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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015769
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】シュレッダー
(51)【国際特許分類】
   B02C 18/06 20060101AFI20230125BHJP
   B02C 18/24 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
B02C18/06 A
B02C18/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119734
(22)【出願日】2021-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000170347
【氏名又は名称】株式会社オリエンタル
(71)【出願人】
【識別番号】514123967
【氏名又は名称】株式会社Greenway
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 徹治
(72)【発明者】
【氏名】江口 淳
(72)【発明者】
【氏名】大塚 政尚
【テーマコード(参考)】
4D065
【Fターム(参考)】
4D065CA12
4D065CB02
4D065CC01
4D065CC09
4D065DD08
4D065EB12
4D065ED06
4D065ED18
4D065ED29
4D065EE04
4D065EE07
4D065EE13
4D065EE15
(57)【要約】
【課題】被細断物を細断する回転刃を回転させる回転軸の軸方向のトルクの差を小さくする。
【解決手段】シュレッダー10の細断機構100は、複数の主回転刃112が軸方向に並んで設けられ左右の端部110AL、110ARがフレーム180に支持された主回転軸110と、主回転刃112と共働して書類を細断する複数の副回転刃122が軸方向に並んで設けられ左右の端部120AL、120ARがフレーム180に支持されると共に主回転軸110に従動回転する副回転軸120と、両軸モータ160から駆動力を主回転軸110の左右の端部110AL、110ARにそれぞれ伝達する駆動力伝達機構150と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の主回転刃が軸方向に並んで設けられ、両端部がフレームに支持された主回転軸と、
前記主回転刃と共働して被細断物を細断する副刃機構部と、
一つの駆動源から駆動力を前記主回転軸の両端部にそれぞれ伝達する駆動力伝達機構と、
を備えたシュレッダー。
【請求項2】
前記副刃機構部は、
前記主回転刃と共働して前記被細断物を細断する複数の副回転刃が軸方向に並んで設けられ、両端部が前記フレームに支持されると共に前記主回転軸に従動回転する副回転軸を有している、
請求項1に記載のシュレッダー。
【請求項3】
前記主回転軸の両端部にそれぞれ設けられた主従動ギヤと、
前記副回転軸の両端部にそれぞれに設けられ、前記主従動ギヤに噛み合う副従動ギヤと、
を有している、
請求項2に記載のシュレッダー。
【請求項4】
前記駆動力伝達機構は、
両端部が前記フレームに支持され、両端部からそれぞれ前記主回転軸の端部に駆動を伝達する中間軸を有している、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のシュレッダー。
【請求項5】
前記駆動源は、両側からそれぞれ駆動軸が突出する両軸モータであり、
前記駆動力伝達機構は、
前記両軸モータの一方の前記駆動軸から前記主回転軸の一端部に駆動力を伝達し、前記両軸モータの他方の前記駆動軸から前記主回転軸の他端部に駆動力を伝達する、
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のシュレッダー。
【請求項6】
前記駆動源は、片側から駆動軸が突出する片軸モータであり、
前記駆動力伝達機構は、
前記片軸モータの前記駆動軸から前記中間軸に駆動力を伝達する、
請求項4に記載のシュレッダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュレッダーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、事務処理等において大量に発生する廃棄書類等を細断するシュレッダーに関する技術が開示されている。この先行技術では、縦切り用カッターの駆動軸にはギヤが取付けられ、駆動モータに取付けられたギヤと噛合して、駆動モータの駆動力を伝達している。
【0003】
特許文献2には、タイヤ、アルミニウムフレーム、木のパネル、家庭用工具、電気スクラップ材料及び伝導体のようなリサイクルすることができる産業ごみを受けるホッパーを内蔵するタイプの産業ごみを切断するためのシュレッダーに関する技術が開示されている。この先行技術では、ロータは、両端で、二つのモータから、各減速ギヤを介して駆動されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-018302号公報
【特許文献2】特表2007-534480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シュレッダーの回転軸に設けられた被細断物を細断する複数の回転刃は、軸方向の一端側と他端側とでトルクの差が大きいと、細断に大きな力が必要になる。よって、回転刃を回転させるトルクを軸方向でできるだけ均一にすることが望ましいと考えられる。
【0006】
特許文献1の廃棄書類等を細断するシュレッダーは、回転軸の一端側からのみ駆動力が伝達されるので、軸方向の一端側と他端側とでトルクの差が大きくなる。
【0007】
特許文献2の産業ごみを切断するためのシュレッダーは、二つのモータで一つの回転軸を駆動する。小型の精密モータ等でない二つのモータの駆動力や回転数等を完全に一致させることは困難であり、軸方向の一端側と他端側とでトルクの差が発生すると考えられる。
【0008】
本発明は、上記事実を鑑み、被細断物を細断する回転刃を回転させる回転軸の軸方向のトルクの差を小さくすることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第一態様は、複数の主回転刃が軸方向に並んで設けられ、両端部がフレームに支持された主回転軸と、前記主回転刃と共働して被細断物を細断する副刃機構部と、一つの駆動源から駆動力を前記主回転軸の両端部にそれぞれ伝達する駆動力伝達機構と、を備えたシュレッダーである。
【0010】
第一態様のシュレッダーでは、主回転軸に設けられた複数の主回転刃と副刃機構部とが共働して被細断物を細断する。駆動力伝達機構は、一つの駆動源から駆動力を主回転軸の両端部にそれぞれ伝達する。
【0011】
したがって、主回転軸の一端側からのみ駆動力を伝達する場合と比較し又は主回転軸の両端部にそれぞれ別の駆動源から駆動力を伝達する場合と比較し、主回転軸の軸方向のトルクの差が小さい。
【0012】
第二態様は、前記副刃機構部は、前記主回転刃と共働して前記被細断物を細断する複数の副回転刃が軸方向に並んで設けられ、両端部が前記フレームに支持されると共に前記主回転軸に従動回転する副回転軸を有している、第一態様に記載のシュレッダーである。
【0013】
第二態様のシュレッダーでは、副回転軸に設けられた複数の副回転刃が主回転刃と共働して被細断物を細断するので、固定刃が主回転刃と共働して被細断物を細断する場合と比較し、主回転軸にかかるトルクが小さく、小さな力で細断できる。
【0014】
第三態様は、前記主回転軸の両端部にそれぞれ設けられた主従動ギヤと、前記副回転軸の両端部にそれぞれに設けられ、前記主従動ギヤに噛み合う副従動ギヤと、を有している、第二態様に記載のシュレッダーである。
【0015】
第三態様のシュレダーの細断機構では、主回転軸の両端部にそれぞれ設けられた主従動ギヤに、副回転軸の両端部にそれぞれに設けられた副従動ギヤが噛み合うことで、副回転軸が従動回転する。
【0016】
したがって、主回転軸及び副回転軸の一方の端部のみに主従動ギヤ及び副従動ギヤが設けられている場合と比較し、副回転軸の軸方向のトルクの差が小さい。
【0017】
第四態様は、前記駆動力伝達機構は、両端部が前記フレームに支持され、両端部からそれぞれ前記主回転軸の端部に駆動を伝達する中間軸を有している、第一態様~第三態様のいずれか一態様に記載のシュレッダーである。
【0018】
第四態様のシュレダーの細断機構では、中間軸の両端部からそれぞれ主回転軸の端部に駆動を伝達することで、主回転軸の両端部にそれぞれ変速(トルク変換)された駆動力が伝達される。
【0019】
第五態様は、前記駆動源は、両側からそれぞれ駆動軸が突出する両軸モータであり、前記駆動力伝達機構は、前記両軸モータの一方の前記駆動軸から前記主回転軸の一端部に駆動力を伝達し、前記両軸モータの他方の前記駆動軸から前記主回転軸の他端部に駆動力を伝達する、第一態様~第四態様のいずれか一態様に記載のシュレッダーである。
【0020】
第五態様のシュレッダーでは、両軸モータの一方の駆動軸から主回転軸の一端部に駆動力を伝達し、他方の駆動軸から主回転軸の他端部に駆動力を伝達するので、中間軸を設ける必要がない。或いは、中間軸がある場合は、中間軸のねじれが抑制される。
【0021】
第六態様は、前記駆動源は、片側から駆動軸が突出する片軸モータであり、前記駆動力伝達機構は、前記片軸モータの前記駆動軸から前記中間軸に駆動力を伝達する、第四態様に記載のシュレッダーである。
【0022】
第六態様のシュレッダーでは、片軸モータであっても駆動軸から中間軸に駆動力を伝達することで、主回転軸の両端部に駆動が伝達される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、被細断物を細断する回転刃を回転させる主回転軸の軸方向のトルクの差を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】(A)は第一実施形態のシュレッダーの細断機構を右側から見た斜視図であり、(B)は左側から見た斜視図である。
図2】(A)は図1(A)の要部を図示した斜視図であり、(B)は図1(B)の要部を図示した斜視図である。
図3】第一実施形態のシュレッダーの細断機構の要部の平面図である。
図4】第二実施形態のシュレッダーの細断機構の要部の平面図である。
図5】第三実施形態のシュレッダーの細断機構の要部の平面図である。
図6】シュレッダーの構造を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第一実施形態>
本発明のシュレッダーの細断機構の第一実施形態について説明する。なお、水平方向の直交する二方向をX方向及びY方向とし、それぞれ矢印X及び矢印Yで示す。また、X方向及びY方向と直交する鉛直方向をZ方向とし、矢印Zで示す。また、X方向を左右方向とし、Y方向を前後方向とする。
【0026】
[構造]
先ず、シュレッダーの細断機構の構造について説明する。
【0027】
図6に示すように、本実施形態のシュレッダー10は、前面に図示されていない開閉扉が設けられ、上面に被細断物の一例としての書類SAの投入口12が設けられている。シュレッダー10の内部における投入口12の下には、後述する主回転刃112及び副回転刃122(図1(A)及び図2(B)参照)で書類SAを細断する細断機構100が設けられている。細断機構100の下には、細断された細断屑SBを収納する屑箱14が設けられている。屑箱14は、前述した図示されていない開閉扉を開くことで、出し入れ可能となっている。
【0028】
図1(A)、図1(B)、図2(A)、図2(B)及び図3に示すように、細断機構100は、主回転軸110及び副回転軸120と、両軸モータ160等を有する駆動力伝達機構150と、を有して構成されている。なお、本実施形態では、主回転軸110及び副回転軸120の軸方向はX方向に沿って配置されていると共に主回転軸110及び副回転軸120はY方向に間隔をあけて平行に配置されている。
【0029】
図1(A)及び図1(B)に示すように細断機構100は、主回転軸110及び副回転軸120を支持するフレーム180を有している。フレーム180は、図における左側の側板フレーム182L及び右側の側板フレーム182Rを有して構成されている。なお、本実施形態のフレーム180は、板金で構成されているが、これに限定されるものではない。また、フレーム180は、下端部がシュレッダー10の図示されていない筐体に固定されている。
【0030】
なお、以降、図における左側の部材又は部位には符号の後にLを付し、図における右側の部材又は部位には符号の後にRを付す。また、後述する各ギヤも符号の後にL又はRを付している。これら各ギヤは、符号が同じであれば、左右の配置が異なるだけで同じ仕様のギヤである。つまり、符号が同じギヤは左右一対である。別の観点から説明すると、本実施形態における細断機構100及び駆動力伝達機構150は、両軸モータ160の形状を除き基本的には左右対称の構造である。なお、左右を区別して説明する必要がない場合は、L及びRを省略して説明する場合がある。また、これらは、後述する第二実施形態及び第三実施形態でも同様である。
【0031】
主回転軸110は、左右の端部110AL、110AR(図3参照)がそれぞれ側板フレーム182L、182Rに軸受184L(図1(A))及び軸受184R(図1(B))を介して支持されている。
【0032】
主回転軸110には、主回転刃112及び剥離板116が挿通されている。なお、図では、主回転刃112及び剥離板116は軸方向の中央に一つのみ図示されているが、実際には、複数の主回転刃112(図1(A))及び複数の剥離板116が、軸方向に交互に間隔をあけて並んで挿通されている。また、主回転刃112(図1(A))には、周縁部に複数の切刃部114(図1(A))が形成されている。
【0033】
同様に、副回転軸120は、左右の端部120AL、120AR(図3も参照)がそれぞれ左右の側板フレーム182L、182Rに軸受184L(図1(A))及び軸受184R(図1(B))を介して支持されている。副回転軸120には、副回転刃122(図1(A))及び剥離板126が挿通されている。同様に、図では、副回転刃122(図1(A))及び剥離板126では軸方向の中央に一つのみ図示されているが、実際には、複数の副回転刃122(図1(A))及び複数の剥離板126が、軸方向に交互に間隔をあけて並んで挿通されている。また、副回転刃122(図1(A))には、周縁部に複数の切刃部124(図1(A))が形成されている。
【0034】
本実施形態における主回転軸110及び副回転軸120は断面が略多角形状とされ(図2(A)及び図2(B)も参照)、これら主回転軸110及び副回転軸120に、同形状の多角形状の孔が形成された主回転刃112及び副回転刃122が挿通されている。なお、主回転軸110及び副回転軸120の端部110AL、110AR、120AL、120ARとは、主回転刃112及副回転刃122が設けられている領域の軸方向の外側である。
【0035】
各剥離板116、126は、X方向から見た形状が略V字状とされ、V字の頂部が主回転軸110及び副回転軸120に挿通されている。また、各剥離板116、126のV字の端部に形成された挿通孔に、それぞれ丸棒材118、128が挿通している。丸棒材118、128は、両端部が左右の側板フレーム182L、182Rに固定されている。丸棒材118、128は、フレーム180の剛性を上げる部材としても機能する。
【0036】
なお、後述する図2及び図3、更には後述する第二実施形態の図4及び第三実施形態の図5では、判り易くするため、フレーム180、主回転刃112、副回転刃122、剥離板116、126及び丸棒材118、128等の図示を省略している。
【0037】
図2(A)、図2(B)及び図3に示すように、主回転軸110の軸方向両側の端部110AL、110AR(図3)には、それぞれ駆動ギヤ152L、152Rが設けられている(図1も参照)。主回転軸110の軸方向両側の駆動ギヤ152L、152Rのそれぞれの内側には、主従動ギヤ154L(図2(A)及び図3)及び主従動ギヤ154R(図2(B)及び図3)が設けられている。また、副回転軸の軸方向両側の端部120AL、120AR(図3)には、それぞれ主従動ギヤ154L、154Rに噛み合う副従動ギヤ156L(図2(A)及び図3)及び副従動ギヤ156Rが設けられている。なお、主従動ギヤ154L、154R(図2(A)及び図3)及び副従動ギヤ156L(図2(A)及び図3)は、同一の仕様のギヤである。
【0038】
図1(A)及び図1(B)に示すように、駆動力伝達機構150は、駆動源の一例としての両軸モータ160と、モータギヤ164L、164Rと、を有している。両軸モータ160は、下端部がシュレッダー10の図示されていない筐体に固定されている。
【0039】
両軸モータ160は、左右両側からそれぞれ駆動軸162L、162Rが突出している。駆動軸162L、162Rは、それぞれ端部162AL、162ARが側板フレーム182L、182Rに軸受184L(図1(A))及び軸受184R(図1(B))を介して支持されている。
【0040】
図2(A)、図2(B)及び図3に示すように、両軸モータ160の駆動軸162L、162Rの端部162AL、162ARには、駆動ギヤ152L、152Rに噛み合うモータギヤ164L、164Rが設けられている。
【0041】
図6に示すように、本実施形態のシュレッダー10は、両軸モータ160(図3等を参照)の駆動を制御する制御部20が設けられている。制御部20が、図3に示す両軸モータ160を正回転させると、モータギヤ164及び駆動ギヤ152を介して主回転軸110が回転すると共に主従動ギヤ154及び副従動ギヤ156によって副回転軸120が従動回転する。これにより、複数の主回転刃112及び複数の副回転刃122(図1を参照)が共働し、図6に示す投入口12から投入された書類SAが細断される。細断された細断屑SBは屑箱14に落下して収容される。
【0042】
図6に示す制御部20は、書類SAの枚数が規定枚数よりも多く投入されて細断が止まる等で、両軸モータ160(図3を参照)の負荷が閾値を超えると、両軸モータ160の正回転を止めると共に逆回転させて細断中の書類SAを押し出す所謂オートリバースを作動させる機能を有している。
【0043】
[作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0044】
本実施形態のシュレッダー10の細断機構100では、主回転軸110に設けられた複数の主回転刃112と、主回転軸110に従動回転する副回転軸120に設けられた複数の副回転刃122と、が共働して書類SAを細断する。駆動力伝達機構150は、両軸モータ160から駆動力を主回転軸110の両側の端部110AL、110ARにそれぞれ伝達する。
【0045】
したがって、主回転軸110の端部110AL又は端部110ARの一方からのみ駆動力を伝達する場合と比較し又は主回転軸110の左右の端部110AL、110ARにそれぞれ別の駆動源から駆動力を伝達する場合と比較し、主回転軸110の軸方向のトルクの差が小さくなる。
【0046】
また、両軸モータ160から駆動力を主回転軸110の左右の端部110AL、110ARにそれぞれ伝達することで、フレーム180への負担が低減されると共にフレーム180のねじれが抑制される。よって、この点においても、主回転軸110の軸方向のトルクの差が小さくなる。
【0047】
また、本実施形態では、主回転軸110の端部110AL、110ARにそれぞれ設けられた主従動ギヤ154L、154Rに、副回転軸120の端部120AL、120ARにそれぞれに設けられた副従動ギヤ156L、156Rが噛み合うことで、副回転軸120が従動回転する。
【0048】
したがって、主回転軸110及び副回転軸120の左右一方の端部のみに主従動ギヤ154及び副従動ギヤ156が設けられている場合と比較し、副回転軸120の軸方向のトルクの差が小さくなる。
【0049】
このように、主回転軸110及び副回転軸120のトルクの差が小さくなることで、書類SAを細断する消費電力(力)が低減するので、消費電力当たりの書類SAの細断枚数を増加することができる。別の観点から説明すると、主回転軸110及び副回転軸120のトルクの差が小さくなることで、オートリバースが作動する細断枚数が増加する。
【0050】
また、フレーム180の左右の側板フレーム182や左右の軸受184等に均一に負荷がかかるので、フレーム18や軸受184の劣化が抑制され、製品寿命が延びる。
【0051】
また、本実施形態では、両軸モータ160の左側の駆動軸162Lから主回転軸110の左側の端部110ALに駆動力が伝達され、右側の駆動軸162Rから主回転軸110の右側の端部110ARに駆動力が伝達されることで、主回転軸110の端部110AL、110ARに駆動力が効率的に伝達される。
【0052】
また、両軸モータ160の駆動軸162L、162Rからそれぞれ主回転軸110の端部110AL、110ARに駆動力を伝達することで、中間軸を設けることなく、両軸モータ160から主回転軸110に駆動力を伝達できる。
【0053】
また、本実施形態では、副回転軸120に設けられた複数の副回転刃122が主回転刃112と共働して書類SAを細断するので、固定刃が主回転刃112と共働して書類SAを細断する場合と比較し、主回転軸110にかかるトルクが小さく、オートリバースが作動する細断枚数が増加する。
【0054】
<第二実施形態>
次に、本発明のシュレッダーの細断機構の第二実施形態について説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0055】
[構造]
本実施形態のシュレッダーの細断機構は、第一実施形態とは、細断機構の駆動力伝達機構が異なるので、駆動力伝達機構の構造について主に説明する。
【0056】
図4に示すように、本実施形態の細断機構200の駆動力伝達機構250は、中間軸210及び両軸モータ160を有している。なお、前述したように、図4は、主回転刃112、副回転刃122、剥離板116、126及び丸棒材118、128等(図1を参照)の図示が省略されている。
【0057】
中間軸210は、左右の端部210AL、210ARがそれぞれ側板フレーム182L、182R(図1を参照)に軸受184L、軸受184Rを介して支持されている。中間軸210の軸方向両側の端部210AL、210ARには、第一中間ギヤ254L、254Rが設けられている。中間軸210の軸方向両側の第一中間ギヤ254L、254Rのそれぞれの外側には、駆動ギヤ152L、152Rに噛み合う第二中間ギヤ256L、256Rが設けられている。なお、第一中間ギヤ254は、第二中間ギヤ256よりもピッチ円直径が大きい。
【0058】
両軸モータ160の駆動軸162L、162Rの端部には、第一中間ギヤ254L、254Rに噛み合うモータギヤ252L、252Rが形成されている。
【0059】
[作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0060】
中間軸210に設けられた第一中間ギヤ254は、第二中間ギヤ256よりもピッチ円直径が大きいので、中間軸210に伝達された駆動力が減速されて、主回転軸110の左右の端部110AL、110ARにそれぞれ伝達される。
【0061】
第一中間ギヤ254及び第二中間ギヤ256は、それぞれ中間軸210の左右の端部210AL、210ARに設けられている。よって、中間軸210の左右の端部210AL、210ARからそれぞれ主回転軸110の端部110AL、110ARに駆動が伝達されるので、主回転軸110の110AL、110ARに減速された駆動力が伝達される。したがって、主回転軸110の軸方向のトルクの差が小さい。
【0062】
また、本実施形態では、両軸モータ160の左側の駆動軸162Lから中間軸210の左側の端部210ALに駆動力が伝達され、右側の駆動軸162Rから中間軸210の右側の端部210ARに駆動力が伝達されるので、中間軸210のねじれが抑制される。
【0063】
<第三実施形態>
次に、本発明のシュレッダーの第三実施形態について説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0064】
[構造]
本実施形態のシュレッダーは、第一実施形態及び第二実施形態とは、細断機構の駆動力伝達機構が異なるので、駆動力伝達機構の構造について主に説明する。
【0065】
図5に示すように、本実施形態の細断機構300の駆動力伝達機構350は、中間軸310及び片軸モータ360を有している。なお、前述したように、図5は、主回転刃112、副回転刃122、剥離板116、126及び丸棒材118、128等(図1を参照)の図示が省略されている。
【0066】
中間軸310は、左右の端部210AL、210ARがそれぞれ側板フレーム182L、182R(図1を参照)に軸受184L、184Rを介して支持されている。中間軸310の軸方向の中間部には、第一中間ギヤ354が設けられている。また、中間軸310の軸方向両側の端部310AL、310ARには、駆動ギヤ152L、152Rに噛み合う第二中間ギヤ356L、356Rが設けられている。なお、第一中間ギヤ354は、第二中間ギヤ356よりもピッチ円直径が大きい。
【0067】
駆動源の一例としての片軸モータ360は、下端部がシュレッダー10の図示されていない筐体に固定されている。片軸モータ360は片側、本実施形態では左側からのみ駆動軸362が突出している。駆動軸362の端部には、第一中間ギヤ354に噛み合うモータギヤ352が設けられている。
【0068】
[作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0069】
中間軸310に設けられた第一中間ギヤ354は、第二中間ギヤ356よりもピッチ円直径が大きいので、中間軸310に伝達された駆動力が減速されて、主回転軸110の左右の端部110AL、110ARにそれぞれ伝達される。
【0070】
片軸モータ360の駆動軸362から中間軸310に駆動力を伝達することで、片軸モータ360であっても主回転軸110の端部110AL、110ARに駆動力が伝達される。
【0071】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0072】
例えば、上記実施形態では、主回転軸110の端部110AL、110ARにそれぞれ設けられた主従動ギヤ154L、154Rに、副回転軸120の端部120AL、120ARにそれぞれに設けられた副従動ギヤ156L、156Rが噛み合うことで、副回転軸120が従動回転したが、これに限定されるものではない。主回転軸110の端部110AL、110AR及び副回転軸120の端部120AL、120ARの一方にのみ主従動ギヤ154及び副従動ギヤ156が設けられていてもよい。
【0073】
また、例えば、上記実施形態では、駆動力伝達機構150、250、350は、主回転軸110の端部110AL、110ARに設けられた駆動ギヤ152L、152Rに駆動を伝達していたが、これに限定されるものではない。主回転軸110の端部110AL、110ARには、チェーン及びベルト等で駆動力を伝達してもよい。また、駆動力伝達機構150、250、350において、両軸モータ160又は片軸モータ360の駆動力をギヤでなく、チェーン及びベルト等で駆動力を伝達してもよい。
【0074】
また、例えば、第二実施形態及び第三実施形態では、中間軸210、310に伝達された駆動力が、主回転軸110の左右の端部110AL、110ARにそれぞれトルクを上げて伝達されたが、これに限定されるものではない。増速されて、主回転軸110の左右の端部110AL、110ARにそれぞれ伝達されてもよいし、等速で伝達されてもよい。
【0075】
また、例えば、上記実施形態では、複数の主回転刃112及び複数の副回転刃122が、それぞれ主回転軸110及び副回転軸120に挿通される構成であったが、これに限定されるものではない。主回転軸110及び副回転軸120の周面に複数の主回転刃112及び複数の副回転刃122が形成された構成であってもよい。
【0076】
また、例えば、上記実施形態では、副刃機構部の一例としての副回転軸120に設けられた複数の副回転刃122が主回転刃112と共働して書類SAを細断したが、これに限定されるものではない。副刃機構部の一例としての細断刃を備えた固定刃が主回転刃112と共働して書類SAを細断してもよい。
【0077】
また、例えば、上記実施形態では、シュレッダー10は、書類SAを細断する例で説明したが、これに限定されるものではない。シュレッダー10は、書類SA以外の被細断物、例えば、CD及びDVD等の記録媒体類やクレジットカード及びキャッシュカード等のカード類も細断可能である。
【0078】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。また、複数の実施形態は、適宜、組み合わされて実施可能である。
【符号の説明】
【0079】
10 シュレッダー
100 細断機構
110 主回転軸
110AL 端部
110AR 端部
112 主回転刃
120 副回転軸(副刃機構部の一例)
120AL 端部
120AR 端部
122 副回転刃(副刃機構部の一例)
150 駆動力伝達機構
154L 主従動ギヤ
154R 主従動ギヤ
156L 副従動ギヤ
156R 副従動ギヤ
160 両軸モータ(駆動源の一例)
162L 駆動軸
162R 駆動軸
180 フレーム
200 細断機構
210 中間軸
210AL 端部
210AR 端部
250 駆動力伝達機構
300 細断機構
310 中間軸
310AL 端部
310AR 端部
350 駆動力伝達機構
360 片軸モータ(駆動源の一例)
362 駆動軸
SA 書類(被細断物の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6