(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157788
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】情報通信装置および情報通信制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20231019BHJP
G06Q 50/26 20120101ALI20231019BHJP
H04L 67/04 20220101ALI20231019BHJP
H04L 67/141 20220101ALI20231019BHJP
H04L 67/289 20220101ALI20231019BHJP
H04L 67/52 20220101ALI20231019BHJP
【FI】
H04M11/00 302
G06Q50/26
H04L67/04
H04L67/141
H04L67/289
H04L67/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067935
(22)【出願日】2022-04-15
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、国立研究開発法人防災科学技術研究所、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】393031586
【氏名又は名称】株式会社国際電気通信基礎技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100109162
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 將行
(72)【発明者】
【氏名】坂野 寿和
【テーマコード(参考)】
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5K201AA02
5K201AA09
5K201BA06
5K201CA10
5K201DC06
5K201EB07
5K201EC06
5K201EC08
5K201ED05
5K201EE04
5K201EE14
5K201EF03
5K201EF05
5K201EF07
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】通信会社が提供する通信サービスが途絶するような環境下でも、情報収集や情報共有を可能とするシステムを構築可能な情報通信装置を提供する。
【解決手段】可搬な筐体内に設けられた情報通信装置100.1は、データの格納が可能な記憶装置を有し、複数のクライエント装置からの要求に対して、対応するデータを提供することが可能なサーバー装置2010と、無線または有線によって第1種の信号により通信を可能とするためのアクセスポイント2400と、電力を供給することが可能な電力電源部2300とを備える。情報通信装置100.1は、単独で、複数のクライエント装置に対する情報配信を実行し、記憶装置2080への共有情報の格納と読出しにより、複数のクライエント装置のうちの特定のクライエント装置間での情報共有を実行する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライエント装置と通信可能な情報通信装置であって、
前記情報通信装置を可搬とするための筐体と、
前記筐体内に設けられ、データの格納が可能な記憶装置を有し、前記複数のクライエント装置からの要求に対して、対応するデータを提供することが可能なサーバー装置と、
前記筐体内に設けられ、前記複数のクライエント装置との間で、無線または有線によって第1種の信号により通信を可能とするための第1のアクセス手段と、
前記筐体内に設けられ、前記サーバー装置と前記第1のアクセス手段とに電力を供給することが可能な電力供給手段とを備え、
前記情報通信装置は、単独で、前記記憶装置に格納され不特定の前記クライエント装置に通知するための周知情報により、前記複数のクライエント装置に対する情報配信を実行し、前記記憶装置への共有情報の格納と読出しにより、前記複数のクライエント装置のうちの特定のクライエント装置間での情報共有を実行する、情報通信装置。
【請求項2】
前記記憶装置は、特定の管理者情報を予め格納し、
前記情報通信装置は、前記第1のアクセス手段を介してアクセスを要求してきたクライエント装置のうち、前記特定の管理者情報に対応する管理者装置を認証するための管理者認証手段と、
認証された前記管理者装置のみに、前記周知情報の書込み、変更および削除を許可する情報アクセス制御手段とを、さらに備える、請求項1記載の情報通信装置。
【請求項3】
前記記憶装置は、前記複数のクライエント装置のうち、前記共有情報を共有するユーザの範囲を特定するための共有承認情報を格納し、前記ユーザを特定する情報と関連づけて前記共有情報を格納可能であり、
前記情報アクセス制御手段は、前記第1のアクセス手段を介してアクセスを要求してきたクライエント装置のうち、前記共有承認情報に基づいて特定されるユーザからのアクセスについてのみ、対応する前記共有情報の書込み、変更、削除および読出しを許可するように制限する、請求項1または2記載の情報通信装置。
【請求項4】
前記筐体内に設けられ、前記第1のアクセス手段とは排他的に動作して、前記情報通信装置がクライエントとして、他の情報通信装置をサーバとして通信することが可能な第2のアクセス手段をさらに備え、
当該第2のアクセス手段が動作状態である情報通信装置が、サーバーとして動作中の他の情報通信装置の通信圏内に入ると、前記情報通信装置と前記他の情報通信装との間で通信が可能となり、
前記情報通信装置は、前記他の情報通信装内に格納されている前記周知情報、前記共有承認情報および前記共有情報に対して、自身の前記記憶装置内に格納されている情報と同期処理を実行する情報同期手段をさらに備える、請求項3記載の情報通信装置。
【請求項5】
前記記憶装置は、前記複数のクライエント装置の各ユーザを個別に認証するためのユーザ認識情報と、前記複数のクライエント装置に共通に配布されるアクセス制御情報とを格納し、
各前記複数のクライエント装置が予め装備している情報入力手段により受付が可能な信号であって、前記第1のアクセス手段での通信に使用される信号とは異なる種類の第2種の信号により、前記アクセス制御情報を提示する提示手段をさらに備え、
前記情報アクセス制御手段は、前記複数のクライエント装置の各々から、前記アクセス制御情報と前記ユーザ認識情報とを結合した認証情報を前記第1種の信号として、前記第1のアクセス手段経由で受信して、各前記ユーザの認証を実行し、前記クライエント装置ごとにアクセスの許可を行う、請求項3記載の情報通信装置。
【請求項6】
前記第2種の信号は、音声信号であって、
前記情報入力手段は、音声マイクを含み、
前記提示手段は、音声スピーカを含む、請求項5記載の情報通信装置。
【請求項7】
前記第2種の信号は、光信号であって、
前記情報入力手段は、カメラを含み、
前記提示手段は、発光制御により信号送出が可能なライトを含む、請求項5記載の情報通信装置。
【請求項8】
前記第2種の信号は、光信号であって、
前記情報入力手段は、カメラを含み、
前記提示手段は、前記筐体に装着された媒体上に表示され、前記カメラにより読み取り可能な2次元コードである、請求項5記載の情報通信装置。
【請求項9】
複数のクライエント装置と通信可能な情報通信装置の動作を制御するための情報通信制御プログラムであって、
前記情報通信装置は、前記情報通信装置を可搬とするための筐体と、前記筐体に収納可能であって演算装置と記憶装置とを有し第1のアクセス手段を介して外部と無線または有線で通信可能なサーバー装置と、前記筐体内に設けられ前記サーバー装置と前記第1のアクセス手段とに電力を供給することが可能な電力供給手段とを備えており、
前記情報通信制御プログラムは、前記記憶装置に格納されて、前記情報通信装置の通信動作を制御するためのものであって、
前記演算装置が、前記複数のクライエント装置との間で、無線または有線によって第1種の信号により前記第1のアクセス手段により通信を可能とするステップと、
前記演算装置が、前記情報通信装置が単独で、前記第1のアクセス手段を介して、前記複数のクライエント装置からの要求に対応して、前記記憶装置に格納され不特定の前記クライエント装置に通知するための周知情報により、前記複数のクライエント装置に対する情報配信を実行するステップと、
前記演算装置が、前記情報通信装置が単独で、前記第1のアクセス手段を介して、前記記憶装置への共有情報の格納と読出しにより、前記複数のクライエント装置のうちの特定のクライエント装置間での情報共有を実行するステップとを、前記情報通信装置に実行させる、情報通信制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定エリア内で情報通信サービスの利用を可能とする情報通信装置および情報通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地震、津波、台風、豪雨などによる自然災害が世界的に増加している。災害が発生すると災害発生地域の人々は、自身の安全確保、家族、友人知人の安否確認、自身の財産保全などのために被災状況や避難情報等の収集を行い、収集情報に基づいて状況を見極めて行動を起こす。
【0003】
例えば、災害直後に防災無線などを通じて自治体から発信される避難情報を受信し、指定された避難所に避難するといった行動である。
【0004】
また、自治体、警察、消防、医療機関、自衛隊といった災害対応機関においては、被災現場などにチームで駆け付け、被災状況の把握や救助・復旧作業などをチームメンバ間でコミュニケーションを取りながら行うとともに、取得した被災情報を機関内外で共有することで災害対応を組織的に推進する。そのため被災地およびその周辺では、電話やインターネットをはじめとする通信サービスへの需要が急増しネットワークが繋がりにくくなる輻輳が生じる。
【0005】
ところで、このような災害時、通信が繋がりにくくなる輻輳状態に対応するために、特許文献1では、携帯電話端末が接続される基地局にアクセス制御機能を設け、特定の基地局から接続された携帯電話端末(つまりは基地局のカバーエリア)のみがネットワーク上の情報共有サーバへアクセスして情報提供や情報収集(閲覧)できるようにアクセス制御することにより、被災地で起こる輻輳問題を解消する被災地域情報共有システムが提案されている。
【0006】
また、特許文献2では、通信回線が切断された場合やセンタ側の配信サーバが動作異常となった場合でも、最低限の情報を共有することを可能とする情報分散型管理システムが提案されている。
【0007】
特許文献2に開示されるシステムは、複数の観光・防災Wi-Fi(Wireless Fidelity)ステーションと観光・防災Wi-Fiステーションセンタから構成され、各観光・防災Wi-Fiステーションが地域イントラネット回線やポイント間無線アクセス装置によって観光・防災Wi-Fiステーションセンタに接続される構成となっている。
【0008】
各観光・防災Wi-Fiステーションは、Wi-Fiアクセスポイント、カメラ、センサ、情報管理装置がポール状の柱に固定されたもので、カメラやセンサで取得した情報が情報管理装置において整理、処理されてネットワークを経由してセンタの配信サーバへ送られるようになっている。
【0009】
ユーザは、スマホ等情報通信機器からWi-Fi機能を使って情報管理装置もしくはセンタの配信サーバへアクセスして必要な情報にアクセスし、情報を得たり(収集)、情報をアップロードしたり(共有)してシステムを利用する。情報管理装置と配信サーバ間を接続するネットワークに障害が発生した場合には、ユーザからの情報アクセスやアップロードを情報管理装置が一時的に代替することも行う。これにより、災害時ユーザが情報通信機器を使ってWi-Fi装置経由でシステムにアクセスし、投稿情報や安否確認情報の送信や、災害情報やカメラ映像情報の受信を可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006―217411号明細書
【特許文献2】国際公開第2017/187833号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、大規模災害時には、電気、ガス、水道、通信といったインフラが被害を受け利用できなくなる事態が起こりうる。電話やインターネットといった情報通信サービスにおいても、災害時に電柱の倒壊やケーブル切断、通信ビル被災、基地局停電などによって電話もインターネットも使えない通信途絶が起こる。
【0012】
通信途絶が起こると、電話サービスに加えて、普段からインターネットを介して広く使われているSNS(Social Networking Service)、eコマース、検索サービス、映像配信サービスなどがまったく使えない、もしくは利用が著しく困難になる状況に陥る。しかもこうした災害、被害はいつどこで起こるかを、事前に正確に予測することは困難である。
【0013】
ここで、大規模災害時、被災地において通信輻輳発生によって災害情報の収集や共有が困難になるという課題は特許文献1によって緩和することができる。
【0014】
しかし、特許文献1の方式は情報共有サーバへのアクセスが既存通信網に依存しており、災害時の通信途絶(通信網の損壊、ネットワーク切断等)下では使えなくなってしまう、もしくは利用が困難になるという課題がある。
【0015】
一方で、特許文献2の方式は、通信会社が提供するインターネット接続を含む通信サービスが途絶環境下であっても観光・防災Wi-Fiステーションとセンタを接続する地域イントラネット回線や無線アクセス回線が独自のものであれば機能させることができる。
【0016】
また、この地域イントラネット回線や無線アクセス回線が災害により利用できなくなったとしても、各ステーションに設置された情報管理装置がセンタに置かれた情報配信サーバを一時的に代替することで、ユーザが情報通信機器を使ってシステムにアクセスし、災害情報の収集や共有をすることを可能にしている。
【0017】
しかしながら、特許文献2のシステムは観光地施設や避難所等に予め設置されることが前提となっており、これらのシステムが設置されていないところでの災害や通信途絶の発生、もしくは通信需要の急増による輻輳の発生には対応することが困難である。
【0018】
また、各ステーションに設置された情報管理装置が、センタに置かれた情報配信サーバを代替したとしても、通信途絶が長期化した場合には、各情報管理装置が扱えるユーザは観光・防災Wi-Fiステーション設置場所周辺に限られてしまい、複数の観光・防災Wi-Fiステーションに接続されたユーザ間での情報の収集、共有、連絡を行うことは困難であるという課題があった。
【0019】
一方、大規模災害時、地域自治体などは、防災無線と拡声スピーカを用いた音声によって避難情報を広く周知することが行われている。その際、災害時の天候や拡声スピーカの設置場所、住民の居場所などによって音声が聞取り難い状況が起こり確実な情報伝達ができないという課題が、東日本大震災などの事例で認識された。
【0020】
また、災害時、自治体などに設置された災害対策本部には、自治体職員のみならず、医療機関、自衛隊、警察、消防など多様な災害支援機関の人が出入りし、その中で人の生死情報など扱いに配慮を有する要管理情報も共有される。
【0021】
本発明は、上記のような課題を解決するために、通信会社が提供する通信サービスが途絶するような環境下でも、ユーザが保有する通信端末により、情報収集や情報共有を可能とするシステムを構築可能な情報通信装置または情報通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この発明の1つの局面に従うと、複数のクライエント装置と通信可能な情報通信装置であって、情報通信装置を可搬とするための筐体と、筐体内に設けられ、データの格納が可能な記憶装置を有し、複数のクライエント装置からの要求に対して、対応するデータを提供することが可能なサーバー装置と、筐体内に設けられ、複数のクライエント装置との間で、無線または有線によって第1種の信号により通信を可能とするための第1のアクセス手段と、筐体内に設けられ、サーバー装置と第1のアクセス手段とに電力を供給することが可能な電力供給手段とを備え、情報通信装置は、単独で、記憶装置に格納され不特定のクライエント装置に通知するための周知情報により、複数のクライエント装置に対する情報配信を実行し、記憶装置への共有情報の格納と読出しにより、複数のクライエント装置のうちの特定のクライエント装置間での情報共有を実行する。
【0023】
好ましくは、記憶装置は、特定の管理者情報を予め格納し、情報通信装置は、第1のアクセス手段を介してアクセスを要求してきたクライエント装置のうち、特定の管理者情報に対応する管理者装置を認証するための管理者認証手段と、認証された管理者装置のみに、周知情報の書込み、変更および削除を許可する情報アクセス制御手段とを、さらに備える。
【0024】
好ましくは、記憶装置は、複数のクライエント装置のうち、共有情報を共有するユーザの範囲を特定するための共有承認情報を格納し、ユーザを特定する情報と関連づけて共有情報を格納可能であり、情報アクセス制御手段は、第1のアクセス手段を介してアクセスを要求してきたクライエント装置のうち、共有承認情報に基づいて特定されるユーザからのアクセスについてのみ、対応する共有情報の書込み、変更、削除および読出しを許可するように制限する。
【0025】
好ましくは、筐体内に設けられ、第1のアクセス手段とは排他的に動作して、情報通信装置がクライエントとして、他の情報通信装置をサーバとして通信することが可能な第2のアクセス手段をさらに備え、当該第2のアクセス手段が動作状態である情報通信装置が、サーバーとして動作中の他の情報通信装置の通信圏内に入ると、情報通信装置と他の情報通信装との間で通信が可能となり、情報通信装置は、他の情報通信装内に格納されている周知情報、共有承認情報および共有情報に対して、自身の記憶装置内に格納されている情報と同期処理を実行する情報同期手段をさらに備える。
【0026】
好ましくは、記憶装置は、複数のクライエント装置の各ユーザを個別に認証するためのユーザ認識情報と、複数のクライエント装置に共通に配布されるアクセス制御情報とを格納し、各複数のクライエント装置が予め装備している情報入力手段により受付が可能な信号であって、第1のアクセス手段での通信に使用される信号とは異なる種類の第2種の信号により、アクセス制御情報を提示する提示手段をさらに備え、情報アクセス制御手段は、複数のクライエント装置の各々から、アクセス制御情報とユーザ認識情報とを結合した認証情報を第1種の信号として、第1のアクセス手段経由で受信して、各ユーザの認証を実行し、クライエント装置ごとにアクセスの許可を行う。
【0027】
好ましくは、第2種の信号は、音声信号であって、情報入力手段は、音声マイクを含み、提示手段は、音声スピーカを含む。
【0028】
好ましくは、第2種の信号は、光信号であって、情報入力手段は、カメラを含み、提示手段は、発光制御により信号送出が可能なライトを含む。
【0029】
好ましくは、第2種の信号は、光信号であって、情報入力手段は、カメラを含み、提示手段は、筐体に装着された媒体上に表示され、カメラにより読み取り可能な2次元コードである。
【0030】
この発明の他の局面に従うと、複数のクライエント装置と通信可能な情報通信装置の動作を制御するための情報通信制御プログラムであって、情報通信装置は、情報通信装置を可搬とするための筐体と、筐体に収納可能であって演算装置と記憶装置とを有し第1のアクセス手段を介して外部と無線または有線で通信可能なサーバー装置と、筐体内に設けられサーバー装置と第1のアクセス手段とに電力を供給することが可能な電力供給手段とを備えており、情報通信制御プログラムは、記憶装置に格納されて、情報通信装置の通信動作を制御するためのものであって、演算装置が、複数のクライエント装置との間で、無線または有線によって第1種の信号により第1のアクセス手段により通信を可能とするステップと、演算装置が、情報通信装置が単独で、第1のアクセス手段を介して、複数のクライエント装置からの要求に対応して、記憶装置に格納され不特定のクライエント装置に通知するための周知情報により、複数のクライエント装置に対する情報配信を実行するステップと、演算装置が、情報通信装置が単独で、第1のアクセス手段を介して、記憶装置への共有情報の格納と読出しにより、複数のクライエント装置のうちの特定のクライエント装置間での情報共有を実行するステップとを、情報通信装置に実行させる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の情報通信装置または情報通信制御プログラムによれば、通信会社が提供する通信サービスが途絶するような環境下でも、ユーザが保有する通信端末により、情報収集や情報共有を可能となる。
【0032】
より特定的には、本発明の情報通信装置によれば、たとえば、災害時に起こる通信途絶環境においても、情報通信装置が可搬な構成であり、避難所や災害対策本部など需要地に持込み動作させることによって、その周辺の人々が、自身が普段利用している通信端末、たとえば、スマートフォンなどを使って、公的な機関から発信される周知情報を取得したり、家族、友人、仕事関係の人と連絡を取り合ったり、情報を共有したりすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】実施の形態1の情報通信装置100.1と、ユーザの保有する通信端末10.1~10.nとで構成されるシステムを示す概念図である。
【
図2】通信端末10.1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【
図3】情報通信装置100.1の構成を説明するためのブロック図である。
【
図4】情報通信装置100.1のサーバー装置2010内のCPU2040が実行する機能を説明するための機能ブロック図である。
【
図5】ユーザが通信端末10.1~10.nからWebブラウザによりサーバー装置2010にアクセスした際の表示画面の例を示す図である。
【
図6】通信端末10.1からサーバー装置2010にアクセスした際の通信の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図7】通信端末10.1からサーバー装置2010にアクセスした際の通信の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図8】実施の形態2の情報通信装置100.1~100.3と、ユーザの保有する通信端末10.1~10.nとで構成されるシステムを示す概念図である。
【
図9】情報通信装置100.1~100.3の動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図10】情報通信装置100.1~100.3の動作を説明するためのシーケンス図である。
【
図11】実施の形態3の情報通信装置100.1´の構成を説明するためのブロック図である。
【
図12】情報通信装置100.1´の動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態の情報通信装置の構成を説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
【0035】
なお、以下では、本発明の情報通信装置は、「双方向通信」が可能な無線通信方式で動作するものとして説明する。その場合、本発明の情報通信装置を説明する一例として、既存の免許不要帯域(たとえば、無線LANに使用される2.4GHz帯と5GHz帯)において、サーバー・クライエント間の通信が可能な無線通信機能を有する通信装置を例にとって説明する。
【0036】
ただし、サーバー・クライエント間の無線通信が可能な帯域および通信方式であれば、このような周波数帯や無線LANの通信方式に限定はされない。ただし、以下の説明で明らかとなるように、通信帯域および通信方式としては、通信途絶が生じるような環境下ではない通常の環境下において、通信会社が提供するような移動体通信としての通信サービス以外の帯域で通信が可能であり、多くのユーザがこのような通常の環境下で使用する通信端末、たとえば、スマートフォンに装備されている通信デバイスにより通信可能な帯域および方式であることが望ましい。また、必要に応じて、有線でのサーバー・クライエント間通信が可能な構成であってもよい。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の情報通信装置100.1と、ユーザの保有する通信端末10.1~10.nとで構成されるシステムを示す概念図である。
【0037】
図1に示すように、情報通信装置100.1は、たとえば、キャスターの付いたスーツケースのような可搬型の筐体に収められている。
【0038】
また、
図1では、ユーザの保有する通信端末10.1~10.n(nは2以上の自然数)として、スマートフォンを例示している。ただし、個人ユーザが、普段の生活で使用している無線通信端末であって、通信会社が提供するような通信サービス以外の帯域で通信が可能な端末であれば、スマートフォンには限定されない。
【0039】
また、
図1に示すように、情報通信装置100.1は、一体的に、人力で可搬な構成となっている。
図1の例では、キャスター付きのスーツケース内に収容される構成としている。ただし、人力で可搬な構成であれば、このような構成に限定されない。好ましくは、成人1人の人力により可搬であることが望ましいものの、たとえば、2人の人力で可搬であってもよく、あるいは複数人で個別にシステムの部分ごとに可搬であってもよく、以下に説明するような技術的思想を実現可能である限りにおいて、さまざまな構成の変形が可能である。
【0040】
図2は、
図1に示した通信端末10.1のハードウェアの構成を示すブロック図である。なお、通信端末10.2~10.nも、同様の構成を有するので、その説明は繰り返さない。
【0041】
図2を参照して、本実施形態の通信端末10.1は、端末の通信動作や入出力動作を制御するための制御部102と、無線LANおよび移動体通信を行うためのネットワーク通信部110と、送信したいデータや信号からベースバンド信号を生成して変復調回路・装置へ送出したり、受信したベースバンド信号から元のデータや信号を得るためのベースバンド処理部112と、端末外部からの音声信号を電気信号に変換する音声入力部114と、端末外部へ音声信号を送出する音声出力部116と、表示部118と、ユーザからの入力操作を受け付ける操作部120とを備える。また、通信端末10.1は、装置本体に対して着脱可能な加入者情報記憶媒体を格納して通信キャリアとの通信を可能とするICモジュールとしてのUSIM122が装着されている。
【0042】
制御部102は、MPU(Micro Processing Unit)やRAM、ROM等からなる記憶装置を備え、所定の基本OSやミドルウェア等のプログラムが実行されることにより、ベースバンド処理部112等の各部を制御したり、ソフトウェア構成上のネイティブプラットフォーム環境やアプリケーション実行環境を構築したりする。
【0043】
また、制御部102は、所定の制御プログラムが実行されることにより、ネットワーク通信部110や後述の近距離通信部124と連携して、次の機能を実現することができる。
【0044】
(1)通信端末10.1及び通信相手それぞれに設定された所定のIPアドレス及びポート番号に基づいて、通信ネットワークを介して通信相手との間に双方向通信の通信経路を確立する。
【0045】
(2)上記接続情報を所定の鍵で暗号化する処理又は接続情報を所定のパスワードを設定する処理を行い、その処理後の接続情報を通信相手に送信する。
【0046】
制御部102の記憶装置は、例えば、一時記憶装置としてのRAMや不揮発性記憶装置としてのフラッシュメモリなどの半導体メモリを含む。この不揮発性記憶装置は、各部での処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。
【0047】
例えば、不揮発性記憶装置は、ドライバプログラムとして、IEEE802.11規格の無線通信方式や移動体通信(セルラー通信)の無線通信方式を実行する通信ドライバプログラム、操作部120を制御する入力デバイスドライバプログラム、表示部118を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。
【0048】
また、不揮発性記憶装置は、オペレーティングシステムプログラムとして、例えば、Android(登録商標)OS、iOS(登録商標)等の基本OSや、IEEE802.11規格の無線通信方式や移動体通信(セルラー通信)の無線通信方式での認証等を行う接続制御プログラム等を記憶する。
【0049】
また、不揮発性記憶装置は、アプリケーションプログラムとして、ウェブ認証を行う認証プログラム、時間を計時する計時プログラム、ウェブページを取得及び表示するウェブブラウザプログラム、電子メールを送信及び受信する電子メールプログラム等を記憶する。また、記憶装置は、各種のテキストデータ、映像データ、画像データ等を記憶したり、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶したりしてもよい。また、記憶装置は、無線LANのアクセスポイントに接続するための各種情報を記憶している。
【0050】
また、制御部102の不揮発性記憶装置は、通信相手との間の通信に用いられる通信端末10.1及び通信相手それぞれのIPアドレス及びポート番号を含む接続情報を記憶している。
【0051】
ネットワーク通信部110は、後述する無線LANのアクセスポイント2400を介して通信する無線LAN通信およびセルラー方式の移動体通信ネットワークの基地局(図示せず)を介して通信する移動体通信を実行するための機能を有する。ネットワーク通信部110は、アクセスポイント2400との間でIEEE802.11その他の所定の通信方式により無線通信するための高周波信号処理を実行したり、基地局60との間で4G、5Gなどの所定の通信方式により無線通信するための高周波信号処理を実行する。なお、アクセスポイント2400は、無線LANとしての機能だけでなく、有線LANでの通信機能を有していてもよい。
【0052】
ベースバンド処理部112は、他の携帯電話機等の通信端末装置や各種サーバとの間で音声通信やデータ送受信の通信を行うためのデジタル処理を実行する。このベースバンド処理部112とネットワーク通信部110との間はD/A変換器やA/D変換器を介して接続されている。
【0053】
音声入力部114は、マイク、音信号処理部等で構成されている。マイクから入力されるアナログの音声信号は、音信号処理部でデジタル信号に変換され、制御部102やベースバンド処理部112等に送られる。
【0054】
音声出力部116は、音信号処理部、スピーカ等で構成されている。スピーカは、音信号処理部でデジタル信号から変換されたアナログ信号が入力され、通話中の音声を出力したり、メールの着信音、電話の呼び出し音、音楽などを出力したりする。
【0055】
表示部118は、LCD(液晶ディスプレイ)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等で構成され、制御部102からの指令に基づいて各種画像を表示する。
【0056】
操作部120は、表示部118に組み込まれたタッチパネルや、各種の操作キーやボタン、電源ON/OFF手段としての電源スイッチなどで構成されている。この操作部120は、利用者が、通信端末10.1の本体電源をON/OFFしたり、通話開始、終話、メニュー選択、画面切り換え等を指示したり、情報を入力したりするときに用いられる。
【0057】
また、通信端末10.1は、位置情報取得手段としてのGPS(Global Positioning System)部130、静止画や動画を撮像するためのカメラ部128、端末の動作のための電源を供給する電源供給部126、Bluetoothなどの近距離通信部124、図示しない時計部等も備えている。
【0058】
電源供給部120は、充電可能なバッテリー、バッテリーから各部に所定電圧の電力を供給する電力供給回路、バッテリーを充電する充電回路などを備えている。時計部はクロック回路等で構成され、正確な日時を計数し、各種情報の更新処理等のための時刻情報を生成する。
【0059】
近距離通信部124は、通信端末10.1の近くに位置する他の通信端末装置との間で所定の近距離無線通信方式により直接通信するためのものである。近距離無線通信方式としては、FeliCa(登録商標)等のNFC(Near Field Communication)のピアツーピア(P2P)通信方式やブルートゥース(登録商標)などのピアツーピア通信方式を用いることができる。
【0060】
図3は、情報通信装置100.1の構成を説明するためのブロック図である。
【0061】
上述した通り、情報通信装置100.1は、可搬な筐体内に収納されている。
【0062】
図3を参照して、情報通信装置100.1は、サーバー装置2010と、情報通信装置100.1がサーバーとして動作する際に、無線LANのアクセスポイントとして機能するアクセスポイント2400と、アクセスポイント2400と接続してサーバー装置2010等とローカルエリアネットワークを形成するためのハブ2310と、サーバー装置2010やアクセスポイント2400などの機器へ電源を供給するバッテリーなどで構成される電源部2300と、情報通信装置100.1が、無線LANの通信でクライエント装置として動作する際に外部との通信を行うためのネットワーク通信部2410とを備える。アクセスポイント2400は、ルーターとしての機能を有していてもよい。
【0063】
なお、特に限定されないが、ネットワーク通信部2410は、移動体通信としての通信機能や、有線LAN通信の機能を有していてもよい。
【0064】
図3に示されるように、このサーバー装置2010を構成するコンピュータ本体は、ディスクドライブ2030およびメモリドライブ2020に加えて、それぞれバス2050に接続されたCPU(Central Processing Unit )2040と、ROM(Read Only Memory) 2060およびRAM (Random Access Memory)2070を含むメモリと、不揮発性の書換え可能な記憶装置、たとえば、SSD(Solid State Drive)2080と、ネットワークを介しての通信を行うための通信インタフェース2090とを含んでいる。ディスクライブ2030には、光ディスクが装着可能である。メモリドライブ2020にはメモリカード2210が装着される。
【0065】
後に説明するように、サーバー装置2010のプログラムが動作するにあたっては、そのサーバーとしての動作の基礎となる情報を格納するデータやプログラムは、SSD2080に格納されるものとして説明を行う。
【0066】
なお、
図3では、コンピュータ本体に対してインストールされるプログラム等の情報を記録可能な媒体として、たとえば、 DVD-ROM(Digital Versatile Disc)、メモリカードやUSBメモリなどでもよい。その場合は、コンピュータ本体2200には、これらの媒体を読取ることが可能なドライブ装置が設けられる。
【0067】
サーバー装置2010の主要部は、コンピュータハードウェアと、CPU2040により実行されるソフトウェアとにより構成される。一般的にこうしたソフトウェアは 記憶媒体に格納されて流通またはネットワーク経由で流通し、ディスクドライブ2030やネットワーク通信部2410経由で取得されて SSD2080に一旦格納される。そうしてさらにSSD2080からメモリ中のRAM2070に読出されてCPU2040により実行される。なお、ネットワーク接続されている場合には、SSD2080に格納することなくRAMに直接ロードして実行するようにしてもよい。
【0068】
以下に説明するようなサーバー装置2010として機能するためのプログラムは、その流通にあたっては、コンピュータ本体2010に、情報処理装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム2010がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0069】
さらに、CPU2040も、1つのコアのプロセッサであっても、あるいは複数のコアのプロセッサであってもよい。すなわち、シングルコアのプロセッサであっても、マルチコアのプロセッサであってもよい。
【0070】
図4は、情報通信装置100.1のサーバー装置2010内のCPU2040が実行する機能を説明するための機能ブロック図である。
【0071】
図4を参照して、CPU2040は、SSD2080に格納され、RAM2070に一時記憶されるプログラムにより、後述するように、メッセージ交換部2041、情報周知部2042、情報共有部2043、ユーザインターフェース部2044、ユーザ管理部2045、情報蓄積保存部2046の機能を実行する。
【0072】
通信端末10.1~10.nのユーザは、スマートフォンである端末から、標準的に装備されているWi-Fi機能(無線LAN機能)を使って、情報通信装置100.1のアクセスポイント2400にアクセスする。さらに、ユーザは、インターネット接続可能な端末に標準的に具備されているWebブラウザを使って、情報通信装置10.1のサーバー装置2010にアクセスする。
【0073】
図5は、ユーザが通信端末10.1~10.nからWebブラウザによりサーバー装置2010にアクセスした際の表示画面の例を示す図である。
【0074】
図5を参照して、ユーザが、通信端末10.1~10.nからサーバー装置2010に最初にアクセスした時には、トップページ31が表示される。その後、ユーザの選択操作に応じて、情報周知画面32、情報共有画面33、メッセージ交換画面34に遷移する。
【0075】
図6および
図7は、通信端末10.1からサーバー装置2010にアクセスした際の通信の流れを説明するためのシーケンス図である。
【0076】
なお、このような通信は、災害などにより、通信会社が提供する通信サービス(移動体通信網による通信)が途絶するような環境下で、無線LANによりアクセスポイント2400を経由して実行されるものとする。
【0077】
図5および
図6を参照して、通信端末10.1~10.nのうち、管理者の端末である通信端末10.1から情報通信装置100.1のサーバー装置2010にアクセスして、認証リクエストを送信すると(S100)、サーバー装置2010の側では、ユーザ管理部2045が、アクセスしてきたのが管理者であるかどうかの認証処理を実行し(S102)、管理者からのアクセスであると判断すると、周知情報のアップロードを許可する(S104)。
【0078】
通信端末10.1では、管理者がアップロード情報の生成処理を実行して(S106)、生成した周知情報のデータをアップロードし(S108)、サーバー装置2010では、情報蓄積保存処理部2046が、アップロードされたデータを周知情報として、不揮発性記憶装置であるSSD2080に格納する(S110)。
【0079】
続いて、特に限定されないが、たとえば、通信端末10.2の通常ユーザが、サーバー装置2010にアクセスし(S112)、サーバー装置2010のユーザインターフェース部2044の処理によってデータを送信すること(S114)により、端末10.2の表示部118上にトップページ31のメニュー画面が表示されると(S116)、ユーザにより、所望の機能をトップページ下部に配置されたアイコンがクリック(タップ)されることで所望機能のページに遷移するようになっている。
【0080】
ここで、例として、通信端末10.2から情報共有が選択されるとすると(S118)、サーバー装置2010のユーザインターフェース部2044と情報共有部2043とにより、情報共有モードに遷移した画面表示が生成され(S120)、通信端末10.2の表示部118には、情報共有画面33が表示される。
【0081】
ユーザが、通信端末10.2の操作部の操作により、共有情報を送信すると(S124)、サーバー装置2010の情報蓄積保存処理部2046が、アップロードされたデータを共有情報として、SSD2080に格納する(S128)。
【0082】
このとき、共有情報は、アップロードしたユーザを識別・特定するための情報(たとえば、氏名およびIDなど)と、当該共有情報をどの範囲まで閲覧可能とするかを示す共有承認情報と関連付けて、SSD2080に格納されるものとする。ここで、共有承認情報については、ユーザが共有情報をアップロードするにあたり、その都度設定することとしてもよいし、あるいは、事前にデフォルトの情報が、通信端末10.2内に格納されており、ユーザからの特別の指示がない限りは、このデフォルトの情報が設定されることとしてもよく、ユーザが特に変更を希望する際には、デフォルトの情報とは異なる情報が設定されることとしてもよい。なお、共有承認情報で特定されるユーザの範囲としては、「全ユーザ閲覧可能」「指定したユーザのみ閲覧可能」などを設定することができるものとする。
【0083】
情報共有部2043は、利用者が自由に情報を交換するための機能であり、ユーザ登録した者が、共有承認情報で特定されるユーザの範囲で、情報の閲覧、アップロードをする処理を実行する。
【0084】
これにより、以下に説明する通り、災害時の避難所において避難者同士が必要な情報を共有するための掲示板的な機能を果たすことができる。
【0085】
続いて、通信端末10.nの通常ユーザが、サーバー装置2010にアクセスし(S128)、サーバー装置2010のユーザインターフェース部2044の処理によってデータを送信すること(S130)により端末10.nの表示部118上にトップページ31のメニュー画面が表示される(S132)。
【0086】
図7を参照して、ユーザにより、周知情報の選択がされると(S134)、情報周知部2042とユーザインタフェース部2044とにより、周知情報モードへ遷移して(S136)、周知情報の画面がユーザ端末10.2の表示部118に表示される(S138)。
【0087】
これにより管理者がアップロードした周知情報を、ユーザ端末10.nのユーザは、確認することができる。
【0088】
上述の通り、情報周知部2042は、利用者に情報を周知するための機能であり。災害時における避難指示など通常は自治体や避難所管理者など被災者を支援する側が被災者に対して正確な情報を伝えるために利用する。そのため、該情報周知機能に情報をアップロードできるのは予め設定された管理者に限られる。
【0089】
続いて、通信端末10.nの通常ユーザが、トップページへの移行を指示し(S140)、ユーザインタフェース部2044の処理により(S142)、端末10.nの表示部118上にトップページ31のメニュー画面が表示されると(S144)、ユーザにより、一例として、通信端末10.nから情報共有が選択される(S146)。
【0090】
サーバー装置2010のユーザインターフェース部2044と情報共有部2043との処理により、情報共有モードに遷移した画面表示が生成され(S148)、通信端末10.nの表示部118には、情報共有画面33が表示される(S150)。
【0091】
ユーザが、通信端末10.nの操作部の操作により、共有情報を送信すると(S152)、サーバー装置2010の情報蓄積保存処理部2046が、アップロードされたデータを共有情報として、SSD2080に格納する(S154)。
【0092】
ここでも、共有情報は、アップロードしたユーザを識別・特定するための情報と、当該共有情報をどの範囲まで閲覧可能とするかを示す共有承認情報と関連付けて、SSD2080に格納される。
【0093】
ふたたび、通信端末10.2の通常ユーザが、サーバー装置2010にアクセスし(S156)、サーバー装置2010のユーザインターフェース部2044の処理によってデータを送信すること(S158)により、端末10.2の表示部118上にトップページ31のメニュー画面が表示されると(S160)、ユーザにより、通信端末10.2から情報共有が選択される(S162)。
【0094】
なお、ここでは、共有承認情報によって、通信端末10.2と通信端末10.nとの間で、情報の共有が承認されているものとする。
【0095】
これにより、サーバー装置2010のユーザインターフェース部2044と情報共有部2043とにより、情報共有モードに遷移した画面表示が生成され(S164)、通信端末10.2の表示部118には、情報共有モード画面33が表示され、通信端末10.nからアップロードされた情報を、通信端末10.2のユーザが確認することができる。
【0096】
なお、図示しないが、いずれかの通信端末間で、トップページより、メッセージ交換モードが選択され、処理が、メッセージ交換部2041に遷移した場合は、メッセージ交換画面34が表示される。メッセージ交換部0241は、1対1もしくはグループで情報を交換するための機能であり、メッセージング、チャットなどとも呼ばれる。ユーザは連絡を取りたい人、もしくはグループを指定して、そこに向けてメッセージや、画像、ファイル等を送信することができる。この機能を使って、災害時には、例えば避難所内で家族同士が連絡を取り合ったり、避難所管理チームが連絡を取り合ったりといったことが可能になる。
【0097】
以上説明した通り、本実施例によれば、周知情報などの要管理情報を速成の情報通信ネットワークで共有する場合でも、情報の変更などは、権限のある人だけがシステムもしくは情報にアクセスできる構成とできる。また、大規模災害時の電話もインターネットも使えない通信途絶環境下において、被災地の災害対策本部、避難所、病院等ローカルな通信需要が生じている場所に、可搬型の情報通信装置を設置し動作させる。可搬型の情報通信装置が設置された場所の周辺にいるユーザは、普段インターネット接続に利用しているスマートフォン等の端末、端末が具備するWi-Fi機能、Webブラウザを使い、可搬型の情報通信装置が提供する諸機能にアクセスし、ローカルエリア限定ではあるものの必要な情報の取得、アップロード、連絡を行うことが可能になる。
[実施の形態2]
図8は、実施の形態2の情報通信装置100.1~100.3と、ユーザの保有する通信端末10.1~10.nとで構成されるシステムを示す概念図である。
【0098】
なお、
図8においては、3台の情報通信装置100.1~100.3を例示しているものの、情報通信装置の台数は、これに限定されるものではない。
【0099】
図8を参照して、実施の形態1と同様にして、情報通信装置100.1は、ある領域内、たとえば、災害時の特定の避難所において、通信端末10.1~10.nと、無線LANにより、自身がサーバーとして動作して、アクセスポイント2400を介して、サーバー・クライエント通信を行うものとする。
【0100】
一方で、管理者などは、情報通信装置100.1の可搬性を利用して、他の避難所を情報通信装置100.1とともに、巡回するものとする。
【0101】
このとき、他の避難所には、それぞれ、情報通信装置100.2、情報通信装置100.3が設置されているものとする。情報通信装置100.2や情報通信装置100.3は、情報通信装置100.1と同様の構成を有するものとする。
【0102】
後述するように、情報通信装置100.1は、この巡回期間中は、ネットワーク通信部2410を介して、サーバー・クライエント通信のクライエント装置として動作するものとする。このようなサーバー装置としての動作とクライエント装置としての動作とは、管理者が、予め巡回前に所定の操作により設定しておくものとする。
【0103】
そして、情報通信装置100.1は、巡回中は、通信可能な機器が存在するかを探索して、情報通信装置100.2または情報通信装置100.3の通信可能領域内に入ると、サーバー・クライエント通信のモードとなり、お互いの保持する情報を比較して、互いの情報を同期させる。これにより、情報通信装置100.1が、元の設置場所、たとえば、元の避難所に巡回から帰ってきた後には、情報通信装置100.1には、その元の設置場所でアップロードされた情報だけでなく、他の設置場所(避難所等)で、アップロードされた情報も保持する状態となっている。
【0104】
情報通信装置100.1は、通信相手との双方向通信の通信経路を確立した状態で、通信相手との間でデータ同期処理を実行する。なお、データ同期処理時に通信相手との間で送受信されるデータは、所定の鍵で暗号化したり、所定のパスワードを設定したりしてもよい。また、不揮発性記憶装置2080は、上記通信相手との間で接続情報や同期データを暗号化したりパスワードを設定したりする場合は、その暗号化に用いる鍵情報やパスワードの情報を予め記憶している構成とすることも可能である。
【0105】
図9および
図10は、情報通信装置100.1~100.3の動作を説明するためのシーケンス図である。
【0106】
図9を参照して、巡回モードでは、情報通信装置100.1は、クライアント機能を使って他の情報通信装置が通信可能なエリア内(Wi-Fiクライアントが電波を受信できる範囲内)に存在しないかを探索する(S200)。
【0107】
通信可能なエリア内に、情報通信装置100.2が存在することを検知すると、情報通信装置100.1は、情報通信装置100.2に対して認証リクエストを送信し(S202)、情報通信装置100.2の認証処理により通信可能な機器であると認証されると(S204)、情報通信装置100.2は、情報通信装置100.1に対して、アクセス許可通知を送信する(S206)。
【0108】
アクセス許可の後、情報通信装置100.1と情報通信装置100.2とは、それぞれ、自身の保有データ情報の内部照会処理を実施して(S208a、S208b)、照会結果の情報を交換して(S210)、自身の保有データと他方の保有データとの保有情報を比較し(S212a、S212b)、それぞれ、保有データの差分情報を抽出する(S214a、S214b)。
【0109】
続いて、情報通信装置100.1と情報通信装置100.2とは、差分情報に基づいて、お互いの保有するデータについて、データの同期処理を実行する(S216)。
【0110】
同期処理が終了すると、再び、情報通信装置100.1は、クライアント機能を使って、データ同期を未処理の他の情報通信装置が通信可能なエリア内に存在しないかを探索する(S218)。
【0111】
そして、通信可能なエリア内に、情報通信装置100.3が存在することを検知すると、情報通信装置100.1は、情報通信装置100.2に対して実行したのと同様の処理により、お互いの保有するデータについて、データの同期処理を実行する(S220~S234)。
【0112】
図10を参照して、情報通信装置100.1が、元の設置場所(たとえば、元の避難所)に、巡回から帰還すると、たとえば、通信端末10.iの通常ユーザが、サーバー装置2010にアクセスし(S236)、サーバー装置2010のユーザインターフェース部2044の処理によってデータを送信すること(S238)により、端末10.iの表示部118上にトップページ31のメニュー画面が表示される(S240)。
【0113】
ユーザにより、周知情報の選択がされると(S242)、情報周知部2042とユーザインタフェース部2044とにより、周知情報モードへ遷移して(S244)、周知情報の画面がユーザ端末10.iの表示部118に表示される(S246)。
【0114】
また、ユーザ端末10.iからのトップページへの移行の指示により(S248)、サーバー装置2010のユーザインターフェース部2044の処理によってデータを送信すること(S250)により、端末10.iの表示部118上にトップページ31のメニュー画面が表示される(S252)。
【0115】
続いて、通信端末10.iから情報共有が選択されるとすると(S254)、サーバー装置2010のユーザインターフェース部2044と情報共有部2043とにより、情報共有モードに遷移した画面表示が生成され(S256)、通信端末10.iの表示部118には、情報共有画面33が表示される(S258)。
【0116】
ユーザが、通信端末10.iの操作部の操作により、共有情報を送信すると(S260)、サーバー装置2010の情報蓄積保存処理部2046が、アップロードされたデータを共有情報として、SSD2080に格納する(S262)。
【0117】
このときも、通信端末10.iからの共有情報は、アップロードしたユーザを識別・特定するための情報と、共有承認情報とを関連付けて、SSD2080に格納される。
【0118】
以後は、実施の形態1で説明した動作と同様であるので、説明は繰り返さない。
【0119】
このように、本実施例の近接システム間でのデータ同期機能を利用することで、情報通信装置100.1が可搬型に構成されていることを、より有効に活用することができる。
【0120】
なお、上記の説明の形態だけではなく、たとえば、以下のようにして、複数の設置場所での情報の同期処理を実行することも可能である。
【0121】
たとえば、災害時の複数の避難所に情報通信装置が配備され、それぞれの避難所内での情報交換や情報共有に利用されているとする。ここで、すでに配備されている情報通信装置とは異なる情報通信装置(以下、「巡回情報通信装置」と呼ぶ)を用い、この巡回情報通信装置が避難所を車載されるなどして巡回するとする。この巡回情報通信装置は、各避難所に設置された情報通信装置に近づくと、両システム間で同期機能が働きデータの差分が調整されて同期操作が行われる。
【0122】
この巡回情報通信装置が避難所を一巡すると、各避難所のこの情報通信装置は、ほぼ同じ保持データとなる。これはあたかも複数の避難所が、一つのエリアとして動作するようにすることができることを示している。つまり、サービス提供エリアを複数避難所に広げることができるとみることができる。
【0123】
本実施例の同期機能は、近接した可搬型情報通信システム間で行われることを想定しているものの、同期機能の利用はこれに限られず、例えば、インターネット経由で、情報通信装置同士が接続可能になるような場合にも、同様の同期機能を働かせることができる。その際には、通信途絶から通信が復旧した時点で、複数の情報通信装置が、それぞれ孤立していた時間帯のサービス利用状況を自動的に他システムに共有することが可能になる。
【0124】
また、以上の説明では、2つの可搬型情報通信装置に対するデータ同期機能を説明してきたものの、同期されるシステムは2台に限られず、3台以上であっても良い。
[実施の形態3]
図11は、実施の形態3の情報通信装置100.1´の構成を説明するためのブロック図である。
【0125】
図11の構成は、
図3の構成と対比され、同一部分には同一符号を付している。
【0126】
情報通信装置100.1´は、
図3の構成に加えて、CPU2040からの制御により与えられた信号を音声に変換する音声合成部2500と、音声合成部2500からの信号を音声として送出するスピーカ500とを備える。
【0127】
図12は、情報通信装置100.1´の動作を説明するためのシーケンス図である。
【0128】
図12を参照して、情報通信装置100.1´のCPU2040は、不揮発性記憶装置2080に、予め格納されているアクセス制御情報に基づいて、アクセス制御信号を生成する(S300)。アクセス制御情報としては、たとえば、予め、所定の範囲の文字や数字、記号からランダムに生成された文字列をバイナリの情報としたものとすることができる。
【0129】
続いて、音声合成部2500は、アクセス制御信号を所定の方式に従って、トーン変調や強度変調などによって音声信号に変換し(S302)、スピーカ500からこの音声信号が空間内に出力される(S304)。
【0130】
ここでキャリアとして使用する音の周波数は、情報通信装置100.1´のスピーカ500、通信端末10.1の音声入力部114の稼働範囲内であれば良いものとする。
【0131】
また、通常の放送のような人が認識できる音声と重畳しての送信であっても良い。この場合は、可聴周波数帯の低域、もしくは広域のひとがほとんど聞こえない周波数帯をアクセス信号送信用キャリアに利用することができる。
【0132】
スピーカ500から送信されたアクセス制御信号は、音が届く範囲内にある複数の通信端末で受信できるものとする。
図12では、通信端末10.2の動作を例示的に示す。
【0133】
通信端末10.2では、音声信号としてアクセス制御信号を受信し、受信した音からアクセス制御信号を取り出し(S306)、通常のID、パスワードに、このアクセス制御信号に加えて、結合した情報を生成し、これを認証情報として(S308)、情報通信装置100.1´に対して認証リクエストを無線LAN経由で送信する(S310)。
【0134】
情報通信装置100.1´は、認証リクエストを受信し(S312)、受信した信号のうち、ID、パスワード等通常アクセスに必要な情報に加えて元々システム側から送信したアクセス制御情報も合わせて提示されているかを確認することで認証処理を実行する(S314)。
【0135】
情報通信装置100.1´はアクセス制御情報が正しく提示されていればサービスへのアクセスを許可するとともにその旨利用者端末側に通知する(S316)。通知を受け取った端末装置10.2は、それ以降、トップページへのアクセスや、情報共有などのサービスを受けることができる(S318~S328)。
【0136】
以上説明した方法によれば、情報通信装置100.1´の無線LAN信号が届き、かつ音によるアクセス制御信号を受信できる端末装置のみが、情報通信装置100.1´にアクセスできる。
【0137】
これにより、例えば、大規模災害時、音声合成部2500およびスピーカ500からの信号を、防災無線などの方法によって音声で地域に災害情報を放送する際に、防災無線放送にアクセス制御信号を重畳して拡声すると、放送が聞こえ、かつ情報通信装置100.1´の無線LANの通信エリア内にいる利用者には、アクセス制御信号によるアクセス制御によって放送内容に関連した情報のページに自動アクセスされるように制御することによって、防災無線で音声が聞き取りにくい状況でも可搬型情報通信システムを介して確実に災害情報を周知することが可能になる。
【0138】
また、一方で、情報通信装置100.1´を使って限られた場所にいる人にのみ情報の周知や交換を可能にしたい場合、例えば、部屋の中に情報通信装置100.1´を設置し、部屋の中でのみ受信可能な音声としてアクセス制御信号をスピーカなどで流して置き、必要な情報は無線LANでシステムにアクセスしてやり取りをするといったことができる。このような限られた場所としては、大規模災害時に県や市役所に置かれる災害対策本部などを想定することができ、この利用ケースでは、隣の建物など災害対策本部が置かれた場所周辺の電波が届く場所で情報が盗まれることを防ぐことができる。
【0139】
なお以上の説明では、アクセス制御信号の伝送としては、音声信号によるものとしたが、このような構成に限定されるものではない。
【0140】
たとえば、通信端末10.1には、通常、装備されるものとして、カメラ部128があるので、たとえば、情報通信装置100.1´において、音声合成部2500とスピーカ500とを設ける代わりに、光信号生成部と信号制御で点滅動作が可能なライトとを設けて、アクセス制御信号の伝送を光信号により実行する構成とすることも可能である。
【0141】
さらに、光信号を利用する場合は、このような光信号生成部とライトとによりアクセス制御信号を伝達する構成とする以外に、たとえば、情報通信装置100.1´の筐体の外表面または筐体を開けた際に蓋の内側などに、2次元コードを表示する媒体を装着しておき、通信端末10.1のカメラ部128でこれを撮影することで、アクセス制御信号を伝送する構成としてもよい。筐体の外表面に、2次元コードを表示する媒体を装着する場合は、通常は、この媒体を2次元コードが見えない裏向きに装着しておき、必要なときに、表向きに装着できるような構成としておいてもよい。
【0142】
実施の形態1~3の情報通信装置または情報通信制御プログラムは、事前に予測が難しい大規模災害時に発生しうる通信途絶状況下において、いつでもどこでも短時間にかつ簡便にローカル情報通信環境を構築することができる。
【0143】
また、実施の形態1~3の情報通信装置は、大規模災害時だけでなく、各種イベントや建設プロジェクトなど一時的に情報通信需要が発生する場所での活用や、インターネット接続環境が十分に整備されていない途上国での活用も可能である。
【0144】
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0145】
10.1-10.n 通信端末、100.1-100.3 情報通信装置、102 制御部、110 ネットワーク通信部、112 ベースバンド処理部、114 音声入力部、116 音声出力部、118 表示部、120 操作部、122 USIM、124 近距離通信部、126 電源供給部,128 カメラ部、130 GPS部、100.1 情報通信装置、2010 サーバー装置、2020 メモリディスクドライブ、2030 ディスクドライブ、2040 CPU、2050 バス、2060 ROM、2070 RAM、2080 不揮発性記憶装置、2100 キーボード、2120 ディスプレイ、2210 メモリカード、2300 電源部、2310 ハブ、2400 アクセスポイント、2410 ネットワーク通信部。