(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157934
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】航空機用推進システム
(51)【国際特許分類】
F02C 7/00 20060101AFI20231019BHJP
B64D 27/24 20060101ALI20231019BHJP
B64D 27/10 20060101ALI20231019BHJP
B60L 50/16 20190101ALI20231019BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20231019BHJP
B60L 58/10 20190101ALI20231019BHJP
【FI】
F02C7/00 F
F02C7/00 A
B64D27/24
B64D27/10
B60L50/16 ZHV
B60L50/60
B60L58/10
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023130371
(22)【出願日】2023-08-09
(62)【分割の表示】P 2018116548の分割
【原出願日】2018-06-20
(31)【優先権主張番号】15/632,814
(32)【優先日】2017-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・チャールズ・ホン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・トーマス・ガンスラー
(57)【要約】
【課題】ハイブリッド電気航空機推進システムの電気エネルギー蓄積ユニットを充電するための方法を提供する。
【解決手段】ハイブリッド電気推進システム(50)は、ターボ機械(102)と、ターボ機械(102)に連結された電気機械(56)とを含む。ハイブリッド電気推進システム(50)を動作させるための方法は、ターボ機械(102)の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップと、ターボ機械(102)の動作可能性パラメータを示す受信した情報の少なくとも一部に基づいて、ターボ機械(102)が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップと、ターボ機械(102)が所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、電気機械(56)を用いて電力を発生させるためにハイブリッド電気推進システム(50)を発電モードで動作させるステップとを含む方法。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機のハイブリッド電気推進システムを動作させるための方法であって、前記ハイブリッド電気推進システムは、ターボ機械と、前記ターボ機械に連結された電気機械とを含み、前記方法は、
前記ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップと、
前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータを示す前記受信した情報に少なくとも一部に基づいて、前記ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップと、
前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータが前記所定の動作可能性範囲外であると判定したことに応答して、前記ハイブリッド電気推進システムを電気スタンバイモードで動作させるステップであって、前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気スタンバイモードで動作させるステップは、前記電気機械に電力を供給することを含む、ステップと、
前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、前記電気機械を用いて電力を発生させるために前記ハイブリッド電気推進システムを発電モードで動作させるステップとを含み、
前記電気機械を用いて電力を発生させるために前記ハイブリッド電気推進システムを前記発電モードで動作させるステップは、負荷に電力を移送するために前記ハイブリッド電気推進システムを電気移送モードで動作させるステップを含み、前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータが前記所定の動作可能性範囲の上限しきい値を第1の量だけ下回るとき、第1の電力量が前記電気機械から電気エネルギー蓄積ユニットに供給され、前記ターボ機械の動作可能性パラメータが前記所定の動作可能性範囲の上限しきい値を第2の量だけ下回るとき、第2の電力量が前記電気機械から前記電気エネルギー蓄積ユニットに供給され、前記第1の電力量は前記第2の電力量より大きく、前記第1の量は前記第2の量より大きい、方法。
【請求項2】
前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップは、前記ターボ機械の排気ガス温度を示す情報を受信するステップを含み、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定するステップは、前記ターボ機械の前記排気ガス温度が排気ガス温度しきい値より低いことを判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップは、前記ターボ機械のストールマージンを示す情報を受信するステップを含み、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップは、前記ターボ機械の前記ストールマージンがストールマージンしきい値を上回ることを判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップは、前記ターボ機械の加速要求を示す情報を受信するステップを含み、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップは、前記ターボ機械の前記加速要求が所定のしきい値を下回ることを判定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
電力を発生させるために前記ハイブリッド電気推進システムを前記発電モードで動作させるステップは、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、前記電気機械を用いて前記電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために前記ハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあることを判定するステップをさらに含み、前記電気エネルギー蓄積ユニットが前記充電受け入れモードにあることを判定するステップは、前記電気エネルギー蓄積ユニットの充電状態が所定の最大レベル未満であることを判定するステップを含み、
前記ハイブリッド電気推進システムを前記充電モードで動作させるステップは、前記電気エネルギー蓄積ユニットが前記充電受け入れモードにあると判定したことに応答し、かつ、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、前記ハイブリッド電気推進システムを前記充電モードで動作させるステップを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電気エネルギー蓄積ユニットが前記充電受け入れモードにあることを判定するステップは、前記電気エネルギー蓄積ユニットの温度を示す情報を受信するステップと、前記電気エネルギー蓄積ユニットの前記温度が指定範囲内にあることを判定するステップとを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記電気機械を用いて前記ハイブリッド電気推進システムを、前記電気エネルギー蓄積ユニットを充電するための前記充電モードで動作させるステップは、前記電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記負荷に供給される前記電力量を変調するステップは、前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータを示す前記受信した情報に少なくとも一部に基づいて前記負荷に供給される前記電力量を変調するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記負荷に電力を移送するために前記ハイブリッド電気推進システムを電気移送モードで動作させるステップは、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、前記ハイブリッド電気推進システムまたは前記航空機の負荷に電力を移送するために前記ハイブリッド電気推進システムを電気移送モードで動作させるステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記負荷に電力を移送するために前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気移送モードで動作させるステップは、少なくとも約5キロワットの電力を前記負荷に供給するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記負荷が受電モードにあることを判定するステップをさらに含み、
前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気移送モードで動作させるステップは、前記負荷が前記受電モードにあると判定したことに応答し、かつ、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気移送モードで動作させるステップを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記ターボ機械が定常状態条件で動作していることを判定するステップをさらに含み、前記電気機械を用いて前記電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気移送モードで動作させるステップは、前記ターボ機械が前記定常状態条件で動作していると判定したことに応答して、前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気移送モードで動作させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気移送モードで動作させるステップは、前記ターボ機械で前記電気機械を回転させるステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記電気機械は、第1の電気機械であり、前記ハイブリッド電気推進システムは、第2の電気機械と、前記第2の電気機械に連結された第2の推進器とをさらに含み、前記電気機械を用いて電力を発生させるために前記ハイブリッド電気推進システムを前記発電モードで動作させるステップは、前記第2の推進器を駆動し、前記航空機に推進力利益を提供するために、前記ハイブリッド電気推進システムの前記第1の電気機械から前記第2の電気機械に電力を供給するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ハイブリッド電気推進システムを前記発電モードで動作させるステップは、実質的に一定の出力を維持するように前記ターボ機械の動作を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記負荷に供給される電力量を変調するステップは、前記負荷に提供される電力量を第1の電力量と第2の電力量との間で変調するステップを含み、前記第1の電力量は、前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータを示す前記受信した情報に少なくとも一部に基づいて、前記第2の電力量よりも大きい、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
ハイブリッド電気推進システムであって、
ターボ機械と、
前記ターボ機械に連結された電気機械と、前記電気機械に電気的に接続可能な電気エネルギー蓄積ユニットとを含む電気システムと、
前記ターボ機械の動作可能性パラメータを示す受信した情報の少なくとも一部に基づいて、前記ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するように、さらに前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、前記電気機械を用いて前記電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために前記ハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるように構成されたコントローラと
を含み、
前記電気機械を用いて前記電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために前記ハイブリッド電気推進システムを前記充電モードで動作させるステップは、前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータが前記所定の動作可能性範囲の上限しきい値を第1の量だけ下回るとき、前記電気機械から電気エネルギー蓄積ユニットに第1の電力量を供給するステップと、前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータが前記所定の動作可能性範囲の上限しきい値を第2の量だけ下回るとき、前記電気機械から前記電気エネルギー蓄積ユニットに第2の電力量を供給するステップとを含む、ハイブリッド電気推進システム。
【請求項19】
前記動作可能性パラメータは、前記ターボ機械の排気ガス温度、前記ターボ機械のストールマージン、および前記ターボ機械の加速要求のうちの1つまたは複数である、請求項18に記載のハイブリッド電気推進システム。
【請求項20】
航空機のハイブリッド電気推進システムを動作させるための方法であって、前記ハイブリッド電気推進システムは、ターボ機械と、前記ターボ機械に連結された電気機械とを含み、前記方法は、
前記ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップと、
前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータを示す前記受信した情報に少なくとも一部に基づいて、前記ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップと、
前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、前記電気機械を用いて電力を発生させるために前記ハイブリッド電気推進システムを発電モードで動作させるステップとを含み、
前記ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップは、前記ターボ機械の排気ガス温度を示す情報を受信するステップを含み、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定するステップは、前記ターボ機械の前記排気ガス温度が排気ガス温度しきい値より低いことを判定するステップとを含み、前記ターボ機械の前記排気ガス温度が前記排気ガス温度を第1の量だけ下回るとき、第1の電力量が前記電気機械から電気エネルギー蓄積ユニットに供給され、前記ターボ機械の前記排気ガス温度が前記排気ガス温度を第2の量だけ下回るとき、第2の電力量が前記電気機械から前記電気エネルギー蓄積ユニットに供給され、前記第1の電力量は前記第2の電力量より大きく、前記第1の量は前記第2の量より大きい、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド電気航空機推進システムに関し、より詳細には、ハイブリッド電気航空機推進システムの電気エネルギー蓄積ユニットを充電するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な航空機推進システムは、1つまたは複数のガスタービンエンジンを含む。特定の推進システムでは、ガスタービンエンジンは、一般に、互いに流体連通して配置されたファンおよびコアを含む。ガスタービンエンジンのコアは、一般に、直列の流れの順に、圧縮機部、燃焼部、タービン部、および排気部を含む。動作時には、ファンから圧縮機部の入口に空気が供給され、空気が燃焼部に到達するまで、1つまたは複数の軸流圧縮機が徐々に空気を圧縮する。燃料が圧縮空気と混合され、燃焼部内で燃焼して、燃焼ガスを提供する。燃焼ガスは、燃焼部からタービン部まで送られる。タービン部を通る燃焼ガスの流れは、タービン部を駆動し、次に、排気部を通って、例えば大気中に送られる。
【0003】
ハイブリッド電気タイプの推進システムが提案されており、それは、場合によっては少なくとも1つのガスタービンエンジンに加えて電動ファンを含んでいる。このようなハイブリッド電気推進システムの効率を高めるために、本開示の発明者らは、バッテリーパックを含めことにより、電力を蓄積し、飛行エンベロープ全体を通じて最も価値があるときに、例えば電動ファンにこのような電力を供給することができることを認識している。しかし、本開示の発明者らは、電力が適切に供給されなければ、バッテリーパックが損傷したり故障したりするおそれがあり、さらに、バッテリーパックを充電するによって、例えば、ガスタービンエンジンの1つまたは複数の動作条件に応じて、ガスタービンエンジンの性能に悪影響を及ぼすおそれがあることを認識している。したがって、エネルギー蓄積ユニットに損傷を与えるリスク、エネルギー蓄積の障害、および/またはガスタービンエンジンユニットの性能に悪影響を及ぼすことを最小限に抑えながら、エネルギー蓄積ユニットを充電するためのシステムを有するハイブリッド電気推進システムが有用であろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0044989号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様および利点は、以下の説明に部分的に記載されており、または説明から明らかとなり、または本発明の実施を通して学ぶことができる。
【0006】
本開示の1つの例示的な態様では、航空機のハイブリッド電気推進システムを動作させるための方法が提供される。ハイブリッド電気推進システムは、ターボ機械と、ターボ機械に連結された電気機械とを含む。本方法は、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップと、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す受信した情報の少なくとも一部に基づいて、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップと、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、電気機械を用いて電力を発生させるためにハイブリッド電気推進システムを発電モードで動作させるステップとを含む。
【0007】
特定の例示的な態様では、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップは、ターボ機械の排気ガス温度を示す情報を受信するステップを含み、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップは、ターボ機械の排気ガス温度が排気ガス温度しきい値より低いことを判定するステップを含む。
【0008】
特定の例示的な態様では、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップは、ターボ機械のストールマージンを示す情報を受信するステップを含み、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップは、ターボ機械のストールマージンがストールマージンしきい値を上回ることを判定するステップを含む。
【0009】
特定の例示的な態様では、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップは、ターボ機械の加速要求を示す情報を受信するステップを含み、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップは、ターボ機械の加速要求が所定のしきい値を下回ることを判定するステップを含む。
【0010】
特定の例示的な態様では、ハイブリッド電気推進システムは、電気エネルギー蓄積ユニットをさらに含み、電力を発生させるためにハイブリッド電気推進システムを発電モードで動作させるステップは、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、電気機械を用いてハイブリッド電気推進システムを、電気エネルギー蓄積ユニットを充電するための充電モードで動作させるステップを含む。
【0011】
例えば、特定の例示的な態様では、本方法は、電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあることを判定するステップをさらに含み、ハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップは、電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあると判定したことに応答し、かつ、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、ハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップを含む。
【0012】
例えば、特定の例示的な態様では、電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあることを判定するステップは、電気エネルギー蓄積ユニットの充電状態が所定の最大レベル未満であることを判定するステップを含む。
【0013】
例えば、特定の例示的な態様では、電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあることを判定するステップは、電気エネルギー蓄積ユニットの温度を示す情報を受信し、電気エネルギー蓄積ユニットの温度が指定範囲内にあることを判定するステップを含む。
【0014】
例えば、特定の例示的な態様では、本方法は、ターボ機械が定常状態条件で動作していることを判定するステップをさらに含み、電気機械を用いて電気エネルギー蓄積ユニットを充電するためにハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップは、ターボ機械が定常状態条件で動作していると判定したことにも応答して、電気機械を用いて電気エネルギー蓄積ユニットを充電するためにハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップをさらに含む。
【0015】
例えば、特定の例示的な態様では、電気エネルギー蓄積ユニットを充電するためにハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップは、電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために、ターボ機械で電気機械を回転させ、電気機械から電気エネルギー蓄積ユニットに電力を供給するステップを含む。
【0016】
例えば、特定の例示的な態様では、電気機械を用いて電気エネルギー蓄積ユニットを充電するためにハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップは、電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップをさらに含む。
【0017】
例えば、特定の例示的な態様では、電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップは、電気エネルギー蓄積ユニットの充電状態に少なくとも部分的に基づいて電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップを含む。
【0018】
例えば、特定の例示的な態様では、電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップは、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す受信した情報に少なくとも部分的に基づいて電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップを含む。
【0019】
例えば、特定の例示的な態様では、電気機械を用いて電気エネルギー蓄積ユニットを充電するためにハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップは、電気エネルギー蓄積ユニットに少なくとも約5キロワットの電力を供給するステップを含む。
【0020】
特定の例示的な態様では、電気機械は、第1の電気機械であり、ハイブリッド電気推進システムは、第2の電気機械と、第2の電気機械に連結された第2の推進器とをさらに含み、電気機械を用いて電力を発生させるためにハイブリッド電気推進システムを発電モードで動作させるステップは、第2の推進器を駆動し、航空機に推進力利益を提供するために、ハイブリッド電気推進システムの第1の電気機械から第2の電気機械に電力を供給するステップを含む。
【0021】
特定の例示的な態様では、ハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップは、実質的に一定の出力を維持するようにターボ機械の動作を変更するステップを含む。
【0022】
特定の例示的な態様では、電力を発生させるためにハイブリッド電気推進システムを発電モードで動作させるステップは、電気機械を用いてターボ機械から電力を抽出し、航空機の負荷またはハイブリッド電気推進システムの電気で駆動されるファンの少なくとも一方にそのような電力を移送するステップを含む。
【0023】
本開示の例示的な実施形態では、ハイブリッド電気推進システムが提供される。ハイブリッド電気推進システムは、ターボ機械と、ターボ機械に連結された電気機械および電気機械に電気的に接続可能な電気エネルギー蓄積ユニットを含む電気システムと、コントローラとを含む。コントローラは、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す受信した情報の少なくとも一部に基づいて、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するように、さらにターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、電気機械を用いて電気エネルギー蓄積ユニットを充電するためにハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるように構成される。
【0024】
特定の例示的な実施形態では、電気エネルギー蓄積ユニットは、少なくとも約50キロワット時の電力を蓄積するように構成される。
【0025】
特定の例示的な実施形態では、動作可能性パラメータは、ターボ機械の排気ガス温度、ターボ機械のストールマージン、およびターボ機械の加速要求のうちの1つまたは複数である。
【0026】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照することによってよりよく理解されるであろう。添付の図面は、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示し、説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0027】
本発明の完全かつ可能な開示は、その最良の形態を含み、当業者に向けられて、本明細書に記載されており、それは以下の添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の様々な例示的な実施形態による航空機の上面図である。
【
図2】
図1の例示的な航空機に取り付けられたガスタービンエンジンの概略断面図である。
【
図3】本開示の別の例示的な実施形態による電動ファンアセンブリの概略断面図である。
【
図4】本開示の例示的な実施形態によるハイブリッド電気推進システムの概略図である。
【
図5】本開示の例示的な態様による、航空機のハイブリッド電気推進システムを動作させる方法の概略図である。
【
図6】本開示の例示的な態様による、航空機のハイブリッド電気推進システムを動作させる方法の流れ図である。
【
図7】本開示の別の例示的な態様による、航空機のハイブリッド電気推進システムを動作させる方法の流れ図である。
【
図8】本開示のさらに別の例示的な態様による、航空機のハイブリッド電気推進システムを動作させる方法の流れ図である。
【
図9】本開示の例示的な態様によるコンピューティングシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態を示すために、ここで詳細に参照を行うが、それの1つまたは複数の実施例を添付の図面に示す。詳細な説明では、図面中の特徴を参照するために数字および文字による符号を用いる。図面および説明における類似または同様の符号は、本発明の類似または同様の部分を指して用いられている。
【0030】
本明細書において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、1つの構成要素と別の構成要素とを区別するために交換可能に用いることができ、個々の構成要素の位置または重要性を示すことを意図しない。
【0031】
「前方」および「後方」という用語は、ガスタービンエンジンまたは車両内の相対位置を指し、ガスタービンエンジンまたは車両の通常の動作姿勢を指す。例えば、ガスタービンエンジンに関しては、前方はエンジン入口に近い位置を指し、後方はエンジンノズルまたは排気部に近い位置を指す。
【0032】
「上流」および「下流」という用語は、経路における流れに対する相対的な方向を指す。例えば、流体の流れに対して、「上流」は流体が流れてくる方向を指し、「下流」は流体が流れていく方向を指す。しかしながら、本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語はまた、電気の流れを指してもよい。
【0033】
単数形「1つの(a、an)」、および「この(the)」は、文脈が特に明確に指示しない限り、複数の言及を含む。
【0034】
近似を表す文言は、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたってここで用いられるように、それが関連する基本的機能の変更をもたらすことなく許容範囲で変化することができる定量的表現を修飾するために適用される。したがって、「およそ(about)」、「約(approximately)」、および「実質的に(substantially)」などの用語で修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの場合には、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度、あるいは、構成要素および/またはシステムを構築もしくは製造するための方法または機械の精度に対応することができる。例えば、近似を表す文言は、10%のマージン内にあることを指すことができる。
【0035】
ここで、ならびに明細書および特許請求の範囲の全体を通じて、範囲の限定は組み合わせられ、および置き換えられ、文脈および文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含されるすべての部分範囲を含む。例えば、本明細書に開示するすべての範囲は端点を含み、端点は互いに独立して組み合わせ可能である。
【0036】
本開示は、一般的に、ターボ機械に連結された電気機械を使用してハイブリッド電気推進システムの電気エネルギー蓄積ユニットを充電するように、航空機のハイブリッド電気推進システムを動作させる方法に関する。本方法は、一般的に、電気エネルギー蓄積ユニットに損傷を与えるリスクを最小限に抑えながら、ターボ機械の損傷、摩耗および/またはストールを防止しながら、ならびに/あるいはターボ機械および航空機の性能に対する悪影響を回避しながら、電気エネルギー蓄積ユニットを充電するように動作可能であり得る。
【0037】
概して、本方法は、まず、電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあることを判定するステップを含むことができる。さらに、本方法は、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップと、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す受信した情報の少なくとも一部に基づいて、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップとを含むことができる。このような判定を行うことに応答して、本方法は、電気機械を用いて電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために、ハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させることができる。
【0038】
例えば、特定の例示的な態様では、本方法は、電気エネルギー蓄積ユニットを充電するか否か(すなわち、充電受け入れモードであるか否か)を判定する際に、電気エネルギー蓄積ユニットが現在過充電または過熱などされていないことを保証することができる。
【0039】
また、例えば、特定の例示的な態様では、動作可能性パラメータは、ターボ機械の排気ガス温度、ターボ機械のストールマージン、ターボ機械の加速要求などであってもよいし、これらを示してもよい。このような例示的な態様では、本方法は、例えば、ターボ機械が排気ガス温度限界の望ましくない範囲内で動作している場合、ターボ機械がストールマージンに近づいて望ましくない動作をしている場合、ターボ機械が加速しようとしていない場合などに、ハイブリッド電気推進システムがターボ機械から電力を引き出さないようにすることができる。これによって、ターボ機械の損傷/早すぎる摩耗のリスクを最小にし、さらに、ターボ機械をストールさせるリスクを最小限に抑えることができる。さらに、これによって、ターボ機械が航空機の使用のために十分な推力を生成することができることを保証することができる。大型ハイブリッド推進システムに関連する潜在的に高い動力抽出レベル、すなわちターボ機械からの動力抽出はターボ機械の推力出力に影響を及ぼすほど十分に高くてもよいことが、以下の議論から理解されよう。
【0040】
ここで図面を参照すると、図面全体を通して同一符号は同一要素を示しており、
図1は、本開示の様々な実施形態を組み込むことができる例示的な航空機10の上面図である。
図1に示すように、航空機10は、それを通って延在する長手方向中心線14、横方向L、前端部16、および後端部18を画定する。さらに、航空機10は、航空機10の前端部16から航空機10の後端部18まで長手方向に延在する胴体12と、航空機10の後端部にある尾翼19とを含む。さらに、航空機10は、第1の、左側翼部20および第2の、右側翼部22を含む翼部アセンブリを含む。第1の翼部20および第2の翼部22はそれぞれ、長手方向中心線14に対して横方向外向きに延在する。第1の翼部20および胴体12の一部は共に航空機10の第1の側24を画定し、第2の翼部22および胴体12の別の部分は共に航空機10の第2の側26を画定する。図示する実施形態では、航空機10の第1の側24は航空機10の左側として構成され、航空機10の第2の側26は航空機10の右側として構成される。
【0041】
図示する例示的な実施形態の翼部20、22の各々は、1つもしくは複数の前縁フラップ28および1つもしくは複数の後縁フラップ30を含む。航空機10は、またはむしろ、航空機10の尾翼19は、ヨー制御用のラダーフラップ(図示せず)を有する垂直スタビライザ32と、ピッチ制御用のエレベータフラップ36をそれぞれ有する一対の水平スタビライザ34とをさらに含む。胴体12は、外面または外板38をさらに含む。しかしながら、本開示の他の例示的な実施形態では、航空機10は、それに加えてまたはその代わりに、任意の他の適切な構成を含むことができることを理解されたい。例えば、他の実施形態では、航空機10は、任意の他の構成のスタビライザを含むことができる。
【0042】
ここでまた
図2および
図3を参照すると、
図1の例示的な航空機10は、第1の推進器アセンブリ52および第2の推進器アセンブリ54を有するハイブリッド電気推進システム50をさらに含む。
図2は、第1の推進器アセンブリ52の概略断面図を示し、
図3は、第2の推進器アセンブリ54の概略断面図を示す。図示した実施形態では、第1の推進器アセンブリ52および第2の推進器アセンブリ54は、それぞれアンダーウィング取り付け構成で構成される。しかし、以下に説明するように、第1および第2の推進器アセンブリ52、54の一方または両方は、他の例示的な実施形態では、任意の他の適切な位置に取り付けられてもよい。
【0043】
より詳細には、
図1~
図3を全体的に参照すると、例示的なハイブリッド電気推進システム50は、一般に、ターボ機械および主推進器(
図2の実施形態では、ガスタービンエンジンとして、またはむしろ、ターボファンエンジン100として共に構成される)を有する第1の推進器アセンブリ52と、ターボ機械に駆動連結された電気機械56(
図2に示す実施形態では、電動モータ/発電機である)と、第2の推進器アセンブリ54(
図3の実施形態では、電気推進器アセンブリ200として構成される)と、電気エネルギー蓄積ユニット55(電気機械56および/または電気推進器アセンブリ200と電気的に接続可能である)と、コントローラ72と、電力バス58とを含む。電気推進器アセンブリ200、電気エネルギー蓄積ユニット55、および電気機械56は各々、電力バス58の1つまたは複数の電線60を介して互いに電気的に接続可能である。例えば、電力バス58は、ハイブリッド電気推進システム50の様々な構成要素を選択的に電気的に接続するように移動可能な様々なスイッチまたは他の電力エレクトロニクスを含むことができる。さらに、電力バス58は、ハイブリッド電気推進システム50内の電力を調整または変換するための、インバータ、コンバータ、整流器などの電力エレクトロニクスをさらに含むことができる。
【0044】
理解されるように、コントローラ72は、ハイブリッド電気推進システム50の様々な構成要素の間に電力を分配するように構成されてもよい。例えば、コントローラ72は、電気機械56などの様々な構成要素に電力を供給する、または様々な構成要素から電力を引き出し、様々な動作モードでハイブリッド電気推進システム50を動作させ、ならびに様々な機能を実行するために、電力バス58(1つまたは複数のスイッチまたは他の電力エレクトロニクスを含む)と共に動作可能であってもよい。そのようなものは、コントローラ72を通って延在する電力バス58の電線60として概略的に示されており、以下でより詳細に説明する。
【0045】
コントローラ72は、ハイブリッド電気推進システム50の専用のスタンドアローンコントローラであってもよく、あるいは、航空機10のメインシステムコントローラ、例示的なターボファンエンジン100のための別個のコントローラ(例えば、FADECとも呼ばれる、ターボファンエンジン100用の全機能デジタルエンジン制御システム)などの1つまたは複数に組み込まれてもよい。例えば、コントローラ72は、
図9を参照して後述する例示的なコンピューティングシステム500と実質的に同じ方法で構成されてもよい(および以下に説明する例示的な方法300の1つまたは複数の機能を実行するように構成されてもよい)。
【0046】
さらに、電気エネルギー蓄積ユニット55は、1つまたは複数のリチウムイオン電池などの1つまたは複数の電池として構成されてもよく、あるいは、他の適切な電気エネルギー蓄積デバイスとして構成されてもよい。本明細書に記載のハイブリッド電気推進システム50の場合、電気エネルギー蓄積ユニット55は、比較的大きな電力量を蓄積するように構成されていることが理解されよう。例えば、特定の例示的な実施形態では、電気エネルギー蓄積ユニットは、少なくとも約50キロワット時の電力、例えば、少なくとも約65キロワット時の電力、例えば、少なくとも約75キロワット時の電力、および最大約1000キロワット時の電力を蓄積するように構成することができる。
【0047】
ここで特に
図1および
図2を参照すると、第1の推進器アセンブリ52は、航空機10の第1の翼部20に取り付けられた、または取り付けられるように構成されたガスタービンエンジンを含む。より具体的には、
図2の実施形態では、ガスタービンエンジンは、ターボ機械102と、推進器とを含み、推進器はファン(
図2を参照して「ファン104」と呼ばれる)である。したがって、
図2の実施形態では、ガスタービンエンジンは、ターボファンエンジン100として構成される。
【0048】
ターボファンエンジン100は、軸方向A1(基準となる長手方向中心線101に平行に延びる)および半径方向R1を画定する。上述したように、ターボファンエンジン100は、ファン104と、ファン104の下流に配置されたターボ機械102とを含む。
【0049】
図示する例示的なターボ機械102は、一般に、環状入口108を画定する実質的に管状の外側ケーシング106を含む。外側ケーシング106は、直列の流れの関係で、ブースタもしくは低圧(LP)圧縮機110および高圧(HP)圧縮機112を含む圧縮機部と、燃焼部114と、第1の高圧(HP)タービン116および第2の低圧(LP)タービン118、ならびにジェット排気ノズル部120を収容する。圧縮機部、燃焼部114、およびタービン部は、共に、ターボ機械102を通るコア空気流路121を少なくとも部分的に画定する。
【0050】
ターボファンエンジン100の例示的なターボ機械102は、タービン部の少なくとも一部、さらに図示する実施形態では、圧縮機部の少なくとも一部と共に回転可能な1つまたは複数のシャフトをさらに含む。より具体的には、図示した実施形態では、ターボファンエンジン100は、HPタービン116をHP圧縮機112に駆動可能に接続する高圧(HP)シャフトまたはスプール122を含む。さらに、例示的なターボファンエンジン100は、LPタービン118をLP圧縮機110に駆動可能に接続する低圧(LP)シャフトまたはスプール124を含む。
【0051】
さらに、図示する例示的なファン104は、ディスク130に離間して連結された複数のファンブレード128を有する可変ピッチファンとして構成されている。図示するように、ファンブレード128は、ほぼ半径方向R1に沿ってディスク130から外向きに延在する。各ファンブレード128は、ファンブレード128のピッチを同時にまとめて変化させるように構成された適切な作動部材132に動作可能に連結されたファンブレード128により、それぞれのピッチ軸P1を中心としてディスク130に対して回転することができる。ファン104が第2のLPタービン118によって機械的に駆動されるように、ファン104はLPシャフト124に機械的に連結される。より詳細には、ファン104は、ファンブレード128、ディスク130、および作動部材132を含み、動力ギヤボックス134を介してLPシャフト124に機械的に連結され、動力ギヤボックス134を横切るLPシャフト124によって長手方向軸101を中心に回転することができる。動力ギヤボックス134は、LPシャフト124の回転速度をより効率的な回転ファン速度に低下させる複数のギヤを含む。したがって、ファン104は、ターボ機械102のLPシステム(LPタービン118を含む)によって駆動される。
【0052】
さらに
図2の例示的な実施形態を参照すると、ディスク130は、複数のファンブレード128を通る空気流を促進するために空気力学的に輪郭づけされた回転可能なフロントハブ136で覆われている。さらに、ターボファンエンジン100は、ファン104および/またはターボ機械102の少なくとも一部を円周方向に取り囲む環状のファンケーシングまたは外側ナセル138を含む。したがって、図示した例示的なターボファンエンジン100は、「ダクト付き」ターボファンエンジンと呼ばれることがある。さらに、ナセル138は、円周方向に離間した複数の出口ガイドベーン140によってターボ機械102に対して支持されている。ナセル138の下流側部分142は、ターボ機械102の外側部分の上に延在し、ターボ機械102の外側部分との間にバイパス空気流路144を画定する。
【0053】
引き続き
図2を参照すると、ハイブリッド電気推進システム50は、図示した実施形態では電動モータ/発電機として構成される電気機械56をさらに含む。電気機械56は、図示した実施形態では、ターボファンエンジン100のターボ機械102内に配置され、コア空気流路121の内側にあり、ターボファンエンジン100のシャフトの1つと連結/機械的に連通する。より具体的には、図示した実施形態では、電気機械は、LPシャフト124を介して第2の、LPタービン118に連結される。電気機械56は、(LPシャフト124が電気機械56を駆動するように)LPシャフト124の機械的動力を電力に変換するように構成されてもよく、あるいは、電気機械56は、(電気機械56がLPシャフト124を駆動するか、または駆動するのを補助するように)それに供給される電力をLPシャフト124のための機械的動力に変換するように構成されてもよい。
【0054】
しかし、他の例示的な実施形態では、電気機械56は、代わりに、ターボ機械102内の任意の他の適切な位置または他の場所に配置することができることを理解されたい。例えば、電気機械56は、他の実施形態では、タービンセクション内のLPシャフト124と同軸に取り付けられてもよく、あるいは、LPシャフト124からオフセットされ、適切な歯車列を介して駆動されてもよい。それに加えて、またはその代わりに、他の例示的な実施形態では、電気機械56は、代わりに、HPシステムによって、すなわち、例えばHPシャフト122を介してHPタービン116によって、またはデュアル駆動システムを介してLPシステム(例えば、LPシャフト124)とHPシステム(例えば、HPシャフト122)の両方によって動力供給されてもよい。それに加えて、またはその代わりに、さらに他の実施形態では、電気機械56は、例えば、1つがLPシステム(例えば、LPシャフト124)に駆動可能に接続され、1つがHPシステム(例えば、HPシャフト122)に駆動可能に接続される複数の電気機械を含んでもよい。さらに、電気機械56は電動モータ/発電機として説明されているが、他の例示的な実施形態では、電気機械56は、発電機としてのみ構成されてもよい。
【0055】
引き続き
図1および
図2を参照すると、ターボファンエンジン100は、コントローラ150と、複数のセンサ(図示せず)とをさらに含む。コントローラ150は、FADECとも呼ばれる全機能デジタルエンジン制御システムであってもよい。ターボファンエンジン100のコントローラ150は、例えば、作動部材132、燃料供給システムなどの動作を制御するように構成されてもよい。さらに、
図1に戻って参照すると、ターボファンエンジン100のコントローラ150は、ハイブリッド電気推進システム50のコントローラ72に動作可能に接続される。さらに、理解されるように、コントローラ72は、第1の推進器アセンブリ52(コントローラ150を含む)、電気機械56、第2の推進器アセンブリ54、およびエネルギー蓄積ユニット55の1つまたは複数に、適切な有線または無線通信システム(破線で示されている)を介して動作可能に接続することができる。
【0056】
さらに、図示していないが、特定の例示的な実施形態では、ターボファンエンジン100は、ターボファンエンジン100の1つまたは複数の動作パラメータを示すデータを検出するように配置され、構成された1つまたは複数のセンサをさらに含むことができる。例えば、ターボファンエンジン100は、ターボ機械102のコア空気流路121内の温度を検出するように構成された1つまたは複数の温度センサを含むことができる。例えば、そのようなセンサは、燃焼部114の出口で排気ガス温度を検出するように構成されてもよい。それに加えて、またはその代わりに、ターボファンエンジン100は、ターボ機械102の燃焼部114内の燃焼器内などの、ターボ機械102のコア空気流路121内の圧力を示すデータを検出するための1つまたは複数の圧力センサを含むことができる。さらに、他の例示的な実施形態では、ターボファンエンジン100はまた、LPスプール124またはHPスプール122の1つまたは複数などの、ターボファンエンジン100の1つまたは複数の構成要素の回転速度を示すデータを検出するように構成された1つまたは複数の速度センサを含むことができる。さらに、特定の例示的な実施形態では、ターボファンエンジン100は、LP圧縮機110、HP圧縮機112、または様々な支持構造体などの、ターボファンエンジン内の様々な構成要素の振動量を示すデータを検出するように構成された1つまたは複数のセンサを含むことができる。
【0057】
図2に示す例示的なターボファンエンジン100は、他の例示的な実施形態では、他の適切な構成を有してもよいことをさらに理解されたい。例えば、他の例示的な実施形態では、ファン104は可変ピッチのファンでなくてもよく、さらに他の実施形態では、LPシャフト124はファン104に直接機械的に連結されてもよい(すなわち、ターボファンエンジン100は、ギヤボックス134を含まなくてもよい)。さらに、他の例示的な実施形態では、ターボファンエンジン100は、任意の他の適切なガスタービンエンジンとして構成されてもよいことを理解されたい。例えば、他の実施形態では、ターボファンエンジン100は、代わりに、ターボプロップエンジン、ダクトのないターボファンエンジン、ターボジェットエンジン、ターボシャフトエンジンなどとして構成されてもよい。
【0058】
ここで特に
図1および
図3を参照すると、先に述べたように、例示的なハイブリッド電気推進システム50は、図示した実施形態では、航空機10の第2の翼部22に取り付けられた第2の推進器アセンブリ54をさらに含む。特に
図3を参照すると、第2の推進器アセンブリ54は、一般に、電動モータ206と、推進器/ファン204とを含む電気推進器アセンブリ200として構成される。電気推進器アセンブリ200は、半径方向R2と同様に、参照のために電気推進器アセンブリ200を通って延びる長手方向中心線軸202に沿って延びる軸方向A2を画定する。図示する実施形態では、ファン204は、電動モータ206によって中心線軸202を中心に回転可能である。
【0059】
ファン204は、複数のファンブレード208およびファンシャフト210を含む。複数のファンブレード208は、ファンシャフト210に取り付けられ、ファンシャフト210と共に回転可能であり、電気推進器アセンブリ200(図示せず)のほぼ円周方向に沿って離間している。特定の例示的な実施形態では、複数のファンブレード208は、固定された態様でファンシャフト210に取り付けられてもよく、あるいは、複数のファンブレード208は、図示する実施形態のように、ファンシャフト210に対して回転可能であってもよい。例えば、複数のファンブレード208はそれぞれのピッチ軸P2を各々画定し、図示する実施形態では、複数のファンブレード208の各々のピッチが例えばピッチ変更機構211によって一斉に変更されるようにファンシャフト210に取り付けられている。複数のファンブレード208のピッチを変更することにより、第2の推進器アセンブリ54の効率を向上させることができ、および/または第2の推進器アセンブリ54が所望の推力プロファイルを達成することを可能にすることができる。そのような例示的な実施形態では、ファン204を可変ピッチファンと呼ぶことができる。
【0060】
さらに、図示した実施形態では、図示した電気推進器アセンブリ200は、1つまたは複数のストラットまたは出口ガイドベーン216を介して電気推進器アセンブリ200のコア214に取り付けられたファンケーシングまたは外側ナセル212をさらに含む。図示する実施形態では、外側ナセル212は、ファン204、特に複数のファンブレード208を実質的に完全に取り囲んでいる。したがって、図示した実施形態では、電気推進器アセンブリ200は、ダクト付き電動ファンと呼ぶことができる。
【0061】
引き続き特に
図3を参照すると、ファンシャフト210は、コア214内の電動モータ206に機械的に連結され、電動モータ206がファンシャフト210を介してファン204を駆動する。ファンシャフト210は、1つまたは複数のローラベアリング、ボールベアリング、または任意の他の適切なベアリングなどの1つまたは複数のベアリング218によって支持される。さらに、電動モータ206は、インランナー電動モータ(すなわち、ステータの半径方向内側に配置されたロータを含む)であってもよく、あるいは、アウトランナー電動モータ(すなわち、ロータの半径方向内側に配置されたステータを含む)であってもよいし、あるいは、軸方向磁束電動モータ(すなわち、ロータがステータの外側でもなくステータの内側でもなく、むしろ電動モータの軸に沿ってステータからオフセットされている)であってもよい。
【0062】
簡単に上述したように、電源(例えば、電気機械56または電気エネルギー蓄積ユニット55)は、電気推進器アセンブリ200に電力を供給するために電気推進器アセンブリ200(すなわち、電動モータ206)と電気的に接続される。より具体的には、電動モータ206は、電力バス58を介して、より具体的には、それらの間に延びる1つまたは複数の電気ケーブルまたは電線60を介して、電気機械56および/または電気エネルギー蓄積ユニット55と電気通信する。
【0063】
しかし、他の例示的な実施形態では、例示的なハイブリッド電気推進システム50は、他の任意の適切な構成を有してもよく、さらに、任意の他の適切な方法で航空機10に組み込まれてもよいことを理解されたい。例えば、他の例示的な実施形態では、ハイブリッド電気推進システム50の電気推進器アセンブリ200は、代わりに、複数の電気推進器アセンブリ200として構成することができ、および/またはハイブリッド電気推進システム50は、複数のガスタービンエンジン(例えばターボファンエンジン100など)と、電気機械56とをさらに含むことができる。
【0064】
さらに、他の例示的な実施形態では、電気推進器アセンブリ200および/またはガスタービンエンジンならびに電気機械56は、任意の他の適切な方法(例えば、テールマウント構成を含む)で、任意の他の適切な位置で航空機10に取り付けられてもよい。例えば、特定の例示的な実施形態では、電気推進器アセンブリは、境界層空気を取り込み、そのような境界層空気を再活性化して航空機に推進力の利益を提供するように構成することができる(推進力の利益は、推力であってもよいし、あるいは単純に航空機の抗力を軽減することによる航空機の全体の正味の推力の増加であってもよい)。
【0065】
さらに、他の例示的な実施形態では、例示的なハイブリッド電気推進システム50は、さらに他の構成を有してもよい。例えば、他の例示的な実施形態では、ハイブリッド電気推進システム50は、「純粋な」電気推進器アセンブリを含まなくてもよい。例えば、ここで
図4を簡単に参照すると、本開示のさらに別の例示的な実施形態によるハイブリッド電気推進システム50の概略図が示されている。
図4に示す例示的なハイブリッド電気推進システム50は、
図1~3を参照して上述した例示的なハイブリッド電気推進システム50の1つまたは複数と同様に構成することができる。
【0066】
例えば、
図4の例示的なハイブリッド電気推進システム50は、一般に、第1の推進器アセンブリ52および第2の推進器アセンブリ54を含む。第1の推進器アセンブリは、一般に、第1のターボ機械102Aおよび第1の推進器104Aを含み、同様に、第2の推進器アセンブリ54は、一般に、第2のターボ機械102Bおよび第2の推進器104Bを含む。第1および第2のターボ機械102A、102Bの各々は、一般に、低圧シャフト124を介して低圧タービン118に駆動連結された低圧圧縮機110を有する低圧システムと、高圧シャフト122を介して高圧タービン116に駆動連結された高圧圧縮機112を有する高圧システムとを含む。さらに、第1の推進器104Aは、第1のターボ機械102Aの低圧システムに駆動連結され、第2の推進器104Bは、第2のターボ機械102Bの低圧システムに駆動連結される。特定の例示的な実施形態では、第1の推進器104Aおよび第1のターボ機械102Aは第1のターボファンエンジンとして構成することができ、同様に、第2の推進器104Bおよび第2のターボ機械102Bは第2のターボファンエンジン(例えば、
図2の例示的なターボファンエンジン100と同様)として構成することができる。しかし、あるいは、これらの構成要素は、代わりに、ターボプロップエンジンまたは任意の他の適切なターボ機械駆動の推進器の一部として構成されてもよい。さらに、特定の例示的な実施形態では、第1の推進器アセンブリ52は航空機の第1の翼部に取り付けられてもよく、第2の推進器アセンブリ54は航空機の第2の翼部に取り付けられてもよい(例えば、
図1の例示的な実施形態と同様)。もちろん、他の例示的な実施形態では、任意の他の適切な構成が提供されてもよい(例えば、両方が同じ翼部に取り付けられてもよく、一方または両方が航空機の尾部に取り付けられてもよい、など。)
さらに、
図4のハイブリッド電気推進システム50は、電気システムをさらに含む。電気システムは、第1の電気機械56Aと、第2の電気機械56Bと、第1の電気機械56Aおよび第2の電気機械56Bに電気的に接続可能な電気エネルギー蓄積ユニット55とを含む。第1の電気機械56Aは、第1のターボ機械102Aにさらに連結される。より具体的には、図示した実施形態では、第1の電気機械56Aは、第1のターボ機械102Aの高圧システムに連結され、より具体的には、第1のターボ機械102Aの高圧スプール122に連結される。このようにして、第1の電気機械56Aは、第1のターボ機械102Aの高圧システムから動力を取り出し、および/または第1のターボ機械102Aの高圧システムに動力を供給することができる。
【0067】
さらに、図示した実施形態では、第2の推進器アセンブリ54は、純粋な電気推進器アセンブリとして構成されていないことが理解されよう。代わりに、第2の推進器アセンブリ54は、ハイブリッド電気推進器の一部として構成されている。より詳細には、第2の電気機械56Bは、第2の推進器104Bに連結され、さらに、第2のターボ機械102Bの低圧システムに連結される。このようにして、第2の電気機械56Bは、第2のターボ機械102Bの低圧システムから動力を取り出し、および/または第1のターボ機械102Aの低圧システムに動力を供給することができる。より詳細には、特定の例示的な態様では、第2の電気機械56は、第2の推進器104Bを駆動するか、または駆動するのを補助することができる。
【0068】
図4にも示すように、例示的なハイブリッド電気推進システム50は、コントローラ72および電力バス58をさらに含む。第1の電気機械56A、第2の電気機械56B、および電気エネルギー蓄積ユニット55は、それぞれ、電力バス58の1つまたは複数の電線60を介して互いに電気的に接続可能である。例えば、電力バス58は、ハイブリッド電気推進システム50の様々な構成要素を選択的に電気的に接続し、任意選択的に、それを介して伝達されるそのような電力を変換または調整するように移動可能な様々なスイッチまたは他の電力エレクトロニクスを含むことができる。
【0069】
さらに、他の例示的な実施形態では、例示的なハイブリッド電気推進システム50が他の適切な構成を有してもよいことを理解されたい。例えば、
図4の例示的な実施形態は、第1のターボ機械102Aの高圧システムに連結された第1の電気機械56Aと、第2のターボ機械102Bの低圧システムに連結された第2の電気機械56Bとを含むが、他の例示的な実施形態では、電気機械56A、56Bの各々が低圧システムに連結されてもよいし、あるいは、高圧システムに連結されてもよい。あるいは、他の例示的な実施形態では、電気システムは、第1のターボ機械102Aの低圧システムに連結された追加の電気機械、および/または第2のターボ機械102Bの高圧システムに連結された追加の電気機械をさらに含んでもよい。
【0070】
上述したように、本開示は、一般に、航空機用のハイブリッド電気推進システムを動作させる方法を提供し、より具体的には、航空機用のハイブリッド電気推進システムの電気エネルギー蓄積ユニットを充電する方法を提供する。例えば、ここで
図5を参照すると、本開示の例示的な態様を示す概略
図300が示されている。
【0071】
図示するように、概略
図300は、まずハイブリッド電気推進システムの電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあるか否かを判定するステップ302を含む。電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあるか否かを判定するステップ302は、特定の例示的な態様では、充電レベルまたは充電状態が所定のしきい値(例えば、最大しきい値)未満であることを判定するステップを含むことができる。それに加えて、またはその代わりに、特定の例示的な態様では、電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあるか否かを判定するステップ302は、電気エネルギー蓄積ユニットが故障状態にあるか否かを判定するステップを含むことができる。例えば、電気エネルギー蓄積ユニットが故障状態にあるか否かを判定するステップは、電気エネルギー蓄積ユニットの温度が指定範囲内にあるか否かを判定するステップなどの、電気エネルギー蓄積ユニットの健全性を監視するステップを含むことができる。この指定範囲は、電気エネルギー蓄積ユニットの安全動作範囲であってもよい。この範囲外で充電するまたは充電しようとすると、電気エネルギー蓄積ユニットが損傷するおそれがある。しかしながら、特に、電気エネルギー蓄積ユニットが故障状態にあるか否かを判定するステップは、電気エネルギー蓄積ユニットの他の健全性関連パラメータを監視するステップを含んでもよい。したがって、例えば、論理は、充電状態が所定のしきい値未満であると判定したことに応答して、および/または電気エネルギー蓄積ユニットが故障状態にない(例えば、電気エネルギー蓄積ユニットの温度が指定範囲内にある)と判定したことに応答して、ステップ302において電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあると判定することができる。
【0072】
さらに、流れ
図300に示す論理は、ターボ機械の動作パラメータが所定の動作可能性範囲内にあるか否かを判定するステップ304を含む。特定の例示的な態様では、動作可能性パラメータは、ターボ機械の排気ガス温度、ターボ機械のストールマージン、ターボ機械の加速要求、ターボ機械の出力レベル、ターボ機械からの抽気要求(例えば、低圧圧縮機の下流および高圧圧縮機の上流のターボ機械の圧縮機部から流出する空気量)などのうちの1つまたは複数を含むことができる。したがって、論理は、例えば、ターボ機械の排気ガス温度が所定のしきい値より低く、ターボ機械のストールマージンが所定のしきい値よりも大きく、ターボ機械の加速要求が所定のしきい値より低く、ターボ機械の出力レベルが最小しきい値より高く(例えば、アイドリングより高く)、および/または抽気要求が特定のしきい値より低い(例えば、相当量の抽気が、例えば、航空機によってターボ機械から取り出されている場合にエンジンが特定の出力レベル未満で動作している)と判定したことに応答して、ステップ304においてターボ機械が所定の動作可能性範囲内にあると判定することができる。これらの動作パラメータ値は、ターボ機械内の1つまたは複数のセンサを使用して決定することができる。さらに、それぞれの所定の動作可能性範囲内にあるこれらの動作パラメータ値は、要求された場合に増加した推力を提供するターボ機械の能力を制限することなく、ターボ機械を損傷/早期の摩耗の比較的低いリスクで、さらにターボ機械をストールさせる比較的低いリスクで、動力を引き出せることを示すことができる。
【0073】
図示するように、流れ
図300に示す論理は、ステップ302において電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードで動作していない、および/またはステップ304においてターボ機械の動作可能性パラメータが所定の動作可能性範囲内にないと判定したことに応答して、ステップ306においてハイブリッド電気推進システムを電気スタンバイモードで動作させることができる。スタンバイモードにあるときには、電気エネルギー蓄積ユニットは、例えば、電気機械または他の場所に電力を供給してもよいし、あるいは単にアイドリングのままであってもよい。
【0074】
しかし、対照的に、ステップ302において電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあり、かつ、ステップ304においてターボ機械の動作可能性パラメータが所定の動作可能性範囲内にあると判定したことに応答して、ステップ308において論理はハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させることができる。ステップ308において、ハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させる場合に、ハイブリッド電気推進システムは、ターボ機械で電気機械を回転させて電力を発生させることにより、ターボ機械に連結された電気機械を発電機として動作させることができ、そのような電力を電気エネルギー蓄積ユニットに供給して電気エネルギー蓄積ユニットを充電することができる。
【0075】
特に、
図5に示す例示的な態様では、概略
図300に示す論理は、ステップ308でハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させながら、実質的に一定の出力を維持するようにターボ機械の動作を変更するステップ310をさらに含む。したがって、例えば、特定の例示的な態様では、図示した論理は、ハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させる場合に電気機械を通る電力の抽出に起因するターボ機械に対する実効的な抗力を説明するために、ターボ機械への燃料流量を増加させることができる。
【0076】
次いで、ステップ308でハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させ続けるために、あるいは条件が変化した場合にステップ308で動作を停止させるために、論理は、ステップ302で電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモード内にとどまり、かつ、ステップ304でターボ機械の動作可能性パラメータが所定の動作可能性範囲内にとどまることを確実にするために戻って循環する。
【0077】
図5に関して上述した(および後述する)論理は、単一のターボ機械が単一の電気エネルギー蓄積ユニットを充電する構成に関連しているように見えるかもしれないが、本開示の態様は、1つまたは複数の電気エネルギー蓄積ユニットを充電するための1つまたは複数のターボ機械(および関連する電気機械)を利用することにさらに関連してもよいことが理解されよう。例えば、第1の電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにない場合には、(第2の電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあると仮定して)電力を第2の電気エネルギー蓄積ユニットに迂回させることができる。同様に、第1のターボ機械の動作可能性パラメータが所定の動作可能性パラメータ範囲内にない場合には、第2のターボ機械(および関連する電気機械)が、1つまたは複数の電気エネルギー蓄積ユニットに電力を供給することができる(第2のターボ機械の動作可能性パラメータが所定の動作可能性パラメータ範囲内にある場合)。
【0078】
ここで
図6を参照すると、本開示の例示的な態様による航空機のハイブリッド電気推進システムを動作させるための方法400が示されている。
図6の方法400は、
図5を参照して上述した例示的な論理に類似していてもよく、さらに、
図1~
図4を参照して上述した1つまたは複数の例示的なハイブリッド電気推進システムで動作可能であり得る。したがって、例えば、例示的なハイブリッド電気推進システムは、一般にターボ機械、ターボ機械に連結された電気機械、および電気エネルギー蓄積ユニットを含むことができる。
【0079】
方法400は、一般に、電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあることを判定するステップ(402)を含む。電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあることを判定するステップ(402)は、一般に、電気エネルギー蓄積ユニットが充電を受け入れる状態にあることを保証するステップを含む。例えば、図示した例示的な態様では、電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあることを判定するステップ(402)は、一般に、電気エネルギー蓄積ユニットの充電状態または充電レベルが所定のレベルより低いことを判定するステップ(404)を含む。この所定のレベルは、例えば、電気エネルギー蓄積ユニットの最大充電レベルよりも低い所定の最大レベルであってもよい。それに加えて、またはその代わりに、所定のレベルは、ターボ機械の始動またはターボ機械の再始動などの特定の動作を実行するための所定の最小レベルであってもよい。
【0080】
また図示した例示的な態様では、電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあることを判定するステップ(402)は、電気エネルギー蓄積ユニットの温度を示す情報を受信するステップ(406)と、電気エネルギー蓄積ユニットの温度が指定範囲内にあることを判定するステップ(408)とをさらに含む。この指定範囲は、電気エネルギー蓄積ユニットを充電することによって電気エネルギー蓄積ユニットを損傷するリスクが最小であると判定される温度範囲であってもよい。例えば、特定の電気エネルギー蓄積ユニットは、電気エネルギー蓄積ユニットの温度が下限温度しきい値より低い場合に充電するまたは充電しようと試みると損傷を受け易くなることがあり、さらに電気エネルギー蓄積ユニットの温度が上限温度しきい値より高い場合に充電するまたは充電しようと試みると損傷(例えば、熱暴走事象)を受け易くなり得る。
【0081】
さらに、図示していないが、他の例示的な態様では、電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあることを判定するステップ(402)は、電気エネルギー蓄積ユニットが充電を受け入れるための適正な条件にあることを保証するための任意の他の適切な判定をさらに含んでもよいことを理解されたい。例えば、少なくとも特定の例示的な態様では、電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあることを判定するステップ(402)は、電気エネルギー蓄積ユニットの充電関連の故障表示がないことを判定するステップをさらに含んでもよい。
【0082】
引き続き
図6に示す方法400の例示的な態様を参照すると、方法400は、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップ(410)と、ステップ(410)で受信したターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報に少なくとも部分的に基づいて、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップ(412)とをさらに含む。さらに、以下でより詳細に説明するように、
図6に示す方法400の例示的な態様は、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、電気機械を用いて電力を発生させるためにハイブリッド電気推進システムを発電モードで動作させるステップと、より具体的には、ステップ(402)で電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあると判定したことに応答し、かつ、ステップ(412)でターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、電気機械を用いて電気エネルギー蓄積ユニットを充電するためにハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップ(414)を含む。
【0083】
例えば、ここで
図7を簡単に参照すると、図示した方法400の例示的な態様のフローチャートが示されており、少なくとも特定の例示的な態様では、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップ(410)は、ターボ機械の排気ガス温度を示す情報を受信するステップ(416)を含む。さらに、そのような例示的な態様では、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップ(412)は、ターボ機械の排気ガス温度が排気ガス温度しきい値より低いことを判定するステップ(418)を含む。このようにして、方法400は、電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために、ターボ機械が、安全な、または所望の動作条件限界を超えないことを保証することができる。これによって、ターボ機械の損傷または早すぎる摩耗のリスクを低減することができる。
【0084】
それに加えて、またはその代わりに、少なくとも特定の例示的な態様では、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップ(410)は、ターボ機械のストールマージンを示す情報を受信するステップ(420)を含む。さらに、そのような例示的な態様では、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップ(412)は、ターボ機械のストールマージンがストールマージンしきい値を上回ることを判定するステップ(422)を含む。このようにして、方法400は、ハイブリッド電気推進システムの電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために、ターボ機械がストールのリスクを高める条件に置かれないことを保証することができる。ストール(420)で受信したストールマージンを示す情報は、例えば、ターボ機械内の1つまたは複数の温度、ターボ機械内の圧力、ターボ機械内の様々な構成要素の回転速度、ターボ機械の健全性悪化要因などであってもよい。
【0085】
それに加えて、またはその代わりに、少なくとも特定の例示的な態様では、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップ(410)は、ターボ機械の加速要求を示す情報を受信するステップ(424)を含む。そのような例示的な態様では、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップ(412)は、ターボ機械の加速要求が加速要求しきい値を下回ることを判定するステップ(426)を含む。このようにして、方法400は、特に、促されたときに推力を増加させるために、ハイブリッド電気推進システムおよびターボ機械の能力を犠牲にしなくてもよい。例えば、ステップ上昇を実行するためにハイブリッド電気推進システムを動作させる場合に、本方法は、ターボ機械に対する比較的高い加速要求を認識して、ハイブリッド電気推進システムが充電モードで動作するのを防止するか、またはハイブリッド電気推進システムが充電モードで動作しているのを停止させて、ターボ機械が所望のように加速できるようにすることができる。
【0086】
それに加えて、またはその代わりに、図示していないが、他の例示的な態様では、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップ(410)は、他の任意の適切な動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップを含むことができる。例えば、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップ(410)は、ターボ機械の出力レベルを示す情報、ターボ機械からの抽気要求(例えば、低圧圧縮機の下流および高圧圧縮機の上流のターボ機械の圧縮機部から流出する空気量)などを示す情報を受信するステップを含むことができる。したがって、特定の例示的な態様では、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップ(412)は、ターボ機械の出力レベルが最小しきい値(例えば、アイドリング)を超えており、抽気要求が特定のしきい値未満である(例えば、相当量の抽気が、例えば、航空機によってターボ機械から取り出されている場合にエンジンが特定の出力レベル未満で動作している)ことなどを判定するステップをさらに含むことができることが理解されよう。
【0087】
さらに、
図6に示す方法400の例示的な態様を特に参照すると、方法400は、ハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させる前に、ハイブリッド電気推進システムが所望の態様で動作することを保証するさらなる保護手段を含む。より詳細には、
図6の例示的な方法400は、ターボ機械が定常状態動作条件で動作していることを判定するステップ(428)をさらに含む。例えば、少なくとも特定の例示的な態様では、ターボ機械が定常状態動作条件で動作していることを判定するステップ(428)は、ターボ機械内の1つまたは複数の温度および/または圧力をある期間にわたって監視して、そのような温度および/または圧力が実質的に一定のままであることを判定するステップ、乗務員からの入力(スロットルなど)および/またはこれらの入力を示すデータを監視するステップなどを含むことができる。それに加えて、またはその代わりに、特定の例示的な態様では、ターボ機械が定常状態条件で動作していることを判定するステップ(428)は、ターボ機械内の1つまたは複数の回転部品の補正されたまたは物理的な回転速度を監視するステップと、そのような回転速度が実質的に一定のままであることを判定するステップとを含むことができる。さらに、図示するように、このような例示的な態様では、電気機械を用いて電気エネルギー蓄積ユニットを充電するためにハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップ(414)は、ステップ(428)でターボ機械が定常状態条件で動作していると判定したことにも応答して、電気機械を用いて電気エネルギー蓄積ユニットを充電するためにハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップ(430)をさらに含む。
【0088】
しかしながら、
図6に示す方法400の例示的な態様は単なる例示であり、他の例示的な態様では、方法400は、図示した例示的なチェックのうちの1つまたは複数を含まなくてもよいことが理解されよう。例えば、特定の例示的な態様では、方法400は、ターボ機械が定常状態で動作していない間に、電気エネルギー蓄積ユニットの1つまたは複数を充電することを望んでもよい。
【0089】
引き続きステップ(414)における充電モードでのハイブリッド電気推進システムの動作を参照すると、
図6に示す方法400の例示的な態様では、電気機械を用いて電気エネルギー蓄積ユニットを充電するためにハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップ(414)は、ターボ機械を用いて電気機械を回転させるステップ(432)と、電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために電気機械から電気エネルギー蓄積ユニットに電力を供給するステップ(434)とをさらに含む。特に、図示していないが、少なくとも特定の例示的な態様では、電気機械から電気エネルギー蓄積ユニットに電力を供給するステップ(434)は、電力を調整または変換するために1つまたは複数の電力エレクトロニクスを介して電力を供給するステップをさらに含むことができる。例えば、電力は、電力エレクトロニクスによって、交流(「AC」)電力から直流(「DC」)電力に変換することができる。したがって、そのような例示的な態様では、電力エレクトロニクスは、整流器または他の電力エレクトロニクスを含むことができる。
【0090】
さらに、
図6に示す方法400の例示的な態様では、電気機械を用いて電気エネルギー蓄積ユニットを充電するためにハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップ(414)は、電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップ(436)をさらに含む。例えば、
図6に示す例示的な態様では、電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップ(436)は、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す受信した情報に少なくとも部分的に基づいて電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップ(438)を含むことができる。例えば、ターボ機械の実際の排気ガス温度が排気ガス温度しきい値よりも十分に低い場合には、電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために、電気機械から電気エネルギー蓄積ユニットに比較的高い電力量を供給することができる。対照的に、ターボ機械の実際の排気ガス温度が排気ガス温度しきい値よりもわずかに低い場合には、電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために、電気機械から電気エネルギー蓄積ユニットに比較的低い電力量を供給することができる。動作可能性パラメータがターボ機械のストールマージンまたはターボ機械の加速要求を参照する場合にも、同様の論理が適用される。
【0091】
それに加えて、またはその代わりに、破線で示すように、少なくとも特定の例示的な態様では、電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップ(436)は、ステップ(402)で電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあるという判定に少なくとも部分的に基づいて、より具体的には、判定された電気エネルギー蓄積ユニットの充電状態に少なくとも部分的に基づいて、電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップ(440)を含むことができる。例えば、電気エネルギー蓄積ユニットの充電状態が所望の充電状態よりも十分に低い場合には、電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために電気機械から電気エネルギー蓄積ユニットに比較的高い電力量を供給することができる。対照的に、例えば、電気エネルギー蓄積ユニットの充電状態が所望の充電状態よりもわずかに低い場合には、電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために電気機械から電気エネルギー蓄積ユニットに比較的低い電力量を供給することができる。それに加えて、またはその代わりに、電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあるという判定に少なくとも部分的に基づいて、電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップ(440)は、電気エネルギー蓄積ユニットの温度に少なくとも部分的に基づいて、電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップを含む。例えば、電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電気エネルギーの量は、温度が関連する温度限界に近づくにつれて低減され得る。
【0092】
さらに、上記の例示的な実施形態を参照して説明したように、電気エネルギー蓄積ユニットは比較的大きな電気エネルギー蓄積ユニットであり、電気機械は比較的強力な電気機械であることが理解されよう。例えば、電気エネルギー蓄積ユニットは、少なくとも約50キロワット時の電力を蓄積するように構成することができる。さらに、特定の例示的な態様では、ハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップ(414)は、少なくとも約5キロワットの電力を供給するステップを含むことができる。
【0093】
上述したように、
図6に示す方法400の例示的な態様を参照すると、少なくとも特定の例示的な態様では、ハイブリッド電気推進システムは、第2の推進器に連結された第2の電気機械をさらに含むことができる。例えば、第2の推進器は、電気推進器アセンブリ(例えば、電動ファン)の一部として構成されてもよく、あるいは例えば第2のターボファンエンジンとして第2のターボ機械と共に構成されてもよい。これらの実施形態のうちの1つまたは複数では、方法400は、(破線で示すように)第2の電気機械が第2の推進器を少なくとも部分的に駆動して航空機に推進力の利益(例えば推力)を提供できるように、電気機械および電気エネルギー蓄積ユニットのうちの少なくとも一方からハイブリッド電気推進システムの第2の電気機械に電力を供給するステップ(442)をさらに含むことができる。特に、別個の要素として示しているが、特定の例示的な態様では、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、電気機械を用いて電力を発生させるためにハイブリッド電気推進システムを発電モードで動作させるステップは、電気機械および電気エネルギー蓄積ユニットのうちの少なくとも一方からハイブリッド電気推進システムの第2の電気機械に電力を供給するステップを含むことができる。
【0094】
それに加えて、またはその代わりに、図示した方法400のさらに他の例示的な態様では、方法400は、ターボ機械、または推進器、またはその両方を駆動するもしくは駆動するのを補助するために、電気エネルギー蓄積ユニットから電気機械に電力を供給するステップをさらに含むことができる。
【0095】
上記の例示的な態様のうちの1つまたは複数によるハイブリッド電気推進システムを動作させることにより、ハイブリッド電気推進システムのターボ機械などの、ハイブリッド電気推進システムの残りの構成要素の所望の動作を損なうことなく、そしてターボ機械の損傷または早すぎる摩耗のリスクを低減しつつ、電気エネルギー蓄積ユニットの充電を可能にすることができる。
【0096】
さらに、方法400(および論理300)は、一般に、電気エネルギー蓄積ユニットを電気機械で充電する時期を決定することに向けられているが、方法400(および論理300)は、例えば、航空機またはハイブリッド電気推進システムの負荷に電力を供給するために、電気機械を使用してターボ機械から動力をいつ取り出すかを決定するためのより一般的な態様でさらに適用することができることを理解されたい。
【0097】
例えば、ここで
図8を簡単に参照すると、本開示の別の例示的な態様による方法400の流れ図が示されている。図示するように、
図8に示した方法400の例示的な態様は、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップ(410)と、ターボ機械の動作可能性パラメータを示す受信した情報に少なくとも部分的に基づいて、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップ(412)とを一般に含む。さらに、
図8に示す方法400の例示的な態様は、ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、電気機械を用いて電力を発生させるためにハイブリッド電気推進システムを発電モードで動作させるステップ(415)をさらに含む。特定の例示的な態様では、ハイブリッド電気推進システムを発電モードで動作させるステップ(415)は、電気機械を用いて電気エネルギー蓄積ユニットを充電するためにハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップを含むことができる(例えば、
図6のステップ(414)を参照)。しかしながら、代わりに、方法400は、航空機またはハイブリッド電気推進システムの任意の他の適切な負荷に電力を供給するために使用されてもよい。本明細書で使用される「負荷」という用語は、電力を受け入れることができる任意の構成要素を指す。例えば、負荷は、航空機の1つまたは複数の機構または構成要素、ハイブリッド電気推進システムの電動ファン、ハイブリッド電気推進システムの電気エネルギー蓄積ユニットなどに電力を供給するように構成された航空機の電気システムであってもよい。
【0098】
したがって、図示した例示的な態様では、ハイブリッド電気推進システムを発電モードで動作させるステップ(415)は、ステップ(412)でターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、ハイブリッド電気推進システムまたは航空機の負荷に電力を移送するためにハイブリッド電気推進システムを電気移送モードで動作させるステップ(444)を含む。
【0099】
特に、他の点では、
図8に記載した方法400のより一般的な態様は、上述の方法400の他の例示的な態様と同様であってもよい。例えば、
図8の方法400の例示的な態様では、ハイブリッド電気推進システムを電気移送モードで動作させるステップ(444)は、負荷に供給される電力量を変調するステップ(446)を含む。より具体的には、負荷に供給される電力量を変調するステップ(446)は、ターボ機械の動作可能性パラメータを示すステップ(410)で受信した情報に少なくとも部分的に基づいて負荷に供給される電力量を変調するステップ(448)を含む。さらに、図示した例示的な態様では、ハイブリッド電気推進システムを電気移送モードで動作させるステップ(444)は、負荷に少なくとも約5キロワットの電力を供給するステップ(450)と、ターボ機械で電気機械を回転させるステップ(451)とを含む。
【0100】
さらに、
図8の方法400の例示的な態様では、本方法は、負荷が受電モードにあることを判定するステップ(452)を含む。(例えば、負荷が電気エネルギー蓄積ユニットである場合には、受電モードは充電受け入れモードであってもよいが、しかし、他の態様では、受電モードは、一般的には、電力を受け入れるのが望ましい、電力を受け入れるのが安全であり得るなどの構成要素のモードを指す。)このような例示的な態様では、ハイブリッド電気推進システムを電気移送モードで動作させるステップ(444)は、ステップ(452)で負荷が受電モードにあると判定したことに応答し、かつ、ステップ(412)でターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、ハイブリッド電気推進システムを電気移送モードで動作させるステップ(454)を含む。
【0101】
さらに、
図8の方法400の例示的な態様では、本方法はまた、ターボ機械が定常状態条件で動作していることを判定するステップ(456)を含む。このような例示的な態様では、ハイブリッド電気推進システムを電気移送モードで動作させるステップ(444)は、ステップ(456)でターボ機械が定常状態条件で動作していると判定したことにも応答して、ハイブリッド電気推進システムを電気移送モードで動作させるステップ(458)を含む。
【0102】
したがって、このような例示的な態様では、方法400は、(ハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるのとは対照的に)ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、電気機械を用いて電力を発生させるためにハイブリッド電気推進システムを発電モードで動作させるステップをより広く含むことができ、さらに航空機または推進システムの任意の適切な負荷にそのような発生した電力を供給することができることが理解されよう。
【0103】
ここで
図9を参照すると、本開示の例示的な実施形態によるコンピューティングシステム500の一例が示されている。コンピューティングシステム500は、例えば、ハイブリッド電気推進システム50のコントローラ72として使用することができる。コンピューティングシステム500は、1つまたは複数のコンピューティングデバイス510を含むことができる。コンピューティングデバイス510は、1つまたは複数のプロセッサ510A、ならびに1つまたは複数のメモリデバイス510Bを含むことができる。1つまたは複数のプロセッサ510Aは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、論理デバイス、および/または他の適切な処理デバイスなどの任意の適切な処理デバイスを含むことができる。1つまたは複数のメモリデバイス510Bは、非一時的コンピュータ可読媒体、RAM、ROM、ハードドライブ、フラッシュドライブ、および/または他のメモリデバイスを含むが、これらに限定されない、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0104】
1つまたは複数のメモリデバイス510Bは、1つまたは複数のプロセッサ510Aによって実行することができるコンピュータ可読命令510Cを含む、1つまたは複数のプロセッサ510Aによってアクセス可能な情報を格納することができる。命令510Cは、1つまたは複数のプロセッサ510Aによって実行された場合に、1つまたは複数のプロセッサ510Aに動作を実行させる任意の命令セットであってもよい。いくつかの実施形態では、命令510Cは、1つまたは複数のプロセッサ510Aによって実行されて、コンピューティングシステム500および/またはコンピューティングデバイス510が構成される動作および機能、本明細書で説明した航空機のハイブリッド電気推進システムを動作させるための操作(例えば、方法300)、ならびに/あるいは1つまたは複数のコンピューティングデバイス510の任意の他の動作または機能のいずれかなどの動作を、1つまたは複数のプロセッサ510Aに実行させることができる。したがって、特定の例示的な態様では、
図5~
図8を参照して上述した例示的な方法300、400は、コンピュータにより実施される方法であってもよく、そのようにして、上述したそれぞれのステップの1つまたは複数は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスを用いて実施されることが理解されよう。命令510Cは、任意の適切なプログラミング言語で書かれたソフトウェアであってもよく、あるいはハードウェアで実現されてもよい。それに加えて、および/またはそれに代えて、命令510Cは、プロセッサ510A上の論理的および/または仮想的に別個のスレッドで実行することができる。メモリデバイス510Bは、プロセッサ510Aによってアクセス可能なデータ510Dをさらに格納することができる。例えば、データ510Dは、ハイブリッド電気推進システムの動作モード、電気エネルギー蓄積ユニットの電力備蓄レベル、ターボ機械の1つまたは複数のシャフトもしくはスプールの回転速度、ならびに/あるいはターボ機械の1つまたは複数のシャフトもしくはスプールの1つまたは複数の負荷を示すデータを含むことができる。
【0105】
コンピューティングデバイス510はまた、例えば、システム500の他の構成要素と(例えば、ネットワークを介して)通信するために使用されるネットワークインターフェース510Eを含むことができる。ネットワークインターフェース510Eは、例えば、送信器、受信器、ポート、コントローラ、アンテナ、および/または他の適切な構成要素を含む1つまたは複数のネットワークとインターフェースするための任意の適切な構成要素を含むことができる。1つまたは複数の外部表示装置(図示せず)は、1つまたは複数のコンピューティングデバイス510から1つまたは複数のコマンドを受信するように構成することができる。
【0106】
本明細書で説明した技術は、コンピュータベースのシステム、ならびにコンピュータベースのシステムにより行われる動作、およびそれとの間でやりとりされる情報を参照する。当業者であれば、コンピュータベースのシステムの固有の柔軟性によって、構成要素間の多種多様な可能な構成、組み合わせ、ならびにタスクおよび機能の分割が可能になることを認識するであろう。例えば、本明細書で説明した処理は、単一のコンピューティングデバイスまたは組み合わせて働く複数のコンピューティングデバイスを使用して実施することができる。データベース、メモリ、命令、およびアプリケーションは、単一のシステムに実装してもよいし、複数のシステムに分散してもよい。分散した構成要素は、順次または並列に動作することができる。
【0107】
様々な実施形態の具体的な特徴がいくつかの図面には示されており、他の図面には示されていないが、これは単に便宜上のものである。本開示の原理によれば、図面の任意の特徴は、他の任意の図面の任意の特徴と組み合わせて参照および/または請求することができる。
【0108】
本明細書は、本発明を最良の態様を含めて開示すると共に、あらゆる装置またはシステムの製作および使用ならびにあらゆる関連の方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にするために、実施例を用いている。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例が請求項の字義通りの文言と異ならない構造要素を含む場合、または、それらが請求項の字義通りの文言と実質的な差異がない等価な構造要素を含む場合には、このような他の実施例は特許請求の範囲内であることを意図している。
【0109】
本発明のさらなる態様は、以下の項の主題によって提供される。
【0110】
[項1]
航空機のハイブリッド電気推進システムを動作させるための方法であって、前記ハイブリッド電気推進システムは、ターボ機械と、前記ターボ機械に連結された電気機械とを含み、前記方法は、
前記ターボ機械の動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップと、
前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータを示す前記受信した情報の少なくとも一部に基づいて、前記ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップと、
前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、前記電気機械を用いて電力を発生させるために前記ハイブリッド電気推進システムを発電モードで動作させるステップと
を含む方法。
【0111】
[項2]
前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップは、前記ターボ機械の排気ガス温度を示す情報を受信するステップを含み、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップは、前記ターボ機械の前記排気ガス温度が排気ガス温度しきい値より低いことを判定するステップを含む、任意の前項に記載の方法。
【0112】
[項3]
前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップは、前記ターボ機械のストールマージンを示す情報を受信するステップを含み、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップは、前記ターボ機械の前記ストールマージンがストールマージンしきい値を上回ることを判定するステップを含む、任意の前項に記載の方法。
【0113】
[項4]
前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータを示す情報を受信するステップは、前記ターボ機械の加速要求を示す情報を受信するステップを含み、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するステップは、前記ターボ機械の前記加速要求が所定のしきい値を下回ることを判定するステップを含む、任意の前項に記載の方法。
【0114】
[項5]
前記ハイブリッド電気推進システムは、電気エネルギー蓄積ユニットをさらに含み、電力を発生させるために前記ハイブリッド電気推進システムを前記発電モードで動作させるステップは、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、前記電気機械を用いて前記電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために前記ハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるステップを含む、任意の前項に記載の方法。
【0115】
[項6]
前記電気エネルギー蓄積ユニットが充電受け入れモードにあることを判定するステップをさらに含み、前記電気エネルギー蓄積ユニットが前記充電受け入れモードにあることを判定するステップは、前記電気エネルギー蓄積ユニットの充電状態が所定の最大レベル未満であることを判定するステップを含み、
前記ハイブリッド電気推進システムを前記充電モードで動作させるステップは、前記電気エネルギー蓄積ユニットが前記充電受け入れモードにあると判定したことに応答し、かつ、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、前記ハイブリッド電気推進システムを前記充電モードで動作させるステップを含む、
任意の前項に記載の方法。
【0116】
[項7]
前記電気エネルギー蓄積ユニットが前記充電受け入れモードにあることを判定するステップは、前記電気エネルギー蓄積ユニットの温度を示す情報を受信するステップと、前記電気エネルギー蓄積ユニットの前記温度が指定範囲内にあることを判定するステップとを含む、任意の前項に記載の方法。
【0117】
[項8]
前記電気機械を用いて前記ハイブリッド電気推進システムを、前記電気エネルギー蓄積ユニットを充電するための前記充電モードで動作させるステップは、前記電気エネルギー蓄積ユニットに供給される電力量を変調するステップをさらに含む、任意の前項に記載の方法。
【0118】
[項9]
前記電気エネルギー蓄積ユニットに供給される前記電力量を変調するステップは、前記電気エネルギー蓄積ユニットの充電状態に少なくとも部分的に基づいて前記電気エネルギー蓄積ユニットに供給される前記電力量を変調するステップを含む、任意の前項に記載の方法。
【0119】
[項10]
前記電気機械を用いて電力を発生させるために前記ハイブリッド電気推進システムを前記発電モードで動作させるステップは、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、前記ハイブリッド電気推進システムまたは前記航空機の負荷に電力を移送するために前記ハイブリッド電気推進システムを電気移送モードで動作させるステップを含む、任意の前項に記載の方法。
【0120】
[項11]
前記負荷に電力を移送するために前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気移送モードで動作させるステップは、前記負荷に供給される電力量を変調するステップを含む、任意の前項に記載の方法。
【0121】
[項12]
前記負荷に供給される前記電力量を変調するステップは、前記ターボ機械の前記動作可能性パラメータを示す前記受信した情報に少なくとも部分的に基づいて前記負荷に供給される前記電力量を変調するステップを含む、任意の前項に記載の方法。
【0122】
[項13]
前記負荷に電力を移送するために前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気移送モードで動作させるステップは、少なくとも約5キロワットの電力を前記負荷に供給するステップを含む、任意の前項に記載の方法。
【0123】
[項14]
前記負荷が受電モードにあることを判定するステップをさらに含み、
前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気移送モードで動作させるステップは、前記負荷が前記受電モードにあると判定したことに応答し、かつ、前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気移送モードで動作させるステップを含む、
任意の前項に記載の方法。
【0124】
[項15]
前記ターボ機械が定常状態条件で動作していることを判定するステップをさらに含み、前記電気機械を用いて前記電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気移送モードで動作させるステップは、前記ターボ機械が前記定常状態条件で動作していると判定したことに応答して、前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気移送モードで動作させるステップ
を含む、任意の前項に記載の方法。
【0125】
[項16]
前記ハイブリッド電気推進システムを前記電気移送モードで動作させるステップは、前記ターボ機械で前記電気機械を回転させるステップを含む、任意の前項に記載の方法。
【0126】
[項17]
前記電気機械は、第1の電気機械であり、前記ハイブリッド電気推進システムは、第2の電気機械と、前記第2の電気機械に連結された第2の推進器とをさらに含み、前記電気機械を用いて電力を発生させるために前記ハイブリッド電気推進システムを前記発電モードで動作させるステップは、前記第2の推進器を駆動し、前記航空機に推進力利益を提供するために、前記ハイブリッド電気推進システムの前記第1の電気機械から前記第2の電気機械に電力を供給するステップを含む、任意の前項に記載の方法。
【0127】
[項18]
前記ハイブリッド電気推進システムを前記充電モードで動作させるステップは、実質的に一定の出力を維持するように前記ターボ機械の動作を変更するステップを含む、任意の前項に記載の方法。
【0128】
[項19]
ハイブリッド電気推進システムであって、
ターボ機械と、
前記ターボ機械に連結された電気機械と、前記電気機械に電気的に接続可能な電気エネルギー蓄積ユニットとを含む電気システムと、
前記ターボ機械の動作可能性パラメータを示す受信した情報の少なくとも一部に基づいて、前記ターボ機械が所定の動作可能性範囲内で動作していることを判定するように、さらに前記ターボ機械が前記所定の動作可能性範囲内で動作していると判定したことに応答して、前記電気機械を用いて前記電気エネルギー蓄積ユニットを充電するために前記ハイブリッド電気推進システムを充電モードで動作させるように構成されたコントローラと
を含むハイブリッド電気推進システム。
【0129】
[項20]
前記動作可能性パラメータは、前記ターボ機械の排気ガス温度、前記ターボ機械のストールマージン、および前記ターボ機械の加速要求のうちの1つまたは複数である、任意の前項に記載のハイブリッド電気推進システム。
【符号の説明】
【0130】
10 航空機
12 胴体
14 長手方向中心線
16 前端部
18 後端部
19 尾翼
20 第1の翼部/左側翼部
22 第2の翼部/右側翼部
24 第1の側
26 第2の側
28 前縁フラップ
30 後縁フラップ
32 垂直スタビライザ
34 水平スタビライザ
36 エレベータフラップ
38 外面/外板
50 ハイブリッド電気推進システム
52 第1の推進器アセンブリ
54 第2の推進器アセンブリ
55 電気エネルギー蓄積ユニット
56 電気機械
56A 第1の電気機械
56B 第2の電気機械
58 電力バス
60 電線
72 コントローラ
100 ターボファンエンジン
101 長手方向中心線、長手方向軸
102 ターボ機械
102A 第1のターボ機械
102B 第2のターボ機械
104 ファン
104A 第1の推進器
104B 第2の推進器
106 外側ケーシング
108 環状入口
110 低圧(LP)圧縮機/ブースタ
112 高圧(HP)圧縮機/ブースタ
114 燃焼部
116 第1の高圧(HP)タービン
118 第2の低圧(LP)タービン
120 ジェット排気ノズル部
121 コア空気流路
122 高圧(HP)シャフト/スプール
124 低圧(LP)シャフト/スプール
128 ファンブレード
130 ディスク
132 作動部材
134 動力ギヤボックス
136 回転可能なフロントハブ
138 ファンケーシング/外側ナセル
140 出口ガイドベーン
142 下流側部分
144 バイパス空気流路
150 コントローラ
200 電気推進器アセンブリ
202 長手方向中心線軸
204 ファン
206 電動モータ
208 ファンブレード
210 ファンシャフト
211 ピッチ変更機構
212 ファンケーシング/外側ナセル
214 コア
216 ストラット/出口ガイドベーン
218 ベアリング
300 方法、流れ図、概略図
400 方法
500 コンピューティングシステム
510 コンピューティングデバイス
510A プロセッサ
510B メモリデバイス
510C コンピュータ可読命令
510D データ
510E ネットワークインターフェース
【外国語明細書】