(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157511
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】光検出装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20231019BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20231019BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H04N5/369
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067462
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】正垣 敦
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
4M118AA02
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA04
4M118CA20
4M118CB13
4M118DD04
4M118FA06
4M118FA27
4M118FA28
4M118FA33
4M118FA38
4M118GA02
4M118GB03
4M118GD03
4M118GD04
5C024CX43
5C024GX01
5C024GX03
5C024GX16
5C024GX18
5C024GY31
(57)【要約】
【課題】 光電変換部に蓄積できる電荷量を増大可能な光検出装置を提供する。
【解決手段】 半導体基板と、半導体基板に形成され、受光量に応じた電荷を生成して蓄積する光電変換部と、光電変換部で生成された電荷を保持する電荷保持部と、光電変換部が蓄積した電荷を電荷保持部に転送する転送ゲートと、を備えるようにした。そして、光電変換部は、半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたp型の不純物を含むp型半導体領域と、p型半導体領域と接する領域に形成され、半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたn型の不純物を含むn型半導体領域と、を有する構成とした。ここで、n型半導体領域は、半導体基板の厚さ方向においてn型の不純物の不純物濃度を一定とした。また、転送ゲートは、半導体基板の表面から、半導体基板の裏面側に位置するn型半導体領域の端部よりも深くまで達している縦型ゲート電極を有する構成とした。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板に形成され、受光量に応じた電荷を生成して蓄積する光電変換部と、
前記光電変換部で生成された電荷を保持する電荷保持部と、
前記光電変換部が蓄積した電荷を前記電荷保持部に転送する転送ゲートと、を備え、
前記光電変換部は、前記半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたp型の不純物を含むp型半導体領域と、前記p型半導体領域と接する領域に形成され、前記半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたn型の不純物を含むn型半導体領域と、を有し、
前記n型半導体領域は、前記半導体基板の厚さ方向において不純物濃度が一定であり、
前記転送ゲートは、前記半導体基板の2つの面のうちの前記電荷保持部に近い側の面である第1面から、前記第1面と反対側の面である第2面側に位置する前記n型半導体領域の端部よりも深くまで達している縦型ゲート電極を有する
光検出装置。
【請求項2】
前記縦型ゲート電極は、前記半導体基板の前記第1面から、前記半導体基板の厚さ方向に延びている2以上の埋め込み電極である
請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記2以上の埋め込み電極の間に形成されたp型の不純物を含む不純物領域を備え、
前記不純物領域は、前記半導体基板の前記第1面側の不純物の濃度が、前記第2面側の不純物の濃度よりも高くなっている
請求項2に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記2以上の埋め込み電極は、前記半導体基板の前記第1面から前記n型半導体領域の前記端部よりも深くまで達している第1電極と、前記半導体基板の前記第1面から前記第1電極よりも浅い深さまで達している第2電極と、を少なくとも含み、
前記第1電極及び前記第2電極それぞれの前記第1面側の端部に個別に形成され、前記半導体基板の表面に張り出すように形成された複数の表面電極を備える
請求項2に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記半導体基板の厚さ方向から見た場合に、前記光電変換部の外周の形状は、n角形(nは4以上の整数)であり、
前記半導体基板の厚さ方向から見た場合に、前記2以上の埋め込み電極のそれぞれは、前記n角形の角部から前記光電変換部の中心部に伸ばした直線と重ならない位置に配置されている
請求項2に記載の光検出装置。
【請求項6】
前記縦型ゲート電極は、前記半導体基板の前記第1面から前記n型半導体領域の前記端部よりも深くまで達している1つの埋め込み電極であり、
前記埋め込み電極の周面を覆うように形成されたp型の不純物を含む不純物領域を備え、
前記不純物領域は、前記半導体基板の前記第1面側の不純物の濃度が、前記第2面側の不純物の濃度よりも高くなっている
請求項1に記載の光検出装置。
【請求項7】
半導体基板、前記半導体基板に形成され、受光量に応じた電荷を生成して蓄積する光電変換部、前記光電変換部で生成された電荷を保持する電荷保持部、及び前記光電変換部が蓄積した電荷を前記電荷保持部に転送する転送ゲートを備え、前記光電変換部は、前記半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたp型の不純物を含むp型半導体領域と、前記p型半導体領域と接する領域に形成され、前記半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたn型の不純物を含むn型半導体領域と、を有し、前記n型半導体領域は、前記半導体基板の厚さ方向において不純物濃度が一定であり、前記転送ゲートは、前記半導体基板の2つの面のうちの前記電荷保持部に近い側の面である第1面から、前記第1面と反対側の面である第2面側に位置する前記n型半導体領域の端部よりも深くまで達している縦型ゲート電極を有する光検出装置を備えた
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術(本開示に係る技術)は、光検出装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、半導体基板と、半導体基板に形成され、受光量に応じた電荷を生成して蓄積する光電変換部と、半導体基板の光入射面と反対側の面(以下、「表面」とも呼ぶ)側に形成されたフローティングディフュージョン(以下、「FD」とも呼ぶ)と、半導体基板の表面側に形成され、光電変換部に蓄積された電荷をFDに転送する転送ゲートと、を備えた光検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の光検出装置を実現するためには、FDへの電荷の転送時に、光電変換部の光入射面側に蓄積された電荷が転送ゲート側(表面側)に移動するように、光電変換部内に光入射面側から表面側に向かって深くなるポテンシャル勾配を形成する必要がある。しかし、このようなポテンシャル勾配を形成した場合、光電変換部の光入射面側のポテンシャルの深さが、表面側のポテンシャルの深さよりも浅くなってしまう。そのため、光電変換部全体として蓄積できる電荷量(飽和電荷量Qs)が低下する可能性があった。
【0005】
本開示は、光電変換部に蓄積できる電荷量を増大可能な光検出装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の光検出装置は、(a)半導体基板と、(b)半導体基板に形成され、受光量に応じた電荷を生成して蓄積する光電変換部と、(c)光電変換部で生成された電荷を保持する電荷保持部と、(d)光電変換部が蓄積した電荷を電荷保持部に転送する転送ゲートと、を備え、(e)光電変換部は、半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたp型の不純物を含むp型半導体領域と、(f)p型半導体領域と接する領域に形成され、半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたn型の不純物を含むn型半導体領域と、を有し、(g)n型半導体領域は、半導体基板の厚さ方向において不純物濃度が一定であり、(h)転送ゲートは、半導体基板の2つの面のうちの電荷保持部に近い側の面である第1面から、第1面と反対側の面である第2面側に位置するn型半導体領域の端部よりも深くまで達している縦型ゲート電極を有することを要旨とする。
【0007】
本開示の電子機器は、(a)半導体基板、(b)半導体基板に形成され、受光量に応じた電荷を生成して蓄積する光電変換部、(c)光電変換部で生成された電荷を保持する電荷保持部、(d)及び光電変換部が蓄積した電荷を電荷保持部に転送する転送ゲートを備え、(e)光電変換部は、半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたp型の不純物を含むp型半導体領域と、(f)p型半導体領域と接する領域に形成され、半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたn型の不純物を含むn型半導体領域と、を有し、(g)n型半導体領域は、半導体基板の厚さ方向において不純物濃度が一定であり、(h)転送ゲートは、半導体基板の2つの面のうちの電荷保持部に近い側の面である第1面から、第1面と反対側の面である第2面側に位置するn型半導体領域の端部よりも深くまで達している縦型ゲート電極を有する光検出装置を備えたことを要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る固体撮像装置の全体構成を示す図である。
【
図2】
図1のA-A’線で破断した場合の、固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図3】
図2のB-B’線で破断した場合の、固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図4】光電変換部におけるポテンシャル分布を示す図である。
【
図5】
図4のC-C’線の位置におけるポテンシャルを示す図である。
【
図6】
図4のD-D’線の位置におけるポテンシャルを示す図である。
【
図7】光電変換部におけるポテンシャル分布を示す図である。
【
図8】
図7のE-E’線の位置におけるポテンシャルを示す図である。
【
図9】光電変換部におけるポテンシャル分布を示す図である。
【
図10】
図9のF-F’線の位置におけるポテンシャルを示す図である。
【
図11】
図9のG-G’線の位置におけるポテンシャルを示す図である。
【
図12】第2の実施形態に係る固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図13】
図12のH-H’線で破断した場合の、固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図14】埋め込み電極の電位がLOW状態の場合のポテンシャル分布である。
【
図15】埋め込み電極の電位がHIGH状態の場合のポテンシャル分布である。
【
図16】半導体基板の厚さ方向から見た場合のポテンシャルを示す図である。
【
図17】変形例に係る固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図18】
図17のI-I’線で破断した場合の、固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図19】光電変換部におけるポテンシャル分布を示す図である。
【
図20】光電変換部におけるポテンシャル分布を示す図である。
【
図21】
図20の領域K、L、M、Nにおけるポテンシャル分布を示す図である。
【
図22】
図20の領域K、L、M、Nにおけるポテンシャル分布を示す図である。
【
図23】
図20の領域K、L、M、Nにおけるポテンシャル分布を示す図である。
【
図24】変形例に係る固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図25】変形例に係る固体撮像装置の断面構成を示す図である。
【
図26】半導体基板の厚さ方向から見た場合のポテンシャルを示す図である。
【
図27】半導体基板の厚さ方向から見た場合のポテンシャルを示す図である。
【
図28】半導体基板の厚さ方向から見た場合のポテンシャルを示す図である。
【
図29】半導体基板の厚さ方向から見た場合のポテンシャルを示す図である。
【
図30】第3の実施形態に係る電子機器の概略構成示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施形態に係る光検出装置及び電子機器の一例を、
図1~
図30を参照しながら説明する。本開示の実施形態は以下の順序で説明する。なお、本開示は以下の例に限定されるものではない。また、本明細書に記載された効果は例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0010】
1.第1の実施形態:固体撮像装置
1-1 固体撮像装置の全体の構成
1-2 要部の構成
2.第2の実施形態:固体撮像装置
2-1 要部の構成
2-2 変形例
3.第3の実施形態:電子機器への応用例
【0011】
〈1.第1の実施形態:固体撮像装置〉
[1-1 固体撮像装置の全体の構成]
本開示の第1の実施形態に係る固体撮像装置1(広義には「光検出装置」)について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る固体撮像装置1の全体構成を示す図である。
図1の固体撮像装置1は、裏面照射型のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。
図30に示すように、固体撮像装置1(1002)はレンズ群1001を介して、被写体からの像光(入射光)を取り込み、撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
図1に示すように、固体撮像装置1は、画素領域2と、垂直駆動回路3と、カラム信号処理回路4と、水平駆動回路5と、出力回路6と、制御回路7とを備えている。
【0012】
画素領域2は、半導体基板8上において、二次元アレイ状に配列された複数の画素9を有している。画素9は、
図2及び
図3に示した光電変換部21と、複数の画素トランジスタとを有している。複数の画素トランジスタとしては、例えば、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ、及び選択トランジスタが挙げられる。
垂直駆動回路3は、例えば、シフトレジスタによって構成され、所望の画素駆動配線10を選択し、選択した画素駆動配線10に画素9を駆動するためのパルスを供給し、各画素9を行単位で駆動する。即ち、垂直駆動回路3は、画素領域2の各画素9を行単位で順次垂直方向に選択走査し、各画素9の光電変換部21において受光量に応じて生成した信号電荷に基づく画素信号を、垂直信号線11を通してカラム信号処理回路4に供給する。
【0013】
カラム信号処理回路4は、例えば、画素9の列毎に配置されており、1行分の画素9から出力される信号に対して画素列毎にノイズ除去等の信号処理を行う。例えばカラム信号処理回路4は画素固有の固定パターンノイズを除去するためのCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)及びAD(Analog Digital)変換等の信号処理を行う。
水平駆動回路5は、例えば、シフトレジスタによって構成され、水平走査パルスをカラム信号処理回路4に順次出力して、カラム信号処理回路4の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路4の各々から信号処理が行われた画素信号を水平信号線12に出力させる。
【0014】
出力回路6は、カラム信号処理回路4の各々から水平信号線12を通して、順次に供給される画素信号に対し信号処理を行って出力する。信号処理としては、例えば、バファリング、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理等を用いることができる。
制御回路7は、垂直同期信号、水平同期信号、及びマスタクロック信号に基づいて、垂直駆動回路3、カラム信号処理回路4、及び水平駆動回路5等の動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、制御回路7は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路3、カラム信号処理回路4、及び水平駆動回路5等に出力する。
【0015】
[1-2 要部の構成]
次に、固体撮像装置1の詳細構造について説明する。
図2は、
図1のA-A’線で破断した場合の、固体撮像装置1の断面構成を示す図である。また、
図3は、
図2のB-B’線で破断した場合の、固体撮像装置1の断面構成を示す図である。
図2に示すように、固体撮像装置1は、半導体基板8、遮光膜13及び平坦化膜14がこの順に積層されてなる受光層15が配置されている。また、受光層15の平坦化膜14側の面(以下、「裏面S1」とも呼ぶ)には、各画素9に対応するように、二次元アレイ状に配列された複数のマイクロレンズ16が配置されている。さらに、受光層15の半導体基板8側の面(以下、「表面S2」とも呼ぶ)には、配線層17が配置されている。
【0016】
半導体基板8は、例えば、p型のシリコン(Si)基板によって構成されている。半導体基板8には、各画素9の領域を取り囲むように、トレンチ部18が形成されている。トレンチ部18は、半導体基板8を貫通して形成されている。トレンチ部18の内壁面には、その内壁面を覆う側壁膜19が形成されている。側壁膜19の材料としては、例えば、シリコン酸化物(SiO2)を採用できる。また、トレンチ部18の内部には、充填剤20が埋め込まれている。充填剤20としては、例えば、ドープドポリシリコンを採用できる。
【0017】
また、トレンチ部18で取り囲まれた半導体基板8の領域のうち、半導体基板8の受光面(以下、「裏面S3」とも呼ぶ)側の領域には、矩形状の光電変換部21が形成されている。光電変換部21には、
図2及び
図3に示すように、トレンチ部18側から光電変換部21の中央部側に順に、高濃度のp型の不純物を含むp型半導体領域(以下、「p+領域22」とも呼ぶ)と、高濃度のn型の不純物を含むn型半導体領域(以下「n+領域23」とも呼ぶ)とが形成されている。p型の不純物、n型の不純物としては、例えば、ボロン(B)、リン(P)を採用できる。また、光電変換部21の表面S2側及び裏面S3側のそれぞれには、暗電流が抑制されるように、高濃度のp型の不純物を含むp型半導体領域(以下「表面側p+領域24」「裏面側p+領域25」とも呼ぶ)が形成されている。
【0018】
p+領域22は、トレンチ部18と接する領域に形成され、半導体基板8の厚さ方向に連続して形成されている。p+領域22は、半導体基板8の表面S2側から裏面S3側まで形成されており、表面S2側から裏面S3側にわたって幅Wpが一定となっている。また、p+領域22は、半導体基板8の厚さ方向において不純物濃度が一定となっている。例えば、p+領域22内の各部における不純物の濃度の差が10%以下となっている。
また、n+領域23は、p+領域22と接する領域に形成され、半導体基板8の厚さ方向に連続して形成されている。n+領域23は、表面側p+領域24から裏面側p+領域25まで形成されており、表面側p+領域24側から裏面側p+領域25側にわたって幅Wnが一定となっている。また、n+領域23は、半導体基板8の厚さ方向において不純物濃度が一定となっている(言い換えると、n+領域23は、半導体基板8の厚さ方向の各部において抵抗値が一定となっている、ということもできる)。例えば、n+領域23内の各部における不純物の濃度の差が10%以下(より好ましくは、5%以下)となっている。そして、光電変換部21は、主にp+領域22とn+領域23との接合面であるpn接合によってフォトダイオードを構成し、光電変換を行って、受光量に応じた電荷を生成する。また、光電変換部21は、p+領域22とn+領域23とのpn接合部分に生じる静電容量(接合容量)に光電変換で生成した電荷を蓄積する。
【0019】
p+領域22及びn+領域23の形成方法としては、例えば、半導体基板8にトレンチ部18を形成した後、側壁膜19や充填剤20の形成前に、トレンチ部18の内部側から半導体基板8内に不純物をドープする方法を採用できる。不純物をドープする方法としては、例えば、固相拡散法、プラズマドーピング、イオンインプラント注入法が挙げられる。また、p+領域22の形成方法としては、例えば、トレンチ部18の内壁面に、負の電荷を有する固定電荷膜を形成する方法を採用することもできる。固定電荷膜の材料としては、例えば、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)及びチタン(Ti)の少なくとも1つの元素を含む酸化物又は窒化物が挙げられる。
【0020】
このように、第1の実施形態では、光電変換部21のn+領域23を、p+領域22と接するように半導体基板8の厚さ方向に連続し、さらに、半導体基板8の厚さ方向において不純物濃度が一定である構成とした。これにより、光電変換部21において、半導体基板8の厚さ方向の各部において同一のpn接合部分を形成することができ、
図4及び
図5に示すように、光電変換部21の裏面S3側におけるポテンシャルの深さを、
図4及び
図6に示すように、表面S4側(縦型ゲート電極31の根元側)におけるポテンシャルの深さと同程度とすることができる。
図4~
図6では、ポテンシャルのピークを1.5Vとした場合を例示している。それゆえ、光電変換部21に蓄積できる電荷量(飽和電荷量Qs)を増大することができる。
図4は、光電変換部21におけるポテンシャル分布を示す図である。また、
図5は、
図4のC-C’線の位置におけるポテンシャルを示す図である。また、
図6は
図4のD-D’線の位置におけるポテンシャルを示す図である。
【0021】
また、トレンチ部18で取り囲まれた半導体基板8の領域のうち、半導体基板8の表面S2側の領域には、縦型トランジスタ26が形成されている。縦型トランジスタ26は、フローティングディフュージョン(広義には「電荷保持部」。以下、「FD27」とも呼ぶ)と、転送ゲート28とを有している。FD27は、高濃度のn型の不純物領域によって構成され、転送トランジスタ(転送ゲート28)によって光電変換部21からFD27に転送された電荷を保持する。即ち、光電変換部21で生成された電荷を保持する。
また、転送ゲート28は、光電変換部21で生成された電荷をFD27に転送する転送トランジスタのゲートである。転送ゲート28は、半導体基板8内にゲート絶縁膜29を介して形成されている。転送ゲート28は、半導体基板8の表面S2に張り出すように形成された平板状の表面電極30と、表面電極30から半導体基板8の厚さ方向に延びている縦型ゲート電極31とを有している。縦型ゲート電極31は、半導体基板8の表面S2から、裏面S3側に位置するn+領域23の端部32よりも深くまで達している。即ち縦型ゲート電極31は、半導体基板8の2つの面のうちのFD27に近い側の面である表面S2(第1面)から、表面S2から遠い側の面である裏面S3(第2面)側に位置するn+領域23の端部32よりも深く(p+領域25の深さ)まで達している。
【0022】
このように、第1の実施形態では、転送ゲート28が、半導体基板8の表面S2から、裏面S3側に位置するn+領域23の端部32よりも深くまで達している縦型ゲート電極31を用いる構成とした。これにより、FD27への電荷の転送時には、縦型ゲート電極31の電位をHIGH状態とすることで、
図7及び
図8に示すように、光電変換部21内において、縦型ゲート電極31側のポテンシャルを深くすることができる。
図7では、縦型ゲート電極31側のポテンシャルを2.0V等とした場合を例示している。それゆえ、光電変換部21に蓄積されていた電荷を縦型ゲート電極31側の領域に水平転送させるポテンシャル勾配を形成できる。
図7は、光電変換部21におけるポテンシャル分布を示す図である。また
図8は
図7のE-E’線の位置におけるポテンシャルを示す図である。
【0023】
図2及び
図3では、縦型ゲート電極31は、半導体基板8の表面S2から、裏面S3側に位置するn+領域23の端部よりも深くまで達している1つの埋め込み電極である場合を例示している。また、縦型ゲート電極31(埋め込み電極31)の周囲には、埋め込み電極31の周面を覆うように、p型の不純物を含む不純物領域33が形成されている。不純物領域33は、半導体基板8の裏面S3側の不純物の濃度が、表面S2側の不純物の濃度よりも高くなっている。これにより、縦型ゲート電極31の電位をHIGH状態とすることで、
図7に示すように、埋め込み電極31の周囲において、半導体基板8の表面S2側(縦型ゲート電極31の根元側)におけるポテンシャルの深さを、裏面S3側におけるポテンシャルの深さよりも深くすることができる。それゆえ、埋め込み電極31の周囲に、埋め込み電極31側に水平転送された電荷をFD27に垂直転送させるポテンシャル勾配を形成することができる。不純物領域33の不純物の濃度は、連続的に変化する構成としてもよいし、段階的に変化する構成(非連続的に変化する構成)としてもよい。
【0024】
ここで、例えば、
図9に示すように、光電変換部21内に、電荷を半導体基板8の表面S2側に垂直転送させるポテンシャル勾配を形成する構成とした場合、
図9及び
図10に示すように、光電変換部21の表面S4側(縦型ゲート電極31の根元側)におけるポテンシャルの深さよりも、
図9及び
図11に示すように、裏面S3側におけるポテンシャルの深さが浅くなってしまう。それゆえ、光電変換部21全体として蓄積できる電荷量(飽和電荷量Qs)が低下する可能性がある。
図9は、光電変換部21におけるポテンシャル分布を示す図である。
図10は、
図9のF-F’線の位置におけるポテンシャルを示す図である。
図11は、
図9のG-G’線の位置におけるポテンシャルを示す図である。
【0025】
これに対し、本実施形態に係る固体撮像装置1では、光電変換部21内に、電荷を半導体基板8の表面S2側に垂直転送させるポテンシャル勾配を形成せず、
図4,
図5及び
図6に示すように、光電変換部21の裏面S3側におけるポテンシャルの深さを、表面S4側(縦型ゲート電極31の根元側)におけるポテンシャルの深さと同程度とした。それゆえ、光電変換部21全体として蓄積できる電荷量(飽和電荷量Qs)を増大できる。
また、FD27への電荷の転送時には、縦型ゲート電極31の電位をHIGH状態とすることで、
図7及び
図8に示すように、光電変換部21内において、縦型ゲート電極31側のポテンシャルを深くして、ポテンシャル勾配を形成するようにした。それゆえ、光電変換部21に蓄積されていた電荷を縦型ゲート電極31側の領域に水平転送できる。
【0026】
また、縦型ゲート電極31の電位をHIGH状態とすることで、
図7に示すように、埋め込み電極31の周囲において、半導体基板8の表面S2側(縦型ゲート電極31の根元側)におけるポテンシャルの深さを、裏面S3側におけるポテンシャルの深さよりも深くするようにした。それゆえ、縦型ゲート電極31(埋め込み電極31)側に水平転送された電荷を、縦型ゲート電極31(埋め込み電極31)に沿ってFD27に垂直転送できる。これにより、光電変換部21で生成された電荷をFD27に保持させることができる。
【0027】
〈2.第2の実施形態:固体撮像装置〉
[2-1 要部の構成]
次に、本開示の第2の実施形態に係る固体撮像装置1について説明する。第2の実施形態に係る固体撮像装置1の全体構成は、
図1と同様であるから図示を省略する。
図12は、第2の実施形態に係る固体撮像装置1の断面構成を示す図である。
図13は、
図12のH-H’線で破断した場合の、固体撮像装置1の断面構成を示す図である。
図12及び
図13において、
図2、
図3に対応する部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
【0028】
第2の実施形態では、縦型ゲート電極31として、
図12及び
図13に示すように、半導体基板8の表面S2から、半導体基板8の厚さ方向に延びている2以上の埋め込み電極を用いる点が、第1の実施形態と異なっている。
図12及び
図13では、2以上の埋め込み電極として、2つの埋め込み電極34,35を用いる場合を例示している。埋め込み電極34,35のそれぞれは、半導体基板8の厚さ方向と直交する方向に互いに離して配置された、同一の角柱状の電極である。埋め込み電極34,35それぞれは、半導体基板8の裏面S3側に位置するn+領域23の端部32よりも深くまで達している。
また、埋め込み電極34,35間には、p型の不純物を含む不純物領域36が形成されている。不純物領域36は、半導体基板8の表面S2側の不純物の濃度が裏面S3側の不純物の濃度よりも高くなっている。不純物領域36の不純物の濃度は、連続的に変化する構成としてもよいし、段階的に変化する構成(非連続的に変化する構成)としてもよい。
【0029】
ここで、第1の実施形態の
図2に示した固体撮像装置1では、電荷の垂直転送用のポテンシャル勾配を形成するための不純物領域33を、縦型ゲート電極31の周面を覆うように形成した。そのため、不純物領域33を形成する不純物が光電変換部21に影響を及ぼし、光電変換部21のポテンシャルが変動する可能性がある。光電変換部21の裏面S3側の領域において、縦型ゲート電極31近傍の領域のポテンシャルは、不純物領域33の裏面S3側の領域のポテンシャル以上に深くならない。それゆえ、
図7に示すように、光電変換部21の裏面S3側の領域において、縦型ゲート電極31近傍の領域のポテンシャルが浅くなり(
図7では、1.7V)、蓄積できる電荷量が低減する可能性がある。
【0030】
これに対し、第2の実施形態に係る固体撮像装置1では、縦型ゲート電極31の周囲に、電荷の垂直転送用のポテンシャル勾配を形成するための不純物領域を形成せず、
図12,
図13及び
図14に示すように、縦型ゲート電極31を構成する埋め込み電極34,35の間に不純物領域36を形成するようにした。これにより、FD27への電荷の転送時には、埋め込み電極34,35の電位をHIGH状態とすることで、
図15に示すように、埋め込み電極34,35の間において、半導体基板8の表面S2側(縦型ゲート電極31の根元側)におけるポテンシャルの深さを、裏面S3側におけるポテンシャルの深さよりも深くすることができる。そのため、
図16に示すように、埋め込み電極34,35側に水平転送された電荷をFD27に垂直転送させるポテンシャル勾配を形成できる。また、不純物領域36の不純物によって光電変換部21のポテンシャルが変動することを抑制できる。
図15では、光電変換部21における埋め込み電極34,35側の領域の各部のポテンシャルが同一(1.8V)となっている。それゆえ、光電変換部21に蓄積できる電荷量の低減を抑制でき、飽和電荷量Qsの低減を抑制できる。
図14及び
図15は、光電変換部21におけるポテンシャル分布を示す図であり、
図14は、埋め込み電極34,35の電位がLOW状態の場合のポテンシャル分布であり、
図15は、HIGH状態の場合のポテンシャル分布である。
図16は、半導体基板8の厚さ方向から見た場合のポテンシャルを示す図である。
図16では埋め込み電極34,35を他の図よりも大きく描いた。
【0031】
[2-2 変形例]
(1)なお、第2の実施形態では、
図12に示すように、2以上の埋め込み電極34,35を同一の角柱状(長さ同一・離間距離一定)とする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、
図12に示した2以上の埋め込み電極34,35は、
図17及び
図18に示すように、半導体基板8の表面S2から、裏面S3側に位置するn+領域23の端部32よりも深くまで達している第1電極37と、半導体基板8の表面S2から第1電極37よりも浅い深さまで達している第2電極38と、を少なくとも含む構成としてもよい。ここで、
図17及び
図18では、第1電極37及び第2電極38を2つずつ有し、それらが2×2のマトリックス状に配置され、マトリックスの一方の対角線上に第1電極37が位置し、他方の対角線上に第2電極38が位置する場合を例示している。
図18は、
図17のI-I’線で破断した場合の、固体撮像装置1の断面構成を示す図である。また、光電変換部21におけるポテンシャル分布は、
図19に示すような分布になる。
【0032】
また、
図17では、
図12に示した表面電極30が、第1電極37及び第2電極38それぞれの表面S2側の端部に個別に形成され、半導体基板8の表面S2に張り出すように形成された表面電極39,40となっている。これにより、表面電極39,40を介して、第1電極37及び第2電極38それぞれの電位を個別に制御可能となっている。FD27への電荷の転送時には、まず、表面電極39,40の電位をHIGH状態とすることで、第1電極37及び第2電極38の両方の電位をHIGH状態とする。すると、
図20及び
図21に示すように、光電変換部21内において、第1電極37側及び第2電極38側のポテンシャルが深くなり、電荷を第1電極37側及び第2電極38側に水平転送させるポテンシャル勾配が形成され、光電変換部21(
図20の領域K)に蓄積されている電荷が第1電極37間及び第2電極38間(
図20の領域L,M)のそれぞれに転送される。これにより、第1電極37間及び第2電極38間の半導体基板8の厚さ方向の各部それぞれに電荷が溜まる。
図21は、
図20の領域K、L、M、Nにおけるポテンシャル分布を示す図である。続いて、表面電極39の電位のみLOW状態とすることで、第1電極37の電位のみLOW状態とし、第2電極38の電位をHIGHに維持する。すると、
図22に示すように、第1電極37間及び第2電極38間において、半導体基板8の裏面S3側のポテンシャルが浅くなって、裏面S3側(
図20の領域L側)の電荷が表面S2側(
図20の領域M側)に垂直転送される。これにより、第1電極37間及び第2電極38間の表面S2側(
図20の領域M側)の領域に電荷が溜まる。続いて、表面電極40の電位もLOW状態とすることで、第1電極37及び第2電極38の両方の電位をLOW状態とする。すると、
図23に示すように、表面S2側(
図20の領域M側)の電荷がFD27(
図20の領域N)へ転送される。これにより電荷の垂直転送を効率的に行うことができる。
【0033】
(2)また、例えば、
図24に示すように、半導体基板8の裏面S3側における埋め込み電極34,35間の距離を表面S2側における埋め込み電極34,35間の距離よりも大きくする構成としてもよい。例えば、埋め込み電極34,35の形状を、円錐の上部を切り取った円錐台状とする。ここで、埋め込み電極34,35間のポテンシャルは、埋め込み電極34,35間の距離が小さくなると深くなり、距離が大きくなると浅くなる。それゆえ、
図24に示した構成によれば、半導体基板8の裏面S3側から表面S2側に向かうほどポテンシャルが深くなるように、電荷の垂直転送用のポテンシャル勾配を形成できる。
【0034】
(3)また、第2の実施形態では、光電変換部21の外周の形状を矩形状とし、また、2以上の埋め込み電極34,35を角柱状とする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、
図25に示すように、半導体基板8の厚さ方向から見た場合に、光電変換部21の外周の形状を、n角形(nは4以上の整数)とする構成としてもよい。例えば、矩形、八角形が挙げられる。
図25では、光電変換部21の外周の形状が八角形である場合を例示している。また
図26及び
図27に示すように、半導体基板8の厚さ方向から見た場合に、2以上の埋め込み電極34,35,41,42のそれぞれを、n角形の角部から光電変換部21の中心部に伸ばした直線と重ならない位置に配置する構成としてもよい。これにより、n角形の光電変換部21の角部付近に蓄積された電荷を埋め込み電極34,35,41,42の間の領域に直線的に水平転送でき、電荷の水平転送をより効率的に行うことができる。なお、
図26及び
図27では、光電変換部21の外周の形状が矩形である場合を例示しているが、八角形等、他のn角形(nは4以上の整数)の形状でもよい。
【0035】
図26及び
図27に示した構成とする場合、半導体基板8の厚さ方向と直交する断面において、2以上の埋め込み電極34,35,41,42の断面形状としては、例えば、円形状、矩形状又は三角形状を採用できる。なお、
図28及び
図29に示すように、2以上の埋め込み電極34,35,41,42の何れかが、n角形(nは4以上の整数)の角部から光電変換部21の中心部に伸ばした直線と重なる位置に配置された構成である場合にも、埋め込み電極34,35の断面形状として、円形状、矩形状又は三角形状を採用できる。
【0036】
(4)また、本技術は、上述したイメージセンサとしての固体撮像装置1の他、ToF(Time of Flight)センサとも呼ばれる距離を測定する測距センサ等も含む光検出装置全般に適用することができる。測距センサは、物体に向かって照射光を発光し、その照射光が物体の表面で反射され返ってくる反射光を検出し、照射光が発光されてから反射光が受光されるまでの飛行時間に基づいて物体までの距離を算出するセンサである。この測距センサの受光画素構造として、上述した画素9の構造を採用することができる。
【0037】
〈3.第3の実施形態:固体撮像装置〉
本開示に係る技術(本技術)は、各種の電子機器に適用されてもよい。
図30は、本技術を適用した電子機器としての撮像装置(ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等)の概略的な構成の一例を示す図である。
図30に示すように、撮像装置1000は、レンズ群1001と、固体撮像装置1002(第1の実施形態に係る固体撮像装置1)と、DSP(Digital Signal Processor)回路1003と、フレームメモリ1004と、モニタ1005と、メモリ1006とを備えている。DSP回路1003、フレームメモリ1004、モニタ1005及びメモリ1006は、バスライン1007を介して相互に接続されている。
【0038】
レンズ群1001は、被写体からの入射光(像光)を固体撮像装置1002に導き、固体撮像装置1002の受光面(画素領域)に結像させる。
固体撮像装置1002は、上述した第1の実施の形態のCMOSイメージセンサからなる。固体撮像装置1002は、レンズ群1001によって受光面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号としてDSP回路1003に供給する。
DSP回路1003は、固体撮像装置1002から供給される画素信号に対して所定の画像処理を行う。そして、DSP回路1003は、画像処理後の画像信号をフレーム単位でフレームメモリ1004に供給し、フレームメモリ1004に一時的に記憶させる。
【0039】
モニタ1005は、例えば、液晶パネルや、有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなる。モニタ1005は、フレームメモリ1004に一時的に記憶されたフレーム単位の画素信号に基づいて、被写体の画像(動画)を表示する。
メモリ1006は、DVD、フラッシュメモリ等からなる。メモリ1006は、フレームメモリ1004に一時的に記憶されたフレーム単位の画素信号を読み出して記録する。
【0040】
なお、固体撮像装置1を適用できる電子機器としては、撮像装置1000に限られるものではなく、他の電子機器にも適用することができる。また、固体撮像装置1002として、第1の実施形態に係る固体撮像装置1を用いる構成としたが、他の構成を採用することもできる。例えば、第2の実施形態に係る固体撮像装置1、変形例に係る固体撮像装置1等、本技術を適用した他の光検出装置を用いる構成としてもよい。
【0041】
なお、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
(1)
半導体基板と、
前記半導体基板に形成され、受光量に応じた電荷を生成して蓄積する光電変換部と、
前記光電変換部で生成された電荷を保持する電荷保持部と、
前記光電変換部が蓄積した電荷を前記電荷保持部に転送する転送ゲートと、を備え、
前記光電変換部は、前記半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたp型の不純物を含むp型半導体領域と、前記p型半導体領域と接する領域に形成され、前記半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたn型の不純物を含むn型半導体領域と、を有し、
前記n型半導体領域は、前記半導体基板の厚さ方向において不純物濃度が一定であり、
前記転送ゲートは、前記半導体基板の2つの面のうちの前記電荷保持部に近い側の面である第1面から、前記第1面と反対側の面である第2面側に位置する前記n型半導体領域の端部よりも深くまで達している縦型ゲート電極を有する
光検出装置。
(2)
前記縦型ゲート電極は、前記半導体基板の前記第1面から、前記半導体基板の厚さ方向に延びている2以上の埋め込み電極である
前記(1)に記載の光検出装置。
(3)
前記2以上の埋め込み電極の間に形成されたp型の不純物を含む不純物領域を備え、
前記不純物領域は、前記半導体基板の前記第1面側の不純物の濃度が、前記第2面側の不純物の濃度よりも高くなっている
前記(2)に記載の光検出装置。
(4)
前記2以上の埋め込み電極は、前記半導体基板の前記第1面から前記n型半導体領域の前記端部よりも深くまで達している第1電極と、前記半導体基板の前記第1面から前記第1電極よりも浅い深さまで達している第2電極と、を少なくとも含み、
前記第1電極及び前記第2電極それぞれの前記第1面側の端部に個別に形成され、前記半導体基板の表面に張り出すように形成された複数の表面電極を備える
前記(2)に記載の光検出装置。
(5)
前記半導体基板の厚さ方向から見た場合に、前記光電変換部の外周の形状は、n角形(nは4以上の整数)であり、
前記半導体基板の厚さ方向から見た場合に、前記2以上の埋め込み電極のそれぞれは、前記n角形の角部から前記光電変換部の中心部に伸ばした直線と重ならない位置に配置されている
前記(2)に記載の光検出装置。
(6)
前記縦型ゲート電極は、前記半導体基板の前記第1面から前記n型半導体領域の前記端部よりも深くまで達している1つの埋め込み電極であり、
前記埋め込み電極の周面を覆うように形成されたp型の不純物を含む不純物領域を備え、
前記不純物領域は、前記半導体基板の前記第1面側の不純物の濃度が、前記第2面側の不純物の濃度よりも高くなっている
前記(1)に記載の光検出装置。
(7)
半導体基板、前記半導体基板に形成され、受光量に応じた電荷を生成して蓄積する光電変換部、前記光電変換部で生成された電荷を保持する電荷保持部、及び前記光電変換部が蓄積した電荷を前記電荷保持部に転送する転送ゲートを備え、前記光電変換部は、前記半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたp型の不純物を含むp型半導体領域と、前記p型半導体領域と接する領域に形成され、前記半導体基板の厚さ方向に連続して形成されたn型の不純物を含むn型半導体領域と、を有し、前記n型半導体領域は、前記半導体基板の厚さ方向において不純物濃度が一定であり、前記転送ゲートは、前記半導体基板の2つの面のうちの前記電荷保持部に近い側の面である第1面から、前記第1面と反対側の面である第2面側に位置する前記n型半導体領域の端部よりも深くまで達している縦型ゲート電極を有する光検出装置を備えた
電子機器。
【符号の説明】
【0042】
1…固体撮像装置、2…画素領域、3…垂直駆動回路、4…カラム信号処理回路、5…水平駆動回路、6…出力回路、7…制御回路、8…半導体基板、9…画素、10…画素駆動配線、11…垂直信号線、12…水平信号線、13…遮光膜、14…平坦化膜、15…受光層、16…マイクロレンズ、17…配線層、18…トレンチ部、19…側壁膜、20…充填剤、21…光電変換部、22…p+領域、23…n+領域、24…表面側p+領域、25…裏面側p+領域、26…縦型トランジスタ、27…FD、28…転送ゲート、29…ゲート絶縁膜、30…表面電極、31…縦型ゲート電極,埋め込み電極、32…端部、33…不純物領域、34,35…埋め込み電極、36…不純物領域、37…第1電極、38…第2電極、39,40…表面電極、1000…撮像装置、1001…レンズ群、1002…固体撮像装置、1003…DSP回路、1004…フレームメモリ、1005…モニタ、1006…メモリ、1007…バスライン