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▶ 杉内 博之の特許一覧

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  • 特開-イカ釣り用ヤエン 図1
  • 特開-イカ釣り用ヤエン 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157094
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】イカ釣り用ヤエン
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20231019BHJP
   A01K 91/06 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
A01K85/00 301A
A01K91/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066770
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】520037566
【氏名又は名称】杉内 博之
(72)【発明者】
【氏名】杉内 博之
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA04
2B307BA14
2B307BA20
2B307BA22
(57)【要約】
【課題】 ヤエンをハリスに装着し海中に投下させる際、その着水の瞬間にイカ掛け針側が跳ね上がりハリスに絡んでしまい、ヤエンがイカまで到達しないことがある。また、その着水時の跳ね上がりを抑えるためにイカ掛け針側にヤエンの重心を持ってくるとイカとイカ掛け針の距離が大きくなり、イカが掛かりにくくなる。構造を複雑にせずにこの二つの問題を解決する方法を提供せねばならない課題がある。
【解決手段】 本発明のヤエン101は、主軸2を遊挿されている錘9が移動する構造とした。海中投下時には一端側3を下げるので重心位置が一端側3に寄ることになり、イカ掛け針6がハリスに絡まなくなる。また、イカを掛ける際にはハリスを緩めると他端側5が下がるので錘9が移動して重心位置が他端側5に寄り、イカ掛け針6がイカに近づきやすくなりイカが掛かりやすくなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イカを釣るためのヤエンであって、ヤエンの主軸の一端側に固定された複数のイカ掛け針と、前記ヤエンをハリスに吊り下げる為のガイドとして前記主軸の中央付近に固定された第一ガイド及び前記主軸の他端側に固定された第二ガイドと、前記第一ガイドと前記第二ガイドの間に前記主軸を遊挿されている錘と、前記錘の移動できる範囲を調整する為のストッパーとして前記第一ガイドと前記錘との間の前記主軸に第一ストッパーと、を備え、海中投入時には前記ヤエンの重心位置を前記一端側寄りに移動し、イカを掛ける時には前記他端側に移動することが出来る構造であることを特徴とするヤエン。
【請求項2】
前記錘が移動する範囲の前記主軸の前記第一ストッパー近傍は、前記錘の移動がよりスムーズに行えるように前記一端側の前記主軸に対し-5~-35度傾いていることを特徴とする請求項1のヤエン。
【請求項3】
前記錘が移動する範囲の前記主軸の前記他端側は、移動した前記錘が前記第一ストッパー側へ逆戻りしない為の凹んだ屈曲部を有すること特徴とする請求項1乃至請求項2のヤエン。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
イカを釣る釣り具であるヤエンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
生き餌の魚を泳がせてイカが抱きついた後に、ヤエンをハリスに装着して海中に投下するが、ヤエンがハリスに絡むことなくイカまで到達する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-019676
【特許文献2】特開2012-110314
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヤエンをハリスに装着し海中に投下させる際、ヤエン構造に関わらずその着水の瞬間にイカ掛け針側が跳ね上がりハリスに絡んでしまい、ヤエンがイカまで到達しないことがある。また、その着水時の跳ね上がりを抑えるためにイカ掛け針側にヤエンの重心を持ってくるとイカとイカ掛け針の距離が大きくなり、イカが掛かりにくくなる。構造を複雑にせずにこの二つの問題を解決する方法を提供せねばならない課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、イカを釣るためのヤエンであって、ヤエンの主軸の一端側に固定された複数のイカ掛け針と、前記ヤエンをハリスに吊り下げる為のガイドとして前記主軸の中央付近に固定された第一ガイド及び前記主軸の他端側に固定された第二ガイドと、前記第一ガイドと前記第二ガイドの間に前記主軸を遊挿されている錘と、前記錘の移動できる範囲を調整する為のストッパーとして前記第一ガイドと前記錘との間の前記主軸に第一ストッパーと、を備え、海中投入時には前記ヤエンの重心位置を前記一端側寄りに移動し、イカを掛ける時には前記他端側に移動することが出来る構造であることを特徴とするヤエンである。
【0006】
本発明は、前記錘が移動する範囲の前記主軸の前記第一ストッパー近傍は、前記錘の移動がよりスムーズに行えるように前記一端側の前記主軸に対し-5~-35度傾いていることを特徴とする請求項1のヤエンである。
【0007】
本発明は、前記錘が移動する範囲の前記主軸の前記他端側は、移動した前記錘が前記第一ストッパー側へ逆戻りしない為の凹んだ屈曲部を有すること特徴とする請求項1乃至請求項2のヤエンである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、イカを釣るためのヤエンであって、ヤエンの主軸の一端側に固定された複数のイカ掛け針と、前記ヤエンをハリスに吊り下げる為のガイドとして前記主軸の中央付近に固定された第一ガイド及び前記主軸の他端側に固定された第二ガイドと、前記第一ガイドと前記第二ガイドの間に前記主軸を遊挿されている錘と、前記錘の移動できる範囲を調整する為のストッパーとして前記第一ガイドと前記錘との間の前記主軸に第一ストッパーと、を備え、海中投入時には前記ヤエンの重心位置を前記一端側寄りに移動し、イカを掛ける時には前記他端側に移動することが出来る構造であることを特徴とするヤエンなので、ヤエンをハリスに装着し海中に投下させる際には一端側が下がっている状態なので錘が一端側に寄っていることで重心位置も一端側寄りとなる。よって、ヤエンの着水の瞬間にイカ掛け針側が跳ね上がりにくくなりハリスに絡まなくなることでヤエンがイカまで安定して到達する。また、イカを掛ける際にはハリスを緩めると他端側が下がるので錘が移動して重心位置が他端側に寄り、一端側がイカに近づきやすくなりイカが掛かりやすくなる。
【0009】
本発明は、前記錘が移動する範囲の前記主軸の前記第一ストッパー近傍は、前記錘の移動がよりスムーズに行えるように前記一端側の前記主軸に対し-5~-35度傾いていることを特徴とする請求項1のヤエンなので、ヤエンが水平状態でも錘が移動する主軸はマイナス角度を維持しており錘の移動がスムーズなのでヤエンの重心位置調整幅が大きくなる。よって、ヤエンをハリスに装着し海中に投下させる際には重心位置をさらに一端側に寄せることが出来るのでヤエンがイカまで、より安定して到達する。
【0010】
本発明は、前記錘が移動する範囲の前記主軸の前記他端側は、移動した前記錘が前記第一ストッパー側へ逆戻りしない為の凹んだ屈曲部を有すること特徴とする請求項1乃至請求項2のヤエンなので、錘が屈曲部から再移動しないので重心位置が変わらなくなる。つまり、イカにイカ掛け針を掛けやすい位置がキープ出来ることになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本発明の実施例1を説明する図である。
図2図2は本発明の実施例2を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
下記の実施例をもって発明を実施するための形態を説明する。
【実施例0013】
図1は、本発明の実施例1である。ヤエン101は主軸2の一端側3に固定された複数のイカ掛け針6と、中央付近4に第一ガイド7と他端側5に第二ガイド8が固定されている。主軸2を遊挿されている錘9は第一ストッパー10の位置を調整することで移動範囲が調整できる構造であるので、ヤエン101投下時の重心位置を最適化できる。また、錘9が移動する範囲の主軸2の第一ストッパー10近傍13を一端側3の主軸2より下方へ傾ければ、錘9の移動がスムーズになる。ただし、この角度を大きくし過ぎるとヤエン101投下時から錘9が他端側5に寄ってしまうので-35度まで程度が適切である。また、下方へ傾けるのは第一ストッパー近傍13だけでも良いが錘9の移動範囲全てを傾けても問題ない。このヤエン101では移動範囲全てを傾けている。このヤエン101は海中投下時に一端側3が下がる状態なので錘9は第一ストッパー10へ移動している。つまりヤエン101の重心位置が一端側3に寄ることになり着水時にイカ掛け針6のある一端側3が跳ね上がりにくくなりハリスに絡まなくなることでヤエンがイカまで安定して到達する。また、イカを掛ける際にはハリスを緩めると他端側5が下がるので錘9が移動して重心位置が他端側5に寄り、一端側3がイカに近づきやすくなりイカが掛かりやすくなる。実際の釣りにおいてはハリスの角度や滑りやすさなど多くのパラメータがあるのでヤエンをイカに到着させるにはハリスを張ったり、緩めたりするのでその際に錘が移動していることが多いが、この時水中なので急激なヤエンの姿勢変化は起こらずハリスには絡まない。錘9は錘自体にハリスを遊挿される穴を持つものや、頭部に針金で形成された遊挿される穴を持つナスカンと呼ばれる錘でも良い。実際にはナスカンの方が錘の移動がよりスムーズである。ヤエンがイカへ到着した後に、ヤエン自体がハリス上を逆戻りしない部品(カツイチ:ヤエンストッパー)と合わせて使用するとイカの真下からイカ掛け針をより持ち上げることも可能である。
【実施例0014】
図2は、本発明の実施例2である。ヤエン102は主軸2の他端側5に移動した錘9が第一ストッパー10側へ再移動(逆戻り)しない為の屈曲部11を有している。屈曲部11の形状は主軸2を凹み状の屈曲部とするのがシンプルである。錘9はヤエン102がイカに到着する前に移動するのはヤエン101と同じであるが、屈曲部11に錘9を留めることが出来るのでイカ掛け針を掛けやすい位置にキープ出来ることになる。この実施例2で錘9をナスカンとしているのは、錘9が屈曲部11に入りやすくする為である。
【符号の説明】
【0015】
2 主軸
3 一端側
4 中央付近
5 他端側
6 イカ掛け針
7 第一ガイド
8 第二ガイド
9 錘(図2ではナスカンとしている)
10 第一ストッパー
11 逆戻りしない為の凹んだ屈曲部
12 錘が移動する範囲の主軸の傾き
13 錘が移動する範囲の主軸の第一ストッパー近傍
14 ナスカンのハリス遊挿部
101 実施例1のヤエン
102 実施例2のヤエン
図1
図2