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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157512
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】車両のスライドドア支持構造
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/10 20060101AFI20231019BHJP
   B60J 5/06 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
E05D15/10
B60J5/06 B
B60J5/06 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067463
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門田 豪郎
(72)【発明者】
【氏名】坂▲崎▼ 圭一
【テーマコード(参考)】
2E034
【Fターム(参考)】
2E034FA01
2E034GA01
2E034GA08
2E034GB15
(57)【要約】
【課題】スライドドアの操作力の増加を抑制しつつ、スライドレールの車幅方向内側への曲げ幅を小さくすることにある。
【解決手段】スライドレール(ロアスライドレール12)は、スライド移動方向を向くように構成されたスライドドア7に沿って直線的に延びる直線部20と、直線部20の端部から車幅方向内側に曲げられている曲げ部21とを有し、四節リンク機構部30は、その一端側に設けられた一対の回動軸51,52が、スライドレール(12)の延びる方向における回動軸51,52間の距離を一定とした状態でスライドレール(12)に対して摺動可能に組付けられており、一対の回動軸51,52が直線部20と曲げ部21間を移動して、四節リンク機構部30の姿勢が変化することによって、スライドドア7とスライドレール(12)間の距離を変えられるように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取付けられたスライドレールと、前記スライドレールに対してスライドドアをスライド移動可能に連結する四節リンク機構部とを備えた車両のスライドドア支持構造において、
前記スライドレールは、スライド移動方向を向くように構成された前記スライドドアに沿って直線的に延びる直線部と、前記直線部の端部から車幅方向内側に曲げられている曲げ部とを有し、
前記四節リンク機構部は、その一端側に設けられた一対の回動軸が、前記スライドレールの延びる方向における回動軸間の距離を一定とした状態で前記スライドレールに対して摺動可能に組付けられており、
前記一対の回動軸が前記直線部と前記曲げ部間を移動して、前記四節リンク機構部の姿勢が変化することによって、前記スライドドアと前記スライドレール間の距離を変えられるように構成されている車両のスライドドア支持構造。
【請求項2】
前記四節リンク機構部は、その一端側をなして前記スライドレールに摺動可能に組付けられたレール側アーム部と、前記一端側とは反対の他端側をなして前記スライドドアに固定されたドア側アーム部と、前記レール側アーム部と前記ドア側アーム部とに渡されて軸支された一対のリンク部材とを有し、
前記レール側アーム部で前記一対のリンク部材を軸支する各回動軸と、前記ドア側アーム部で前記一対のリンク部材を軸支する各回動軸とが、前記直線部において同方向に並ぶように位置決めされて設けられている請求項1に記載の車両のスライドドア支持構造。
【請求項3】
前記レール側アーム部には、前記スライドレールに対して摺動可能に構成された一対の摺動部材が、前記スライドレールの延びる方向における摺動部材間の距離を一定とした状態で設けられていると共に
前記車両に設定され且つ前記スライド移動方向に直線的に延びる基準直線と、前記一対の摺動部材を通る仮想直線とに角度変化が生じることで、前記四節リンク機構部の姿勢が変化するように構成されている請求項2に記載の車両のスライドドア支持構造。
【請求項4】
前記スライドレールには、前記一対の摺動部材に対してその車幅方向の両端から接する摺動面が設けられている請求項3に記載の車両のスライドドア支持構造。
【請求項5】
前記曲げ部は、前記直線部につながる第一の曲げ部と、前記第一の曲げ部につながる第二の曲げ部とを有し、前記第一の曲げ部と前記第二の曲げ部とは、前記直線部に対する車幅方向内側への曲げ角度が異なっている請求項1~4のいずれか一項に記載の車両のスライドドア支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に取付けられたスライドレールと、スライドレールに対してスライドドアをスライド移動可能に連結する四節リンク機構部とを備えた車両のスライドドア支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両では、車両ボディに設けられたドア開口部がスライドドアによって開閉可能に構成されている。このスライドドアは、車両ボディに設けられたスライドレールに対して車幅方向外側に一定距離だけ離れているスライド位置でスライド移動するように構成されている。また、スライドドアは、ドア開口部の周縁凹部に収納された状態で、そのドア開口部を全閉にする。このためスライドドアは、その全閉位置の近傍において、スライド位置から全閉位置まで車幅方向内側に向かって移動するようになる。そしてスライドレールは、スライドドアのスライド移動軌跡に合わせて、その全閉位置近傍から全閉位置間で車幅方向内側に曲げられるように形成されている。上記した構成では、別の部材の設置スペース等を考慮して、スライドレールの車幅方向内側への曲げ幅を極力小さくしたいとの要請がある。
【0003】
例えば図16に示す特許文献1の車両では、スライドドア80にスライドレール81が固定されることで、車両ボディ側のスペースが確保されている。このスライドレール81は、スライドドア80のスライド方向となる前後方向に延びるように形成されており、スライドドア80の車幅方向内側(左側)の面に固定されている。そしてスライドドア80には、スライドレール81の後端から車幅方向外側(右側)に略直角に延びるガイド部82が設けられている。また車両には、そのドア開口部の後端位置に、ブラケット83を介して一対のリンク部材84,85が水平回動可能に軸支されている。この各リンク部材84,85は、その後端側を軸支する回動軸84A,85Aがブラケット83に車幅方向に並ぶように設けられている。
【0004】
そして図16に示す全閉状態において、第一のリンク部材84は、車両前後方向に直線的に延びる帯板状に形成されており、その前端側が、カーソル部材86に回動可能に軸支されている。このカーソル部材86は、その後前に設けられたガイドローラ87,88によってスライドレール81に対して摺動可能に構成されている。また、第二のリンク部材85は、略C字形に形成されており、上記した第一のリンク部材84の車幅方向外側に配置されている。この第二のリンク部材85は、その前部側にカーソル部材86の後側のガイドローラ87が回転可能に軸支されている。そして、第一のリンク部材84の前端側は車幅方向外側に延びていると共に、その先端にローラ89が軸支されている。このローラ89は、スライドドア80が全閉位置(前端位置)にある場合に、ガイド部82の車幅方向外側の位置に嵌められている。
【0005】
上記した構成では、スライドドア80に開き方向の力(図16の後向きの力)を加えることで、先ず、第一のリンク部材84と第二のリンク部材85が、後端の各回動軸84A,85Aを中心に反時計方向に回動するようになる(図16の二点破線で示す状態を参照)。これにより、第二のリンク部材85のローラ89をガイド部82からスライドレール81側に移動させると共に、スライドドア80を車幅方向外側に押し出していく。つづいてスライドドア80に開き方向の力を更に加える。そうするとスライドドア80は、スライドレール81に対してローラ89と各ガイドローラ87,88を摺動させながら、全開位置に向けてスライド移動するようになる(特許文献の図3及び図4を参照)。また逆に、スライドドア80を全閉する際には、このスライドドア80を全閉位置付近までスライド移動させた後、第一のリンク部材84と第二のリンク部材85とを時計方向に回動させる。これにより、第二のリンク部材85のローラ89をスライドレール81からガイド部82側に移動させると共に、スライドドア80を車幅方向内側に引き込めるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-126891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで上記した構成では、図16に示すスライドドア80を車幅方向に移動させるため、第一のリンク部材84と第二のリンク部材85を回動させるようにしている。しかし同構成では、スライドドア80の開閉力を、スライドドア80のスライド移動と、両リンク部材84,85の回動とに順次作用させなければならず、スライドドア80の開閉に大きな操作力が必要となっていた。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、スライドドアの操作力の増加を抑制しつつ、スライドレールの車幅方向内側への曲げ幅を小さくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段として、第1発明の車両のスライドドア支持構造は、車両に取付けられたスライドレールと、スライドレールに対してスライドドアをスライド移動可能に連結する四節リンク機構部とを備えている。そしてスライドレールは、スライド移動方向を向くように構成されたスライドドアに沿って直線的に延びる直線部と、直線部の端部から車幅方向内側に曲げられている曲げ部とを有している。この種の構成では、スライドドアの操作力の増加を抑制しつつ、スライドレールの車幅方向内側への曲げ幅を小さくすることが望ましい。
【0009】
そこで本発明の四節リンク機構部は、その一端側に設けられた一対の回動軸が、スライドレールの延びる方向における回動軸間の距離を一定とした状態でスライドレールに対して摺動可能に組付けられている。そして一対の回動軸が直線部と曲げ部間を移動して、四節リンク機構部の姿勢が変化することによって、スライドドアとスライドレール間の距離を変えられるように構成されている。本発明では、一対の回動軸がスライドレールに沿って移動することで、スライド移動方向を向いたスライドドアとスライドレール間の距離を、四節リンク機構部の姿勢の変化で変えられるようになる。これにより、スライドレールの車幅方向内側への曲げ幅を極力小さくすることが可能となる。また、一対の回動軸をスライドレールに沿うように移動させて、四節リンク機構部の姿勢を直線部と曲げ部間で変えられるようにしたことで、スライドドアの操作力の増加を抑制できるようになる。
【0010】
第2発明の車両のスライドドア支持構造は、第1発明の車両のスライドドア支持構造において、四節リンク機構部は、その一端側をなしてスライドレールに摺動可能に組付けられたレール側アーム部と、一端側とは反対の他端側をなしてスライドドアに固定されたドア側アーム部と、レール側アーム部とドア側アーム部とに渡されて軸支された一対のリンク部材とを有している。そしてレール側アーム部で一対のリンク部材を軸支する各回動軸と、ドア側アーム部で一対のリンク部材を軸支する各回動軸とが、直線部において同方向に並ぶように位置決めされて設けられている。本発明では、レール側アーム部とドア側アーム部とに、各々、一対のリンク部材を軸支する各回動軸が同方向に並んで位置決めされている。これにより、直線部と曲げ部間における各アーム部の挙動に応じて各リンク部材を動かせるようになり、四節リンク機構部の姿勢をより確実に変えられるようになる。
【0011】
第3発明の車両のスライドドア支持構造は、第2発明の車両のスライドドア支持構造において、レール側アーム部には、スライドレールに対して摺動可能に構成された一対の摺動部材が、スライドレールの延びる方向における摺動部材間の距離を一定とした状態で設けられている。そして車両に設定され且つスライド移動方向に直線的に延びる基準直線と、一対の摺動部材を通る仮想直線とに角度変化が生じることで、四節リンク機構部の姿勢が変化するように構成されている。本発明では、一対の摺動部材で規定される仮想直線と車両側の基準直線を基にして、四節リンク機構部の姿勢を変えられるようにしている。
【0012】
第4発明の車両のスライドドア支持構造は、第3発明の車両のスライドドア支持構造において、スライドレールには、一対の摺動部材に対してその車幅方向の両端から接する摺動面が設けられている。本発明では、スライドレールに摺動面を設けたことで、このスライドレールに沿って一対の摺動部材をより適切に移動させられるようになる。
【0013】
第5発明の車両のスライドドア支持構造は、第1発明~第4発明のいずれかの車両のスライドドア支持構造において、曲げ部は、直線部につながる第一の曲げ部と、第一の曲げ部につながる第二の曲げ部とを有し、第一の曲げ部と第二の曲げ部とは、直線部に対する車幅方向内側への曲げ角度が異なっている。本発明では、直線部に対する第一の曲げ部と第二の曲げ部の曲げ角度を変化させたことで、スライドドアを車幅方向内側に段階的に移動させられるようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る第1発明によれば、スライドドアの操作力の増加を抑制しつつ、スライドレールの車幅方向内側への曲げ幅を小さくすることができる。また第2発明によれば、スライドドアの操作力の増加を抑制しつつ、スライドレールの車幅方向内側への曲げ幅をより確実に小さくすることができる。また第3発明によれば、スライドレールの車幅方向内側への曲げ幅を更に確実に小さくすることができる。また第4発明によれば、スライドドアの操作力の増加をより確実に抑制しつつ、スライドレールの車幅方向内側への曲げ幅を小さくすることができる。そして第5発明によれば、スライドドアを車幅方向に段階的に移動させられるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】車両の概略斜視図である。
図2】全開位置のスライドドアを示す車両の概略横断面図である。
図3】全閉位置のスライドドアを示す車両の概略横断面図である。
図4図1のIV-IV線断面に相当する車両の概略縦断面図である。
図5】全開位置における四節リンク機構部とスライドレールの概略上面図である。
図6】全閉位置における四節リンク機構部とスライドレールの概略上面図である。
図7】スライドドアとドア側アーム部の概略縦断面図である。
図8図6のVIII-VIII線断面である。
図9図6のIX-IX線断面である。
図10】閉め動作時の四節リンク機構部を示す車両の概略上面図である。
図11】曲げ部に侵入した四節リンク機構部を示す車両の概略上面図である。
図12】曲げ部に侵入した四節リンク機構部を示す車両の概略拡大上面図である。
図13】曲げ部を移動する四節リンク機構部を示す車両の概略上面図である。
図14】全閉位置における四節リンク機構部の概略側面図である。
図15】変形例のスライドレールを示す車両の概略上面図である。
図16】従来のスライドドア付きの車両の概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を、図1図15を参照して説明する。各図には、車両の前後方向と左右方向(車幅方向)と上下方向(車両の高さ方向)を示す矢線を適宜図示する。また図1に示す車両は、便宜上、車両ボディとスライドドアのみを図示すると共に、その車両右側の各部材にのみ対応する符号を付す。
【0017】
[車両の概要]
車両のスライドドア支持構造について説明する前に、先ず、車両2の概要について説明する。図1に示す車両2には、その右側の車両ボディに、前部座席に対応するフロントドア開口部3と、後部座席に対応するリヤドア開口部4とが形成されている。また車両ボディの両ドア開口部3,4の間には、車両上下方向に延びるセンターピラー5が設けられている。また両ドア開口部3,4の下縁部には、車両前後方向に延びるロッカー6が形成されており、ロッカー6にセンターピラー5の下端部が接続されている。そして、フロントドア開口部3はドアヒンジを中心に回動可能なフロントドア(図示省略)により開閉可能に構成されている。また、リヤドア開口部4は、車両前後方向にスライド移動可能なスライドドア7により開閉可能に構成されている。
【0018】
また図1に示す車両2には、上記したスライドドア7をスライド移動方向(車両前後方向)にガイドするアッパースライドレール11とロアスライドレール12とセンタースライドレール13とが設けられている。アッパースライドレール11は、リヤドア開口部4の車両上側に設けられており、センタースライドレール13は、リヤドア開口部4の後側の高さ方向中央位置に設けられている。そして、ロアスライドレール12(詳細後述)は、リヤドア開口部4の車両下側、即ち、ロッカー6内の所定位置に設けられている。
【0019】
ここで図1に示すアッパースライドレール11には、スライドドア7の上端部に設けられた上ガイドローラユニット110が同レールに沿って摺動可能な状態で連結されている。またセンタースライドレール13にも、スライドドア7の中間部に設けられた中ガイドローラユニット130が同レールに沿って摺動可能な状態で連結されている。そしてスライドドア7は、その上端部と中間部とがアッパースライドレール11とセンタースライドレール13とによって支持されることで、そのスライドドア7の向きがスライド移動方向(車両前後方向)に向くように構成されている。また、アッパースライドレール11とセンタースライドレール13とは、その前端部側の車幅方向の寸法が大きくなる等して、全閉位置近傍から全閉位置間におけるスライドドア7の車幅方向の移動が許容されている。
【0020】
[車両のスライドドア支持構造]
そして車両のスライドドア支持構造では、図1に示すスライドドア7を、ロアスライドレール12に沿って全閉位置と全開位置間でスライド移動させられるようになっている。このスライドドア7は、その全閉位置の近傍において、スライド位置から全閉位置まで車幅方向内側に向かって移動するようになる。このため、ロアスライドレール12は、図2及び図3に示すように、スライドドア7のスライド移動軌跡に合わせて全閉位置近傍から全閉位置間で車幅方向内側に曲げられるように形成されている。この種の構成では、スライドドア7の操作力の増加を抑制しつつも、ロアスライドレール12の車幅方向内側への曲げ幅を極力小さくすることが望まれる。そこで本実施例では、スライドドア7をロアスライドレール12に連結する四節リンク機構部30によって、スライドドア7の操作力の増加を抑制しつつ、ロアスライドレール12の車幅方向内側への曲げ幅を小さくすることとした。以下、車両のスライドドア支持構造を、ロッカー6、ロアスライドレール12、四節リンク機構部30の順に説明する。
【0021】
[ロッカー]
先ず、図1に示すロッカー6は、上記したように各ドア開口部3,4の下縁部で車両前後方向に延びるように形成されている。このロッカー6は、図4に示すように、車両前後方向に延びるロッカーインナー61とロッカーアウター62とサイドアウター63とが車幅方向から合わせられることで筒状に形成されている。そしてロッカーインナー61は、ロッカー6の車幅方向内側(図4の左側)の部分を構成している。このロッカーインナー61の上面には、車幅方向内側に延びるフロアステップパネル64が固定され、さらにフロアステップパネル64の車幅方向内側の端部に車両ボディのフロアパネル(図示省略)が設けられている。また、ロッカー6の車幅方向外側の面、即ち、ロッカーアウター62とサイドアウター63とには、細長い側面開口62h,63hが車両前後方向に延びるように形成されている。この側面開口62h,63hは、スライドドア7のスライド範囲とほぼ等しい長さ寸法で車両前後方向に延びるように形成されている。
【0022】
そして図4に示すロッカー6には、その側面開口62h,63hの位置に、車幅方向外側(図4の右側)が解放された筒状の収容部65が設けられている。この収容部65は、アッパパネル67とロアパネル68とが上下から合わせられることで横長な箱状に形成されており、後述するロアスライドレール12及び四節リンク機構部30の一部が収容されている。そしてロアパネル68は、その車幅方向外側の周縁が側面開口62h,63hの下周縁に接合されている。また、アッパパネル67は、その車幅方向外側の周縁がロッカーアウター62の側面開口62hの上周縁に部分的に接合されている。
【0023】
[ロアスライドレール]
次に、図2及び図3に示すロアスライドレール12は、スライドドア7のスライド移動軌跡に沿うように形成されている。即ち、ロアスライドレール12には、スライド移動方向(車両前後方向)を向いたスライドドア7に沿うように直線的に延びる直線部20と、この直線部20の全閉位置側の端部(各図の前側の端部)から車幅方向内側且つ車両前側に曲げられた曲げ部21とが形成されている。ここで車両2の車両ボディには、スライドドア7のスライド移動方向に沿うように直線的に延びる基準直線200が設定されている。この基準直線200の形成位置は特に限定しないが、例えば直線部20の車幅方向中央に重なるように設けることができる。また曲げ部21は、基準直線200に対して車幅方向内側且つ車両前側に曲げられており、その曲げ部21の前端部が最も車幅方向内側に配置されている。そして直線部20から曲げ部21の前端部までの車幅方向の距離が、ロアスライドレール12の車幅方向内側への曲げ幅Wとなる(図2参照)。
【0024】
またロアスライドレール12は、上記したように、図4に示すロッカー6の収容部65に収容されている。このロアスライドレール12の上端部は、車両下側が解放された断面略U字形に形成されており、アッパパネル67の下面に固定された天井壁部22と、左右一対の縦壁部23,24とが設けられている。内側縦壁部23は、天井壁部22の車幅方向内側の端部(図4の左端部)から車両下側に略直角に曲げられている。また外側縦壁部24は、天井壁部22の車幅方向外側の端部(図4の右端部)から車両下側に略直角に曲げられている。そして内側縦壁部23と外側縦壁部24とは、スライドドア7のスライド移動軌跡に沿うように延びており、この内側縦壁部23と外側縦壁部24間に、後述する四節リンク機構部30の各ガイドローラ40,41が摺動可能に嵌められるようになっている。即ち、この内側縦壁部23の内面230と外側縦壁部24の内面240とが、各ガイドローラ40,41が摺動可能に接する摺動面となっている。また、ロアスライドレール12には、その下端部側に、後述する四節リンク機構部30の荷重ローラ43を受ける底壁部25が設けられている。この底壁部25は、収容部65の下側をなすロアパネル68の上面に固定されて、スライドドア7のスライド移動軌跡に沿うように延びている。
【0025】
[四節リンク機構部]
次に、図2及び図3に示す四節リンク機構部30は、ロアスライドレール12に対してスライドドア7をスライド移動可能に連結する部位であり、スライドドア7の下端部の前端位置に設けられている。ここで四節リンク機構部30では、その車幅方向内側(各図の左側)を一端側とし、その車幅方向外側(各図の右側)を一端側とは反対の他端側とする。そして四節リンク機構部30は、図5に示すように、その一端側をなすレール側アーム部31と、その他端側をなすドア側アーム部32と、レール側アーム部31とドア側アーム部32とに渡されて軸支された一対のリンク部材33,34とを有している。更に四節リンク機構部30は、図5に示す各リンク部材33,34が後傾した展開姿勢と、図6に示す各リンク部材33,34が前倒れした収納姿勢間を変位することができる。
【0026】
レール側アーム部31は、図5に示すように車両前後方向に延びる矩形状に形成されており、ロアスライドレール12に対して摺動可能に組付けられている。このレール側アーム部31には、車幅方向内側に延びる前後一対の支持部310,311が、車両前後方向に所定間隔をあけて設けられている。そして前側の支持部310に、車両上下方向に延びる前回転軸40Aを介して横向きの前側ガイドローラ40が回転可能に軸支されている。また後側の支持部311に、車両上下方向に延びる後回転軸41Aを介して横向きの後側ガイドローラ41が回転可能に軸支されている。こうしてレール側アーム部31には、前側ガイドローラ40と後側ガイドローラ41とが前後に並ぶように取付けられており、両ガイドローラ40,41は、ロアスライドレール12の延びる方向におけるガイドローラ間の距離L1が一定とされている。この前側ガイドローラ40と後側ガイドローラ41とは、本発明の摺動部材に相当し、ロアスライドレール12の外側縦壁部24と内側縦壁部23間に摺動可能に嵌められている(図4参照)。そして、前側ガイドローラ40と後側ガイドローラ41とが、各縦壁部23,24の内面230,240(摺動面)に対して摺動することで、ドア側アーム部32がロアスライドレール12に沿ってより適切に移動できるようになる。
【0027】
ここで図5に示すレール側アーム部31には、前後のガイドローラ40,41の間に、縦向きの荷重ローラ43を設けることができる。この荷重ローラ43は、レール側アーム部31から車幅方向内側に突出するブラケット部44に回転可能に軸支されており、図4に示すロアスライドレール12の底壁部25に摺動可能に構成されている。そして図4を参照して、荷重ローラ43を軸支するブラケット部44は、レール側アーム部31に対して上下方向を向く軸材45に回転可能に軸支されている。これにより、ブラケット部44に軸支された荷重ローラ43は、軸材45を中心に回転することにより、ロアスライドレール12に沿うように向きを変えられるようになっている(図6及び図14参照)。なお、レール側アーム部31から荷重ローラ43を省略することもでき、この場合には、図1に示す各ガイドローラユニット110,130に荷重ローラが設けられる。
【0028】
また、図5に示すドア側アーム部32は、車両前後方向に延びるように形成されており、スライドドア7の前端部に固定される固定部320と、後述する各リンク部材33,34を軸支する軸支部323とを一体で有している。ここで固定部320は、図5及び図7を参照して略L字形に形成されており、スライドドア7の内面に固定されている縦板部位321と、この縦板部位321の下縁から車幅方向内側に略直角に曲げられた横板部位322とから構成されている。また軸支部323は、横板部位322の車両下側に固定された状態で、図5に示すように車両前後方向に延びるように形成されている。この軸支部323は、その前部側が横板部位322から車両前側に張出すように配置されており、この張出した軸支部323の前部に、後述する各リンク部材33,34が軸支されている。即ち、ドア側アーム部32の軸支部323には、その前部に前後一対の軸受け部324,325が車両前後方向に所定間隔で設けられている。そして前側の軸受け部324は、軸支部323の前端部に形成されていると共に、車幅方向内側且つ車両前側に延びるように形成されている。また後側の軸受け部325は、前側の軸受け部324から車両後側に所定間隔だけ離れた位置に形成されている。
【0029】
また図5に示すレール側アーム部31とドア側アーム部32とには、前後一対のリンク部材(前側リンク部材33,後側リンク部材34)が渡されて回動可能に軸支されている。ここで前側リンク部材33は、その車幅方向の中央部分330が車幅方向に延びるように配置されている。また前側リンク部材33の車幅方向の両端部331,332は、中央部分330から車両後側に曲げられている。また後側リンク部材34は、車幅方向に延びる帯板状のリンクであり、前側リンク部材33の中央部分330と略平行となるように配置されている。なお、収納姿勢の前側リンク部材33は、図6に示すように、その両端部331,332が曲げられることで後側リンク部材34よりも車幅方向内側に配置されるようになり、この後側リンク部材34に干渉しないようになっている。
【0030】
そして図5に示すレール側アーム部31には、前側リンク部材33と後側リンク部材34の車幅方向内側(図5の左側)の一端側が軸支されている。即ち、前側リンク部材33は、その車幅方向内側の一端部331が、車両上下方向に延びる第一回動軸51を介してレール側アーム部31の前端部に軸支されている。また後側リンク部材34は、その車幅方向内側の一端部が、車両上下方向に延びる第二回動軸52を介して、レール側アーム部31の後部に軸支されている。こうしてレール側アーム部31には、第一回動軸51と第二回動軸52とが、車両前後方向に並ぶように取付けられている。そして第一回動軸51と第二回動軸52とは、ロアスライドレール12の延びる方向における回動軸間の距離L2が一定とされて、レール側アーム部31と共にロアスライドレール12に沿って移動できるようになっている(図5図6及び図8を参照)。
【0031】
また図5に示すドア側アーム部32には、前側リンク部材33と後側リンク部材34の車幅方向外側(図5の右側)の他端側が軸支されている。即ち、前側リンク部材33は、その車幅方向外側の他端部332が、車両上下方向に延びる第三回動軸53を介して、ドア側アーム部32の前側の軸受け部324に軸支されている。また後側リンク部材34は、その車幅方向外側の他端部が、車両上下方向に延びる第四回動軸54を介して、ドア側アーム部32の後側の軸受け部325に軸支されている。ここで後側リンク部材34は、図9を参照して、その他端部が断面略U字形に形成されており、後側の軸受け部325を上下から挟むように配置されて軸支されている。こうしてドア側アーム部32にも、第三回動軸53と第四回動軸54とが、回動軸間の距離L3が一定とされて車両前後方向に並ぶように取付けられている。
【0032】
[スライドドア及び四節リンク機構部の挙動]
先ず、スライドドア7が、図1及び図2に示すように全開位置にある場合を説明する。このときスライドドア7は、その上端部と中間部とが、図1に示すアッパースライドレール11とセンタースライドレール13に支持されている。これにより、スライドドア7は、その向きをスライド移動方向(車両前後方向)に向けた状態で保持されて、その建付け性が確保されている。また、図2に示すスライドドア7の前端部に設けられた四節リンク機構部30は、ロアスライドレール12の直線部20の後端側に配置されている。このとき直線部20上のレール側アーム部31と、ドア側アーム部32とは車両前後方向を向いた状態となっている。また前後のリンク部材33,34は、レール側アーム部31の各回動軸51、52を中心に後傾した展開姿勢となっている。そしてスライドドア7は、その各ガイドローラユニット110,130及び四節リンク機構部30にて対応するレールに組付けられることで、車両2から車幅方向外側に一定距離だけ離れているスライド位置でスライド移動できるようになっている。
【0033】
次に図1及び図2に示すスライドドア7を、閉じ方向(車両前側)にスライド移動させてリヤドア開口部4を全閉する。このときスライドドア7は、図10図13を参照して、全閉位置の近傍においてスライド位置から全閉位置まで車幅方向内側に向けて移動する。このためロアスライドレール12は、スライドドア7のスライド移動軌跡に合わせて全閉位置近傍から全閉位置間で車幅方向内側に曲げられている。そしてこの種の構成では、スライドドア7の操作力の増加を抑制しつつ、ロアスライドレール12の車幅方向内側への曲げ幅Wを極力小さくすることが望まれる(図2参照)。
【0034】
そこで図5及び図6に示す四節リンク機構部30は、その一端側に設けられた一対の回動軸51,52が、ロアスライドレール12の延びる方向における回動軸間の距離L2を一定とした状態でロアスライドレール12に対して摺動可能に組付けられている。そして図10図13に示すように、一対の回動軸51,52が直線部20と曲げ部21間を移動して、四節リンク機構部30の姿勢が変化することによって、スライドドア7とロアスライドレール12間の距離を変えられるように構成されている。上記した構成では、一対の回動軸51,52がロアスライドレール12に沿って移動することで、スライドドア7とロアスライドレール12間の距離を、四節リンク機構部30の姿勢の変化で変えられるようになる。また、一対の回動軸51,52をロアスライドレール12に沿うように移動させて、四節リンク機構部30の姿勢を直線部20と曲げ部21間で変えられるようにしたことで、スライドドア7の操作力の増加を抑制できるようになる。そこで以下に、直線部20と曲げ部21間における四節リンク機構部30の働きをより詳しく説明する。
【0035】
上記した構成では、四節リンク機構部30のレール側アーム部31が、図10に示すロアスライドレール12の直線部20を移動したのち、全閉位置の近傍において図11に示す曲げ部21に侵入する。そして曲げ部21にレール側アーム部31が差しかかった際、先ず、その前側ガイドローラ40だけが曲げ部21に沿って車幅方向内側(図11の左側)に導かれる。これにより、前後のガイドローラ40,41(摺動部材)を結ぶ仮想直線400が、車両2の基準直線200に対して角度θで車幅方向内側に傾くようになる(図12参照)。そしてガイドローラ40,41を結ぶ仮想直線400が傾いて、レール側アーム部31が車幅方向内側且つ車両前側に傾動することにより、このレール側アーム部31とドア側アーム部32との車両前側への移動量に差が生じる。これにより、ドア側アーム部32は、図11図13に示すように前後のリンク部材33,34を車両前側に回動させながら、閉じ方向(車両前側)に大きくスライド移動できるようになる。また、四節リンク機構部30では、レール側アーム部31の各回動軸51,52と、ドア側アーム部32の各回動軸53,54とが共に車両前後方向(同方向)に並んで位置決めされている。このため両リンク部材33,34は、レール側アーム部31とドア側アーム部32の挙動に応じて、各回動軸51~54を基点に車両前側に回動できるようになる。そして前側のリンク部材33は、図3の二点破線で示す回動軌跡530にて前倒れし、後側のリンク部材34は図3の一点破線で示す回動軌跡540で前倒れしていくようになる。こうして前後のリンク部材33,34が車両前側に傾いて四節リンク機構部30の姿勢が変化することで、レール側アーム部31とドア側アーム部32間の距離、即ち、ロアスライドレール12とスライドドア7間の距離が縮まるようになる。
【0036】
そして図13に示すようにレール側アーム部31が曲げ部21に沿って移動することで、スライドドア7が車幅方向内側(図13の左側)に引き込まれると共に、前後のリンク部材33,34が前倒れした収納姿勢となる。こうしてスライドドア7が図2図6及び図14に示すように全閉位置に到達した際には、各リンク部材33,34が収納姿勢となり、ロアスライドレール12とスライドドア7間の距離が最小となる。上記した構成によれば、ロアスライドレール12の曲げ部21と、四節リンク機構部30の姿勢の変化とによってスライドドア7を車幅方向内側に導けるため、ロアスライドレール12の車幅方向内側への曲げ幅Wを極力小さくすることが可能となる(図2参照)。またスライドドア7を開き方向にスライド移動させる場合、上記した閉じ方向と逆の挙動で四節リンク機構部30の姿勢が変化し、スライドドア7とロアスライドレール12間の距離を広げられるようになる。
【0037】
以上説明した通り、本実施例では、一対の回動軸51,52がロアスライドレール12に沿って移動することで、スライド移動方向を向いたスライドドア7とロアスライドレール12間の距離を、四節リンク機構部30の姿勢の変化で変えられるようになる。これにより、ロアスライドレール12の車幅方向内側への曲げ幅を極力小さくすることが可能となる。また、一対の回動軸51,52をロアスライドレール12に沿うように移動させて、四節リンク機構部30の姿勢を直線部20と曲げ部21間で変えられるようにしたことで、スライドドア7の操作力の増加を抑制できるようになる。このため本実施例によれば、スライドドア7の操作力の増加を抑制しつつ、ロアスライドレール12の車幅方向内側への曲げ幅を小さくすることができる。
【0038】
更に本実施例では、レール側アーム部31とドア側アーム部32とに、各々、一対のリンク部材33,34を軸支する各回動軸51,52(53,54)が同方向に並ぶように位置決めされている。これにより、直線部20と曲げ部21間における各アーム部31,32の挙動に応じて各リンク部材33,34を動かせるようになり、四節リンク機構部30の姿勢をより確実に変えられるようになる。また本実施例では、一対のガイドローラ40,41(摺動部材)で規定される仮想直線400と車両側の基準直線200を基にして、四節リンク機構部30の姿勢を変えられるようにしている。そして本実施例では、ロアスライドレール12に摺動面(230,240)を設けたことで、このロアスライドレール12に沿って一対のガイドローラ40,41をより適切に移動させられるようになる。
【0039】
[変形例]
ここでロアスライドレールの構成は、上記した構成のほか、各種の構成を取り得る。例えば図15に示す変形例のロアスライドレール12Xでは、その曲げ部21Xが、直線部20につながる第一の曲げ部211Xと、第一の曲げ部211Xにつながる第二の曲げ部212Xとを有している。そして直線部20(又は基準直線200)に対する第一の曲げ部211Xの車幅方向内側への曲げ角度θ1と、直線部20に対する車幅方向内側への第二の曲げ部212Xの曲げ角度θ2とが異なっている。こうして直線部20に対する第一の曲げ部211Xと第二の曲げ部212Xの曲げ角度を変化させたことで、スライドドア7を車幅方向内側(図15の左側)に段階的に移動させられるようになる。また本変形例では、ロアスライドレール12Xの曲げ幅WXを、例えば実施例のロアスライドレールの曲げ幅と同一に設定する。そして上記した曲げ角度θ1,θ2を実施例よりも小さくなるように設定することにより、スライドドア7の車幅方向内側への動きを緩やかにすることができる。なお曲げ部は、上記したように二段階で曲げられていてもよく、三段階以上に曲げられていてもよく、また連続的に曲げられていてもよい。
【0040】
本実施形態の車両のスライドドア支持構造は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、スライドレールとしてロアスライドレールを例示した。本実施例の構成は、アッパースライドレールとロアスライドレールとセンタースライドレールの少なくとも一つに適用することができる。また車両には、必ずしも基準直線を設ける必要はない。この場合には、一対の摺動部材を通る仮想直線と直線部に角度変化が生じることで、四節リンク機構部の姿勢が変化するように構成される。そして四節リンク機構部は、一対のアーム部と一対のリンク部材とから構成することができ、これらの構成も適宜変更可能である。また曲げ部は、直線部に対して車幅方向内側に曲げられておればよく、必ずしも車両前側に傾かせる必要はない。そして車両のスライドドア支持構造は、車両の左右の側面や後面に設けられたスライドドアに適用できる。
【符号の説明】
【0041】
2 車両
3 フロントドア開口部
4 リヤドア開口部
5 センターピラー
6 ロッカー
7 スライドドア
11 アッパースライドレール
12 ロアスライドレール(本発明のスライドレール)
13 センタースライドレール
20 直線部
21 曲げ部
22 天井壁部
23 内側縦壁部
24 外側縦壁部
230 内側縦壁部の内面(本発明の摺動面)
240 外側縦壁部の内面(本発明の摺動面)
25 底壁部
30 四節リンク機構部
31 レール側アーム部
310,311 支持部
32 ドア側アーム部
320 固定部
321 縦板部位
322 横板部位
323 軸支部
324,325 軸受け部
33 前側リンク部材
330 (前側リンク部材の)中央部分
331 (前側リンク部材の)一端部
332 (前側リンク部材の)他端部
34 後側リンク部材
40 前側ガイドローラ(本発明の一対の摺動部材)
41 後側ガイドローラ(本発明の一対の摺動部材)
40A 前回転軸
41A 後回転軸
43 荷重ローラ
44 ブラケット部
45 軸材
51 第一回動軸(本発明の一対の回動軸)
52 第二回動軸(本発明の一対の回動軸)
53 第三回動軸
54 第四回動軸
61 ロッカーインナー
62 ロッカーアウター
63 サイドアウター
62h,63h 側面開口
64 フロアステップパネル
65 収容部
67 アッパパネル
68 ロアパネル
110 上ガイドローラユニット
130 中ガイドローラユニット
200 基準直線
400 仮想直線
530,540 回動軌跡
12X (変形例の)ロアスライドレール
21X (変形例の)曲げ部
211X (変形例の)第一の曲げ部
212X (変形例の)第二の曲げ部
80 (従来の)スライドドア
81 (従来の)スライドレール
82 (従来の)ガイド部
83 (従来の)ブラケット
84,85 (従来の)リンク部材
84A,85A (従来の)回動軸
85 (従来の)リンク部材
86 (従来の)カーソル部材
87,88 (従来の)ガイドローラ
89 (従来の)ローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16