(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157166
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】調圧弁
(51)【国際特許分類】
F16K 17/04 20060101AFI20231019BHJP
F16K 1/42 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
F16K17/04 B
F16K17/04 A
F16K1/42 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066902
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【弁理士】
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】東條 信男
(72)【発明者】
【氏名】青山 良平
【テーマコード(参考)】
3H052
3H059
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA25
3H052CA01
3H052CB01
3H052EA02
3H059AA06
3H059BB22
3H059CA01
3H059CB02
3H059CD06
3H059CE01
3H059EE01
3H059FF02
(57)【要約】
【課題】大型化することを抑制しつつ、調圧容量性能の高い調圧弁を提供する。
【解決手段】調圧弁100は、調圧室10内の液体を排出するための余液排出路Lを形成する弁座2と、弁座2に着座して余液排出路Lの開口部Laを閉とし、液体の圧力が設定圧力を越える場合、弁座2から離座して開口部Laを開とするピストン弁体3と、を備える。ピストン弁体3は、弁座2の端部を凹部30内に侵入させて弁座2の外周面2aに設けられた環状の弁座当接部20に当接することによって、弁座2に着座する。弁座当接部20は、ピストン弁体3側に向って徐々に径が小さくなる形状を呈している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入する液体の圧力を調整するための調圧室(10)と、前記調圧室(10)内の液体を排出するための余液排出路(L)を形成する弁座(2)と、前記調圧室(10)内にその一部が進入し、液体の圧力が設定圧力以下の場合、前記弁座(2)に着座して余液排出路(L)の開口部(La)を閉とし、前記液体の圧力が前記設定圧力を越える場合、前記弁座(2)から離座して前記開口部(La)を開とするピストン弁体(3)と、を備える調圧弁(100)であって、
前記ピストン弁体(3)における前記弁座(2)と対向する部位には凹部(30)が設けられ、
前記ピストン弁体(3)は、前記弁座(2)の前記開口部(La)側の端部を前記凹部(30)内に侵入させて前記弁座(2)の外周面(2a)に設けられた環状の弁座当接部(20)に当接することによって、前記弁座(2)に着座し、
前記弁座当接部(20)は、前記ピストン弁体(3)側に向って徐々に径が小さくなる形状を呈している、調圧弁(100)。
【請求項2】
前記ピストン弁体(3)は、当該ピストン弁体(3)における前記弁座(2)側の端面(3a)と前記凹部(30)の内周面(30a)との角部(31)が前記弁座当接部(20)に当接する、請求項1に記載の調圧弁(100)。
【請求項3】
前記弁座当接部(20)は、前記ピストン弁体(3)側に向って徐々に径が小さくなるテーパ状、又は、前記ピストン弁体(3)側に向って徐々に径が小さくなると共に外側に向って円弧状に張り出す曲面状を呈している、請求項1又は2に記載の調圧弁(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調圧弁に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、流入する液体の圧力を調整する調圧弁が記載されている。このような調圧弁は、調圧室内の液体を排出するための余液排出路を形成する弁座と、弁座に着座及び離座可能なピストン弁体とを備えている。このピストン弁体は、バネによって付勢されており、調圧室内の液体の圧力が設定圧力以下の場合に、弁座に着座して余液排出路の開口部を閉とする。また、ピストン弁体は、調圧室内の液体の圧力が設定圧力を越えると、弁座から離座して余液排出路の開口部を開とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような調圧弁においては、調圧時のジェット音や振動が小さいほど、調圧容量性能が良くなる。このため、ジェット音や振動が抑制されるように、シート径(弁座とピストン弁体との接触部の径)を大きくすることが考えられる。しかしながら、単純にシート径を大きくしようとすると、弁体の径も大きくなり、調圧弁自体が大型化する。
【0005】
そこで、本発明は、大型化することを抑制しつつ、調圧容量性能の高い調圧弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、流入する液体の圧力を調整するための調圧室(10)と、調圧室(10)内の液体を排出するための余液排出路(L)を形成する弁座(2)と、調圧室(10)内にその一部が進入し、液体の圧力が設定圧力以下の場合、弁座(2)に着座して余液排出路(L)の開口部(La)を閉とし、液体の圧力が設定圧力を越える場合、弁座(2)から離座して開口部(La)を開とするピストン弁体(3)と、を備える調圧弁(100)であって、ピストン弁体(3)における弁座(2)と対向する部位には凹部(30)が設けられ、ピストン弁体(3)は、弁座(2)の開口部(La)側の端部を凹部(30)内に侵入させて弁座(2)の外周面に設けられた環状の弁座当接部(20)に当接することによって、弁座(2)に着座し、弁座当接部(20)は、ピストン弁体(3)側に向って徐々に径が小さくなる形状を呈している。
【0007】
この調圧弁(100)では、弁座(2)の外周面(2a)に設けられた弁座当接部(20)にピストン弁体(3)が着座する。つまり、この調圧弁(100)では、シート径の位置が弁座(2)の外周面(2a)の位置となり、同じ大きさの弁座(2)を用いる場合においてシート径をより大きく確保することができる。これにより、この調圧弁(100)は、大型化することを抑制しつつ、調圧容量性能を高めることができる。
【0008】
上記の調圧弁(100)において、ピストン弁体(3)は、当該ピストン弁体(3)における弁座(2)側の端面(3a)と凹部(30)の内周面(30a)との角部(31)が弁座当接部(20)に当接してもよい。この場合、調圧弁(100)は、ピストン弁体(3)と弁座(2)との接触面積を小さくすることができる。これにより、調圧弁(100)では、ピストン弁体(3)が付勢されて弁座(2)に着座したときに、接触部分における単位面積当たりの荷重を大きくすることができる。したがって、調圧弁(100)は、ピストン弁体(3)が弁座(2)に着座した状態において、余液排出路(L)への液体の漏れを抑制できる。
【0009】
上記の調圧弁(100)において、弁座当接部(20)は、ピストン弁体(3)側に向って徐々に径が小さくなるテーパ状、又は、ピストン弁体(3)側に向って徐々に径が小さくなると共に外側に向って円弧状に張り出す曲面状を呈していてもよい。この場合、調圧弁(100)は、弁座(2)の外周面(2a)に設けられた弁座当接部(20)に対してピストン弁体(3)を適切に当接させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、大型化することを抑制しつつ、調圧容量性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る調圧弁の縦断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の弁座周りを拡大して示す縦断面図であり、ピストン弁体が弁座に着座した状態を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1の弁座周りを拡大して示す縦断面図であり、ピストン弁体が弁座から離座した状態を示す図である。
【
図4】
図4は、変形例に係る弁座の弁座当接部周りを拡大して示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一又は相当する要素同士には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、本明細書において、「上」、「下」等の語句は、図面に示す状態に基づいており、構成を説明する上での便宜的なものである。
【0013】
図1に示される調圧弁100は、いわゆる差圧式の調圧弁である。調圧弁100は、一例として、農薬等の使用液を噴霧する動力噴霧機や洗浄機等に用いられるものであって、使用液を吐出するポンプの吐出側に取り付けられ、ポンプから吐出される使用液(液体)の圧力を調節するためのものである。
【0014】
調圧弁100は、ボディ1、弁座2、ピストン弁体3、ピストンガイド4、バネ筒5、バネ受け6、複数の皿バネ7、及び調圧キャップ8を備えている。
【0015】
ボディ1には、一方の側部に流入口1aが、これとは反対側の側部に流出口1bが各々形成されると共に、これらの流入口1aと流出口1bとの間の下部に余液口1cが形成されている。流入口1a、流出口1b、及び余液口1cは、ボディ1内に形成された調圧室10を介して互いに連通している。調圧室10は、流入する液体の圧力を調整するための部屋となる。例えば、流入口1aはポンプの吐出口に、流出口1bは噴射ノズルに、余液口1cはポンプが接続されるタンクに、各々配管等を介して接続される。
【0016】
弁座2は、上下方向に軸線を有する円筒状を呈し、調圧室10内に配置されている。弁座2の下端部は、ボディ1の内部に設けられた弁座嵌込部11に調圧室10側から挿入されている。弁座2の外周面に設けられた円環状のOリング溝には、OリングR1が装着されている。弁座2に装着されたOリングR1が、ボディ1に設けられた弁座嵌込部11の内周面に圧接することで、弁座2がボディ1に液密に装着される。弁座2の筒孔は、調圧室10内の使用液を排出するための余液排出路Lを構成している。余液排出路Lは、ボディ1の余液口1cに連通している。
【0017】
ピストン弁体3は、上下方向に軸線を有する円柱状を呈し、弁座2と同軸に配置されている。ピストン弁体3は、調圧室10内において上側から弁座2の上部に着座する。すなわち、ピストン弁体3の一部(下側の端部)が調圧室10内に侵入している。なお、
図1では、ピストン弁体3が弁座2に着座した状態が示されている。ピストン弁体3の外周面に設けられた円環状のOリング溝には、OリングR2が装着されている。
【0018】
また、ボディ1には、調圧室10に連通すると共に、上下方向に延びる断面円状の貫通孔12が形成されている。ピストンガイド4は、上下方向に軸線を有する円筒状を呈している。ピストンガイド4は、ピストン弁体3と同時に配置され、ボディ1の貫通孔12に嵌め込まれている。ピストンガイド4の外周面に設けられた円環状のOリング溝には、OリングR3が装着されている。ピストンガイド4に装着されたOリングR3が貫通孔12の内周面に圧接することで、ピストンガイド4がボディ1に液密に装着される。
【0019】
バネ筒5は、上下方向に軸線を有する円筒状を呈し、ピストンガイド4の上側の位置においてピストン弁体3と同軸に配置されている。バネ筒5は、貫通孔12の上部に螺合することにより、ピストンガイド4を下方に押圧しつつボディ1に固定される。
【0020】
この状態で、ピストン弁体3はピストンガイド4に挿通され、ピストン弁体3に装着されたOリングR2がピストンガイド4の内周面に圧接されて液密に摺接する。これにより、ピストン弁体3は、ピストンガイド4によって軸線方向(上下方向)に摺動可能に案内される。
【0021】
バネ受け6は、ピストン弁体3と同軸に配置され、ピストン弁体3の後端(上側の端部)に連結されている。複数の皿バネ7は、バネ筒5の筒孔内に上下方向に積層されている。複数の皿バネ7は、バネ筒5の筒孔内において圧縮された状態で配置されており、軸線方向にバネ受け6を付勢する。これにより、ピストン弁体3は、バネ受け6を介して弁座2へ着座する方向に付勢され、余液排出路Lの開口部Laを覆うことによって開口部Laを閉とする。なお、ピストン弁体3を付勢する付勢手段としては皿バネ7に限定されず、例えば圧縮コイルバネ等の他の部材であってもよい。
【0022】
調圧キャップ8は、バネ筒5の上部に螺合している。調圧キャップ8の下側の端部は複数の皿バネ7の上部に当接している。調圧キャップ8の上下方向の位置を調節することで、調圧キャップ8とバネ受け6との間に配置された複数の皿バネ7の初期荷重が調節される。
【0023】
次に、弁座2及びピストン弁体3の構成の詳細について説明する。
図2に示されるように、ピストン弁体3における弁座2と対向する部位(つまり、ピストン弁体3の下側の端面3a)には、上方に向って窪む凹部30が設けられている。弁座2の上端部の外周面2aには、周方向に沿って延在する環状の弁座当接部20が設けられている。弁座当接部20は、ピストン弁体3側に向って徐々に径が小さくなる形状を呈している。本実施形態において弁座当接部20は、ピストン弁体3側に向って徐々に径が小さくなるテーパ状を呈している。つまり、弁座2の外周面2aのうち、上側の部分がテーパ状に形成されている。
【0024】
弁座当接部20の大きさは、ピストン弁体3が弁座2に着座した状態において、弁座当接部20の少なくとも一部がピストン弁体3の端面3a内に侵入可能な大きさとなっている。つまり、弁座当接部20の上端部20aの位置での直径は、ピストン弁体3の凹部30の下端部の位置での直径よりも小さい。また、本実施形態において、弁座当接部20の下端部20bの位置での直径は、ピストン弁体3の凹部30の下端部の位置での直径よりも大きい。
【0025】
また、ピストン弁体3は、弁座2側(下側)の端面3aと凹部30の内周面30aとによって形成される角部31が弁座当接部20に当接する。つまり、本実施形態において、ピストン弁体3の角部31と弁座当接部20とは、円を描くように線接触している。
【0026】
このように、ピストン弁体3は、弁座2に設けられた余液排出路Lの開口部La側の端部を端面3a内に侵入させる。そして、ピストン弁体3は、弁座2の外周面2aに設けられた環状の弁座当接部20に当接することによって、弁座2に着座する。
【0027】
ピストン弁体3は、流入口1aから調圧室10に供給された使用液の圧力が設定圧力以下の場合、弁座当接部20を覆うようにして弁座2に着座し、余液排出路Lの開口部Laを閉とする。
【0028】
一方、ピストン弁体3は、供給された使用液の圧力が設定圧力を越える場合、
図3に示されるように、バネ受け6を押し上げて上方に移動し、弁座2から離座する。これにより、ピストン弁体3は、余液排出路Lの開口部Laを開とする。このように、調圧弁100は、使用液の一部を余液排出路L及び余液口1cを介して外部に排出することによって使用液の圧力を調節し、圧力が調節された使用液を流出口1bから吐出することができる。
【0029】
以上のように、調圧弁100では、弁座2の外周面2aに設けられた弁座当接部20にピストン弁体3が着座する。つまり、この調圧弁100では、シート径の位置が弁座2の外周面2aの位置となり、同じ大きさの弁座を用いる場合においてシート径をより大きく確保することができる。これにより、この調圧弁100は、大型化を抑制しつつ、調圧容量性能を高めることができる。
【0030】
なお、調圧容量性能とは、調圧弁100の余液口1cから排出される余水量(使用液の量)と配管圧力との関係をいう。一般に余液口1cから排出される余水量が少なくなるほど配管圧力は小さくなる。調圧容量性能が良いこととは、余水量の増減での配管圧力の変動が少ないことをいう。
【0031】
ピストン弁体3は、弁座2側の端面3aと凹部30の内周面30aとによって形成される角部31が、弁座当接部20に当接する。つまり、ピストン弁体3の角部31と弁座当接部20とは、円を描くように線接触する。この場合、調圧弁100は、ピストン弁体3と弁座2との接触面積を小さくすることができる。これにより、調圧弁100では、ピストン弁体3が付勢されて弁座2に着座したときに、接触部分における単位面積当たりの荷重が大きくなる。したがって、調圧弁100は、ピストン弁体3が弁座2に着座した状態において、余液排出路Lへの使用液の漏れを抑制できる。
【0032】
弁座2の弁座当接部20は、ピストン弁体3側に向って徐々に径が小さくなるテーパ状を呈している。この場合、調圧弁100は、弁座2の外周面2aに設けられた弁座当接部20に対してピストン弁体3を適切に当接させることができる。
【0033】
また、弁座当接部20がピストン弁体3側に向って徐々に径が小さくなるテーパ状を呈しているため、ピストン弁体3が移動して開口部Laが開いたときに、
図3の矢印A1で示されるように、弁座当接部20の傾斜に沿って滑らかに(余水流線の折れ曲がりが少ない状態で)余水(使用液)を余液排出路Lに導入することができる。
【0034】
さらに、
図3の矢印A1に沿って弁座2とピストン弁体3との間に流れ込んだ余水は、ピストン弁体3の凹部30の底部にぶつかる。これにより、ピストン弁体3には、矢印A2で示される方向の力を受ける。このように、調圧弁100では、ピストン弁体3が移動して開口部Laが開いたときに、余水の水圧によってピストン弁体3を持ち上げる(皿バネ7の荷重に逆らう)方向にピストン弁体3を付勢することができ、ピストン弁体3のリフト量を大きくすることができる。これにより、調圧弁100は、ピストン弁体3のリフト量を大きくすることができることによって、調圧容量性能をさらに向上させることが可能となる。
【0035】
本実施形態におけるピストン弁体3は、弁座2の外周面2aに設けられたテーパ状の弁座当接部20に当接する構成である。このため、弁座2の弁座当接部20の部分は、径を小さくする方向の力をピストン弁体3から受けるものの、径を拡大する方向の力は受けない。例えば、弁座2の上面の開口部Laに円錐状のピストン弁体を差し込んで開口部Laを閉じる構成である場合、弁座2の上端部は径を拡大する方向の力をピストン弁体から受ける。例えば、一般にセラミックは径の拡大方向の荷重には弱い(割れが生じる)が、本実施形態の構成では、弁座2の材料として一例としてセラミックを用いることができる。このように、調圧弁100では、弁座2の材料選定の自由度を向上させることができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、弁座2の弁座当接部20の形状は、テーパ状に限定されない。テーパ状以外の他の形状の一例として、
図4に示される弁座2Aの弁座当接部20Aのように、ピストン弁体3側に向って徐々に径が小さくなると共に外側に向って円弧状に張り出す曲面状を呈していてもよい。ここでの円弧状に張り出す曲面状とは、
図4に示されるように、弁座当接部20Aの上端部20aと下端部20bとをつなぐ直線Bよりも、弁座当接部20Aの面が外側に湾曲するように張り出していればよい。
【0037】
また、ピストン弁体3は、角部31が弁座2の弁座当接部20に当接することに限定されない。例えば、ピストン弁体3は、角部31に代えて、弁座2側に向って徐々に径が拡大する形状の弁体当接部を有し、この弁体当接部が弁座当接部20に当接する構成であってもよい。なお、弁体当接部における弁座2側に向って徐々に径が拡大する形状とは、テーパ状、又は内側に向って円弧状に張り出す曲面状であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
2,2A…弁座、2a…外周面、3…ピストン弁体、3a…端面、10…調圧室、20,20A…弁座当接部、30…凹部、30a…内周面、31…角部、100…調圧弁、L…余液排出路、La…開口部。