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特開2023-157114運転評価装置、運転評価方法及び運転評価用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157114
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】運転評価装置、運転評価方法及び運転評価用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
G08G1/16 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066806
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】橋本 拡昌
(72)【発明者】
【氏名】川田 歩
(72)【発明者】
【氏名】富澤 功
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL20
(57)【要約】
【課題】移動体の急挙動が検出された際の運転者の心理状態に基づいて、当該運転者の運転を評価することが可能な運転評価装置等を提供する。
【解決手段】急な加減速等の車両の挙動を示す車両データ、移動の障害となる障害物を示す周囲状況データ、及び運転者の心理状態を示すバイタルデータを取得するインターフェース1と、取得された車両データ及びバイタルデータに基づいて、急挙動の際の運転者の心理状態の変化を検出する検出部3と、検出された変化が規定の閾値より低く且つ障害物がないことが上記周囲状況データにより示されている場合に、運転者の運転に関する評価を低下させる評価部4と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の予め設定された急挙動基準を超えた急挙動を示す急挙動情報を取得する急挙動情報取得手段と、
前記移動体の移動の障害となる障害物を示す障害物情報を取得する障害物情報取得手段と、
前記移動体の運転者の心理状態を示す状態情報を取得する状態情報取得手段と、
前記取得された急挙動情報及び状態情報に基づいて、前記急挙動の際の前記運転者の心理状態の変化を検出する検出手段と、
前記検出された変化が予め設定された変化閾値より低く且つ前記障害物がないことが前記障害物情報により示されている場合に、前記運転者の運転に関する評価を低下させる評価手段と、
を備えることを特徴とする運転評価装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転評価装置において、
前記状態情報は、前記運転者の生体情報であることを特徴とする運転評価装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の運転評価装置において、
前記状態情報は、前記運転者の顔を撮像した撮像情報又は当該運転者の声を集音した集音情報のいずれか又は両方であることを特徴とする運転評価装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の運転評価装置において、
前記急挙動は、前記運転者の急な方向変換操作による前記移動体の前記急挙動基準を超えた急な方向変換、当該運転者の急加速操作による前記移動体の前記急挙動基準を超えた急加速又は当該運転者の急減速操作による前記移動体の前記急挙動基準を超えた急減速のいずれかであることを特徴とする運転評価装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の運転評価装置において、
前記障害物は、前記急挙動の前において前記移動体から予め設定された距離の範囲内に存在し、且つ当該移動体との相対速度が予め設定された速度閾値を超えて当該移動体に接近する地物であることを特徴とする運転評価装置。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の運転評価装置において、
前記評価手段は、前記検出された変化が前記変化閾値より低く且つ前記障害物がないことが前記障害物情報により示されている場合に行われた前記急挙動に関する前記評価の低下度を、前記場合以外の場合における当該評価の低下度よりも大きくして評価を行うことを特徴とする運転評価装置。
【請求項7】
急挙動情報取得手段と、障害物情報取得手段と、状態情報取得手段と、検出手段と、評価手段と、を備える運転評価装置において実行される運転評価方法であって、
移動体の予め設定された急挙動基準を超えた急挙動を示す急挙動情報を前記急挙動情報取得手段により取得する急挙動情報取得工程と、
前記移動体の移動の障害となる障害物を示す障害物情報を前記障害物情報取得手段により取得する障害物情報取得工程と、
前記移動体の運転者の心理状態を示す状態情報を前記状態情報取得手段により取得する状態情報取得手段と、
前記検出手段により、前記取得された急挙動情報及び状態情報に基づいて、前記急挙動の際の前記運転者の心理状態の変化を検出する検出工程と、
前記検出された変化が予め設定された変化閾値より低く且つ前記障害物がないことが前記障害物情報により示されている場合に、前記評価手段により、前記運転者の運転に関する評価を低下させる評価工程と、
を含むことを特徴とする運転評価方法。
【請求項8】
コンピュータを、
移動体の予め設定された急挙動基準を超えた急挙動を示す急挙動情報を取得する急挙動情報取得手段、
前記移動体の移動の障害となる障害物を示す障害物情報を取得する障害物情報取得手段、
前記移動体の運転者の心理状態を示す状態情報を取得する状態情報取得手段、
前記取得された急挙動情報及び状態情報に基づいて、前記急挙動の際の前記運転者の心理状態の変化を検出する検出手段、及び、
前記検出された変化が予め設定された変化閾値より低く且つ前記障害物がないことが前記障害物情報により示されている場合に、前記運転者の運転に関する評価を低下させる評価手段、
として機能させることを特徴とする運転評価用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、運転評価装置、運転評価方法及び運転評価用プログラムの技術分野に属する。より詳細には、例えば車両等の移動体を運転する運転者の当該運転に関する評価を行う運転評価装置及び運転評価方法並びに当該運転評価装置用のプログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の安全運転の啓蒙活動の一つとして、運転者が気付いていない危険因子等をその運転者に認知させる目的で、当該運転者の運転を客観的に評価し、その評価結果を当該運転者に提示することが行われている。このための先行技術を示す文献としては、例えば下記特許文献1が挙げられる。
【0003】
この特許文献1に開示されている先行技術では、車両の前方を撮影する車載カメラで撮影された車外の周辺の状況に基く危険度と、当該車載カメラを搭載する車両の運転者の心拍数に基いた緊張度との相関が取れている場合に、その運転者が周辺状況を適切に認知できていると評価する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-180394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、車両の前方を撮影する車載カメラで撮影可能な周辺状況の中に危険要因となる障害物が映っていれば、当該危険要因に対する運転者の認知の有無等を評価することができるが、車載カメラの撮影範囲に入っていない(すなわち、その運転者が視認することもできない)障害物に対応した危険要因に対する認知の有無等を評価することができないという問題点があった。
【0006】
そこで本願は、上記の問題点に鑑みて為されたものであり、本発明の一態様が解決しようとする課題としては、運転者が視認することができない障害物に対する運転者の危険予測を含めて、運転者の運転を評価することが可能な運転評価装置及び運転評価方法並びに当該運転評価装置用のプログラムを提供することが一例として挙げられる。また、本発明の他の一態様が解決しようとする課題としては、移動体の急挙動が検出された際の運転者の心理状態に基づいて、当該運転者の運転を評価することが可能な運転評価装置及び運転評価方法並びに当該運転評価装置用のプログラムを提供することが一例として挙げられる。なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではなく、本発明の一態様は、上述する課題のうち少なくとも一つの課題を解決するものである。なお、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体の予め設定された急挙動基準を超えた急挙動を示す急挙動情報を取得する急挙動情報取得手段と、前記移動体の移動の障害となる障害物を示す障害物情報を取得する障害物情報取得手段と、前記移動体の運転者の心理状態を示す状態情報を取得する状態情報取得手段と、前記取得された急挙動情報及び状態情報に基づいて、前記急挙動の際の前記運転者の心理状態の変化を検出する検出手段と、前記検出された変化が予め設定された変化閾値より低く且つ前記障害物がないことが前記障害物情報により示されている場合に、前記運転者の運転に関する評価を低下させる評価手段と、を備える。
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、急挙動情報取得手段と、障害物情報取得手段と、状態情報取得手段と、検出手段と、評価手段と、を備える運転評価装置において実行される運転評価方法であって、移動体の予め設定された急挙動基準を超えた急挙動を示す急挙動情報を前記急挙動情報取得手段により取得する急挙動情報取得工程と、前記移動体の移動の障害となる障害物を示す障害物情報を前記障害物情報取得手段により取得する障害物情報取得工程と、前記移動体の運転者の心理状態を示す状態情報を前記状態情報取得手段により取得する状態情報取得手段と、前記検出手段により、前記取得された急挙動情報及び状態情報に基づいて、前記急挙動の際の前記運転者の心理状態の変化を検出する検出工程と、前記検出された変化が予め設定された変化閾値より低く且つ前記障害物がないことが前記障害物情報により示されている場合に、前記評価手段により、前記運転者の運転に関する評価を低下させる評価工程と、を含む。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、コンピュータを、移動体の予め設定された急挙動基準を超えた急挙動を示す急挙動情報を取得する急挙動情報取得手段、前記移動体の移動の障害となる障害物を示す障害物情報を取得する障害物情報取得手段、前記移動体の運転者の心理状態を示す状態情報を取得する状態情報取得手段、前記取得された急挙動情報及び状態情報に基づいて、前記急挙動の際の前記運転者の心理状態の変化を検出する検出手段、及び、前記検出された変化が予め設定された変化閾値より低く且つ前記障害物がないことが前記障害物情報により示されている場合に、前記運転者の運転に関する評価を低下させる評価手段、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の運転評価装置の概要構成を示すブロック図である。
図2】第1実施例の運転評価システムの概要構成を示すブロック図である。
図3】第1実施例の運転評価システムを構成する端末装置等の概要構成を示すブロック図であり、(a)は当該端末装置の概要構成を示すブロック図であり、(b)は第1実施例の運転評価システムを構成するサーバ装置の概要構成を示すブロック図であり、(c)は第1実施例の評価データの一例を示す図である。
図4】第1実施例の運転評価処理を示すフローチャートである。
図5】第2実施例の運転評価システムを構成するサーバ装置の概要構成を示すブロック図等であり、(a)は当該ブロック図であり、(b)は第2実施例の評価データの一例を示す図である。
図6】第2実施例の運転評価処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本願を実施するための形態について、図1を用いて説明する。なお図1は、実施形態の運転評価装置の概要構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、実施形態の運転評価装置Sは、急挙動情報取得手段1と、状態情報取得手段2と、検出手段3と、評価手段4と、障害物情報取得手段5と、を備えて構成されている。
【0013】
この構成において急挙動情報取得手段1は、車両等の移動体の予め設定された急挙動基準を超えた急挙動を示す急挙動情報を取得する。このとき当該急挙動とは、例えば、急な方向変換、急加速又は急減速のいずれかである。
【0014】
一方障害物情報取得手段5は、前記移動体の移動の障害となる障害物を示す障害物情報を取得する。このとき当該障害物とは、例えば、上記急挙動の前において上記移動体から予め設定された距離の範囲内に存在し、且つ当該移動体との相対速度が予め設定された速度閾値を超えて当該移動体に接近する地物等である。
【0015】
他方状態情報取得手段2は、上記移動体の運転者の心理状態を示す状態情報を取得する。このとき当該心理状態を示す状態情報とは、いわゆるバイタルデータと称される生体情報であり、具体的には、例えば当該運転者の心拍を示す心拍数データ、当該運転者の血圧を示す血圧データ、当該運転者が汗をかいているか否かを示すデータ等である。なお、当該状態情報として、上記の心拍数データ等の他に、移動体に搭載されているカメラで当該運転者の顔(例えば驚きの表情等)を撮像して得られた画像データや、移動体に搭載されているマイクで当該運転者の発声(例えば驚いた声等)を集音して得られた音声データが含まれていてもよい。
【0016】
そして検出手段3は、急挙動情報取得手段1により取得された急挙動情報及び状態情報取得手段2により取得された状態情報に基づいて、移動体の急挙動の際の運転者の心理状態を検出する。この場合の心理状態とは、例えば心拍数が上昇するような驚いた心理状態等を言う。
【0017】
これらにより評価手段4は、検出手段3により検出された変化が予め設定された変化閾値より低く且つ上記障害物がないことが上記障害物情報により示されている場合に、上記運転者の運転に関する評価を低下させる。このとき、運転に関する当該評価の項目としては、例えば、(i)エコ運転度、(ii)安全運転度、(iii)危険予測度及び(iv)総合評価等の項目が挙げられる。
【0018】
ここで、上記エコ運転度とは、急な加減速をせずに定速運転を続けていることを評価する項目である。また上記安全運転度とは、運転に関する法令を遵守しつつ不要な速度変更や不要な車線変更、又は蛇行を行わないことを評価する項目である。更に上記危険予測度とは、運転における隠れた(すなわち運転者が視認できない)危険を予測できていることを評価する項目である。最後に上記総合評価とは、上記エコ運転度、上記安全運転度及び上記危険予測度を纏めてその運転者の運転を総合的に評価する項目である。
【0019】
以上説明したように、実施形態の運転評価装置Sの動作によれば、障害物がない時の急挙動の際の運転者の心理状態の変化が低い場合に運転に関する評価を低下させるので、冷静に行われた不要な急挙動をいわゆるあおり運転と見做して運転の評価を的確に低下させることができる。
【実施例0020】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図面に基づいて説明する。なお以下に説明する各実施例は、移動体の一例としての車両の運転者の運転に関する評価を当該運転者に対して提示する運転評価システムに対して実施形態を適用した場合の実施例である。
【0021】
(A)第1実施例
はじめに、実施形態に対応する第1実施例について、図2乃至図4を用いて説明する。なお、図2は第1実施例の運転評価システムの概要構成を示すブロック図であり、図3は第1実施例の運転評価システムを構成する端末装置の概要構成を示すブロック図等であり、図4は第1実施例の運転評価システムを構成するサーバ装置の概要構成を示すブロック図等であり、図5は第1実施例の運転評価処理を示すフローチャートである。このとき図2及び図3では、図1に示した実施形態の運転評価装置Sにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該運転評価装置Sにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
【0022】
(I)第1実施例の運転評価システムの全体構成について
初めに、第1実施例の運転評価システムの全体構成について、図2を用いて説明する。
【0023】
図2に示すように、第1実施例の運転評価システムSSは、それぞれが車両M1乃至車両Mn(nは自然数。以下、同様。)と共に移動する端末装置T1乃至Tnと、例えば固定設置されているサーバ装置SVと、端末装置T1乃至端末装置Tnとサーバ装置SVとをデータの授受が可能に接続するインターネット等のネットワークNWと、により構成されている。このとき、端末装置T1乃至端末装置Tnは、それぞれ、対応する車両M1乃至車両Mnに搭載された例えばナビゲーション装置、又は当該車両M1乃至車両Mnの運転者が携帯する例えばスマートフォン等として実現されるものである。なお以下の説明において、車両M1乃至車両Mnについて共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「車両M」と称する。また同様に、端末装置T1乃至端末装置Tnについて共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「端末装置T」と称する。
【0024】
以上の構成により運転評価システムSSのサーバ装置SVは、各端末装置Tが搭載されている車両Mの運転者の心理状態を示す心拍数データ等をその運転者のバイタルデータとして含むと共に、当該車両Mにおける方向変換又は加減速の状態を示す加速度データや当該車両Mの周囲の状況を示す周囲データ等をその車両Mの車両データとして含む端末装置データを、当該各端末装置Tからそれぞれ取得する。その後サーバ装置SVは、当該取得した端末装置データに基づき、各車両Mそれぞれの運転者の運転に関する評価を示す評価データを生成する。その後サーバ装置SVは、当該生成した評価データを、当該運転者が運転する各車両Mの端末装置Tに対してそれぞれ個別に提供し、当該各端末装置Tを介して当該運転者に提示させる。
(II)第1実施例の端末装置の細部構成及び動作について
次に、第1実施例の運転評価システムSSを構成する上記各端末装置Tの細部構成及び動作について、図3(a)を用いて説明する。
【0025】
図3(a)に示すように、第1実施例の各端末装置Tは、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなる処理部20と、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等からなる不揮発性の記録部21と、操作ボタン又はリモコン等からなる操作部22と、バイタルセンサ23と、車両センサ24と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ25と、スピーカ26と、インターフェース27と、車外センサ28と、により構成されている。
【0026】
このとき、バイタルセンサ23は、例えば、端末装置Tが搭載されている車両Mのハンドルに備えられ、当該車両の運転者がそのハンドルを握った時にその運転者の心拍を検出して上記バイタルデータとしての心拍数データを出力する心拍センサにより構成されている。なお、バイタルセンサ23は、車両Mの座席やシートベルトに備えられるものであってもよいし、或いは、運転者が装着するウェアラブルデバイスの形態を有するものであってもよい。一方車両センサ24は、上記運転者の顔を撮像して得られた画像データを出力する車内カメラ、当該運転者が発する声を集音して得られた音声データを出力するマイク、上記ハンドルの操作量及びその操作方向をそれぞれ示すハンドルデータを出力するハンドル操作センサや角速度センサ、車両Mに生じる加速度の大きさ及び方向を検出して加速度データとして出力する加速度センサ等を含んで構成されている。他方車外センサ28は、端末装置Tが搭載されている車両Mの周囲状況を検出して周囲状況データを出力するセンサであり、具体的には、当該周囲に存在する人や地物等を検出する超音波センサ又はLiDAR(Light (Laser Imaging) Detection and Ranging)センサ等を含んで構成されている。なお車外センサ28として、車両Mの周囲を撮像範囲とする車外カメラが含まれていてもよい。また、上記心拍数データ、上記画像データ及び上記音声データの少なくともいずれかを含んで上記バイタルデータが構成され、更に上記ハンドルデータ、上記加速度データ及び上記周囲状況データの少なくともいずれかを含んで上記車両データが構成される。
【0027】
以上の構成において、インターフェース27は、処理部20の制御の下、当該処理部20とサーバ装置SVとの間のネットワークNWを介したデータの授受を制御する。次に、バイタルセンサ23、車両センサ24及び車外センサ28は、予め設定されたタイミングにおいて又は常時、上記心拍数データ、画像データ等及び周囲状況データを生成して処理部20に出力する。
【0028】
そして処理部20は、第1実施例の運転評価処理において端末装置Tが担うべき処理として、上記バイタルデータ及び上記車両データを含む上記端末装置データTD(図4及びその関連説明参照)を、処理部20が備えられている端末装置Tを他の端末装置Tから識別するための端末識別データを含む予め設定されたデータフォーマットを用いて、インターフェース27及びネットワークNWを介してサーバ装置SVに出力する。なお、当該端末装置データTDのサーバ装置SVへの送信は、例えば予め設定された送信間隔ごとに実行されることが好ましい。
【0029】
他方処理部20は、上記送信された端末装置データTDに対応する第1実施例の評価データSC(図3(c)及び図4並びにそれらの関連説明参照)が、ネットワークNW及びインターフェース27を介してサーバ装置SVから送信されてくると、当該評価データSCに相当する運転評価(すなわち、上記端末装置データTDに基づいてサーバ装置SVから送信された、当該車両Mの運転者の運転に関する評価)のデータを、ディスプレイ25又はスピーカ26に出力する。これによりディスプレイ25及びスピーカ26は、それぞれ、処理部20の制御の下、当該運転評価を示す文字の表示又は当該運転評価に相当する音声の出力(すなわち放音)を行うことで、運転者に対する運転評価の提示を行う。この他にディスプレイ25及びスピーカ26は、それぞれ、処理部20の制御の下、端末装置Tの機能として必要とされる文字又は画像の表示及び放音を行う。
【0030】
また、上述した一連の動作において、記録部21は、上記端末装置Tが担うべき処理に相当するプログラムを予め記録すると共に当該処理に必要なデータを一時的に記録し、必要に応じて処理部20に出力する。そして処理部20は、当該プログラムに基づき、上記端末装置Tが担うべき処理を実行する。このとき操作部22は、当該操作部22を用いて上記運転者又は他の車両Mの搭乗者により行われた操作に相当する操作信号を生成して処理部20に出力する。これにより処理部20は、当該操作信号に基づいて上記端末装置Tが担うべき処理を実行する。
【0031】
(III)第1実施例のサーバ装置の細部構成及び動作について
次に、第1実施例の運転評価システムSSを構成する上記サーバ装置SVの細部構成及び動作について、図3(b)及び図3(c)を用いて説明する。
【0032】
すなわち、第1実施例のサーバ装置SVは、図3(b)に示すように、CPU、ROM及びRAM等からなる処理部10と、HDD又はSSD等からなる不揮発性の記録部11と、インターフェース1と、キーボード及びマウス等からなる操作部12と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ13と、により構成されている。
【0033】
また処理部10は、検出部3と、評価部4と、により構成されている。このとき、検出部3及び評価部4は、処理部10を構成する上記CPU等のハードウエアロジック回路により実現されてもよいし、後述する第1実施例の運転評価処理のうちサーバ装置SVが担うべき処理を示すフローチャートに対応するプログラムを上記CPUが記録部11から読み出して実行することにより、ソフトウェア的に実現されてもよい。更に、インターフェース1が実施形態の急挙動情報取得手段1の一例、状態情報取得手段2の一例及び障害物情報取得手段5の一例にそれぞれ相当し、検出部3が実施形態の検出手段3の一例に相当し、評価部4が実施形態の評価手段4の一例に相当する。更にまた、図3(b)に破線で示すように、インターフェース1、検出部3及び評価部4により、実施形態の運転評価装置Sの一例を構成している。
【0034】
以上の構成において記録部11には、図3(c)に例示するように、端末装置Tが搭載されている車両Mの運転者の上記運転評価として、各端末装置Tにそれぞれ対応する第1実施例の評価データSC1乃至評価データSCnが不揮発性に記録されている。なお以下の説明において、評価データSC1乃至評価データSCnについて共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「評価データSC」と称する。そして、一の評価データSCは、図3(c)に示すように、エコ運転スコアデータS1と、安全運転スコアデータS2と、総合スコアデータS3と、危険予測スコアデータS4と、により構成されている。このとき、エコ運転スコアとは、評価対象たる車両Mの運転者による急な加減速がなく、車両Mが定速運転を続けていることを評価するスコアであり、例えばエコ運転スコアが点数として高いほど急な加減速がない定速運転の頻度が高いことを示している。また上記安全運転スコアとは、上記運転者が法令を遵守しつつ不要な速度変更や不要な車線変更、又は蛇行を行っていないことを評価する項目であり、例えば安全運転スコアが点数として高いほど、上記不要な速度変更等が行われている頻度が低いことを示す。更に上記危険予測スコアとは、当該運転者が隠れた危険を予測できていることを評価する項目であり、例えば危険予測スコアが点数として高いほど、当該運転者において事前の危険予測ができていたことを示す。最後に上記総合スコアとは、上記エコ運転スコア、上記安全運転スコア及び上記危険予測スコアを纏めてその運転者の運転を総合的に評価する項目であり、例えば総合スコアが点数として高いほど、上記運転評価として総合的に高いことを示す。そして、一の評価データSCに含まれている上記危険予測スコアデータS4等は、当該評価データSCが対応する端末装置Tから送信されてきた上記端末装置データTDに基づいて、当該端末装置Tが搭載されている車両Mの運転者の運転評価が第1実施例の運転評価処理として評価部4等により行われる度に、当該評価部4により更新される。その後、当該更新された評価データSCは、上記対応する端末装置Tに送信される。
【0035】
一方インターフェース1は、処理部10の制御の下、当該処理部10といずれかの端末装置Tとの間のネットワークNWを介したデータの授受を制御する。そして、ある端末装置Tから上記端末装置データTDが送信されてきた場合、処理部10の検出部3は、当該端末装置データTDに含まれている上記バイタルデータに基づいて、当該運転者の心理状態を検出する。その後評価部4は、当該検出された心理状態と、上記端末装置データTDに含まれていた上記車両データと、に基づいた当該運転者の運転評価を行った結果として、上記危険予測スコアデータS4等を更新する。その後処理部10は、更新された危険予測スコアデータS4等を含む評価データSCを、上記更新の根拠となった端末装置データTDを送信した端末装置Tに対して送信(返信)する。このとき、処理部10は、端末装置データTDに含まれていた上記端末識別データを手掛かりとして、更新された評価データSCを送信すべき端末装置Tを特定する。
【0036】
また、上述した一連の動作において、記録部11は、上記評価データSCの他に、上記サーバ装置SVが担うべき処理に相当するプログラム等を予め記録し、必要に応じて処理部10に出力する。そして処理部10は、当該プログラムに基づき、上記サーバ装置SVが担うべき処理を実行する。このとき操作部12は、当該操作部12を用いて例えばサーバ装置SVの管理者等により行われた操作に相当する操作信号を生成して処理部10に出力する。これにより処理部10は、当該操作信号に基づいて上記サーバ装置SVが担うべき処理を実行する。
【0037】
(IV)第1実施例の運転評価処理について
次に、上述してきたサーバ装置SV及び各端末装置Tを含む運転評価システムSSにおいて実行される、第1実施例の運転評価処理について、図4を用いて纏めて説明する。
【0038】
すなわち図4左に示すように、各端末装置Tでは、当該端末装置Tが搭載されている車両Mの例えばACC(Accessory)スイッチがオンとされて端末装置Tが起動されると(ステップS1)、その処理部20は、上記バイタルデータ及び上記車両データをバイタルセンサ23等から取得する(ステップS2)。その後処理部10は、当該取得したバイタルデータ等を用いて上記端末装置データTDを生成し、ネットワークNW等を介してサーバ装置SVに送信する(ステップS3)。
【0039】
次に処理部10は、ステップS3で送信した端末装置データTDに対応した評価データSCがサーバ装置SVから送信されてきたか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4の判定において、当該評価データSCがサーバ装置SVから送信されてこない場合(ステップS4:NO)、処理部10は当該送信を待機する。
【0040】
一方ステップS4の判定において、対応する評価データSCが送信されてきた場合(ステップS4:YES)、処理部10は、当該送信されてきた評価データSCに相当する運転評価を、ディスプレイ25又はスピーカ26を用いて車両Mの運転者に提示する(ステップS5)。
【0041】
その後処理部10は、例えば端末装置Tを搭載した車両Mが目的地に到着した等の理由により第1実施例の運転評価処理のうち端末装置Tが担うべき処理を終了するか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6の判定において、当該端末装置Tが担うべき処理を継続する場合(ステップS6:NO)、処理部10は、上記ステップS2に戻って上述してきた一連の処理を継続する。一方ステップS6の判定において、当該端末装置Tが担うべき処理を終了する場合(ステップS6:YES)、処理部20は、そのまま当該処理を終了する。
【0042】
一方図4右に示すように、サーバ装置SVでは、例えばその電源電力が投入されると、いずれかの端末装置Tからの端末装置データTDのネットワークNW等を介した送信を監視する(ステップS10)。ステップS10の監視において、いずれの端末装置Tからも端末装置データTDが送信されてこない場合(ステップS10:NO)、サーバ装置SVの処理部10は、後述するステップS19に移行する。他方、ステップS10の監視において、いずれかの端末装置Tから端末装置データTDが送信されてきた場合(ステップS10:YES)、処理部10の検出部3は次に、送信されてきた端末装置データTDに含まれていたバイタルデータ及び車両データを解析し、当該運転者のその時点での心拍数を検出すると共に、その運転者が運転する車両Mにおける急挙動の有無(具体的には、例えば予め設定された操作閾値を超えた量の急なハンドル操作による急な方向変換、予め設定された加速閾値を超えた量の急加速又は予め設定された減速閾値を超えた量の急減速のいずれかの有無)を検出する(ステップS11)。これに併せて検出部3は、急挙動の回避又は軽減のための予備挙動/予備動作が、当該急挙動に先立って車両Mにおいて行われていたか否かを、上記バイタルデータ及び上記車両データに基づいて検出する(ステップS11)。
【0043】
このとき上記予備動作とは、例えば、車両Mの運転に対する障害物、又は当該障害物が出現する方向に対して運転者の視線が向けられていたことや、当該障害物に注意すべき旨を運転者が発話していたことを言う。ここで当該障害物とは、例えば、上記急挙動の前において当該車両Mから予め設定された距離の範囲内に存在し、且つ当該車両Mとの相対速度が予め設定された速度閾値を超えて当該車両Mに接近する他の車両、地物又は人をいい、より具体的には、例えば、車両の進行方向周辺にある地物や当該周辺を移動している人又は自転車、或いは停車中の他の車両の影になって脚だけが見えている人などをいう。一方、上記予備挙動とは、例えば、上記障害物の存在に対応した危険事象の回避のための車両Mの減速、車線変更又は当該障害物から見て反対方向への幅寄せ等の挙動をいう。これら予備動作及び予備挙動は、特に上記車両データの解析により検出される。
【0044】
その後、処理部10の評価部4は、ステップS10において受信した端末装置データTDを解析した結果(ステップS11)を用いて、当該車両Mにおいて上記急挙動があったか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12の判定において当該急挙動がなかった場合(ステップS12:NO)、処理部10は上記ステップS10に戻って一連の処理を繰り返す。一方ステップS12の判定において急挙動があった場合(ステップS12:YES)、次に評価部4は、端末装置データTDに含まれていたバイタルデータにより示される心拍数の、上記急挙動があったタイミングを含む予め設定された時間(例えば数秒程度)内における変化が、予め設定された変化閾値以下となっている(すなわち、運転者の心理状態として予め設定した基準以上に動揺していない)か否かを判定する(ステップS:13)。なお、当該変化閾値は、例えば端末装置Tごと(すなわち運転者ごと)に予め設定されていてもよいし、所定の計算式又は当該運転者により変更可能とされてもよい。
【0045】
ステップS13の判定において、上記心拍数の変化が上記変化閾値以下でない場合は(ステップS13:NO)、ステップS12において「あり」と判定された(ステップS12:YES参照)急挙動が、運転者の予め設定した基準以上の動揺(すなわち驚き)を伴って行われた急挙動であった、すなわち急挙動の原因となった危険事象(例えば停車中のバスの影からの通行人の飛び出し等)を予め予測することができていなかったとみなし、評価部4は、ステップS10で受信した端末装置データTDの送信元たる端末装置T(換言すれば、当該端末装置Tが搭載された車両Mの運転者)に対応付けられた評価データSCを更新する(ステップS14)。このステップS14において評価部4は、具体的には、当該評価データSCに含まれているエコ運転スコアデータS1のエコ運転スコア及び安全運転スコアデータS2の安全運転スコアを「通常減点」とし、危険予測スコアデータS4の危険予測スコアを「加点なし」又は「通常減点」とし、更に当該エコ運転スコア及び安全運転スコアの更新に対応させて総合スコアデータS3の総合スコアを調整する(ステップS14)。その後処理部10は、後述するステップS18の処理に移行する。
【0046】
一方、ステップS13の判定において、上記心拍数の変化が上記変化閾値以下である場合(ステップS13:YES)、次に評価部4は、ステップS12において「あり」と判定された(ステップS12:YES参照)急挙動が、上記バイタルデータにより示される例えば心拍数が上記変化閾値を超えて上昇するような運転者の驚きを伴わないで行われた急挙動、すなわち、上記危険事象を運転者が予測した上での冷静な(落ち着いた)急挙動であったとみなし、ステップS11における解析結果に基づいて、上記予備挙動/予備動作が車両Mにおいて行われていたか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15の判定において、当該予備挙動/予備動作が車両Mにおいて行われていなかった場合(ステップS15:NO)、評価部4は、上記端末装置データTDの送信元たる端末装置Tに対応付けられた評価データSCを更新する(ステップS16)。このステップS16において評価部4は、具体的には、当該評価データSCに含まれているエコ運転スコアデータS1のエコ運転スコア及び安全運転スコアデータS2の安全運転スコアを「通常減点」とし、危険予測スコアデータS4の危険予測スコアを「通常加点」(すなわち上記危険事象の予測ができていたと判定されたことによる通常加点)とし、更に当該エコ運転スコア乃至危険予測スコアの更新に対応させて総合スコアデータS3の総合スコアを調整する(ステップS16)。このとき評価部4は、エコ運転スコア及び安全運転スコアの通常減点と、危険予測スコアを通常加点との関係で、総合スコアを不変(更新しない)としてもよい。その後処理部10は、後述するステップS18に移行する。
【0047】
次に、ステップS15の判定において、上記予備挙動/予備動作が車両Mにおいて行われていた場合(ステップS15:YES)、評価部4は、上記端末装置データTDの送信元たる端末装置Tに対応付けられた評価データSCを更新する(ステップS17)。このステップS17において評価部4は、具体的には、当該評価データSCに含まれているエコ運転スコアデータS1のエコ運転スコア及び安全運転スコアデータS2の安全運転スコアを「通常減点」とし、危険予測スコアデータS4の危険予測スコアを「大幅加点」(すなわち上記危険事象の予測ができており且つその危険事象を回避しようとする上記予備動作が運転者において行われ、又は当該回避をするための上記予備挙動が車両Mにおいて行われていたと判定されたことによる大幅な加点)又は「通常加点」とし、更に当該エコ運転スコア乃至危険予測スコアの更新に対応させて総合スコアデータS3の総合スコアを調整する(ステップS17)。
【0048】
その後処理部10は、上記ステップS14、上記ステップS16又は上記ステップS17の結果として更新された評価データSCを、当該更新の根拠となった端末装置データTDに含まれていた上記端末識別データを手掛かりとして、当該端末装置データTDを送信した(ステップS3及びステップS10参照)端末装置Tに対して送信(返信)する(ステップS18)。なお、処理部10は、端末装置Tに対して評価データSCを送信することに加えて(ステップS18参照)、又はこれに代えて、当該評価データSCを運転者が閲覧可能なWebページに出力するようにしてもよい。その後処理部10は、例えばサーバ装置SVの電源スイッチがオフとされた等の理由により第1実施例の運転評価処理のうちサーバ装置SVが担うべき処理を終了するか否かを判定する(ステップS19)。ステップS19の判定において、当該サーバ装置SVが担うべき処理を継続する場合(ステップS19:NO)、処理部10は、上記ステップS10に戻って上述してきた一連の処理を継続する。一方ステップS19の判定において、当該サーバ装置SVが担うべき処理を終了する場合(ステップS19:YES)、処理部10は、そのまま当該処理を終了する。
【0049】
以上説明したように、第1実施例の運転評価処理によれば、急挙動の際の運転者の心理状態(例えば、その心拍数の変化)に基づいてその運転者の運転の評価を行うので(図4ステップS14、ステップS16及びステップS17参照)、運転者が視認することができない障害物に対する運転者の危険予測を含めて、運転者の運転を評価することができる。
【0050】
また、急挙動の際の運転者の心拍数の変化が既定の変化閾値以下の場合には、急挙動があった旨にエコ運転スコア及び安全運転スコアが更新され、危険予測能力がある旨に危険予測スコアが更新されることで運転の評価が行われる(図4ステップS16又はステップS17参照)。よって、運転者における危険予測能力を、急挙動の有無との関係で運転として適切に評価することができる。
【0051】
また、急挙動の発生に先立って当該急挙動の回避又は軽減のための車両Mの所定の挙動(すなわち上述の予備挙動)又は当該運転者の所定の動作(すなわち上述の予備動作)が行われたことが検出された場合であって、且つ、当該急挙動の際の運転者のバイタルデータ(特に心拍数)の変化が既定の変化閾値以下であったとき、危険予測スコアを「危険予測能力あり」と更新するに当たっては、上記車両Mの所定の挙動又は上記運転者の所定の動作が検出されなかった場合よりも、危険予測スコアを大幅に加点する。よって、危険事象の予測ができており且つその危険事象を回避しようとする予備動作が運転者において行われ、又は当該回避をするための上記予備挙動が車両Mにおいて行われていたかに基づいて、運転者の運転を適切に評価することができる。
【0052】
更に、バイタルデータが運転者の心拍数データである場合は、当該運転者の運転の評価を客観的且つ的確に行うことができる。
【0053】
なお、運転者の心理状態を示すバイタルデータとして、心拍数データに加えて、又はこれに代えて、車両Mに搭載されている車内カメラで運転者の顔(例えば驚きの表情等)を撮像して得られた画像データや、車両Mに搭載されているマイクで運転者の発声(例えば驚いた声等)を集音して得られた音声データ、或いは当該運転者の血圧データ又は手に汗を書いているか否かのデータのいずれか一又は複数を端末装置データTDに含ませてもよい。この場合でも、急挙動があった際の運転者の動揺(驚き)の検出結果に基づいて、当該運転者の運転の評価を客観的且つ的確に行うことができる。
【0054】
また、車両Mの急挙動として、予め設定された操作閾値を超えた量の急なハンドル操作による急な方向変換、予め設定された加速閾値を超えた量の急加速、又は予め設定された減速閾値を超えた量の急減速のいずれかを用いる場合は、運転者の急な操作に対応させて、当該運転者の運転の評価を客観的且つ的確に行うことができる。
【0055】
(B)第2実施例
次に、実施形態に対応する他の実施例である第2実施例について、図5及び図6を用いて説明する。なお、図5は第2実施例の運転評価システムを構成するサーバ装置の概要構成を示すブロック図等であり、図6は第2実施例の運転評価処理を示すフローチャートである。
【0056】
(I)第2実施例の運転評価システムの全体構成について
はじめに、第2実施例の運転評価システムの全体構成について説明する。第2実施例の運転評価システムは、第1実施例のサーバ装置SVが後述する第2実施例のサーバ装置SVVに変更される点以外は、第1実施例の運転評価システムSSと同様の構成を備えている。よって以下では、第2実施例の運転評価システム全体としての説明は省略する。
【0057】
(II)第2実施例の端末装置の細部構成及び動作について
次に、第2実施例の運転評価システムを構成する各端末装置の細部構成及び動作について説明する。第2実施例の運転評価システムを構成する各端末装置は、上記端末装置データTDの生成及びサーバ装置への送信、並びに上記評価データSCのサーバ装置からの受信及び対応する運転評価の提示を含め、第1実施例の端末装置Tと同様の構成及び動作を備えている。よって以下では、第2実施例の端末装置自体の説明は省略する。
【0058】
(III)第2実施例のサーバ装置の細部構成及び動作について
次に、第2実施例の運転評価システムを構成する上記サーバ装置SVVの細部構成及び動作について、図5(a)及び図5(b)を用いて説明する。なお図5において、第1実施例のサーバ装置SV(図3(b)及び図3(c)参照)と同様の構成部材については、同様の部材番号を付して細部の説明を省略する。
【0059】
図5(a)に示すように、第2実施例のサーバ装置SVVは、CPU、ROM及びRAM等からなる処理部10Aと、HDD又はSSD等からなる不揮発性の記録部11Aと、第1実施例のサーバ装置SVと同様のインターフェース1及び操作部12並びにディスプレイ13と、により構成されている。
【0060】
また処理部10Aは、検出部3Aと、評価部4Aと、により構成されている。このとき、検出部3A及び評価部4Aは、処理部10Aを構成する上記CPU等のハードウエアロジック回路により実現されてもよいし、後述する第2実施例の運転評価処理のうちサーバ装置SVVが担うべき処理を示すフローチャートに対応するプログラムを記録部11Aから上記CPUが読み出して実行することにより、ソフトウェア的に実現されてもよい。更に、図3(a)に破線で示すように、インターフェース1,検出部3A及び評価部4Aにより、実施形態の運転評価装置Sの一例を構成している。
【0061】
以上の構成において記録部11Aには、図3(b)に例示するように、第1実施例の評価データSCのそれぞれから危険予測スコアデータS4を除いたものに相当する評価データSCC1乃至評価データSCCnが不揮発性に記録されている。なお以下の説明において、評価データSCC1乃至評価データSCCnについて共通の事項を説明する場合、これらを纏めて「評価データSCC」と称する。また、第2実施例の評価データSCCにそれぞれ含まれているエコ運転スコアデータS1、安全運転スコアデータS2及び総合スコアデータS3は、第1実施例の記録部11に記録されている評価データSCに含まれている安全運転スコアデータS2及び総合スコアデータS3と同一のものであるので、細部の説明は省略する。そして、一の評価データSCCに含まれている上記エコ運転スコアデータS1乃至総合スコアデータS3は、当該評価データSCCが対応する第2実施例の端末装置から送信されてきた上記端末装置データTDに基づいて、当該第2実施例の端末装置が搭載されている車両の運転者の運転評価が第2実施例の運転評価処理として評価部4Aにより行われる度に、当該評価部4Aにより更新される。その後、当該更新された評価データSCCは、上記対応する第2実施例の端末装置に送信される。
【0062】
そして、一の第2実施例の端末装置から上記端末装置データTDが送信されてきた場合、処理部10Aの検出部3Aは、第1実施例の検出部3と同様に、当該端末装置データTDに含まれている上記バイタルデータに基づいて当該運転者の心理状態を検出する。その後評価部4Aは、第1実施例の評価部4と同様に、当該検出された心理状態と、上記端末装置データTDに含まれていた上記車両データと、に基づいた当該運転者の運転評価を行った結果として、上記エコ運転スコアデータS1乃至総合スコアデータS3を更新する。その後処理部10Aは、更新されたエコ運転スコアデータS1等を含む評価データSCCを、第1実施例の処理部10と同様に、上記更新の根拠となった端末装置データTDを送信した第2実施例の端末装置に対して送信(返信)する。このとき処理部10Aは、端末装置データTDに含まれていた上記端末識別データを手掛かりとして、更新された評価データSCを送信すべき第2実施例の端末装置を特定する。
【0063】
また、上述した一連の動作において、記録部11Aは、上記評価データSCCの他に、上記サーバ装置SVVが担うべき処理に相当するプログラム等を予め記録し、必要に応じて処理部10Aに出力する。そして処理部10Aは、当該プログラムに基づき、上記サーバ装置SVVが担うべき処理を実行する。このとき操作部12は、当該操作部12を用いて例えばサーバ装置SVVの管理者等により行われた操作に相当する操作信号を生成して処理部10Aに出力する。これにより処理部10Aは、当該操作信号に基づいて上記サーバ装置SVVが担うべき処理を実行する。
【0064】
(IV)第2実施例の運転評価処理について
次に、上述してきたサーバ装置SVV及び第2実施例の各端末装置を含む第2実施例の運転評価システムにおいて実行される、第2実施例の運転評価処理について、図6を用いて纏めて説明する。なお図6において、図4に示す第1実施例の運転評価処理と同一の処理(ステップ)については、同一のステップ番号を付して細部の説明は省略する。また、第2実施例の運転評価処理における第2実施例の端末装置が担うべき処理は、第1実施例の端末装置Tが担うべき処理と同一であるので、図6における図示及び細部の説明は省略する。
【0065】
すなわち図6に示すように、サーバ装置SVVでは、例えばその電源電力が投入されると、第2実施例の端末装置のいずれかからの端末装置データTDのネットワークNW等を介した送信を監視する(ステップS10)。ステップS10の監視において、第2実施例の端末装置のいずれかから端末装置データTDが送信されてきた場合(ステップS10:YES)、処理部10Aの検出部3Aは次に、送信されてきた端末装置データTDに含まれていたバイタルデータ及び車両データを解析し、当該運転者のその時点での心拍数を検出すると共に、その運転者が運転する車両Mにおける急挙動の有無(具体的には、例えば予め設定された操作閾値を超えた量の急なハンドル操作による急な方向変換、予め設定された加速閾値を超えた量の急加速又は予め設定された減速閾値を超えた量の急減速のいずれかの有無)を検出する(ステップS20)。これに併せて検出部3Aは、急挙動があったタイミングで、車両Mから予め設定された距離の範囲内に存在し、且つ当該車両Mとの相対速度が予め設定された速度閾値を超えて当該車両Mに接近する車両、地物又は人である障害物が、第2実施例の運転評価処理の対象となる運転者が運転する車両Mの周囲に存在していたか否かを、上記車両データに基づいて検出する(ステップS20)。なお以下の説明において、上記車両Mから予め設定された距離の範囲内に存在し、且つ上記障害物には該当しない他の車両(すなわち、車両Mから予め設定された距離の範囲内に存在するが、当該車両Mとの相対速度が予め設定された速度閾値を超えて接近していない他の車両)を「周辺車両」と称する。
【0066】
その後、処理部10Aの評価部4Aは、ステップS10において受信した端末装置データTDを解析した結果(ステップS20)を用いて、当該車両Mにおいて上記急挙動があったか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12の判定において当該急挙動がなかった場合(ステップS12:NO)、処理部10Aは上記ステップS10に戻って一連の処理を繰り返す。一方ステップS12の判定において急挙動があった場合(ステップS12:YES)、次に評価部4Aは、ステップS10において受信した端末装置データTDを解析した結果(ステップS20)を用いて、上記障害物があったか否かを判定する(ステップS:21)。ステップS21の判定において、上記障害物があった場合(ステップS21:YES)、次に評価部4Aは、端末装置データTDに含まれていたバイタルデータにより示される心拍数の予め設定された時間内における変化が上記変化閾値以下となっているか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13の判定において、上記心拍数の変化が上記変化閾値以下でない場合は(ステップS13:NO)、ステップS12において「あり」と判定された(ステップS12:YES参照)急挙動が、運転者の驚きを伴って行われた急挙動であった、すなわち第1実施例の場合と同様の危険事象を予め予測することができていなかったとみなし、評価部4Aは、ステップS10で受信した端末装置データTDの送信元たる端末装置Tに対応付けられた評価データSCCを更新する(ステップS22)。このステップS22において評価部4Aは、具体的には、当該評価データSCCに含まれているエコ運転スコアデータS1のエコ運転スコア及び安全運転スコアデータS2の安全運転スコアを「通常減点」とし、更に当該エコ運転スコア及び安全運転スコアの更新に対応させて総合スコアデータS3の総合スコアを調整する(ステップS22)。その後処理部10Aは、第1実施例の運転評価処理と同様のステップS18及びステップS19に移行する。
【0067】
一方、上記ステップS13の判定において、上記心拍数の変化が上記変化閾値以下である場合(ステップS13:YES)、次に評価部4Aは、第1実施例の運転評価処理と同様に、ステップS12であったと判定された(ステップS12:YES参照)急挙動が、上記危険事象を運転者が予測した上での冷静な(落ち着いた)急挙動であったとみなし、ステップS10で受信した端末装置データTDの送信元たる端末装置Tに対応付けられた評価データSCCを調整する(ステップS23)。このステップS23において評価部4Aは、具体的には、当該評価データSCCに含まれているエコ運転スコアデータS1のエコ運転スコア及び安全運転スコアデータS2の安全運転スコアそれぞれの減点をせず、更に総合スコアデータS3の総合スコアも変更しない(ステップS23)。その後処理部10Aは、第1実施例の運転評価処理と同様のステップS18及びステップS19の処理に移行する。すなわち、第1実施例の運転評価処理においては、評価データSCとして危険予測スコアデータS4が含まれているため、運転者が事前に危険予測ができていた上での止むを得ない急挙動については、エコ運転スコア及び安全運転スコアを減点したとしても、危険予測スコアの点数を高めることで運転者の危険予測能力を総合スコアに反映することができた。これに対し、第2実施例の運転評価処理においては、評価データSCCが危険予測スコアデータS4を含んでいないため、運転者の危険予測能力の反映ができない(反映する対象がない)こととなる。このため、第2実施例の運転評価処理においては、運転者が事前に危険予測ができていた上での止むを得ない急挙動については、エコ運転スコア、安全運転スコア、及び総合スコアの評価対象から除外する。
【0068】
他方、上記ステップS21の判定において、上記障害物がなかった場合(ステップS21:NO)、次に評価部4Aは、上記ステップS13と同様にして上記心拍数の変化が上記変化閾値以下となっているか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25の判定において、上記心拍数の変化が上記変化閾値以下でない場合(ステップS25:NO)、次に評価部4Aは、ステップS10において受信した端末装置データTDを解析した結果(ステップS20)を用いて、上記障害物には該当しない周辺車両が存在していたか否かを判定する(ステップS26)。ステップS26の判定において、当該周辺車両が存在していなかった場合(ステップS26:NO)、評価部4Aは、上記端末装置データTDの送信元たる第2実施例の端末装置に対応付けられた評価データSCCを更新する(ステップS27)。このステップS27において評価部4Aは、具体的には、当該評価データSCCに含まれているエコ運転スコアデータS1のエコ運転スコア及び安全運転スコアデータS2の安全運転スコアを「通常減点」とし、更に当該エコ運転スコア及び安全運転スコアの更新に対応させて総合スコアデータS3の総合スコアを調整する(ステップS27)。その後処理部10Aは、上記ステップS18及びステップS19の処理に移行する。
【0069】
次に、ステップS26の判定において、上記障害物には該当しない周辺車両が存在していた場合(ステップS26:YES)、評価部4Aは、上記端末装置データTDの送信元たる第2実施例の端末装置に対応付けられた評価データSCCを更新する(ステップS28)。このステップS28において評価部4Aは、具体的には、当該評価データSCCに含まれているエコ運転スコアデータS1のエコ運転スコアを「通常減点」とすると共に、安全運転スコアデータS2の安全運転スコアを、上記通常減点と後述する大幅減点の間の減点に相当する「中程度の減点」とし(すなわち、心拍数が変化閾値よりも変化していることから(上記ステップS25:YES参照)、何らかの原因により、運転者が動揺又は驚きを感じたことに起因する運転操作に伴う意図しない又は悪意のない急挙動(上記ステップS12参照)ではあるが、周辺車両から見た場合にいわゆるあおり運転又は幅寄せ運転と解釈され得る急挙動であると認定して、上記通常減点よりも大きな減点を適用し)、更に当該エコ運転スコア及び安全運転スコアの更新に対応させて総合スコアデータS3の総合スコアを調整する(ステップS28)。その後処理部10Aは、上記ステップS18及びステップS19の処理に移行する。
【0070】
一方、上記ステップS25の判定において、上記心拍数の変化が上記変化閾値以下であった場合(ステップS25:YES)、次に評価部4Aは、上記ステップS26と同様にして上記障害物には該当しない周辺車両が存在していたか否かを判定する(ステップS29)。ステップS29の判定において、当該周辺車両が存在していなかった場合(ステップS29:NO)、評価部4Aは、上記ステップS27と同様にして評価データSCCを更新する(ステップS27)。その後処理部10Aは、上記ステップS18及びステップS19の処理に移行する。
【0071】
最後に、上記ステップS29の判定において、当該周辺車両が存在していた場合(ステップS29:YES)、評価部4Aは、上記端末装置データTDの送信元たる第2実施例の端末装置に対応付けられた評価データSCCを更新する(ステップS30)。このステップS30において評価部4Aは、具体的には、当該評価データSCCに含まれているエコ運転スコアデータS1のエコ運転スコアを「通常減点」とすると共に、安全運転スコアデータS2の安全運転スコアを「大幅減点」とし(すなわち、心拍数が変化閾値よりも変化せず(上記ステップS25:YES参照)、且つ周辺車両が存在していたことから(上記ステップS29:YES参照)、この場合は、意図的な又は悪意のいわゆるあおり運転又は幅寄せ運転による急挙動(上記ステップS12参照)であるとして安全運転スコアを大幅に減点し)、更に当該エコ運転スコア及び安全運転スコアの更新に対応させて総合スコアデータS3の総合スコアを調整する(ステップS30)。その後処理部10Aは、上記ステップS18及びステップS19の処理に移行する。
【0072】
以上説明したように、第2実施例の運転評価処理によれば、第1実施例の運転評価処理による作用効果に加えて、急挙動の際の運転者の心理状態の変化が既定の変化閾値以下の場合には、エコ運転スコア及び安全運転スコアが減点なし(不変)とされることで運転の評価が行われるので(図6ステップS23参照)、危険予測ができてはいたがやむを得ず行われた急挙動について、運転として適切に評価することができる。
【0073】
また、障害物がない時の急挙動の際の運転者の心理状態の変化が低い場合に運転に関する評価を大幅に低下させるので(図6ステップS30参照)、冷静に行われた不要な急挙動をあおり運転等と見做して運転の評価を的確に低下させることができる。
【0074】
更に、第2実施例の運転評価処理において、その運転評価の対象となる急挙動が障害物の回避のために行われたのか否かに応じて、当該急挙動に対する評価を変化させることにより、当該急挙動の合理性を踏まえて的確に運転に関する評価を行うことができる。
【0075】
更に、第2実施例の運転評価処理において、その運転評価の対象となる急挙動が行われた際に周辺車両が存在していたか否かに応じて、当該急挙動に対する評価を変化させることにより、当該急挙動が当該周辺車両へ与える影響を踏まえて的確に運転に関する評価を低下させることができる。
【0076】
更にまた、急挙動の際の心理状態の変化が低く且つ障害物がない場合に行われた当該急挙動に関する評価項目である安全運転スコアの低下度が、他の場合における当該安全運転スコアの低下度よりも大きくされて運転評価が行われるので(図6ステップS30参照)、冷静に行われた不要な急挙動を悪質なもの(例えば悪質なあおり運転又は幅寄せ運転)と見做して更に的確に運転評価を低下させることができる。
【0077】
なお、上述した各実施例は、車両Mの運転者の運転評価を行う場合について説明したが、これ以外に、例えば二輪車の運転者の運転評価を行う場合に本願を適用することもできる。
【0078】
また、上述した各実施例では、運転評価システムを構成するサーバ装置を中心として各実施例の運転評価処理を行う場合について説明したが、これ以外に、各車両Mに搭載されている装置(すなわち、当該車両Mに搭載されているナビゲーション装置又は当該運転者が携帯するスマートフォン等)のみで各実施例の運転評価処理を行うように構成することもできる。この場合には、各実施例の処理部10又は処理部10Aとしての機能をその装置に担わせることになる。
【0079】
更に、図4又は図6にそれぞれ示したフローチャートに相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を各実施例の処理部10又は処理部20として機能させることも可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 急挙動情報取得手段(インターフェース)
2 状態情報取得手段
3 検出手段(検出部)
3A 検出部
4 評価手段(評価部)
4A 評価部
5 障害物情報取得手段
10、10A 処理部
S 運転評価装置
T1、T2、Tn、T 端末装置
SV、SVV サーバ装置
SC、SC1、SC2、SC3、SCn、SCC1、SCC2、SCC3、SCCn 評価データ
TD 端末装置データ
S1 エコ運転スコアデータ
S2 安全運転スコアデータ
S3 総合スコアデータ
S4 危険予測スコアデータ
SS 運転評価システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6