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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157265
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】乳化化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20231019BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20231019BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20231019BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20231019BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20231019BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20231019BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20231019BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K8/86
A61K8/44
A61K8/36
A61K8/46
A61K8/67
A61K8/06
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067058
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB051
4C083AB282
4C083AB332
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC172
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC262
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC532
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC791
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD202
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD392
4C083AD432
4C083AD452
4C083AD492
4C083AD572
4C083AD631
4C083AD632
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB11
4C083CC04
4C083DD33
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE12
(57)【要約】
【課題】外観が透明~半透明であり、塗布後の肌を押したときに弾力感があり、べたつきがなく、保存安定性にも優れた乳化化粧料を提供する。
【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)油剤、
(B)HLB7~20の非イオン性界面活性剤、
(C)アニオン性界面活性剤、
(D)ナイアシンアミド 2~10質量%、
(E)水
を含有し、乳化粒子の平均粒子径が10~200nmである乳化化粧料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)油剤、
(B)HLB7~20の非イオン性界面活性剤、
(C)アニオン性界面活性剤、
(D)ナイアシンアミド 2~10質量%、
(E)水
を含有し、乳化粒子の平均粒子径が10~200nmである乳化化粧料。
【請求項2】
成分(A)の含有量が、0.001~4質量%である請求項1記載の乳化化粧料。
【請求項3】
成分(C)が、N-アシルアミノ酸、脂肪酸、N-アシルメチルタウリン及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を含む、請求項1又は2記載の乳化化粧料。
【請求項4】
成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)が、0.01~30000である請求項1~3のいずれか1項記載の乳化化粧料。
【請求項5】
成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)が、0.00001~0.5である請求項1~4のいずれか1項記載の乳化化粧料。
【請求項6】
成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を、高圧ホモジナイザーにて50MPa以上で混合することを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項記載の乳化化粧料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、シワ改善化粧料として、ナイアシンアミドを含有する化粧料が開発されている。一方で、美的な外観の化粧料として、透明~半透明な外観の化粧料が求められ、ナイアシンアミドを含有する透明~半透明な化粧料も検討されている。
例えば、特許文献1には、油、HLB8~14の非イオン界面活性剤、ビタミンB3、水を含有するナノ又はマイクロエマルションの形態で、外観が透明又は半透明な化粧品組成物が記載されている。また、特許文献2には、塩形態の活性物質、増粘剤、水、さらにビタミンB3化合物等のスキンケア活性剤を含有する化粧品組成物が、透明な外観で、肌を美白化したり、湿潤化、コンディショニングすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-122193号公報
【特許文献2】特表2013-508310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のナイアシンアミドを含有する化粧料では、化粧料を塗布した後の肌の弾力感や、べたつきのなさにおいて課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、ナイアシンアミドと、特定の非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を組合わせて用い、乳化粒子を微細化することにより、外観が透明~半透明であり、塗布後の肌を押したときに弾力感があり、べたつきがなく、保存安定性にも優れた乳化化粧料が得られることを見出した。
【0006】
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)油剤、
(B)HLB7~20の非イオン性界面活性剤、
(C)アニオン性界面活性剤、
(D)ナイアシンアミド 2~10質量%、
(E)水
を含有し、乳化粒子の平均粒子径が10~200nmである乳化化粧料に関する。
また、本発明は、成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を、高圧ホモジナイザーにて50MPa以上で混合することを特徴とする、前記乳化化粧料の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の乳化化粧料は、乳化粒子が微細で、外観が透明~半透明であり、塗布後の肌を押したときに弾力感があり、べたつきがなく、しかも、保存安定性に優れたものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明で用いる成分(A)の油剤は、通常の化粧料に用いられるもので、25℃で液状の油剤、ペースト状又は固形状の油剤のいずれでも良い。
25℃で液状の油剤は、25℃で流動性があるものであり、例えば、炭化水素油、エステル油、エーテル油、シリコーン油等が挙げられる。
【0009】
より具体的には、炭化水素油としては、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン等が挙げられる。
炭化水素油としては、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィンから選ばれる1種又は2種以上を含むのが好ましく、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィンから選ばれる1種又は2種以上を含むのがより好ましく、スクワラン、流動イソパラフィンから選ばれる1種以上を含むのがさらに好ましく、スクワランを含むのがよりさらに好ましい。
【0010】
エステル油としては、モノエステル油、ジエステル油、トリエステル油及びテトラエステル油が挙げられる。
モノエステル油としては、炭素数2~24の脂肪族又は芳香族のモノカルボン酸又はジカルボン酸のモノエステルが挙げられ、具体例としては、2-エチルヘキサン酸セチル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2-ヘキシルデシルステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、オレイン酸デシル、メトキシケイヒ酸オクチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、コハク酸2-エチルヘキシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、安息香酸アルキル(C12~C15)等が挙げられる。
モノエステル油としては、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシルから選ばれる1種又は2種以上を含むのが好ましく、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシルから選ばれる1種以上を含むのがより好ましい。
【0011】
ジエステル油としては、炭素数3~18のジカルボン酸のジエステル、多価アルコールのジ脂肪酸エステル等が挙げられ、具体例としては、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジステアリン酸グリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、ジ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル等が挙げられる。
ジエステル油としては、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールから選ばれる1種以上を含むのが好ましく、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールを含むのがより好ましい。
【0012】
トリエステル油としては、3価以上の多価アルコールのトリ脂肪酸エステルが挙げられ、具体的には、トリミリスチン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、さらに、オリーブ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、ヒマシ油、紅花油、ヒマワリ油、アボカド油、キャノーラ油、キョウニン油、米胚芽油、米糠油等の植物油などが挙げられる。
トリエステル油としては、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、植物油から選ばれる1種又は2種以上を含むのが好ましく、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、オリーブ油、ホホバ油から選ばれる1種又は2種以上を含むのがより好ましく、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、オリーブ油から選ばれる1種又は2種以上を含むのがさらに好ましく、オリーブ油を含むのがよりさらに好ましい。
エステル油としては、ジエステル油、トリエステル油から選ばれる1種又は2種以上を含むのが好ましく、トリエステル油を含むのがより好ましい。
【0013】
テトラエステル油としては、4価以上の多価アルコールのテトラ脂肪酸エステルが挙げられ、具体的には、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル等が挙げられる。
【0014】
エーテル油としては、ジアルキルエーテルが挙げられ、具体的には、ジヘキシルエーテル、ジカプリリルエーテル、セチル-1,3-ジメチルブチルエーテル等が挙げられる。
【0015】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン(1cs)、ジメチルポリシロキサン(1.5cs)、ジメチルポリシロキサン(2cs)、ジメチルポリシロキサン(6cs)等の揮発性、不揮発性の直鎖状ジメチルポリシロキサン;メチルトリメチコン、トリス(トリメチルシリル)メチルシラン、テトラキス(トリメチルシリル)シラン等の分岐状シロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシロキサン;架橋型メチルポリシロキサン、網状型メチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン等のメチルフェニルポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサンなどが挙げられる。
シリコーン油としては、直鎖状ジメチルポリシロキサン、分岐状シロキサンから選ばれる1種又は2種以上を含むのが好ましく、直鎖状ジメチルポリシロキサンを含むのがより好ましく、不揮発性の直鎖状ジメチルポリシロキサンを含むのがさらに好ましい。
【0016】
25℃で液状の油剤としては、塗布後の肌を押したときに弾力感を向上させ、塗布後の肌べたつきを低減し、保存安定性を向上させる観点から、炭化水素油、エステル油、エーテル油、シリコーン油から選ばれる1種又は2種以上を含むのが好ましく、炭化水素油、エステル油を含むのがより好ましく、炭化水素油、ジエステル油、トリエステル油から選ばれる1種又は2種以上を含むのがさらに好ましく、炭化水素油、トリエステル油から選ばれる1種又は2種以上を含むのがよりさらに好ましく、炭化水素油を含むのがことさら好ましい。
【0017】
また、25℃でペースト状又は固形状の油剤としては、融点28℃以上であるのが好ましく、30℃以上がより好ましく、32℃以上がさらに好ましい。また、160℃以下が好ましく、155℃以下がより好ましく、150℃以下がさらに好ましい。なお、融点の測定方法は、医薬部外品原料規格(2006)、一般試験法、融点測定法に記載の第2法によるものである。
【0018】
ペースト状又は固形状の油剤として、具体的には、固形パラフィン(融点:50~70℃)、マイクロクリスタリンワックス(融点:54~102℃)、セレシン(融点:61~95℃)、オゾケライト(融点61~90℃)、ワセリン(融点38~60℃)、ポリエチレンワックス(融点:103~120℃)、フィッシャートロプシュワックス(融点108~120℃)等の炭化水素油;
カルナウバロウ(融点:80~86℃)、ミツロウ(融点:64℃)、キャンデリラロウ(融点:68~72℃)、コメヌカロウ(融点:70~83℃)、ジョジョバロウ(融点:55℃)、モクロウ(融点:55℃)、ホホバ脂(融点:46~54℃)、ラノリン(融点37~43℃);水添ホホバ油(融点:68℃)、硬化ヒマシ油(融点:84℃)、水添パーム油(融点:65℃)、硬化ヤシ油(融点:70℃)、パルミチン酸セチル(融点:50℃)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル(融点:66℃)、トリステアリン、トリベヘニン、シア脂(融点:36~45℃)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)(融点:38℃)、トリ(カプリル/カプリン/ミリスチン/ステアリン酸)グリセリル(融点:40℃)、ラウリン酸硬化ヒマシ油(融点:51℃)、イソステアリン酸硬化ヒマシ油(融点:47℃)、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油(融点:55~63℃)等のエステル油;
バチルアルコール(融点:60~70℃)、キミルアルコール(融点:60.5~61.5℃)等のエーテル油;
ステアリルアルコール(融点:58.0℃)、ベヘニルアルコール(融点:70.5℃)等の高級アルコール;
コレステロール(148℃)、フィトステロール(135℃)等のステロール類などが挙げられる。
【0019】
25℃でペースト状又は固形状の油剤としては、塗布後の肌を押したときに弾力感を向上させ、塗布後の肌べたつきを低減し、保存安定性を向上させる観点から、炭化水素油、エステル油、高級アルコール、コレステロール類から選ばれる1種又は2種以上を含むのが好ましく、ワセリン、シア脂、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ベヘニルアルコール、コレステロール、フィトステロールから選ばれる1種又は2種以上を含むのがより好ましく、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ベヘニルアルコール、コレステロール、フィトステロールから選ばれる1種又は2種以上を含むのがさらに好ましく、ベヘニルアルコール又はコレステロールを含むのがよりさらに好ましく、コレステロールを含むのがことさらに好ましい。
【0020】
成分(A)としては、塗布後の肌を押したときに弾力感を向上させ、塗布後の肌べたつきを低減し、保存安定性を向上させる観点から、スクワラン、流動パラフィン、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、オリーブ油、ホホバ油、メドウフォーム油、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ワセリン、シア脂、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、コレステロール、フィトステロールから選ばれる1種また2種以上を含むのが好ましく、スクワラン、流動パラフィン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、オリーブ油、ベヘニルアルコール、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、コレステロール、フィトステロールから選ばれる1種又は2種以上を含むのがより好ましく、スクワラン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、オリーブ油、ベヘニルアルコール、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、コレステロールから選ばれる1種又は2種以上を含むのがさらに好ましく、スクワラン、オリーブ油、ベヘニルアルコール、コレステロールから選ばれる1種又は2種以上を含むのがよりさらに好ましく、スクワラン、コレステロールから選ばれる1種以上を含むのがことさら好ましい。
【0021】
成分(A)の油剤は、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせ、塗布後の肌を押したときに弾力感を向上させ、塗布後の肌べたつきを低減し、保存安定性を向上させる観点から、全組成中に0.001~4質量%であるのが好ましく、0.01~2.5質量%がより好ましく、0.1~1質量%がさらに好ましい。
【0022】
成分(B)の非イオン性界面活性剤は、HLB7~20であり、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせる観点から、HLB8~20が好ましく、HLB10~18がより好ましく、HLB12~16がさらに好ましい。
ここで、HLB(親水性-親油性のバランス〈Hydrophilic-Lipophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。また、2種以上の非イオン性ン界面活性剤から構成される場合、混合界面活性剤のHLBは、次のようにして求められる。混合界面活性剤のHLBは、各非イオン性界面活性剤のHLB値をその配合比率に基づいて相加算平均したものである。
混合HLB=Σ(HLBx×Wx)/ΣWx
HLBxは、非イオン性界面活性剤XのHLB値を示す。
Wxは、HLBxの値を有する非イオン性界面活性剤Xの質量(g)を示す。
【0023】
かかる非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルカノールエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。これらのうち、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせる観点から、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上を含むのが好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上を含むのがより好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含むのがさらに好ましい。
【0024】
成分(B)の非イオン性界面活性剤は、1種又は2種以上組合わせて用いることができ、含有量は、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせ、塗布後の肌を押したときに弾力感を向上させ、塗布後の肌べたつきを低減させ、保存安定性を向上させる観点から、全組成中に0.01~3質量%であるのが好ましく、0.05~2質量%がより好ましく、0.3~0.9質量%がさらに好ましい。
【0025】
成分(C)のアニオン性界面活性剤としては、通常の乳化化粧料に用いられるもので、例えば、N-アシルアミノ酸、脂肪酸、アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸、アシル乳酸、N-アシルメチルアラニン、N-アシルサルコシン、ジアシルアミノ酸及びそれらの塩等のカルボン酸塩型;アルカンスルホン酸、α-オレフィンスルホン酸、α-スルホ脂肪酸メチルエステル、アシルイセチオン酸、アルキルスルホコハク酸、N-アシルメチルタウリン及びそれらの塩等のスルホン酸塩型;アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル及びそれらの塩等の硫酸塩型;アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びそれらの塩等のリン酸塩型などが挙げられる。
これらのうち、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせ、保存安定性を向上させる観点から、N-アシルアミノ酸、脂肪酸、アルキルエーテルカルボン酸、ジアシルグルタミン酸リシン、アルキルスルホコハク酸、N-アシルメチルタウリン、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、N-アシルアミノ酸、脂肪酸、N-アシルメチルタウリン及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を含むことがより好ましく、N-アシルアミノ酸、脂肪酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を含むことがさらに好ましい。
【0026】
N-アシルアミノ酸及びその塩としては、N-ラウロイル-L-グルタミン酸、N-ステアロイル-L-グルタミン酸、N-ミリストイル-L-グルタミン酸等のN-アシルグルタミン酸及びその塩等が挙げられ、N-ラウロイル-L-グルタミン酸、N-ステアロイル-L-グルタミン酸及びその塩が好ましく、N-ステアロイル-L-グルタミン酸及びその塩がより好ましい。
脂肪酸及びその塩としては、直鎖又は分岐鎖のいずれでも良く、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の炭素数12~24の脂肪酸及びその塩が挙げられ、炭素14~18の脂肪酸及びその塩が好ましく、炭素16~18の脂肪酸及びその塩がより好ましい。
アルキルエーテルカルボン酸及びその塩としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸及びその塩等が挙げられる。
ジアシルグルタミン酸リシン及びその塩としては、ジラウロイルグルタミン酸リシン及びその塩等が挙げられる。
アルキルスルホコハク酸及びその塩としては、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸及びその塩等が挙げられる。
N-アシルメチルタウリン及びその塩としては、N-ミリストイル-N-メチルタウリン、N-ラウロイル-N-メチルタウリン、N-ステアロイル-N-メチルタウリン及びそれらの塩等が挙げられ、N-ラウロイル-N-メチルタウリン、N-ステアロイル-N-メチルタウリン及びそれらの塩が好ましく、N-ステアロイル-N-メチルタウリン及びそれらの塩がより好ましい。
アルキル硫酸エステル及びその塩としては、ラウリル硫酸及びそれらの塩等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル及びその塩としては、ポリオキシエチレンラウリル硫酸及びその塩等が挙げられる。
アルキルリン酸及びその塩としては、モノミリスチルリン酸、モノステアリルリン酸、ジ(C12-C15)パレス-8-リン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルリン酸及びその塩としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
成分(C)を構成する塩構造としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩や、L-アルギニン、L-ヒスチジン、L-リジン等の塩基性アミノ酸塩、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
成分(C)を構成する塩構造としては、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせ、保存安定性を向上させる観点から、アルカリ金属塩、塩基性アミノ酸塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩がさらに好ましい。
【0027】
成分(C)のアニオン性界面活性剤は、1種又は2種以上組合わせて用いることができ、含有量は、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせ、塗布後の肌を押したときに弾力感を向上させ、塗布後の肌べたつきを低減し、保存安定性を向上させる観点から、全組成中に0.0001~1質量%であるのが好ましく、0.001~0.5質量%がより好ましく、0.03~0.2質量%がさらに好ましい。
なお、成分(C)の含有量は、酸換算量としての含有量を示す。
【0028】
本発明において、成分(C)に対する成分(B)の質量割合(B)/(C)は、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせ、保存安定性を向上させる観点から、0.01~30000であるのが好ましく、0.1~2000がより好ましく、0.3~500がさらに好ましく、0.8~200がよりさらに好ましく、1.5~30がことさらに好ましく、4~13が好ましい。
【0029】
本発明で用いる成分(D)のナイアシンアミドは、ニコチン酸(ナイアシン)のアミド化合物である。ナイアシンアミドは水、エタノール、グリセリンに可溶で、ビタミンB群に含まれる公知物質であり、天然物(米ぬかなど)から抽出されたものや、公知の方法によって合成したものを用いることができる。具体的には、第15改正日本薬局方2008に収載されているものを用いることができる。
【0030】
成分(D)の含有量は、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせ、塗布後の肌を押したときに弾力感を向上させ、塗布後の肌べたつきを低減し、保存安定性を向上させる観点から、全組成中に2~10質量%であり、3~8質量%が好ましく、4~6質量%がより好ましい。
【0031】
本発明において、成分(D)に対する成分(B)の質量割合(B)/(D)は、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせ、塗布後の肌を押したときに弾力感を向上させ、塗布後の肌べたつきを低減し、保存安定性を向上させる観点から、0.001~1.5であるのが好ましく、0.006~0.67がより好ましく、0.01~0.25がさらに好ましく、0.05~0.19がよりさらに好ましく、0.08~0.14がことさら好ましい。
【0032】
本発明において、成分(D)に対する成分(C)の質量割合(C)/(D)は、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせ、塗布後の肌を押したときに弾力感を向上させ、塗布後の肌べたつきを低減し、保存安定性を向上させる観点から、0.00001~0.5であるのが好ましく、0.000125~0.167がより好ましく、0.005~0.1がさらに好ましく、0.01~0.045がよりさらに好ましい。
【0033】
本発明において、成分(E)の水の含有量は、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせ、塗布後の肌を押したときに弾力感を向上させ、塗布後の肌べたつきを低減し、保存安定性を向上させる観点から、全組成中に40~90質量%であるのが好ましく、50~85質量%がより好ましく、60~80質量%がさらに好ましい。
【0034】
本発明の乳化化粧料は、さらに、(F)リン脂質を含有することができ、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせ、保存安定性を向上させることができる。
かかるリン脂質としては、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせ、保存安定性を向上させる観点から、ホスファチジルコリン含有量が60質量%以上であるのが好ましく、64質量%以上がより好ましく、68質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上がよりさらに好ましい。ホスファチジルコリン以外のリン脂質成分としては、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール等が挙げられる。
【0035】
本発明で用いられるリン脂質は、動植物から抽出、精製した天然物であっても、化学合成したものであってもよく、水素添加、水酸化処理などの加工を施したものであってもよい。天然物としては、経時安定性を向上させ、皮膚刺激を低減させる観点から、大豆又は卵黄からの抽出物又はその精製物であるリン脂質が好ましく、水素添加又は水酸化処理されたリン脂質がより好ましい。具体的には、大豆レシチン水素添加物及び/又は卵黄レシチン水素添加物が好適に挙げられる。
【0036】
ホスファチジルコリンを60質量%以上含有しているリン脂質としては、コートソームNC-21(水素添加大豆リン脂質;ホスファチジルコリン90質量%以上含有;日油社製)、レシノールS-10E(水素添加大豆リン脂質;ホスファチジルコリン75~85質量%含有;日光ケミカルズ社製)、レシノールS-10EX(水素添加大豆リン脂質;ホスファチジルコリン95質量%以上含有;日光ケミカルズ社製)、ベイシスLS-60HR(水素添加大豆リン脂質;ホスファチジルコリン60~75質量%含有;日清オイリオ社製)、Phospholipon 85G(大豆リン脂質;ホスファチジルコリン85質量%含有;エイチ・ホルスタイン社製)、Phospholipon 90G(大豆リン脂質;94質量%以上含有;エイチ・ホルスタイン社製)、Phospholipon 75IP(大豆リン脂質;ホスファチジルコリン70質量%含有;エイチ・ホルスタイン社製)、Phospholipon 90IP(大豆リン脂質;ホスファチジルコリン90質量%以上含有;エイチ・ホルスタイン社製)、Phospholipon 80H(水素添加大豆リン脂質;ホスファチジルコリン70質量%以上含有;エイチ・ホルスタイン社製)、Phospholipon 90H(水素添加大豆リン脂質;ホスファチジルコリン90質量%以上含有;エイチ・ホルスタイン社製)、Phospholipon 75HIP(水素添加大豆リン脂質;ホスファチジルコリン70質量%以上含有;エイチ・ホルスタイン社製)、Phospholipon 90HIP(水素添加大豆リン脂質;ホスファチジルコリン90質量%以上含有;エイチ・ホルスタイン社製)、Lipoid E 80(精製卵黄リン脂質;ホスファチジルコリン80質量%以上含有;エイチ・ホルスタイン社製)、Lipoid E 80 S(精製卵黄リン脂質;ホスファチジルコリン64質量%以上含有;エイチ・ホルスタイン社製)、Lipoid E PC S(精製卵黄リン脂質;ホスファチジルコリン96質量%以上含有;エイチ・ホルスタイン社製)、Epikron 200(ホスファチジルコリン95質量%以上含有;カーギル社製)、Phospholipid PCSH70(水素添加大豆リン脂質;ホスファチジルコリン70~80質量%含有;日本精化社製)、卵黄レシチンPL-100E(ホスファチジルコリン約83質量%含有;キユーピー社製)等が挙げられる。
【0037】
成分(F)のリン脂質は、1種又は2種以上組合わせて用いることができ、含有量は、乳化粒子を微細にすることで、外観を透明~半透明にさせ、保存安定性を向上させる観点から、全組成中に0.0001~1質量%であるのが好ましく、0.001~0.5質量%がより好ましく、0.01~0.3質量%がさらに好ましい。
【0038】
本発明の乳化化粧料は、前記成分以外に、通常化粧料に用いられる成分、例えば、前記以外の界面活性剤、前記以外の油性成分、粉体、高分子化合物、酸化防止剤、香料、防腐剤、pH調整剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、保湿剤、清涼剤等を含有することができる。
【0039】
本発明の乳化化粧料は、乳化粒子の平均粒子径が10~200nmであり、30~120nmが好ましい。
乳化粒子の平均粒子径がこのような範囲にあると、乳化化粧料は、透明~半透明の外観になる。
本発明において、平均粒子径は、乳化化粧料を、粒度分布測定装置(ゼータサイザーナノ ZS、マルバーン社製)を用いて、光子相関法(動的光散乱法)により測定したキュムラント径を、乳化粒子の平均粒子径とする。
【0040】
本発明の乳化化粧料は、通常の方法に従って製造することができ、例えば、高圧乳化法、あるいは、超音波を使用した乳化機で乳化することにより、製造することができる。また、系の温度を一旦、系の可溶化限界温度以上に上げ、その後に冷却することにより調製するなど、界面化学特性を利用して製造することもできる。
【0041】
高圧乳化法により製造する場合には、油性成分を界面活性剤、水及びその他成分を、高剪断力で、例えば104-1以上、好ましくは104~108-1、より好ましくは107~108-1の剪断速度が得られる乳化機(例えば高圧ホモジナイザー)で混合することにより、製造することができる。
【0042】
高圧ホモジナイザーは、高圧下、流体を非常に繊細な間隙より噴出させて混合する装置であり、粒子間の衝突、圧力差による剪断力、インパクトリングへの衝突の破壊力等の総合エネルギーによって、乳化・分散・解細・粉砕・超微細化が可能となる。用いることのできる市販の高圧ホモジナイザーとしては、高圧ホモジナイザー(イズミフードマシナリ社製)、ミニラボ8.3H型(Rannie社製)に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー;マイクロフルイダイザー(Microfluidics社製)、ナノマイザー(吉田機械興業社製)、スターバースト(スギノマシン社製)、ジーナスPY(白水化学社製)、DeBEE2000(日本ビーイーイー社製)、アルティマイザー(タウテクノロジー社製)等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー;マントン-ガウリン型の高圧ホモジナイザーなどが挙げられる。これら中では、取り扱い操作の簡便性の観点から、スターバースト(スギノマシン社製)が好ましい。
【0043】
高圧ホモジナイザーで混合する際の高圧乳化処理部にかかる圧力は、微細な乳化組成物を得る観点から、50MPa以上であるのが好ましく、70~245MPaがより好ましく、90~210MPaがさらに好ましい。
本発明の乳化化粧料は、成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を、高圧ホモジナイザーにて50MPa以上で混合することにより、製造することができる。
【0044】
本発明の乳化化粧料は、油中水型乳化化粧料、水中油型乳化化粧料のいずれでも良く、水中油型乳化化粧料として好適である。
また、本発明の乳化化粧料は、皮膚用の乳化化粧料として好適であり、例えば、日やけ止め乳液、日焼け止めクリーム等の紫外線防御化粧料;スキンケア化粧水、スキンケア乳液、スキンケアクリーム、BBクリーム、美容液等のスキンケア化粧料などとして適用することができる。
【実施例0045】
実施例1~7、比較例1~2
表1に示す組成の水中油型乳化化粧料(化粧水)を製造し、平均粒子径、安定性、塗布後の肌を指で押したときの弾力感、べたつきのなさを評価した。結果を表1に併せて示す。なお、表1中の成分(C)の(C)総量は、酸換算量を記載した。
【0046】
(製造方法)
(1)成分1~4と、成分5~7の一部を混合し、80℃まで加温した。
(2)成分8、9と、成分14の一部を混合し、80℃まで加温した。
(3)成分5~7の残り、成分14の残り及び成分10~13を混合した。
(4)(1)に(2)を加えて攪拌し、35℃まで冷却したのち、(3)を加えて混合し、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製、スターバースト)にて200MPaで高圧処理して、水中油型乳化化粧料(化粧水)を得た。
【0047】
(評価方法)
(1)平均粒子径:
各乳化化粧料について、粒度分布測定装置(ゼータサイザーナノ ZS、マルバーン社製)を用いて、光子相関法(動的光散乱法)により測定したキュムラント径を、乳化粒子の平均粒子径とした。
【0048】
(2)安定性:
各乳化化粧料をガラス瓶(No.88、興亜硝子社製)に充填し、40℃で4週間保存した後、25℃に戻し、12時間後の外観について、目視により、製造直後の状態と比較して以下の基準で評価した。
<評価基準>
3:変化が認められない。
2:分離は無いが、白濁度の上昇が認められる。
1:分離している。
【0049】
(3)塗布後の肌を指で押したときの弾力感:
専門評価者3名により、各乳化化粧料を頬部に塗布した後、肌を指で押したとき、その弾力感について、以下の基準で評価した。結果を専門評価者3名の合計点で示した。
<評価基準>
4:弾力感を感じる。
3:弾力感をやや感じる。
2:弾力感をほとんど感じない。
1:弾力感を全く感じない。
【0050】
(4)べたつきのなさ
専門評価者3名により、各乳化化粧料を頬部に塗布した後、肌を指で触ったときのべたつきのなさについて、以下の基準で評価した。結果を専門評価者3名の合計点で示した。
<評価基準>
4:べたつきを感じない。
3:べたつきをほとんど感じない。
2:べたつきをやや感じる。
1:べたつきを明らかに感じる。
【0051】
【表1】
【0052】
*1:シュガースクワラン(NIKKOL シュガースクワラン、日本サーファクタント工業社製)、
*2:ステアリン酸(NAA-1850、日油社製製)、
*3:コレステロール(コレステロールJSQI、日本精化社製)、
*4:水素添加大豆リン脂質(COATSOME NC-21、日油社製)、
*5:ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油(HLB14.0:NIKKOL HCO-60、日本サーファクタント工業社製)、
*6:N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム(アミソフト HS-11P、味の素社製)
【0053】
処方例1~6
実施例1~7と同様にして、表2~表7に示す組成の水中油型乳化化粧料を製造した。
得られた化粧料はいずれも、乳化粒子の平均粒子径が10~200nmの範囲で、外観が透明~半透明であり、塗布後の肌を押したときに弾力感があり、べたつきがなく、保存安定性にも優れたものである。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】