(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157369
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】ハンガーフック
(51)【国際特許分類】
A47G 29/00 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
A47G29/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067249
(22)【出願日】2022-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】721008707
【氏名又は名称】山岸 成多
(72)【発明者】
【氏名】山岸成多
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100AA20
3K100AE01
3K100AF05
3K100AH30
3K100AJ03
(57)【要約】
【課題】鴨居を利用して吊り下げるハンガーフックにおいて、多くのハンガーを懸架可能な構造を、簡易な材料で形成可能にする。
【解決手段】少なくとも第1、第2、第3の3つの矩形の面から成り、第1面はその上辺が壁面に直接、あるいはフックなどを介して懸架され、第2面はその第一辺が第1面の水平方向の辺に固定されかつ壁面前方に延出し、第1面の上辺あるいはその近傍と、第2面の第一辺と対向する第2辺あるいはその近傍に渡り装架される第3面となる関係にある。第1面と第2面と第3面は壁面に沿った方向について三角形を成す三角錐状形状を構成してなるハンガーフック
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1、第2、第3の3つの矩形の面から成り、前記第1面はその上辺が壁面に直接あるいはフックなどを介して懸架され、前記第2面はその第一辺が前記第1面の水平方向の辺に固定されかつ前記壁面前方に延出し、前記第3面は前記第1面の上辺あるいはその近傍と前記第2面の第一辺と対向する第2辺あるいはその近傍に渡り装架され、前記第1面と第2面と第3面は前記壁面に沿った方向について三角形を成す三角錐状形状を構成してなるハンガーフック。
【請求項2】
前記各矩形面同士の連結部のうち、少なくとも任意の1辺の接続部は開放可能であり、残る接続部は回動可能に支持せしめられていることを特徴とする請求項1記載のハンガーフック。
【請求項3】
少なくとも第1面あるいは第2面は多数の開口を持ち、開口同士の間隔は穴径に対して十分狭いことを特徴とする請求項1記載のハンガーフック。
【請求項4】
少なくとも第1面あるいは第2面は周囲を金属フレーム、内側を鋼線格子から成る格子網であることを特徴とする請求項3記載のハンガーフック。
【請求項5】
前記第1面からの延出方向について前記第2面の長さは18cm以上の長さを有することを特徴とする請求項1記載のハンガーフック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハンガーフック、特に簡単な構成で一度に多くの衣類などをハンガーやS字フックを介して懸架可能とするものである。
【背景技術】
【0002】
ハンガーフックは壁面に固設されるもの、ドアや鴨居に引っ掛け懸架されるものが提供されている。一般的に壁面に固定するものは強度に有利、ドアなどを利用するものは簡単に脱着可能なものが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1では鴨居を利用して吊り下げるハンガーフックを提案している。ブラケットから延出される腕部にハンガーをかける構造としている。この構造は簡単ではあるが、ブラケットは懸架される負荷に耐えるために丈夫な部材を求められ、ブラケットは丈夫に製作する必要がある上に、装備できるハンガー数は限られる。
【0005】
また本発明に近い従来例を
図12に示す。ここでは負荷を受ける腕部702が両端の2か所となるため、先に示した文献例よりも有利ではあるが、両腕部に渡されるステイ703に多くのハンガーを吊るために腕部702は言うに及ばず、ステイ703も太く丈夫な部材とする必要があるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を受けて本発明では以下のようにハンガーフックを構成する。少なくとも第1、第2、第3の3つの矩形の面から成り、前記第1面はその上辺が壁面に直接、あるいはフックなどを介して懸架され、前記第2面はその第1辺が前記第1面の水平方向の任意の辺に固定されかつ前記壁面について前方方向に延出し、前記第1面の上辺あるいはの近傍と、前記第2面の第1辺と対向する第2辺あるいはその近傍に渡り装架される第3面とからなり、前記第1面と第2面と第3面は前記壁面に沿って見て三角形を成す三角錐状形状を構成してなる。
【0007】
前記各矩形面同士の連結部のうち、少なくとも任意の1辺の接続部は開放可能であり、残る接続部は回動可能に支持せしめられていることを特徴として構成する。
【0008】
少なくとも第1面あるいは第2面は多数の開口を持ち、開口同士の間隔は穴径に対して十分狭いことを特徴とする。
【0009】
特に少なくとも第1面あるいは第2面は周囲を金属フレーム、内側を鋼線格子から成る格子網であることを特徴とする。
【0010】
前記第1面からの延出方向について前記第2面の長さは18cm以上の長さを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
簡単軽量安価な構成で、多くの懸架物を扱うことを可能にするハンガーフックを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図9】第2面第3面を共通部品とした別形態の斜視図
【
図10】第1面、第2面、第3面を共通部品とした形態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
例えば3つの金属網で三角錐形状を成す3面を形成し、簡単軽量に丈夫な構成のハンガーフックを実現する。
【実施例0014】
以下、
図1~
図9を用いて、本発明によるハンガーフックの実施の形態を説明する。
図1は壁掛けフックを用いた本発明の実施の形態1の斜視図、
図2は鴨居を用いた本発明の実施の形態1の斜視図、
図3は鴨居を用いた本発明の実施の形態1の側面図、
図4は鴨居を用いた本発明の実施の形態1の展開例の斜視図、
図5は解放可能なヒンジ説明図、
図6は折りたたんだ状態の本発明の実施の形態、
図7は壁掛けフックを用いた本発明の実施の形態2においての第2面の変更例を説明する図、
図8は
図7の形態2の側面図、
図9は第2面、第3面を共通部品とした実施の形態3を示す斜視図、
図10は第1面、第2面、第3面を共通部品とした実施の形態を示す斜視図、
図11は第3面を水平に延出した配置にした実施の形態を示す斜視図。
【0015】
本発明の実施の形態1を
図1を用いて説明する。本発明による第1のハンガーフック101は、ねじれフック102を介し、図にはない壁面103に固定された壁掛けフック104に懸架される。第1のハンガーフック101は、第1の矩形格子網105と、第1の矩形格子網105の下辺106とヒンジ108により回動可能に拘束されている第1の辺107と、前記第1の辺107に対向する第2の辺109が前記壁面前方に延出する第2の矩形格子網110と、前記第1の矩形格子網105の上辺111と、前記第2の矩形格子網110の第2の辺109とヒンジ108により回動可能に拘束された第3の矩形格子網112が装架されてなる。
【0016】
使用例として、第3の矩形格子網112の下端の辺113にハンガー114a、114b、114cを、S字フックを懸架している。なお、本実施の形態にて第2の矩形格子網110のあらゆる位置にS字フック115のように小型フックを用いてマスクなど小型の部材を懸架でき、ハンガーのように大型のものは図のように第3の矩形格子網112の下端の辺113のあらゆる部分に懸架可能である。その際、下方向にかかる荷重は第2の矩形格子網110を圧縮する方向に分散して受けることができることから、第2の矩形格子網110、第3の矩形格子網112自体が太く重いものでなくとも負荷を受けることが可能である。これは本発明のハンガーフックを安価に軽量に構成可能であることも示す。
なお、第2の矩形格子網110面に重量物を懸架する場合は、第1の矩形格子網105と第2の矩形格子網110の間、第2の矩形格子網110と第3の矩形格子網112の間のヒンジ108の数を多く装備することが望ましい。
【0017】
ちなみにハンガーは一般に男性用で幅44cmであることから
図1での突出長Lはハンガー幅の半値22cm以上が望ましい。ただし、女性用に限定したり懸架するものを限定すれば突出長Lはその限りではない。この時、女性用は幅36cmのものも提供されているので、突出長Lはその半値18cm以上であれば実用的といえる。なお、幅Wは強度的な制約なく構成することが可能である。ただし幅Wに応じてヒンジ108の数は増やされることが望ましい。
【0018】
図2は第2の実施の形態を示し、
図3はその側面図である。第2のハンガーフック201を図にない壁面に取り付けられた鴨居202にフック203を介して懸架している。その構成は、第1の矩形格子網204と、第1の矩形格子網204の下辺205と第2の矩形格子網209の第1辺206がヒンジ207により回動可能に拘束されており、前記第2の矩形格子網209の第1辺206に対向する第2の辺208は前記壁面前方に延出しており、前記第1の矩形格子網204の上辺210と、前記第2の矩形格子網209の第2辺208間にヒンジ207により、回動可能に拘束された第3の矩形格子網211が装架されてなる。この第2のハンガーフック201は、第2の矩形格子網209と第3の矩形格子網211の先端同士を結合することで、より先端の強度を上げることができる。
【0019】
また、これら実施の形態は矩形格子網により構成したが、長時間の使用下においては埃やチリが付着した場合に除去作業に手間がかかる。その対策として
図4のように、第3の矩形格子網211上部に防塵カバー212を設けたり、第3の矩形格子網211は先端部分を除いて直接ハンガーなどを懸架する訳ではないことから、前記防塵カバー212を一体にしたような板状部材で第3の矩形格子網211を構成することもできる。
【0020】
また、例えば前記実施の形態において、前記第1の矩形格子網105の上辺111と第3の矩形格子網112の上辺115の間において、
図5にあるような脱着容易なヒンジ301を装備していれば、ハンガーフックを使用しない際には、脱着容易なヒンジ301の爪部302を逃がし、第1の矩形格子網105の上辺111を脱着容易なヒンジ301から外すことで、
図6のように折りたたむことも可能である。
【0021】
図7は第3の実施例の斜視図、
図8は側面図である。第3のハンガーフック401は、直接壁面402に固定された壁掛けフック403が第1の矩形格子網404の格子開口に直接懸架される。第3のハンガーフック401は、第1の矩形格子網404と、第1の矩形格子網404の下辺405と第2の矩形格子網409の第1辺406がヒンジ407により回動可能に拘束されており、前記第2の矩形格子網409の第1辺406に対向する第2辺408が前記壁面前方に延出する。また、前記第1の矩形格子網404の上辺410と前記第2の矩形格子網409の第2辺408間に、ヒンジ407により回動可能に拘束された第3の矩形格子網411が装架されてなる。
【0022】
特にこの実施例では第2の矩形格子網409は曲げ部412を有しており、第3の矩形格子網411の先端の辺413にハンガー415など荷重をかけた際に、下から第2の矩形格子網409が受けるように構成され、第2の矩形格子網409に圧縮方向へ分散される荷重が増えることからより耐荷重性を向上せしめることができる。
また、この構成においても前記脱着容易なヒンジ302を用いて、折り畳み可能に構成することができる。
なお、ここでも図においてもS字フック416は第2の矩形格子網409の端に吊った例としているが、格子網であることから吊り下げ位置を選ばないことは言うまでもない。
【0023】
図9は第4の実施の形態を示す斜視図である。図にない壁面502に備えられた鴨居503に平板フック504により第4の実施の形態によるハンガーフック501が懸架される。ハンガーフック501は平板フック504の下方向に吊るされる第1の矩形格子網505と第2の矩形格子網506と第3の矩形格子網507がそれぞれの間を図にはないヒンジで回動可能な状態で拘束されてなり、特に本実施例では前記第2の矩形格子網506と第3の矩形格子網507は共通部品で構成でき、部材調達上有利にできる。
【0024】
なお、高さ方向で大きくなることを許せば第1の矩形格子網505を前記前記第2の矩形格子網506と第3の矩形格子網507と共通部材第4の矩形格子網508で構成することも可能であり、また、
図10のように第1の矩形格子網508の端部ではなく中ほどで、前記第2の矩形格子網506との結合部とすれば第1の矩形格子網508の下部おいて例えばフック509を介して別の部材を吊ることが可能である。
【0025】
ここまでの実施の形態では第3の面は斜め下方向に配置されてなっていたが、これに縛られることなく、
図11のように第3の矩形格子網602を鴨居603に対して水平に延出する構成としても構成可能である。側面から見て、三角形を有する三角錐を図のように3面で構成すれば、上記実施の形態と同様の効果をることができる。
【0026】
以上のように本発明によるハンガーフックでは側面から見た際に三角形を形成する三角錐構造を基本として、軽量、安価な部材で比較的荷重のある部材を吊るすことを可能にするものである。上記実施例においては言及はなかったが、各格子網は別部材でなく、曲げ加工や樹脂で一体で構成することも可能であるが折り畳みなどは不可能となる。また、前述の壁面や鴨居はハンガーフックを固定できれば良いことから、ドア面やその上部などとすることも可能であり、同等の役割を果たすことが期待できる。
【0027】
なお、添付図面及び以上の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。