(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157811
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】ブックカバー
(51)【国際特許分類】
B42D 3/18 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
B42D3/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022077252
(22)【出願日】2022-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】522180167
【氏名又は名称】丸山 ともみ
(72)【発明者】
【氏名】丸山 ともみ
(57)【要約】
【課題】書籍への脱着が容易で、かつ一部分が破損した場合であっても全てを交換したり再購入したりする必要のないブックカバーを提供する。
【解決手段】書籍100の表紙回りを覆うように構成され、表紙回りにおける表表紙101及び裏表紙102のいずれか一方を覆う部材11と、表表紙101及び裏表紙102の他方を覆う部材12と、表紙回りにおける背表紙103の対向部分において部材11及び部材12の連結及び連結解除を行うための連結部13とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書籍の表紙回りを覆うブックカバーであって、
前記表紙回りにおける表表紙及び裏表紙のいずれか一方を覆う第1の部材と、前記表表紙及び前記裏表紙の他方を覆う第2の部材と、前記表紙回りにおける背表紙の対向部分において前記第1の部材及び前記第2の部材の連結及び連結解除を行うための連結部とを備えて構成されているブックカバー。
【請求項2】
前記第1の部材及び前記第2の部材は、同一形状に形成されている請求項1記載のブックカバー。
【請求項3】
前記連結部は、連結金具、ファスナー、面ファスナー、磁石の1種以上を備えて構成されている請求項1記載のブックカバー。
【請求項4】
前記第1の部材及び前記第2の部材は、少なくとも一部が互いに重なり合って前記背表紙を覆うように構成されている請求項1記載のブックカバー。
【請求項5】
前記第1の部材及び前記第2の部材における前記背表紙の対向部分は、長さ方向の中間部位部において切れ込みよって2つの分割片にそれぞれ分割され、
前記第1の部材における前記2つの分割片の一方、及び前記第2の部材における前記2つの分割片の一方には互いに係合する前記連結部としての第1の係合部が設けられ、前記第1の部材における前記2つの分割片の他方、及び前記第2の部材における前記2つの分割片の他方には互いに係合する前記連結部としての第2の係合部が設けられている請求項4記載のブックカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書籍の表紙回りを覆うブックカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のブックカバーとして、下記特許文献1に開示されたブックカバーが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
書籍の持ち運びや傷等防止の観点から、特許文献1に開示されているような一般的なブックカバーが多種多様な素材で開発されてきた。しかしながら、従来のブックカバーは、書籍の表紙回りを1つの部材で覆う作りで簡単な脱着ができない構造であり、またブックカバーの一部分が破損しただけで全てを交換したり再購入したりする必要があった。
【0005】
本考案は、上記の課題に鑑みて、書籍への脱着が容易で、かつ一部分が破損した場合であっても全てを交換したり再購入したりする必要のないブックカバーを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係るブックカバーは、書籍の表紙回りを覆うブックカバーであって、前記表紙回りにおける表表紙及び裏表紙のいずれか一方を覆う第1の部材と、前記表表紙及び前記裏表紙の他方を覆う第2の部材と、前記表紙回りにおける背表紙の対向部分において前記第1の部材及び前記第2の部材の連結及び連結解除を行うための連結部とを備えて構成されている。
【0007】
また、請求項2記載のブックカバーは、請求項1記載のブックカバーにおいて、前記第1の部材及び前記第2の部材は、同一形状に形成されている。
【0008】
また、請求項3記載のブックカバーは、請求項1記載のブックカバーにおいて、前記連結部は、連結金具、ファスナー、面ファスナー、磁石の1種以上を備えて構成されている。
【0009】
また、請求項4記載のブックカバーは、請求項1記載のブックカバーにおいて、前記第1の部材及び前記第2の部材は、少なくとも一部が互いに重なり合って前記背表紙を覆うように構成されている。
【0010】
また、請求項5記載のブックカバーは、請求項4記載のブックカバーにおいて、前記第1の部材及び前記第2の部材における前記背表紙の対向部分は、長さ方向の中間部位部において切れ込みよって2つの分割片にそれぞれ分割され、前記第1の部材における前記2つの分割片の一方、及び前記第2の部材における前記2つの分割片の一方には互いに係合する前記連結部としての第1の係合部が設けられ、前記第1の部材における前記2つの分割片の他方、及び前記第2の部材における前記2つの分割片の他方には互いに係合する前記連結部としての第2の係合部が設けられている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ブックカバーを二分割し、表表紙及び裏表紙のいずれか一方を覆う第1の部材と、表表紙及び裏表紙の他方を覆う第2の部材と、第1の部材及び第2の部材の連結及び連結解除を行うための連結部とを備えたことにより、書籍の表表紙及び裏表紙に第1の部材及び第2の部材を別々に装着した後、書籍の背表紙の部分で連結することで、表表紙及び裏表紙の開放可動域を超えることなくブックカバーを容易に装着することができる。また、本発明によれば、ブックカバーを二分割したことにより、2つの部材の一方が破損した場合に、破損した部材だけを交換すればよいため、無駄を削減することができる。また、従来のブックカバーは、書籍の表紙回りを1つの部材で覆う作りのため、製作時に布、革などの一枚の素材を大きく切り取ったり、大きさを確保するため素材同士を複数繋ぎ合わせたりする必要があった。これに対して本発明によれば、ブックカバーを二分割した2つの部材で構成したことにより、従来の半分の大きさの素材で各部材を作製することができるため、材料コストを削減することができる。また、2つの部材で構成したことにより、素材、デザイン、価格等が互いに異なる2つの部材を利用者が自由に組み合わせることができるという今までにない価値を付加することができる。
【0012】
また、本発明によれば、第1の部材及び第2の部材を同一形状に形成したことにより、書籍の表表紙及び裏表紙を限定することなく装着したい側から装着することができる。また、連結部の構造が同一である他社製品とも連結が可能であり、製造者が限定されることなく併用性に優れている。併用性が優れていることから、多種の素材や色合いの組み合わせが自由自在で簡単に脱着ができる。素材の一例として、革、布、金属、樹脂などのある程度の厚みを持った素材から、薄手の紙ですら脱着構造を取り付けるための厚みを確保する素材を部分的に設けることにより再現や制作が可能である。
【0013】
また、本発明によれば、連結金具、ファスナー、面ファスナー、磁石の1種以上で連結部を構成したことにより、第1の部材と第2の部材とを確実かつ容易に着脱することができる
【0014】
また、本発明によれば、第1の部材及び第2の部材における前記背表紙を覆う部分の少なくとも一部が互いに重なり合うように構成したことにより、各部材の重なり合う部分に面ファスナーや磁石を取り付けることで、この部分を重ね合わせたり、重ね合わせを解除したりすることで2つの部材の連結及び連結解除を容易に行うことができる。
【0015】
また、本発明によれば、第1の部材及び第2の部材における背表紙の対向部分を2つに分割し、一方の分割片に第1の係合部を設け、他方の分割片に第2の係合部を設けたことにより、例えば、材質や色を異ならせた第1の部材及び第2の部材を連結する際に、分割片の重ね合わせの組み合わせを変えることで、デザインの変化を楽しむことが可能なブックカバーを提供することができる
【0016】
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】ブックカバー1の装着方法を説明する第1の説明図である。
【
図4】ブックカバー1の装着方法を説明する第2の説明図である。
【
図5】ブックカバー1aの構成を示す斜視図である。
【
図6】ブックカバー1bの構成を示す斜視図である。
【
図7】ブックカバー1bの構成を示す平面図である。
【
図8】ブックカバー1bの装着方法を説明する第1の説明図である。
【
図9】ブックカバー1bの装着方法を説明する第2の説明図である。
【
図10】ブックカバー1cの構成を示す斜視図である。
【
図11】ブックカバー1dの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るブックカバーの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0019】
最初に、本発明に係るブックカバーの実施例としてのブックカバー1の構成について説明する。ブックカバー1は、
図1に示すように、書籍100の表紙回り(表表紙101、裏表紙102及び背表紙103)を覆うカバーであって、部材11(第1の部材)、部材12(第2の部材)及び連結部13を備えて構成されている。
【0020】
部材11は、
図1に示すように、書籍100の表表紙101を覆うと共に、書籍100の背表紙103を覆うように構成されている。部材12は、同図に示すように、書籍100の表表紙101を覆うと共に、部材11と重なり合う状態で書籍100の背表紙103を覆うように構成されている。
【0021】
また、部材11,12には、
図2に示すように、表表紙101及び裏表紙102の各先端部を差し込んで保持させるための差込部11a,12aがそれぞれ形成されている。また、部材11,12は、同一形状に形成されている。このため、部材11で裏表紙102及び背表紙103を覆い、部材12で表表紙101及び背表紙103を覆うことも可能となっている。
【0022】
部材11,12の素材としては、一例として、革、布、金属、樹脂、紙などを用いることができる。また、素材の厚みも、厚手のものから薄手のものなど自由に選択することができる。また、複数種類の素材を組み合わせて使用することもできる。
【0023】
連結部13は、
図1に示すように、書籍100を覆った状態において書籍100の背表紙103に対向する部分において部材11,12の連結及び連結解除を行うための部材であって、
図2に示すように、部材11,12の端部にそれぞれ取り付けられた磁石で構成されている。
【0024】
次に、ブックカバー1の装着方法について図面を参照して説明する。
【0025】
このブックカバー1を書籍100に装着する際には、部材11,12のいずれか一方(例えば、部材11)を書籍100の表表紙101及び裏表紙102の一方(例えば、表表紙101)に装着する。具体的には、
図3に示すように、表表紙101の先端部を部材11の差込部11aに差し込む。これにより、書籍100の表表紙101及び背表紙103が部材11によって覆われる。
【0026】
次いで、部材12(部材11,12の他方)を裏表紙102(表表紙101及び裏表紙102の他方)に装着する。具体的には、
図4に示すように、裏表紙102の先端部を部材12の差込部12aに差し込む。これにより、裏表紙102が部材12によって覆われると共に、書籍100の背表紙103が部材11と重なり合う状態で部材12によって覆われる。また、部材11,12における背表紙103に対向する部分(部材11,12が重なり合う部分)にそれぞれ取り付けられている連結部13としての磁石同士が吸着し合い、これにより
図1に示すように部材11,12が連結される。以上で書籍100へのブックカバー1の装着が完了する。
【0027】
このように、このブックカバー1によれば、書籍100の表表紙101及び裏表紙102に部材11及び部材12を別々に装着した後、書籍100の背表紙103の部分で連結することで、ブックカバー1を容易に装着することができる。また、ブックカバー1によれば、二分割したことで、部材11,12の一方が破損した場合に、破損した部材だけを交換すればよいため、無駄を削減することができる。
【0028】
なお、上述したブックカバー1の構成は、本願のブックカバーの一例であって、適宜変更した構成を採用することができる。例えば、上述したブックカバー1では、連結部13として磁石を用いているが、磁石に代えてまたは磁石と共に、連結金具、ファスナー、面ファスナーで連結部13を構成することもできる。また、
図5に示すブックカバー1aのように、連結部13として紐を用いることもできる。
【0029】
また、
図6に示すブックカバー1bのような構成を採用することができる。このブックカバー1bでは、
図7に示すように、部材11及び部材12における書籍100の背表紙103の対向部分が、長さ方向(同図における上下方向)の中間部位部において切れ込みよって2つの分割片21a,21b及び分割片22a,22bにそれぞれ分割されている。また、部材11の分割片21a及び部材12の分割片22bには、互いに係合する係合部31a,32bが設けられ、部材11の分割片21b及び部材12の分割片22aには、互いに係合する係合部31b,32aが設けられている。この場合、係合部31a,32bは第1の係合部に相当し、係合部31b,32aは第2の係合部に相当し、それぞれ連結部として機能する。また、一例として、係合部31b,32baは突起で構成され、係合部31a,32aは係合部31b,32baを挿入可能な孔で構成されている。
【0030】
このブックカバー1bでは、
図8,9に示すように、部材11の分割片21aを部材12の分割片22bの上に重ね合わせると共に、部材12の分割片22aを部材11の分割片21bの上に重ね合わせる。次いで、分割片22bの係合部32b(突起)を分割片22bの係合部31a(孔)に係合(挿入)させると共に、分割片21bの係合部31b(突起)を分割片22aの係合部32a(孔)に係合(挿入)させる。これにより、部材11と部材12とが連結される。
【0031】
また、上述のブックカバー1では、部材11,12の一部が互いに重なり合う状態で書籍100の背表紙103を覆うように部材11,12が構成されているが、
図7,8に示すように、互いに重なり合わない状態で書籍100の背表紙103を覆うように部材11,12を構成することもできる。
【0032】
また、上述したブックカバー1では、部材11,12が、同一形状に形成されているが、互いに異なる形状に形成された部材11,12を採用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、一体型である従来の一般的なブックカバーとは異なり、分割型としたことで、ブックカバーを選択する際の選択肢が増え、これによって需要増大、ひいてはブックカバー製造関連業界の発展に寄与することができる。
【符号の説明】
【0034】
1,1a,1b,1c,1d ブックカバー
11 部材
12 部材
13 連結部
21a,21b,22a,22b 分割片
31a,31b,32a,32b 係合部
100 書籍
101 表表紙
102 裏表紙
103 背表紙