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特開2023-15764情報コード読取装置及び情報コード読取システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015764
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】情報コード読取装置及び情報コード読取システム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/14 20060101AFI20230125BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
G06K7/14 091
G06K7/14 017
G06K7/14 034
G06K7/10 372
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119725
(22)【出願日】2021-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】神戸 和美
(57)【要約】
【課題】意図しない分割データの連結を抑制し得る構成を提供する。
【解決手段】分割情報コードは、明色系セル及び暗色系セルを囲うマージン領域が所定の明度(マージン明度)で形成され、複数の分割情報コードが撮像された撮像画像において2つの分割情報コードのマージン領域間を構成するコード間領域Sの明度と上記マージン明度との比較結果に基づいて、2つの分割情報コードからそれぞれデコードされる分割データについて連結可否が判定される。そして、連結可と判定された所定数の分割データが連結されて所定のデータとして出力される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデータを分割した所定数の分割データがそれぞれ情報コード化された分割情報コードを光学的に読み取り可能な情報コード読取装置であって、
撮像部と、
前記撮像部により撮像された前記分割情報コードをデコードするデコード部と、
前記デコード部により前記分割情報コードからデコードされた前記分割データの連結可否について判定する判定部と、
前記判定部により連結可と判定された前記所定数の分割データを連結して前記所定のデータとして出力する出力部と、
を備え、
前記分割情報コードは、明色系セル及び暗色系セルを囲うマージン領域が所定の明度で形成され、
前記判定部は、前記複数の分割情報コードが撮像された撮像画像において2つの分割情報コードの前記マージン領域間の少なくとも一部を構成するコード間領域の明度と前記所定の明度との比較結果に基づいて、前記2つの分割情報コードからそれぞれデコードされる前記分割データについて前記連結可否を判定することを特徴とする情報コード読取装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記コード間領域の平均明度と前記所定の明度との明度差が所定の閾値を超える場合に、前記2つの分割情報コードについて連結否と判定することを特徴とする請求項1に記載の情報コード読取装置。
【請求項3】
前記出力部は、所定の条件において、前記判定部により連結否と判定された前記2つの分割情報コードのうち前記撮像画像の中心に近い分割情報コードの前記分割データを、連結することなく出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報コード読取装置。
【請求項4】
前記撮像部の撮像視野に向けてマーカ光を照射するマーカ光照射部を備え、
前記出力部は、所定の条件において、前記判定部により連結否と判定された前記2つの分割情報コードのうち前記撮像画像において前記マーカ光に近い分割情報コードの前記分割データを、連結することなく出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報コード読取装置。
【請求項5】
前記判定部により連結否と判定された場合にその旨を報知する報知部を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の情報コード読取装置。
【請求項6】
前記所定のデータを特定のフォーマットにて記録した情報コードが、前記所定数の分割情報コードとともに撮像されるように配置され、
前記デコード部は、1つの撮像画像に対する前記分割情報コードのデコードが成功すると、当該1つの撮像画像に対して前記特定のフォーマットの情報コードをデコードするための処理を行い、
前記出力部は、前記デコード部により前記特定のフォーマットの情報コードのデコードが成功した場合に、当該特定のフォーマットの情報コードのデコード結果を前記所定のデータとして出力して前記分割データを出力しないことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の情報コード読取装置。
【請求項7】
所定のデータを分割した所定数の分割データがそれぞれ情報コード化された分割情報コードを光学的に読み取り可能な情報コード読取装置であって、
撮像部と、
前記撮像部により撮像された前記分割情報コードをデコードするデコード部と、
前記デコード部により前記所定数の分割情報コードからそれぞれデコードされた前記分割データを連結して前記所定のデータとして出力する出力部と、
前記撮像部の撮像視野に向けてマーカ光を照射するマーカ光照射部と、
前記デコード部によるデコード対象を、前記撮像部による撮像画像全体とする第1デコードモードと、前記撮像画像のうち前記マーカ光が照射されている情報コードとする第2デコードモードとを切り替え可能なモード切替部と、
を備え、
前記モード切替部は、前記第1デコードモードにて前記デコード部により1つ目の前記分割情報コードがデコードされると、前記第2デコードモードに切り替え、前記出力部からデータが出力されると、前記第2デコードモードから前記第1デコードモードに切り替えることを特徴とする情報コード読取装置。
【請求項8】
前記デコード部は、前記第1デコードモード時に複数の情報コードが撮像されていると、前記撮像画像の中心に近い情報コードから順にデコードを行うことを特徴とする請求項7に記載の情報コード読取装置。
【請求項9】
前記デコード部は、前記第1デコードモード時に複数の情報コードが撮像されていると、前記マーカ光に近い情報コードから順にデコードを行うことを特徴とする請求項7に記載の情報コード読取装置。
【請求項10】
前記マーカ光照射部は、前記第1デコードモード時には前記マーカ光を照射しないことを特徴とする請求項7又は8に記載の情報コード読取装置。
【請求項11】
前記第2デコードモード時に前記撮像部により連続撮像される撮像画像のブレ量を算出する算出部を備え、
前記出力部は、前記算出部により算出される前記ブレ量が所定量以上になると、データの出力を停止することを特徴とする請求項7~10のいずれか一項に記載の情報コード読取装置。
【請求項12】
前記算出部により算出される前記ブレ量が前記所定量以上になることで前記出力部によるデータの出力が停止される場合にその旨を報知する報知部を備えることを特徴とする請求項11に記載の情報コード読取装置。
【請求項13】
前記デコード部による情報コードのデコードを開始する際に所定の操作が行われる操作部を備え、
前記出力部は、一部の分割データが前記デコード部によってデコードされている状態で、前記操作部に対する前記所定の操作が解除されると、前記一部の分割データを、連結することなく出力することを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の情報コード読取装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の情報コード読取装置と、
前記情報コード読取装置から出力されるデータが記憶される外部機器と、
を備えることを特徴とする情報コード読取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のデータを分割した所定数の分割データがそれぞれ情報コード化された分割情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置及び情報コード読取システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、米国では輸血パックの管理に、ISBT(International Society of Blood Transfusion)128と呼ばれるバーコード(分割情報コード)を複数配置したラベルが使用されている。ISBT128の規格では、上記ラベルに付された複数のバーコードからそれぞれ読み取ったデータを連結させて一括で出力するように仕様が定められている。このように、それぞれ読み取ったデータを連結させて出力することで、バーコードの読み取りに応じて出力されるデータのデータ量を増加させることができる。
【0003】
上述のように、所定のデータを分割した所定数の分割データがそれぞれ情報コード化された分割情報コードに関する技術として、例えば、下記特許文献1に開示される光学的情報読取装置が知られている。この光学的情報読取装置では、撮像手段により撮像された撮像画像の一部の領域を読取領域としてこの読取領域内の情報コードをデコードし、デコードされた情報コードが分割情報コードの1つであると判定されるとき、当該読取領域内の各分割情報コードの一部に基づいて各分割情報コードの全てが含まれる領域を推定し、推定される推定領域に基づいて読取領域を再設定し、この再設定された読取領域内の情報コードをデコード手段によりデコードするように構成されている。このような構成により、各分割情報コードの全てが含まれると推定される推定領域に基づいて撮像画像に対する読取領域が適切に小さくなるように再設定されてデコードされることで、読取処理の負荷の軽減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-008574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、所定数の分割情報コードをそれぞれ付した物品がまとめて載置されている状態で個々の物品の各分割情報コードを読み取る際に、1つの物品の分割情報コードと他の物品の分割情報コードとが1つの撮像画像で撮像されてしまう場合がある。この場合、2つの分割情報コードの位置関係によっては、それぞれ読み取られた分割データが誤って連結されて、そのデータが出力されてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、意図しない分割データの連結を抑制し得る構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
所定のデータを分割した所定数の分割データがそれぞれ情報コード化された分割情報コードを光学的に読み取り可能な情報コード読取装置(1)であって、
撮像部(23)と、
前記撮像部により撮像された前記分割情報コードをデコードするデコード部(40)と、
前記デコード部により前記分割情報コードからデコードされた前記分割データの連結可否について判定する判定部(40)と、
前記判定部により連結可と判定された前記所定数の分割データを連結して前記所定のデータとして出力する出力部(48)と、
を備え、
前記分割情報コードは、明色系セル及び暗色系セルを囲うマージン領域(Ma,Mb)が所定の明度で形成され、
前記判定部は、前記複数の分割情報コードが撮像された撮像画像において2つの分割情報コードの前記マージン領域間の少なくとも一部を構成するコード間領域(S)の明度と前記所定の明度との比較結果に基づいて、前記2つの分割情報コードからそれぞれデコードされる前記分割データについて前記連結可否を判定することを特徴とする。
【0008】
請求項7に記載の発明は、
所定のデータを分割した所定数の分割データがそれぞれ情報コード化された分割情報コードを光学的に読み取り可能な情報コード読取装置(1)であって、
撮像部(23)と、
前記撮像部により撮像された前記分割情報コードをデコードするデコード部(40)と、
前記デコード部により前記所定数の分割情報コードからそれぞれデコードされた前記分割データを連結して前記所定のデータとして出力する出力部(48)と、
前記撮像部の撮像視野に向けてマーカ光を照射するマーカ光照射部(22)と、
前記デコード部によるデコード対象を、前記撮像部による撮像画像全体とする第1デコードモードと、前記撮像画像のうち前記マーカ光が照射されている情報コードとする第2デコードモードとを切り替え可能なモード切替部(40)と、
を備え、
前記モード切替部は、前記第1デコードモードにて前記デコード部により1つ目の前記分割情報コードがデコードされると、前記第2デコードモードに切り替え、前記出力部からデータが出力されると、前記第2デコードモードから前記第1デコードモードに切り替えることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、分割情報コードは、明色系セル及び暗色系セルを囲うマージン領域が所定の明度で形成され、複数の分割情報コードが撮像された撮像画像において2つの分割情報コードのマージン領域間の少なくとも一部を構成するコード間領域の明度と上記所定の明度との比較結果に基づいて、2つの分割情報コードからそれぞれデコードされる分割データについて判定部により連結可否が判定される。そして、判定部により連結可と判定された所定数の分割データが連結されて所定のデータとして出力部により出力される。
【0010】
各物品のそれぞれに所定数の分割情報コードが付されており、1つの物品の分割情報コードと他の1つの物品の分割情報コードとが1つの撮像画像で撮像される場合、その撮像画像での両分割情報コードの間となるコード間領域は、無地のマージン領域とは異なる模様などの領域として撮像される。このため、1つの物品に付された連結すべき2つの分割情報コードでのコード間領域がマージン領域と同じ無地の領域であるとして、コード間領域の明度と上記所定の明度(マージン領域の明度)とを比較することで、コード間領域が模様などの領域であるか否か、すなわち、連結すべき分割情報コードであるか否かについて判定することができる。これにより、連結可と判定された各分割データを連結することで、意図しない分割データの連結を抑制することができる。
【0011】
請求項2の発明では、コード間領域の平均明度と上記所定の明度との明度差が所定の閾値を超える場合に、上記2つの分割情報コードについて連結否と判定部により判定される。これにより、所定の閾値を基準に、連結すべき分割情報コードであるか否かについて明確に判定することができる。
【0012】
請求項3の発明では、出力部は、所定の条件において、判定部により連結否と判定された2つの分割情報コードのうち撮像画像の中心に近い分割情報コードの分割データを、連結することなく出力する。これにより、上記所定の条件、例えば、所定数の分割情報コードをデコードできない時間が一定時間経過した場合等では、撮像画像の中心に近い分割情報コード、すなわち、ユーザがデコード対象として認識している分割情報コードからデコードされた分割データが出力される。このため、全ての分割情報コードをデコードできない場合に、1つの分割データだけでも出力することができる。
【0013】
請求項4の発明では、撮像部の撮像視野に向けてマーカ光を照射するマーカ光照射部が設けられており、出力部は、所定の条件において、判定部により連結否と判定された2つの分割情報コードのうち撮像画像においてマーカ光に近い分割情報コードの分割データを、連結することなく出力する。これにより、上記所定の条件、例えば、所定数の分割情報コードをデコードできない時間が一定時間経過した場合等では、マーカ光に近い分割情報コード、すなわち、ユーザがデコード対象として認識している分割情報コードからデコードされた分割データが出力される。このため、全ての分割情報コードをデコードできない場合に、1つの分割データだけでも出力することができる。
【0014】
請求項5の発明では、判定部により連結否と判定された場合にその旨を報知する報知部が設けられる。これにより、報知部により報知を受けたユーザは、連結すべきでない2つの分割情報コードが撮像視野に入っている状態であることを容易に認識することができる。
【0015】
請求項6の発明では、所定のデータを特定のフォーマットにて記録した情報コードが、所定数の分割情報コードとともに撮像されるように配置される。そして、デコード部は、1つの撮像画像に対する分割情報コードのデコードが成功すると、当該1つの撮像画像に対して上記特定のフォーマットの情報コードをデコードするための処理を行い、出力部は、デコード部により特定のフォーマットの情報コードのデコードが成功した場合に、当該特定のフォーマットの情報コードのデコード結果を所定のデータとして出力して分割データを出力しない。特定のフォーマットの情報コードとして、データ記録量が多い二次元コード、例えば、QRコード(登録商標)やデータマトリクス等を採用することで、そのQRコード等からデータがデコードされる場合には、個々の分割情報コードをデコードする必要ないので、不要なデコード及びデータの連結をなくすことができる。
【0016】
請求項7の発明では、デコード部により所定数の分割情報コードからそれぞれデコードされた分割データを連結して所定のデータとして出力する出力部と、撮像部の撮像視野に向けてマーカ光を照射するマーカ光照射部と、デコード部によるデコード対象を、撮像部による撮像画像全体とする第1デコードモードと、撮像画像のうちマーカ光が照射されている情報コードとする第2デコードモードとを切り替え可能なモード切替部とが設けられる。そして、モード切替部は、第1デコードモードにてデコード部により1つ目の分割情報コードがデコードされると、第2デコードモードに切り替え、出力部からデータが出力されると、第2デコードモードから第1デコードモードに切り替える。
【0017】
これにより、2つ目以降の分割情報コードをデコードするためには、その分割情報コードにマーカ光を照射する必要があり、マーカ光が誤って照射されない限り、連結すべきでない分割情報コード(例えば、異なる物品等に付された分割情報コード)がデコードされることはない。このため、意図しない分割データの連結を抑制することができる。
【0018】
請求項8の発明では、デコード部は、第1デコードモード時に複数の情報コードが撮像されていると、撮像画像の中心に近い情報コードから順にデコードを行う。これにより、撮像画像の中心に近い情報コード、すなわち、ユーザがデコード対象として認識している情報コードから順にデコードされるので、1つ目の分割情報コードのデコードに要する処理時間を短縮することができる。
【0019】
請求項9の発明では、デコード部は、第1デコードモード時に複数の情報コードが撮像されていると、マーカ光に近い情報コードから順にデコードを行う。これにより、マーカ光に近い情報コード、すなわち、ユーザがデコード対象として認識している情報コードから順にデコードされるので、1つ目の分割情報コードのデコードに要する処理時間を短縮することができる。
【0020】
請求項10の発明では、マーカ光照射部は、第1デコードモード時にはマーカ光を照射しない。これにより、2つ目以降の分割情報コードを読み取る際にマーカ光が照射され、通常の情報コード又は1つ目の分割情報コードを読み取る際にはマーカ光が照射されないので、マーカ光の照射状態を見たユーザは、1つ目の分割情報コードが読み取られて2つ目以降の分割情報コードを読み取っている状態であることを容易に認識することができる。特に、通常の情報コード又は1つ目の分割情報コードを読み取り作業に関しては、マーカ光が照射されないので、ラフな読み取り動作を許容することができる。
【0021】
請求項11の発明では、第2デコードモード時に撮像部により連続撮像される撮像画像のブレ量を算出する算出部が設けられ、この算出部により算出されるブレ量が所定量以上になると、出力部によるデータの出力が停止される。撮像されたマーカ光の位置をその撮像画像において算出した後に、新たに撮像された撮像画像にて、その算出されたマーカ光の位置に基づいてデコードすべき分割情報コードを選択する構成では、大きく手振れした状態で撮像していると、誤った分割情報コードが選択されてしまう可能性がある。このため、算出された撮像画像のブレ量が所定量以上になる場合にはデータの出力を停止することで、手振れの影響で連結すべきでない分割情報コードの分割データが連結されて出力されることを抑制することができる。
【0022】
請求項12の発明では、算出部により算出されるブレ量が所定量以上になることで出力部によるデータの出力が停止される場合にその旨を報知する報知部が設けられる。これにより、報知部により報知を受けたユーザは、手振れの影響を抑制するために上述のようにデータの出力が停止されている状態であることを容易に認識することができる。
【0023】
請求項13の発明では、デコード部による情報コードのデコードを開始する際に所定の操作が行われる操作部が設けられ、出力部は、一部の分割データがデコード部によってデコードされている状態で、操作部に対する上記所定の操作が解除されると、当該一部の分割データを、連結することなく出力する。これにより、所定数の分割情報コードをデコードできない状態が継続する場合には、操作部に対する上記所定の操作を解除することで、ユーザが意図したタイミングにて、それまでにデコードされた上記一部の分割データを出力することができる。
【0024】
請求項14の発明によれば、請求項1等と同様の効果を奏する情報コード読取システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1実施形態に係る情報コード読取装置及び情報コード読取システムの構成を概略的に示す説明図である。
図2】2つの分割情報コードをそれぞれ付した物品がまとめて載置される状態を説明する説明図である。
図3図2の四角破線領域を撮像領域とした撮像画像を例示する説明図である。
図4】第1実施形態において情報コード読取装置の制御部にてなされる読取処理の流れを例示するフローチャートである。
図5】第2実施形態において連結否と判定された2つの分割情報コードのうち分割データが出力される方を説明する説明図である。
図6】第3実施形態において各分割情報コードの近傍に配置される特定コードを説明する説明図である。
図7】第3実施形態において情報コード読取装置の制御部にてなされる読取処理の流れを例示するフローチャートである。
図8】第4実施形態において情報コード読取装置の制御部にてなされる読取処理の流れを例示するフローチャートである。
図9図9(A)は、第1デコードモードで第1分割情報コードがデコードされる際の撮像画像を例示する説明図であり、図9(B)は、第1デコードモードから第2デコードモードに切り替わった直後の撮像画像を例示する説明図であり、図9(C)は、第2デコードモードで第2分割情報コードがデコードされる際の撮像画像を例示する説明である。
図10】第5実施形態において情報コード読取装置の制御部にてなされる読取処理の流れを例示するフローチャートである。
図11】第6実施形態において情報コード読取装置の制御部にてなされる読取処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施形態]
以下、本発明の情報コード読取装置及び情報コード読取システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る情報コード読取装置10は、バーコードやQRコードのような一般的な情報コードに加えて、所定のデータを分割した所定数の分割データがそれぞれ情報コード化された分割情報コードを光学的に読み取り可能な携帯型の読取装置として構成されている。そして、本実施形態に係る情報コード読取システム1は、1又は2以上の情報コード読取装置10と、情報コード読取装置10から取得した読取データ等が逐次記憶されるデータベースを有することで外部機器として機能するホスト50とを備える管理システムとして構成されている。
【0027】
図1に示すように、情報コード読取装置10は、図示しないケースの内部に回路部20が収容されてなるものであり、回路部20は、主に、照明光源21、マーカ光照射部22、受光センサ23、結像レンズ25等の光学系と、メモリ35、制御部40等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系とを備えている。
【0028】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系は、照明光源21とマーカ光照射部22とから構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズとから構成されている。
【0029】
マーカ光照射部22は、受光センサ23による撮像視野の中心を示すマーカ光Lmを照射可能なマーカ光源として機能するもので、例えば、LEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズとから構成されている。なお、図1では、情報コードCが付された読取対象Rに向けて照明光Lfおよびマーカ光Lmを照射する例を概念的に示している。
【0030】
受光光学系は、受光センサ23、結像レンズ25、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ23は、例えば、C-MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を二次元に配列したエリアセンサとして構成されるものであり、受光した情報コードのセル(パターン)ごとに反射光Lrの強度に応じた電気信号を出力するように構成されている。この受光センサ23は、結像レンズ25を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。なお、受光センサ23は、「撮像部」の一例に相当し得る。
【0031】
結像レンズ25は、外部から読取口(図示略)を介して入射する入射光を集光して受光センサ23の受光面23aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光Lf等が情報コードにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ25で集光し、受光センサ23の受光面23aにコード像を結像させている。
【0032】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御部40、操作部41、表示部42、発光部43、ブザー44、バイブレータ45、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御部40およびメモリ35を中心に構成されるもので、上述した光学系によって撮像された情報コードの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。また制御部40は、当該情報コード読取装置10の全体システムに関する制御も行っている。
【0033】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0034】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、上述した画像データ蓄積領域のほかに、制御部40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。また、ROMには、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。また、メモリ35には、撮像した各分割情報コードからそれぞれ読み取った分割データを連結して出力するための読取処理を実行可能なプログラム等も記憶されている。
【0035】
制御部40は、情報コード読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御部40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、操作部41、表示部42、発光部43、ブザー44、バイブレータ45、通信インタフェース48等が接続されている。
【0036】
操作部41は、複数のキーによって構成され、ユーザのキー操作に応じて制御部40に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部40は、操作部41から操作信号を受けたとき、その操作信号に応じた動作を行うように構成されている。表示部42は、公知の液晶表示パネルによって構成されており、制御部40によって表示内容が制御されるようになっている。発光部43は、例えばLEDであって、制御部40からの信号に応じて点灯・点滅するように構成されている。ブザー44は、公知のブザーによって構成されており、制御部40からの動作信号に応じて所定の音を発生(鳴動)させるように構成されている。バイブレータ45は、携帯機器に搭載される公知のバイブレータによって構成されており、制御部40からの駆動信号に応じて振動を発生させるように構成されている。通信インタフェース48は、ホスト50や管理サーバなどの外部機器との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部40と協働して通信処理を行う構成をなしている。
【0037】
次に、本実施形態の特徴的構成について、図面を参照して説明する。
本実施形態では、同じ物品に付される所定数の分割情報コードとして2つの一次元コード(以下、第1分割情報コード及び第2分割情報コードともいう)が採用されており、これら第1分割情報コード及び第2分割情報コードは、セル(パターン)の配列方向に沿って一列となるように配置されている。第1分割情報コード及び第2分割情報コードには、それぞれ上述した分割データに加えて、分割情報コードに関連する情報(分割情報コードであることを示す情報や分割数、連結順など)が光学的に読取可能に記録されている。情報コード読取装置10にて後述するようになされる読取処理では、第1分割情報コードから読み取られた分割データと第2分割情報コードから読み取られた分割データとが連結されて一括でホスト50に出力される。
【0038】
例えば、図2に例示するように、物品Gaには、第1分割情報コードC1a及び第2分割情報コードC2aがセルの配列方向に沿って一列となるように印刷されたラベルLaが付され、物品Gbには、第1分割情報コードC1b及び第2分割情報コードC2bがセルの配列方向に沿って一列となるように印刷されたラベルLbが付される。そして、情報コード読取装置10にて第1分割情報コードC1a及び第2分割情報コードC2aが撮像された場合には、第1分割情報コードC1aから読み取られた分割データと第2分割情報コードC2aから読み取られた分割データとが連結されて生成されたデータ(所定のデータ)がホスト50に出力される。また、情報コード読取装置10にて第1分割情報コードC1b及び第2分割情報コードC2bが撮像された場合には、第1分割情報コードC1bから読み取られた分割データと第2分割情報コードC2bから読み取られた分割データとが連結されて生成されたデータがホスト50に出力される。
【0039】
ところで、所定数の分割情報コードをそれぞれ付した物品がまとめて載置されている状態で個々の物品の各分割情報コードを読み取る際に、1つの物品の分割情報コードと他の物品の分割情報コードとが1つの撮像画像で撮像されてしまう場合がある。例えば、図2の四角破線領域を撮像領域とした図3の撮像画像Pにて例示するように、物品Gaに付された第2分割情報コードC2aと物品Gbに付された第1分割情報コードC1bとが1度に撮像されてしまう場合がある。この場合、第2分割情報コードC2aと第1分割情報コードC1bとがセルの配列方向に沿って一列となるように撮像されて、同じ物品に付された分割情報コードであると誤認されると、それぞれ読み取られた分割データが誤って連結されて、そのデータが出力されてしまうという問題がある。
【0040】
そこで、本実施形態では、分割情報コードの明色系セル(白バー:スペース)及び暗色系セル(黒バー)を囲うマージン領域(図3の符号Ma,Mb参照)が所定の明度(以下、マージン明度ともいう)で形成されることを前提に、撮像された2つの分割情報コードのマージン領域間を構成する領域(以下、コード間領域Sともいう)の明度とマージン明度との比較結果に基づいて、それぞれデコードされる分割データについて連結可否を判定する。具体的には、情報コード読取装置10の制御部40にてなされる読取処理において、撮像された2つの分割情報コードのコード間領域Sの平均明度とマージン明度と明度差が所定の閾値を超える場合に、2つの分割情報コードについて連結否と判定される。
【0041】
各物品のそれぞれに所定数の分割情報コードが付されており、1つの物品の分割情報コードと他の1つの物品の分割情報コードとが1つの撮像画像で撮像される場合、その撮像画像での両分割情報コードの間となるコード間領域Sは、無地のマージン領域とは異なる模様などの領域として撮像されるからである。より具体的には、同じ物品に付された分割情報コードのコード間領域Sの平均明度は、一般的に各分割情報コードが同じ無地のラベルに印刷等されるために、マージン明度にほぼ一致する一方で、異なる物品に付された分割情報コードのコード間領域Sの平均明度は、図3から分かるように、物品の端部や境界線等が模様のように撮像されるために、マージン明度に一致しないからである。なお、上記マージン明度は、ラベルの下地の明度に相当する。また、図2及び図3では、便宜上、マーカ光Lmの図示を省略している。
【0042】
以下、制御部40にて実行される読取処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
操作部41に対して所定の操作等がなされることで制御部40にて読取処理が開始されると、図4のステップS101に示す撮像処理がなされ、撮像視野の中心を示すマーカ光Lmとともに情報コードを読取口を介して撮像可能な状態になる。続いて、ステップS103に示すデコード処理がなされて、撮像された情報コードをデコードするための処理がなされる。このデコード処理が失敗すると(S105でNo)、再び上記ステップS101からの処理がなされて、撮像した情報コードをデコードするための処理が繰り返される。なお、上記ステップS103及び後述する各ステップでのデコード処理を行う制御部40は、「デコード部」の一例に相当し得る。
【0043】
そして、デコード処理が成功すると(S105でYes)、ステップS107の判定処理にて、デコードに成功した情報コードが分割情報コードであるか否かについて判定される。ここで、上記分割データと異なる通常のデータがデコード結果として得られていると、デコードに成功した情報コードが分割情報コードと異なる通常の情報コードであると判定される(S107でNo)。この場合には、ステップS117に示す出力処理がなされて、上述のように読み取られた通常のデータが通信インタフェース48を介してホスト50に送信されて、本読取処理が終了する。なお、上記出力処理を行う制御部40及び通信インタフェース48は、所定数の分割データを連結して所定のデータとして出力する「出力部」の一例に相当し得る。
【0044】
一方、分割データがデコード結果として取得されていると、デコードに成功した情報コードが分割情報コードであると判定される(S107でYes)。この場合には、ステップS109に示すデコード処理にて、上記撮像処理にて撮像された撮像画像に対して別の分割情報コードをデコードするための処理がなされる。このデコード処理が失敗するか分割情報コードと異なる通常の情報コードのデコードに成功すると(S111でNo)、再び上記ステップS101からの処理がなされて、撮像した情報コードをデコードするための処理が繰り返される。なお、上記ステップS109に示すデコード処理では、撮像画像全体を分割した複数の領域の1つにて分割情報コードがデコードされていると、残りの領域にて他の分割情報コードをデコードするための処理を行ってもよい。これにより、残りの領域にて連結すべき他の分割情報コードが撮像されている場合には、その他の分割情報コードを容易にデコードできるので、デコードに要する処理時間を短縮することができる。
【0045】
これに対して、上記ステップS109のデコード処理にて別の分割情報コードのデコードに成功すると(S111でYes)、ステップS113に示す判定処理にて、デコードに成功した各分割情報コードからそれぞれ読み取られた分割データが連結可能であるか否かについて判定される。なお、上記ステップS113の判定処理を行う制御部40は、分割情報コードからデコードされた分割データの連結可否について判定する「判定部」の一例に相当し得る。
【0046】
上記ステップS113の判定処理では、上述したようにコード間領域Sの平均明度とマージン明度との明度差が所定の閾値以下となる場合に、同じ物品に付された分割情報コードをデコードしているとして、連結可と判定される(S113でYes)。この場合には、ステップS115に示す連結処理にて、各分割情報コードからそれぞれデコードされた分割データが連結されて、ステップS117に示す出力処理にて、連結されたデータ(所定のデータ)が通信インタフェース48を介してホスト50に送信される。
【0047】
一方、コード間領域Sの平均明度とマージン明度との明度差が所定の閾値を超えると(S113でNo)、連結すべきでない異なる物品に付された分割情報コードをデコードしているとして、連結否と判定される。例えば、マージン明度が「180」であって所定の閾値が「30」に設定されている場合、コード間領域Sの平均明度が「150」以下又は「210」以上であると、連結否と判定される。この場合には、再び上記ステップS101からの処理がなされて、撮像した情報コードをデコードするための処理が繰り返される。なお、上記所定の閾値は、各分割情報コードが印刷されるラベルや物品表面の模様などに応じて、「30」よりも大きな値(例えば、「50」)に設定されてもよいし、「30」よりも小さな値(例えば、「20」)に設定されてもよい。
【0048】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取装置10及び情報コード読取システム1では、分割情報コード(C1a,C1b,C2a,C2b)は、明色系セル及び暗色系セルを囲うマージン領域(Ma,Mb)が所定の明度(マージン明度)で形成され、複数の分割情報コードが撮像された撮像画像において2つの分割情報コードのマージン領域間を構成するコード間領域Sの明度と上記マージン明度との比較結果に基づいて、2つの分割情報コードからそれぞれデコードされる分割データについて連結可否が判定される。そして、連結可と判定された所定数の分割データが連結されて所定のデータとして出力される。
【0049】
各物品のそれぞれに所定数の分割情報コードが付されており、1つの物品の分割情報コードと他の1つの物品の分割情報コードとが1つの撮像画像で撮像される場合、その撮像画像での両分割情報コードの間となるコード間領域Sは、無地のマージン領域とは異なる模様などの領域として撮像される。このため、1つの物品に付された連結すべき2つの分割情報コードでのコード間領域Sがマージン領域と同じ無地の領域であるとして、コード間領域Sの明度とマージン明度とを比較することで、コード間領域Sが模様などの領域であるか否か、すなわち、連結すべき分割情報コードであるか否かについて判定することができる。これにより、連結可と判定された各分割データを連結することで、意図しない分割データの連結を抑制することができる。
【0050】
特に、本実施形態のように、コード間領域Sの平均明度とマージン明度との明度差が所定の閾値を超える場合に、上記2つの分割情報コードについて連結否と判定されることで、上記所定の閾値を基準に、連結すべき分割情報コードであるか否かについて明確に判定することができる。
【0051】
なお、ステップS113に示す判定処理にて連結否と判定された場合に、その旨を報知部として機能する表示部42の画面表示や発光部43の発光状態、ブザー44の鳴動やバイブレータ45の振動等を利用して報知してもよい。これにより、上記報知を受けたユーザは、連結すべきでない2つの分割情報コードが撮像視野に入っている状態であることを容易に認識することができる。また、ステップS113に示す判定処理にて連結否と判定された場合に、その旨を通信インタフェース48を介してホスト50に報知(送信)してもよい。
【0052】
また、コード間領域Sは、図3に例示するように2つの分割情報コードのマージン領域間を構成する領域に設定されることに限らず、2つの分割情報コードのマージン領域間の一部を構成する領域、例えば、両分割情報コードのそれぞれのマージン領域に連なる線領域に設定されてもよい。
【0053】
また、同じ物品に付される所定数の分割情報コードとして、2つの一次元コード(第1分割情報コード及び第2分割情報コード)が採用されることに限らず、3つ以上の一次元コードが採用されてもよい。各分割情報コードは、セルの配列方向に沿って一列となるように配置される。この場合、上記読取処理では、ステップS113に示す判定処理にて連結可と判定された後に、全ての分割情報コードがデコードされているか否かについて判定し、デコードされていない分割情報コードがある場合に上記ステップS109からの処理を行い、全ての分割情報コードがデコードされている場合に上記ステップS115からの処理を行うことができる。
【0054】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る情報コード読取装置及び情報コード読取システムについて、図面を参照して説明する。
本第2実施形態では、所定の条件において、連結否と判定された2つの分割情報コードのうちユーザが出力を所望する方の分割データを連結することなく出力する点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0055】
ユーザによっては、所定の条件下において、連結否と判定された2つの分割情報コードのうち一方だけでも連結することなく出力したい場合がある。そこで、本実施形態では、上記所定の条件、例えば、所定数の分割情報コードをデコードできない時間が一定時間経過した場合に、2つの分割情報コードのうち撮像画像の中心に近い分割情報コードをユーザが単独で出力を所望する方として、その分割データを連結することなくホスト50に出力する。
【0056】
例えば、図5に例示する撮像状態では、第2分割情報コードC2a及び第1分割情報コードC1bについてコード間領域Sの平均明度とマージン明度と明度差が所定の閾値を超えるために連結否と判定されていると、上記所定の条件下で、撮像画像の中心に近い第2分割情報コードC2aの分割データがホスト50に出力される。
【0057】
このため、全ての分割情報コードをデコードできない場合に、ユーザが出力を所望する1つの分割データだけでも出力することができる。
【0058】
本実施形態の変形例として、上記所定の条件において、連結否と判定された2つの分割情報コードのうち撮像画像においてマーカ光Lmに近い分割情報コード(図5の第2分割情報コードC2a参照)の分割データを、ユーザが単独で出力を所望する方として、その分割データを連結することなくホスト50に出力してもよい。このようにしても、全ての分割情報コードをデコードできない場合に、ユーザが出力を所望する1つの分割データだけでも出力することができる。
【0059】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る情報コード読取装置及び情報コード読取システムについて、図面を参照して説明する。
本第3実施形態では、各分割データが連結された所定のデータを光学的に読み取り可能に記録した特定のフォーマットの情報コードが各分割情報コードとともに撮像されるように配置される点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0060】
本実施形態では、各分割データが連結された所定のデータを光学的に読み取り可能に記録した特定のフォーマットの情報コード(以下、特定コードQともいう)としてQRコードが採用されている。特定コードQは、図6に例示するように、関連する第1分割情報コードC1c及び第2分割情報コードC2cとともにラベルLcに印刷されて物品Gcに付されている。そして、本実施形態における読取処理では、1つの撮像画像に対して1つの分割情報コードのデコードが成功した後に上述した特定コードQのデコードが成功すると、残りの分割情報コードのデコードを行うことなく、特定コードQから読み取ったデータ(各分割データが連結された所定のデータ)が出力される。
【0061】
以下、本実施形態において、制御部40にてなされる読取処理について、図7に示すフローチャートを参照して詳述する。
上記第1実施形態と同様に、制御部40にて読取処理が開始されて、最初にデコードに成功した情報コードから分割データが取得されることから、図7のステップS107の判定処理にてYesと判定されると、ステップS121に示すデコード処理がなされて、1つ目の分割情報コードのデコードに成功した撮像画像に対して特定コードQをデコードするための処理がなされる。
【0062】
ここで、特定コードQのデコードに成功すると(S123でYes)、次の分割情報コードをデコードすることなく、特定コードQから読み取ったデータが通信インタフェース48を介してホスト50に送信される(S117)。
【0063】
一方、特定コードQのデコードに失敗した場合には(S123でNo)、上記ステップS109に示すデコード処理がなされて、次の分割情報コードをデコードするための処理がなされる。
【0064】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取装置10及び情報コード読取システム1では、1つの撮像画像に対する分割情報コードのデコードが成功すると、当該1つの撮像画像に対して特定コードQをデコードするための処理を行い(S121)、特定コードQのデコードが成功した場合に(S123でYes)、当該特定コードQのデコード結果を所定のデータとして出力して分割データを出力しない(S117)。
【0065】
このように、特定コードQとして、一次元コードに対してデータ記録量が多いQRコードを採用することで、そのQRコードからデータがデコードされる場合には、個々の分割情報コードをデコードする必要ないので、不要なデコード及びデータの連結をなくすことができる。なお、特定コードQとして、QRコードを採用することに限らず、他の種別の二次元コード、例えば、データマトリクス等を採用することでも、そのデータマトリクス等からデータがデコードされる場合には、個々の分割情報コードをデコードする必要ないので、不要なデコード及びデータの連結をなくすことができる。
【0066】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る情報コード読取装置及び情報コード読取システムについて、図面を参照して説明する。
本第4実施形態では、デコード対象を、撮像画像全体とする第1デコードモードと、撮像画像のうちマーカ光Lmが照射されている情報コードとする第2デコードモードとを切り替える点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0067】
本実施形態では、分割データが誤って連結されて出力されることを防止するため、ユーザがマーカ光Lmを利用して選択した分割情報コードから読み取られた分割データを連結して出力する。より具体的には、デコード対象を、撮像画像全体とする第1デコードモードと、撮像画像のうちマーカ光Lmが照射されている情報コードとする第2デコードモードとを用意する。そして、第1デコードモードにて1つ目の分割情報コードがデコードされると、第2デコードモードに切り替え、この第2デコードモードにて残りの分割情報コードに順次マーカ光Lmが照射されてそれぞれ分割データがデコードされることで、各分割データが連結されたデータを出力する。
【0068】
これにより、マーカ光Lmが照射されていない分割情報コードがデコードされることもないので、連結すべきでない分割情報コード(例えば、異なる物品等に付された分割情報コード)のデコードが防止される。特に、本実施形態では、読取処理の開始直後において、デコード対象が撮像画像全体とされる第1デコードモードに設定されてマーカ光Lmが照射されず、この第1デコードモードにて1つの分割情報コードのデコードに成功することで第2デコードモードに切り替えられると、この第2デコードモードにてデコード対象を選択するためにマーカ光Lmがされる。なお、デコード対象を、撮像画像全体とする第1デコードモードと、撮像画像のうちマーカ光Lmが照射されている情報コードとする第2デコードモードとを切り替るための処理を行う制御部40は、「モード切替部」の一例に相当し得る。
【0069】
以下、本実施形態において、制御部40にてなされる読取処理について、図8に示すフローチャートを参照して詳述する。
操作部41に対して所定の操作等がなされることで制御部40にて読取処理が開始されると、図8のステップS101に示す撮像処理がなされ、読取口を介して情報コードを撮像可能な状態になる。なお、第1実施形態等と異なり、上述のように読取処理の開始直後において第1デコードモードに設定されている本実施形態では、マーカ光Lmが照射されない状態で分割情報コード等を撮像可能な状態になる。
【0070】
そして、マーカ光Lmが照射されない状態で撮像された最初の分割情報コードから分割データが取得されると(S107でYes)、ステップS131に示すマーカ光照射処理がなされる。この処理により、撮像視野の中心を示すようにマーカ光Lmが照射されて、このマーカ光Lmが照射されている情報コードをデコード対象とする第2デコードモードに切り替えられる。
【0071】
このように第2デコードモードに切り替えられた後に、再び撮像処理がなされ(S135)、その撮像画像でのマーカ光Lmの位置が取得されると(S137)、ステップS139に示すデコード処理がなされる。この処理では、当該撮像画像においてマーカ光Lmが照射されている分割情報コードが写り込む可能性のある範囲に対して分割情報コードをデコードするための処理がなされる。
【0072】
続いて、ステップS141の判定処理にて、全分割データが取得されているか否かについて判定される。ここで、上記デコード処理が失敗するか、分割情報コードのデコードに成功してもデコードされていない残りの分割情報コードがある場合には、上記ステップS141にてNoと判定され、上記ステップS131からの処理が繰り返されて、第2デコードモードが維持される。
【0073】
その後、予定される全ての分割情報コードのデコードに成功することで、全分割データが取得されると(S141でYes)、ステップS115に示す連結処理にて、各分割情報コードからそれぞれデコードされた分割データが連結される。そして、ステップS117に示す出力処理にて、連結されたデータ(所定のデータ)が通信インタフェース48を介してホスト50に送信されることで、本読取処理が終了し、マーカ光Lmの照射も停止される。そして、再度、読取処理が開始された直後では、第1デコードモードに設定されているため、連結されたデータが出力されると、第2デコードモードから第1デコードモードに切り替えることになる。
【0074】
例えば、第1デコードモードにおいて図9(A)に例示する撮像画像Pが撮像されることで第1分割情報コードC1dのデコードに成功すると、図9(B)に例示する撮像画像Pのように、第2デコードモードに切り替えられてマーカ光Lmが照射される。この第2デコードモードでは、図9(B)に例示する撮像画像Pのようにマーカ光Lmが照射されていない第2分割情報コードC2dはデコード対象にならない。その後、マーカ光Lmが第2分割情報コードC2dに照射されるように読取口を第2分割情報コードC2dに向けることで、図9(C)に例示する撮像画像Pが撮像されると、その撮像画像Pにおいて第2分割情報コードC2dはデコード対象になる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取装置10及び情報コード読取システム1では、デコード対象を、撮像画像全体とする第1デコードモードと、撮像画像のうちマーカ光Lmが照射されている情報コードとする第2デコードモードとを切り替え可能に構成される。そして、第1デコードモードにて1つ目の分割情報コードがデコードされると(S107でYes)、第2デコードモードに切り替えられ、通信インタフェース48を介してデータが出力されると(S117)、次の読取処理開始時には第2デコードモードから第1デコードモードに切り替えられる。
【0076】
これにより、2つ目以降の分割情報コードをデコードするためには、その分割情報コードにマーカ光Lmを照射する必要があり、マーカ光Lmが誤って照射されない限り、連結すべきでない分割情報コードがデコードされることはない。このため、意図しない分割データの連結を抑制することができる。
【0077】
特に、本実施形態における読取処理では、第1デコードモード時には、マーカ光照射部22からマーカ光Lmを照射されない。これにより、2つ目以降の分割情報コードを読み取る際にマーカ光Lmが照射され、通常の情報コード又は1つ目の分割情報コードを読み取る際にはマーカ光Lmが照射されないので、マーカ光Lmの照射状態を見たユーザは、1つ目の分割情報コードが読み取られて2つ目以降の分割情報コードを読み取っている状態であることを容易に認識することができる。特に、通常の情報コード又は1つ目の分割情報コードを読み取り作業に関しては、マーカ光Lmが照射されないので、ラフな読み取り動作を許容することができる。
【0078】
なお、第1デコードモード時に複数の情報コードが撮像されていると、ステップS103におけるデコード処理では、撮像画像の中心に近い情報コードから順にデコードを行ってもよい。これにより、撮像画像の中心に近い情報コード、すなわち、ユーザがデコード対象として認識している情報コードから順にデコードされるので、1つ目の分割情報コードのデコードに要する処理時間を短縮することができる。
【0079】
また、読取対象や使用環境等によっては、第1デコードモード時でもマーカ光照射部22からマーカ光Lmが照射されてもよい。このような構成では、第1デコードモード時に複数の情報コードが撮像されていると、ステップS103におけるデコード処理では、マーカ光Lmに近い情報コードから順にデコードを行うこともできる。これにより、マーカ光Lmに近い情報コード、すなわち、ユーザがデコード対象として認識している情報コードから順にデコードされるので、1つ目の分割情報コードのデコードに要する処理時間を短縮することができる。
【0080】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る情報コード読取装置及び情報コード読取システムについて、図面を参照して説明する。
本第5実施形態では、第2デコードモード時での分割情報コードの選択に関して手振れ等の影響を抑制する点が、上記第4実施形態と主に異なる。したがって、第4実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0081】
撮像されたマーカ光Lmの位置をその撮像画像において算出した後に、新たに撮像された撮像画像にて、その算出されたマーカ光Lmの位置に基づいてデコードすべき分割情報コードを選択する構成では、大きく手振れした状態で撮像していると、誤った分割情報コードが選択されてしまう可能性がある。
【0082】
そこで、本実施形態における読取処理では、第2デコードモード時に連続撮像される撮像画像のブレ量を算出し、この算出されたブレ量が所定量以上になると、通信インタフェース48を介したデータの出力を停止する。
【0083】
以下、本実施形態において、制御部40にてなされる読取処理について、図10に示すフローチャートを参照して詳述する。
上記第4実施形態と同様に、制御部40にて読取処理が開始されて、最初にデコードに成功した情報コード(分割情報コード)から分割データが取得されることで、図10のステップS107の判定処理にてYesと判定されると、マーカ光Lmが照射されて(S131)、第2デコードモードに切り替えられる。
【0084】
そして、再び撮像処理がなされ(S135)、その撮像画像でのマーカ光Lmの位置が取得されると(S137)、ステップS151の判定処理にて、連続撮像回数Npが一定回数Nth以上であるか否かについて判定される。連続撮像回数Npは、第2デコードモードに切り替えられてから連続で撮像される際の撮像回数に相当するもので、第2デコードモードに切り替えられてから直後の撮像であるために、連続撮像回数Npが一定回数Nth未満であると、上記ステップS151にてNoと判定されて、上記ステップS131からの処理が繰り返される。
【0085】
その後、マーカ光Lmが照射された状態にて所定時間連続撮像されることで、連続撮像回数Npが一定回数Nth以上になると(S151でYes)、ステップS153に示すブレ量算出処理がなされる。この処理では、連続画像において順次変化するマーカ光の位置から上記所定時間でのマーカ光移動量を求め、このように求めたマーカ光移動量が連続撮像される撮像画像のブレ量として算出される。なお、上記ステップS153のブレ量算出処理を行う制御部40は、「算出部」の一例に相当し得る。
【0086】
そして、ステップS155に示す判定処理にて、上述のように算出されたブレ量が所定量以上であるか否かについて判定される。ここで、上記所定量は、手振れの影響が大きい場合に算出されるブレ量に応じて設定されており、算出されたブレ量が上記所定量未満である場合には、上記ステップS139以降の処理がなされる。なお、ステップS139では、連続撮像された撮像画像の1つ(例えば、直前に撮像された撮像画像)に対してデコード処理を行ってもよいし、2以上の撮像画像に対してそれぞれデコード処理を行ってもよい。
【0087】
一方、算出されたブレ量が上記所定量以上となる場合には、手振れの影響が大きいとして、それまでにデコードされた分割データの連結及び出力が停止されて、本読取処理が終了する。
【0088】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取装置10及び情報コード読取システム1では、上記ブレ量算出処理にて算出されるブレ量が所定量以上になると(S155でYes)、分割データの出力等が停止される。このように、算出された撮像画像のブレ量が所定量以上になる場合にはデータの出力を停止することで、手振れの影響で連結すべきでない分割情報コードの分割データが連結されて出力されることを抑制することができる。
【0089】
なお、連続撮像される撮像画像のブレ量は、上述のようにマーカ光移動量から求められることに限らず、例えば、連続画像において順次変化する情報コード(分割情報コード)の位置から上記所定時間での情報コードの移動量を求めて、このように求めた情報コードの移動量から算出されてもよい。
【0090】
また、ステップS155に示す判定処理にてブレ量が上記所定量以上と判定された場合に、その旨を報知部として機能する表示部42の画面表示や発光部43の発光状態、ブザー44の鳴動やバイブレータ45の振動等を利用して報知してもよい。これにより、上記報知を受けたユーザは、手振れの影響を抑制するために上述のようにデータの出力が停止されている状態であることを容易に認識することができる。また、ステップS155に示す判定処理にてブレ量が上記所定量以上と判定された場合に、その旨を通信インタフェース48を介してホスト50に報知(送信)してもよい。
【0091】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る情報コード読取装置及び情報コード読取システムについて、図面を参照して説明する。
本第6実施形態では、ユーザが意図したタイミングで分割データを単独出力可能とする点が、上記第4実施形態と主に異なる。したがって、第4実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0092】
所定数の分割情報コードのうち汚れの付着等の理由で一部の分割情報コードがデコードできない場合がある。このような場合、例えば、そのデコード不能な状態が一定時間経過した際に、デコードできた一部の分割データを出力することはできるが、その出力タイミングをユーザが知ることはできなかった。
【0093】
そこで、本実施形態では、操作部41に対する所定の操作(以下、トリガ操作ともいう)を行うことで制御部40にて読取処理が開始されることを前提に、一部の分割情報コードがデコードできない状態で上記トリガ操作が解除されると、デコードできた一部の分割データを連結することなく出力する。
【0094】
以下、本実施形態において、制御部40にてなされる読取処理について、図11に示すフローチャートを参照して詳述する。
操作部41に対して上記トリガ操作が行われることで制御部40にて読取処理が開始され、最初にデコードに成功した情報コード(分割情報コード)から分割データが取得されることで、図11のステップS107の判定処理にてYesと判定されると、マーカ光Lmが照射されて(S131)、第2デコードモードに切り替えられる。
【0095】
この第2デコードモードにて、再び撮像処理がなされ(S135)、その撮像画像でマーカ光Lmが照射されている情報コードをデコードするための処理がなされる(S139)。そして、上記デコード処理が失敗するか、次の分割情報コードのデコードに成功してもデコードされていない残りの分割情報コードがある場合には(S141でNo)、ステップS161に示す判定処理にて、トリガ操作が解除されているか否かについて判定される。ここで、読取処理を開始する際のトリガ操作がそのまま維持された状態であると、ステップS161にてNoと判定され、上記ステップS131からの処理が繰り返されて、第2デコードモードが維持される。
【0096】
そして、一部の分割情報コードがデコードできないために上記ステップS131からの処理が繰り返される間に、ユーザによって操作部41に対するトリガ操作が解除されると、ステップS161にてYesと判定される。この場合には、ステップS163に示すデータ出力処理がなされ、それまでにデコードできた一部の分割データが通信インタフェース48を介してホスト50に送信されて、本読取処理が終了する。
【0097】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード読取装置10及び情報コード読取システム1では、一部の分割データがデコードされている状態で、操作部41に対するトリガ操作が解除されると、当該一部の分割データが、連結されることなく出力される。
【0098】
これにより、所定数の分割情報コードをデコードできない状態が継続する場合には、操作部41に対する上記トリガ操作を解除することで、ユーザが意図したタイミングにて、それまでにデコードされた上記一部の分割データを出力することができる。
【0099】
なお、本発明は上記各実施形態等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)情報コード読取装置10は、携帯型の読取装置として構成されることに限らず、撮像機能等の一部の機能が携帯可能な筐体に収容されて残りの機能が据置型の別の筐体に収容されるように構成されてもよい。
【0100】
(2)上記ステップS113の判定処理では、1つの撮像画像での2つの分割情報コードのコード間領域Sとマージン明度とを比較することに限らず、2つの撮像画像を合成した合成撮像での2つの分割情報コードのコード間領域Sとマージン明度とを比較してもよい。
【符号の説明】
【0101】
1…情報コード読取システム
10…情報コード読取装置
22…マーカ光照射部
23…受光センサ(撮像部)
40…制御部(デコード部,判定部,出力部,モード切替部,算出部)
41…操作部
42…表示部(報知部)
43…発光部(報知部)
44…ブザー(報知部)
45…バイブレータ(報知部)
48…通信インタフェース(出力部)
50…ホスト(外部機器)
C1a,C1b,C1c,C1d…第1分割情報コード
C2a,C2b,C2c,C2d…第2分割情報コード
Ga,Gb,Gc…物品
La,Lb,Lc…ラベル
Lm…マーカ光
Ma,Mb…マージン
Q…特定コード
S…コード間領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11