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特開2023-157765機械学習装置、機械学習方法および金型のメンテナンス時期予測装置
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  • 特開-機械学習装置、機械学習方法および金型のメンテナンス時期予測装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157765
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】機械学習装置、機械学習方法および金型のメンテナンス時期予測装置
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20231019BHJP
【FI】
G06N20/00 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067880
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】593054860
【氏名又は名称】スワロー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 雅史
(72)【発明者】
【氏名】田村 憲貴
(57)【要約】
【課題】金型の適切なメンテナンス時期を判定できるメンテナンス時期予測に用いるための機械学習装置、機械学習方法および金型のメンテナンス時期予測装置を提供する。
【解決手段】機械学習装置1が、金型の累積実績数ごとの検査実測値のばらつきデータ3を取得するデータ取得部4と、ばらつきデータ3に対応する金型のメンテナンス記録5を取得するメンテナンス記録取得部6と、データ取得部4が取得したばらつきデータ3およびメンテナンス記録取得部6が取得したメンテナンス記録5の組を教師データとして教師あり学習を行うことにより、金型のメンテナンス時期を予測するための学習モデルを構築する学習部7と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型の累積実績数ごとの検査実測値のばらつきデータを取得するデータ取得部と、
前記ばらつきデータに対応する前記金型のメンテナンス記録を取得するメンテナンス記録取得部と、
前記データ取得部が取得した前記ばらつきデータおよび前記メンテナンス記録取得部が取得した前記メンテナンス記録の組を教師データとして教師あり学習を行うことにより、前記金型のメンテナンス時期を予測するための学習モデルを構築する学習部と、
を備える機械学習装置。
【請求項2】
前記ばらつきデータが、前記金型の累積実績数ごとの検査実測値の傾向が加工製品の管理基準値から上下限値のどちらにどの程度ぶれているのかのぶれ具合を示すものであり、前記メンテナンス記録が、前記傾向の前記ぶれ具合に対して実際にメンテナンスを行ったメンテナンス時期を示すものである、請求項1に記載の機械学習装置。
【請求項3】
前記ばらつきデータが、ユーザにより入力された加工製品の寸法の測定の実測値および金型を使用した実績数を用いて算出されたものである、請求項1に記載の機械学習装置。
【請求項4】
金型の累積実績数ごとの検査実測値のばらつきデータを取得するデータ取得ステップと、
前記ばらつきデータに対応する前記金型のメンテナンス記録を取得するメンテナンス記録取得ステップと、
前記データ取得ステップで取得した前記ばらつきデータおよび前記メンテナンス記録取得ステップで取得した前記メンテナンス記録の組を教師データとして教師あり学習を行うことにより、前記金型のメンテナンス時期を予測するための学習モデルを構築する学習ステップと、
を含む機械学習方法。
【請求項5】
前記ばらつきデータが、前記金型の累積実績数ごとの検査実測値の傾向が加工製品の管理基準値から上下限値のどちらにどの程度ぶれているのかのぶれ具合を示すものであり、前記メンテナンス記録が、前記傾向の前記ぶれ具合に対して実際にメンテナンスを行ったメンテナンス時期を示すものである、請求項4に記載の機械学習方法。
【請求項6】
前記ばらつきデータが、ユーザにより入力された加工製品の寸法の測定の実測値および金型を使用した実績数を用いて算出されたものである、請求項4に記載の機械学習方法。
【請求項7】
金型の金型識別情報を取得する金型識別情報取得部と、
前記金型の累積実績数を取得する累積実績数取得部とを備え、
前記累積実績数取得部で取得した前記累積実績数に対して、請求項1~3のいずれか1項に記載の機械学習装置によって構築された学習モデルを適用し、前記金型識別情報取得部で取得した前記金型識別情報に対応する前記金型のメンテナンス時期を予測する、金型のメンテナンス時期予測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型のメンテナンス時期予測に用いるための機械学習装置、機械学習方法および金型のメンテナンス時期予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被加工材料の材質、板厚、並びに加工種等に応じて金型摩耗度合に関連した重みを設定し、金型ヒット回数に前記重みを考慮して金型摩耗に比例する金型使用回数を求め、この金型使用回数が研磨すべき時期として予め定められた最大使用可能数に近づいたことで金型研磨時期を知ることが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61-74739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、最大使用可能数が一義的に定められるため、その設定によっては、過度にメンテナンスの時期であると判定されたり、適切なメンテナンスの時期を過ぎてしまう虞があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、金型の適切なメンテナンス時期を予測できるメンテナンス時期予測に用いるための機械学習装置、機械学習方法および金型のメンテナンス時期予測装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決するため、金型の累積実績数ごとの検査実測値のばらつきデータを取得するデータ取得部と、前記ばらつきデータに対応する前記金型のメンテナンス記録を取得するメンテナンス記録取得部と、前記データ取得部が取得した前記ばらつきデータおよび前記メンテナンス記録取得部が取得した前記メンテナンス記録の組を教師データとして教師あり学習を行うことにより、前記金型のメンテナンス時期を予測するための学習モデルを構築する学習部と、を備える、機械学習装置を提供する。
【0007】
前記機械学習装置では、前記ばらつきデータが、前記金型の累積実績数ごとの検査実測値の傾向が加工製品の管理基準値から上下限値のどちらにどの程度ぶれているのかのぶれ具合を示すものであり、前記メンテナンス記録が、前記傾向の前記ぶれ具合に対して実際にメンテナンスを行ったメンテナンス時期を示すものである、としてもよい。
【0008】
前記機械学習装置では、前記ばらつきデータが、ユーザにより入力された加工製品の寸法の測定の実測値および金型を使用した実績数を用いて算出されたものである、としてもよい。
【0009】
また本発明は、金型の累積実績数ごとの検査実測値のばらつきデータを取得するデータ取得ステップと、前記ばらつきデータに対応する前記金型のメンテナンス記録を取得するメンテナンス記録取得ステップと、前記データ取得ステップで取得した前記ばらつきデータおよび前記メンテナンス記録取得ステップで取得した前記メンテナンス記録の組を教師データとして教師あり学習を行うことにより、前記金型のメンテナンス時期を予測するための学習モデルを構築する学習ステップと、を含む、機械学習方法を提供する。
【0010】
前記機械学習方法では、前記ばらつきデータが、前記金型の累積実績数ごとの検査実測値の傾向が加工製品の管理基準値から上下限値のどちらにどの程度ぶれているのかのぶれ具合を示すものであり、前記メンテナンス記録が、前記傾向の前記ぶれ具合に対して実際にメンテナンスを行ったメンテナンス時期を示すものである、としてもよい。
【0011】
前記機械学習方法では、前記ばらつきデータが、ユーザにより入力された加工製品の寸法の測定の実測値および金型を使用した実績数を用いて算出されたものである、としてもよい。
【0012】
また本発明は、金型の金型識別情報を取得する金型識別情報取得部と、前記金型の累積実績数を取得する累積実績数取得部とを備え、前記累積実績数取得部で取得した前記累積実績数に対して、前記機械学習装置によって構築された学習モデルを適用し、前記金型識別情報取得部で取得した前記金型識別情報に対応する前記金型のメンテナンス時期を予測する、金型のメンテナンス時期予測装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の機械学習装置、機械学習方法および金型のメンテナンス時期予測装置によれば、金型の故障の兆候をつかみ、長期生産停止の未然防止や、金型修繕費用の低減を図ることができる。
【0014】
また、メンテナンス時期を見える化することで、熟練技術者の経験を経験の浅い技術者へ継承することができるようになる。
【0015】
さらに、こうした見える化による適切な金型管理は、SDGs(「8.働きがいも経済成長も」、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」等)の達成にも貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の好適な実施形態に係る機械学習装置および金型のメンテナンス時期予測装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明の好適な実施形態に係る学習モデル構築の流れを示すフローチャートである。
図3】本発明の好適な実施形態において、ばらつきデータについて示す説明図である。
図4】本発明の好適な実施形態において、ばらつきデータの傾向のぶれ具合の一例を示す説明図である。
図5】本発明の好適な実施形態において、ばらつきデータの傾向のぶれ具合の別な一例を示す説明図である。
図6】本発明の好適な実施形態に係る金型のメンテナンス時期予測装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の機械学習装置、機械学習方法および金型のメンテナンス時期予測装置の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または、発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。そのような変形や変更もまた、本発明の範囲に含まれる。
【0018】
図1は、本発明の好適な実施形態に係る機械学習装置1および金型のメンテナンス時期予測装置2の概略構成を示すブロック図である。機械学習装置1は、金型(図示せず)の累積実績数ごとの検査実測値のばらつきデータ3を取得するデータ取得部4と、ばらつきデータ3に対応する金型のメンテナンス記録5を取得するメンテナンス記録取得部6と、データ取得部4が取得したばらつきデータ3およびメンテナンス記録取得部6が取得したメンテナンス記録5の組を教師データとして教師あり学習を行うことにより、金型のメンテナンス時期を予測するための学習モデルを構築する学習部7と、を備える。
【0019】
学習部7で構築された学習モデルは、学習モデル記憶部8に保存される。学習モデルを構築した後に新たな教師データを取得した場合には、学習モデル記憶部8が記憶した学習モデルに対して教師あり学習を追加して行い、一度構築した学習モデルを更新して、新たな学習モデルを学習モデル記憶部8に保存する。
【0020】
ユーザは、日々の検査において、例えば、品目コード、品目名、適用箇所(検査箇所)、管理する寸法の基準値、管理する寸法の下限値、管理する寸法の上限値、加工製品の寸法を測定した実測値、実測値の平均値、金型コード、金型名、および、金型を使用した実績数等を、例えばクラウドサーバを介して通信可能に接続されたマスタシステム等の入力管理システムに入力して管理する。なお、異なる品目でも、同じ金型を使用する場合がある。
【0021】
金型のメンテナンス時期予測装置2は、金型の金型識別情報を取得する金型識別情報取得部9と、金型の累積実績数を取得する累積実績数取得部10とを備え、累積実績数取得部10で取得した累積実績数に対して、機械学習装置1によって構築された学習モデルを適用し、金型識別情報取得部9で取得した金型識別情報に対応する金型のメンテナンス時期を予測する。
【0022】
金型のメンテナンス時期予測装置2はまた、予測結果を記憶させる記憶部11、および、予測結果を表示させる表示部12を備える。
【0023】
図2は、本発明の好適な実施形態に係る学習モデル構築の流れを示すフローチャートである。
【0024】
まず、ステップS11で、データ取得部4は、ばらつきデータ3を取得する。データ取得部4は、ばらつきデータ3を学習部7に出力する。ばらつきデータ3は、累積実績数ごとの検査実測値の傾向が加工製品の管理する寸法の基準値から上下限値のどちらにどの程度ぶれているのかのぶれ具合を示すものである。
【0025】
図3は、管理する寸法の基準値および上下限値を、累積実績数ごとの検査実測値のヒストグラムおよび確率分布曲線内に示したものである。累積実績数ごとの検査実測値は、図3に示すようにばらつきの山が基準値に近づく他、例えば、図4に示すようにばらつきの山が下限値側にぶれる傾向を示す場合や、図5に示すようにばらつきの山が上限値にぶれる傾向を示す場合等がある。
【0026】
傾向のぶれ具合は、例えば、実測値の平均値または確率分布曲線の最大点の値と、管理する寸法の基準値や上下限値との差分をとることにより、数値で表すことができる。差分の符号により、ばらつきデータ3の累積実績数ごとの検査実測値の傾向が、管理する寸法の基準値から上下限値のどちらにぶれているのかを判別することができる。差分の大小により、ばらつきデータ3の累積実績数ごとの検査実測値の傾向が、管理する寸法の基準値から上下限値にどの程度ぶれているのかを判別することができる。
【0027】
ユーザが加工製品の検査の都度、加工製品の寸法を測定した実測値および前回の検査から本検査までに金型を使用した実績数を上記のマスタシステムに入力することで、上記の差分と累積実績数とが計算および記録され、ばらつきデータ3が累積実績数ごとの検査実測値の傾向のぶれ具合として算出される。
【0028】
次に、ステップS12で、メンテナンス記録取得部6は、ばらつきデータ3に対応する金型のメンテナンス記録5を取得する。メンテナンス記録取得部6は、メンテナンス記録5をばらつきデータ3と関連付けて学習部7に出力する。なお、ステップS11およびステップS12の2つのステップは、ステップS12を先に行っても、同時に並列で行ってもよい。
【0029】
メンテナンス記録5は、例えば、上記のばらつきデータ3の傾向のぶれ具合に対して実際にメンテナンスを行ったメンテナンス時期を示すものである。メンテナンス時期は、ばらつきデータ3の傾向のぶれ具合と相関関係があり、この相関関係を教師データとして教師あり学習を行って学習モデルを構築することで、適切な金型のメンテナンス時期の予測が可能となる。
【0030】
より具体的な相関関係を説明すると、例えば、上記のように累積実績数の増加によりばらつきの山が下限値側にぶれる傾向を示す場合やばらつきの山が上限値にぶれる傾向を示す場合に、メンテナンスを行うことが増えるといった相関関係がある。傾向のぶれ具合のデータとこれに対応するメンテナンス時期のデータとを大量に集めることで、例えば、メンテナンスの回数が多いぶれの程度が分かるようになる。
【0031】
このような相関関係を教師あり学習の機械学習に適用するために、例えば上記のように、実測値の平均値または確率分布曲線の最大点の値と、管理する寸法の基準値や上下限値との差分で傾向のぶれ具合を数値で表し、その数値とメンテナンス時期とを組とした関係を、教師データに使用する。
【0032】
メンテナンス記録5は、メンテナンスを行った都度、ユーザが上記のマスタシステムに入力し、その他のデータやばらつきデータ3と関連付けて記録される。なお、教師データに使用するメンテナンスのタイミングは、ユーザが経験に基づく等して決定したものであることが好ましい。
【0033】
次に、ステップS13で、学習部7は、ばらつきデータ3およびこれに対応するメンテナンス記録5の各データを組として、教師データを生成する。
【0034】
次に、ステップS14で、学習部7は、ステップS13で生成した教師データに基づいて機械学習を行う。この機械学習は、教師あり学習である。
【0035】
次に、ステップS15で、学習部7は、機械学習を終了するか否かを判定する。終了判定の条件は、例えば、教師あり学習を所定の回数行ったこと等とすることができる。
【0036】
機械学習を終了する条件が満たされていない場合は、ステップS11に戻り、機械学習が繰り返される。機械学習を終了する条件が満たされていれば、ステップS16に進み、構築した学習モデルを学習モデル記憶部8に記憶させて保存する。
【0037】
図6は、本発明の好適な実施形態に係る金型のメンテナンス時期予測装置2の動作を示すフローチャートである。
【0038】
まず、ステップS21で、金型のメンテナンス時期予測装置2は、金型識別情報取得部9により、例えばユーザによる入力からメンテナンス時期を予測する金型の金型識別情報を取得する。金型識別情報として、例えば、金型コードや金型名等を使用することができる。
【0039】
次に、ステップS22で、金型のメンテナンス時期予測装置2は、累積実績数取得部10により、ステップS21で取得した金型識別情報に対応する金型の累積実績数を取得する。金型の累積実績数は、例えば、上記のマスタシステムに入力された金型を使用した実績数に基づいて取得することができる。または、ユーザが金型の累積実績数を入力するようにしてもよい。ステップS21およびステップS22の2つのステップは、ステップS22を先に行っても、同時に並列で行ってもよい。
【0040】
次に、ステップS23で、金型のメンテナンス時期予測装置2は、金型識別情報および金型の累積実績数を入力として、上記の方法により構築された学習モデルに基づいて、金型のメンテナンス時期を予測する。
【0041】
最後に、ステップS24で、金型のメンテナンス時期予測装置2は、ステップS23における予測結果を、記憶部11に記憶させて保存する。
【0042】
教師あり学習は、例えば、回帰分析(最小二乗法)や決定木といった分析手法を用いることができ、これら複数の分析手法を組み合わせたアンサンブル学習としてもよい。また、中間層を設けたディープラーニング(深層学習)といったニューラルネットワークにより、機械学習装置1が自ら特徴量を検出し、より教師データに合致する複雑な出力をできるようにしてもよい。
【0043】
機械学習装置1は、例えばパーソナルコンピュータやサーバ装置にアプリケーションソフトウェアプログラムをインストールすることで実現できる。すなわち、機械学習装置1は、少なくとも、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置や、アプリケーションソフトウェアプログラムを記憶する記憶装置等を備える。教師あり学習においては演算量が多くなるため、機械学習装置1は例えばGPU(Graphics Processing Unit)をさらに備えるようにしてもよい。
【0044】
金型のメンテナンス時期予測装置2は、例えばパーソナルコンピュータやサーバ装置にアプリケーションソフトウェアプログラムをインストールすることで実現できる。すなわち、金型のメンテナンス時期予測装置2は、少なくとも、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置や、アプリケーションソフトウェアプログラムを記憶する記憶装置等を備える。金型のメンテナンス時期予測装置2は、金型識別情報、金型の累積実績数、および、機械学習装置1で構築された学習モデルを入力とするアプリケーションソフトウェアプログラムの演算により金型のメンテナンス時期の予測を行い、例えばディスプレイ等の表示部12に予測結果を出力して表示させる。ユーザは、検査の都度、加工製品の寸法を測定した実測値や金型の使用の実績数を入力することで、金型のメンテナンスのタイミングを予知することができ、これにより、突然の金型破損による長期生産停止を防いだり、定期メンテナンスによる修繕費削減を実現したりすることができる。長期生産停止を防ぐことで、売上機会損失の削減や、生産計画の練り直しにかかる時間の削減を実現することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 機械学習装置
2 金型のメンテナンス時期予測装置
3 ばらつきデータ
4 データ取得部
5 メンテナンス記録
6 メンテナンス記録取得部
7 学習部
8 学習モデル記憶部
9 金型識別情報取得部
10 累積実績数取得部
11 記憶部
12 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6