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▶ イソライト建材株式会社の特許一覧

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  • 特開-吸音パネル 図1
  • 特開-吸音パネル 図2
  • 特開-吸音パネル 図3
  • 特開-吸音パネル 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157282
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】吸音パネル
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/16 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
G10K11/16 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067086
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】521394705
【氏名又は名称】イソライト建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】橋本 敏昭
(72)【発明者】
【氏名】前田 耕三
【テーマコード(参考)】
5D061
【Fターム(参考)】
5D061AA12
5D061BB35
(57)【要約】
【課題】 意匠性が高く、かつ、吸音性能が高い吸音パネルを提供することを目的とする。
【解決手段】 吸音パネルは、背面パネルと、前記背面パネルの内側に挿入される吸音マットと、前記吸音マットに重ねて、前記背面パネルの内側に挿入される拡散パネルと、前記拡散パネルに形成された格子とを有する。好適には、格子の先端を平らでないように角度を持たせることで音を広範囲に拡散させ、騒音の反響を抑制することができる。また、木製の格子を設けた木製の拡散パネルにすることによって木の外観の特徴が要望されるデザインに調和させることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面パネルと、
前記背面パネルの内側に挿入される吸音マットと、
前記吸音マットに重ねて、前記背面パネルの内側に挿入される拡散パネルと、
前記拡散パネルに形成された格子と
を有する吸音パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸音パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、両面が開口した板状の格子状構造体の少なくとも片面に非通気性のシート材を配置した吸音パネルにおいて、前記非通気性のシート材を前記格子状構造体の少なくとも外周部に固定すると共に、前記非通気性のシート材における前記格子状構造体の外周部よりも内側部分については、前記非通気性のシート材における少なくとも一辺10cmの正方形が含まれる部分を前記格子状構造体に対して非固定にしたことを特徴とする吸音パネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-277017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、意匠性が高く、かつ、吸音性能が高い吸音パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る吸音パネルは、背面パネルと、前記背面パネルの内側に挿入される吸音マットと、前記吸音マットに重ねて、前記背面パネルの内側に挿入される拡散パネルと、前記拡散パネルに形成された格子とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、意匠性が高く、かつ、吸音性能が高い吸音パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】吸音パネル1の全体構成を例示する図である。
図2】拡散パネル構成格子40を例示する図である。
図3】吸音パネル1の組立方法を例示する図である。
図4】吸音パネル1の設置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1は、吸音パネル1の全体構成を例示する図である。
図1に例示するように、吸音パネル1は、背面パネル10の内側に吸音マット20を入れ、それに重ねるように拡散パネル30を背面パネル10の内側に入れた構造である。
吸音パネル1の特徴は、木製の枠、格子およびガラス繊維や生体溶解性ファイバーからなるマット状の成形体からなる。
吸音成形体の全面に音を通過させるクロスを配置する事によって、吸音成形体の繊維の飛散を防止することができる。
1.パネルを部屋の壁面、天井あるいは床に配置することによって、木製の外観を保ちながら吸音が可能となるが、背面パネル10と前面の拡散パネル30を分割することによって、部屋の建設中のみに拘わらず。建設後の任意の時期に任意の場所に吸音性能をもたせることができる。
2.木製の外観の吸音パネル1は、従来は、有孔板が知られているが、その吸音性能を大きく支配する開口部の面性はパネルの数パーセントから20パーセントにとどまっていた。
3.従来の有孔板は面に孔をあけたものであるため、音の入射に対して面で反射をする部分があったが、本案の吸音パネル1は格子(図1及び図2の拡散パネル構成格子40)を設け、更に格子(図1及び図2の拡散パネル構成格子40)の先端を平らでないように角度を持たせることで音を広範囲に拡散させ、騒音の反響を抑制することができる。
4.格子(図1及び図2の拡散パネル構成格子40)を設けた木製のパネルにすることによって木の外観の特徴が要望されるデザインに調和させることができる。
5.木材を材料に使用する事によって、樹種毎に異なる木の香りを放散させることができる。
6.木製の不燃吸音パネルは従来有孔板が主でデザイン性に乏しかったが、格子を配置することで、図1のような平行のみの格子から、直交した格子などデザイン性が格段に向上する。更に、木製であるため簡単に塗装が可能であり様々な色彩を施すことが容易である。
7.全ての構成要素を不燃材料にすることができるため、不燃性能が要求される場合にでも施工が可能である。
【0009】
(実施例)
600x600mm角で奥行50mmの背面パネル10を作成し、吸音マット20として25mm厚みのガラスマットを使用し、前面の拡散パネル30をスギ、ヒノキおよびヒバで製作した。
1)作成した吸音パネル1を用い、12枚を約30平米の部屋の2面の壁に設置し、音の減衰を測定したところ、有意な変化が見られた。
2)作成した吸音パネル1を工作機械の3方に設置して機械の運転時に壁を通過して聞こえる騒音を測定したところ、90dBか85dBに騒音レベルが低減できた。
3)ヒノキ、ヒバで製作した吸音パネル1では約30平米の部屋ではほのかに木の香りが漂った。
【0010】
なお、製品のサイズは、300x300(タテxヨコ)、450x450、600x600、300x600など任意にできる。
材料となる樹種は、一般的な樹種全て採用可能であり、無垢材および集成材のいずれでも製造可能である。
【0011】
以上説明したように、本実施形態の吸音パネル1によれば、高い意匠性を実現しつつ、高い吸音性能を達成できる。
例えば、図4に例示するように、格子の向きを互い違いにしながら、9つの吸音パネル1を配置することにより、意匠性の高い吸音面を構成できる。
【符号の説明】
【0012】
1…吸音パネル
10…背面パネル
20…吸音マット
30…拡散パネル
40…拡散パネル構成格子
図1
図2
図3
図4