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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157813
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】潮流発電装置及び潮流発電方法
(51)【国際特許分類】
   F03B 13/26 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
F03B13/26
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022077255
(22)【出願日】2022-04-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】522180178
【氏名又は名称】関口 初美
(74)【代理人】
【識別番号】100071892
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆一
(72)【発明者】
【氏名】関口 初美
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA06
3H074AA12
3H074BB03
3H074BB15
3H074CC11
(57)【要約】
【課題】満潮に移行するときと、干潮に移行するときに同じ方向に水車を回転させ、人が海底に立って作業ができる浅瀬に設置して使用する発電装置を提供する。
【解決手段】ケーシング1の内側に水車16、発電機17及び架台15よりなる発電ユニット14を上下動可能に配設している。ケーシング1の海陸側面には夫々開口部が設けられている。開口部は海側可動壁板8と陸側可動壁板11をスライドすることで開閉するようにしている。海側可動壁板8の上部には開閉扉9を具備する潮取り込み口10が開設され、陸側可動壁板11には水車16の下方から水圧をかける為の開閉扉12を具備する潮排出口13が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潮流と直交する方向に沿う回転軸を有する水車と、水車の上方に設けられ水車の回転によって発電する発電機と、水車と発電機を支持する浮き機能を有する架台よりなる発電ユニットと、
発電ユニットを上下動可能に収納し、陸側と海側が開口され、開口縁に沿って水密に上下にスライドする海側可動壁板と陸側可動壁板を有するケーシングとよりなり、
海側可動壁板と陸側可動壁板は海中で上端部が海上に浮く様に設けられ、
海側可動壁板の上部には海側から取り込んだ潮を水車の上方から水圧をかける為の潮取り込み口が設けられ、潮取り込み口には海側からの水圧で開く開閉扉を具備し、
陸側可動壁板にはプールから排出される潮を水車の下方から水圧をかける為の潮排出口が設けられ、潮排出口にはプールからの水圧で開く開閉扉を具備したことを特徴とする潮流発電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発電装置を、浅瀬に設置された躯体間に回転軸が潮流と直交し、且つケーシングを海水中に於いても浮き上がらないように躯体に取付け、ケーシングと躯体を境として陸側は潮を貯水するためのプールとし、
満潮に移行するときは海側可動壁板と発電ユニットが潮位に応じて上昇し、潮流の圧で潮取り込み口は開口し、潮取り込み口より取り込まれた潮は水車上方から水圧をかけて水車を回転動させた後、プールに取り込まれて貯水され、
プールに取り込んだ潮が海側に排出されないように、プールの貯水量に応じて陸側可動壁板は潮排出口は閉じられた状態で上昇し、
干潮に移行するときに潮位に応じて海側可動壁板が下降し、プールの水圧により開口した潮排出口より排出される潮は水車下方から水圧をかけて水車を回転動させることで、満潮に移行するときと干潮に移行するときに発電することを特徴とする潮流発電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潮の満潮に移行するときと干潮に移行するときに水車を同じ方向に回転させて発電する潮流発電装置及び潮流発電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
【先行技術文献】
日本では発電は火力発電、水力発電、原子力発電及び風力発電が主流である。これらのうち火力発電は石炭を大量消費し地球温暖化の一因となっているとの欧米諸国からの指摘により増設は困難である。水力発電は河川にダムを構築する必要があり地元民の転出を余儀なくされ河川の自然体系も変化させるなど地域住民の反対により増設は困難である。原子力発電は東京電力福島原子力発電所の津波被害により放射能汚染等が深刻化し、地震災害の多発する日本では増設に反対の声が上っている。風力発電は回転時の低周波による付近住民からの苦情もあり、また、台風等により倒壊する危険性がある。
近年は再生エネルギーによる発電が見直されている。例えば、海洋基本法に基き海洋基本計画では管轄海域に賦存し将来のエネルギー源となる可能性のある自然エネルギーに関し、地球温暖化や異常気象対策の観点から必要な取組みや検討を進めるとして政府も前向きに取り込むこととなっている。
潮位の変化を利用し潮流を回転運動に変換することにより発電させる潮流発電は、海に囲まれた日本では好適な発電であるといえる。
潮流発電としては、内筒と外筒の二重構造にしプロペラに効率よく潮流が衝突し、回転力の向上を図るようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
集水部材の内壁で軸方向に対して傾斜して設けられたガイド板を設け、タービンブレードに入る前の水流に回転を付与し、水流の運動エネルギーをタービンブレードの回転に利用するようにして回転力の向上を図るようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
1対のパージに水平に回転軸を支持され、回転軸から放射状に延びる羽根を具備する水車の回転軸に増速機及び発電機を設け、水車の下部が海水中で潮流を受けて回転するようにしパージが一定水域に停留するようにアンカーを設けた小型化及び軽量化を図った発電装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3に発明であると、一方のパージに増速機と発電機を設けているので回転軸が傾斜する等の不安定要素があるという問題点があった。
水車軸から最も離隔した最上点で水車軸が最も接近するように羽根を径方向に往復させた構成の発電装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特許文献4の発明であると、海中に支柱を立設するか、アンカーで係留する必要性があり、装置全体を常時海中に設けている必要性があり、沖合いでの使用しかできずメンテナンスの際には船で沖合いまで行くため面倒であるという欠点があった。
下側の回転翼が凹面に水流を受けて自動的に内筒に対して開き、上側へ移動するに伴い自重と凸面側の抵抗により自動的に閉じると共に上側の一部は空中に露出しているので流体抵抗を低く抑え水流エネルギーの吸収の効率化を図ったものが提案されている(特許文献5参照)。
特許文献5に開示の発明であると、水車全体の流れの方向に反転させる制御が必要となり装置が複雑化するという欠点があった。
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-200824号公報
【特許文献2】特許第6277558号の特許公報
【特許文献3】特開2002-310054号公報
【特許文献4】特開2021-188598号公報
【特許文献5】特開2003-307173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記1~5に開示された発電装置は、発電装置自体を海中に浮かせて潮流を受けて水車を回転させる構造であるので、常時水深を有する沖合いに配される必要がある。沖合いであると潮の流れも速く、アンカーを有していても発電装置が流されたり、また、潮の圧で故障をする頻度も高い。メンテナンス作業も作業者が船を利用して沖合いに出て発電装置を回収して修理しなければならず、多大な手間を要していた。
そこで、本発明は人が立てる程度の浅瀬に設置することでメンテナンス作業を容易化し、また、簡単な構造で潮が満ちるときの潮を水車を回転しながら陸側に取り込んで貯水し、干潮になるときは貯水していた潮を海側に戻すことで水車を回転させ、満潮と干潮の移行期に発電できる潮流発電装置及び潮流発電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本願発明のうち請求項1に記載の発明は、潮流と直交する方向に沿う回転軸を有する水車と、水車の上方に設けられ水車の回転によって発電する発電機と、水車と発電機を支持する浮き機能を有する架台よりなる発電ユニットと、発電ユニットを上下動可能に収納し、陸側と海側が開口され、開口縁に沿って水密に上下にスライドする海側可動壁板と陸側可動壁板を有するケーシングとよりなり、海側可動壁板と陸側可動壁板は海中で上端部が海上に浮く様に設けられ、海側可動壁板の上部には海側から取り込んだ潮を水車の上方から水圧をかける為の潮取り込み口が設けられ、潮取り込み口には海側からの水圧で開く開閉扉を具備し、陸側可動壁板にはプールから排出される潮を水車の下方から水圧をかける為の潮排出口が設けられ、潮排出口にはプールからの水圧で開く開閉扉を具備したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は潮流発電方法であって、上記請求項1に記載の発電装置を、浅瀬に設置された躯体間に回転軸が潮流と直交し、且つケーシングを海水中に於いても浮き上がらないように躯体に取付け、ケーシングと躯体を境として陸側は潮を貯水するためのプールとし、満潮に移行するときは海側可動壁板と発電ユニットが潮位に応じて上昇し、潮流の圧で潮取り込み口は開口し、潮取り込み口より取り込まれた潮は水車上方から水圧をかけて水車を回転動させた後、プールに取り込まれて貯水され、プールに取り込んだ潮が海側に排出されないように、プールの貯水量に応じて陸側可動壁板は潮排出口は閉じられた状態で上昇し、干潮に移行するときに潮位に応じて海側可動壁板が下降し、プールの水圧により開口した潮排出口より排出される潮は水車下方から水圧をかけて水車を回転動させることで、満潮に移行するときと干潮に移行するときに発電することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
設置作業やメンテナンス作業は海辺の浅瀬で作業者が立って作業をすることができるので、乗船の必要もなく作業性の効率化を図ることができるという効果がある。
構造が単純であるので、装置の長寿命化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】潮流発電装置の正面説明図である。(実施例1)
図2】潮流発電装置の平面説明図である。(実施例1)
図3図2のA-A線断面説明図である。(実施例1)
図4図2のB-B線断面説明図である。(実施例1)
図5図2のC-C線断面説明図である。(実施例1)
図6】干潮から満潮に移行する途中の満潮時の約50%の潮位の場合における海側可動壁板が上昇を開始し潮取り込み口が開口し始めた状態の海側可動壁板、陸側可動壁板、開閉扉、発電ユニットの位置関係を示す側面から視た説明図である。(実施例1)
図7】満潮時の70%潮位の場合の海側可動壁板、陸側可動壁板、開閉扉、発電ユニットの位置関係を示す側面から視た一部切欠説明図である。(実施例1)
図8】満潮時の潮位100%潮位の場合の海側可動壁板、陸側可動壁板、開閉扉、発電ユニットの位置関係を示す側面から視た説明図である。(実施例1)
図9】干潮に移行するときの海側可動壁板、陸側可動壁板、開閉扉、発電ユニットの位置関係を示す側面から視た説明図である。(実施例1)
図10】潮流発電方法を模式的に示す平面説明図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0008】
外側からの水圧で開く開閉扉を具備する潮取り込み口と潮排出口をケーシングの海側と陸側に潮位に応じて夫々スライド可能に取り付けることで、ケーシング内に配設された発電ユニットの水車に満潮に移行するときと干潮に移行するときに水車を同一方向に回転動させることを実現した。
【実施例0009】
図面に基いて実施例1を説明する。
ケーシング1は垂直な左右側壁2、3と、開口部を有する海側側壁4と陸側側壁5よりなる有底箱状体よりなる。海側側壁4と陸側側壁5には、開口面積がほぼ同一の開口部が夫々対設されている。左右側壁2、3には、海側側壁4と所定距離を有し海側側壁4と平行な位置関係に開閉扉押さえ板6が設けられている。開閉扉押さえ板6は側壁2、3に対して90度の角度を有し、内端縁が海側側壁4の開口縁よりも内側に位置する同幅な板状物よりなり、下部は段差を有して内側に連続的に張り出して押さえ部61としている。海側側壁4と開閉扉押さえ板6との間には前後に同幅で高さ方向に延びる溝を形成する。
【0010】
側壁2、3には、陸側側壁5と所定距離を有し陸側側壁5と平行な位置関係に開閉扉押さえ板7が設けられている。開閉扉押さえ板7は側壁2、3に対して90度の角度を有し、内端縁が陸側側壁5の開口縁よりも内側に位置する同幅な板状物よりなり、下部は段差を有して切り欠き、該切り欠き部より上方の内方に張出した部分を押さえ部71としている。陸側側壁5と開閉扉押さえ板7との間には前後に同幅で高さ方向に延びる溝を形成する。
【0011】
海側側壁4と開閉扉押さえ板6との間に形成される溝には、海側可動壁板8が上下スライド可能に配設されている。海側可動壁板8は海水よりも比重の小なる材質のものよりなり、海中で浮上するようにしている。海側可動壁板8の上部には開閉扉9を具備する潮取り込み口10が開設されている。潮取り込み口10は縦幅が同幅で横幅方向に沿って開設されている。潮取り込み口10の開口縁下端には、開閉扉9の下端がケーシング1の内側方に開くように枢着されている。
【0012】
陸側側壁5と開閉扉押さえ板7との間に形成される溝には、陸側可動壁板11が上下スライド可能に配設されている。陸側可動壁板11は海水よりも比重の小なる材質のものよりなり、海中で浮上するようにしている。陸側可動壁板11には開閉扉12を具備する潮排出13が開設されている。潮排出口13は縦幅が同幅で横幅方向に沿って開設されている。潮排出口13の開口縁上端には、開閉扉12の上端がケーシング1の内側方に開くように枢着されている。
【0013】
発電ユニット14は、架台15、水車16、16及び発電機17、17より構成される。架台15は底部に浮き18を設け、発電ユニット14が海水中で浮くようにしている。水車16、16の回転軸19は、架台15に回転可能に軸架されている。架台15には、水車16、16の上方に発電機17、17が載置されている。水車16、16の回転軸19と発電機17、17の回転軸20には、無端ベルト21が懸回され、回転軸19の回転動を発電機17、17に伝達して発電するようにしている。発電機17、17には、得られた発電を送電するためのケーブル(図示省略)が接続されている。発電ユニット14は、ケーシング1の内側にて潮位に応じて上下動するように配設されている。
【0014】
図示はしていないが、海側可動壁板8は海側側壁4と水密にスライドし、陸側可動壁板11は陸側側壁5と水密にスライドするようにしている。また、潮取り込み口10に開閉扉9が水密に閉じるように設けられ、潮排出口13に開閉扉12が水密に閉じるように設けられている。具体的手段として、ゴムパッキンを用いること等が考えられる。
【0015】
本発電装置を用いた発電方法について説明する。本発電装置は設置場所や作業者に合わせて、その規模を自由に選択できる。満潮に移行するときに陸側に貯水できる十分な潮を取り込める場所であればよい。海辺の浅瀬で設置するため漁業権、船舶運航権、その他の法律による制限があるので、注意を要するが、瀬戸内海の浅瀬等が適している。
【0016】
図10に示すように、満潮時には海水が到達する浅瀬に複数個のコンクリート躯体22を用い、浜を囲むように離隔して配置する。コンクリート躯体22は左右側面が垂直面である必要がある。本発電装置は、ケーシング1の左右側壁2、3の外面がコンクリート躯体22の左右側面に密接して隣り合うコンクリート躯体22、22間に配設する。ケーシング1が海中で浮かないように、ケーシング1の上部をコンクリート躯体22に浮上防止具23で留める。25は防波堤である。
【0017】
図5に示すように、干潮時は発電ユニット14はケーシング1の底部に下降し、海側可動壁板8と陸側可動壁板11も下降している。潮が満ち始めると、海側可動壁板8は潮位に応じて上昇を開始する。開閉扉9は潮流による加圧によっても開閉扉押さえ板6の押さえ部61による反作用力で潮取り込み口10は閉じている。一層潮が満ちると、図6に示すように潮位に応じて海側可動壁板8も上昇し、潮位が開閉扉9の枢着部と略同程度の高さになると、潮流の水圧で開閉扉9が陸側方に開く。図7に示すように、潮は開口した潮取り込み口10よりケーシング1の内側に取り込まれ、水車16の上方からの水圧で水車16は海側方向周りに回転運動をし、無端ベルト21により発電機17に伝達し、発電させる。潮は水車16を回転させた後、陸側可動壁板11が最も下がった状態の陸側側壁5の開口より陸側に送り込まれる。潮は陸側のコンクリート躯体22とケーシング1で囲まれた範囲に送り込み続け、プール24の貯水量を増量させていく。
【0018】
満潮に到達すると、満潮に移行する際の潮取り込み口10から取り込んだ潮で、プール24の水位も、ケーシング1の内側の水位も潮位と同じになる。図8に示すように、海側可動壁板8の上端部と、陸側可動壁板11の上端部と、発電ユニット14の浮き18は、潮位と略同じ高さに浮上する。水車16は潮取り込み口10よりも上方に位置するので、回転しないで停止する。満潮時には発電しない。陸側可動壁板11は上昇状態下で、開閉扉12に対しプール24の水圧が海側方向に負荷し、開閉扉12は開閉扉押さえ板7の押さえ部71の反作用力で潮排出口13を水密に閉じる。
【0019】
潮が引き始めると、ケーシング1の内側の潮も海に排出され潮位の低下により、海側可動壁板8は下降を開始する。同時に発電ユニット14も下降を開始する。続いて、陸側可動壁板11も下降開始し、開閉扉12が押さえ部71の下方の切り欠き部に移動すると、開閉扉12はプール24の水圧で潮排出口13を開口する。プール24に貯水されていた潮は、潮排出口13よりケーシング1の内側に配設される水車16に下方から水圧をかけ、水車16を回転させる。潮は水車16を回転させた後に、海側側壁4の開口部から海へ排出される。陸側可動壁板11は、プール24の水位に応じて下降する。図5に示すように、干潮時は陸側可動壁板11、海側可動壁板8及び発電ユニット14は最も低下し、水車16は回転しない。干潮時には発電しない。
【0020】
実施例1で示される発電装置は、満潮時と干潮時は発電しない。潮位が満潮時の約70%以下のときの満潮に移行するときと、干潮に移行するときに同じ方向に水車を回転させて発電させるものである。
【符号の説明】
【0021】
1 ケーシング
4 海側側壁
5 陸側側壁
8 海側可動壁板
9、12 開閉扉
10 潮取り込み口
11 陸側可動壁板
13 潮排出口
14 発電ユニット
15 架台
16 水車
17 発電機
19 回転軸
22 躯体
24 プール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
潮流と直交する方向に沿う回転軸を有する水車と、水車の上方に設けられ水車の回転によって発電する発電機と、水車と発電機を支持する浮き機能を有する架台よりなる発電ユニットと、
発電ユニットが潮位に応じて上下動可能に収納され、陸側と海側が開口され、開口縁に沿って水密に上下にスライドする海側可動壁板と陸側可動壁板を有するケーシングとよりなり、
海側可動壁板と陸側可動壁板は海中で上端部が海上に浮く様に設けられ、
浅瀬に設置された躯体間に回転軸が潮流と直交し、且つケーシングを海水中に於いても浮き上がらないように躯体に取付け、ケーシングと躯体を境として陸側は潮を貯水するためのプールとし、
海側可動壁板の上部には海側から取り込んだ潮を水車の上方から水圧をかける為の潮取り込み口が設けられ、潮取り込み口には海側からの水圧で開く開閉扉を具備し、
陸側可動壁板にはプールから排出される潮を水車の下方から水圧をかける為の潮排出口が設けられ、潮排出口にはプールからの水圧で開く開閉扉を具備したことを特徴とする潮流発電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発電装置を、浅瀬に設置された躯体間に回転軸が潮流と直交し、且つケーシングを海水中に於いても浮き上がらないように躯体に取付け、ケーシングと躯体を境として陸側は潮を貯水するためのプールとし、
満潮に移行するときは海側可動壁板と発電ユニットが潮位に応じて上昇し、潮流の圧で潮取り込み口は開口し、潮取り込み口より取り込まれた潮は水車上方から水圧をかけて水車を回転動させた後、プールに取り込まれて貯水され、
プールに取り込んだ潮が海側に排出されないように、プールの貯水量に応じて陸側可動壁板は潮排出口は閉じられた状態で上昇し、
干潮に移行するときに潮位に応じて海側可動壁板が下降し、プールの水圧により開口した潮排出口より排出される潮は水車下方から水圧をかけて水車を回転動させることで、満潮に移行するときと干潮に移行するときに発電することを特徴とする潮流発電方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記目的を達成するために本願発明のうち請求項1に記載の発明は、潮流と直交する方向に沿う回転軸を有する水車と、水車の上方に設けられ水車の回転によって発電する発電機と、水車と発電機を支持する浮き機能を有する架台よりなる発電ユニットと、発電ユニットが潮位に応じて上下動可能に収納され、陸側と海側が開口され、開口縁に沿って水密に上下にスライドする海側可動壁板と陸側可動壁板を有するケーシングとよりなり、海側可動壁板と陸側可動壁板は海中で上端部が海上に浮く様に設けられ、浅瀬に設置された躯体間に回転軸が潮流と直交し、且つケーシングを海水中に於いても浮き上がらないように躯体に取付け、ケーシングと躯体を境として陸側は潮を貯水するためのプールとし、海側可動壁板の上部には海側から取り込んだ潮を水車の上方から水圧をかける為の潮取り込み口が設けられ、潮取り込み口には海側からの水圧で開く開閉扉を具備し、陸側可動壁板にはプールから排出される潮を水車の下方から水圧をかける為の潮排出口が設けられ、潮排出口にはプールからの水圧で開く開閉扉を具備したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は潮流発電方法であって、上記請求項1に記載の発電装置を、浅瀬に設置された躯体間に回転軸が潮流と直交し、且つケーシングを海水中に於いても浮き上がらないように躯体に取付け、ケーシングと躯体を境として陸側は潮を貯水するためのプールとし、満潮に移行するときは海側可動壁板と発電ユニットが潮位に応じて上昇し、潮流の圧で潮取り込み口は開口し、潮取り込み口より取り込まれた潮は水車上方から水圧をかけて水車を回転動させた後、プールに取り込まれて貯水され、プールに取り込んだ潮が海側に排出されないように、プールの貯水量に応じて陸側可動壁板は潮排出口は閉じられた状態で上昇し、干潮に移行するときに潮位に応じて海側可動壁板が下降し、プールの水圧により開口した潮排出口より排出される潮は水車下方から水圧をかけて水車を回転動させることで、満潮に移行するときと干潮に移行するときに発電することを特徴とする。