(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157428
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20231019BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20231019BHJP
B41J 29/13 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
G03G21/16 152
B41J29/00 D
B41J29/00 S
B41J29/00 C
B41J29/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067345
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平岡 隼一
(72)【発明者】
【氏名】一柳 雅生
(72)【発明者】
【氏名】橋本 洋平
【テーマコード(参考)】
2C061
2H171
【Fターム(参考)】
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061BB02
2C061BB30
2C061CD07
2C061CD13
2C061CG06
2C061CG08
2C061CG12
2C061CP09
2H171FA01
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA05
2H171FA12
2H171GA40
2H171HA22
2H171HA23
2H171HA24
2H171HA26
2H171JA05
2H171JA15
2H171JA51
2H171KA04
2H171KA13
2H171KA27
2H171MA02
2H171MA03
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB02
2H171QB16
2H171QB17
2H171QB32
2H171QC05
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA19
2H171SA22
(57)【要約】
【課題】装置を小型化でき、組み立て性がよく、適切なノイズ対策ができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、トップカバーに支持される板金部材82と、複数のフラットケーブル83と、フラットケーブル83から発せられるノイズを低減するノイズ低減部材84と、フラットケーブル83が前後方向から接続される複数のコネクタ851を有する制御基板85と、複数のフラットケーブル83を上下方向に重ねて配索するとともに、ノイズ低減部材84を保持する保持部861を有するケーブルホルダ86とを備える。ケーブルホルダ86は、前後方向から見てコネクタ851と異なる位置に配置される。ノイズ低減部材84は、複数のフラットケーブル83のうち少なくとも1つに複数配置される。各フラットケーブル83に配置されるノイズ低減部材84の前記フラットケーブル83に沿った長さの合計は、複数のフラットケーブル83において全て等しい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に並ぶとともに、前記第1方向と直交する第2方向に延びる複数の感光体と、
前記複数の感光体を収容し、開口部を有する本体フレームと、
前記開口部を開閉するために前記第1方向一方側の基端部が前記本体フレームに回動可能に支持されるカバーと、
前記カバーに支持される板金部材と、
前記複数の感光体に光を照射する複数の露光部材であって、前記第2方向に延び、前記第1方向に並んだ状態で前記カバーに支持される複数の露光部材と、
前記露光部材に制御信号を伝送する複数のフラットケーブルと、
前記フラットケーブルが挿通され、前記フラットケーブルから発せられるノイズを低減する平板状のノイズ低減部材と、
前記板金部材に支持され、前記複数の露光部材の発光を制御する制御基板であって、前記フラットケーブルが前記第1方向から接続される複数のコネクタを有する制御基板と、
前記板金部材に支持され、前記複数のフラットケーブルを前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に重ねて配索するケーブルホルダであって、前記ノイズ低減部材を保持する保持部を有するケーブルホルダと、を備え、
前記ケーブルホルダは、前記第1方向から見て前記コネクタと異なる位置に配置され、
前記ノイズ低減部材は、前記複数のフラットケーブルのうち少なくとも1つに複数配置され、
各フラットケーブルに配置される前記ノイズ低減部材の前記フラットケーブルに沿った長さの合計が、前記複数のフラットケーブルにおいて全て等しいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第3方向に重ねて配索される前記フラットケーブルは、前記第3方向一方側に配索される第1フラットケーブルと、前記第3方向他方側に配索される第2フラットケーブルと、を有し、
前記ノイズ低減部材は、前記第1フラットケーブルが挿通される第1ノイズ低減部材と、前記第2フラットケーブルが挿通される第2ノイズ低減部材と、を有し、
前記保持部は、前記第1方向から前記第1ノイズ低減部材を装着可能な第1保持部と、前記第2方向から前記第2ノイズ低減部材を装着可能な第2保持部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ケーブルホルダは、前記第1ノイズ低減部材及び前記第2ノイズ低減部材の前記第1方向一方側への移動を規制する第1壁部と、前記第1壁部と対向し、前記第1ノイズ低減部材及び前記第2ノイズ低減部材の前記第1方向他方側への移動を規制する第2壁部と、を有し、
前記第1保持部は、前記第2壁部から前記第1壁部の前記第1方向他方側まで延び、前記第1壁部よりも前記第3方向一方側に位置し、前記第1ノイズ低減部材の前記第3方向一方側への移動を規制する第1規制部と、前記第1規制部の前記第2方向両端部から前記第3方向他方側に突出し、前記第1ノイズ低減部材の前記第2方向両端部と当接可能なガイド部と、を有し、
前記第2保持部は、前記第2方向一方側から前記第2ノイズ低減部材に係合する爪部と、前記第1壁部及び前記第2壁部から延び、前記第2ノイズ低減部材の前記第3方向一方側への移動を規制する第2規制部と、を有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1ノイズ低減部材と前記第2ノイズ低減部材とは、前記第3方向から見て異なる位置に配置され、
前記第1ノイズ低減部材は、前記第2フラットケーブルと接触して前記第2フラットケーブルの前記第3方向一方側への移動を規制することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記複数の感光体は、前記第1方向一方側から順に並ぶ第1感光体と、第2感光体と、第3感光体と、第4感光体と、を有し、
前記第3方向に重ねて配索される前記フラットケーブルは、前記第3方向一方側に配索される第3フラットケーブルと、前記第3方向他方側に配索される第4フラットケーブルと、を有し、
前記複数の露光部材は、前記第1フラットケーブルが接続されて前記第1感光体に光を照射する第1露光部材と、前記第2フラットケーブルが接続されて前記第2感光体に光を照射する第2露光部材と、前記第3フラットケーブルが接続されて前記第3感光体に光を照射する第3露光部材と、前記第4フラットケーブルが接続されて前記第4感光体に光を照射する第4露光部材と、を有し、
前記複数のコネクタは、前記第1フラットケーブルが前記第1方向一方側から接続される第1コネクタと、前記第2フラットケーブルが前記第1方向一方側から接続される第2コネクタと、前記第3フラットケーブルが前記第1方向他方側から接続される第3コネクタと、前記第4フラットケーブルが前記第1方向他方側から接続される第4コネクタと、を有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記板金部材は、前記第2露光部材よりも前記第1方向他方側に位置し、
前記ケーブルホルダは、前記板金部材よりも前記第1方向一方側に突出するとともに、前記第3方向他方側へ傾斜し、前記第1フラットケーブル及び前記第2フラットケーブルを配索する突出部を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ノイズ低減部材は、前記第1フラットケーブルが挿通される第3ノイズ低減部材を有し、
前記保持部は、前記突出部の、前記第3方向から見て前記板金部材の前記第1方向一方側の端部と重なる位置に、前記第2方向から前記第3ノイズ低減部材を装着可能な第3保持部を有することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1フラットケーブルと、前記第2フラットケーブルと、前記第3フラットケーブルと、前記第4フラットケーブルとが同じ長さであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からレーザプリンタ等の画像形成装置においては、本体フレームの上部に回動可能に設けられたトップカバーと、トップカバーに揺動可能に吊り下げられた露光部材と、トップカバーに設けられた制御基板と、制御基板と露光部材とを接続するフラットケーブルとを備えるものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、フラットケーブルはノイズの相互影響を受けやすく、特許文献1では、ノイズ対策としてフラットケーブルにフェライトコア等のノイズ低減部材を取り付けている。適切なノイズ対策のためには、ノイズ低減部材を所定量配置する必要がある。ここで、装置を小型化するために狭いスペースにノイズ低減部材を配置しようとすると、フラットケーブルの配索やノイズ低減部材の固定方法が複雑になり、組み立て性が悪くなるという問題が生じる。
【0005】
本発明は、装置を小型化でき、組み立て性がよく、適切なノイズ対策ができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、第1方向に並ぶとともに、前記第1方向と直交する第2方向に延びる複数の感光体と、前記複数の感光体を収容し、開口部を有する本体フレームと、前記開口部を開閉するために前記第1方向一方側の基端部が前記本体フレームに回動可能に支持されるカバーと、前記カバーに支持される板金部材と、前記複数の感光体に光を照射する複数の露光部材であって、前記第2方向に延び、前記第1方向に並んだ状態で前記カバーに支持される複数の露光部材と、前記露光部材に制御信号を伝送する複数のフラットケーブルと、前記フラットケーブルが挿通され、前記フラットケーブルから発せられるノイズを低減する平板状のノイズ低減部材と、前記板金部材に支持され、前記複数の露光部材の発光を制御する制御基板であって、前記フラットケーブルが前記第1方向から接続される複数のコネクタを有する制御基板と、前記板金部材に支持され、前記複数のフラットケーブルを前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に重ねて配索するケーブルホルダであって、前記ノイズ低減部材を保持する保持部を有するケーブルホルダと、を備える。前記ケーブルホルダは、前記第1方向から見て前記コネクタと異なる位置に配置される。前記ノイズ低減部材は、前記複数のフラットケーブルのうち少なくとも1つに複数配置される。各フラットケーブルに配置される前記ノイズ低減部材の前記フラットケーブルに沿った長さの合計が、前記複数のフラットケーブルにおいて全て等しい。
【0007】
上記の構成によれば、フラットケーブルを第3方向に重ねて配索することにより、省スペースに配置でき、画像形成装置を小型化することができる。また、ケーブルホルダが第1方向から見てコネクタと異なる位置に配置されることにより、フラットケーブルをコネクタに接続する際に、ケーブルホルダが邪魔にならず、組み立て性がよい。また、1つのフラットケーブルに複数のノイズ低減部材を配置した場合でも、フラットケーブルに沿ったノイズ低減部材の長さの合計を他のフラットケーブルと等しくすることにより、適切なノイズ対策ができる。
【0008】
上記の画像形成装置において、前記第3方向に重ねて配索される前記フラットケーブルは、前記第3方向一方側に配索される第1フラットケーブルと、前記第3方向他方側に配索される第2フラットケーブルと、を有し、前記ノイズ低減部材は、前記第1フラットケーブルが挿通される第1ノイズ低減部材と、前記第2フラットケーブルが挿通される第2ノイズ低減部材と、を有し、前記保持部は、前記第1方向から前記第1ノイズ低減部材を装着可能な第1保持部と、前記第2方向から前記第2ノイズ低減部材を装着可能な第2保持部と、を有していてもよい。
【0009】
上記の構成によれば、第2ノイズ低減部材が組み付けられた第2フラットケーブルをケーブルホルダに組み付けた後、第1ノイズ低減部材が組み付けられた第1フラットケーブルを第2フラットケーブルに重ねてケーブルホルダに組み付ける。このとき、第1ノイズ低減部材の装着方向と第2ノイズ低減部材の装着方向とが異なるため、先に組み付けられた第2ノイズ低減部材及び第2フラットケーブルが、後から組み付ける第1ノイズ低減部材及び第1フラットケーブルの組み付けを妨げることを抑制できる。
【0010】
上記の画像形成装置において、前記ケーブルホルダは、前記第1ノイズ低減部材及び前記第2ノイズ低減部材の前記第1方向一方側への移動を規制する第1壁部と、前記第1壁部と対向し、前記第1ノイズ低減部材及び前記第2ノイズ低減部材の前記第1方向他方側への移動を規制する第2壁部と、を有し、前記第1保持部は、前記第2壁部から前記第1壁部の前記第1方向他方側まで延び、前記第1壁部よりも前記第3方向一方側に位置し、前記第1ノイズ低減部材の前記第3方向一方側への移動を規制する第1規制部と、前記第1規制部の前記第2方向両端部から前記第3方向他方側に突出し、前記第1ノイズ低減部材の前記第2方向両端部と当接可能なガイド部と、を有し、前記第2保持部は、前記第2方向一方側から前記第2ノイズ低減部材に係合する爪部と、前記第1壁部及び前記第2壁部から延び、前記第2ノイズ低減部材の前記第3方向一方側への移動を規制する第2規制部と、を有していてもよい。
【0011】
上記の構成によれば、第1保持部が第2壁部から第1壁部の第1方向他方側まで延びていることにより、第1ノイズ低減部材を第1保持部の先端と第1壁部との隙間を通じて第1方向一方側から第1保持部に組み付けることができる。
【0012】
上記の画像形成装置において、前記第1ノイズ低減部材と前記第2ノイズ低減部材とは、前記第3方向から見て異なる位置に配置され、前記第1ノイズ低減部材は、前記第2フラットケーブルと接触して前記第2フラットケーブルの前記第3方向一方側への移動を規制するようにしてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、第1ノイズ低減部材と第2ノイズ低減部材とが第3方向から見て異なる位置にあり、第1ノイズ低減部材が第2フラットケーブルと接触することにより、ケーブルホルダを第3方向に薄型化できるとともに、第2フラットケーブルの浮きを抑制できる。
【0014】
上記の画像形成装置において、前記複数の感光体は、前記第1方向一方側から順に並ぶ第1感光体と、第2感光体と、第3感光体と、第4感光体と、を有し、前記第3方向に重ねて配索される前記フラットケーブルは、前記第3方向一方側に配索される第3フラットケーブルと、前記第3方向他方側に配索される第4フラットケーブルと、を有し、前記複数の露光部材は、前記第1フラットケーブルが接続されて前記第1感光体に光を照射する第1露光部材と、前記第2フラットケーブルが接続されて前記第2感光体に光を照射する第2露光部材と、前記第3フラットケーブルが接続されて前記第3感光体に光を照射する第3露光部材と、前記第4フラットケーブルが接続されて前記第4感光体に光を照射する第4露光部材と、を有し、前記複数のコネクタは、前記第1フラットケーブルが前記第1方向一方側から接続される第1コネクタと、前記第2フラットケーブルが前記第1方向一方側から接続される第2コネクタと、前記第3フラットケーブルが前記第1方向他方側から接続される第3コネクタと、前記第4フラットケーブルが前記第1方向他方側から接続される第4コネクタと、を有していてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、制御基板のコネクタに第1方向両側からフラットケーブルを接続することにより、第1フラットケーブル及び第2フラットケーブルと、第3フラットケーブル及び第4フラットケーブルとを離間させることができ、ノイズの相互影響を低減することができる。
【0016】
上記の画像形成装置において、前記板金部材は、前記第2露光部材よりも前記第1方向他方側に位置し、前記ケーブルホルダは、前記板金部材よりも前記第1方向一方側に突出するとともに、前記第3方向他方側へ傾斜し、前記第1フラットケーブル及び前記第2フラットケーブルを配索する突出部を有していてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、板金部材を小型化したときに、突出部により、第1フラットケーブル及び第2フラットケーブルが板金部材に接触することを抑制できる。
【0018】
上記の画像形成装置において、前記ノイズ低減部材は、前記第1フラットケーブルが挿通される第3ノイズ低減部材を有し、前記保持部は、前記突出部の、前記第3方向から見て前記板金部材の前記第1方向一方側の端部と重なる位置に、前記第2方向から前記第3ノイズ低減部材を装着可能な第3保持部を有していてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、第3ノイズ低減部材により、突出部におけるノイズを低減し、突出部における第1フラットケーブル及び第2フラットケーブルの浮きを抑制することができる。
【0020】
上記の画像形成装置において、前記第1フラットケーブルと、前記第2フラットケーブルと、前記第3フラットケーブルと、前記第4フラットケーブルとが同じ長さであってもよい。
【0021】
上記の構成によれば、同一のフラットケーブルを用いることができるので、フラットケーブルを複数種類用意する必要がない。また、各フラットケーブルのノイズ量が一定になるため、ノイズ低減部材のフラットケーブルに沿った長さの合計を複数のフラットケーブルにおいて全て等しくする構成との相乗効果が大きい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、フラットケーブルを第3方向に重ねて配索することにより、省スペースに配置でき、画像形成装置を小型化することができる。また、ケーブルホルダが第1方向から見てコネクタと異なる位置に配置されることにより、フラットケーブルをコネクタに接続する際に、ケーブルホルダが邪魔にならず、組み立て性がよい。また、1つのフラットケーブルに複数のノイズ低減部材を配置した場合でも、フラットケーブルに沿ったノイズ低減部材の長さの合計を他のフラットケーブルと等しくすることにより、適切なノイズ対策ができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図4】各種部材が組み付けられたトップカバー内部の平面図である。
【
図5】フラットケーブル、ノイズ低減部材、ケーブルホルダ及びスポンジの平面図である。
【
図6】
図5においてフラットケーブルを外した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明では、
図2における右側及び左側を、それぞれ画像形成装置1の前側及び後側と規定し、
図2における紙面手前側及び紙面奥側を、それぞれ画像形成装置1の左側及び右側と規定する。また、
図2における上側及び下側を、それぞれ画像形成装置1の上側及び下側と規定する。
【0025】
本実施形態において、前後方向は第1方向、左右方向は第1方向と直交する第2方向、上下方向は第1方向及び第2方向と直交する第3方向の一例である。また、後側は第1方向一方側、前側は第1方向他方側の一例である。左側は第2方向一方側、右側は第2方向他方側の一例である。上側は第3方向一方側、下側は第3方向他方側の一例である。なお、第1方向は左右方向又は上下方向であってもよく、第2方向及び第3方向は第1方向に応じて規定される。
【0026】
[画像形成装置の全体構成]
図1は一実施形態の画像形成装置1の平面図であり、
図2は
図1の画像形成装置1の中央断面図である。画像形成装置1の外観は、筐体2と、カバーの一例としてのトップカバー8とで形成されている。筐体2は、各部材を支持する本体フレーム(不図示)と、本体フレームを覆い外観を構成する本体カバー21とを備える。筐体2は、上面全体に開口部2Aを有する。
【0027】
画像形成装置1は、電子写真方式により、用紙やOHPシート等のシートSに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。筐体2には、シートトレイ3と、搬送部4と、画像形成部5と、再搬送部6と、制御部7とが収容される。筐体2内において、大まかには上部及び中央部に画像形成部5、画像形成部5の下方及び後方に搬送部4、筐体2の前部及び後部と搬送部4の下方とに亘って再搬送部6、画像形成部5と再搬送部6との間及び本体フレームの左右に制御部7がそれぞれ配置される。
【0028】
また、筐体2の前面下部にはシートトレイ3の挿入口となる開口部2Bが形成されている。シートトレイ3は、上方が開放されたシート収納部31を有する箱状体であり、複数枚重ねられたシートSを支持する。シートトレイ3は開口部2Bを通じて前後方向に移動させることで、筐体2に対して挿抜可能となっている。
【0029】
搬送部4は、搬送経路P1に沿って配置される各部材によって構成され、搬送経路P1に沿ってシートSを搬送する。搬送経路P1はシートトレイ3から画像形成部5を経由して排出トレイ81へ繋がる経路である。搬送部4は搬送経路P1の搬送方向上流側から順に、供給部41と、ベルトユニット42と、排出部43とで構成される。
【0030】
供給部41は、供給ローラ411と、分離ローラ412と、分離パッド413と、搬送ローラ対414と、レジストローラ対415とを備える。シートトレイ3に収容されるシートSは、供給ローラ411、分離ローラ412及び分離パッド413により1枚ずつ搬送経路P1に送り出される。搬送経路P1に送り出されたシートSは、搬送ローラ対414及びレジストローラ対415により画像形成部5に向けて搬送される。
【0031】
ベルトユニット42は、筐体2に対して着脱可能であり、画像形成部5と連動して回転する駆動ローラ421と、駆動ローラ421と離間した位置に回転可能に配設された従動ローラ422と、駆動ローラ421及び従動ローラ422間に巻き付けられた搬送ベルト423とを備える。そして、搬送ベルト423がシートSを載せた状態で回転することにより、シートSを搬送経路P1に沿って搬送し、画像形成部5のドラムユニット51の下方に送り、続いて定着部53へ送る。
【0032】
排出部43は、搬送経路P1の分岐部P11と排出トレイ81との間に配置される中間排出ローラ対431と、排出ローラ対432とを備える。中間排出ローラ対431及び排出ローラ対432は、正方向及び逆方向に回転の切り替えができるように構成されるスイッチバックローラである。中間排出ローラ対431及び排出ローラ対432は、定着部53から搬送されたシートSを排出トレイ81上に排出する場合には正回転し、シートSを反転させて再搬送経路P2に搬送する場合には逆回転する。
【0033】
画像形成部5は、本実施形態では電子写真式を採用している。画像形成部5は、カラー印刷が可能な、いわゆるダイレクトタンデム方式のものであり、前後方向に並設される4つのドラムユニット51と、前後方向に並設される4つの露光部材52と、定着部53と、ベルトクリーナ54とを備える。
【0034】
各ドラムユニット51はブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナー(現像剤)に対応して設けられる。各ドラムユニット51は、感光体の一例としての感光ドラム511と、現像ローラ512と、搬送ベルト423を挟んで感光ドラム511に対向する各位置に配置された転写ローラ513とを備える。4つの感光ドラム511は、前後方向に並ぶとともに、左右方向に延びている。4つの感光ドラム511は、後側から順に第1感光ドラム511A、第2感光ドラム511B、第3感光ドラム511C、第4感光ドラム511Dで構成される。
【0035】
各露光部材52は、各感光ドラム511に光を照射する露光用LEDヘッドを有し、左右方向に延び、前後方向に並んだ状態でトップカバー8に支持される。4つの露光部材52は、後側から順に第1露光部材52A、第2露光部材52B、第3露光部材52C、第4露光部材52Dで構成される。すなわち、第1露光部材52Aは第1感光ドラム511Aに光を照射する露光部材、第2露光部材52Bは、第2感光ドラム511Bに光を照射する露光部材、第3露光部材52Cは、第3感光ドラム511Cに光を照射する露光部材、第4露光部材52Dは、第4感光ドラム511Dに光を照射する露光部材である。
【0036】
このような画像形成部5においては、帯電器によって一様に帯電された各感光ドラム511が、それぞれ露光部材52によって選択的に露光される。この露光により、各感光ドラム511の表面から電荷が選択的に除去され、各感光ドラム511の表面に静電潜像が形成される。
【0037】
各現像ローラ512には現像バイアスが印加されており、各感光ドラム511に形成された静電潜像が各現像ローラ512に対向すると、静電潜像と各現像ローラ512との間の電位差により、各現像ローラ512から静電潜像にトナーが供給される。これによって、各感光ドラム511の表面にトナー像が形成される。
【0038】
画像形成部5へ向けて搬送されたシートSは搬送ベルト423により搬送されて、搬送ベルト423と各感光ドラム511との間を順次通過する。そして、感光ドラム511の表面上のトナー像は、シートSと対向したときに、転写ローラ513に印加された転写バイアスによってシートSに転写される。
【0039】
定着部53は、搬送経路P1において4つの感光ドラム511の搬送方向下流に配設される。定着部53は、シートSに画像を熱定着させる加熱ローラ531と、加熱ローラ531に圧接する加圧ローラ532とを備える。加熱ローラ531はシートSの画像形成面側に配設されており、搬送ベルト423と同期して回転駆動され、トナーを加熱しながらシートSに搬送力を付与する。
【0040】
一方、加圧ローラ532はシートSを挟んで加熱ローラ531と反対側に配設され、シートSを加熱ローラ531側に押圧する。これにより、加圧ローラ532は加熱ローラ531と接触するシートSを介して加熱ローラ531から回転力を受けて従動回転する。
【0041】
また、定着部53は、加熱ローラ531及び加圧ローラ532よりもシートSの搬送方向下流に配置される定着排出ローラ対533を備える。
【0042】
画像形成部5において、トナー像が転写されたシートSは、加熱ローラ531と加圧ローラ532との間を通過する間にシートSにトナー像が熱定着される。トナー像が熱定着されたシートSは、定着排出ローラ対533により挟持されながら中間排出ローラ対431へ搬送される。
【0043】
ベルトクリーナ54は、ベルトユニット42と再搬送部6との間に着脱可能に配置され、搬送ベルト423から廃トナーを回収するための部材である。
【0044】
ベルトクリーナ54は、バックアップローラ541と、クリーニングローラ542と、回収ローラ543と、掻き取りブレード544と、回収室545と、廃トナーボックス546とを有している。
【0045】
バックアップローラ541は、搬送ベルト423の内側に配置され、搬送ベルト423に上方から接触している。クリーニングローラ542は、搬送ベルト423を挟んでバックアップローラ541と対向する位置に配置されており、搬送ベルト423に下方から接触している。
【0046】
ベルトクリーナ54においては、搬送ベルト423に付着する廃トナーを、クリーニングローラ542、回収ローラ543、掻き取りブレード544及び回収室545によって回収し、回収した廃トナーを廃トナーボックス546に収容するように構成されている。
【0047】
クリーニング動作は、画像形成部5による画像形成の終了後に開始される。クリーニング動作においては、搬送ベルト423の表面に付着する廃トナーが、クリーニングローラ542に印加されたバイアスによって、クリーニングローラ542の表面に静電気的に保持され、続いて回収ローラ543に静電気的に転移される。回収ローラ543に転移された廃トナーは、掻き取りブレード544により掻き取られて、回収室545内に落下する。回収室545内に落下した廃トナーは、図示しない搬送手段によって後方へ搬送されて、廃トナーボックス546に収容される。
【0048】
再搬送部6は、再搬送経路P2に沿って配置される各部材によって構成され、再搬送経路P2に沿ってシートSを搬送する。再搬送経路P2は搬送経路P1における定着部53と中間排出ローラ対431との間の分岐部P11から分岐してシートトレイ3の上方を通り、シートトレイ3と画像形成部5との間の合流部P12に合流する経路である。この構成により、再搬送経路P2がシートトレイ3の下方に配置される構成よりも再搬送経路P2を短くすることができる。
【0049】
再搬送部6は、シートトレイ3の上方であって画像形成部5の下方に、シートSの下面を案内する下シュート61と、シートSの上面を案内する上シュート62とを備える。下シュート61は、再搬送経路P2に沿ってシートSを案内するための斜送ローラ対611と再搬送ローラ612とを備える。
【0050】
筐体2の後面には下シュート61の挿入口となる開口部2Cが形成されている。下シュート61は開口部2Cを通じて前後方向に移動させることで、筐体2に対して挿抜可能となっている。
【0051】
再搬送部6は、中間排出ローラ対431から搬送されてくる一面に画像が形成されたシートSを合流部P12へ搬送する。合流部P12から画像形成部5へ再搬送されたシートSは、画像形成部5により他面に画像が形成された後、排出部43により排出トレイ81に排出される。再搬送部6においてジャムが生じた場合、下シュート61を引き出すことにより、ジャム処理することができる。
【0052】
このように、画像形成装置1においては、画像形成部5にて一面に画像が形成されたシートSを、再搬送経路P2を通じて画像形成部5へ再搬送して、当該シートSの他面に画像を形成する、いわゆる両面印刷を行うことが可能となっている。
【0053】
制御部7は、メイン回路基板(図示せず)と、低電圧回路基板71と、板金部材72と、低電圧回路基板71よりも高い電圧を印加する高電圧回路基板(図示せず)とを備える。
【0054】
メイン回路基板は、本体フレーム後方の左面に配置され、低電圧回路基板71及び高電圧回路基板を含む画像形成装置1全体を制御する制御部を有する基板である。低電圧回路基板71は、ベルトクリーナ54の後方であって再搬送部6と画像形成部5との間に配置され、電源回路などに低電圧を印加する基板である。
【0055】
板金部材72は、低電圧回路基板71の上下前後を覆うエンクロージャである。高電圧回路基板は、本体フレームの右面に配置され、画像形成部5の一部などに高電圧を印加する基板である。
【0056】
トップカバー8は、画像形成装置1の上部を構成する部材である。トップカバー8は、後側の基端部に設けられたヒンジ80(
図3参照)によって本体フレームの後上部に回動可能に支持され、開口部2Aを覆う閉位置(
図2に示す位置)と開口部2Aを開放する開位置との間で開閉可能である。
【0057】
トップカバー8は、上面に排出部4によって排出されるシートSを支持する排出トレイ81を備える。排出トレイ81はトップカバー8の上面に後側から前側に向かって凸状に湾曲しつつ登るように傾斜した形状を有している。これにより、画像が形成されたシートSは、排出部43によって後側から前側に向かって排出トレイ81に排出される。以下に、トップカバー8に支持される各種部材について詳しく説明する。
【0058】
[トップカバーに支持される部材]
図3は
図1のA-A断面図、
図4は各種部材が組み付けられたトップカバー8内部の平面図、
図5はフラットケーブル83、ノイズ低減部材84、ケーブルホルダ86及びスポンジ87の平面図、
図6は
図5においてフラットケーブル83を外した図である。
図7はケーブルホルダ86の平面図、
図8はケーブルホルダ86の底面図、
図9はケーブルホルダ86の上側斜視図、
図10はケーブルホルダ86の下側斜視図である。
図11は
図6のB-B断面図、
図12は
図6のC-C断面図、
図13は
図6のD-D断面図である。
【0059】
図3及び
図4に示すように、トップカバー8には、露光部材52と、板金部材82と、フラットケーブル83と、ノイズ低減部材84と、制御基板85と、ケーブルホルダ86と、スポンジ87とが組付けられている。
【0060】
板金部材82は、トップカバー8の剛性確保のためにトップカバー8内部に配置される平面視略矩形の部材である。板金部材82は、制御基板85と、ケーブルホルダ86と、スポンジ87とを支持している。板金部材82は、第2露光部材52Bよりも前側に位置し、排出トレイ81の水平部分の直下に位置している。これにより、板金部材82を小型化できる。
【0061】
フラットケーブル83は、制御基板85と露光部材52とを接続して露光部材52に制御信号を伝送するケーブルである。本実施形態において、フラットケーブル83は、第1フラットケーブル83A、第2フラットケーブル83B、第3フラットケーブル83C及び第4フラットケーブル83Dで構成される。
【0062】
第1フラットケーブル83Aは制御基板85の第1コネクタ851A及び第1露光部材52A、第2フラットケーブル83Bは制御基板85の第2コネクタ851B及び第2露光部材52B、第3フラットケーブル83Cは制御基板85の第3コネクタ851C及び第3露光部材52C、第4フラットケーブル83Dは制御基板85の第4コネクタ851D及び第4露光部材52Dにそれぞれ接続される。
【0063】
図5に示すように、第1フラットケーブル83A及び第2フラットケーブル83Bは、ケーブルホルダ86上において上下方向に重ねて配索される。第1フラットケーブル83Aが上側、第2フラットケーブル83Bが下側に配索される。
【0064】
第1フラットケーブル83Aは、第1コネクタ851Aから後方へ延び、折り曲げられて左方へ延び、折り曲げられて右方へ延び、折り曲げられて後方へ延び、折り曲げられて下方へ延び、第1露光部材52Aに接続される。第2フラットケーブル83Bは、第2コネクタ851Bから後方へ延び、折り曲げられて第1フラットケーブル83Aよりも左方へ延び、折り曲げられて右方へ延び、折り曲げられて後方へ延び、折り曲げられて下方へ延び、第2露光部材52Bに接続される。
【0065】
第3フラットケーブル83C及び第4フラットケーブル83Dは、ケーブルホルダ86上において上下方向に重ねて配索され、第3フラットケーブル83Cが上側、第4フラットケーブル83Dが下側に配索される。
【0066】
第3フラットケーブル83Cは、第3コネクタ851Cから前方へ延び、折り曲げられて右方へ延び、折り曲げられて後方へ延び、折り曲げられて下方へ延び、第3露光部材52Cに接続される。第4フラットケーブル83Dは、第4コネクタ851Dから前方へ延び、折り曲げられて第3フラットケーブル83Cよりも左方へ延び、折り曲げられて右方へ延び、折り曲げられて後方へ延び、折り曲げられて下方へ延び、第4露光部材52Dに接続される。
【0067】
このように、フラットケーブル83を上下方向に重ねて配索することにより、フラットケーブル83を省スペースに配置でき、画像形成装置1を小型化することができる。
【0068】
第1フラットケーブル83A、第2フラットケーブル83B、第3フラットケーブル83C及び第4フラットケーブル83Dは、同じ長さであることが好ましい。この構成によれば、同一のフラットケーブル83を用いることができるので、長さの異なるフラットケーブル83を複数種類用意する必要がない。
【0069】
図5及び
図6に示すように、ノイズ低減部材84は、フラットケーブル83が挿通され、フラットケーブル83から発せられるノイズを低減する平板状の部材である。ノイズ低減部材84には、フェライトコア等の磁性体が用いられる。ノイズ低減部材84はケーブルホルダ86に保持される。ノイズ低減部材84は、複数のフラットケーブル83のうち少なくとも1つに複数配置される。本実施形態において、ノイズ低減部材84は、第1ノイズ低減部材84A、第2ノイズ低減部材84B、第3ノイズ低減部材84C、第4ノイズ低減部材84D、第5ノイズ低減部材84E、第6ノイズ低減部材84F及び第7ノイズ低減部材84Gで構成される。
【0070】
第1ノイズ低減部材84Aには第1フラットケーブル83Aが挿通される。第2ノイズ低減部材84Bには第2フラットケーブル83Bが挿通される。第3ノイズ低減部材84Cには第1フラットケーブル83Aが挿通される。第4ノイズ低減部材84Dには第3フラットケーブル83Cが挿通される。第5ノイズ低減部材84Eには第4フラットケーブル83Dが挿通される。第6ノイズ低減部材84Fには第3フラットケーブル83Cが挿通される。第7ノイズ低減部材84Gには第4フラットケーブル83Dが挿通される。
【0071】
第1ノイズ低減部材84Aと第2ノイズ低減部材84Bとは、上下方向から見て異なる位置に配置される。第1ノイズ低減部材84Aは、第2フラットケーブル83Bと接触して第2フラットケーブル83Bの上側への移動を規制する。このように、第1ノイズ低減部材84Aと第2ノイズ低減部材84Bとが上下方向から見て異なる位置にあり、第1ノイズ低減部材84Aが第2フラットケーブル83Bと接触することにより、ケーブルホルダ86を上下方向に薄型化できるとともに、第2フラットケーブル83Bの浮きを抑制できる。
【0072】
第3ノイズ低減部材84Cは、第2フラットケーブル83Bと接触して第2フラットケーブル83Bの上側への移動を規制する。これにより、ケーブルホルダ86を上下方向に薄型化できるとともに、第2フラットケーブル83Bの浮きを抑制できる。
【0073】
第4ノイズ低減部材84Dと第5ノイズ低減部材84Eとは、上下方向から見て異なる位置に配置される。第4ノイズ低減部材84Dは、第4フラットケーブル83Dと接触して第4フラットケーブル83Dの上側への移動を規制する。このように、第4ノイズ低減部材84Dと第5ノイズ低減部材84Eとが上下方向から見て異なる位置にあり、第4ノイズ低減部材84Dが第4フラットケーブル83Dと接触することにより、ケーブルホルダ86を上下方向に薄型化できるとともに、第4フラットケーブル83Dの浮きを抑制できる。
【0074】
第6ノイズ低減部材84F及び第7ノイズ低減部材84Gは、上下方向に沿って配置される。これにより、第3フラットケーブル83C及び第4フラットケーブル83Dの前後方向への移動を規制することができる。
【0075】
各フラットケーブル83A~83Dに配置されるノイズ低減部材84の各フラットケーブル83A~83Dに沿った長さの合計は、4つのフラットケーブル83A~83Dにおいて全て等しい。
【0076】
本実施形態では、第1フラットケーブル83Aに配置される第1ノイズ低減部材84A及び第3ノイズ低減部材84Cの長さの合計、第2フラットケーブル83Bに配置される第2ノイズ低減部材84Bの長さ、第3フラットケーブル83Cに配置される第4ノイズ低減部材84D及び第6ノイズ低減部材84Fの長さの合計、第4フラットケーブル83Dに配置される第5ノイズ低減部材84E及び第7ノイズ低減部材84Gの長さの合計がそれぞれ等しい。
【0077】
本実施形態では、第1ノイズ低減部材84A、第4ノイズ低減部材84D及び第5ノイズ低減部材84Eが同部材であり、第3ノイズ低減部材84C、第6ノイズ低減部材84F及び第7ノイズ低減部材84Gが同部材である。
【0078】
これにより、1つのフラットケーブル83に複数のノイズ低減部材84を配置した場合でも、フラットケーブル83に沿ったノイズ低減部材84の長さの合計を他のフラットケーブル83と等しくすることにより、適切なノイズ対策ができる。さらに、本実施形態のように各フラットケーブル83A~83Dが同じ長さである場合、各フラットケーブル83A~83Dのノイズ量が一定になるため、ノイズ低減部材84のフラットケーブル83に沿った長さの合計を4つのフラットケーブル83において全て等しくする構成との相乗効果が大きい。
【0079】
制御基板85は、板金部材82に支持される基板である。制御基板85は、4つの露光部材52A~52Dの発光を制御するCPU(Central Processing Unit)と、フラットケーブル83が前後方向から接続される複数のコネクタ851とを有する。本実施形態において、コネクタ851は、第1コネクタ851A、第2コネクタ851B、第3コネクタ851C及び第4コネクタ851Dで構成される。
【0080】
第1コネクタ851Aは、制御基板85上の後部に配置され、第1フラットケーブル83Aが後側から接続されるコネクタである。第2コネクタ851Bは、第1コネクタ851Aの右側に並設され、第2フラットケーブル83Bが後側から接続されるコネクタである。第3コネクタ851Cは、制御基板85上の前部における第1コネクタ851Aと対向する位置に配置され、第3フラットケーブル83Cが前側から接続されるコネクタである。第4コネクタ851Dは、第3コネクタ851Cの右側に並設され、第4フラットケーブル83Dが前側から接続されるコネクタである。
【0081】
このように、制御基板85に前後方向両側からフラットケーブル83を接続することにより、第1フラットケーブル83A及び第2フラットケーブル83Bと、第3フラットケーブル83C及び第4フラットケーブル83Dとを離間させることができ、ノイズの相互影響を低減することができる。
【0082】
ケーブルホルダ86は、板金部材82に支持され、フラットケーブル83を上下方向に重ねて配索した状態で支持する部材である。ケーブルホルダ86は、前後方向から見てコネクタ851A~851Dと異なる位置に配置される。本実施形態において、ケーブルホルダ86はコネクタ851A~851Dの右方に配置される。これにより、フラットケーブル83A~83Dを前後方向からコネクタ851A~851Dに接続する際に、ケーブルホルダ86が邪魔にならず、組み立て性がよい。
【0083】
図3から
図10に示すように、ケーブルホルダ86は、保持部861と、壁部862と、突出部863とを有する。
【0084】
保持部861は、ノイズ低減部材84を保持する部材である。
図5から
図7及び
図9に示すように、本実施形態において、保持部861は、第1保持部861A、第2保持部861B、第3保持部861C、第4保持部861D、第5保持部861E、第6保持部861F及び第7保持部861Gで構成される。
【0085】
壁部862は、ノイズ低減部材の前後方向又は左右方向への移動を規制する部材である。
図5から
図7及び
図9に示すように、本実施形態において、壁部862は、第1壁部862A、第2壁部862B、第3壁部862C、第4壁部862D、第5壁部862E及び第6壁部862Fで構成される。第3壁部862C及び第4壁部862Dは突出部863に含まれる。
【0086】
第1壁部862Aは、第1ノイズ低減部材84A及び第2ノイズ低減部材84Bの後側に位置する左右方向に延びる壁である。第1壁部862Aは、第1ノイズ低減部材84A及び第2ノイズ低減部材84Bの後側への移動を規制する。第2壁部862Bは、第1壁部862Aと対向し、第1ノイズ低減部材84A及び第2ノイズ低減部材84Bの前側に位置する左右方向に延びる壁である。第2壁部862Bは、第1ノイズ低減部材84A及び第2ノイズ低減部材84Bの前側への移動を規制する。
【0087】
第3壁部862Cは、第3ノイズ低減部材84Cの左側に位置し、第1壁部862Aの右端から後方へ延びる壁である。第3壁部862Cは、第3ノイズ低減部材84Cの左側への移動を規制する。第4壁部862Dは、第3壁部862Cと対向し、第3ノイズ低減部材84Cの右側に位置する前後方向に延びる壁である。第4壁部862Dは、第3ノイズ低減部材84Cの右側への移動を規制する。
【0088】
第5壁部862Eは、第4ノイズ低減部材84D及び第5ノイズ低減部材84Eの後側に位置する左右方向に延びる壁である。第5壁部862Eは、第4ノイズ低減部材84D及び第5ノイズ低減部材84Eの後側への移動を規制する。第6壁部862Fは、第5壁部862Eと対向し、第4ノイズ低減部材84D及び第5ノイズ低減部材84Eの前側に位置する左右方向に延びる壁である。第6壁部862Fは、第4ノイズ低減部材84D及び第5ノイズ低減部材84Eの前側への移動を規制する。
【0089】
図3から
図10に示すように、突出部863は、ケーブルホルダ86の右後部において第1壁部862Aの右端から後方へ延びる部材である。突出部863は、板金部材82よりも後側に突出する部材であり(
図4参照)、後端部に下側へ傾斜する傾斜面863Aを有する(
図3、
図9、
図10参照)。突出部863は、第1フラットケーブル83A及び第2フラットケーブル83Bを上下方向に重ねて配索した状態で支持する。突出部863により、板金部材82を前後方向に小型化したときに、第1フラットケーブル83A及び第2フラットケーブル83Bが板金部材82に接触することを抑制できる。
【0090】
図3に示すように、傾斜面863Aは、排出トレイ81の傾斜部分の内面に沿って配置され、第1フラットケーブル83Aを第1露光部材52Aに案内する。第1露光部材52Aは排出トレイ81の後端付近に配置されており、傾斜面863Aが排出トレイ81の傾斜部分に沿って配置されることにより、第1フラットケーブル83Aも排出トレイ81の傾斜部分に沿って配置される。
【0091】
図5から
図7及び
図9に示すように、第1保持部861Aは、後方から第1ノイズ低減部材84Aを装着可能な保持部である。なお、第1保持部861Aは、前方から第1ノイズ低減部材84Aを装着可能な保持部であってもよい。第2保持部861Bは、左方から第2ノイズ低減部材84Bを装着可能な保持部である。なお、第2保持部861Bは、右方から第2ノイズ低減部材84Bを装着可能な保持部であってもよい。第1保持部861Aと第2保持部862Bは、左右方向で隣り合っている。
【0092】
第3保持部861Cは、突出部863における上下方向から見て板金部材82の後側の端部82A(
図4参照)と重なる位置に配置され、右方から第3ノイズ低減部材84Cを装着可能な保持部である。なお、第3保持部861Cは、左方から第3ノイズ低減部材84Cを装着可能な保持部であってもよい。
【0093】
組付け時には、第2ノイズ低減部材84Bが組み付けられた第2フラットケーブル83Bをケーブルホルダ86に組み付けた後、第1ノイズ低減部材84A及び第3ノイズ低減部材84Cが組み付けられた第1フラットケーブル83Aを第2フラットケーブル83Bに重ねてケーブルホルダ86に組み付ける。このとき、第1ノイズ低減部材84Aの装着方向と第2ノイズ低減部材84Bの装着方向とが異なるため、先に組み付けられた第2ノイズ低減部材84B及び第2フラットケーブル83Bが、後から組み付ける第1ノイズ低減部材84A及び第1フラットケーブル83Aの組み付けを妨げることを抑制できる。
【0094】
次に、第1保持部861Aから第7保持部861Gについて詳しく説明する。
図6から
図10に示すように、第1保持部861Aは、第1規制部881と、ガイド部882とを有する。第1規制部881は、第2壁部862Bの上端から第1壁部862Aの前側まで延び、第1壁部862Aの上端よりも上側に位置する部材である。第1規制部881は、略コ字型の平板状の部材である。第1規制部881は、第1ノイズ低減部材84Aの上側への移動を規制する。
【0095】
ガイド部882は、第1規制部881の左右両端部から下側に突出する左右一対の突起である。ガイド部882は、第1ノイズ低減部材84Aの左右両端部と当接可能な部材である。ガイド部882は、第1ノイズ低減部材84Aを第1保持部861Aに後方から装着する際に、第1ノイズ低減部材84Aの左右両端部を案内する。また、ガイド部882は、第1ノイズ低減部材84Aの左右方向の移動も規制する(
図12参照)。
【0096】
このように、第1規制部881が第2壁部862Bの上端から第1壁部862Aの前側まで延びていることにより、
図11に二点鎖線で示すように、第1ノイズ低減部材84Aを第1規制部881の後端と第1壁部862Aとの隙間を通じて後方から第1保持部861Aに組み付けることができる。
【0097】
図6から
図10に示すように、第2保持部861Bは、爪部884と、第2規制部885と、突起886とを有する。爪部884は、第2ノイズ低減部材84Bの底面に位置し、左方へ延びる板バネであり、左先端に第2ノイズ低減部材84Bの左端に係合する上方へ突出した爪を有する。爪部884は、第2ノイズ低減部材84Bの左側への移動を規制する。
【0098】
第2規制部885は、第1壁部862A及び第2壁部862Bから延びる部材である。本実施形態において、第2規制部885は、第1壁部862Aの上端から前方へ延びる平板状の部材と、第1壁部862Aと対向するように第2壁部862Bの上端から後方へ延びる平板状の部材とで構成される。第2規制部885は、第2ノイズ低減部材84Bの上側への移動を規制する。
図12に示すように、突起886は、第2ノイズ低減部材84Bの底面に位置し、第2ノイズ低減部材84Bの右端に係合する上方へ突出した2つの突起で構成される。突起886は、第2ノイズ低減部材84Bの右側への移動を規制する。
【0099】
図6から
図10に示すように、第3保持部861Cは、第3規制部887と、ガイド部888とを有する。第3規制部887は、第3壁部862Cの上端から第4壁部862Dの左側まで延び、第4壁部862Dの上端よりも上側に位置する部材である。第3規制部887は、略L字型の平板状の部材である。第3規制部887は、第3ノイズ低減部材84Cの上側への移動を規制する。
【0100】
ガイド部888は、第3規制部887の前後両端部から下側に突出する前後一対の突起である。ガイド部888は、第3ノイズ低減部材84Cの前後両端部と当接可能な部材である。ガイド部888は、第3ノイズ低減部材84Cを第3保持部861Cに右方から装着する際に、第3ノイズ低減部材84Cの前後両端部を案内する。また、ガイド部888は、第3ノイズ低減部材84Cの前後方向の移動も規制する。
【0101】
このように、第3規制部887が第3壁部862Cの上端から第4壁部862Dの左側まで延びていることにより、
図13に二点鎖線で示すように、第3ノイズ低減部材84Cを第3規制部887の右端と第4壁部862Dとの隙間を通じて右方から第3保持部861Cに組み付けることができる。
【0102】
第4保持部861Dは、第1保持部861Aと同構成であるため説明を省略する。第5保持部861Eは、第2保持部861Bと同構成であるため説明を省略する。第4保持部861Dと第5保持部862Eは、左右方向で隣り合っている。
【0103】
図6から
図10に示すように、第6保持部861Fは、爪部889と、突起890とを有する。爪部889は、第6ノイズ低減部材84Fの左右両側に位置し、上方へ延びる左右一対の板バネであり、上端に第6ノイズ低減部材84Fの左上端及び右上端に係合する爪を有する。爪部889は、第6ノイズ低減部材84Fの上側及び左右方向への移動を規制する。
【0104】
突起890は、第6ノイズ低減部材84Fの前後両側に位置し、第6ノイズ低減部材84Fの前面及び後面に係合する4つの突起で構成される。突起890は、第6ノイズ低減部材84Fの前後方向への移動を規制する。第7保持部861Gは、第6保持部861Fと同構成であるため説明を省略する。
【0105】
図4から
図6に示すように、スポンジ87は、フラットケーブル83が板金部材82に接触しないように、又はフラットケーブル83同士が接触しないように、フラットケーブル83を支持する部材である。なお、スポンジ87は、絶縁材であればゴムなど他の材料であってもよい。本実施形態において、スポンジ87は、第1スポンジ87A、第2スポンジ87B、第3スポンジ87C、第4スポンジ87D、第5スポンジ87E、第6スポンジ87F及び第7スポンジ87Gで構成される。
【0106】
第1スポンジ87Aは、板金部材82上の、制御基板85の後側、かつ第1壁部862A及び第2壁部862Bの左側に配置される略矩形の部材である。第1スポンジ87Aは、接着剤等で板金部材82に固定される。第1スポンジ87Aは、第2フラットケーブル83Bにおける第2コネクタ851Bからケーブルホルダ86までの部分を支持する。第1スポンジ87Aにより、第2フラットケーブル83Bが板金部材82に接触することを抑制できる。
【0107】
第2スポンジ87Bは、第1スポンジ87A上の第2フラットケーブル83Bに重ねて配置される、第1スポンジ87Aと略同形状の部材である。第2スポンジ87Bは、接着剤等で第1スポンジ87A又は第2フラットケーブル83Bに固定される。第2スポンジ87Bは、第1フラットケーブル83Aにおける第1コネクタ851Aからケーブルホルダ86までの部分を支持する。第2スポンジ87Bにより、第1フラットケーブル83Aが第2フラットケーブル83Bに接触することを抑制できる。
【0108】
第3スポンジ87Cは、第2フラットケーブル83B上の、第1ノイズ低減部材84Aの右側、かつ第3ノイズ低減部材84Cの前側に配置される略正方形の部材である。第3スポンジ87Cは、接着剤等で第2フラットケーブル83B又はケーブルホルダ86に固定される。第3スポンジ87Cは、第1フラットケーブル83Aにおける第1ノイズ低減部材84Aから第3ノイズ低減部材84Cまでの部分を支持する。第3スポンジ87Cにより、第1フラットケーブル83Aが第2フラットケーブル83Bに接触することを抑制できる。
【0109】
第4スポンジ87Dは、第2フラットケーブル83B上の、第3ノイズ低減部材84Cの後側に配置される略矩形の部材である。第4スポンジ87Dは、接着剤等で第2フラットケーブル83Bに固定される。第4スポンジ87Dは、第1フラットケーブル83Aにおける第3ノイズ低減部材84Cから後側の第2フラットケーブル83Bと重なる部分を支持する。第4スポンジ87Dにより、第1フラットケーブル83Aが第2フラットケーブル83Bに接触することを抑制できる。
【0110】
第5スポンジ87Eは、板金部材82上の、制御基板85の前側、かつ第5壁部862E及び第6壁部862Fの左側に配置される略矩形の部材である。第5スポンジ87Eは、接着剤等で板金部材82に固定される。第5スポンジ87Eは、第4フラットケーブル83Dにおける第4コネクタ851Dからケーブルホルダ86までの部分を支持する。第5スポンジ87Eにより、第4フラットケーブル83Dが板金部材82に接触することを抑制できる。
【0111】
第6スポンジ87Fは、第5スポンジ87E上の第4フラットケーブル83Dに重ねて配置される略矩形の部材である。第6スポンジ87Fは、第5スポンジ87Eの右半分程度の大きさである。第6スポンジ87Fは、接着剤等で第5スポンジ87E又は第4フラットケーブル83Dに固定される。第6スポンジ87Fは、第3フラットケーブル83Cにおける第3コネクタ851Cからケーブルホルダ86までの部分を支持する。第6スポンジ87Fにより、第3フラットケーブル83Cが第4フラットケーブル83Dに接触することを抑制できる。
【0112】
第7スポンジ87Gは、第4フラットケーブル83D上の、第4ノイズ低減部材84Dの右側、かつ第7ノイズ低減部材84Gの前側に配置される略L字型の部材である。第7スポンジ87Gは、接着剤等で第4フラットケーブル83D又はケーブルホルダ86に固定される。第7スポンジ87Gは、第3フラットケーブル83Cにおける第4ノイズ低減部材84Dから第7ノイズ低減部材84Gまでの部分を支持する。第7スポンジ87Gにより、第3フラットケーブル83Cが第4フラットケーブル83Dに接触することを抑制できる。
【符号の説明】
【0113】
1 画像形成装置
2A 開口部
8 トップカバー(カバー)
52 露光部材
82 板金部材
83 フラットケーブル
83A 第1フラットケーブル
83B 第2フラットケーブル
83C 第3フラットケーブル
83D 第4フラットケーブル
84 ノイズ低減部材
84A 第1ノイズ低減部材
84B 第2ノイズ低減部材
84C 第3ノイズ低減部材
85 制御基板
86 ケーブルホルダ
511 感光ドラム(感光体)
511A 第1感光ドラム(第1感光体)
511B 第2感光ドラム(第2感光体)
511C 第3感光ドラム(第3感光体)
511D 第4感光ドラム(第4感光体)
851 コネクタ
851A 第1コネクタ
851B 第2コネクタ
851C 第3コネクタ
851D 第4コネクタ
862A 第1壁部
862B 第2壁部
861 保持部
861A 第1保持部
861B 第2保持部
861C 第3保持部
863 突出部
881 第1規制部
882 ガイド部
884 爪部
885 第2規制部