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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157692
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】規制装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/322 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
E06B9/322
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067762
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 匡芳
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA02
2E043BB02
2E043BC03
(57)【要約】
【課題】遮蔽材の下限位置をより容易に調整することができる技術を提供する。
【解決手段】ヘッドボックスと、ヘッドボックスから垂下される複数のコード部材のそれぞれの一端が連結されて吊り下げ支持される遮蔽材とを備える遮蔽装置において、ヘッドボックスから複数の昇降コード5のそれぞれの他端を導出させる導出口に挿入不能に形成されて遮蔽材が所定位置より下方に下降することを規制する規制装置7であって、複数の昇降コード5を一方向に沿って整列するように案内するコード案内部711が側面に設けられる本体部71と、本体部71の側面を囲繞可能に形成され、本体部71の側面を囲繞した状態においてコード案内部711に案内された複数の昇降コード5を本体部71と協働して挟持するカバー部72とを備えた。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックスと、該ヘッドボックスから垂下される複数のコード部材のそれぞれの一端が連結されて吊り下げ支持される遮蔽材とを備える遮蔽装置において、前記ヘッドボックスから前記複数のコード部材のそれぞれの他端を導出させる導出口に挿入不能に形成されて前記遮蔽材が所定位置より下方に下降することを規制する規制装置であって、
前記複数のコード部材を一方向に沿って整列するように案内するコード案内部が側面に設けられる本体部と、
前記本体部の側面を囲繞可能に形成され、前記本体部の側面を囲繞した状態において前記コード案内部に案内された前記複数のコード部材を前記本体部と協働して挟持するカバー部と
を備える規制装置。
【請求項2】
前記コード案内部には、前記本体部の一方向に延びる複数の溝が形成され、該複数の溝の個数は前記複数のコード部材の個数以上であることを特徴とする請求項1に記載の規制装置。
【請求項3】
前記本体部は、該本体部の上端側と下端側とのそれぞれに設けられた2つの導入部を有し、前記2つの導入部は、前記コード案内部に案内される前記複数のコード部材を前記本体部の一方向と直交する方向から内方側に導入するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の規制装置。
【請求項4】
前記2つの導入部は、前記コード案内部に対して前記本体部の周方向にずれた位置に形成されることを特徴とする請求項3に記載の規制装置。
【請求項5】
前記本体部は、該本体部の側面が前記カバー部により囲繞された状態において、一端部が前記カバー部から突出するように形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の規制装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、遮蔽材を昇降する遮蔽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遮蔽材を昇降する遮蔽装置においてボトムレールの下限位置を調整する技術として、下記特許文献1に示されるものが知られている。この特許文献1には、ヘッドボックスから吊り下げられる日射遮蔽材の下端にボトムレールを配置し、ヘッドボックスから垂下される昇降コードによって昇降可能にボトムレールを支持し、ボトムレールは規制手段によって下限位置を規制され、回転操作部の操作による回転部材の回転に伴って昇降コードをボトムレール内に引きこむ量を変化させることで、ボトムレールの下限位置を調整可能な調整装置をボトムレール内に配置した日射遮蔽装置が開示されている。
【0003】
このような日射遮蔽装置によれば、回転操作部がボトムレールの底面又は室外側の面に設けられるか、この面に設けられた貫通孔を通じて操作可能な位置に設けられることで、意匠性を悪化させることなくボトムレールの下限位置を容易に微調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-1528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の日射遮蔽装置によれば、調整装置が複数の昇降コードそれぞれに対して設けられるため、ボトムレールの下限位置の調整に際して、昇降コードの本数と同数の調整装置のそれぞれに設けられた回転操作部に対する操作が必要となり、調整作業が煩雑となる課題があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、遮蔽材の下限位置をより容易に調整することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、ヘッドボックスと、該ヘッドボックスから垂下される複数のコード部材のそれぞれの一端が連結されて吊り下げ支持される遮蔽材とを備える遮蔽装置において、前記ヘッドボックスから前記複数のコード部材のそれぞれの他端を導出させる導出口に挿入不能に形成されて前記遮蔽材が所定位置より下方に下降することを規制する規制装置であって、前記複数のコード部材を一方向に沿って整列するように案内するコード案内部が側面に設けられる本体部と、前記本体部の側面を囲繞可能に形成され、前記本体部の側面を囲繞した状態において前記コード案内部に案内された前記複数のコード部材を前記本体部と協働して挟持するカバー部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遮蔽材の下限位置をより容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る遮蔽装置の構成を示す正面図である。
図2】第1実施形態に係る規制装置の構成を示す斜視図である。
図3】第1実施形態に係る規制装置の構成を示す分解斜視図である。
図4】可動状態における規制装置を示す斜視図である。
図5】固定状態における規制装置を示す斜視図である。
図6】固定状態における規制装置を示す断面図である。
図7】ボトムレールの下限位置が調整される遮蔽装置を示す概略側面図である。
図8】第2実施形態に係る遮蔽装置の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態においては、遮蔽材として昇降可能なスクリーンを備えるプリーツスクリーンに本発明を適用した遮蔽装置を例にとり説明を行う。なお、本実施形態においては、遮蔽装置が設けられた際の室内側の面を正面、室外側の面を背面、正面と背面とからなる方向を前後方向、遮蔽装置の長手方向を左右方向と称して以後説明を行う。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
<第1実施形態>
(全体構成)
第1実施形態に係る遮蔽装置の全体構成について図1を参照して説明する。図1は本実施形態に係る遮蔽装置の構成を示す正面図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る遮蔽装置1は、ヘッドボックス2と、ボトムレール3と、遮蔽材としてのスクリーン4と、紐状またはテープ状に形成された2本の昇降コード5及び操作コード6と、規制装置7と、コード連結部8とを備える。
【0013】
ヘッドボックス2は、2つのブラケット21を介して不図示の窓枠等に固定され、内部空間を画成する左右方向に長尺な箱状に形成される。ヘッドボックス2の前面における図1中右側端部近傍には内部空間と外部とを連通させる導出口22が形成され、ヘッドボックス2の内部空間内には2つの垂下案内部23が設けられる。2本の昇降コード5のそれぞれの一端側は導出口22から導出されるとともに、2本の昇降コード5のそれぞれの他端側は2つの垂下案内部23のそれぞれによってヘッドボックス2から垂下するように案内される。2つの垂下案内部23がヘッドボックス2内において左右方向に互いに離間した位置に配され、これによって、2本の昇降コード5のそれぞれの他端側は、左右方向に互いに離間した位置で垂下される。
【0014】
スクリーン4は、一方向に折り畳み可能な略方形状の膜状部材であり、折り畳み方向が上下方向を向くように遮蔽装置1に設けられる。スクリーン4は、その上端が左右方向略全域に亘ってヘッドボックス2に連結されるとともに、その下端が左右方向略全域に亘ってボトムレール3に連結される。ボトムレール3は、左右方向に長尺な略方柱状に形成されて内部空間を画成する部材である。ボトムレール3の内部空間には、2本の昇降コード5のそれぞれの垂下位置に対応して左右方向に離間して配される2つのコードホルダ31が設けられる。2本の昇降コード5のそれぞれの他端側は、折り畳まれたスクリーン4を上下方向に貫通するようにスクリーン4を挿通する。2本の昇降コード5のそれぞれの他端部は、2つのコードホルダ31のそれぞれに対して連結され、これによって、ボトムレール3が2本の昇降コード5によりヘッドボックス2に対して吊り下げ支持される。
【0015】
操作コード6は、その一端部が2本の昇降コード5の一端部に連結されるコード連結部8に連結され、ユーザが下方に牽引可能に垂下する。コード連結部8は、2本の昇降コード5と操作コード6とが連結されることによって、2本の昇降コード5と操作コード6とを連結する。操作コード6が下方に牽引されることによって、2本の昇降コード5に支持されるボトムレール3が上昇する。
【0016】
規制装置7は、全体として、ヘッドボックス2の導出口22に挿入不能な大きさに形成されるとともに、後に詳述するように2本の昇降コード5に対して着脱可能に構成される。導出口22から垂下する2本の昇降コード5に対する規制装置7の取り付け位置によって、ボトムレール3の下限位置が調整される。なお、ヘッドボックス2内には、不図示のストッパ装置が設けられる。ストッパ装置は、操作コード6に対する操作に応じて、2本の昇降コード5の拘束/拘束の解除を行う。ストッパ装置によれば、ボトムレール3は、規制装置7により調整される下限位置よりも上方で吊り下げ支持されることができ、ユーザがスクリーン4の開閉状態を調整することができる。
【0017】
(規制装置の構成)
規制装置の構成について説明する。図2図3は、それぞれ、本実施形態に係る規制装置の構成を示す斜視図、分解斜視図である。図4は、可動状態における規制装置を示す斜視図である。図5図6は、それぞれ、固定状態における規制装置を示す斜視図、断面図である。なお、図3図4においては、本体部とカバー部とが分離された状態の規制装置が示され、図2図5図6においては、カバー部が本体部に装着された状態の規制装置が示される。
【0018】
図3図4に示すように、本実施形態に係る規制装置7は、一方向に延在する略柱状に形成された本体部71と、本体部71の側壁を囲繞可能に形成されたカバー部72とを備える。本実施形態において、本体部71は略円柱状に形成され、カバー部72は略円柱状に形成された本体部71が挿通可能な貫通孔720が形成された略球体状に形成される。本体部71には、コード案内部711と、2つの導入部712U,712Dと、2つの嵌合凹部713と、係合凹部714と、フランジ部715とが形成される。カバー部72には、2つの嵌合凸部723と、係合凸部724とが形成される。
【0019】
本体部71のコード案内部711は、本体部71の高さ方向(柱状部材としての高さ方向であり延在方向)における中途部分に形成され、少なくとも2つ以上の溝711Gを有する。本実施形態においては、コード案内部711は、本体部71の高さ方向を向く軸周り方向、即ち、周方向に並置された5つの溝711Gを有する。5つの溝711Gのそれぞれは、本体部71の高さ方向に延び、2本の昇降コード5のそれぞれを本体部71の高さ方向に案内可能に形成される。より具体的には、5つの溝711Gのそれぞれは、2本の昇降コード5の本体部71の周方向への移動を規制可能に形成される。なお、コード案内部711は、遮蔽装置1の左右方向のサイズに応じて異なる昇降コード5の本数と少なくとも同数の溝711Gを有するものであれば良い。
【0020】
図3図4図6に示すように、本体部71の2つの導入部712U,712Dは、それぞれ、本体部71の上端側、下端側に形成されるスリットである。上端側の導入部712Uは、第1スリット712U1と、この第1スリット712U1に接続される第2スリット712U2とを有する。下端側の導入部712Dは、第1スリット712D1と、この第1スリット712D1に接続される第2スリット712D2とを有する。
【0021】
導入部712Uの第1スリット712U1は、コード案内部711に対して周方向にずれた位置に設けられる。また、第1スリット712U1は、本体部71の上端からコード案内部711の上端近傍位置までに亘って、本体部71の側面から略中心部を通って径方向に延びるように形成される。導入部712Uの第2スリット712U2は、コード案内部711の上方に設けられる。また、第2スリット712U2は、コード案内部711の周方向幅全域に亘って形成されるとともに、第1スリット712U1の下端と接続されるように形成される。
【0022】
導入部712Dの第1スリット712D1は、第1スリット712U1と同様に、コード案内部711に対して周方向にずれた位置に設けられる。また、第1スリット712D1は、本体部71の下端からコード案内部711の下端近傍位置までに亘って、本体部71の側面から略中心部を通って径方向に延びるように形成される。導入部712Dの第2スリット712D2は、コード案内部711の下方に設けられる。また、第2スリット712D2は、コード案内部711の周方向幅全域に亘って形成されるとともに、第1スリット712D1の上端と接続されるように形成される。
【0023】
本体部71の2つの嵌合凹部713は、いずれも本体部71の側面のコード案内部711よりも上方に位置し、互いに径方向に対向するように設けられる。図3図4においては、一方の嵌合凹部713のみが示される。2つの嵌合凹部713は、それぞれ、カバー部72の2つの嵌合凸部723に対応して設けられ、対応する嵌合凸部723が嵌合可能な凹部として形成される。なお、図3図4に示される嵌合凹部713の一方は、導入部712Uの第1スリット712U1を周方向に跨ぐように形成される。
【0024】
本体部71の係合凹部714は、カバー部72の係合凸部724に対応して設けられ、本体部71の上端から導入部712Uの第2スリット712U2に亘って径方向内方側に凹む切り欠き状に形成される。本体部71のフランジ部715は、本体部71の下端において、カバー部72の貫通孔720の径よりも大きくなるように径方向外方側に突出するフランジ状に形成される。
【0025】
図3図6に示すように、カバー部72の2つの嵌合凸部723は、本体部71の2つの嵌合凹部713に対応して設けられ、貫通孔720の内周壁において互いに径方向に対向するように設けられる。2つの嵌合凸部723のそれぞれは、径方向内方側に突出するように形成される。カバー部72の係合凸部724は、本体部71の係合凹部714に対応して設けられ、貫通孔720の内周壁において径方向内方側に突出するように形成される。
【0026】
図4に示すように、規制装置7が可動状態にある場合、カバー部72の貫通孔720には2本の昇降コード5が挿通され、カバー部72の下方に位置する本体部71において、2つの導入部712U,712Dに2本の昇降コード5が導入され、2本の昇降コード5のそれぞれがコード案内部711に形成された溝711Gに案内される。ここで、2つの導入部712U,712Dを介して本体部71の側面から昇降コード5が導入されるようにしたことで、昇降コード5に対して容易に本体部71を取り付けることができるようになる。可動状態において、本体部71は2本の昇降コード5に対して相対移動可能となっている。可動状態において、フランジ部715がカバー部72の下端に当接して移動が規制されるまで本体部71がカバー部72の貫通孔720に挿入されると、規制装置7が固定状態に移行される。
【0027】
図5図6に示すように、規制装置7が固定状態にある場合、コード案内部711と貫通孔720の内周壁とによって2本の昇降コード5が挟持され、規制装置7が2本の昇降コード5に対して相対移動不能に固定される。コード案内部711により2本の昇降コード5が分離されて挟持されることによって、2本の昇降コード5は本体部71とカバー部72との間で均一な力で挟持される。
【0028】
図6に示すように、固定状態において、2本の昇降コード5は、2つの導入部712U、712Dにより屈曲される。これによって、例えば、ボトムレール3が下限位置まで落下した場合などに生じうる衝撃に対して、規制装置7が2本の昇降コード5に対して相対移動することが防止される。また、2つの導入部712U、712Dによって、規制装置7の上端、下端のそれぞれにおいて、2本の昇降コード5が規制装置7の平面視略中央部に位置することとなるため、意匠性が損なわれることがない。
【0029】
固定状態においては、本体部71の2つの嵌合凹部713のそれぞれに対してカバー部72の2つの嵌合凸部723のそれぞれが嵌合することによって、カバー部72に対する本体部71の高さ方向への移動が規制される。また、本体部71の係合凹部714にカバー部72の係合凸部724が係合することによって、カバー部72に対する本体部71の回転が規制される。また、図2図6に示すように、本体部71は固定状態においてカバー部72から上端が突出するように形成されているため、本体部71の上端を押圧することにより、本体部71からカバー部72を容易に取り外すことができる。
【0030】
(下限位置の調整方法)
規制装置を用いてボトムレールの下限位置を調整する方法について説明する。図7は、ボトムレールの下限位置が調整される遮蔽装置を示す概略側面図である。なお、図7には、ボトムレールの下限位置が上昇される遮蔽装置が示される。
【0031】
ボトムレール3の下限位置を調整する作業者は、まず、図7(A)に示すように、遮蔽装置1において2本の昇降コード5に固定された固定状態にある規制装置7を可動状態に移行する。次に、作業者は、図7(B)に示すように、規制装置7を可動状態としたまま、操作コード6又は昇降コード5を牽引してボトムレール3を所望の下限位置まで上昇させ、規制装置7をヘッドボックス2側に移動させる。次に、作業者は、図7(C)に示すように、ボトムレール3の上下方向位置を維持した状態において規制装置7がヘッドボックス2の導出口22に当接するように2本の昇降コード5に対して規制装置7を移動させた後、規制装置7を固定状態とする。
【0032】
このように、規制装置7によれば、作業者が複数の昇降コード5それぞれに対する調整作業を行う必要がなく、より容易にボトムレール3の下限位置を調整することができる。
【0033】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る遮蔽装置について説明する。図8は、本実施形態に係る遮蔽装置の構成を示す正面図である。
【0034】
本実施形態に係る遮蔽装置1Aは、二段式のプリーツスクリーンとして構成され、中間バー3A、スクリーン4A、2本の調光コード5A、操作コード6A、規制装置7A、コード連結部8Aを更に備える点において、第1実施形態に係る遮蔽装置1とは異なる。また、遮蔽装置1Aは、スクリーン4の上端が中間バー3Aに連結されている点、ヘッドボックス2から垂下する2本の昇降コード5がスクリーン4A、中間バー3A及びスクリーン4を挿通してボトムレール3に連結される点、ヘッドボックス2に導出口22Aが形成される点において、遮蔽装置1とは異なる。
【0035】
導出口22Aは、ヘッドボックス2の前面における図8中左側端部近傍に設けられ、内部空間と外部とを連通させるように形成される。2本の調光コード5Aのそれぞれの一端側は導出口22Aから導出されるとともに、2本の調光コード5Aのそれぞれの他端側は2つの垂下案内部23のそれぞれによってヘッドボックス2から垂下するように案内される。なお、2つの垂下案内部23は、それぞれの前方側において2本の昇降コード5のそれぞれを案内するとともに、それぞれの後方側において2本の調光コード5Aのそれぞれを案内する。
【0036】
スクリーン4Aは、一方向に折り畳み可能な略方形状の膜状部材であり、折り畳み方向が上下方向を向くように遮蔽装置1Aに設けられる。スクリーン4Aは、その上端が左右方向略全域に亘ってヘッドボックス2に連結されるとともに、その下端が左右方向略全域に亘って中間バー3Aに連結される。中間バー3Aは、左右方向に長尺な略方柱状に形成されて内部空間を画成する部材である。中間バー3Aの内部空間には、2本の調光コード5Aのそれぞれの垂下位置に対応して左右方向に離間して配される2つのコードホルダ31Aが設けられる。2本の調光コード5Aのそれぞれの他端側は、2本の昇降コード5のそれぞれの後方側において折り畳まれたスクリーン4Aを上下方向に貫通するようにスクリーン4Aに挿通される。2本の調光コード5Aのそれぞれの他端部は、2つのコードホルダ31Aのそれぞれに対して連結され、これによって、中間バー3Aが2本の調光コード5Aによりヘッドボックス2に対して吊り下げ支持される。
【0037】
操作コード6Aは、その一端部が2本の調光コード5Aの一端部に連結されるコード連結部8Aに連結され、ユーザが下方に牽引可能に垂下する。コード連結部8Aは、2本の調光コード5Aと操作コード6Aとが連結されることによって、2本の調光コード5Aと操作コード6Aとを連結する。操作コード6Aが下方に牽引されることによって、2本の調光コード5Aに支持される中間バー3Aが上昇する。
【0038】
規制装置7Aは、第1実施形態に係る規制装置7と同様に構成され、2本の昇降コード5ではなく2本の調光コード5Aに対して取り付けられている点において規制装置7とは異なる。規制装置7Aによれば、中間バー3Aの下限位置を所望の高さとする調整をより容易に行うことができる。
【0039】
以上に説明したように、規制装置7,7Aによれば、遮蔽材の下限位置をより容易に調整することができる。なお、遮蔽装置1,1Aとしてプリーツスクリーンを例に挙げて説明したが、本発明は横型ブラインド、ハニカムスクリーン等の遮蔽材の下端をコードにより吊り下げ支持する遮蔽装置に適用することができる。
【0040】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の各実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0041】
1,1A 遮蔽装置
4,4A スクリーン(遮蔽材)
5 昇降コード(コード部材)
5A 調光コード(コード部材)
7,7A 規制装置
71 本体部
72 カバー部
711 コード案内部
711G 溝
712U,712D 導入部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8