(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157151
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】地絡検出回路及び地絡検出方法
(51)【国際特許分類】
H02H 3/16 20060101AFI20231019BHJP
H02M 7/06 20060101ALI20231019BHJP
G01R 31/52 20200101ALI20231019BHJP
【FI】
H02H3/16 B
H02M7/06 H
G01R31/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066875
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】木村 藤一郎
(72)【発明者】
【氏名】小泉 和裕
(72)【発明者】
【氏名】山内 芳准
(72)【発明者】
【氏名】谷 敏明
(72)【発明者】
【氏名】橋本 貴
【テーマコード(参考)】
2G014
5G004
5H006
【Fターム(参考)】
2G014AA04
2G014AA16
2G014AB33
5G004AA03
5G004AB01
5G004BA01
5G004DA01
5G004DB01
5H006AA04
5H006CA07
5H006CB01
5H006FA02
(57)【要約】
【課題】交流系統の整流電圧により制御電源を生成する回路構成においても、地絡を確実に検出可能とした地絡検出回路及び地絡検出方法を提供する。
【解決手段】交流系統の線路10Rに一次側が接続された変流器21Rと、その二次側に接続されて一方の出力端子がコンデンサ25を介して接地された変形ブリッジ240Rと、によりR相ユニット200Rを構成し、変形ブリッジ240Rは、変流器21Rの二次側の交流電圧の正の半波を整流するダイオード245R,244Rと出力抵抗242Rとを有し、負の半波を整流するダイオード246R,243Rと出力抵抗241Rとを有する。S相ユニット200S、T相ユニット200Tについても同様に構成し、各相ユニット200R,200S,200Tにつきそれぞれ二つの出力抵抗の電圧降下を合成して全相の合成波形を閾値電圧と比較することにより、地絡を検出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流系統の一相の線路に一次側が接続された変流器と、前記変流器の二次側に接続され、かつ一方の出力端子がコンデンサを介して接地された変形ブリッジと、を備えた相ユニットを複数相分構成し、
前記変形ブリッジは、前記変流器の二次側に誘起される交流電圧の正の半波を、前記コンデンサを介して整流する第1,第2のダイオードと第1の出力抵抗とを有すると共に、前記交流電圧の負の半波を、前記コンデンサを介して整流する第3,第4のダイオードと第2の出力抵抗とを有し、更に、
前記第1の出力抵抗及び前記第2の出力抵抗における電圧降下の合成値を複数相分の前記相ユニットについてそれぞれ求める手段と、これら複数相分の前記合成値を合成して得た電圧波形を所定の閾値電圧と比較して前記線路の地絡を検出する手段と、を備えたことを特徴とする地絡検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載した地絡検出装置において、
前記変形ブリッジの整流出力により充電されたコンデンサを制御電源として使用することを特徴とする地絡検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した地絡検出装置において、
前記交流系統が三相3線式系統であることを特徴とする地絡検出装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載した地絡検出装置において、
前記交流系統が単相3線式系統であることを特徴とする地絡検出装置。
【請求項5】
交流系統の一相の線路に一次側が接続された変流器と、前記変流器の二次側に接続され、かつ一方の出力端子がコンデンサを介して接地された変形ブリッジと、を有する相ユニットを複数相分備え、
前記変形ブリッジが、前記変流器の二次側に誘起される交流電圧の正の半波を、前記コンデンサを介して第1,第2のダイオードと第1の出力抵抗とにより整流すると共に、前記交流電圧の負の半波を、前記コンデンサを介して第3,第4のダイオードと第2の出力抵抗とにより整流し、
前記第1の出力抵抗及び前記第2の出力抵抗における電圧降下の合成値を複数相分の前記相ユニットについてそれぞれ求め、これら複数相分の前記合成値を合成して得た電圧波形を所定の閾値電圧と比較して前記線路の地絡を検出することを特徴とした地絡検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三相3線式または単相3線式の交流系統における線路の地絡を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、例えば回路遮断器に搭載される過電流検出回路を示している。
図6において、三相3線式交流系統の各相(R相,S相,T相)の線路10R,10S,10Tには相ユニット20R,20S,20Tがそれぞれ設けられている。
相ユニット20R,20S,20Tの構成は全て同一であり、変流器21R,21S,21T、抵抗22R,22S,22T、電源生成用のダイオードブリッジ23R,23S,23T、及び、出力抵抗24R,24S,24Tを備えている。なお、ダイオードブリッジ23R,23S,23Tの、出力抵抗24R,24S,24Tの接続側と反対側の各出力端子は、一括して回路遮断器の制御電源としてのコンデンサ25に接続されている。
【0003】
この従来技術では、線路10R,10S,10Tを流れる交流電流が変流器21R,21S,21Tによりそれぞれ変流され、その出力電流が抵抗22R,22S,22Tを介してダイオードブリッジ23R,23S,23Tにより全波整流された後、コンデンサ25から接地を介して出力抵抗24R,24S,24Tに流れる。
【0004】
一般的に、三相交流系統の地絡を検出する場合には、後述する特許文献1に記載されているように、各相の線路に流れる電流または電圧の瞬時値をそれぞれ検出して全相を合成(加算)することにより、その合成結果すなわち零相成分がゼロであれば地絡なしと判定し、合成結果がある値を示せば地絡発生と判定している。
しかしながら、前述した
図6の回路では、ダイオードブリッジ23R,23S,23Tにより交流電圧をそれぞれ全波整流して制御電源を生成しているので、出力抵抗24R,24S,24Tにより検出される直流分の検出信号を全て合成すると、その合成波形は地絡の有無に関わらず所定の値を持つことになる。
【0005】
例えば、
図7は全ての線路10R,10S,10Tに地絡がない場合の各相検出信号の合成波形を示し、
図7(a)は線路10R,10S,10Tが三相3線式である時の電圧波形、
図7(b)は単相3線式(負荷平衡)である時の電圧波形、
図7(c)は単相3線式(負荷不平衡でR相>T相)である時の電圧波形、
図7(d)は単相3線式(負荷不平衡でT相>R相)である時の電圧波形である。
【0006】
これに対し、
図8は線路10R,10S,10Tの何れかに地絡(地絡電流50[A])が発生した場合の各相検出信号の合成波形を示し、
図8(a)は線路10R,10S,10Tが三相3線式である時の電流波形、
図8(b)は単相3線式(負荷平衡)である時の電流波形、
図8(c)は単相3線式(負荷不平衡でR相>T相)である時の変流器二次側の電圧波形、
図8(d)は単相3線式(負荷不平衡でT相>R相)である時の電流波形である。
図7,
図8から明らかなように、
図6に示した回路では、地絡の有無に関わらず各相の検出信号の合成波形が所定の値を持つため、地絡を検出することができなかった。
【0007】
なお、
図6と同様に、交流系統に変流器及び整流回路を介して接続されたコンデンサを制御電源等に利用する回路遮断器が、特許文献2や特許文献3に記載されている。
特許文献2では、一次側が三相交流系統に接続された変流器の二次側から正負の検出電流を得る二つの半波整流回路を備え、一方の半波整流回路の出力により制御回路電源及びトリップコイル用電源のコンデンサを充電すると共に、他方の半波整流回路の出力側に接続された検出抵抗回路により三相交流系統の過電流を検出してトリップコイルを励磁している。
また、特許文献3では、交流系統からダイオードブリッジを介して充電されるコンデンサの電圧を昇圧してトリップコイルを励磁することにより、二次出力が小さい小型の変流器であっても十分な励磁電流を確保可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平1-316673号公報(第1頁右下欄第5行~第2頁左上欄第18行、第5図,第6図等)
【特許文献2】特開2002-27656号公報([0020]~[0029]、
図1等)
【特許文献3】特開平8-126185号公報([0014]~[0017]、
図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献2,3に記載された回路遮断器は、変流器の小型化や負荷電流の計測範囲の拡大等を目的としており、各相の整流回路の出力を用いて地絡を検出する技術については特に開示されていない。
そこで、本発明の解決課題は、交流系統の整流電圧を用いて制御電源を生成する回路構成においても、地絡を確実に検出可能とした地絡検出回路及び地絡検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係る地絡検出回路は、交流系統の一相の線路に一次側が接続された変流器と、前記変流器の二次側に接続され、かつ一方の出力端子がコンデンサを介して接地された変形ブリッジと、を備えた相ユニットを複数相分構成し、
前記変形ブリッジは、前記変流器の二次側に誘起される交流電圧の正の半波を、前記コンデンサを介して整流する第1,第2のダイオードと第1の出力抵抗とを有すると共に、前記交流電圧の負の半波を、前記コンデンサを介して整流する第3,第4のダイオードと第2の出力抵抗とを有し、更に、
前記第1の出力抵抗及び前記第2の出力抵抗における電圧降下の合成値を複数相分の前記相ユニットについてそれぞれ求める手段と、これら複数相分の前記合成値を合成して得た電圧波形を所定の閾値電圧と比較して前記線路の地絡を検出する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る地絡検出回路は、前記変形ブリッジの整流出力により充電される前記コンデンサを制御電源として使用することを特徴とする。
【0012】
更に、本発明に係る地絡検出回路は、前記交流系統が三相3線式系統または単相3線式系統であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る地絡検出方法は、交流系統の一相の線路に一次側が接続された変流器と、前記変流器の二次側に接続され、かつ一方の出力端子がコンデンサを介して接地された変形ブリッジと、を有する相ユニットを複数相分備え、
前記変形ブリッジが、前記変流器の二次側に誘起される交流電圧の正の半波を、前記コンデンサを介して第1,第2のダイオードと第1の出力抵抗とにより整流すると共に、前記交流電圧の負の半波を、前記コンデンサを介して第3,第4のダイオードと第2の出力抵抗とにより整流し、
前記第1の出力抵抗及び前記第2の出力抵抗における電圧降下の合成値を複数相分の前記相ユニットについてそれぞれ求め、これら複数相分の前記合成値を合成して得た電圧波形を所定の閾値電圧と比較して前記線路の地絡を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、交流系統の整流電圧により制御回路等の電源を生成するようにした回路構成において、各相の二つの出力抵抗により検出した波形の一方を反転させて他方と合成し、その合成波形を全相分加算したうえで閾値と比較することにより、地絡の発生を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】本発明の実施形態における地絡検出方法を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図2におけるR相分の動作を説明するための波形図である。
【
図4】
図1において交流系統に地絡が発生していない場合の各相検出信号の合成波形を示す図である。
【
図5】
図1において交流系統に地絡が発生した場合の各相検出信号の合成波形を示す図である。
【
図7】
図5において交流系統に地絡が発生していない場合の各相検出信号の合成波形を示す図である。
【
図8】
図5において交流系統に地絡が発生した場合の各相検出信号の合成波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る地絡検出回路を示している。
図1において、三相3線式交流系統の各相(R相,S相,T相)の線路10R,10S,10Tには、R相ユニット200R,S相ユニット200S,T相ユニット200Tがそれぞれ設けられている。
各相ユニット200R,200S,200Tの構成は全て同一であるため、以下ではR相ユニット200Rについて説明する。
【0017】
R相ユニット200Rにおいて、一次側が線路10Rに接続された変流器21Rの二次側の一端と他端との間には、限流用の抵抗22Rと変形ブリッジ240Rとが直列に接続されている。
変形ブリッジ240Rは、抵抗22Rの出力端子(変流器21R側の端子とは反対側の端子)と接地との間に接続されたダイオード243Rと一方の出力抵抗241Rとの直列回路と、変流器21Rの二次側の他端と接地との間に接続されたダイオード244Rと他方の出力抵抗242Rとの直列回路と、上記ダイオード243Rに対して順方向に直列接続されたダイオード245Rと、上記ダイオード244Rに対して順方向に直列接続されたダイオード246Rと、を備えている。
【0018】
S相ユニット200S,T相ユニット200Tの構成も上記R相ユニット200Rと同一である。すなわち、S相ユニット200Sは、変流器21Sと抵抗22Sと変形ブリッジ240Sとからなり、変形ブリッジ240Sは、ダイオード243S~246S及び二つの出力抵抗241S,242Sを備えている。また、T相ユニット200Tは、変流器21Tと抵抗22Tと変形ブリッジ240Tとからなり、変形ブリッジ240Tは、ダイオード243T~246T及び二つの出力抵抗241T,242Tを備えている。
【0019】
更に、R相の変形ブリッジ240Rでは、ダイオード243R,245R同士の接続点とダイオード244R,246R同士の接続点が交流入力端子となり、S相の変形ブリッジ240Sでは、ダイオード243S,245S同士の接続点とダイオード244S,246S同士の接続点が交流入力端子となり、T相の変形ブリッジ240Tでは、ダイオード243T,245T同士の接続点とダイオード244T,246T同士の接続点が交流入力端子となっている。
そして、変形ブリッジ240Rにおけるダイオード245R,246R同士の接続点、変形ブリッジ240Sにおけるダイオード245S,246S同士の接続点、及び、変形ブリッジ240Tにおけるダイオード245T,246T同士の接続点は一括接続されて直流出力端子となり、この直流出力端子は制御回路等の電源となるコンデンサ25を介して接地されている。
【0020】
この実施形態による地絡検出原理は以下の通りである。
例えばR相において、変流器21Rの二次側から抵抗22Rを介して変形ブリッジ240Rに入力される電圧が全波整流される際に、一方の出力抵抗242Rでは正弦波の正の半波がダイオード245R,244Rとコンデンサ25とを介して整流されて電圧降下を生じ、他方の出力抵抗241Rでは負の半波がダイオード246R,243Rとコンデンサ25とを介して整流されて電圧降下を生じる。これらの抵抗241R,242Rによる電圧降下を合成することにより、全波整流前の変流器21Rの一次側に流れる電流(線路10Rを流れる電流)に比例した検出信号を生成することができ、この検出信号を全相分合成した波形が所定の値を持つか否かに基づいて地絡の有無を判定することができる。
【0021】
具体的には、三相3線式(または単相3線式)交流系統の線路10R,10S,10Tの何れにも地絡が発生していない場合には、変流器21R,21S,21Tの一次側の電流の和はゼロであるため、これらの二次側に巻数比分の出力が誘導されてもR相,S相,T相の出力の総和はゼロになる。
【0022】
しかし、線路10R,10S,10Tの何れかに地絡が発生すると、その相の出力が低下して変流器21R,21S,21Tから出力される波形の総和はゼロにならず所定の値を持つ。従って、変形ブリッジ240R,240S,240T内の出力抵抗241R,242R,241S,242S,241T,242Tによる電圧降下を用いて変形ブリッジ240R,240S,240Tの入力波形を擬似的に生成し、これらの波形を合成して所定の閾値電圧と比較することにより、何れかの線路10R,10S,10Tにおける地絡を検出することができる。
【0023】
図2は、上記の原理に基づく地絡検出方法を示す機能ブロック図である。
図2において、V1R,V2RはR相の変形ブリッジ240R内の出力抵抗241R,242Rの両端電圧、V1S,V2SはS相の変形ブリッジ240S内の出力抵抗241S,242Sの両端電圧、V1T,V2TはT相の変形ブリッジ240T内の出力抵抗241T,242Tの両端電圧である。
【0024】
また、247R,247S,247Tは、各相の一方の電圧V2R,V2S,V2Tの波形をそれぞれ反転させる反転手段である。更に、248Rは電圧V1Rと反転後の電圧V2Rとを合成して全波整流前のR相電圧VRを擬似的に生成する合成手段、248Sは電圧V1Sと反転後の電圧V2Sとを合成して全波整流前のS相電圧VSを擬似的に生成する合成手段,248Tは電圧V1Tと反転後の電圧V2Tとを合成して全波整流前のT相電圧VTを擬似的に生成する合成手段である。
上記各相の電圧VR,VS,VTを地絡検出用の合成手段249により合成することで全波整流前の各相電圧の合成波形が得られ、この合成波形が所定の閾値電圧を超えた場合に何れかの線路10R,10S,10Tにおける地絡を検出することができる。
【0025】
図3は、三相のうち例えばR相についての反転手段247R及び合成手段248R等の動作を示す波形図である。
R相の線路10Rの電圧が正弦波交流電圧である場合、
図3(a)に示すように、正弦波交流電圧の全波を出力抵抗241R,242Rの両端電圧V1R,V2Rとして二つの半波に分離し、
図3(b)に示すごとく一方の電圧V2Rを反転手段247Rにより反転させる。その後、他方の電圧V1Rと反転後の電圧V2Rとを合成手段248Rにより合成して
図3(c)に示すR相電圧VRを生成する。
【0026】
上記と同様に、他相(S相,T相)についても反転手段247S,247T及び合成手段248S,248Tの動作により、S相電圧VS,T相電圧VT(図示せず)を生成する。
その後、合成手段249によって各相電圧VR,VS,VTを合成し、その合成波形の値がほぼゼロであれば地絡なしと判定し、閾値電圧以上の値を示せば地絡発生と判定するものである。
【0027】
図4は、本発明の実施形態において全ての線路10R,10S,10Tに地絡が発生していない時の各相の出力抵抗241R,242R,241S,242S,241T,242Tによる検出信号の合成波形(電圧波形)を示しており、
図4(a)は線路10R,10S,10Tが三相3線式の場合、
図4(b)は単相3線式(負荷平衡)の場合、
図4(c)は単相3線式(負荷不平衡であってR相>T相)の場合、
図4(d)は単相3線式(負荷不平衡であってT相>R相)の場合である。
図4(a)~(d)から明らかなように、地絡が発生していない場合には、全相の合成波形が閾値電圧を超えることはない。
【0028】
また、
図5は、線路10R,10S,10Tの何れかに地絡が発生した時(地絡電流50[A])の出力抵抗241R,242R,241S,242S,241T,242Tによる検出信号の合成波形(電圧波形)であり、
図5(a)は線路10R,10S,10Tが三相3線式の場合、
図5(b)は単相3線式(負荷平衡)の場合、
図4(c)は単相3線式(負荷不平衡であってR相>T相)の場合、
図4(d)は単相3線式(負荷不平衡であってT相>R相)の場合である。
図5(a)~(d)によれば、何れも全相の合成波形が周期的に閾値電圧を超えることから、地絡の発生を確実に検出することができる。
【0029】
本発明は、三相3線式または単相3線式の交流系統に接続される回路遮断器に搭載可能であり、特に、交流系統の整流電圧により制御電源等を生成する回路構成を対象とした地絡の検出に好適である。
【符号の説明】
【0030】
10R,10S,10T:線路
21R,21S,21T:変流器
22R,22S,22T:抵抗
25:コンデンサ
200R:R相ユニット
200S:S相ユニット
200T:T相ユニット
240R,240S,240T:変形ブリッジ
241R,242R,241S,242S,241T,242T:出力抵抗
243R,244R,245R,246R,243S,244S,245S,246S,243T,244T,245T,246T:ダイオード
247R,247S,247T:反転手段
248R,248S,248T:合成手段
249:合成手段