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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157697
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】腰サポーター
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/05 20060101AFI20231019BHJP
   A41C 1/00 20060101ALI20231019BHJP
   A41C 1/02 20060101ALI20231019BHJP
   A41C 1/14 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
A41D13/05 125
A41C1/00 G
A41C1/02 B
A41C1/00 E
A41C1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067770
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】500349591
【氏名又は名称】マキクリエイション株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390010917
【氏名又は名称】ヨネックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮腰 礼子
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 悟
【テーマコード(参考)】
3B011
3B131
【Fターム(参考)】
3B011AA00
3B011AB18
3B011AC17
3B131AA02
3B131AB11
3B131AB12
3B131AB14
3B131BA01
3B131BA11
3B131BA21
3B131BB22
3B131CA22
(57)【要約】
【課題】骨盤を適切にサポート可能な腰サポーターを実現することにある。
【解決手段】人体に着用される布製の腰サポーターであって、前記腰サポーターの中央部にはスポンジが設けられ、前記腰サポーターが人体に着用された際に、仙骨に対応する位置に該スポンジが位置し、前記腰サポーターの前記中央部から横端部に向かう横方向における前記スポンジの外側には、前記腰サポーターの上端部から前記腰サポーターの下端部に亘って樹脂製又は金属製のボーンが設けられており、該ボーンは、前記腰サポーターが人体に着用された際に、仙腸関節に対応する位置に位置することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に着用される布製の腰サポーターであって、
前記腰サポーターの中央部にはスポンジが設けられ、前記腰サポーターが人体に着用された際に、仙骨に対応する位置に該スポンジが位置し、
前記腰サポーターの前記中央部から横端部に向かう横方向における前記スポンジの外側には、前記腰サポーターの上端部から前記腰サポーターの下端部に亘って樹脂製又は金属製のボーンが設けられており、該ボーンは、前記腰サポーターが人体に着用された際に、仙腸関節に対応する位置に位置することを特徴とする腰サポーター。
【請求項2】
請求項1に記載の腰サポーターであって、
前記ボーンの前記横方向における外側には、
前記腰サポーターが人体に着用された際に、大殿筋の筋腹でない部分に対応する位置に位置する第一部分と、
前記腰サポーターが人体に着用された際に、前記大殿筋の筋腹に対応する位置に位置し、前記第一部分よりも小さい緊締力を付与する第二部分が設けられていることを特徴とする腰サポーター。
【請求項3】
請求項2に記載の腰サポーターであって、
前記ボーンは、第一ボーンであり、
前記第一部分と前記第二部分の間には、前記上端部から前記下端部に亘って第二ボーンが設けられており、前記第一部分と前記第二部分は該第二ボーンを挟むようにして互いに隣り合っていることを特徴とする腰サポーター。
【請求項4】
請求項3に記載の腰サポーターであって、
前記第二部分の前記横方向における外側には、第三ボーンと、第四ボーンと、前記第三ボーンと第四ボーンにより区画された第三部分と、が備えられ、
前記第三ボーンは、前記上端部から前記下端部に亘って設けられ、前記腰サポーターが人体に着用された際に、人体の後側に位置し、
前記第四ボーンは、前記上端部から前記下端部に亘って設けられ、前記腰サポーターが人体に着用された際に、人体の前側に位置し、
前記下端部における前記第三部分の横幅は、前記上端部における前記第三部分の横幅よりも小さいことを特徴とする腰サポーター。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の腰サポーターであって、
前記第二部分には、穴部が複数設けられており、前記下端部における前記穴部の数は、前記上端部における前記穴部の数よりも多いことを特徴とする腰サポーター。
【請求項6】
請求項5に記載の腰サポーターであって、
前記上端部から前記下端部へ向かうにつれて、前記穴部の数が徐々に増加するように、前記穴部が前記第二部分に設けられていることを特徴とする腰サポーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰サポーターに関する。
【背景技術】
【0002】
腰痛緩和や腰痛予防等のために人体の腰に巻かれる腰サポーターについては、既によく知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3226796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来例に係る腰サポーターは、骨盤をサポートする能力が低く、当該腰サポーターが着用された際に腰痛等の問題が生じやすかった。そのため、骨盤をサポートする能力が高い腰サポーターが要請されていた。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、骨盤を適切にサポート可能な腰サポーターを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
主たる本発明は、人体に着用される布製の腰サポーターであって、
前記腰サポーターの中央部にはスポンジが設けられ、前記腰サポーターが人体に着用された際に、仙骨に対応する位置に該スポンジが位置し、
前記腰サポーターの前記中央部から横端部に向かう横方向における前記スポンジの外側には、前記腰サポーターの上端部から前記腰サポーターの下端部に亘って樹脂製ボーンが設けられており、該樹脂製ボーンは、前記腰サポーターが人体に着用された際に、仙腸関節に対応する位置に位置することを特徴とする腰サポーターである。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、骨盤を適切にサポート可能な腰サポーターを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る腰サポーター1を模式的に示した概略裏面図及び概略上面図である。
図2】本実施の形態に係る腰サポーター1を模式的に示した概略正面図である。
図3図1の下図に対応した図であり、腰サポーター1の各領域を説明するための説明図である。
図4図2に対応した図であり、腰サポーター1の各領域を説明するための説明図である。
図5図3及び図4の腰サポーター1が人体に着用された様子を示した図であり、人体の後側(背側)を示した図である。
図6図3及び図4の腰サポーター1が人体に着用された様子を示した図であり、人体の前側(腹側)を示した図である。
図7】人体の骨盤100を示した図である。
図8】人体の大殿筋110を示した図である。
図9】人体の股関節120、大腿骨頭122、及び、大転子130を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
人体に着用される布製の腰サポーターであって、
前記腰サポーターの中央部にはスポンジが設けられ、前記腰サポーターが人体に着用された際に、仙骨に対応する位置に該スポンジが位置し、
前記腰サポーターの前記中央部から横端部に向かう横方向における前記スポンジの外側には、前記腰サポーターの上端部から前記腰サポーターの下端部に亘って樹脂製又は金属製のボーンが設けられており、該ボーンは、前記腰サポーターが人体に着用された際に、仙腸関節に対応する位置に位置することを特徴とする腰サポーター。
【0011】
このような腰サポーターによれば、骨盤、特に、仙骨及び仙腸関節を適切にサポート可能な腰サポーターを実現することができる。
【0012】
かかる腰サポーターであって、
前記ボーンの前記横方向における外側には、
前記腰サポーターが人体に着用された際に、大殿筋の筋腹でない部分に対応する位置に位置する第一部分と、
前記腰サポーターが人体に着用された際に、前記大殿筋の筋腹に対応する位置に位置し、前記第一部分よりも小さい緊締力を付与する第二部分が設けられていることが望ましい。
【0013】
このような腰サポーターによれば、大殿筋を適切にサポートしつつ、股関節のスムーズな動きを阻害しない腰サポーターを実現することが可能となる。
【0014】
かかる腰サポーターであって、
前記ボーンは、第一ボーンであり、
前記第一部分と前記第二部分の間には、前記上端部から前記下端部に亘って第二ボーンが設けられており、前記第一部分と前記第二部分は該第二ボーンを挟むようにして互いに隣り合っていることが望ましい。
【0015】
このような腰サポーターによれば、第二ボーンに隣接する第一部分の緊締力を補強することが可能となる。
【0016】
かかる腰サポーターであって、
前記第二部分の前記横方向における外側には、第三ボーンと、第四ボーンと、前記第三ボーンと第四ボーンにより区画された第三部分と、が備えられ、
前記第三ボーンは、前記上端部から前記下端部に亘って設けられ、前記腰サポーターが人体に着用された際に、人体の後側に位置し、
前記第四ボーンは、前記上端部から前記下端部に亘って設けられ、前記腰サポーターが人体に着用された際に、人体の前側に位置し、
前記下端部における前記第三部分の横幅は、前記上端部における前記第三部分の横幅よりも小さいことが望ましい。
【0017】
このような腰サポーターによれば、大腿骨頭の動きを抑えて股関節の脱臼のリスクを減少させつつ、股関節から遠い部分については自由な動きを阻害しないようにする腰サポーターを実現することが可能となる。
【0018】
かかる腰サポーターであって、
前記第二部分には、穴部が複数設けられており、前記下端部における前記穴部の数は、前記上端部における前記穴部の数よりも多いことが望ましい。
【0019】
このような腰サポーターによれば、股関節をよりスムーズに動かすことが可能な腰サポーターを実現することができる。
【0020】
かかる腰サポーターであって、
前記上端部から前記下端部へ向かうにつれて、前記穴部の数が徐々に増加するように、前記穴部が前記第二部分に設けられていることを特徴とする腰サポーター。
【0021】
このような腰サポーターによれば、股関節をより一層スムーズに動かすことが可能な腰サポーターを実現することができる。
【0022】
===本実施の形態に係る腰サポーター1について===
本実施の形態に係る腰サポーター1について、図1乃至図9を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る腰サポーター1を模式的に示した概略裏面図及び概略上面図である。図2は、本実施の形態に係る腰サポーター1を模式的に示した概略正面図である。図3は、図1の下図に対応した図であり、腰サポーター1の各領域を説明するための説明図である。図4は、図2に対応した図であり、腰サポーター1の各領域を説明するための説明図である。図5は、図3の腰サポーター1が人体に着用された様子を示した図であり、人体の後側(背側)を示した図である。図6は、図3の腰サポーター1が人体に着用された様子を示した図であり、人体の前側(腹側)を示した図である。図7は、人体の骨盤100を示した図である。図8は、人体の大殿筋110を示した図である。図9は、人体の股関節120、大腿骨頭122、及び、大転子130を示した図である。
【0023】
なお、図1の上図(概略上面図)は、図1の下図(概略正面図)を下図の白矢印の方向から見たときの図である。また、図1乃至図4は、展開状態の腰サポーター1を示した図であり、図5及び図6は、着用状態(装着状態)の腰サポーター1を示した図である。
【0024】
腰サポーター1は、腰痛緩和や腰痛予防等のために人体の腰に巻かれる布製のサポーターである。この腰サポーター1は、複層(本実施の形態においては3層であるが、2層でも4層以上でもよい)の布からなり、この複層の布が腰サポーター1のサポーター本体10となっている。すなわち、各布は、図1のような横長の形状に(同形状に)切り取られ、互いに重ねられた状態で糸(不図示)により縫い合わされている。より具体的には、互いに重ねられた複層の布の外縁には、表側から裏側へ折り返されるように、補強用の布(以下、便宜上、外縁補強布12と呼ぶ)が一周に亘ってさらに設けられており(当てられており)、サポーター本体10(複層の布)は、サポーター本体10の表側と裏側に位置する当該外縁補強布12と共に、糸(不図示)により縫い合わされている。したがって、腰サポーター1は、外縁補強布12が設けられている外縁領域(領域F)と当該外縁領域に囲まれた(外縁補強布12が設けられていない)内部領域(後述する領域A~E、領域W~Z)とに分けることができる(図3及び図4参照)。
【0025】
また、腰サポーター1には、複数の(8つの)ボーン20が設けられている。このボーン20は、金属製又は樹脂製(本実施の形態においては、樹脂(ポリプロピレン)製)の薄い矩形状の長尺な平板である。当該ボーン20は、その材質から布よりも伸縮度合(伸縮性)が小さくなっているため、腰サポーター1が人体に着用された際にボーン20によって人体に付与される緊締力(換言すれば、圧力)は、布によって人体に付与される緊締力よりも大きく(強く)なる。つまり、ボーン20は、布(ボーン20が設けられていない箇所)よりも人体に強い緊締力を付与させるために、腰サポーター1に設けられている。
【0026】
本実施の形態においては、ボーン20として、中心線CLを基準に対称な一対の第一ボーン22(左第一ボーン及び右第一ボーン)と、腰サポーター1の中央部3から横端部5に向かう横方向において第一ボーン22よりも外側に位置し、中心線CLを基準に対称な一対の第二ボーン24(左第二ボーン及び右第二ボーン)と、前記横方向において第二ボーン24よりも外側に位置し、中心線CLを基準に対称な一対の第三ボーン26(左第三ボーン及び右第三ボーン)と、前記横方向において第三ボーン26よりも外側に位置し、中心線CLを基準に対称な一対の第四ボーン28(左第四ボーン及び右第四ボーン)と、を備えている。第一ボーン22、第二ボーン24、第三ボーン26、第四ボーン28は、いずれも腰サポーター1の上端部から腰サポーター1の下端部に亘って設けられている。なお、腰サポーター1の上端部(下端部)とは、必ずしも腰サポーター1の最上端(最下端)を意味するものではなく、すなわち、ボーン20は腰サポーター1の最上端(最下端)まで到達している必要はない。本実施の形態においても、各ボーン20は、最上端(最下端)まで至っておらず、より具体的には、外縁領域(領域F、外縁補強布12)には到達していない。すなわち、各ボーン20は、腰サポーター1の上部の外縁領域の直下から腰サポーター1の下部の外縁領域の直上まで連続して設けられている。しかしながら、各ボーン20は、外縁領域に至っていることとしてもよい。
【0027】
ここでは、第一ボーン22が設けられている領域を領域W、第二ボーン24が設けられている領域を領域X、第三ボーン26が設けられている領域を領域Y、第四ボーン28が設けられている領域を領域Zと呼ぶ(図3及び図4参照)。そして、前記内部領域のうちのボーン20が存在しない領域は、領域W~領域Zにより区画されて9つの領域に分けられる。すなわち、図3及び図4に示すように、2つの領域W(及び外縁領域)により区画された領域A、領域W及び領域X(及び外縁領域)により区画された2つの領域B、領域X及び領域Y(及び外縁領域)により区画された2つの領域C、領域Y及び領域Z(及び外縁領域)により区画された2つの領域D、領域Z(及び外縁領域)により区画された2つの領域Eに分けられる。なお、2つずつ存在する内部領域(領域B~領域E、領域W~領域Z)については、領域Eを除いて、当該2つの領域が中心線CLを基準に対称となっている。以下、各内部領域についてより詳しく説明する。
【0028】
<<<領域A及び領域Wについて>>>
領域Aは、腰サポーターの中央部3に位置し、2つの第一ボーン22及び外縁領域(領域F)により囲まれている(区画されている)。この領域Aには、スポンジ30(ポリウレタン製のクッション)が設けられている(全ての領域A~F、W~Zの中で、スポンジ30が設けられているのはこの領域だけである)。このスポンジ30は、仙骨102に適切に対応するように平面視において台形形状を備えており、領域Aの上端部から下端部に亘って設けられている。つまり、当該上端部におけるスポンジ30の横幅は、当該下端部におけるスポンジ30の横幅よりも小さくなっている。また、スポンジ30の厚み方向における長さ(厚さ)は、ボーン20(第一ボーン22乃至第四ボーン28)の厚み方向における長さ(厚さ)よりも大きくなっている。
【0029】
また、スポンジ30は、複層の布の中に(間に)挿入されている。すなわち、スポンジ30は、厚み方向において最表側の布と最裏側の布との間に位置している。そして、本実施の形態においては、領域Aにおける最裏側の布の面積が、領域Aにおける最表側の布の面積よりも大きくなっている。このことにより、最裏側の布の方が、最表側の布よりもより多くのたるみを生じさせることとなるため、スポンジ30が、厚み方向において裏側へ突出した状態となっている(図1の上図参照)。換言すれば、スポンジ30は、領域Aと隣接する外縁領域(領域F)から見て、厚み方向において裏側に位置する。
【0030】
そして、当該スポンジ30は、腰サポーター1が人体に着用された際(図5参照)に、人体の後側に位置し、かつ、骨盤100の仙骨102(図7参照)に対応する位置に位置することとなる。つまり、腰サポーター1におけるスポンジ30の位置は、腰サポーター1が人体に着用された際に、仙骨102に対応するように設定されている。なお、仙骨102に「対応する位置に位置する」とは、腰サポーター1が人体に着用された状態で、スポンジ30の奥側(人体内部側)に仙骨102があることを意味する。
【0031】
領域W(第一ボーン22)は、領域A、領域Bに隣接し、かつ、領域Aと領域Bとの間に設けられている(換言すれば、領域Aと領域Bが第一ボーン22を挟むようにして互いに隣り合っている)。すなわち、領域W(第一ボーン22)は、領域A(スポンジ30)の前記横方向における外側、かつ、領域Bの前記横方向における内側に設けられている。
【0032】
領域W(第一ボーン22)は、スポンジ30の台形形状に係る脚の方向に合わせて、中心線CLとの間で角度を持つように斜めに配置されている。すなわち、領域W(第一ボーン22)は、第一ボーン22の方向がスポンジ30の脚の方向に沿うように、下方へ行くほど外側へ向かうように配置されている。
【0033】
また、第一ボーン22は、複層の布の中に(間に)挿入されている。すなわち、第一ボーン22は、厚み方向において最表側の布と最裏側の布との間に位置している。そして、布内で第一ボーン22が移動してしまわないように、当該第一ボーン22の前記横方向における両側に位置する布部分(サポーター本体10)が、第一ボーン22の長辺に沿って糸(図1及び図2の点線参照)により縫い合わされている(糸が第一ボーン22の移動を止める役割を果たしている)。より具体的には、図1の下図、及び、図2に示すように、最表側の布のさらに表側、及び、最裏側の布のさらに裏側には、第一ボーン22の位置に合わせて第一ボーン22より僅かに大きなボーン表側補強布14及びボーン裏側補強布16が設けられており(当てられており)、サポーター本体10(複層の布)は、ボーン表側補強布14及びボーン裏側補強布16と共に、糸(図1及び図2の点線参照)により縫い合わされている。
【0034】
なお、図1の下図、及び、図2においては、便宜上、第一ボーン22の長辺と糸とを重ねて(共通の点線で)表しているが、実際にはこれらの間に僅かな隙間が存在している。また、ボーン表側補強布14及びボーン裏側補強布16の大きさを第一ボーン22よりも大きく設定しているため、ボーン表側補強布14及びボーン裏側補強布16は、領域Wから隣の領域A、Bに僅かにはみ出している。
【0035】
そして、当該第一ボーン22は、腰サポーター1が人体に着用された際(図5参照)に、人体の後側に位置し、かつ、骨盤100の仙腸関節104(図7参照)に対応する位置に位置することとなる。つまり、腰サポーター1における第一ボーン22の位置は、腰サポーター1が人体に着用された際に、仙腸関節104に対応するように設定されている。
【0036】
上述した通り、本実施の形態に係る腰サポーター1においては、腰サポーター1の中央部3にスポンジ30が設けられ、腰サポーター1が人体に着用された際に、仙骨102に対応する位置にスポンジ30が位置し、腰サポーター1の中央部3から横端部5に向かう横方向におけるスポンジ30の外側には、腰サポーター1の上端部から腰サポーター1の下端部に亘って樹脂製又は金属製のボーン20(第一ボーン22)が設けられており、該ボーン20(第一ボーン22)は、腰サポーター1が人体に着用された際に、仙腸関節104に対応する位置に位置することとした。そのため、以下のメリットが生ずる。
【0037】
仙骨102は、骨盤100において、隣接する腸骨106と比べて内側へ窪んでいる。したがって、従来の腰サポーター1については、腰サポーター1が人体に着用された際に、仙骨102と腰サポーター1との間に隙間ができてしまい、腰サポーター1の緊締力(圧力)が仙骨102に適切にかからないという問題があった。これに対し、本実施の形態に係る腰サポーター1においては、腰サポーター1が人体に着用された際に、仙骨102に対応する位置にスポンジ30が位置するため、かかる隙間をスポンジ30で埋めることができる。そのため、腰サポーター1の緊締力(圧力)を確実に仙骨102に伝えることが可能となり、仙骨102を適切にサポートすることができる。なお、スポンジ30は、クッション性及び復元性のある素材であるため、窪み(隙間)の大きさに個人差があったとしても、その大きさに応じて隙間を適切に埋めることが可能となる。
【0038】
また、仙骨102及び腸骨106の成す関節である仙腸関節104は、大きな体重がかかる部位であり、このことにより摩擦が生じて傷みやすい箇所である(腰痛の原因となっている場合も多い)。そこで、本実施の形態に係る腰サポーター1においては、腰サポーター1が人体に着用された際に、第一ボーン22(領域W)が仙腸関節104に対応する位置に位置するようにした。すなわち、より大きい緊締力(圧力)を付与できる第一ボーン22(領域W)の位置を、腰サポーター1が人体に着用された際に仙腸関節104に対応するように設定した。そのため、仙腸関節104のサポートをより一層適切なものとすることが可能となる。
【0039】
また、スポンジ30と第一ボーン22(仙骨102と仙腸関節104)は近接しているため、スポンジ30による上記作用と第一ボーン22による上記作用は、互いに関連し合っている。
【0040】
仙腸関節104には、主に第一ボーン22(領域W)からの圧力がかかるが、スポンジ30を備える隣の領域Aからの圧力も(スポンジ30が仙腸関節104に対応する位置に位置していないとしても)間接的に作用する。仮に、スポンジ30が存在しない場合には、前述した隙間を埋めることができないため、領域Aからの圧力が顕著に弱くなり、仙腸関節104への圧力が不十分となる可能性がある。本実施の形態においては、スポンジ30が隙間を埋めているため、このような問題が生じ得ず、領域Aからの圧力も付加されて仙腸関節104のサポートが適切に行われる。また、本実施の形態においては、スポンジ30が前記隙間を埋めることとなるが、第一ボーン22(領域W)からの圧力がスポンジ30(領域A)に間接的に作用するため、前記隙間がより一層生じにくくなる。したがって、仙骨102のサポートが適切に行われる。
【0041】
このように、本実施の形態によれば、骨盤100、特に、仙骨102及び仙腸関節104を適切にサポート可能な腰サポーター1を実現することができる。
【0042】
<<<領域B、領域X、領域Cについて>>>
領域B(第一部分に対応)、領域X(第二ボーン24)、領域C(第二部分に対応)は、第一ボーン22(領域W)の前記横方向における外側に設けられている。
【0043】
領域Bは、布のみからなる領域であり、第一ボーン22、第二ボーン24及び外縁領域(領域F)により囲まれている(区画されている)。また、図1乃至図4に示すように、腰サポーター1の上端部における第一ボーン22の部位(第一上端部位22aと呼ぶ)から当該上端部における第二ボーン24の部位(第二上端部位24aと呼ぶ)までの距離が、腰サポーター1の下端部における第一ボーン22の部位(第一下端部位22bと呼ぶ)から当該下端部における第二ボーン24の部位(第二下端部位24bと呼ぶ)までの距離よりも大きくなっている。そのため、当該上端部における領域Bの横幅は、当該下端部における領域Bの横幅よりも大きくなっており、領域Bは、平面視において三角形に近い四角形状を備えている。
【0044】
そして、当該領域Bは、腰サポーター1が人体に着用された際(図5参照)に、人体の後側に位置し、かつ、大殿筋110の筋腹でない部分112(図8参照)に対応する位置に位置することとなる。さらには、当該領域Bは、腰サポーター1が人体に着用された際に、大殿筋110の起始部112a(図8参照)に対応する位置に位置することとなる。つまり、腰サポーター1における領域Bの位置は、腰サポーター1が人体に着用された際に、大殿筋110の筋腹でない部分112(さらには、大殿筋110の起始部112a)に対応するように設定されている。
【0045】
領域X(第二ボーン24)は、領域B、領域Cに隣接し、かつ、領域Bと領域Cとの間に設けられている(換言すれば、領域Bと領域Cが第二ボーン24を挟むようにして互いに隣り合っている)。すなわち、領域X(第二ボーン24)は、領域Bの前記横方向における外側、かつ、領域Cの前記横方向における内側に設けられている。
【0046】
また、第二ボーン24は、複層の布の中に(間に)挿入されている。すなわち、第二ボーン24は、厚み方向において最表側の布と最裏側の布との間に位置している。そして、布内で第二ボーン24が移動してしまわないように、当該第二ボーン24の前記横方向における両側に位置する布部分(サポーター本体10)が、第二ボーン24の長辺に沿って糸(図1及び図2の点線参照)により縫い合わされている(糸が第二ボーン24の移動を止める役割を果たしている)。より具体的には、図2に示すように、最表側の布のさらに表側には、第二ボーン24の位置に合わせて第二ボーン24より僅かに大きなボーン表側補強布14が設けられており(当てられており)、サポーター本体10(複層の布)は、ボーン表側補強布14と共に、糸(図1及び図2の点線参照)により縫い合わされている(なお、第一ボーン22とは異なり、ボーン裏側補強布16は設けられていない)。
【0047】
なお、図1の下図、及び、図2においては、便宜上、第二ボーン24の長辺と糸とを重ねて(共通の点線で)表しているが、実際にはこれらの間に僅かな隙間が存在している。また、ボーン表側補強布14の大きさを第二ボーン24よりも大きく設定しているため、ボーン表側補強布14は、領域Xから隣の領域B、Cに僅かにはみ出している。
【0048】
そして、当該第二ボーン24は、腰サポーター1が人体に着用された際(図5参照)に、人体の後側に位置することとなる。
【0049】
領域Cは、布のみからなる領域であり、第二ボーン24、第三ボーン26及び外縁領域(領域F)により囲まれている(区画されている)。また、図1乃至図4に示すように、腰サポーター1の上端部における第二ボーン24の部位(第二上端部位24a)から当該上端部における第三ボーン26の部位(第三上端部位26aと呼ぶ)までの距離が、腰サポーター1の下端部における第二ボーン24の部位(第二下端部位24b)から当該下端部における第三ボーン26の部位(第三下端部位26bと呼ぶ)までの距離よりも小さくなっている。そのため、当該上端部における領域Cの横幅は、当該下端部における領域Cの横幅よりも小さくなっており、領域Cは、平面視において三角形に近い四角形状を備えている。

また、領域Cには、直径3mmの穴部40が複数設けられている(全ての領域A~F、W~Zの中で、穴部40が設けられているのはこの領域だけである)。図1乃至図4に示すように、当該穴部40の設け方(分布)については、腰サポーター1の下端部における穴部40の数が上端部における穴部40の数よりも多くなるように、穴部40が領域Cに設けられている。さらには、当該上端部から当該下端部へ向かうにつれて、穴部40の数が徐々に増加するように、穴部40が領域Cに設けられている。ここで、「穴部40の数が徐々に増加」とは、増加に加えて現状維持も含む(許容する)概念であり、減少はないことを意味する。本実施の形態においては、1列目の穴部40が1個、2、3列目の穴部40が2個、4~6列目の穴部40が3個、7~9列目の穴部40が5個、10、11列目の穴部40が7個となるように、穴部40を配置している。
【0050】
このように、領域Cには複数の穴部40が設けられているため、領域Cについては、他の布の領域(領域B、E等)よりも伸縮度合が大きくなっている。そのため、腰サポーター1が人体に着用された際に領域Cによって人体に付与される緊締力(圧力)は、他の布の領域(領域B、E等)によって人体に付与される緊締力(圧力)よりも弱い。つまり、穴部40は、他の布の領域(領域B、E等)よりも人体に弱い(小さい)緊締力を付与させるために、腰サポーター1に設けられている。
【0051】
そして、当該領域Cは、腰サポーター1が人体に着用された際(図5参照)に、人体の後側に位置し、かつ、大殿筋110の筋腹114(図8参照)に対応する位置に位置することとなる。つまり、腰サポーター1における領域Cの位置は、腰サポーター1が人体に着用された際に、大殿筋110の筋腹114に対応するように設定されている。
【0052】
上述した通り、本実施の形態において、第一ボーン22の前記横方向における外側には、腰サポーター1が人体に着用された際に、大殿筋110の筋腹でない部分112(例えば、起始部112a)に対応する位置に位置する領域B(第一部分)と、腰サポーター1が人体に着用された際に、大殿筋110の筋腹114に対応する位置に位置し、領域B(第一部分)よりも小さい緊締力を付与する領域C(第二部分)が設けられていることとした。そのため、以下のメリットが生ずる。
【0053】
腰サポーター1が人体に着用された際に、腰サポーター1を大殿筋110に対応する位置に位置させて、大殿筋110に緊締力を付与することは、大殿筋110の適切なサポートという観点から必要なことである。しかしながら、股関節120(図9参照)の動きに顕著に関与する大殿筋110の筋腹114に大きな緊締力を付与し過ぎると、股関節120のスムーズな動きを阻害してしまう恐れがある。そこで、本実施の形態においては、筋腹114と筋腹でない部分112(例えば、起始部112a)に対する緊締力の大きさを異ならせることとした。すなわち、大殿筋110の筋腹114に対応する領域Cの緊締力を、大殿筋110の筋腹でない部分112(起始部112a)に対応する領域Bの緊締力よりも小さく(弱く)することとした。そのため、大殿筋110を適切にサポートしつつ、股関節120のスムーズな動きを阻害しない腰サポーター1を実現することが可能となる。
【0054】
また、本実施の形態において、領域B(第一部分)と領域C(第二部分)の間には、腰サポーター1の上端部から腰サポーター1の下端部に亘って第二ボーン24が設けられており、領域B(第一部分)と領域C(第二部分)は第二ボーン24を挟むようにして互いに隣り合っていることとした。そのため、第二ボーン24の強い緊締力により、第二ボーン24に隣接する領域Bの緊締力を補強することが可能となる。
【0055】
また、本実施の形態においては、領域C(第二部分)には、穴部40が複数設けられており、腰サポーター1の下端部における穴部40の数が、腰サポーター1の上端部における穴部40の数よりも多いこととした。
【0056】
腰サポーター1が人体に着用された際に、人体の構造上、当該下端部における領域Cの部位は、当該上端部における領域Cの部位よりも股関節120から近い位置に位置する。本実施の形態においては、当該下端部における穴部40の数を当該上端部における穴部40の数よりも多くしたため、股関節120により近い下端部の方において、緊締力(圧力)がより小さい部分を増やすことができる。そのため、股関節120をよりスムーズに動かすことが可能な腰サポーター1を実現することができる。
【0057】
また、本実施の形態においては、前記上端部から前記下端部へ向かうにつれて、穴部40の数が徐々に増加するように、穴部40が領域C(第二部分)に設けられていることとした。
【0058】
したがって、股関節120からより遠い前記上端部からより近い前記下端部に向かって、緊締力(圧力)が小さい部分を徐々に増やすことが可能となる。そのため、股関節120をより一層スムーズに動かすことが可能な腰サポーター1を実現することができる。
【0059】
<<<領域Y、領域D、領域Zについて>>>
領域Y(第三ボーン26)、領域D(第三部分に対応)、領域Z(第四ボーン28)は、領域Cの前記横方向における外側に設けられている。
【0060】
領域Y(第三ボーン26)は、領域C、領域Dに隣接し、かつ、領域Cと領域Dとの間に設けられている(換言すれば、領域Cと領域Dが第三ボーン26を挟むようにして互いに隣り合っている)。すなわち、領域Y(第三ボーン26)は、領域Cの前記横方向における外側、かつ、領域Dの前記横方向における内側に設けられている。
【0061】
また、第三ボーン26は、複層の布の中に(間に)挿入されている。すなわち、第三ボーン26は、厚み方向において最表側の布と最裏側の布との間に位置している。そして、布内で第三ボーン26が移動してしまわないように、当該第三ボーン26の前記横方向における両側に位置する布部分(サポーター本体10)が、第三ボーン26の長辺に沿って糸(図1及び図2の点線参照)により縫い合わされている(糸が第三ボーン26の移動を止める役割を果たしている)。より具体的には、図2に示すように、最表側の布のさらに表側には、第三ボーン26の位置に合わせて第三ボーン26より僅かに大きなボーン表側補強布14が設けられており(当てられており)、サポーター本体10(複層の布)は、ボーン表側補強布14と共に、糸(図1及び図2の点線参照)により縫い合わされている(なお、第二ボーン24と同様、ボーン裏側補強布16は設けられていない)。
【0062】
なお、図1の下図、及び、図2においては、便宜上、第三ボーン26の長辺と糸とを重ねて(共通の点線で)表しているが、実際にはこれらの間に僅かな隙間が存在している。また、ボーン表側補強布14の大きさを第三ボーン26よりも大きく設定しているため、ボーン表側補強布14は、領域Yから隣の領域C、Dに僅かにはみ出している。
【0063】
そして、当該第三ボーン26は、腰サポーター1が人体に着用された際(図5参照)に、人体の後側に位置することとなる(なお、「後側に位置する」とは、第三ボーン26の全てが完全に後側に位置することを意味するものではない)。
【0064】
領域Dは、布のみからなる領域であり、第三ボーン26、第四ボーン28及び外縁領域(領域F)により囲まれている(区画されている)。また、図1乃至図4に示すように、腰サポーター1の下端部における第三ボーン26の部位(第三下端部位26b)から当該下端部における第四ボーン28の部位(第四下端部位28bと呼ぶ)までの距離が、腰サポーター1の上端部における第三ボーン26の部位(第三上端部位26a)から当該上端部における第四ボーン28の部位(第四上端部位28aと呼ぶ)までの距離よりも小さくなっている。そのため、当該下端部における領域Dの横幅(図3において、L1で示す)は、当該上端部における領域Cの横幅(図3において、L2で示す)よりも小さくなっており、領域Cは、平面視において三角形に近い四角形状を備えている。
【0065】
そして、当該領域Dは、腰サポーター1が人体に着用された際(図5図6参照)に、人体の横側に位置することとなる。また、前記下端部における領域Dの部位dは、腰サポーター1が人体に着用された際(図5図6参照)に、大転子130(図9)に対応する位置に位置する。つまり、前記下端部における領域Dの部位dの位置は、腰サポーター1が人体に着用された際に、大転子130に対応するように設定されている。
【0066】
領域Z(第四ボーン28)は、領域D、領域Eに隣接し、かつ、領域Dと領域Eとの間に設けられている(換言すれば、領域Dと領域Eが第四ボーン28を挟むようにして互いに隣り合っている)。すなわち、領域Z(第四ボーン28)は、領域Dの前記横方向における外側、かつ、領域Eの前記横方向における内側に設けられている。
【0067】
また、第四ボーン28は、複層の布の中に(間に)挿入されている。すなわち、第四ボーン28は、厚み方向において最表側の布と最裏側の布との間に位置している。そして、布内で第四ボーン28が移動してしまわないように、当該第四ボーン28の前記横方向における両側に位置する布部分(サポーター本体10)が、第四ボーン28の長辺に沿って糸(図1及び図2の点線参照)により縫い合わされている(糸が第四ボーン28の移動を止める役割を果たしている)。より具体的には、図2に示すように、最表側の布のさらに表側には、第四ボーン28の位置に合わせて第四ボーン28より僅かに大きなボーン表側補強布14が設けられており(当てられており)、サポーター本体10(複層の布)は、ボーン表側補強布14と共に、糸(図1及び図2の点線参照)により縫い合わされている(なお、第三ボーン26と同様、ボーン裏側補強布16は設けられていない)。
【0068】
なお、図1の下図、及び、図2においては、便宜上、第四ボーン28の長辺と糸とを重ねて(共通の点線で)表しているが、実際にはこれらの間に僅かな隙間が存在している。また、ボーン表側補強布14の大きさを第四ボーン28よりも大きく設定しているため、ボーン表側補強布14は、領域Zから隣の領域D、Eに僅かにはみ出している。
【0069】
そして、当該第四ボーン28は、腰サポーター1が人体に着用された際(図6参照)に、人体の前側に位置することとなる(なお、「前側に位置する」とは、第四ボーン28の全てが完全に前側に位置することを意味するものではない)。
【0070】
上述した通り、本実施の形態において、領域C(第二部分)の前記横方向における外側には、第三ボーン26と、第四ボーン28と、前記第三ボーン26と第四ボーン28により区画された領域D(第三部分)とが備えられ、第三ボーン26は、腰サポーター1の上端部から腰サポーター1の下端部に亘って設けられ、腰サポーター1が人体に着用された際に、人体の後側に位置し、第四ボーン28は、前記上端部から前記下端部に亘って設けられ、腰サポーター1が人体に着用された際に、人体の前側に位置し、前記下端部における領域D(第三部分)の横幅L1は、前記上端部における領域D(第三部分)の横幅L2よりも小さいこととした。そのため、以下のメリットが生ずる。
【0071】
人体の股関節120内には大腿骨頭122(図9参照)が存在するが、この大腿骨頭122は、片足立ち状態から着地する時などに、横外側(側方)へ動こうとする(動こうとする方向を、図9において黒矢印で示す)。そして、当該大腿骨頭122の横外側(側方)への動きが、股関節120を脱臼させるリスクがある。したがって、腰サポーター1が人体に着用された際に、人体の横側に位置し横内側へ緊締力(圧力)を付与する領域Dのうち、股関節120(大腿骨頭122)に近い部分については、大腿骨頭122の上記動きを抑えて脱臼のリスクを減少させるために、緊締力(圧力)を大きくすることが望ましい(一方で、股関節120(大腿骨頭122)から遠い部分については、自由な動きを阻害しないように、緊締力(圧力)を小さくすることが望ましい)。
【0072】
本実施の形態においては、前記下端部における領域Dの横幅L1を、前記上端部における領域Dの横幅L2よりも小さくしたため、当該下端部における第三ボーン26、第四ボーン28間の距離が当該上端部における第三ボーン26、第四ボーン28間の距離よりも小さくなり、下端部の横内側へ向けた緊締力(圧力)が、上端部の横内側へ向けた緊締力(圧力)よりも大きくなる。人体の構造上、腰サポーター1が人体に着用された際に、当該下端部における領域Dの部位dは、当該上端部における領域Dの部位dよりも股関節120(大腿骨頭122)から近い位置に位置する。そのため、本実施の形態によれば、大腿骨頭122の動きを抑えて股関節120の脱臼のリスクを減少させつつ、股関節120から遠い部分については自由な動きを阻害しないようにする腰サポーター1を実現することが可能となる。
【0073】
また、本実施の形態においては、前記下端部における領域Dの部位dが、腰サポーター1が人体に着用された際(図5図6参照)に、大転子130(図9)に対応する位置に位置することとした。人体の構造上、大転子130の奥側(人体内部側)には大腿骨頭122が位置しているため、本実施の形態によれば、当該下端部における領域Dの部位dが、大腿骨頭122に対し適切に緊締力(圧力)を付与することが可能となり、大腿骨頭122の動きを抑えて股関節120の脱臼のリスクを減少させることが可能となる。
【0074】
<<<領域Eについて>>>
領域Eは、領域Z(第四ボーン28)の前記横方向における外側に設けられ、第四ボーン28及び外縁領域(領域F)により囲まれている(区画されている)。この領域Eには、面ファスナー50が設けられている。より具体的には、図1及び図2に示すように、右側の領域Eのうちの右端部に右面ファスナー50aが、左側の領域Eのうちの左端部に左面ファスナー50bが、それぞれ設けられており、右面ファスナー50aは、腰サポーター1の厚み方向においてサポーター本体10(複層の布)の裏側に、左面ファスナー50bは、当該厚み方向においてサポーター本体10(複層の布)の表側に、それぞれ備えられている。
【0075】
各々の面ファスナー50は、サポーター本体10(複層の布)と共に、糸(図1及び図2における点線参照)により縫い合わされている。なお、本実施の形態においては、右面ファスナー50aの一部が領域Eをはみ出しており、外縁領域(領域F)に至っている。そのため、右面ファスナー50aの一部は、外縁補強布12と重なっており、右面ファスナー50aの一部は、サポーター本体10(複層の布)、外縁補強布12と共に、糸により縫い合わされている。一方で、左面ファスナー50bは、領域Eをはみ出していない。なお、面ファスナー50が領域Eをはみ出すか否かについては、どちらの形態でも構わない。
【0076】
===その他の実施の形態===
上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0077】
上記実施の形態において、スポンジ30は、複層の布の中に(間に)挿入されていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、スポンジ30が布の外側に設けられており、当該布に接着剤等で接着されていることとしてもよい。
【0078】
また、ボーン20についても、同様に、複層の布の中に(間に)挿入されている必要はなく、布の外側に設けられていることとしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 腰サポーター
3 中央部
5 横端部
10 サポーター本体
12 外縁補強布
14 ボーン表側補強布
16 ボーン裏側補強布
20 ボーン
22 第一ボーン
22a 第一上端部位
22b 第一下端部位
24 第二ボーン
24a 第二上端部位
24b 第二下端部位
26 第三ボーン
26a 第三上端部位
26b 第三下端部位
28 第四ボーン
28a 第四上端部位
28b 第四下端部位
30 スポンジ
40 穴部
50 面ファスナー
50a 右面ファスナー
50b 左面ファスナー
100 骨盤
102 仙骨
104 仙腸関節
106 腸骨
110 大殿筋
112 筋腹でない部分
112a 起始部
114 筋腹
120 股関節
122 大腿骨頭
130 大転子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9