(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157768
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20230101AFI20231019BHJP
【FI】
G06Q30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067885
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】信岡 哲也
(72)【発明者】
【氏名】竹野 唯志
(72)【発明者】
【氏名】山崎 景太
(72)【発明者】
【氏名】綿田 将悟
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】本発明が解決しようとする課題は、顧客に対して興味や楽しみを与えるようなプロモーションを行うことが可能な情報処理装置、およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の情報処理装置は、商品に対して定められる抽選率を設定する設定部と、顧客が所持する端末装置で読取られた商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、前記商品識別情報取得部が前記商品識別情報を取得したことを条件として、当該商品識別情報で識別される商品に対して定められた抽選率に基づいてプロモーション情報を選択する選択部と、前記選択部が選択したプロモーション情報を、前記商品識別情報を読取った端末装置に出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に対して定められる抽選率を設定する設定部と、
顧客が所持する端末装置で読取られた商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報取得部が前記商品識別情報を取得したことを条件として、当該商品識別情報で識別される商品に対して定められた抽選率に基づいてプロモーション情報を選択する選択部と、
前記選択部が選択したプロモーション情報を、前記商品識別情報を読取った端末装置に出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記設定部は、商品毎に抽選率を設定可能である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
商品の在庫数を示す在庫情報を取得する在庫情報取得部をさらに備え、
前記設定部は、前記在庫情報取得部が取得した在庫情報に基づいて抽選率を設定する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
顧客を識別する顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部をさらに備え、
前記設定部は、前記顧客識別情報で識別される顧客に関する顧客情報に基づいて抽選率を設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定部が設定した抽選率に基づいて顧客に通知するイベント情報を決定するイベント情報決定部をさらに備え、
前記出力部は、前記イベント情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置をコンピュータで制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
商品に対して定められる抽選率を設定する設定部と、
顧客が所持する端末装置で読取られた商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報取得部が前記商品識別情報を取得したことを条件として、当該商品識別情報で識別される商品に対して前記設定部で設定された抽選率に基づいてプロモーション情報を選択する選択部と、
前記選択部が選択したプロモーション情報を、前記商品識別情報を読取った端末装置に出力する出力部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品あるいはサービス(以下、総称して「商品」という)を販売する店舗等では、商品の販売促進を図るための様々な活動(プロモーション)を行っている。例えば、顧客が購入を検討している商品の識別情報を読取ると、当該商品に係る情報や広告情報を表示する商品情報表示装置などが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、上記従来技術では顧客に単に情報を提示するだけであり、顧客に興味や楽しみを与えるといえるものではなく、購買意欲を向上させるという点において必ずしも充分な効果が期待できるものではなかった。このため、顧客に興味や楽しみを与えるようなプロモーションが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、顧客に対して興味や楽しみを与えるようなプロモーションを行うことが可能な情報処理装置、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理装置は、商品に対して定められる抽選率を設定する設定部と、顧客が所持する端末装置で読取られた商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、前記商品識別情報取得部が前記商品識別情報を取得したことを条件として、当該商品識別情報で識別される商品に対して定められた抽選率に基づいてプロモーション情報を選択する選択部と、前記選択部が選択したプロモーション情報を、前記商品識別情報を読取った端末装置に出力する出力部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態の店舗システムを含むシステム全体の概略を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態の端末装置の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態の端末装置の主たる機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態のサーバ装置の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される商品マスタのデータ構成を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される会員マスタのデータ構成を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶されるプロモーション管理テーブルのデータ構成を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される商品・抽選テーブルのデータ構成を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される抽選率テーブルのデータ構成を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される在庫数補正値テーブルのデータ構成を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶される顧客情報補正値テーブルのデータ構成を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態のサーバ装置の記憶部に記憶されるイベント情報配信管理テーブルのデータ構成を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態のサーバ装置の主たる機能構成を示すブロック図である。
【
図14】
図14は、実施形態のサーバ装置の制御部による抽選率設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施形態のサーバ装置の制御部による抽選率設定処理の他の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、実施形態のサーバ装置の制御部によるプロモーション情報送信処理を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、実施形態のサーバ装置の制御部によるイベント情報配信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態の情報処理装置、およびプログラムについて説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。例えば、以下に説明する実施形態では、顧客が所持する端末装置を当該顧客が所有するスマートフォンなどの携帯端末とした例について説明するが、当該端末装置は店舗が用意したタブレット端末などの携帯端末としてもよい。
【0008】
また、以下に説明する実施形態では、情報処理装置を店舗サーバとして機能するサーバ装置とした例について説明するが、これに限らない。情報処理装置は、店舗外に設けられた管理サーバとしてもよい。また、情報処理装置を複数のコンピュータで構成することも可能である。
【0009】
図1は、店舗システム100を含むシステム全体の概略を示す図である。本実施形態の店舗システム100は、例えば、スーパーマーケットなど商品を販売する店舗に適用される。店舗システム100は、店舗を運営する企業が管理する管理サーバ200と通信可能に接続される。
【0010】
店舗システム100は、端末装置1と、会計装置2と、サーバ装置3と、を有する。会計装置2とサーバ装置3とは、LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。端末装置1は、無線LAN等を介して会計装置2およびサーバ装置3に通信可能に接続される。
【0011】
端末装置1は、例えば顧客Cが所有するスマートフォンで構成される。端末装置1には買物用アプリケーションプログラム(以下、「買物アプリ」ともいう)がインストールされている。端末装置1は、店舗内で買物アプリを動作させることによって、店舗の無線LANに接続可能となり、店舗で買物をするための処理やプロモーション情報を取得するための処理を行うことができる。
【0012】
例えば、端末装置1は、顧客Cの操作によって商品に付されたバーコード等のコードシンボルから商品IDを読取って商品登録を行う。商品登録とは、入力された商品IDに基づいて、商品情報(商品名、価格等)を商品マスタから取得して記憶部に登録(記憶)することである。商品マスタは、商品IDと商品情報とを対応付けたマスタファイルであって、端末装置1に記憶されてもよいし、サーバ装置3に記憶されてもよい。商品IDは、商品を識別する情報であり、商品識別情報の一例である。
【0013】
また、端末装置1は、読取った商品IDをサーバ装置3に送信し、サーバ装置3からプロモーション情報を受信する。プロモーション情報は、店舗が商品の販売を促進するための情報であって、例えば、店舗独自の電子的キャラクタ(以下、単に「キャラクタ」ともいう)や値引クーポン、粗品引換券等の特典などに関する情報である。商品IDを受信したサーバ装置3は、商品ID対応して定められた抽選率(当たる確率)に基づいて抽選(選択)を行い、その抽選結果に応じたプロモーション情報を端末装置1に送信する。本実施形態においては、プロモーション情報は、抽選結果やキャラクタなど、キャラクタに関する情報である。
【0014】
顧客Cは、抽選によるプロモーション情報が付与されるので、キャラクタが当たるか、当たった場合に自己が希望するキャラクタが当たるか、など楽しみや興味を持って買物を行うことができる。特に、顧客Cが商品を購入するために商品に付されたコードシンボルから商品IDを読取った際に、抽選によるプロモーション情報を送信することで、店内の売場で買物中の顧客Cの購買意欲を向上させることが期待できる。例えば、キャラクタが外れた場合、当該キャラクタを取得するチャンスを得るために、顧客Cが新たに商品を購入することが期待できる。
【0015】
さらに、端末装置1は、サーバ装置3からイベント情報を受信する。イベント情報は、プロモーション情報に関するイベントを通知する情報であって、当該プロモーション情報を選択するための抽選率に基づいて決定される。イベント情報は、例えば、レアキャラと呼ばれる特定キャラクタの抽選率が変更されて高くなったことを通知する情報、特定の商品に対して抽選率が高く設定されたことを通知する情報、特定の時間帯について抽選率が高く設定されることを通知する情報などである。
【0016】
会計装置2は、例えば顧客Cが自身で会計操作を行う、いわゆるセルフ式の会計装置である。会計装置2は、端末装置1から受信した会計情報に基づいて、現金決済、あるいはクレジット決済などのキャッシュレス決済による支払に係る会計処理を実行する。会計処理とは、顧客Cが購入する商品の代金の支払を行うための処理である。なお、会計装置2は、店員が操作するPOS(Point Of Sales)端末であってもよい。
【0017】
サーバ装置3は、店舗の情報を管理する店舗サーバとして機能する。サーバ装置3は、各会計装置2から、会計処理にて支払された商品の商品情報や決済方法等に関する決済情報を受信して、店舗の売上情報を管理する。また、サーバ装置3は、必要に応じて、商品の在庫情報や顧客Cに関する顧客情報を管理サーバ20から取得する。
【0018】
さらに、サーバ装置3は、端末装置1で読取られた商品IDを取得したことを条件として、定められた抽選率に基づいてプロモーション情報を選択し、端末装置1に送信する。ここで、端末装置1で読取られた商品IDを取得したことを条件としてとは、端末装置1が読取った商品IDを取得したことに加えて、当該商品IDの商品の支払が済んだことも条件とする場合も含むことを意味する。
【0019】
本実施形態においては、サーバ装置3は、端末装置1から商品IDを取得すると、プロモーション情報を選択して当該端末装置1に送信する。これにより、上述したように、売場で買物中の顧客Cの購買意欲の向上が期待できる。しかしながら、サーバ装置3は、商品IDと当該商品IDに係る商品の支払が済んだことを示す情報とを取得したことを条件として、プロモーション情報の選択、送信を行ってもよい。この場合、サーバ装置3は、会計装置2から商品IDを取得してもよい。
【0020】
また、サーバ装置3は、上述したイベント情報を端末装置1に配信する。サーバ装置3は、無線LANを介して店内にいる顧客Cに対してイベント情報を配信してもよいし、公衆回線を通じて会員全てにイベント情報を配信するようにしてもよい。なお、イベント情報が配信されるタイミングは任意に設定可能である。例えば、イベント情報は、開店前やイベントの前日に配信されてもよい。サーバ装置3は、情報処理装置の一例である。
【0021】
管理サーバ200は、複数の店舗の情報を管理するサーバであって、各店舗の商品の在庫情報、会員登録された会員の顧客情報、各店舗の売上情報等を管理する。在庫情報は、各店舗の会計装置2での会計処理に応じて随時更新され、リアルタイムの在庫個数である。顧客情報は、会員の各店舗への来店回数、購入履歴(購入商品、購入額等)などである。なお、管理サーバ200が管理する情報は、各店舗のサーバ装置3で管理してもよい。
【0022】
次に、端末装置1の構成、機能について詳細に説明する。
図2は、端末装置1の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。端末装置1は、制御部10と、表示部11と、操作部12と、スキャナ13と、通信部14と、記憶部15と、を備えている。制御部10、表示部11、操作部12、スキャナ13、通信部14、および記憶部15は、バス16等を介して互いに接続されている。
【0023】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103を備えたコンピュータ構成となっている。CPU101、ROM102、およびRAM103は、バス16を介して互いに接続されている。
【0024】
CPU101は端末装置1の全体の動作を制御する。ROM102は、CPU101の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用され、ROM102や記憶部15に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部10は、CPU101がROM102や記憶部15に記憶されRAM103に展開された制御プログラムに従って動作することによって、端末装置1の各種制御処理を実行する。
【0025】
また、RAM103は、商品情報部1031を備える。商品情報部1031は、スキャナ13が読取った商品IDに係る商品情報を記憶する。商品情報部1031に商品情報が記憶されることで商品登録が実行される。
【0026】
表示部11は、例えば液晶パネルで構成されており、各種情報を表示する。例えば、表示部11は、商品登録された商品の商品情報を表示する。また、表示部11は、バーコードが付されていない商品を商品登録するための登録画面等を表示する。
【0027】
操作部12は、制御部10に情報を入力するためのもので、表示部11の表面に設けられるタッチパネルなどで構成される。例えば、操作部12は、バーコードが付されていない商品の商品IDを制御部10に入力する。また、操作部12は、商品登録された情報の会計装置2への送信を指示する情報を制御部10に入力する。
【0028】
スキャナ13は、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の光学的撮像素子を備える。スキャナ13は、商品に付されたバーコード等のコードシンボルから商品IDを読取って制御部60に入力する。具体的には、スキャナ13は、顧客Cが購入する商品に付されたバーコード等のコードシンボルを光学的にまたは撮像して認識する。そして、スキャナ13は、認識したコードシンボルをデコードし、コードシンボルが示す商品IDを読み取る。なお、スキャナ13が認識したコードシンボルのデコードは、制御部10で行ってもよい。また、スキャナ13は、一般物体認識(オブジェクト認識)によって商品IDを読取る(認識する)ものであってもよい。
【0029】
通信部14は、会計装置2、サーバ装置3などの外部装置と通信するためのインターフェイスである。制御部10は、通信部14を介して外部装置と接続されることで、外部装置と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0030】
記憶部15は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部15は、制御プログラム151、および会員ID152を記憶する。
【0031】
制御プログラム151は、買物アプリなどである。会員IDは、店舗によって会員である顧客Cに対してユニークに割り振られた情報である。会員IDは、顧客Cを識別する顧客識別情報の一例である。
【0032】
続いて、端末装置1の制御部10の主たる機能構成について説明する。
図3は、端末装置1の制御部10の機能構成を示すブロック図である。制御部10は、CPU101がROM102や記憶部15に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、入力部1001、登録部1002、送受信部1003、および表示制御部1004として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0033】
入力部1001には、操作部12やスキャナ13から各種情報が入力される。例えば、入力部1001には、操作部12からアプリ起動指示、会計指示などが入力される。アプリ起動指示は、買物アプリの起動を指示するための情報である。会計指示は、商品情報部1031に登録されている情報を含む会計情報を会計装置2に送信することを指示するための情報である。また、入力部1001には、スキャナ13から当該スキャナ13が読取った商品IDが入力される。
【0034】
登録部1002は、商品登録を実行する。具体的には、登録部1002は、入力部1001に入力された商品IDを、送受信部1003を介してサーバ装置3に送信し、その応答として当該商品IDに対応する商品情報を取得する。そして、登録部1002は、取得した商品情報を商品情報部1031に登録する。商品情報部1031に登録される商品情報には商品IDが含まれている。
【0035】
なお、登録部1002は、端末装置1が商品マスタ322(
図5参照)を記憶している場合、商品マスタ322から商品IDに対応する商品情報を読み出すことで、当該商品情報を取得するようにしてもよい。
【0036】
送受信部1003は、外部装置との間で情報を送受信する。例えば、送受信部1003は、会計装置2に対して商品情報部1031に登録された商品情報を含む会計情報を送信する。また、送受信部1003は、サーバ装置3に対して入力部1001に入力された商品IDと記憶部15に記憶された会員IDとを対応付けた商品情報要求を送信する。そして、送受信部1003は、商品情報要求に対する応答として、送信した商品IDに対応する商品情報、およびプロモーション情報をサーバ装置3から受信する。また、送受信部1003は、サーバ装置3が任意のタイミングで配信するイベント情報を受信する。
【0037】
表示制御部1004は、表示部11に各種情報を表示させる。例えば、表示制御部1004は、登録部1002が登録した商品情報を表示部11に表示させる。また、表示制御部1004は、アプリ起動指示や会計指示などの情報を入力するための各種操作子などを表示部11に表示させる。
【0038】
次に、サーバ装置3の構成、機能について詳細に説明する。
図4は、サーバ装置3の主たるハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、制御部30と、通信部31と、記憶部32と、を備えている。制御部30、通信部31、および記憶部32は、バス33等を介して互いに接続されている。
【0039】
制御部30は、CPU301、ROM302、RAM303を備えたコンピュータ構成となっている。CPU301、ROM302、およびRAM303は、バス33を介して互いに接続されている。
【0040】
CPU301はサーバ装置3の全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用され、ROM302や記憶部32に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部30は、CPU301がROM302や記憶部32に記憶されRAM303に展開された制御プログラムに従って動作することによって、サーバ装置3の各種制御処理を実行する。
【0041】
記憶部32は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部32は、制御プログラム321、商品マスタ322、会員マスタ323、プロモーション情報管理テーブル324、商品・抽選テーブル325、抽選率テーブル326、在庫数補正値テーブル327、顧客情報補正値テーブル328、およびイベント情報配信管理テーブル329を記憶する。
【0042】
制御プログラム321は、商品に対して定められる抽選率を設定する機能、商品IDを取得する機能、抽選率に基づいてプロモーション情報を選択する機能、プロモーション情報を端末装置1に出力する機能等を実現するためのプログラムなどである。
【0043】
商品マスタ322は、店舗で取り扱っている商品の情報を記憶したマスタファイルである。なお、店舗で取り扱う商品は日々変化するため、商品マスタ322は、適宜更新される。
図5は、商品マスタ322のデータ構成を示す図である。商品マスタ322は、商品ID、商品名、価格を対応付けて記憶する。
【0044】
会員マスタ323は、店舗の会員の情報を記憶したマスタファイルである。会員は、店舗を利用する顧客Cのうち、会員登録をした顧客Cである。会員マスタ323に登録される情報は、顧客Cが会員登録をした際に当該顧客Cから取得される。
図6は、会員マスタ323のデータ構成を示す図である。会員マスタ323は、会員ID、氏名、通知先を対応付けて記憶する。
【0045】
通知先は、会員に対する情報の送信先を示すもので、例えば、会員が所有する端末装置1の通信アドレスである。サーバ装置3は、顧客Cの端末装置1に情報を送信する際に会員マスタ323の通知先を参照する。
【0046】
プロモーション情報管理テーブル324は、顧客Cに送信するプロモーション情報を管理するデータテーブルである。プロモーション情報管理テーブル324に登録される情報は、店舗が任意に設定、更新することができる。
図7は、プロモーション情報管理テーブル324のデータ構成を示す図である。プロモーション情報管理テーブル324は、キャラクタID、キャラクタ名、キャラクタ(画像)を対応付けて記憶する。
【0047】
キャラクタIDは、キャラクタを特定する情報である。キャラクタは店舗が発行した特徴ある画像などであって、プロモーション情報の一例である。店舗は、多数のキャラクタを発行しており、抽選に応じて選択されたキャラクタを顧客Cに付与する。店舗は、キャラクタをプロモーション情報として活用することで、例えば、顧客Cが一定数以上の種類のキャラクタを取得した場合に、賞品をプレゼントするなどのプロモーションが可能である。
【0048】
なお、プロモーション情報管理テーブル324は、
図7の例に限らない。例えば、プロモーション情報管理テーブル324は、プロモーション情報としてクーポンを管理するものであってもよい。この場合、プロモーション情報管理テーブル324は、クーポンIDとクーポン内容(値引額など)とを対応付けて記憶する。その他様々な顧客Cに対する特典をプロモーション情報として用いることができる。
【0049】
商品・抽選テーブル325は、顧客Cが購入した商品あるいは購入しようとする商品に対して定められる抽選率を管理するデータテーブルである。
図8は、商品・抽選テーブル325のデータ構成を示す図である。商品・抽選テーブル325は、商品IDと抽選率テーブルIDとを対応付けて記憶する。
【0050】
商品・抽選テーブル325は、任意に設定、更新可能であり、同じ抽選率テーブルIDを複数の商品IDに対応させてもよい。例えば、店舗が全ての商品について同じ抽選率テーブルを適用させたい場合、商品・抽選テーブル325は、全ての商品IDに同じ抽選テーブルIDが対応付けられる。
【0051】
抽選率テーブル326は、キャラクタごとの抽選率を管理するデータテーブルである。抽選率テーブル326は、商品・抽選テーブル325で設定される抽選率テーブルIDの数だけ用意される。
図9は、抽選率テーブル326のデータ構成を示す図である。
図9では、抽選率テーブルIDが901と902のものが示されている。抽選率テーブル326は、キャラクタIDと抽選率とを対応付けて記憶する。
【0052】
抽選率テーブル326における抽選率の設定は任意である。例えば、キャラクタと色配分が類似する商品パッケージの商品については、当該キャラクタの抽選率を高く設定することもできる。
【0053】
在庫数補正値テーブル327は、抽選率テーブル326の抽選率を商品の在庫数に応じて書き換えるための補正係数を記憶するデータテーブルである。補正係数を抽選率に乗じることによって、当該抽選率が補正される。
図10は、在庫数補正値テーブル327のデータ構成を示す図である。在庫数補正値テーブル327は、在庫数と補正係数とを対応付けて記憶する。在庫数補正値テーブル327は、任意に設定、更新可能である。なお、在庫数補正値テーブル327は、商品毎に設定されていてもよい。店舗は、商品ごとに仕入数や確保する在庫数が異なる場合、商品毎に在庫数補正値テーブル327を用意しておくことが望ましい。
【0054】
図10において、在庫数Xは在庫数Yより大きな値であり、在庫数を3つの状態に分類している。在庫数が最も少ないY未満の状態では、補正係数をなしに設定、言い換えれば補正係数を1に設定している。すなわち、在庫数に応じて抽選率を補正する処理を行う場合であっても、在庫数がY未満であれば、抽選率テーブル326の抽選率はそのまま維持される。
【0055】
在庫数が次に少ないY以上X未満である状態では、補正係数を0.9に設定している。すなわち、抽選率テーブル326に登録された抽選率を90パーセントに補正する。在庫数が最も多いX以上の状態では、補正係数を0.8に設定している。すなわち、抽選率テーブル326に登録された抽選率を80パーセントに補正する。なお、抽選率を補正する場合、抽選率テーブル326に登録されたはずれ以外の抽選率全てを補正してもよいし、はずれ以外の一部の抽選率を補正してもよい。例えば、最も抽選率が低いキャラクタ(以下、「レアキャラ」ともいう)のキャラクタIDに対応する抽選率のみを補正してもよい。
【0056】
図10の例では、在庫数が多いほど抽選率を低くして、キャラクタを当たりにくくしている。これにより、顧客Cが抽選に外れることによって購買意欲が高まること、つまり顧客Cが次に当てたいと考えることで商品を購入しようと考えることが期待できる。これにより、在庫数の多い商品、言い換えれば店舗が売りたい商品の販売促進を図ることができる。しかしながら、在庫数補正値テーブル327は、
図10の例に限らない。
【0057】
例えば、
図10の例とは反対に在庫数が多いほど抽選率を高くしてもよい。この場合、例えば抽選率がアップしたことをイベント情報として顧客Cに通知することで、顧客Cの購買意欲を向上させることが期待できる。補正係数の設定は、店舗の販売戦略に応じて任意に設定される。
【0058】
顧客情報補正値テーブル328は、抽選率テーブル326の抽選率を顧客情報に応じて書き換えるための補正係数を記憶するデータテーブルである。
図11は、顧客情報補正値テーブル328のデータ構成を示す図である。顧客情報補正値テーブル328は、来店回数と補正係数とを対応付けて記憶する。来店回数は顧客情報の一例である。
【0059】
図11に示すように、ひと月あたりの来店回数が設定値Z未満であれば、補正係数をなしに設定、言い換えれば補正係数を1に設定している。すなわち、来店回数に応じて抽選率を補正する処理を行う場合であっても、来店回数が設定値Z未満であれば、抽選率テーブル326の抽選率はそのまま維持される。なお、ひと月あたりの来店数は、前月の来店数としてもよく、あるいは直近の所定期間(例えば、3ヶ月、6か月など)の平均来店回数としてもよい。
【0060】
ひと月あたりの来店回数が設定値Z以上であれば、補正係数を1.1に設定している。すなわち、抽選率テーブル326に登録された抽選率を10パーセントアップするよう補正する。これにより、来店回数の多い顧客Cを優遇した抽選率とすることができる。なお、抽選率を補正する場合、抽選率テーブル326に登録されたはずれ以外の抽選率全てを補正してもよいし、はずれ以外の一部の抽選率を補正してもよい点は、在庫数によって補正する場合と同様である。
【0061】
顧客情報補正値テーブル328で設定される顧客情報は来店回数に限るものではない。例えば、顧客情報として、ひと月あたりの購入金額、購入商品点数などを用いることも可能である。なお、顧客情報補正値テーブル328も
図11の例に限らない。例えば、
図11の例とは反対に来店回数が少ない場合に抽選率を高くしてもよく、補正係数の設定は、店舗の販売戦略に応じて任意に設定される。
【0062】
イベント情報配信管理テーブル329は、イベントを配信する条件を設定したデータテーブルである。具体的には、抽選率テーブル326の抽選率が変更された際に、イベント情報を配信するか否かを判断するためのデータテーブルである。抽選率が変更される場合としては、店舗の判断によってデータが入力されて抽選率テーブル326が更新される場合、在庫数補正値テーブル327や顧客情報補正値テーブル328に基づいて自動的に抽選率テーブル326が更新される場合などがある。
図12は、イベント情報配信管理テーブル329のデータ構成を示す図である。イベント情報配信管理テーブル329は、特定キャラクタ抽選率とイベント情報配信の有無を対応付けて記憶する。
【0063】
特定キャラクタ抽選率は、例えばレアキャラの抽選率である。
図12の例では、抽選率が変更されてレアキャラの抽選率が設定値V以上に設定された場合、イベント情報を配信する。配信されるイベント情報は、レアキャラの抽選率がアップしたことを通知する情報などである。すなわち、イベント情報の内容および配信は抽選率に応じて決定されるものである。ここで、特定キャラクタの抽選率はレアキャラの抽選率に限るものではなく、いずれか一つあるいは複数のキャラクタの抽選率でもよい。
【0064】
続いて、サーバ装置3の制御部30の主たる機能構成について説明する。
図13は、サーバ装置3の制御部30の機能構成を示すブロック図である。制御部30は、CPU301がROM302や記憶部32に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、設定部3001、取得部3002、商品情報抽出部3003、選択部3004、イベント情報決定部3005、および送受信部3006として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0065】
設定部3001は、商品に対して定められる抽選率を設定する。具体的には、設定部3001は、商品・抽選テーブル325および抽選率テーブル326に情報を登録(記憶)する。設定部3001は、入力された抽選率(店舗あるいは商品メーカによって定めた抽選率)を登録することで抽選率を設定する。また、設定部3001は、在庫情報や顧客情報に応じて登録済の抽選率が補正されたものを新たな抽選率として設定する。
【0066】
取得部3002は、端末装置1で読取られた商品識別情報を取得する。具体的には、取得部3002は、端末装置1で読取られた商品IDを、送受信部3006を介して当該端末装置1から受信する。なお、取得部3002は、端末装置1で読取られた商品IDを、送受信部3006を介して会計装置2から受信してもよい。取得部3002は、商品識別情報取得部の一例である。
【0067】
また、取得部3002は、商品の在庫数を示す在庫情報を取得する。具体的には、取得部3002は、送受信部3006を介して、管理サーバ200に在庫要求を送信するとともに、当該管理サーバ200から在庫情報を受信する。取得部3002は、在庫情報取得部の一例である。
【0068】
さらに、取得部3002は、顧客Cを識別する顧客識別情報を取得する。具体的には、端末装置1に記憶されている会員IDを、送受信部3006を介して当該端末装置1から受信する。取得部3002は、顧客識別情報取得部の一例である。また、取得部3002は、送受信部3006を介して、管理サーバ200に会員IDを含む顧客情報要求を送信するとともに、当該管理サーバ200から顧客情報を受信する。取得部3002は、顧客情報取得部の一例である。
【0069】
商品情報抽出部3003は、取得部3002が端末装置1から取得した商品IDに対応する商品情報を、商品マスタ322から抽出する。
【0070】
選択部3004は、取得部3002が商品識別情報を取得したことを条件として、当該商品識別情報で識別される商品に対して定められた抽選率に基づいてプロモーション情報を選択する。具体的には、選択部3004は、取得部3002が端末装置1で読取られた商品IDを取得すると、
図8に示す商品・抽選テーブル325から当該商品IDに対応する抽選テーブルIDを抽出する。
【0071】
次いで、選択部3004は、抽出した抽選テーブルIDの抽選率テーブル326の抽選率に基づいて抽選を行って、いずれかキャラクタIDあるいは「はずれ」を選択する。そして、選択部3004は、いずれかのキャラクタIDを選択した場合、プロモーション情報管理テーブル324から当該キャラクタIDに対応するキャラクタ(画像)を選択する。
【0072】
イベント情報決定部3005は、設定部3001が設定した抽選率に基づいて顧客Cに通知するイベント情報を決定する。具体的には、イベント情報決定部3005は、設定部3001で設定された抽選率が変更されると、イベント情報配信管理テーブル329を参照して、各抽選率テーブル326において変更された特定キャラクタの抽選率が設定値V以上か否か判断する。
【0073】
次いで、イベント情報決定部3005は、抽選率が変更された結果、特定キャラクタの抽選率が設定値V以上である抽選率テーブル326の抽選率テーブルIDを抽出する。そして、イベント情報決定部3005は、商品・抽選テーブル325を参照して、上記抽出した抽選率テーブルIDに対応する商品IDを読み出す。
【0074】
イベント情報決定部3005は、読み出した商品IDの商品を購入した際に特定キャラクタの抽選率がアップしたことを通知する情報をイベント情報として決定する。例えば、イベント情報決定部3005は、「只今、商品○○について、キャラクタ○○の出現率UPイベント開催中」とのメッセージを、端末装置1に送信するイベント情報として決定する。なお、イベント情報の決定方法は、上記に限るものではなく、抽選率に基づいてイベント情報を決定するものであればよい。
【0075】
送受信部3006は、外部装置との間で各種情報を送受信する。例えば、送受信部3006は、商品ID、会員IDを含む商品情報要求等を端末装置1から受信する。また、送受信部3006は、商品情報、プロモーション情報、およびイベント情報等を端末装置1に送信する。さらに、送受信部3006は、在庫情報要求や顧客情報要求を管理サーバ200に送信するとともに、これら要求に対する応答として、管理サーバ200から在庫情報や顧客情報を受信する。送受信部3006は、出力部の一例である。
【0076】
次に、上記構成のサーバ装置3における抽選率の設定について説明する。本実施形態においては、抽選率の設定方法は、以下の3通りである。
【0077】
第1の設定方法は、店舗が予め決定した商品ごとの抽選率を設定するものである。例えば、店舗が
図8に示す商品・抽選テーブル325、および
図9に示す抽選率テーブル326のデータをサーバ装置3に入力し、設定部3001が入力されたデータを記憶部32に記憶する。
【0078】
第2の設定方法は、抽選率テーブル326で設定されている抽選率を商品の在庫数に応じて補正するものである。
図14は、第2の設定方法に係る抽選率設定処理を示すフローチャートである。
【0079】
制御部30は、設定部3001がトリガを検知したか否か判断し(ステップS1)、検知しなければ(ステップS1のN)、ステップS1の処理に戻って待機する。ここで、トリガとは抽選率設定処理の開始を指示する情報であって、例えば、当該抽選率設定処理が設定された時間に実行するように定められている場合、設定された時間になったことを示す情報である。また、トリガは、店員による抽選率設定処理の開始指示入力などでもよい。
【0080】
トリガが検知されると(ステップS1のY)、送受信部3006は、在庫情報要求を管理サーバ200に送信し(ステップS2)、当該在庫情報要求に対する応答として管理サーバ200から在庫情報を受信する(ステップS3)。
【0081】
次いで、設定部3001は、商品ごとに設定された抽選率テーブル326の抽選率を、在庫数補正値テーブル327で設定された補正係数を用いて算出する(ステップS4)。詳細には、設定部3001は、在庫数を取得した商品に対応する抽選率テーブル326を商品・抽選テーブル325から読み出すとともに、当該商品の在庫数に対応する補正係数を在庫数補正値テーブル327から読み出す。そして、設定部3001は、抽選率テーブル326の抽選率に補正係数を乗じて抽選率を算出する。設定部3001は、全ての商品に対応する抽選率テーブル326について、抽選率の算出を行う。
【0082】
設定部3001は、抽選率テーブル326の抽選率を算出した抽選率に書き換えて抽選率テーブル326を更新する(ステップS5)。なお、設定部3001は、算出した抽選率による新たな抽選率テーブル326を生成してもよい。そして、制御部30は抽選率設定処理を終了する。
【0083】
第3の設定方法は、抽選率テーブル326で設定されている抽選率を会員情報に応じて補正するものである。
図15は、第3の設定方法に係る抽選率設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0084】
制御部30は、取得部3002が会員IDを取得したか否か判断し(ステップS11)、取得しなければ(ステップS11のN)、ステップS11の処理に戻って待機する。会員IDは、例えば顧客Cが店舗に来店して買物アプリを起動した際に端末装置1から送信される。
【0085】
会員IDが取得されると(ステップS11のY)、送受信部3006は、取得部3002が取得した会員IDを含む会員情報要求を管理サーバ200に送信し(ステップS12)、当該会員情報要求に対する応答として管理サーバ200から当該会員IDで識別される会員の会員情報を受信する(ステップS13)。本実施形態では、会員情報はひと月あたりの会員の来店回数である。
【0086】
次いで、設定部3001は、商品ごとに設定された抽選率テーブル326の抽選率を、顧客情報補正値テーブル328で設定された補正係数を用いて算出する(ステップS14)。詳細には、設定部3001は、取得部3002が取得した来店回数に対応する補正係数を顧客情報補正値テーブル328から読み出す。そして、設定部3001は、各抽選率テーブル326の抽選率に補正係数を乗じて抽選率を算出する。
【0087】
設定部3001は、算出した抽選率による新たな抽選率テーブル326を会員IDに対応付けて記憶する。設定部3001は、全ての抽選率テーブル326について新たな抽選率テーブル326を記憶する。そして、制御部30は抽選率設定処理を終了する。
【0088】
次に、上記構成のサーバ装置3におけるプロモーション情報の送信について説明する。本実施形態においては、顧客Cが商品に付されたコードシンボルから商品IDを読取った際、すなわち商品登録する際に当該商品が購入されるものとして、端末装置1にプロモーション情報を送信する。これにより、売場で買物中の顧客Cの購買意欲を高めることが期待できる。
【0089】
図16は、プロモーション情報送信処理を示すフローチャートである。
【0090】
制御部30は、取得部3002が商品IDおよび会員IDを取得したか否か判断し(ステップS21)、取得していなければ(ステップS21のN)、ステップS21の処理に戻って待機する。より詳細には、制御部30は、送受信部3006が受信した商品情報要求に含まれる商品IDおよび会員IDを取得部3002が取得したか否か判断する。
【0091】
取得部3002が商品IDおよび会員IDを取得すると(ステップS21のY)、商品情報抽出部3003は商品情報を抽出する(ステップS22)。詳細には、商品情報抽出部3003は、取得部3002が取得した商品IDに対応する商品情報を商品マスタ322から読み出す。
【0092】
次いで、選択部3004は、抽選率テーブル326を選定する。詳細には、選択部3004は、取得部3002が取得した商品IDに対応する抽選率テーブル326を商品・抽選テーブル325から読み出す。続いて、選択部3004は、キャラクタの抽選を行う(ステップS24)。詳細には、選択部3004は、ステップS24で読みだした抽選率テーブル326で設定された抽選率でキャラクタの抽選を行う。
【0093】
送受信部3006は、ステップS22で抽出された商品情報、およびステップ24で実行された抽選の結果に基づくキャラクタ情報を端末装置1に送信する(ステップS25)。送受信部3006は、会員マスタ323において、ステップS21で取得した会員IDに対応する通知先を送信先として、上記商品情報およびキャラクタ情報を送信する。ここで、送信されるキャラクタ情報は、キャラクタに関する情報であって、いずれかのキャラクタが当たった場合はキャラクタ(画像)であり、いずれのキャラクタも当たらなかった場合はキャラクタがはずれたことを示す情報である。そして、制御部30はプロモーション送信処理を終了する。
【0094】
なお、本実施形態では、顧客Cが商品に付されたコードシンボルから商品IDを読み取った時点、すなわち当該商品の購入代金の支払いが完了していない段階で顧客Cはプロモーション情報を取得することが可能となる。このため、悪意ある顧客Cによって商品を購入しないにも拘わらず、プロモーション情報を獲得することも考えられる。一例として、商品IDを読み取ってプロモーション情報を獲得した後、商品登録を取消すことが想定される。そこで、これを防止するための対策を講じてもよい。
【0095】
例えば、端末装置1に読取った商品ID毎に対応する購入確定ボタンを表示させ、購入確定ボタン操作後は商品登録を取り消せないように設定し、購入確定ボタンが操作された際に購入確定した商品についてプロモーション情報の要求をサーバ装置3に送信するようにしてもよい。
【0096】
次に、上記構成のサーバ装置3におけるイベント情報の配信について説明する。本実施形態においては、いずれかの抽選率テーブル326の抽選率が変更されたことをトリガとして、イベント情報配信処理が実行される。
【0097】
図17は、イベント情報配信処理を示すフローチャートである。
【0098】
制御部30は、いずれかの抽選率テーブルの抽選率が変更されたか否か判断し(ステップS31)、変更されていなければ(ステップS31のN)、ステップS31の処理に戻って待機する。詳細には、制御部30は、設定部3001によっていずれかの抽選率テーブル326が書き換えられたか否か判断する。
【0099】
抽選率が変更されると(ステップS31のY)、イベント情報決定部3005は抽選率が変更された抽選率テーブル326から特定キャラクタの抽選率を読み出す(ステップS32)。次いで、イベント情報決定部3005は、ステップS32で読み出した抽選率が設定値V以上か否か判断する(ステップS33)。
【0100】
特定キャラクタの抽選率が設定値V以上あると(ステップS33のY)、イベント情報決定部3005は、イベント情報を決定する(ステップS34)。詳細には、イベント情報決定部3005は、特定キャラクタの抽選率が設定値V以上である商品について、特定キャラクタの抽選率が高くなっていることを通知する情報をイベント情報として決定する。
【0101】
送受信部3006は、会員マスタ323に情報が登録されている会員に対して、インターネット等の公衆回線を介してイベント情報を配信する(ステップS35)。そして、制御部30はイベント情報配信処理を終了する。なお、ステップS33において、特定キャラクタの抽選率が設定値V以上でない場合(ステップS33のN)、制御部30はステップS34およびステップS35の処理をスキップして、イベント情報配信処理を終了する。
【0102】
上記のとおり、本実施形態のサーバ装置3によれば、売場で顧客Cが商品を購入しようとして商品に付されたコードシンボルから商品IDを読み取ると、キャラクタの抽選を行い、抽選結果等のキャラクタ情報を顧客Cの端末装置1に送信する。これにより、顧客Cは、売場での買物中に商品を購入することに付随して楽しみを得ることができる。また、店舗は、顧客Cがキャラクタ情報を取得することによる購買意欲の向上を期待できる。
【0103】
以上説明したとおり、本実施形態のサーバ装置3は、商品に対して定められる抽選率を設定する設定部3001と、顧客Cが所持する端末装置1で読取られた商品識別情報(
商品ID)を取得する商品識別情報取得部(取得部3002)と、取得部3002が前記商品識別情報を取得したことを条件として、当該商品識別情報で識別される商品に対して定められた抽選率に基づいてプロモーション情報を選択する選択部3004と、選択部3004が選択したプロモーション情報を、前記商品識別情報を読取った端末装置1に出力する出力部(送受信部3006)と、を備える。
【0104】
これにより、サーバ装置3は、抽選によるプロモーション情報を顧客Cに提供することで、顧客Cに興味や楽しみを持たせるプロモーションを可能とする。その結果、顧客Cの購買意欲を高めることが期待できる。
【0105】
また、本実施形態のサーバ装置3の設定部3001は、商品毎に抽選率を設定可能である。
【0106】
これにより、店舗は、策定する販売戦略に合わせて商品毎に抽選率を変更することができる。例えば、店舗は、より積極的に売りたい商品の抽選率を他の商品の抽選率と異ならせることなどにより、自己の販売戦略に合わせたプロモーションを実行することができる。
【0107】
さらに、本実施形態のサーバ装置3は、商品の在庫数を示す在庫情報を取得する在庫情報取得部(取得部3002)をさらに備え、設定部3001は、在庫情報取得部が取得した在庫情報に基づいて抽選率を設定する。
【0108】
これにより、店舗は、商品の在庫状況に合わせて抽選率を設定することができる。例えば、在庫が多い商品について、より販売が促進されると思われる抽選率に設定することができる。しかも、在庫情報に応じて抽選率を自動的に設定することができるので、効率的にプロモーションを実行することができる。
【0109】
加えて、本実施形態のサーバ装置3は、顧客Cを識別する顧客識別情報(会員ID)を取得する顧客識別情報取得部(取得部3002)をさらに備え、設定部3001は、前記顧客識別情報で識別される顧客Cに関する顧客情報に基づいて抽選率を設定する。
【0110】
これにより、店舗は、顧客Cに応じた抽選率を設定することができ、より柔軟なプロモーションを実行することができる。
【0111】
また、本実施形態のサーバ装置3は、設定部3001が設定した抽選率に基づいて顧客Cに通知するイベント情報を決定するイベント情報決定部3005をさらに備え、出力部(送受信部3006)は、前記イベント情報を出力する。
【0112】
これにより、店舗は、プロモーション情報に関して顧客Cに通知するイベント情報を、プロモーション情報の選択に用いられる抽選率を活用して決定することができる。このため、店舗は、上記イベント情報を別途検討する必要がなく、効率的にイベント情報の配信を行うことができる。
【0113】
なお、上記実施形態において、端末装置1および情報処理装置であるサーバ装置3で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記実施形態の端末装置1およびサーバ装置3で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0114】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0115】
1 端末装置
3 サーバ装置(情報処理装置)
3001 設定部
3002 取得部(商品識別情報取得部、在庫情報取得部、顧客識別情報取得部)
3004 選択部
3005 イベント情報決定部
3006 送受信部(出力部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0116】