(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157245
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】洗浄装置、および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
H01L21/304 648E
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067029
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】神田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】冨田 寛
(72)【発明者】
【氏名】三上 徹
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157BB23
5F157BB24
5F157BB66
5F157CC21
5F157CE74
5F157CF34
5F157CF36
5F157CF38
5F157CF40
5F157DB18
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】基板収納用の容器を好適に洗浄可能な洗浄装置、および半導体装置の製造方法に関する。
【解決手段】一の実施形態によれば、洗浄装置は、基板収納用の容器を洗浄する第1流体を加熱し、および/または、前記容器を洗浄する第2流体を冷却することで、第1温度を有する前記第1流体と、前記第1温度よりも低い第2温度を有する前記第2流体とを供給する温度調整部を備える。前記装置はさらに、前記温度調整部から供給された前記第1流体を前記容器の第1面に供給することで、前記容器を加熱および洗浄し、前記温度調整部から供給された前記第2流体を前記容器の第2面に供給することで、前記容器を冷却および洗浄する洗浄部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板収納用の容器を洗浄する第1流体を加熱し、および/または、前記容器を洗浄する第2流体を冷却することで、第1温度を有する前記第1流体と、前記第1温度よりも低い第2温度を有する前記第2流体とを供給する温度調整部と、
前記温度調整部から供給された前記第1流体を前記容器の第1面に供給することで、前記容器を加熱および洗浄し、前記温度調整部から供給された前記第2流体を前記容器の第2面に供給することで、前記容器を冷却および洗浄する洗浄部と、
を備える洗浄装置。
【請求項2】
前記第1温度は、70℃以上である、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記温度調整部により加熱される前の前記第1流体は、液体状の水であり、
前記温度調整部により加熱された後の前記第1流体は、液体状または蒸気状の水であり、
前記洗浄部は、前記温度調整部から供給された液体状または蒸気状の水を前記第1面に供給することで、前記容器を加熱および洗浄する、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記第2温度は、10℃以下である、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記温度調整部は、前記容器を冷却するガスを供給し、
前記温度調整部は、前記温度調整部から供給された前記ガスを前記第2面に供給することで、前記容器を冷却する、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記温度調整部は、前記容器を冷却する水以外の液体を供給し、
前記温度調整部は、前記温度調整部から供給された前記液体を前記第2面に供給することで、前記容器を冷却する、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記第1温度と前記第2温度との温度差は、70℃以上である、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記第1面は、前記容器の内面であり、前記第2面は、前記容器の外面である、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記洗浄部は、前記第1面と前記第2面との温度差が70℃以上となるように、前記容器を加熱および冷却する、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項10】
前記洗浄部は、前記容器に前記第1流体を溜めることにより、または、前記容器に前記第1流体をシャワー状に注ぐことにより、前記容器を加熱および洗浄する、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項11】
前記洗浄部により行われる前記容器の加熱および冷却を制御する制御部をさらに備える、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記容器の加熱と冷却とを同時に行うよう前記洗浄部を制御する、請求項11に記載の洗浄装置。
【請求項13】
前記洗浄部は、前記容器の第1部分を洗浄する第1洗浄部と、前記容器の第2部分を洗浄する第2洗浄部とを含む、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項14】
前記第1部分は、前記容器の本体であり、前記第2部分は、前記容器の蓋である、請求項13に記載の洗浄装置。
【請求項15】
前記第1洗浄部は、前記第1部分の底部が下向きの状態で、前記第1部分を洗浄する、請求項13に記載の洗浄装置。
【請求項16】
前記第1洗浄部は、前記第1部分の底部が上向きの状態で、前記第1部分を洗浄する、請求項13に記載の洗浄装置。
【請求項17】
基板収納用の容器を洗浄する流体を加熱および/または冷却することで、前記流体の温度を、第1温度と、前記第1温度よりも低い第2温度とに調整可能な温度調整部と、
前記温度調整部により前記第1温度に調整された前記流体を前記容器の第1面に供給することで、前記容器を加熱および洗浄し、前記温度調整部により前記第2温度に調整された前記流体を前記容器の前記第1面に供給することで、前記容器を冷却および洗浄する洗浄部と、
前記洗浄部により行われる前記容器の加熱および冷却を制御する制御部であって、前記容器の加熱と冷却とを交互に行うよう前記洗浄部を制御する制御部と、
を備える洗浄装置。
【請求項18】
第1基板を第1半導体製造装置から搬出して、基板収納用の容器内に収納し、
前記第1基板を前記容器から取り出し、
前記容器を洗浄する第1流体を温度調整部により加熱し、および/または、前記容器を洗浄する第2流体を前記温度調整部により冷却することで、第1温度を有する前記第1流体と、前記第1温度よりも低い第2温度を有する前記第2流体とを供給し、
前記第1基板を取り出した後に、前記温度調整部から供給された前記第1流体を洗浄部により前記容器の第1面に供給することで、前記容器を加熱および洗浄し、前記温度調整部から供給された前記第2流体を前記洗浄部により前記容器の第2面に供給することで、前記容器を冷却および洗浄し、
前記容器を洗浄した後に、前記第1基板と同じまたは異なる第2基板を前記容器内に収納し、
前記第2基板を前記容器から取り出して第2半導体製造装置内に搬入する、
ことを含む半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記洗浄部は、前記容器の加熱と冷却とを同時に行う、請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
第1基板を第1半導体製造装置から搬出して、基板収納用の容器内に収納し、
前記第1基板を前記容器から取り出し、
前記容器を洗浄する流体を温度調整部により加熱および/または冷却することで、前記流体の温度を、第1温度と、前記第1温度よりも低い第2温度とに調整し、
前記第1基板を取り出した後に、前記温度調整部により前記第1温度に調整された前記流体を洗浄部により前記容器の第1面に供給することで、前記容器を加熱および洗浄し、前記温度調整部により前記第2温度に調整された前記流体を前記洗浄部により前記容器の前記第1面に供給することで、前記容器を冷却および洗浄し、
前記容器を洗浄した後に、前記第1基板と同じまたは異なる第2基板を前記容器内に収納し、
前記第2基板を前記容器から取り出して第2半導体製造装置内に搬入する、
ことを含み、
前記洗浄部は、前記容器の加熱と冷却とを交互に行う、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗浄装置、および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
FOUP(Front Opening Unified Pod)を形成しているポリマー内にガスが含侵してしまった場合、このガスは、水で洗浄しても除去しにくい。このガスは例えば、FOUPの真空加熱を行うことで除去可能である。しかしながら、FOUPの真空加熱を行うと、FOUPが熱により変形してしまうなど、FOUPに不具合が生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】S.Case, 2016 27th Annual SEMI ASMC.
【非特許文献2】Polymer handbook 4th Edition, John Wiley & Sons, Inc(1999).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板収納用の容器を好適に洗浄可能な洗浄装置、および半導体装置の製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一の実施形態によれば、洗浄装置は、基板収納用の容器を洗浄する第1流体を加熱し、および/または、前記容器を洗浄する第2流体を冷却することで、第1温度を有する前記第1流体と、前記第1温度よりも低い第2温度を有する前記第2流体とを供給する温度調整部を備える。前記装置はさらに、前記温度調整部から供給された前記第1流体を前記容器の第1面に供給することで、前記容器を加熱および洗浄し、前記温度調整部から供給された前記第2流体を前記容器の第2面に供給することで、前記容器を冷却および洗浄する洗浄部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態の洗浄装置1の構成を示す平面図である。
【
図2】第1実施形態の洗浄装置1の構成を示す断面図である。
【
図3】第1実施形態の洗浄装置1の構成の第1の例を示す平面図である。
【
図4】第1実施形態の洗浄装置1の構成の第1の例を示す断面図である。
【
図5】第1実施形態の洗浄装置1の構成の第2の例を示す平面図である。
【
図6】第1実施形態の洗浄装置1の構成の第2の例を示す断面図である。
【
図7】第1実施形態のFOUP2の洗浄について説明するためのグラフである。
【
図8】第1実施形態のFOUP2の洗浄について説明するための模式図である。
【
図9】第1実施形態のFOUP2の洗浄について説明するための別のグラフである。
【
図10】第1実施形態の洗浄装置1の構成の第2の例を示す別の断面図である。
【
図11】第2実施形態の洗浄装置1の構成を示す平面図である。
【
図12】第2実施形態の洗浄装置1の構成を示す断面図である。
【
図13】第3実施形態の洗浄装置1の構成を示す断面図である。
【
図14】第3実施形態の洗浄装置1の動作を説明するためのグラフである。
【
図15】第4実施形態の洗浄装置1の構成を示す断面図である。
【
図16】第4実施形態の洗浄装置1の構成を示す別の断面図である。
【
図17】第4実施形態のノズル51の構成を示す斜視図である。
【
図18】第4実施形態のノズル51の構成を示す拡大図である。
【
図19】第4実施形態の洗浄装置1の動作を説明するためのグラフである。
【
図20】第5実施形態の半導体製造システムの構成を示す平面図である。
【
図21】第5実施形態の半導体製造装置75の構成の第1の例を示す断面図である。
【
図22】第5実施形態の半導体製造装置75の構成の第2の例を示す断面図である。
【
図23】第5実施形態の半導体製造システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図24】第6実施形態のFOUP2の構造を示す三面図である。
【
図25】第6実施形態のFOUP2の構造を示す別の三面図である。
【
図26】第6実施形態のFOUP2の構造を示す別の三面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1~
図26において、同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の洗浄装置1の構成を示す平面図である。
【0010】
図1では、洗浄装置1が半導体製造システム内に設置されている。
図1は、洗浄装置1と、洗浄装置1上に載置されたFOUP2と、半導体製造システム内の温水流路3と、半導体製造システム内の冷水流路4とを示している。半導体製造システム内で処理される各基板は、FOUP2内に収納され、FOUP2を搬送することで搬送される。FOUP2内に収納される各基板は、例えばウェハである。FOUP2は、基板収納用の容器の例である。
【0011】
洗浄装置1は、FOUP2を洗浄するために設置されている。半導体製造システム内でガスを用いて基板を処理し、その後に基板をFOUP2内に収納すると、基板上に残っていたガスが、基板から放出され、FOUP2に吸着する場合がある。このガスが腐食性ガスの場合には、FOUP2や、FOUP2内の収納物や、半導体製造システム内の種々の半導体製造装置が、ガスの悪影響を受けるおそれがある。このような腐食性ガスの例は、ドライエッチングなどで用いられるハロゲンガス(例:フッ素ガス、塩素ガス)やアンモニアガスである。
【0012】
そこで、洗浄装置1は、FOUP2を水で洗浄することにより、FOUP2に吸着したガスを除去する。例えば、FOUP2に吸着したハロゲンガスやアンモニアガスは、この水に溶けることで除去される。この際、FOUP2内のダストや金属粒子も、FOUP2の洗浄により除去される。洗浄装置1は、温水流路3から供給された温水や、冷水流路4から供給された冷水により、FOUP2を洗浄することができる。FOUP2を洗浄する水は、容器を洗浄する流体の例である。
【0013】
FOUP2は、例えばポリマーで形成されている。この場合、上記のガスは、FOUP2を形成しているポリマー内に含侵してしまうおそれがある。ポリマー内に含侵したガスは、水で洗浄しても除去しにくいうえ、時間がたつとポリマーから染み出してくる。その結果、FOUP2が、染み出してきたガスにより汚染されてしまう。
【0014】
ポリマー内に含侵したガスは、例えばFOUP2の真空加熱を行うことで除去可能である。具体的には、ポリマー内に含侵したガスが、FOUP2の真空加熱により、ポリマーから追い出される。しかしながら、FOUP2の真空加熱を行うと、FOUP2が熱により変形してしまうなど、FOUP2に不具合が生じるおそれがある。
【0015】
そこで、本実施形態の洗浄装置1は、後述するような構成を有している。これにより、FOUP2を好適に洗浄することが可能となり、例えば、ポリマー内に含侵したガスも、FOUP2を水で洗浄することにより除去することが可能となる。
【0016】
本実施形態の洗浄装置1は、複数のロードポート11と、チャンバ12と、加熱部13と、冷却部14と、制御部15とを備えている。チャンバ12は、搬送ロボット21と、搬送レール22と、温水流路23と、冷水流路24と、複数の洗浄部25と、複数の乾燥部26とを含んでいる。搬送ロボット21は、搬送アーム21aを備えている。加熱部13、冷却部14、温水流路23、および冷水流路24は、温度調整部の例である。
【0017】
図1は、互いに垂直なX方向、Y方向、およびZ方向を示している。この明細書では、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。-Z方向は、重力方向と一致していてもよいし、重力方向とは一致していなくてもよい。
【0018】
以下、本実施形態の洗浄装置1の構成を、
図1を参照して説明する。この説明の中で、
図2も適宜参照する。
図2は、第1実施形態の洗浄装置1の構成を示す断面図である。
【0019】
[ロードポート11、チャンバ12]
各ロードポート11は、FOUP2が載置される場所である。FOUP2を洗浄する際には、FOUP2が、いずれかのロードポート11上に載置され、チャンバ12内に搬入され、チャンバ12内で洗浄される。一方、チャンバ12内で洗浄されたFOUP2は、チャンバ12から搬出され、いずれかのロードポート11上に載置され、半導体製造システム内で再び使用される。FOUP2を洗浄する前に、FOUP2内の基板はFOUP2外に取り出される。
【0020】
なお、洗浄装置1のロードポート11の個数は、
図1では2つであるが、2つ以外でもよい。
【0021】
[搬送ロボット21、搬送レール22]
搬送ロボット21は、FOUP2を搬送するためのロボットである。搬送ロボット21は、
図1および
図2に示すように、ロードポート11、洗浄部25、および乾燥部26の間で、FOUP2を搬送することができる。この際、搬送ロボット21は、必要に応じて搬送レール22上を移動することができる。搬送ロボット21は、FOUP2を搬送アーム21aにより保持することで、FOUP2を搬送することができる。
【0022】
[加熱部13、温水流路23]
加熱部13は、温水流路3から水(温水)を引き込み、引き込んだ水を加熱する。加熱部13により加熱された水は、温水流路23を介して各洗浄部25に供給され、FOUP2を洗浄するための洗浄水として用いられる。
【0023】
温水流路3(温水ライン)は、半導体製造システム内で種々の用途に用いられる温水を循環させる流路である。温水流路3は、例えば配管により形成されている。温水流路3を流れる温水は例えば、純水であり、基板の洗浄などに用いられる。温水流路3を流れる温水の温度は、この温度が高すぎるとコストが過大になることから、例えば60~70℃に設定されている。
【0024】
加熱部13は例えば、温水流路3から引き込んだ水(温水)を70℃以上に加熱して、各洗浄部25に供給する。これにより、温水流路3を流れる水より高い温度を有する水を各洗浄部25に供給することが可能になり、FOUP2の洗浄効率を向上させることが可能となる。加熱部13は、60~70℃の水から70℃以上の水を生成するため、常温の水から70℃以上の水を生成する場合に比べて、高温の洗浄水を生成する加熱効率を高めることが可能となる。温水流路3を流れる温水は純水であるため、パーティクルの少ない清浄な水で洗浄水を生成することが可能となる。加熱部13は、温水流路3を流れる温水を必要な量だけ引き込んで、各洗浄部25に供給する洗浄水を生成する。70℃以上という温度は、第1温度の例である。温水流路3から引き込んだ水は、第1流体の例である。
【0025】
なお、加熱部13は、
図1および
図2ではチャンバ12から離れて配置されているが、チャンバ12と接して配置されていてもよいし、チャンバ12外ではなくチャンバ12内に配置されていてもよい。また、加熱部13は、チャンバ12の上方、下方、および側方のいずれに配置されていてもよい。ただし、加熱部13と各洗浄部25との間で水の温度が低下するのを抑制するため、加熱部13は、各洗浄部25の近くに配置することが望ましい。
【0026】
温水流路23は、加熱部13により加熱された水を、各洗浄部25に供給するための流路である。温水流路23は、温水流路3の一部でもよいし、温水流路3とは別の流路でもよい。温水流路23は、その全体または一部がチャンバ22内に配置されている。
【0027】
[冷却部14、冷水流路24]
冷却部14は、冷水流路4から水(冷水)を引き込み、引き込んだ水を冷却する。冷却部14により冷却された水は、冷水流路24を介して各洗浄部25に供給され、FOUP2を洗浄するための洗浄水として用いられる。
【0028】
冷水流路4(冷水ライン)は、半導体製造システム内で種々の用途に用いられる冷水を循環させる流路である。冷水流路4は、例えば配管により形成されている。冷水流路4を流れる冷水は例えば、純水であり、基板の洗浄などに用いられる。冷水流路4を流れる冷水の温度は、常温、常温よりも高温、および常温よりも低温のいずれでもよい。冷水流路4を流れる冷水の温度は、この温度が低すぎるとコストが過大になることから、例えば10~20℃に設定されている。
【0029】
冷却部14は例えば、冷水流路4から引き込んだ水(冷水)を10℃以下に冷却して、各洗浄部25に供給する。これにより、冷水流路4を流れる水より低い温度を有する水を各洗浄部25に供給することが可能になり、FOUP2を効率的に冷却することが可能となる。冷水流路4を流れる冷水は純水であるため、パーティクルの少ない清浄な水で洗浄水を生成することが可能となる。冷却部14は、冷水流路4を流れる冷水を必要な量だけ引き込んで、各洗浄部25に供給する洗浄水を生成する。10℃以下という温度は、第2温度の例である。冷水流路4から引き込んだ水は、第2流体の例である。
【0030】
なお、冷却部14は、
図1および
図2ではチャンバ12から離れて配置されているが、チャンバ12と接して配置されていてもよいし、チャンバ12外ではなくチャンバ12内に配置されていてもよい。また、冷却部14は、チャンバ12の上方、下方、および側方のいずれに配置されていてもよい。ただし、冷却部14と各洗浄部25との間で水の温度が上昇するのを抑制するため、冷却部14は、各洗浄部25の近くに配置することが望ましい。
【0031】
冷水流路24は、冷却部14により冷却された水を、各洗浄部25に供給するための流路である。冷水流路24は、冷水流路4の一部でもよいし、冷水流路4とは別の流路でもよい。冷水流路24は、その全体または一部がチャンバ22内に配置されている。
【0032】
なお、本実施形態の洗浄装置1は、加熱部13と冷却部14の両方を備えているが、加熱部13と冷却部14の片方のみを備えていてもよい。例えば、本実施形態の洗浄装置1は、FOUP2の内面と外面との温度差を70℃以上にすることが可能であれば、加熱部13と冷却部14の片方のみを備えていてもよい。また、冷水流路4に10℃以下の冷水が流れている場合には、冷水流路24はこの冷水をそのまま洗浄部25に供給すればよいため、冷却部14は省略可能である。この場合、加熱部13、温水流路23、および冷水流路24が、温度調整部として機能する。また、温水流路3に70℃以上の温水が流れている場合には、温水流路23はこの温水をそのまま洗浄部25に供給すればよいため、加熱部13は省略可能である。この場合、冷却部14、温水流路23、および冷水流路24が、温度調整部として機能する。また、本実施形態の洗浄装置1は、FOUP2に温水と冷水とを交互に供給することでFOUP2を形成しているポリマー内の温度を70℃以下にすることが可能な場合にも、温度調整部として加熱部13と冷却部14の片方のみを備えていてもよい。この場合、温度差を有する冷水と温水とを洗浄部25に供給可能な機構が、温度調整部として機能する。
【0033】
[洗浄部25]
各洗浄部25は、FOUP2を洗浄水により洗浄する。例えば、各洗浄部25は、加熱部13により加熱された水をFOUP2に供給することで、FOUP2を加熱しながら洗浄することができる。これにより、FOUP2を形成しているポリマー内に含侵したガスを、ポリマーから追い出すことが可能となる。また、各洗浄部25は、冷却部14により冷却された水をFOUP2に供給することで、FOUP2を冷却しながら洗浄することができる。これにより、加熱部13からの水で加熱されたFOUP2を、冷却部14からの水で冷却することが可能となる。各洗浄部25のさらなる詳細については、後述する。
【0034】
なお、洗浄装置1における洗浄部25の個数は、
図1では2つであるが、2つ以外でもよい。また、洗浄部25は、加熱部13や冷却部14から供給された水によりFOUP2を洗浄するが、加熱部13や冷却部14から供給されたその他の流体(例:液体)によりFOUP2を洗浄してもよい。
【0035】
[乾燥部26]
各乾燥部26は、洗浄部25により洗浄されたFOUP2を乾燥させる。本実施形態のFOUP2は、チャンバ12内に搬入され、いずれかの洗浄部25で洗浄され、その後にいずれかの乾燥部26で乾燥され、チャンバ12から搬出される。
【0036】
なお、洗浄装置1における乾燥部26の個数は、
図1では2つであるが、2つ以外でもよい。また、乾燥部26は、
図2では洗浄部25の上方に配置されているが、洗浄部25の側方や下方に配置されていてもよい。
【0037】
[制御部15]
制御部15は、洗浄装置1の種々の動作を制御する。制御部15は例えば、加熱部13の加熱動作、冷却部14の冷却動作、搬送ロボット21の搬送動作、各洗浄部25の洗浄動作、各乾燥部26の乾燥動作などを制御する。制御部15はさらに、各洗浄部25がFOUP2を加熱および冷却するタイミングを制御し、具体的には、加熱タイミングと冷却タイミングとの関係を調整する。制御部15のさらなる詳細については、後述する。
【0038】
ここで、各洗浄部25によるFOUP2の加熱および冷却について説明する。
【0039】
FOUP2を形成しているポリマー内に含侵したガスは、FOUP2を加熱することで除去可能である。そのため、本実施形態の各洗浄部25は、加熱部13から供給された70℃以上の水により、FOUP2を加熱および洗浄する。これにより、ポリマー内に含侵したガスをポリマーから追い出し、かつ、ポリマーから追い出されたガスを洗浄水で洗浄することが可能となる。
【0040】
しかしながら、加熱部13からの水でFOUP2を加熱すると、FOUP2の真空加熱を行う場合と同様に、FOUP2が熱により変形してしまうなど、FOUP2に不具合が生じるおそれがある。本実施形態のFOUP2は例えば、その温度が70℃以上になると変形してしまう。70℃以上という高温の水を使用すると、ポリマー内に含侵したガスを効率的に除去できるが、FOUP2が変形してしまうことが問題となる。
【0041】
そこで、本実施形態の各洗浄部25は、加熱部13から供給された70℃以上の水により、FOUP2を加熱および洗浄する場合に、さらに冷却部14から供給された10℃以下の水により、FOUP2を冷却および洗浄する。これにより、FOUP2の変形を抑制しつつ、ポリマー内に含侵したガスを効率的に除去することが可能となる。
【0042】
なお、加熱部13からの水の温度は、70℃よりも低くてもよいし、冷却部14からの水の温度は、10℃よりも高くてもよい。また、加熱部13から供給される水は、本実施形態では液体状の水(液体水)であるが、代わりに蒸気状の水(水蒸気)でもよい。この場合、加熱部13は、温水流路3から引き込んだ液体状の水(温水)を加熱して蒸気状の水を生成し、各洗浄部25は、加熱部13から供給された蒸気状の水をFOUP2に供給することで、FOUP2を加熱および洗浄する。すなわち、この場合の加熱部13は、温水を蒸発させて水蒸気を生成する。一方、冷却部14は、水の代わりにまたは水と共に水以外の液体を各洗浄部25に供給してもよいし、水の代わりにまたは水と共にガスを各洗浄部25に供給してもよい。上記液体の例は、液体窒素であり、上記ガスの例は、液体窒素から生じた窒素ガスである。この場合、各洗浄部25は、冷却部14から供給されたガスをFOUP2に供給することで、FOUP2を冷却する。これらの例のさらなる詳細については、後述する。
【0043】
図3および
図4はそれぞれ、第1実施形態の洗浄装置1の構成の第1の例を示す平面図および断面図である。
【0044】
図3および
図4は、
図1に示すいずれかの洗浄部25や、この洗浄部25に関連する構成を示している。この洗浄部25は、温水ノズル31と、冷水ノズル32と、温水ノズル33と、冷水ノズル34と、排水パン35とを備えている。温水ノズル31と冷水ノズル32は、第1洗浄部の例である。温水ノズル33と冷水ノズル34は、第2洗浄部の例である。
【0045】
本実施形態のFOUP2は、FOUP2の本体であるFOUP本体2aと、FOUP2のドア(蓋)であるFOUPドア2bにより構成されている。FOUP本体2aは、第1部分の例である。FOUPドア2bは、第2部分の例である。
【0046】
温水ノズル31は、加熱部13から供給された水をFOUP本体2aに吐出することにより、FOUP本体2aを加熱および洗浄する。冷水ノズル32は、冷却部14から供給された水をFOUP本体2aに吐出することにより、FOUP本体2aを冷却および洗浄する。本実施形態では、温水ノズル31が、FOUP本体2aの内面に水を吐出し、冷水ノズル32が、FOUP本体2aの外面に水を吐出する。よって、FOUP本体2aは、その内面側から加熱され、その外面側から冷却される。FOUP本体2aの内面は、第1面の例である。FOUP本体2aの外面は、第2面の例である。
【0047】
温水ノズル33は、加熱部13から供給された水をFOUPドア2bに吐出することにより、FOUPドア2bを加熱および洗浄する。冷水ノズル34は、冷却部14から供給された水をFOUPドア2bに吐出することにより、FOUPドア2bを冷却および洗浄する。本実施形態では、温水ノズル33が、FOUPドア2bの裏面に水を吐出し、冷水ノズル34が、FOUPドア2bの表面(おもてめん)に水を吐出する。よって、FOUPドア2bは、その裏面側から加熱され、その表面側から冷却される。FOUPドア2bの裏面は、第1面の例である。FOUPドア2bの表面は、第2面の例である。FOUPドア2bの裏面は、FOUPドア2bの内面に相当し、FOUPドア2bの表面は、FOUPドア2bの外面に相当する。
【0048】
図3および
図4はさらに、温水ノズル31、冷水ノズル32、温水ノズル33、および冷水ノズル34から吐出された水を、符号Wで示している。温水ノズル31、冷水ノズル32、温水ノズル33、および冷水ノズル34から吐出された水は、排水パン35に落下し、排水パン35に溜まる。排水パン35に溜まった水は、その後、洗浄装置1外に排出される。
【0049】
FOUP2を洗浄する際には、洗浄部25において、FOUP本体2aからFOUPドア2bが取り外される。FOUP本体2aは、温水ノズル31および冷水ノズル32の付近に移動され、FOUPドア2bは、温水ノズル33および冷水ノズル34の付近に移動される。このようにして、FOUP本体2aとFOUPドア2bは、洗浄部25内の別々の場所で洗浄される。
【0050】
FOUP本体2aは、FOUP本体2aの底部が下向き、FOUP本体2aの開口部が上向きになるように、温水ノズル31および冷水ノズル32の付近に載置される。この状態で、加熱部13により加熱された水を、温水ノズル31からFOUP本体2a内に注ぎ込む。その後、FOUP本体2aの内面に存在するガスを溶かすために、この状態で一定時間放置する。その結果、FOUP本体2aの内面に吸着したガスだけでなく、FOUP本体2aを形成しているポリマー内に含侵したガスも、FOUP本体2aから除去することが可能となる。ポリマー内に含侵したガスは、FOUP本体2aの内面へと拡散して水に溶けることで、FOUP本体2aから除去される。その後、FOUP本体2aの向きを変えることにより、FOUP本体2a内に溜まった水が捨てられる。
【0051】
なお、FOUP本体2a内に溜まった水は、FOUP本体2aをひっくり返すことで捨ててもよいし、FOUP本体2aの中にノズルを入れてFOUP本体2aから温水を吸い出すことで捨ててもよい。また、FOUP本体2aから温水を捨てた後には、FOUP本体2aに対して付着ダストの除去のための洗浄を行ってもよい。
【0052】
図5および
図6はそれぞれ、第1実施形態の洗浄装置1の構成の第2の例を示す平面図および断面図である。
【0053】
図5および
図6は、
図3および
図4と同様に、
図1に示すいずれかの洗浄部25や、この洗浄部25に関連する構成を示している。この洗浄部25は、温水ノズル31の代わりに温水ノズル31’を備えている。温水ノズル31’は、第1洗浄部の例である。
【0054】
本実施形態のFOUP2の容量は、約20Lである。そのため、加熱部13により加熱された水をFOUP本体2a内に溜めていく際、FOUP本体2a内で水面が上がるのに長い時間がかかる。その結果、FOUP本体2a内に溜まった水が、FOUP本体2aの底部付近の部分を加熱する時間と、FOUP本体2aの開口部付近の部分を加熱する時間との間に、大きな時間差が生じる。よって、FOUP本体2aの開口部付近の部分が、十分に加熱されないおそれがある。
【0055】
そこで、
図5および
図6に示す洗浄部25は、加熱部13により加熱された水を、温水ノズル31’からFOUP本体2a内にシャワー状に注ぎ込む。温水ノズル31’は、シャワーヘッド状の構造を有しており、温水ノズル31’からの水は、FOUP本体2aの内面全体に注がれる。そのため、FOUP本体2aの開口部付近の部分は、FOUP本体2a内に溜まった水に晒される前から加熱される。これにより、FOUP本体2aの内面全体を均一性よく加熱することが可能となる。
【0056】
なお、このような加熱の不均一性の問題には、温水ノズル31や温水ノズル31’から吐出される水の流量を上げて、上記の時間差を短くすることでも、対処することが可能である。
【0057】
ここで、温水洗浄の効果について説明する。
【0058】
一般に、水に対するガスの溶解度は、冷水より温水の方が高い。よって、本実施形態のFOUP2は、温水を用いて洗浄される。これにより、FOUP2の表面(ひょうめん)に吸着したガスを、効率的に除去することが可能となる。ただし、FOUP2の表面に吸着したガスは、冷水でも除去可能であるため、温水を使う効果は、冷水では除去不可能なガスを温水で除去可能にすることではなく、冷水でも除去可能なガスを温水で効率的に除去することにある。
【0059】
一方、FOUP2を形成しているポリマー内に含侵したガスは、単にFOUP2を水で洗浄するだけでは、ほとんど除去できない。理由は、ポリマー中のガスの拡散が律速するためである。ポリマーの温度を上げると、ポリマーの高分子鎖の空孔が大きくなり、ガスの拡散が速くなることが知られている。よって、温水を用いてFOUP2を洗浄すると、ポリマーが温水により加熱されてポリマーの温度が高くなることで、ガスの拡散が速くなる。これにより、ポリマー内に含侵したガスを、FOUP2の表面に拡散させることが可能となる。本実施形態によれば、温水を用いてFOUP2を洗浄して、ポリマー内に含侵したガスをFOUP2の表面に拡散させることで、ポリマー内に含侵したガスを除去することが可能となる。
【0060】
ポリマー内に含侵したガスは、例えばFOUP2の真空加熱を行うことでも除去可能である。しかしながら、真空加熱では、FOUP2の表面に拡散してきたガスを効率的に除去することが難しい。一方、本実施形態によれば、FOUP2の表面を温水に晒すことにより、FOUP2の表面に拡散してきたガスを温水に溶かすことが可能となり、FOUP2の表面に拡散してきたガスを効率的に除去することが可能となる。
【0061】
図7は、第1実施形態のFOUP2の洗浄について説明するためのグラフである。
【0062】
図7の横軸は、FOUP2の表面からの距離を表す。
図7の縦軸は、FOUP2内のガスの濃度を表す。
図7は、温水で洗浄する前(汚染状態)のガス濃度分布と、60℃、80℃、または100℃の温水で洗浄した後のガス濃度分布とを示している。
【0063】
洗浄前の分布では、FOUP2の表面のガス濃度が最も高く、FOUP2の表面から離れるにつれてガス濃度が低下している。一方、洗浄後の各分布では、FOUP2の表面からガスが除去されるため、FOUP2の表面のガス濃度がゼロになっている。
【0064】
FOUP2の表面を温水で洗浄すると、FOUP2の表面のガス濃度が下がるため、FOUP2内のガスが、FOUP2の表面に向かって拡散していく。ただし、温水の温度が70℃未満の場合は(例えば60℃)、ガスの拡散係数が小さいため、FOUP2内のガスの濃度があまり低下しない。一方、温水の温度が70℃以上の場合には(例えば80℃または100℃)、ガスの拡散係数が大きくなるため、FOUP2内のガスの濃度が大きく低下する。理由は、ガスの拡散係数が大きくなると、FOUP2内のガスが、FOUP2の表面から効率的に除去されるからである。このように、本実施形態によれば、FOUP2を洗浄する温水の温度を上げることで、FOUP2内のガスを効率的に除去することが可能となる。
【0065】
なお、洗浄後のガス濃度分布のピークの位置は、60℃、80℃、および100℃の分布の比較から理解されるように、温水の温度が高くなるほど、FOUP2の表面から遠くなる。FOUP2内に入り込んだものの、FOUP2の表面から遠い位置まで拡散したガスは、FOUP2が使われる温度(室温付近の温度)では、FOUP2外にほとんど出てこれない。そのため、FOUP2の表面から遠い位置まで拡散したガスについては、ポリマーからガスが染み出してくるという問題が生じることがほとんどないため、FOUP2の実運用上問題にはならない。
【0066】
図8は、第1実施形態のFOUP2の洗浄について説明するための模式図である。
図8を参照して、洗浄水の温度を高温化した場合の問題点について説明する。
【0067】
厚さ5mm程度のポリマーであれば、ポリマーの表面を加熱すると、すぐにポリマー全体が加熱されてしまう。一般に、FOUP2を形成しているポリマーは、130℃以上で熱分解が始まり、80℃程度では組成変化は起こらない。しかしながら、FOUP2を形成しているポリマーは、80℃程度でも、高分子フレームが熱運動し、内部の隙間が広くなり、柔らかくなることが知られている。
【0068】
ポリマーの状態は、ミクロ的には温度を再び下げれば元の状態に戻る。しかしながら、FOUP2を形成しているポリマーが柔らかい状態で、FOUP2に力がかかると、FOUP2が変形してしまう。そして、FOUP2が変形した状態でFOUP2の温度を再び下げると、FOUP2は変形したままとなり、FOUP2の形状は元の形状に戻らなくなってしまう。
【0069】
FOUP2は複雑な形状をしており、自重によるFOUP2への力のかかり方は均等ではない。また、FOUP2には、FOUP2の加工成形時の歪みもわずかに残っている。そのため、FOUP2を加熱して変形させると、FOUP2の形状は元の形状に戻りにくい。FOUP2の形状がわずかでも変化すると、FOUP2内に基板を載せる高さが変化して、搬送トラブルを起こしやすい。そのため、FOUP2の変形は、わずかな変形でも抑制することが望まれる。
【0070】
そこで、本実施形態の洗浄部25は、
図8に示すように、FOUP本体2aの内面Saを温水で加熱するだけでなく、FOUP本体2aの外面Sbを冷水で冷却する。同様に、本実施形態の洗浄部25は、FOUPドア2bの裏面を温水で加熱するだけでなく、FOUPドア2bの表面を冷水で冷却する。
【0071】
上述のように、FOUP2を形成しているポリマーは、130℃未満では組成変化を起さない。よって、130℃未満の水でFOUP2を加熱する場合には、その全体が加熱されなければ、FOUP2の熱変形を抑制することができる。そのため、
図8に示すFOUP本体2aは、内面Sa側から温水で加熱されるだけでなく、外面Sb側から冷水で冷却されている。これにより、FOUP本体2aの温度を、ガスが高濃度に存在する内面Sa付近の部分では高くしつつ、その他の部分ではあまり高くしないことが可能となる。
【0072】
図8は、FOUP本体2a内の直線Lにより、FOUP本体2a内の温度勾配を模式的に示している。本実施形態では、FOUP本体2aの加熱と冷却とを同時に行うことで、
図8に示すような温度勾配をFOUP本体2a内に生じさせることが可能となる。これにより、FOUP本体2a全体が加熱されることを抑制することが可能となる。洗浄部25がFOUP本体2aの加熱と冷却とを同時に行う動作は、制御部15により制御される。以上は、洗浄部25がFOUPドア2bを洗浄する場合にも同様である。
【0073】
FOUP2を形成しているポリマーに関し、長期的に繰り返し使用する場合のポリマーの耐熱温度は、例えば約70℃である。そのため、FOUP本体2aの温度は、ガスが高濃度に存在する内面Sa付近の部分では70℃以上としても、その他の部分では70℃未満とすることが望ましい。本実施形態では、温度が70℃以上となる部分の厚さを、例えば1~2mm程度とすることが可能である。
【0074】
図9は、第1実施形態のFOUP2の洗浄について説明するための別のグラフである。
【0075】
図9は、FOUP本体2aの内面Saが100℃になるように内面Saを加熱し、FOUP本体2aの外面Saが5℃、-20℃、または-50℃になるように外面Saを冷却した場合の温度勾配を示している。直線L1は、内面Saが100℃、外面Saが5℃の場合を示している。直線L2は、内面Saが100℃、外面Saが-20℃の場合を示している。直線L3は、内面Saが100℃、外面Saが-50℃の場合を示している。
図9の横軸は、FOUP本体2aの内面Saからの距離を表し、
図9の縦軸は、FOUP2内の温度を表す。
図9では、FOUP本体2aの厚さ、すなわち、FOUP本体2aの内面Saと外面Sbとの距離を、5mmと想定している。
【0076】
なお、内面Saを100℃にすることは例えば、加熱部13からの水を蒸気(蒸気状の水)とすることで実現可能である。また、外面Sbを-20℃または-50℃とすることは例えば、外面Sbに冷水の代わりにまたは冷水と共に液体窒素を吐出することで実現可能である。
【0077】
図9はさらに、直線L1~L3の場合にて、FOUP本体2a内の温度が70℃となる深さ(内面Saからの距離)を示している。直線L1(内面Sa:100℃、外面Sb:5℃)の場合には、深さ1.58mmでの温度が70℃となる。直線L2(内面Sa:100℃、外面Sb:-20℃)の場合には、深さ1.25mmでの温度が70℃となる。直線L3(内面Sa:100℃、外面Sb:-50℃)の場合には、深さ1mmでの温度が70℃となる。これらの場合には、5mm厚のFOUP本体2a内で均一な温度勾配を実現することができる。
【0078】
直線L1の場合の1.58mmという深さは、FOUP本体2aの厚さ(5mm)の約1/3である。検証の結果、FOUP本体2aの約2/3以上の部分の温度を70℃未満に保てば、FOUP本体2aの全体が熱変形することを抑えることができる。よって、冷却部14からの水の温度は、10℃以下に設定することが望ましい。
【0079】
FOUP本体2a内で70℃未満に保たれる部分は、外面Sbの温度を零度以下にすることで、さらに増やすことが可能である。例えば、外面Sbの温度を-20℃とすれば、FOUP本体2aの約3/4の部分が70℃未満に保たれる。また、外面Sbの温度を-50℃とすれば、FOUP本体2aの約4/5の部分が70℃未満に保たれる。外面Sbの温度を零度以下にすることは例えば、外面Sbに液体窒素スプレーにより液体窒素を吐出することで実現可能である。この場合、液体窒素スプレーから吐出された液体窒素は、外面Sbに液体のまま到達してもよいし、外面Sbに到達する前に窒素ガスに変化してもよい。また、液体窒素を使う場合は、液体窒素の気化により洗浄部25内の圧力が上がり過ぎないように、洗浄部25内の圧力を逃がす機構を洗浄部25に設けておくことが望ましい。
【0080】
洗浄部25がFOUP本体2aを洗浄する際、FOUP本体2aの内面Saと外面Sbとの温度差が70℃以上となるように、FOUP本体2aを加熱および冷却することが望ましい。内面Saと外面Sbとの温度差は、直線L1の場合には95℃、直線L2の場合には120℃、直線L3の場合には150℃となっている。これらの場合、FOUP本体2aの十分多くの部分を70℃未満に保つことが可能となり、例えば、FOUP本体2aの約2/3以上の部分を70℃未満に保つことが可能となる。これにより、FOUP本体2aの全体が熱変形することを抑えることが可能となる。以上は、洗浄部25がFOUPドア2bを洗浄する場合にも同様である。
【0081】
図10は、第1実施形態の洗浄装置1の構成の第2の例を示す別の断面図である。
【0082】
図10に示す洗浄部25は、
図6に示す構成要素に加え、温水ノズル36と、温水流路37とを備えている。温水ノズル36は、温水流路37から供給された温水をFOUP本体2aに吐出する。温水流路37は、温水流路3(
図1)を流れる温水を、加熱部13を介さずに温水ノズル36に供給する。本実施形態の温水ノズル36は、温水をシャワー状に吐出する。
【0083】
図10に示すFOUP本体2aは、
図6に示すFOUP本体2aとは異なり、FOUP本体2aの底部が上向き、FOUP本体2aの開口部が下向きになるように、温水ノズル31および冷水ノズル32の付近に載置されている。第2の例(
図5、
図6、
図10)における洗浄部25では、
図6に示す状態でFOUP本体2aを洗浄した後、FOUP本体2aの向きを
図10に示す向きに変える。
【0084】
そして、FOUP本体2a内に温水ノズル36を差し込み、FOUP本体2aの内面を温水ノズル36からの温水で洗浄する。これにより、FOUP本体2aの内面に付着しているダストを除去することが可能となる。
図10では、FOUP本体2aの開口部が下向きになっているため、このようなダストが水と共にFOUP本体2a内に溜まることを防ぐことができる。FOUP本体2aの内面からダストを効果的に除去するために、温水ノズル36から吐出される温水の水圧を上げてもよいし、温水ノズル36から吐出される温水にガス(例えば窒素ガス)を混ぜることで温水の流速を上げてもよい。FOUP本体2aの内面から除去されたダストは、水と共に排水パン35に落下し、その後、水と共に洗浄装置1外に排出される。本実施形態においては、FOUPドア2bは温水で洗浄しているため、FOUPドア2bの追加洗浄をしていないが、ダスト除去を目的としてFOUPドア2bの追加洗浄をしてもよい。
【0085】
なお、温水ノズル36と温水流路37は、第2の例における洗浄部25だけでなく、第1の例(
図3、
図4)における洗浄部25にも設けられていてもよい。また、第1および第2の例における冷水ノズル32、温水ノズル33、および冷水ノズル34は、温水ノズル31のように非シャワー状に水を吐出してもよいし、温水ノズル31’のようにシャワー状に水を吐出してもよい。ただし、冷水ノズル32、温水ノズル33、および冷水ノズル34から吐出される水は、FOUP本体2a内やFOUPドア2b内に溜まることが想定されていないため、冷水ノズル32、温水ノズル33、および冷水ノズル34は、
図3~
図6などに示すように、シャワー状に水を吐出することが望ましい。
【0086】
以上のように、本実施形態の洗浄装置1は、FOUP2を洗浄する水を加熱する加熱部13と、加熱部13により加熱された水をFOUP2に供給することで、FOUP2を加熱および洗浄する洗浄部25とを備えている。よって、本実施形態によれば、FOUP2を好適に洗浄することが可能となる。例えば、FOUP2に吸着したガスだけでなく、FOUP2内に含侵したガスも除去することが可能となる。また、FOUP2の内面を加熱しながら、FOUP2の外面を冷却することで、FOUP2の変形を抑制しつつ、FOUP2を洗浄することが可能となる。
【0087】
(第2実施形態)
図11および
図12はそれぞれ、第2実施形態の洗浄装置1の構成を示す平面図および断面図である。
【0088】
図11および
図12は、
図3および
図4等と同様に、
図1に示すいずれかの洗浄部25や、この洗浄部25に関連する構成を示している。この洗浄部25は、温水ノズル31の代わりに温水ノズル41を備えている。温水ノズル41は、加熱部13により加熱された水をFOUP本体2aに供給することで、FOUP本体2aを加熱および洗浄する。温水ノズル41は、第1洗浄部の例である。
【0089】
図12に示すFOUP本体2aは、
図10に示すFOUP本体2aと同様に、FOUP本体2aの底部が上向き、FOUP本体2aの開口部が下向きになるように、温水ノズル41および冷水ノズル32の付近に載置されている。ただし、
図10に示す温水ノズル36は、ダスト除去のために使用されるのに対し、
図12に示す温水ノズル41は、ガス除去およびダスト除去のために使用される。本実施形態では、温水ノズル41を用いることで、ガス除去およびダスト除去を同時に行うことができる。別言すると、温水ノズル41は、ガス除去用の温水ノズル31、31’の機能と、ダスト除去用の温水ノズル36の機能とを奏することができる。
【0090】
FOUP本体2aを洗浄する際には、FOUP本体2aの内面を温水ノズル41からの温水で洗浄し、FOUP本体2aの外面を冷水ノズル32からの冷水で洗浄する。これにより、第1実施形態の場合と同様に、FOUP本体2aを加熱および冷却しつつ、FOUP本体2aを洗浄することが可能となる。温水ノズル41は、温水ノズル36と同様に、FOUP本体2a内に差し込まれた状態で使用される。本実施形態の温水ノズル41は、温水をシャワー状に吐出する。
【0091】
図12では、FOUP本体2aの開口部が下向きになっているため、水やダストがFOUP本体2a内に溜まることを防ぐことができる。FOUP本体2aの内面からダストを効果的に除去するために、温水ノズル41から吐出される温水の水圧を上げてもよいし、温水ノズル41から吐出される温水にガス(例えば窒素ガス)を混ぜることで温水の流速を上げてもよい。
【0092】
本実施形態によれば、ガス除去と同時にダスト除去を行うことが可能となり、洗浄に要する時間を短縮することが可能となる。また、本実施形態によれば、FOUP本体2aの向きを変える必要がなくなるため、FOUP本体2aの搬送機構をシンプルにすることが可能となる。
【0093】
第1および第2実施形態では、FOUPドア2bの裏面を冷水で冷却している。しかしながら、FOUPドア2bは、FOUP本体2aに固定するためのラッチ構造を有するため、空洞構造となっていて、FOUPドア2bの裏面からの冷却が、FOUP本体2aに比べて効果的にできない。ただし、FOUPドア2bの形状は平面的でシンプルなため、FOUPドア2bは、上述の自重や加工歪みの影響をFOUP本体2aに比べて受けにくい。そのため、FOUPドア2bは、加熱による変形の影響が、FOUP本体2aに加部て小さい。よって、70℃以上に加熱しても変形しない条件でFOUPドア2bを形成する場合には、FOUPドア2bを裏面から冷却しなくてもよい。
【0094】
(第3実施形態)
図13は、第3実施形態の洗浄装置1の構成を示す断面図である。
【0095】
図13は、
図3および
図4等と同様に、
図1に示すいずれかの洗浄部25や、この洗浄部25に関連する構成を示している。この洗浄部25は、温水ノズル31、冷水ノズル32、温水ノズル33、および冷水ノズル34の代わりに、ノズル51と、ノズル52とを備えている。また、本実施形態の洗浄装置1は、温水流路23および冷水流路24の代わりに、流路53と、流路54と、バルブ55と、バルブ56と、バルブ57と、バルブ58とを備えている。ノズル51は、第1洗浄部の例である。ノズル52は、第2洗浄部の例である。
【0096】
第1または第2実施形態の洗浄部25は、FOUP2の加熱および冷却を同時に行うことで、FOUP2を洗浄する。一方、本実施形態の洗浄部25は、FOUP2の加熱および冷却を交互に行うことで、FOUP2を洗浄する。この洗浄部25がFOUP2の加熱と冷却とを交互に行う動作は、制御部15(
図1)により制御される。
【0097】
ノズル51は、FOUP本体2aの内面に水を吐出することで、FOUP本体2aを洗浄する。ノズル51は、加熱部13により加熱された水(温水)を吐出することと、冷却部14により冷却された水(冷水)を吐出することとが可能である。ノズル51が温水を吐出する場合には、FOUP本体2aは、加熱されながら洗浄される。ノズル51が冷水を吐出する場合には、FOUP本体2aは、冷却されながら洗浄される。本実施形態のFOUP本体2aを洗浄する際には、FOUP本体2aの内面をノズル51からの温水または冷水で洗浄する。これにより、ガス除去およびダスト除去を同時に行うことが可能となる。ノズル51は、FOUP本体2a内に差し込まれた状態で使用される。本実施形態のノズル51は、温水または冷水をシャワー状に吐出する。
【0098】
ノズル52は、FOUPドア2bの裏面に水を吐出することで、FOUPドア2bを洗浄する。ノズル52は、加熱部13により加熱された水(温水)を吐出することと、冷却部14により冷却された水(冷水)を吐出することとが可能である。ノズル52が温水を吐出する場合には、FOUPドア2bは、加熱されながら洗浄される。ノズル52が冷水を吐出する場合には、FOUPドア2bは、冷却されながら洗浄される。本実施形態のノズル52は、温水または冷水をシャワー状に吐出する。
【0099】
流路53は、加熱部13により加熱された水や、冷却部14により冷却された水を、ノズル51に供給するための流路である。流路53は、
図13に示すように、バルブ55が設けられた温水流路と、バルブ56が設けられた冷水流路と、これらの温水流路および冷水流路が合流した共通流路とを含んでいる。温水流路、冷水流路、および共通流路はそれぞれ、加熱部13、冷却部14、およびノズル51に接続されている。ノズル51から温水を吐出する場合には、バルブ55が開かれ、バルブ56が閉じられる。ノズル51から冷水を吐出する場合には、バルブ55が閉じられ、バルブ56が開かれる。バルブ55、56の開閉は、制御部15(
図1)により制御される。
【0100】
流路54は、加熱部13により加熱された水や、冷却部14により冷却された水を、ノズル52に供給するための流路である。流路54は、
図13に示すように、バルブ57が設けられた温水流路と、バルブ58が設けられた冷水流路と、これらの温水流路および冷水流路が合流した共通流路とを含んでいる。温水流路、冷水流路、および共通流路はそれぞれ、加熱部13、冷却部14、およびノズル52に接続されている。ノズル52から温水を吐出する場合には、バルブ57が開かれ、バルブ58が閉じられる。ノズル52から冷水を吐出する場合には、バルブ57が閉じられ、バルブ58が開かれる。バルブ57、58の開閉は、制御部15(
図1)により制御される。
【0101】
図14は、第3実施形態の洗浄装置1の動作を説明するためのグラフである。
【0102】
図14の横軸は、ノズル51から温水や冷水を吐出する時間(タイミング)を表す。
図14の縦軸は、FOUP本体2a内における、FOUP本体2aの表面から深さ1mmの場所の温度を表す。
【0103】
図14に示す「1回目」「2回目」「3回目」「4回目」「5回目」の期間は、ノズル51から温水を吐出するタイミングを示している。一方、
図14に示すその他の期間は、ノズル51から冷水を吐出するタイミングを示している。このように、本実施形態のノズル51は、温水と冷水とを交互に吐出している。これは、本実施形態のノズル52についても同様である。
【0104】
図14では、「1回目」「2回目」「3回目」「4回目」「5回目」の各期間の最後に、深さ1mmの温度が、70℃に近づいているが、70℃には達していない。本実施形態によれば、第1実施形態の場合(
図9)と同様に、FOUP本体2aの十分多くの部分を70℃未満に保つことが可能となる。
【0105】
本実施形態によれば、洗浄水用のノズルの本数を減らすことや、洗浄水用の流路の長さを短くすることで、洗浄部25を小型化することが可能となる。一方、第1または第2実施形態によれば、FOUP2の加熱および冷却を同時に行うことで、FOUP2の加熱および冷却を交互に行う場合に比べて、FOUP2の洗浄に要する時間を短くすることが可能となる。
【0106】
なお、第1~第3実施形態の各洗浄部25は、温水流路3から温水(加熱用の水)を取り込み、冷水流路4から冷水(冷却用の水)を取り込んでいるが、加熱用の水と冷却用の水とを同じ流路から取り込んでもよい。この場合、加熱部13はこの流路からの水を加熱し、冷却部14はこの流路からの水を冷却する。
【0107】
(第4実施形態)
図15は、第4実施形態の洗浄装置1の構成を示す断面図である。
【0108】
図15は、
図13と同様に、
図1に示すいずれかの洗浄部25や、この洗浄部25に関連する構成を示している。本実施形態の洗浄装置1は、第3実施形態の洗浄装置1と似た構成を有しているが、加熱部13、流路53内の温水流路、流路54内の温水流路、バルブ55、およびバルブ57の代わりに、電流供給部61と、電流供給経路62とを備えている。
【0109】
第3実施形態の洗浄部25は、FOUP2に温水を吐出することにより、FOUP2を加熱および洗浄し、FOUP2に冷水を吐出することにより、FOUP2を冷却および洗浄する。一方、本実施形態の洗浄部25は、FOUP2に赤外線を照射することにより、FOUP2を加熱し、FOUP2に冷水を吐出することにより、FOUP2を冷却および洗浄する。本実施形態の洗浄部25は、第3実施形態と同様に、FOUP2の加熱および冷却を交互に行うことで、FOUP2を洗浄する。この洗浄部25がFOUP2の加熱と冷却とを交互に行う動作は、制御部15(
図1)により制御される。
【0110】
本実施形態のノズル51は、FOUP本体2aの内面に水を吐出することで、FOUP本体2aを洗浄する。本実施形態のノズル51は、冷却部14により冷却された水を吐出することで、FOUP本体2aを冷却しながら洗浄することができる。
【0111】
本実施形態のノズル52は、FOUPドア2bの裏面に水を吐出することで、FOUPドア2bを洗浄する。本実施形態のノズル52は、冷却部14により冷却された水を吐出することで、FOUPドア2bを冷却しながら洗浄することができる。
【0112】
本実施形態の洗浄部25は、後述するように、ノズル51の付近に設けられた加熱抵抗体65と、ノズル52の付近に設けられた加熱抵抗体65とを備えている。電流供給部61は、これらの加熱抵抗体65に流れる電流を供給する。電流供給経路62は、電流供給部61から供給された電流をこれらの加熱抵抗体65に供給するための経路である。電流供給経路62から供給された電流がこれらの加熱抵抗体65に流れると、これらの加熱抵抗体65から赤外線が発生し、FOUP本体2aの内面や、FOUPドア2bの裏面に、赤外線が照射される。その結果、FOUP本体2aやFOUPドア2bが赤外線により加熱される。電流供給経路62は例えば、電流を伝達するための導線である。本実施形態の電流供給経路62は、
図15に示すように、流路53およびノズル51や、流路54およびノズル52に沿って設けられている。
【0113】
本実施形態の流路53は、冷却部14により冷却された水をノズル51に供給する。この水をノズル51から吐出する際には、バルブ56が開かれ、かつ電流供給部61からの電流供給がオフにされる。一方、FOUP本体2aを加熱する際には、バルブ56が閉じられ、かつ電流供給部61からの電流供給がオンにされる。バルブ56の開閉や、電流供給部61のオン・オフは、制御部15(
図1)により制御される。
【0114】
本実施形態の流路54は、冷却部14により冷却された水をノズル52に供給する。この水をノズル52から吐出する際には、バルブ58が開かれ、かつ電流供給部61からの電流供給がオフにされる。一方、FOUPドア2bを加熱する際には、バルブ58が閉じられ、かつ電流供給部61からの電流供給がオンにされる。バルブ58の開閉や、電流供給部61のオン・オフは、制御部15(
図1)により制御される。
【0115】
図16は、第4実施形態の洗浄装置1の構成を示す別の断面図である。
【0116】
図16は、
図15に示す洗浄部25と同じ洗浄部25を示している。
図16は、FOUP本体2aやFOUP2bに赤外線を照射する様子を示している。一方、
図15は、ノズル51、52からFOUP本体2aやFOUP2bに水を吐出する様子を示している。
【0117】
図17および
図18はそれぞれ、第4実施形態のノズル51の構成を示す斜視図および拡大図である。
図18の拡大図は、ノズル51のXZ断面を示す断面図と、ノズル51の-X方向の側面を示す側面図とを含んでいる。
【0118】
本実施形態のノズル51は、
図17および
図18に示すように、内部空間63と、流路形成部材64と、前述した複数の加熱抵抗体65と、ガラス材66とを含んでいる。
図17は、内部空間63の位置を見やすくするために、内部空間63をドットハッチングで示している。
【0119】
流路52からノズル51に流れ込んだ水は、内部空間63に溜まる。内部空間63は、
図18に示すように、流路形成部材64により形成されている。流路形成部材64はおおむね、6つの四角形からなる外面と、6つの四角形からなる内面とを有し、流路形成部材64の内面が内部空間63を形成している。
【0120】
図17は、流路形成部材64の外面に設けられた複数の穴64aと、流路形成部材64の内面に設けられた複数の穴64bとを示している。
図18は、これらの穴64a、64bを互いに繋ぐ複数の流路64cを示している。これらの流路64cは、流路形成部材64を貫通している。なお、
図17は、図面を見やすくするために、一部の穴64aの図示を省略している。
【0121】
内部空間63に溜まった水は、これらの流路64cを通過し、FOUP本体2aへと吐出される。このようにして、シャワー状のノズル51が実現されている。これらの流路64cは、
図18に示すように、互いに異なる方向に延びている。これにより、FOUP本体2aの内面を、洗い残し部分の発生を抑制するように洗浄することが可能となる。
【0122】
各加熱抵抗体65は、流路形成部材64の外面に、穴64bの位置を避けるように設けられている。各加熱抵抗体65は、上述の電流供給経路62(
図16および
図17)と電気的に接続されている。各加熱抵抗体65は、電流供給経路62から電流を供給されることで、赤外線を発生させることができる。その結果、FOUP本体2aの内面に赤外線が照射され、FOUP本体2aが加熱される。
【0123】
ガラス材66は、流路形成部材64の外面や、各加熱抵抗体65の外面を覆っている。これにより、各加熱抵抗体65が水に触れることを防ぐことが可能となる。各加熱抵抗体65から発生した赤外線は、ガラス材66を透過してFOUP本体2aに照射される。一方、ガラス材66は、流路形成部材64の穴64bの位置に穴を有しており、流路形成部材64の穴64bからの水が、ガラス材66の穴を通過する。
【0124】
なお、本実施形態のノズル52は、
図17および
図18に示すノズル51と同様の構成を有している。
【0125】
図19は、第4実施形態の洗浄装置1の動作を説明するためのグラフである。
【0126】
図19は、ノズル51から冷水を吐出したり、加熱抵抗体65から赤外線を発生させたりする時間(タイミング)を示している。
図19に示すように、本実施形態の洗浄部25は、冷水によるFOUP本体2aの冷却と、赤外線によるFOUP本体2aの加熱とを、交互に行う。これは、本実施形態のFOUPドア2bについても同様である。
【0127】
FOUP2を形成しているポリマーは、例えばポリカーボネートである。この場合、ポリマーは、波長6~10μmに強い吸収帯を持っているので、FOUP2に照射された赤外線は、FOUP2の表面付近で吸収される。その結果、FOUP2が加熱される。しかしながら、FOUP2の表面温度は、短時間でも、ポリマーが溶解分解を始める温度(約130℃)以上にならないようにすることが望まれる。そのため、赤外線の照射エネルギーと照射時間を適切な値に制御する必要がある。
【0128】
赤外線照射時に水を吐出していると、水が赤外線を吸収してしまうので、FOUP2を効率的に加熱できない。そのため、本実施形態の赤外線照射は、水を吐出していない間に行う(
図19を参照)。本実施形態では、FOUP2の表面に染み出したガスを溶解除去するために、赤外線照射後にFOUP2に水を吐出する。この際、FOUP2の表面付近の温度を一度下げるために、本実施形態ではFOUP2に冷水を吐出する。水洗浄時間を長くしてもポリマー中のガスは表面に出てこないし、赤外線照射時間を長くしても表面のガスは除去できないので、水洗浄と赤外線照射は短時間で交互に行うことが望ましい。
【0129】
本実施形態によれば、加熱部13が不要になることで、洗浄装置1の構成をシンプルにするや、洗浄装置1を小型化することが可能となる。
【0130】
また、本実施形態の加熱抵抗体65は、ノズル51に設けられている。これにより、水を吐出する機構であるノズル51と、赤外線を発生する機構である加熱抵抗体65が、一体化されている。これにより、水を吐出する機構が赤外線照射の邪魔になったり、赤外線を発生する機構が水吐出の邪魔になったりすることを、回避することが可能となる。さらには、これらの機構を容易に一緒に移動させることが可能となる。
【0131】
(第5実施形態)
図20は、第5実施形態の半導体製造システムの構成を示す平面図である。
【0132】
本実施形態の半導体製造システムは、第1~第4実施形態のいずれかの洗浄装置1と、搬送パス71~74と、複数の半導体製造装置75と、基板取り扱い部76とを備えている。
図20はさらに、搬送パス71~74に沿って搬送される複数のFOUP2を示している。
図20に示す矢印は、FOUP2の搬送方向を示している。
【0133】
搬送パス71は、FOUP2により基板を搬送する際に使用される軌道である。搬送パス72は、FOUP2を洗浄する際に使用される軌道である。そのため、搬送パス71は、半導体製造装置75に近接して配置されており、搬送パス72は、洗浄装置1に近接して配置されている。FOUP2内の基板を処理する際には、搬送パス71上のFOUP2が、いずれかの半導体製造装置75上に載置される。一方、FOUP2を洗浄する際には、搬送パス72上のFOUP2が、洗浄装置1上に載置される。
【0134】
基板取り扱い部76は、FOUP2内に基板を収納したり、FOUP2から基板を取り出したりする。例えば、FOUP2が、搬送パス71から搬送パス73を介して搬送パス72に向かう際には、FOUP2からすべての基板を取り出す。一方、FOUP2が、搬送パス72から搬送パス74を介して搬送パス71に向かう際には、FOUP2内に1枚以上の基板を収納する。
【0135】
本実施形態の半導体製造システムは、FOUP2により搬送される基板から、半導体装置を製造することができる。本実施形態の半導体装置は、
図20に示す半導体製造システム内のみで加工されてもよいし、
図20に示す半導体製造システム内とその他の半導体製造システム内とで加工されてもよい。
【0136】
図20は、符号A~Kで示す複数の半導体製造装置75を例示している。これらの半導体製造装置75は例えば、CVD(Chemical Etching Deposition)装置、スパッタリング装置、ドライエッチング装置、アニール装置、CMP(Chemical Mechanical Polishing)装置、イオン注入装置、基板洗浄・乾燥装置などを含んでいる。
【0137】
図21は、第5実施形態の半導体製造装置75の構成の第1の例を示す断面図である。
【0138】
図21に示す半導体製造装置75は、ドライエッチング装置であり、チャンバ81と、基板ホルダ82と、イオン源83とを備えている。基板ホルダ82は、チャンバ81内に収容された基板77を保持する。イオン源83は、基板77にイオンを照射することで、基板77のドライエッチングを行う。ドライエッチング後の基板77をFOUP2内に収納すると、例えばフッ素ガスや塩素ガスなどのガスによりFOUP2が汚染されやすい。
【0139】
図22は、第5実施形態の半導体製造装置75の構成の第2の例を示す断面図である。
【0140】
図22に示す半導体製造装置75は、スパッタリング装置であり、チャンバ91と、基板ホルダ92と、ターゲットホルダ93とを備えている。チャンバ91は、スパッタリング用のガスを供給する給気口91aと、不要なガスを排出する排気口91bとを備えている。基板ホルダ92は、チャンバ91内に収容された基板77を保持する。ターゲットホルダ93は、基板77のスパッタリング用のターゲット78を保持する。スパッタリングは基板77がクリーンな状態で行うことが望ましいため、スパッタリング前の基板77を収納しているFOUP2もクリーンであることが望ましい。
【0141】
図23は、第5実施形態の半導体製造システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【0142】
図23は、あるFOUP2内の基板77をいずれかの半導体製造装置75で処理し、その後、そのFOUP2内の基板77を別の半導体製造装置75で処理するフローを示している。
図23では、前者の装置を、符号Aで示す半導体製造装置75としており(以下「半導体製造装置A」と呼ぶ)、後者の装置を、符号Bで示す半導体製造装置75としている(以下「半導体製造装置B」と呼ぶ)。半導体製造装置Aは、第1半導体製造装置の例であり、半導体製造装置Bは、第2半導体製造装置の例である。
【0143】
この場合、半導体製造装置Aでの処理と半導体製造装置Bでの処理との間に、FOUP2を洗浄することが望ましい場合がある。例えば、半導体製造装置Aがドライエッチング装置であり、半導体製造装置Bがスパッタリング装置である場合、半導体製造装置Bでの処理の前にFOUP2はクリーンであるのが望ましいにもかかわらず、半導体製造装置Aでの処理の後にFOUP2が汚染されやすい。
図23は、このような汚染に対処するためのフローを示している。
【0144】
まず、半導体製造装置A内で基板77を処理し(ステップS1)、その後に基板77を半導体製造装置Aから搬出し、搬出した基板77をFOUP2内に収納する(ステップS2)。ステップS2で収納される基板77は、第1基板の例である。次に、このFOUP2を基板取り扱い部76に搬送し、基板取り扱い部76でこのFOUP2から基板77を取り出す(ステップS3)。次に、このFOUP2を、洗浄装置1により洗浄する(ステップS4)。
【0145】
次に、このFOUP2を基板取り扱い部76に搬送し、基板取り扱い部76でこのFOUP2内に基板77を収納する(ステップS5)。ステップS5で収納される基板77は、ステップS3で取り出された基板77と同じものでもよいし、ステップS3で取り出された基板77とは異なるものでもよい。ステップS5で収納される基板77は、第2基板の例である。次に、このFOUP2を半導体製造装置B付近に移動させ、このFOUP2から基板77を取り出し、取り出した基板77を半導体製造装置B内に搬入する(ステップS6)。次に、半導体製造装置B内で基板77を処理する(ステップS7)。
【0146】
本実施形態によれば、FOUP2を汚染しやすい半導体製造装置75が半導体製造システム内に存在する場合にも、FOUP2をクリーンに維持することが可能となる。
【0147】
(第6実施形態)
図24は、第6実施形態のFOUP2の構造を示す三面図である。
【0148】
図24(a)と、
図24(b)と、
図24(c)はそれぞれ、同じFOUP2の一の側面と、別の側面と、上面とを示している。本実施形態のFOUP2は、第1~第5実施形態のいずれかで洗浄対象となる。
【0149】
本実施形態のFOUP2は、前述したように、FOUP本体2aと、FOUPドア2bとを含んでいる。また、本実施形態のFOUP本体2aは、
図24(a)~
図24(c)に示すように、2つの取っ手101と、2つの取っ手102と、掴み部103と、下敷き部104とを含んでいる。
図24(a)~
図24(c)はさらに、OHTから伸びているシャフト201と、シャフト201の先端に設けられた把持部202とを示している。
【0150】
取っ手101は、搬送装置がFOUP2を持ち上げるために設けられている。取っ手102は、人間が手でFOUP2を持つために設けられている。掴み部103は、把持部202が掴むための部分である。シャフト201は、把持部202により掴み部103を掴むことで、FOUP2を上下方向や水平方向に移動させることができる。下敷き部104は、FOUP本体2aの土台を形成している。
【0151】
図24(a)~
図24(c)に示すFOUP2は、ロードポート11上に載置されている。FOUP2をロードポート11上に載置する際には、掴み部103が上向きになるようにFOUP2が載置される。理由は、把持部202により掴み部103を掴む必要があるからである。
【0152】
図25は、第6実施形態のFOUP2の構造を示す別の三面図である。
【0153】
図25(a)と、
図25(b)と、
図25(c)はそれぞれ、同じFOUP2の一の側面と、別の側面と、上面とを示している。
図25(a)~
図25(c)に示すFOUP2は、洗浄部25の複数の台Pの上に載置されている。具体的には、
図25(a)~
図25(c)は、FOUPドア2bが取り外された状態のFOUP本体2aを示している。
【0154】
図25(a)~
図25(c)に示すFOUP本体2aは、
図4および
図6に示すFOUP本体2aと同様に、FOUP本体2aの底部が下向き、FOUP本体2aの開口部が上向きになるように載置されている。これにより、FOUP本体2a内に温水を溜めて、FOUP本体2aを洗浄することが可能となる(ガス除去)。
【0155】
本実施形態の洗浄装置1は、ロードポート11上に載置されたFOUP2を、搬送ロボット21によりチャンバ12内に搬入する(
図1)。搬送ロボット21はさらに、水平軸を中心にFOUP2を90度回転させ、FOUP2の向きを
図24(a)~
図24(c)に示す向きから、
図25(a)~
図25(c)に示す向きに変える。この際、搬送ロボット21は、掴み部103を掴んでFOUP2を操作することで、FOUP2の向きを変える。なお、FOUP2の向きを変える操作は、FOUP本体2aからFOUPドア2bを取り外す前に行ってもよいし、FOUP本体2aからFOUPドア2bを取り外した後に行ってもよい。
【0156】
本実施形態の台Pは、FOUP本体2aの外面を洗浄する際に台Pが洗浄の妨げになりにくいような形状を有していることが望ましい。例えば、平面視における台Pの形状を点に近付けて、FOUP本体2aを台Pにより点接触で支持すれば、台PとFOUP本体2aとの接触面積が小さくなるため、台Pは洗浄の妨げになりにくい。また、平面視における台Pの形状を線に近付けて、FOUP本体2aを台Pにより線接触で支持してもよい。
【0157】
図26は、第6実施形態のFOUP2の構造を示す別の三面図である。
【0158】
図26(a)と、
図26(b)と、
図26(c)はそれぞれ、同じFOUP2の一の側面と、別の側面と、上面とを示している。
図26(a)~
図26(c)に示すFOUP2も、洗浄部25の複数の台Pの上に載置されている。
図26(a)~
図26(c)も、FOUPドア2bが取り外された状態のFOUP本体2aを示している。
【0159】
図26(a)~
図26(c)に示すFOUP本体2aは、
図10に示すFOUP本体2aと同様に、FOUP本体2aの底部が上向き、FOUP本体2aの開口部が下向きになるように載置されている。これにより、FOUP本体2aの内面に付着しているダストを洗浄により除去することが可能となる(ダスト除去)。なお、
図26(a)~
図26(c)に示す状態は、第2~第4実施形態で説明した洗浄、すなわち、ガス除去およびダスト除去を兼ねる洗浄を行う場合にも採用される。
【0160】
なお、
図26(a)~
図26(c)に示す向きにFOUP2を回転させる操作は、上記のように搬送ロボット21により行われる。また、
図26(a)~
図26(c)に示す台Pの形状や個数は、
図25(a)~
図25(c)に示す台Pの形状や個数と同じでもよいし、
図25(a)~
図25(c)に示す台Pの形状や個数と異なっていてもよい。
【0161】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0162】
1:洗浄装置、2:FOUP、2a:FOUP本体、
2b:FOUPドア、3:温水流路、4:冷水流路、
11:ロードポート、12:チャンバ、
13:加熱部、14:冷却部、15:制御部、
21:搬送ロボット、21a:搬送アーム、22:搬送レール、
23:温水流路、24:冷水流路、25:洗浄部、26:乾燥部、
31:温水ノズル、31’:温水ノズル、32:冷水ノズル、33:温水ノズル、
34:冷水ノズル、35:排水パン、36:温水ノズル、37:温水流路、
41:温水ノズル、51:ノズル、52:ノズル、53:流路、54:流路、
55:バルブ、56:バルブ、57:バルブ、58:バルブ、
61:電流供給部、62:電流供給経路、63:内部空間、64:流路形成部材、
64a:穴、64b:穴、64c:流路、65:加熱抵抗体、66:ガラス材、
71:搬送パス、72:搬送パス、73:搬送パス、74:搬送パス、
75:半導体製造装置、76:基板取り扱い部、77:基板、78:ターゲット、
81:チャンバ、82:基板ホルダ、83:イオン源、
91:チャンバ、91a:給気口、91b:排気口、
92:基板ホルダ、93:ターゲットホルダ、
101:取っ手、102:取っ手、103:掴み部、104:下敷き部、
201:シャフト、202:把持部