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  • 特開-伸縮継手 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157212
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】伸縮継手
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/068 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
E04D13/068 501Q
E04D13/068 501L
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022066970
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000108719
【氏名又は名称】タキロンシーアイ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522152304
【氏名又は名称】タキロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】谷口 勝英
(72)【発明者】
【氏名】薮田 直己
(57)【要約】      (修正有)
【課題】内側継手部と外側継手部との隙間、特に段差部における隙間からの雨水の侵入を防止し、伸縮継手の漏水を防止する。
【解決手段】第1及び第2の端部を有する外側継手部と、外側継手部の内側に位置して外側継手部の第2の端部側で重なり合う内側継手部と、を有する伸縮継手である。外側継手部は、外側継手部の内面から内側に突出する突片を備え、第一の側板部は、少なくとも第2の端部にまで延びる段差部を具備し、外側継手部の突片は、段差部、段差部より上方の内面、および段差部より下方の内面と接続され、内側継手部は、内側継手部の外面から外側に突出する突片を備え、内側継手部の突片は、外側継手部の段差部、外側継手部の段差部より上方の内面、および外側継手部の段差部より下方の内面と当接し、外側継手部の突片と内側継手部の突片は、外側継手部と内側継手部が重なり合う領域において対向する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の端部を有する外側継手部と、前記外側継手部の内側に位置して前記外側継手部の前記第2の端部側で重なり合う内側継手部と、を有する伸縮継手であって、
前記外側継手部は、底板部と、第一の側板部と、該第一の側板部に対向する第二の側板部と、前記外側継手部の前記第2の端部側において前記外側継手部の内面から内側に突出する突片を備え、
前記第一の側板部は、少なくとも前記第2の端部にまで延びる段差部を具備し、
前記外側継手部の突片は、前記段差部、前記段差部より上方の内面、および前記段差部より下方の内面と接続され、
前記内側継手部は、底板部と、第一の側板部と、該第一の側板部に対向する第二の側板部と、前記内側継手部の外面から外側に突出する突片を備え、
前記内側継手部の突片は、前記外側継手部の段差部、前記外側継手部の段差部より上方の内面、および前記外側継手部の段差部より下方の内面と当接し、
前記外側継手部の突片と前記内側継手部の突片は、前記外側継手部と前記内側継手部が重なり合う領域において対向する、
伸縮継手。
【請求項2】
前記外側継手部と前記内側継手部とを横方向に相対移動可能に接続する弾性伸縮接続部を備え、
前記内側継手部は、前記外側継手部と重なり合う部分とは反対側に軒樋を接続する軒樋接続部を備え、
前記弾性伸縮接続部は、前記外側継手部の第2の端部と前記内側継手部の軒樋接続部とに接続されることで、前記外側継手と前記内側継手との間を止水するものである、
請求項1に記載の伸縮継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軒樋に接続される伸縮継手に関する。
【背景技術】
【0002】
建物には合成樹脂製の軒樋が多く利用されている。合成樹脂製の軒樋は大きな熱膨張係数を持つため、気温の変化等に伴う長手方向の伸縮により、軒樋自身が変形したり破損したりする。
【0003】
軒樋の伸縮を吸収するために、軒樋に接続する伸縮継手が提案されている。伸縮継手は、外側継手と内側継手が互いに摺動可能に組み合わされており、内側継手と外側継手が摺動することによって軒樋の伸縮量を吸収する。
【0004】
ところで、降雨時に軒樋を流れる雨水は、伸縮継手にも流入する。伸縮継手に雨水が流入した際、内側継手と外側継手の接合部の隙間に雨水が侵入して、伸縮継手の外部に漏れ出るおそれがある。この問題に対処するために、例えば特許文献1(特開平5-321419号公報)は、内側継手と外側継手との間にパッキン材を設けて、雨水の外部への漏れを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-321419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の伸縮継手では、内側継手と外側継手の上端縁部付近に隙間を設けた段差部が形成されている。段差部の形状は複雑であるため、この部位にはパッキン材が設けられていない。それゆえ、軒樋の耳部に沿って伸縮継手に流入した雨水や、伸縮継手の底部からの水撥ねによる雨水が、内側継手と外側継手の段差部の隙間から侵入するおそれがある。すなわち、伸縮継手の漏水防止技術には未だ改善の余地がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、内側継手と外側継手の段差部の隙間からの雨水の侵入を防止し、伸縮継手の漏水を防止することが可能な伸縮継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決すべく、本発明は、
第1及び第2の端部を有する外側継手部と、前記外側継手部の内側に位置して前記外側継手部の前記第2の端部側で重なり合う内側継手部と、を有する伸縮継手であって、
前記外側継手部は、底板部と、第一の側板部と、該第一の側板部に対向する第二の側板部と、前記外側継手部の前記第2の端部側において前記外側継手部の内面から内側に突出する突片を備え、
前記第一の側板部は、少なくとも前記第2の端部にまで延びる段差部を具備し、
前記外側継手部の突片は、前記段差部、前記段差部より上方の内面、および前記段差部より下方の内面と接続され、
前記内側継手部は、底板部と、第一の側板部と、該第一の側板部に対向する第二の側板部と、前記内側継手部の外面から外側に突出する突片を備え、
前記内側継手部の突片は、前記外側継手部の段差部、前記外側継手部の段差部より上方の内面、および前記外側継手部の段差部より下方の内面と当接し、
前記外側継手部の突片と前記内側継手部の突片は、前記外側継手部と前記内側継手部が重なり合う領域において対向する、
伸縮継手、を提供する。
【0009】
このような構成を有する本発明の伸縮継手では、段差部における横方向(他端側)への雨水の動きを、外側継手部の突片および内側継手部の突片により2段階で遮断することができる。したがって伸縮継手の漏水を確実に防止できる。
【0010】
本発明の伸縮継手においては、
前記外側継手部と前記内側継手部とを横方向に相対移動可能に接続する弾性伸縮接続部を備え、
前記内側継手部は、前記外側継手部と重なり合う部分とは反対側に軒樋を接続する軒樋接続部を備え、
前記弾性伸縮接続部は、前記外側継手部の第2の端部と前記内側継手部の軒樋接続部とに接続されることで、前記外側継手と前記内側継手との間を止水するものである、
ことが好ましい。
ここで横方向とは、第1の端部から第2の端部に向かう方向であり、伸縮継手が延びる方向でもある。
【0011】
このような構成を有する本発明の伸縮継手によれば、たとえ外側継手部および内側継手部の間から弾性伸縮接続部の方に水が浸入したとしても、伸縮継手の漏水を確実に防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内側継手部と外側継手部との隙間、特に段差部における隙間からの雨水の侵入を防止し、伸縮継手の漏水を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る伸縮継手1の上方斜視図である。
図2】伸縮継手1の下方斜視図である。
図3】伸縮継手1の上面図である。
図4図3のIV-IV線断面図である。
図5】(A)縮んだ状態及び(B)伸びた状態の伸縮継手1を示す上方斜視図である。
図6】カバー部材8が外された状態における、(A)縮んだ状態及び(B)伸びた状態の伸縮継手1を示す上方斜視図である。
図7】カバー部材8及び内側継手部4が外された状態における、(A)縮んだ状態及び(B)伸びた状態の伸縮継手1を示す上方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る伸縮継手の代表的な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明は図示されるものに限られるものではなく、各図面は本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて大小や長短の比率や数量を誇張又は簡略化して表している場合もある。更に、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
【0015】
説明の便宜上、次のように座標軸を定める。すなわち、Z軸を鉛直方向とし、X軸を伸縮継手1が延びる方向とし、Y軸をX軸及びZ軸に直交する方向とする。なお、X軸方向を接続方向、伸縮方向、摺動方向及び横方向と呼ぶことがあり、Y軸方向を幅方向と呼ぶことがある。
【0016】
例えば図1及び図2に示すように、伸縮継手1は、概ねX軸方向に沿って延び、X軸方向から見たときに略U字状をなしている。伸縮継手1は、X軸方向の両端(つまり外側継手部の端部31及び軒樋接続部46)において軒樋(図示せず)の端部を受け入れるように構成されている。
【0017】
伸縮継手1は、外側継手部2、内側継手部4、弾性伸縮接続部6、及びカバー部材8を有する。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0018】
外側継手部2は、概ねX軸方向に沿って延び、端部31,32(第1及び第2の端部)を有する。端部31には軒樋の端部(図示せず)が嵌め込まれ、端部32には弾性伸縮接続部6が取り付けられている。
【0019】
外側継手部2は、X軸方向から見たときに略U字状をなす(例えば図7(A),(B)参照)。すなわち、外側継手部2は、底板部21と、底板部21から立ち上がって互いに対向する側板部22,23(第一及び第二の側板部)と、端部32側の内面から突出する突片25と、を備える。外側継手部2の特に端部31の形状は、接続されるべき軒樋の先端形状に対応している。ここでは箱型ないし角型の軒樋との接続を想定して、端部31の形状を箱型(あるいは略コ字状)としているが、丸型の軒樋との接続を想定する場合には、端部31の形状はハーフパイプ状となる。
【0020】
側板部22は、少なくとも端部32まで延びる段差部24を具備する。すなわち、段差部24は、側板部22のうち、上縁から下方に延びる部位26と、底板部21から立ち上がる部位27と、を接続する部分であり、平坦な面(XY平面に対して内側及び下方に傾斜している面)を含む。この段差部24は、伸縮継手1の組み立て時に内側継手部4と外側継手部2との嵌合を容易にするために、また、軒樋(図示せず)との接続を容易にするために、内側継手部4と外側継手部2の上縁付近に設けられている。
【0021】
段差部24はX軸方向に沿って形成されている。本実施形態では、段差部24は端部31から端部32に亘って設けられている。ただし、段差部24は部分的に途切れていてもよいし、開始地点及び終了地点が端部31,32である必要はない。
段差部24の端部31側(軒樋の端部を受け入れる側)には、軒樋を差し込む際のストッパーの役割として、外側継手部2の内面から内側に突出する軒樋当接用突片28が設けられている。
【0022】
突片25は、段差部24、段差部24より上方の内面(つまり部位26)、および段差部24より下方の内面(つまり部位27)と接続される。すなわち、突片24は、外側継手部2の内面から突出する板片であって、段差部24を伝わる水の流路を遮断する役割を果たす。水が突片25を回り込んで侵入することを防止するために、外側継手部2の内面と内側継手部4の外面との隙間(特に段差部24の近傍の隙間)をできるだけ小さくすることが好ましいため、突片25の内側の先端は、内側継手部4の外面の形状に対応していることが好ましい。また、突片25は、側板部22だけでなく、底板部21及び側板部23にも形成されることが好ましい。また、より水の侵入を防止するために、突片25は、側板部22、底板部21及び側板部23に亘って連続して形成されることが好ましい。
【0023】
次いで内側継手部4を説明する。
例えば図6(A),(B)に示すように、内側継手部4は、概ねX軸方向に沿って延びる部材であって、外側継手部2の内側に位置し、外側継手部2の内側をスライドする。つまり、内側継手部4は、端部51側の領域Mにおいて、外側継手部2の端部32側と重なり合う。
【0024】
内側継手部4は、X軸方向から見たときに略U字状を呈している。つまり、内側継手部4は、底板部41と、底板部41から立ち上がって互いに対向する側板部42,43(第一及び第二の側板部)と、外面から突出する突片45と、を備える。ここでは、突片45は内側継手部4の端部51(外側継手部2と重なり合う側の端部)に位置しているが、端部51よりも端部52側寄りに位置してもよい。
【0025】
突片45は、外側継手部2の段差部24、段差部24より上方の内面(つまり部位26)、および段差部24より下方の内面(つまり部位27)と当接する。すなわち、突片45は、内側継手部4の外面から突出する板片であって、段差部24を伝わる水の流路を遮断する役割を果たす。外側継手部2の内面と内側継手部4の外面との隙間(特に段差部24の近傍の隙間)をできるだけ小さくすることが好ましいため、突片45の外側の先端は、外側継手部2の内面の形状に対応していることが好ましい。また、突片45は、側板部42だけでなく、底板部41及び側板部43にも形成されることが好ましい。また、より水の侵入を防止するために、突片45は、側板部42、底板部41及び側板部43に亘って連続して形成されることが好ましい。
【0026】
したがって、外側継手部2の突片25と内側継手部4の突片45とは、外側継手部2と内側継手部4が重なり合う領域Mにおいて対向する(図6(A),(B)参照)。突片25と突片45はそれぞれ外側継手部2と内側継手部4との間の止水機能(特に段差部24の近傍の止水機能)を有することから、突片25と突片45とが相俟って止水機能が更に強化される。
漏水防止の止水機構としては、端部31から段差部24を伝わった水が端部32に進行しようとした際に、第一の止水機構として、内側継手部4の突片45が侵入水の進行を妨げ、下方に誘導する。それでも突片45を超えてなお端部32に侵入しようとする水に対しては、第二の止水機構として外側継手部2の突片25が侵入水の進行を妨げ下方に誘導する。突片25によって下方に誘導された水は突片25と突片45との間の空間に貯水され、時間の経過とともに蒸発するか、突片45と外側継手部2の底板部21との隙間から端部31側に排水されるなどして伸縮継手1の外側に漏水することはない。
【0027】
外側継手部2と内側継手部4とが所定の間隔まで離れると、外側継手部2の突片25と内側継手部4の突片45とが接触し、外側継手部2と内側継手部4の更なる離間が規制される(例えば図6(B)参照)。これにより、内側継手部4が外側継手部2から脱落することが防止される。
【0028】
なお、内側継手部4は、弾性伸縮接続部6の内面側を覆っている(例えば図6(A),(B)参照)。これにより、ゴミ等が弾性伸縮接続部6へ入り込むことを防止している。
【0029】
内側継手部4は、外側継手部2と重なり合う部分とは反対側に(つまり端部52側に)、軒樋を接続する軒樋接続部46を備える(例えば図6(A),(B)参照)。
【0030】
次に弾性伸縮接続部6を説明する。
弾性伸縮接続部6は、外側継手部2と内側継手部4とを伸縮自在に連結する水密部材である。弾性伸縮接続部6としては蛇腹体が好ましく使用されるが、伸縮自在な他の柔軟なシートであってもよい。したがって、弾性伸縮接続部6は、外側継手部2と内側継手部4とを伸縮方向ないし摺動方向に相対移動可能に接続することができる。
【0031】
例えば、弾性伸縮接続部6は、X軸方向から見たときに略U字状に形成された合成ゴムから成る蛇腹体である。弾性伸縮接続部6は、その端部61が外側継手部2の端部32と軒樋接続部46の端部47とに嵌め込まれることによって水密性を確保している(図7(A),(B)参照)。したがって、弾性伸縮接続部6は、外側継手部2の端部32と軒樋接続部46とに接続されることで、外側継手部2と内側継手部4との間を止水することができる。
【0032】
次いでカバー部材8について説明する。
例えば図1図2及び図4に示すように、カバー部材8は、外側継手部2及び内側継手部4の外面を少なくとも部分的に覆う。カバー部材8は、X軸方向から見たときに略U字状をなす。すなわち、カバー部材8は、底壁部81、底壁部81から立上がり互いに対向する側壁部82,83、及び、側壁部82,83の上端から内側に突出する鉤部84,85を含む。カバー部材8は、底壁部81に対して側壁部82,83が幅方向に弾性変形することができる。
【0033】
カバー部材8は、弾性伸縮接続部6の外面を保護する役割を果たすとともに、意匠面を向上させる役割をも果たす。
また、カバー部材8は、鉤部84,85が外側継手部2及び内側継手部4の上縁に上から被さり側壁部82,83が弾性力によって外側継手部2及び内側継手部4を内側に向かって押圧し、突片25を内側継手部4の外面に、突片45を外側継手部の内面にそれぞれ当接させることで(図3及び図4参照)、外側継手部2及び内側継手部4を一体化している。したがって、内側継手部4及び外側継手部2は、突片25,45を介して互いに接触しながら(つまり水密性を保持しながら)、X軸方向に互いに相対移動することができる。
【0034】
外側継手部2、内側継手部4及びカバー部材8は、熱可塑性樹脂などの樹脂材料で成形される。熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、AAS(アクリロニトリル-アクリルゴム-スチレン)樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)、AS(アクリル-スチレン)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂が好適であるが、これらに限られない。
【0035】
伸縮継手1の使用方法を説明する。
伸縮継手1は、外側継手部2の端部31及び内側継手部4の軒樋接続部46にそれぞれ軒樋(図示せず)の先端を差込んだ状態で使用される。
【0036】
軒樋が気温の変化によって伸縮すると、外側継手部2及び内側継手部4がカバー部材8の内側でスライドし、軒樋の伸縮分を吸収する。つまり、軒樋の伸びが大きくなると、外側継手部2及び内側継手部4は互いに近づき、軒樋の縮みが大きくなると、外側継手部2及び内側継手部4は互いに遠ざかる(図5参照)。
【0037】
もっとも、外側継手部2及び内側継手部4が所定の間隔まで離れると、内側継手部4の突片25と外側継手部2の突片45とが接触し、外側継手部2及び内側継手部4の更なる離間を規制する。したがって、弾性伸縮接続部6が限界以上に伸びて引き裂かれたり、内側継手部4が外側継手部2から不意に外れたりしない。
【0038】
また、弾性伸縮接続部6は、外側をカバー部材8で、内側を内側継手部4でそれぞれ覆われているので、直射日光を受けて劣化したり、ゴミが溜まったりする心配もない。
【0039】
また、段差部24における端部32側への水の動きは、内側継手部4の突片45及び外側継手部2の突片25により2段階で遮断される。しかも、たとえ弾性伸縮接続部6の方に水が浸入したとしても、弾性伸縮接続部6により漏水を防止できる。したがって伸縮継手1の漏水を確実に防止できる。
【0040】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、かかる設計変更後の態様(変形例)も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0041】
1 伸縮継手
2 外側継手部
4 内側継手部
6 弾性伸縮接続部
8 カバー部材
24 段差部
25,45 突片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7