(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157296
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】クリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法、給糸パッケージ供給システム及び給糸パッケージ供給装置
(51)【国際特許分類】
B65H 67/02 20060101AFI20231019BHJP
B65H 67/06 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
B65H67/02
B65H67/06 Z
B65H67/06 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067107
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】502455511
【氏名又は名称】TMTマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】奥山 康夫
【テーマコード(参考)】
3F112
【Fターム(参考)】
3F112AA09
3F112EB05
3F112FA09
3F112KA01
3F112KA07
3F112NB04
3F112UA00
3F112VB02
(57)【要約】
【課題】作業者の作業負担を軽減することができ、糸が無くなった給糸パッケージを新たな給糸パッケージに確実に交換することができる給糸パッケージ交換方法を提供する。
【解決手段】給糸パッケージ交換方法は、ボビン装着部材が装着されていない給糸パッケージにボビン装着部材を装着する工程と、ボビン装着部材を装着した給糸パッケージを、給糸パッケージ供給装置が貯留部から取り出す工程と、給糸パッケージに装着されているボビン装着部材に保持されている支持部特定情報を認識機構が認識する工程と、支持部特定情報に基づいて特定された支持部に給糸パッケージ供給装置が給糸パッケージを取り付ける工程と、糸が無くなった給糸パッケージのボビンを支持部から取り
出す工程と、支持部から取り
出されたボビンからボビン装着部材を取り外す工程と、ボビン装着部材を給糸パッケージに装着する工程と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成繊維からなる糸がボビンに巻回された給糸パッケージを複数貯留する貯留部と、
前記給糸パッケージの前記糸を解舒可能に支持する支持部を複数有するクリールスタンドと、
前記貯留部から前記給糸パッケージを取り出し、前記クリールスタンドの前記支持部に前記給糸パッケージを取り付ける給糸パッケージ供給装置と、
複数の前記支持部のそれぞれに対応して設けられると共に前記ボビンに対して着脱可能なボビン装着部材であって、対応する前記支持部を特定することができる支持部特定情報を保持する前記ボビン装着部材と、
前記給糸パッケージに保持された前記支持部特定情報を認識する認識機構と、を備える給糸パッケージ供給システムを用いた、クリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法であって、
前記貯留部に貯留されている前記給糸パッケージのうち前記ボビン装着部材が装着されていない前記給糸パッケージに前記ボビン装着部材を装着する第一工程と、
前記第一工程において前記ボビン装着部材を装着した前記給糸パッケージを、前記給糸パッケージ供給装置が、前記貯留部から取り出す第二工程と、
前記第二工程において前記給糸パッケージ供給装置が取り出した前記給糸パッケージに装着されている前記ボビン装着部材に保持されている前記支持部特定情報を前記認識機構が認識する第三工程と、
前記第三工程において前記認識機構が認識した前記支持部特定情報に基づいて特定された前記支持部に前記給糸パッケージ供給装置が前記給糸パッケージを取り付ける第四工程と、
前記第四工程において前記給糸パッケージ供給装置が前記支持部に取り付けた前記給糸パッケージのうち、前記糸が無くなった前記給糸パッケージの前記ボビンを前記支持部から取り外す第五工程と、
前記第五工程において前記支持部から取り外された前記ボビンから前記ボビン装着部材を取り外す第六工程と、
前記第六工程において取り外された前記ボビン装着部材を前記第一工程において装着する前記ボビン装着部材として使用する第七工程と、を含む、クリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法。
【請求項2】
前記第四工程では、前記第三工程において前記認識機構が認識した前記支持部特定情報に基づいて特定された前記支持部がある位置に前記給糸パッケージ供給装置が移動する、請求項1記載のクリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法。
【請求項3】
合成繊維からなる糸がボビンに巻回された給糸パッケージを複数貯留する貯留部と、
前記給糸パッケージの前記糸を解舒可能に支持する支持部を複数有するクリールスタンドと、
前記貯留部から前記給糸パッケージを取り出し、前記クリールスタンドの前記支持部に前記給糸パッケージを取り付ける供給機構を有する給糸パッケージ供給装置と、
前記給糸パッケージに保持された支持部特定情報を認識する認識機構と、
前記給糸パッケージ供給装置及び前記認識機構を制御する制御装置と、を備え、
前記支持部特定情報は、複数の前記支持部のそれぞれに対応して設けられると共に、対応する前記支持部を特定することができる予め設定された情報であり、
前記制御装置は、前記認識機構が認識した前記支持部特定情報に基づいて特定される前記支持部に、前記貯留部から取り出した前記給糸パッケージを取り付けるように、前記給糸パッケージ供給装置を制御する、給糸パッケージ供給システム。
【請求項4】
前記給糸パッケージ供給装置は、前記供給機構が設けられる本体部と、
前記本体部を移動させる移動機構と、を有し、
前記制御装置は、前記支持部特定情報に基づいて特定された前記支持部がある位置に前記本体部が移動するように前記移動機構を制御する、請求項3記載の給糸パッケージ供給システム。
【請求項5】
前記認識機構は、前記供給機構と共に前記本体部に設けられており、
前記制御装置は、前記認識機構によって認識された前記支持部特定情報を保持する前記給糸パッケージを取り出すように前記供給機構を制御する、請求項4記載の給糸パッケージ供給システム。
【請求項6】
前記認識機構は、前記貯留部に設けられており、
前記貯留部において、複数の前記給糸パッケージをそれぞれ支持する貯留支持部のそれぞれに取り付けられており、
前記制御装置は、前記認識機構によって認識された前記支持部特定情報を保持する前記給糸パッケージを取り出すように前記供給機構を制御する、請求項3記載の給糸パッケージ供給システム。
【請求項7】
前記ボビンには、筒状に形成された前記ボビンの一方の開口部を覆うボビン装着部材が着脱自在に取り付けられており、
前記支持部特定情報は、前記ボビン装着部材に保持されている、請求項3~6の何れか一項記載の給糸パッケージ供給システム。
【請求項8】
前記ボビン装着部材には、前記支持部特定情報が記憶されたICタグが設けられ、
前記認識機構は、前記ICタグに記憶された前記支持部特定情報を読み出し可能なICタグリーダである、請求項7記載の給糸パッケージ供給システム。
【請求項9】
合成繊維からなる糸がボビンに巻回された給糸パッケージを複数貯留する貯留部から前記給糸パッケージを取り出し、前記給糸パッケージの前記糸を解舒可能に支持する支持部を複数有するクリールスタンドの各前記支持部に、前記給糸パッケージを取り付ける給糸パッケージ供給装置であって、
前記貯留部から前記給糸パッケージを取り出し、前記給糸パッケージを前記支持部に取り付ける供給機構と、
前記給糸パッケージに保持された支持部特定情報を認識する認識機構と、
前記供給機構及び前記認識機構を制御する制御部を備え、
前記支持部特定情報は、複数の前記支持部のそれぞれに対応して設けられると共に、対応する前記支持部を特定することができる予め設定された情報であり、
前記制御部は、前記認識機構が認識した前記支持部特定情報に基づいて特定される前記支持部に、前記貯留部から取り出した前記給糸パッケージを取り付けるように、前記供給機構を制御する、給糸パッケージ供給装置。
【請求項10】
前記供給機構及び前記認識機構が設けられる本体部と、
前記本体部を移動させる移動機構と、を更に備え、
前記制御部は、前記支持部特定情報に基づいて特定された前記支持部がある位置に前記本体部が移動するように前記移動機構を制御する、請求項9記載の給糸パッケージ供給装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記認識機構が前記貯留部にある前記給糸パッケージに保持された前記支持部特定情報を認識した場合に、前記認識機構によって認識された前記支持部特定情報を保持する前記給糸パッケージを取り出すように前記供給機構を制御する、請求項9又は10記載の給糸パッケージ供給装置。
【請求項12】
前記ボビンには、筒状に形成された前記ボビンの一方の開口部を覆うボビン装着部材が着脱自在に取り付けられており、
前記支持部特定情報は、前記ボビン装着部材に保持されている、請求項9~11の何れか一項記載の給糸パッケージ供給装置。
【請求項13】
前記ボビン装着部材には、前記支持部特定情報が記憶されたICタグが設けられ、
前記認識機構は、前記ICタグに記憶された前記支持部特定情報を読み出し可能なICタグリーダである、請求項12記載の給糸パッケージ供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法、給糸パッケージ供給システム及び給糸パッケージ供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
合成繊維からなる糸がボビンに巻回された給糸パッケージから糸を解舒し、その解舒された糸に仮撚加工を施し、加工後の糸を巻取装置において巻き取って巻取パッケージを形成する仮撚加工機が知られている。仮撚加工機には、複数の給糸パッケージのそれぞれを支持する複数の支持部を有するクリールスタンドが設けられている。例えば、特許文献1には、複数の給糸パッケージのそれぞれを支持する支持部(ペッグ)が対で設けられている給糸スタンドが開示されている。このような給糸スタンドでは、一対の一方の支持部に支持される給糸パッケージの糸と、一対の他方の支持部に支持される給糸パッケージの糸とを繋ぐ糸継処理(テール継ぎ処理)を行うことによって、一方の給糸パッケージの糸が無くなったとしても、予備として設けられた他方の給糸パッケージから糸を仮撚加工装置に供給することができる。
【0003】
このようなクリールスタンドでは、対に設けられた給糸パッケージから糸が連続的に解舒されており、一方の給糸パッケージの糸が無くなった場合には、糸が無くなったボビン(空ボビン)を支持部から取り外し、その支持部に新たな給糸パッケージを供給する必要がある。このような新しい給糸パッケージの供給は、給糸パッケージを複数貯留している貯留部から作業者が給糸パッケージをクリールスタンドまで運び、ボビンが取り外された支持部に給糸パッケージを装着することになるが、給糸パッケージの重量は重たく、作業者の作業負担が大きいという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、特許文献1のように、給糸パッケージをクリールスタンドまで搬送し、クリールスタンドに支持された給糸パッケージが空であるかを判断し、空となっていると判断された給糸パッケージを満巻の給糸パッケージと交換するようにした給糸パッケージ交換装置を備えた給糸パッケージ交換システムが知られている。
【0006】
この給糸パッケージ交換システムでは、給糸パッケージ交換装置に二個のセンサが設けられており、一対の給糸パッケージと二個のセンサとの関係により、クリールスタンドに支持された各給糸パッケージが空であるか否かの状態を判断する。具体的には、給糸パッケージ交換装置が走査することによって得られる二個のセンサからの信号により、クリールスタンドに支持された各給糸パッケージの状態を三段階(満玉、半玉、小玉又は空)で判断し、一の給糸パッケージが小玉又は空の状態であると判断されてから、対の給糸パッケージの状態により、一の給糸パッケージの状態が小玉であるか空であるかを判断する。対の給糸パッケージの状態が満玉の場合は、両給糸パッケージ間での糸の切り替えが確実に行われているとはいえないため、一の給糸パッケージの状態が空であると判断できない。対の給糸パッケージの状態が半玉の場合は、両給糸パッケージ間での糸の切り替えが行われているため、一の給糸パッケージの状態が空であると判断する。
【0007】
しかしながら、この給糸パッケージ供給システムでは、各給糸パッケージの状態を判断するタイミングが、対のパッケージが満玉から半玉になるまでは検知できないので、その時間が無駄となり、一の給糸パッケージが実際に空の状態になってから空の状態であると判断されるまでに時間が掛かったり、判断が漏れたりすることがあり、給糸パッケージ交換装置が空の給糸パッケージを満巻の給糸パッケージに交換できないことがある。したがって、この給糸パッケージ交換システムでは、糸が無くなった給糸パッケージを新たな給糸パッケージに確実に交換することができない。
【0008】
また、一の給糸パッケージが空の状態になったときに、給糸パッケージ交換装置に代わって、その給糸パッケージが空の状態になったことを作業者が確認し、作業者がその給糸パッケージの空ボビンを取り除き、給糸パッケージが支持されていない状態となった支持部に満巻の給糸パッケージを給糸パッケージ取付装置により取り付ける給糸パッケージ交換方法がある。
【0009】
しかしながら、この給糸パッケージ交換方法では、給糸パッケージが支持されていない状態となった支持部の位置情報を作業者が給糸パッケージ取付装置に入力する必要があるが、作業者による位置情報の入力間違いや給糸パッケージ取付装置へ位置情報の通信障害により、給糸パッケージ取付装置に正確に位置情報が入力されないことがあり、給糸パッケージ取付装置が所望の支持部に給糸パッケージを取り付けることができないことがある。したがって、この給糸パッケージ交換方法では、糸が無くなった給糸パッケージを新たな給糸パッケージに確実に交換することができない。
【0010】
そこで、本発明の一側面の目的は、作業者の作業負担を軽減することができ、かつ複数の支持部を有するクリールスタンドにおいて、クリールスタンドの支持部に支持された給糸パッケージの糸が無くなった場合に、その支持部に対して、糸が無くなった給糸パッケージを新たな給糸パッケージに確実に交換することができるクリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法を提供することにある。また、本発明の一側面の目的は、このようなクリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法を実現するための給糸パッケージ供給装置とクリールスタンドへの給糸パッケージ供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面に係るクリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法は、合成繊維からなる糸がボビンに巻回された給糸パッケージを複数貯留する貯留部と、給糸パッケージの糸を解舒可能に支持する支持部を複数有するクリールスタンドと、貯留部から給糸パッケージを取り出し、クリールスタンドの支持部に給糸パッケージを取り付ける給糸パッケージ供給装置と、複数の支持部のそれぞれに対応して設けられると共にボビンに対して着脱可能なボビン装着部材であって、対応する支持部を特定することができる支持部特定情報を保持するボビン装着部材と、給糸パッケージに保持された支持部特定情報を認識する認識機構と、を備える給糸パッケージ供給システムを用いた、クリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法であって、貯留部に貯留されている給糸パッケージのうちボビン装着部材が装着されていない給糸パッケージにボビン装着部材を装着する第一工程と、第一工程においてボビン装着部材を装着した給糸パッケージを、給糸パッケージ供給装置が、貯留部から取り出す第二工程と、第二工程において給糸パッケージ供給装置が取り出した給糸パッケージに装着されているボビン装着部材に保持されている支持部特定情報を認識機構が認識する第三工程と、第三工程において認識機構が認識した支持部特定情報に基づいて特定された支持部に給糸パッケージ供給装置が給糸パッケージを取り付ける第四工程と、第四工程において給糸パッケージ供給装置が支持部に取り付けた給糸パッケージのうち、糸が無くなった給糸パッケージのボビンを支持部から取り外す第五工程と、第五工程において支持部から取り外されたボビンからボビン装着部材を取り外す第六工程と、第六工程において取り外されたボビン装着部材を第一工程において装着するボビン装着部材として使用する第七工程と、を含む。
【0012】
この方法では、第一工程から第七工程を繰り返すことにより、クリールスタンドの支持部に支持された給糸パッケージの糸が無くなった場合に、その支持部から糸が無くなった給糸パッケージを新たな給糸パッケージに確実に交換することができる。更に、給糸パッケージをクリールスタンドまで運び支持部に装着する作業は、給糸パッケージ供給装置が行うため、作業者の作業負担を軽減することができる。すなわち、作業者の作業負担を軽減することができ、かつ、クリールスタンドの支持部に支持された給糸パッケージの糸が無くなった場合に、その支持部に対して糸が無くなった給糸パッケージを新たな給糸パッケージに確実に交換することができる。
【0013】
本発明の一側面に係るクリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法の第四工程では、第三工程において認識機構が認識した支持部特定情報に基づいて特定された支持部がある位置に給糸パッケージ供給装置が移動してもよい。この方法では、貯留部とクリールスタンドとの間に距離があったとしても、給糸パッケージを貯留部からクリールスタンドまで運び、クリールスタンドの支持部に取り付ける作業は、給糸パッケージ供給装置が行うため、作業者の作業負担をより一層軽減することができる。
【0014】
本発明の一側面に係る給糸パッケージ供給システムでは、合成繊維からなる糸がボビンに巻回された給糸パッケージを複数貯留する貯留部と、給糸パッケージの糸を解舒可能に支持する支持部を複数有するクリールスタンドと、貯留部から給糸パッケージを取り出し、クリールスタンドの支持部に給糸パッケージを取り付ける供給機構を有する給糸パッケージ供給装置と、給糸パッケージに保持された支持部特定情報を認識する認識機構と、給糸パッケージ供給装置及び認識機構を制御する制御装置と、を備え、支持部特定情報は、複数の支持部のそれぞれに対応して設けられると共に、対応する支持部を特定することができる予め設定された情報であり、制御装置は、認識機構が認識した支持部特定情報に基づいて特定される支持部に、貯留部から取り出した給糸パッケージを取り付けるように、給糸パッケージ供給装置を制御する。
【0015】
この構成によれば、給糸パッケージの糸が無くなったクリールスタンドの支持部に対して新たな給糸パッケージを取り付けることができる。更に、この構成によれば、給糸パッケージをクリールスタンドの支持部に装着する作業は、給糸パッケージ供給装置が行うため、作業者の作業負担を軽減することができる。
【0016】
本発明の一側面に係る給糸パッケージ供給システムでは、給糸パッケージ供給装置は、供給機構が設けられる本体部と、本体部を移動させる移動機構と、を有し、制御装置は、支持部特定情報に基づいて特定された支持部がある位置に本体部が移動するように移動機構を制御してもよい。この構成によれば、貯留部とクリールスタンドとの間に距離があったとしても、給糸パッケージを貯留部からクリールスタンドまで運び、クリールスタンドの支持部に取り付ける作業は、給糸パッケージ供給装置が行うため、作業者の作業負担をより一層軽減することができる。
【0017】
本発明の一側面に係る給糸パッケージ供給システムでは、認識機構は、供給機構と共に本体部に設けられており、制御装置は、認識機構によって認識された支持部特定情報を保持する給糸パッケージを取り出すように供給機構を制御してもよい。この構成によれば、給糸パッケージ供給装置は、ボビン装着部材が装着された給糸パッケージのみを貯留部から受け取ることができる。これにより、取り出した給糸パッケージを確実にクリールスタンドの支持部に取り付けることができる。
【0018】
本発明の一側面に係る給糸パッケージ供給システムでは、認識機構は、貯留部に設けられており、貯留部において、複数の給糸パッケージをそれぞれ支持する貯留支持部のそれぞれに取り付けられており、制御装置は、認識機構によって認識された支持部特定情報を保持する給糸パッケージを取り出すように供給機構を制御してもよい。この構成によれば、給糸パッケージ供給装置が貯留部からボビン装着部材が装着された給糸パッケージのみを受け取ることができるので、取り出した給糸パッケージを確実にクリールスタンドの支持部に取り付けることができる。
【0019】
本発明の一側面に係る給糸パッケージ供給システムでは、ボビンには、筒状に形成されたボビンの一方の開口部を覆うボビン装着部材が着脱自在に取り付けられており、支持部特定情報は、ボビン装着部材に保持されていてもよい。この構成によれば、給糸パッケージに、支持部特定情報を容易に着脱自在に取り付けることができる。
【0020】
本発明の一側面に係る給糸パッケージ供給システムでは、ボビン装着部材には、支持部特定情報が記憶されたICタグが設けられ、認識機構は、ICタグに記憶された支持部特定情報を読み出し可能なICタグリーダであってもよい。この構成によれば、支持部特定情報をボビン装着部材に容易に保持させることができ、ボビン装着部材に保持された支持部特定情報を容易に認識することができる。
【0021】
本発明の一側面に係る給糸パッケージ供給装置は、合成繊維からなる糸がボビンに巻回された給糸パッケージを複数貯留する貯留部から給糸パッケージを取り出し、給糸パッケージの糸を解舒可能に支持する支持部を複数有するクリールスタンドの各支持部に、給糸パッケージを取り付ける給糸パッケージ供給装置であって、貯留部から給糸パッケージを取り出し、給糸パッケージを支持部に取り付ける供給機構と、給糸パッケージに保持された支持部特定情報を認識する認識機構と、供給機構及び認識機構を制御する制御部を備え、支持部特定情報は、複数の支持部のそれぞれに対応して設けられると共に、対応する支持部を特定することができる予め設定された情報であり、制御部は、認識機構が認識した支持部特定情報に基づいて特定される支持部に、貯留部から取り出した給糸パッケージを取り付けるように、供給機構を制御する。
【0022】
この構成によれば、クリールスタンドの支持部に支持された給糸パッケージの糸が無くなった支持部に対して新たな給糸パッケージを確実に取り付けることができる。更に、この構成によれば、給糸パッケージをクリールスタンドまで運び支持部に装着する作業は、給糸パッケージ供給装置が行うため、作業者の作業負担を軽減することができる。
【0023】
本発明の一側面に係る給糸パッケージ供給装置は、供給機構及び認識機構が設けられる本体部と、本体部を移動させる移動機構と、を更に備え、制御部は、支持部特定情報に基づいて特定された支持部がある位置に本体部が移動するように移動機構を制御してもよい。この構成によれば、貯留部とクリールスタンドとの間に距離があったとしても、給糸パッケージを貯留部からクリールスタンドまで運び、クリールスタンドの支持部に取り付ける作業は、給糸パッケージ供給装置が行うため、作業者の作業負担をより一層軽減することができる。
【0024】
本発明の一側面に係る給糸パッケージ供給装置では、制御部は、認識機構が貯留部にある給糸パッケージに保持された支持部特定情報を認識した場合に、認識機構によって認識された支持部特定情報を保持する給糸パッケージを取り出すように供給機構を制御してもよい。この構成によれば、給糸パッケージ供給装置が貯留部からボビン装着部材が装着された給糸パッケージのみを受け取ることができるので、取り出した給糸パッケージを確実にクリールスタンドの支持部に取り付けることができる。
【0025】
本発明の一側面に係る給糸パッケージ供給装置では、ボビンには、筒状に形成されたボビンの一方の開口部を覆うボビン装着部材が着脱自在に取り付けられており、支持部特定情報は、ボビン装着部材に保持されてもよい。この構成によれば、給糸パッケージに、支持部特定情報を容易に着脱自在に取り付けることができる。
【0026】
本発明の一側面に係る給糸パッケージ供給装置では、ボビン装着部材には、支持部特定情報が記憶されたICタグが設けられ、認識機構は、ICタグに記憶された支持部特定情報を読み出し可能なICタグリーダであってもよい。この構成によれば、支持部特定情報をボビン装着部材に容易に保持させることができ、ボビン装着部材に保持された支持部特定情報を容易に認識機構に認識することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一側面によれば、作業者の作業負担を軽減することができ、かつ複数の支持部を有するクリールスタンドにおいて、クリールスタンドの支持部に支持された給糸パッケージの糸が無くなった場合に、その支持部に対して、糸が無くなった給糸パッケージを新たな給糸パッケージに確実に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る給糸パッケージ供給システムを含む仮撚加工システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、キャップが装着された給糸パッケージを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、給糸ユニット5を構成するクリールスタンドを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、給糸パッケージ供給システムに含まれる給糸パッケージ貯留装置を示す斜視図である。
【
図5】
図5(A)は、キャップが装着された給糸ボビンを示す側面図である。
図5(B)は、給糸ボビンにキャップが装着された状態の給糸パッケージを示す側面図である。
図5(C)は、キャップを示す正面図である。
【
図6】
図6は、給糸パッケージ供給システムに含まれるパッケージ供給装置を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、パッケージ供給装置がクリールスタンドのペッグに給糸パッケージを取り付けるときの状態を上から見た上面図である。
【
図8】
図8は、給糸パッケージ供給システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9(A)及び
図9(B)は、給糸パッケージ供給システムを用いた給糸パッケージ交換方法を説明する図である。
【
図10】
図10(A)及び
図10(B)は、給糸パッケージ供給システムを用いた給糸パッケージ交換方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して一実施形態に係る給糸パッケージ供給システム10について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0030】
一実施形態に係る給糸パッケージ供給システム10は、仮撚加工システム1の一部を構成している。
図1に示されるように、仮撚加工システム1は、仮撚加工機2と、搬送ラック3と、給糸ユニット5と、給糸パッケージ貯留装置(貯留部)6と、給糸パッケージ供給装置7と、を備える。給糸パッケージ供給システム10は、給糸ユニット5、給糸パッケージ貯留装置6及び給糸パッケージ供給装置7によって構成されている。以下の説明において、図中に示す「Z方向」は鉛直方向(上下方向)であり、「X方向」は水平方向であり、「Y方向」はX方向及びZ方向の両方に垂直な水平方向である。
【0031】
仮撚加工システム1は、複数の給糸パッケージP(
図2参照)から供給される糸Yに加工を施し、巻取パッケージを製造する。糸Yは、例えば、ポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性の合成繊維からなる合繊糸である。給糸パッケージPは、給糸ボビン(ボビン)Bに半延伸糸(POY:Partially Oriented Yarn)が巻き取られて形成される。巻取パッケージは、巻取ボビン(図示せず)に延伸加工糸(DTY:Draw Textured Yarn)が巻き取られて形成される。
【0032】
仮撚加工機2は、複数の給糸パッケージPから供給された糸Yに仮撚加工を施し、加工した糸を巻取ボビンに巻き取って巻取パッケージを形成する。
【0033】
搬送ラック3は、給糸パッケージPを搬送する。搬送ラック3は、複数の給糸パッケージPを搬送可能に構成されている。搬送ラック3は、例えば給糸パッケージPの給糸ボビンBに挿入されることで給糸パッケージPを保持する。搬送ラック3には、車輪が設けられており、人手によって容易に移動させることが可能となっている。なお、搬送ラック3は、駆動部を有し、自動で走行する構成であってもよい。搬送ラック3は、給糸パッケージPが供給される供給場所と所定の給糸パッケージ貯留装置6との間で、給糸パッケージPを搬送する。
【0034】
給糸パッケージ供給システム10は、上述したとおり、給糸ユニット5と、給糸パッケージ貯留装置6と、給糸パッケージ供給装置7と、を備える。給糸ユニット5は、仮撚加工機2と隣り合うように配置され、仮撚加工機2に対して糸を供給する。給糸ユニット5は、仮撚加工機2の巻取台2bとX方向で対向する位置に配置されている。給糸ユニット5は、Y方向に沿って延在している。給糸ユニット5は、複数のクリールスタンド20を有する。クリールスタンド20は、給糸パッケージPを保持する。クリールスタンド20は、Y方向に沿って複数配列されている。本実施形態に係る給糸ユニット5では、クリールスタンド20は、X方向において背中合わせで一対配置されている。
【0035】
図1及び
図3に示されるように、クリールスタンド20は、クリール基台部21と、第一支柱22と、第二支柱23と、仕切板24と、ペッグ(支持部)25と、を備える。クリール基台部21は、床面等に設置され、第一支柱22及び第二支柱23を支持する。第一支柱22及び第二支柱23は、クリール基台部21に立設されている。第一支柱22は、Z方向(鉛直方向)に沿って延在している。第一支柱22は、Y方向に等間隔に配列されている。第一支柱22は、クリールスタンド20におけるX方向の一方側F1に配置されている。X方向の一方側F1は、仮撚加工機2が配置される側であり、仮撚加工を施す仮撚加工機2に糸Yを送り出す側である。
【0036】
第二支柱23は、Z方向に沿って延在している。第二支柱23は、Y方向に二本一組で配置されており、複数の組の第二支柱23,23が、Y方向に配列されている。第二支柱23は、クリールスタンド20におけるX方向の他方側F2に配置されている。X方向の他方側F2は、後段にて詳述する給糸パッケージ供給装置7が走行する側であり、給糸パッケージ交換作業及び糸継ぎ作業等を実施する作業者が作業する側である。複数の第一支柱22からなる第一支柱22群と複数の第二支柱23からなる第二支柱23群とは、X方向に対向して配列されている。
【0037】
仕切板24は、第一支柱22と第二支柱23とに跨がるように設けられている。仕切板24は、板状部材であり、Z方向において、所定の間隔をあけて配置されている。仕切板24は、ペッグ25からの給糸パッケージPの落下を防止する。
【0038】
ペッグ25は、給糸パッケージPを支持する。ペッグ25は、第二支柱23に設けられている。ペッグ25は、第二支柱23のZ方向において、所定の間隔をあけて複数配置されている。ペッグ25は、Z方向において二枚の仕切板24の間に配置されている。また、ペッグ25は、二本一組で配置される第二支柱23,23に対応して二個一組で配置されており、複数の組(一対)のペッグ25,25が、Y方向に配列されている。
【0039】
この構成のペッグ25では、一対の一方のペッグ25に支持される給糸パッケージPの糸Yと、一対の他方のペッグ25に支持されている給糸パッケージPの糸Yとを繋ぐことができる。具体的には、一対の一方のペッグ25に支持されている給糸パッケージPの糸Yの外層側の糸端と、一対の他方のペッグ25に支持されている給糸パッケージPの糸Yの内層側の糸端とを繋ぐか、又は、一対の一方のペッグ25に支持されている給糸パッケージPの糸Yの内層側の糸端と、一対の他方のペッグ25に支持されている給糸パッケージPの糸Yの外層側の糸端とを繋ぐ。これにより、一対のペッグ25,25にそれぞれ支持される二個の給糸パッケージP,Pから一本の糸が供給される。すなわち、仮撚加工機2に連続的に糸Yを供給することができる。
【0040】
ペッグ25は、給糸パッケージ支持部材251と、ペッグ本体部252と、を有する。給糸パッケージ支持部材251は、給糸パッケージPの糸Yを解舒可能に支持する。給糸パッケージ支持部材251は、一方向に延在する一対の棒状部材である。一対の給糸パッケージ支持部材251は、一方向に沿って延在すると共に互いに平行となるように所定の間隔をあけて配置されている。給糸パッケージ支持部材251は、基端部から先端部まで延在する棒状部材を給糸パッケージPの給糸ボビンBに形成された孔部に挿入させることで給糸パッケージPを支持する。ペッグ25は、二つの給糸パッケージ支持部材251,251によって、給糸パッケージPを二点で支持する。
【0041】
ペッグ本体部252は、二つの給糸パッケージ支持部材251を支持する。ペッグ本体部252は、給糸パッケージ支持部材251,251をZ軸方向に延在する回転軸回りに回転可能に設けられている。ペッグ本体部252には、挿通穴が形成されており、当該挿通穴には、クリールスタンド20の第二支柱23が挿通される。
【0042】
給糸パッケージ支持部材251と、ペッグ本体部252と、を有するペッグ25の構成では、作業者の手作業によってペッグ25を回動させることができる。例えば、作業者は、給糸パッケージPにおいて糸Yが無くなった給糸ボビンBを取り外したり、新たな給糸パッケージPを取り付けたりする場合には、給糸パッケージ支持部材251の先端が
図3に示されるF2側を向くようにペッグ25を回動させ、仮撚加工機2に糸Yを供給するときは、給糸パッケージ支持部材251の先端が
図3に示されるF1側を向くようにペッグ25を回動させる。
【0043】
図1及び
図4に示される給糸パッケージ貯留装置6は、搬送ラック3から受け渡された給糸パッケージPを一時的に保管すると共に、後段にて詳述する給糸パッケージ供給装置7に給糸パッケージPを供給する。また、給糸パッケージ貯留装置6は、一時的に貯留されている給糸パッケージPに対して、作業者がキャップ(ボビン装着部材)11を取り付けるための作業台として用いられる。給糸パッケージ貯留装置6は、搬送ラック3と給糸パッケージ供給装置7との間で給糸パッケージPを受け渡し可能な位置に設置されている。
【0044】
給糸パッケージ貯留装置6は、パッケージ保持部61と、回動部62と、下部ベース部63と、上部ベース部64と、駆動部65と、制御部66と、を備える。
【0045】
パッケージ保持部61は、給糸パッケージP(
図2参照)を保持する。本実施形態では、複数(例えば16個)のパッケージ保持部61が設けられており、給糸パッケージ貯留装置6として、複数の給糸パッケージPを貯留可能な構成となっている。パッケージ保持部61は、給糸パッケージ保持部材(貯留支持部)611を有する。給糸パッケージ保持部材611は、回動部62に取り付けられている。給糸パッケージ保持部材611,611は、一方向に延在する一対の棒状部材である。一対の給糸パッケージ保持部材611,611は、一方向に沿って延在すると共に互いに平行となるように所定の間隔をあけて配置されている。給糸パッケージ保持部材611,611は、基端部から先端部にまで延在する棒状部材を給糸パッケージPの給糸ボビンBに形成された孔部に挿入させることで給糸パッケージPを保持する。給糸パッケージ保持部材611,611の先端部は、給糸パッケージ貯留装置6を上方から見た平面視において外側に向くように配置されている。
【0046】
回動部62は、下部ベース部63及び上部ベース部64に対して回動する部材である。詳細には、回動部62は、回動部62に設けられたローラが下部ベース部63の上面を転動可能に設けられている。回動部62は、下部ベース部63の縁部に沿って、下部ベース部63の上面を移動する。本実施形態では、回動部62は、複数(例えば4個)設けられており、複数(例えば4個)の給糸パッケージ保持部材611が取り付けられている。すなわち、本実施形態の給糸パッケージ貯留装置6では、16個の給糸パッケージPを貯留可能な構成となっている。
【0047】
下部ベース部63は、回動部62を転動可能に支持する。下部ベース部63は、支柱部材631を介して上部ベース部64を支持する。上部ベース部64は、下部ベース部63の上方に配置されている。上部ベース部64は、筐体構造となっており、モータ651及び制御部66を収容する。駆動部65は、モータ651と、駆動機構652と、を有する。モータ651は、上部ベース部64に収容されている。駆動機構652は、ギア及びシャフト等からなり、モータ651において発生する駆動力を回動部62に伝達する。
【0048】
制御部66は、上部ベース部64に収容されている。制御部66は、モータ651の駆動を制御する。制御部66は、モータ651を制御して回動部62を回動させ、給糸パッケージPが保持されていないパッケージ保持部61を搬送ラック3側に向け、給糸パッケージPが保持されているパッケージ保持部61を給糸パッケージ供給装置7側に向ける。
【0049】
ここで、給糸パッケージPについて詳細に説明する。給糸パッケージPは、
図2に示されるように、給糸ボビンBに半延伸糸(POY)が巻回されることによって形成されている。給糸ボビンBは、紙等の材料から形成される筒状部材である。給糸ボビンBの端部には、キャップ11が取り付けられる。
【0050】
次に、給糸パッケージPに取り付けられるキャップ11について説明する。
図2、
図5(A)及び
図5(B)に示されるように、キャップ11は、給糸ボビンBの端部の開口部に着脱可能に設けられる部材である。キャップ11は、樹脂等の材料によって形成されている。キャップ11は、リング状の鍔部11aと、鍔部11aの内側縁部から立設する円筒状の筒部11bと、を主に有する。キャップ11は、筒部11bの内周面が給糸ボビンBの外周面に接触するように外挿されることによって、給糸ボビンBに取り付けられる。
【0051】
キャップ11は、複数のペッグ25のそれぞれに対応して設けられる。例えば、クリールスタンド20に32個のペッグ25が設けられている場合、ペッグ25と同等の数の32個のキャップ11が準備されると共に、32個のキャップ11の一つ一つには、対応するペッグ25をそれぞれ識別するペッグ特定情報(支持部特定情報)が付与されている。すなわち、キャップ11は、対応するペッグ25を特定するペッグ特定情報を保持している。更に本実施形態では、各ペッグ25には、各ペッグ25専用のキャップ11がそれぞれ一つずつ準備されており、一のペッグ25に対して一のペッグ25に対応するペッグ特定情報が保持されたキャップ11が二個以上準備されることはない。ペッグ特定情報は、後段にて詳述する認識機構79によって認識可能な識別部13として構成されている。識別部13は、キャップ11における鍔部11aに取り付けられている。
【0052】
次に、識別部13について詳細に説明する。識別部13の例は、RF(Radio Frequency)タグ(ICタグ)であり、情報を記録することができる公知の記録媒体である。RFタグに記録された情報は、後段にて説明する認識機構79としてのRFID(radio frequency identifier)リーダ(ICタグリーダ)によって読み出すことができる。すなわち、識別部13としてのRFタグは、認識機構79としてのRFIDリーダによってペッグ特定情報として認識される。
【0053】
図1及び
図6に示される給糸パッケージ供給装置7は、給糸パッケージ貯留装置6から給糸パッケージPを取り出し、取り出した給糸パッケージPをクリールスタンド20に取り付ける。より詳細には、給糸パッケージ供給装置7は、給糸パッケージ貯留装置6から取り出した給糸パッケージPを、給糸パッケージPが取り付けられていないペッグ25に取り付ける。給糸パッケージ供給装置7は、給糸ユニット5(クリールスタンド20)の延在方向に沿って床面に敷設されたレールRの延在方向(Y方向)に沿って移動可能に設けられている。
【0054】
給糸パッケージ供給装置7は、パッケージ保持部71と、第一支持部72と、本体部73と、ベース部74と、第二支持部75と、第一駆動部76と、第二駆動部77と、第三駆動部78と、認識機構79と、制御部(制御装置)80Aと、を備える。パッケージ保持部71、第一支持部72、本体部73、第二支持部75、第一駆動部76及び第二駆動部77は、本発明でいう供給機構を構成する。ベース部74及び第三駆動部78は、本発明でいう移動機構を構成する。
【0055】
パッケージ保持部71は、給糸パッケージP(
図2参照)を保持する。パッケージ保持部71は、給糸パッケージ保持部材711を有する。給糸パッケージ保持部材711,711は、一方向に延在する一対の棒状部材である。一対の給糸パッケージ保持部材711,711は、一方向に沿って延在すると共に互いに平行となるように所定の間隔をあけて配置されている。給糸パッケージ保持部材711,711は、基端部から先端部にまで延在する棒状部材を給糸パッケージPの給糸ボビンBに形成された孔部に挿入させることで給糸パッケージPを保持する。
【0056】
第一支持部72は、鉛直方向に延在する本体部73に沿ってY方向に移動可能に設けられる。第一支持部72は、ガイド部材72Aを介してパッケージ保持部71をX方向にスライド可能に支持する。第一支持部72は、本体部73に対してリニアガイド等を介して移動可能に取り付けられている。本体部73は、ベース部74に立設されている。第一支持部72は、第一駆動部76の駆動力によって本体部73に沿ってZ方向に移動する。
【0057】
第二支持部75は、第一支持部72に対してX方向に移動可能に設けられている。第二支持部75は、パッケージ保持部71を吊り下げ支持している。第二支持部75は、第一支持部72に対してX方向に移動することで、パッケージ保持部71を第一支持部72に対してX方向に移動させる。第二支持部75は、第二駆動部77の駆動力によってX方向に移動する。
【0058】
第一駆動部76及び第二駆動部77は、制御部80Aによって制御される。第一駆動部76及び第二駆動部77は、ケーブル80Bを介して制御部80Aと接続されている。制御部80Aは、本体部73に取り付けられた筐体80に収容されている。また、第一駆動部76及び第二駆動部77は、図示しない外部電源に接続されたケーブル及びケーブル80Bを介して電力が供給される。
【0059】
ベース部74には、駆動輪74aが設けられている。駆動輪74aは、レールRを転動する。駆動輪74aは、第三駆動部78によって駆動され、レールRを走行する。すなわち、給糸パッケージ供給装置7は、第三駆動部78の駆動によって、Y方向に沿って移動する。第三駆動部78は、制御部80Aによって制御される。第三駆動部78は、図示しないケーブルを介して制御部78Aと接続されている。また、第三駆動部78は、図示しない外部電源に接続されたケーブル及びケーブル80Bを介して電力が供給される。
【0060】
認識機構79は、給糸パッケージPに取り付けられるキャップ11に固着されている識別部13としてのRFタグを認識する機構である。本実施形態の認識機構79は、RFタグに記憶された情報を読み出すことができるRFIDリーダである。認識機構79によって認識された情報は、制御部80Aによって取得される。認識機構79によって認識された情報は、例えばケーブル80Bを介して制御部80Aに取得される。認識機構79は、給糸パッケージ保持部材711,711に給糸パッケージPが挿入されたときに、識別部13を読み取るように構成されている。
【0061】
具体的には、給糸パッケージ保持部材711,711に給糸パッケージPが挿入されたときに、RFIDリーダが発する磁界がRFタグに作用することによってRFタグが起電する。これにより、RFタグは、RFタグに記憶されているペッグ特定情報を外部に送信するようになり、その情報をRFIDリーダが取得する。このようにRFIDリーダの出力する磁界の強さが適宜調整されることによって、給糸パッケージ保持部材711,711に挿入された給糸パッケージPに取り付けられたRFタグのみを読み出すように構成されている。すなわち、RFIDリーダは、意図しないペッグ特定情報を読み出すことがないように構成されている。
【0062】
制御部80Aは、第一駆動部76と、第二駆動部77と、第三駆動部78と、認識機構79と、を制御する。制御部80Aは、本体部73に取り付けられた筐体80に収容されている。制御部80Aは、第一駆動部76、第二駆動部77、第三駆動部78及び認識機構79と、上述したケーブル80B等を介して通信可能に接続されている。
【0063】
制御部80Aは、第一駆動部76、第二駆動部77及び第三駆動部78を制御して、給糸パッケージ供給装置7に、給糸パッケージ貯留装置6のパッケージ保持部61から給糸パッケージPを取り出させる。制御部80Aは、パッケージ保持部61からパッケージ保持部71が給糸パッケージPと取り出そうとしたときに、認識機構79が識別部13を認識しない場合、取り出そうとした給糸パッケージPを取り出すことを中止するように第一駆動部76及び第二駆動部77を制御する。言い換えれば、制御部80Aは、認識機構79が給糸パッケージ貯留装置6にある給糸パッケージPに保持されたペッグ特定情報を認識した場合にのみ、認識機構79によって認識されたペッグ特定情報を保持する給糸パッケージPを取り出すように、第一駆動部76及び第二駆動部77を制御する。
【0064】
制御部80Aは、認識機構79が認識したペッグ特定情報に基づいて特定されるペッグ25に、給糸パッケージ貯留装置6から取り出した給糸パッケージPを取り付けるように、第一駆動部76及び第二駆動部77を制御する。制御部80Aは、ペッグ特定情報に基づいて特定されたペッグ25がある位置に本体部73が移動するように第三駆動部78を制御する。このような制御部80Aの制御によって、認識機構79が認識したペッグ特定情報に基づいて特定されるペッグ25に、給糸パッケージ貯留装置6から取り出した給糸パッケージPを取り付ける。
【0065】
次に、上述の給糸パッケージ供給システム10を用いたクリールスタンド20への給糸パッケージ交換方法について、主に
図9(A)、
図9(B)、
図10(A)及び
図10(B)を用いて説明する。クリールスタンド20への給糸パッケージ交換方法は、クリールスタンド20に設けられているペッグ25と同じ数の上記キャップ11を準備し、当該キャップ11のそれぞれに、対応するペッグ25を特定する情報であるペッグ特定情報を予め保持させておく。キャップ11へペッグ特定情報を保持させる方法は、ペッグ特定情報を記録した識別部13をキャップ11に取り付けることによって行われる。
【0066】
ここで、ペッグ特定情報の例について説明する。ペッグ特定情報は、例えば
図9(A)に示されるように、列番号と段番号と左右記号との組み合わせによって構成することができる。列番号は、クリールスタンド20の延在方向における一方側から一対のペッグ25,25ごとに付与される番号であり、I,II,III,・・・といった番号が付与される。段番号は、同じ列番号の一対のペッグ25,25に対して、下から順番に1,2,3,・・・,Nといった番号が付与される。左右記号は、列番号と段番号とで特定される一対のペッグ25,25に対して、クリールスタンド20の作業側(
図3で示すF2側)から見たときの右側又は左側に基づいて、L,Rといった記号が付与される。このようにして、例えば、「I・2・L」、「II・1・R」といったペッグ特定情報を構成することができる。
【0067】
そして、本実施形態の給糸パッケージ交換方法は、下記に示す第一工程~第七工程を含んでいる。ここでは、クリールスタンド20の全てのペッグ25に給糸パッケージPが取り付けられると共に、全ての給糸パッケージPに対して、取り付けられたペッグ25に対応するペッグ特定情報が保持(付与)されたキャップ11が取り付けられた状態から仮撚加工システム1を稼働させたとして説明する。
【0068】
仮撚加工システム1の稼働開始後、例えば、
図9(A)に示されるように、ペッグ特定情報「I・2・L」、「II・1・R」に支持されていた二つの給糸パッケージPの糸Yがなくなったとする。作業者は、ペッグ特定情報「I・2・L」、「II・1・R」に支持されていた二つの給糸パッケージPの糸Yがなくなったことを目視にて確認し、「I・2・L」、「II・1・R」で特定されるペッグ25から糸Yが無くなった給糸パッケージP(すなわち給糸ボビンB)を取り外す。次に、作業者は、取り出した給糸ボビンBからキャップ11を取り外す。次に、作業者は、給糸パッケージ貯留装置6に貯留されている給糸パッケージPのうち、キャップ11が装着されていない給糸パッケージPにキャップ11を装着する(第一工程)。
【0069】
給糸パッケージ貯留装置6は、上述したように搬送ラック3から給糸パッケージPが受け渡されてから給糸パッケージPが給糸パッケージ供給装置7に取り出されるまで、一時的に保管している。作業者は、目視にてキャップ11が装着されていない給糸パッケージPを確認し、
図9(B)に示されるように、キャップ11が装着されていない給糸パッケージPの給糸ボビンBにキャップ11を取り付ける。なお、今回は、上記仮撚加工システム1の稼働開始後、最初に糸Yがなくなった給糸パッケージPのキャップ11を取り付ける例を示したので、給糸パッケージ貯留装置6にはキャップ11が装着された給糸パッケージPは存在しないが、時間の経過に伴って、給糸パッケージ供給装置7による取り出しを待っているキャップ11が装着された給糸パッケージPが存在することがある。
【0070】
次に、
図10(A)に示されるように、給糸パッケージ供給装置7が、第一工程においてキャップ11を装着した給糸パッケージPを給糸パッケージ貯留装置6から取り出す(第二工程)。なお、給糸パッケージPにおけるキャップ11の有無は、給糸パッケージ供給装置7のパッケージ保持部71が、給糸パッケージ貯留装置6のパッケージ保持部61に保持された給糸パッケージPを取り出そうと、給糸パッケージ保持部材711を給糸パッケージPの給糸ボビンBに挿入させたとき、認識機構79が識別部13を認識できるか否かによって判定される。なお、キャップ11の有無の確認段階では、認識機構79は、識別部13に記憶されたペッグ特定情報までを認識しなくてもよく、識別部13の有無を確認するだけでもよい。
【0071】
制御部78Aは、認識機構79によって識別部13が認識されたときに当該給糸パッケージPを取り出し、認識機構79によって識別部13が認識されなかったときは当該給糸パッケージPを取り出さないで、他のパッケージ保持部61に保持された給糸パッケージPを取り出すように給糸パッケージ供給装置7を制御する。第二工程では、給糸パッケージ供給装置7は、「I・2・L」、「II・1・R」のペッグ特定情報が記憶された識別部13が取り付けられた給糸パッケージPを給糸パッケージ貯留装置6から取り外す。
【0072】
次に、第二工程において給糸パッケージ供給装置7が取り出した給糸パッケージPに装着されているキャップ11に保持されているペッグ特定情報を認識機構79が認識する(第三工程)。より詳細には、認識機構79としてのRFIDリーダが、RFタグに記録されたペッグ特定情報を読み出す。次に、
図10(B)に示されるように、給糸パッケージ供給装置7が、第三工程において認識機構79が認識したペッグ特定情報に基づいて特定されたペッグ25の配置位置に移動し、給糸パッケージPを特定されたペッグ25に取り付ける(第四工程)。より詳細には、制御部78Aは、ペッグ特定情報に基づいて特定されるペッグ25の位置までY方向に移動するように第三駆動部78を駆動させ、次に上記ペッグ25の位置までZ方向及びX方向に移動するように第一駆動部76及び第二駆動部77を駆動させる。
【0073】
次に、作業者は、第四工程において給糸パッケージ供給装置7がペッグ25に取り付けた給糸パッケージPのうち、糸Yが無くなった給糸パッケージPの給糸ボビンBをペッグ25から取り外す(第五工程)。次に、作業者は、第五工程においてペッグ25から取り外された給糸ボビンBからキャップ11を取り外す(第六工程)。次に、作業者は、第六工程において取り外されたキャップ11を第一工程において装着するキャップ11として使用する(第七工程)。すなわち、作業者は、第六工程において取り外されたキャップ11を、給糸パッケージ貯留装置6に貯留されている給糸パッケージPのうち、キャップ11が装着されていない給糸パッケージPに装着する。
【0074】
次に上記実施形態の給糸パッケージ供給システム10を用いたクリールスタンド20への給糸パッケージ交換方法及び給糸パッケージ供給システム10における作用効果について説明する。
【0075】
上記実施形態では、第一工程から第七工程を繰り返すことにより、クリールスタンド20のペッグ25に支持された給糸パッケージPの糸Yが無くなった場合に、そのペッグ25から糸Yが無くなった給糸パッケージPを新たな給糸パッケージPに確実に交換することができる。更に、給糸パッケージPをクリールスタンド20まで運びペッグ25に装着する作業は、給糸パッケージ供給装置7が行うため、作業者の作業負担を軽減することができる。すなわち、作業者の作業負担を軽減することができ、かつ、クリールスタンド20のペッグ25に支持された給糸パッケージPの糸Yが無くなった場合に、そのペッグ25に対して糸Yが無くなった給糸パッケージPを新たな給糸パッケージPに確実に交換することができる。
【0076】
上記実施形態では、給糸パッケージ貯留装置6とクリールスタンド20との間に距離があったとしても、給糸パッケージPを給糸パッケージ貯留装置6からクリールスタンド20まで運び、クリールスタンド20のペッグ25に取り付ける作業は、給糸パッケージ供給装置7が行うため、作業者の作業負担をより一層軽減することができる。
【0077】
上記実施形態では、認識機構79は、給糸パッケージ供給装置7の本体部73に設けられており、制御部78Aは、認識機構79によって認識されたペッグ特定情報を保持する給糸パッケージPのみを取り出すように、第一駆動部76及び第二駆動部77を制御している。この構成によれば、給糸パッケージ供給装置7が給糸パッケージ貯留装置6からキャップ11が装着された給糸パッケージPのみを受け取ることができるので、取り出した給糸パッケージPを確実にクリールスタンド20のペッグ25に取り付けることができる。
【0078】
上記実施形態では、給糸ボビンBには、筒状に形成された給糸ボビンBの一方の開口部を覆うキャップ11が着脱自在に取り付けられており、ペッグ特定情報は、キャップ11に保持されている。これにより、給糸パッケージPに、ペッグ特定情報を容易に付与することができる。
【0079】
上記実施形態では、キャップ11には、ペッグ特定情報が記憶されたICタグが設けられており、認識機構79は、ICタグに記憶されたペッグ特定情報を読み出し可能なICタグリーダが適用されている。これにより、ペッグ特定情報をキャップ11に容易に保持させることができ、キャップ11に保持されたペッグ特定情報を認識機構79に容易に認識することができる。
【0080】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0081】
上記実施形態では、認識機構79によるペッグ特定情報の認識の有無によってキャップ11が取り付けられているか否かを判定している例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、キャップ11の有無は、給糸パッケージ貯留装置6又は給糸パッケージ供給装置7に別途設けられたセンサの検知又はカメラの画像等に基づいて判定されてもよい。また、給糸パッケージ供給装置7には、取り出し対象となるパッケージ保持部61の情報を入力する入力部を備えられており、作業者等によって入力部に入力された情報に基づいて、複数のパッケージ保持部61の中から給糸パッケージPを取り出してもよい。
【0082】
また、上記実施形態及び変形例では、認識機構79は、給糸パッケージ供給装置7に設けられている例を挙げて説明したが、給糸パッケージ貯留装置6に設けられてもよい。例えば、
図4に示されるように、認識機構69は、給糸パッケージ保持部材611のそれぞれに対応して設けられると共に、対応する給糸パッケージ保持部材611に取り付けられた給糸パッケージPのみを認識可能に設けられてもよい。この構成であっても、給糸パッケージ供給装置7は、キャップ11が装着された給糸パッケージPのみを給糸パッケージ貯留装置6から取り出すことができる。これにより、取り出した給糸パッケージPを確実にクリールスタンド20のペッグ25に取り付けることができる。
【0083】
上記実施形態及び変形例では、識別部13の例としてRFタグを例に挙げ、認識機構79(69)の例として無線通信によってRFタグに記憶された情報を読み出すことができるRFIDリーダを例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、識別部13の例として、一元コード、二次元コード、記号、模様、色、色彩又はこれらの組み合わせが表示されたものを使用すると共に、認識機構79(69)の例としてカメラ等を使用してもよい。この場合であっても、認識機構79(69)は、識別部13の表示に基づいて、対応するペッグ25を特定することができる。
【0084】
上記実施形態及び変形例では、識別部13が取り付けられたキャップ11を給糸パッケージPに取り付ける例を挙げて説明したが、識別部13を給糸パッケージPの給糸ボビンBに直接取り付けてもよい。また、上述したような識別部13に加えて、人が認識できる表示方法のペッグ特定情報をキャップ11又は給糸パッケージPに付与されてもよい。
【0085】
上記実施形態及び変形例では、給糸パッケージ供給装置7は、給糸パッケージPを取り付けるのみで、空の給糸パッケージP(すなわち給糸ボビンB)を取り外す機能は有していない例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、給糸パッケージ供給装置7は、給糸パッケージ貯留装置6からクリールスタンド20の所定のペッグ25にまで搬送すると共にペッグ25に給糸パッケージPを取り付ける供給機能と、クリールスタンド20のペッグ25から空の給糸パッケージP(すなわち給糸ボビンB)を取り外し、例えば給糸パッケージ貯留装置6にまで搬送する回収機能と、を有していてもよい。
【0086】
上記実施形態及び変形例では、給糸パッケージ供給装置7は、クリールスタンド20の延在方向(Y方向)に沿って水平方向に移動可能な構成を例に挙げて説明したが、例えば、上下方向にのみパッケージ保持部71が移動可能に構成されていてもよいし、例えばアーム部の先端にパッケージ保持部71が取り付けられており、給糸パッケージ供給装置7の本体部73及びベース部74が水平方向に移動しなくてもパッケージ保持部71がX方向、Y方向及びZ方向に移動可能に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…仮撚加工システム、2…仮撚加工機、6…給糸パッケージ貯留装置(貯留部)、7…給糸パッケージ供給装置、10…給糸パッケージ供給システム、11…キャップ(ボビン装着部材)、13…識別部、20…クリールスタンド、25…ペッグ(支持部)、61…パッケージ保持部(貯留支持部)、69…認識機構、71…パッケージ保持部、76…第一駆動部、77…第二駆動部、78…第三駆動部、79…認識機構、80A…制御部(制御装置)、B…給糸ボビン(ボビン)、P…給糸パッケージ。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
このようなクリールスタンドでは、対に設けられた給糸パッケージから糸が連続的に解舒されており、一方の給糸パッケージの糸が無くなった場合には、糸が無くなったボビン(空ボビン)を支持部から取り出し、その支持部に新たな給糸パッケージを供給する必要がある。このような新しい給糸パッケージの供給は、給糸パッケージを複数貯留している貯留部から作業者が給糸パッケージをクリールスタンドまで運び、ボビンが取り出された支持部に給糸パッケージを取り付けることになるが、給糸パッケージの重量は重たく、作業者の作業負担が大きいという課題がある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明の一側面に係るクリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法は、合成繊維からなる糸がボビンに巻回された給糸パッケージを複数貯留する貯留部と、給糸パッケージの糸を解舒可能に支持する支持部を複数有するクリールスタンドと、貯留部から給糸パッケージを取り出し、クリールスタンドの支持部に給糸パッケージを取り付ける給糸パッケージ供給装置と、複数の支持部のそれぞれに対応して設けられると共にボビンに対して着脱可能なボビン装着部材であって、対応する支持部を特定することができる支持部特定情報を保持するボビン装着部材と、給糸パッケージに保持された支持部特定情報を認識する認識機構と、を備える給糸パッケージ供給システムを用いた、クリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法であって、貯留部に貯留されている給糸パッケージのうちボビン装着部材が装着されていない給糸パッケージにボビン装着部材を装着する第一工程と、第一工程においてボビン装着部材を装着した給糸パッケージを、給糸パッケージ供給装置が、貯留部から取り出す第二工程と、第二工程において給糸パッケージ供給装置が取り出した給糸パッケージに装着されているボビン装着部材に保持されている支持部特定情報を認識機構が認識する第三工程と、第三工程において認識機構が認識した支持部特定情報に基づいて特定された支持部に給糸パッケージ供給装置が給糸パッケージを取り付ける第四工程と、第四工程において給糸パッケージ供給装置が支持部に取り付けた給糸パッケージのうち、糸が無くなった給糸パッケージのボビンを支持部から取り出す第五工程と、第五工程において支持部から取り出されたボビンからボビン装着部材を取り外す第六工程と、第六工程において取り外されたボビン装着部材を第一工程において装着するボビン装着部材として使用する第七工程と、を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
この方法では、第一工程から第七工程を繰り返すことにより、クリールスタンドの支持部に支持された給糸パッケージの糸が無くなった場合に、その支持部から糸が無くなった給糸パッケージを新たな給糸パッケージに確実に交換することができる。更に、給糸パッケージをクリールスタンドまで運び支持部に取り付ける作業は、給糸パッケージ供給装置が行うため、作業者の作業負担を軽減することができる。すなわち、作業者の作業負担を軽減することができ、かつ、クリールスタンドの支持部に支持された給糸パッケージの糸が無くなった場合に、その支持部に対して糸が無くなった給糸パッケージを新たな給糸パッケージに確実に交換することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
この構成によれば、給糸パッケージの糸が無くなったクリールスタンドの支持部に対して新たな給糸パッケージを取り付けることができる。更に、この構成によれば、給糸パッケージをクリールスタンドの支持部に取り付ける作業は、給糸パッケージ供給装置が行うため、作業者の作業負担を軽減することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明の一側面に係る給糸パッケージ供給システムでは、ボビンには、筒状に形成されたボビンの一方の開口部を覆うボビン装着部材が着脱自在に装着されており、支持部特定情報は、ボビン装着部材に保持されていてもよい。この構成によれば、給糸パッケージに、支持部特定情報を容易に着脱自在に取り付けることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
この構成によれば、クリールスタンドの支持部に支持された給糸パッケージの糸が無くなった支持部に対して新たな給糸パッケージを確実に取り付けることができる。更に、この構成によれば、給糸パッケージをクリールスタンドまで運び支持部に取り付ける作業は、給糸パッケージ供給装置が行うため、作業者の作業負担を軽減することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
本発明の一側面に係る給糸パッケージ供給装置では、ボビンには、筒状に形成されたボビンの一方の開口部を覆うボビン装着部材が着脱自在に装着されており、支持部特定情報は、ボビン装着部材に保持されてもよい。この構成によれば、給糸パッケージに、支持部特定情報を容易に着脱自在に取り付けることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
給糸パッケージ支持部材251と、ペッグ本体部252と、を有するペッグ25の構成では、作業者の手作業によってペッグ25を回動させることができる。例えば、作業者は、給糸パッケージPにおいて糸Yが無くなった給糸ボビンBを取り
出したり、新たな給糸パッケージPを取り付けたりする場合には、給糸パッケージ支持部材251の先端が
図3に示されるF2側を向くようにペッグ25を回動させ、仮撚加工機2に糸Yを供給するときは、給糸パッケージ支持部材251の先端が
図3に示されるF1側を向くようにペッグ25を回動させる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
図1及び
図4に示される給糸パッケージ貯留装置6は、搬送ラック3から受け渡された給糸パッケージPを一時的に保管すると共に、後段にて詳述する給糸パッケージ供給装置7に給糸パッケージPを供給する。また、給糸パッケージ貯留装置6は、一時的に貯留されている給糸パッケージPに対して、作業者がキャップ(ボビン装着部材)11を
装着するための作業台として用いられる。給糸パッケージ貯留装置6は、搬送ラック3と給糸パッケージ供給装置7との間で給糸パッケージPを受け渡し可能な位置に設置されている。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
ここで、給糸パッケージPについて詳細に説明する。給糸パッケージPは、
図2に示されるように、給糸ボビンBに半延伸糸(POY)が巻回されることによって形成されている。給糸ボビンBは、紙等の材料から形成される筒状部材である。給糸ボビンBの端部には、キャップ11が
装着される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
次に、給糸パッケージPに
装着されるキャップ11について説明する。
図2、
図5(A)及び
図5(B)に示されるように、キャップ11は、給糸ボビンBの端部の開口部に着脱可能に設けられる部材である。キャップ11は、樹脂等の材料によって形成されている。キャップ11は、リング状の鍔部11aと、鍔部11aの内側縁部から立設する円筒状の筒部11bと、を主に有する。キャップ11は、筒部11bの内周面が給糸ボビンBの外周面に接触するように外挿されることによって、給糸ボビンBに
装着される。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
そして、本実施形態の給糸パッケージ交換方法は、下記に示す第一工程~第七工程を含んでいる。ここでは、クリールスタンド20の全てのペッグ25に給糸パッケージPが取り付けられると共に、全ての給糸パッケージPに対して、取り付けられたペッグ25に対応するペッグ特定情報が保持(付与)されたキャップ11が装着された状態から仮撚加工システム1を稼働させたとして説明する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0068】
仮撚加工システム1の稼働開始後、例えば、
図9(A)に示されるように、ペッグ特定情報「I・2・L」、「II・1・R」に支持されていた二つの給糸パッケージPの糸Yがなくなったとする。作業者は、ペッグ特定情報「I・2・L」、「II・1・R」に支持されていた二つの給糸パッケージPの糸Yがなくなったことを目視にて確認し、「I・2・L」、「II・1・R」で特定されるペッグ25から糸Yが無くなった給糸パッケージP(すなわち給糸ボビンB)を取り
出す。次に、作業者は、取り出した給糸ボビンBからキャップ11を取り外す。次に、作業者は、給糸パッケージ貯留装置6に貯留されている給糸パッケージPのうち、キャップ11が装着されていない給糸パッケージPにキャップ11を装着する(第一工程)。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
給糸パッケージ貯留装置6は、上述したように搬送ラック3から給糸パッケージPが受け渡されてから給糸パッケージPが給糸パッケージ供給装置7に取り出されるまで、一時的に保管している。作業者は、目視にてキャップ11が装着されていない給糸パッケージPを確認し、
図9(B)に示されるように、キャップ11が装着されていない給糸パッケージPの給糸ボビンBにキャップ11を
装着する。なお、今回は、上記仮撚加工システム1の稼働開始後、最初に糸Yがなくなった給糸パッケージPのキャップ11を
装着する例を示したので、給糸パッケージ貯留装置6にはキャップ11が装着された給糸パッケージPは存在しないが、時間の経過に伴って、給糸パッケージ供給装置7による取り出しを待っているキャップ11が装着された給糸パッケージPが存在することがある。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
制御部78Aは、認識機構79によって識別部13が認識されたときに当該給糸パッケージPを取り出し、認識機構79によって識別部13が認識されなかったときは当該給糸パッケージPを取り出さないで、他のパッケージ保持部61に保持された給糸パッケージPを取り出すように給糸パッケージ供給装置7を制御する。第二工程では、給糸パッケージ供給装置7は、「I・2・L」、「II・1・R」のペッグ特定情報が記憶された識別部13が取り付けられた給糸パッケージPを給糸パッケージ貯留装置6から取り出す。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
次に、作業者は、第四工程において給糸パッケージ供給装置7がペッグ25に取り付けた給糸パッケージPのうち、糸Yが無くなった給糸パッケージPの給糸ボビンBをペッグ25から取り出す(第五工程)。次に、作業者は、第五工程においてペッグ25から取り出された給糸ボビンBからキャップ11を取り外す(第六工程)。次に、作業者は、第六工程において取り外されたキャップ11を第一工程において装着するキャップ11として使用する(第七工程)。すなわち、作業者は、第六工程において取り外されたキャップ11を、給糸パッケージ貯留装置6に貯留されている給糸パッケージPのうち、キャップ11が装着されていない給糸パッケージPに装着する。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
上記実施形態では、第一工程から第七工程を繰り返すことにより、クリールスタンド20のペッグ25に支持された給糸パッケージPの糸Yが無くなった場合に、そのペッグ25から糸Yが無くなった給糸パッケージPを新たな給糸パッケージPに確実に交換することができる。更に、給糸パッケージPをクリールスタンド20まで運びペッグ25に取り付ける作業は、給糸パッケージ供給装置7が行うため、作業者の作業負担を軽減することができる。すなわち、作業者の作業負担を軽減することができ、かつ、クリールスタンド20のペッグ25に支持された給糸パッケージPの糸Yが無くなった場合に、そのペッグ25に対して糸Yが無くなった給糸パッケージPを新たな給糸パッケージPに確実に交換することができる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
上記実施形態では、給糸ボビンBには、筒状に形成された給糸ボビンBの一方の開口部を覆うキャップ11が着脱自在に装着されており、ペッグ特定情報は、キャップ11に保持されている。これにより、給糸パッケージPに、ペッグ特定情報を容易に付与することができる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
上記実施形態では、認識機構79によるペッグ特定情報の認識の有無によってキャップ11が装着されているか否かを判定している例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、キャップ11の有無は、給糸パッケージ貯留装置6又は給糸パッケージ供給装置7に別途設けられたセンサの検知又はカメラの画像等に基づいて判定されてもよい。また、給糸パッケージ供給装置7には、取り出し対象となるパッケージ保持部61の情報を入力する入力部を備えられており、作業者等によって入力部に入力された情報に基づいて、複数のパッケージ保持部61の中から給糸パッケージPを取り出してもよい。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
上記実施形態及び変形例では、給糸パッケージ供給装置7は、給糸パッケージPを取り付けるのみで、空の給糸パッケージP(すなわち給糸ボビンB)を取り出す機能は有していない例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、給糸パッケージ供給装置7は、給糸パッケージ貯留装置6からクリールスタンド20の所定のペッグ25にまで搬送すると共にペッグ25に給糸パッケージPを取り付ける供給機能と、クリールスタンド20のペッグ25から空の給糸パッケージP(すなわち給糸ボビンB)を取り出し、例えば給糸パッケージ貯留装置6にまで搬送する回収機能と、を有していてもよい。
【手続補正21】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
合成繊維からなる糸がボビンに巻回された給糸パッケージを複数貯留する貯留部と、
前記給糸パッケージの前記糸を解舒可能に支持する支持部を複数有するクリールスタンドと、
前記貯留部から前記給糸パッケージを取り出し、前記クリールスタンドの前記支持部に前記給糸パッケージを取り付ける給糸パッケージ供給装置と、
複数の前記支持部のそれぞれに対応して設けられると共に前記ボビンに対して着脱可能なボビン装着部材であって、対応する前記支持部を特定することができる支持部特定情報を保持する前記ボビン装着部材と、
前記給糸パッケージに保持された前記支持部特定情報を認識する認識機構と、を備える給糸パッケージ供給システムを用いた、クリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法であって、
前記貯留部に貯留されている前記給糸パッケージのうち前記ボビン装着部材が装着されていない前記給糸パッケージに前記ボビン装着部材を装着する第一工程と、
前記第一工程において前記ボビン装着部材を装着した前記給糸パッケージを、前記給糸パッケージ供給装置が、前記貯留部から取り出す第二工程と、
前記第二工程において前記給糸パッケージ供給装置が取り出した前記給糸パッケージに装着されている前記ボビン装着部材に保持されている前記支持部特定情報を前記認識機構が認識する第三工程と、
前記第三工程において前記認識機構が認識した前記支持部特定情報に基づいて特定された前記支持部に前記給糸パッケージ供給装置が前記給糸パッケージを取り付ける第四工程と、
前記第四工程において前記給糸パッケージ供給装置が前記支持部に取り付けた前記給糸パッケージのうち、前記糸が無くなった前記給糸パッケージの前記ボビンを前記支持部から取り出す第五工程と、
前記第五工程において前記支持部から取り出された前記ボビンから前記ボビン装着部材を取り外す第六工程と、
前記第六工程において取り外された前記ボビン装着部材を前記第一工程において装着する前記ボビン装着部材として使用する第七工程と、を含む、クリールスタンドへの給糸パッケージ交換方法。
【手続補正22】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項7】
前記ボビンには、筒状に形成された前記ボビンの一方の開口部を覆うボビン装着部材が着脱自在に装着されており、
前記支持部特定情報は、前記ボビン装着部材に保持されている、請求項3~6の何れか一項記載の給糸パッケージ供給システム。