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特開2023-157315印刷データ生成装置、印刷方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157315
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】印刷データ生成装置、印刷方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20231019BHJP
   B41J 2/21 20060101ALI20231019BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
G06F3/12 305
G06F3/12 355
G06F3/12 357
B41J2/21
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067137
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上林 和雅
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA11
2C056EC26
(57)【要約】
【課題】複数層の画像を重ねて印刷する場合のユーザーによる印刷設定の作業を容易にすること。
【解決手段】
複数層の画像を重ねて印刷する印刷データを生成する印刷データ生成装置であって、前記複数層の層毎の印刷設定を行う為の設定ウィンドウを画面に表示する設定ウィンドウ表示部と、前記設定ウィンドウにて設定された前記層毎の印刷設定を記憶する記憶部と、前記重ねて印刷する前記層毎の画像データを受け付ける画像データ受付部と、前記画像データ受付部が受け付けた前記層毎の画像データ、及び、前記記憶部に記憶された前記層毎の印刷設定に基づいて、印刷データを生成する印刷データ生成部と、を有することを特徴とする印刷データ生成装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数層の画像を重ねて印刷する印刷データを生成する印刷データ生成装置であって、
前記複数層の層毎の印刷設定を行う為の設定ウィンドウを画面に表示する設定ウィンドウ表示部と、
前記設定ウィンドウにて設定された前記層毎の印刷設定を記憶する記憶部と、
前記重ねて印刷する前記層毎の画像データを受け付ける画像データ受付部と、
前記画像データ受付部が受け付けた前記層毎の画像データ、及び、前記記憶部に記憶された前記層毎の印刷設定に基づいて、印刷データを生成する印刷データ生成部と、
を有することを特徴とする印刷データ生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷データ生成装置であって、
前記印刷データ生成部は、前記記憶部に記憶された複数種類の前記層毎の印刷設定の中から、ユーザーによって選択された前記層毎の印刷設定に基づいて印刷データを生成することを特徴とする印刷データ生成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の印刷データ生成装置であって、
前記画像データ受付部が受け付けた前記画像データの層数と同じ層数についての、前記層毎の印刷設定を選別し、選別した前記層毎の印刷設定を前記画面に表示する層数選別表示部を有することを特徴とする印刷データ生成装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の印刷データ生成装置であって、
前記印刷データの送信先となる印刷装置にて実行可能な前記層毎の印刷設定を選別し、選別した前記層毎の印刷設定を前記画面に表示する印刷装置選別表示部を有することを特徴とする印刷データ生成装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の印刷データ生成装置であって、
前記層毎の画像データの中に、前記層毎の印刷設定に対応しない前記画像データが含まれている場合に、その旨を警告するウィンドウを前記画面に表示する警告表示部を有することを特徴とする印刷データ生成装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の印刷データ生成装置であって、
前記記憶部に記憶された前記層毎の印刷設定の変更を受け付ける変更受付部を有し、
前記記憶部は、前記変更受付部が受け付けた前記層毎の印刷設定に記憶し直すことを特徴とする印刷データ生成装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の印刷データ生成装置であって、
前記設定ウィンドウ表示部は、前記設定ウィンドウにおいて、前記層毎の印刷設定に対応する層毎の画像のイメージ図を表示することを特徴とする印刷データ生成装置。
【請求項8】
複数層の画像を重ねて印刷する印刷方法であって、
設定ウィンドウ表示部が、前記複数層の層毎の印刷設定を行う為の設定ウィンドウを画面に表示する工程と、
記憶部が、前記設定ウィンドウにて設定された前記層毎の印刷設定を記憶する工程と、
画像データ受付部が、前記重ねて印刷する前記層毎の画像データを受け付ける工程と、
印刷データ生成部が、前記画像データ受付部が受け付けた前記層毎の画像データ、及び、前記記憶部に記憶された前記層毎の印刷設定に基づいて、印刷データを生成する工程と、
印刷装置が、前記印刷データに基づいて、記録媒体に複数層の画像を重ねて印刷する工程と、
を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項9】
印刷システムに、複数層の画像を重ねて印刷させるためのプログラムであって、
設定ウィンドウ表示部が、前記複数層の層毎の印刷設定を行う為の設定ウィンドウを画面に表示する工程と、
記憶部が、前記設定ウィンドウにて設定された前記層毎の印刷設定を記憶する工程と、
画像データ受付部が、前記重ねて印刷する前記層毎の画像データを受け付ける工程と、
印刷データ生成部が、前記画像データ受付部が受け付けた前記層毎の画像データ、及び、前記記憶部に記憶された前記層毎の印刷設定に基づいて、印刷データを生成する工程と、
印刷装置が、前記印刷データに基づいて、記録媒体に複数層の画像を重ねて印刷する工程と、
を印刷システムに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データ生成装置、印刷方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シートの一面側の熱膨張層上に第1の印刷画像を形成し、シートの他面側に、光の照射により熱エネルギーを発生して熱膨張層を膨張させる第2の印刷画像を形成する立体画像形成方法が開示されている。このようにシートの両面に印刷画像を形成したり、或いは、シートの片面に複数の印刷画像を重ねて形成したりと、複数層の画像を重ねて印刷する印刷方法が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-136171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、熱膨張層の膨張による第1の印刷画像の濃度変化を加味して、第1の印刷画像の濃度を設定することが開示されている。しかし、第1の印刷画像を印刷するためには、上記以外にも、品質や各色の強さ、画像の明暗等、複数の項目の印刷設定を行わなければならない。さらに複数層の画像を重ねて印刷する場合には、層毎に複数の項目の印刷設定を行わなければならず、ユーザーの作業は煩雑なものである。
【0005】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、複数層の画像を重ねて印刷する場合のユーザーによる印刷設定の作業を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、複数層の画像を重ねて印刷する印刷データを生成する印刷データ生成装置であって、前記複数層の層毎の印刷設定を行う為の設定ウィンドウを画面に表示する設定ウィンドウ表示部と、前記設定ウィンドウにて設定された前記層毎の印刷設定を記憶する記憶部と、前記重ねて印刷する前記層毎の画像データを受け付ける画像データ受付部と、前記画像データ受付部が受け付けた前記層毎の画像データ、及び、前記記憶部に記憶された前記層毎の印刷設定に基づいて、印刷データを生成する印刷データ生成部と、を有することを特徴とする印刷データ生成装置である。
【0007】
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数層の画像を重ねて印刷する場合のユーザーによる印刷設定の作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】印刷システム1のブロック図である。
図2図2Aは印刷装置2の概略斜視図であり、図2Bは印刷装置2による印刷方法を説明する模式図である。
図3】多層印刷の説明図である。
図4】多層印刷用の印刷データの生成方法を示すフローである。
図5】プリセット設定ウィンドウ40の一例を示す図である。
図6図6A及び図6Bは、印刷設定ウィンドウ50,51の一例を示す図である。
図7】印刷装置2のジョブリストを表示するジョブリストウィンドウ60の一例を示す図である。
図8】記憶部17に記憶されたプリセット設定の一例を示す図である。
図9図9は、変更するプリセット設定を選択する変更リストウィンドウ70の一例を示す図である。
図10】適用可能なプリセット設定の一覧を表示する設定リストウィンドウ80の一例を示す図である。
図11】警告を表示する警告ウィンドウ90の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
===印刷システム1の構成===
図1は、印刷システム1のブロック図である。
印刷システム1は、印刷装置2と、コンピューター10を有し、印刷装置2とコンピューター10は互いに通信可能に接続されている。印刷装置2は、記録媒体Mにインクを用いて画像を印刷する装置である。記録媒体Mとしては、ポリ塩化ビニル、布、紙、透明な樹脂シート、金属シート等、様々な材料で構成されたシートを例示できる。コンピューター10としては、パーソナルコンピューター、タブレット端末、スマートフォン等を例示できる。
【0011】
コンピューター10は、アプリケーション11と、キーボードやマウス等の入力装置12と、入力装置12からのデータを受け付ける受付部13と、画面を有する表示装置14と、画面への表示を処理する表示部15と、印刷データを生成する印刷データ生成部16と、記憶部17と、通信部18を有する。入力装置12は、表示装置14が有するタッチパネルであってもよい。
【0012】
アプリケーション11は、印刷装置2で印刷する画像の画像データを作成するソフトである。アプリケーション11としては、文書作成アプリケーション、表計算アプリケーション、画像編集アプリケーション等が挙げられる。
【0013】
印刷データ生成部16は、アプリケーション11で作成された画像データに基づいて、印刷装置2が印刷可能(解読可能)な印刷データを生成する。生成された印刷データは、通信部18によって印刷装置2に送信される。印刷装置2は、受信した印刷データに基づいて記録媒体Mに画像を印刷する。
【0014】
===印刷装置2と多層印刷について===
図2Aは、印刷装置2の概略斜視図であり、図2Bは、印刷装置2による印刷方法を説明する模式図である。図3は、多層印刷の説明図である。印刷装置2として、フラットヘッド型の印刷装置を例示する。印刷装置2は、筐体21と、ステージ22と、インクを吐出するヘッド23と、光照射部24を有する。図2Aは、筐体21のフロントカバー25が空けられた状態を示し、筐体21の内部に、ステージ22やヘッド23等が収容されている。
【0015】
ステージ22は、記録媒体Mを支持する部材であり、ステージ22はX方向に移動可能である。ステージ22は、ヘッド23と対向する平坦な面を有し、その平坦な面上に記録媒体Mがセットされる。また、ステージ22はZ方向に移動可能であってもよく、これにより、ヘッド23と記録媒体Mとの距離を調整できる。
【0016】
ヘッド23は、Y方向に延びるレール26に沿って移動しながら、記録媒体Mに向けてインクを吐出する。本実施形態の印刷装置2では、光を照射すると硬化する光硬化性インク(例えば紫外線の照射により硬化するUVインク)がヘッド23から吐出される。そのため、Y方向にヘッド23と並んで、光照射部24が設けられている。光照射部24は、ヘッド23と共にY方向に移動しながら、記録媒体M上に着弾したインクに光を照射し、インクを硬化する。なお、図2Bでは、Y方向におけるヘッド23の両側に光照射部24が設けられているが、ヘッド23の片側にだけ光照射部24が設けられていてもよい。
【0017】
つまり、印刷装置2では、Y方向に移動しながらのヘッド23のインク吐出動作と、ステージ22による記録媒体MのX方向への搬送動作によって、記録媒体Mに画像が印刷される。
【0018】
また、印刷装置2では、複数層の画像を重ねて印刷する印刷方法、所謂「多層印刷」が行われる。例えば、文字や写真や絵等の画像層が記録媒体Mに密着するように、画像層の下にプライマーインクによる下地層を設ける2層印刷がある。その他、画像層の発色を高めるために、白インクによる下地層を設ける2層印刷や、画像層に光沢感を出すために、透明なグロスインクによるコーティング層を画像層上に設ける2層印刷等がある。
【0019】
図3では、透明な記録媒体Mの上に、星の絵の画像層31を設け、その上に白インクによる下地層32を設け、その上に花の絵の画像層33を設け、その上にコーティング層34を設けた4層印刷を例示する。この印刷物では、記録媒体Mを介して星の絵の画像層31が視認可能となる。また、白の下地層32によって、反対側の画像層31,33同士が透けて視認され難くなる。また、図示しないが、白の下地層32を2つ設け、その間に黒の下地層を設けることで、反対側の画像の透けをより抑制できる。
【0020】
多層印刷の印刷方法としては、記録媒体Mに下層画像の印刷が完了した後、ヘッド23に対するステージ22の位置を原点に戻し、下層画像の上に、上層の画像を重ねて印刷する方法が挙げられる。フラットヘッド型の印刷装置に限らず、記録媒体Mを下層画像の印刷開始位置に戻すことが可能な印刷装置であれば、上記の印刷方法を実行できる。例えば、ロール・トゥ・ロール型の印刷装置であっても、繰り出し方向だけでなく逆方向にも記録媒体Mを搬送可能であれば、上記の印刷方法を実行できる。
【0021】
また、上記以外の印刷方法として、ヘッド23を分割して印刷する方法が挙げられる。図示しないが、ヘッド23の下面には、インクを吐出する複数のノズルがX方向に並んだノズル列が形成されている。そこで、積層する層数に合わせてノズル列を分割し、先に記録媒体Mと対向するノズル部分で下層画像を印刷し、後に記録媒体Mと対向する部分で上層画像を印刷するとよい。例えば、図2Bに示すように、ヘッド23に対してステージ22がX方向の奥側から手前側に移動するとし、3層の画像を重ねて印刷する場合、X方向の奥側の1/3のノズルで下層画像を印刷し、中央の1/3のノズルで中間層の画像を印刷し、手前側の1/3のノズルで上層画像を印刷するとよい。
【0022】
以上、印刷装置2と多層印刷について説明したが、上記の印刷装置2は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、印刷装置2は、上記のようなインクジェットプリンターではなく、レーザープリンター等であってもよい。また、光硬化性インクにて印刷される画像は滲み難く多層印刷に適しているが、印刷装置2が使用するインクは溶剤インク等であってもよい。また、記録媒体Mの片面に複数層の画像を重ねる多層印刷に限らず、記録媒体Mの両面に画像を印刷することで、複数層の画像を重ねる多層印刷であってもよい。
【0023】
===多層印刷用の印刷データの生成方法について===
図4は、多層印刷用の印刷データの生成方法を示すフローである。図5は、プリセット設定ウィンドウ40の一例を示す図である。図6A及び図6Bは、印刷設定ウィンドウ50,51の一例を示す図である。図7は、印刷装置2のジョブリストを表示するジョブリストウィンドウ60の一例を示す図である。図8は、記憶部17に記憶されたプリセット設定の一例を示す図である。図9は、変更するプリセット設定を選択する変更リストウィンドウ70の一例を示す図である。
【0024】
一般的に、多層印刷では、下地層、画像層、コーティング層等の組み合わせによって、2層から7層位まで画像が重ねて印刷される。多層印刷用の印刷データをコンピューター10に生成させる際に、ユーザーは、図6A図6Bに示すような複数の項目の印刷設定を層毎に行う必要がある。例えば、第1画像と第2画像を重ねて印刷する2層印刷を行う場合、第1画像について複数の項目の印刷設定を行い、第2画像についても複数の項目の印刷設定を行う。
【0025】
一方で、同じ仕様の多層印刷を繰り返し実行することがある。同じ仕様の多層印刷とは、積層する画像数が同じであり、画像の種類の組み合わせ方(例えば画像層+白の下地層等)が同じであり、各層に設定する印刷設定が同じ印刷のことである。
【0026】
そこで、本実施形態のコンピューター10では、多層印刷における層毎の印刷設定を、その多層印刷の「プリセット設定」として記憶部17が記憶する。そして、印刷データ生成部16は、記憶部17に記憶されたプリセット設定に基づいて印刷データを生成する。
【0027】
<<多層印刷用のプリセット設定>>
まず、多層印刷用のプリセット設定を作成する方法について説明する。ユーザーは、図7に示すように、コンピューター10に接続されている印刷装置のアイコン61の中から、プリセット設定を行う印刷装置(例えばb機)を選択し、多層印刷に関するメニュー62を開く。メニュー62の中の「新規プリセット設定」がユーザーによって選択されたことを受付部13が受け付けると、表示部15の中の設定ウィンドウ表示部151は、プリセット設定を行う為のプリセット設定ウィンドウ40(図5)を画面に表示する(S01)。
【0028】
図5に例示するプリセット設定ウィンドウ40は、プリセット設定の名称を入力する名称入力ボックス41と、積層する画像の一覧を示すリストボックス42と、印刷層イメージ図43を有する。
【0029】
ユーザーは、設定するプリセット設定の名称、すなわち多層印刷の名称(例えば「M社様向け6層印刷」)を、名称入力ボックス41に入力する。また、ユーザーは、リストボックス42において積層する画像数の設定を行う。例えば、6層印刷のプリセット設定を行う場合、追加ボタン44や削除ボタン45を用いて、1層目から6層目までの印刷層をリストボックス42に表示させる。例えば、記録媒体Mに対して上側から順に1層目、2層目…と画像に名前が割り振る。
【0030】
そして、ユーザーは、リストボックス42の中のある層を選択し、メニュー46を開くことで、選択した層についての具体的な印刷設定を行う。例えば、メニュー46の中の「色の調整(レベル補正)」がユーザーによって選択されたことを受付部13が受け付けると、設定ウィンドウ表示部151は、色に関する印刷設定ウィンドウ50(図6A)を画面に表示する。この印刷設定ウィンドウ50において、ユーザーは、選択した層で印刷したい画像の色味(どのインクの色を強くするか)や、明るさ、コントラスト比等を調整できる。
【0031】
また、メニュー46の中の「品質設定」がユーザーによって選択されたことを受付部13が受け付けると、設定ウィンドウ表示部151は、品質に関する印刷設定ウィンドウ51(図6B)を画面に表示する。この印刷設定ウィンドウ51において、ユーザーは、選択した層で印刷したい品質(高品質か標準か高速か)、解像度、使用するインクの色、印刷方法(パス数や、双方向印刷か単方向印刷か)等を調整できる。
【0032】
ユーザーは、選択した層の印刷設定が完了したら、プリセット設定ウィンドウ40に戻り、リストボックス42の別の層を選択し、別の層の印刷設定についても同様に行う。なお、印刷設定の項目として、色の調整に関する印刷設定(図6A)と、品質に関する印刷設定(図6B)を例示したが、印刷設定の項目はこれらに限定されるものではない。
【0033】
また、プリセット設定ウィンドウ40には、印刷層イメージ図43が表示される。印刷層イメージ図43は、層毎の画像イメージ図431~436が積層された図である。設定ウィンドウ表示部151は、リストボックス42に設定された層の数と同じ数の画像イメージ図(ここでは6個の画像イメージ図431~436)を表示する。設定ウィンドウ表示部151は、リストボックス42に設定される層の数が変更されると、それに連動して、画像イメージ図431~436の数も変更して表示する。
【0034】
さらに、画像イメージ図431~436は、対応する層の印刷設定(画像の種類)をユーザーに視覚的にイメージさせる図となっている。設定ウィンドウ表示部151は、ある層の印刷設定(画像の種類)が変更されると、それに連動して、その層に対応する画像イメージ図431~436も変更して表示する。
【0035】
具体的には、図5に示すように、1層目に対して透明なコーティング層に対応する印刷設定がなされた場合(グロスインクの使用が設定された場合等)には、1層目の画像イメージ図431として、グレー一色の画像を例示できる。
また、2層目と6層目に対して一般の画像層(写真や絵や文字等の画像)に対応する印刷設定がなされた場合(複数色のインクの使用が設定された場合や、写真モード,文書モードが設定された場合等)には、2層目と6層目の画像イメージ図432,436として、グラデーション画像を例示できる。その他、画像層の一例となる花や人等の絵の画像や写真の画像を、画像イメージ図432,436としてもよい。
また、3層目と5層目に対して白の下地層に対応する印刷設定がなされた場合(白インクのみの使用が設定された場合等)には、3層目と5層目の画像イメージ図433,435として、白一色の画像を例示できる。
また、4層目に対して黒の下地層に対応する印刷設定がなされた場合(黒インクのみの使用が設定された場合等)には、4層目の画像イメージ図434として、黒一色の画像を例示できる。
【0036】
そして、ユーザーがリストボックス42に表示される各層の印刷設定を完了し、OKボタン47を選択することで、プリセット設定は完了する。ユーザーがOKボタン47を選択したことを受付部13が受け付けると、記憶部17は、図8に示すように、プリセット設定の名称(例えばM社様向け6層印刷)と、そのプリセット設定が適用される印刷装置2(例えばb機)と、層毎の印刷設定(例えば1層目~6層目の各印刷設定)を記憶する(S02)。
【0037】
ユーザーがプリセット設定を新規に設定する度に、記憶部17は、プリセット設定を追加して記憶する。つまり、記憶部17は複数種類のプリセット設定を記憶可能とする。図8に例示する記憶部17では、印刷装置2の機種毎に、プリセット設定が分類されて記憶されている。
【0038】
また、コンピューター10は、設定済みのプリセット設定の変更(編集)を受け付け可能とする。例えば、図7に示すように、ユーザーが、印刷装置2のアイコン61を選択し、メニュー62を開く。メニュー62の中の「プリセット設定の変更」が選択されたことを受付部13の中の変更受付部132が受け付けると、表示部15は、記憶部17に記憶されているプリセット設定(図8)の中から、選択された印刷装置2に適用されるプリセット設定を選別する。そして、表示部15は、図9に示す変更リストウィンドウ70において、選別したプリセット設定の一覧を表示する。
【0039】
変更リストウィンドウ90において、ユーザーが、設定を変更したいプリセット設定(例えばM社様向け6層印刷)を選択すると、表示部15は、選択されたプリセット設定が設定されたときと同じプリセット設定ウィンドウ40(図5)を画面に表示する。ユーザーは、最初にプリセット設定を行ったときと同じ方法で印刷設定を変更する。すなわち、ユーザーは、リストボックス42の中のある層を選択し、メニュー46から印刷設定ウィンドウ(図6A図6B)を表示することで、印刷設定を変更できる。
【0040】
プリセット設定ウィンドウ40のOKボタン47がユーザーによって選択されたことを、変更受付部132が受け付けると、記憶部17は、記憶していたプリセット設定を変更されたプリセット設定に記憶し直す。
【0041】
<<多層印刷用の印刷データの生成と印刷方法>>
図10は、適用可能なプリセット設定の一覧を表示する設定リストウィンドウ80の一例を示す図である。図11は、警告を表示する警告ウィンドウ90の一例を示す図である。
【0042】
次に、記憶部17に記憶されたプリセット設定に基づく、多層印刷用の印刷データの生成方法について説明する。先ず、ユーザーは、印刷したい画像のデータをアプリケーション11にて作成し、例えば「印刷データ作成」の指示を入力する。受付部13の中の画像データ受付部131が、印刷データ作成の指示と、印刷対象となる画像データを受け付けると(S03)、印刷データ生成部16は、図7に示すように、対象となる画像データをジョブリストに登録する。或いは、ユーザー自身が、アプリケーション11にて作成した画像データをジョブリストに登録することで、画像データ受付部131が印刷対象となる画像データを受け付けるようにしてもよい。
【0043】
印刷データ生成部16は、画像データがジョブリストに登録される前、又は、登録された段階で、仮の印刷データを生成する。印刷データ生成部16は、ユーザーが印刷データ作成の指示を入力する際に設定した印刷設定に基づいて、又は、デフォルトの印刷設定に基づいて、画像データから仮の印刷データを生成する。仮の印刷データは、印刷装置2に送信する印刷データを生成する際と同じ処理にて生成した印刷データであってもよいし、一部の処理を簡素化又は飛ばして生成した簡易的な印刷データであってもよい。
【0044】
多層印刷を実行する場合、ユーザーは、積層する画像の数と同じ数の画像データを、アプリケーション11等を用いて準備し、ジョブリストに登録する。例えば、6層印刷する場合、図7に示すように、6個の画像データ(A~F)をジョブリストに登録する。その結果、重ねて印刷する複数(ここでは6個)の画像データ(A~F)と、それらに対応する複数(6個)の仮の印刷データが、記憶部17に記憶される。なお、これに限らず、仮の印刷データは生成されなくてもよい。
【0045】
次に、ユーザーは、ジョブリストに登録されている画像データの中から、多層印刷する画像データ(A~F)を全て選択した後に、メニュー63を開き、「プリセット設定の適用」を選択する。そのことを受付部13が受け付けると、印刷装置選別表示部152は、対象の画像データ(A~F)の印刷を実行する印刷装置2(ここではb機)を判別する。そして、印刷装置選別表示部152は、記憶部17に記憶されている複数種類のプリセット設定の中から、その印刷装置2(b機)にて実行可能なプリセット設定を選別する。例えば、図8に示す記憶部17の中からb機に対応付けられているプリセット設定である、L社様向け6層印刷、M社様向け3層印刷、M社様向け6層印刷、N社様向け3層印刷、N社様向け5層印刷を選別する(S04)。
【0046】
さらに、層数選別表示部153は、受付部13が受け付けた画像データの層数、すなわち多層印刷にて積層する画像数(ここでは6層)を判別する。そして、層数選別表示部153は、記憶部17に記憶されている複数種類のプリセット設定の中から、判別した層数と同じ層数についての、プリセット設定を選別する。好ましくは、時間短縮のために、層数選別表示部153は、印刷装置選別表示部152が選別したプリセット設定の中から、判別した層数と同じ層数についてのプリセット設定、例えば、L社様向け6層印刷とM社様向け6層印刷を選別するとよい(S05)。
【0047】
印刷装置選別表示部152、及び、層数選別表示部153は、印刷装置選別表示部152が選別し、かつ層数選別表示部153も選別したプリセット設定の一覧を、図10に示す設定リストウィンドウ80に表示する(S06)。ユーザーは、画面に表示される1つ又は複数種類のプリセット設定の中から、適用するプリセット設定を選択する。
【0048】
適用するプリセット設定がユーザーによって選択されたことを受付部13が受け付けると、印刷データ生成部16は、多層印刷の対象となる画像データ(A~F)、及び、選択されたプリセット設定(M社様向け6層印刷)に基づいて、印刷データを生成する。
【0049】
先ず、印刷データ生成部16は、多層印刷する複数の画像データ(A~F)の中から処理対象となる1つの画像データを選択し、その画像データに対応する層の印刷設定をプリセット設定の中から選別する。つまり、印刷データ生成部16は、処理対象の画像データ(例えば1層目の画像データA)に、プリセット設定が有する層毎の印刷設定の中の1つ(例えば1層目の印刷設定)を対応付ける。具体的には、ジョブリストに登録された画像データの順番に基づいて各層の印刷設定を順に対応付ける。
【0050】
次に、印刷データ生成部16は、対応付けた印刷設定に基づき、処理対象の画像データに対して、解像度変換処理や、色変換処理や、ハーフトーン処理や、ラスタライズ処理等を行う。解像度変換処理は、画像データを印刷時の解像度に変換する処理である。色変換処理は、RGBで表される画像データを、印刷装置2が吐出するインクの色のデータに変換する処理である。ハーフトーン処理は、画素毎のドット形成の有無を示すデータに変換する処理である。ラスタライズ処理は、印刷装置2に送信する順にデータを並べ替える処理である。こうして、ヘッド23が有する各ノズルに割り当てられるドットのオンオフデータが生成される。
【0051】
さらに、印刷データ生成部16は、印刷に関する情報であるヘッダー情報をドットのオンオフデータに付加して、印刷装置2に送信する印刷データを生成する。ヘッダー情報としては、画像データの名称や、ステージ22の位置制御情報(例えば印刷開始位置やX方向への移動量)、光照射部24の強さ等を例示できる。生成された印刷データは記憶部17に記憶される。なお、印刷データ生成部16は、プリセット設定が選択される前に生成された仮の印刷データを利用して、印刷装置2に送信する印刷データを生成してもよい。
【0052】
また、印刷データ生成部16は、処理対象の画像データに、プリセット設定の中の印刷設定を対応付けた際に、その処理対象の画像データと対応付けた印刷設定に基づいて、印刷の実行が可能か否か(印刷データの生成が可能か否か)を判断する(S07)。
【0053】
例えば、選択されたプリセット設定(図5のM社様向け6層印刷)において、3層目の印刷設定が、白インクを使用する下地層に対応した印刷設定であったとする。一方、3層目の印刷設定に対応する画像データ(ジョブリストに登録された3番目の画像データC)が、白に関するデータを含んでいなかったり、文字や写真等のデータを含んでいたりしたとする。この場合、3層目の印刷設定とそれに対応する画像データ(C)に基づいて、印刷を実行できない。そのため、印刷データ生成部16は印刷不可と判断する。印刷データ生成部16が印刷不可と判断した場合、警告表示部154は、図11に例示するような警告ウィンドウ90を画面に表示する(S11)。
【0054】
なお、印刷データ生成部16は、処理対象の画像データを選択し、対応付けた印刷設定に基づく印刷が可能か否かを判断し、印刷データを生成する処理を、画像データ毎に繰り返すとよい。又は、印刷データ生成部16は、各層の印刷データを生成する前に、全ての画像データ(A~F)に関して、対応付けた印刷設定に基づく印刷が可能か否かを判断してもよい。そして、全ての画像データ(A~F)が印刷可能である場合に、印刷データを生成するようにしてもよい。この場合、印刷データを無駄に生成してしまうことを抑制できる。
【0055】
こうして、印刷データ生成部16は、多層印刷する全ての画像データ(A~F)の印刷データ(A~F)を生成するまで、上記の処理を繰り返す。多層印刷する全ての層の印刷データ(A~F)が生成されると、それら印刷データ(A~F)は、通信部18によって印刷装置2に送信される(S09)。印刷装置2は、受信した複数の印刷データ(A~F)に基づいて、記録媒体Mに複数層の画像を重ねて印刷する。
【0056】
なお、上記では、ユーザーによってプリセット設定が選択された後、連続して、印刷データが生成され、印刷データが印刷装置2に送信されるが、これに限らない。
例えば、適用するプリセット設定(図10)が選択された後、表示部15が、ジョブリストにおいて、対象となる複数の画像データ(A~F)が一括選択されるようにしたり、画像データ(A~F)が多層印刷用の画像データであることを示す表示をしたりしてもよい。そして、ユーザーから印刷実行の指示(図7のメニュー63の「印刷」)が入力された段階で、印刷データ生成部16が、印刷装置2に送信する印刷データを生成するようにしてもよい。
この場合、表示部15がジョブリストの表示を変更する前に、印刷データ生成部16が、全ての画像データ(A~F)に関して、対応付けた印刷設定に基づく印刷が可能か否かを判断してもよい。
【0057】
<<小括>>
態様1は、複数層の画像を重ねて印刷する印刷データを生成するコンピューター10(印刷データ生成装置)であって、複数層の層毎の印刷設定を行う為の設定ウィンドウ(プリセット設定ウィンドウ40、印刷設定ウィンドウ50,51)を画面に表示する設定ウィンドウ表示部151と、設定ウィンドウ(40,50,51)にて設定された層毎の印刷設定である「プリセット設定」を記憶する記憶部17と、重ねて印刷する層毎の画像データを受け付ける画像データ受付部131と、画像データ受付部131が受け付けた層毎の画像データ、及び、記憶部17に記憶されたプリセット設定に基づいて、印刷データを生成する印刷データ生成部16と、を有するコンピューター10(印刷データ生成装置)である。
【0058】
多層印刷を行う場合、ユーザーは、複数層(2層から7層位まで)の印刷設定を層毎に行う必要があり、多数の印刷設定を行わなければならない。本実施形態では、その層毎の印刷設定がプリセット設定として予め記憶部17に記憶され、そのプリセット設定を用いて印刷データが生成される。そのため、ユーザーは、同じ仕様の多層印刷を実行する度に、多数の同じ印刷設定を繰り返す必要がなくなり、ユーザーによる印刷設定の作業を容易にできる。
【0059】
そして、コンピューター10は、生成した多層印刷用の印刷データを印刷装置2に送信し、印刷装置2は、受信した印刷データに基づいて、記録媒体Mに複数層の画像を重ねて印刷する。その結果、ユーザーは、印刷設定の作業が容易であっても、所望する複数層の画像を重ねた印刷物を生成できる。
【0060】
また、多層印刷のように層毎に多数の印刷設定を行う場合、印刷設定のミスが生じやすい。そのため、多層印刷の度に印刷設定を行うと、印刷設定のミスにより無駄な印刷が発生しやすくなる。特に、多層印刷の場合、印刷設定のミスによって消費するインク量が多く、印刷時間も長くなる。また、多数印刷の度に印刷設定を行う場合、ある層の印刷設定を間違えると、正しく設定されている層の印刷設定もやり直す必要があり、印刷設定の再設定に時間がかかってしまう。これに対して、本実施形態では、予め正しく設定されたプリセット設定に基づいて印刷データが生成されるので、同じ仕様の多層印刷を繰り返す場合に、印刷設定のミスが生じず、無駄な印刷が発生してしまうことを防止できる。よって、所望の印刷物を素早く生成でき、無駄なインクの消費も抑制できる。
【0061】
また、コンピューター10が有する各部(受付部13、表示部15、印刷データ生成部16等)の機能は、記憶部17に記憶されたプログラム(プリンタードライバー)に従って、コンピューター10が有する演算処理装置(CPU)によって実現可能となる。このようなプログラム(プリンタードライバー)によって、印刷システム1(コンピューター10と印刷装置2)は、ユーザーによる印刷設定の作業を容易にしつつ、印刷データを生成でき、また、その印刷データに基づき、ユーザーが所望する複数の画像を重ねた印刷物を生成できる。
【0062】
なお、図1に例示する印刷システム1では、コンピューター10の一部が、印刷データ生成装置として機能するが、これに限定されない。例えば、コンピューター10が印刷データ生成装置として果たす機能を、印刷装置2が実現し、印刷装置2単体で印刷システムを構成してもよい。また、コンピューター10が印刷装置2の専用のコンピューターであり、外部装置のアプリケーションで作成された画像データがコンピューター10(印刷データ生成装置)に送信される構成であってもよい。
【0063】
また、印刷システムに上記の処理を実行させるためのプログラム(プリンタードライバー)は、CD-ROM等のコンピューター10が読み取り可能な記録媒体に記録されていたり、インターネットなど各種通信手段を通じてコンピューター10にダウンロード可能であったりする。
【0064】
また、図8に示すように、記憶部17は複数種類のプリセット設定を記憶可能とする。そして、態様2は、印刷データ生成部16が、記憶部17に記憶された複数種類のプリセット設定(層毎の印刷設定)の中から、ユーザーによって選択されたプリセット設定に基づいて印刷データを生成する、態様1に記載のコンピューター10(印刷データ生成装置)である。
【0065】
態様2によれば、種々の仕様の多層印刷が繰り返し実行される場合にも、各多層印刷の仕様に対応したプリセット設定に基づいて印刷データが生成される。そのため、ユーザーによる印刷設定の作業を容易にしつつ、ユーザーが所望する印刷物を生成できる。ただし、上記に限定されることなく、記憶部17が記憶するプリセット設定が1種類であってもよい。
【0066】
態様3は、画像データ受付部131が受け付けた画像データの層数と同じ層数についての、プリセット設定(層毎の印刷設定)を選別し、図10に示すように、選別したプリセット設定を画面に表示する層数選別表示部153を有する、態様1又は態様2に記載のコンピューター10(印刷データ生成装置)である。
【0067】
態様3によれば、実行する多層印刷の層数と異なる層数についてのプリセット設定は画面に表示されない。ゆえに、ユーザーは、所望のプリセット設定を間違うことなく容易に選択できる。
【0068】
態様4は、印刷データの送信先となる印刷装置2にて実行可能なプリセット設定(層毎の印刷設定)を選別し、図10に示すように、選別したプリセット設定を画面に表示する印刷装置選別表示部152を有する、態様1~態様3の何れかに記載のコンピューター10(印刷データ生成装置)である。
【0069】
態様4によれば、印刷データを送信する印刷装置2にて実行できないプリセット設定は画面に表示されない。ゆえに、ユーザーは、所望のプリセット設定を間違うことなく容易に選択できる。なお、印刷装置2にて実行できないプリセット設定としては、例えば、特殊インク(白インク、プライマーインク、メタリックインク、グロスインク等)を搭載しない印刷装置2に対して、その特殊インクを使用する印刷設定を有するプリセット設定や、印刷装置2で実行できない解像度や印刷速度等に設定されたプリセット設定等を例示できる。
【0070】
ただし、上記に限定されることなく、例えば、コンピューター10が、層数選別表示部153と印刷装置選別表示部152のうちの一方のみを有してもよいし、両方を有していなくてもよい。コンピューター10が層数選別表示部153を有さない場合、画像データの層数と異なる層数についてのプリセット設定が選択されたときには、表示部15が警告表示を画面に表示するとよい。同様に、コンピューター10が印刷装置選別表示部152を有さない場合、印刷装置2にて実行できないプリセット設定が選択されたときには、表示部15が警告表示を画面に表示するとよい。
【0071】
態様5は、多層印刷する層毎の画像データの中に、適用するプリセット設定(層毎の印刷設定)に対応しない画像データが含まれている場合に、その旨を警告するウィンドウ(図11の警告ウィンドウ90)を画面に表示する警告表示部154を有する、態様1~態様4の何れかに記載のコンピューター10(印刷データ生成装置)である。
【0072】
態様5によれば、警告ウィンドウ90を見たユーザーは、画像データを変更したり、選択するプリセット設定を変更したり、プリセット設定の一部を変更(編集)したりすることができる。よって、間違ったプリセット設定(印刷設定)に基づいて、無駄に印刷が実行されてしまうことを防止できる。
【0073】
警告するウィンドウとしては、ジョブリストに登録された画像データと、選択されたプリセット設定が対応していないことを示す表示を例示できる。より好ましくは、図11に示すように、各層の画像データの中の何れが対応していないのか(ここでは3層目の画像データC)、また、プリセット設定の中の何れの層が対応していないか(ここでは3層目)を示す表示であるとよい。そうすることで、ユーザーは、画像データや印刷設定がそれぞれ層毎に複数存在する場合であっても、素早く間違いを見つけ出すことができる。
【0074】
態様6は、記憶部17に記憶されたプリセット設定(層毎の印刷設定)の変更を受け付ける変更受付部132を有し、記憶部17は、変更受付部132が受け付けたプリセット設定に記憶し直す、態様1~態様5の何れかに記載のコンピューター10(印刷データ生成装置)である。
【0075】
態様6のように、プリセット設定の変更(編集)を可能にすることで、ユーザーは、適切な印刷設定に基づいて所望の印刷物を得ることができる。また、複数層のうち一部の層の印刷設定に間違いがあった場合や、一部の層の印刷設定だけを変更したい場合に、別の層の印刷設定はそのままに設定し直す必要がなくなる。そのため、プリセット設定の変更ができずに新規にプリセット設定を生成する場合に比べて、プリセット設定の変更を容易に行うことができる。
【0076】
態様7は、設定ウィンドウ表示部151は、設定ウィンドウ(図5のプリセット設定ウィンドウ40)において、プリセット設定(層毎の印刷設定)に対応する印刷層イメージ図43(層毎の画像のイメージ図)を表示する、態様1~態様6の何れかに記載のコンピューター10(印刷データ生成装置)である。
【0077】
態様7によれば、印刷層イメージ図43によって、ユーザーは視覚的に多層印刷の構成を確認でき、例えば文字で表示される印刷設定を確認する場合に比べて、印刷設定を確認しやすくなる。特に、多層印刷の場合、層毎に多数の印刷設定を行うためミスが生じやすいが、印刷層イメージ図43によって、印刷設定のミスを抑制できる。ゆえに、無駄に印刷が実行されてしまうことを防止できる。ただし、上記に限定されることなく、設定ウィンドウ表示部151は、印刷層イメージ図43を表示しなくてもよい。
【0078】
以上、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
1 印刷システム、2 印刷装置、
10 コンピューター、11 アプリケーション、12 入力装置、
13 受付部、
131 画像データ受付部、132 変更受付部、
14 表示装置、15 表示部、
151 設定ウィンドウ表示部、152 印刷装置選別表示部、
153 層数選別表示部、154 警告表示部、
16 印刷データ生成部、
17 記憶部、18 通信部、
21 筐体、22 ステージ、23 ヘッド、
24 光照射部、25 フロントカバー、26 レール、
31,33 画像層、32 下地層、34 コーティング層、
40 プリセット設定ウィンドウ、
41 名称入力ボックス、42 リストボックス、
43 印刷層イメージ図、
50,51 印刷設定ウィンドウ、
60 ジョブリストウィンドウ、70 変更リストウィンドウ、
80 設定リストウィンドウ、90 警告ウィンドウ、
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11