(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157703
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】ロボットアームとスカラロボット
(51)【国際特許分類】
B25J 19/00 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
B25J19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067779
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】391008515
【氏名又は名称】株式会社アイエイアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】三觜 真人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 由里恵
(72)【発明者】
【氏名】足立 誠司
(72)【発明者】
【氏名】澤 真之輔
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS06
3C707AS12
3C707BS15
3C707BT14
3C707CV07
3C707CW07
3C707CX01
3C707CX03
3C707CY01
3C707CY12
3C707CY27
3C707CY29
3C707DS01
3C707HS27
3C707HT17
3C707HT20
(57)【要約】
【課題】 簡易な構成により防塵防滴性能を高くすることができるロボットアームとスカラロボットを提供すること。
【解決手段】 フレームと、上記フレームに設置された駆動部と、上記フレーム上に設置され上記駆動部を覆うカバーと、上記カバーと上記フレームの間に設置されたスペーサーと、上記スペーサーと上記フレームに介挿されたパッキンと、を具備し、上記カバーと上記パッキンの歪みを防止し、簡易な構成により防塵防滴性能を高くするもの。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
上記フレームに設置された駆動部と、
上記フレーム上に設置され上記駆動部を覆うカバーと、
上記カバーと上記フレームの間に設置されたスペーサーと、
上記スペーサーと上記フレームに介挿されたパッキンと、
を具備したことを特徴とするロボットアーム。
【請求項2】
請求項1記載のロボットアームにおいて、
上記フレーム、及び、上記スペーサーの少なくとも一方には上記パッキンが収容されるパッキン収容凹部が形成されていることを特徴とするロボットアーム。
【請求項3】
請求項1記載のロボットアームにおいて、
上記スペーサーの外周側には上記カバー及び上記フレームの側面より突出された突出部が設けられていることを特徴とするロボットアーム。
【請求項4】
請求項3記載のロボットアームにおいて、
上記突出部のカバー側の側面が傾斜面となっていることを特徴とするロボットアーム。
【請求項5】
請求項1記載のロボットアームにおいて、
上記スペーサーには上記カバーの端部が係合される凹部が形成されていることを特徴とするロボットアーム。
【請求項6】
請求項1記載のロボットアームにおいて、
上記スペーサーには上記フレームの端部が係合される凹部が形成されていることを特徴とするロボットアーム。
【請求項7】
請求項1記載のロボットアームにおいて、
上記カバーは上記スペーサーに接着されていることを特徴とするロボットアーム。
【請求項8】
請求項1記載のロボットアームにおいて、
上記カバーと上記スペーサーは上記フレームに締結部材によって共締めされていることを特徴とするロボットアーム。
【請求項9】
請求項1記載のロボットアームにおいて、
上記スペーサーは金属製であることを特徴とするロボットアーム。
【請求項10】
請求項1記載のロボットアームにおいて、
上記フレームは金属製であり、上記カバーは樹脂製であることを特徴とするロボットアーム。
【請求項11】
請求項1から請求項10の何れかに記載のロボットアームが設けられたスカラロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットアームとスカラロボットに係り、特に、簡易な構成により防塵防滴性能を高くすることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のロボットアームとして、特許文献1に記載されたようなものが存在している。
特許文献1に記載されたスカラロボットにはアームがあり、上記アームにはアームカバーが取り付けられている。上記アームのアームカバー側の外周の縁部に沿ってガイドが突出されて形成されていて、上記アームカバーは上記ガイドに嵌め込むことで上記アームに取り付けられる。
【0003】
また、上記アームのアームカバー側の外周の縁部に沿ってパッキンが設置されていて、上記アームカバーは上記パッキンに嵌め込むことで上記アームに取り付けられる場合も記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では次のような問題があった。
アームカバーはアームのガイドに嵌め込まれているだけであり、上記アームカバーの撓みによって隙間が生じ、防塵防滴性能を発揮できないことが懸念される。
【0006】
また、上記アームカバーの縁によってパッキンが切断されてしまい、防塵防滴性能を発揮できないことも懸念される。
【0007】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、簡易な構成により防塵防滴性能を高くすることができるロボットアームとスカラロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するべく本願発明の請求項1によるロボットアームは、フレームと、上記フレームに設置された駆動部と、上記フレーム上に設置され上記駆動部を覆うカバーと、上記カバーと上記フレームの間に設置されたスペーサーと、上記スペーサーと上記フレームに介挿されたパッキンと、を具備したことを特徴とするものである。
又、請求項2によるロボットアームは、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記フレーム、及び、上記スペーサーの少なくとも一方には上記パッキンが収容されるパッキン収容凹部が形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項3によるロボットアームは、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記スペーサーの外周側には上記カバー及び上記フレームの側面より突出された突出部が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項4によるロボットアームは、請求項3記載のロボットアームにおいて、上記突出部のカバー側の側面が傾斜面となっていることを特徴とするものである。
又、請求項5によるロボットアームは、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記スペーサーには上記カバーの端部が係合される凹部が形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項6によるロボットアームは、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記スペーサーには上記フレームの端部が係合される凹部が形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項7によるロボットアームは、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記カバーは上記スペーサーに接着されていることを特徴とするものである。
又、請求項8によるロボットアームは、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記カバーと上記スペーサーは上記フレームに締結部材によって共締めされていることを特徴とするものである。
又、請求項9によるロボットアームは、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記スペーサーは金属製であることを特徴とするものである。
又、請求項10によるロボットアームは、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記フレームは金属製であり、上記カバーは樹脂製であることを特徴とするものである。
又、請求項11によるスカラロボットは、請求項1から請求項10の何れかに記載のロボットアームが設けられたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
以上述べたように、本願発明の請求項1記載のロボットアームによると、フレームと、上記フレームに設置された駆動部と、上記フレーム上に設置され上記駆動部を覆うカバーと、上記カバーと上記フレームの間に設置されたスペーサーと、上記スペーサーと上記フレームに介挿されたパッキンと、を具備したので、簡易な構成により防塵防滴性能を高くすることができる。
又、請求項2記載のロボットアームによると、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記フレーム、及び、上記スペーサーの少なくとも一方には上記パッキンが収容されるパッキン収容凹部が形成されているので、更に防塵防滴性能を高くすることができる。
又、請求項3記載のロボットアームによると、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記スペーサーの外周側には上記カバー及び上記フレームの側面より突出された突出部が設けられているので、更に防塵防滴性能を高くすることができる。
又、請求項4記載のロボットアームによると、請求項3記載のロボットアームにおいて、上記突出部のカバー側の側面が傾斜面となっているので、上記カバーの外周面への塵埃の蓄積を防止できる。
又、請求項5記載のロボットアームによると、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記スペーサーには上記カバーの端部が係合される凹部が形成されているので、更に防塵防滴性能を高くすることができる。
又、請求項6記載のロボットアームによると、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記スペーサーには上記フレームの端部が係合される凹部が形成されているので、更に防塵防滴性能を高くすることができる。
又、請求項7記載のロボットアームによると、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記カバーは上記スペーサーに接着されているので、更に防塵防滴性能を高くすることができる。
又、請求項8記載のロボットアームによると、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記カバーと上記スペーサーは上記フレームに締結部材によって共締めされているので、更に防塵防滴性能を高くすることができる。
又、請求項9記載のロボットアームによると、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記スペーサーは金属製であるので、上記スペーサーの歪みが防止され、更に防塵防滴性能を高くすることができる。
又、請求項10記載のロボットアームによると、請求項1記載のロボットアームにおいて、上記フレームは金属製であり、上記カバーは樹脂製であるので、軽量化できる。
又、請求項11記載のスカラロボットによると、請求項1から請求項10の何れかに記載のロボットアームが設けられたので、スカラロボットにおいて簡易な構成により防塵防滴性能を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態を示す図で、スカラロボットの斜視図である。
【
図2】本発明の一実施の形態を示す図で、スカラロボットの側面図である。
【
図3】本発明の一実施の形態を示す図で、スカラロボットの縦断面図である。
【
図4】本発明の一実施の形態を示す図で、
図4(a)は
図2のIVa-IVa断面図、
図4(b)は
図2のIVb-IVb断面図である。
【
図5】本発明の一実施の形態を示す図で、上部フレーム、パッキン、スペーサー、及び、カバーの分解斜視図である。
【
図6】本発明の一実施の形態を示す図で、
図6(a)は
図4(a)のVIa部分の断面図、
図6(b)は
図4(b)のVIb部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、
図1乃至
図6を参照しながら、本発明の一実施の形態について説明する。
この一実施の形態によるスカラロボット1は、
図1乃至
図3に示すように、ベースユニット3と、このベースユニット3に旋回可能に取り付けられた第1アーム5と、この第1アーム5の先端に旋回可能に設けられたロボットアームとしての第2アーム7と、から構成されている。以下、各部の構成を詳細に説明する。
【0012】
上記ベースユニット3には中空のベース本体11、第2ベース本体13、第3ベース本体15、及び、ベース用カバー17がある。
図3に示すように上記ベース本体11には第1アーム旋回用モータ21と第1アーム旋回用減速機23が設置されている。上記第1アーム旋回用モータ21の出力軸25にはプーリー27が固着されていて、上記第1アーム旋回用減速機23の入力軸29にはプーリー31が固着されている。上記プーリー27と上記プーリー31にはタイミングベルト33が巻回・歯合されていて、上記第1アーム旋回用モータ21の出力軸25の回転が上記第1アーム旋回用減速機23の入力軸29に伝達される。上記入力軸29には図示しないギヤが固着されていて、この図示しないギヤ及びその他の図示しないギヤを介して上記入力軸29の回転を減速し図示しない出力軸を介して出力する。
【0013】
また、上記ベース本体11には、
図3に示すように、底側開口部41、側面側開口部43、上側開口部45、出力軸用開口部47が設けられている。
【0014】
上記底側開口部41は底蓋51によって閉塞されている。上記底蓋51は固定用ボルト53によって固定されている。
上記側面側開口部43は側面側蓋57によって閉塞されている。上記側面側蓋57は固定用ボルト59によって固定されている。
上記上側開口部45は上側蓋63によって閉塞されている。上記上側蓋63は固定用ボルト65によって固定されている。また、上記上側蓋63にはケーブル用貫通孔69が形成されている。
なお、上記底蓋51と上記底側開口部41の外縁部の間、上記側面側蓋57と上記側面側開口部43の外縁部の間、及び、上記上側蓋63と上記上側開口部45の外縁部の間には、それぞれ図示しないパッキンが介挿されている。
【0015】
上記上側蓋63の
図3中上側には上記第2ベース本体13が設置されている。上記第2ベース本体13内には、ケーブル貫通部71が設けられている。
上記第2ベース本体13の
図3中上側には上記第3ベース本体15が設置されている。上記第3ベース本体15にはケーブル貫通部77と、第1アーム回転軸収容部79が設けられている。
なお、上記第2ベース本体13の上記ケーブル貫通部71の
図3中下側の開口部の外縁部と上記上側蓋63のケーブル用貫通孔69の
図3中上側の外縁部との間、及び、上記第3ベース本体15のケーブル貫通部77の
図3中下側の開口部の外縁部と上記第2ベース本体13のケーブル貫通部71の
図3中上側の開口部の外縁部との間には、それぞれ図示しないパッキンが介挿されている。
【0016】
上記第3ベース本体15の
図3中上側には上記ベース用カバー17が設置されている。上記ベース用カバー17は、例えば、樹脂製である。
なお、上記第3ベース本体15と上記ベース用カバー17の間には図示しないパッキンが介挿されている。
【0017】
また、上記ベース本体11の出力軸用開口部47の
図3中下側の外縁部と上記第1アーム旋回用減速機23の
図3中上側の外縁部の間には図示しないパッキンが介挿されている。
【0018】
上記第1アーム5には、中空のアーム本体91と、上記アーム本体91の
図3中左右方向の開口部を閉塞するアーム用端部カバー93、95がある。
なお、上記アーム本体91と上記アーム用端部カバー93の間、及び、上記アーム本体91と上記アーム用端部カバー95の間には図示しないパッキンが介挿されている。
【0019】
上記アーム本体91の
図3中右端側の上側には基端側回転軸取り付け用貫通孔101が形成されていて、上記基端側回転軸取り付け用貫通孔101に
図3中上側から係合させて第1アーム用上部回転軸103が固着されている。また、上記アーム本体91の
図3中右端側の下側にはジョイント取り付け用貫通孔105が形成されていて、上記ジョイント取り付け用貫通孔105に
図3中下側から係合させて上記第1アーム用上部回転軸103と同軸上に第1アーム用下部回転軸107が固着されている。上記第1アーム用上部回転軸103は軸受109を介して上記第3ベース本体15の第1アーム回転軸収容部79と回動可能に連結されていて、上記第1アーム用下部回転軸107は上記第1アーム旋回用減速機23の図示しない出力軸に連結されており、上記第1アーム5は上記第1アーム用上部回転軸103を中心に旋回される。上記第1アーム回転軸収容部79の
図3中下側は拡径されてシール収容凹部108が形成されていて、上記シール収容凹部108内にはシール部材110が設置されている。
【0020】
なお、上記第1アーム用上部回転軸103と上記アーム本体91の間、及び、上記第1アーム用下部回転軸107と上記アーム本体91の間には、図示しないパッキンが介挿されている。
【0021】
上記アーム本体91の
図3中左端側の上側には先端側回転軸取り付け用貫通孔121が形成されていて、上記先端側回転軸取り付け用貫通孔121に
図3中上側から係合させて第2アーム用上部回転軸123が固着されている。また、上記アーム本体91の
図3中左端側の下側には第2アーム旋回用減速機取り付け用貫通孔125が形成されていて、上記第2アーム旋回用減速機取り付け用貫通孔125には、第2アーム旋回用減速機支持部材126が係合されていて、上記第2アーム旋回用減速機支持部材126には上記第2アーム用上部回転軸123と同軸上に第2アーム旋回用減速機127が固着されている。
上記第2アーム用上部回転軸123と上記アーム本体91の間、及び、上記第2アーム旋回用減速機支持部材126と上記アーム本体91の間には図示しないパッキンが介挿されている。
【0022】
上記第2アーム旋回用減速機127の入力軸167の
図3中上端にはプーリー169が固着されている。
【0023】
また、上記アーム本体91の
図3中上側であって、上記基端側回転軸取り付け用貫通孔101と上記先端側回転軸取り付け用貫通孔121の間には第2アーム旋回用モータ設置用貫通孔171が形成されている。上記アーム本体91内部であって、上記第2アーム旋回用モータ設置用貫通孔171の下側にはモータ支持部材173が設置されていて、上記モータ支持部材173の
図3中上側には第2アーム旋回用モータ175が設置されている。上記第2アーム旋回用モータ175の
図3中上側は上記アーム本体91の外部に突出されており、上記アーム本体91の
図3中上側には上記第2アーム旋回用モータ175の突出部分を覆うモータカバー177が設置されている。上記モータカバー177は、例えば、樹脂製である。上記モータカバー177の
図3中下側の縁部と上記アーム本体91との間には図示しないパッキンが介挿されている。
【0024】
上記第2アーム旋回用モータ175の出力軸181にはプーリー183が固着されている。上記プーリー169と上記プーリー183との間にはベルト185が巻回されていて、上記第2アーム旋回用モータ175の回転が上記第2アーム旋回用減速機127の入力軸167に伝達される。上記入力軸167に伝達された回転は上記第2アーム旋回用減速機127によって減速され、図示しない出力軸に出力される。
【0025】
上記第2アーム7にはフレーム201がある。フレーム201は、
図1から
図3に示すように、
図3中上側の上部フレーム203と、
図3中下側の下部フレーム205と、上記上部フレーム203と上記下部フレーム205の間に介挿された中間フレーム207からなる。
上記上部フレーム203、下部フレーム205、及び、中間フレーム207は、例えば、アルミ製である。
上記中間フレーム207と上記上部フレーム203の間、及び、上記中間フレーム207と上記下部フレーム205の間には図示しないパッキンが介挿されている。
【0026】
上記上部フレーム203の
図3中右側には回転軸収容部213が設けられている。上記回転軸収容部213内の
図3中上側には軸受215が設置されていて、上記回転軸収容部213内には上記軸受215を介して上記第2アーム用上部回転軸123が回転可能に収容されている。上記回転軸収容部213の
図3中下側は拡径されてシール収容凹部217が形成されていて、上記シール収容凹部217内にはシール部材219が設置されている。
【0027】
上記下部フレーム205の
図3中右側には回転軸収容部223が設けられている。上記回転軸収容部223内には
図3中上側には軸連結部材225が設置されていて、上記軸連結部材225が上記第2アーム旋回用減速機127の図示しない出力軸に連結されている。上記第2アーム旋回用減速機支持部材126の
図3中下端側は上記回転軸収容部223内に収容されていて、上記第2アーム旋回用減速機支持部材126と上記軸連結部材225の間にはシール部材229が設置されている。
【0028】
上記下部フレーム205の先端側(
図3中左側)には、ボールスプラインナット231が軸受233を介して回転可能に設置されている。
また、上記下部フレーム205の先端側にはボールスプラインナット回転用減速機235が設置されていて、上記ボールスプラインナット回転用減速機235の
図3中上側にはボールスプラインナット回転用モータ237が設置されている。上記ボールスプラインナット回転用モータ237の図示しない出力軸は上記ボールスプラインナット回転用減速機235の図示しない入力軸に連結されている。上記ボールスプラインナット回転用減速機235の図示しない出力軸にはプーリー241が固着されている。上記ボールスプラインナット231にはプーリー243が固着されていて、上記プーリー241と上記プーリー243の間にはベルト245が巻回されており、上記ボールスプラインナット回転用減速機235の図示しない出力軸によって上記ボールスプラインナット231が回転されるようになっている。
【0029】
上記ボールスプラインナット231にはボールスプライン軸251が挿通されている。上記ボールスプライン軸251の
図3中下端には軸受253を介して連結部材255が設置されている。また、上記ボールスプライン軸251の
図3中上端には端部キャップ257が固着されていて、上記端部キャップ257には軸受259を介して連結部材261が設置されている。
上記ボールスプラインナット231の回転により上記ボールスプライン軸251が回転されるようになっている。
【0030】
上記連結部材255と上記連結部材261の間には上記ボールスプライン軸251と並行にボールねじ軸263が設置されている。
上記中間フレーム207内にはボールねじ支持部材265が設置されている。上記ボールねじ支持部材265には軸受267、269を介してボールねじナット支持部材271が回転可能に設置されている。上記ボールねじナット支持部材271の
図3中上端側にはボールねじナット273と共にプーリー275が固着されている。
【0031】
上記上部フレーム203の
図3中上側には、モータ支持部材281を介して、ボールねじ軸直進用モータ283が設置されている。上記ボールねじ軸直進用モータ283の図示しない出力軸にはプーリー287が固着されている。上記プーリー275と上記プーリー287にはベルト289が巻回されていて、上記ボールねじ軸直進用モータ283によって、上記ボールねじナット273が回転され、上記ボールねじ軸263とともに、上記ボールスプライン軸251が
図3中上下方向に移動されるようになっている。
【0032】
また、上記下部フレーム205の
図3中下側には、例えば、樹脂製の下側カバー291が設置されている。上記下側カバー291は、上記下部フレーム205の
図3中下側に突出された上記ボールスプラインナット231や上記ボールスプラインナット回転用減速機235を覆うように設置されている。上記下側カバー291と上記下部フレーム205の間には、図示しないパッキンが介挿されている。
【0033】
上記下側カバー291の
図3中下側には開口部295が設けられていて、上記開口部295から上記ボールスプライン軸251が突出される。
上記下側カバー291の
図3中下側には上記開口部295を閉塞するように蛇腹301が設置されている。上記蛇腹301の
図3中上端は上記下側カバー295の上記開口部295外縁部に連結されていて、上記蛇腹301の
図3中上端部と上記下側カバー291の上記開口部295外縁部の間には図示しないパッキンが介挿されている。また、上記蛇腹301の
図3中下端部は上記連結部材255に連結されている。これにより、上記ボールスプライン軸251の
図3中上下方向の移動により上記蛇腹301が伸縮する。
【0034】
上記上部フレーム203の
図3中上側には、例えば、樹脂製のカバー311が設置されている。上記カバー311は、上記ボールねじ軸直進用モータ283、上記ボールねじ軸263、及び、上記ボールスプライン軸251の上記上部フレーム203より上側に突出された部分を覆うように設置される。
【0035】
上記カバー311の
図3中右上側には開口部313が設けられていて、上記開口部313は蓋315によって閉塞されている。上記蓋315と上記カバー311の開口部313の外縁部の間には図示しないパッキンが介挿されている。
【0036】
また、上記カバー311の
図3中左上側には開口部319が設けられていて、上記開口部319は蛇腹321によって閉塞されている。上記蛇腹321の
図3中下端は上記カバー311の上記開口部319外縁部に連結されていて、上記蛇腹321の
図3中下端部と上記カバー311の上記開口部319外縁部の間には図示しないパッキンが介挿されている。また、上記蛇腹321の
図3中上端部は上記連結部材261に連結されている。これにより、上記ボールスプライン軸251の
図3中上下方向の移動により上記蛇腹321が伸縮する。
また、
図1から
図5に示すように、上記カバー311の外周側の側面325は外側に向けて下り勾配になるように傾斜されている。
【0037】
また、
図3から
図5に示すように、上記カバー311は、例えばアルミ製のスペーサー331を介して上記上部フレーム203に設置されている。例えば、
図3、
図4、及び、
図6に示すように、上記スペーサー331は上記上部フレーム203の
図3中上側の外周縁部に係合されている。
図6に示すように、上記スペーサー331の
図6中下側には上記上部フレーム203に係合されるフレーム側係合凹部333が設けられている。
【0038】
また、上記スペーサー331の
図6中上側には上記カバー311の
図6中下端部が係合されるカバー側係合凹部335が設けられている。上記カバー311と上記スペーサー331は接着されている。
また、
図6に示すように、上記スペーサー331には、上記カバー311及び上記上部フレーム203の外周方向(
図6中右側)に向けて突出された突出部334が設けられている。上記突出部334の
図6中上側には、上記カバー311及び上記上部フレーム203の外周方向(
図6中右側)に向けて下り勾配に形成された傾斜面336が形成されている。
【0039】
また、
図5や
図6(a)に示すように、上記カバー311にはネジ止め部337が設けられているとともに、上記スペーサー331にもネジ止め部339が設けられている。
図6(a)に示すように、上記カバー311と上記スペーサー331は、上記ネジ止め部337、339を貫通し上記上部フレーム203に螺合されるボルト341によって共に固定される。
【0040】
また、例えば、
図6に示すように、上記上部フレーム203の
図6中上端面にはパッキン収容凹部343が設けられている。上記パッキン収容凹部343内にはパッキン345が収容されている。上記パッキン345の高さ(
図6中上下方向の大きさ)は上記パッキン収容凹部343の深さ(
図6中上下方向の大きさ)より大きく設定されていて、上記スペーサー331と上記上部フレーム203の間に上記パッキン345が
図6中上下方向に圧縮された状態で介挿されている。
【0041】
次に、この一実施の形態による作用について説明する。
第1アーム旋回用モータ21によりベースユニット3に対して第1アーム5が旋回され、第2アーム旋回用モータ175によって上記第1アーム5に対して第2アーム7が旋回される。
【0042】
ボールスプライン軸251の
図3中先端側に図示しない対象物が取り付けられる。ボールスプラインナット回転用モータ237により上記ボールスプライン軸251を介して上記図示しない対象物が回転される。また、ボールねじ軸直進用モータ283によって上記ボールスプライン軸251を介して上記図示しない対象物が
図3中上下方向に移動される。
【0043】
底蓋51とベース本体11の底側開口部41の外縁部の間、側面側蓋57と上記ベース本体11の側面側開口部43の外縁部、及び、上側蓋63と上記ベース本体11の上側開口部45の外縁部の間にはそれぞれ図示しないパッキンが介挿されており、上記ベースユニット3内への異物の侵入が防止される。
【0044】
また、第2ベース本体13と上側蓋63の間、第3ベース本体15と上記第2ベース本体13の間、上記第3ベース本体15とベース用カバー17の間、及び、ベース本体11と第1アーム旋回用減速機23の間にはそれぞれ図示しないパッキンが介挿されており、上記ベースユニット3内への異物の侵入が防止される。
【0045】
アーム本体91とアーム用端部カバー93の間、上記アーム本体91とアーム用端部カバー95の間、第1アーム用上部回転軸103と上記アーム本体91の間、及び、第1アーム用下部回転軸107と上記アーム本体91の間にはそれぞれ図示しないパッキンが介挿されており、上記第1アーム5内への異物の侵入が防止される。
【0046】
また、第2アーム用上部回転軸123と上記アーム本体91の間、及び、第2アーム旋回用減速機支持部材126と上記アーム本体91の間にもそれぞれ図示しないパッキンが介挿されており、上記第1アーム5内への異物の侵入が防止される。
【0047】
回転軸収容部213のシール収容凹部217内にはシール部材219が設置されており、上記第2アーム用上部回転軸123と上記回転軸収容部213の間からの第2アーム7内への異物の侵入が防止される。
第2アーム旋回用減速機支持部材126と軸連結部材225の間にはシール部材229が設置されており、上記第2アーム旋回用減速機支持部材126と上記軸連結部材225の間からの第2アーム7内への異物の侵入が防止される。
【0048】
中間フレーム207と上部フレーム203の間、及び、上記中間フレーム207と下部フレーム205の間にもそれぞれ図示しないパッキンが介挿されており、上記第2アーム7内への異物の侵入が防止される。
【0049】
下側カバー291と上記下部フレーム205の間、上記下側カバー291と蛇腹301の間にもそれぞれ図示しないパッキンが介挿されており、上記第2アーム7内への異物の侵入が防止される。
【0050】
蛇腹321の
図3中下端部とカバー311の間、及び、蓋315と上記カバー311の間にもそれぞれ図示しないパッキンが介挿されており、上記第2アーム7内への異物の侵入が防止される。
【0051】
また、スペーサー331と上記上部フレーム203の間にパッキン345が介挿されており、上記スペーサー331と上記上部フレーム203の間からの第2アーム7内への異物の侵入が防止される。
また、上記スペーサー331は、例えば、アルミ製であるため、歪みが少なく、上記スペーサー331と上記上部フレーム203の間の防塵防滴機能を高めている。
【0052】
次に、この一実施の形態による効果について説明する。
カバー311と上部フレーム203の間にスペーサー331が設置されていて、上記スペーサー331と上記上部フレーム203の間にパッキン345が介挿されているので、上記スペーサー331によって上記パッキン345を潰すのに十分な強度と面積を持たせることができ、上記スペーサー331と上記上部フレーム203とが確実に密着し、簡易な構成により防塵防滴性能を高くすることができる。
また、上記上部フレーム203には上記パッキン345を収容するパッキン収容凹部343が形成されているので、上記パッキン345が上記パッキン収容凹部343によって確実に保持されるので、更に防塵防滴性能を高くすることができる。
【0053】
また、上記カバー311の外周側の側面325は外側に向けて下り勾配になるように傾斜されているので、塵埃の蓄積を防止できる。
上記スペーサー331の
図6中下側には上記上部フレーム203に係合されるフレーム側係合凹部333が設けられているので、上記スペーサー331と上記上部フレーム203の間がラビリンス状の構造になり、更に防塵防滴性能を高くすることができる。
また、上記スペーサー331の
図6中上側には上記カバー311の
図6中下端部が係合されるカバー側係合凹部335が設けられているので、上記スペーサー331と上記カバー311の間がラビリンス状の構造になり、更に防塵防滴性能を高くすることができる。
また、上記スペーサー331の外周には上記カバー311および上記上部フレーム203から突出した突出部334が設けられていて、上記突出部334の外周には傾斜面336が形成されているので、上記突出部334の上面に塵埃等が溜り難くすることができる。
上記カバー311は上記スペーサー331に接着されているので、更に防塵防滴性能を高くすることができるとともに、予め上記カバー311を上記スペーサー331に接着しておくことで、上記カバー311の取り付け時に上記カバー311の歪みを防止することができる。
【0054】
上記カバー311と上記スペーサー331は、上記ネジ止め部337、339を貫通し上記上部フレーム203に螺合されるボルト341によって共に固定されるので、上記カバー311と上記スペーサー331を確実に固定し、更に防塵防滴性能を高くすることができる。
また、上記スペーサー331は、例えば、アルミ製であるため、上記カバー311と上記パッキン345の歪みを更に防止して、上記パッキン345を介して上記上部フレーム203と確実に密着し、より防塵防滴性能を高くすることができる。
また、上記カバー311は樹脂製であるため、第2アーム7を軽量化できる。
また、上記カバー311が樹脂製であっても、上記上部フレーム203に設置される締結部の設置数を必要以上に増やすことなく上記スペーサー331により防塵防滴性能を確保することができる。そのため、上記カバー311を通常仕様(非防塵防滴仕様)と共通化することができる。
【0055】
なお、本発明は前記一実施の形態に限定されない。
ロボットアームとしての回転・直進機構とベースユニットの間のアームの数には様々な場合が考えられる。
スペーサー側にパッキン収容凹部が設けられる場合や、スペーサーとフレームの両方にパッキン収容凹部が設けられる場合も考えられる。
スペーサーの材質には様々なものが考えられる。
スペーサーの突出部の傾斜面の形状には、直線状の傾斜になる場合が考えられる。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、ロボットアームとスカラロボットに係り、特に、簡易な構成により防塵防滴性能を高くすることができるように工夫したものに関し、例えば、産業用ロボットに好適である。
【符号の説明】
【0057】
1 スカラロボット
7 第2アーム(ロボットアーム)
251 ボールスプライン軸(駆動部の一部)
263 ボールねじ軸(駆動部の一部)
283 ボールねじ軸直進用モータ(駆動部の一部)
311 カバー
331 スペーサー
333 フレーム側係合凹部
334 突出部
336 傾斜面
335 カバー側係合凹部
341 ボルト(締結部材)
343 パッキン収容凹部
345 パッキン