(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157504
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/20 20060101AFI20231019BHJP
B65D 43/08 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
B65D77/20 B
B65D43/08 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067449
(22)【出願日】2022-04-15
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】込山 和馬
【テーマコード(参考)】
3E067
3E084
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB01
3E067BA10A
3E067BB14A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB17A
3E067BB25A
3E067BC02A
3E067BC07A
3E067CA11
3E067CA17
3E067EA18
3E067EB17
3E067EB27
3E067EE02
3E067FC01
3E067GA01
3E084AA05
3E084AA14
3E084AA24
3E084BA01
3E084CA03
3E084CC03
3E084DA03
3E084DB13
3E084DC03
3E084FC07
3E084GA08
3E084GB12
3E084JA10
3E084LD30
(57)【要約】
【課題】強固に嵌め合わせることができる内外嵌合構造を備えた包装用容器において、嵌め合わせやすくした包装用容器を提供する。
【解決手段】包装用容器は、容器本体2と、容器本体2に嵌め合わせる蓋体3とを備え、蓋体3には、下方に向かい突出する嵌合凸部34を備え、容器本体2には、下方に凹み、嵌合凸部34を内外嵌合させる嵌合凹部24を備え、嵌合凹部24の一部又は全部を下方に延長させて第一脚部25としたことを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、該容器本体に嵌め合わせる蓋体とを備えた包装用容器であって、
該蓋体には、下方に向かい突出する嵌合凸部を備え、
該容器本体には、下方に凹み、該嵌合凸部を内外嵌合させる嵌合凹部を備え、
該嵌合凹部の一部又は全部を下方に延長させて第一脚部とした包装用容器。
【請求項2】
前記第一脚部よりも容器内側に、下方に突出させた第二脚部を備えた請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記第二脚部が前記第一脚部よりも下方に突き出た請求項2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記嵌合凸部を蓋体のフランジ部に形成し、前記嵌合凸部の先端部に側面を膨らませた嵌合留め部を設けてあり、
前記嵌合凹部を容器本体のフランジ部に形成し、前記嵌合凹部の側面に該嵌合留め部を係止する嵌合受部を設けてある請求項1~3のいずれか1項に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体を容器本体に強固に嵌め合わせることができるとともに、嵌め合わせやすくした包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
薄肉樹脂シート製容器が普及しており、例えば、小売店においては弁当や総菜などの食料品を包装するのに用いられ、また、飲食店ではテイクアウト用として用いられている。
このような容器において、以前は、蓋体を容器本体に留めるのに、セロハンテープやステープラを用いることもあったが、現在では蓋体を容器本体に嵌合する嵌合構造を備えてあるものが多い。
【0003】
容器の嵌合構造としては、例えば、外嵌合構造、内嵌合構造、内外嵌合構造などがよく知られている。このうち内外嵌合構造は、嵌合力が強く、強固に嵌め合わせることができ、密閉性に優れているものである。
【0004】
内外嵌合構造を備えた容器としては、例えば、下記特許文献1には、『側壁の上部に嵌合突条を周設した容器本体と、前記嵌合突条に嵌合される嵌合凹条を周設した蓋体とからなる内外嵌合型の包装用容器であって、前記容器本体の底面から前記嵌合突条に至る前記側壁に、前記蓋体側の当接平面が当接することになる当該容器本体側の当接平面の一部を残しながら、前記蓋体側の当接平面の当接を回避する傾斜面を形成したことを特徴とする内外嵌合型の包装用容器』が開示されている。
【0005】
また、下記特許文献2には、『容器本体と蓋とを嵌合する包装用容器の内外嵌合構造において、容器本体、蓋のいずれか一方に設けた嵌合凸部と、容器本体、蓋のいずれか他方に設けた、嵌合凸部に嵌め合せ可能な嵌合凹部とを備え、嵌合凸部は、断面において、基端部側に逆テーパ状の下部傾斜面と、先端部側にテーパ状の上部傾斜面と、を備え、嵌合凸部の容器内側に位置する上部傾斜面の長さを、嵌合凸部の容器外側に位置する上部傾斜面の長さよりも長くしたことを特徴とする包装用容器の内外嵌合構造』が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-176507号公報
【特許文献2】特開2017-137124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
内外嵌合構造は、容器本体及び蓋体の外縁のフランジ部に設けてあることがよく見られる。このような場合、フランジ部は薄板が外側に張り出した形状としてあるため、力を加えると撓みやすく、力が抜けて嵌め合わせにくいことがあった。特に内外嵌合構造は嵌合力が強固である反面、嵌め合わせるのにも力を必要とするため、フランジ部が変形しないように支持しておかないとうまく嵌め合わせないことがあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、強固に嵌め合わせることができる内外嵌合構造を備えた包装用容器において、嵌め合わせやすくした包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態の包装用容器は、容器本体と、該容器本体に嵌め合わせる蓋体とを備えた包装用容器であって、該蓋体には、下方に向かい突出する嵌合凸部を備え、該容器本体には、下方に凹み、該嵌合凸部を内外嵌合させる嵌合凹部を備え、該嵌合凹部の一部又は全部を下方に延長させて第一脚部としたことを特徴とする。
【0010】
上記形態の包装用容器は、嵌合凹部を容器本体に備え、その一部又は全部を、下方に延長させて第一脚部としたことにより、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌め合わせようとする場合に、第一脚部の下端部が接地して嵌合凹部が支持されるため、嵌合凹部が撓まずに力が伝えやすくなり、嵌合凸部を簡易に嵌め合わせることができる。
【0011】
上記形態の包装用容器は、第一脚部よりも容器内側に、下方に突出させた第二脚部を備えることができる。これにより、第一脚部及び第二脚部の両方で支持されるので、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌め合わせる際にも作業がしやすくなる。さらに好ましくは、容器本体の外側から、第一脚部、フランジ部、第二脚部、底面部の順に配列すれば、第一脚部及び第二脚部の両方の支持により、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌め合わせる際に作業しやすくなるとともに、収容物を収容した際の収容物の重みによる容器本体の撓みを防ぐこともできる。
【0012】
また、第二脚部を第一脚部よりも下方に突き出させることができる。これにより、容器本体を棚や机上などに置いた際に、第一脚部がやや浮いた状態になるが、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌め合わせるときには、撓んで第一脚部の下端部が接地するため力を込めて嵌め合わせることができる。また、嵌め合わせの際に、第一脚部の下端部が潰れるなど変形したとしても、第二脚部が脚部として機能し、容器本体を支持するため、安定させて陳列することができる。
【0013】
上記形態の包装用容器は、前記嵌合凸部を蓋体のフランジ部に形成し、前記嵌合凸部の先端部に側面を膨らませた嵌合留め部を設けてあり、前記嵌合凹部を容器本体のフランジ部に形成し、前記嵌合凹部の側面に該嵌合留め部を係止する嵌合受部を設けることができる。これにより、嵌合凸部の先端部の嵌合留め部が嵌合受部に嵌り、嵌合凸部が嵌合凹部に入り込みすぎることを防止し、フランジ部同士が密着して開封しにくくなることを防ぐことができる。
【0014】
上記形態の包装用容器は、第一脚部を逆台形薄板状に形成することができる。これにより、成形する際に第一脚部の下端部の厚みが薄くなりにくくなり、閉蓋する際に第一脚部の変形を防ぐことができ、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌め合わせる際に力を込めやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態の包装用容器を示し、開蓋状態での容器本体及び蓋体の斜視図である。
【
図2】
図1の包装用容器の容器本体及び蓋体の正面図である。
【
図3】
図1の包装用容器の容器本体の平面図である。
【
図5】
図1の包装用容器における角部付近を示し、(A)は開蓋状態、(B)は閉蓋状態での断面図である。
【
図6】
図1の包装用容器における嵌合凸部の側面の傾斜角度を説明するための図である。
【
図7】
図1の包装用容器における嵌合凸部の先端角部の長さを説明するための図である。
【
図8】
図1の包装用容器の第一脚部及び第二脚部の長さを相違させた場合を例示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の包装用容器の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
本発明の一実施形態の包装用容器1は、
図1又は
図2に示すとおり、容器本体2と、容器本体2に嵌合して開口部2aを被覆する蓋体3とを備える。
包装用容器1は、薄型扁平状の横長直方体状に形成してあり、特に限定するものではないが、高さ60mm、長さ200mm、幅150mm程度の大きさにすることができ、例えば、総菜、果物、野菜、ご飯類、麺類などの食料品を収容するのに適している。但し、収容物はこれに限定されるものではない。
【0018】
包装用容器1は、上記形状に限定されるものではなく、例えば、平面視において、円形状、長円形状の他、三角形状、正方形・長方形・平行四辺形・台形などの四角形状、五角形状、六角形状や八角形状などの平面視多角形状にすることができる。
【0019】
容器本体2は、
図3に示すように、平面視において角部を面取りした長方形角皿状に形成してあり、
図5に示すように、底面部21と、底面部21を囲うように配し、上向きに立ち上がる周壁面部22と、周壁面部22の上縁部から容器本体外側に水平状に張り出すフランジ部23と、フランジ部23を下向きに凹ませた嵌合凹部24と、嵌合凹部24の一部分を下方に延長して形成した第一脚部25とを備える。
【0020】
底面部21は、
図1又は
図3に示すように、収容物を載せることができる平面視長方形で水平面状の載置面21aを備え、その周囲に、一定幅で凹ませた溝部21bを形成してある。容器本体2の角部付近には、溝部21bをさらに下方に凹ませて形成した第二脚部26を備える。
載置面21aには、
図1又は
図3に示すように、細長状の凸条部21cを適宜間隔で斜めに並行状に配し、また、円形状に凹ませた微小凹部21dを本体2の中心横断線沿いに適宜間隔で配してある。凸条部21c及び微小凹部21dは収容物を載置面21aに配列する際の基準線又は基準点とすることができる。
【0021】
溝部21bは、食料品などを載置面21aに載せた場合に、それから滲出する水分などを貯める貯留部とすることができる。
第二脚部26は、底面が左右両端部から容器本体2の角部に向かい段々に下がる階段状に形成してあり、その底面が接地して容器本体2を支持することができるようにしてある。なお、第二脚部26を設けない構成とすることもできる。
【0022】
周壁面部22は、
図5に示すように、底面部21の周縁から立ち上がり、上方に向かい拡開するように形成し、周壁面部22の上縁部で形成される開口部2aが平面視において角部を面取りした長方形状を呈するようにしてある。
【0023】
周壁面部22には、高さ方向に延びる凹凸状のリブ部22aが設けてあり、容器本体2を補強するようにしてある。リブ部22aは、周壁面部22に部分的に設けてあるが全体的に設けてもよい。
【0024】
フランジ部23は、
図5に示すように、周壁面部22の上縁部から容器本体2の外側に水平状に張り出し、外側を一段高くした段状に形成してある。フランジ部23の外縁付近には、下方に適宜深さで凹ませた嵌合凹部24が容器本体2の全周に渡り設けてあり、後述する嵌合凸部34を嵌め合わせ可能としてある。
嵌合凹部24は、その一部をさらに下方に延長して第一脚部25を形成してある。第一脚部25を形成した部分の嵌合凹部24は、断面において、
図5に示すように、縦長U字乃至V字形状を呈し、その両側面を折れ線状に形成し、高さ方向の中間付近に外側に膨らむ嵌合受部24aと、フランジ部23近傍に内側に凹ませて括れさせた係止凸部24bとを形成してある。
また、嵌合凹部24の開口付近は、開口幅を上方に向かい漸次大きくなるようにして嵌合凸部34を挿入しやすくしてある。
【0025】
第一脚部25は、本実施形態では、容器本体2の角部の4か所と、両長辺の中間付近の2か所の計6か所設けてあるが、これに限定されるものではなく、容器本体2の全周に渡り設けてもよい。
第一脚部25は、逆台形薄板状に形成してある。これにより、成形時に第一脚部25の下端部の厚みが薄くなりにくく、閉蓋時の第一脚部の変形を防ぐことができる。
第一脚部25の下端部は、第二脚部26の下端部と面一として、容器本体2を棚や机上などに置いた際に両脚部25,26の下端部がともに接地するようにしてある。これにより、容器本体2が両脚部25,26で支持されるので安定して置くことができ、嵌め合わせ作業がしやすくなる。第二脚部26の下端部を第一脚部25の下端部よりも幅広に形成しておけば、第二脚部26で容器本体2を安定して置くことができる。
【0026】
また、容器本体2には、
図3に示すように、対角上の角部に、容器本体2の外側に延ばした平面視三角形状の摘み部27を設けてある。
【0027】
蓋体3は、
図1、
図2又は
図4に示すように、台形台状に形成してあり、
図5に示すように、天面部31と、天面部31の周縁から下方に向かう側壁面部32と、側壁面部32の下縁部から蓋体外側に張り出すフランジ部33と、フランジ部33から下方に向かい突出し、嵌合凹部24に嵌め合わせる嵌合凸部34と、を備える。
【0028】
天面部31は、
図4に示すように、平面視において角部を面取りした長方形状の水平面としてある。
側壁面部32は、天面部31の周縁から下方に向かい垂下乃至傾斜する面としてあり、本実施形態では、
図5に示すように、上側と下側とで角度の変わる傾斜面とし、上側が急斜面、下側が緩斜面になる傾斜角度に形成してある。
【0029】
フランジ部33は、
図5に示すように、蓋体外側に水平状に張り出すように形成してある。フランジ部33には、下方に突出し、嵌合凹部24に内外嵌合する嵌合凸部34を蓋体3の全周に渡り設けてある。
側壁面部32とフランジ部33との境界には、
図6に示すように、下方にU字状に突き出す適下部32aを設けることができ、側壁面部32の内面を伝ってきた水滴が滴り落ちるようにしてある。
【0030】
嵌合凸部34は、
図5に示すように、フランジ部33の外縁付近を下向きに突出させ、断面略コの字形状に形成してあり、その先端部には、側面を外側に膨らませた嵌合留め部34aを形成し、嵌合受部24aに嵌るようにしてある。また、フランジ部33近傍には、内側に凹ませた係止受部34bを形成し、係止凸部24bが係止するようにしてある。これらにより、嵌合凸部34が嵌合凹部24に内外嵌合して抜けないようにしてある。
【0031】
嵌合凸部34及び嵌合凹部24のそれぞれの形状は、断面において左右対称形状としてもよいが、嵌合凹部24(及び第一脚部25)の内部の空気を抜けやすくするために、左右非対称形状とするのが好ましい。
例えば、
図6に示すように、嵌合凸部34の側面の垂直方向に対する角度を、蓋体内側θ
1と蓋体外側θ
2とで相違させ、例えば、θ
1<θ
2とすることにより係止凸部24bが係止受部34bに係止するタイミングが相違して、嵌合凹部24(及び第一脚部25)の内部の空気が抜けやすくなり、強固に嵌め合わせることができる。
また、例えば、
図7に示すように、嵌合凸部34の先端角部の傾斜面の長さを、蓋体内側L
1と蓋体外側L
2とで相違させ、例えば、L
1<L
2とすることにより嵌合留め部34aが嵌合受部24aに係止するタイミングが相違して、嵌合凹部24(及び第一脚部25)の内部の空気が抜けやすくなり、強固に嵌め合わせることができる。
【0032】
また、蓋体3には、
図4に示すように、対角上の角部に、蓋体3を外側に延ばした平面視三角形状の摘み部35を設け、摘み部35の中央付近に半球状のポッチ部36を備えてある。蓋体3を容器本体2に嵌め合わせた状態で、ポッチ部36が容器本体2の摘み部27に当接するため、
図5(B)に示すように、摘み部27,35同士の間に隙間ができ、開封しやすくなる。
【0033】
以下、包装用容器1の製造方法の一例を説明する。
容器本体2及び蓋体3は、特に限定するものではないが、合成樹脂シートを熱成形して製造することができる。合成樹脂シートは、非発泡樹脂シート、発泡樹脂シートのいずれでもよいが、非発泡樹脂シートが好ましい。容器本体2を発泡樹脂シート、蓋体3を非発泡樹脂シートにするなど相違させてもよい。
【0034】
非発泡樹脂シートの場合には、具体的には、厚みが0.1mm~2.0mmの範囲内、特に0.2mm~1.2mmの範囲内のシートを用いるのが好ましい。
発泡樹脂シートの場合には、厚みが0.5mm~4.0mmの範囲内、特に0.7mm~2.2mmの範囲内のシートを用いるのが好ましい。また、発泡樹脂シートの場合には、発泡倍率を1.05倍~20.0倍、特に1.5倍~15.0倍にするのが好ましい。
【0035】
非発泡樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂シート・ポリプロピレン系樹脂シートなどのポリオレフィン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート系樹脂シート・耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートなどのポリエステル系樹脂シートなどの熱可塑性樹脂シートを用いることができる。また、電子レンジの加熱に耐え得るもの、例えば、耐熱性ポリスチレン系樹脂シート、ポリプロピレン系樹脂シート、耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートを用いてもよい。
【0036】
発泡樹脂シートとしては、例えば、発泡ポリオレフィン系樹脂シート、発泡ポリスチレン系樹脂シート、発泡ポリエチレンテレフタレートなどの発泡ポリエステル系樹脂シートを用いることができる。
合成樹脂シートを積層した積層シートを用いることもでき、積層シートとしては、例えば、非発泡樹脂シート又は発泡樹脂シートに樹脂フィルムを熱ラミネートした積層シート、共押出法による積層シート、押出ラミネート法による積層シートなどを挙げることができる。
【0037】
非発泡樹脂シート、発泡樹脂シート及び積層シートとして、バイオマスプラスチックを用いてもよい。
バイオマスプラスチックとは、原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み,化学的又は生物学的に合成することにより得られる高分子材料をいう。バイオマスプラスチックは、石油由来の樹脂と比して、大気中への二酸化炭素の排出量を抑えることができ、環境への負荷を低減できる。
バイオマスプラスチックとしては、例えば、ポリ乳酸樹脂、バイオマスポリエチレン、バイオマスポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
【0038】
熱成形としては、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、熱板成形などを挙げることができる。
【0039】
容器本体2は、黒色や白色などの有色であるのが好ましいが、内部が視認できるように透明乃至半透明にしてもよい。蓋体3は透明であるのが好ましい。また、容器本体2及び蓋体3の表面に、透明乃至半透明の場合は視認性を妨げない程度に、文字、絵柄などの印刷や刻印を施してもよい。
さらには、補強のためのリブを適宜位置に設けることや滑り止めのためのシボ加工を施してもよい。また、容器本体2及び蓋体3の適宜位置に、立方体乃至直方体状などに膨出させたスタック用突起を設けることもできる。
【0040】
以下、包装用容器1の使用方法の一例を説明する。
包装用容器1を閉蓋するには、例えば、以下のようにすることができる。
容器本体2の載置面21aに食料品などの収容物を載せ、蓋体3を容器本体2に被せ、嵌合凸部34を嵌合凹部24に挿入し、嵌合凸部34の上部を指先で下方へ押圧することにより、嵌合留め部34aが嵌合受部24aに係止し、さらに、係止凸部24bが係止受部34bに係止して、嵌合凸部34が嵌合凹部24に内外嵌合する。この際、嵌合凹部24を延長した第一脚部25の下端部が接地して支持されるため、嵌合凸部34を嵌合凹部24に力を込めて嵌め合わせることができ、嵌め合わせ作業がしやすくなる。
【0041】
従来の内外嵌合構造を備えた包装用容器では、例えば、嵌合部分の上部(蓋体側)に親指の指先を添えつつ、嵌合部分の下部(容器本体側)に人差し指等の指先を添えて容器を支持しながら閉蓋作業をしていた。この閉蓋作業を行うには包装用容器自体を持ち上げる必要があり、持ち上げた際に収容物が容器内で移動して盛り付けが乱れ、商品価値を損なうことがあった。
本発明の包装用容器1は、嵌め合わせやすいため、閉蓋時の収容物の盛り付けの乱れを防ぐこともできる。
【0042】
また、第二脚部26を設けておけば、第一脚部25及び第二脚部26の両方で容器本体2が支持されて安定するため、嵌め合わせ作業がより一層しやすくなる。容器本体2の外側から、第一脚部25、フランジ部23、第二脚部26、底面部21の順に配列にしておけば、第一脚部25及び第二脚部26の両方の支持により、嵌合凸部34を嵌合凹部24に嵌め合わせる際に作業しやすくなるとともに、収容物を収容した際の収容物の重みによる容器本体の撓みを防ぐこともできる。
【0043】
嵌合留め部34aが嵌まる嵌合受部24aの位置を高さ方向に変化させることにより、嵌合凸部34の嵌る深さを調整することができる。そのため、フランジ部23,33同士が適宜隙間を有して容器本体2及び蓋体3を嵌め合わせるようにすることができ、開封操作をしやすくなる。
【0044】
包装用容器1を開蓋するには、例えば、以下のようにすることができる。
右手の親指と人差し指で容器本体2の摘み部27を摘み、左手の親指と人差し指で蓋体3の摘み部35を摘み、本体2側を下方に引きつつ、蓋体3側を上方に引くことにより嵌合凸部34を嵌合凹部24から外すことができる。
【0045】
本実施形態では、第一脚部25及び第二脚部26の下端部を面一になるようにしてあるが、包装用容器1は、両脚部25,26の高さ位置を相違させることもできる。
図8に示すように、第一脚部25のフランジ部23からの長さ(
図8のD1)を、第二脚部26のフランジ部23からの長さ(
図8のD2)よりも短くし(D1<D2)、容器本体2を棚などに置いた際に第一脚部25が接地せず浮くようにすることができる。そのため、常時は第二脚部26で容器本体2を支持して安定して置くことができ、第一脚部25が嵌合作業により変形したとしても第二脚部26で容器本体2を支持することができる。
【0046】
上記実施形態の構成態様は、本発明を限定するものとして挙げたものではなく、技術目的を共通にする限り変更は可能であり、本発明はそのような変更を含むものである。
【符号の説明】
【0047】
1 包装用容器
2 容器本体
2a 開口部
21 底面部
21a 載置面
21b 溝部
21c 凸条部
21d 微小凹部
22 周壁面部
22a リブ部
23 フランジ部
24 嵌合凹部
24a 嵌合受部
24b 係止凸部
25 第一脚部
26 第二脚部
27 摘み部
3 蓋体
31 天面部
32 側壁面部
32a 滴下部
33 フランジ部
34 嵌合凸部
34a 嵌合留め部
34b 係止受部
35 摘み部
36 ポッチ部