(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157884
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】ジェルネイル用除去剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/35 20060101AFI20231019BHJP
A61Q 3/04 20060101ALI20231019BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20231019BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20231019BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
A61K8/35
A61Q3/04
A61K8/34
A61K8/37
A61Q13/00 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065691
(22)【出願日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2022067692
(32)【優先日】2022-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592254526
【氏名又は名称】学校法人五島育英会
(71)【出願人】
【識別番号】393013467
【氏名又は名称】株式会社キシマ
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【弁理士】
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】岩村 武
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 愛美
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA081
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC061
4C083AC062
4C083AC102
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC211
4C083AC331
4C083AC421
4C083AC422
4C083AD261
4C083AD351
4C083AD531
4C083AD532
4C083CC29
4C083DD23
4C083EE07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ジェルネイルに対する除去性に優れ、爪や皮膚への保湿性にも優れる、ジェルネイル用除去剤を提供する。
【解決手段】式(1)で表される化合物と、モノアルコールと、2価以上の脂肪族アルコールと、エステル化合物と、を含む、ジェルネイル用除去剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表される化合物と、
モノアルコールと、
2価以上の脂肪族アルコールと、
エステル化合物と、を含む、ジェルネイル用除去剤。
【化1】
式(1)中、R
1は、アルキル基を表す。nは、1~5の整数を表す。
【請求項2】
前記エステル化合物が、トリアシルグリセロールを含む、請求項1に記載のジェルネイル用除去剤。
【請求項3】
前記モノアルコールが、直鎖状又は分岐鎖状のアルコールを含む、請求項1又は2に記載のジェルネイル用除去剤。
【請求項4】
前記式(1)で表される化合物が、メントンを含む、請求項1又は2に記載のジェルネイル用除去剤。
【請求項5】
前記エステル化合物に対する前記2価以上の脂肪族アルコールの質量含有比が、0.1~10である、請求項1又は2に記載のジェルネイル用除去剤。
【請求項6】
前記エステル化合物に対する前記式(1)で表される化合物の質量含有比が、0.4~10である、請求項1又は2に記載のジェルネイル用除去剤。
【請求項7】
更に、水を含む、請求項1又は2に記載のジェルネイル用除去剤。
【請求項8】
更に、香料を含む、請求項1又は2に記載のジェルネイル用除去剤。
【請求項9】
前記モノアルコールが、式(2)で表される化合物を含む、請求項1又は2に記載のジェルネイル用除去剤。
【化2】
式(2)中、R
2は、アルキル基を表す。mは、1~5の整数を表す。
【請求項10】
更に、ワセリン、セルロース誘導体、サラシミツロウ、及びタマリンドガムからなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1又は2に記載のジェルネイル用除去剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジェルネイル用除去剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、爪上に配置されるネイルとして、ジェルネイルが使用されている。ジェルネイルとは、光硬化性成分を含む流動性のあるジェル状の組成物を紫外線等の光によって硬化して形成されるネイルである。
【0003】
ジェルネイルの除去方法としては、液状及びペースト状等の除去剤をジェルネイル上に載せて、ジェルネイルを軟化させて除去する方法が知られている。ジェルネイルの除去剤としては、従来よりアセトンが広く使用されていたが、昨今、人体への影響を鑑みてアセトンの使用を控える傾向がある。例えば、特許文献1では、アセトン以外の成分を有効成分とし、ジェルネイルに対して優れた除去性を示すジェルネイル用除去剤を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ジェルネイル除去剤には、爪や皮膚への負担が少なく保湿性に優れる(具体的には、爪や皮膚の脱脂を予防し得る)点も基本性能として求められている。
特に、昨今では、爪にジェルネイルを施す場合に、自爪に負担をかけずに、爪上に、ベースジェル、カラージェル、及びトップジェルといった少なくとも3種類のジェルネイルを積層して配置するネイル方法が広まりつつある。このような方法により施されたジェルネイルを除去する際には、通常、外層側のトップジェル及びカラージェルを機械で削り取った後、ベースジェルを残した爪にジェルネイル除去剤を染み込ませたコットンを密着させ、アルミホイルで指先全体を包んだ状態で一定時間保持し、その後、スティック状器具を使って除去剤が浸透したベースジェルを剥離するという手法が施される。このような除去法では、爪や皮膚への負担が少なく保湿性に優れていることが強く求められている。
【0006】
本発明者らは、特許文献1のジェルネイル用除去剤について検討したところ、ジェルネイルに対する除去性と爪や皮膚への保湿性とが必ずしも両立しておらず、更なる改良の余地があることを知見した。
【0007】
そこで、本発明は、ジェルネイルに対する除去性に優れ、爪や皮膚への保湿性にも優れる、ジェルネイル用除去剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、以下に示すジェルネイル用除去剤により上記課題を解決できることを見出し、発明を完成するに至った。
【0009】
〔1〕 後述する式(1)で表される化合物と、
モノアルコールと、
2価以上の脂肪族アルコールと、
エステル化合物と、を含む、ジェルネイル用除去剤。
〔2〕 上記エステル化合物が、トリアシルグリセロールを含む、〔1〕に記載のジェルネイル用除去剤。
〔3〕 上記モノアルコールが、直鎖状又は分岐鎖状のアルコールを含む、〔1〕又は〔2〕に記載のジェルネイル用除去剤。
〔4〕 上記式(1)で表される化合物が、メントンを含む、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のジェルネイル用除去剤。
〔5〕 上記エステル化合物に対する上記2価以上の脂肪族アルコールの質量含有比が、0.1~10である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のジェルネイル用除去剤。
〔6〕 上記エステル化合物に対する上記式(1)で表される化合物の質量含有比が、0.4~10である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のジェルネイル用除去剤。
〔7〕 更に、水を含む、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のジェルネイル用除去剤。
〔8〕 更に、香料を含む、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載のジェルネイル用除去剤。
〔9〕 上記モノアルコールが、後述する式(2)で表される化合物を含む、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のジェルネイル用除去剤。
〔10〕 更に、ワセリン、セルロース誘導体、サラシミツロウ、及びタマリンドガムからなる群から選ばれる1種以上を含む、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載のジェルネイル用除去剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ジェルネイルに対する除去性に優れ、爪や皮膚への保湿性にも優れる、ジェルネイル用除去剤を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0012】
本発明のジェルネイル用除去剤(以下、単に「本除去剤」ともいう。)は、
後述する式(1)で表される化合物(以下、単に「化合物(1)」ともいう。)と、モノアルコールと、2価以上の脂肪族アルコールと、エステル化合物と、を含む。
上記構成の本除去剤は、ジェルネイルに対する除去性に優れ、爪や皮膚への保湿性にも優れる。本発明の効果の作用機序について詳細には明らかではないが、以下のように推測される。本除去剤において、式(1)で表される化合物はジェルネイルを膨潤させて、軟化を促進する成分であると考えている。その際、2価以上の脂肪族アルコール及びエステル化合物が存在することで、式(1)で表される化合物による膨潤作用がより進行し易く、この結果として、ジェルネイルに対する高い除去効果が得られると推測している。また、2価以上の脂肪族アルコール及びエステル化合物の存在により、爪や皮膚への負担が軽減されると考えている。
【0013】
本除去剤の剤形は特に制限されず、例えば、液状の形態であってもよいし、ワセリン、セルロース誘導体、サラシミツロウ、及びタマリンドガム等の増粘剤を配合することで調製されるペースト状の形態であってもよい。
【0014】
以下において、ジェルネイルに対する除去性により優れること、及び/又は、爪や皮膚への保湿性がより優れることを、「本発明の効果がより優れる」という場合もある。
【0015】
〔各種成分〕
以下では、本除去剤に含まれる各成分について詳述する。
【0016】
<化合物(1)>
本除去剤は、化合物(1)を含む。
【0017】
【0018】
式(1)中、R1は、アルキル基を表す。アルキル基中の炭素数は特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、1~10が好ましく、1~5がより好ましく、1~3が更に好ましい。
アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、及びtert-ブチル基が挙げられる。
【0019】
nは、1~5の整数を表す。なかでも、本発明の効果がより優れる点から、1~3が好ましく、2がより好ましい。
なお、nが2以上の場合、複数のR1は同一であっても、異なっていてもよい。
また、nが2以上の場合、複数のR1の置換位置は特に制限されず、異なる炭素原子に置換していてもよく、同一の炭素原子に置換していてもよい。
また、R1の立体的な置換位置は特に制限されず、例えば、アキシアル位及びエクアトリアル位のいずれであってもよい。
【0020】
化合物(1)としては、本発明の効果がより優れる点で、式(1-1)で表される化合物であることが好ましい。
【0021】
【0022】
式(1-1)中、R1の定義は、上述した通りである。
上述したように、式(1-1)中、2つのR1は、同一であっても、異なっていてもよい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、2つのR1は異なっていることが好ましく、2つのR1の一方は炭素数1~2のアルキル基であり、他方は炭素数3~5のアルキル基であることが好ましい。
【0023】
化合物(1)の具体例としては、例えば、メントン及びイソメントンが挙げられる。
【0024】
本除去剤中における化合物(1)の含有量としては特に制限されず、発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~50質量%が好ましく、0.1~20質量%がより好ましく、0.1~10質量%が更に好ましい。
なお、本除去剤が液状の形態である(増粘剤を含まない)場合、本除去剤中における化合物(1)の含有量としては特に制限されず、発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.1~20質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましい。
また、本除去剤がペースト状の形態である(増粘剤を含む)場合、本除去剤中における化合物(1)の含有量としては特に制限されず、発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましい。
化合物(1)は1種単独で使用しても、2種以上を合わせて使用してもよい。化合物(1)を2種以上使用する場合は、その合計量が上記範囲となる。
化合物(1)を2種以上使用する場合は、光学異性体同士を使用する態様であってもよい。
【0025】
<モノアルコール>
本除去剤は、モノアルコールを含む。
モノアルコールとは、炭化水素における1個の水素原子が水酸基に置換した化合物である。
モノアルコールとしては、直鎖状又は分岐鎖状のモノアルコールを含むのが好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状のモノアルコール中の炭素数は特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、1~10が好ましく、1~5がより好ましく、2~3が更に好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状のモノアルコールの具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、及びブタノールが挙げられる。
【0026】
また、モノアルコールとしては、本発明の効果がより優れる点で、式(2)で表される化合物(以下、単に「化合物(2)」ともいう。)を含んでいるのも好ましい。
【0027】
【0028】
式(2)中、R2は、アルキル基を表す。アルキル基中の炭素数は特に制限されず、本発明の効果が優れる点で、1~10が好ましく、1~5がより好ましく、1~3が更に好ましい。
アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、及びtert-ブチル基が挙げられる。
【0029】
mは、1~5の整数を表す。なかでも、本発明の効果がより優れる点から、1~3が好ましく、2がより好ましい。
なお、mが2以上の場合、複数のR2は同一であっても、異なっていてもよい。
また、mが2以上の場合、複数のR2の置換位置は特に制限されず、異なる炭素原子に置換していてもよく、同一の炭素原子に置換していてもよい。
また、R2の立体的な置換位置は特に制限されず、例えば、アキシアル位及びエクアトリアル位のいずれであってもよい。
【0030】
化合物(2)としては、本発明の効果がより優れる点で、式(2-1)で表される化合物であることが好ましい。
【0031】
【0032】
式(2-1)中、R2の定義は、上述した通りである。
上述したように、式(2-1)中、2つのR2は、同一であっても、異なっていてもよい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、2つのR2は異なっていることが好ましく、2つのR2の一方は炭素数1~2のアルキル基であり、他方は炭素数3~5のアルキル基であることが好ましい。
【0033】
化合物(2)の具体例としては、例えば、メントール、イソメントール、ネオメントール、及びネオイソメントールが挙げられる。
【0034】
本除去剤は、モノアルコールとして、直鎖状又は分岐鎖状のモノアルコールを含むことが好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のモノアルコール及び化合物(2)をいずれも含むことがより好ましい。
本除去剤中における直鎖状又は分岐鎖状のモノアルコールの含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤中のモノアルコールの全質量に対して、50~100質量%が好ましく、65~100質量%がより好ましく、85~100質量%が更に好ましく、90~100質量%が特に好ましい。
【0035】
本除去剤中におけるモノアルコールの含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.1~99質量%が好ましく、なかでも、10~95質量%がより好ましく、60~85質量%が更に好ましい。
なお、除去剤が液状の形態である(増粘剤を含まない)場合、本除去剤中におけるモノアルコールの含有量の下限値としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、55質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、65質量%以上が更に好ましい。また、その上限値としては特に制限されず、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましく、85質量%以下が特に好ましく、80質量%以下が最も好ましい。
また、本除去剤がペースト状の形態である(増粘剤を含む)場合、本除去剤中におけるモノアルコールの含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.1~50質量%が好ましく、0.5~30質量%がより好ましく、1~20質量%が更に好ましい。
【0036】
本除去剤中における直鎖状又は分岐鎖状のモノアルコールの含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~99質量%が好ましく、なかでも、10~95質量%がより好ましく、60~85質量%が更に好ましい。
なお、本除去剤が液状の形態である(増粘剤を含まない)場合、本除去剤中における直鎖状又は分岐鎖状のモノアルコールの含有量の下限値としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、55質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、65質量%以上が更に好ましい。また、その上限値としては特に制限されず、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましく、85質量%以下が特に好ましく、80質量%以下が最も好ましい。
また、本除去剤がペースト状の形態である(増粘剤を含む)場合、本除去剤中における直鎖状又は分岐鎖状のモノアルコールの含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.5~30質量%がより好ましく、1~20質量%が更に好ましい。
【0037】
本除去剤中における化合物(2)の含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~50質量%が好ましく、0.1~25質量%がより好ましく、0.1~10質量%が更に好ましい。
なお、本除去剤が液状の形態である(増粘剤を含まない)場合、本除去剤中における化合物(2)の含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~50質量%が好ましく、0.1~20質量%がより好ましく、0.1~10質量%が更に好ましい。
また、本除去剤がペースト状の形態である(増粘剤を含む)場合、本除去剤中における化合物(2)の含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~50質量%が好ましく、0.1~20質量%がより好ましく、0.1~10質量%が更に好ましい。
【0038】
本除去剤において、モノアルコールは1種単独で使用しても、2種以上を合わせて使用してもよい。モノアルコールを2種以上使用する場合は、その合計量が上記範囲となる。
直鎖状又は分岐鎖状のモノアルコールは1種単独で使用しても、2種以上を合わせて使用してもよい。直鎖状又は分岐鎖状のモノアルコールを2種以上使用する場合は、その合計量が上記範囲となる。
化合物(2)は1種単独で使用しても、2種以上を合わせて使用してもよい。化合物(2)を2種以上使用する場合は、その合計量が上記範囲となる。
化合物(2)を2種以上使用する場合は、光学異性体同士を使用する態様であってもよい。
【0039】
<2価以上の脂肪族アルコール>
本除去剤は、2価以上の脂肪族アルコールを含む。
2価以上の脂肪族アルコールとしては、脂肪族炭化水素における水素原子の2個以上が水酸基で置換された化合物である。
2価以上の脂肪族アルコールとしては、本発明の効果がより優れる点で、2~4価の炭素数2~10の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族アルコールが好ましい。
2価以上の脂肪族アルコールとしては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、及びトリメチロールプロパン等が挙げられ、本発明の効果がより優れる点で、グリセリンが好ましい。
【0040】
本除去剤中における2価以上の脂肪族アルコールの含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~50質量%が好ましく、0.1~20質量%がより好ましく、0.1~10質量%が更に好ましい。
なお、本除去剤が液状の形態である(増粘剤を含まない)場合、本除去剤中における2価以上の脂肪族アルコールの含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、1~50質量%が好ましく、1~15質量%がより好ましく、1~10質量%が更に好ましい。
また、本除去剤がペースト状の形態である(増粘剤を含む)場合、本除去剤中における2価以上の脂肪族アルコールの含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~30質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましい。
なお、本除去剤において、2価以上の脂肪族アルコールは1種単独で使用しても、2種以上を合わせて使用してもよい。2価以上の脂肪族アルコールを2種以上使用する場合は、その合計量が上記範囲となる。
【0041】
<エステル化合物>
本除去剤は、エステル化合物を含む。
エステル化合物としては特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、下記式(3)で表される化合物(以下、単に「化合物(3)」ともいう。)であるのが好ましい。
式(3) L1-(O-CO-R3)p
式(3)中、L1は、p価の脂肪族炭化水素基を表す。R3は、アルキル基を表す。pは、1以上の整数を表す。
【0042】
式(3)中、L1で表されるp価の脂肪族炭化水素基としては特に制限されないが、例えば、炭素数1~10の直鎖状又は分岐鎖状のアルカンからp個の水素原子を除いて形成される基が挙げられ、なかでも、炭素数2~6の直鎖状又は分岐鎖状のアルカンからp個の水素原子を除いて形成される基が好ましく、炭素数3~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルカンからp個の水素原子を除いて形成される基がより好ましい。
式(3)中、R3で表されるアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状であるのが好ましい。R3で表されるアルキル基の炭素数としては、例えば、1~30が挙げられ、本発明の効果がより優れる点で、1~15が好ましく、1~12がより好ましく、1~10が更に好ましく、1~8が特に好ましい。
式(3)中、pとしては1以上の整数であれば特に制限されないが、1~6が好ましく、2~3がより好ましく、3が更に好ましい。
【0043】
化合物(3)の好適な具体例としては、例えば、炭素数2~6のグリコール類と炭素数2~30の脂肪酸(脂肪酸の炭素数としては、2~15が好ましく、2~12がより好ましく、2~10が更に好ましく、2~8が特に好ましい。)とのエステル体が挙げられ、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ネオペンチルグリコール脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン脂肪酸エステル、及びペンタエリスリトール脂肪酸エステル等の脂肪酸エステルが挙げられる。なお、これらの脂肪酸エステルは、炭素数2~6のグリコール類の水酸基の1つ以上がエステル化されていればよい。
化合物(3)としては、なかでも、本発明の効果がより優れる点で、グリセリン脂肪酸エステルが好ましく、トリアシルグリセロール(トリエステル体)がより好ましい。
トリアシルグリセロールのアシル部位の炭素数としては、例えば、2~30が挙げられ、2~15が好ましく、2~12がより好ましく、2~10が更に好ましく、2~8が特に好ましい。
トリアシルグリセロールとしては、本発明の効果がより優れる点で、なかでも、トリアセチン又はトリカプリリンが好ましく、トリアセチンが特に好ましい。
【0044】
本除去剤中におけるエステル化合物の含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~30質量%が好ましく、0.1~30質量%がより好ましく、1~15質量%が更に好ましい。
なお、本除去剤が液状の形態である(増粘剤を含まない)場合、本除去剤中におけるエステル化合物の含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~30質量%が好ましく、1~30質量%がより好ましく、1~15質量%が更に好ましい。
また、本除去剤がペースト状の形態である(増粘剤を含む)場合、本除去剤中におけるエステル化合物の含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~15質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましい。
なお、本除去剤において、エステル化合物は1種単独で使用しても、2種以上を合わせて使用してもよい。エステル化合物を2種以上使用する場合は、その合計量が上記範囲となる。
【0045】
本除去剤において、エステル化合物に対する2価以上の脂肪族アルコールの質量含有比(2価以上の脂肪族アルコールの含有量/エステル化合物の含有量)としては、特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0.01~15が好ましく、0.1~10がより好ましい。
【0046】
本除去剤において、エステル化合物に対する化合物(1)の質量含有比(化合物(1)の含有量/エステル化合物の含有量)としては、特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、0.01~15が好ましく、0.4~10がより好ましい。
【0047】
<他の成分>
本除去剤は、式(1)で表される化合物、モノアルコール、2価以上の脂肪族アルコール、及びエステル化合物以外の他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、例えば、水;香料;モノアルコール以外の有機溶媒(例えば、アセトン);ワセリン(白ワセリン等)、セルロース誘導体、サラシミツロウ、及びタマリンドガム等の増粘剤が挙げられる。
セルロース誘導体としては、例えば、セルロース骨格を有するポリマーの水酸基をヒドロキシアルキル基で変性した化合物又はその塩が挙げられ、具体的には、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及びヒドロキシブチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース類又はそのアルカリ金属塩が挙げられる。
【0048】
(水)
本除去剤は、水を含んでいるのも好ましい。
本除去剤が水を含む場合、本除去剤中における水の含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.1~15質量%がより好ましい。
なお、本除去剤が水を含むとき、本除去剤が液状の形態である(増粘剤を含まない)場合には、本除去剤中における水の含有量の上限値としては、本除去剤全質量に対して、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。また、その下限値としては、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。
また、本除去剤が水を含むとき、本除去剤がペースト状の形態である(増粘剤を含む)場合には、本除去剤中における水の含有量の上限値としては、本除去剤全質量に対して、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。また、その下限値としては、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましい。
【0049】
(香料)
本除去剤は、香料を含んでいるのも好ましい。
香料としては、例えば、ハーバルミント等が挙げられる。
本除去剤が香料を含む場合、本除去剤中における香料の含有量としては特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01~10質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましく、0.1~5質量%が更に好ましく、0.1~2質量%が特に好ましく、0.1~0.5質量%が最も好ましい。
なお、本除去剤が香料を含むとき、本除去剤が液状の形態である(増粘剤を含まない)場合には、本除去剤中における香料の含有量の上限値としては、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、2質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。また、その下限値としては、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が更に好ましい。
また、本除去剤が香料を含むとき、本除去剤がペースト状の形態である(増粘剤を含む)場合には、本除去剤中における香料の含有量の上限値としては、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、2質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。また、その下限値としては、本発明の効果がより優れる点で、本除去剤全質量に対して、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましい。
なお、本除去剤において、香料は1種単独で使用しても、2種以上を合わせて使用してもよい。香料を2種以上使用する場合は、その合計量が上記範囲となる。
【0050】
本除去剤が香料を含む場合、香料に対するエステル化合物(好ましくは、トリアシルグリセロール)の質量含有比(エステル化合物の含有量/香料の含有量)としては、特に制限されないが、5~60が好ましく、10~60がより好ましい。
【0051】
(モノアルコール以外の有機溶媒)
本除去剤は、必要に応じて、アセトンを含んでいてもよい。ただし、本除去剤は、爪や皮膚等に対する影響が小さいこと、臭気の少ないことが好ましいため、アセトンを実質的に含まないことが好ましい。なお、アセトンを実質的に含まないとは、本除去剤中におけるアセトンの含有量が、本除去剤全質量に対して、0.5質量%以下であることを意味し、0.1質量%以下が好ましく、0質量%がより好ましい。
【0052】
(増粘剤)
本除去剤は、ワセリン、セルロース誘導体、サラシミツロウ、及びタマリンドガムからなる群から選ばれる増粘剤を含んでいてもよい。
本除去剤が上述のような増粘剤を含む場合、増粘剤の含有量としては、本除去剤全質量に対して、50~99質量%が好ましく、65~95質量%がより好ましく、75~95質量%が更に好ましい。
なお、本除去剤において、増粘剤は1種単独で使用しても、2種以上を合わせて使用してもよい。増粘剤を2種以上使用する場合は、その合計量が上記範囲となる。
【0053】
なお、本除去剤は、シソ科に属する植物より得られる精油を含み、精油が化合物(1)を含むことが好ましい。言い換えれば、本除去剤は、シソ科に属する植物より得られ、化合物(1)を含む精油を含むことが好ましい。つまり、化合物(1)がシソ科に属する植物より得られる精油由来であることが好ましい。
なお、上記シソ科に属する植物より得られる精油は、更に化合物(2)を含んでいてもよい。
更に、上記シソ科に属する植物より得られる精油は、化合物(1)及び化合物(2)以外の他の成分(例えば、1,8-シネオール、酢酸メンチル、メントフラン、リモネン、β-カリオフィレン)を含んでいてもよい。
【0054】
本除去剤の製造方法は特に制限されず、上述した成分を混合すればよい。例えば、化合物(1)、モノアルコール、2価以上の脂肪族アルコール、エステル化合物、及び任意成分を所定量混合して、本除去剤を製造してもよい。また、化合物(1)を含むシソ科に属する植物より得られる精油、モノアルコール、2価以上の脂肪族アルコール、エステル化合物、及び任意成分を混合して、本除去剤を製造してもよい。
【0055】
本除去剤は、ジェルネイルの除去に用いられる。
ジェルネイルとは、上述したように、光硬化性成分を含む流動性のあるジェル状の組成物(ネイル組成物)を紫外線等の光によって硬化して形成されるネイル(装飾体)である。なお、ジェルネイルの形成方法としては、例えば、光硬化性成分を含むジェル状の組成物を爪の表面に塗布した後、紫外線等の光を照射して硬化させることにより形成する方法が挙げられる。
なお、硬化の際に使用される光としては、紫外線及び可視光線が挙げられる。
光硬化性成分としては、光照射によって硬化し得る成分(例えば、重合反応を進行し得る成分)であればよく、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等)等の光重合性基を有する化合物が挙げられる。
また、光硬化性成分を含む組成物は、更に光重合開始剤を含んでいてもよい。
【0056】
本除去剤の使用方法は特に制限されず、本除去剤とジェルネイルとを接触させればよい。例えば、本除去剤をコットン又はティッシュ等の基布に含浸させて、本除去剤が含浸された基布とジェルネイルとを接触させる方法、及び、本除去剤中にジェルネイルを浸漬させる方法が挙げられる。また、本除去剤が液状の形態である(増粘剤を含まない)場合、アルミホイル等の被覆部材を使用して、本除去剤が含浸された基布とジェルネイルとを接触させた状態の指先の周囲を覆い、ジェルネイルの膨潤を促すのも好ましい。
本除去剤とジェルネイルとの接触時間は特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、10秒間以上が好ましく、30秒間以上がより好ましく、60秒間以上がさらに好ましい。上限は特に制限されず、効果が飽和する点から、30分間以下が好ましい。
本除去剤と接触したジェルネイルは膨潤して、軟化している。この軟化したジェルネイルを、ネイルワイプ又はスティック状器具等を用いて、爪上から容易に削り落とすことができる。
【0057】
基布としては特に制限されず、天然繊維で形成されたものであっても、化学繊維で形成されたものであってもよい。
天然繊維としては、例えば、パルプ、綿、麻、亜麻、羊毛、キヤメル、カシミヤ、モヘヤ、セルロース、及び絹が挙げられる。
化学繊維としては、レーヨン、ポリノジック、アセテート、トリアセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート、ポリエチレンテレフタレート、及びポリクラールが挙げられる。
【0058】
また、基布の目付(単位面積当たりの質量)は、100g/m2以下が好ましい。本除去剤を基布に含浸させる際の含浸量は、基布の質量に対して1倍以上の量が好ましい。
【実施例0059】
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0060】
〔実施例1~11、比較例1~3:剤形が液状の除去剤の調製及び評価〕
<除去剤の調製>
表1に示す各成分を混合して、液状の除去剤を調製した。
表1中、香料としては、ハーバルミントを使用した。
【0061】
<評価>
実施例及び比較例の各除去剤を使用して、以下に示す各種評価を実施した。
【0062】
下記ネイル組成物を被験者の爪上に塗布して、塗膜に対して、LEDライト(出力:18W、硬化波長:380~420nm)で30秒間の光照射を行い、塗膜を硬化させて、硬化膜(ジェルネイル)を得た。
《ネイル組成物の配合成分》
ネイル組成物は、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸イソボルニル、ジメチルアクリルアミド、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、リン酸ビス2-(メタクリロイルオキシ)エチル、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、及びウレタンアクリレートを含む組成である。
【0063】
(除去性の評価)
爪上の硬化膜(ジェルネイル)に対して除去剤を含浸させたコットンを密着させた後、アルミホイルで爪先全体を包み、この状態で10分間保持した。その後、メタルプッシャー(スティック状器具)を使って爪上の硬化膜の除去を行い、以下の基準に従って除去性を評価した。結果を表1に示す。
「A」:硬化膜を95%以上除去できた。
「B+」:硬化膜の83%以上95%未満を除去できた。
「B-」:硬化膜の80%以上83%未満を除去できた。
「C」:硬化膜の20%超が残存してしまった。
【0064】
(保湿性の評価)
除去性を評価した後、被験者の除去剤と接触部である爪及び皮膚の状態を目視にて観察し、以下の基準に従って保湿性を評価した。結果を表1に示す。
「A」:硬化膜の除去後、爪及び皮膚が白くならない。
「B」:硬化膜の除去後、爪及び皮膚が白くなる。
【0065】
【0066】
表1から明らかなとおり、実施例の除去剤は、ジェルネイルに対する除去性に優れ、爪や皮膚への保湿性にも優れることが確認された。
また、実施例の対比から、エステル化合物に対する2価以上の脂肪族アルコールの質量含有量比が0.1~10の場合、剥離性がより向上することが確認された(特に、実施例6の結果参照)
また、実施例の対比から、香料の含有量が、除去剤の全質量に対して0.5質量%以下である場合、剥離性がより向上することが確認された(特に、実施例5の結果参照)。
また、実施例の対比から、除去剤が水を含むとき、水の含有量が、除去剤の全質量に対して2質量%以上(好ましくは5質量%以上の場合)、剥離性がより向上することが確認された(特に、実施例8~11の結果参照)。
【0067】
〔実施例12:増粘剤により剤形をペースト状にした除去剤の調製及び評価〕
<除去剤の調製>
表2に示す各成分を混合して、ペースト状の除去剤を調製した。
【0068】
<評価>
実施例及び比較例の各除去剤を使用して、上述した除去性及び保湿性の各評価を同様に実施した。
但し、本除去剤の除去性の評価においては、爪上の硬化膜を以下の手順にて除去した。
(硬化膜の除去手順)
爪上の硬化膜(ジェルネイル)に対して除去剤を付着してコットンを密着させ、この状態で10分間保持した。その後、メタルプッシャーを使って爪上の硬化膜の除去を実施した。
【0069】
【0070】
この結果、除去剤の剤形をペースト状にした場合であっても、上述した液状の除去剤と同様の効果を発現することが確認された。