(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157508
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】投函装置
(51)【国際特許分類】
G07G 5/00 20060101AFI20231019BHJP
A47G 29/12 20060101ALI20231019BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
G07G5/00
A47G29/12 Z
G07G1/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067457
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】横田 久道
(72)【発明者】
【氏名】古橋 正得
【テーマコード(参考)】
3E142
3K100
【Fターム(参考)】
3E142BA18
3E142CA12
3E142DA04
3E142EA15
3E142FA39
3E142GA03
3E142GA26
3K100CA47
3K100CA60
3K100CB05
3K100CD03
(57)【要約】
【課題】屋外に設置された場合でも雨などで荷物が濡れることを抑制できる投函装置を提供する。
【解決手段】投函装置1は、荷物Pの投函口11を有する筐体2を備え、筐体2は、投函口11が設けられた正面部3と、正面部3の反対側に位置する背面部4と、荷物Pの仮置きが可能な頂面部6と、を有し、頂面部6は、正面部3側から背面部4側に向かって下方傾斜する傾斜面21となっており、傾斜面21には、正面部3及び背面部4を結ぶ方向に延在する荷置棒が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の投函口を有する筐体を備え、
前記筐体は、前記投函口が設けられた正面部と、前記正面部の反対側に位置する背面部と、前記荷物の仮置きが可能な頂面部と、を有し、
前記頂面部は、前記正面部側から前記背面部側に向かって下方傾斜する傾斜面となっており、
前記傾斜面には、前記正面部及び前記背面部を結ぶ方向に延在する荷置棒が設けられている投函装置。
【請求項2】
前記荷置棒は、所定の間隔をもって少なくとも2本設けられている請求項1記載の投函装置。
【請求項3】
前記荷置棒は、前記傾斜面における前記正面部側の縁及び前記背面部側の縁の少なくとも一方まで延在している請求項1又は2記載の投函装置。
【請求項4】
前記荷置棒の断面形状は、半円形となっている請求項1又は2記載の投函装置。
【請求項5】
前記荷置棒の断面形状は、半円形となっている請求項3記載の投函装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、投函装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の投函装置として、例えば特許文献1に記載の投函装置がある。この従来の投函装置は、いわゆる宅配ボックスであり、主に住宅の玄関や塀などに設置され、配送業者が小荷物などの荷物を投函するための装置として構成されている。当該装置は、屋外側及び屋内側のそれぞれに開閉板を有している。屋外側の開閉板には、屋外側から施錠可能で屋内側から開錠可能な施錠装置が設けられている。屋内側の開閉板には、室内側からのみ施錠及び施錠可能な施錠装置が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、インターネットの普及により、ネット販売による品物の発送や、個人間でのネットオークションによる品物の発送など、配送の態様が多様化してきている。従来の投函装置は、提携店舗内や駅構内など、屋内に設置されていたが、ユーザの利便性の向上を鑑み、投函装置を屋外に設置することが検討されている。
【0005】
一方、投函装置を屋外に設置する場合には、装置が雨に晒されることが考えらえる。ユーザが投函装置を用いて荷物の投函を行う際には、投函装置の操作や配送準備などの一定の作業が発生する。このため、雨などで荷物が濡れ得る環境を考慮し、ユーザの利便性の便宜を図る必要がある。
【0006】
本開示は、上記課題の解決のためになされたものであり、屋外に設置された場合でも雨などで荷物が濡れることを抑制できる投函装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面に係る投函装置は、荷物の投函口を有する筐体を備え、筐体は、投函口が設けられた正面部と、正面部の反対側に位置する背面部と、荷物の仮置きが可能な頂面部と、を有し、頂面部は、正面部側から背面部側に向かって下方傾斜する傾斜面となっており、傾斜面には、正面部及び背面部を結ぶ方向に延在する荷置棒が設けられている。
【0008】
この投函装置では、ユーザが投函装置の操作や配送準備を行う間、荷物を筐体の頂面部に仮置きすることが可能となり、ユーザの利便性を向上できる。頂面部は、正面部側から背面部側に向かって下方傾斜する傾斜面となっているため、投函装置が屋外に設置され、雨に晒された場合であっても、頂面部の水を速やかに背面部側に流すことができる。また、傾斜面に設けられた荷置棒により、荷物を頂面部から浮かせた状態で保持できる。したがって、仮に頂面部に水が付着している場合でも、荷物が水に濡れてしまうことを抑制できる。
【0009】
荷置棒は、所定の間隔をもって少なくとも2本設けられていてもよい。この場合、荷物を頂面部から浮かせた状態でより安定して保持できる。したがって、仮置きされた荷物が雨などで濡れることをより確実に抑制できる。
【0010】
荷置棒は、傾斜面における正面部側の縁及び背面部側の縁の少なくとも一方まで延在していてもよい。この場合、荷物を頂面部から浮かせた状態でより安定して保持できる。したがって、仮置きされた荷物が雨などで濡れることを一層確実に抑制できる。
【0011】
荷置棒の断面形状は、半円形となっていてもよい。この場合、仮置きされた荷物と荷置棒との接触面積を低減できる。また、荷置棒の断面形状が頂面部に向かって裾広がりとなるため、荷置棒に付着した水を素早く流すことが可能となる。したがって、荷物の濡れを更に効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、屋外に設置された場合でも雨などで荷物が濡れることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の一実施形態に係る投函装置の正面図である。
【
図3】(a)~(c)は、変形例に係る荷置棒の正面図である。
【
図4】(a)は、別の変形例に係る荷置棒の平面図であり、(b)は、更に別の変形例に係る荷置棒の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本開示の一側面に係る投函装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本開示の一実施形態に係る投函装置の正面図である。
図2は、その側面図である。
図1及び
図2に示す投函装置1は、書類や品物などの荷物Pを集荷する装置として構成されている。投函装置1は、例えば配送業者によって管理され、店舗の敷地や駐車場など、屋外に設置されている。
【0016】
図1及び
図2に示すように、投函装置1は、例えば金属製の筐体2を有している。筐体2は、正面部3、背面部4、一対の側面部5,5、頂面部6、脚部7を有し、全体として縦長の略直方体形状をなしている。筐体2の高さ(頂面部6の位置)は、例えば成人の胸元辺りの高さとなるように設定されている。
【0017】
筐体2には、荷物Pの投函口11と、投函口11から投函された荷物Pを受ける集荷箱Bの収容空間Vとが設けられている。投函口11は、荷物Pの投函の利便性を考慮し、例えば正面部3の高さ方向の中心よりもやや高い位置に設けられている。投函口11には、蓋部12が設けられている。蓋部12の開閉は、筐体2に内蔵された電子錠(不図示)によって制御され、認証時を除いて常時閉状態となっている。
【0018】
集荷箱Bの収容空間Vは、筐体2の内部において、投函口11よりも低い位置から脚部7までの空間に設定されている。集荷箱Bは、例えば上面側が開口した有底の箱型部材である。集荷箱Bは、例えばプラスチック段ボールなどによって構成されている。正面部3には、収容空間Vに対応して集荷扉13が設けられている。集荷扉13は、例えばシリンダキーなどの機械式の鍵によって開錠可能となっており、配送業者が収容空間Vの集荷箱Bから荷物Pを回収する際に開放される。
【0019】
筐体2の上部には、投函口11よりも高い位置に操作パネル14が設けられている。操作パネル14には、例えばタッチパネル15、バーコードリーダ(受付部)16、ラベルプリンタの出力口17などが設けられている。タッチパネル15は、例えばユーザに対する投函装置1の利用案内の表示や、種々の入力項目の受付を行う部分である。
【0020】
バーコードリーダ16は、例えばユーザの認証に用いる二次元バーコード(認証情報)の読み取りを行う部分である。二次元バーコードは、例えば投函装置1の利用にあたって配送業者が管理するシステムからユーザに発行され、ユーザが所有するスマートフォンなどに事前に送信される。バーコードリーダ16が読み取った二次元バーコードの情報は、配送業者が管理するシステムに送信される。二次元バーコードの情報の照合が完了すると、照合が完了した旨を示す完了情報、配送元及び配送先を示す配送情報などが投函装置1に送信される。完了情報を受信すると、電子錠によって投函口11の蓋部12が一定時間だけ開状態となる。
【0021】
ラベルプリンタの出力口17は、荷物Pの配送に用いる配送伝票を出力する部分である。二次元バーコードの情報の照合が完了すると、完了情報と共に送信される配送情報に基づいて、配送元及び配送先が印字された配送伝票がラベルプリンタの出力口17から出力される。ユーザは、出力された配送伝票を荷物Pに付した後、荷物Pを投函口11に投函することで、配送手続きを完了することができる。
【0022】
操作パネル14の上方に位置する筐体2の頂面部6は、仮の荷物置き場として用いることができる。ユーザは、二次元バーコードの読み取りから荷物Pを投函口11に投函するまでの間、荷物Pを筐体2の頂面部6に載せた状態で作業を進めることができる。
【0023】
次に、上述した筐体2の頂面部6の構成について、更に詳細に説明する。
【0024】
上述のように、筐体2の頂面部6は、仮の荷物置き場となっており、荷物Pの仮置きが可能なように構成されている。本実施形態では、筐体2の頂面部6は、平坦に構成されている。頂面部6は、投函装置1が屋外に設置され、雨に晒されることを考慮し、
図2に示すように、正面部3側から背面部4側に向かって下方傾斜する傾斜面21となっている。水平面に対する傾斜面21の傾斜角度は、荷物Pの置き易さ及び頂面部6に付着した水の流れやすさのバランスに基づき、例えば2°~5°となっている。
【0025】
傾斜面21には、正面部3及び背面部4を結ぶ方向に延在する荷置棒22が設けられている。本実施形態では、
図1に示すように、2本の荷置棒22,22が筐体2の幅方向(側面部5,5を結ぶ方向)に所定の間隔をもって互いに平行に配置されている。荷置棒22,22同士の間隔に特に制限は無いが、荷置棒22の配置本数や想定される荷物Pの寸法(或いは投函口11の横幅)などを考慮して適宜設定される。
【0026】
荷置棒22のそれぞれは、断面半円状をなし(
図1参照)、正面部3及び背面部4に直交した状態で、傾斜面21における正面部3側の縁3a及び背面部4側の縁4aまで延びている。傾斜面21からの荷置棒22の高さは、正面部3側の縁3aから背面部4側の縁4aにかけて一定となっている。すなわち、水平面に対する荷置棒22の高さは、正面部3側の縁3aから背面部4側の縁4aにかけて、傾斜面21の傾きに応じて徐々に低くなっている。
【0027】
以上のような投函装置1では、ユーザが投函装置1の操作や配送準備を行う間、荷物Pを筐体2の頂面部6に仮置きすることが可能となり、ユーザの利便性を向上できる。頂面部6は、正面部3側から背面部4側に向かって下方傾斜する傾斜面21となっているため、投函装置1が屋外に設置され、雨に晒された場合であっても、頂面部6の水を速やかに背面部4側に流すことができる。頂面部6の水が正面部3側に流れにくいため、投函装置1の操作等を行うユーザが正面部3を流れる水によって濡れてしまうことも抑制できる。また、傾斜面21に設けられた荷置棒22により、荷物Pを頂面部6から浮かせた状態で保持できる。したがって、仮置きされた荷物Pが雨などで濡れることを一層確実に抑制できる。
【0028】
投函装置1では、所定の間隔をもって2本の荷置棒22が配置されている。これにより、荷物Pを頂面部6から浮かせた状態でより安定して保持できる。したがって、仮置きされた荷物Pが雨などで濡れることをより確実に抑制できる。投函装置1では、荷置棒22が傾斜面21における正面部3側の縁3a及び背面部4側の縁4aまで延在している。このことも荷物の安定的な保持に寄与し、仮置きされた荷物が雨などで濡れることの抑制効果を高めることができる。
【0029】
投函装置1では、荷置棒22の断面形状が半円形となっている。このような構成により、仮置きされた荷物Pと荷置棒22との接触面積を低減できる。また、荷置棒22の断面形状が頂面部6に向かって裾広がりとなるため、荷置棒22に付着した水を素早く流すことが可能となる。したがって、荷物Pの濡れを更に効果的に抑制できる。
【0030】
本開示は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では、断面形状が半円形の荷置棒22を例示したが、荷置棒22の断面形状は種々の変形を採用し得る。例えば
図3(a)に示すように、断面形状が三角形状の荷置棒22Aであってもよく、
図3(b)に示すように、断面形状が半楕円形状の荷置棒22Bであってもよい。
図3(c)に示すように、断面形状が等脚台形状の荷置棒22Cであってもよい。
【0031】
荷置棒22Aの断面形状は、正三角形状となっているが、二等辺三角形などの他の三角形状であってもよい。荷置棒22Bの断面形状は、長軸に沿って2分割した半楕円形状となっているが、短軸に沿って2分割した半楕円形状であってもよい。前者では、荷物Pを置いたときの安定性が増し、後者では、付着した水を素早く流すことが可能となる。
【0032】
また、上記実施形態では、2本の荷置棒22,22が正面部3及び背面部4に直交した状態で、傾斜面21における正面部3側の縁3a及び背面部4側の縁4aまで延びているが、荷置棒22の配置態様は種々の変形を採用し得る。例えば
図4(a)に示すように、2本の荷置棒22,22が正面部3及び背面部4に対して斜めに延在していてもよい。このような構成によれば、頂面部6から背面部4に至る水の向きを調整できる。
【0033】
荷置棒22は、必ずしも傾斜面21における正面部3側の縁3a及び背面部4側の縁4aの双方まで延びていなくてもよい。荷置棒22は、傾斜面21における正面部3側の縁3a及び背面部4側の縁4aの少なくとも一方まで延在していてもよい。荷置棒22の配置本数は、所定の間隔をもって少なくとも2本設けられていることが好適であり、3本以上配置されていてもよい。荷置棒22は、必ずしも連続した一直線状をなしていなくてもよく、破線状、点線状に設けられていてもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、傾斜面21からの荷置棒22の高さが正面部3側の縁3aから背面部4側の縁4aにかけて一定となっているが、
図4(b)に示すように、傾斜面21からの荷置棒22の高さが正面部3側の縁3aから背面部4側の縁4aにかけて徐々に高くなっていてもよい。この場合、水平面に対する荷置棒22の高さを荷置棒22の延在方向において一定とすることで、荷物Pを置いた際の安定性を高めることができる。
【0035】
その他、上記実施形態では、筐体2の頂面部6が平坦となっているが、筐体2の頂面部6は、必ずしも平坦でなくてもよい。頂面部6は、荷物Pの仮置きが可能な範囲で、凹凸或いは湾曲を有していてもよい。
【0036】
本開示の要旨は、以下の[1]~[4]のとおりである。
[1]荷物の投函口を有する筐体を備え、前記筐体は、前記投函口が設けられた正面部と、前記正面部の反対側に位置する背面部と、前記荷物の仮置きが可能な頂面部と、を有し、前記頂面部は、前記正面部側から前記背面部側に向かって下方傾斜する傾斜面となっており、前記傾斜面には、前記正面部及び前記背面部を結ぶ方向に延在する荷置棒が設けられている投函装置。
[2]前記荷置棒は、所定の間隔をもって少なくとも2本設けられている[1]記載の投函装置。
[3]前記荷置棒は、前記傾斜面における前記正面部側の縁及び前記背面部側の縁の少なくとも一方まで延在している[1]又は[2]記載の投函装置。
[4]前記荷置棒の断面形状は、半円形となっている[1]~[3]のいずれかに記載の投函装置。
【符号の説明】
【0037】
1…投函装置、2…筐体、3…正面部、3a…縁、4…背面部、4a…縁、6…頂面部、11…投函口、21…傾斜面、22,22A~22C…荷置棒、P…荷物。