の複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、
前記データ統合手順は、
前記複数の前記測定データにおいて、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択する。
【0041】
また、本実施形態のプログラムは、コンピュータを、データ取得手順、及び、データ統合手順として機能させるプログラムということもできる。
【0042】
本実施形態のプログラムは、前記本発明のデータ統合装置およびデータ統合方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。
【0043】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0044】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
データ取得部、及び、データ統合部を含み、
前記データ取得部は、統合対象の複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、
前記データ統合部は、
前記複数の前記測定データにおいて、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択する、
データ統合装置。
(付記2)
前記データ統合部は、
前記複数の前記測定装置において前記測定時間帯が一部重複する一部重複時間帯がある場合、
前記統合測定データが分割可能な数字データである場合、
前記測定時間帯全体に対する前記一部重複時間帯の割合に応じて、前記測定時間帯全体の数字データから前記一部重複時間帯の数字データを算出し、
前記一部重複時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択し、
前記統合測定データが分割不可能な数字データである場合、
前記測定時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択する、
付記1記載のデータ統合装置。
(付記3)
さらに、記憶部を含み、
前記記憶部は、前記統合測定データを記憶する、
付記1又は2記載のデータ統合装置。
(付記4)
データ取得工程、及び、データ統合工程を含み、
前記データ取得工程は、統合対象の複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、
前記データ統合工程は、
前記複数の前記測定データにおいて、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択する、
データ統合方法。
(付記5)
前記データ統合工程は、
前記複数の前記測定装置において前記測定時間帯が一部重複する一部重複時間帯がある場合、
前記統合測定データが分割可能な数字データである場合、
前記測定時間帯全体に対する前記一部重複時間帯の割合に応じて、前記測定時間帯全体の数字データから前記一部重複時間帯の数字データを算出し、
前記一部重複時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択し、
前記統合測定データが分割不可能な数字データである場合、
前記測定時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択する、
付記4記載のデータ統合方法。
(付記6)
さらに、記憶工程を含み、
前記記憶工程は、前記統合測定データを記憶する、
付記4又は5に記載のデータ統合方法。
(付記7)
データ取得手順、及び、データ統合手順を含み、
前記データ取得手順は、統合対象の複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、
前記データ統合手順は、
前記複数の前記測定データにおいて、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記各手順が、コンピュータにより実行される、プログラム。
(付記8)
前記データ統合手順は、
前記複数の前記測定装置において前記測定時間帯が一部重複する一部重複時間帯がある場合、
前記統合測定データが分割可能な数字データである場合、
前記測定時間帯全体に対する前記一部重複時間帯の割合に応じて、前記測定時間帯全体の数字データから前記一部重複時間帯の数字データを算出し、
前記一部重複時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択し、
前記統合測定データが分割不可能な数字データである場合、
前記測定時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択する、
付記7記載のプログラム。
(付記9)
さらに、記憶手順を含み、
前記記憶手順は、前記統合測定データを記憶する、
付記7又は8記載のプログラム。
(付記10)
データ取得手順、及び、データ統合手順を含み、
前記データ取得手順は、統合対象の複数の測定データを取得し、
前記複数の測定データは、同一の測定項目について複数の異なる測定装置により測定された複数の測定データを含み、
前記データ統合手順は、
前記複数の前記測定データにおいて、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複しない測定時間帯は、測定された1つの前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記複数の前記測定装置において測定時間が重複する測定時間帯は、前記測定装置毎に付与された統合優先度を基準に、前記測定時間帯が重複する前記複数の前記測定データにおける最も前記統合優先度が高い前記測定装置の前記測定データを統合測定データとして選択し、
前記各手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記11)
前記データ統合手順は、
前記複数の前記測定装置において前記測定時間帯が一部重複する一部重複時間帯がある場合、
前記統合測定データが分割可能な数字データである場合、
前記測定時間帯全体に対する前記一部重複時間帯の割合に応じて、前記測定時間帯全体の数字データから前記一部重複時間帯の数字データを算出し、
前記一部重複時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択し、
前記統合測定データが分割不可能な数字データである場合、
前記測定時間帯の数字データを、前記一部重複時間帯の統合測定データとして選択する、
付記10記載の記録媒体。
(付記12)
さらに、前記プログラムが記憶手順を含み、
前記記憶手順は、前記統合測定データを記憶する、
付記10又は11記載の記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明によれば、異なる測定装置で測定された同一測定項目の複数データを統合して一つのデータにすることが可能となり、例えば、データ活用の促進が期待できる。本発明は、生体データの測定、及び、環境データの測定等、様々なデータ測定に適用できる。
【符号の説明】
【0046】
10 データ統合装置
11 データ取得部
12 データ統合部
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信デバイス

図1
図2
図3
図4
図5
図6