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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157098
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】レーザ検査装置及びレーザ検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/954 20060101AFI20231019BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20231019BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
G01N21/954 A
G02B23/26 B
G01B11/24 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066775
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】320005154
【氏名又は名称】日本製鋼所M&E株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】藤田 聡
【テーマコード(参考)】
2F065
2G051
2H040
【Fターム(参考)】
2F065AA01
2F065AA03
2F065AA04
2F065AA30
2F065AA51
2F065BB08
2F065DD02
2F065FF04
2F065GG04
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065LL12
2F065MM07
2F065MM08
2F065MM11
2F065PP02
2G051AA82
2G051AC17
2G051BA10
2G051BB01
2G051BB11
2G051CA01
2G051CA04
2G051CB01
2H040AA01
2H040CA01
2H040CA02
2H040FA02
(57)【要約】
【課題】検査対象である管状部材の長手方向に平行な二次元レーザ光を照射すること。
【解決手段】一実施形態に係るレーザ検査装置は、管状部材の内部に挿入された際、管状部材の軸方向に沿って延設されると共に、管状部材の軸方向に垂直な二次元レーザ光を出射する二次元レーザ変位センサと、二次元レーザ変位センサから出射された二次元レーザ光を、管状部材の軸方向に進行するように反射させる第1のミラーと、第1のミラーにおいて反射した二次元レーザ光を、同一平面内において、管状部材の径方向外側に向かって進行するように反射させる第2のミラーと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状部材の内部に挿入され、レーザ光を照射して前記管状部材の内周面を検査するレーザ検査装置であって、
前記管状部材の内部に挿入された際、
前記管状部材の軸方向に沿って延設されると共に、前記管状部材の軸方向に垂直な二次元レーザ光を出射する二次元レーザ変位センサと、
前記二次元レーザ変位センサから出射された前記二次元レーザ光を、前記管状部材の軸方向に進行するように反射させる第1のミラーと、
前記第1のミラーにおいて反射した前記二次元レーザ光を、同一平面内において、前記管状部材の径方向外側に向かって進行するように反射させる第2のミラーと、を備える、
レーザ検査装置。
【請求項2】
前記二次元レーザ光は、幅を広げつつ進行するように前記二次元レーザ変位センサから出射される、
請求項1に記載のレーザ検査装置。
【請求項3】
前記管状部材の内周面において前記二次元レーザ光が照射された部位を撮像するカメラをさらに備える、
請求項1又は2に記載のレーザ検査装置。
【請求項4】
前記カメラは、前記第1のミラーと前記第2のミラーとの隙間から撮像するように配置される、
請求項3に記載のレーザ検査装置。
【請求項5】
前記管状部材の内部に挿入された際、
前記管状部材の軸方向の一端側に設けられると共に、当該レーザ検査装置を前記管状部材の周方向に回転させる回転機構をさらに備え、
前記回転機構によって、前記管状部材の周方向に回転しつつ、前記二次元レーザ光を前記管状部材の内周面に照射する、
請求項1に記載のレーザ検査装置。
【請求項6】
前記回転機構は、
車軸が前記管状部材の軸方向に平行であって、前記管状部材の内周面に接触可能に設けられた駆動輪と、
前記駆動輪を駆動する駆動源と、
車軸が前記管状部材の軸方向に平行であって、前記管状部材の軸を介して、前記駆動輪と対向配置された車輪と、を備える、
請求項5に記載のレーザ検査装置。
【請求項7】
前記回転機構は、
前記車輪を前記管状部材の径方向にスライドさせる直動機構をさらに備える、
請求項6に記載のレーザ検査装置。
【請求項8】
前記駆動輪及び前記車輪の少なくとも一方を複数備える、
請求項6又は7に記載のレーザ検査装置。
【請求項9】
(a)レーザ検査装置を管状部材の内部に挿入する工程と、
(b)前記レーザ検査装置からレーザ光を照射して前記管状部材の内周面を検査する工程と、を備えたレーザ検査方法であって、
前記レーザ検査装置は、
前記管状部材の軸方向に沿って延設される二次元レーザ変位センサと、
第1及び第2のミラーと、を備え、
工程(b)において、
前記二次元レーザ変位センサから出射された前記管状部材の軸方向に垂直な二次元レーザ光を、前記第1のミラーによって、前記管状部材の軸方向に進行するように反射させ、
前記第1のミラーで反射した前記二次元レーザ光を、前記第2のミラーによって、同一平面内において、前記管状部材の径方向外側に向かって進行するように反射させる、
レーザ検査方法。
【請求項10】
前記二次元レーザ光は、幅を広げつつ進行するように前記二次元レーザ変位センサから出射される、
請求項9に記載のレーザ検査方法。
【請求項11】
工程(b)において、前記レーザ検査装置は、
前記管状部材の内周面において前記二次元レーザ光が照射された部位を撮像するカメラをさらに備える、
請求項9又は10に記載のレーザ検査方法。
【請求項12】
前記カメラは、前記第1のミラーと前記第2のミラーとの隙間から撮像するように配置される、
請求項11に記載のレーザ検査方法。
【請求項13】
工程(b)において、前記レーザ検査装置は、
前記管状部材の軸方向の一端側に設けられると共に、当該レーザ検査装置を前記管状部材の周方向に回転させる回転機構をさらに備え、
前記回転機構によって、前記管状部材の周方向に回転しつつ、前記二次元レーザ光を前記管状部材の内周面に照射する、
請求項9に記載のレーザ検査方法。
【請求項14】
前記回転機構は、
車軸が前記管状部材の軸方向に平行であって、前記管状部材の内周面に接触可能に設けられた駆動輪と、
前記駆動輪を駆動する駆動源と、
車軸が前記管状部材の軸方向に平行であって、前記管状部材の軸を介して、前記駆動輪と対向配置された車輪と、を備える、
請求項13に記載のレーザ検査方法。
【請求項15】
前記回転機構は、
前記車輪を前記管状部材の径方向にスライドさせる直動機構をさらに備える、
請求項14に記載のレーザ検査方法。
【請求項16】
前記駆動輪及び前記車輪の少なくとも一方を複数備える、
請求項14又は15に記載のレーザ検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はレーザ検査装置及びレーザ検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、例えばボイラ等の管状部材の肉厚測定や内部探傷等の検査に超音波検査装置が用いられる。特許文献1では、管状部材の内部に超音波検査装置を挿入し、超音波検査装置から管状部材に超音波を照射して管状部材を検査する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-004603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者は、超音波に代えて面状の二次元レーザ光を管状部材の内周面に照射して、当該内周面を検査する二次元レーザ変位センサが搭載されたレーザ検査装置を開発している。
このようなレーザ検査装置では、検査対象である管状部材の長手方向に平行な二次元レーザ光を照射したい。
【0005】
しかしながら、当該管状部材の内部に挿入されるレーザ検査装置において、管状部材の長手方向に平行な二次元レーザ光を出射するように二次元レーザ変位センサを配置するのは難しかった。すなわち、検査対象である管状部材の長手方向に平行な二次元レーザ光を照射するのが難しいという問題があった。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るレーザ検査装置は、
管状部材の内部に挿入された際、
管状部材の軸方向に沿って延設されると共に、管状部材の軸方向に垂直な二次元レーザ光を出射する二次元レーザ変位センサと、
二次元レーザ変位センサから出射された二次元レーザ光を、管状部材の軸方向に進行するように反射させる第1のミラーと、
第1のミラーにおいて反射した二次元レーザ光を、同一平面内において、管状部材の径方向外側に向かって進行するように反射させる第2のミラーと、を備える。
【0007】
一実施形態に係るレーザ検査方法は、
二次元レーザ変位センサから出射された管状部材の軸方向に垂直な二次元レーザ光を、第1のミラーによって、前記管状部材の軸方向に進行するように反射させ、
前記第1のミラーで反射した前記二次元レーザ光を、第2のミラーによって、同一平面内において、前記管状部材の径方向外側に向かって進行するように反射させる。
【発明の効果】
【0008】
前記一実施形態によれば、検査対象である管状部材の長手方向に平行な二次元レーザ光を照射可能なレーザ検査装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係るレーザ検査装置を用いて管状部材の内部を検査する様子を模式的に示す側面図である。
図2】第1の実施形態に係るレーザ検査装置を模式的に示す斜視図である。
図3】第1の実施形態に係るレーザ検査装置を模式的に示す正面図である。
図4】第1の実施形態に係るレーザ検査装置を模式的に示す側面図である。
図5】第1の実施形態に係るレーザ検査装置を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。
【0011】
(第1の実施形態)
図1図5を参照して、第1の実施形態に係るレーザ検査装置の構成の一例について説明する。図1は、第1の実施形態に係るレーザ検査装置を用いて管状部材の内部を検査する様子を模式的に示す側面図である。図2は、第1の実施形態に係るレーザ検査装置を模式的に示す斜視図である。図3は、第1の実施形態に係るレーザ検査装置を模式的に示す正面図である。図4は、第1の実施形態に係るレーザ検査装置を模式的に示す側面図である。図5は、第1の実施形態に係るレーザ検査装置を模式的に示す側面図である。
【0012】
なお、図1及びその他の図面に示した右手系xyz直交座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、z軸正方向が鉛直上向き、xy平面が水平面であり、図面間で共通である。
【0013】
<レーザ検査装置を用いた検査の概要>
まず、図1を参照して、本実施形態に係るレーザ検査装置10を用いた検査の概要について説明する。図1には、本実施形態に係るレーザ検査装置10を用いて管状部材の内部を検査する様子が模式的に示されており、検査対象である管状部材の断面図が示されている。図1に示す管状部材は、本体である管状のボディと、ボディの内部に連通する交差孔とを有している。なお、交差孔は必須ではない。図1に示す管状部材は、特に限定されないが、例えば低密度ポリエチレン製造用の反応容器である。
【0014】
図1に示すように、レーザ検査装置10は、管状部材のボディの内部に挿入される。レーザ検査装置10からボディの内周面に面状の二次元レーザ光LBを照射し、ボディの内周面や交差孔の端部の形状等を検査する。そのため、レーザ検査装置10によって、例えば管状部材のボディの内周面や交差孔の端部に形成された表面傷を検出できる。
【0015】
詳細には後述するように、図1において、レーザ検査装置10は、管状部材の内周面に沿って回転しつつ、ボディの内周面に二次元レーザ光LBを照射できる。また、レーザ検査装置10は、例えば図示しないクレーン等によって吊り上げられており、上下方向(z軸方向)に移動できる。このような構成によって、レーザ検査装置10を用いて管状部材のボディの内周面全体を検査できる。
【0016】
なお、図1において、レーザ検査装置10を上下逆にして、管状部材のボディの内部に挿入してもよい。
以下では、図1に示す「管状部材のボディの内周面」を単に「管状部材の内周面」を呼び、「管状部材のボディの軸方向」を単に「管状部材の軸方向」等と呼ぶ。
【0017】
<レーザ検査装置の構成>
次に、図1図5を参照して、本実施形態に係るレーザ検査装置10の構成について説明する。図1図5に示すように、本実施形態に係るレーザ検査装置10は、本体部11、上部回転機構12、及び下部回転機構13を備える。
【0018】
<本体部11の構成>
まず、本体部11について説明する。
図2図5に示すように、本体部11は、天板TP1、底板BP1、二次元レーザ変位センサLDS、センサホルダSH、ミラーM1、M2、ミラー支持部材MS1、MS2、カメラCM、及びカメラホルダCHを備えている。
【0019】
二次元レーザ変位センサLDSは、例えば図1図3に示すように、管状部材の内部に挿入された際、管状部材の軸方向(z軸方向)に沿って延設される。
また、図3に示すように、二次元レーザ変位センサLDSは、上部にレーザ出射部LEを備え、下部に受光部LRを備えている。二次元レーザ変位センサLDSのレーザ出射部LEから、管状部材の軸方向(z軸方向)に垂直な二次元レーザ光LBが、管状部材の径方向内側(y軸負方向)に出射される。二次元レーザ変位センサLDSから出射された二次元レーザ光LBは、x軸方向に幅を広げつつ、y軸負方向に進行するxy平面に平行な面状光である。
【0020】
例えば図2に示すように、二次元レーザ光LBは、幅を広げつつ進行するように二次元レーザ変位センサLDSから出射され、ミラーM1、M2をこの順に反射して、図1に示す管状部材の内周面に照射される。ミラーM1、M2を介して二次元レーザ光LBを照射することによって、光路長が大きくなるため、管状部材の内周面に照射する二次元レーザ光LBの幅を広げられる。
【0021】
他方、管状部材の内周面において反射したレーザ光は図示されていないが、ミラーM2、M1をこの順に反射して、図3に示す二次元レーザ変位センサLDSの受光部LRによって受光される。
また、図5に示すように、二次元レーザ変位センサLDSには、信号を送受信するためのセンサケーブルC1が接続されている。
【0022】
二次元レーザ変位センサLDSは、管状部材の内部に挿入された際、管状部材の軸方向(z軸方向)に沿って延設されると共に、管状部材の軸方向(z軸方向)に垂直な二次元レーザ光LBを出射すれば、どのように配置されてもよい。
本実施形態では、例えば図3図5に示すように、二次元レーザ変位センサLDSは、センサホルダSHに支持されている。そして、センサホルダSHは、天板TP1の下面(下側の主面)に固定されている。すなわち、二次元レーザ変位センサLDSは、センサホルダSHを介して、天板TP1に固定されている。
【0023】
ここで、天板TP1は、例えば円板状の部材である。天板TP1は、管状部材の内部に挿入された際、主面が管状部材の軸方向(z軸方向)に垂直になるように配置される。すなわち、二次元レーザ変位センサLDSからy軸負方向に出射された二次元レーザ光LBは、天板TP1の主面に平行である。
【0024】
ミラー(第1のミラー)M1は、例えば図2図3に示すように、二次元レーザ変位センサLDSから出射された二次元レーザ光LBを、管状部材の軸方向(z軸方向)に進行するように反射させる。すなわち、図3に示すように、y軸負方向に進行する二次元レーザ光LBは、x軸方向から見て、ミラーM1に入射角45°で入射し、反射角45°で反射する。図2に示すように、ミラーM1で反射した二次元レーザ光LBは、x軸方向に幅を広げつつ、z軸負方向に進行するxz平面に平行な面状光である。
【0025】
例えば図2図3に示すように、ミラーM1は、ミラー支持部材MS1に支持されている。そして、ミラー支持部材MS1は、天板TP1の下面(下側の主面)に固定されている。すなわち、ミラーM1は、ミラー支持部材MS1を介して、天板TP1の下面に固定されている。ミラーM1の鏡面は、xy平面に平行な天板TP1の主面に対して45°傾斜すると共に、x軸と平行である。
ミラーM1としては、例えば、平面度に優れ、ゴーストが発生し難いアルミニウム表面鏡を使用できる。
【0026】
ミラー(第2のミラー)M2は、例えば図2図5に示すように、ミラーM1において反射した二次元レーザ光LBを、同一平面(xz平面)内において、管状部材の径方向外側に向かって進行するように反射させる。そのため、図3に示すように、x軸方向から見ると、ミラーM1で反射した二次元レーザ光LBと、ミラーM2で反射した二次元レーザ光LBとは、いずれもz軸方向に延びた直線に見える。
【0027】
ミラーM1で反射してz軸負方向に進行する二次元レーザ光LBは、図4図5に示すように、y軸方向から見て、ミラーM2に入射角45°で入射し、反射角45°で反射する。ミラーM2で反射した二次元レーザ光LBは、z軸方向に幅を広げつつ、x軸正方向に進行するxz平面に平行な面状光である。そのため、検査対象である管状部材の長手方向(z軸方向)に平行な二次元レーザ光を管状部材の内周面に照射できる。
ミラーM2としては、ミラーM1と同様に、平面度に優れ、ゴーストが発生し難いアルミニウム表面鏡を使用できる。
【0028】
例えば図2図4に示すように、ミラーM2は、ミラー支持部材MS2に支持されている。そして、ミラー支持部材MS2は、底板BP1の上面(上側の主面)に固定されている。すなわち、ミラーM2は、ミラー支持部材MS2を介して、底板BP1に固定されている。ミラーM2の鏡面は、xy平面に平行な底板BP1の主面に対して45°傾斜すると共に、y軸と平行である。
【0029】
ここで、底板BP1は、天板TP1と同様の円板状の部材であって、天板TP1と平行に設けられている。天板TP1と底板BP1とは、例えば管状部材の軸方向(z軸方向)に沿って延設された図示しない支柱によって、互いに固定されている。天板TP1と底板BP1とは、二次元レーザ変位センサLDS及びミラーM1、M2を支持して収容する筐体を構成している。
【0030】
カメラCMは、管状部材の内周面において二次元レーザ光LBが照射された部位を撮像する。カメラCMは、例えば図2図4に示すように、ミラーM1とミラーM2との隙間から撮像するように配置されている。カメラCMを設けることによって、二次元レーザ変位センサLDSによるレーザ検査に加え、二次元レーザ光LBが照射された部位の状況を、カメラCMの画像を用いて確認できる。なお、カメラCMは、必須ではない。
【0031】
本実施形態では、例えば図4図5に示すように、カメラCMは、カメラホルダCHに支持されている。そして、カメラホルダCHは、ミラーM1、M2よりもx軸負方向側において、天板TP1の下面(下側の主面)に固定されている。すなわち、カメラCMは、カメラホルダCHを介して、天板TP1に固定されている。
また、図4図5に示すように、カメラCMには、信号を送受信するためのカメラケーブルC2が接続されている。
【0032】
以上に説明したように、本実施形態に係るレーザ検査装置10は、管状部材の内部に挿入された際、管状部材の軸方向に沿って延設される二次元レーザ変位センサLDSを備える。本実施形態に係るレーザ検査装置10では、二次元レーザ変位センサLDSから出射された管状部材の軸方向に垂直な二次元レーザ光LBを、ミラーM1によって、管状部材の軸方向に進行するように反射させる。そして、ミラーM1で反射した二次元レーザ光LBを、ミラーM2によって、同一平面内において、管状部材の径方向外側に向かって進行するように反射させる。
このような構成によって、検査対象である管状部材の長手方向に平行な二次元レーザ光を管状部材の内周面に照射できる。
【0033】
また、例えば図2に示すように、二次元レーザ変位センサLDSから出射される二次元レーザ光LBは、幅を広げつつ進行する。そのため、ミラーM1、M2を介して、二次元レーザ光LBを管状部材に照射することによって、光路長が大きくなる。その結果、管状部材の内周面に照射する二次元レーザ光LBの幅(すなわち検査領域)を広げられる。
【0034】
<上部回転機構12の構成>
次に、上部回転機構12について説明する。
上部回転機構12は、管状部材の内部に挿入された際、本体部11の上端側に設けられていると共に、レーザ検査装置10を管状部材の周方向に回転させる。
上部回転機構12によって、レーザ検査装置10は、管状部材の周方向に回転しつつ、二次元レーザ光LBを管状部材の内周面に照射できる。
【0035】
図2図5に示すように、上部回転機構12は、天板TP2、底板BP2、支柱SC、上部車輪UW11、UW12、UW21、UW22、車輪ホルダWH11、WH12、モータMT、モータギアMG、伝達ギアTG1、TG2、車軸ギアWG1、WG2、オムニホイールOW1、OW2、及び直動機構LM1を備えている。
【0036】
上部車輪UW11、UW12は、管状部材の内部に挿入された際、管状部材の内周面に接触可能に設けられた駆動輪である。上部車輪UW11、UW12の車軸は、管状部材の軸方向(z軸方向)に平行であって、車軸の両端は、車輪ホルダWH11に回転可能に支持されている。図示されていないが、車輪ホルダWH11は、天板TP2に固定されている。すなわち、上部車輪UW11、UW12は、車輪ホルダWH11を介して、天板TP2に固定されている。
【0037】
ここで、天板TP2は、天板TP1と同様に、例えば円板状の部材である。天板TP2は、管状部材の内部に挿入された際、主面が管状部材の軸方向(z軸方向)に垂直になるように配置される。
また、天板TP2の周縁部には、任意の方向に移動可能なオムニホイールOW1、OW2が設けられている。より詳細には、天板TP2のy軸方向両端部に、オムニホイールOW1、OW2が設けられている。
【0038】
他方、底板BP2は、角板状の部材であって、天板TP2と平行に設けられている。底板BP2は、本体部11の天板TP1上に固定されている。また、天板TP2と底板BP2とは、管状部材の軸方向(z軸方向)に沿って延設された4本の支柱SCによって、互いに固定されている。当然のことながら、支柱SCの本数は適宜決定される。
【0039】
上部車輪UW11、UW12は、モータMTによって駆動される。すなわち、モータMTは、上部車輪UW11、UW12を駆動する駆動源である。
例えば、図4図5に示すように、モータMTは、管状部材の内部に挿入された際、管状部材の径方向に延設される。そして、モータMTの回転軸には、モータギアMGが固定されており、モータMTの回転軸の回転に伴ってモータギアMGが回転する。
【0040】
図2図3に示すように、モータギアMGは、伝達ギアTG1と噛合すると共に、伝達ギアTG1の回転軸には、伝達ギアTG2が固定されている。そして、伝達ギアTG2は、車軸ギアWG1、WG2と噛合している。
そのため、伝達ギアTG1、TG2を介して、モータギアMGの回転が、車軸ギアWG1、WG2に伝達する。ここで、車軸ギアWG1は、上部車輪UW11の車軸の上端に固定されている。同様に、車軸ギアWG2は、上部車輪UW12の車軸の上端に固定されている。
【0041】
このように、モータMTの回転軸に固定されたモータギアMGの回転が、伝達ギアTG1、TG2を介して、上部車輪UW11、UW12の車軸に固定された車軸ギアWG1、WG2に伝達される。このような構成によって、モータMTによって上部車輪UW11、UW12が回転駆動される。
【0042】
上部車輪UW21、UW22は、管状部材の内部に挿入された際、管状部材の径方向(x軸方向)にスライド可能に設けられた非駆動輪である。上部車輪UW21、UW22の車軸は、管状部材の軸方向(z軸方向)に平行であって、車軸の両端は、車輪ホルダWH12に回転可能に支持されている。
【0043】
ここで、管状部材の内部に挿入された際、上部車輪UW11、UW12は、管状部材の径方向の一端(x軸正方向側端部)に設けられている。これに対し、上部車輪UW21、UW22は、管状部材の径方向の他端(x軸負方向側端部)に設けられている。すなわち、上部車輪UW21、UW22は、管状部材の軸を介して、上部車輪UW11、UW12と対向配置されている。
【0044】
上部車輪UW21、UW22は、シリンダ等の直動機構LM1によって管状部材の径方向(x軸方向)にスライドできる。例えば、図4図5に示すように、直動機構LM1は、管状部材の内部に挿入された際、管状部材の径方向(x軸方向)に延設されるように、天板TP2に固定されている。そして、直動機構LM1の先端(x軸負方向側端部)には、車輪ホルダWH12が固定されている。
【0045】
レーザ検査装置10が管状部材の周方向に回転する際、上部車輪UW21、UW22は、管状部材の径方向外側(x軸負方向側)に移動し、管状部材の内周面に押し付けられる。その際、上部車輪UW11、UW12も管状部材の内周面に押し付けられる。この状態で、上部車輪UW11、UW12がモータMTによって駆動されると、上部車輪UW11、UW12、UW21、UW22が、管状部材の内周面上を周方向に走行する。その結果、レーザ検査装置10が管状部材の周方向に回転する。
【0046】
他方、レーザ検査装置10が管状部材の軸方向(z軸方向)に移動する際、上部車輪UW21、UW22は、管状部材の内周面に接触しないように、管状部材の径方向内側(x軸正方向側)に移動する。ここで、上部車輪UW21、UW22が、管状部材の内周面に接触しなければ、上部車輪UW11、UW12も管状部材の内周面に接触しない。そのため、レーザ検査装置10が管状部材の軸方向(z軸方向)に移動できる。
【0047】
なお、図示する例では、2つの駆動輪(上部車輪UW11、UW12)が設けられているが、駆動輪は1個でも、3個以上でもよい。駆動輪である上部車輪UW11、UW12も、上部車輪UW21、UW22と同様に、管状部材の径方向(x軸方向)にスライドできてもよい。
また、図示する例では、2つの非駆動輪(上部車輪UW21、UW22)が設けられているが、非駆動輪は1個でも、3個以上でもよい。さらに、上部車輪UW21、UW22が駆動輪でもよい。
【0048】
<下部回転機構13の構成>
次に、下部回転機構13について説明する。
下部回転機構13は、本体部11の下端側に設けられている。
図2図5に示すように、下部回転機構13は、下部車輪LW11、LW12、LW21、LW22、車輪ホルダWH2、及び直動機構LM2を備えている。
【0049】
下部車輪LW11、LW12は、管状部材の内部に挿入された際、管状部材の内周面に接触可能に設けられた非駆動輪である。下部車輪LW11、LW12の車軸は、管状部材の軸方向(z軸方向)に平行であって、車軸の上端は、本体部11の底板BP1に回転可能に支持されている。
【0050】
下部車輪LW21、LW22は、管状部材の内部に挿入された際、管状部材の径方向(x軸方向)にスライド可能に設けられた非駆動輪である。下部車輪LW21、LW22の車軸は、管状部材の軸方向(z軸方向)に平行であって、車軸の両端は、車輪ホルダWH2に回転可能に支持されている。
【0051】
ここで、管状部材の内部に挿入された際、下部車輪LW11、LW12は、管状部材の径方向の一端(x軸正方向側端部)に設けられている。これに対し、下部車輪LW21、LW22は、管状部材の径方向の他端(x軸負方向側端部)に設けられている。すなわち、下部車輪LW21、LW22は、管状部材の軸を介して、下部車輪LW11、LW12と対向配置されている。
【0052】
下部車輪LW21、LW22は、シリンダ等の直動機構LM2によって管状部材の径方向(x軸方向)にスライドできる。例えば、図2図4図5に示すように、直動機構LM2は、管状部材の内部に挿入された際、管状部材の径方向(x軸方向)に延設されるように、本体部11の底板BP1に固定されている。そして、直動機構LM2の先端(x軸負方向側端部)には、車輪ホルダWH2が固定されている。
【0053】
レーザ検査装置10が管状部材の周方向に回転する際、下部車輪LW21、LW22は、管状部材の径方向外側(x軸負方向側)に移動し、管状部材の内周面に押し付けられる。その際、下部車輪LW11、LW12も管状部材の内周面に押し付けられる。この状態で、上部回転機構12における上部車輪UW11、UW12がモータMTによって駆動されると、下部車輪LW11、LW12、LW21、LW22が、管状部材の内周面上を周方向に走行する。その結果、レーザ検査装置10が管状部材の周方向に回転する。
【0054】
他方、レーザ検査装置10が管状部材の軸方向(z軸方向)に移動する際、下部車輪LW21、LW22は、管状部材の内周面に接触しないように、管状部材の径方向内側(x軸正方向側)に移動する。ここで、下部車輪LW21、LW22が、管状部材の内周面に接触しなければ、下部車輪LW11、LW12も管状部材の内周面に接触しない。そのため、レーザ検査装置10が管状部材の軸方向(z軸方向)に移動できる。
【0055】
なお、図示する例では、4個の車輪(下部車輪LW11、LW12、LW21、LW22)が設けられているが、車輪の個数は適宜決定される。
また、下部車輪LW11、LW12又は下部車輪LW21、LW22が、駆動輪でもよい。あるいは、下部車輪LW11、LW12、LW21、LW22の全てが、駆動輪でもよい。
また、下部車輪LW11、LW12も、下部車輪LW21、LW22と同様に、管状部材の径方向(x軸方向)にスライドできてもよい。
【0056】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0057】
10 レーザ検査装置
11 本体部
12 上部回転機構
13 下部回転機構
BP1、BP2 底板
C1 センサケーブル
C2 カメラケーブル
CH カメラホルダ
CM カメラ
LB 二次元レーザ光
LDS 二次元レーザ変位センサ
LE レーザ出射部
LM1、LM2 直動機構
LR 受光部
LW11、LW12、LW21、LW22 下部車輪
M1、M2 ミラー
MG モータギア
MS1、MS2 ミラー支持部材
MT モータ
OW1、OW2 オムニホイール
SC 支柱
SH センサホルダ
TG1、TG2 伝達ギア
TP1、TP2 天板
UW11、UW12、UW21、UW22 上部車輪
WG1、WG2 車軸ギア
WH11、WH12、WH2 車輪ホルダ
図1
図2
図3
図4
図5