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特開2023-157580人流制御装置、端末装置および人流制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157580
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】人流制御装置、端末装置および人流制御システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231019BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20231019BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20231019BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/02 320
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067572
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】盛林 敏之
(72)【発明者】
【氏名】田中 真一
(72)【発明者】
【氏名】西山 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】松井 涼
(72)【発明者】
【氏名】前畑 実
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049BB07
5L049CC18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】イベント施設及びその周辺を含むイベント会場などにおける混雑緩和のために、より効率的にインセンティブを付与し、より効果的に人流を制御する人流制御装置、端末装置及び人流制御システムを提供する。
【解決手段】ユーザが利用する端末装置に対しインセンティブデータを配信可能に設けられた人流制御装置10は、コントローラである制御部を備える。コントローラは、チケット販売サーバ100からチケット購入情報を取得しS1、ユーザU01の属するグループを推定しS3、グループの状況に応じたインセンティブデータを配信するS4。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが利用する端末装置に対しインセンティブデータを配信可能に設けられた人流制御装置であって、コントローラを備え、
前記コントローラは、
ユーザの属するグループを推定し、
推定したグループの状況に応じたインセンティブデータを配信する、
人流制御装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
イベントのチケット購入情報に基づき、ユーザの属するグループを推定する、
請求項1に記載の人流制御装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
ユーザの位置情報に基づき、ユーザの属するグループを推定する、
請求項1に記載の人流制御装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
インセンティブデータを利用可能な施設とグループとの位置関係に基づいて、インセンティブデータと、当該インセンティブデータを配信するグループとを決定する、
請求項1、2または3に記載の人流制御装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
インセンティブデータの内容とグループの特性の関係に基づいて、インセンティブデータと、当該インセンティブデータを配信するグループとを決定する、
請求項1、2または3に記載の人流制御装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
インセンティブデータを利用可能な施設の状況と、グループの構成状況に基づいて、インセンティブデータと、当該インセンティブデータを配信するグループとを決定する、
請求項1、2または3に記載の人流制御装置。
【請求項7】
前記コントローラは、
イベントの状況に応じて、インセンティブデータと、当該インセンティブデータを配信するグループとを決定する、
請求項1、2または3に記載の人流制御装置。
【請求項8】
ユーザが属するグループへインセンティブデータを配信する人流制御装置に通信接続可能な、ユーザが利用する端末装置であって、コントローラを備え、
前記コントローラは、
ユーザの入力操作に基づき、グループへの参加またはグループからの離脱を要求するグループ参加要求データを前記人流制御装置に送信する、
端末装置。
【請求項9】
施設装置と、人流制御装置と、ユーザが利用する端末装置と、を備え、
前記施設装置は、
インセンティブデータを前記人流制御装置に送信し、
前記端末装置は、
当該端末装置を利用するユーザのユーザ情報を前記人流制御装置に送信し、
前記人流制御装置は、
前記ユーザ情報に基づきユーザの属するグループを推定し、
前記施設装置から送信されたインセンティブデータから前記推定したグループの状況に応じたインセンティブデータを選択し、当該推定したグループに配信する、
人流制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、人流制御装置、端末装置および人流制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イベント施設およびその周辺を含むイベント会場などにおける混雑緩和のため、人流を制御する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
また、このような人流の制御に関する技術において、割引券やサービス券、クーポンといったインセンティブを与えることで、狙いとする人流を実現するような人の移動を誘発しようとする技術も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-154458号公報
【特許文献2】特開2019-021143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術は、より効率的にインセンティブを付与し、より効果的に人流を制御するうえで、さらなる改善の余地がある。
【0006】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、効率よくインセンティブを与え、より効果的に人流を制御することができる人流制御装置、端末装置および人流制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る人流制御装置は、ユーザが利用する端末装置に対しインセンティブデータを配信可能に設けられた人流制御装置であって、コントローラを備える。前記コントローラは、ユーザの属するグループを推定し、推定したグループの状況に応じたインセンティブデータを配信する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、より効率的にインセンティブを付与し、より効果的に人流を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る人流制御方法の概要説明図である。
図2図2は、実施形態に係る人流制御システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る人流制御装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、チケット購入情報の一例を示す図である。
図5図5は、店舗情報の一例を示す図である。
図6図6は、クーポン情報の一例を示す図である。
図7図7は、グループ情報の一例を示す図である。
図8図8は、ユーザ情報の一例を示す図である。
図9図9は、チケット購入情報、ユーザ情報、グループ情報のデータ登録課程におけるデータの登録状態の一例を示す模式図である。
図10図10は、実施形態に係るクーポンの配信例を示す図(その1)である。
図11図11は、実施形態に係るクーポンの配信例を示す図(その2)である。
図12図12は、実施形態に係るクーポンの配信例を示す図(その3)である。
図13図13は、実施形態に係るクーポンの配信例を示す図(その4)である。
図14図14は、実施形態に係るユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
図15図15は、実施形態に係る人流制御装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する人流制御装置、端末装置および人流制御システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
なお、以下では、人流制御装置10が、スタジアムなどのイベント施設1000において、サッカーの試合などを観戦する観客に対し、イベント施設1000を含むイベント会場周辺に設置された各店舗で使用可能なクーポンを配信することによって人流を制御する例を挙げる。
【0012】
まず、実施形態に係る人流制御方法の概要について、図1を用いて説明する。図1は、実施形態に係る人流制御方法の概要説明図である。
【0013】
グループでイベントに参加した場合、イベント終了後もグループで行動する場合が多く、グループで利用できないクーポン、あるいはグループの一部のメンバにのみメリットがあるクーポンについては、あまり利用されない傾向がある。また、クーポンの対象店舗に関しても、店舗形態や設備内容、また稼働(客の入店状況)状況等により、グループを誘引した方がよい場合(あるいは適切なグループの規模)と、単独客を誘引した方がよい場合がある。つまり、グループでのイベント参加者には、グループでの使用に適したクーポンの配信手段が望まれる。本実施形態は、このような点も考慮したものとなっている。
【0014】
そこで、実施形態に係る人流制御方法では、イベントのチケットの購入状況、あるいはチケット所有者の位置(移動)状況に基づき各ユーザにより掲載されるグループを推定し、そして推定したグループの状況に応じてグループ利用に適したクーポンデータを配信することとした。
【0015】
具体的には、図1に示すように、まずユーザU01が、自身の利用するユーザ端末200上でチケット購入のためのアプリケーション・ソフトウェア(以下、「アプリ」と記載する)を動作させ、イベント施設1000におけるイベントのチケットを一括購入したものとする。
【0016】
このとき、アプリは、チケット販売業者等が管理・運営するチケット販売サーバ100と通信を行い、チケット販売サーバ100にはユーザU01の購入履歴を含むチケット購入情報が記録される。
【0017】
人流制御装置10は、チケット販売サーバ100から、かかるチケット購入情報を取得する(ステップS1)。そして、人流制御装置10は、イベント当日に、イベント会場にいる各ユーザからチケット情報と位置情報を取得する(ステップS2)。
【0018】
チケット情報および位置情報は、たとえば各ユーザが前述のアプリを自身のユーザ端末200上で動作させ、チケット情報を示す二次元コード等をイベント会場のチェックイン機などにかざすことで取得可能となる。また、位置情報は、かかるチェックイン後、人流制御装置10においてトラッキングが可能である。
【0019】
そして、人流制御装置10は、取得したチケット情報および位置情報に基づいて、グループを特定およびグループの状況を推定する(ステップS3)。図1の例の場合、人流制御装置10は、ユーザU01,U02,U03からなるグループを特定し、かかるグループの状況を推定する。
【0020】
そして、人流制御装置10は、グループの構成および状況に応じ、当該グループに適したクーポンを配信する(ステップS4)。
【0021】
たとえば、人流制御装置10は、グループ全員で利用でき、グループ全員に特典が付与されるクーポンを優先的に選択して配信する。これにより、クーポンの発行元である店舗に対し、店舗の状況に適したグループを誘引でき、効率的に顧客を誘引することが可能となる。また、その結果、効果的にイベント会場からのユーザの帰宅分散が実現でき、そもそもの狙いである混雑緩和にも貢献することができる。
【0022】
また、店舗側としては、消費金額の高いグループ単位での顧客の誘引を実現することができる。なお、一度に多くのグループが店舗に集中すると店舗内で混雑が発生するというデメリットも考えられるため、人流制御装置10は、店舗の混雑状況も考慮したグループへのクーポン配信を行うことで、かかるデメリットを解消することも可能である。
【0023】
さらに、人流制御装置10は、イベントの状況も考慮して、各グループに適当なクーポンを配信する。たとえば、イベントがサッカーなどの試合であった場合、勝ったチームを応援するグループに、勝利の記念グッズ等の購入に使用できるクーポンを優先的に配信する。これにより、クーポンの使用率が上がり、つまり、たとえば勝利の記念グッズの購入量が高まり、売り上げの拡大が期待できる。以下、実施形態に係る人流制御方法を適用した人流制御システム1の構成例について、より具体的に説明する。
【0024】
図2は、実施形態に係る人流制御システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、人流制御システム1は、人流制御装置10と、チケット販売サーバ100と、1以上のユーザ端末200と、1以上の店舗装置300とを含む。
【0025】
また、図2に示すように、人流制御装置10と、チケット販売サーバ100と、ユーザ端末200と、店舗装置300とは、インターネットや携帯電話回線網等であるネットワークNによって相互に接続され、ネットワークNを介して相互にデータを送受信可能に設けられる。
【0026】
人流制御装置10は、たとえばクラウドサーバとして実現され、ネットワークNを介し、チケット販売サーバ100、ユーザ端末200および店舗装置300との間で適宜通信を行いつつ、上述のステップS1~ステップS4の各処理を実行する。
【0027】
チケット販売サーバ100は、既に述べた通りチケット販売業者等によって管理・運営されるサーバ装置である。
【0028】
なお、図2では、人流制御装置10と、チケット販売サーバ100とは、別の装置としたが同一の装置で実現することもできる。その場合、装置を構成する各構成要素(機能部品も含め)は適宜共通化できる。また、図2に示すように人流制御装置10と、チケット販売サーバ100とを別装置とする場合においても、各装置を構成する各構成要素(機能部品も含め)を適宜配置することが可能である(どちらの装置に配置するか適宜設計できる)。
【0029】
ユーザ端末200は、ユーザUが携帯し利用する端末装置であり、人流制御システム1に係るアプリが動作するプラットフォームを有する。ユーザ端末200は、たとえば、スマートフォンなどの携帯電話機や、タブレット端末等である。ユーザ端末200は、他にも、PC(Personal Computer)や、PDA(Personal Digital Assistant)や、腕時計型、メガネ型のウェアラブルデバイス等であってもよい。
【0030】
店舗装置300は、イベント会場、あるいはイベント会場付近、イベント会場と鉄道の駅間の経路沿いなどで営業する各店舗に設けられる装置であり、PCや、PDA等で構成される。店舗装置300は、人流制御装置10に各店舗の店舗情報を提供し、また店舗スタッフへの情報提供、クーポンに関する各種処理(クーポン管理システムとの各種情報通信(クーポン照合、クーポン使用実績通知のための情報通信等))、等を行う。店舗情報は、各店舗の混雑度等を含むが、これらの情報は店舗に適宜設置されたカメラにより撮影された店舗内や店舗周辺の画像の画像解析処理、あるいは店舗スタッフ等による手入力、等により、取得することが可能である。
【0031】
次に、人流制御装置10の構成例について説明する。図3は、実施形態に係る人流制御装置10の構成例を示すブロック図である。なお、図3および後に示す図14では、実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0032】
なお、図3および図14に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0033】
また、図3および図14を用いた説明では、既に説明済みの構成要素については、説明を簡略するか、省略する場合がある。
【0034】
図3に示すように、実施形態に係る人流制御装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。また、人流制御装置10は、会場内センサ部3が、通信部11を介して通信可能に接続される。
【0035】
会場内センサ部3は、イベント会場内の各所に設けられた各種のセンサ群で、イベント参加者等のイベント会場周辺に居る人の動向を検知するものである。会場内センサ部3は、前述のチェックイン機や、イベント参加者がイベント会場からのチェックアウト時に利用するチェックアウト機、カメラ等を含む。
【0036】
通信部11は、たとえば、ネットワークアダプタ等によって実現される。通信部11は、上述したネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、チケット販売サーバ100や、ユーザ端末200や、店舗装置300との間で情報の送受信を行う。また、通信部11は、会場内センサ部3と有線または無線で接続され、会場内センサ部3との間で情報の送受信を行う。
【0037】
記憶部12は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部12は、図3の例では、チケット購入情報12aと、店舗情報12bと、クーポン情報12cと、グループ情報12dと、ユーザ情報12eと、イベント情報12fとを記憶する。なお、実際の構成上は、記憶部12に各情報の記憶領域(たとえば、チケット購入情報の記憶領域)が設けられ、当該各記憶領域に対応する情報(たとえば、チケット購入情報12a)が記憶されることになるが、説明を分かりやすくするため、ここでは情報種別名(たとえば、チケット購入情報12a)で表している。また、後述のユーザ端末200の記憶部204についても、同様の表現で記載、説明を行う。
【0038】
チケット購入情報12aは、後述する取得部13aによってチケット販売サーバ100から取得されるチケット購入に関する各種情報で、チケットを購入した各ユーザUの識別情報や購入チケットに関する各種情報、たとえば券種、座席番号、購入枚数、購入チケットの識別番号(シリアル番号)等が含まれる。店舗情報12bは、後述する登録部13bによって登録され、また、取得部13aによって店舗装置300から取得される各店舗に関する情報である。
【0039】
クーポン情報12cは、各ユーザ端末200へ配信される各店舗のクーポンに関する情報である。グループ情報12dは、後述する特定部13cによって特定される各グループに関する情報で、各グループに属するユーザ(グループメンバ)の識別情報等を含む情報である。
【0040】
ユーザ情報12eは、各ユーザUに関する各種情報で、たとえば取得部13aによって会場内センサ部3から取得される各ユーザUの位置や動向、また各種属性等に関する情報である。イベント情報12fは、イベント会場にて開催されているイベントに関する情報である。イベント情報12fは、イベントがスポーツの試合であれば、ホームチームおよびアウェイチームそれぞれの応援席の位置(座席番号)等に関する情報を含む。
【0041】
ここで、チケット購入情報12a、店舗情報12b、クーポン情報12c、グループ情報12dおよびユーザ情報12eそれぞれのデータベース(テーブルデータ)の具体例について説明する。図4は、チケット購入情報12aの一例を示す図である。また、図5は、店舗情報12bの一例を示す図である。また、図6は、クーポン情報12cの一例を示す図である。また、図7は、グループ情報12dの一例を示す図である。また、図8は、ユーザ情報12eの一例を示す図である。
【0042】
なお、各図面の表における各情報のデータ例は、理解しやすいように適宜符号および実データ内容で示すが、実際には実体に対応する文字データ、識別コード、フラグ、日時データ、数値、座標値、画像データ等が記憶されることになる。また、提示したデータ例以外のデータも必要に応じて付加してもよい。
【0043】
図4に示すように、チケット購入情報12aは、購入されたチケットに関する情報であり、「チケットID」と、「座席番号」と、「座席特徴」と、「購入者」と、「チケット送付先」と、「参加者」等の情報項目がある。
【0044】
なお、以降の説明において、「“情報名”」は情報項目(種別)を示し(たとえば、「チケットID」)、“情報名”(省略、あるいは付加する場合有り)に英字符号とn(順番代表値)を付加した記号は情報名で特定されるデータ値全般を示し(たとえば、チケットTn)、“情報名”に英字符号と数値を付加した(つまり、データ値全般の符号nを数値に置き換えたもの)記号は情報名で特定されるデータ種別の特定値を示す(たとえば、チケットT01)ものとする。
【0045】
「チケットID」の各データ(チケットTn)は、購入されたチケットを一意に識別する識別番号である。なお、チケットTnはデータレコードの識別コードの働きもあり、チケットTnで特定されるデータレコードに、当該チケットTnで特定されるチケットに関する各情報が記憶されることになる。
【0046】
「座席番号」の各データは、各チケットに割り当てられたイベント会場における座席番号SNnを示す情報である。「座席特徴」の各データは、当該座席の特徴を示すデータ(座席特徴SQn)で、ユーザに提供するサービス内容等に必要な座席に関する情報である。たとえば、野球やサッカー等の試合イベントにおいては、ホームチーム席、アウェイチーム席といった情報が記憶され、チーム別のサービスの提供等にこれら情報が利用される。
【0047】
「購入者」の各データは、各チケットの購入者を示すデータ(購入者Un)で、個人を一意に識別する識別情報であるユーザコードUnが使用される。一括購入されたチケットの場合、各チケットの購入者データとして同一の購入者の識別情報(ユーザコードUn)が記録される。「チケット送付先」の各データは、電子チケットの送付先情報(送付先ADn)で、メールアドレス等が用いられる。「参加者」はイベントへの参加者、つまり当該チケットの使用者を示すデータ(参加者Un)で、「購入者」と同じ(共通の)個人の識別情報であるユーザコード(Un)が用いられる。
【0048】
また、図5に示すように、店舗情報12bは、各店舗に関する情報であり、「店舗ID」と、「店舗名」と、「店舗位置」と、「利用可否」と、「混雑度」と、「特徴」と、「対応グループ情報」とを含む。
【0049】
「店舗ID」の各データ(店舗Pn)は、各店舗を一意に識別する識別番号である。なお、店舗Pnはデータレコードの識別コードの働きもあり、店舗Pnで特定されるデータレコードに店舗Pnの店舗に関する各情報が記憶されることになる。「店舗名」の各データは、各店舗の名称を示すデータ(店舗名PNn)である。「店舗位置」の各データは、各店舗が存在する位置情報(店舗位置PLn)を示す各データである。
【0050】
「利用可否」の各データ(可・否)は、店舗装置300からリアルタイム性を持って取得される各店舗が利用可能か否か、つまり営業中か否かを示すデータ(POn)である。「混雑度」の各データ(高・中・低・-(利用不可))は、店舗装置300からリアルタイム性を持って取得される各店舗の混雑度を示す各データ(PDn)である。
【0051】
「特徴」の各データは、店舗の特徴を示すデータ(特徴PQn)、たとえば販売物品やサービスの種類、滞在型かテイクアウト型か、といったデータで、たとえばユーザによる店舗選択に利用される情報となる。「対応グループ情報」の各データは、グループ利用の場合に当該店舗が対応できるグループ形態を示すデータ(対応グループ情報PCn)で、たとえば対応できるグループのメンバ数の条件等が記憶されることになる。なお、対応グループ情報PCnは、店舗形態(テーブル等の設備)や混雑度(テーブル等の設備の使用状態)により変化するので、店舗装置300からリアルタイム性を持って取得される。
【0052】
また、図6に示すように、クーポン情報12cは、各ユーザ端末200へ配信される各店舗のクーポンに関する情報であり、「クーポンID」と、「店舗ID」と、「利用可能人数」と、「発行条件」と、「発行先条件」と、「内容」と、「クーポンデータ」とを含む。
【0053】
「クーポンID」の各データ(クーポンCn)は、各クーポンを一意に識別する識別情報である。なお、クーポンCnはデータレコードの識別コードの働きもあり、クーポンCnで特定されるデータレコードにクーポンCnのクーポンに関する各情報が記憶されることになる。
【0054】
「店舗ID」の各データは、クーポンの対象店舗のデータ(クーポン対象店舗Pn)で、店舗情報12bにおける「店舗ID」と同じ店舗の識別情報である店舗コード(Pn)が用いられる。そして、このクーポン対象店舗Pnと店舗情報12bの店舗Pnとを照合することにより、クーポンの対象店舗の詳細情報(店舗情報12bに含まれる情報)を得ることができる。
【0055】
「利用可能人数」の各データは、クーポンの利用可能人数を示すデータ(利用可能人数CLn)で、たとえば、利用人数上限4名、利用人数制限なし、といった条件が記憶されることになる。なお、利用可能人数CLnは、店舗の混雑度により変化させることも効果的であるので、店舗装置300から、適宜更新できるようにするのが好ましい。
【0056】
「発行条件」の各データは、クーポンを発行する条件を示すデータ(発行条件CPn)で、たとえば、野球やサッカー等の試合イベントにおいては、ホームチームが勝利した場合、試合終了時に雨天の場合、といった情報が記憶され、クーポンを発行処理等でこれら情報が利用される。
【0057】
「発行先条件」の各データは、クーポンを発行する相手先の条件を示すデータ(発行先条件CAn)で、たとえば、野球やサッカー等の試合イベントにおいては、ホームチーム側の座席の観客、試合終了から30分後にイベント会場に居る4人以上のグループの観客、といった情報が記憶され、クーポンを発行処理(発行先の決定)等でこれら情報が利用される。
【0058】
「内容」の各データは、クーポンの内容(店舗の種別、特典内容、有効期間等)を示すデータ(クーポン内容CCn)で、ユーザ等がクーポン内容を確認する等のために利用される。
【0059】
「クーポン本体データ」の各データは、クーポン自体の内容、つまりユーザ端末200にクーポンとして送信するデータ(クーポン本体データCDn)で、ユーザ端末200ではこのクーポン本体データCDnを用いて二次元コード等(クーポン券画像)を表示するなどして、店舗でのクーポン使用を可能とする。
【0060】
また、図7に示すように、グループ情報12dは、イベントに参加するユーザにより形成されたグループに関する情報であり、「グループID」と、「グループ名」と、「代表者」と、「位置」と、「人数」と、「特性」と、「メンバ」とを含む。
【0061】
「グループID」の各データ(グループGn)は、各グループを一意に識別する識別情報である。なお、グループGnはデータレコードの識別コードの働きもあり、グループGnで特定されるデータレコードにグループGnのグループに関する各情報が記憶されることになる。
【0062】
「グループ名」の各データは、グループの名称を示すデータ(グループ名GNn)で、ユーザ等がグループを把握する等のために利用される。「グループ代表者」の各データは、グループの代表者を示すデータ(代表者GHn)で、グループ向けのクーポンや各種情報の発行(送付)先を決定する等のために利用される。「位置」の各データは、グループの現在位置を示すデータ(グループ位置GLn)で、グループとしての位置を把握するために利用される。「人数」の各データは、グループを構成するメンバの人数を示すデータ(人数GMn)で、グループのメンバ人数(グループ規模)を把握するために利用される。「特性」の各データは、グループとしての特性、たとえば、グループで頻繁に立ち寄る店舗の種別やグループのメンバ構成(男女の人数、子供の数、年齢層等)を示すデータ(グループ特性GQn)で、たとえば発行するクーポンの選定等に利用される。
【0063】
「メンバ」の各データは、グループを構成する全メンバのデータ(グループメンバUn)で、図4に示したチケット購入情報12aにおける「購入者」と同じ(共通の)個人の識別情報であるユーザコード(Un)が用いられる。
【0064】
図8に示すように、ユーザ情報12eは、イベント参加者等の各ユーザに関する情報である。ユーザ情報12eは、「ユーザID」と、「ユーザ名」と、「接続情報」と、「チケットID」と、「現在位置」と、「チェックイン」と、「チェックアウト」と、「特性」とを含む。
【0065】
「ユーザID」の各データ(ユーザUn)は、各ユーザを一意に識別する識別情報である。なお、ユーザUnはデータレコードの識別コードの働きもあり、ユーザUnで特定されるデータレコードにユーザUnのユーザ(個人)に関する各情報が記憶されることになる。また、図4に示したチケット購入情報12aにおける「購入者」と同じ(共通の)個人の識別情報であるユーザコード(Un)が用いられる。
【0066】
「ユーザ名」の各データは、ユーザの名称を示すデータ(ユーザ名Nn)で、ユーザ等が他のユーザを把握する等のために利用される。「接続情報」の各データは、各ユーザ所有のユーザ端末200と接続するためのデータ(接続情報ADn)で、たとえばメールアドレス、IP(Internet Protocol)アドレス等を利用できる。この接続情報ADnを用いて、各ユーザ所有のユーザ端末200と接続し、イベントの電子チケットや、クーポン等を各ユーザに送付することが可能となる。
【0067】
「チケットID」の各データは、各ユーザUが保有するチケットの識別情報(ユーザチケットTn)であり、本例では各ユーザUが自身の各ユーザ端末200に保有する電子チケットの識別情報である。なお、図4に示したチケット購入情報12aにおける「チケットID」と同じ(共通の)識別情報であるチケットのIDコード(Tn)が用いられる。
【0068】
「現在位置」の各データは、各ユーザUの現在位置を示すデータ(ユーザ位置Ln)である。ユーザ位置Lnは、たとえば、各ユーザの所持するユーザ端末200から送信される位置データに基づき把握される。なお、他にも、会場内センサ部3による各種のセンシングデータを用いて、たとえばカメラ画像の解析により(この場合、ユーザ識別用の比較画像データを記憶しておくことが必要)、各ユーザUの現在位置を把握することも可能である。
【0069】
「チェックイン」および「チェックアウト」の各データは、各ユーザUがイベント会場に入場した日時および退場した日時を示すデータ(チェックインCHIn、およびチェックアウトCHOn)で、前述の二次元コードをチェックイン機およびチェックアウト機に読み取らせた時刻、ユーザ端末200から送信される位置データに基づく位置がイベント会場外から会場内に移動した時刻およびイベント会場内から会場外に移動した時刻のデータ等を用いることができる。「特性」の各データは、各ユーザUの特性、たとえば嗜好や年齢等のデータ(ユーザ特性UQn)である。
【0070】
なお、各情報における「チケットID」、「店舗ID」、「ユーザID」、「グループID」の各データは、各々統一された識別コードが用いられ、同じ値の識別コードは同一のものを示す。たとえば、図5の店舗情報における「店舗ID」のデータ(識別コード)がP01の店舗と、図6におけるクーポン情報の「店舗ID」のデータ(識別コード)がP01の店舗とは、同一店舗を示す。したがって、図5における店舗情報と図6におけるクーポン情報とは、「店舗ID」を用いて関連付けができ、たとえば、クーポンC01のクーポン(図6)には、クーポン情報におけるクーポン対象店舗P01と店舗情報における店舗P01とのリンク(同じ識別コードP01による接続)により、店舗名PN01,店舗位置LP01,利用可,混雑度中,特徴PQ01,対応グループ情報PC01の情報が関連付けられることになる。
【0071】
次に、チケット購入情報12a、ユーザ情報12e、グループ情報12dの生成方法について説明する。図9は、チケット購入情報12a、ユーザ情報12e、グループ情報12dのデータ登録課程におけるデータの登録状態の一例を示す模式図である。
【0072】
チケット購入情報12aは、チケット購入者がユーザ端末200等を用いてチケット購入に必要なデータを入力することにより、当該データが人流制御装置10に伝送されて(チケット販売サーバ100を介して)、当該データに基づき制御部13が生成する。そして、それに続けて人流制御装置10は、ユーザ情報12e、グループ情報12dを生成する。
【0073】
チケット購入に際して、チケット購入者は、ユーザ端末200等を用いて、チケット購入枚数、座席特徴(種別)、購入者の各種情報、イベントへの参加者の各種情報を入力する。そして、チケット販売サーバ100は入力内容に該当するチケットを発行する。また、チケット販売サーバ100は、これらのチケット購入に関する情報を、人流制御装置10に送信する。
【0074】
人流制御装置10の制御部13は、受信したチケット購入に関する情報に基づき、チケット購入情報12aにチケット購入枚数分の(データ)レコードを生成すると共に、チケットTnを新規生成(重複しないように別途定め発行ルールに従い生成)して登録する。さらに制御部13は、チケット購入情報12aの各項目に対応するデータを対応するレコードに登録する。
【0075】
この際、グループの代表者が一括して購入する場合、代表者以外のイベント参加者の情報が入力されていない場合がある。この場合は、チケットT01,T02,T03のレコードに示すように送付先ADnは代表者の送付先AD01となり、チケットT02,T03の参加者は空データとなる。なお、図9では説明を分かりやすくするため、かかる空データを()付きのデータとして表している。()付きのデータは、後述する「イベント参加者の更新」、「任意データ更新」、「イベント開催時の更新」において適宜取得され、更新される。
【0076】
また、チケットT05,T06については、購入者U05がグループメンバについての情報を送付先ADnも含めて入力したため、該当のレコードに全てのデータが登録されている。また、チケットT04については、購入者U04がグループでの一括購入ではなく、個人購入でのデータ登録例となっている。
【0077】
制御部13は、チケット購入情報12aへのデータ登録に続き、ユーザ情報12eへのデータ登録を行う。具体的には、まず制御部13は、チケット購入情報12aの参加者Unに基づきユーザ情報があるユーザ数を把握し、ユーザ情報12eに当該ユーザ数分のレコードを生成し、ユーザUnとしてチケット購入情報12aの参加者Unのデータを集約して(同じ参加者Unがあれば統合する)、各レコードに登録する。なお、すでに同じユーザUnが登録されている場合、制御部13は、レコードの生成、およびユーザUnの登録は行わない。そして、制御部13は、チケット購入情報12aの各項目のデータに基づき、ユーザ情報12eの対応するレコードの対応するデータ項目に該当のデータを登録する。
【0078】
図9で示した課程のデータ登録状態では、購入者U01の購入したチケットについては購入者U01以外の参加者データがないため、当該データの無い参加者についてはレコードが生成されていない(図9では分かりやすくするためユーザU01に続く2レコードを前述の()付きの各データで表している)。
【0079】
制御部13は、ユーザ情報12eへのデータ登録に続き、グループ情報12dへのデータ登録を行う。具体的には、まず制御部13は、購入者Unが同じでチケットTnが複数あるチケットTnをグループ使用と推定し、そのようにして推定したグループの数を把握し、グループ情報12dに当該グループ数分のレコードを生成し、そしてグループの識別情報であるグループGnを新規生成して、生成した各レコードに登録する。なお、制御部13は、グループGnとして他グループとは重複しないコードを生成する。また、制御部13は、チケット購入情報12aに基づき、チケット一括購入者Unをグループの代表者と推定し、また当該購入者Unによるチケット購入枚数をグループ人数として、グループ情報12dの対応する各レコードに、代表者GHnおよび人数GMnとして登録する。また、チケット購入情報12aの参加者Unに基づき、グループ情報12dの対応する各レコードにグループメンバUnを登録する。
【0080】
図9で示した課程のデータ登録状態では、購入者U01の購入したチケットについては購入者U01以外の参加者データがないため、グループ情報12dにおける対応するレコードのグループメンバUnはグループメンバU01だけが登録された状態となる。なお、購入者U05の購入したチケットに関しては、参加者Unが登録されているので、グループメンバUnはグループメンバU05とU06が登録された状態となる。
【0081】
図9に示したチケット購入情報12a、ユーザ情報12e、グループ情報12dのデータはチケット購入時のデータ登録後にユーザによるデータ更新操作等により適宜書き換えられるが、主なデータ書き換え例について説明する。なお、これらデータ更新は、ユーザがユーザ端末200のデータ更新用アプリ(たとえば、チケット購入アプリに当該機能が含まれている)を操作する等により行われる。
【0082】
[イベント参加者の更新]
チケット購入情報12aの参加者Un、送付先ADnは、イベント参加者が確定した場合、あるいは変更された場合に、新たな参加者に関する該当のデータに登録更新されることになる。具体的には、チケットの購入者Unまたはチケット所有者(イベント参加者)によるイベント参加者の変更操作、あるいは新たなイベント参加者へのチケットの転送操作(チケット販売サーバ100やメールサーバ等を介した転送、あるいは赤外線やWiFi通信等の近距離通信等を介した転送)に基づき、ユーザ端末200がチケット販売サーバ100に変更入力データあるいは転送先データが送信され、制御部13が受信したそれらデータに基づき、チケット購入情報12aのデータを更新する。
【0083】
また、更新されたチケット購入情報12aに基づき、制御部13は、ユーザ情報12e、グループ情報12dの関連するデータを更新する。具体的には、ユーザ情報12eに対して、イベント参加者が新規に決定した場合は新たなデータレコードが生成されて関連するデータが新規登録され、イベント参加者が変更された場合は対応するデータレコードのデータが変更された内容のデータに更新される。
【0084】
また、更新されたチケット購入情報12aおよびユーザ情報12eに基づき、制御部13は、グループ情報12dの関連するデータを更新する。具体的には、グループ情報12dに対して、イベント参加者が新規に決定した場合や変更された場合に、グループメンバUnが変更される。
【0085】
[任意データ更新(ユーザ操作)]
イベント参加者Un、チケット購入者Un、グループ代表者GHnには適宜適切なアクセス権が設定されており、チケット購入情報12a、ユーザ情報12e、グループ情報12dのデータを更新できる。具体的には、イベント参加者Unは所有するチケットに関係する部分の情報を更新でき、チケット購入者Unは所有するチケット(イベント参加者への配信前)に関係する部分の情報を更新でき、そしてグループ代表者GHnはグループに関する情報を更新できる。また、グループ代表者GHnは、グループへの新規メンバの登録および削除も可能で、その場合、グループ情報12dのグループメンバUnが追加および削除されることになる。なお、チケット購入情報12a、ユーザ情報12e、グループ情報12dにおける各データのアクセス権保有者は、当該データに関するアクセス権を設定できる権利も保有しており、適当なユーザにこれらアクセス権を付与、あるいは削除できる。
【0086】
また、上述のようにチケット購入情報12a、ユーザ情報12e、グループ情報12dのデータが更新された場合、チケット購入情報12a、ユーザ情報12e、グループ情報12dの関連するデータも連動して更新される。なお、これらのデータ更新処理、アクセス権の設定処理は、制御部13によって行われる。
【0087】
[イベント開催時の更新(位置等)]
イベント開催時には、イベント参加者の移動に伴い、ユーザ情報12e、グループ情報12dのグループ(現在)位置GLn、ユーザ(現在)位置Ln、ユーザのイベント会場へのチェックイン時間を含むチェックインCHInおよびチェックアウト時間を含むチェックアウトCHOnが時々刻々更新される。
【0088】
ユーザ情報12eのユーザ位置Lnは、ユーザ端末200から送信される位置データ(内蔵のGPS受信機により検出された位置データ)や、イベント会場近辺に設置されたカメラの撮影画像の解析(ユーザ画像解析)結果に基づきユーザの位置が検知され、ユーザ情報12eに登録される。また、チェックインCHInおよびチェックアウトCHOnは、イベント会場に設置されたチェックイン機およびチェックアウト機がユーザのチケットデータ(チケットTn)を読み取ることにより、その読み取り時間が登録される。
【0089】
なお、これらのデータは各種データ通信網により人流制御装置10に伝送され、制御部13によってユーザ情報12e、グループ情報12dへのデータの登録処理が行われる。また、グループ位置GLnについては、各グループメンバUnのユーザ位置Lnに基づき推定される。
【0090】
具体的には、同じ位置(予め定める大きさの所定範囲内)に居るグループメンバが予め定めた人数以上であれば、当該位置をグループ位置GLnとする。なお、グループ位置GLnから離脱してグループメンバはグループから除外する、同じグループが複数人数の複数のグループに分離した場合は分離したグループによる複数のグループを形成する、予め定めた時間以上グループ位置GLnに追従して移動したユーザが存在した場合はグループメンバに加える、といった処理を行なう。なお、制御部13はこれらの処理を行ない、そして該当するユーザ情報12eの更新を行う。
【0091】
図3の説明に戻り、つづいて制御部13について説明する。制御部13は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部12に記憶されている図示略の各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現することができる。
【0092】
制御部13は、取得部13aと、登録部13bと、特定部13cと、推定部13dと、選択部13eと、配信部13fとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0093】
取得部13aは、通信部11を介し、チケット販売サーバ100からチケット購入情報12aを取得する。また、取得部13aは、通信部11を介し、会場内センサ部3のセンシングデータやユーザ端末200からのデータに基づいてユーザ(現在)位置等のユーザ情報12eを取得する。上述した通り、ユーザ情報12eは、各ユーザUの所有するチケット情報と位置情報を含む。
【0094】
登録部13bは、予め設定可能な店舗情報12bおよびクーポン情報12cの各種情報を登録する。登録部13bは、店舗装置300から取得した情報に基づいて自動的に登録処理を実行してもよい。また、登録部13bは、オペレータ等の手動操作により登録処理を実行してもよい。つまり、図5および図6に示した店舗情報12bおよびクーポン情報12cの各種情報が登録され、また随時更新されることになる。
【0095】
特定部13cは、記憶部12に記憶された各種情報や、会場内センサ部3から取得した各種情報に基づいてグループを特定する。
【0096】
推定部13dは、特定部13cによって特定されたグループの状況を推定する。推定部13dは、たとえばアプリを通じてトラッキングされる各グループメンバの位置情報に基づいて、グループメンバが集まっているか、移動しているか、どこに向けて移動しているかといったグループの状況を推定する。
【0097】
選択部13eは、推定部13dによって推定されたグループの状況に応じて、該当のグループに対して優先的に配信するクーポンをクーポン情報12cのデータに基づき選択する。配信部13fは、通信部11を介し、選択部13eによって選択されたクーポンのクーポンデータを送信対象であるグループに属する各ユーザU、あるいはグループ代表者のユーザ端末200へ配信する。
【0098】
次に、クーポンの各種の配信例について、図10図13を用いて説明する。図10図13は、実施形態に係るクーポンの配信例を示す図(その1)~(その4)である。
【0099】
図10に示すように、人流制御装置10は、グループの位置情報に基づいてクーポンを選択し、配信する。具体的には、人流制御装置10の制御部13は、グループ情報12dの人数GMnとクーポン情報12cの利用可能人数CLnとの照合を行って配信クーポン候補を抽出し、また店舗情報12bの利用可否POnに基づいて店舗候補を抽出して配信クーポンを絞り込む。さらに、人流制御装置10の制御部13は、店舗情報12bにおける混雑度PDnや、店舗情報12bにおける対応グループ情報PCn、店舗位置PLnと、グループ情報12dにおけるグループ特性GQn、グループ位置GLnと照合結果(たとえば、店舗位置PLnとグループ位置GLnが近い、あるいは接近しつつある。また、グループ特性GQnにおけるメンバ構成(子供有り等)と対応グループ情報PCnにおける適応グループ構成(子供有りの場合に好適等))に基づき、配信クーポンを決定する。そして、人流制御装置10の制御部13は、決定したクーポンのクーポン内容CCnとクーポン本体データCDnを該当のグループメンバあるいはグループ代表者に配信する(図示を省略しているが、クーポン情報に配信先情報が登録されている)。なお、配信先については、グループ情報12dの代表者GHnとグループメンバUnの情報、およびユーザ情報12eの接続情報ADnの照合により決定できる。
【0100】
たとえば、グループの現在位置と店舗の位置に注目すると、図10に示す位置関係にあるグループG01,G02、および、店舗S-1,S-2の例(グループG01は店舗S-1に近く、グループG02は店舗S-2に近い)では、人流制御装置10は、グループG01に対しては、店舗S-1のクーポンを配信し、またグループG02に対しては、店舗S-2のクーポンを配信する。
【0101】
また、グループの移動状態と店舗の位置に注目した例、図11に示す位置関係および移動状態にあるグループG01,G02、および、店舗S-1の状態の例、たとえばイベント施設で開催中のサッカーの試合が終了し、あるグループ(グループG01)は会場から退場し、あるグループ(グループG02)は会場内で試合後のアトラクションを楽しんでいるような場合の例について説明する。
【0102】
かかる場合、図11に示すように、人流制御装置10は、店舗S-1に近い(または接近している)グループG01に対しては、店舗S-1のクーポンをその状態にある時点tに配信する。一方、人流制御装置10は、グループG02に対しては、店舗S-1のクーポンを、たとえばアトラクション終了時間やイベント会場から店舗S-1までの移動時間を考慮した時点t+nに配信する。
【0103】
なお、このような場合、人流制御装置10の制御部13は、グループ情報12dのグループ位置GLn(およびその変化状況)、ユーザ情報12eにおけるチェックアウトCHOn、店舗情報の各データ、クーポン情報の各データを適宜用いて、クーポンやグループの選択や、配信処理を行う。
【0104】
これにより、ユーザを店舗に誘導することにより人流を制御できるとともに、ユーザの店舗誘導に伴い一度に多くのグループが店舗に集中すると店舗内で混雑が発生するという問題を解消することができる。
【0105】
次に、グループの特性やイベント内容に応じたクーポンの配信例について説明する。本例は、図12に示すように、サッカーの試合などの観戦において、グループG01はホームチームの応援席のチケットを購入し、グループG02はアウェイチームの応援席のチケットを購入している例である。また、店舗S-3は、ホームチームのサポーター向けのグッズショップであり、店舗S-4は、アウェイチームのサポーター向けのグッズショップである。
【0106】
このような状況において、ホームチームの方が勝った場合、人流制御装置10は、同図に示すように、グループG01に対しては、近い店舗S-4ではなく店舗S-3のクーポンを配信する。一方、人流制御装置10は、グループG02に対しては、アウェイチーム敗北のためクーポンは配信しない。なお、アウェイチームの方が勝った場合、人流制御装置10は、グループG02に対して、近い店舗S-3ではなく店舗S-4のクーポンを配信する。
【0107】
具体的に、人流制御装置10の制御部13は、ユーザ情報12eやグループ情報12dに基づくグループの特性(人数、位置)やイベント内容(イベント管理システム等から入手)と、クーポン情報12cにおけるクーポンの発行条件CPnと発行先条件CAnとの照合を行い、発行するクーポンを選定し、対応するグループにクーポンを配信する。この例の場合、たとえばAチームが勝利した場合、制御部13は、クーポン情報12cにおけるクーポンの発行条件「Aチーム勝利」が条件に該当すると判断し、クーポンC02を選択する。また制御部13は、クーポンC02の発行先条件「Aチーム席着座者」と利用可能人数「2人以上」に基づき、Aチーム席着座者のグループ(グループは2人以上であるので、この場合グループ人数絞り込みは行わない)に、クーポンC02を配信する。なお、「Aチーム席着座者」はユーザ情報12eのユーザチケットTnとチケット購入情報12aの座席番号SNnまたは座席特徴SQnに基づき判別でき、またそのグループはグループ情報12dのグループメンバUnに基づき判別できる。
【0108】
なお、上記例では、チームの勝敗に応じて各ユーザ(グループ)に対するクーポン発行の有無を変更したが、チームの勝敗に応じて各ユーザ(グループ)に対して発行するクーポンの種類を変更する(勝利チームの贔屓グループ向けの内容、敗北チームの贔屓グループ向けの内容等)方法も有効である。
【0109】
このように、勝ったチームの応援席の(チケットを購入した)ユーザのグループG01に、たとえば勝利の記念グッズの購入に使用できるクーポンを配信することによって、勝利の記念グッズの購入確率が高まることが期待でき、売り上げの拡大に貢献することが可能となる。つまり、グループの特性やイベントの内容に応じて、配信するクーポンを選定し、また配信先のグループを選定してクーポンを配信するので、クーポンの効率的な配信が行え、また来店者数の推定も高くなることが期待できる。
【0110】
次に、店舗の状況、ここでは混雑状況に応じたクーポンの配信例について説明する。本例は、図13に示すように、人流制御装置10は、各店舗の混雑度、ユーザやグループの位置や状態を加味してクーポンを選択し、配信する。この例では、グループG01はイベント会場を退場し帰路に就いている状態、グループG02は会場内でアトラクションを楽しんでいる状態、店舗S-1は混雑度高(グループG01、G02共に受け入れ不可、混雑度は徐々に低減)、店舗S-2は混雑度中(グループG01は受け入れ可であるがグループG02の追加受け入れは不可)の状態とする。
【0111】
かかる場合に、人流制御装置10は、現時点で受け入れが可能なグループG01に店舗S-2のクーポンを配信する。また、人流制御装置10は、グループG02に対しては、現時点からしばらく経過した後(アトラクション終了予定時点)で受け入れが可能と推定される店舗S-1のクーポンを配信する。なお。この場合、クーポンの配信タイミングおよびクーポンの内容(使用時間制限)を状況に応じて設定するのも効果的である。
【0112】
具体的には、人流制御装置10の制御部13は、ユーザ情報12eやグループ情報12dに基づくグループの特性(人数、位置)と、クーポン情報12cにおけるクーポンの発行条件CPnと発行先条件CAnとの照合を行い、発行候補のクーポンを選定する。さらに、制御部13は、発行候補のクーポンの店舗の店舗情報12bにおける混雑度PDnとグループの特性(人数、位置)に基づき、クーポン配信対象のグループが受け入れできる店舗のクーポンを選定し、当該クーポンを配信対象のグループに配信する。
【0113】
このように、人流制御装置10は、店舗の混雑状況等の店舗状況やグループの特性(規模)やグループの状況(位置や移動状況)に応じてクーポンを選定し、配信する。したがって、店舗状況も踏まえてクーポンを配信することになるので、店舗混雑によりグループ(全員)での当該店舗(クーポン)利用ができないといった不具合、およびそれによるグループメンバの不満の発生を防止することが可能となる。
【0114】
次に、図14は、実施形態に係るユーザ端末200の構成例を示すブロック図である。図14に示すように、実施形態に係るユーザ端末200は、通信部201と、センサ部202と、HMI(Human Machine Interface)部203と、記憶部204と、制御部205とを備える。
【0115】
通信部201は、たとえば、ネットワークアダプタ等によって実現される。通信部201は、上述したネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、人流制御装置10や、チケット販売サーバ100との間で情報の送受信を行う。
【0116】
センサ部202は、ユーザ端末200に搭載される各種のセンサ群であって、GPS(Global Positioning System)センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ等を含む。HMI部203は、ユーザUに対する入力部品および出力部品を含む構成要素である。HMI部203は、タッチパネルディスプレイ、スピーカや、マイク等によって実現される。
【0117】
記憶部204は、たとえば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子等によって実現される。記憶部204は、図14の例では、アプリ情報204aと、チケット情報204bと、クーポンデータ204cとを記憶する。
【0118】
アプリ情報204aは、前述のアプリのプログラム等を含む情報であり、これらの情報を用いてユーザ端末200(制御部205)は、チケット購入、クーポン使用等のアプリ機能を実現する。チケット情報204bは、ユーザUが保有するチケットに関する情報であり、チケットID(チケットTn)、チケットの内容(開催日時や座席番号等の視覚情報等)、チケット本体データ(入場時の照合等に用いられる二次元コード等)等を含む。クーポンデータ204cは、人流制御装置10から配信されるクーポンのデータで、クーポン情報12cにおけるクーポン内容CCn、クーポン本体データCDnと同様のデータである。
【0119】
制御部205は、アプリ実行部205aと、受信部205bと、送信部205cと、クーポン処理部205dとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0120】
アプリ実行部205aは、アプリ情報204aに含まれるアプリのプログラムを実行する。受信部205bは、アプリの実行に関する受信処理を実行する。たとえば、受信部205bは、アプリ実行部205aの制御に基づき、チケット販売サーバ100または他のユーザ端末200からチケット情報を受信し、チケット情報204bとして記憶部204に記憶する。また、受信部205bは、アプリ実行部205aの制御に基づき、人流制御装置10からクーポンデータを受信し、クーポンデータ204cとして記憶部204に記憶する。
【0121】
送信部205cは、アプリの実行に関する送信処理を実行する。たとえば、送信部205cは、アプリ実行部205aの制御に基づき、他のユーザ端末200へ送信(転送)対象のチケットのチケット情報204bを送信する。なお、この場合、転送されたチケットのチケット情報204bはチケットとの使用ができないように無効化(無効化フラグ等の無効化データが付加される)、あるいは削除される。
【0122】
また、送信部205cは、アプリ実行部205aの制御に基づき、GPSセンサによって測位されたユーザ(ユーザ端末200)の現在位置情報を人流制御装置10へ送信する。
【0123】
クーポン処理部205dは、クーポンに関する各種処理、たとえば店舗においてクーポンを利用する際にクーポンを提示する(二次元コードの表示や、短距離通信によるクーポン照合データの送信等)処理や、クーポン使用後の当該クーポンの無効化処理等を実行する。
【0124】
次に、実施形態に係る人流制御装置10が実行する処理手順について、図15を用いて説明する。図15は、実施形態に係る人流制御装置10(制御部13)が実行する処理手順を示すフローチャートである。なお、この処理は、クーポンの配信処理を行なう期間(たとえば、イベント終了1時間前からイベント終了2時間後までの期間や、クーポン管理者の開始操作から終了操作までの期間)に繰り返し実行される。
【0125】
図15に示すように、人流制御装置10の制御部13は、チケット販売サーバ100からチケット購入情報を取得し、記憶部12にチケット購入情報12aとして記憶する(ステップS101)。チケットは他ユーザへの転送が随時行われるが、ステップS101の処理により、最新のチケット情報が得られることになる。
【0126】
次に、制御部13は、各イベント参加ユーザUから位置情報等のユーザ情報を取得し、記憶部12にユーザ情報12eとして記憶する(ステップS102)。各ユーザは移動する等、状況が随時変化するが、ステップS102の処理により、最新のユーザ情報が得られることになる。
【0127】
そして、制御部13は、記憶部12に記憶されたユーザ情報12e、チケット購入情報12a等に基づきグループ情報を生成し、記憶部12にグループ情報12dとして記憶する(ステップS103)。各グループは移動する、メンバが変更する等、状況が随時変化するが、ステップS103の処理により、最新のグループ情報が得られることになる。
【0128】
また、制御部13は、店舗装置300から店舗の混雑状況等の店舗情報を取得し、記憶部12に店舗情報12bとして記憶する(ステップS104)。各店舗は混雑状況が変化する等、状況が随時変化するが、ステップS104の処理により、最新の店舗情報が得られることになる。
【0129】
そして、制御部13は、店舗装置300から当該店舗の発行するクーポンのクーポン情報を取得し、記憶部12にクーポン情報12cとして記憶する(ステップS105)。各店舗のクーポンは特典内容や使用条件が変化する等、各種内容が随時変化するが、ステップS105の処理により、最新のクーポン情報が得られることになる。
【0130】
さらに、制御部13は、イベント管理システム等からイベントに関する情報、たとえばイベントの終了時間等のイベント情報を取得し、記憶部12にイベント情報12fとして記憶する(ステップS106)。イベントの状況は、イベントの進捗状況や天気等の環境等により随時変化するが、ステップS106の処理により、最新のイベント情報が得られることになる。
【0131】
そして、制御部13は、記憶部12に記憶された、チケット購入情報12a、ユーザ情報12e、グループ情報12d、店舗情報12b、クーポン情報12c、およびイベント情報12fに基づき配信するクーポンの選定、および配信先(ユーザおよびグループ)の選定を行い、選定したクーポンを対応する配信先のユーザまたはグループに配信し(ステップS107)、処理を終える。
【0132】
上述してきたように、実施形態に係る人流制御装置10は、ユーザUが利用するユーザ端末200(「端末装置」の一例に相当)に対しクーポンデータ(「インセンティブデータ」の一例に相当)を配信可能に設けられた人流制御装置であって、制御部13(「コントローラ」の一例に相当)を備える。制御部13は、ユーザUの属するグループを推定し、推定したグループの状況に応じたクーポンデータを配信する。
【0133】
したがって、実施形態に係る人流制御装置10によれば、グループの特性、たとえばグループの構成および状況に応じ、当該グループに適したクーポンを配信することが可能になることで、より効率的にインセンティブを付与し、より効果的に人流を制御することができる。
【0134】
また、制御部13は、イベントのチケット購入情報12aに(「チケット情報」の一例に相当)基づき、ユーザUの属するグループを推定する。
【0135】
したがって、実施形態に係る人流制御装置10によれば、グループの構成と相関関係があるチケット購入方法(たとえば、グループでは一括購入することが多い)に基づきグループを推定するので、特別な入力操作等を行わずにグループを高精度で推定できる。
【0136】
また、制御部13は、ユーザの位置情報に基づき、ユーザの属するグループを推定する。
【0137】
したがって、実施形態に係る人流制御装置10によれば、グループの構成と相関関係があるチケット所有者の位置の移動(たとえば、グループメンバは一緒に移動することが多い)に基づきグループを推定するので、特別な入力操作等を行わずにグループを高精度で推定できる。
【0138】
また、制御部13は、クーポンデータを利用可能な店舗(「施設」の一例に相当)とグループとの位置関係に基づいて、クーポンデータと、当該クーポンデータを配信するグループとを決定する。
【0139】
したがって、実施形態に係る人流制御装置10によれば、クーポンデータの使用率と相関関係があるグループの位置(移動)状況と店舗の位置関係(たとえば、グループに近い店舗は利用されやすい)に基づきクーポンの発行内容を決定するので、適切なクーポンデータとその配信先グループを選択できる。
【0140】
また、制御部13は、クーポンデータの内容とグループの特性の関係に基づいて、クーポンデータと、当該クーポンデータを配信するグループとを決定する。
【0141】
したがって、実施形態に係る人流制御装置10によれば、クーポンデータの使用率と相関関係があるグループの特性とクーポンデータの内容との関係(たとえば、グループの嗜好に一致する店舗のクーポンは利用されやすい)に基づきクーポンの発行内容を決定するので、適切なクーポンデータとその配信先グループを選択できる。
【0142】
また、制御部13は、クーポンデータを利用可能な店舗の状況と、グループの構成状況に基づいて、クーポンデータと、当該クーポンデータを配信するグループとを決定する。
【0143】
したがって、実施形態に係る人流制御装置10によれば、クーポンデータの使用率と相関関係があるグループの構成状況と施設の状況の関係(たとえば、大規模のグループは混雑中の店舗を利用できない、子供がいるグループには子供向けの設備のある店舗が適している、等)に基づきクーポンの発行内容を決定するので、適切なクーポンデータとその配信先グループを選択できる。
【0144】
また、制御部13は、イベントの状況に応じて、クーポンデータと、当該クーポンデータを配信するグループとを決定する。
【0145】
したがって、実施形態に係る人流制御装置10によれば、クーポンデータの使用率と相関関係があるグループの特性とイベントの状況の関係(たとえば、スポーツイベントの勝敗結果とグループの贔屓のチームの関係により、購入物品種や購入金額が変わる)に基づきクーポンの発行内容を決定するので、適切なクーポンデータとその配信先グループを選択できる。
【0146】
また、実施形態に係るユーザ端末200は、ユーザUが属するグループへインセンティブデータを配信する人流制御装置10に通信接続可能な、ユーザUが利用する端末装置であって、制御部205を備える。制御部205は、ユーザUの入力操作に基づき、グループへの参加またはグループからの離脱を要求するグループ参加要求データを人流制御装置10に送信する。
【0147】
したがって、実施形態に係るユーザ端末200によれば、ユーザ端末200の操作により、ユーザUの所属グループの変更等を、適宜行うことができることで、より効率的にインセンティブを付与し、より効果的に人流を制御するのに資することができる。
【0148】
また、実施形態に係る人流制御システム1は、店舗装置300(「施設装置」の一例に相当)と、人流制御装置10と、ユーザUが利用するユーザ端末200と、を備える。店舗装置300は、クーポンデータを人流制御装置10に送信する。ユーザ端末200は、当該ユーザ端末200を利用するユーザUのユーザ情報を人流制御装置10に送信する。人流制御装置10は、上記ユーザ情報に基づきユーザUの属するグループを推定し、店舗装置300から送信されたクーポンデータから上記推定したグループの状況に応じたクーポンデータを選択し、当該推定したグループに配信する。
【0149】
したがって、実施形態に係る人流制御システム1によれば、店舗装置300と、人流制御装置10と、ユーザ端末200との協働動作により、グループの構成および状況に応じ、当該グループに適したクーポンを配信することが可能になる。すなわち、実施形態に係る人流制御システム1によれば、より効率的にインセンティブを付与し、より効果的に人流を制御することができる。
【0150】
なお、上述した実施形態では、インセンティブの一例としてクーポンを挙げたが、無論、割引券やサービス券、ボーナスポイントといった、他の形態のインセンティブであってもよい。
【0151】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0152】
1 人流制御システム
3 会場内センサ部
10 人流制御装置
11 通信部
12 記憶部
12a チケット購入情報
12b 店舗情報
12c クーポン情報
12d グループ情報
12e ユーザ情報
12f イベント情報
13 制御部
13a 取得部
13b 登録部
13c 特定部
13d 推定部
13e 選択部
13f 配信部
100 チケット販売サーバ
200 ユーザ端末
201 通信部
202 センサ部
203 HMI部
204 記憶部
204a アプリ情報
204b チケット情報
204c クーポンデータ
205 制御部
205a アプリ実行部
205b 受信部
205c 送信部
205d クーポン処理部
300 店舗装置
1000 イベント施設
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