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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157782
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】居住用構造物
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/02 20060101AFI20231019BHJP
   B60L 8/00 20060101ALI20231019BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20231019BHJP
   B60L 50/70 20190101ALI20231019BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20231019BHJP
   B60L 58/30 20190101ALI20231019BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20231019BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20231019BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20231019BHJP
   B60K 8/00 20060101ALI20231019BHJP
   B60P 3/35 20060101ALI20231019BHJP
   E04B 1/343 20060101ALI20231019BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20231019BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20231019BHJP
   C25B 9/65 20210101ALI20231019BHJP
【FI】
E04H1/02
B60L8/00
B60L50/60
B60L50/70
B60L58/10
B60L58/30
H01M8/04 Z
H01M8/00 Z
B60K1/00
B60K8/00
B60P3/35
E04B1/343 Q
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B9/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067906
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水野 祥宏
(72)【発明者】
【氏名】土屋 英滋
【テーマコード(参考)】
2E025
3D235
4K021
5H125
5H127
【Fターム(参考)】
2E025AA03
2E025AA04
2E025AA33
3D235BB41
3D235BB53
3D235CC12
3D235CC13
3D235CC15
3D235CC17
3D235CC22
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC07
4K021CA05
4K021CA09
4K021DC03
4K021EA06
5H125AA01
5H125AC07
5H125AC09
5H125AC12
5H125BA04
5H125BD02
5H125EE33
5H127AB04
5H127AB27
5H127AC15
5H127BA02
5H127BA14
5H127BA22
5H127FF20
(57)【要約】
【課題】居住空間を備える構造物及び車両における太陽光発電による電力の利用を効率化する。
【解決手段】居住用構造物10は、太陽光発電装置としてのPV21と、PV21によって変換された電力を水素に変換する水電解装置23と、居住空間26と、を備える構造物としてのトレーラハウス20と、水電解装置23によって変換された水素を、車両としての電気自動車40に出力する水素出力装置30と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電装置と、前記太陽光発電装置によって変換された電力を水素に変換する水電解装置と、居住空間と、を備える構造物と、
前記水電解装置によって変換された前記水素を、前記構造物と接続される車両に出力する出力装置と、
を備える居住用構造物。
【請求項2】
前記車両をさらに備える居住用構造物であって、
前記車両は、前記出力装置から出力された前記水素を取り込む入力装置と、前記入力装置により取り込まれた前記水素を貯蔵する水素貯蔵装置と、を備える、請求項1に記載の居住用構造物。
【請求項3】
前記車両をさらに備える居住用構造物であって、
前記車両は、前記出力装置から出力された前記水素を取り込む入力装置と、前記入力装置により取り込まれた前記水素を電力に変換する燃料電池装置と、を備える、請求項1に記載の居住用構造物。
【請求項4】
前記構造物は、前記車両によって牽引されるトレーラハウスである、請求項1に記載の居住用構造物。
【請求項5】
前記車両は、前記出力装置から出力された前記水素を動力源として前記構造物を牽引する、請求項4に記載の居住用構造物。
【請求項6】
前記構造物は、前記水電解装置によって変換された前記水素を動力源として駆動する駆動輪を備える、請求項5に記載の居住用構造物。
【請求項7】
太陽光発電装置と、水素を電力に変換する燃料電池装置と、居住空間と、を備える構造物と、
前記太陽光発電装置によって変換された電力、及び前記燃料電池装置によって変換された前記電力のうち少なくとも一方を、前記構造物と接続される車両に出力する出力装置と、
を備える居住用構造物。
【請求項8】
前記車両をさらに備える居住用構造物であって、
前記車両は、前記出力装置から出力された前記電力を取り込む入力装置を備える、
請求項7に記載の居住用構造物。
【請求項9】
前記構造物は、前記車両によって牽引されるトレーラハウスである、請求項8に記載の居住用構造物。
【請求項10】
前記車両は、前記入力装置により取り込んだ前記電力を動力源として前記構造物を牽引する、請求項9に記載の居住用構造物。
【請求項11】
前記構造物は、前記太陽光発電装置によって変換された電力、及び前記燃料電池装置によって変換された前記電力のうち少なくとも一方を動力源として駆動する第1駆動輪を備える、請求項10に記載の居住用構造物。
【請求項12】
前記車両は第2駆動輪及びモータを備え、
前記モータは、前記構造物からの電力、及び前記車両が蓄える電力が直列に入力された結果として生じる駆動力を、前記第1駆動輪及び前記第2駆動輪のうち少なくとも一方に伝達する、請求項11に記載の居住用構造物。
【請求項13】
前記構造物は減速機を備え、
前記モータは、前記駆動力を前記減速機に伝達し、
前記減速機は、伝達された前記駆動力を前記第1駆動輪に伝達する、請求項12に記載の居住用構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居住用構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザのライフスタイルの変化を検知し、検知された変化に合致すると推定される移動体への変形をユーザに推奨する移動体推奨システム及び移動体推奨方法が開示されている。
【0003】
特許文献2には、電化住宅が開示されている。この電化住宅は、居住者が生活する居住区画と、家屋の一部として居住区画に連続し、EV(電気自動車)を収容するガレージと、通信機能を持つ多目的配電盤と、を備える。多目的配電盤においては、EV充電用の充電装置からの電力を電化住宅が使用できる200V(直流、交流)100V(直流、交流)の電力に変換し、電化住宅へと供給するコネクタ、及びEVからの電力の供給を受け、電化住宅へと供給するための入力コンセントを備える。そして、この電化住宅は、ガレージ内に配置され、かつ多目的配電盤に接続されたEV充電用の充電装置を備え、居住区画への電力供給を、充電装置またはEVからの電力を使用して行い、EVの充電を充電装置からの電力を使用して行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-091370号公報
【特許文献2】特開2018-162591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2に開示された技術においては、居住空間を備える構造物及び車両における太陽光発電による電力の利用を、十分に効率化できていない、という課題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、居住空間を備える構造物及び車両における太陽光発電による電力の利用を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、第1態様に係る居住用構造物は、太陽光発電装置と、前記太陽光発電装置によって変換された電力を水素に変換する水電解装置と、居住空間と、を備える構造物と、前記水電解装置によって変換された前記水素を、前記構造物と接続される車両に出力する出力装置と、を備える。
【0008】
また、第2態様に係る居住用構造物は、第1態様に係る居住用構造物において、前記車両をさらに備える居住用構造物であって、前記車両は、前記出力装置から出力された前記水素を取り込む入力装置と、前記入力装置により取り込まれた前記水素を貯蔵する水素貯蔵装置と、を備える。
【0009】
また、第3態様に係る居住用構造物は、第1態様に係る居住用構造物において、前記車両をさらに備える居住用構造物であって、前記車両は、前記出力装置から出力された前記水素を取り込む入力装置と、前記入力装置により取り込まれた前記水素を電力に変換する燃料電池装置と、を備える。
【0010】
また、第4態様に係る居住用構造物は、第1~第3態様のうち何れか1態様に係る居住用構造物において、前記構造物は、前記車両によって牽引されるトレーラハウスである。
【0011】
また、第5態様に係る居住用構造物は、第4態様に係る居住用構造物において、前記車両は、前記出力装置から出力された前記水素を動力源として前記構造物を牽引する。
【0012】
また、第6態様に係る居住用構造物は、第5態様に係る居住用構造物において、前記構造物は、前記水電解装置によって変換された前記水素を動力源として駆動する駆動輪を備える。
【0013】
また、第7態様に係る居住用構造物は、太陽光発電装置と、水素を電力に変換する燃料電池装置と、居住空間と、を備える構造物と、前記太陽光発電装置によって変換された電力、及び前記燃料電池装置によって変換された前記電力のうち少なくとも一方を、前記構造物と接続される車両に出力する出力装置と、を備える。
【0014】
また、第8態様に係る居住用構造物は、第7態様に係る居住用構造物において、前記車両をさらに備える居住用構造物であって、前記車両は、前記出力装置から出力された前記電力を取り込む入力装置を備える。
【0015】
また、第9態様に係る居住用構造物は、第8態様に係る居住用構造物において、前記構造物は、前記車両によって牽引されるトレーラハウスである。
【0016】
また、第10態様に係る居住用構造物は、第9態様に係る居住用構造物において、前記車両は、前記入力装置により取り込んだ前記電力を動力源として前記構造物を牽引する。
【0017】
また、第11態様に係る居住用構造物は、第10態様に係る居住用構造物において、前記構造物は、前記太陽光発電装置によって変換された電力、及び前記燃料電池装置によって変換された前記電力のうち少なくとも一方を動力源として駆動する第1駆動輪を備える。
【0018】
また、第12態様に係る居住用構造物は、第11態様に係る居住用構造物において、前記車両は第2駆動輪及びモータを備え、前記モータは、前記構造物からの電力、及び前記車両が蓄える電力が直列に入力された結果として生じる駆動力を、前記第1駆動輪及び前記第2駆動輪のうち少なくとも一方に伝達する。
【0019】
また、第13態様に係る居住用構造物は、第12態様に係る居住用構造物において、前記構造物は減速機を備え、前記モータは、前記駆動力を前記減速機に伝達し、前記減速機は、伝達された前記駆動力を前記第1駆動輪に伝達する。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、居住空間を備える構造物及び車両における太陽光発電による電力の利用を効率化できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施形態に係る居住用構造物の構成の一例を示すブロック図である。
図2】第2の実施形態に係る居住用構造物の構成の一例を示すブロック図である。
図3】第3の実施形態に係る居住用構造物の構成の一例を示すブロック図である。
図4】第4の実施形態に係る居住用構造物の構成の一例を示すブロック図である。
図5】第5の実施形態に係る居住用構造物の構成の一例を示すブロック図である。
図6】第6の実施形態に係る居住用構造物の構成の一例を示すブロック図である。
図7】第7の実施形態に係る居住用構造物の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0023】
[第1の実施形態]
図1を参照して、本実施形態に係る居住用構造物10について説明する。図1に示すように、居住用構造物10は、トレーラハウス20と、水素出力装置30と、電気自動車40と、を含んで構成されている。電気自動車40はトレーラハウス20と接続されている。トレーラハウス20は構造物の一例であり、電気自動車40は車両の一例である。なお、構造物として、移動可能でない住居を適用してもよい。
【0024】
トレーラハウス20は、PV(photovoltaic generation device)21と、DC-DCコンバータ22と、水電解装置23と、電池24と、DC-ACインバータ25と、居住空間26と、電力入出力装置27と、を備える。
【0025】
太陽光発電装置としてのPV21は、トレーラハウス20の屋根等の太陽光を取得可能な場所に設置される。PV21は、太陽光を電力に変換し、変換した電力をDC-DCコンバータ22に出力する。
【0026】
DC-DCコンバータ22は、PV21から出力された電力の直流電圧を、別の直流電圧に変換する。そして、DC-DCコンバータ22は、変換した直流電圧を水電解装置23、電池24、DC-ACインバータ25、及び電力入出力装置27にそれぞれ出力する。
【0027】
水電解装置23は、DC-DCコンバータ22から出力された直流電圧の電力を水素に変換する。そして、水電解装置23は、変換した水素を水素出力装置30に出力する。
【0028】
電池24は、DC-DCコンバータ22から出力された直流電圧の電力を蓄電する。そして、電池24は、蓄電した電力をDC-ACインバータ25に出力する。
【0029】
DC-ACインバータ25は、DC-DCコンバータ22から出力された直流電圧を交流電圧に変換する。また、DC-ACインバータ25は、電池24に蓄電された電力の直流電圧を交流電圧に変換する。そして、DC-ACインバータ25は、変換した交流電圧を居住空間26に出力する。
【0030】
電力入出力装置27は、DC-DCコンバータ22から出力された直流電圧の電力を電気自動車40に出力する。また、電力入出力装置27は、電気自動車40から出力された電力をトレーラハウス20に取り込む。
【0031】
出力装置としての水素出力装置30は、水電解装置23によって変換された水素を、電気自動車40に出力する。
【0032】
電気自動車40は、水素入力装置41と、低圧水素貯蔵装置42と、電力入出力装置43と、電池44と、PCU(Power Control Unit)45と、モータ46と、駆動輪47と、連結部材80と、を備える。
【0033】
入力装置としての水素入力装置41は、水素出力装置30から出力された水素を電気自動車40に取り込む。
【0034】
水素貯蔵装置としての低圧水素貯蔵装置42は、水素入力装置41により取り込まれた水素を貯蔵する。
【0035】
電力入出力装置43は、トレーラハウス20の電力入出力装置27から出力された直流電圧の電力を電池44に出力する。また、電力入出力装置43は、電池44に蓄電された電力をトレーラハウス20の電力入出力装置27に出力する。
【0036】
電池44は、電力入出力装置43から出力された電力を蓄電する。そして、電池44は、蓄電した電力をPCU45に出力する。
【0037】
PCU45は、電池44に蓄電された電力をモータ46の駆動電力に変換する。そして、PCU45は、変換した駆動電力をモータ46に出力する。
【0038】
モータ46は、PCU45によって変換された駆動電力を取り込むことで駆動し、図示しない駆動力伝達系を介して駆動輪47の車軸に駆動力を伝達する。これにより、電気自動車40は走行可能となる。
【0039】
連結部材80は、トレーラハウス20と電気自動車40とを連結するための部材である。連結部材80により、電気自動車40はトレーラハウス20を牽引することができる。
【0040】
以上詳述したように、本実施形態に係る居住用構造物10は、トレーラハウス20と、水電解装置23によって変換された水素を、電気自動車40に出力する水素出力装置30と、を備える。トレーラハウス20は、PV21と、PV21によって変換された電力を水素に変換する水電解装置23と、居住空間26と、を備える。これにより、太陽光発電を中心としたオフグリッドでの生活を行っている場合に、日照時間が短い日のための電力の一部を水素として貯蓄できる。したがって、日照時間が短い日のための電力の貯蓄を全て電池で行う場合に比較して、低コストで貯蓄できる。また、水素は電気と比較して移動が速いため、トレーラハウス20が電気自動車40に直接電力を出力する場合に比較して、短い時間でエネルギーを出力することができる。また、PV21は体積が相対的に大きく、かつ重いため、電気自動車40がPV21を備える場合に比較して、電費が向上する。
【0041】
また、居住用構造物10は、電気自動車40をさらに備える。電気自動車40は、水素出力装置30から出力された水素を取り込む水素入力装置41と、水素入力装置41により取り込まれた水素を貯蔵する低圧水素貯蔵装置42と、を備える。これにより、トレーラハウス20から電気自動車40に出力された水素を電気自動車40が蓄えることが可能になる。したがって、トレーラハウス20とは別の場所で当該水素を活用することができる。この場合、水素入力装置41は水素を出力するためのインターフェースとして使用することができる。また、電気自動車40はエネルギー源として当該水素を活用することができる。
【0042】
また、本実施形態に係るトレーラハウス20は電気自動車40によって牽引される。これにより、移動可能なトレーラハウス20で生成した水素を、電気自動車40に供給できるため、水素の需要に合わせたトレーラハウス20の最適配置が容易となる。また、天気予報に合わせて、天気の良い場所にトレーラハウス20を移動して水素を生成できる。
【0043】
[第2の実施形態]
図2を参照して、本実施形態に係る居住用構造物10について説明する。
【0044】
図2に示すように、本実施形態に係るトレーラハウス20は、低圧水素貯蔵装置29を有している点、及び電力入出力装置27に代えて電力入力装置31を有しているが点が第1の実施形態と異なる。
【0045】
低圧水素貯蔵装置29は、水電解装置23によって変換された水素を貯蔵する。そして、水素出力装置30は、低圧水素貯蔵装置29が貯蔵した水素を電気自動車40に出力する。
【0046】
電力入力装置31は、後述する燃料電池自動車50から出力された電力をトレーラハウス20に取り込む。
【0047】
なお、本実施形態に係るトレーラハウス20が駆動輪を有する場合、水電解装置23は、低圧水素貯蔵装置29だけでなく、当該駆動輪に対しても変換した水素を出力してもよい。これにより、後述する燃料電池自動車50がトレーラハウス20を牽引する場合に、当該牽引に必要なエネルギーを低減することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る居住用構造物10は、電気自動車40に代えて、車両として燃料電池自動車50を含んで構成されている点が第1の実施形態と異なる。
【0049】
燃料電池自動車50は、水素入力装置51と、高圧水素貯蔵装置52と、燃料電池装置53と、昇圧コンバータ54と、DC-DCコンバータ55と、電池56と、PCU57と、モータ58と、駆動輪59と、電力出力装置60と、連結部材90を備える。入力装置としての水素入力装置51は、第1の実施形態に係る水素入力装置41と同一であるため、説明を省略する。
【0050】
高圧水素貯蔵装置52は、水素ステーション等の燃料電池自動車50の外部から取り込まれた水素を貯蔵する。
【0051】
燃料電池装置53は、高圧水素貯蔵装置52から出力された水素、及び水素入力装置51よりトレーラハウス20から取り込まれた水素を電力に変換する。そして、燃料電池装置53は、変換した電力を昇圧コンバータ54に出力する。
【0052】
昇圧コンバータ54は、燃料電池装置53から出力された電力の電圧を昇圧する。
【0053】
DC-DCコンバータ55は、昇圧コンバータ54によって昇圧された電力の直流電圧を、別の直流電圧に変換する。また、DC-DCコンバータ55は、後述する電池56から出力された電力の直流電圧を、別の直流電圧に変換する。
【0054】
電池56は、DC-DCコンバータ55から出力された直流電圧の電力を蓄電する。
【0055】
PCU57は、昇圧コンバータ54によって昇圧された電圧の電力をモータ58の駆動電力に変換する。
【0056】
モータ58は、PCU57によって変換された駆動電力を取り込むことで駆動し、図示しない駆動力伝達系を介して駆動輪59の車軸に駆動力を伝達する。これにより、燃料電池自動車50は水素ステーション等に向けて走行することが可能となる。
【0057】
電力出力装置60は、昇圧コンバータ54によって昇圧された電力をトレーラハウス20の電力入力装置31に出力する。これにより、トレーラハウス20のPV21の発電量が少ない場合に、水素ステーション等から燃料電池自動車50に取り込まれた水素を燃料電池装置53で電力に変換し、トレーラハウス20に当該電力を出力することができる。
【0058】
連結部材90は、トレーラハウス20と燃料電池自動車50とを連結するための部材である。連結部材90により、燃料電池自動車50はトレーラハウス20を牽引することができる。具体的に、燃料電池自動車50は燃料電池装置53により水素から変換された電力を動力源として、連結部材90によりトレーラハウス20を牽引する。
【0059】
なお、燃料電池自動車50は、トレーラハウス20のPV21が需要量より多く発電した場合の余剰電力を燃料電池自動車50に取り込む電力入力装置、当該余剰電力を水素に変換する水電解装置、及び変換した水素を貯蔵する低圧水素貯蔵装置を備えてもよい。
【0060】
以上詳述したように、本実施形態に係る居住用構造物10は、トレーラハウス20と、水電解装置23によって変換された水素を、燃料電池自動車50に出力する水素出力装置30と、を備える。また、本実施形態に係る居住用構造物10は、燃料電池自動車50をさらに備える。燃料電池自動車50は、水素出力装置30から出力された水素を取り込む水素入力装置51と、水素入力装置51により取り込まれた水素を電力に変換する燃料電池装置53と、を備える。これにより、トレーラハウス20から燃料電池自動車50に出力された水素を燃料電池装置53によって電力に変換し、燃料電池自動車50のエネルギーとして当該電力を活用できる。
【0061】
また、本実施形態に係るトレーラハウス20は燃料電池自動車50によって牽引される。これにより、移動可能なトレーラハウス20で生成した電力を、燃料電池自動車50に供給できるため、電力の需要に合わせたトレーラハウス20の最適配置が容易となる。また、天気予報に合わせて、天気の良い場所にトレーラハウス20を移動して電力を生成できる。
【0062】
また、本実施形態に係る燃料電池自動車50は、トレーラハウス20の水素出力装置30から出力された水素を動力源としてトレーラハウス20を牽引する。これにより、燃料電池自動車50がトレーラハウス20を牽引するために必要なエネルギーが不足しても、トレーラハウス20から補うことができる。また、燃料電池自動車50が備える電池44の容量を小さくすることができる。
【0063】
[第3の実施形態]
図3を参照して、本実施形態に係る居住用構造物10について説明する。
【0064】
図3に示すように、本実施形態に係るトレーラハウス20は、駆動輪68を有している点が第1の実施形態と異なる。
【0065】
駆動輪68は、水電解装置23から出力された水素を動力源としてトレーラハウス20を牽引する。これにより、トレーラハウス20が駆動力を発生させない場合に比較して、電気自動車40がトレーラハウス20を牽引するために必要なエネルギーを低減できる。
【0066】
[第4の実施形態]
図4を参照して、本実施形態に係る居住用構造物10について説明する。
【0067】
図4に示すように、本実施形態に係る構造物としてのトレーラハウス20は、低圧水素貯蔵装置61、高圧水素貯蔵装置62、燃料電池装置63、及び昇圧コンバータ64を備える点が第1の実施形態と異なる。
【0068】
低圧水素貯蔵装置61は、水電解装置23によって変換された水素を貯蔵する。そして、低圧水素貯蔵装置61は、貯蔵した水素を後述する燃料電池装置63に出力する。
【0069】
高圧水素貯蔵装置62は、移動式水素ステーション等のトレーラハウス20の外部から取り込まれた水素を貯蔵する。
【0070】
燃料電池装置63は、高圧水素貯蔵装置62から出力された水素、及び低圧水素貯蔵装置61から出力された水素を電力に変換する。そして、燃料電池装置63は、変換した電力を昇圧コンバータ64及びDC-DCコンバータ22に供給する。
【0071】
なお、電力から水素への変換は低効率であるため、日常的な電力は電池24が充放電し、突発的な需要に対して水素を使うような運用方法がコスト面で望ましい。
【0072】
昇圧コンバータ64は、燃料電池装置63から出力された電力の電圧を昇圧し、当該電力を電力出力装置65に出力する。
【0073】
また、本実施形態に係る居住用構造物10は、水素出力装置30に代えて、電力出力装置65を備える点が第1の実施形態と異なる。
【0074】
出力装置としての電力出力装置65は、昇圧コンバータ64によって電圧が昇圧された電力を、後述する電気自動車40の電力入力装置66に出力する。すなわち、電力出力装置65は、PV21によって変換された電力、及び燃料電池装置63によって変換された電力のうち少なくとも一方を、電気自動車40に出力する。
【0075】
また、本実施形態に係る車両としての電気自動車40は、低圧水素貯蔵装置42を備えていない点が第1の実施形態と異なる。また、電気自動車40は、電力入力装置66を備えている点が第1の実施形態と異なる。
【0076】
入力装置としての電力入力装置66は、電力出力装置65から出力された電力を、電気自動車40に取り込む。
【0077】
また、PCU45は、電池44に蓄電された電力だけでなく、電力入出力装置43によって取り込まれた電力(すなわち、トレーラハウス20の電力入出力装置27から入力された直流電圧の電力)も、モータ46の駆動電力に変換する点が第1の実施形態と異なる。
【0078】
以上詳述したように、本実施形態に係る居住用構造物10は、トレーラハウス20と、電力出力装置65と、を備える。トレーラハウス20は、PV21と、水素を電力に変換する燃料電池装置63と、居住空間26と、を備える。電力出力装置65は、PV21によって変換された電力、及び燃料電池装置63によって変換された電力のうち少なくとも一方を、電気自動車40に出力する。これにより、太陽光発電を中心としたオフグリッドでの生活を行っている場合に、日照時間が短い日のための電力の一部を水素として貯蓄できる。したがって、日照時間が短い日のための電力の貯蓄を全て電池で行う場合に比較して、低コストで貯蓄できる。また、太陽光発電による発電量が不足している場合に、移動式水素ステーション等からトレーラハウス20に水素を供給することで、燃料電池装置63で電力に変換し、トレーラハウス20に不足した電力を供給できる。
【0079】
また、本実施形態に係る居住用構造物10は、電気自動車40をさらに備える。本実施形態に係る電気自動車40は、電力出力装置65から出力された電力を取り込む入力装置としての電力入力装置66を備える。これにより、トレーラハウス20で発生、又は蓄えた電力を電気自動車40で活用できる。
【0080】
また、本実施形態に係るトレーラハウス20は電気自動車40によって牽引される。これにより、電気自動車40がトレーラハウス20を牽引する場合に、トレーラハウス20の低圧水素貯蔵装置61に蓄えられた水素を当該牽引に使用するエネルギーとして活用できる。また、電気自動車40が水素を貯蔵する水素貯蔵装置を備える必要がなくなる。
【0081】
また、本実施形態に係る電気自動車40は、電力入力装置66により取り込んだ電気を動力源としてトレーラハウス20を牽引する。これにより、電気自動車40がトレーラハウス20を牽引するために必要なエネルギーが不足しても、トレーラハウス20から補うことができる。
【0082】
[第5の実施形態]
図5を参照して、本実施形態に係る居住用構造物10について説明する。
【0083】
図5に示すように、本実施形態に係るトレーラハウス20は、第1駆動輪としての駆動輪67を有している点が第4の実施形態と異なる。
【0084】
トレーラハウス20のDC-ACインバータ25は、居住空間26だけでなく、駆動輪67に対しても変換した交流電圧を出力する。そして、駆動輪67の車軸に駆動力が伝達される。すなわち、トレーラハウス20は、PV21によって変換された電力、及び燃料電池装置63によって変換された電力のうち少なくとも一方を動力源として駆動する駆動輪67を備える。
【0085】
第5の実施形態により、トレーラハウス20が駆動力を発生させない場合に比較して、電気自動車40がトレーラハウス20を牽引するために必要なエネルギーを低減できる。
【0086】
[第6の実施形態]
図6を参照して、本実施形態に係る居住用構造物10について説明する。
【0087】
図6に示すように、本実施形態に係る居住用構造物10は、トレーラハウス20が電力入出力装置27を備えていない点が第5の実施形態と異なる。また、電気自動車40が電力入出力装置43を備えていない点が第5の実施形態と異なる。
【0088】
また、本実施形態に係る電気自動車40のPCU45には、電池44及び電力入力装置66から直列に電力が入力される。すなわち、PCU45には、トレーラハウス20からの電力、及び電気自動車40の電力が直列に入力される。そして、PCU45は、入力された電力をモータ46の駆動電力に変換する。
【0089】
モータ46は、PCU45によって変換された駆動電力を取り込むことで駆動し、図示しない駆動力伝達系を介して第2駆動輪としての駆動輪47の車軸に駆動力を伝達する。
【0090】
本実施形態に係る電気自動車40は、駆動輪47及びモータ46を備えている。モータ46は、トレーラハウス20からの電力、及び電気自動車40が蓄える電力である電池44からの電力が直列に入力された結果として生じる駆動力を駆動輪47に伝達する。そして、駆動輪47は、モータ46から伝達された駆動力によって駆動する。これにより、トレーラハウス20の電圧を電気自動車40の電圧に足すことで高圧化が可能になり、モータ46が駆動可能な回転速度が高くなる。
【0091】
[第7の実施形態]
図7を参照して、本実施形態に係る居住用構造物10について説明する。
【0092】
図7に示すように、居住用構造物10は、電気自動車40が動力出力装置69を備えている点が第6の実施形態と異なる。また、トレーラハウス20が動力入力装置70、及び減速機71を備えている点が第6の実施形態と異なる。
【0093】
また、本実施形態に係る駆動輪67は、PV21によって変換された電力、及び燃料電池装置63によって変換された電力のうち少なくとも一方を動力源として駆動しない点が第6の実施形態と異なる。
【0094】
本実施形態に係る電気自動車40のPCU45は、電池44及び電力入力装置66から直列に入力された電力をモータ46の駆動電力に変換し、変換した駆動電力をモータ46に出力する。
【0095】
モータ46は、PCU45によって変換された駆動電力を取り込むことで駆動し、動力出力装置69に駆動力を伝達する。
【0096】
動力出力装置69は、動力入力装置70を介してトレーラハウス20にモータ46からの駆動力を伝達する。
【0097】
動力入力装置70は、動力出力装置69から出力された駆動力を減速機71に伝達する。
【0098】
減速機71は、動力入力装置70から伝達された駆動力を第1駆動輪としての駆動輪67に伝達する。
【0099】
本実施形態に係る電気自動車40は、駆動輪47及びモータ46を備えている。モータ46は、トレーラハウス20からの電力、及び電気自動車40の電力である電池44からの電力が直列に入力された結果として生じる駆動力をトレーラハウス20の駆動輪67に伝達する。具体的には、モータ46は、駆動力をトレーラハウス20の減速機71に伝達する。減速機71は、モータ46からの駆動力を、駆動輪67に伝達する。トレーラハウス20の電圧を電気自動車40の電圧に足すことで、高速回転化したモータ46の動力を、減速機71によって大きなトルクに変換してトレーラハウス20が利用することができる。
【符号の説明】
【0100】
10 居住用構造物
20 トレーラハウス
21 PV
23 水電解装置
26 居住空間
29 低圧水素貯蔵装置
30 水素出力装置
31 電力入力装置
40 電気自動車
41 水素入力装置
42 低圧水素貯蔵装置
46 モータ
47 駆動輪
50 燃料電池自動車
51 水素入力装置
53 燃料電池装置
56 電池
58 モータ
59 駆動輪
60 電力出力装置
63 燃料電池装置
65 電力出力装置
66 電力入力装置
67 駆動輪
68 駆動輪
71 減速機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7