(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023157941
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】データ処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20231019BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023130767
(22)【出願日】2023-08-10
(62)【分割の表示】P 2022067832の分割
【原出願日】2022-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 佳孝
(72)【発明者】
【氏名】二宮 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】戸沢 信晴
(72)【発明者】
【氏名】武井 一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】多様な受給者に対応したプロモーションの立案を支援することが可能なデータ処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】プロモーションの企画内容が記述されたプロモーション情報を解析し、当該プロモーション情報に記述された要素を汎化する汎化手段と、複数の受給者から収集された当該受給者の属性及び行動履歴に基づき、前記受給者の属性毎の特性を示した受給者情報を生成する生成手段と、前記汎化手段により汎化された要素に基づいて、受給者像を表した第1ターゲットモデルを導出する第1導出手段と、前記受給者情報に基づいて、受給者像を表した第2ターゲットモデルを前記属性毎に導出する第2導出手段と、前記第1ターゲットモデルと前記第2ターゲットモデルとに基づいて、前記プロモーションの対象とするターゲットモデルを決定する第1決定手段と、を備え、前記第1導出手段及び前記第2導出手段は一のモジュールを形成し、導出方法の異なる他のモジュールと切り替え可能に構成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロモーションの企画内容が記述されたプロモーション情報を解析し、当該プロモーション情報に記述された要素を汎化する汎化手段と、
複数の受給者から収集された当該受給者の属性及び行動履歴に基づき、前記受給者の属性毎の特性を示した受給者情報を生成する生成手段と、
前記汎化手段により汎化された要素に基づいて、受給者像を表した第1ターゲットモデルを導出する第1導出手段と、
前記受給者情報に基づいて、受給者像を表した第2ターゲットモデルを前記属性毎に導出する第2導出手段と、
前記第1ターゲットモデルと前記第2ターゲットモデルとに基づいて、前記プロモーションの対象とするターゲットモデルを決定する第1決定手段と、
を備え、
前記第1導出手段及び前記第2導出手段は一のモジュールを形成し、導出方法の異なる他のモジュールと切り替え可能に構成される、データ処理装置。
【請求項2】
前記モジュールの切り替えを制御する制御手段を更に備え、
前記制御手段は、前記プロモーションに係る条件に基づいて、前記第1ターゲットモデル及び前記第2ターゲットモデルの導出に使用する前記モジュールを切り替える、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記第1決定手段が決定した前記ターゲットモデルの特性に基づいて、前記プロモーションを供給する時期又は方法を決定する第2決定手段を更に備える、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
外部の供給者装置から前記プロモーション情報を取得する第1取得手段を更に備え、
前記汎化手段は、前記第1取得手段が取得した前記プロモーション情報を汎化する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記受給者の各々が使用する受給者装置から前記受給者の属性と行動履歴とを取得する第2取得手段を更に備え、
前記生成手段は、前記第2取得手段が取得した情報を匿名化して、前記受給者情報を生成する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
データ処理装置のコンピュータを、
プロモーションの企画内容が記述されたプロモーション情報を解析し、当該プロモーション情報に記述された要素を汎化する汎化手段と、
複数の受給者から収集された当該受給者の属性及び行動履歴に基づき、前記受給者の属性毎の特性を示した受給者情報を生成する生成手段と、
前記汎化手段により汎化された要素に基づいて、受給者像を表した第1ターゲットモデルを導出する第1導出手段と、
前記受給者情報に基づいて、受給者像を表した第2ターゲットモデルを前記属性毎に導出する第2導出手段と、
前記第1ターゲットモデルと前記第2ターゲットモデルとに基づいて、前記プロモーションの対象とするターゲットモデルを決定する第1決定手段と、
して機能させ、
前記第1導出手段及び前記第2導出手段は一のモジュールを形成し、導出方法の異なる他のモジュールと切り替え可能に構成される、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製造メーカや広告会社、小売店等の供給者は、種々のプロモーションを企画、実施することで、商品等の販促を行っている。また、従来、アライアンス企業における顧客の明細データを分析し、分析結果から作成したプロモーションを顧客に供給する技術が提案されている。
【0003】
ところで、現在行われているプロモーションは、供給者が考えたシナリオに沿ってターゲットとなる受給者に仕掛ける形態が主流である。例えば、従来では、店舗を利用する顧客を受給者としたシナリオに沿って、当該店舗で展開するプロモーションを計画することが行われている。
【0004】
しかしながら、近年では、SNS等の普及により受給者像が多様化している。そのため、従来の手法では、供給者が想定する受給者像と実際の受給者像との間にズレが生じる可能性があり、更なる改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、多様な受給者に対応したプロモーションの立案を支援することが可能なデータ処理装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のデータ処理装置は、汎化手段と、生成手段と、第1導出手段と、第2導出手段と、第1決定手段とを備える。汎化手段は、プロモーションの企画内容が記述されたプロモーション情報を解析し、当該プロモーション情報に記述された要素を汎化する。生成手段は、複数の受給者から収集された当該受給者の属性及び行動履歴に基づき、前記受給者の属性毎の特性を示した受給者情報を生成する。第1導出手段は、前記汎化手段により汎化された要素に基づいて、受給者像を表した第1ターゲットモデルを導出する。第2導出手段は、前記受給者情報に基づいて、受給者像を表した第2ターゲットモデルを前記属性毎に導出する。第1決定手段は、前記第1ターゲットモデルと前記第2ターゲットモデルとに基づいて、前記プロモーションの対象とするターゲットモデルを決定する。また、第1導出手段及び第2導出手段は一のモジュールを形成し、導出方法の異なる他のモジュールと切り替え可能に構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係るプロモーション支援システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るプロモーション支援サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るプロモーション支援サーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る分析部の構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るプロモーション支援サーバの動作を説明するための図である。
【
図6】
図6は、実施形態のプロモーション支援サーバが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、変形例1に係るデータ処理サーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、変形例1に係る分析部の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0009】
図1は、実施形態に係るプロモーション支援システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、プロモーション支援システム1は、供給者装置10と、受給者装置20と、プロモーション支援サーバ30とを有する。供給者装置10及び受給者装置20は、インターネット等のネットワークNを介して、プロモーション支援サーバ30と通信可能に接続される。なお、ネットワークNに接続される供給者装置10、受給者装置20の台数が特に問わないものとする。
【0010】
供給者装置10は、プロモーションを企画する供給者によって操作される情報処理装置である。供給者は、例えば、商品を製造・販売する製造メーカ、広告等を制作する広告代理店、小売店等が挙げられる。供給者装置10は、供給者からの指示に応じて、販促等の企画内容が記述されたプロモーション情報をプロモーション支援サーバ30に送信する。
【0011】
プロモーション情報は、例えば「ターゲット」、「時間」、「価値」及び「通知」の4つの要素で構成される。「ターゲット」は、プロモーションの供給対象となる受給者を特定するための要素である。「時間」は、プロモーションを実施する時期や有効期限等を示す要素である。「価値」は、プロモーションによって受給者に供給する情報やサービスを示す要素である。「通知」は、プロモーションの供給方法を示す要素である。プロモーション情報に含まれる要素は、供給者が想定するシナリオに則ったものとなる。なお、プロモーション情報には、上述した4つの要素の全てが含まれてもよいし、一部の要素が含まれてもよい。後者の場合、プロモーション情報は、少なくとも「価値」に係る要素を含むものとする。
【0012】
受給者装置20は、プロモーションの受給者となり得るユーザ(以下、受給者ともいう)によって操作される情報処理装置である。本実施形態では、受給者は不特定多数の一般消費者を想定しているが、これに限らず、例えば予め会員登録を行った会員等を対象としてもよい。受給者装置20は、例えばPC(Personal Computer)等の据置型の端末装置や、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン等である。また、受給者装置20は、小売店や飲食店等に設置される受給者が操作可能な端末装置等であってもよい。
【0013】
受給者装置20は、自装置を操作する受給者の氏名、年齢、性別、趣味・嗜好等が記載されたプロフィール情報を記憶する。また、受給者装置20は、受給者が行った行動の履歴を行動履歴として逐次記録する。
【0014】
なお、行動履歴の取得方法は特に問わず、種々の方法を採用することが可能である。例えば、受給者装置20は、自装置に対する操作の履歴や、自装置を介して利用した外部サービスの利用内容を行動履歴として記憶してもよい。一例として、受給者装置20は、自装置を介してSNS(Social Networking Service)に投稿した投稿内容を行動履歴として記録する。また、受給者装置20は、小売店等で利用した電子決済サービスの利用履歴を行動履歴として記録する。また、受給者装置20は、ネット通販サービスでの購入履歴を行動履歴として記録する。
【0015】
また、受給者装置20は、プロフィール情報と行動履歴とをプロモーション支援サーバ30に送信する。ここで、受給者装置20は、プロフィール情報と行動履歴とは同時に送信してもよいし、異なるタイミングで送信してもよい。但し、同一の受給者に係るプロフィール情報及び行動履歴であることが識別できるよう、ユーザID等の識別情報が両データに付されるものとする。
【0016】
プロモーション支援サーバ30は、データ処理装置の一例である。プロモーション支援サーバ30は、供給者装置10及び受給者装置20から送信されるデータを分析し、プロモーションの供給先となる受給者やプロモーションの供給方法を決定する。
【0017】
なお、本実施形態では、プロモーション支援サーバ30が単体のサーバ装置によって実現される例を説明するが、これに限らず、例えばクラウド・コンピューティング等の技術により、複数台のサーバ装置によって実現されてもよい。
【0018】
次に、上述したプロモーション支援サーバ30の構成について説明する。
図2は、プロモーション支援サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、プロモーション支援サーバ30は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、及びRAM(Random Access Memory)33等のコンピュータ構成を備える。
【0019】
CPU31は、プロセッサの一例であり、プロモーション支援サーバ30の各部を統括的に制御する。ROM32は、各種プログラムを記憶する。RAM33は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0020】
また、プロモーション支援サーバ30は、記憶部34と、表示部35と、操作部36と、通信部37とを備える。
【0021】
記憶部34は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部34は、CPU31が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。また、記憶部34は、供給者装置10及び受給者装置20等の外部装置から送信された各種のデータを記憶するための記憶領域や、処理結果を記憶するための記憶領域として機能する。
【0022】
表示部35は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスで構成される。表示部35は、CPU31の制御の下、各種の情報を表示する。操作部36は、キーボード、ポインティングデバイス等を有する。操作部36は、操作者から受け付けた操作内容をCPU31に出力する。なお、操作部36は、表示部35の表示画面に設けられるタッチパネルであってもよい。
【0023】
通信部37は、ネットワークNに接続可能な通信インタフェースである。通信部37は、ネットワークNを介して供給者装置10及び受給者装置20等の外部装置と通信を行う。
【0024】
次に、
図3を参照して、プロモーション支援サーバ30の機能構成について説明する。
図3は、プロモーション支援サーバ30の機能構成の一例を示す図である。
【0025】
図3に示すように、プロモーション支援サーバ30は、取得部311と、加工部312と、分析部313と、計画部314と、配信部315とを機能構成として備える。
【0026】
プロモーション支援サーバ30が備える機能構成の一部又は全ては、プロモーション支援サーバ30のプロセッサ(例えばCPU31)とメモリ(例えばROM32、記憶部34)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、プロモーション支援サーバ30が備える機能構成の一部又は全ては、プロモーション支援サーバ30に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0027】
取得部311は、第1取得手段及び第2取得手段の一例である。取得部311は、通信部37を介して、供給者装置10及び受給者装置20等の外部装置から送信される各種のデータを取得(又は収集)する。具体的には、取得部311は、供給者装置10の各々から送信されるプロモーション情報を取得する。また、取得部311は、受給者装置20の各々から送信されるプロフィール情報や行動履歴を取得する。取得部311が取得したデータは、記憶部34に記憶される。
【0028】
加工部312は、汎化手段及び生成手段の一例である。加工部312は、取得部311が取得したデータを加工する。加工部312は、プロモーション情報と、プロフィール情報と、行動履歴とで異なる処理を施す。以下、加工部312が各データに施す処理について説明する。
【0029】
加工部312は、プロモーションの企画内容が記述されたプロモーション情報を解析し、当該プロモーション情報に記述された要素を汎化する処理を施す。具体的には、加工部312は、プロモーション情報に記述された要素を単語や文節等の言語レベルで解析することで、プロモーション情報の企画が意味(又は意図)する内容を汎化する。
【0030】
例えば、加工部312は、プロモーション情報に記述された一の要素を、当該要素が意味する内容又は他の要素との関係に基づいて汎化する。また、例えば、加工部312は、プロモーション情報に記述された既存の要素から、当該プロモーション情報に記述されていなかった要素を汎化によって導出してもよい。一例として、加工部312は、「価値」の要素に対応する記載「ビールの値引きクーポン」から、「ターゲット」の要素に対応する「20代以上」、「ビール好き」及び「節約家」等の要素を導出してもよい。なお、プロモーション情報の汎化に係る技術は特に問わないものとする。例えば、構文解析や自然言語処理に係る技術等を用いてもよい。
【0031】
加工部312は、プロモーション情報に記述された要素を汎化した結果を、汎化プロモーション情報として生成し、出力する。そして、加工部312は、生成したプロモーション情報を、元となったプロモーション情報等と関連付けて記憶部34に記憶する。
【0032】
また、加工部312は、プロフィール情報の各々に対し、当該プロフィール情報に含まれた個人情報を匿名化する処理を施す。具体的には、加工部312は、プロフィール情報に含まれた個人情報を匿名化し、性別や年代等の属性毎にカテゴライズする。なお、カテゴライズする属性の粒度は特に問わないものとする。
【0033】
さらに、加工部312は、行動履歴の各々に対し、当該行動履歴に記述された行動の傾向や特性を、該当する受給者の属性毎に分類する処理を施す。具体的には、加工部312は、行動履歴の各々から、行動の傾向や特性(以下、総称して受給者特性ともいう)を属性毎に抽出する。
【0034】
そして、加工部312は、匿名化及びカテゴライズした受給者の属性と、当該属性に属する受給者の受給者特性とを関連付け、受給者情報として記憶部34に記憶する。受給者情報は、後述する受給者ターゲットモデルの導出に利用される。
【0035】
なお、プロモーション情報、プロフィール情報、及び行動履歴の各々に実施する処理のタイミングは特に問わないものとする。例えば、加工部312は、取得部311がプロモーション情報を取得したタイミングで、汎化プロモーション情報を生成してもよい。また、例えば、取得部311が取得したプロフィール情報と行動履歴とを記憶部34に保存しておくことで、加工部312は、所定期間に取得されたプロフィール情報と行動履歴とに対し、上記した処理を施してもよい。
【0036】
分析部313は、制御手段の一例である。分析部313は、加工部312で処理されたデータを分析することで、供給者及び受給者の観点から、プロモーションの対象となるターゲットモデルを導出する。ここで、ターゲットモデルは、上述した「ターゲット」の要素に対応するものであり、プロモーションの供給対象とする人物像、つまり受給者の属性や条件を規定するものである。
【0037】
図4は、分析部313の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、分析部313は、分析部313が行う処理の主体となるターゲット分析エンジン3130を有する。
【0038】
ターゲット分析エンジン3130は、第1分析部3131と、第1ターゲットモデルカタログ3132と、第2分析部3133と、第2ターゲットモデルカタログ3134とを有する。
【0039】
第1分析部3131は、第1導出手段の一例である。第1分析部3131は、第1ターゲットモデルカタログ3132を用いて、汎化プロモーション情報を分析することで、供給者観点での受給者像を表したターゲットモデル(以下、供給者ターゲットモデルともいう)を導出する。ここで、供給者ターゲットモデルは、第1ターゲットモデルの一例である。
【0040】
第1ターゲットモデルカタログ3132は、汎化プロモーション情報に含まれる各種の要素から、当該要素に関係する供給者ターゲットモデルを導出することが可能な学習済モデルや辞書データ、ルールセット等である。第1分析部3131は、第1ターゲットモデルカタログ3132を用いて汎化プロモーション情報を分析することで、汎化プロモーション情報に定義された要素に対応する供給者ターゲットモデルを導出する。
【0041】
具体的には、第1分析部3131は、汎化プロモーション情報に「ターゲット」に係る要素が存在するか否かに応じて、供給者ターゲットモデルの導出方法を変更する。
【0042】
第1分析部3131は、汎化プロモーション情報に「ターゲット」に係る要素が存在する場合、第1ターゲットモデルカタログ3132に基づき、「ターゲット」に係る要素を組み合わせて拡張することで、一又は複数の供給者ターゲットモデルを導出する。
【0043】
例えば、汎化プロモーション情報に含まれた「ターゲット」に係る要素が「20代以上」、「アルコール好き」の場合、第1分析部3131は、これらの要素から「20代以上でアルコール飲料を定期的に購入」を供給者ターゲットモデルとして導出する。
【0044】
また、第1分析部3131は、汎化プロモーション情報に「ターゲット」に係る要素が含まれない場合、第1ターゲットモデルカタログ3132に基づき、当該汎化プロモーション情報に含まれた他の要素から、一又は複数の供給者ターゲットモデルを推定によって導出する。
【0045】
第1分析部3131によって導出された供給者ターゲットモデルは、例えば、対応するプロモーション情報及び汎用プロモーション情報等と関連付けて記憶部34に記憶される。なお、第1分析部3131は、第1ターゲットモデルカタログ3132を一体的に具備する構成としてもよい。
【0046】
第2分析部3133は、第2導出手段の一例である。第2分析部3133は、第2ターゲットモデルカタログ3134を用いて、受給者情報を分析することで、受給者観点での受給者像を表したターゲットモデル(以下、受給者ターゲットモデルともいう)を属性毎に導出する。換言すると、受給者ターゲットモデルは、受給者の実情を反映したターゲットモデルである。ここで、受給者ターゲットモデルは、第2ターゲットモデルの一例である。
【0047】
第2ターゲットモデルカタログ3134は、例えば、各種の受給者特性の条件から当該条件に対応する受給者ターゲットモデルを導出することが可能な学習済モデルや辞書データ、ルールセット等である。第2分析部3133は、第2ターゲットモデルカタログ3134を用いることで、受給者情報に定義された受給者特性の条件に対応する受給者ターゲットモデルを推定によって導出する。具体的には、第2分析部3133は、受給者の属性毎に一又は複数の受給者ターゲットモデルを導出する。
【0048】
第2分析部3133によって導出された受給者ターゲットモデルは、例えば、受給者情報の各属性と関連付けて記憶部34に記憶される。なお、第2分析部3133は、第2ターゲットモデルカタログ3134を一体的に具備する構成としてもよい。
【0049】
また、上述した構成のターゲット分析エンジン3130は一のモジュールを形成し、導出方法の異なる他のターゲット分析エンジン3130と切り替え可能に構成されている。具体的には、分析部313は、導出に係るパラメータやアルゴリズム等の導出方法が異なるターゲット分析エンジン3130を複数保持し、ターゲット分析エンジン3130を切り替えて使用する。
【0050】
例えば、ターゲット分析エンジン3130は、供給者の業種や供給者の特性、プロモーションの企画に合わせたものが用意されてもよい。分析部313は、ターゲット分析エンジン3130を切り替えることで、使用するターゲット分析エンジン3130に応じた導出結果を得ることができる。
【0051】
なお、ターゲット分析エンジン3130の切り替えは手動で行われてもよいし、自動で行われてもよい。後者の場合、分析部313は、プロモーションに係る条件に基づいて、供給者ターゲットモデル及び受給者ターゲットモデルの導出に使用するターゲット分析エンジン3130を切り替える。
【0052】
例えば、分析部313は、プロモーションを企画した供給者や当該供給者の業種に応じて、使用するターゲット分析エンジン3130を切り替えてもよい。また、例えば、分析部313は、プロモーション情報を送信した供給者装置10に応じて、使用するターゲット分析エンジン3130を切り替えてもよい。また、例えば、分析部313は、加工部312等と協働することで、プロモーション情報の記載内容(例えばターゲット等の要素)に応じて、使用するターゲット分析エンジン3130を切り替えてもよい。
【0053】
一例として、プロモーションを企画した企業が女性用のアパレルメーカの場合、分析部313は、当該企業用に用意された、主に女性を供給者ターゲットモデルや受給者ターゲットモデルとして導出可能なターゲット分析エンジン3130に切り替える。これにより、分析部313は、供給者装置10の企業に適したターゲットモデルを選定することができる。
【0054】
図3に戻り、計画部314は、分析部313の分析結果に基づいて、プロモーションを計画する。具体的には、計画部314は、ターゲットモデル決定部3141と、タイムテーブル決定部3142とを有する。
【0055】
ターゲットモデル決定部3141は、第1決定手段の一例である。ターゲットモデル決定部3141は、分析部313で導出された供給者ターゲットモデルと受給者ターゲットモデルとに基づき、プロモーションの対象となるターゲットモデルを決定する。
【0056】
具体的には、ターゲットモデル決定部3141は、供給者ターゲットモデルと受給者ターゲットモデルとをマッチングし、供給者ターゲットモデルの該当する受給者ターゲットモデルをターゲットモデルに決定する。マッチング方法は特に問わず、種々の方法を採用することが可能である。
【0057】
例えば、ターゲットモデル決定部3141は、受給者ターゲットモデルの中から、供給者ターゲットモデルの条件、つまり供給者ターゲットモデルを規定する語句(類似する語句も含む)の一部又は全部が合致するものを特定する。また、例えば、ターゲットモデル決定部3141は、受給者ターゲットモデルの中から、供給者ターゲットモデルを規定する語句との一致率が所定値以上となったものを特定する。そして、ターゲットモデル決定部3141は、特定した受給者ターゲットモデルをターゲットモデルとして決定する。
【0058】
タイムテーブル決定部3142は、第2決定手段の一例である。タイムテーブル決定部3142は、プロモーションを行う時期及び方法を規定するタイムテーブルを決定する。ここで、タイムテーブルは、上述した4つの要素のうち、「時間」、「価値」及び「通知」に対応するものである。
【0059】
ここで、タイムテーブルの決定方法は特に問わず、種々の方法を採用することが可能である。例えば、タイムテーブル決定部3142は、ターゲットモデル決定部3141で決定されたターゲットモデルの特性、に基づいてタイムテーブルを決定してもよい。具体的には、ターゲットモデルを規定する「時間」、「価値」及び「通知」に係る条件に基づき、タイムテーブルを決定してもよい。また、例えば、タイムテーブル決定部3142は、プロモーション情報に含まれる「時間」、「価値」及び「通知」等の要素に基づき、タイムテーブルを決定してもよい。
【0060】
なお、タイムテーブル決定部3142は、一のプロモーション情報について決定したプロモーションが、他のプロモーション情報のプロモーションに影響しないよう、プロモーションを実施する時期が重複しないよう、時期をずらす等の調整を行うことが好ましい。
【0061】
配信部315は、計画部314が計画したプロモーションの配信を行う。具体的には、配信部315は、計画部314が決定したタイムテーブルに基づき、計画部314が決定したターゲットモデルに対するプロモーションを実行する。
【0062】
例えば、配信部315は、プロモーションの配信等のプロモーション活動を行う外部装置や外部組織に対し、計画部314が決定したターゲットモデル及びタイムテーブルを通知することで、計画部314が計画したプロモーションを実行させる。
【0063】
次に、
図5を参照して、上述した取得部311、加工部312、分析部313、計画部314及び配信部315の動作例について説明する。ここで、
図5は、プロモーション支援サーバ30の動作を説明するための図である。なお、
図5において、「供給者」の列は供給者装置10由来のデータに係る処理例を示している。また、「受給者」の列は受給者装置20由来のデータに係る処理例を示している。
【0064】
まず、取得部311は、供給者装置10からプロモーション情報を取得する。また、取得部311は、受給者装置20からプロフィール情報と行動履歴とを取得する。
【0065】
プロモーション情報には、例えば
図5に示すように、「全員にビールの値引きクーポンを発行」等のプロモーションの企画内容が記述される。この場合、「全員」は、「ターゲット」の要素に係るものとなる。また、「ビールの値引きクーポンを発行」は、「価値」の要素に係るものとなる。なお、「全員」は不特定多数を指すものであるため、「ターゲット」の要素が規定されていないと見なしてもよい。
【0066】
続いて、加工部312は、取得部311が取得したプロモーション情報を汎化して、汎化プロモーション情報を生成する。例えば、加工部312は、上述したプロモーション情報を汎化することで、「20代以上」、「ビール好き」、「アルコール好き」、「節約家」、「店舗で嗜好品を購入する」、「家で飲酒する」等の要素を含んだ汎化プロモーション情報を生成する。
【0067】
ここで、「20代以上」、「ビール好き」及び「アルコール好き」は、プロモーション情報に記載の「全員」、「ビール」を汎化して得られた要素である。また、「節約家」、「店舗で嗜好品を購入する」、「家で飲酒する」は、プロモーション情報に記載の「ビール」、「値引きクーポン」を汎化して得られた要素である。なお、上述した汎化プロモーション情報の各要素は、何れも「ターゲット」の要素に係るものとなるが、汎化の対象はこの要素に限らないものとする。
【0068】
また、加工部312は、取得部311が取得したプロフィール情報及び行動履歴の匿名化と、属性毎のカテゴライズとを行う。具体的には、加工部312は、匿名化したプロフィール情報を属性毎にカテゴライズするとともに、各属性の行動履歴から受給者特性を抽出し、属性と受給者特性とを関連付けた受給者情報を生成する。
【0069】
例えば、加工部312は、匿名化したプロフィール情報を、年代及び性別毎にカテゴライズする。また、加工部312は、カテゴライズした属性の行動履歴から、その属性に属する受給者の受給者特性を抽出する。
図5では、30代の男性について、「定期的にビールを購入」、「17時まで仕事」、「仕事の後によく飲酒する」、「安いものをよく買う」等の受給者特性を抽出する。
【0070】
続いて、分析部313(第1分析部3131)は、第1ターゲットモデルカタログ3132を用いることで、汎化プロモーション情報から供給者ターゲットモデルを導出する。ここで、汎化プロモーション情報に「ターゲット」に係る要素が規定されている場合、第1分析部3131は、当該要素に基づき、供給者ターゲットモデルを導出する。例えば、第1分析部3131は、
図5に示した汎化プロモーション情報の要素を組み合わせることで、「20代以上でアルコール飲料が好き」、「家で飲酒する節約家」、「店舗でビールを購入する」等を、供給者ターゲットモデルとして導出する。
【0071】
また、分析部313(第2分析部3133)は、第2ターゲットモデルカタログ3134を用いることで、受給者情報から受給者ターゲットモデルを導出する。具体的には、受給者情報に含まれた属性毎の受給者特徴を組み合わせる等することで、受給者ターゲットモデルを属性毎に導出する。例えば、分析部313は、
図5に示すように、30代の男性について、「仕事帰りにビールを定期的に購入する」、「帰宅時間は17時くらい」、「値引率が高い商品をよく購入する」等を、受給者ターゲットモデルとして導出する。
【0072】
続いて、計画部314は、ターゲットモデルとタイムテーブルを決定する。具体的には、ターゲットモデル決定部3141は、供給者ターゲットモデルと受給者ターゲットモデルとをマッチングすることで、プロモーションの対象となるターゲットモデルを決定する。例えば、
図5の場合、ターゲットモデル決定部3141は、供給者ターゲットモデルと受給者ターゲットモデルとをマッチングすることで、「仕事帰りの30代男性」をターゲットモデルに決定する。
【0073】
また、タイムテーブル決定部3142は、プロモーション情報や、ターゲットモデル決定部3141が決定したターゲットモデルに係る受給者特徴等に基づき、タイムテーブルを決定する。例えば、
図5では、タイムテーブル決定部3142は、「仕事が終わる時間にCMを流す」、「来店時にビールの値引きクーポンを発行する」等をタイムテーブルとして決定する。
【0074】
続いて、配信部315は、計画部314が計画したターゲットモデル及びタイムテーブルに基づき、プロモーションの配信を行う。例えば、配信部315は、動画配信サイト等を介して、30代男性が使用するユーザの受給者装置20(例えばスマートフォン等)に、17:00からビールのCMを配信するための制御を行う。また例えば、配信部315は、店舗に配置されるサイネージ端末等を介して、18時以降に店舗に来店した30代の男性にビールの値引きクーポンを発行するための制御を行う。
【0075】
上述のようにプロモーション支援サーバ30は、供給者ターゲットモデルと受給者ターゲットモデルとをマッチングし、プロモーションの対象となるターゲットモデルを決定する。これにより、プロモーション支援サーバ30は、供給者が企画したプロモーションのターゲットモデルを、様々な受給者の実情に基づき導出した受給者ターゲットモデルに基づき決定することができるため、多様な受給者に対応するプロモーションの立案を効率的に行うことができる。
【0076】
以下、本実施形態のプロモーション支援サーバ30が実行する処理の一例について説明する。
【0077】
図6は、プロモーション支援サーバ30が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、受給者装置20の各々から取得したプロフィール情報及び行動履歴に基づき、受給者情報の導出が完了しているものとする。
【0078】
まず、取得部311は、供給者装置10からプロモーション情報を取得する(ステップS11)。次いで、加工部312は、ステップS11で取得されたプロモーション情報に記述された要素を汎化し、汎化プロモーション情報を生成する(ステップS12)。
【0079】
続いて、分析部313は、プロモーション情報を送信した供給者等に応じて、使用するターゲット分析エンジン3130を選定する(ステップS13)。また、分析部313は、選定したターゲット分析エンジン3130によりステップS14、S15の処理を実行させる。
【0080】
具体的には、第1分析部3131は、第1ターゲットモデルカタログ3132を用いることで、汎化プロモーション情報に基づき供給者ターゲットモデルを導出する(ステップS14)。また、第2分析部3133は、第2ターゲットモデルカタログ3134を用いることで、受給者情報に基づき受給者ターゲットモデルを導出する(ステップS15)。
【0081】
続いて、ターゲットモデル決定部3141は、ステップS14で導出された供給者ターゲットモデルと、ステップS15で導出された受給者ターゲットモデルとをマッチングし、ターゲットモデルを決定する(ステップS16)。また、また、タイムテーブル決定部3142は、プロモーション情報及びステップS16で決定されたターゲットモデルの特性等に基づき、タイムテーブルを決定する(ステップS17)。
【0082】
そして、配信部315は、ステップS16及びステップS17で決定されたターゲットモデル及びタイムテーブルに基づいてプロモーションを配信し(ステップS18)、本処理を終了する。
【0083】
以上のように、本実施形態のプロモーション支援サーバ30は、プロモーションの企画が記述されたプロモーション情報を解析し、当該プロモーション情報に記述された要素を汎化する。プロモーション支援サーバ30は、汎化した要素に基づいて、供給者観点でのターゲット像を表した提供者ターゲットモデルを導出する。また、プロモーション支援サーバ30は、複数の受給者から収集された当該受給者の属性及び行動履歴に基づき、前記受給者の属性毎の特性を示した受給者情報を生成し、受給者情報に基づいて、受給者観点でのターゲット像を表した受給者ターゲットモデルを属性毎に導出する。そして、プロモーション支援サーバ30は、導出した供給者ターゲットモデルと受給者ターゲットモデルとに基づいて、プロモーションの対象とするターゲットモデルを決定する。
【0084】
これにより、プロモーション支援サーバ30は、プロモーションの意図に基づき導出した供給者ターゲットモデルと、多様の受給者の実情に基づき導出した受給者ターゲットモデルとから、プロモーションの対象となるターゲットモデルを決定することができる。したがって、プロモーション支援サーバ30は、多様な受給者に対応したプロモーションの立案を支援することができる。
【0085】
また、プロモーション支援サーバ30は、供給者等の条件に応じて使用するターゲット分析エンジン3130を切り変えることで、供給者ターゲットモデル及び受給者ターゲットモデルの導出方法を変更する。これにより、供給者等の条件毎に当該条件に適したターゲット分析エンジン3130を用意することで、プロモーション支援サーバ30は、各条件に適した供給者ターゲットモデル及び受給者ターゲットモデルを導出することができる。したがって、プロモーション支援サーバ30は、多様な供給者及び受給者に対応したプロモーションの立案を支援することができる。
【0086】
また、プロモーション支援サーバ30は、決定したターゲットモデルの特性に基づいて、プロモーションを供給する時期や方法を決定する。これにより、プロモーション支援サーバ30は、ターゲットモデルの特性に適した時期や方法でプロモーションを展開させることができるため、効果的なプロモーションの立案を支援することができる。
【0087】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0088】
(変形例1)
上述の実施形態では、分析部313は、汎化プロモーション情報及び受給者情報を分析し、供給者ターゲットモデル及び受給者ターゲットモデルを分析結果として出力する例を説明した。しかしながら、分析部313の分析対象は、上述の実施形態に限定されない、例えば、分析部313は、プロモーションの実施結果を分析してもよい。以下、
図7及び
図8を参照して、本変形例に係るプロモーション支援サーバ30の構成について説明する。
【0089】
図7は、変形例1に係るプロモーション支援サーバ30の機能構成の一例を示す図である。同図において、取得部311は、通信部37を介して、供給者装置10及び受給者装置20から送信されるデータを取得するとともに、調査機関装置40から送信されるプロモーション実施結果を取得する。
【0090】
調査機関装置40は、プロモーションの実施結果を収集する調査機関によって操作される情報処理装置である。調査機関は、例えば、商品を製造・販売する製造メーカ、広告等を制作する広告代理店、小売店等が挙げられる。
【0091】
プロモーション実施結果は、実施されたプロモーションと、当該プロモーションで販促対象となった商品の販売実績との関係を特定可能な情報を含む。例えば、プロモーション実施結果は、プロモーションの実施期間を包含する所定期間での、販促対象商品の販売数の推移や、商品購入者の属性毎の販売数の推移等を含むものであってもよい。また、プロモーション実施結果は、各ユーザ(受給者)が商品を購入した際に発行された電子レシート等の購買情報であってもよい。この場合、購買情報は、ユーザが商品を購入した店舗、購入した商品、購入が行われた日時等を含む。
【0092】
なお、プロモーション実施結果の採取方法については特に問わず、公知・公用の技術を用いることが可能である。
【0093】
取得部311は、調査機関装置40からプロモーション実施結果を取得すると、当該プロモーション実施結果を分析部313に出力する。
【0094】
ここで、プロモーション実施結果にユーザID等の個人を特定可能な情報が含まれる場合、取得部311は、プロモーション実施結果を加工部312に出力することで、加工部312で匿名化及び属性毎のカテゴライズを行わせてもよい。この場合、例えば、加工部312は、ユーザID等の識別子と、当該識別子に対応するユーザのプロフィール情報とを関連付けた会員マスタ等を参照し、プロモーション実施結果の匿名化と、属性毎のカテゴライズを行えばよい。そして、加工部312は、処理を施したプロモーション実施結果を分析部313に出力する。
【0095】
分析部313は、入力されたプロモーション実施結果を分析し、その分析結果を出力する。
図8は、本変形例に係る分析部313の構成の一例を示す図である。
図8に示すように、分析部313は、
図4で説明した構成に加え、実施結果分析エンジン3135を有する。
【0096】
実施結果分析エンジン3135は、第3分析部3136を有する。第3分析部3136は、プロモーション実施結果を分析することで、プロモーションの効果を示す指標値等を分析結果として出力する。なお、プロモーション実施結果の分析方法は特に問わず、公知のマーケティング分析方法等を用いてもよい。
【0097】
例えば、第3分析部3136は、販促対象となった商品の、ターゲットモデルと当該ターゲットモデル以外での購入率の差や、プロモーション期間と当該プロモーション期間以外での購入率の差等を分析結果として出力する。
【0098】
第3分析部3136の分析結果は、記憶部34に記憶されてもよいし、配信部315を介して、供給者装置10等に提供されてもよい。また、第3分析部3136の分析結果は、第1ターゲットモデルカタログ3132又は第2ターゲットモデルカタログ3134の導出精度を向上させるためのデータとして用いてもよい。例えば、第1ターゲットモデルカタログ3132又は第2ターゲットモデルカタログ3134が学習済モデルで構成される場合、第3分析部3136の分析結果を学習用データとして用いてもよい。
【0099】
また、実施結果分析エンジン3135は、ターゲット分析エンジン3130と同様にモジュール構成とすることで、分析方法の異なる他の実施結果分析エンジン3135と切り替え可能な構成としてもよい。この場合、分析部313は、分析に係るパラメータやアルゴリズム等の分析方法が異なる実施結果分析エンジン3135を複数保持し、実施結果分析エンジン3135を切り替えて使用する。
【0100】
例えば、実施結果分析エンジン3135は、供給者の業種や供給者の特性、プロモーションの企画に合わせたものが用意されてもよい。分析部313は、実施結果分析エンジン3135を切り替えることで、使用する実施結果分析エンジン3135に応じた分析結果を得ることができる。
【0101】
なお、実施結果分析エンジン3135の切り替えは、ターゲット分析エンジン3130と同様に手動で行われてもよいし、自動で行われてもよい。後者の場合、例えば、分析部313は、実施されたプロモーションの内容や当該プロモーションを企画した供給者に応じて、使用する実施結果分析エンジン3135を切り替えてもよい。
【0102】
これにより、本変形例に係るプロモーション支援サーバ30は、プロモーションの立案及び実施から、実施結果の分析までの一連する処理を行うことができるため、供給者が企画したプロモーションの支援をより効率的に行うことができる。
【0103】
(変形例2)
上述の実施形態では、ターゲット分析エンジン3130全体を切り替え可能な構成としたが、これに限らず、ターゲット分析エンジン3130の一部を切り替え可能な構成としてもよい。
【0104】
例えば、ターゲット分析エンジン3130が有する構成のうち、第1ターゲットモデルカタログ3132を、導出方法が異なる他の第1ターゲットモデルカタログ3132と切り替え可能な構成としてもよい。また、同様に、ターゲット分析エンジン3130が有する構成のうち、第2ターゲットモデルカタログ3134を、導出方法が異なる他の第2ターゲットモデルカタログ3134と切り替え可能な構成としてもよい。
【0105】
なお、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、ROMや記憶部等に予め組み込まれた状態で提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0106】
さらに、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0107】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1 プロモーション支援システム
10 供給者装置
20 受給者装置
30 データ処理サーバ
40 調査機関装置
311 取得部
312 加工部
313 分析部
3130 ターゲット分析エンジン
3131 第1分析部
3132 第1ターゲットモデルカタログ
3133 第2分析部
3134 第2ターゲットモデルカタログ
3135 実施結果分析エンジン
3136 第3分析部
314 計画部
315 配信部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】