(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157491
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】画像形成装置、プログラムおよび文書の修正方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231019BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231019BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
G06F3/12 371
B41J29/38 201
B41J29/38 401
G06F3/12 305
G06F3/12 340
H04N1/00 127Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067433
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】上野 邦和
(72)【発明者】
【氏名】猪股 浩司郎
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】岡安 孝浩
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ06
2C061HJ08
2C061HK11
2C061HK23
2C061HN15
2C061HQ17
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC24
5C062AC34
(57)【要約】
【課題】画像形成装置毎に印刷の処理の修正を行う場合に比べ、ユーザの手間を削減する。
【解決手段】画像形成装置は、プロセッサを有し、プロセッサは、自装置が担当する第1の文書を印刷する処理について、ユーザからの修正を受け付け、他の画像形成装置が印刷を担当する第2の文書に関し、第1の文書と関連することを示す予め定められた条件が成立する場合に、他の画像形成装置に対し、第2の文書を印刷する処理に修正の影響を反映させるための修正情報を送信する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
自装置が担当する第1の文書を印刷する処理について、ユーザからの修正を受け付け、
他の画像形成装置が印刷を担当する第2の文書に関し、前記第1の文書と関連することを示す予め定められた条件が成立する場合に、当該他の画像形成装置に対し、当該第2の文書を印刷する処理に前記修正の影響を反映させるための修正情報を送信する、
画像形成装置。
【請求項2】
前記予め定められた条件は、前記第2の文書と前記第1の文書とが共通の事項を含むことである、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第1の文書に含まれる前記共通の事項の少なくとも一部を他の事項に置き換える前記修正を受け付け、
前記修正情報として、前記第2の文書に含まれる前記共通の事項を前記他の事項に置き換えるための情報を送信する、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の文書および前記第2の文書は、前記共通の事項として共通の文字列を含み、
前記プロセッサは、
前記第1の文書に含まれる前記共通の文字列を、当該共通の文字列とは文字数の異なる他の文字列に置き換える前記修正を受け付けた場合に、前記ユーザに対し文字数が異なる旨を通知する、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記予め定められた条件は、前記第1の文書および前記第2の文書がそれぞれ、共通の元文書を複数の部分に分けた一部であることである、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記元文書において、前記第2の文書が前記第1の文書よりも前の部分である場合には、前記修正情報を送信しない、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記修正として、前記第1の文書を印刷して出力される印刷物の態様を、他の態様にて出力する旨を受け付け、
前記修正情報として、前記第2の文書を印刷して出力される印刷物を、前記他の態様にて出力するための情報を送信する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記ユーザから要求された場合に、前記修正の影響が反映された前記第2の文書の内容を示す画像を、表示部に表示する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
文書を印刷する処理の指示を受け付け、
他の画像形成装置から前記文書を印刷する処理に係る修正を行うための情報を受け付けた場合に、当該文書を印刷する処理に係る修正を行う、
画像形成装置。
【請求項10】
コンピュータに、
自装置が担当する第1の文書を印刷する処理について、ユーザからの修正を受け付ける機能と、
他の画像形成装置が印刷を担当する第2の文書に関し、前記第1の文書と関連することを示す予め定められた条件が成立する場合に、当該他の画像形成装置に対し、当該第2の文書を印刷する処理に前記修正の影響を反映させるための修正情報を送信する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項11】
第1の画像形成装置が担当する第1の文書を印刷する処理について、ユーザからの修正を受け付ける工程と、
第2の画像形成装置が印刷を担当する第2の文書に関し、前記第1の文書と関連することを示す予め定められた条件が成立する場合に、当該第2の画像形成装置に対し、当該第2の文書を印刷する処理に前記修正の影響を反映させるための修正情報を送信する工程と、
前記修正情報に基づいて、前記第2の文書を印刷する処理に前記修正の影響を反映する工程と、
を備える、文書の修正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、プログラムおよび文書の修正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷装置に対し第1の印刷データの印刷を指示するサーバ装置が、印刷装置と一体化した修正操作受付装置から修正データを受信した場合に、修正データに基づいて第1の印刷データを更新し、更新により必要となった再印刷ページを計算し、印刷装置に対して再印刷ページに相当する第2の印刷データの印刷を指示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
文書の印刷を、複数の画像形成装置に分担させることがある。そして、各画像形成装置に印刷が指示された後、ユーザが何れかの画像形成装置に接近した際に、その画像形成装置が担当する文書の印刷に関して間違いを見つけることがある。この場合、ユーザは間違いを修正して印刷を指示し直す必要がある。
ここで、各画像形成装置に分担された文書が関連するものである場合、ある画像形成装置が担当する文書の印刷に対して修正を行うと、他の画像形成装置が担当する文書の印刷にも修正が必要になることがある。しかしながら、画像形成装置毎に修正を行うと、ユーザにとって手間となる。
本発明の画像形成装置等は、画像形成装置毎に印刷の処理の修正を行う場合に比べ、ユーザの手間を削減する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、自装置が担当する第1の文書を印刷する処理について、ユーザからの修正を受け付け、他の画像形成装置が印刷を担当する第2の文書に関し、前記第1の文書と関連することを示す予め定められた条件が成立する場合に、当該他の画像形成装置に対し、当該第2の文書を印刷する処理に前記修正の影響を反映させるための修正情報を送信する、画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、前記予め定められた条件は、前記第2の文書と前記第1の文書とが共通の事項を含むことである、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、前記プロセッサは、前記第1の文書に含まれる前記共通の事項の少なくとも一部を他の事項に置き換える前記修正を受け付け、前記修正情報として、前記第2の文書に含まれる前記共通の事項を前記他の事項に置き換えるための情報を送信する、請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、前記第1の文書および前記第2の文書は、前記共通の事項として共通の文字列を含み、前記プロセッサは、前記第1の文書に含まれる前記共通の文字列を、当該共通の文字列とは文字数の異なる他の文字列に置き換える前記修正を受け付けた場合に、前記ユーザに対し文字数が異なる旨を通知する、請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、前記予め定められた条件は、前記第1の文書および前記第2の文書がそれぞれ、共通の元文書を複数の部分に分けた一部であることである、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、前記プロセッサは、前記元文書において、前記第2の文書が前記第1の文書よりも前の部分である場合には、前記修正情報を送信しない、請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、前記プロセッサは、前記修正として、前記第1の文書を印刷して出力される印刷物の態様を、他の態様にて出力する旨を受け付け、前記修正情報として、前記第2の文書を印刷して出力される印刷物を、前記他の態様にて出力するための情報を送信する、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、前記プロセッサは、前記ユーザから要求された場合に、前記修正の影響が反映された前記第2の文書の内容を示す画像を、表示部に表示する、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項9に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、文書を印刷する処理の指示を受け付け、他の画像形成装置から前記文書を印刷する処理に係る修正を行うための修正情報を受け付けた場合に、当該文書を印刷する処理に係る修正を行う、画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、コンピュータに、自装置が担当する第1の文書を印刷する処理について、ユーザからの修正を受け付ける機能と、他の画像形成装置が印刷を担当する第2の文書に関し、前記第1の文書と関連することを示す予め定められた条件が成立する場合に、当該他の画像形成装置に対し、当該第2の文書を印刷する処理に前記修正の影響を反映させるための修正情報を送信する機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項11に係る発明は、第1の画像形成装置が担当する第1の文書を印刷する処理について、ユーザからの修正を受け付ける工程と、第2の画像形成装置が印刷を担当する第2の文書に関し、前記第1の文書と関連することを示す予め定められた条件が成立する場合に、当該第2の画像形成装置に対し、当該第2の文書を印刷する処理に前記修正の影響を反映させるための修正情報を送信する工程と、前記修正情報に基づいて、前記第2の文書を印刷する処理に前記修正の影響を反映する工程と、を備える、文書の修正方法である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1,9~11に記載の発明によれば、画像形成装置毎に印刷の処理の修正を行う場合に比べ、ユーザの手間を削減する。
請求項2,5に記載の発明によれば、第1の文書と第2の文書との関連が自動で判定される。
請求項3に記載の発明によれば、個別に修正を行う場合に比べ、第1の文書と第2の文書との共通の事項の修正に係る手間を削減する。
請求項4に記載の発明によれば、通知を行わない場合に比べ、修正の前後において文字数が異なる事によるレイアウトの崩れを、把握し易くする。
請求項6に記載の発明によれば、元文書における第1の文書および第2の文書の順番に係わらず修正情報を送信する場合に比べ、第2の文書を印刷する処理に対するユーザの意図しない変更が抑制される。
請求項7に記載の発明によれば、印刷物の態様を個別で修正する場合に比べ、ユーザの手間を削減する。
請求項8に記載の発明によれば、第2の文書に反映される修正の影響が、ユーザに把握される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】本実施の形態が適用される画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】本実施の形態が適用される画像形成装置の機能構成を示す図である。
【
図4】本実施の形態に係る管理サーバの構成例を示す図である。
【
図5】本実施の形態における各装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】画像形成装置にて表示される画面の一例を示す図であり、(A)は自装置および他装置にて保持する印刷ジョブを示す画面、(B)はプレビュー画像を含む画面である。
【
図7】画像形成装置における文字列の修正に係る画面の遷移の例を示す図であり、(A)は文字列の修正を行う前の画面、(B)は正しい文字列を入力する際の画面、(C)は修正を実行した後の画面である。
【
図8】元文書が分割される際の、端末装置への通知の一例を示す図である。
【
図9】ある文字列を異なる文字数の文字列へ修正する場合のレイアウトの変化について説明する図であり、(A)は文字列の修正を行う前の文書に対応するプレビュー画像、(B)は異なる文字数の文字列へ修正した後の文書に対応するプレビュー画像である。
【
図10】ある文字列を異なる文字数の文字列へ修正する場合の、ユーザへの通知の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施の形態」と呼ぶ。)について説明する。
[情報処理システム1]
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムの全体構成例を示す図である。
情報処理システム1は、印刷ジョブに基づいて記録材に画像を形成する印刷機能を備える画像形成装置10(10a,10b,10c)と、画像形成装置10のユーザが操作する端末装置30と、端末装置30から登録された印刷ジョブを指定先の画像形成装置10に送信する管理サーバ20と、を備えている。
情報処理システム1において、画像形成装置10、端末装置30および管理サーバ20は、ネットワーク90を介して相互に情報通信が可能になっている。ネットワーク90は、装置間のデータ通信に利用できるものであれば特に限定されず、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、電話回線等により実現して良い。また、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。さらに、ゲートウェイ装置、ルータ、アクセスポイント等の中継装置を用い、複数のネットワークや通信回線を介して各装置を接続するように構成しても良い。
【0009】
本実施の形態が適用される画像形成装置10は、情報処理システム1を利用するユーザの操作に基づいて、保持している印刷ジョブを実行する。画像形成装置10は、印刷機能として、用紙その他の記録材に画像を形成するために使用される基本的な機能を有している。
なお、本実施の形態において、印刷ジョブとは、印刷の対象となる文書のデータファイルと、印刷により出力される印刷物の態様を定める印刷設定と、文書を印刷する画像形成装置10の動作条件等を設定する動作設定と、印刷ジョブを識別するための情報(ジョブID/JOB-ID)とを含む情報であり、画像形成装置10に対し対象の文書の印刷の処理を指示するための情報である。印刷設定は、印刷物の態様を定める何らかの設定であり、例えば、文書における複数のページをまとめて同じ記録材に印刷する設定や、記録材として紙を用いる場合の用紙サイズ、カラー/白黒の設定、印刷物の綴じの設定等が含まれる。また、文書は、電子文書であり、文字(テキスト)の他に画像を含んでいてもよく、文字を含まず画像のみでもよい。文書のデータファイルには、文書を画像に変換する際に用いられる情報や、電子文書の更新日時、用紙サイズ、ページ数、電子文書内のキーワード等の情報が含まれてもよい。
また、画像形成装置10がある文書を対象とする印刷ジョブを保持することを、「文書の印刷を担当する」と記載する場合がある。
【0010】
また、詳細は後述するが、画像形成装置10は、印刷ジョブへの各種の修正を可能とするジョブ修正機能を有している。
この他、画像形成装置10は、各種の通信機能、例えばWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)経由でインターネットに接続する機能や、電話回線網に接続する機能、端末装置30や管理サーバ20等を介さず他の画像形成装置10に接続する機能を有しても良い。
図1の例においては、情報処理システム1には3台の画像形成装置10が配置されているが、画像形成装置10の台数は限定されない。
【0011】
本実施形態における端末装置30は、管理サーバ20経由で、画像形成装置10に印刷ジョブを送信する端末である。また、端末装置30の各々には、ユーザに対して画像やテキスト情報などを表示する液晶ディスプレイパネルや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイパネルなどからなる表示部(不図示)が設けられている。
端末装置30は、例えば、コンピュータ装置、タブレット型情報端末、スマートフォン、その他の情報処理装置により実現される。
なお、
図1の場合、情報処理システム1には1台の端末装置30が配置されているが、複数台の端末装置30が配置されてもよい。
【0012】
本実施の形態における管理サーバ20は、端末装置30からアップロードされ、登録された印刷ジョブを、画像形成装置10宛てに送信する機能を提供する。また、その他にも、管理サーバ20は、印刷ジョブの内容を画像形成装置10宛てに送信した後に履歴として管理する機能や、画像形成装置10等の他装置から受け付けたデータファイルや情報を記憶して管理する機能を提供して良い。
管理サーバ20は、例えば、コンピュータ装置等のサーバマシンにより実現されるが、サーバマシンの台数は限定されない。また、管理サーバ20は、例えば、所謂クラウド環境において、複数の仮想のサーバマシンに分散させて管理サーバ20の機能を実現しても良い。
【0013】
以下では、端末装置30から画像形成装置10宛てに印刷ジョブを送信したユーザが、この印刷ジョブを保持する画像形成装置10の設置場所に移動して、印刷ジョブの実行や停止を個別に指示する場合を想定する。
なお、本実施形態において、画像形成装置10は、ユーザの認証処理を行い、認証されたユーザにより登録された印刷ジョブの実行を許可する。
【0014】
ここで、本実施の形態が適用される画像形成装置10が有する機能について、概要を説明する。まず、各画像形成装置10が、ユーザの端末装置30から管理サーバ20経由で取得した印刷ジョブを保持している。そして、何れかの画像形成装置10に対するユーザの操作に応じて、その画像形成装置10が保持する印刷ジョブの修正を行う。すると、ユーザが操作した画像形成装置10は、関連する印刷ジョブを保持する他の画像形成装置10に対して、各装置が保持する印刷ジョブに修正の影響を反映するための修正情報を送信する。
【0015】
なお、先述したように、印刷ジョブは文書のデータファイルと印刷設定と動作設定とを含む情報であり、本実施の形態においては、印刷ジョブの修正により対象の文書を印刷する処理の修正が行われる。また、印刷ジョブの「関連」とは、ある印刷ジョブにおいて印刷の対象となる文書について、他の印刷ジョブにおいて印刷の対象となる文書との関連を示す予め定められた条件が成立することを指す。この予め定められた条件については、詳細を後述する。
【0016】
本実施の形態の画像形成装置10が上述した機能を有することにより、ユーザが、ある画像形成装置10の保持する印刷ジョブについて行った修正の影響が、他の画像形成装置10の保持する印刷ジョブにも反映される。これにより、ユーザが、個々の画像形成装置10を操作して、個別に印刷ジョブを修正する必要がなくなる。このように、本実施の形態においては、画像形成装置10毎に文書を印刷する処理の修正を行う場合に比べ、ユーザの手間を削減する。
【0017】
[画像形成装置10]
図2は、本実施の形態が適用される画像形成装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施の形態に係る画像形成装置10は、動作に際して予め定められたプログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算処理部11と、各種データが記録される例えばHDD(Hard Disk Drive)にて実現される2次記憶部12と、ネットワーク90(
図1参照)を介して情報の送受信を行う通信部13とを有している。また、ユーザからの入力操作を受け付けるキー、タッチパネル、カードリーダ等の入力部14と、ユーザに対して画像やテキスト情報などを表示する液晶ディスプレイパネルや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイパネルなどからなる表示部15と、印刷機能を実現する画像形成部16と、スキャン機能を実現する画像読取部17とを有している。
【0018】
演算処理部11は、プロセッサの一例として装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)11a、CPU11aの作業用メモリ等として用いられるRAM(Random Access Memory)11b、CPU11aにより実行されるプログラム等が格納されるROM(Read Only Memory)11cを備えている。また、書き換え可能で電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる不揮発性メモリ11d、演算処理部11に接続される入力部14等の各部を制御するインターフェース部11eを備えている。不揮発性メモリ11dは、例えば、電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等で構成されている。また、2次記憶部12には、各種データ等が記憶される他、演算処理部11により実行されるプログラムが記憶されている。演算処理部11がこの2次記憶部12に記憶されたプログラムを読み込むことによって、画像形成装置10の各処理が実行される。
【0019】
2次記憶部12は、例えば不揮発性の記憶装置であるハードディスク装置(HDD)や半導体メモリ等によって構成される。2次記憶部12には、画像読取部17で読み取られた画像データ、FAX通信を通じて受信されたFAXデータ、通信により外部から受信した画像データ等が保存される。通信により外部から受信した画像データのうちの一部は、管理サーバ20経由で受信される印刷ジョブに含まれている文書のデータファイルである。その他、2次記憶部12には、演算処理部11により実行されるプログラムや、印刷ジョブ、印刷ジョブを登録したユーザの情報等が記憶されている。
【0020】
画像形成部16は、例えばレーザプリンタやインクジェットプリンタ等のプリンタエンジンによって構成され、演算処理部11からの指示に応じて紙等の記録材上に画像を形成し、印刷物として出力する。本実施の形態における画像形成部16は、紙上に印刷データの内容を形成し、紙文書として出力することで、印刷機能を実現する。
【0021】
画像読取部17は、イメージスキャナ等により構成され、演算処理部11からの指示に応じて紙等の記録材上に形成された画像を読み取り、対応する電子データを出力する。
【0022】
図3は、第1の実施形態に係る画像形成装置10の機能構成を示す図である。本実施の形態における演算処理部11は、各種の機能を実現するための機能部として、ジョブ管理部111と、ジョブ修正部112と、関連ジョブ特定部113と、修正情報作成部114と、通知作成部115と、ユーザ認証部116と、表示制御部117と、操作受付部118と、通信制御部119と、印刷処理部120とを有している。
なお、ここでは主に、印刷機能とジョブ修正機能に係る機能部について説明するが、画像形成装置10は、他の機能部を有していても構わない。
【0023】
ジョブ管理部111は、通信部13にて受信した印刷ジョブを管理する。本実施の形態に係るジョブ管理部111は、受信した印刷ジョブと、印刷ジョブの登録を指示したユーザの情報とを紐づけ、2次記憶部12に格納して管理する。また、ジョブ管理部111は、印刷ジョブが実行され完了した場合に、その印刷ジョブを消去する。
なお、ジョブ管理部111は、印刷ジョブが管理サーバ20(
図1参照)経由で受信されたか、その他の受信経路で受信されたかを判別しなくてもよい。その他の受信経路としては、例えば、管理サーバ20を介さずに端末装置30(
図1参照)から受信する経路や、他の画像形成装置10経由で受信する経路等が挙げられる。本実施の形態では、受信された印刷ジョブには、一律に同じ処理が適用される。
【0024】
ジョブ修正部112は、操作受付部118が受け付けた修正の指示に基づいて、自装置内に保持された印刷ジョブを修正する。印刷ジョブの修正としては、例えば、印刷の対象となる文書の内容を修正することや、印刷設定を修正することが行われる。
より詳しくは、本実施の形態に係るジョブ修正部112は、文書を編集する機能を有する機能部であり、ユーザの操作に基づいて、文書に含まれる文字列や画像の削除、新たな文字列や画像の追加等の処理を実行する。また、印刷設定を変更する機能を有する機能部であり、ユーザの操作に基づいて、出力される紙文書の態様の変更、例えば、用紙サイズや綴じ方の変更等の処理を実行する。
また、本実施の形態に係るジョブ修正部112は、他の画像形成装置10から受け付けた修正情報に応じて、自装置内に保持された印刷ジョブに、他の画像形成装置10にて行われた修正の影響を反映する。
【0025】
関連ジョブ特定部113は、他の画像形成装置10が保持している印刷ジョブの中から、自装置が保持する印刷ジョブと関連する印刷ジョブ(「関連ジョブ」と呼ぶ場合がある。)を特定する。
より詳しくは、関連ジョブ特定部113は、他の画像形成装置10が保持している印刷ジョブに係る情報である他装置ジョブ情報を取得する。また、取得した他装置ジョブ情報に基づき、他の画像形成装置10が保持している印刷ジョブの対象となる文書について、自装置が保持している印刷ジョブの対象となる文書との関連を示す予め定められた条件が成立するか否かを判定する。そして、この予め定められた条件が成立する場合に、他の画像形成装置10が保持している印刷ジョブを、関連ジョブとして特定する。この場合、自装置が保持している印刷ジョブの対象となる文書は、第1の文書の一例であり、他の画像形成装置10が保持している関連ジョブの対象となる文書は、第2の文書の一例である。
そして、関連ジョブ特定部113は、自装置が保持している印刷ジョブに対する修正を受け付けた場合に、関連ジョブを保持する他の画像形成装置10を、修正情報の宛先として特定する。
【0026】
本実施の形態における、関連ジョブの特定について、より詳しく説明する。ここでは、ユーザの操作する画像形成装置10aにおいて文書「報告書A」を対象とする印刷ジョブAを保持し、他の画像形成装置10bの保持する文書「報告書B」を対象とする印刷ジョブBを関連ジョブとして特定する場合を例にして説明する。なお、文書「 」と記載する場合、「」内は文書の名称に対応する。
【0027】
本実施の形態に係る関連ジョブ特定部113は、印刷ジョブBが印刷ジョブAと同じユーザにより登録されたこと、および、文書の名称に共通の文字列を含むことに応じて、報告書Bを報告書Aに関連する文書であると判定し、印刷ジョブBを印刷ジョブAの関連ジョブとして特定する。より具体的には、関連ジョブ特定部113は、他の画像形成装置10が保持している印刷ジョブについて、対象となる文書の名称、および、印刷ジョブを登録したユーザの識別情報を含む、他装置ジョブ情報を取得する。そして、取得した他装置ジョブ情報から、他の画像形成装置10が保持している印刷ジョブのうち、印刷ジョブBが、印刷ジョブAと同じユーザにより登録されたものであること、および、文書の名称である報告書Aと報告書Bとが同じ文字列「報告書」を含むことに応じて、報告書Bを報告書Aに関連する文書であると判定し、印刷ジョブBを関連ジョブとして特定する。
ここで、「印刷ジョブが同じユーザにより登録されたこと」、および、「文書の名称に共通の文字列を含むこと」は、文書の関連を示す予め定められた条件の一例である。また、「文書の名称に共通の文字列を含むこと」は、共通の事項を含むことの一例である。
【0028】
なお、他装置ジョブ情報は、印刷ジョブに係る情報であって、文書の関連を示す条件の判定に必要な情報を含んでいれば良い。本実施の形態では、「印刷ジョブが同じユーザにより登録されたこと」、および、「文書の名称に共通の文字列を含むこと」を条件とすることに応じて、印刷ジョブを登録したユーザの識別情報と、印刷ジョブの対象となる文書の名称とを含む、他装置ジョブ情報が取得されている。また、他装置ジョブ情報は例えば、管理サーバ20に要求することによって取得される。また例えば、他の画像形成装置10へ要求することによって取得される。
【0029】
修正情報作成部114は、自装置の保持している印刷ジョブの修正に応じて、修正情報を作成する。修正情報は、自装置にて受け付けた修正の影響を、他の画像形成装置10の保持する印刷ジョブに反映するための情報を含んでいれば良い。換言すると、他の画像形成装置10が、修正情報に応じて修正の影響を反映できれば良い。
ここで、ユーザの操作する画像形成装置10aにおいて文書「報告書A」を対象とする印刷ジョブAを保持し、他の画像形成装置10bにおいて文書「報告書B」を対象とする印刷ジョブBを保持する場合を例にして、修正情報についてより具体的に説明する。なお、印刷ジョブBは、印刷ジョブAの関連ジョブとして特定されているものとする。また、文書「報告書A」は第1の文書の一例であり、文書「報告書B」は第2の文書の一例である。
【0030】
例えば、文書「報告書A」と文書「報告書B」とが、文書の内容において、同じ誤字を含んでいる場合がある。この場合、画像形成装置10aにて文書「報告書A」内に含まれる誤字を修正すると、この修正の影響として、画像形成装置10bにて文書「報告書B」内に含まれる誤字について同様の修正が必要になる。つまり、文書「報告書A」の誤字の修正の影響として、同様の誤字の修正を、文書「報告書B」に反映する必要がある。この例において、画像形成装置10aから画像形成装置10bへ送信される修正情報には、誤字を含む文字列を正しい文字列に置き換えるための情報、少なくとも修正前の文字列および修正後の文字列の情報が含まれる。また、誤字ではなく、単に文書「報告書A」および文書「報告書B」に共通して含まれる文字列または画像を、他の文字列または画像に置き換える際にも、同様の修正情報を用いることができる。
このように、本実施の形態においては、文書「報告書A」および文書「報告書B」に共通して含まれる事項について、文書「報告書A」に含まれる共通の事項の少なくとも一部を他の事項に置き換える修正が行われた場合に、文書「報告書B」に含まれる共通の事項を他の事項に置き換えるための、修正情報が送信される。
【0031】
また例えば、印刷ジョブAおよび印刷ジョブBにおいて出力される紙文書の態様を統一したい場合がある。この場合、画像形成装置10aにて印刷ジョブAの印刷設定を修正すると、この修正の影響として、画像形成装置10bにて印刷ジョブBの印刷設定を修正する必要がある。つまり、印刷ジョブAの印刷設定の修正の影響として、同様の印刷設定の修正を、印刷ジョブBに反映する必要がある。この例において、画像形成装置10aから画像形成装置10bへ送信される修正情報には、少なくとも修正後の印刷設定が含まれる。
このように、本実施の形態においては、印刷ジョブAにより出力される紙文書を、他の態様にて出力する旨を受け付けた場合、つまり印刷設定の修正を受け付けた場合に、印刷ジョブBにより出力される紙文書を他の態様にて出力する修正、つまり印刷ジョブBにも同様の印刷設定の修正を行うための、修正情報が送信される。
【0032】
通知作成部115は、他の画像形成装置10や端末装置30等の他装置に通知される情報を作成する。より詳しくは、本実施の形態に係る通知作成部115は、操作受付部118にて受け付けたユーザの指示、または、自装置にて行われた各種の処理に応じて、他装置に通知される情報を作成する。
【0033】
ユーザ認証部116は、自装置を操作しようとするユーザを特定するために、認証処理を実行する。例えば、ユーザ認証部116は、コード情報やICカード、ユーザの身体の一部、ユーザの所持する端末等から、ユーザを識別するための情報を取得し、認証処理を実行する。また、例えば、ユーザ認証部116は、入力部14を介してユーザが行った操作を基に、IDやパスワードを取得し、認証処理を実行してもよい。
なお、画像形成装置10が自装置にてユーザの認証を行う場合について説明したが、例えば、外部の認証サーバ等の装置に認証を依頼し、認証結果を受け取ることでユーザの認証を行っても良い。
【0034】
表示制御部117は、表示部15にて表示される画像や各種アイコン、テキスト等の種類や内容の制御の他、表示される画像等の位置や大きさといった表示態様の制御を行う。
表示制御部117は例えば、ユーザから印刷ジョブの実行を受け付けるための画面として、自装置に保持された印刷ジョブの一覧を表示する制御を行う。また、他装置ジョブ情報として取得された他の画像形成装置10が保持する印刷ジョブの一覧や、関連ジョブ特定部113にて特定された関連ジョブの一覧を表示する制御を行う。さらに、印刷ジョブの修正に際し、修正を受け付ける画面を表示する制御を行う。修正を受け付ける画面としては、
図7を用いて後述する画面160等がある。
【0035】
操作受付部118は、入力部14を介したユーザによる操作に応じて、ユーザの指示を受け付ける。このユーザの指示とは、例えば、印刷ジョブを修正する指示であり、文書の内容の修正や、印刷設定の修正の指示である。また、登録された印刷ジョブに対応する文書の内容を示す画像や、修正後の印刷ジョブに対応する文書の内容を示す画像を表示させる指示である。さらに、保持している印刷ジョブの実行の指示や、実行中の印刷ジョブの途中停止の指示である。
【0036】
通信制御部119は、通信部13を介した他装置との情報の送受信を制御する。例えば、端末装置30から送信された印刷ジョブや、他の画像形成装置10から送信された修正情報、他の画像形成装置10または管理サーバ20から送信された他装置ジョブ情報等の各種の情報を受信する。
また例えば、他装置に対して各種の情報を送信する。具体的には、他の画像形成装置10に対し、修正情報作成部114が作成した修正情報を送信する他、他の画像形成装置10や端末装置30に対し、通知作成部115が作成した通知を送信する。また、自装置にて実行した処理の内容を示す情報や、他の画像形成装置10または端末装置30へ送信した情報等を、管理サーバ20に送信し、履歴として管理させる。さらに、印刷ジョブを実行して完了した旨を、管理サーバ20に送信し、管理させる。
その他、通信制御部119は、他装置に対する各種の指示を送信する。
【0037】
印刷処理部120は、2次記憶部12から、印刷ジョブを読み出して実行する。より詳しくは、印刷処理部120は、ユーザにより印刷ジョブの実行を指示する操作が行われたこと、または他の画像形成装置10から印刷ジョブの実行が指示されたことに基づいて、印刷ジョブの読み出しと実行とを行う。具体的には、印刷処理部120は、実行が指示された印刷ジョブを2次記憶部12から読み出し、画像形成部16を制御して印刷を実行する。
また、印刷処理部120は、操作受付部118が受け付けた停止の指示に応じて、実行中の印刷ジョブを途中停止する。さらに、実行中の印刷ジョブについて、ジョブ修正部112による修正が行われた場合に、途中停止する。
【0038】
[管理サーバ20、および端末装置30]
図4は、本実施の形態に係る管理サーバ20の構成例を示す図である。
本実施の形態に係る管理サーバ20は、装置全体の動作を制御する演算処理部21と、印刷ジョブ等の各種情報が記録される2次記憶部22と、通信回線を介して情報の送受信を行う通信部23とを有している。
【0039】
演算処理部21は、プロセッサの一例として装置全体を制御するCPU21a、CPU21aの作業用メモリ等として用いられるRAM21b、CPU21aにより実行されるプログラム等が格納されるROM21cを備えている。また、演算処理部21は、書き換え可能で電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる不揮発性メモリ21d、演算処理部21に接続される通信部23等の各部を制御するインターフェース部21eを備えている。
不揮発性メモリ21dは、例えば、電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等で構成され、文書のデータファイルや設定情報等が記憶されている。また、演算処理部21が2次記憶部22に記憶されたプログラムを読み込むことによって、管理サーバ20の各処理が実行される。
【0040】
2次記憶部22は、例えばハードディスク装置(HDD)や半導体メモリ等によって構成される。2次記憶部22には例えば、演算処理部21により実行されるプログラムや、印刷ジョブ、ユーザの情報等が記憶されている。
【0041】
管理サーバ20は、端末装置30からの印刷ジョブや関連情報を受信して管理する他、各画像形成装置10から実行した処理の内容を示す情報等を受信し、履歴として管理する。また、管理サーバ20は、印刷ジョブや関連情報等の各種の情報を、画像形成装置10へ送信して提供する。
さらに、本実施の形態に係る管理サーバ20は、各画像形成装置10から、印刷ジョブが実行され、完了した旨の情報を受信する。これにより、各画像形成装置10に送信した印刷ジョブが、実行中または未実行であるか、実行済みであるかを管理する。
【0042】
ここで、本実施の形態に係る端末装置30のハードウェア構成は、キーボードやマウス等のユーザ操作の入力を受け付ける入力部と、液晶ディスプレイ等により構成される表示部とを備える他は、上記した管理サーバ20のハードウェア構成と同様であるので、ここでは詳細な説明および図面を省略する。
【0043】
端末装置30は、入力部を介して入力されたユーザ操作を基に、ユーザの指示を受け付ける。このユーザの指示とは、例えば、端末装置30に記憶された何れかの文書を指定する指示、指定した文書の印刷の指示等である。
また、端末装置30は、ユーザが印刷を指示した文書の印刷ジョブを生成する。
【0044】
そして、端末装置30は、生成された印刷ジョブを、指定された宛先に送信する。本実施の形態の場合、生成された印刷ジョブの最終的な宛先を、画像形成装置10(
図1参照)とする。端末装置30は、例えば、管理サーバ20(
図1参照)経由で画像形成装置10に印刷ジョブを送信する。その他、端末装置30は、管理サーバ20を経由せず、画像形成装置10に印刷ジョブを送信してもよい。ただし、本実施の形態では、管理サーバ20経由で印刷ジョブが送信されることによって、管理サーバ20により印刷ジョブの履歴の管理が行われる。
また、端末装置30は、画像形成装置10の通信制御部119が送信した通知等の各種の情報を取得し、表示部へ表示しても良い。
【0045】
[各装置の動作]
次に、印刷ジョブの登録と文書の修正とに係る各装置の動作について、
図5~7を用いて説明する。
図5は、本実施の形態における各装置の動作の一例を示すシーケンス図である。
図6は、画像形成装置10aにて表示される画面の例を示す図であり、(A)は自装置および他装置にて保持する印刷ジョブを示す画面150、(B)はプレビュー画像161を含む画面160である。
図7は、画像形成装置における文字列の修正に係る画面の遷移の例を示す図であり、(A)は文字列の修正を行う前の画面160、(B)は正しい文字列を入力する際の画面170、(C)は修正を実行した後の画面160である。
【0046】
ここでは、相互に関連する文書「報告書A」、「報告書B」、「報告書C」について、画像形成装置10aが文書「報告書A」を対象とする印刷ジョブAを保持し、画像形成装置10bが文書「報告書B」を対象とする印刷ジョブBを保持し、画像形成装置10cが文書「報告書C」を対象とする印刷ジョブCを保持する場合を例にして説明する。
なお、図において、文書「報告書A」を単に報告書Aと記載する。他の文書についても同様に、文書の名称のみを記載する。
また、画像形成装置10a,10b、10cを区別するための名称として、それぞれ、「プリンタA」、「プリンタB」、「プリンタC」と呼ぶ場合がある。
【0047】
まず、端末装置30が、複数の文書の印刷の指示をユーザから受け付ける(S501)。この例では、ある1人のユーザから、3つの文書「報告書A」、「報告書B」、「報告書C」の印刷の指示を受け付ける。
次に、端末装置30が、各文書について生成された印刷ジョブA、印刷ジョブB、印刷ジョブCを管理サーバ20に送信する(S502)。
【0048】
次に、管理サーバ20が、受信した印刷ジョブを、印刷を担当する画像形成装置10へ送信する(S503)。この例では、管理サーバ20は、画像形成装置10aに文書「報告書A」を対象とする印刷ジョブA、画像形成装置10bに文書「報告書B」を対象とする印刷ジョブB、画像形成装置10cに文書「報告書C」を対象とする印刷ジョブCを送信する。
各画像形成装置10は、受信した印刷ジョブを保持する。
【0049】
なお、各画像形成装置10に何れの印刷ジョブを送信するかは、ユーザの指示に基づいて決定されて良い。例えば、端末装置30にて、文書「報告書A」、「報告書B」、「報告書C」の印刷の指示を受け付ける際に、文書「報告書A」を画像形成装置10aに担当させ、文書「報告書B」を画像形成装置10bに担当させ、文書「報告書C」を画像形成装置10cに担当させる旨の指示を受け付けたことに応じて、印刷ジョブの送信先を決定して良い。
また例えば、管理サーバ20が、自動的に、印刷ジョブの送信先を決定することとしても良い。より具体的には、管理サーバ20は、情報処理システム1に属するすべての画像形成装置10について優先度を付け、この優先度に応じて印刷ジョブの送信先を決定して良い。なお、優先度は、予め定められたものであっても良く、画像形成装置10の処理能力や、実行中または未実行の状態で保持している印刷ジョブの数等の状況に応じて定められても良い。
【0050】
ここで、端末装置30を操作していたユーザは、画像形成装置10aの設置場所に移動し、画像形成装置10aを操作する。
画像形成装置10aが、自装置を操作するユーザの認証処理を実行する(S504)。画像形成装置10aは、ユーザが入力した情報に基づいて、自装置を操作するユーザを認証する。換言すると、画像形成装置10aは、認証したユーザを、自装置を操作するユーザとして特定する。
【0051】
次に、画像形成装置10aは、管理サーバ20に対し、他装置ジョブ情報を要求する(S505)。本実施の形態では、他の画像形成装置10が保持しているすべての印刷ジョブについて、印刷ジョブを登録したユーザの識別情報と、印刷ジョブの対象となる文書の名称とを含む他装置ジョブ情報を要求する。
管理サーバ20は、画像形成装置10aに対し、要求された他装置ジョブ情報を送信する(S506)。
なお、他の実施の形態においては、他装置ジョブ情報を他の画像形成装置10に要求し、取得しても良い。
【0052】
本実施の形態においては、画像形成装置10aは、ユーザから、他の画像形成装置10が保持している印刷ジョブの情報も表示するモード(以下「連携出力モード」と呼ぶ。)の選択を受け付けることができる。そして、連携出力モードの選択を受け付けると、画像形成装置10aは、自装置および他の画像形成装置10にて保持している印刷ジョブを一覧表示する(S507)。なお、本実施の形態においては、印刷ジョブの一覧表示は、管理サーバ20から取得した他装置ジョブ情報に基づいて行われる。他の実施の形態においては、他装置ジョブ情報とは異なる情報として、印刷ジョブを一覧表示するための情報を取得しても良い。
【0053】
本実施の形態においては、画像形成装置10aにおける印刷ジョブの一覧表示として、
図6(A)に示す画面150が表示される。画面150は、各画像形成装置10の保持している印刷ジョブを一覧として示すジョブリスト151(151a,151b,151c)と、文書の内容を示す画像の表示を指示するための「プレビュー」ボタン152と、複数の印刷ジョブの実行を一括で指示するための「連携印刷」ボタン153とを備える。
【0054】
ジョブリスト151には、各画像形成装置10の保持している印刷ジョブが、対象となる文書の名称を用いて一覧表示されている。この例では、ジョブリスト151は、画像形成装置10a(「プリンタA」)の保持している文書「報告書A」、「報告書」、「請求書」の印刷ジョブを一覧として示すリスト151a、画像形成装置10b(「プリンタB」)の保持している文書「報告書B」、「稟議書」、「調査書」の印刷ジョブを一覧として示すリスト151b、画像形成装置10c(「プリンタC」)の保持している文書「レポートA」、「レポートB」、「報告書C」の印刷ジョブを一覧として示すリスト151cを含んでいる。
また、本実施の形態において、ジョブリスト151は、一覧表示された各印刷ジョブの選択を受け付けるボタンとして機能する。例えば、ジョブリスト151における「報告書A」は、画像形成装置10aの保持する、文書「報告書A」を対象とした印刷ジョブの選択を受け付けるボタンとして機能する。
【0055】
「プレビュー」ボタン152は、選択された印刷ジョブについて、対象となる文書の内容を示す画像(以下、「プレビュー画像」と呼ぶ。)の表示の指示を受け付ける。より詳しくは、ジョブリスト151にて印刷ジョブの選択を受け付けた状態で、「プレビュー」ボタン152が押下されると、
図6(B)に示す画面160へ遷移する。画面160は、選択された印刷ジョブの対象となる文書に対応するプレビュー画像161と、選択された印刷ジョブの実行を指示するための「プリント」ボタン162と、選択された印刷ジョブの修正を受け付ける画面(
図7を用いて後述)の表示を指示するための「編集」ボタン163と、画面150への遷移を指示するための「戻る」ボタン164とを備えている。
ユーザは、表示されたプレビュー画像161により、選択した印刷ジョブの対象となる文書の内容を確認することができる。
【0056】
なお、他の画像形成装置10が保持している印刷ジョブが選択され、「プレビュー」ボタン152が押下された場合には、管理サーバ20または他の画像形成装置10から、対象となる文書のデータファイルまたは印刷ジョブを取得し、プレビュー画像161の表示を行う。例えば、画像形成装置10aにて、画像形成装置10bの保持している文書「報告書B」が選択され、「プレビュー」ボタン152が押下された場合、画像形成装置10aは、管理サーバ20または画像形成装置10bに対し、文書「報告書B」のデータファイルまたは印刷ジョブを要求して取得する。
【0057】
ユーザは、印刷ジョブを実行する際には、何れかの印刷ジョブを選択して実行を指示する。例えば、画面150のジョブリスト151から、文書「報告書A」、「報告書B」、「報告書C」を対象とする3つの印刷ジョブA,B,Cを選択し、「連携印刷」ボタン153を押下することによって、画像形成装置10aにおける印刷ジョブAの実行と、画像形成装置10bにおける印刷ジョブBの実行と、画像形成装置10cにおける印刷ジョブCの実行とが指示される。各画像形成装置10は、他に実行中の印刷ジョブが無い場合には、指示された印刷ジョブを実行し始める。他に実行中の印刷ジョブが存在する場合には、実行中の印刷ジョブが完了してから、指示された印刷ジョブを実行し始める。
また例えば、ユーザは、画面150のジョブリスト151から、文書「報告書A」を対象とする印刷ジョブAを選択し、「プレビュー」ボタン152を押下することによって、文書「報告書A」のプレビュー画像161を含む画面160を表示させる。そして、「プリント」ボタン162を押下することによって、印刷ジョブAの実行を指示する。
【0058】
ここで、ユーザは、印刷ジョブの実行中に、出力された紙文書を確認し、文書の内容や紙文書の態様についての誤りを見つける場合がある。または、印刷ジョブの実行前に、プレビュー画像161を確認し、誤りを見つける場合がある。
例えば、
図7(A)に示すプレビュー画像161において下線を付した文字列「A調査会社」が誤記であると気付いたものとする。ユーザは、「編集」ボタン163を押下して、
図7(B)に示す文書を編集するための画面170の表示を指示する。この例では、画面170は、文書の内容を示す画像であってユーザからの入力による編集を受け付ける編集画像171と、編集に係るユーザからの入力を受け付けるキーボード172と、編集画像171の表示箇所を変更するためのスクロール操作を可能にするスクロールバー173と、文書の修正を指示するための「完了」ボタン174とを備えている。
【0059】
ユーザは、キーボード172を用いて、誤記の文字列「A調査会社」を削除し、正しい文字列「B調査会社」を追加する操作を行う。この文字列の削除および追加は、編集画像171に反映され、
図7(A)において下線で示す「A調査会社」であった部分が
図7(B)に下線で示すように「B調査会社」へ置き換わる。
誤記の訂正が済むと、ユーザは、「完了」ボタン174を押下する。「完了」ボタン174が押下されると、編集画像171にて受け付けた編集の内容に応じ、対応する文書の修正が実行される。これにより、対応する文書のデータファイルにおいて、対応する部分の文字列「A調査会社」が文字列「B調査会社」へ修正される。つまり、印刷ジョブに含まれる文書のデータファイルが修正され、印刷ジョブが、修正後の文書を対象とするものとして修正される。
本実施の形態では、「完了」ボタン174が押下され印刷ジョブの修正が完了すると、
図7(C)に示すように、画面160へ遷移し、修正後の文書の内容を示すプレビュー画像161が表示される。
【0060】
なお、文書に含まれる誤記の訂正を行う場合について説明したが、修正の内容は限定されない。例えば、文書における文字列の色や大きさ等の態様の変更を異ならせることや、文書中の画像を別の画像に変更することを、修正として施しても良い。また例えば、印刷設定の変更を修正として施しても良い。
図7(B)では、誤記の訂正を受け付けることに対応して、キーボード172を備える場合の例を示したが、受け付ける修正の内容に応じて、文字列の態様の変更や画像の変更、印刷設定の変更等を指示するための各種の指示部を設けて良い。
【0061】
また、画面170において、誤記の訂正を受け付けた際に、文書内の同様の誤記と思われる文字列を抽出し、ユーザに提示しても良い。より詳しくは、文書において、ユーザによる修正を受け付けた箇所とは異なる箇所に、修正前の文字列と同じ文字列が存在する場合に、その旨をユーザに提示しても良い。例えば、
図7(B)においては、修正を受け付けた箇所(下線で示す文字列)とは異なる箇所、文書の1行目にも文字列「A調査会社」が含まれる。この場合、例えば「文書内の他の箇所にも『A調査会社』の記載があります」等のテキストによる通知を行っても良い。また例えば、異なる箇所にて抽出した文字列を強調して表示する等の処理を行っても良い。
さらに、修正を受け付けた箇所とは異なる箇所に、修正前の文字列と同じ文字列が存在する場合に、異なる箇所にも同様の修正を行うか否かをユーザに問い合わせても良い。そして、ユーザが同様の修正を行う旨を指示した場合には、異なる箇所に同様の修正を実施しても良い。例えば、
図7(B)の例において、文書「報告書A」内のすべての「A調査会社」を「B調査会社」に置き換える旨の指示を受け付けて良い。
【0062】
また、この例では、実行中または実行が指示された印刷ジョブについて、「編集」ボタン163が押下された場合、印刷ジョブの実行が停止または保留される。その他、画面150,160,170や、ハードウェアキーとして、印刷ジョブの実行を停止または保留を指示するための指示部を設けても良く、停止または保留の後に「編集」ボタン163が押下されても良い。
【0063】
図5に戻り、S508以降のステップを参照して、文書「報告書A」の印刷ジョブAに係る修正が行われる場合を例にして説明する。ここでは、文書「報告書A」、「報告書B」、「報告書C」を対象とする3つの印刷ジョブA,B,Cについて、実行が指示された後に、印刷ジョブAに係る修正が行われるものとする。
【0064】
画像形成装置10aは、文書「報告書A」の印刷ジョブAに係る修正を受け付ける(S508)。先述したように、本実施の形態では、これに伴って印刷ジョブAの実行が停止または保留される。
【0065】
次に、画像形成装置10aは、修正を受け付けた印刷ジョブAに関連する関連ジョブを特定する(S509)。本実施の形態では、同じユーザにより印刷ジョブが登録されたこと、および、文書の名称に共通の文字列を含むこと、に応じて、関連ジョブが特定される。ここでは、画像形成装置10bが保持する文書「報告書B」の印刷ジョブBと、画像形成装置10cが保持する文書「報告書C」の印刷ジョブCが関連ジョブとして特定される。
【0066】
なお、関連ジョブの特定を行った際に、画像形成装置10aにおいて、特定された関連ジョブを示す情報を表示しても良い。例えば、
図6(A)に示すように、ジョブリスト151を表示し、修正の対象である印刷ジョブAと、関連ジョブである印刷ジョブB,Cを強調表示(図では網掛けで表示する。)して、何れの印刷ジョブが関連ジョブとして特定されたかを示しても良い。
【0067】
そして、画像形成装置10aは、特定された関連ジョブを保持する画像形成装置10b,10cに対し、関連ジョブの停止または保留を指示する(S510)。指示を受けた画像形成装置10b,10cは、印刷ジョブB,Cの実行を停止または保留する(S511)。なお、この例では、印刷ジョブA,B,Cについて実行の指示が行われた後、印刷ジョブAの修正を受け付けたために、印刷ジョブA,B,Cの実行を停止または保留する処理が行われている。印刷ジョブA,B,Cについて実行の指示が行われる前に、印刷ジョブAが修正された場合には、印刷ジョブの停止または保留の処理は不要である。
【0068】
画像形成装置10aは、印刷ジョブAの修正を実行する(S512)。この際、画像形成装置10aの通知作成部115は、印刷ジョブAへの修正が行われた旨を示す通知を作成し、ユーザの端末装置30に送信しても良い。
そして、印刷ジョブAの修正の影響を反映するための修正情報を作成し、関連ジョブを保持する画像形成装置10b,10cへ送信する(S513)。なお、修正情報を管理サーバ20にも送信し、履歴として管理させても構わない。また、印刷ジョブA,B,Cを登録したユーザの端末装置30にも送信しても良く、この際に、印刷ジョブAへの修正が行われた旨を示す通知を行っても良い。
【0069】
画像形成装置10b、10cは、受信した修正情報に応じて、自装置の保持する印刷ジョブB,Cに修正の影響を反映する(S514)。例えば、文書「報告書A」内の誤記が訂正されたことに応じて、誤記の文字列および正しい文字列の情報を含む修正情報を受信し、文書「報告書B」、「報告書C」内の誤記を同様に訂正する。また例えば、印刷ジョブAにおける印刷設定が修正されたことに応じて、修正後の印刷設定の内容を含む修正情報を受信し、印刷ジョブB,Cの印刷設定を同様に変更する。この際に、画像形成装置10aにおいて、修正の影響が反映された旨を示す通知を行っても良い。
なお、S514の動作が実行されるまでの何れかの時点において、画像形成装置10aは、ユーザに修正の影響を反映するか否かの指示を受け付けても良い。そして、反映する旨が指示された場合にはS514以降の動作を実行し、反映しない旨が指示された場合には、印刷ジョブAのみを修正し、印刷ジョブB,Cには影響の反映を行わないこととしても良い。
【0070】
なお、ユーザは、S514の後、つまり画像形成装置10b,10cにて影響の反映が行われた後に、画面150(
図6(A)参照)のジョブリスト151から、「報告書B」または「報告書C」を選択し、「プレビュー」ボタン152を押下することによって、修正の影響が反映された文書「報告書B」、「報告書C」に対応するプレビュー画像161の表示を指示することができる。このように、ユーザの要求に従い、修正の影響が反映された文書に対応するプレビュー画像161を表示することで、反映される修正の影響が、ユーザに把握される。また、画像形成装置10b,10cにて影響の反映が行われた場合に、ユーザの指示に係わらず対応するプレビュー画像161を表示し、修正の影響を把握させても良い。
【0071】
そして、画像形成装置10a,10b,10cは、停止または保留されていた印刷ジョブA,B,Cを再開する(S515)。または、印刷ジョブA,B,Cについて実行の指示が行われる前に、印刷ジョブAの修正および印刷ジョブB,Cへの影響の反映が行われた場合には、ユーザから実行の指示を受け付けた後、印刷ジョブA,B,Cの実行を開始する。
【0072】
なお、印刷ジョブが実行中、すなわち、少なくとも一部の紙文書が出力された後に、印刷ジョブが停止され、修正または影響の反映を行った場合には、印刷ジョブを再開するのではなく、初めから実行し直しても良い。つまり、ユーザによる印刷の指示に際し、印刷部数として予め指定された部数を、印刷して良い。例えば、印刷ジョブAが文書「報告書A」を10部印刷する処理であり、5部を印刷した後に修正が行われた場合、印刷ジョブを再開して残りの5部を印刷すると、修正前の紙文書が5部、修正後の紙文書が5部になる。これに対し、印刷ジョブを初めから実行し直すと、修正後の紙文書が10部になり、ユーザが予め指定した部数が得られる。
また、印刷ジョブが実行中、すなわち、少なくとも一部の紙文書が出力された後に、印刷ジョブが停止され、修正または影響の反映を行った場合には、文書において修正または影響の反映が行われたページを、再印刷しても良い。印刷ジョブAが3ページから成る文書「報告書A」を10部印刷する処理であり、5部を印刷した後に、2ページ目にのみ修正が行われた場合、既に印刷した5部について差し替えを行うために、修正後の2ページ目を5部印刷すれば良い。そして、残りの5部については、修正後の2ページ目を含む紙文書として印刷すれば良い。
【0073】
本実施の形態では、S501~S515の動作により、画像形成装置10aにて行った印刷ジョブAへの修正の影響が、画像形成装置10b,10cの保持する印刷ジョブB,Cへ反映される。これにより、ユーザが画像形成装置10b,10cを個別に操作して、印刷ジョブB,Cを修正する場合や、端末装置30にて修正後の印刷ジョブB,Cを登録し直す場合に比べ、ユーザの手間が削減される。
【0074】
ここで、
図5においては、画像形成装置10aにて文書「報告書A」の印刷ジョブAを担当し、文書「報告書A」とは異なる文書「報告書B」、「報告書C」の印刷ジョブB,Cを画像形成装置10b、10cにて担当する場合を例にして説明した。
印刷に係る時間の短縮等を目的として、ある文書を複数の部分に分け、各部分に対応する文書の印刷を、複数の画像形成装置10に分担させる場合がある。以降、分ける前の文書を元文書と呼び、各部分に対応する文書を分割文書と呼ぶ。換言すると、分割文書すべてを統合すると、元文書となる。例えば、100ページから成る元文書Dを印刷したい場合に、1~33ページに対応する分割文書D1、34~66ページに対応する分割文書D2、67~100ページに対応する分割文書D3に分け、分割文書D1,D2,D3を100部ずつ印刷することが考えられる。
【0075】
例えば、端末装置30にて、元文書を分割文書D1,D2,D3に分け、各画像形成装置10へそれぞれ異なる印刷ジョブD1,D2,D3として分担させる場合がある。この場合、元文書の分割は例えば、ユーザが端末装置30を用いて元文書を編集して分け、分割文書D1,D2,D3を生成する、または、端末装置30が予め定められたページ数毎に元文書を分け、分割文書D1,D2,D3を生成することによって行われる。
【0076】
また例えば、元文書Dの印刷ジョブDを管理サーバ20に送信した場合に、管理サーバ20が、元文書Dを予め定められたページ数毎に分けて分割文書D1,D2,D3を生成し、各分割文書を対象とする印刷ジョブD1,D2,D3を生成しても良い。そして、印刷ジョブD1,D2,D3を、各画像形成装置10に送信して分担させて良い。この際、印刷ジョブD1,D2,D3に含まれるユーザの情報や印刷設定には、元文書Dの印刷ジョブDに含まれていた情報が用いられる。
なお、管理サーバ20は、各画像形成装置10が保持している印刷ジョブの数や、保持している印刷ジョブの内容、各画像形成装置10の処理能力等に応じて、印刷ジョブD1,D2,D3の送信先を決定して良い。
【0077】
さらに例えば、元文書Dの印刷ジョブDが画像形成装置10に登録された場合に、画像形成装置10が、元文書Dを予め定められたページ数毎に分けて分割文書D1,D2,D3を生成し、各分割文書を対象とする印刷ジョブD1,D2,D3を生成しても良い。そして、印刷ジョブD1,D2,D3の一部または全部を、他の画像形成装置10に送信して分担させて良い。この際も、印刷ジョブD1,D2,D3に含まれるユーザの情報や印刷設定には、元文書Dの印刷ジョブDに含まれていた情報が用いられる。
【0078】
なお、画像形成装置10、管理サーバ20が元文書を分けるか否かは、元文書のページ数や印刷部数、およびページ数と印刷部数との積である印刷枚数に応じて定められても良い。例えば、元文書のページ数や印刷部数、印刷枚数が、予め定められた閾値を超える場合に、分割文書を生成し対応する印刷ジョブを生成するものとして良い。
【0079】
また、画像形成装置10、管理サーバ20、端末装置30が元文書を分ける際には、各分割文書の印刷ジョブが関連ジョブとして特定されるように、各分割文書に共通の文字列を含む名称が付される。例えば、元文書「報告書」を3つに分けた分割文書の名称「報告書_202202181920_1」、「報告書_202202181920_2」、「報告書_202202181920_3」には、元文書の名称および分割が行われた日時(2022/02/18 19:20)、分割文書の番号(末尾の1,2,3)に対応する文字列が含まれる。この場合、各分割文書は、共通の文字列「報告書_202202181920」を含むことになる。なお、「分割文書の番号」は、分割文書を順番に並べて元文書に対応させた場合に、各分割文書が何番目に当たるかを示す番号である。分割文書の番号は、文書の名称に含まれる他、印刷ジョブに含まれていても良い。
【0080】
ここで、画像形成装置10または管理サーバ20にて元文書が分割され、複数の画像形成装置10にて分担して印刷を行う際には、元文書の印刷を指示したユーザに対し、その旨を通知しても良い。例えば、端末装置30にて、文書が分割され、各画像形成装置10にて印刷される旨を通知して良い。
【0081】
図8は、元文書が分割される際の、端末装置30への通知の一例を示す図である。ここでは、画像形成装置10aに送信された印刷ジョブ(JOB-ID XXX)について、対象となる文書を元文書として、画像形成装置10aにより3つの分割文書が生成され、各分割文書の印刷ジョブを画像形成装置10a,10b,10cで分担する場合の例を示す。端末装置30の表示部35において、画面350は、印刷に係る通知がある旨を示すアイコン351と、文書の分割が行われ画像形成装置10a,10b,10c(図ではプリンタA,B,Cと記載している。)で印刷を分担する旨を示すメッセージ352と、を備えている。ユーザは、メッセージ352を確認することにより、自身が指示した元文書(JOB-ID XXX)の印刷が、画像形成装置10a,10b,10cに分担されることを把握できる。
【0082】
なお、
図8の表示例では、各分割文書の印刷ジョブの実行を指示するための「印刷実行」ボタン353と、各分割文書の印刷ジョブの取り止めを指示するための「印刷中止」ボタン354とが、あわせて表示されている。ユーザは、画像形成装置10から各分割文書の印刷ジョブの実行を指示する他、この「印刷実行」ボタン353を用いて実行を指示することもできる。
【0083】
また、ある文書について2以上の部数の印刷が指示された場合に、複数の画像形成装置10に分担する場合がある。例えば、文書Eを100部印刷したい場合に、画像形成装置10aにて33部,画像形成装置10bにて33部,画像形成装置10cにて34部の印刷を担当させる場合がある。すなわち、文書Eを100部印刷する処理を、文書Eを33部印刷する印刷ジョブE1、文書Eを33部印刷する印刷ジョブE2、文書Eを33部印刷する印刷ジョブE3の3つの印刷ジョブに分け、各印刷ジョブを画像形成装置10a,10b,10cに実行させたい場合がある。このように、元となる共通の印刷ジョブを、印刷する部数毎に複数の印刷ジョブ(「分割ジョブ」と呼ぶ場合がある。)に分ける際にも、上記した文書の分割と同様に、画像形成装置10、管理サーバ20または端末装置30にて印刷ジョブを分割し、分割後の各印刷ジョブを各画像形成装置10に担当させれば良い。
【0084】
ところで、文書内の誤記を訂正する際、修正前の文字数と修正後の文字数とが異なる場合には、文書のレイアウトが崩れる場合がある。
図9は、ある文字列を異なる文字数の文字列へ修正する場合のレイアウトの変化について説明する図であり、(A)は文字列の修正を行う前の文書に対応するプレビュー画像161、(B)は異なる文字数の文字列へ修正した後の文書に対応するプレビュー画像161である。
ある文字列を異なる文字数の文字列へ修正する場合の、ユーザへの通知の一例を示す図である。
【0085】
誤記の訂正の前後において文字数の変化が無い場合、例えば修正前の文字列「A調査会社」が5文字であるのに対し、修正後の文字列「B調査会社」が5文字であるような場合には、
図7(A),(C)に示すように、修正によるレイアウトの崩れは発生せず、ユーザが文書を作成した際のレイアウトが維持される。
しかしながら、誤記の訂正の前後において文字数が増加した場合、例えば修正前の文字列「A調査会社」が5文字であるのに対し、修正後の文字列「XXXX調査会社」が8文字であるような場合には、
図9(A)に示すように文字列が次の行にはみ出して行の数が増加し、レイアウトが崩れる可能性がある。また、行の増加の結果、文字列が次のページへはみ出し、レイアウトが崩れる可能性がある。反対に、誤記の訂正の前後において文字数が減少した場合にも、行の減少によってレイアウトが崩れる場合がある。
【0086】
したがって、本実施の形態において、画像形成装置10は、修正前の文字列とは文字数の異なる文字列への修正を受け付けた場合に、ユーザに文字数が異なる旨を通知する。より具体的な例としては、
図10に示すように、メッセージ180を表示してユーザへの通知を行う。この例では、メッセージ180は、修正の前後において文字数が異なる旨を示すテキスト「修正前の文字数と修正後の文字数に差異が生じました。」と、レイアウトの崩れについて言及するテキスト「レイアウトが崩れる可能性があります。」と、修正を実行するかを問うテキスト「修正を実行しますか?」とを含んでいる。
そして、画面160には、メッセージ180と合わせ、修正の実行を指示するため「修正実行」ボタン181と、修正の取り止めを指示するための「修正中止」ボタン182とが表示されている。ユーザは、メッセージ180を確認することによってレイアウトが崩れる可能性を把握し、それでも修正を行いたい場合は「修正実行」ボタン181を押下し、修正を行いたくない場合は「修正中止」ボタン182を押下する。これにより、修正後の文書に関し、ユーザの意図しないレイアウトの崩れが発生することを抑制する。
【0087】
また、他の画像形成装置10が保持している関連ジョブについて、修正情報に応じて同様の誤記の訂正を行う際に、同様のレイアウトの崩れが発生する可能性がある。画像形成装置10は、他の画像形成装置10が保持している関連ジョブにおいてもレイアウトの崩れが発生する可能性があることを、合わせて通知して良い。ユーザは、関連ジョブにおけるレイアウトの崩れも考慮した上で、修正を実行するか否かを判断することができる。
【0088】
さらに、分割文書の印刷を複数の画像形成装置10に分担させた場合、何れかの分割文書においてレイアウトの崩れが発生すると、各画像形成装置10から出力された紙文書をまとめて元文書に対応する紙文書とする際に、全体としてレイアウトの崩れが発生する場合がある。例えば、上記した分割文書D1,D2,D3について、分割文書D1,D2,D3に行の増加が発生し、最終ページとして1行の文字列のみで構成されるページが増えてしまったとする。この分割文書D1,D2,D3の紙文書をまとめ、元文書Dの紙文書とすると、分割文書D1に対応する部分と分割文書D2に対応する部分との間、および、分割文書D2に対応する部分と分割文書D3に対応する部分との間に、1行の文字列のみのページが存在することになり、レイアウトの崩れた紙文書となってしまう。
したがって、本実施の形態において、画像形成装置10は、分割文書において修正前後の文字数が異なる修正を受け付けた際に、紙文書をまとめた際に全体のレイアウトが崩れる可能性がある旨を通知する。
【0089】
[応用例および変形例]
(関連ジョブの特定)
本実施の形態においては、「印刷ジョブが同じユーザにより登録されたこと」、および、「文書の名称に共通の文字列を含むこと」を予め定められた条件として、関連する文書を判定し、関連ジョブを特定する構成とした。
上記した通り、関連する文書の判定に用いられる予め定められた条件は限定されるものではなく、「共通の元文書を分割した分割文書であること」を条件にしても良い。この場合、分割文書の印刷ジョブに、元文書を識別するための情報を含ませる。元文書を識別するための情報としては、例えば、元文書の名称等を用いることができる。
【0090】
また、本実施の形態では、「文書の名称に共通の文字列を含むこと」を条件としているが、文書の内容に共通の文字列または共通の画像を含むことを条件としても良い。なお、「文書の内容に共通の文字列または共通の画像を含むこと」は、共通の事項を含むことの一例である。
この場合、画像形成装置10は例えば、他装置ジョブ情報として、他の画像形成装置10が保持している印刷ジョブの対象となる文書のデータファイルを含む情報を取得する。
なお、共通の印刷ジョブを元にした分割ジョブ同士は、互いに対象となる文書が同じであり、共通の文字列または共通の画像を含むことになる。したがって、画像形成装置10は、ある分割ジョブの対象となる文書に対し、共通の印刷ジョブを基にした他の分割ジョブの対象となる文書を、関連する文書として判定する。この場合、分割ジョブには、元の印刷ジョブを識別するための情報を含ませる。元の印刷ジョブを識別するための情報としては、例えば、元の印刷ジョブのジョブID等を用いることができる。
【0091】
さらに、他の実施の形態においては、「印刷ジョブが同じユーザにより登録されたこと」を条件とせずに、他のユーザにより登録された印刷ジョブを関連ジョブとして特定し、修正の影響を反映することとしても良い。なお、他のユーザにより登録された印刷ジョブに対し、修正の影響を反映する場合には、他のユーザの端末装置30に対しその旨を通知しても良い。
さらにまた、「印刷ジョブが同じユーザにより登録されたこと」に代えて、印刷ジョブを登録したユーザの属性が同じであることを条件としても良い。ユーザの属性には、例えば、ユーザの所属する組織や組織における階級等が含まれる。
【0092】
また、本実施の形態に係る画像形成装置10は、2つの条件を用いて文書の関連を判定するが、他の実施の形態においては、1つの条件のみを用いて判定を行っても良く、3つ以上の条件を用いて判定を行っても良い。つまり、文書の関連を示す予め定められた条件の数は、限定されない。
【0093】
また、
図5に示した動作例では、画像形成装置10aが、印刷ジョブAの修正を受け付けた後に、他装置ジョブ情報を取得し、印刷ジョブAの関連ジョブを特定するものとして説明した。他装置ジョブ情報の取得や関連ジョブの特定は、他の時点で行っても良く、少なくとも修正情報を送信する前に行われていれば良い。例えば、画像形成装置10aに印刷ジョブAが登録される時点で、他装置ジョブ情報の取得や関連ジョブの特定を行って良い。
さらに、関連ジョブの特定は、管理サーバ20により行われても良く、特定された関連ジョブを示す情報を画像形成装置10aに送信する構成としても構わない。
【0094】
(修正情報)
本実施の形態においては、画像形成装置10が、修正情報として修正前および修正後の文字列の情報や、変更後の印刷設定の内容等を送信する場合について説明した。他装置ジョブ情報として他の画像形成装置10が保持している印刷ジョブまたは対象となる文書のデータファイルを取得した場合には、これらの内容を変更し、修正情報として送信しても構わない。例えば、画像形成装置10aが文書「報告書A」の印刷ジョブAを保持し、画像形成装置10bが文書「報告書B」の印刷ジョブBを保持し、画像形成装置10cが文書「報告書C」の印刷ジョブCを保持している場合、画像形成装置10aが他装置ジョブ情報として印刷ジョブB,Cを取得する。そして、印刷ジョブAに行われた修正と同様の変更を印刷ジョブB,Cに施した上で、変更後の印刷ジョブB,Cを画像形成装置10b、10cに送信しても良い。画像形成装置10b,10cは、元々保持していた印刷ジョブB,Cを、修正情報として受信した変更後の印刷ジョブB,Cに置き換え、修正の影響を反映することができる。
【0095】
(影響の反映)
ここで、ある画像形成装置10にて修正された印刷ジョブと、他の画像形成装置10が保持している関連ジョブに関し、関連ジョブの対象となる文書の属性に応じた条件を設け、条件が成立する場合は修正情報の送信を行い、条件が成立しない場合は修正情報の送信を行わないこととしても良い。
例えば、画像形成装置10にて修正された印刷ジョブの対象となる文書に対し、関連ジョブの対象となる文書が、下流側の文書であること、または、上流側の文書であることを条件として、関連ジョブを保持している画像形成装置10への修正情報の送信を行っても良い。ここで、「下流側の文書」とは、ある文書と順番に並べた場合に、後になる文書である。反対に、「上流側の文書」とは、ある文書と順番に並べた場合に、先になる文書である。例えば、文書「上巻」、「中巻」、「下巻」が存在する場合には、上巻は中巻に対し上流側の文書であり、下巻は中巻に対し下流側の文書である。同様に、文書「No.1」、「No.2」、「No.3」が存在する場合には、No.1はNo.2に対し上流側の文書であり、No.3はNo.2に対し下流側の文書である。
【0096】
このように、画像形成装置10は、関連ジョブの対象となる文書の名称から文書の順番を判断して、修正情報を送信するか否かを判定し、下流側または上流側の文書を対象とする印刷ジョブに対してのみ、影響の反映が行われるようにして良い。
なお、分割文書の順番を判断する場合には、分割文書の名称または印刷ジョブに含まれている分割文書の番号に応じて判断を行っても良い。
【0097】
(修正の影響を反映する画像形成装置10)
ここで、上記した本実施の形態においては、画像形成装置10aにて行われた印刷ジョブAの修正の影響が、画像形成装置10b,10cにて印刷ジョブB,Cに反映され、印刷ジョブB,Cが修正される。
この場合、画像形成装置10b,10cは、自装置が保持する印刷ジョブに関連する印刷ジョブを保持している画像形成装置10aから、自装置が保持する印刷ジョブを修正するための情報を受け付けた場合に、印刷ジョブの修正を行うものと捉えることができる。
【0098】
(ユーザが操作する画像形成装置10)
ユーザは、端末装置30にて文書の印刷を指示する際に、自身が操作する画像形成装置10を予め指定しておいても良い。例えば、印刷ジョブA,B,Cを登録する際に、画像形成装置10aを操作の対象として指定した場合、画像形成装置10aは、ユーザを識別するよりも前の時点で印刷ジョブAの関連ジョブを特定しておいても良い。
【0099】
(情報の提示)
上記した本実施の形態においては、各装置にて行われる通知等、ユーザへの各種の情報の提示が、表示部への表示により行われるものとして説明したが、情報を提示する手段は限定されない。例えば、メールや音声による通知等、公知の各種の手段を用いても構わない。
【0100】
(文書の修正方法)
なお、上記した本実施の形態は、画像形成装置10を用いた文書の修正方法としても理解される。より詳しくは、本実施の形態は、画像形成装置10aが担当する印刷ジョブAについて、ユーザからの修正を受け付ける工程と、画像形成装置10b,10cが担当する印刷ジョブB,Cの対象となる文書「報告書B」「報告書C」に関し、印刷ジョブAの対象となる文書「報告書A」と関連することを示す予め定められた条件が成立する場合に、画像形成装置10b、10cに対して修正情報を送信する工程と、修正情報に基づいて、印刷ジョブB,Cに修正の影響を反映する工程と、を備えることを特徴とする、文書の修正方法と捉えることができる。
【0101】
上記した実施の形態、応用例および変形例において、プロセッサの一例としてのCPU11a(
図2参照)、21a(
図4参照)によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、演算処理部11、21へ提供される。また、CPU11a、21aによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて画像形成装置10、端末装置30、管理サーバ20にダウンロードしてもよい。なお、各実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0102】
各実施形態における情報処理システムが行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。このプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0103】
1…情報処理システム、10…画像形成装置、11a,21a…CPU、20…管理サーバ、30…端末装置