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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157616
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】換気装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/013 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
F24F7/013 101J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067635
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】加藤 明裕
(57)【要約】
【課題】電線の損傷を回避しつつ、換気装置内部の省スペース化を図るようにした換気装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る換気装置は、筒状のダクト部を有する本体枠と、ダクト部内に設けられる羽根車と、羽根車を回転させるモータと、複数の電線が接続される電気部品を収納する電装箱と、を備える。複数の電線は、モータに繋がる内部電線と、換気装置の外部に延びる外部電線と、を含んで構成され、内部電線と外部電線とは、ダクト部の外周面に沿って並んで配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のダクト部を有する本体枠と、
前記ダクト部内に設けられる羽根車と、
前記羽根車を回転させるモータと、
複数の電線が接続される電気部品を収納する電装箱と、を備え、
前記複数の電線は、前記モータに繋がる内部電線と、前記換気装置の外部に延びる外部電線と、を含んで構成され、
前記内部電線と前記外部電線とは、前記ダクト部の外周面に沿って並んで配置される、
換気装置。
【請求項2】
前記本体枠は、前記ダクト部の外周面に間隔をあけて位置して前記ダクト部の軸方向に沿って延びる複数の壁部と、前記複数の壁部の間に位置し対向する前記壁部との間に各前記電線をそれぞれ収容可能な収容空間を形成する仕切部と、を有する、
請求項1に記載の換気装置。
【請求項3】
前記壁部側又は前記仕切部側のいずれか一方又は両方には前記収容空間側に突出する突出部を更に有する、
請求項2に記載の換気装置。
【請求項4】
前記ダクト部、前記壁部、前記仕切部及び前記突出部は、合成樹脂で一体成型されている、
請求項3に記載の換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、壁や天井等を貫通する貫通孔を設けて、その貫通孔に例えばパイプを挿入して、パイプ内部に本体を取り付ける換気装置、いわゆるパイプファンが知られている。この種の換気装置では、換気装置に電力を供給する電線を、パイプ内部や壁若しくは天井等に引き出すことが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-151365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電線がたわんだ状態で引き回されていると、換気装置をパイプと接続する据付の際に、例えばパイプの内周面に接触する等によって電線が損傷してしまう場合がある。また、換気装置内部に設けられる電線と換気装置から外部に引き出される電線の複数の電線が、換気装置内部の異なる箇所に配置されていると、換気装置の取り付け作業の邪魔になり、作業性の低下を招くばかりか、換気装置内部のスペースを圧迫するおそれがある。
【0005】
そこで、換気装置の据付時の電線の損傷を回避しつつ、換気装置内部の省スペース化を図るようにした換気装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る換気装置は、筒状のダクト部を有する本体枠と、前記ダクト部内に設けられる羽根車と、前記羽根車を回転させるモータと、複数の電線が接続される電気部品を収納する電装箱と、を備え、前記複数の電線は、前記モータに繋がる内部電線と、前記換気装置の外部に延びる外部電線と、を含んで構成され、前記内部電線と前記外部電線とは、前記ダクト部の外周面に沿って並んで配置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による換気装置の据付状態の一例を概念的に示す横断面図
図2】一実施形態による換気装置を背面から見た図
図3】一実施形態によるダクト部の外周面に設けられた複数の壁部と仕切部との位置関係の一例を示す斜視図
図4】一実施形態による複数の電線を収容する複数の収容空間周辺の構成の一例を示す図
図5】一実施形態による換気装置の一例について、図3の矢印X5部分を拡大して示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態の換気装置1について図面を参照しながら説明する。換気装置1は、例えば壁や天井に設けられて、外気と屋内空気との換気、主として排気を行うためのものである。本実施形態では、換気装置1は、図1に示すように、壁90に設けられた屋外と屋内とを連通させるパイプ91に対応した位置に据え付けられる。なお、換気装置1の設置位置から屋外までの距離が長い場合は、パイプ91の先に柔軟性のあるダクトを接続して空気通路を屋外まで引き延ばしても良い。換気装置1は、本体枠10、送風機構20、化粧枠30、及び電装箱40を備えている。以下の説明では、図1における化粧枠30が設けられる側を換気装置1の前面側とし、その反対側を換気装置1の背面側とする。
【0009】
本体枠10は、例えば合成樹脂製の一体成型品で、全体として略矩形状に形成されている。本体枠10は、換気装置1の主体を構成している。本体枠10の外周縁は、壁90壁面に接触して壁面にネジ止めされる。本体枠10は、ダクト部11、ベルマウス12、及び取付けバネ13を有している。
【0010】
ダクト部11は、本体枠10の略中央で背面に延びるように設けられている。ダクト部11は、例えば円筒形状や角筒形状等の筒状に形成されている。本実施形態では、ダクト部11は、円筒形状に形成されている。ダクト部11は、パイプ91の内部に挿入される。ダクト部11の外周面111は、パイプ91の内周面と相互に間隔をあけて位置する。なお、ダクト部11は、このダクト部11の空気出口を開閉する図示しないシャッタ装置と着脱可能に接続できるように構成されている。シャッタ装置は、設置箇所の必要に応じて追加される。
【0011】
ダクト部11の内周面と滑らかに繋がって拡径されたベルマウス12は、全体として略円環状に形成され、本体枠10の前面側に設けられる。ベルマウス12は、空気の流れを整えるためのものである。ベルマウス12は、図1に示すように、開口121を形成している。取付バネ13は、図2に示すように、ダクト部11の外周面111に間隔をあけて複数この場合2つ設けられている。取付バネ13は、例えば板バネで形成されており、パイプ91の内周面に接触するように構成されている。取付バネ13は、径方向への弾性力によって、本体枠10をパイプ91内に保持させる。
【0012】
送風機構20は、プロペラファンである羽根車21及びモータ22を有している。羽根車21及びモータ22は、図1に示すように、ダクト部11の内部に設けられている。羽根車21は、送風機構20の中心から径方向外側へ向かって放射状に延びている。モータ22は、羽根車21を正逆方向に回転させる機能を有する。モータ22は、回転軸221を有している。回転軸221の中心軸は、ダクト部11の中心軸と一致している。回転軸221には、羽根車21がネジ止め等の方法によって着脱可能に取付けられる。そして、モータ22が駆動して回転軸221が回転することによって、羽根車21はダクト部11内で回転する。羽根車21の運転によって、屋内空気がダクト部11の内側を通って屋外に排気されるか、もしくは外気がダクト部11の内側を通って屋内に供給される。
【0013】
また、本体枠10は、図1及び図2に示すように、モータカバー14を有している。モータカバー14は、本体枠10の背面側に設けられている。モータカバー14は、送風機構20を支持するためのものである。モータカバー14は、モータカバー本体141及び固定部142を有して構成することができる。モータカバー本体141は、例えばその内側が円筒形の凹みがあり、その部分に単相誘導電動機であるモータ22が挿入、固定される。
【0014】
棒状の固定部142は、モータカバー本体141の周方向に間隔をあけて複数、この場合3つ、設けられている。複数の固定部142の間隔は、等間隔で設定されている。複数の固定部142の間隔は、等間隔に限らず、不等間隔であっても良い。固定部142は、一方の端部がモータカバー本体141に繋がり、他方の端部がダクト部11に繋がっている。固定部142、モータカバー本体141及びダクト部11は、合成樹脂で一体成型されている。固定部142は、モータ22の支持部として機能する。
【0015】
化粧枠30は、換気装置1の前面を構成している。化粧枠30は、図1に示すように、本体枠10の周囲を覆っている。化粧枠30は、例えばスナップフィットやネジ部材によって本体枠10に着脱可能に取付けられる。化粧枠30は、複数の通風孔301を有している。通風孔301は、換気装置1の外部と内部とを連通している。なお、図1では、図面を見やすくするために、通風孔301の符号は1箇所のみ付しており、その他の通風孔301の符号は省略している。
【0016】
電装箱40は、図1及び図2に示すように、本体枠10の内部に収容されている。電装箱40は、例えば本体枠10の下部の一方のコーナー部分に設けられている。電装箱40は、例えば難燃性の合成樹脂製ケースで、モータ22駆動用のランニングコンデンサやヒューズ等の保護素子、接続端子等を含む電気部品41を収納している。これらの電気部品41には、図1等に示すように、複数の電線51、52が接続されている。複数の電線51、52は、例えば電力を換気装置1及びその部品に供給するためのものである。
【0017】
この場合、複数の電線51、52は、モータ22と繋がってモータ22に電力を供給する内部電線51及び換気装置1の外部と繋がる外部電線52を含んで構成されている。つまり、内部電線51は、電気部品41とモータ22とを接続している。外部電線52は、電気部品41を外部の部品に接続する。外部の部品とは、例えば電源スイッチ、モータの速度変更スイッチや電源プラグ等の換気装置1の電源の接続に要する部品である。また、詳細は図示しないが、モータ22には、アース線53が接続されている。アース線53は、例えばボルト及びナットで構成される締結部材等によって、金属製のモータ22の外郭に導通可能に取付けられる。
【0018】
電線51、52が換気装置1の内部で適切に引き回されていないと、換気装置1を取り付ける際の作業の邪魔になり作業性の低下を招くとともに、電線51、52が他の部品と接触して損傷してしまう不具合が生じるおそれがある。また、複数の電線51、52を収容するための部品をそれぞれの電線に対応して個別に設ける場合、部品点数が増加してしまい製造コストの増加につながる。更に、部品点数の増加によって、換気装置1内部のスペースを圧迫するといった影響が考えられる。
【0019】
そこで、本実施形態では、本体枠10は、図2から図4に示すように、複数の壁部611、612、複数の起立部621、622、仕切部71、及び延出部72を有している。複数の壁部611、612は、ダクト部11の外周面111に間隔をあけて位置して、それぞれダクト部11の軸方向つまり前面側から背面側に沿って平行に延びている。以下の説明では、複数の壁部611、612を区別する場合、電装箱40に遠い側に位置する壁部611を、第1壁部611と称し、電装箱40に近い側に位置する壁部612を、第2壁部612と称する場合がある。
【0020】
複数の壁部611、612の長さ寸法は、パイプ91の内部に入り込んだ部分のダクト部11の長さ寸法と略同一に設定することができる。また、第1壁部611の高さ寸法は、内部電線51の外径よりもやや小さい寸法で設定されている。第2壁部612の高さ寸法は、外部電線52の外径よりもやや小さい寸法で設定されている。複数の壁部611、612は、形状及び寸法が同じであっても良いし、それぞれ形状及び寸法が異なっていても良い。
【0021】
複数の起立部621、622は、それぞれ壁部611、612と一体に形成されている。各起立部621、622は、各壁部611、612からそれぞれ径方向外側に向かって立ち上げて形成されている。各起立部621、622は、例えば各壁部611、612の基端側つまり本体枠10の前面側の端部付近に位置している。なお、複数の起立部621、622は、それぞれ壁部611、612と別体で形成しても良い。
【0022】
ダクト部11の外周面111から各起立部621、622の先端部までの距離は、少なくとも各電線51、52の外径よりも大きい寸法で設定される。複数の起立部621、622は、形状及び寸法が同じであっても良いし、それぞれ形状及び寸法が異なっていても良い。本実施形態では、第1壁部611に設けられる起立部621を、第1起立部621と称し、第2壁部612に設けられる起立部622を、第2起立部622と称する場合がある。
【0023】
仕切部71は、複数の壁部611、612の間に位置している。仕切部71は、ダクト部11から外側に突出してダクト部11の軸方向に沿って延びており、複数の壁部611、612と平行に配置されている。仕切部71の長さ寸法は、複数の壁部611、612と同様に、パイプ91の内部に入り込んだ部分のダクト部11の長さ寸法と略同一である。仕切部71の長さ寸法は、複数の壁部611、612の長さ寸法と異なる長さ寸法であっても良い。また、仕切部71の高さ寸法は、内部電線51の外径よりもやや小さい寸法で設定されている。仕切部71、複数の壁部611、612は、いずれもダクト部11、すなわちモータカバー本体141と一体成型されている。
【0024】
延出部72は、仕切部71と一体に形成されている。延出部72は、仕切部71から径方向外側に向かって立ち上げて形成されている。延出部72は、例えば仕切部71の基端側つまり本体枠10の前面側の端部付近に位置している。ダクト部11の外周面111から延出部72の先端部までの距離は、少なくとも各電線51、52の外径よりも大きい寸法で設定される。なお、延出部72は、仕切部71と別体で形成しても良い。
【0025】
仕切部71と相互に対向する壁部611、612との間には、図4に示すように、それぞれ収容空間S1、S2が形成されている。収容空間S1、S2は、電線51、52をそれぞれ収容可能な空間である。本実施形態では、第1壁部611と仕切部71との間に形成される収容空間S1を、第1収容空間S1と称し、第2壁部612と仕切部71との間に形成される収容空間S2を、第2収容空間S2と称する場合がある。
【0026】
この場合、第1収容空間S1は、ダクト部11の外周面111、第1壁部611、及び仕切部71によって形成される。第2収容空間S2は、ダクト部11の外周面111、第2壁部612、及び仕切部71によって形成される。そして、第1収容空間S1は、内部電線51を収容することができる。一方、第2収容空間S2は、外部電線52を収容することができる。第1収容空間S1と第2収容空間S2とは、ダクト部11の外周面111に沿って並んで形成される。つまり、内部電線51と外部電線52とは、ダクト部11の外周面111に沿って並んで配置される。各収容空間S1、S2の幅寸法つまり各壁部611、612と仕切部71との相互の離間距離は、各収容空間S1、S2に収容される各電線51、52の外径よりわずかに大きくなるように設定される。
【0027】
このように、複数の電線51、52を収容する収容空間S1、S2をダクト部11の外周面111付近に形成することで、複数の電線51、52が他の部品と接触して損傷してしまう事態を回避できる。また、仕切部71を、各収容空間S1、S2を形成する部材として共通化して用いることで、部品点数の増加を抑えて、コスト低減や換気装置1内部の省スペース化を図ることができる。また、電装箱40から壁部611、612及び仕切部71までの距離つまり各収容空間S1、S2までの距離は、電装箱40からモータ22までの距離よりも小さくなるように設定されている。こうすれば、電装箱40から外部に露出した電線51、52を、電装箱40になるべく近い位置で各収容空間S1、S2に導くことができる。
【0028】
また、本体枠10は、壁部側突出部63及び仕切部側突出部73を有している。壁部側突出部63は、複数の起立部621、622の一方又は両方に設けられ、仕切部71側に向かって突出して形成されている。本実施形態では、図4に示すように、壁部側突出部63は、複数の壁部611、612側のうち、第1壁部611側にのみ設けられている。つまり、壁部側突出部63は、複数の起立部621、622のうち、第1起立部621にのみ設けられている。壁部側突出部63は、第1起立部621と一体に形成されている。壁部側突出部63は、第1壁部611と仕切部71との離間距離を部分的に縮小する方向に突出している。壁部側突出部63は、第1起立部621から第1収容空間S1側に突出している。なお、壁部側突出部63は、第2起立部622つまり第2壁部612側にのみ設ける構成としても良い。また、壁部側突出部63は、例えば台形状の突起で構成されているが、これに限らず、鉤状や円形状の突起であっても良い。壁部突出部63は、第1起立部621と別体に形成しても良い。
【0029】
仕切部側突出部73は、例えば延出部72から対向する各壁部611、612側に向かって突出して形成されている。つまり、仕切部側突出部73は、仕切部71と各壁部611、612との離間距離を部分的に縮小する方向に矢印形状に突出している。仕切部側突出部73は、延出部72と一体に形成されている。仕切部側突出部73は、延出部72からそれぞれ収容空間S1、S2側に突出している。なお、仕切部側突出部73は、対向するいずれか一方の壁部611、612側に対して形成される構成としても良い。また、仕切部側突出部73は、鉤状や円形状の突起であっても良い。仕切部側突出部73は、延出部72と別体で形成しても良い。
【0030】
起立部621、622及び延出部72は、各電線51、52を各収容空間S1、S2内へ収容する際に、各電線51、52を各収容空間S1、S2側に案内する機能を有する。この場合、起立部621、622及び延出部72は、ダクト部11の外周面111と合成樹脂で一体成型されていることから、それぞれ壁部611、612及び仕切部71との境界部分を支点に弾性的に変形可能である。そのため、起立部621、622及び延出部72を変形させることで、各収容空間S1、S2内への各電線51、52の収容作業が容易となる。
【0031】
そして、各電線51、52が各収容空間S1、S2内に収まると、起立部621、622及び延出部72は元の形状に戻り、壁部側突出部63及び仕切部側突出部73が抜け止めとなる。よって、各収容空間S1、S2に収容された各電線51、52が各収容空間S1、S2の外部に移動してしまうことが規制される。この場合、壁部側突出部63及び仕切部側突出部73は、収容空間S1、S2の入口部分を構成している。
【0032】
図5に示すように、ダクト部11の後端には、複数の溝部112を備える。各溝部112は、各収容空間S1、S2に対応した位置に設けられる。つまり、複数の溝部112は、ダクト部11の外周面111に仕切部71を挟んで並んで配置されている。溝部112は、ダクト部11の背面側の端部を前面側に向かって窪んで形成されている。溝部112は、例えば略U字状に形成されている。そして、複数の溝部112には、それぞれ電線51、52を嵌合させることができる。つまり、各電線51、52は、それぞれの電線51、52に対応した溝部112に押し込められた状態でダクト部11に保持される。この場合、各溝部112は、収容空間S1、S2の出口部分を構成している。
【0033】
このようにして、内部電線51は、壁部側突出部63及び仕切部側突出部73と溝部112とによって、第1収容空間S1内に収容された状態が維持される。一方、外部電線52は、仕切部側突出部73と溝部112とによって、第2収容空間S2内に収容された状態が維持される。また、各電線51、51のうち溝部112から先に延びる部分は、例えばアース線53とともに結束バンド74によって、結束することができる。
【0034】
以上説明した実施形態によれば、換気装置1は、本体枠10と、羽根車21と、モータ22と、電装箱40と、を備える。本体枠10は、筒状のダクト部11を有する。羽根車21は、ダクト部11内に設けられる。モータ22は、羽根車21を回転させる。電装箱40は、複数の電線51、52が接続される電気部品41を収納する。複数の電線51、52は、モータ22と繋がる内部電線51と、換気装置1の外部の部品と繋がる外部電線52と、を含んで構成される。そして、内部電線51と外部電線52とは、ダクト部11の外周面111に沿って並んで配置される。
【0035】
これによれば、複数の電線51、52をダクト部11の外周面111に沿って並んで配置することで、電線51、52が建物の壁90内部に設けられたパイプ91等の他の部材に接触して損傷してしまうことを回避しつつ、複数の電線51、52を最小限にまとめて引き回すことができる。この結果、換気装置1の据付時の電線51、52の損傷を回避しつつ、換気装置1内部の省スペース化を図ることができる。
【0036】
本体枠10は、ダクト部11の外周面111に間隔をあけて突出し、ダクト部11の軸方向に沿って延びる複数の壁部611、612を有する。さらに本体枠10は、複数の壁部611、612の間の位置において、ダクト部11の外周面111から突出し、ダクト部11の軸方向に沿って延び、対向する壁部611、612との間に各電線51、52をそれぞれ収容可能な収容空間S1、S2を形成する仕切部71を有する。
【0037】
これによれば、複数の壁部611、612と仕切部71との間にそれぞれ形成される収容空間S1、S2に各電線51、52を収容することができる。これにより、複数の電線51、52が他の部材と干渉することを効果的に抑制することができる。また、複数の電線51、52を収容する部品を別々に設ける必要がないため、部品点数の削減による製造コストの低減を図ることができる。この結果、換気装置1内部の省スペース化をより一層図りつつ、複数の電線51、52を簡易な構成で収容することができる。
【0038】
また、本体枠10は、突出部63、73を更に有する。突出部63、73は、壁部611、612側又は仕切部71側のいずれか一方又は両方に設けられ、収容空間S1、S2側に突出する。これによれば、突出部63、73によって電線51、52が収容空間S1、S2から外れ落ちることを抑制することができる。これにより、電線51、52の保持を安定して行うことができる。
【0039】
ダクト部11、壁部611、612、仕切部71及び突出部63、73は、合成樹脂で一体成型されている。これによれば、電線51、52を収容する収容空間S1、S2を形成する部材を合成樹脂で一体成型することで、部品点数を削減して製造コストの低減を図るとともに、換気装置1の組立て作業性の向上を図ることができる。
【0040】
なお、各壁部611、612及び仕切部71の高さ寸法を各電線51、52の外径よりも大きい寸法で形成することで、各起立部621、622及び延出部72を省略した構成とすることができる。
以上、本発明に係る一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
図面中、1は換気装置、10は本体枠、11はダクト部、111は外周面、21は羽根車、22はモータ、40は電装箱、41は電気部品、51は内部電線、52は外部電線、611、612は壁部、63、73は突出部、71は仕切部、S1、S2は収容空間、を示す。
図1
図2
図3
図4
図5