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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157766
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
G07G1/12 301E
G07G1/12 351Z
G07G1/12 341Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067881
(22)【出願日】2022-04-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔1〕 ウェブサイトの掲載日(公開日) 令和4年2月2日 ウェブサイトのアドレス <URL:https://www.digi-cleaning.com/product/duke-advance/ > <資 料> 株式会社デジジャパン ウェブページ 〔2〕 発行日(公開日) 令和4年2月3日 刊行物 製品カタログ “DUKE advance(デュークアドバンス)” <資 料> 製品カタログ “DUKE advance(デュークアドバンス)” 〔3〕 開催日(公開日) 令和4年2月3日~令和4年2月5日 展示会名、開催場所 クリーニング産業総合展2022 クリーンライフビジョン21 in Tokyo ICT・決済システムゾーン 全国クリーニング生活衛生同業組合連合会 主催 東京ビッグサイト東6ホール(東京都江東区有明3丁目11-1) <資 料> クリーニング産業総合展2022・開催概要・出展者一覧 〔4〕 ウェブサイトの掲載日(公開日) 令和4年3月8日 ウェブサイトのアドレス <URL::https://www.teraokaseiko.com/jp/products/PRD00422/ > <資 料> 株式会社寺岡精工 ウェブページ
(71)【出願人】
【識別番号】501363969
【氏名又は名称】株式会社デジジャパン
(71)【出願人】
【識別番号】502038842
【氏名又は名称】株式会社デジアイズ
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 純斗
(72)【発明者】
【氏名】一柳 和彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 元司
(72)【発明者】
【氏名】吉川 晃子
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA10
3E142CA20
3E142DA07
3E142EA04
3E142FA39
(57)【要約】
【課題】会計が中断された場合に対応して、中断前の続きから会計を再開できるようにする。
【解決手段】顧客から預かる物品を登録する登録手段と、前記登録手段により登録された物品に対応する精算が行われる前の段階にて物品の登録情報を顧客ごとに保存可能な保留手段と、前記保留手段により保存された登録情報を出力する出力手段とを備えたシステムを構成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客から預かる物品を登録する登録手段と、
前記登録手段により登録された物品に対応する精算が行われる前の段階にて物品の登録情報を顧客ごとに保存可能な保留手段と、
前記保留手段により保存された登録情報を出力する出力手段と
を備えるシステム。
【請求項2】
顧客を特定する顧客特定情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記保留手段は、前記取得手段によって顧客特定情報が取得されていない場合には、当該顧客特定情報により特定される顧客に対応付けられた登録情報の保存を行わない
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記保留手段が物品の登録情報の保存を行わないことについての報知を行う報知手段をさらに備える
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記出力手段は、前記保留手段により保存された登録情報を出力するにあたり、前記保留手段により保存された登録情報の一覧を出力する
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記登録手段により登録された物品ごとに物品識別情報を付与する付与手段をさらに備え、
前記付与手段は、前記保留手段によって保存される登録情報の物品に物品識別情報の付与を行う
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
クリーニング店での商品の預かりに関する登録、精算に対応するPOSシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-157646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クリーニング店にて1の顧客に対応して行われる預かり対象の物品の登録から精算までの会計の途中で何らかの事情で顧客がその場から離れることとなり、会計が中断する場合がある。この場合には、これまでの物品の登録を無効としたうえで、顧客がクリーニング店に戻ってきた際に、あらためてはじめから物品を登録しなおすことになるが、同じ預かり対象の物品を重複して登録する操作を行うことになるため、効率的でない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、会計が中断された場合に対応して、中断前の続きから会計を再開できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、顧客から預かる物品を登録する登録手段と、前記登録手段により登録された物品に対応する精算が行われる前の段階にて物品の登録情報を顧客ごとに保存可能な保留手段と、前記保留手段により保存された登録情報を出力する出力手段とを備えるシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態におけるPOS端末の構成例を示す図である。
図2】本実施形態における店員操作画面の一例を示す図である。
図3】本実施形態における客向け画面の一例を示す図である。
図4】本実施形態における保留データ一覧画面の一例を示す図である。
図5】本実施形態におけるエラーメッセージ画面の一例を示す図である。
図6】本実施形態におけるPOS端末が一会計に対応して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図7】本実施形態における控え伝票の一例を示す図である。
図8】本実施形態における控え伝票の一例を示す図である。
図9】本実施形態の第2変形例における店員操作画面の一例を示す図である。
図10】本実施形態の第3変形例における返却状況画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
[POS端末の構成例]
本実施形態のPOS端末は、クリーニング店にて用いられる。クリーニング店は、客(顧客)からクリーニング対象の物品(商品、預かり品)を預かり、預かり品をクリーニングし、クリーニングされた預かり品を客に引き渡すことを業務とする。POS端末20は、店員の操作に応じた会計処理を実行する。ここでの会計は、クリーニングの対象として客(顧客)から預かる物品(預かり品)の登録と、登録された預かり品に対応する精算までを含む概念である。POS端末20が実行する会計処理は、預かり品の登録に応じた登録処理と、登録された預かり品に応じた精算処理とを含む。
【0009】
図1は、本実施形態のPOS端末20の構成例を示している。同図に示されるPOS端末20は、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、記憶部23、通信部24、入力部25、店員側表示部26、客側表示部27、及び印刷部28を備える。
【0010】
CPU21は、POS端末20の中央演算処理装置であり、記憶部23に記憶されているプログラムを読み出してRAM22に展開し、展開したプログラムの各ステップを実行することによって、POS端末20の動作を制御する。
RAM22は、POS端末20の主記憶装置であり、CPU21が演算に利用する情報を記憶する。
記憶部23は、POS端末20の補助記憶装置であり、POS端末20に対応する各種の情報を記憶する。
【0011】
通信部24は、ネットワーク経由で通信を行う。これにより、POS端末20は、例えば店舗に設置された他のPOS端末や管理装置、さらに本部等に設置された端末装置やサーバ等と通信を行うことができる。また、通信部24は、例えば近距離無線通信が可能とされてよい。これにより、店員等が店舗にて店舗携帯端末を所持している場合、POS端末20は、近距離無線通信経由で、店舗携帯端末と通信を行うことができる。
【0012】
入力部25は、POS端末20に対する各種入力を受け付ける部位である。入力部25は、POS端末20に備えられる物理的なキー、ボタン等の操作子を含んでよい。また、入力部25は、表示部(店員側表示部26、客側表示部27)がタッチパネルとして構成される場合には、表示部の表示面上に配置されたタッチパッドを含んでよい。
また、入力部25は、コード情報等を読み取るスキャナ、各種カードから情報を読み取るカードリーダなどを含んでよい。
【0013】
店員側表示部26は、POS端末20において、POS端末20を操作する店員が表示を視認可能なように設けられ、CPU21の制御に応じて各種の情報を表示する。
【0014】
客側表示部27は、POS端末20において、例えばPOS端末20を操作する店員の応対を受ける利用者(客)が表示を視認可能なように設けられ、CPU21の制御に応じて各種の情報を表示する。
【0015】
なお、店員側表示部26や客側表示部27は、例えば有線または無線によりPOS端末20の本体と接続された外付けのディスプレイ装置であってもよい。この場合において、外付けのディスプレイ装置は、例えば表示面がタッチパネルとして構成され、表示面に対する操作が可能なようにされてよい。
【0016】
印刷部28は、装填された用紙に印刷を行う。本実施形態において印刷部28は、会計に際して、店舗控え伝票、工場控え伝票、及び客控え伝票等を印刷することができる。つまり、POS端末20による各種伝票の発行は、印刷部28が印刷を行うことによって実現される。
【0017】
[預かり品登録データの保留について]
クリーニング店では、顧客からクリーニング対象となる衣類等の物品(商品)を預かるにあたり、店員がPOS端末20を操作して預かり対象の物品(預かり品)を登録するようにされる。この際には、店員が預かり品の検品を行い、客にも確認してもらいながら、預かり品を登録する操作をPOS端末20に対し行っていくようにされる。
POS端末20は、店員の操作に応じて預かり品の登録処理を行い、登録処理結果が反映されたデータ(預かり品登録データ)を生成し、生成した預かり品登録データに基づいて顧客の代金支払いに応じた精算処理を実行する。
【0018】
POS端末20にて会計を受けていた客が、最後まで会計を済ませることなく、会計途中でクリーニング店から移動してしまうような場合がある。具体的には、例えば、スーパーマーケットなどにおいて併設されているようなクリーニング店の場合には、客がクリーニング対象の物品を店員に預けたまま検品について確認することなく売り場に買い物に行ってしまうような場合がある。
このような場合には、途中となった会計をそのままの状態として客が戻ってくるのを待ち、客が戻ってきたことに応じて再開する、あるいは途中となった会計を取り消し、客が戻ってきたことに応じて、はじめから預かり品の登録をし直すことになる。しかしながら、このような対応では、客が戻ってくるまで他の客に対応してPOS端末20を稼働させることができなかったり、同じ預かり品の登録が重複したりするなどして、効率が良くない。
【0019】
そこで、本実施形態のPOS端末20は、会計途中の預かり品登録データを保留扱いとして保存(記憶)しておくことが可能なようにされる。これにより、POS端末20は、中途会計を保留状態にあるものとして管理し、一時的に会計処理の対象外とすることができる。このような保留状態の会計に対応する預かり品登録データについては、保留データともいう。
このように中途会計を保留状態として管理することで、POS端末20は、新たな他の客に対応した会計を開始することができる。また、保留データに対応する客が戻ってきた場合には、POS端末20は、店員の操作に応じて呼び出された保留データとしての預かり品登録データを利用して会計処理を途中から再開することができる。
【0020】
図2図5を参照して、保留データの保存に関する店員の操作手順例と、当該操作手順例に応じたPOS端末20の動作例とについて説明する。
図2は、POS端末20の店員側表示部26において表示される店員操作画面の一例を示している。
【0021】
店員操作画面においては、担当店員エリアAR7が配置されている。担当店員エリアAR7には、POS端末20の操作を担当する店員が示される。担当店員エリアAR7において示される店員の情報は、例えばスキャナまたはカードリーダに店員コードを読み取らせることによってPOS端末20に入力させることができる。
また、担当店員エリアAR7の右側には、営業日を示す年月日、曜日が表示されている。
【0022】
商品選択エリアAR1は、登録対象の商品(預かり品)を選択する操作が行われるエリアである。店員は、商品選択エリアAR1において商品ごとに対応して配置される商品ボタンBT1を操作することにより、預かり品としての商品種別を指定して登録を行うことができる。
【0023】
機能画面エリアAR2は、所定の機能を有する機能画面が、タブTB(TB-1、TB-2、TB-3、TB-4、TB-5)の選択操作に応じて切り替え可能なようして表示されるエリアである。
タブTB-1が選択されている状態では、機能画面エリアAR2には機能画面として商品登録画面(受付画面)が表示される。商品登録画面は、一取引における商品(預かり品)の登録内容を示す画面である。
同図においては、タブTB-1が選択されていることで、機能画面エリアAR2にて商品登録画面が表示された状態が示されている。
【0024】
同図に示されるように、商品登録画面においては、対応の会計において登録された商品(預かり品)の登録商品リスト項目LT1が配置される。同図においては、4つの預かり品が登録されていることに応じて4つの登録商品リスト項目LT1が配置された例が示される。
1つの登録商品リスト項目LT1においては、対応の登録された商品についての洗い区分、収納区分(なお、収納区分は仕上げ方法についても示し得る)、仕上がり日、単価、数量等が示される。
【0025】
また、店員側表示部26において機能画面エリアAR2に商品登録画面が表示されているとき、客側表示部27にも同様の商品登録結果が反映された画面が表示されてよい。
図3は、店員側表示部26に図2の商品登録画面が表示されているときに客側表示部27にて表示される客向け画面の一例を示している。図3の客向け画面においては、メッセージエリアAR11、カレンダーエリアAR12、及び商品登録情報エリアAR13が配置されている。
【0026】
メッセージエリアAR11においては、客に向けたメッセージ情報が表示されるエリアである。メッセージエリアAR11に表示するメッセージ情報は、例えば店員がPOS端末20を操作することによって入力可能とされてよい。また、メッセージ情報としての文字数が多く、メッセージエリアAR11においてまとめて表示できない場合には、横方向に移動していくようにして表示されてよい。
【0027】
カレンダーエリアAR12においては、カレンダーが表示される。客はカレンダーを見ながら受け取り日をいつにするのかなどを判断することができる。
【0028】
商品登録情報エリアAR13においては、店員側表示部26にて表示される商品登録画面において提示されているのと同じ商品登録内容を反映させた商品登録情報が表示される。
【0029】
なお、客側表示部27にて表示される画面の内容によっては、客側表示部27にて表示される画面に対して客が操作可能なようにされてもよい。
【0030】
説明を図2に戻す。
タブTB-2が選択されている状態では、機能画面エリアAR2には機能画面として返却状況画面が表示される。ここでの返却とは、クリーニングが完了した預かり品を客に引き渡すことをいう。返却状況画面は、クリーニング店が預かった預かり品のうちでクリーニング処理が完了して客に返却可能となった預かり品(返却対象預かり品)についての客への返却状況を示す機能画面である。
【0031】
タブTB-3が選択されている状態では、機能画面エリアAR2には機能画面として未収納金画面が表示される。
預かり品のうちには、例えばクリーニングの処理が特殊であって会計時には料金を定めて登録することができないもの(未収納金対応品)がある。このような場合、会計に際しては、未収納金対応品としての預かり品を除外した他の預かり品の登録に応じた精算が行われる。未収納金対応品については料金が確定した段階で、POS端末20に料金の入力が行われる。このように入力された未収納金対応品についての料金は、例えば客が対応の未収納金対応品を引き取る際に支払うこととなるが、支払いが行われるまでは未収納金として扱われる。未収納金画面は、このような未収納金対応品の未収納金を提示する機能画面である。
【0032】
タブTB-4が選択されている状態では、機能画面エリアAR2には機能画面として伝票取消画面が表示される。伝票取消画面は、伝票の取り消しの操作が行われる画面である。ここでの伝票は、会計単位の預かり品に関するデータ(預かり伝票データ)が相当する。
【0033】
タブTB-5が選択されている状態では、機能画面エリアAR2には機能画面として、上記商品登録画面、返却状況画面、未収納金画面、伝票取消画面以外の機能画面の表示が行われる。
【0034】
機能画面エリアAR2の下には、登録点数エリアAR3が配置される。登録点数エリアAR3は、機能画面エリアAR2に商品登録画面が表示されている場合において、現時点で登録されている預かり品、物販品等の商品の登録数を示す。また、同図の登録点数エリアAR3においては、例えば1つ目に登録された預かり品に付されたタグ番号も示されている。タグ番号は、クリーニング店にて保管する預かり品ごとに固有となるように割り当てられる識別情報である。
タグ番号は、例えば会計における精算が完了した段階でPOS端末20が登録された預かり品ごとに付すようにされてよい。
また、金額エリアAR4においては、機能画面エリアAR2に商品登録画面が表示されている場合において、現時点で登録されている預かり品、物販品等の商品に応じた金額が表示される。
【0035】
会員情報エリアAR5は、POS端末20が現在において処理対象としている会計に対応付けられる会員に関する情報を提示するエリアである。同図においては、会員情報エリアAR5において、会員に関する情報として、会員の名前と対応の会員に紐付けられたアイコンとが表示された例が示されている。
店員は、1の客に対応して会計を行うにあたり、客から提示された会員カードに記録されている会員ID(会員番号)をスキャナまたはカードリーダにより読み取らせる操作を行う。なお、店員がスキャナまたかカードリーダにより会員IDを読み取らせるにあたっては、会員カードの他、例えばスマートフォン等にインストールされた会員向けのアプリケーション上で表示させたコード(二次元コードまたはバーコード)であってもよい。また、例えば客が会員カードを持参し忘れたり、会員カードの読み取りがエラーとなってしまったりする場合がある。このような場合に対応して、例えば店員が、会員である客に対応して登録されている会員情報における所定の情報(例えば電話番号、氏名等)をPOS端末20に入力する操作を行うことにより、POS端末20が会員情報のデータベースから該当の会員IDを取得(呼び出し)できるようにしてよい。
POS端末20は、読み取った会員IDを処理対象とする会計に対応付ける。また、POS端末20は、例えば記憶部23あるいはクラウドサーバに記憶された会員情報のうち、読み取った会員IDに対応付けられた会員情報に含まれる会員の名前やアイコンを利用して、会員情報エリアAR5の表示を行う。
なお、POS端末20は、会員IDを読み取らずに会計処理を実行することも可能である。この場合、会員情報エリアAR5において対象の会計処理に対応する会員に関する情報は表示されない。
【0036】
店員は、客から渡された全ての預かり品を登録する操作を完了すると、精算への移行のために精算ボタンBT2を操作する。精算ボタンBT2が操作されたことに応じて、POS端末20は、店員側表示部26に精算画面(図示は省略)を表示させたうえで、今回の会計にて登録された預かり品に対応した精算処理を実行する。
【0037】
また、店員側表示部26にて表示される店員操作画面においては、保留ボタンBT3が配置されている。保留ボタンBT3は、保留データの保存と、店員側表示部26における保留データリスト画面の表示とをPOS端末20に実行させる場合に店員が操作するボタンである。
【0038】
保留ボタンBT3が操作されたときに、未完了の現会計に対応して少なくとも1つの預かり品が登録されており、かつ現会計に対応して会員IDが読み取られている場合(ケース1)、POS端末20は、現会計におけるこれまでの預かり品の登録結果が反映された保留データの新規保存と、新規保存された保留データを含んで保存中の保留データの一覧を提示する保留データ一覧画面の表示とを行う。
【0039】
また、保留ボタンBT3において示される数字は、現在において保存中の保留データ数を示すエリアである。上記のように保留データが新規保存されたことに応じて、保留ボタンBT3における保留データ数がインクリメントされる。
【0040】
また、保留ボタンBT3が操作されたときに、未完了の現会計に対応して少なくとも1つの預かり品が登録されているが、現会計に対応して会員IDが読み取られていない場合(ケース2)、POS端末20は、保留データを新規保存せずに、エラーメッセージを出力する。
保留データは、会員が対応付けられていないと、後で会計を再開するにあたってどの客に対応しているものであるのかを特定することができない。そこで、本実施形態のPOS端末20は、現会計に対応して少なくとも1つの預かり品が登録されていたとしても、会員IDが読み取られていない場合には、保留データを生成しないようにされる。そのうえで、POS端末20は、エラーメッセージを出力することで、会員IDをPOS端末20に読み取らせるべきことを店員に向けて報知することができる。エラーメッセージの出力は、例えば店員側表示部26における表示によって行われてよく、この際に所定のエラー音が出力されてもよい。
【0041】
なお、ケース2の場合に対応して、POS端末20は、一時的に整理番号を発行したうえで、発行した整理番号に対応付けて、現会計におけるこれまでの預かり品の登録結果が反映された保留データの新規保存を実行してよい。この場合のPOS端末20は、新規保存された保留データを含んで保存中の保留データの一覧を提示する保留データ一覧画面を表示してよい。この場合、保留データ一覧画面において提示される新規保存された保留データに対しては発行された整理番号が示されてよい。
また、この場合のPOS端末20は、印刷部28により用紙に整理番号を印刷した整理券を発行し、店員は、発行した整理券を対応の客に渡すようにしてよい。客は、保存された保留データに対応する会計を再開してもらう際に、店員に整理券を渡すようにされる。店員が渡された整理券において印刷されている整理番号を指定して保留データを呼び出す操作をPOS端末20に対して行うことで、対応の客の中途会計を再開することができる。
【0042】
また、保留ボタンBT3が操作されたときに1の会計に対応して登録済みとされた預かり品がない場合(ケース3)、POS端末20は、現在において保存中の保留データの一覧を提示する保留データ一覧画面の表示を行う。
【0043】
図4は、ケース1またはケース3に対応して店員側表示部26にて表示される保留データ一覧画面WD1の一例を示している。同図の保留データ一覧画面WD1は、店員操作画面に重畳して表示される態様とされた例を示している。同図の保留データ一覧画面WD1においては、現在において保存中の保留データに対応する保留データリスト項目LST2が配置される。同図においては、現在において2つの保留データが保存中であることに対応して、2つの保留データリスト項目LST2(LST2-1、LST2-2)が配置された例が示されている。
同図の保留データリスト項目LST2においては、対応の会員の氏名と保留時刻、保留点数とが提示された例が示されている。保留時刻は、対応の保留データが保存された時刻である。保留データの保持期限は当日の営業終了までとされてよい。この場合、保留時刻は、当日における時刻を示すものとなる。保存中の保留データについて、対応の客が当日の営業日内に戻って来ないために対応の中途会計が完了しなかった場合、POS端末20は、例えば閉店に対応する閉店処理に際して対応の保留データを削除してよい。保留データを削除するにあたり、POS端末20は、店員に向けて保留データが削除されることの確認を求めるポップアップ等を表示し、店員が確認操作を行ったうえで削除が実行されるようにしてよい。
また、保留データの削除により、保留対象とされていた商品、客の氏名、電話番号等の関連の情報が消去される。そこで、POS端末20は、保留データの削除に伴い、保留データに関連する上記の情報を印刷部28により印刷したものを発行してよい。店員は、印刷された情報を見て、例えば客に電話などで連絡を取り、保留された物品の扱いや客の再来店の確認等を行うことができる。
保留点数は、対応の保留データにおいて登録済みとされている預かり品の点数である。店員は、このような保留データリスト項目LST2が表示される保留データ一覧画面WD1を見ることで、現在において、どの会員の会計が保留状態にあるのかを把握することができる。
保留データ一覧画面WD1は、閉じるボタンBT11が操作されたことに応じて消去される。保留データ一覧画面WD1が消去されることに応じて、店員操作画面が表示された状態に戻る。
【0044】
また、店員は、例えば保留状態にあった中途会計に対応する客がクリーニング店に戻ってきた場合には、当該中途会計に応じた会計処理を再開させることができる。この際、店員は、保留データ一覧画面WD1に対する操作によって、保留データのうちから選択した1の保留データの保留を解除して、会計処理対象の預かり品登録データとして呼び戻す(復帰させる)ようにする。
保留データを呼び戻すにあたり、店員は、保留データ一覧画面WD1にて配置された保留データリスト項目LST2のうちから対象の保留データに対応する保留データリスト項目LST2を選択する操作を行う。
POS端末20は、選択された保留データリスト項目LST2に対応する保留データの保留を解除し、当該保留データを預かり品登録データとして扱う(変換する)。POS端末20は、保留データ一覧画面WD1を消去したうえで、保留データから変換された預かり品登録データの内容を反映した商品登録画面を機能画面エリアAR2に表示する。これにより保留状態にあった中途会計が再開され、例えば店員は、POS端末20を操作して、預かり品の追加登録や精算などを行うことができる。
【0045】
なお、保留データリスト項目LST2のそれぞれにおいて、保留データの新規保存の操作が行われたPOS端末20を示す番号(レジ番号)を表示してもよい。例えば店舗にて複数のPOS端末20が配置される場合において、そのうちの一台のPOS端末20しか釣銭機や決済端末が付いていないために精算が行えないような場合、精算が可能なPOS端末20にて保留データに対応する精算を行わせる際に、保留データリスト項目LST2にて表示されるレジ番号を確認することで、店員は、精算対象の保留データがいずれのPOS端末20にて保存されたものであるのかを判断できる。
【0046】
なお、中途会計に応じた会計処理の再開にあたり、例えば店員が客の会員カードをPOS端末20に読み取らせる操作を行うようにしてもよい。この場合、POS端末20は、会員カードから読み取った会員IDに対応付けられた保留データの保留を解除して会計処理対象の預かり品登録データとして呼び戻すようにされてよい。
【0047】
また、前述のケース2に対応するエラーメッセージの表示は、エラーメッセージ画面の表示により行われてよい。
図5は、エラーメッセージ画面WD2の一例を示している。同図のエラーメッセージ画面WD2は、店員操作画面に重畳して表示されるウィンドウであってよい。同図のエラーメッセージ画面WD2においては、現会計に対応する保留データを保存したいのであれば、POS端末20に会員IDを読み取らせる(顧客呼出を行う)べきことを店員に案内するメッセージが表示されている。また、エラーメッセージ画面WD2においては、保留データ一覧画面を表示させたいのであれば、現会計に対応してこれまでに行われた預かり品の登録を全て削除する操作を行うべきことを店員に案内するメッセージも表示されている。
エラーメッセージ画面WD2は、例えば表示が開始されてから所定時間が経過する、あるいはPOS端末20にて配置されている所定のキーまたはボタン等の操作子が操作されることに応じて消去されてよい。あるいは、エラーメッセージ画面WD2において確認ボタンを配置し、当該確認ボタンに対する操作が行われたことに応じて消去されてもよい。
【0048】
[処理手順例]
図6のフローチャートを参照して、POS端末20が一会計に対応して実行する処理手順例について説明する。
ステップS100:POS端末20は、一会計に対応する預かり品登録を受け付け可能な状態のもとで、スキャナまたはカードリーダにより会員カードからの会員IDの読み取りが行われたか否かを判定する。
ステップS102:会員IDの読み取りが行われた場合、POS端末20は、現会計において読み取られた会員IDを対応付ける。つまり、POS端末20は、現会計における預かり品の登録に応じて生成した預かり品登録データに読み取られた会員IDを対応付ける。これにより、1の会計に対して客を特定する識別情報が対応付けられることになる。
【0049】
ステップS104:一会計のもとでPOS端末20は、預かり品登録に関する操作として、預かり品を登録する登録操作を受け付け可能とされる。一旦登録された預かり品について登録をキャンセルすることとなったような場合に対応して、POS端末20は、登録された預かり品の登録を削除する登録削除操作を受け付け可能とされる。
ステップS102の処理の後、あるいはステップS100にて会員IDの読み取りが行われないと判定された場合、POS端末20は、現会計における登録操作と登録削除操作とのいずれかが行われたか否かを判定する。
【0050】
ステップS106:ステップS104にて登録操作と登録削除操作とのいずれかが行われたと判定された場合、POS端末20は、預かり品登録処理あるいは預かり品削除処理を実行する。預かり品登録処理は、今回の登録操作により登録された預かり品を預かり品登録データに登録する処理である。預かり品削除処理は、今回の登録削除操作によって削除が指定された登録済みの預かり品を預かり品登録データから削除する処理である。
【0051】
ステップS108:ステップS106の処理の後、あるいはステップS104にて登録操作と登録削除操作とのいずれも行われないと判定された場合、POS端末20は、保留ボタンBT3の操作が行われたか否かを判定する。
【0052】
ステップS110:ステップS108にて保留ボタンBT3の操作が行われていないと判定された場合、POS端末20は、精算移行指示操作が行われたか否かを判定する。精算移行指示操作は、精算ボタンBT2に対する操作であってよい。精算移行指示操作が行われないと判定された場合には、ステップS100に処理が戻される。
ステップS112:精算移行指示操作が行われた場合、POS端末20は、現会計に対応する精算処理に移行する。精算処理にあたり、POS端末20は、現会計におけるこれまでの預かり品登録結果が反映された預かり品登録データを利用する。精算処理が完了すると、一会計に応じた会計処理が終了する。
【0053】
ステップS114:ステップS108にて保留ボタンBT3の操作が行われたと判定された場合、POS端末20は、現会計において登録済みの預かり品が有るか否かを判定する。
ステップS116:ステップS114にて登録済みの預かり品が有ると判定された場合、POS端末20は、さらに現時点において現会計に会員IDが対応付けられているか否かを判定する。
【0054】
ステップS118:ステップS116にて現会計に会員IDが対応付けられていないと判定された場合、POS端末20は、エラーメッセージを出力する。具体的に、POS端末20は、当該ステップS118にて、エラーメッセージ画面WD2(図5)の表示によりエラーメッセージの出力を行ってよい。エラーメッセージ画面WD2が消去された後は、ステップS100に処理が戻される。
【0055】
ステップS120:ステップS116にて現会計に会員IDが対応付けられていると判定された場合、POS端末20は、現会計における現時点の預かり品登録データを保留データとし、記憶部23に保存する。これにより、現会計は保留状態となって、POS端末20は、新たな他の会計に対応する処理を実行することができる。
また、POS端末20は、当該ステップS120により保留データを保存して以降、店員操作画面における保留ボタンBT3において、今回保存した保留データを含む保留データ数を表示するようにされる。
【0056】
ステップS122:ステップS114にて登録済みの預かり品がないと判定された場合、あるいはステップS120の処理の後、POS端末20は、店員側表示部26にて保留データ一覧画面WD1を表示する。この際、POS端末20は、記憶部23に記憶される保留データごとに対応する保留データリスト項目LST2を配置した保留データ一覧画面WD1を生成し、生成した保留データ一覧画面WD1(図4)を店員側表示部26にて表示させる。
【0057】
ステップS124:ステップS122の処理の後、POS端末20は、保留データ一覧画面WD1を消去する操作が行われたか否かを判定する。保留データ一覧画面を消去する操作は、閉じるボタンBT11に対する操作であってよい。
【0058】
ステップS126:ステップS214にて保留データ一覧画面WD1を消去する操作が行われないと判定された場合、POS端末20は、さらに保留データ一覧画面WD1に対する保留データ選択操作が行われたか否かを判定する。
保留データ選択操作は、保留データ一覧画面WD1において配置される保留データリスト項目LST2のうち1の保留データリスト項目LST2を選択する操作である。保留データ選択操作が行われないと判定された場合にはステップS124に処理が戻される。
【0059】
ステップS128:ステップS126にて保留データ選択操作が行われたと判定された場合、POS端末20は、選択された保留データを預かり品登録データに復帰させる。これにより、保留データ選択操作により選択された保留データに対応する中途会計の保留が解除される。
ステップS130:POS端末20は、ステップS128により保留データから復帰された預かり品登録データの預かり品登録内容が反映された商品登録画面を機能画面エリアAR2にて表示させる。
【0060】
ステップS132:ステップS130の処理の後、あるいはステップS124にて画面消去操作の行われたことが判定された場合、POS端末20は、これまで表示していた保留データ一覧画面WD1を消去し、ステップS100に処理を戻す。
【0061】
<変形例>
[第1変形例]
POS端末20は、会計において登録された預かり品のそれぞれに異なるタグ番号を付すように発行する。クリーニング店においては、例えばタグ番号を示すタグを預かり品に取り付けたうえで、クリーニング処理とクリーニング処理後に客に引き渡すまでの保管を行うようにされる。
また、POS端末20は、会計単位で預かり品ごとにタグ番号の対応付けを示す控え伝票を発行(印刷)するようにされる。
【0062】
上記実施形態において、タグ番号は、例えば会計における精算が完了した段階でPOS端末20が付すようにされていた。
本変形例では、POS端末20は、保留ボタンBT3の操作に応じて中途会計の保留が行われる場合には、保留データとして保存される段階にて、POS端末20が、これまでに登録されて保留データに含まれることとなった預かり品ごとにタグ番号を付すようにされてよい。あるいは、POS端末20は、例えば会計において預かり品の登録が行われるごとに登録された預かり品ごとに付すようにしてタグ番号を発行してよい。あるいは、POS端末20は、例えば預かり品の登録が完了して、精算ボタンBT2が操作されたことに応じて、登録された預かり品ごとに付すようにしてタグ番号を発行してよい。
【0063】
預かり品には、順次実行される会計を通じて、連番によるタグ番号が付されるようにされている。同じ一会計の預かり品に連番でタグ番号が付されることで、クリーニング店での管理が行いやすくなる。また、同じ一会計の預かり品はひとまとまりの作業単位としてクリーニング工場にてクリーニングの作業が行われることから、クリーニング工場においても、同じ一会計の預かり品に連番でタグ番号が付されていることで、作業に際しての預かり品の管理が行いやすくなる。
【0064】
しかしながら、本変形例のもとで上記のように預かり品にタグ番号が付される場合、中途会計の保留が行われた場合には、会計が再開されて精算が完了した段階で、タグ番号が不連続となる場合がある。
【0065】
1つには、中途会計の保留を解除して会計を再開した際に、保留前に登録されていた預かり品のうちで最初または最後に登録されたものを除く預かり品のうちの一部の登録が削除された場合である。この場合には、登録を削除した預かり品に付したタグ番号が抜けるようにしてタグ番号が不連続となる。
【0066】
もう1つは、会計を保留状態としてから保留を解除して会計を再開させるまでの間において、POS端末20が他の会計処理を行った場合である。この場合には、先に保留状態とされた中途会計にて最後に登録された預かり品に付されたタグ番号に続くタグ番号が他の会計処理にて登録された預かり品に付される。そのうえで、先の中途会計の保留を解除して会計を再開させ、再開後にさらに追加して預かり品の登録を行った場合には、保留前において最後に登録された預かり品のタグ番号と、保留解除後において最初に登録された預かり品のタグ番号との間が不連続となる。
【0067】
このように一会計に対応する預かり品のタグ番号が不連続となった場合には、クリーニング店での預かり品の管理がしにくくなる。そこで、本変形例のPOS端末20は、上記のように一会計に対応する預かり品のタグ番号について不連続が生じた場合には、タグ番号の不連続が生じていることを所定の態様で強調して示すようにされた控え伝票を発行するようにされる。
【0068】
図7は、登録を削除した預かり品に付したタグ番号が抜けるようにしてタグ番号が不連続となった場合に対応して発行された控え伝票の一例を示している。
同図の控え伝票は、保留前に「デイリーワイシャツ」、「巾着袋」、「ワイシャツ(タタミ)」、「レディースジャケット」の4つの預かり品が登録されたところで中途会計となって保留され、保留解除により会計が再開されてから「ワイシャツ(タタミ)」の登録が削除された場合に対応する。
この場合の控え伝票は、保留前に登録された全ての預かり品を対応のタグ番号とともに登録順に従って上から下にかけてレイアウトしたうえで、保留解除後に削除された「ワイシャツ(タタミ)」については、取り消し線を付すようにされている。このようにして控え伝票の印刷が行われることで、クリーニング店の店員やクリーニング処理を行う作業員等は、対応の一会計に含まれる預かり品が「デイリーワイシャツ」、「巾着袋」、「レディースジャケット」の3品であり、それぞれのタグ番号が「1-101」、「1-102」、「1-104」であって「1-103」のタグ番号は抜けていることを容易に把握できる。
【0069】
図8は、会計を保留状態としてから保留を解除して会計を再開させるまでの間において、POS端末20が他の会計処理を行った場合に対応して、再開された会計に応じて発行された控え伝票の一例を示している。
同図の控え伝票は、保留前の会計において「デイリーワイシャツ」、「巾着袋」、「ワイシャツ(タタミ)」の3つの預かり品が登録され、保留解除後に再開された会計において「レディースジャケット」が追加で登録された場合に対応する。
この場合の控え伝票は、保留前において最後に登録された「ワイシャツ(タタミ)」と、保留解除後において最初に登録された「レディースジャケット」の間に下向きの矢印が配置されている。このような控え伝票とされることで、クリーニング店の店員やクリーニング処理を行う作業員等は、対応の一会計に含まれる預かり品が「デイリーワイシャツ」、「巾着袋」、「ワイシャツ(タタミ)」、「レディースジャケット」の4品であり、それぞれのタグ番号が「1-101」、「1-102」、「1-103」、「1-110」であって「1-104」~「1-109」までのタグ番号を跳躍していることを容易に把握できる。
【0070】
なお、本変形例において、保留解除により会計が再開されたことにより機能画面エリアAR2に表示された商品登録画面にて配置される登録済みの登録商品リスト項目LT1においては、先の登録時あるいは保留ボタンBT3の操作時に対応して預かり品に付されたタグ番号が表示されるようにしてよい。
【0071】
[第2変形例]
図9は、本変形例に対応する店員操作画面の一例を示している。同図においては、図2と同様に、機能画面エリアAR2にて商品登録画面が表示されている状態が示されている。そのうえで、同図の「レディースジャケット」の登録商品リスト項目LT1においては、「レディースジャケット」の文字にアンダーラインULが配置されている。アンダーラインULは、対応の種別の商品について、店員に向けての伝達事項(コメント)のあることを示す。店員は、伝達事項を確認したい場合には、対応の登録商品リスト項目LT1に対する操作(例えばタップ操作)を行う。登録商品リスト項目LT1が操作されたことに応じて、店員操作画面には、対応の伝達事項を示すポップアップ画面SPが表示される。
同図の例では、「レディースジャケット」の登録商品リスト項目LT1を店員が操作したことに応じて、「レディースジャケット ポケットチェックを忘れずに」の伝達事項を示すポップアップ画面SPが表示された例を示している。
ポップアップ画面SPは、例えば店員操作画面の外から同図に示される位置にスライドしてくる態様で出現するようにされてよい。同図の位置の場合、ポップアップ画面SPは、店員操作画面の上端側からスライドするように出現してもよいし、店員操作画面の左端からスライドするように出現してもよい。
【0072】
[第3変形例]
先の実施形態にて説明したように、店員側表示部26にて表示される店員操作画面の機能画面エリアAR2は、タブTB-2が選択された状態では返却状況画面が表示される。図2のタブTB-2には丸印のマークMKが配置されている。マークMKは、客への返却が済んでいない未返却の返却対象預かり品の有ることを示している。また、このようにマークMKが配置されている場合には、タブTB-2において、未返却の返却対象預かり品の総数が示される。具体的に、図2では、「未返却 5点」というように、未返却の返却対象預かり品の総数が5点であることが示されている。
このようにタブTB-2においてマークMKや未返却の返却対象預かり品の総数が示されることで、例えば、タブTB-2以外のタブTBが選択されている状態であっても、店員は未返却の返却対象預かり品の有無や総数などを把握できる。
【0073】
図10は、本変形例に対応して機能画面エリアAR2にて表示される返却状況画面の一例を示している。同図において、図2と同一部分には同一符号を付して適宜説明を省略する。
同図の返却状況画面においては、プルダウンメニューボタンMNが配置されている。店員は、プルダウンメニューボタンMNを操作してプルダウン表示させたメニューリストから、返却状況画面にて返却状況を提示させる伝票(会計)を選択する操作を行うことができる。
同図においては、プルダウンメニューボタンMNにおいて「伝票No.19」が選択されている。この場合の返却状況画面においては、「伝票No.19」により特定される会計に対応して登録された3つの預かり品ごとの返却状況リスト項目LT3(LT3-1、LT3-2、LT3-3)が配置されている。
1つの返却状況リスト項目LT3においては、対応の預かり品のタグ番号、商品種別(商品名)、備考(値引き、仕上げ種別、ロッカー返却、単価、仕上がり日、処理状況(状態)が示されている。
【0074】
そのうえで、本変形例の返却状況画面におけるプルダウンメニューボタンMNの右上にはバッジBGが配置されている。バッジBGは、処理対象の会計に対応付けられている会員としての客の未返却の返却対象預かり品の総数を示す。同図においては、バッジBGにおいて「5」が示されていることで、対応の客の未返却の返却対象預かり品の総数が5点であることが示される。同図の例の場合、5点の未返却の返却対象預かり品の内訳は、プルダウンメニューボタンMNにて選択中の「伝票No.19」の会計に対応して返却状況リスト項目LT3により示されている3点と、「伝票No.19」とは別の伝票に対応する2点とを含むものとなる。
未返却の返却対象預かり品が無い場合、バッジBGは非表示としてもよいし、「0」を示すバッジBGを表示してもよい。
未返却の返却対象預かり品の総数については、前述のようにタブTB-2においても示されるが、返却状況画面が表示されているときには、バッジBGにより未返却の返却対象預かり品の総数を、より分かりやすく店員に示すことができる。
【0075】
なお、例えば未返却の返却対象預かり品のうちに、衣類等の一般的なものとは別に、サイズが大きい毛布などの特殊品が含まれるような場合がある。このように未返却の返却対象預かり品のうちに特殊品が含まれる場合には、バッジBGについて特殊品が含まれることを示すように表示態様の変化が与えられてよい。この場合の表示態様の変化としては、例えば色の変更、点滅などであってよい。
【0076】
なお、未返却の返却対象預かり品のうちに別料金が発生する保管サービスによって店舗が預かっている預かり品については、バッジBGにより示される未返却の返却対象預かり品の総数のうちに含めなくともよい。
あるいは、バッジBGは、通常の未返却の返却対象預かり品の総数を示す数字と、保管サービスによって店舗が預かっている預かり品の総数を示す数字とのそれぞれを表示するようにしてよい。この場合、それぞれの数字は、例えば色などを変更することで、通常の未返却の返却対象預かり品の総数と保管サービスによって店舗が預かっている預かり品の総数とが区別できるようにしてよい。
【0077】
なお、プルダウンメニューボタンMNを操作してプルダウンにより表示されるメニュー項目のうち、保管サービスの対象の預かり品を含む伝票のメニュー項目については、保管サービスの対象の預かり品を含まない他の伝票のメニュー項目と異なる態様で表示してよい。これにより、店員が保管サービスの対象の預かり品を含む伝票と他の伝票とを区別することができる。
【0078】
[第4変形例]
POS端末20は、例えばクラウドサーバと接続されてよい。この場合、POS端末20は、例えばクラウドサーバと通信を行うシンクライアントとして機能してよい。シンクライアントしてのPOS端末20は、クラウドサーバから送信される画面のデータを利用して、店員側表示部26や客側表示部27に画面を表示する。POS端末20は、画面に対して行われた操作を示すコマンドをクラウドサーバに送信し、クラウドサーバは、コマンドに応じた処理を実行し、実行結果が反映された画面のデータをPOS端末20に表示させるようにしてよい。
【0079】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、システムに関する。
[背景技術]
クリーニング店での商品の預かりに関する登録、精算に対応するPOSシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002-157646号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
クリーニング店にて1の顧客に対応して行われる預かり対象の物品の登録から精算までの会計の途中で何らかの事情で顧客がその場から離れることとなり、会計が中断する場合がある。この場合には、これまでの物品の登録を無効としたうえで、顧客がクリーニング店に戻ってきた際に、あらためてはじめから物品を登録しなおすことになるが、同じ預かり対象の物品を重複して登録する操作を行うことになるため、効率的でない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、クリーニング店での取引が中断された場合に対応して、中断前の続きから取引を再開できるようにすることを目的とする。
【0080】
[課題を解決するための手段]
(1)本実施形態の一態様は、顧客から預かる物品(例えば、預かり品)を登録する登録手段と、前記登録手段により登録された物品に対応する精算が行われる前の段階にて物品の登録情報(例えば、預かり品登録データ)を顧客ごとに保存可能な保留手段と、前記保留手段により保存された登録情報を出力する出力手段とを備えるシステムである。
上記構成によれば、会計の途中でこれまでに登録された預かり品についての預かり品登録データをキャンセルせずに保留させておくことが可能となる。これにより、保留された預かり品登録を利用して、会計が中断しても、中断前の続きから会計を再開することが可能となる。
【0081】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載のシステムであって、顧客を特定する顧客特定情報(例えば、会員ID)を取得する取得手段をさらに備え、前記保留手段は、前記取得手段によって顧客特定情報が取得されていない場合には、当該顧客特定情報により特定される顧客に対応付けられた登録情報の保存を行わない。
上記構成によれば、POS端末20が会員IDを取得していない状態では、登録情報の保留が行えないようにすることができる。
【0082】
(3)本実施形態の一態様は、(2)に記載のシステムであって、前記保留手段が物品の登録情報の保存を行わないことについての報知を行う報知手段をさらに備える。
上記構成によれば、報知が行われることで、店員は、会員IDが読み取られていないために登録情報の保存が行われなかったことを把握し、会員IDを読み取らせたうえで預かり品登録データを保留させるように操作をし直すことができる。
【0083】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれか1つに記載のシステムであって、前記出力手段は、前記保留手段により保存された登録情報を出力するにあたり、前記保留手段により保存された登録情報の一覧(例えば、保留データ一覧画面WD1)を出力する。
上記構成によれば、保留された会計に応じた保留データ一覧画面WD1が表示される。これにより、店員は、保留データのうちから必要なものを選択して会計を再開させる操作を効率良く行うことができる。
【0084】
(5)本実施形態の一態様は、(1)から(4)のいずれか1つに記載のシステムであって、前記登録手段により登録された物品ごとに物品識別情報(例えば、タグ番号)を付与する付与手段をさらに備え、前記付与手段は、前記保留手段によって保存される登録情報の物品に物品識別情報の付与を行う。
上記構成によれば、例えば保留ボタンBT3の操作に応じて現会計を保留状態とする際に、現会計においてこれまでに登録された預かり品にタグ番号を付して管理することが可能となる。
【0085】
なお、上述のPOS端末20の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のPOS端末20の処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0086】
20 POS端末、21 CPU、22 RAM、23 記憶部、24 通信部、25 入力部、26 店員側表示部、27 客側表示部、28 印刷部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10