(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157144
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】マスク用インナーシート
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20231019BHJP
A41D 31/00 20190101ALI20231019BHJP
A41D 31/30 20190101ALI20231019BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
A41D13/11 M
A41D13/11 Z
A41D31/00 503P
A41D31/00 502B
A41D31/30
A62B18/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066857
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】304044977
【氏名又は名称】▲高▼橋 正一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 正一
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA20
2E185CB11
2E185CC34
(57)【要約】
【課題】
本発明は、一般的な布製または不織布製マスクに装着することで、抗菌性及び菌の不活性化を図ることが可能なインナーシートを提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明のマスク用インナーシートは、銅を蒸着した糸を織ることで得られる生地を略矩形に形成した銅シートを、前記銅シートよりも面積の広い平板状のフィルターに固着したことを特徴とし、前記マスク用インナーシートを、衛生マスクの内側に装着することで、銅が本来有する抗菌性や菌の不活性化により、呼気に含まれている菌等が不活性化され、感染防止効果を発揮する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅を蒸着した糸を用いて織った生地を略矩形に形成した銅シートと、前記銅シートより面積が広く通気性を有するフィルターに前記銅シートを固定したことを特徴とするマスク用インナーシート。
【請求項2】
銅を蒸着しや糸を用いて織った生地からなる銅シートにおいて、縦糸間または横糸間、または縦糸間と横糸間の双方において、間隔を空けて織ることを特徴とする請求項1に記載のマスク用インナーシート。
【請求項3】
前記フィルターを袋状に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のマスク用インナーシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生マスク用のインナーシートの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な布製または不織布製衛生マスクは、菌類の侵入防止または排出防止が主目的であり、抗菌性や菌の不活性化に対する効果を有するものではない。一方で、新型コロナウイルスに代表される流行性ウイルスは感染拡大等に対する対応策が充分でない実情がある。
【0003】
特開2005-206547号には、ウイルス捕捉組成物をフィルターに吸着させたウイルス捕捉フィルターにより、マスクフィルター、空気清浄器用フィルター、又はエアコン用フィルターとする技術が記載されているが、ウイルス補足組成物はスプレーで塗布する必要がある。
【0004】
特開2013-244153号には、水0~40重量%、及び多価アルコールからなる保湿剤50~100重量%を含む組成物を含浸する衛生マスクインナーシートに関する技術が公開されているが、口周りの保温と保湿効果を求めるもので抗菌等の効果を得るものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-206547号(段落0009,0013)
【特許文献2】特開2013-244153号(段落0008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、一般的な布製または不織布製マスクに装着することで、抗菌性及び菌の不活性化を図ることが可能なインナーシートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のマスク用インナーシートは、銅を蒸着した糸を織ることで得られる生地を略矩形に形成した銅シートを、前記銅シートよりも面積の広い平板状のフィルターに固着したことを特徴とする。
【0008】
前記銅シートにおいて、銅を蒸着した糸で生地を織る際に、縦糸間または横糸間、または縦糸間と横糸間の双方において、間隔を空けて織ることを第二の特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のマスク用インナーシートを、衛生マスクの内側に装着することで、銅が本来有する抗菌性や菌の不活性化により、呼気に含まれている菌等が不活性化され、感染防止効果を発揮する。
【0010】
インナーシートであるため、衛生マスクへの着脱も容易であり、銅シートは汚染または劣化したフィルターを交換することで、繰り返し利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】銅シートをフィルターに固着した一例の平面図
【発明を実施するための形態】
【実施例0012】
本発明の詳細について、図面を引用して説明する。
図1は本発明における銅シート1の一例を示すものである。本銅シート1は、銅を蒸着した糸を縦糸と横糸で織った生地を、略矩形に切り取り、平面シート状に形成する。銅を蒸着した糸を複数本の束として織っても良い。縦糸間または横糸間、縦糸間と横糸間の双方において、間隔を空けて織ることで空間が形成され、より通気性を得ることができる。
【0013】
銅を蒸着する糸の材質としては、綿、絹、紙、ナイロン、アラミド、ビニロン、ポリ塩化ビニル、レーヨン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等から選択できるが、加工性、耐久性等を考慮すると化学繊維や合成繊維が望ましい。また、糸の径は20μm以上が望ましい。
【0014】
図2のフィルター2は、銅シート1よりも広い面積で、略楕円状または矩形に形成された平面シート状のもので、通気性のある材料を用いる。材質としては、布や不織布等が利用でき、不織布が望ましいがこれに限定するものではない。
【0015】
図3に示すように、フィルター2の中心部付近へ銅シート1を、粘着テープ3等で固着する。粘着テープ3の貼付け位置は、上下または左右の2か所に、粘着テープ3の半分程度の面積を銅シート1に接合させる。マスクへの固着は、粘着テープ3の残りの半分をマスク5の内側に固着させることで、マスク5に安定的に固定することができる。
図4はフィルターをマスクに装着した一例の平面図である。
【0016】
銅シート1は、フィルター2とマスク5に挟まれるように配置されるため、銅シート1が直接肌等に接触することを防止している。
呼気等が銅シート1に接触または通過することで、菌等を不活性化することができる。
袋状フィルター4を用いた場合、袋状フィルター4またはマスク5が汚れや劣化したときに、銅シート1を取り出し、未使用の袋状フィルター4とマスク5に装着することで、容易に銅シート1を繰り返し利用することができる。