(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157796
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】実績データ管理システム、及び、実績データ管理方法
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
G05B23/02 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067945
(22)【出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 大
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223AA11
3C223BA01
3C223BB03
3C223CC01
3C223FF09
3C223FF16
3C223FF52
3C223FF53
3C223GG01
3C223HH08
(57)【要約】
【課題】設備等の監視を容易に実行できるシステムを提供する。
【解決手段】実績データ管理システム100は、データ送信装置1と、利用者端末と、実績データ管理サーバ3と、を備える。データ送信装置1は、設備に関する実績データDを送信する。利用者端末は、ユーザが使用する端末である。実績データ管理サーバ3は、データ送信装置1から送信された実績データDを受信して登録する。実績データ管理サーバ3は、実績データDの登録件数をアプリケーションAP単位で管理する。実績データ管理サーバ3は、実績データDの登録件数が、第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、利用者端末に、登録件数が閾値を上回っている及び/又は下回っている旨を通知する。上記の第1閾値及び第2閾値は、登録件数を管理するアプリケーションを実行する利用者端末を用いて設定可能である。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備に関する実績データを送信するデータ送信装置と、ユーザが使用する利用者端末と、前記データ送信装置から送信された前記実績データを受信して登録する実績データ管理サーバと、を備える実績データ管理システムであって、
前記実績データ管理サーバは、
前記利用者端末上で実行可能であり、前記設備に関する複数のアプリケーションを保有し、前記実績データの登録件数をアプリケーション単位で管理し、
前記実績データの登録件数が、第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、前記利用者端末に、前記登録件数が閾値を上回っている及び/又は下回っている旨を通知し、
前記第1閾値及び前記第2閾値は、前記登録件数を管理するアプリケーションを実行する前記利用者端末を用いて設定可能である、
実績データ管理システム。
【請求項2】
前記実績データ管理サーバは、前記実績データの登録件数が、所定の期間内に前記第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、前記第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、前記利用者端末に、前記登録件数が閾値を上回っている及び/又は下回っている旨を通知し、
前記所定の期間は、前記登録件数を管理するアプリケーションを実行する前記利用者端末を用いて設定可能である、請求項1に記載の実績データ管理システム。
【請求項3】
前記通知は、前記実績データ管理サーバにログインしているログインユーザが使用する利用者端末に通知される、請求項1に記載の実績データ管理システム。
【請求項4】
前記実績データ管理サーバは、前記実績データのうち特定の内容を示す実績データの登録件数が、所定の閾値よりも大きくなった、及び/又は、所定の閾値よりも小さくなったと判断した場合に、前記登録件数が閾値を上回っている及び/又は下回っている旨を通知する、請求項1に記載の実績データ管理システム。
【請求項5】
前記実績データ管理サーバは、仮登録された実績データと、登録された実績データと、を区別して管理する、請求項1に記載の実績データ管理システム。
【請求項6】
データ送信装置と、ユーザが使用する利用者端末と、前記利用者端末上で実行可能であり、設備に関する複数のアプリケーションを保有する実績データ管理サーバと、を備える実績データ管理システムにおける実績データ管理方法であって、
前記データ送信装置が、前記設備に関する実績データを送信するステップと、
前記実績データ管理サーバが、前記データ送信装置から送信された前記実績データを受信して登録するステップと、
前記実績データ管理サーバが、前記実績データの登録件数が、第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、前記利用者端末に、前記登録件数が閾値を上回っている及び/又は下回っている旨を通知するステップと、
を備え、
前記実績データ管理サーバは、前記実績データの登録件数をアプリケーション単位で管理し、
前記第1閾値及び前記第2閾値は、前記登録件数を管理するアプリケーションを実行する前記利用者端末を用いて設定可能である、
実績データ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種設備に関する実績データを管理する実績データ管理システム、及び、実績データを管理する実績データ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種設備を監視するためのシステムが知られている。例えば、ネットワークを介して接続される複数の装置の稼働状況を監視するシステムにおいて、各装置からの定期的な接続を監視し、定期的な接続を所定の時差の範囲で受信したか否かに基づいて、装置の異常を検知することが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、樹脂成形工程を監視するシステムにおいて、センサを搭載した測定端末から工程管理のための指標データを取得し、指標データ値と製造する製品、使用する材料及び使用する成形型の情報から、その製品を成形する上で許容される許容値及び警戒値を抽出、比較して、異常の発生を検知することが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-42145号公報
【特許文献2】特開2015-90535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のシステムのように、監視対象である装置から送信されてくる信号、又は、指標データを測定するセンサから送信されてくる信号等に基づいて装置の状態を監視する場合には、専用の監視ソフトウェアを作成する必要がある。監視ソフトウェアを作成するには、システム及びソフトウェアに関する高度な知識を必要とするため、上記のシステムを使用する作業者が、必要に応じた監視ソフトウェアを自由に作成できない。つまり、作業者の必要性に応じた自由な装置の監視をすることが困難であった。
【0006】
また、上記のシステムにおいて、装置からの信号又は指標データ等が送信されない場合に、監視対象の装置で異常が発生しているか、監視対象からシステムまでの経路において異常が発生しているかを識別できない。そのため、監視対象だけでなく、監視対象からシステムまでの経路に対しても監視をする必要がある。このため、従来のシステムは、監視対象の数が大きくなり、大規模になる傾向があった。
【0007】
本発明の目的は、設備等の監視を容易に実行できるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一態様に係る実績データ管理システムは、データ送信装置と、利用者端末と、実績データ管理サーバと、を備える。データ送信装置は、設備に関する実績データを送信する。利用者端末は、ユーザが使用する端末である。実績データ管理サーバは、データ送信装置から送信された実績データを受信して登録する。このシステムにおいて、実績データ管理サーバは、設備に関する複数のアプリケーションを保有している。このアプリケーションは、利用者端末上で実行可能である。また、実績データ管理サーバは、実績データの登録件数をアプリケーション単位で管理する。
【0009】
また、実績データ管理サーバは、実績データの登録件数が、第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、利用者端末に、登録件数が閾値を上回っている及び/又は下回っている旨を通知する。上記の第1閾値及び第2閾値は、登録件数を管理するアプリケーションを実行する利用者端末を用いて設定可能である。
【0010】
上記の実績データ管理システムでは、実績データの登録件数が、設備に関するアプリケーション単位で管理されている。また、通知をするか否かを決定する閾値が、実績データの登録件数を管理するアプリケーションを実行する利用者端末を用いて設定可能となっている。上記の実績データ管理システムでは、設備に関するアプリケーションを、ユーザが容易に作成できる。このため、上記の実績データ管理システムでは、システム及びプログラムに関する高度な知識を有さないユーザが、自身が必要とするアプリケーションを作成し、このアプリケーションを用いて、所望する設備の監視を容易に行うことができる。
【0011】
また、上記の実績データ管理システムでは、実績データ管理サーバに登録された実績データの登録件数が、第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、利用者端末にその旨を通知している。実績データの登録件数が第1閾値よりも大きくなった場合にその旨を利用者端末に通知することで、利用者端末を使用するユーザは、例えば、実績データが取得された設備に不具合が起こりやすいと判断できる。その一方、実績データの登録件数が第2閾値よりも小さくなった場合にその旨を利用者端末に通知することで、ユーザは、例えば、設備にトラブルが発生して実績データを得られなくなっていると判断できる。
【0012】
このように、上記の実績データ管理システムでは、実績データの登録件数が閾値よりも大きくなったか小さくなったかを通知するとの容易な方法により、設備の監視を行うことができる。
【0013】
上記の実績データ管理システムにおいて、実績データ管理サーバは、実績データの登録件数が、所定の期間内に第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、利用者端末に、上記の通知をしてもよい。この場合、所定の期間は、実績データの登録件数を管理するアプリケーションを実行する利用者端末を用いて設定可能であってもよい。これにより、監視対象とする登録件数に期間の制限を設けて、精密な監視を容易に実現できる。
【0014】
上記の実績データ管理システムにおいて、上記の通知は、実績データ管理サーバにログインしているログインユーザが使用する利用者端末に通知されてもよい。これにより、許可されたユーザに対してのみ通知がなされるので、実績データ管理システムのセキュリティを向上できる。
【0015】
上記の実績データ管理システムにおいて、実績データ管理サーバは、実績データのうち特定の内容を示す実績データの登録件数が、所定の閾値よりも大きくなった、及び/又は、所定の閾値よりも小さくなったと判断した場合に、通知をしてもよい。これにより、監視対象とする登録件数に実績データの内容に関する制限を設けて、精密な設備の監視を容易に実現できる。
【0016】
上記の実績データ管理システムにおいて、実績データ管理サーバは、仮登録された実績データと、登録された実績データと、を区別して管理してもよい。このように、実績データをその登録状態で区別して管理することで、監視対象とする登録件数に仮登録の実績データ又は(正式)登録された実績データであるかの制限を設けて、精密な設備の監視を容易に実現できる。
【0017】
本発明の他の態様に係る実績データ管理方法は、データ送信装置と、利用者端末と、実績データ管理サーバと、を備える実績データ管理システムにおける実績データ管理方法である。利用者端末は、ユーザが使用する端末である。実績データ管理サーバは、設備に関する複数のアプリケーションを保有する。アプリケーションは、利用者端末上で実行可能である。実績データ管理方法は、以下のステップを備える。
◎データ送信装置が、設備に関する実績データを送信するステップ。
◎実績データ管理サーバが、データ送信装置から送信された実績データを受信して登録するステップ。
◎実績データ管理サーバが、実績データの登録件数が、第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、利用者端末に、登録件数が所定の閾値を上回っている及び/又は下回っている旨を通知するステップ。
【0018】
上記の実績データ管理方法において、実績データ管理サーバは、実績データの登録件数をアプリケーション単位で管理している。また、通知をするか否かを決定する閾値が、実績データの登録件数を管理するアプリケーションを実行する利用者端末を用いて設定可能となっている。
【0019】
上記の実績データ管理方法では、実績データの登録件数が、設備に関するアプリケーション単位で管理されている。また、通知をするか否かを決定する閾値が、実績データの登録件数を管理するアプリケーションを実行する利用者端末を用いて設定可能となっている。上記の実績データ管理方法では、設備に関するアプリケーションを、ユーザが容易に作成できる。このため、上記の実績データ管理方法では、システム及びプログラムに関する高度な知識を有さないユーザが、自身が必要とするアプリケーションを作成し、このアプリケーションを用いて、所望する設備の監視を容易に行うことができる。
【0020】
また、上記の実績データ管理方法では、実績データ管理サーバに登録された実績データの登録件数が、第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、利用者端末にその旨を通知している。実績データの登録件数が第1閾値よりも大きくなった場合にその旨を利用者端末に通知することで、利用者端末を使用するユーザは、例えば、実績データが取得された設備に不具合が起こりやすいと判断できる。その一方、実績データの登録件数が第2閾値よりも小さくなった場合にその旨を利用者端末に通知することで、ユーザは、例えば、設備にトラブルが発生して実績データを得られなくなっていると判断できる。
【0021】
このように、上記の実績データ管理方法では、実績データの登録件数が閾値よりも大きくなったか小さくなったかを通知するとの容易な方法により、設備の監視を行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
実績データ管理システムのユーザが、システム及びプログラムに関する高度な知識を有していなくても、設備の監視を容易に行うことができる。また、設備に関する実績データの登録件数が閾値よりも大きくなったか小さくなったかを通知するとの容易な方法により、設備の監視を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実績データ管理システムの全体構成を示す図。
【
図2】実績データ管理サーバの具体的構成を示す図。
【
図4】アプリケーションの表示画面の一例を示す図。
【
図9】実績データ管理サーバの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
1.第1実施形態
(1)実績データ管理サーバの概略
以下、実績データ管理システム100を説明する。実績データ管理システム100は、例えば、工場、プラント等に設置され、「4M変動管理」をペーパーレスで実現するシステムである。4M変動管理とは、(i)製品の生産に用いる原料(Material)に関する管理、(ii)工場、プラント等の作業者(Man)に関する管理、(iii)工場、プラント等の稼働(Method)に関する管理、(iv)工場、プラント等の設備(Machine)に関する管理を含む概念である。
【0025】
原料に関する管理においては、例えば、原料が枯渇したことを通知する原料切れ通知、原料情報の管理がなされる。作業者に関する管理においては、例えば、作業者情報の管理、各種情報の多言語対応、工場、プラント等の設備でトラブルが発生した場合の担当者の呼び出し(トラブルコール)などがなされる。稼働に関する管理においては、例えば、製品の検査結果の管理、作業手順書などの作業に関する文書の管理、生産ロットに関する情報の管理などがなされる。設備に関する管理においては、例えば、設備で発生したトラブルの通知、設備点検の管理がなされる。
【0026】
(2)実績データ管理システムの全体構成
図1を用いて、実績データ管理システム100の全体構成を説明する。
図1は、実績データ管理システムの全体構成を示す図である。実績データ管理システム100は、データ送信装置1と、実績データ管理サーバ3と、利用者端末T1、T2と、を主に備える。
【0027】
データ送信装置1は、監視対象の設備の近傍に設置され、当該設備に関する実績データDを実績データ管理サーバ3に送信する。データ送信装置1は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標)LE)ビーコンボタン、RFIDリーダー、ICカードリーダーである。
【0028】
データ送信装置1がBLEビーコンボタンである場合、例えば、実績データ管理システム100が設置された工場、プラント等の設備で作業を行う作業者が、当該設備にトラブル等が発生したときに、BLEビーコンボタンを押す。BLEビーコンボタンは、当該設備にトラブル等が発生しそのトラブル等に対応する作業者を呼び出すための通知を、実績データDとして実績データ管理サーバ3に送信する。このような実績データDは、「ラインコール」とも呼ばれる。すなわち、ラインコールである実績データDは、設備にトラブル等が発生しており、当該設備に対して何らかの対応をするために作業者を呼び出すためのものである。
【0029】
データ送信装置1がRFIDリーダーである場合、例えば、RFIDリーダーは、生産設備等で製造された製品のRFIDを読み込み、当該製品の製造が完了した旨を実績データDとして実績データ管理サーバ3に送信できる。この場合、例えば、実績データDの登録件数から、製品の製造数を監視できる。
【0030】
データ送信装置1がICカードリーダーである場合、例えば、ICカードリーダーは、作業者のIDカードなどを読み取り、当該作業者が設備に関する作業を開始したこと、及び/又は、当該作業者が設備に関する作業を終了したことを、実績データDとして実績データ管理サーバ3に送信できる。
【0031】
実績データ管理サーバ3は、プロセッサと、記憶装置(例えば、RAM、ROM、ハードディスク、SSDなど)と、ネットワークインタフェースと、を備えるコンピュータシステムであって、実績データ管理システム100に関連する各種アプリケーション、データ、情報などを管理するサーバである。実績データ管理サーバ3は、データ送信装置1から送信された実績データを登録して管理する。
【0032】
利用者端末T1は、ネットワーク(例えば、WAN、LAN、インターネットなど)を介して、実績データ管理サーバ3と通信可能なタブレット端末、スマートフォンなどの携帯端末である。利用者端末T1は、実績データ管理システム100が設置された工場、プラント等で作業を行う作業者が使用する。作業者は、利用者端末T1にてアプリケーションAP(後述)を実行し、設備の監視に関する設定を行うことができる。また、アプリケーションAPは、利用者端末T1を使用する作業者に、実績データDを入力させることができる。
【0033】
利用者端末T2は、パーソナルコンピュータなどの端末であり、作業者が使用可能である。作業者は、利用者端末T2を用いて実績データ管理サーバ3にアクセスして、設備に関するアプリケーションAPを作成できる。
【0034】
なお、利用者端末T1は、上記の利用者端末T2と同様の機能を有していてもよい。すなわち、作業者は、利用者端末T1を用いて実績データ管理サーバ3にアクセスして、アプリケーションAPを作成できる。
【0035】
上記とは逆に、利用者端末T2は、利用者端末T1と同様の機能を有していてもよい。すなわち、作業者は、利用者端末T2にてアプリケーションAPを実行して、設備の監視に関する設定を行うことができる。また、利用者端末T2にてアプリケーションAPを実行して、作業者に実績データDを入力させることができる。
【0036】
(3)実績データ管理サーバの具体的構成
図2を用いて、実績データ管理サーバ3の具体的構成を説明する。
図2は、実績データ管理サーバの具体的構成を示す図である。実績データ管理サーバ3は、記憶部31と、処理部33と、を有する。
【0037】
記憶部31は、実績データ管理サーバ3の記憶装置の記憶領域にて構成され、各種情報を記憶する。具体的には、記憶部31は、複数のアプリケーションAPと、実績データDと、通知条件NCと、ユーザ情報UIと、を記憶する。また、記憶部31は、実績データ管理サーバ3で実行されることで、実績データ管理サーバ3の各機能を実現するプログラム(制御プログラム、アプリケーション作成プログラム)を記憶している。
【0038】
アプリケーションAPは、利用者端末T1、T2上で実行されることで、実績データ管理システム100にて管理される設備に関する所定の処理を実行する。アプリケーションAPには、例えば、上記にて説明したラインコールを行うためのアプリケーション、設備に関する情報を実績データDとして入力するためのアプリケーションなどがある。設備に関する情報を入力するアプリケーションとしては、例えば、設備のトラブルに関する情報(例えば、設備の故障箇所、故障内容など)を実績データDとして入力するアプリケーション、設備の点検に関する情報(例えば、設備に関する実測データなど)を実績データDとして入力するアプリケーションなどがある。
【0039】
アプリケーションAPは、利用者端末T2(又は利用者端末T1)を用いて作成された後に、記憶部31に記憶される。アプリケーションAPは、例えば、利用者端末T1、T2のWebブラウザ上で実行されるWebアプリケーションである。
【0040】
実績データDは、記憶部31に記憶されることで、実績データ管理サーバ3に登録される。実績データ管理サーバ3においては、実績データDの登録形態として、「仮登録」と「登録」とが存在する。実績データDの仮登録は、当該実績データDに対して所定の作業をする必要がある場合になされる。例えば、実績データDが設備のトラブルに関するものである場合、当該トラブルに対して何らかの対応をする必要がある場合には、この実績データDは仮登録される。当該トラブルに対して何らかの対応がなされることで、この実績データDは正式に登録される。
【0041】
このように、仮登録された実績データDと登録された実績データDを区別して管理することにより、より精密な設備の監視を容易に実現できる。例えば、仮登録された実績データDの登録件数が所定の閾値以上の場合には、特定の設備においてトラブルが多発しておりそれらに対して何らかの対応が必要であるとの監視結果を得ることができる。また、登録された実績データDの登録件数が所定の閾値以上の場合には、特定の設備においてトラブルが多発しているがそれらに対して何らかの対応がなされているとの監視結果を得ることができる。
【0042】
また、実績データDは、記憶部31において、1つのアプリケーションAP単位で管理される。具体的には、特定の目的のために生成された実績データDは、同じ目的のために作成されたアプリケーションAPに関連付けられる。例えば、設備Aのトラブルに関する実績データDは、同じ設備Aのトラブルに関して専用に作成されたアプリケーションAPに関連付けられる。実績データDとアプリケーションAPとの関連付けは、例えば、作成されたアプリケーションAP毎に専用の実績データDの蓄積領域(例えば、テーブル、ディレクトリ等)を設け、この蓄積領域に実績データDを蓄積することで実現できる。
【0043】
通知条件NCは、実績データDの登録件数に関する通知をする条件を定める。通知条件NCは、実績データDを管理するアプリケーションAPの生成時に設定される。通知条件NCは、記憶部31において、対応するアプリケーションAPに関連付けられて記憶されている。
【0044】
ユーザ情報UIは、利用者端末T1、T2を用いて実績データ管理サーバ3にログインできるユーザを管理する情報である。具体的には、ユーザ情報UIには、実績データ管理サーバ3にログインする際に用いる、ユーザIDと、パスワードと、が記録されている。また、ユーザ情報UIには、各ユーザが使用を希望するアプリケーションAPのリストが記録されている。
【0045】
ユーザ情報UIにおいて、ユーザ(ユーザID)は、所定の属性によって定められたユーザグループ単位で管理されている。このユーザグループは、例えば、作業者(ユーザ)が属する組織、部課、チームなどの単位で定められる。例えば、各ユーザグループには、同じ組織、部課、チームなどに属する作業者(ユーザ)が属している。ユーザ情報UIは、実績データDの閲覧、データ操作などのアクセス権を上記ユーザグループ毎に管理する。
【0046】
処理部33は、実績データ管理サーバ3のCPU等により構成され、記憶部31に記憶されたプログラムを実行することで、実績データ管理サーバ3の各種機能を実現する。具体的には、処理部33は、制御プログラムを実行することで、データ送信装置1から受信した実績データD、アプリケーションAPを用いて入力された実績データDを、記憶部31に記憶して管理する。
【0047】
また、処理部33は、実績データ管理サーバ3にアクセスした利用者端末T1、T2から実行要求のあったアプリケーションAPを、これらの利用者端末T1、T2に提供する。
【0048】
さらに、処理部33は、アプリケーション作成プログラムを実行することで、利用者端末T2、T1に、アプリケーションAPを作成するための機能を提供する。具体的には、処理部33は、アプリケーション作成プログラムを利用者端末T1、T2上で実行させることで、利用者端末T1、T2に、アプリケーション設定画面GUI1(
図5)又はアプリケーション作成画面GUI2(
図6)を表示させる。
【0049】
作業者は、利用者端末T1、T2を操作し、アプリケーション設定画面GUI1上で、アプリケーションAPの設定を行う。また、アプリケーション作成画面GUI2上で、表示画面IDの骨子を作成する。表示画面IDは、アプリケーションAPのグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)であって、アプリケーションAPを実行する利用者端末T1、T2の表示部に表示される。処理部33は、アプリケーション設定画面GUI1を用いて設定されたアプリケーションAPの設定、アプリケーション作成画面GUI2を用いて作成された表示画面IDの骨子に基づいてアプリケーションAPを生成し、記憶部31に記憶する。
【0050】
(4)利用者端末の具体的構成
以下、
図3を用いて、利用者端末の具体的構成を説明する。
図3は、利用者端末の具体的構成を示す図である。利用者端末T1と利用者端末T2とはほぼ同じ構成を有する。利用者端末T1、T2は、処理部41と、記憶部43と、表示部45と、入力部47と、を有する。
【0051】
処理部41は、CPUなどにより構成され、記憶部43に記憶されたプログラムを実行することで、利用者端末T1、T2の各種機能を実現する。具体的には、処理部41は、実績データ管理サーバ3が保有するアプリケーションAPを実行する。記憶部43は、RAM、ROM、HDD、SSDなどの記憶装置により構成され、利用者端末T1、T2を動作させるための各種設定、パラメータ、利用者端末T1、T2の機能を実現するためのプログラム等を記憶する。
【0052】
表示部45は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等により構成される表示装置であり、アプリケーションAPの表示画面ID1、各種情報などを表示する。入力部47は、タッチパネル、キーボードなどの各種情報を入力するための入力装置である。
【0053】
(5)アプリケーションの具体例
以下、
図4を用いて、実績データ管理システム100にて用いられるアプリケーションAPの具体例を説明する。
図4は、アプリケーションの表示画面の一例を示す図である。なお、以下に説明するアプリケーションAPは、実績データ管理システム100で用いられるアプリケーションAPの一部であり、以下に説明する以外のアプリケーションAPも実績データ管理システム100では自由に作成し使用できる。
【0054】
図4に示すアプリケーションAPは、設備のトラブルに関する実績データDを入力するためのアプリケーションである。このアプリケーションAPの表示画面ID1は、入力フォームIF1~IF6と、項目名表示部ITM1~ITM6と、ボタンB1、B2と、を有する。
【0055】
入力フォームIF1~IF6は、各種情報を入力するためのフォームである。入力フォームIF1は、このアプリケーションAPを用いて入力する実績データDの大分類を入力するためのフォームである。入力フォームIF2は、このアプリケーションAPを用いて入力する実績データDの小分類を入力するためのフォームである。入力フォームIF3は、所定の作業を行った設備の箇所を入力するためのフォームである。入力フォームIF4は、所定の作業の作業区分を入力するためのフォームである。入力フォームIF5は、故障の発生した部位を入力するためのフォームである。入力フォームIF6は、発生した故障の区分を入力するためのフォームである。
【0056】
項目名表示部ITM1~ITM6は、対応する入力フォームIF1~IF6の近傍に配置され、対応する入力フォームを用いて入力する情報の項目名を表示する。
【0057】
ボタンB1は、入力フォームIF1~IF6に入力された情報を含む実績データDを、「仮登録」にて実績データ管理サーバ3に登録することを指令するボタンである。ボタンB2は、入力フォームIF1~IF6に入力された情報を含む実績データDを、「登録」にて実績データ管理サーバ3に登録することを指令するボタンである。
【0058】
(6)アプリケーション作成プログラム
(6-1)概略
以下、
図5及び
図6を用いて、アプリケーションAPを作成するためのアプリケーション作成プログラムを説明する。
図5は、アプリケーション設定画面の一例を示す図である。
図6は、アプリケーション作成画面の一例を示す図である。アプリケーション作成プログラムは、利用者端末T1、T2の表示部に、
図5に示すようなアプリケーション設定画面GUI1、又は、
図6に示すようなアプリケーション作成画面GUI2を表示させる。アプリケーション設定画面GUI1は、アプリケーションAPの設定をするためのユーザインタフェースである。アプリケーション作成画面GUI2は、アプリケーションAPにて表示される表示画面IDの骨子を作成するためのユーザインタフェースである。アプリケーションAPは、アプリケーション設定画面GUI1を用いて設定されたアプリケーションAPの設定と、アプリケーション作成画面GUI2を用いて作成された表示画面IDの骨子と、に基づいて生成される。
【0059】
アプリケーション作成プログラムは、アプリケーション設定画面GUI1、アプリケーション作成画面GUI2の上部に設けられたタブTAB1、TAB2の切替により、アプリケーション設定画面GUI1又はアプリケーション作成画面GUI2を表示させる。タブTAB1が選択されたときには、アプリケーション設定画面GUI1が利用者端末T1、T2の表示部に表示される。一方、タブTAB2が選択されたときには、アプリケーション作成画面GUI2が利用者端末T1、T2の表示部に表示される。
【0060】
(6-2)アプリケーション設定画面
図5を用いて、アプリケーション設定画面GUI1を説明する。アプリケーション設定画面GUI1は、入力フォームIF7~IF18と、チェックボックスCBと、項目名表示部ITM7~ITM16と、保存ボタンB5と、キャンセルボタンB6と、を有する。
【0061】
入力フォームIF7は、アプリケーションAPの名称を設定するためのフォームである。入力フォームIF8は、アプリケーションAPをアイコン表示する際のアイコンを選択するためのフォームである。入力フォームIF8では、選択可能なアイコンがリスト表示され、その中から所望のアイコンを選択する。入力フォームIF9は、実績データDを仮登録として登録可能とするか否かを設定するためのフォームである。入力フォームIF9では、仮登録を可能とするか否かを「YES」「NO」で表し、「YES」を選択した場合にはアプリケーションAPで仮登録を可能とし、「NO」を選択した場合にはアプリケーションAPで仮登録をできなくする。
【0062】
入力フォームIF10は、アプリケーションAPを使用可能とするユーザグループを設定するためのフォームである。入力フォームIF11は、アプリケーションAPの表示色を設定するためのフォームである。入力フォームIF11では、選択可能な表示色がリスト表示され、その中から所望の表示色を選択する。入力フォームIF12は、アプリケーションAPの自動スクロールを可能とするか否かを設定するためのフォームである。入力フォームIF12では、自動スクロールを可能とするか否かを「ON」「OFF」で表し、「ON」を選択した場合には自動スクロールを可能とし、「OFF」を選択した場合には自動スクロールを不可能とする。
【0063】
入力フォームIF13~IF17と、チェックボックスCBは、実績データDの登録件数に関する通知をする条件を入力するためのものである。具体的には、入力フォームIF13は、実績データDの登録件数に関する通知を行うユーザグループを設定するためのフォームである。この入力フォームIF13では、ユーザグループをリストから選択可能となっている。入力フォームIF14は、通知のメッセージ内容を設定するためのフォームである。チェックボックスCBは、実績データDの登録件数の監視を行う曜日を設定するためのフォームである。入力フォームIF15は、実績データDの登録件数の監視を開始する時刻(時分)を設定するためのフォームである。入力フォームIF16は、実績データDの登録件数の監視を終了する時刻を設定するためのフォームである。入力フォームIF17は、実績データDの登録件数の閾値と、その閾値「より大きい」ときに通知をするか、又は、閾値「より小さい」ときに通知をするかを設定するためのフォームである。
【0064】
アプリケーションAPは、実行中に、チェックボックスCBにてチェックされた曜日に、入力フォームIF15にて設定された開始時刻から入力フォームIF16にて設定された終了時刻までの期間内に、実績データDの登録件数が入力フォームIF17にて設定された閾値よりも大きいか又は小さいときに、入力フォームIF14で設定された内容の通知を、入力フォームIF13にて設定されたユーザグループに通知できる。
【0065】
項目名表示部ITM7~ITM16は、対応する入力フォームIF7~IF17又はチェックボックスCBの近傍に配置され、対応する入力フォーム又はチェックボックスCBを用いて入力する情報の項目名を表示する。
【0066】
保存ボタンB5は、アプリケーション設定画面GUI1を用いて設定されたアプリケーションAPの設定と、アプリケーション作成画面GUI2を用いて作成された表示画面IDの骨子と、に基づいてアプリケーションAPを生成し、生成したアプリケーションAPを実績データ管理サーバ3の記憶部31に保存するためのボタンである。キャンセルボタンB6は、アプリケーション作成プログラムを用いたアプリケーションAPの作成を中止するためのボタンである。
【0067】
アプリケーション設定画面GUI1には、実績データDの登録件数に関する通知をする上記以外の条件項目を設定するためのフォームがさらに設けられていてもよい。これにより、任意の条件による登録件数に関する通知(すなわち、設備の監視)を容易に実現できる。
【0068】
例えば、アプリケーション設定画面GUI1において、監視対象とする実績データDの内容を特定するための入力フォームを追加することで、特定の内容を示す実績データDの登録件数が、所定の閾値よりも大きいか、又は、小さいときに通知をするとの条件を設定できる。この結果、監視対象とする登録件数に実績データの内容に関する制限を設けて、精密な登録件数に関する通知(設備の監視)を実現できる。
【0069】
また、例えば、アプリケーション設定画面GUI1において、実績データDの仮登録件数を監視対象とすることを設定する入力フォーム、チェックボックス等が追加されてもよい。これにより、仮登録の実績データDの登録件数が、所定の閾値よりも大きいか、又は、小さいときに通知をするとの条件を設定できる。この結果、監視対象とする登録件数に仮登録の実績データ又は(正式)登録された実績データであるかの制限を設けて、精密な登録件数に関する通知(設備の監視)を容易に実現できる。
【0070】
さらに、例えば、アプリケーション設定画面GUI1において、入力フォームIF17と同様の閾値を設定する入力フォームを追加することで、2つの閾値による条件を設定することもできる。例えば、実績データDの登録件数が、第1閾値よりも大きく、かつ、第2閾値よりも小さいときに通知をするとの条件を設定できる。この結果、2つの閾値による精密な登録件数に関する通知(設備の監視)を容易に実現できる。
【0071】
また、アプリケーション設定画面GUI1において、入力フォームIF13~IF17、チェックボックスCBの一部が省略されていてもよい。これにより、さらに異なる条件による通知を実現することもできる。
【0072】
(6-3)アプリケーション作成画面
図6を用いて、アプリケーション作成画面GUI2を説明する。アプリケーション作成画面GUI2は、部品リスト表示部PLと、部品配置領域FI1と、保存ボタンB5と、キャンセルボタンB6と、を有する。部品リスト表示部PLは、部品配置領域FI1に配置できる部品PAのリストを表示する。部品配置領域FI1に配置された部品PAは、アプリケーションAPの表示画面IDでは、入力フォーム、チェックボックスなどの情報を入力するための入力インタフェースに変換される。
【0073】
部品配置領域FI1は、部品PAを配置するための領域である。部品配置領域FI1は、アプリケーションAPの表示画面IDに対応する。部品配置領域FI1の上部には、ヘッダー部品PA’が予め配置されている。ヘッダー部品PA’には、表示画面IDのヘッダー部分(上部)に表示する内容を設定する。
【0074】
部品リスト表示部PLに表示された部品PAは、例えば、ドラッグ・アンド・ドロップ操作により部品配置領域FI1の所望の位置に移動して配置できる。部品PAは、アプリケーションAPでは、入力インタフェースなどのアプリケーションAPの機能を実現するための要素に対応する。部品配置領域FI1における部品PAの配置位置は、アプリケーションAPの生成時に、表示画面IDに反映される。つまり、部品配置領域FI1における部品PAの配置と、
図6の表示画面IDにおける要素の配置は同じとなる。
【0075】
部品配置領域FI1に配置された部品PAには、タイトルTIと、部品削除ボタンB8と、部品編集ボタンB9と、部品複製ボタンB10と、が配置される。タイトルTIは、部品PAの名称を表す。部品削除ボタンB8は、部品PAを部品配置領域FI1から削除するためのボタンである。
【0076】
部品編集ボタンB9は、部品PAに対して各種設定をするためのボタンである。部品編集ボタンB9が押されると、部品PAを詳細設定するための設定画面(図示せず)が表示される。ユーザは、この設定画面内で部品PAに対して各種設定を行うことで、アプリケーションAPに含まれる各要素の詳細設定を行うことができる。なお、タイトルTIの内容も、この設定画面内で設定できる。部品複製ボタンB10は、部品PAを複製するためのボタンである。なお、ヘッダー部品PA’には、部品編集ボタンB9のみが配置される。
【0077】
保存ボタンB5とキャンセルボタンB6の機能については、上記で説明したので、ここでは説明を省略する。
【0078】
(6-4)アプリケーションの生成
アプリケーション設定画面GUI1又はアプリケーション作成画面GUI2の保存ボタンB5が押されると、アプリケーション設定画面GUI1を用いて設定されたアプリケーションAPの設定と、アプリケーション作成画面GUI2を用いて作成された表示画面IDの骨子と、に基づいてアプリケーションAPが生成される。具体的には以下の処理が実行される。
【0079】
まず、アプリケーション設定画面GUI1を用いて設定した設定内容と、アプリケーション作成画面GUI2を用いて作成した部品PAを配置した部品配置領域FI1とが、実績データ管理サーバ3の処理部33に送信される。次に、処理部33が、受信した設定内容に従ってアプリケーションAP用のプログラム及び設定ファイル等を生成する。また、処理部33は、部品配置領域FI1をアプリケーションAPの表示画面IDに変換し、部品配置領域FI1に配置された部品PAを、対応する要素に変換して、表示画面IDに配置する。さらに、処理部33は、部品PAのタイトルTIを項目名表示部に変換して、表示画面IDに配置する。この後、処理部33は、上記のようにして生成したアプリケーションAPを、記憶部31に記憶する。
【0080】
このように、アプリケーション設定画面GUI1及びアプリケーション作成画面GUI2を用いることにより、ユーザは、システム及びプログラムについて高度な知識を有さなくとも、アプリケーションAPに必要な設定を行い、部品リスト表示部PLから選択された任意の部品PAを部品配置領域FI1の任意の位置に配置するとの簡単な方法により、所望のアプリケーションAPを作成できる。また、アプリケーション設定画面GUI1を用いて実績データDの登録件数に関する通知の設定を行うだけで、ユーザは、システム及びプログラムについて高度な知識を有さなくとも、実績データDの登録件数に関する通知を容易に実現できる。
【0081】
(7)実績データ管理システムの動作
(7-1)通知条件の設定動作
以下、実績データ管理システム100の動作を説明する。特に、実績データ管理システム100において、実績データDの登録件数に関する通知を利用者端末T1、T2に通知する動作を説明する。実績データDの登録件数に関する通知は、(i)利用者端末T1、T2を用いた通知条件の設定、(ii)設定された通知条件に基づいた実績データDの登録件数に関する通知、により実現される。
【0082】
従って、まず、
図7を用いて、通知条件の設定動作を説明する。
図7は、通知条件の設定動作を示すフローチャートである。通知条件の設定は、アプリケーションAPの生成時に行う。詳細には、以下の処理を実行する。まず、利用者端末T1、T2を使用する作業者が、利用者端末T1、T2を用いて、実績データ管理サーバ3にログインする(ステップS11)。
【0083】
実績データ管理サーバ3にログイン後、利用者端末T1、T2を用いてアプリケーションAPを作成することで、通知条件の設定を行う(ステップS12)。詳細には、以下の処理が実行される。まず、利用者端末T1、T2上でアプリケーション生成プログラムを実行することで、アプリケーション設定画面GUI1を利用者端末T1、T2の表示部に表示させ、通知条件の設定を行う。より詳細には、アプリケーション設定画面GUI1の入力フォームIF13に、実績データDの登録件数に関する通知をするユーザグループを入力する。入力フォームIF14に、通知のメッセージ内容を入力する。チェックボックスCBにて、実績データDの登録件数の監視を行う曜日を選択する。入力フォームIF15、IF16に、実績データDの登録件数の監視を開始する時刻と終了する時刻とを入力する。入力フォームIF17に、実績データDの登録件数の閾値を入力し、その閾値を上回るときに通知をするか、下回るときに通知をするかを設定する。
【0084】
また、アプリケーション設定画面GUI1において、アプリケーションAPのアプリケーション名などの必要な設定を行う。その後、アプリケーション作成画面GUI2を利用者端末T1、T2の表示部に表示させ、アプリケーションAPの表示画面IDの骨子(すなわち、必要な部品PAを配置した部品配置領域FI)を作成する。
【0085】
アプリケーションAPの設定と表示画面IDの骨子の作成後、保存ボタンB5を押すことで、アプリケーション設定画面GUI1を用いて設定した設定内容と、アプリケーション作成画面GUI2を用いて作成した部品PAを配置した部品配置領域FI1と、に基づいてアプリケーションAPが生成される。このとき、アプリケーション設定画面GUI1を用いて設定された通知条件に基づいて、通知条件NCが生成される。通知条件NCは、生成したアプリケーションAPに関連付けられて記憶部31に記憶される。
【0086】
その後、ステップS12で生成したアプリケーションAPを実行して、実績データDの登録件数に関する通知を開始させる(ステップS13)。詳細には、以下の処理が実行される。アプリケーションAPの生成後、
図8に示すような開始画面GUI3を、利用者端末T1、T2の表示部に表示させる。
図8は、開始画面の一例を示す図である。開始画面GUI3には、ログインした作業者が使用可能なアプリケーションAPを示すアイコンが表示される。
【0087】
次に、開始画面GUI3に配置されたアイコンに対して操作(例えば、クリック、アイコンを押す動作)をすることで、所望のアプリケーションAPを実行する。詳細には、以下の処理を経てアプリケーションAPが実行される。
【0088】
例えば、開始画面GUI3のアイコンICO1に対して操作がなされると、利用者端末T1、T2が、アイコンICO1に対応するアプリケーションAPの実行要求を実績データ管理サーバ3に送信する。当該実行要求を受信した実績データ管理サーバ3は、記憶部31に記憶された複数のアプリケーションAPからアイコンICO1に対応するアプリケーションAPを選択し、それを利用者端末T1、T2に提供する。
【0089】
アプリケーションAPの提供を受けた利用者端末T1、T2は、当該アプリケーションAPを実行することで、利用者端末T1、T2の表示部に、
図4に示すような表示画面ID1を表示させる。また、アプリケーションAPが実行されることで、当該アプリケーションAPに関連付けられた実績データDの登録件数に関して、当該アプリケーションAPに関連付けられた通知条件NCに従った通知が開始される。
【0090】
(7-2)実績データ管理サーバの動作
次に、
図9を用いて、実績データDの登録件数に関する通知を行う実績データ管理サーバ3の動作を説明する。
図9は、実績データ管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【0091】
実績データ管理サーバ3の処理部33は、データ送信装置1又はアプリケーションAPを実行する利用者端末T1、T2から実績データDを受信したかを判断する(ステップS21)。実績データDを受信していない場合(ステップS21で「No」)、実績データ管理サーバの動作は、ステップS23に進む。実績データDを受信した場合(ステップS21で「Yes」)、処理部33は、受信した実績データDを記憶部31に記憶して登録する(ステップS22)。
【0092】
実績データDを登録する際に、処理部33は、実績データDがいずれの設備に関するどの目的のためのデータであるかを判断する。この判断は、例えば、実績データDの送信元であるデータ送信装置1の識別情報、アプリケーションAPの種類等に基づいて行うことができる。その後、処理部33は、受信した実績データDを、同一の設備に関する同一目的のためのアプリケーションAPに関連付けて記憶部31に記憶する。具体的には、例えば、受信した実績データDが、設備Aのトラブルに関するデータである場合、処理部33は、この実績データDを、設備Aのトラブルに関する目的に用いられるアプリケーションAPに関連付けて記憶部31に記憶する。このようにして、実績データ管理サーバ3は、実績データDをアプリケーションAP単位で管理できる。実績データDの登録を実行後、実績データ管理サーバ3の動作は、ステップS23に進む。
【0093】
ステップS23において、処理部33は、現在が、実績データDの登録件数に関する通知をするタイミングであるか否かを判断する。詳細には、記憶部31に記憶されている通知条件NCを参照し、現在が、実績データDの登録件数の監視を行う曜日であり、かつ、監視の開始時刻と終了時刻との間の時刻であるか否かを判断する。
【0094】
現在が、実績データDの登録件数に関する通知をするタイミングでない場合(ステップS23で「No」)、実績データ管理サーバ3の動作は、ステップS21に戻る。すなわち、実績データ管理サーバ3に実績データDが送信されてきた場合には、それを登録する処理を継続して実行する。
【0095】
一方、現在が、実績データDの登録件数に関する通知をするタイミングである場合(ステップS23で「Yes」)、処理部33は、実績データDの登録件数が通知条件NCに記憶されている条件と合致するか否かを判断する(ステップS24)。具体的には、処理部33は、実績データDの現在の登録件数を計数し、計数した登録件数が、通知条件NCに記憶されている閾値よりも大きいか、又は、小さいかを判断する。
【0096】
実績データDの登録件数が通知条件NCに記憶されている条件と合致しない場合(ステップS24で「No」)、実績データ管理サーバ3の動作は、ステップS26に進む。
【0097】
一方、実績データDの登録件数が通知条件NCに記憶されている条件と合致する場合(ステップS24で「Yes」)、すなわち、実績データDの登録件数が閾値よりも大きいか又は小さい場合、処理部33は、通知条件NCに記憶されているユーザグループに対して、登録件数が閾値を上回っている及び/又は下回っている旨を通知する(ステップS25)。具体的には、処理部33は、入力フォームIF7にて指定されたユーザグループに属する作業者の利用者端末T1、T2に、入力フォームIF8にて指定した内容のメッセージを送信する。
【0098】
ステップS25において、処理部33は、通知条件NCに記憶されているユーザグループに属し、実績データ管理サーバ3にログインしているログインユーザ(作業者)が使用する利用者端末T1、T2に、上記の通知を行う。これにより、許可された作業者に対してのみ上記の通知がなされるので、実績データ管理システム100のセキュリティを向上できる。上記の通知後、実績データ管理サーバ3の動作は、ステップS26に進む。
【0099】
ステップS26において、実績データ管理サーバ3の動作を停止するか否かを判断する。実績データ管理サーバ3の動作を継続する場合(ステップS26で「No」)、実績データ管理サーバ3の動作は、ステップS21に戻る。すなわち、上記のステップS21~S25が実績データ管理サーバ3で繰り返し実行される。一方、実績データ管理サーバの動作を停止する場合(ステップS26で「Yes」)、実績データ管理サーバ3は停止する。
【0100】
実績データ管理サーバ3が上記のステップS21~S26を実行することにより、実績データ管理システム100では、実績データ管理サーバ3に登録された実績データDの登録件数が、第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、利用者端末T1、T2にその旨を通知している。
【0101】
実績データDの登録件数が第1閾値よりも大きくなった場合にその旨を利用者端末T1、T2に通知することで、利用者端末T1、T2を使用する作業者は、例えば、実績データDが取得された設備に不具合が起こりやすいと判断できる。その一方、実績データDの登録件数が第2閾値よりも小さくなった場合にその旨を利用者端末T1、T2に通知することで、作業者は、例えば、設備にトラブルが発生して実績データを得られなくなっていると判断できる。
【0102】
2.実施形態の特徴
上記実施形態は、下記のようにも説明できる。
(1)実績データ管理システム(例えば、実績データ管理システム100)は、データ送信装置(例えば、データ送信装置1)と、利用者端末(例えば、利用者端末T1、T2)と、実績データ管理サーバ(例えば、実績データ管理サーバ3)と、を備える。データ送信装置は、設備に関する実績データ(例えば、実績データD)を送信する。利用者端末は、ユーザ(例えば、作業者)が使用する端末である。実績データ管理サーバは、データ送信装置から送信された実績データを受信して登録する。このシステムにおいて、実績データ管理サーバは、設備に関する複数のアプリケーション(例えば、アプリケーションAP)を保有している。このアプリケーションは、利用者端末上で実行可能である。また、実績データ管理サーバは、実績データの登録件数をアプリケーション単位で管理する。
【0103】
また、実績データ管理サーバは、実績データの登録件数が、第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、利用者端末に、登録件数が閾値を上回っている及び/又は下回っている旨を通知する。上記の第1閾値及び第2閾値は、登録件数を管理するアプリケーションを実行する利用者端末を用いて設定可能である。
【0104】
上記の実績データ管理システムでは、実績データの登録件数が、設備に関するアプリケーション単位で管理されている。また、通知をするか否かを決定する閾値が、実績データの登録件数を管理するアプリケーションを実行する利用者端末を用いて設定可能となっている。上記の実績データ管理システムでは、設備に関するアプリケーションを、ユーザが容易に作成できる。このため、上記の実績データ管理システムでは、システム及びプログラムに関する高度な知識を有さないユーザが、自身が必要とするアプリケーションを作成し、このアプリケーションを用いて、所望する設備の監視を容易に行うことができる。
【0105】
また、上記の実績データ管理システムでは、実績データ管理サーバに登録された実績データの登録件数が、第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、利用者端末にその旨を通知している。実績データの登録件数が第1閾値よりも大きくなった場合にその旨を利用者端末に通知することで、利用者端末を使用するユーザは、例えば、実績データが取得された設備に不具合が起こりやすいと判断できる。その一方、実績データの登録件数が第2閾値よりも小さくなった場合にその旨を利用者端末に通知することで、ユーザは、例えば、設備にトラブルが発生して実績データを得られなくなっていると判断できる。
【0106】
このように、上記の実績データ管理システムでは、実績データの登録件数が閾値よりも大きくなったか小さくなったかを通知するとの容易な方法により、設備の監視を行うことができる。
【0107】
(2)上記(1)の実績データ管理システムにおいて、実績データ管理サーバは、実績データの登録件数が、所定の期間内に第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、利用者端末に、上記の通知をしてもよい。この場合、所定の期間は、実績データの登録件数を管理するアプリケーションを実行する利用者端末を用いて設定可能であってもよい。これにより、監視対象とする登録件数に期間の制限を設けて、精密な監視を容易に実現できる。
【0108】
(3)上記(1)又は(2)の実績データ管理システムにおいて、上記の通知は、実績データ管理サーバにログインしているログインユーザが使用する利用者端末に通知されてもよい。これにより、許可されたユーザに対してのみ通知がなされるので、実績データ管理システムのセキュリティを向上できる。
【0109】
(4)上記(1)~(3)の実績データ管理システムにおいて、実績データ管理サーバは、実績データのうち特定の内容を示す実績データの登録件数が、所定の閾値よりも大きくなった、及び/又は、所定の閾値よりも小さくなったと判断した場合に、通知をしてもよい。これにより、監視対象とする登録件数に実績データの内容に関する制限を設けて、精密な設備の監視を容易に実現できる。
【0110】
(5)上記(1)~(4)の実績データ管理システムにおいて、実績データ管理サーバは、仮登録された実績データと、登録された実績データと、を区別して管理してもよい。このように、実績データをその登録状態で区別して管理することで、監視対象とする登録件数に仮登録の実績データ又は(正式)登録された実績データであるかの制限を設けて、精密な設備の監視を容易に実現できる。
【0111】
(6)実績データ管理方法は、データ送信装置と、利用者端末と、実績データ管理サーバと、を備える実績データ管理システムにおける実績データ管理方法である。利用者端末は、ユーザが使用する端末である。実績データ管理サーバは、設備に関する複数のアプリケーションを保有する。アプリケーションは、利用者端末上で実行可能である。実績データ管理方法は、以下のステップを備える。
◎データ送信装置が、設備に関する実績データを送信するステップ(例えば、ステップS21)。
◎実績データ管理サーバが、データ送信装置から送信された実績データを受信して登録するステップ(例えば、ステップS21~S22)。
◎実績データ管理サーバが、実績データの登録件数が、第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、利用者端末に、登録件数が所定の閾値を上回っている及び/又は下回っている旨を通知するステップ(例えば、ステップS23~S25)。
【0112】
上記の実績データ管理方法において、実績データ管理サーバは、実績データの登録件数をアプリケーション単位で管理している。また、通知をするか否かを決定する閾値が、実績データの登録件数を管理するアプリケーションを実行する利用者端末を用いて設定可能となっている。
【0113】
上記の実績データ管理方法では、実績データの登録件数が、設備に関するアプリケーション単位で管理されている。また、通知をするか否かを決定する閾値が、実績データの登録件数を管理するアプリケーションを実行する利用者端末を用いて設定可能となっている。上記の実績データ管理方法では、設備に関するアプリケーションを、ユーザが容易に作成できる。このため、上記の実績データ管理方法では、システム及びプログラムに関する高度な知識を有さないユーザが、自身が必要とするアプリケーションを作成し、このアプリケーションを用いて、所望する設備の監視を容易に行うことができる。
【0114】
また、上記の実績データ管理方法では、実績データ管理サーバに登録された実績データの登録件数が、第1閾値よりも大きくなった、及び/又は、第2閾値よりも小さくなったと判断した場合に、利用者端末にその旨を通知している。実績データの登録件数が第1閾値よりも大きくなった場合にその旨を利用者端末に通知することで、利用者端末を使用するユーザは、例えば、実績データが取得された設備に不具合が起こりやすいと判断できる。その一方、実績データの登録件数が第2閾値よりも小さくなった場合にその旨を利用者端末に通知することで、ユーザは、例えば、設備にトラブルが発生して実績データを得られなくなっていると判断できる。
【0115】
このように、上記の実績データ管理方法では、実績データの登録件数が閾値よりも大きくなったか小さくなったかを通知するとの容易な方法により、設備の監視を行うことができる。
【0116】
3.他の実施形態
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)上記の第1実施形態において説明されたフローチャートに含まれる各ステップの処理順及び/又は処理内容は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更できる。
【0117】
(B)アプリケーションAPは、実績データ管理サーバ3から提供されるWebアプリケーションに限られず、利用者端末T1、T2において独立して実行可能な形式のアプリケーションであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、各種設備に関する実績データを管理する実績データ管理システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0119】
100 :実績データ管理システム
1 :データ送信装置
3 :実績データ管理サーバ
31 :記憶部
33 :処理部
T1、T2 :利用者端末
41 :処理部
43 :記憶部
45 :表示部
47 :入力部
AP :アプリケーション
D :実績データ
NC :通知条件