(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157267
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置、送信方法および受信方法
(51)【国際特許分類】
H03M 13/47 20060101AFI20231019BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
H03M13/47
H04L27/26 114
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067060
(22)【出願日】2022-04-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(72)【発明者】
【氏名】松田 大輝
(72)【発明者】
【氏名】津田 信一郎
【テーマコード(参考)】
5J065
【Fターム(参考)】
5J065AB01
5J065AC02
5J065AD03
5J065AE02
(57)【要約】
【課題】AI/MLモデルに用いる信号処理およびAI/MLモデルを用いない信号処理のいずれも実施可能な送信装置、受信装置、送信方法および受信方法を提供する。
【解決手段】送信装置は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施し、第1のビット系列またはシンボル系列から第2のビット系列またはシンボル系列を生成する機能を有する第1のエンコーダと、AI/MLモデルを用いない第2の信号処理を実施し、第1のビット系列またはシンボル系列から第3のビット系列またはシンボル系列を生成する機能を有する第2のエンコーダと、第2のビット系列またはシンボル系列、または、第3のビット系列またはシンボル系列を送信する第1の送信部と、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定し、当該選択結果または決定結果に基づいて、第1のエンコーダまたは第2のエンコーダのいずれを使用するかを決定する第1の制御部とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施し、第1のビット系列またはシンボル系列から第2のビット系列またはシンボル系列を生成する機能を有する第1のエンコーダと、
前記AI/MLモデルを用いない第2の信号処理を実施し、前記第1のビット系列またはシンボル系列から第3のビット系列またはシンボル系列を生成する機能を有する第2のエンコーダと、
前記第2のビット系列またはシンボル系列、または、前記第3のビット系列またはシンボル系列を送信する第1の送信部と、
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定し、該選択結果または決定結果に基づいて、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダのいずれを使用するかを決定する第1の制御部と
を備える、送信装置。
【請求項2】
前記第1の信号処理の実施可否情報を送信する第1の送信部をさらに備え、
前記第1の制御部は、前記実施可否情報に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記第1の信号処理の実施可否情報を送信する第1の送信部と、
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかの選択結果または決定結果を受信する第1の受信部と
をさらに備え、
前記第1の制御部は、前記選択結果または決定結果に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかの明示的な通知を受信する第1の受信部をさらに備え、
前記第1の制御部は、前記明示的な通知に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
前記第1の制御部は、予めまたは動的に設定される判定条件に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項6】
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理の際に、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダによって参照される、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含む第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルをさらに備え、
前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダは、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルに含まれる前記制御情報を前記インデクスによって特定し、
前記第1の制御部は、前記第1の信号処理を実施する場合には、前記第1の制御情報テーブルを参照するように決定し、前記第2の信号処理を実施する場合には、前記第2の制御情報テーブルを参照するように決定する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項7】
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理の際に、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダによって参照される、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含む第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルと、
前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかの明示的な通知を受信する第1の受信部と
をさらに備え、
前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダは、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルに含まれる前記制御情報を前記インデクスによって特定し、
前記第1の制御部は、前記明示的な通知に基づいて、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項8】
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理の際に、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダによって参照される、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含む第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルをさらに備え、
前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダは、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルに含まれる前記制御情報を前記インデクスによって特定し、
前記第1の制御部は、予めまたは動的に設定される判定条件に基づいて、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項9】
AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施し、第2のビット系列またはシンボル系列から第1のビット系列またはシンボル系列を復元する機能を有する第1のデコーダと、
前記AI/MLモデルを用いない第2の信号処理を実施し、第3のビット系列またはシンボル系列から第1のビット系列またはシンボル系列を復元する機能を有する第2のデコーダと、
前記第2のビット系列またはシンボル系列、または、前記第3のビット系列またはシンボル系列を受信する第2の受信部と、
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定し、該選択結果または決定結果に基づいて、前記第1のデコーダまたは前記第2のデコーダのいずれを使用するかを決定する第2の制御部と
を備える、受信装置。
【請求項10】
前記第1の信号処理の実施可否情報を受信する第2の受信部をさらに備え、
前記第2の制御部は、前記実施可否情報に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、請求項9に記載の受信装置。
【請求項11】
前記第1の信号処理の実施可否情報を受信する第2の受信部と、
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかの選択結果または決定結果を送信する第1の送信部と
をさらに備え、
前記第2の制御部は、前記実施可否情報に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定し、該選択結果または決定結果を前記第1の送信部を介して送信する、請求項9に記載の送信装置。
【請求項12】
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかの明示的な通知を送信する第2の送信部をさらに備え、
前記第2の制御部は、前記明示的な通知に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、請求項9に記載の受信装置。
【請求項13】
前記第2の制御部は、予めまたは動的に設定される判定条件に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、請求項9に記載の受信装置。
【請求項14】
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理の際に、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダによって参照される、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含む第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルをさらに備え、
前記第1のデコーダまたは前記第2のデコーダは、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルに含まれる前記制御情報を前記インデクスによって特定し、
前記第2の制御部は、前記第1の信号処理を実施する場合には、前記第1の制御情報テーブルを参照するように決定し、前記第2の信号処理を実施する場合には、前記第2の制御情報テーブルを参照するように決定する、請求項9に記載の受信装置。
【請求項15】
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理の際に、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダによって参照される、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含む第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルと、
前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかの明示的な通知を送信する第2の送信部と
をさらに備え、
前記第1のデコーダまたは前記第2のデコーダは、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルに含まれる前記制御情報を前記インデクスによって特定し、
前記第2の制御部は、前記明示的な通知に基づいて、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定する、請求項9に記載の受信装置。
【請求項16】
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理の際に、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダによって参照される、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含む第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルをさらに備え、
前記第1のデコーダまたは前記第2のデコーダは、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルに含まれる前記制御情報を前記インデクスによって特定し、
前記第2の制御部は、予めまたは動的に設定される判定条件に基づいて、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定する、請求項9に記載の受信装置。
【請求項17】
AI/MLモデルを用いる第1の信号処理または前記AI/MLモデルを用いない第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定するステップと、
前記第1の信号処理を実施する場合に、前記AI/MLモデルを用いる第1のエンコードによって第1のビット系列またはシンボル系列から第2のビット系列またはシンボル系列を生成し、該第2のビット系列またはシンボル系列を送信するステップと、
前記第2の信号処理を実施する場合に、前記AI/MLモデルを用いない第2のエンコードによって前記第1のビット系列またはシンボル系列から第3のビット系列またはシンボル系列を生成し、該第3のビット系列またはシンボル系列を送信するステップと
を含む、送信方法。
【請求項18】
AI/MLモデルを用いる第1の信号処理または前記AI/MLモデルを用いない第2の信号処理のいずれかを実施するかを選択または決定するステップと、
前記第1の信号処理を実施する場合に、第2のビット系列またはシンボル系列を受信し、該第2ビット系列またはシンボル系列から前記AI/MLモデルを用いる第1のデコードによって第1のビット系列またはシンボル系列を復元するステップと、
前記第2の信号処理を実施する場合に、第3のビット系列またはシンボル系列を受信し、該第3のビット系列またはシンボル系列から前記AI/MLモデルを用いない第2のデコードによって前記第1のビット系列またはシンボル系列を復元するステップと
を含む、受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送信装置、受信装置、送信方法および受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、次世代の移動通信システムとして、Beyond 5Gおよび6Gの検討が、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project)において行われている。
【0003】
Beyond 5Gおよび6Gの無線アクセス方式では、高速大容量(eMBB:Enhanced Mobile Broadband)、多数同時接続(mMTC:Massive Machine Type Communications)、および高信頼低遅延(URLLC:Ultra Reliable and Low Latency Communications)のさらなる向上が期待されている。これらを実現するために、無線通信によって送受信される情報を、人工知能/機械学習(AI/ML:Artificial Intelligence / Machine Learning)モデルを用いて処理することが検討されている。例えば、非特許文献1、2では、端末装置から基地局に向けて送信されるチャネル状態情報(CSI:Channel Status Information)に対して、AI/MLモデルを用いてエンコード処理およびデコード処理を実施することにより、周波数利用効率を向上させる技術が検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】RWS-210170, “Study on AI/ML based air interface enhancement in Rel-18”, VIVO, 3GPP TSG RAN Rel-18 workshop, Electronic Meeting, June 28 - July 2, 2021
【非特許文献2】RWS-210373, “AI/ML enabled RAN and NR Air Interface”, Intel Corporation, 3GPP TSG RAN Rel-18 workshop, Electronic Meeting, June 28 - July 2, 2021
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
所与のビット系列またはシンボル系列(これ以降、「データ」と称する)に対して、AI/MLモデルを用いてエンコード処理を実施する送信側と、エンコードされたデータに対して、AI/MLモデルを用いてデコード処理を実施する受信側とから構成される、無線通信システムを考える。このような無線通信システムでは、AI/MLモデルを用いる信号処理だけでなく、AI/MLモデルを用いない従来技術に係る信号処理も実施可能であることが望まれる。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためのものであり、AI/MLモデルに用いる信号処理およびAI/MLモデルを用いない信号処理のいずれも実施可能な送信装置、受信装置、送信方法および受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る送信装置は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施し、第1のビット系列またはシンボル系列から第2のビット系列またはシンボル系列を生成する機能を有する第1のエンコーダと、AI/MLモデルを用いない第2の信号処理を実施し、第1のビット系列またはシンボル系列から第3のビット系列またはシンボル系列を生成する機能を有する第2のエンコーダと、第2のビット系列またはシンボル系列、または、第3のビット系列またはシンボル系列を送信する第1の送信部と、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定し、当該選択結果または決定結果に基づいて、第1のエンコーダまたは第2のエンコーダのいずれを使用するかを決定する第1の制御部とを備える。
【0008】
本開示に係る受信装置は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施し、第2のビット系列またはシンボル系列から第1のビット系列またはシンボル系列を復元する機能を有する第1のデコーダと、AI/MLモデルを用いない第2の信号処理を実施し、第3のビット系列またはシンボル系列から第1のビット系列またはシンボル系列を復元する機能を有する第2のデコーダと、第2のビット系列またはシンボル系列、または、第3のビット系列またはシンボル系列を受信する第2の受信部と、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定し、当該選択結果または決定結果に基づいて、第1のデコーダまたは第2のデコーダのいずれを使用するかを決定する第2の制御部とを備える。
【0009】
本開示に係る送信方法は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理またはAI/MLモデルを用いない第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定するステップと、第1の信号処理を実施する場合に、AI/MLモデルを用いる第1のエンコードによって第1のビット系列またはシンボル系列から第2のビット系列またはシンボル系列を生成し、当該第2のビット系列またはシンボル系列を送信するステップと、第2の信号処理を実施する場合に、AI/MLモデルを用いない第2のエンコードによって第1のビット系列またはシンボル系列から第3のビット系列またはシンボル系列を生成し、当該第3のビット系列またはシンボル系列を送信するステップとを含む。
【0010】
本開示に係る受信方法は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理またはAI/MLモデルを用いない第2の信号処理のいずれかを実施するかを選択または決定するステップと、第1の信号処理を実施する場合に、第2のビット系列またはシンボル系列を受信し、当該第2ビット系列またはシンボル系列からAI/MLモデルを用いる第1のデコードによって第1のビット系列またはシンボル系列を復元するステップと、第2の信号処理を実施する場合に、第3のビット系列またはシンボル系列を受信し、当該第3のビット系列またはシンボル系列からAI/MLモデルを用いない第2のデコードによって第1のビット系列またはシンボル系列を復元するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示す図である。
【
図6】端末装置および基地局の詳細な構成を示すブロック図である。
【
図7】第1、第2の制御情報テーブルの一例を示す図である。
【
図8A】第1、第2の制御情報テーブルの構成の第1の実施例を示す図である。
【
図8B】第1、第2の制御情報テーブルの構成の第1の実施例を示す図である。
【
図8C】第1、第2の制御情報テーブルの構成の第1の実施例を示す図である。
【
図8D】第1、第2の制御情報テーブルの構成の第1の実施例を示す図である。
【
図9】第1、第2の制御情報テーブルの構成の第1の実施例を示す図である。
【
図10A】第1、第2の制御情報テーブルの構成の第1の実施例を示す図である。
【
図10B】第1、第2の制御情報テーブルの構成の第1の実施例を示す図である。
【
図11】2種類以上の制御情報を組み合わせた制御情報を含む、第1の制御情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図12】2種類以上の制御情報を含む、第1の制御情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図13A】無線通信システムの処理の詳細を説明するシーケンス図である。
【
図13B】無線通信システムの処理の詳細を説明するシーケンス図である。
【
図13C】無線通信システムの処理の詳細を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について詳細に説明する。図面において、同一または対応する要素には同じ参照符号を付して、詳細な説明は適宜省略する。
【0013】
[実施の形態1]
図1は、本開示の実施の形態1に係る無線通信システム1の構成を示す図である。無線通信システム1は、管理装置10と、基地局20と、中継局30と、端末装置40とを備えている。無線通信システム1は、無線通信システム1を構成する各無線通信装置が連携して動作することにより、ユーザーに対して移動通信が可能な無線ネットワークを提供する。本実施の形態1の無線ネットワークは、無線アクセスネットワークRANとコアネットワークCNとから構成されている。本実施の形態1において、無線通信装置は、無線通信の機能を有する装置のことであり、
図1の例では、基地局20、中継局30、および端末装置40が該当する。
【0014】
無線通信システム1は、管理装置10、基地局20、中継局30、および端末装置40をそれぞれ複数備えてもよい。
図1の例では、無線通信システム1は、管理装置10として管理装置10aおよび10bを備えており、基地局20として基地局20a、20b、および20cを備えている。また、無線通信システム1は、中継局30として中継局30aおよび30bを備えており、端末装置40として端末装置40a、40b、および40cを備えている。
【0015】
図1の各無線通信装置は、論理的な意味での装置と考えてもよい。すなわち、各無線通信装置の一部が仮想マシン(VM:Virtual Machine)、コンテナ(Container)、またはドッカー(Docker)等によって実現され、それらが物理的に同一のハードウェア上で実装されてもよい。
【0016】
無線通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)またはNR(New Radio)等の無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)に対応していてもよい。LTEおよびNRは、セルラー無線通信技術の一種であり、基地局20がカバーするエリアをセル状に複数配置することにより、端末装置40の移動通信を可能にする。
【0017】
無線通信システム1の無線アクセス方式は、LTEまたはNR等に限定されるものではなく、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)またはcdma2000(Code Division Multiple Access 2000)等の他の無線アクセス方式であってもよい。
【0018】
無線通信システム1を構成する基地局20および中継局30は、地上局であってもよいし、非地上局であってもよい。非地上局は、衛星局であってもよいし、航空機局であってもよい。非地上局が衛星局の場合には、無線通信システム1は、Bent-pipe(Transparent)型の移動衛星通信システムであってもよい。
【0019】
本実施の形態1において、地上局(「地上基地局」ともいう。)とは、地上に設置される基地局(「中継局」を含む。)のことをいう。ここで、「地上」とは、陸上のみならず、地中、水上、および水中も含む広義の地上である。なお、以下の説明において、「地上局」の記載は、「ゲートウェイ」に置き換えてもよい。
【0020】
LTEの基地局は、eNodeB(Evolved Node B)またはeNBと称されることもある。NRの基地局は、gNodeBまたはgNBと称されることもある。LTEおよびNRでは、端末装置(「移動局」または「端末」ともいう。)は、UE(User Equipment)と称されることもある。
【0021】
本実施の形態1において、無線通信装置という概念には、携帯端末等の持ち運び可能な移動体装置(端末装置)のみならず、構造物または移動体に設置される装置も含まれる。構造物または移動体そのものを無線通信装置とみなしてもよい。また、無線通信装置という概念には、端末装置40のみならず、基地局20および中継局30も含まれる。無線通信装置は、処理装置または情報処理装置の一種である。無線通信装置は、送信装置または受信装置と言い換えることも可能である。
【0022】
以下、無線通信システム1を構成する各無線通信装置の構成を具体的に説明する。なお、以下に示す各無線通信装置の構成はあくまで一例である。各無線通信装置の構成は、以下に示す構成とは異なっていてもよい。
【0023】
(管理装置の構成)
管理装置10は、無線ネットワークを管理する装置である。例えば、管理装置10は、基地局20の通信を管理する装置である。コアネットワークCNがEPC(Evolved Packet Core)である場合には、管理装置10は、例えば、MME(Mobility Management Entity)としての機能を有する装置である。コアネットワークCNが5GC(5G Core network)である場合には、管理装置10は、例えば、AMF(Access and Mobility Management Function)および/またはSMF(Session Management Function)としての機能を有する装置である。ただし、管理装置10が有する機能は、MME、AMF、およびSMFに限定されるものではない。コアネットワークCNが5GCである場合には、管理装置10は、NSSF(Network Slice Selection Function)、AUSF(Authentication Server Function)、またはUDM(Unified Data Management)としての機能を有する装置であってもよい。管理装置10は、HSS(Home Subscriber Server)としての機能を有する装置であってもよい。
【0024】
管理装置10は、ゲートウェイの機能を有していてもよい。コアネットワークCNがEPCである場合には、管理装置10は、S-GW(Serving Gateway)またはP-GW(Packet Data Network Gateway)としての機能を有していてもよい。コアネットワークCNが5GCである場合には、管理装置10は、UPF(User Plane Function)としての機能を有していてもよい。管理装置10は、必ずしもコアネットワークCNを構成する装置でなくてもよい。コアネットワークCNがW-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)またはcdma2000(Code Division Multiple Access 2000)のコアネットワークである場合には、管理装置10は、RNC(Radio Network Controller)として機能する装置であってもよい。
【0025】
図2は、本実施の形態1に係る管理装置10の構成を示す図である。管理装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備えている。ただし、
図2に示される構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、管理装置10の機能は、複数の物理的に分離された構成に静的、あるいは、動的に分散して実装されてもよい。管理装置10は、複数のサーバ装置によって構成されてもよい。
【0026】
通信部11は、無線通信装置(例えば、基地局20または中継局30)と通信するための通信インタフェースである。通信部11は、ネットワークインタフェースであってもよいし、機器接続インタフェースであってもよい。通信部11は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースであってもよいし、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、またはUSBポート等によって構成されるUSBインタフェースであってもよい。通信部11は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。通信部11は、管理装置10の通信手段として機能する。通信部11は、制御部13によって制御される。
【0027】
記憶部12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、またはハードディスク等の読み書き可能な記憶装置である。記憶部12は、管理装置10の記憶手段として機能する。記憶部12は、例えば、端末装置40の接続状態を記憶する。記憶部12は、端末装置40のRRC(Radio Resource Control)の状態およびECM(EPS Connection Management)、あるいは、5G System CM(Connection Management)の状態を記憶する。記憶部12は、端末装置40の位置情報を記憶するホームメモリとして機能してもよい。
【0028】
制御部13は、管理装置10の各部を制御するコントローラ(controller)である。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって実現されてもよい。詳細には、制御部13は、管理装置10の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することによって実現されてもよい。制御部13は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、およびFPGAは、何れもコントローラとみなすことができる。
【0029】
(基地局の構成)
基地局20は、端末装置40との間で無線通信を行う無線通信装置である。基地局20は、中継局30を介して端末装置40と無線通信してもよいし、端末装置40と直接無線通信してもよい。
【0030】
基地局20は、無線基地局(Base Station、Node B、eNB、またはgNB等)、あるいは、無線アクセスポイント(Access Point)に相当する装置である。基地局20は、無線リレー局であってもよい。基地局20は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる光張り出し装置であってもよい。基地局20は、FPU(Field Pickup Unit)等の受信局であってもよい。基地局20は、無線アクセス回線および無線バックホール回線を時分割多重、周波数分割多重、または空間分割多重で提供する、IAB(Integrated Access and Backhaul)ドナーノード、あるいは、IABリレーノードであってもよい。
【0031】
基地局20が使用する無線アクセス技術は、セルラー通信技術であってもよい。基地局20が使用する無線アクセス技術は、無線LAN技術であってもよい。基地局20が使用する無線アクセス技術は、LPWA(Low Power Wide Area)通信技術であってもよい。ただし、基地局20が使用する無線アクセス技術は、これらに限定されるものではなく、他の無線アクセス技術であってもよい。基地局20が使用する無線通信は、ミリ波を使った無線通信であってもよい。基地局20が使用する無線通信は、電波を使った無線通信であってもよいし、赤外線または可視光を使った無線通信、すなわち光無線であってもよい。
【0032】
基地局20は、端末装置40との間でNOMA(Non-Orthogonal Multiple Access)通信が可能であってもよい。NOMA通信は、非直交リソースを用いる通信(送信、受信、あるいはその両方)である。基地局20は、他の基地局20との間でNOMA通信が可能であってもよい。
【0033】
基地局20は、基地局20とコアネットワークCNとの間のインタフェース、例えばS1 Interface等を介して、コアネットワークCNとの間で互いに通信可能であってもよい。このインタフェースは、有線または無線のいずれであってもよい。基地局20は、基地局間のインタフェース、例えばX2 Interface等を介して、他の基地局との間で互いに通信可能であってもよい。このインタフェースは、有線または無線のいずれであってもよい。
【0034】
基地局(「基地局装置」ともいう。)という概念には、ドナー基地局のみならず、リレー基地局(「中継局」ともいう。)も含まれる。基地局という概念には、基地局の機能を備えた構造物(Structure)のみならず、構造物に設置される装置も含まれる。
【0035】
構造物は、例えば、高層ビル、家屋、鉄塔、駅施設、空港施設、港湾施設、またはスタジアム等の建物である。構造物という概念には、建物のみならず、トンネル、橋梁、ダム、塀、および鉄柱等の構築物(Non-building structure)、並びに、クレーン、門、および風車等の設備も含まれる。構造物という概念には、陸上(狭義の地上)または地中の構造物のみならず、桟橋またはメガフロート等の水上の構造物、および、海洋観測設備等の水中の構造物も含まれる。基地局は、情報処理装置と言い換えることもできる。
【0036】
基地局20は、固定局であってもよいし、移動可能に構成された無線通信装置、すなわち移動局であってもよい。基地局20は、移動体に設置される装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。移動能力(Mobility)を有するリレー局は、移動局としての基地局20とみなすことができる。車両またはドローン等に代表されるUAV(Unmanned Aerial Vehicle)およびスマートフォン等の元来移動能力を有する装置であって、少なくとも基地局の機能の一部を搭載した装置も、移動局としての基地局20とみなすことができる。
【0037】
移動体は、スマートフォンまたは携帯電話等のモバイル端末であってもよい。移動体は、陸上(狭義の地上)を移動する移動体(例えば、自動車、自転車、バス、トラック、自動二輪車、列車、またはリニアモーターカー等の車両)であってもよいし、地中(例えば、トンネル内)を移動する移動体(例えば、地下鉄)であってもよい。
【0038】
移動体は、水上を移動する移動体(例えば、旅客船、貨物船、またはホバークラフト等の船舶)であってもよいし、水中を移動する移動体(例えば、潜水艇、潜水艦、または無人潜水機等の潜水船)であってもよい。
【0039】
移動体は、大気圏内を移動する移動体(例えば、飛行機、飛行船、またはドローン等の航空機)であってもよい。
【0040】
基地局20は、地上に設置される地上基地局(地上局)であってもよい。基地局20は、地上の構造物に配置される基地局であってもよいし、地上を移動する移動体に設置される基地局であってもよい。基地局20は、ビル等の構造物に設置されたアンテナおよびそのアンテナに接続された信号処理装置であってもよい。基地局20は、構造物または移動体そのものであってもよい。「地上」とは、陸上(狭義の地上)のみならず、地中、水上、および水中も含む広義の地上である。基地局20は、地上基地局に限定されない。無線通信システム1が衛星通信システムである場合には、基地局20は、航空機局であってもよい。衛星局から見れば、地球に位置する航空機局は地上局である。
【0041】
基地局20は、地上局に限定されない。基地局20は、空中または宇宙を浮遊可能な非地上基地局装置(非地上局)であってもよい。基地局20は、航空機局または衛星局であってもよい。
【0042】
衛星局は、大気圏外を浮遊可能な衛星局である。衛星局は、人工衛星等の宇宙移動体に搭載される装置であってもよいし、宇宙移動体そのものであってもよい。宇宙移動体は、大気圏外を移動する移動体である。宇宙移動体としては、人工衛星、宇宙船、宇宙ステーション、または探査機等の人工天体が挙げられる。
【0043】
衛星局となる衛星は、低軌道(LEO:Low Earth Orbiting)衛星、中軌道(MEO:Medium Earth Orbiting)衛星、静止(GEO:Geostationary Earth Orbiting)衛星、または高楕円軌道(HEO:Highly Elliptical Orbiting)衛星のいずれであってもよい。衛星局は、低軌道衛星、中軌道衛星、静止衛星、または高楕円軌道衛星に搭載される装置であってもよい。
【0044】
航空機局は、航空機等の大気圏内を浮遊可能な無線通信装置である。航空機局は、航空機等に搭載される装置であってもよいし、航空機そのものであってもよい。航空機という概念には、飛行機またはグライダー等の重航空機のみならず、気球または飛行船等の軽航空機も含まれる。航空機という概念には、重航空機または軽航空機のみならず、ヘリコプターまたはオートジャイロ等の回転翼機も含まれる。航空機局、または航空機局が搭載された航空機は、ドローン等の無人航空機であってもよい。
【0045】
無人航空機という概念には、無人航空システム(UAS:Unmanned Aircraft Systems)、および、つなぎ無人航空システム(tethered UAS)も含まれる。無人航空機という概念には、軽無人航空システム(LTA:Lighter than Air UAS)、および、重無人航空システム(HTA:Heavier than Air UAS)が含まれる。無人航空機という概念には、高高度無人航空システムプラットフォーム(HAPs:High Altitude UAS Platforms)も含まれる。
【0046】
基地局20のカバレッジの大きさは、マクロセルのような比較的大きなものであってもよいし、ピコセルのような比較的小さなものであってもよい。基地局20のカバレッジの大きさは、フェムトセルのような極めて小さなものであってもよい。基地局20は、ビームフォーミング機能を有していてもよい。基地局20は、ビームごとにセルまたはサービスエリアが形成されてもよい。
【0047】
図3は、本実施の形態1に係る基地局20の構成を示す図である。基地局20は、無線通信部21と、記憶部22と、第1のデコーダ23と、第2のデコーダ24と、制御部25とを備えている。ただし、
図3に示される構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、基地局20の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0048】
無線通信部21は、他の無線通信装置(例えば、中継局30、端末装置40、または他の基地局20)との間で無線通信するための信号処理部である。無線通信部21は、制御部25によって制御される。無線通信部21は、1つまたは複数の無線アクセス方式に対応する。無線通信部21は、NRおよびLTEの双方に対応してもよい。無線通信部21は、NRおよびLTEに加えて、W-CDMAおよびcdma2000等に対応してもよい。無線通信部21は、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)等の自動再送技術に対応してもよい。
【0049】
無線通信部21は、送信部211と、受信部212と、アンテナ213とを含んでいる。無線通信部21は、送信部211、受信部212、およびアンテナ213をそれぞれ複数含んでもよい。無線通信部21が複数の無線アクセス方式に対応する場合には、無線通信部21の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されてもよい。送信部211および受信部212は、LTEとNRとで個別に構成されてもよい。アンテナ213は、複数のアンテナ素子、例えば複数のパッチアンテナによって構成されもよい。無線通信部21は、ビームフォーミング機能を有してもよい。無線通信部21は、垂直偏波(V偏波)および水平偏波(H偏波)を用いる偏波ビームフォーミング機能を有してもよい。
【0050】
送信部211は、下りリンク制御情報および下りリンクデータの送信処理を行う。一例として、まず、送信部211は、制御部24から入力された下りリンク制御情報および下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、またはターボ符号化等の符号化方式を用いて符号化する。符号化として、ポーラ符号(Polar code)による符号化、または、LDPC符号(Low Density Parity Check Code)による符号化を行ってもよい。
【0051】
次に、送信部211は、符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、または256QAM等の所定の変調方式に従って変調する。このとき、コンステレーション上の信号点は、必ずしも等距離である必要はない。すなわち、コンステレーションは、不均一コンステレーション(NUC:Non Uniform Constellation)であってもよい。
【0052】
次に、送信部211は、各チャネルの変調シンボルと下りリンク参照信号とを多重化して、所定のリソースエレメントに配置する。次に、送信部211は、多重化された信号に対して、各種信号処理を行う。一例として、送信部211は、高速フーリエ変換による周波数領域への変換、ガードインターバル(サイクリックプレフィックス)の付加、ベースバンドのディジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、アップコンバート、余分な周波数成分の除去、および電力増幅等の処理を行う。最後に、送信部211によって生成された信号は、アンテナ213から送信される。
【0053】
受信部212は、アンテナ213を介して受信された上りリンク信号を処理する。一例として、まず、受信部212は、上りリンク信号に対して、ダウンコンバート、不要な周波数成分の除去、増幅レベルの制御、直交復調、ディジタル信号への変換、ガードインターバル(サイクリックプレフィックス)の除去、および高速フーリエ変換による周波数領域信号の抽出等を行う。
【0054】
次に、受信部212は、これらの処理が行われた信号から、PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)およびPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)等の上りリクチャネルおよび上りリンク参照信号を分離する。次に、受信部212は、上りリンクチャネルの変調シンボルから、BPSK(Binary Phase Shift Keying)またはQPSK(Quadrature Phase shift Keying)等の変調方式に従って、受信信号を復調する。変調方式は、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、または256QAM等であってもよい。このとき、コンステレーション上の信号点は、必ずしも等距離である必要はない。すなわち、コンステレーションは、不均一コンステレーションであってもよい。
【0055】
次に、受信部212は、復調された上りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。最後に、復号された上りリンクデータおよび上りリンク制御情報は、制御部24へ出力される。
【0056】
アンテナ213は、電流と電波を相互に変換するアンテナ装置である。アンテナ213は、1つのアンテナ素子、例えば1つのパッチアンテナによって構成されてもよい。アンテナ213は、複数のアンテナ素子、例えば複数のパッチアンテナによって構成されてもよい。アンテナ213が複数のアンテナ素子によって構成される場合には、無線通信部21は、ビームフォーミング機能を有してもよい。無線通信部21は、複数のアンテナ素子を用いて無線信号の指向性を制御することによって、指向性ビームを生成するように構成されてもよい。アンテナ213は、デュアル偏波アンテナであってもよい。アンテナ213がデュアル偏波アンテナである場合、無線通信部21は、無線信号を送信する際に、垂直偏波(V偏波)および水平偏波(H偏波)を用いてもよい。無線通信部21は、垂直偏波および水平偏波を用いて送信される無線信号の指向性を制御してもよい。
【0057】
記憶部22は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、またはハードディスク等の読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、基地局20の記憶手段として機能する。
【0058】
第1のデコーダ23は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施する機能を有する。AI/MLモデルは、機械学習または深層学習によって得られるニューラルネットワークモデルである。ニューラルネットワークモデルは、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、またはLSTM(Long Short-Term Memory)等であってもよい。AL/MLモデルは、これらのモデルのいずれかであってもよいし、これらのモデルを直列または並列に組み合わせたものであってもよい。
【0059】
第1のデコーダ23は、第2のデータを入力として、これに対してAI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施することにより、第1のデータを復元して出力する。第1のデコーダ23は、CPUまたはMPU等のプロセッサによって実現されてもよい。第1のデコーダ23は、ASICまたはFPGA等の集積回路によって実現されてもよい。第1のデコーダ23のさらに詳細な構成については、
図6を参照して後述する。
【0060】
第2のデコーダ24は、AI/MLモデルを用いない従来技術に係る第2の信号処理を実施する機能を有する。第2のデコーダ24は、第3のデータを入力として、これに対して第2の信号処理を実施することにより、第1のデータを復元して出力する。第2のデコーダ24は、CPUまたはMPU等のプロセッサによって実現されてもよい。第2のデコーダ24は、ASICまたはFPGA等の集積回路によって実現されてもよい。第2のデコーダ24のさらに詳細な構成については、
図6を参照して後述する。
【0061】
制御部25は、基地局20の各部を制御するコントローラである。制御部25は、CPUまたはMPU等のプロセッサによって実現されてもよい。詳細には、制御部25は、基地局20の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することによって実現されてもよい。制御部25は、ASICまたはFPGA等の集積回路によって実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、およびFPGAは、いずれもコントローラとみなすことができる。制御部25は、CPUに加えて、あるいはCPUに代えて、GPU(Graphics Processing Unit)によって実現されてもよい。
【0062】
なお、幾つかの実施の形態において、基地局20は、複数の物理的または論理的な装置の集合によって構成されてもよい。一例として、本実施の形態1の基地局20は、BBU(Baseband Unit)およびRU(Radio Unit)等の複数の装置に区別されてもよい。基地局20は、これら複数の装置の集合として解釈されてもよい。また、基地局は、BBUまたはRUのうちいずれかであってもよいし、両方であってもよい。BBUおよびRUは、例えばeCPRI(enhanced Common Public Radio Interface)等の所定のインタフェースによって接続されてもよい。
【0063】
RUは、RRU(Remote Radio Unit)またはRD(Radio DoT)と言い換えてもよい。RUは、後述するgNB-DU(gNB Distributed Unit)に対応してもよい。BBUは、後述するgNB-CU(gNB Central Unit)に対応してもよい。RUは、アンテナと一体的に形成された装置であってもよい。基地局20のアンテナ、例えばRUと一体的に形成されたアンテナは、Advanced Antenna Systemを採用し、例えばFD-MIMO等のMIMOまたはビームフォーミングをサポートしてもよい。基地局20のアンテナは、例えば、64個の送信用アンテナポートおよび64個の受信用アンテナポートを備えてもよい。
【0064】
RUに搭載されるアンテナは、1つ以上のアンテナ素子から構成されるアンテナパネルであってもよく、RUは1つ以上のアンテナパネルを搭載してもよい。RUは、水平偏波のアンテナパネルおよび垂直偏波のアンテナパネルの2種類のアンテナパネルを搭載してもよい。RUは、右旋円偏波のアンテナパネルおよび左旋円偏波のアンテナパネルの2種類のアンテナパネルを搭載してもよい。RUは、アンテナパネル毎に独立したビームを形成して制御してもよい。
【0065】
基地局20は、複数が互いに接続されてもよい。1つまたは複数の基地局20は、無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)に含まれてもよい。このとき、基地局20は、単にRAN、RANノード、AN(Access Network)、またはANノード等と称されることがある。LTEにおけるRANは、EUTRAN(Enhanced Universal Terrestrial RAN)と呼ばれることがある。NRにおけるRANは、NGRANと呼ばれることがある。W-CDMA(UMTS)におけるRANは、UTRANと呼ばれることがある。
【0066】
LTEの基地局20は、eNodeB(Evolved Node B)またはeNBと称されることがある。このとき、EUTRANは、1つまたは複数のeNodeB(eNB)を含む。NRの基地局20は、gNodeBまたはgNBと称されることがある。このとき、NGRANは、1つまたは複数のgNBを含む。EUTRANは、LTEの通信システム(EPS)におけるコアネットワーク(EPC)に接続されたgNB(en-gNB)を含んでもよい。NGRANは、5G通信システム(5GS)におけるコアネットワーク5GCに接続されたng-eNBを含んでもよい。
【0067】
基地局20がeNBまたはgNB等である場合には、基地局20は、3GPPアクセス(3GPP Access)と称されることがある。基地局20が無線アクセスポイント(Access Point)である場合には、基地局20は、非3GPPアクセス(Non-3GPP Access)と称されることがある。基地局20は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる光張り出し装置であってもよい。基地局20がgNBである場合には、基地局20は、前述したgNB-CUおよびgNB-DUを組み合わせたものであってもよいし、gNB-CUまたはgNB-DUのいずれかであってもよい。
【0068】
gNB-CUは、UEとの通信のために、アクセス層(Access Stratum)のうち、複数の上位レイヤ(例えば、RRC、SDAP、およびPDCP等)をホストする。gNB-DUは、アクセス層(Access Stratum)のうち、複数の下位レイヤ(例えば、RLC、MAC、およびPHY等)をホストする。後述するメッセージ/情報のうち、RRCシグナリング(準静的な通知)はgNB-CUによって生成され、MAC CEおよびDCI(動的な通知)はgNB-DUによって生成されてもよい。あるいは、RRCコンフィギュレーション(準静的な通知)のうち、例えばIE:cellGroupConfig等の一部のコンフィギュレーション(configuration)はgNB-DUによって生成され、残りのコンフィギュレーションはgNB-CUによって生成されてもよい。これらのコンフィギュレーションは、後述するF1インタフェースによって送受信されてもよい。
【0069】
基地局20は、他の基地局との間で通信可能に構成されてもよい。複数の基地局20がeNB同士またはeNBとen-gNBの組み合わせである場合には、これらの基地局20の間は、X2インタフェースによって接続されてもよい。複数の基地局20がgNB同士またはgn-eNBとgNBの組み合わせである場合には、これらの基地局20の間は、Xnインタフェースによって接続されてもよい。複数の基地局20がgNB-CUとgNB-DUの組み合わせである場合には、これらの基地局20の間は、前述したF1インタフェースによって接続されてもよい。後述するメッセージ/情報(例えば、RRCシグナリング、MAC CE(MAC Control Element)、またはDCI等)は、複数の基地局20間で、例えば、X2インタフェース、Xnインタフェース、またはF1インタフェース等を介して、送信されてもよい。
【0070】
基地局20によって提供されるセルは、サービングセル(Serving Cell)と呼ばれることがある。サービングセルという概念には、PCell(Primary Cell)およびSCell(Secondary Cell)が含まれる。デュアルコネクティビティが端末装置40に提供される場合には、MN(Master Node)によって提供されるPCellと、ゼロまたは1以上のSCellとは、マスターセルグループ(Master Cell Group)と呼ばれることがある。デュアルコネクティビティの例としては、EUTRA-EUTRA Dual Connectivity、EUTRA-NR Dual Connectivity(ENDC)、EUTRA-NR Dual Connectivity with 5GC、NR-EUTRA Dual Connectivity(NEDC)、およびNR-NR Dual Connectivity等が挙げられる。
【0071】
サービングセルは、PSCell(Primary Secondary Cell、または、Primary SCG Cell)を含んでもよい。デュアルコネクティビティが端末装置40に提供される場合には、SN(Secondary Node)によって提供されるPSCellと、ゼロまたは1以上のSCellとは、SCG(Secondary Cell Group)と呼ばれることがある。特別な設定(例えば、PUCCH on SCell)がされていない限り、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)は、PCellおよびPSCellによっては送信されるが、SCellによっては送信されない。無線リンク障害(Radio Link Failure)は、PCellおよびPSCellによっては検出されるが、SCellによっては検出されない(検出しなくてよい)。このように、PCellおよびPSCellは、サービングセルの中で特別な役割を担うため、SpCell(Special Cell)とも呼ばれる。
【0072】
1つのセルには、1つのダウンリンクコンポーネントキャリアと、1つのアップリンクリンクコンポーネントキャリアとが対応付けられてもよい。1つのセルに対応するシステム帯域幅は、複数のBWP(Bandwidth Part)に分割されてもよい。このとき、1つまたは複数のBWPが端末装置40に設定され、1つのBWP分がアクティブBWP(Active BWP)として、端末装置40に使用されてもよい。端末装置40が使用できる無線資源、例えば周波数帯域、ヌメロロジー(サブキャリアスペーシング)、またはスロットフォーマット(Slot configuration)は、セル毎、コンポーネントキャリア毎、またはBWP毎に、異なっていてもよい。
【0073】
(中継局の構成)
中継局30は、基地局20の中継器となる無線通信装置である。中継局30は、基地局の一種である。中継局30は、情報処理装置の一種である。中継局30は、リレー基地局と言い換えることもできる。
【0074】
中継局30は、端末装置40との間でNOMA通信が可能であってもよい。中継局30は、基地局20と端末装置40との間の通信を中継する。中継局30は、他の中継局30および基地局20との間で無線通信が可能であってもよい。中継局30は、地上局装置であってもよいし、非地上局装置であってもよい。中継局30は、基地局20とともに無線アクセスネットワークRANを構成する。
【0075】
中継局30は、固定された装置であってもよいし、可動する装置であってもよいし、浮遊可能な装置であってもよい。中継局30のカバレッジの大きさは、特定の大きさに限定されない。中継局30がカバーするセルは、マクロセルであってもよいし、ミクロセルであってもよいし、スモールセルであってもよい。
【0076】
中継局30は、中継の機能が満たされるのであれば、搭載される装置に限定されない。中継局30は、スマートフォン等の端末装置に搭載されてもよいし、自動車、列車、または人力車等に搭載されてもよいし、気球、飛行機、またはドローン等に搭載されてもよいし、テレビ、ゲーム機、エアコン、冷蔵庫、または照明器具等の家電に搭載されてもよい。
【0077】
中継局30の構成は、上述した基地局20の構成と同様であってもよい。中継局30は、上述した基地局20と同様に、移動体に設置される装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。移動体は、上述したように、スマートフォンまたは携帯電話等のモバイル端末であってもよい。移動体は、陸上(狭義の地上)を移動する移動体であってもよいし、地中を移動する移動体であってもよい。移動体は、水上を移動する移動体であってもよいし、水中を移動する移動体であってもよい。移動体は、大気圏内を移動する移動体であってもよいし、大気圏外を移動する移動体であってもよい。中継局30は、地上局装置であってもよいし、非地上局装置であってもよい。中継局30は、航空機局または衛星局等であってもよい。
【0078】
中継局30のカバレッジの大きさは、基地局20と同様に、マクロセルのような大きなものから、ピコセルのような小さなものであってもよい。中継局30のカバレッジの大きさは、フェムトセルのような極めて小さなものであってもよい。中継局30は、ビームフォーミング機能を有していてもよい。中継局30は、ビームごとにセルまたはサービスエリアが形成されてもよい。
【0079】
図4は、本実施の形態1に係る中継局30の構成を示す図である。中継局30は、無線通信部31と、記憶部32と、第1のデコーダ33と、第2のデコーダ34と、制御部35とを備えている。ただし、
図4に示される構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、中継局30の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0080】
無線通信部31は、他の無線通信装置(例えば、基地局20、端末装置40、または他の中継局30)との間で無線通信するための信号処理部である。無線通信部31は、1つ、または複数の無線アクセス方式に対応する。無線通信部31は、NRおよびLTEの双方に対応してもよい。無線通信部31は、NRおよびLTEに加えて、W-CDMAおよびcdma3000等に対応してもよい。
【0081】
無線通信部31は、送信部311と、受信部312と、アンテナ313とを含んでいる。無線通信部31は、送信部311、受信部312、およびアンテナ313をそれぞれ複数含んでもよい。無線通信部31が複数の無線アクセス方式に対応する場合には、無線通信部31の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されてもよい。送信部311および受信部312は、LTEとNRとで個別に構成されてもよい。送信部311、受信部312、およびアンテナ313の構成は、上述した基地局20の送信部211、受信部212、およびアンテナ213の構成と同様であってもよい。無線通信部31は、基地局20の無線通信部21と同様に、ビームフォーミング機能を有してもよい。
【0082】
記憶部32は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、またはハードディスク等の読み書き可能な記憶装置である。記憶部32は、中継局30の記憶手段として機能する。
【0083】
第1のデコーダ33は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施する機能を有する。AI/MLモデルは、機械学習または深層学習によって得られるニューラルネットワークモデルである。ニューラルネットワークモデルは、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、またはLSTM(Long Short-Term Memory)等であってもよい。AL/MLモデルは、これらのモデルのいずれかであってもよいし、これらのモデルを直列または並列に組み合わせたものであってもよい。
【0084】
第1のデコーダ33は、後述する端末装置40から受信される第2のデータを入力として、これに対してAI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施することにより、第1のデータを復元して出力する。第1のデコーダ33の構成および機能は、上述した基地局20の第1のデコーダ23の構成および機能と同様であってもよい。
【0085】
第2のデコーダ34は、AI/MLモデルを用いない従来技術に係る第2の信号処理を実施する機能を有する。第2のデコーダ34は、後述する端末装置40から受信される第3のデータを入力として、これに対して第2の信号処理を実施することにより、第1のデータを復元して出力する。第2のデコーダ34の構成および機能は、上述した基地局20の第2のデコーダ24の構成および機能と同様であってもよい。
【0086】
制御部34は、中継局30の各部を制御するコントローラである。制御部34は、CPUまたはMPU等のプロセッサによって実現されてもよい。詳細には、制御部34は、中継局30の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することによって実現されてもよい。制御部34は、ASICまたはFPGA等の集積回路によって実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、およびFPGAは、いずれもコントローラとみなすことができる。制御部34は、CPUに加えて、あるいはCPUに代えて、GPUによって実現されてもよい。
【0087】
なお、中継局30は、IABリレーノードであってもよい。中継局30は、バックホールを提供するIABドナーノードに対しては、IAB-MT(Mobile Termination)として動作し、アクセスを提供する端末装置40に対しては、IAB-DU(Distributed Unit)として動作する。IABドナーノードは、例えば、基地局20であってもよく、IAB-CU(Central Unit)として動作する。
【0088】
(端末装置の構成)
端末装置40は、他の無線通信装置(例えば、基地局20、中継局30、または他の端末装置40等)との間で無線通信を行う無線通信装置である。端末装置40は、携帯電話、スマートデバイス(スマートフォンまたはタブレット)、PDA(Personal Digital Assistant)、またはパーソナルコンピュータ等であってもよい。端末装置40は、通信機能が具備された業務用カメラ等の機器であってもよい。端末装置40は、FPU(Field Pickup Unit)等の通信機器が搭載されたバイクまたは移動中継車等であってもよい。端末装置40は、M2M(Machine to Machine)デバイスまたはIoT(Internet of Things)デバイス等であってもよい。
【0089】
端末装置40は、基地局20との間でNOMA通信が可能であってもよい。端末装置40は、基地局20と通信する際、HARQ等の自動再送技術を使用可能であってもよい。端末装置40は、他の端末装置40との間でサイドリンク通信が可能であってもよい。端末装置40は、サイドリンク通信を行う際、HARQ等の自動再送技術を使用可能であってもよい。端末装置40は、他の端末装置40との間でサイドリンク通信を行う際、NOMA通信が可能であってもよい。端末装置40は、基地局20等の他の無線通信装置との間でLPWA通信が可能であってもよい。端末装置40が使用する無線通信は、ミリ波を使った無線通信であってもよい。端末装置40が使用する無線通信は、サイドリンク通信を含めて、電波を使った無線通信であってもよいし、赤外線または可視光を使った無線通信、すなわち光無線であってもよい。
【0090】
端末装置40は、移動可能な無線通信装置、すなわち移動体装置であってもよい。端末装置40は、移動体に設置される無線通信装置であってもよいし、移動体そのものであってもよい。端末装置40は、自動車、バス、トラック、または自動二輪車等の道路上を移動する車両(Vehicle)であってもよいし、当該車両に搭載された無線通信装置であってもよい。移動体は、モバイル端末であってもよいし、陸上(狭義の地上)、地中、水上、または水中を移動する移動体であってもよい。移動体は、ドローンまたはヘリコプター等の大気圏内を移動する移動体であってもよいし、人工衛星等の大気圏外を移動する移動体であってもよい。
【0091】
端末装置40は、同時に複数の基地局20または複数のセルと接続して通信が可能であってもよい。1つの基地局20が複数のセル(例えば、pCellまたはsCell)を介して通信エリアをサポートしている場合には、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)技術、デュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)技術、またはマルチコネクティビティ(MC:Multi-Connectivity)技術等によって、それら複数のセルを束ねて基地局20と端末装置40との間で通信することができる。あるいは、異なる基地局20のセルを介して、協調送受信(CoMP:Coordinated Multi-Point Transmission and Reception)技術によって、端末装置40とそれら複数の基地局20との間で通信することもできる。
【0092】
図5は、本実施の形態1に係る端末装置40の構成を示す図である。端末装置40は、無線通信部41と、記憶部42と、第1のエンコーダ43と、第2のエンコーダ44と、制御部45とを備えている。ただし、
図5に示される構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、端末装置40の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0093】
無線通信部41は、他の無線通信装置(例えば、基地局20、中継局30、または他の端末装置40)との間で無線通信するための信号処理部である。無線通信部41は、制御部45によって制御される。無線通信部41は、送信部411と、受信部412と、アンテナ413とを含んでいる。無線通信部41、送信部411、受信部412、およびアンテナ413の構成は、基地局20の無線通信部21、送信部211、受信部212、およびアンテナ213の構成と同様であってもよい。無線通信部41は、基地局20の無線通信部21と同様に、ビームフォーミング機能を有してもよい。
【0094】
記憶部42は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、またはハードディスク等の読み書き可能な記憶装置である。記憶部42は、端末装置40の記憶手段として機能する。
【0095】
第1のエンコーダ43は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施する機能を有する。AI/MLモデルは、機械学習または深層学習によって得られるニューラルネットワークモデルである。ニューラルネットワークモデルは、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、またはLSTM(Long Short-Term Memory)等であってもよい。AL/MLモデルは、これらのモデルのいずれかであってもよいし、これらのモデルを直列または並列に組み合わせたものであってもよい。
【0096】
第1のエンコーダ43は、所与の第1のデータを入力として、これに対してAI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施することにより、第2のデータを生成して出力する。第1のエンコーダ43は、CPUまたはMPU等のプロセッサによって実現されてもよい。第1のエンコーダ43は、ASICまたはFPGA等の集積回路によって実現されてもよい。第1のエンコーダ43のさらに詳細な構成については、
図6を参照して後述する。
【0097】
第2のエンコーダ44は、AI/MLモデルを用いない従来技術に係る第2の信号処理を実施する機能を有する。第2のエンコーダ44は、所与の第1のデータを入力として、これに対してAI/MLモデルを用いない第2の信号処理を実施することにより、第3のデータを生成して出力する。第2のエンコーダ44は、CPUまたはMPU等のプロセッサによって実現されてもよい。第2のエンコーダ44は、ASICまたはFPGA等の集積回路によって実現されてもよい。第2のエンコーダ44のさらに詳細な構成については、
図6を参照して後述する。
【0098】
制御部45は、端末装置40の各部を制御するコントローラである。制御部45は、CPUまたはMPU等のプロセッサによって実現されてもよい。詳細には、制御部45は、端末装置40の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することによって実現されてもよい。制御部45は、ASICまたはFPGA等の集積回路によって実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、およびFPGAは、いずれもコントローラとみなすことができる。制御部45は、CPUに加えて、あるいはCPUに代えて、GPUによって実現されてもよい。
【0099】
(送信側の端末装置と受信側の基地局の構成)
以降の説明では、本開示に係る技術を、送信側の端末装置40から受信側の基地局20に向けて、任意のビット系列またはシンボル系列(これ以降、「データ」と称する)を送信する例に基づいて説明する。しかしながら、送信側と受信側の関係は入れ替わってもよい。すなわち、本開示に係る技術は、送信側の基地局20から受信側の端末装置40に向けてデータを送信する場合にも、同様に適用することができる。この時、以降の説明におけるアップリンク(UL:Uplink)は、ダウンリンク(DL:Downlink)と読み替えることができる。また、本開示に係る技術は、送信側の端末装置40または基地局20から受信側の中継局30に向けて、データを送信する場合にも、同様に適用することができる。また、本開示に係る技術は、送信側の中継局30から受信側の端末装置40または基地局20に向けて、データを送信する場合にも、同様に適用することができる。
【0100】
また、本開示において、エンコードおよびデコードという用語は、対になる任意の信号処理を含む概念であり、データの圧縮および伸張に係る信号処理だけでなく、その他の信号処理であってもよい。本開示において、エンコードおよびデコードという用語は、エンコードおよびデコード以外の別の用語によって参照されてもよい。以降の説明では、エンコード、エンコーダ、デコード、デコーダという用語を用いて説明するが、本開示に係る技術は、それ以外の用語を用いて説明されてよい。
【0101】
図6に示されるように、本実施の形態1に係る無線通信システム1は、送信側の端末装置40と、受信側の基地局20とを含んでいる。
【0102】
送信側の端末装置40は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施する機能を有する第1のエンコーダ43と、AI/MLモデルを用いない従来技術に係る第2の信号処理を実施する機能を有する第2のエンコーダ44とを備えている。
【0103】
第1のエンコーダ43は、所与の第1のデータを入力として、これをAI/MLモデルを用いる第1の信号処理によってエンコードすることにより、第2のデータを生成する。この際、第1のエンコーダ43は、後述する第1の制御情報テーブルを参照しながらエンコードを行う。第1のエンコーダ43によって生成された第2のデータは、送信部411からアップリンクを経由して基地局20に送信される。
【0104】
第2のエンコーダ44は、所与の第1のデータを入力として、これをAI/MLモデルを用いない第2の信号処理によってエンコードすることにより、第3のデータを生成する。この際、第2のエンコーダ44は、後述する第2の制御情報テーブルを参照しながらエンコードを行う。第2のエンコーダ44によって生成された第3のデータは、送信部411からアップリンクを経由して基地局20に送信される。
【0105】
なお、第1の信号処理と第2の信号処理とは排他的に実施される。すなわち、両方の信号処理がともに実施されることはなく、第1の信号処理が実施される場合には第2の信号処理は実施されず、第2の信号処理が実施される場合には第1の信号処理は実施されない。
【0106】
図7は、第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルの一例を示す図である。第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルは、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含むテーブルである。第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルは、予め生成されるか、または動的に生成され、端末装置40の記憶部41および基地局20の記憶部21に同一内容のものが記憶される。
【0107】
第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報のうちのいずれ(複数可)を参照するかは、端末装置40の側で決定して対応するインデクスを基地局20に送信してもよいし、基地局20の側で決定して対応するインデクスを端末装置40に送信してもよい。いずれにしても、端末装置40と基地局20との間では、第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルに含まれる制御情報を直接送受信するのではなく、対応するインデクスのみを送受信することにより、通信量が削減される。端末装置40の第1のエンコーダ43および基地局20の第1のデコーダ23は、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報をインデクスによって特定する。同様に、端末装置40の第2のエンコーダ44および基地局20の第2のエンコーダ44は、第2の制御情報テーブルに含まれる制御情報をインデクスによって特定する。
【0108】
図6に戻って、移動端末40の制御部45は、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定し、選択結果または決定結果に基づいて、第1のエンコーダ43または第2のエンコーダ44のいずれを使用するかを決定する。なお、「選択」という場合には、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかについて、端末装置40の側に選択の余地があることを意味している。一方、「決定」という場合には、基地局20からの通知に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかが決まり、端末装置40の側に選択の余地がないことを意味している。制御部45は、第1の信号処理を選択または第1の信号処理に決定した場合には、第1のエンコーダ43によって第1のデータから第2のデータを生成し、第2の信号処理を選択または第2の信号処理に決定した場合には、第2のエンコーダ44によって第1のデータから第3のデータを生成する。
【0109】
また、制御部45は、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定する。最も単純な例では、制御部45は、第1の信号処理を選択または第1の信号処理に決定した場合には、第1の制御情報テーブルを参照するように決定し、第2の信号処理を選択または第2の信号処理に決定した場合には、第2の制御情報テーブルを参照するように決定する。
【0110】
受信側の基地局20は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施する機能を有する第1のデコーダ23と、AI/MLモデルを用いない従来技術に係る第2の信号処理を実施する機能を有する第2のデコーダ24とを備えている。
【0111】
第1のデコーダ23は、端末装置40からアップリンク経由で送信され、受信部212によって受信された第2のデータを入力として、これをAI/MLモデルを用いる第1の信号処理によってデコードすることにより、第1のデータを復元する。この際、第1のデコーダ23は、上述した第1の制御情報テーブルを参照しながらデコードを行う。
【0112】
第2のデコーダ24は、端末装置40からアップリンク経由で送信され、受信部212によって受信された第3のデータを入力として、これをAI/MLモデルを用いない第2の信号処理によってデコードすることにより、第1のデータを復元する。この際、第2のデコーダ24は、上述した第2の制御情報テーブルを参照しながらデコードを行う。
【0113】
なお、第1の信号処理と第2の信号処理とは排他的に実施される。すなわち、両方の信号処理がともに実施されることはなく、第1の信号処理が実施される場合には第2の信号処理は実施されず、第2の信号処理が実施される場合には第1の信号処理は実施されない。
【0114】
基地局20の制御部25は、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定し、選択結果または決定結果に基づいて、第1のデコーダ23または第2のデコーダ24のいずれを使用するかを決定する。なお、「選択」という場合には、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかについて、基地局20の側に選択の余地があることを意味している。一方、「決定」という場合には、端末装置40からの通知に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかが決まり、基地局20の側に選択の余地がないことを意味している。
【0115】
制御部25は、端末装置40から第2のデータが受信された場合には、第1の信号処理を選択または第1の信号処理に決定し、端末装置40から第3のデータが受信された場合には、第2の信号処理を選択または第2の信号処理に決定する。制御部25は、第1の信号処理を選択または第1の信号処理に決定した場合には、第1のデコーダ23によって第2のデータから第1のデータを復元し、第2の信号処理を選択または第2の信号処理に決定した場合には、第2のデコーダ24によって第3のデータから第1のデータを復元する。
【0116】
また、制御部25は、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定する。最も単純な例では、制御部25は、第1の信号処理を選択または第1の信号処理に決定した場合には、第1の制御情報テーブルを参照するように決定し、第2の信号処理を選択または第2の信号処理に決定した場合には、第2の制御情報テーブルを参照するように決定する。
【0117】
(AI/MLモデルを用いる第1の信号処理の具体例)
本実施の形態1において、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理の具体例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。ただし、本開示に係る技術の適用可能な範囲は、以下の具体例に限定されるものではない。本開示に係る技術は、AI/MLを用いる任意の信号処理に対して適用することができる。
【0118】
AI/MLモデルを用いる第1の信号処理は、ビット系列の信号処理、および/または、シンボル系列の信号処理であってもよい。この際、AI/MLモデルは、ビット系列の信号処理、および/または、シンボル系列の信号処理の一部または全部の機能を担う信号処理モデルであってもよい。この場合、第2の信号処理は、従来技術に係るビット系列の信号処理、および/または、従来技術に係るシンボル系列の信号処理であってもよい。
【0119】
ビット系列の信号処理には、例えば、CRC(Cyclic Redundancy Check)付与、誤り訂正、レートマッチング、スクランブル、およびインターリーブ等のうちの少なくとも1つの処理が含まれていてもよい。
【0120】
シンボル系列の信号処理には、例えば、QPSK/QAM変調、マルチアンテナ処理、プリコーディング処理、リソースマッピング処理、DFT/IDFT処理を含むトランスフォームプリコーディング処理、およびOFDM信号処理等のうちの少なくとも1つの処理が含まれていてもよい。
【0121】
AL/MLモデルは、ビット系列の信号処理およびシンボル系列の信号処理の両方の機能を含む、信号処理モデルであってもよい。
【0122】
AI/MLモデルは、従来技術に係る信号処理に対して、新たに機能を追加する信号処理モデルであってもよい。例えば、AI/MLモデルは、従来技術に係る信号処理に対して、AI/MLモデルによるデータ圧縮またはデータ復号の機能を追加する信号処理モデルであってもよい。例えば、AI/MLモデルは、従来技術に係る信号処理に対して、チャネル状態等に基づいて推論される動作パラメータを入力する信号処理モデルであってもよい。
【0123】
(実施可否情報に基づく信号処理の選択または決定)
本実施の形態1において、送信側の端末装置40は、基地局20に向けて、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理の実施可否(Capability)情報を通知し、受信側の基地局20は、端末装置40から送信された実施可否情報に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかに関する選択結果または決定結果は、基地局20から端末装置40に通知されてもよい。例えば、以下のような選択方法または決定方法が考えられる。ただし、本開示に係る技術は、以下の具体例に限定されるものではない。
【0124】
基地局20は、端末装置40がAI/MLモデルを用いる第1の信号処理が実施可能である場合には、第1の信号処理を選択または第1の信号処理に決定し、第1の信号処理が実施可能でない場合には、AI/MLモデルを用いない従来技術に係る第2の信号処理を選択または第2の信号処理に決定してもよい。
【0125】
基地局20は、端末装置40がAI/MLモデルを用いる第1の信号処理が実施可能である場合には、以降に述べる他の選択方法または決定方法に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれかを選択または決定し、第1の信号処理が実施可能でない場合には、AI/MLモデルを用いない従来技術に係る第2の信号処理を選択または決定してもよい。
【0126】
(明示的な通知に基づく信号処理の選択または決定)
本実施の形態1において、受信側の基地局20は、端末装置40に向けて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを準静的または動的な制御情報(上記の第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルに含まれる制御情報とは異なる)によって明示的に通知してもよい。送信側の端末装置40は、基地局20から送信された明示的な通知に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、以下のような通知の方法が考えられる。ただし、本開示に係る技術は、以下の具体例に限定されるものではない。
【0127】
基地局20は端末装置40に対して、システム情報(System Information)によって、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを通知してもよい。端末装置40は、基地局20から送信されたシステム情報に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。
【0128】
基地局20は端末装置40に対して、RRCシグナリングによって、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを通知してもよい。端末装置40は、基地局20から送信されたRRCシグナリングに基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。
【0129】
基地局20は端末装置40に対して、MAC CEによって、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを通知してもよい。端末装置40は、基地局20から送信されたMAC CEに基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。
【0130】
基地局20は端末装置40に対して、DCIによって、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを通知してもよい。端末装置40は、基地局20から送信されたDCIに基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。
【0131】
(予めまたは動的に決定される判定条件に基づく信号処理の選択または決定)
本実施の形態1において、送信側の端末装置40は、予めまたは動的に決定される判定条件(換言すれば、暗黙的な通知)に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、以下のような判定条件に基づく選択方法または決定方法が考えられる。ただし、本開示に係る技術は、以下の具体例に限定されるものではない。
【0132】
端末装置40は、DCIコンテンツまたはUCIコンテンツに応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、DMRS、CSI-RS、SRS、およびPT-RS等を含む参照信号コンフィグレーション情報、ランダムアクセス・コンフィグレーション情報、MCS(Modulation and Coding Scheme)情報、プリコーディングマトリックス情報、PUCCHコンフィグレーション情報、レイヤーマッピング情報、CQI(Channel Quality Information)情報、PMI(Precoding Matrix Indicator)情報、LI(Layer Indicator)情報、および/または、RI(Rank Indicator)情報等について、それぞれ第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するか選択または決定してもよい。
【0133】
例えば、PMIを送信する場合には第1の信号処理を実施し、RIを送信する場合には第2の信号処理を実施するというように、送信する情報に応じて実施する信号処理を選択または決定することができる。ただし、上記はあくまで一例であり、組み合わせは予め決定されていてもよいし、動的にシグナリング等によって決定されてもよい。すなわち、DCIコンテンツまたはUCIコンテンツに応じて、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施するか、あるいは従来技術に係る第2の信号処理を実施するかを選択または決定することができる。
【0134】
端末装置40は、UCIフォーマットまたはDCIフォーマットに応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、DCIフォーマット0_0の場合には、第1の信号処理を実施し、DCIフォーマット0_1の場合には、第2の信号処理を実施してもよい。また、例えば、UCIフォーマット0の場合には、第1の信号処理を実施し、UCIフォーマット1の場合には、第2の信号処理を実施してもよい。また、例えば、情報量の多いDCIフォーマットまたはUCIフォーマットの場合には、第1の信号処理を実施し、情報量の少ないDCIフォーマットまたはUCIフォーマットの場合には、第2の信号処理を実施してもよい。
【0135】
端末装置40は、データチャネルまたはコントロールチャネルに応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。データチャネルまたはコントロールチャネルには、例えば、論理チャネル(Logical Channel)、輸送チャネル(Transport Channel)、および/または、物理チャネル(Physical Channel)等が含まれる。論理チャネルには、BCCH、PCCH、CCCH、DCCH、およびDTCH等が含まれる。輸送チャネルには、BCH、DL-SCH、UL-SCH、およびPCH等が含まれる。物理チャネルには、PBCH、PDCCH、PUCCH、PSCCH、PDSCH、PUSCH、PSSCH、およびPRACH等が含まれる。例えば、PUCCHの場合には第1の信号処理を実施し、PUSCHの場合には第2の信号処理を実施してもよい。また、例えば、PUCCH等の特定のチャネルの場合にのみ第1の信号処理を実施し、それ以外のチャネルの場合には第2の信号処理を実施してもよい。
【0136】
端末装置40は、接続状態に応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、登録処理時、PDUセッション確立処理時、および初期接続時等の接続確立時には、第2の信号処理を実施し、接続確立後には、第1の信号処理を実施してもよい。また、例えば、RRC Statusに応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、RRC IdleまたはRRC Inactiveの場合には、第2の信号処理を実施し、RRC Connectedの場合には、第1の信号処理を実施してもよい。また、例えば、端末装置40と基地局20との間の接続確立後にのみ第1の信号処理を実施し、接続が確立されるまでの間は第2の信号処理を実施してもよい。これにより、接続が確立されるまでの間は、AI/MLモデルを用いない従来技術に係る信号処理が実施されることになり、接続が確立されるまでの間の安定性が向上する。
【0137】
端末装置40は、ネットワークスライスに応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、ネットワークスライスAの場合には、第1の信号処理を実施し、ネットワークスライスBの場合には、第2の信号処理を実施してもよい。これにより、例えば、比較的大容量の通信が求められるネットワークスライスの場合には、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施して周波数利用効率を向上させ、それ以外のネットワークスライスの場合には、従来技術に係る第2の信号処理を実施することができる。また、例えば、ネットワークスライスに割り当てられるS-NSSAI(Single-Network Slice Selection Assistance Information)と呼ばれる識別子に応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。
【0138】
端末装置40は、QoSに応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、5QI(5G QoS Identifier)等のQoS情報に応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。これにより、例えば、比較的大容量の通信が求められるQoSパケットの場合には、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施して周波数利用効率を向上させ、それ以外のQoSパケットの場合には、従来技術に係る第2の信号処理を実施することができる。
【0139】
端末装置40は、AI/ML処理の実施可否(Capability)に応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、端末装置40および基地局20がAI/ML処理を実施可能である場合には、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施し、AI/ML処理を実施可能でない場合には、従来技術に係る第2の信号処理を実施してもよい。
【0140】
端末装置40は、ハンドオーバ手続きに応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、ハンドオーバ手続き中の場合には、第2の信号処理を実施し、ハンドオーバ手続き中以外の場合には、第1の信号処理を実施してもよい。
【0141】
端末装置40は、AI/MLモデルの学習状況に応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、学習実施前の場合には、従来技術に係る第2の信号処理を実施し、学習完了後の場合には、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施してもよい。
【0142】
端末装置40は、サブキャリアスペーシングに応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、サブキャリアスペーシングが15kHzの場合には、第1の信号処理を実施し、サブキャリアスペーシングが15kHz以外の場合には、第2の信号処理を実施してもよい。
【0143】
端末装置40は、衝突ベース送信または被衝突ベース送信に応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、衝突ベースの送信の場合には、第2の信号処理を実施し、非衝突ベースの送信の場合には、第1の信号処理を実施してもよい。
【0144】
端末装置40は、直交マルチアクセス信号処理または非直交マルチアクセス信号処理に応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、非直交マルチアクセス信号処理の場合には、第2の信号処理を実施し、直交マルチアクセス信号処理の場合には、第1の信号処理を実施してもよい。ここで、非直交マルチアクセス信号処理は、MIMO送信による複数レイヤ送信を含んでもよいし、マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)を含んでもよい。
【0145】
端末装置40は、DCIのRNTIスクランブリング種別に応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、DCIがAI/MLモデルを用いる信号処理用のRNTIでスクランブルされている場合には、第1の信号処理を実施し、DCIがAI/MLモデルを用いない信号処理用のRNTIでスクランブルされている場合には、第2の信号処理を実施してもよい。
【0146】
端末装置40は、周波数リソースまたは時間リソースに応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、所定のBWPによる送信の場合には、第1の信号処理を実施し、それ以外のBWPによる送信の場合には、第2の信号処理を実施してもよい。また、例えば、所定のリソースプールによる送信の場合には、第1の信号処理を実施し、それ以外のリソースプールによる送信の場合には、第2の信号処理を実施してもよい。また、例えば、準静的に設定された周波数リソースまたは時間リソースによる送信の場合には、第2の信号処理を実施し、動的に設定された周波数リソースまたは時間リソースによる送信の場合には、第1の信号処理を実施してもよい。
【0147】
端末装置40は、周波数バンドに応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、周波数バンドFR1の場合には、第2の信号処理を実施し、周波数バンドFR2の場合には、第1の信号処理を実施してもよい。また、例えば、所定の帯域以下の周波数バンドの場合には、第2の信号処理を実施し、それ以外の帯域の周波数バンドの場合には、第1の信号処理を実施してもよい。
【0148】
端末装置40は、1スロットに含まれるシンボル数に応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、1スロットに含まれるシンボル数がNシンボルより多い場合には、第1の信号処理を実施し、1スロットに含まれるシンボル数がNシンボルより少ない場合には、第2の信号処理を実施してもよい。
【0149】
端末装置40は、動的に設定された(Dynamic Grant)送信リソースまたは準静的に設定された(Configured Grant)送信リソースに応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、準静的に設定された送信リソースによる送信の場合には、第2の信号処理を実施し、動的に設定された送信リソースによる送信の場合には、第1の信号処理を実施してもよい。
【0150】
端末装置40は、2ステップRACHまたは4ステップRACHに応じて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。例えば、2ステップRACHの場合には、第2の信号処理を実施し、4ステップRACHの場合には、第1の信号処理を実施してもよい。
【0151】
端末装置40は、上記の予めまたは動的に決定される判定条件を複数組み合わせて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。また、端末装置40は、上記の予めまたは動的に決定される判定条件と、先述した明示的な通知に基づく信号処理の選択方法または決定方法とを組み合わせて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよい。
【0152】
(制御情報テーブルの内容の具体例)
本実施の形態1において、第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルは、例えば、DMRS、CSI-RS、SRS、およびPT-RS等の参照信号コンフィグレーション情報、ランダムアクセス・コンフィグレーション情報、MCS(Modulation and Coding Scheme)情報、プリコーディングマトリックス情報、PUCCHコンフィグレーション情報、レイヤーマッピング情報、CQI(Channel Quality Information)情報、PMI(Precoding Matrix Indicator)情報、LI(Layer Indicator)情報、および/または、RI(Rank Indicator)情報等を含む、テーブルであってもよい。ただし、本開示に係る技術の適用可能な範囲は、このような具体例に限定されるものではない。本開示に係る技術は、規格等の事前情報または制御情報として提供される任意の情報に対して適用することができる。
【0153】
また、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理の際に、第1のエンコーダ43によって参照される第1の制御情報テーブルの一部または全部を、AI/MLモデルの学習時に動的に生成してもよい。例えば、第1の制御情報テーブルの一部または全部を、AI/MLモデルの学習時に生成されるパラメータとして、Reserved等の予約値またはFlexible等の動的設定値にしておき、AI/MLモデルの学習時に動的にパラメータを生成してもよい。また、第1の制御情報テーブルのサイズ、すなわちインデクスの総数は、予め決定されていてもよいし、動的に決定されてもよい。
【0154】
(実施可否情報に基づく制御情報テーブルの決定)
本実施の形態1において、受信側の基地局20は、端末装置40に向けて、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理の実施可否(Capability)情報を通知し、送信側の端末装置40は、基地局20から受信された実施可否情報に基づいて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、以下のような決定方法が考えられる。ただし、本開示に係る技術は、以下の具体例に限定されるものではない。
【0155】
端末装置40は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理が実施可能である場合には、第1の制御情報テーブルを参照するように決定し、第1の信号処理が実施可能でない場合には、第2の制御情報テーブルを参照するように決定してもよい。
【0156】
端末装置40は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理が実施可能である場合には、以降に述べる他の決定方法に基づいて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれかを参照するかを決定し、第1の信号処理が実施可能でない場合には、第2の制御情報テーブルを参照するように決定してもよい。
【0157】
なお、上記2つの具体例において、第1の信号処理が実施可能でない場合には、端末装置40は、第1の制御情報テーブルをコンフィグレーションしなくてもよい。また、端末装置40は、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定することなく、常に第2の制御情報テーブルを参照するようにしてもよい。
【0158】
(明示的な通知に基づく制御信号テーブルの決定)
本実施の形態1において、受信側の基地局20は、端末装置40に向けて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを準静的または動的な制御情報(第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルに含まれる制御情報とは異なる)によって明示的に通知してもよい。送信側の端末装置40は、基地局20から送信された明示的な通知に基づいて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、以下のような通知の方法が考えられる。ただし、本開示に係る技術は、以下の具体例に限定されるものではない。
【0159】
基地局20は端末装置40に対して、システム情報(System Information)によって、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを通知してもよい。端末装置40は、基地局20から送信されたシステム情報に基づいて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。
【0160】
基地局20は端末装置40に対して、RRCシグナリングによって、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを通知してもよい。端末装置40は、基地局20から送信されたRRCシグナリングに基づいて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。
【0161】
基地局20は端末装置40に対して、MAC CEによって、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを通知してもよい。端末装置40は、基地局20から送信されたMAC CEに基づいて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。
【0162】
基地局20は端末装置40に対して、DCIによって、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを通知してもよい。端末装置40は、基地局20から送信されたDCIに基づいて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。
【0163】
(予めまたは動的に決定される判定条件に基づく制御情報テーブルの決定)
本実施の形態1において、送信側の端末装置40は、予めまたは動的に決定される判定条件(換言すれば、暗黙的な通知)に基づいて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、以下のような判定条件に基づく決定方法が考えられる。ただし、本開示に係る技術は、以下の具体例に限定されるものではない。
【0164】
端末装置40は、DCIコンテンツまたはUCIコンテンツ(制御情報の種類)応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、DMRS、CSI-RS、SRS、およびPT-RS等を含む参照信号コンフィグレーション情報、ランダムアクセス・コンフィグレーション情報、MCS(Modulation and Coding Scheme)情報、プリコーディングマトリックス情報、PUCCHコンフィグレーション情報、レイヤーマッピング情報、CQI(Channel Quality Information)情報、PMI(Precoding Matrix Indicator)情報、LI(Layer Indicator)情報、および/または、RI(Rank Indicator)情報等について、それぞれ第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するか決定してもよい。
【0165】
例えば、PMIを送信する場合には第1の制御情報テーブルを参照し、RIを送信する場合には第2の制御情報テーブルを参照するというように、送信する情報に応じて参照する制御情報テーブルを決定することができる。ただし、上記はあくまで一例であり、組み合わせは予め決定されていてもよいし、動的にシグナリング等によって決定されてもよい。すなわち、DCIコンテンツまたはUCIコンテンツに応じて、第1の制御情報テーブルを参照するか、あるいは第2の制御情報テーブルを参照するかを決定することができる。
【0166】
端末装置40は、UCIフォーマットまたはDCIフォーマットに応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、DCIフォーマット0_0の場合には、第1の制御情報テーブルを参照し、DCIフォーマット0_1の場合には、第2の制御情報テーブルを参照してもよい。また、例えば、UCIフォーマット0の場合には、第1の制御情報テーブルを参照し、UCIフォーマット1の場合には、第2の制御情報テーブルを参照してもよい。また、例えば、情報量の多いDCIフォーマットまたはUCIフォーマットの場合には、第1の制御情報テーブルを参照し、情報量の少ないDCIフォーマットまたはUCIフォーマットの場合には、第2の制御情報テーブルを参照してもよい。
【0167】
端末装置40は、データチャネルまたはコントロールチャネルに応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。データチャネルまたはコントロールチャネルには、例えば、論理チャネル(Logical Channel)、輸送チャネル(Transport Channel)、および/または、物理チャネル(Physical Channel)等が含まれる。論理チャネルには、BCCH、PCCH、CCCH、DCCH、およびDTCH等が含まれる。輸送チャネルには、BCH、DL-SCH、UL-SCH、およびPCH等が含まれる。物理チャネルには、PBCH、PDCCH、PUCCH、PSCCH、PDSCH、PUSCH、PSSCH、およびPRACH等が含まれる。例えば、PUCCHの場合には第1の制御情報テーブルを参照し、PUSCHの場合には第2の制御情報テーブルを参照してもよい。また、例えば、PUCCH等の特定のチャネルの場合にのみ第1の制御情報テーブルを参照し、それ以外のチャネルの場合には第2の制御情報テーブルを参照してもよい。
【0168】
端末装置40は、接続状態に応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、登録処理時、PDUセッション確立処理時、および初期接続時等の接続確立時には、第2の制御情報テーブルを参照し、接続確立後には、第1の制御情報テーブルを参照してもよい。また、例えば、RRC Statusに応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、RRC IdleまたはRRC Inactiveの場合には、第2の制御情報テーブルを参照し、RRC Connectedの場合には、第1の制御情報テーブルを参照してもよい。また、例えば、端末装置40と基地局20との間の接続確立後にのみ第1の制御情報テーブルを参照し、接続が確立されるまでの間は第2の制御情報テーブルを参照してもよい。これにより、接続が確立されるまでの間は、AI/MLモデルを用いない従来技術に係る制御情報テーブルが参照されることになり、接続が確立されるまでの間の安定性が向上する。
【0169】
端末装置40は、ネットワークスライスに応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、ネットワークスライスAの場合には、第1の制御情報テーブルを参照し、ネットワークスライスBの場合には、第2の制御情報テーブルを参照してもよい。これにより、例えば、比較的大容量の通信が求められるネットワークスライスの場合には、AI/MLモデルで用いられる第1の制御情報テーブルを参照して周波数利用効率を向上させ、それ以外のネットワークスライスの場合には、従来技術に係る第2の制御情報テーブルを参照することができる。また、例えば、ネットワークスライスに割り当てられるS-NSSAI(Single-Network Slice Selection Assistance Information)と呼ばれる識別子に応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。
【0170】
端末装置40は、QoSに応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、5QI(5G QoS Identifier)等のQoS情報に応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。これにより、例えば、比較的大容量の通信が求められるQoSパケットの場合には、AI/MLモデルで用いられる第1の制御情報テーブルを参照して周波数利用効率を向上させ、それ以外のQoSパケットの場合には、従来技術に係る第2の制御情報テーブルを参照することができる。
【0171】
端末装置40は、AI/ML処理の実施可否(Capability)に応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、端末装置40および基地局20がAI/ML処理を実施可能である場合には、AI/MLモデルで用いられる第1の制御情報テーブルを参照し、AI/ML処理を実施可能でない場合には、従来技術に係る第2の制御情報テーブルを参照してもよい。
【0172】
端末装置40は、ハンドオーバ手続きに応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、ハンドオーバ手続き中の場合には、第2の制御情報テーブルを参照し、ハンドオーバ手続き中以外の場合には、第1の制御情報テーブルを参照してもよい。
【0173】
端末装置40は、AI/MLモデルの学習状況に応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、学習実施前の場合には、従来技術に係る第2の制御情報テーブルを参照し、学習完了後の場合には、AI/MLモデルで用いられる第1の制御情報テーブルを参照してもよい。
【0174】
端末装置40は、サブキャリアスペーシングに応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、サブキャリアスペーシングが15kHzの場合には、第1の制御情報テーブルを参照し、サブキャリアスペーシングが15kHz以外の場合には、第2の制御情報テーブルを参照してもよい。
【0175】
端末装置40は、衝突ベース送信または被衝突ベース送信に応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、衝突ベースの送信の場合には、第2の制御情報テーブルを参照し、非衝突ベースの送信の場合には、第1の制御情報テーブルを参照してもよい。
【0176】
端末装置40は、直交マルチアクセス信号処理または非直交マルチアクセス信号処理に応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、非直交マルチアクセス信号処理の場合には、第2の制御情報テーブルを参照し、直交マルチアクセス信号処理の場合には、第1の制御情報テーブルを参照してもよい。ここで、非直交マルチアクセス信号処理は、MIMO送信による複数レイヤ送信を含んでもよいし、マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)を含んでもよい。
【0177】
端末装置40は、DCIのRNTIスクランブリング種別に応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、DCIがAI/MLモデルを用いる信号処理用のRNTIでスクランブルされている場合には、第1の制御情報テーブルを参照し、DCIがAI/MLモデルを用いない信号処理用のRNTIでスクランブルされている場合には、第2の制御情報テーブルを参照してもよい。
【0178】
端末装置40は、周波数リソースまたは時間リソースに応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、所定のBWPによる送信の場合には、第1の制御情報テーブルを参照し、それ以外のBWPによる送信の場合には、第2の制御情報テーブルを参照してもよい。また、例えば、所定のリソースプールによる送信の場合には、第1の制御情報テーブルを参照し、それ以外のリソースプールによる送信の場合には、第2の制御情報テーブルを参照してもよい。また、例えば、準静的に設定された周波数リソースまたは時間リソースによる送信の場合には、第2の制御情報テーブルを参照し、動的に設定された周波数リソースまたは時間リソースによる送信の場合には、第1の制御情報テーブルを参照してもよい。
【0179】
端末装置40は、周波数バンドに応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、周波数バンドFR1の場合には、第2の制御情報テーブルを参照し、周波数バンドFR2の場合には、第1の制御情報テーブルを参照してもよい。また、例えば、所定の帯域以下の周波数バンドの場合には、第2の制御情報テーブルを参照し、それ以外の帯域の周波数バンドの場合には、第1の制御情報テーブルを参照してもよい。
【0180】
端末装置40は、1スロットに含まれるシンボル数に応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、1スロットに含まれるシンボル数がNシンボルより多い場合には、第1の制御情報テーブルを参照し、1スロットに含まれるシンボル数がNシンボルより少ない場合には、第2の制御情報テーブルを参照してもよい。
【0181】
端末装置40は、動的に設定された(Dynamic Grant)送信リソースまたは準静的に設定された(Configured Grant)送信リソースに応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、準静的に設定された送信リソースによる送信の場合には、第2の制御情報テーブルを参照し、動的に設定された送信リソースによる送信の場合には、第1の制御情報テーブルを参照してもよい。
【0182】
端末装置40は、2ステップRACHまたは4ステップRACHに応じて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、2ステップRACHの場合には、第2の制御情報テーブルを参照し、4ステップRACHの場合には、第1の制御情報テーブルを参照してもよい。
【0183】
端末装置40は、上記の予めまたは動的に決定される判定条件を複数組み合わせて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。また、端末装置40は、上記の予めまたは動的に決定される判定条件と、先述した明示的な通知に基づく信号処理の選択方法または決定方法とを組み合わせて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定してもよい。
【0184】
(第1の制御情報テーブルの構成)
本実施の形態1において、第1の制御情報テーブルは、第2の制御情報テーブルとは別の制御情報テーブルとして構成されてもよい。この場合、端末装置40および基地局20は、第1の制御情報テーブルと第2の制御情報テーブルとを、別のテーブルとして保持してもよい。
【0185】
第1の制御情報テーブルは、第2の制御情報テーブルに制御情報を追加した構成であってもよい。この場合、第1の制御情報テーブルは、単一のテーブルとして構成されてもよいし、追加の制御情報を含むテーブルと、第2の制御情報テーブルへの参照とによって構成されてもよい。
【0186】
第1の制御情報テーブルは、第2の制御情報テーブルと同一の内容を含むように構成されてもよい。
【0187】
第1の制御情報テーブルは、複数の制御情報テーブルを含むように構成されてもよい。
【0188】
(第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブル)
本実施の形態1において、第1の制御情報テーブルは、複数の制御情報テーブルを含むように構成され、端末装置40は、これら複数の制御情報テーブルを切り替えて参照してもよい。この場合、複数の制御情報テーブルのうちの1つは、デフォルトの制御情報テーブルであってもよい。例えば、端末装置40は、基地局20から明示的な通知がない場合には、デフォルトの制御情報テーブルを参照してもよい。また、例えば、アップリンク同期のフェール時または無線リンクのフェール時等の通信エラーの発生時、あるいはハンドオーバ時または初期接続時等にも、デフォルトの制御情報テーブルに切り替えてもよい。また、例えば、デフォルトの制御情報テーブルを初期状態で参照される制御情報テーブルとしてもよい。
【0189】
(明示的な通知に基づく複数の制御情報テーブルの切り替え)
本実施の形態1において、受信側の基地局20は、端末装置40に向けて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを準静的または動的な制御情報(第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルに含まれる制御情報とは異なる)によって明示的に通知してもよい。送信側の端末装置40は、基地局20から送信された明示的な通知に基づいて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、以下のような通知の方法が考えられる。ただし、本開示に係る技術は、以下の具体例に限定されるものではない。
【0190】
基地局20は端末装置40に対して、システム情報(System Information)によって、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを通知してもよい。端末装置40は、基地局20から送信されたシステム情報に基づいて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。
【0191】
基地局20は端末装置40に対して、RRCシグナリングによって、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを通知してもよい。端末装置40は、基地局20から送信されたRRCシグナリングに基づいて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。
【0192】
基地局20は端末装置40に対して、MAC CEによって、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを通知してもよい。端末装置40は、基地局20から送信されたMAC CEに基づいて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。
【0193】
基地局20は端末装置40に対して、DCIによって、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを通知してもよい。端末装置40は、基地局20から送信されたDCIに基づいて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。
【0194】
(予めまたは動的に決定される判定条件に基づく複数の制御情報テーブルの切り替え)
本実施の形態1において、送信側の端末装置40は、予めまたは動的に決定される判定条件(換言すれば、暗黙的な通知)に基づいて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、以下のような判定条件に基づく決定方法が考えられる。ただし、本開示に係る技術は、以下の具体例に限定されるものではない。
【0195】
端末装置40は、UCIフォーマットまたはDCIフォーマットに応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、DCIフォーマット0_0の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、DCIフォーマット0_1の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。また、例えば、UCIフォーマット0の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、UCIフォーマット1の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。
【0196】
端末装置40は、データチャネルまたはコントロールチャネルに応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。データチャネルまたはコントロールチャネルには、例えば、論理チャネル(Logical Channel)、輸送チャネル(Transport Channel)、および/または、物理チャネル(Physical Channel)等が含まれる。論理チャネルには、BCCH、PCCH、CCCH、DCCH、およびDTCH等が含まれる。輸送チャネルには、BCH、DL-SCH、UL-SCH、およびPCH等が含まれる。物理チャネルには、PBCH、PDCCH、PUCCH、PSCCH、PDSCH、PUSCH、PSSCH、およびPRACH等が含まれる。例えば、PUCCHの場合には第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、PUSCHの場合には第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。
【0197】
端末装置40は、接続状態に応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、登録処理時、PDUセッション確立処理時、および初期接続時等の接続確立時には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、接続確立後には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。また、例えば、RRC Statusに応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、RRC IdleまたはRRC Inactiveの場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、RRC Connectedの場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。
【0198】
端末装置40は、ネットワークスライスに応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、ネットワークスライスAの場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、ネットワークスライスBの場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。また、例えば、ネットワークスライスに割り当てられるS-NSSAI(Single-Network Slice Selection Assistance Information)と呼ばれる識別子に応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。
【0199】
端末装置40は、QoSに応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、5QI(5G QoS Identifier)等のQoS情報に応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、比較的大容量の通信が求められるQoSパケットの場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、それ以外のQoSパケットの場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。
【0200】
端末装置40は、ハンドオーバ手続きに応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、ハンドオーバ手続き中の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、ハンドオーバ手続き中以外の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。
【0201】
端末装置40は、AI/MLモデルの学習状況に応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、学習の進捗度合いに応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAから制御情報テーブルBに切り替えてもよい。
【0202】
端末装置40は、サブキャリアスペーシングに応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、サブキャリアスペーシングが15kHzの場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、サブキャリアスペーシングが15kHz以外の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。
【0203】
端末装置40は、衝突ベース送信または被衝突ベース送信に応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、衝突ベースの送信の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、非衝突ベースの送信の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。
【0204】
端末装置40は、直交マルチアクセス信号処理または非直交マルチアクセス信号処理に応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、非直交マルチアクセス信号処理の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、直交マルチアクセス信号処理の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。ここで、非直交マルチアクセス信号処理は、MIMO送信による複数レイヤ送信を含んでもよいし、マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)を含んでもよい。
【0205】
端末装置40は、周波数リソースまたは時間リソースに応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、所定のBWPによる送信の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照してもよい。また、例えば、所定のリソースプールによる送信の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照してもよい。また、例えば、準静的に設定された周波数リソースまたは時間リソースによる送信の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、動的に設定された周波数リソースまたは時間リソースによる送信の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。
【0206】
端末装置40は、周波数バンドに応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、周波数バンドFR1の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、周波数バンドFR2の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。また、例えば、所定の帯域以下の周波数バンドの場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、それ以外の帯域の周波数バンドの場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。
【0207】
端末装置40は、1スロットに含まれるシンボル数に応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、1スロットに含まれるシンボル数がNシンボルより多い場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、1スロットに含まれるシンボル数がNシンボルより少ない場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。
【0208】
端末装置40は、動的に設定された(Dynamic Grant)送信リソースまたは準静的に設定された(Configured Grant)送信リソースに応じて、、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、準静的に設定された送信リソースによる送信の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、動的に設定された送信リソースによる送信の場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。
【0209】
端末装置40は、2ステップRACHまたは4ステップRACHに応じて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。例えば、2ステップRACHの場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照し、4ステップRACHの場合には、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照してもよい。
【0210】
端末装置40は、上記の予めまたは動的に決定される判定条件を複数組み合わせて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。また、端末装置40は、上記の予めまたは動的に決定される判定条件と、先述した明示的な通知に基づく信号処理の選択方法または決定方法とを組み合わせて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを決定してもよい。
【0211】
基地局20は、端末装置40に向けて、第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちのいずれを参照するかを通知した後、制御情報テーブルに含まれるインデクス等を別の制御情報として動的に通知してもよい。例えば、基地局20から端末装置40に向けて、参照する制御情報テーブル(例えば、インデクス1~8および対応する制御情報1~8を含む制御情報テーブル)を通知した後、基地局20から端末装置40に送信される別の制御情報において、制御情報テーブル中のインデクスを通知する(例えば、制御情報テーブル中のインデクス4を通知し、インデクス4に対応する制御情報4を信号処理で用いる、あるいはインデクス4に対応する測定結果を通知する)。この場合、別の制御情報は、例えば、MAC CEまたはDCI等であってもよい。
【0212】
あるいは、端末装置40から基地局20に向けて、制御情報テーブルに含まれるインデクス等を別の制御情報として動的に通知してもよい。例えば、基地局20から端末装置40に向けて、参照する制御情報テーブル(例えば、インデクス1~8および対応する制御情報1~8を含む制御情報テーブル)を通知した後、端末装置40から基地局20に送信される別の制御情報において、制御情報テーブル中のインデクスを通知する(例えば、制御情報テーブル中のインデクス4を通知し、インデクス4に対応する制御情報を信号処理で用いる、あるいはインデクス4に対応する測定結果を通知する)。この場合、別の制御情報は、例えば、MAC CEまたはUCI等であってもよい。
【0213】
(制御情報テーブルの構成の実施例)
以下の説明では、第1の制御情報テーブルは、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理において参照され、第2の制御情報テーブルは、AI/MLモデルを用いない第2の信号処理において参照される。また、以下の具体例は、組み合わせてもよい。
【0214】
(第1の実施例)
図8Aの実施例では、第1の制御情報テーブルは、第2の制御情報テーブルに含まれる制御情報をすべて含み、かつ新たな制御情報が追加されている。
図8Bの実施例では、第1の制御情報テーブルは、第2の制御情報テーブルに含まれる制御情報の一部を含み、かつ新たな制御情報が追加されている。
【0215】
図8Cの実施例では、第1の制御情報テーブルは、第2の制御情報テーブルと同一の制御情報テーブルA1と、新たな制御情報テーブルA2とを組み合わせて構成されている。すなわち、
図8Cの第1の制御情報テーブルは、
図8Aの第1の制御情報テーブルと同様に、第2の制御情報テーブルに含まれる制御情報をすべて含み、かつ新たな制御情報が追加された構成であるが、第2の制御情報テーブルを参照している。
【0216】
図8Dの実施例では、第1の制御情報テーブルは、制御情報テーブルA1および制御情報テーブルA2から構成されている。すなわち、
図8Dの第1の制御情報テーブルは、
図8Bの第1の制御情報テーブルと同様に、第2の制御情報テーブルに含まれる制御情報の一部を含み、かつ新たな制御情報が追加された構成であるが、2つの制御情報テーブルから構成されている。
【0217】
(第2の実施例)
図9の実施例では、第1の制御情報テーブルは、第2の制御情報テーブルと同一の制御情報テーブルAと、第2の制御情報テーブルに含まれる制御情報をすべて含む新たな制御情報テーブルBおよびCとから構成されており、これら複数の制御情報テーブルが切り替えて参照される。
【0218】
(第3の実施例)
図10Aの実施例では、第1の制御情報テーブルは、第2の制御情報テーブルとは異なる新たな制御情報テーブルA~Cから構成されており、これら複数の制御情報テーブルが切り替えて参照される。
【0219】
図10Bの実施例では、第1の制御情報テーブルは、第2の制御情報テーブルとは異なる新たな制御情報テーブルA~Cから構成されており、最もサイズが大きい制御情報テーブルCを基準として、それよりもサイズが小さい制御情報テーブルAおよびBは、制御情報テーブルCに含まれる制御情報の一部を抽出して生成されており、これら複数の制御情報テーブルが切り替えて参照される。
【0220】
上記の第1~第3の実施例において、各インデクスに対応付けられる制御情報は、事前に静的な制御情報として予め決定されていてもよいし、端末装置40と基地局20との間でやり取りされる制御情報(制御情報テーブルに含まれる制御情報とは異なる)によって準静的に決定されてもよい。また、一部の制御情報は、Reserved等の予約値またはFlexible等の動的設定値であってもよい。この場合、Flexible等の動的設定値は、端末装置40と基地局20との間でやり取りされる制御情報(制御情報テーブルに含まれる制御情報とは異なる)によって動的に決定されてもよいし、AI/MLモデルの学習の過程で動的に決定されてもよい。
【0221】
また、上記の第1~第3の実施例において、
図11に示されるように、第1の制御情報テーブルに含まれる各制御情報は、2種類以上の制御情報を組み合わせたものであってもよい。また、
図12に示されるように、第1の制御情報テーブルは、2種類以上の制御情報を含んでいてもよい。
【0222】
(無線通信システムの処理の詳細)
以下、本実施の形態1に係る無線通信システム1における処理の詳細について、
図13のシーケンス図を参照して説明する。ただし、
図13のシーケンス図において、端末装置40の第1のエンコーダ43に含まれるAI/MLモデルと、基地局20の第1のデコーダ23に含まれるAI/MLモデルとは、事前に十分な学習が行われているものとして説明する。また、端末装置40の記憶部42および基地局20の記憶部22には、
図9に示される第1の制御情報テーブル(制御情報テーブルA、制御情報テーブルB、制御情報テーブルC)および第2の制御情報テーブルが予め記憶されているものとする。
【0223】
はじめに、基地局20の送信部211は、ダウンリンク同期およびシステム情報(System Information)等を端末装置40に送信する(T101)。システム情報には、AI/MLモデルを用いない第2の信号処理を選択する通知、および第2の制御情報テーブルを参照する通知が含まれている。
【0224】
上記のシステム情報が端末装置40の受信部412によって受信されると、端末装置40の制御部45は、AI/MLモデルを用いない第2の信号処理の実施を選択または決定する(T102a)。上述したように、第2の信号処理が実施される場合には、第2のエンコーダ44が使用される。また、端末装置40の制御部45は、第2の制御情報テーブルを参照することを決定する(T103a)。
【0225】
システム情報の送信元である基地局20の制御部25も同様に、AI/MLモデルを用いない第2の信号処理の実施を選択または決定する(T102b)。上述したように、第2の信号処理が実施される場合には、第2のデコーダ24が使用される。また、基地局20の制御部25は、第2の制御情報テーブルを参照することを決定する(T103b)。
【0226】
端末装置40と基地局20との間でランダムアクセス手続きが実行された後(T104)、端末装置40の送信部411は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理の実施可否(Capability)情報を含む、端末の実施可否情報を基地局20に通知する(T105)。これを受信した基地局20の送信部211は、第1の信号処理を選択する通知、第1の制御情報テーブルを参照する通知、および第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちの制御情報テーブルAを参照する通知を端末装置40に送信する(T106)。
【0227】
上記の通知が端末装置40の受信部412によって受信されると、端末装置40の制御部45は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理の実施を選択または決定する(T107a)。上述したように、第1の信号処理が実施される場合には、第1のエンコーダ43が使用される。また、端末装置40の制御部45は、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照することを決定する(T108a)。
【0228】
上記の通知の送信元である基地局20の制御部25も同様に、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理の実施を選択または決定する(T107b)。上述したように、第1の信号処理が実施される場合には、第1のデコーダ23が使用される。また、基地局20の制御部25は、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照することを決定する(T108b)。
【0229】
基地局20の送信部211は、ダウンリンクチャネル状態推定用の参照信号、例えばCSI-RSを端末装置40に送信する(T109)。これを受信した端末装置40の送信部411は、ダウンリンクチャネル状態情報、例えばCQI、RIまたはPMI等を端末装置40に通知する(T110)。
【0230】
基地局20の送信部211は、ダウンリンク制御情報、例えばDCI等を端末装置40に送信する(T111)。ダウンリンク制御情報には、本開示に係る技術に関する動的な通知、例えば参照する制御情報テーブルの切り替えの通知等が含まれていてもよい。基地局の送信部211は、ダウンリンクデータを例えばPDSCH等によって端末装置40に送信する(T112)。これを受信した端末装置40の送信部411は、再送制御に関する情報、例えばACKまたはNACK等を基地局20に送信する(T113)。
【0231】
基地局20の送信部211は、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照する通知を端末装置40に送信する(T114)。これを受信した端末装置40の制御部45は、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照するのを止めて、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照することを決定する(T115a)。
【0232】
上記の通知の送信元である基地局20の制御部25も同様に、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照するのを止めて、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルBを参照することを決定する(T115b)。
【0233】
基地局20の送信部211は、ダウンリンクチャネル状態推定用の参照信号、例えばCSI-RSを端末装置40に送信する(T116)。これを受信した端末装置40の送信部411は、ダウンリンクチャネル状態情報、例えばCQI、RIまたはPMI等を端末装置40に通知する(T117)。
【0234】
基地局20の送信部211は、ダウンリンク制御情報、例えばDCI等を端末装置40に送信する(T118)。ダウンリンク制御情報には、本開示に係る技術に関する動的な通知、例えば参照する制御情報テーブルの切り替えの通知等が含まれていてもよい。基地局の送信部211は、ダウンリンクデータを例えばPDSCH等によって端末装置40に送信する(T119)。これを受信した端末装置40の送信部411は、再送制御に関する情報、例えばACKまたはNACK等を基地局20に送信する(T120)。
【0235】
ステップT121において、アップリンク同期フェールが発生すると、端末装置40の制御部45は、AI/MLモデルを用いない第2の信号処理の実施を再度選択または決定する(T122a)。また、端末装置45の制御部45は、第2の制御情報テーブルを参照することを決定する(T123a)。同様に、基地局20の制御部25は、AI/MLモデルを用いない第2の信号処理の実施を再度選択または決定する(T122b)。また、基地局20の制御部25は、第2の制御情報テーブルを参照することを決定する(T123b)。
【0236】
端末装置40と基地局20との間でランダムアクセス手続きが実行された後(T124)、基地局20の送信部211は、第1の信号処理を設定する通知、第1の制御情報テーブルを参照する通知、および第1の制御情報テーブルに含まれる複数の制御情報テーブルのうちの制御情報テーブルAを参照する通知を端末装置40に送信する(T125)。
【0237】
上記の通知が端末装置40の受信部412によって受信されると、端末装置40の制御部45は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理の実施を選択または決定する(T126a)。また、端末装置40の制御部45は、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照することを決定する(T127a)。
【0238】
上記の通知の送信元である基地局20の制御部25も同様に、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理の実施を選択または決定する(T126b)。また、基地局20の制御部25は、第1の制御情報テーブルに含まれる制御情報テーブルAを参照することを決定する(T127b)。
【0239】
以上説明したように、本開示の実施の形態1に係る無線通信システム1では、送信側の端末装置40は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施する機能を有する第1のエンコーダ43と、AI/MLモデルを用いない第2の信号処理を実施する機能を有する第2のエンコーダ44とを備えている。端末装置40の制御部45は、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定し、当該選択結果または決定結果に基づいて、第1のエンコーダ43または第2のエンコーダ45のいずれを使用するかを決定する。
【0240】
同様に、受信側の基地局20は、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施する機能を有する第1のデコーダ23と、AI/MLモデルを用いない第2の信号処理を実施する機能を有する第2のデコーダ24とを備えている。基地局20の制御部25は、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定し、当該選択結果または決定結果に基づいて、第1のデコーダまたは第2のデコーダのいずれを使用するかを決定する。
【0241】
上記の特徴により、本開示の実施の形態1に係る無線通信システムでは、AI/MLモデルに用いる信号処理およびAI/MLモデルを用いない信号処理のいずれも実施可能となる。
【0242】
一例では、送信側の端末装置40は、第1の信号処理の実施可否情報を受信側の基地局20に送信する。基地局20の制御部25は、受信された実施可否情報に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する。端末装置40の制御部45は、自身が送信した実施可否情報に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定してもよいし、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかに関する選択結果または決定結果を、基地局20から端末装置40に通知され、端末装置40の制御部45は、通知された選択結果または決定結果に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを決定してもよい。このような特徴により、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理が実施可能な場合には、これを活用することができる。
【0243】
別の例では、受信側の基地局20は、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかの明示的な通知を送信側の端末装置40に送信する。端末装置40の制御部45は、受信された明示的な通知に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する。基地局20の制御部25は、自身が送信した明示的な通知に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する。このような特徴により、AI/MLモデルを用いる第1の信号処理とAI/MLモデルを用いない第2の信号処理とを、きめ細かく使い分けることができる。
【0244】
さらに別の例では、送信側の端末装置40の制御部45は、予めまたは動的に設定される判定条件(換言すれば、暗黙的な通知)に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する。受信側の基地局20の制御部25も同様に、予めまたは動的に設定される判定条件に基づいて、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する。このような特徴により、送信側と受信側との間で明示的な情報のやり取りを行わなくても、第1の信号処理または第2の信号処理のいずれを実施するかを適切に選択または決定することができる。
【0245】
また、送信側の端末装置40および受信側の基地局20は、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含む第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルを保持している。第1の制御情報テーブルは、第1の信号処理を実施する際に、第1のエンコーダ43および第1のデコーダ23によって参照される。第2の制御情報テーブルは、第2の信号処理を実施する際に、第2のエンコーダ44および第2のデコーダ24によって参照される。
【0246】
一例では、端末装置40の制御部45および基地局20の制御部25は、第1の信号処理を実施する場合には、第1の制御情報テーブルを参照するように決定し、第2の信号処理を実施する場合には、第2の制御情報テーブルを参照するように決定する。このような特徴により、第1の信号処理または第2の信号処理の実施と連動して第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルを適切に切り替えることができる。
【0247】
別の例では、受信側の基地局20は、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかの明示的な通知を送信側の端末装置40に送信する。端末装置40の制御部45は、受信された明示的な通知に基づいて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定する。基地局20の制御部25は、自身が送信した明示的な通知に基づいて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定する。このような特徴により、第1の制御情報テーブルと第2の制御情報テーブルとを、きめ細かく切り替えることができる。
【0248】
さらに別の例では、端末装置40の制御部45および基地局20の制御部25は、予めまたは動的に設定される判定条件に基づいて、第1の制御情報テーブルまたは第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定する。このような特徴により、送信側と受信側との間で明示的な情報のやり取りを行わなくても、第1の制御情報テーブルと第2の制御情報テーブルとを適切に切り替えることができる。
【0249】
なお、本開示に係る技術は、特定の規格に限定されるものではなく、例示された設定は、適宜に変更されてもよい。なお、上述の各実施の形態は本開示に係る技術を具現化するための一例を示したものであり、その他の様々な形態で本開示に係る技術を実施することが可能である。例えば、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形、置換、省略またはこれらの組み合わせが可能である。そのような変形、置換、省略または組み合わせ等を行った形態も、本開示の範囲に含まれるのと同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0250】
また、本開示において説明された処理の手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよい。あるいは、これら一連の手順をコンピュータに実施させるためのプログラム、または、当該プログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。また、上記で説明した処理は、コンピュータのCPU等のプロセッサによって実行されてもよい。また、記録媒体の種類は、本開示の実施の形態に影響を及ぼすものではないため、特に限られるものではない。
【0251】
なお、本開示において
図2から
図6において示された各構成要素は、ソフトウェアで実現されてもよいし、ハードウェアで実現されてもよい。例えば、各構成要素がマイクロプログラムなどのソフトウェアで実現されるソフトウェアモジュールであり、プロセッサが当該ソフトウェアモジュールを実行することにより、各構成要素が実現されてもよい。あるいは、各構成要素が、半導体チップ(ダイ)上の回路ブロック、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現されてもよい。また、構成要素の数と構成要素を実現するハードウェアの数とは、一致していなくともよい。例えば、1つのプロセッサまたは回路が複数の構成要素を実現していてもよい。逆に、1つの構成要素が複数のプロセッサまたは回路により実現されていてもよい。
【0252】
なお、本開示で述べられたプロセッサは、その種類が限られるものではない。例えば、CPU、MPU(Micro Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)等であってもよい。
【0253】
また、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
[1](送信装置)
AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施し、第1のビット系列またはシンボル系列から第2のビット系列またはシンボル系列を生成する機能を有する第1のエンコーダと、
前記AI/MLモデルを用いない第2の信号処理を実施し、前記第1のビット系列またはシンボル系列から第3のビット系列またはシンボル系列を生成する機能を有する第2のエンコーダと、
前記第2のビット系列またはシンボル系列、または、前記第3のビット系列またはシンボル系列を送信する第1の送信部と、
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定し、該選択結果または決定結果に基づいて、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダのいずれを使用するかを決定する第1の制御部と
を備える、送信装置。
[2](実施可否情報その1:信号処理)
前記第1の信号処理の実施可否情報を送信する第1の送信部をさらに備え、
前記第1の制御部は、前記実施可否情報に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、[1]に記載の送信装置。
[3](実施可否情報その2:信号処理)
前記第1の信号処理の実施可否情報を送信する第1の送信部と、
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかの選択結果または決定結果を受信する第1の受信部と
をさらに備え、
前記第1の制御部は、前記選択結果または決定結果に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、[1]に記載の送信装置。
[4](明示的な通知:信号処理)
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかの明示的な通知を受信する第1の受信部をさらに備え、
前記第1の制御部は、前記明示的な通知に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、[1]に記載の送信装置。
[5](予めまたは動的に設定される判定条件:信号処理)
前記第1の制御部は、予めまたは動的に設定される判定条件に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、[1]に記載の送信装置。
[6](信号処理に連動:制御情報テーブル)
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理の際に、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダによって参照される、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含む第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルをさらに備え、
前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダは、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルに含まれる前記制御情報を前記インデクスによって特定し、
前記第1の制御部は、前記第1の信号処理を実施する場合には、前記第1の制御情報テーブルを参照するように決定し、前記第2の信号処理を実施する場合には、前記第2の制御情報テーブルを参照するように決定する、[1]~[5]のいずれかに記載の送信装置。
[7](明示的な通知:制御情報テーブル)
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理の際に、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダによって参照される、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含む第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルと、
前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかの明示的な通知を受信する第1の受信部と
をさらに備え、
前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダは、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルに含まれる前記制御情報を前記インデクスによって特定し、
前記第1の制御部は、前記明示的な通知に基づいて、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定する、[1]~[5]のいずれかに記載の送信装置。
[8](予めまたは動的に設定される判定条件:制御情報テーブル)
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理の際に、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダによって参照される、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含む第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルをさらに備え、
前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダは、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルに含まれる前記制御情報を前記インデクスによって特定し、
前記第1の制御部は、予めまたは動的に設定される判定条件に基づいて、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定する、[1]~[5]のいずれかに記載の送信装置。
[9](受信装置)
AI/MLモデルを用いる第1の信号処理を実施し、第2のビット系列またはシンボル系列から第1のビット系列またはシンボル系列を復元する機能を有する第1のデコーダと、
前記AI/MLモデルを用いない第2の信号処理を実施し、第3のビット系列またはシンボル系列から第1のビット系列またはシンボル系列を復元する機能を有する第2のデコーダと、
前記第2のビット系列またはシンボル系列、または、前記第3のビット系列またはシンボル系列を受信する第2の受信部と、
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定し、該選択結果または決定結果に基づいて、前記第1のデコーダまたは前記第2のデコーダのいずれを使用するかを決定する第2の制御部と
を備える、受信装置。
[10](実施可否情報その1:信号処理)
前記第1の信号処理の実施可否情報を受信する第2の受信部をさらに備え、
前記第2の制御部は、前記実施可否情報に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、[9]に記載の受信装置。
[11](実施可否情報その2:信号処理)
前記第1の信号処理の実施可否情報を受信する第2の受信部と、
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかの選択結果または決定結果を送信する第1の送信部と
をさらに備え、
前記第2の制御部は、前記実施可否情報に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定し、該選択結果または決定結果を前記第1の送信部を介して送信する、請求項9に記載の送信装置。
[12](明示的な通知:信号処理)
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかの明示的な通知を送信する第2の送信部をさらに備え、
前記第2の制御部は、前記明示的な通知に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、[9]に記載の受信装置。
[13](予めまたは動的に設定される判定条件:信号処理)
前記第2の制御部は、予めまたは動的に設定される判定条件に基づいて、前記第1の信号処理または前記第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定する、[9]に記載の送信装置。
[14](信号処理に連動:制御情報テーブル)
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理の際に、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダによって参照される、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含む第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルをさらに備え、
前記第1のデコーダまたは前記第2のデコーダは、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルに含まれる前記制御情報を前記インデクスによって特定し、
前記第2の制御部は、前記第1の信号処理を実施する場合には、前記第1の制御情報テーブルを参照するように決定し、前記第2の信号処理を実施する場合には、前記第2の制御情報テーブルを参照するように決定する、[9]~[13]のいずれかに記載の送信装置。
[15](明示的な通知:制御情報テーブル)
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理の際に、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダによって参照される、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含む第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルと、
前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかの明示的な通知を送信する第2の送信部と
をさらに備え、
前記第1のデコーダまたは前記第2のデコーダは、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルに含まれる前記制御情報を前記インデクスによって特定し、
前記第2の制御部は、前記明示的な通知に基づいて、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定する、[9]~[13]のいずれかに記載の受信装置。
[16](予めまたは動的に設定される判定条件:制御情報テーブル)
前記第1の信号処理または前記第2の信号処理の際に、前記第1のエンコーダまたは前記第2のエンコーダによって参照される、1つまたは複数のインデクス付けされた制御情報を含む第1の制御情報テーブルおよび第2の制御情報テーブルをさらに備え、
前記第1のデコーダまたは前記第2のデコーダは、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルに含まれる前記制御情報を前記インデクスによって特定し、
前記第2の制御部は、予めまたは動的に設定される判定条件に基づいて、前記第1の制御情報テーブルまたは前記第2の制御情報テーブルのいずれを参照するかを決定する、[9]~[13]のいずれかに記載の受信装置。
[17](送信方法)
AI/MLモデルを用いる第1の信号処理または前記AI/MLモデルを用いない第2の信号処理のいずれを実施するかを選択または決定するステップと、
前記第1の信号処理を実施する場合に、前記AI/MLモデルを用いる第1のエンコードによって第1のビット系列またはシンボル系列から第2のビット系列またはシンボル系列を生成し、該第2のビット系列またはシンボル系列を送信するステップと、
前記第2の信号処理を実施する場合に、前記AI/MLモデルを用いない第2のエンコードによって前記第1のビット系列またはシンボル系列から第3のビット系列またはシンボル系列を生成し、該第3のビット系列またはシンボル系列を送信するステップと
を含む、送信方法。
[18](受信方法)
AI/MLモデルを用いる第1の信号処理または前記AI/MLモデルを用いない第2の信号処理のいずれかを実施するかを選択または決定するステップと、
前記第1の信号処理を実施する場合に、第2のビット系列またはシンボル系列を受信し、該第2ビット系列またはシンボル系列から前記AI/MLモデルを用いる第1のデコードによって第1のビット系列またはシンボル系列を復元するステップと、
前記第2の信号処理を実施する場合に、第3のビット系列またはシンボル系列を受信し、該第3のビット系列またはシンボル系列から前記AI/MLモデルを用いない第2のデコードによって前記第1のビット系列またはシンボル系列を復元するステップと
を含む、受信方法。
【符号の説明】
【0254】
1:無線通信システム
10 管理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 基地局(受信装置)
21 無線通信部
211 送信部(第2の送信部)
212 受信部(第2の受信部)
213 アンテナ
22 記憶部
23 第1のデコーダ
24 第2のデコーダ
25 制御部(第2の制御部)
30 中継局(受信装置)
31 無線通信部
311 送信部(第2の送信部)
312 受信部(第2の受信部)
313 アンテナ
32 記憶部
33 第1のデコーダ
34 第2のデコーダ
35 制御部(第2の制御部)
40 端末装置(送信装置)
41 無線通信部
411 送信部(第1の送信部)
412 受信部(第1の受信部)
413 アンテナ
42 記憶部
43 第1のデコーダ
44 第2のデコーダ
45 制御部(第1の制御部)