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特開2023-15800情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015800
(43)【公開日】2023-02-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20230125BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119804
(22)【出願日】2021-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】517274039
【氏名又は名称】株式会社Toreru
(74)【代理人】
【識別番号】110002701
【氏名又は名称】弁理士法人Toreru
(74)【代理人】
【識別番号】100188525
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 超史
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(74)【代理人】
【識別番号】100198661
【弁理士】
【氏名又は名称】久保寺 利光
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 超史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC33
(57)【要約】
【課題】商標の識別力の有無を判断できる装置やシステムを構築する際の労力を低減でき、簡便に商標の識別力を判断できる情報処理装置を提供する。
【解決手段】ユーザーから文字を含む商標を受け付け、商標に含まれる文字の識別力の有無を判断し、判断の結果をユーザーに通知する。商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
商標に含まれる文字に識別力がないと判断する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーから文字を含む商標を受け付ける受付部と、
前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断部と、
前記識別力判断部の判断の結果をユーザーに通知する通知部と、を有し、
前記識別力判断部は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、商品又は役務を受け付け、
前記識別力判断部は、前記商標に含まれる文字が前記(a)~(f)のいずれかに該当するかを判断する第1の工程と、前記商標に含まれる文字が前記商品又は役務との関係で識別力を有するかどうかを判断する第2の工程と、を行うことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の工程は、機械学習により得られた学習済みモデルを用いることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2の工程は、前記商標を単語に分解し、各単語について前記商品又は役務との関係で識別力を有するかどうかを判断することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通知部は、前記識別力判断部の判断の結果とともに、前記識別力判断部が識別力の有無を判断した理由を通知することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記識別力判断部は、前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断した場合に、識別力がないと判断した理由に応じた解決策を選び、
前記通知部は、前記識別力判断部により選ばれた解決策を通知することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記商標は画像であり、
前記商標に含まれる文字を抽出する抽出部を更に有し、
前記識別力判断部は、前記抽出部によって抽出された文字について識別力の有無を判断する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記識別力判断部において、前記(c)、(e)又は(f)に該当するかの判断の処理方法と、前記(a)、(b)又は(d)に該当するかの判断の処理方法とが異なり、
前記(c)、(e)又は(f)に該当するかの判断においては、前記商標に含まれる文字に数字が含まれているかを調べ、数字が含まれている場合、数字のみに該当するか、又は、前記商標に含まれる文字における最初1文字、最初2文字、最後1文字もしくは最後2文字がローマ字に該当するかを調べ、
前記(a)、(b)又は(d)に該当するかの判断においては、識別力のない単語が登録されたリストに対して受付商標に含まれる文字が前記リストに登録されているかを調べることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータにより情報処理を行う情報処理方法であって、
ユーザーから文字を含む商標を受け付ける受付工程と、
前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断工程と、
前記識別力判断工程の判断の結果をユーザーに通知する通知工程と、を含み、
前記識別力判断工程は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに情報処理を実行させる情報処理プログラムであって、
ユーザーから文字を含む商標を受け付ける受付処理と、
前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断処理と、
前記識別力判断処理の判断の結果をユーザーに通知する通知処理と、を実行させ、
前記識別力判断処理は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、知的財産の重要度がますます高まっており、例えば商標については、ブランド戦略等の観点から重要度がますます高まっている。ブランド戦略を実現していくためには、商標登録出願を適時行って商標権を取得していく必要がある。
【0003】
一方、商標権を取得するための商標登録出願が増えるにつれ、それに伴う商標調査にかかる労力が増大している。商標調査としては、例えば商標登録しようとする商標に識別力があるかを調べることが挙げられる。専門家や専門知識を有するユーザーであれば、このような商標調査を行うことが可能であるが、複数の商標に対して同様の検討を行うことが多く、手間がかかるため、コンピュータによって専門家と同様の処理を行うことができる技術が強く求められている。
【0004】
特許文献1では、商標の文字情報と、その商標を使用する商品又は役務の属する類似群コードとを入力し、商標の登録性を判断し、その結果を出力する自動判断システムが開示されている。
特許文献1では、商標出願され拒絶された拒絶例を格納する拒絶データベースと、商標出願され登録された登録例を格納する登録データベースと、前記拒絶データベースに格納されている拒絶例及び前記登録データベースに格納されている登録例に基づいて商標を構成する語又は語の結合の識別力を点数化し、類似群コード毎に格納する識別力データベースとを有する記憶手段が開示されており、前記識別力データベースに格納された商標を構成する語又は語の結合の識別力の点数に基づいて商標の登録性を判断することが開示されている。
特許文献1によれば、商標登録性の自動判断において、経験則のような恣意的ではない客観的で専門家並みの判断を行うことができるとしている。
【0005】
特許文献2では、商標文字列のWEB検索を行い、商標文字列の称呼の情報を用いて類似検索を行う情報処理装置が開示されており、更に、商標文字列が識別力のない商標が格納された識別力無し辞書等にあるか検索することが開示されている。特許文献2では、辞書格納部に格納されている識別力無し辞書を検索し、受け付けた商標文字列が識別力無し辞書に格納された商標と一致した場合、例えば、商標法第3条第1項第6号に該当する可能性がある旨の出力を行う。特許文献2によれば、商標の総合的な登録性の判断材料となる情報を提供することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-10373号公報
【特許文献2】特開2012-58980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1における識別力データベースでは、拒絶例と登録例に基づいて商標を構成する語又は語の結合の識別力を点数化し、類似群コード毎に格納されているとしているが、識別力データベースを作成するのは非常に手間がかかる。特許文献1では、商標出願され拒絶された拒絶例と商標出願され登録された登録例を調べ、登録データベースと拒絶データベースを作成する必要があるが、拒絶例や登録例は非常に多く、人間が行うのは現実的ではない。また、識別力データベースを作成するには、商標を構成する語又は語の結合の識別力を点数化し、これを類似群コード毎に格納する必要があるが、これらを行うには多大な労力が必要になる。
【0008】
更に特許文献1では、商標の識別力を点数化する数式の例が開示されているものの、広く一般的に用いられる数式とまでは言い難い。また、開示されている数式では、他人の登録商標に結合して登録になった登録例の総数を調べる必要があるが、これを調べるには多大な労力が必要になる。このため、商標の識別力を点数化したデータベースを作成するのは実際のところ難しい。
【0009】
特許文献2では、辞書格納部に格納されている識別力無し辞書を検索し、受け付けた商標文字列が識別力無し辞書に格納された商標と一致した場合、例えば、商標法第3条第1項第6号に該当する可能性がある旨の出力を行う。また、辞書格納部は、識別力無し辞書の他にも、普通名称辞書、慣用商標辞書、産地・販売地等辞書、ありふれた名称辞書、簡単名称辞書が格納されており、例えば、受け付けた商標文字列が簡単名称辞書に格納された商標と一致した場合、商標法第3条第1項第5号に該当する可能性がある旨の出力を行う。
【0010】
しかし、特許文献2では、普通名称辞書、慣用商標辞書、産地・販売地等辞書、ありふれた名称辞書、簡単名称辞書、識別力無し辞書を作成する必要があるが、例えば普通名称や慣用商標などは数が多いことに加え、辞書に格納する対象の商標が普通名称や慣用商標に該当するのかを調べることは非常に手間がかかる。また、産地・販売地やありふれた名称などについても同様に数が多く、辞書に格納する対象の商標が産地・販売地やありふれた名称に該当するのかを調べることは非常に手間がかかる。そのため、商標の総合的な登録性の判断材料となる情報を提供する精度を向上させようとすると、辞書の品質を高める必要があり、システム作成に多大な労力が必要になる。
【0011】
そこで、本発明は、商標の識別力の有無を判断できる装置やシステムを構築する際の労力を低減できるとともに、ユーザーが簡便に商標の識別力を判断できる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、ユーザーから文字を含む商標を受け付ける受付部と、
前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断部と、
前記識別力判断部の判断の結果をユーザーに通知する通知部と、を有し、
前記識別力判断部は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、商標の識別力の有無を判断できる装置やシステムを構築する際の労力を低減できるとともに、ユーザーが簡便に商標の識別力を判断できる情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の情報処理装置の一例を示す図である。
図2】入力画面の一例を示す図である。
図3】入力画面の他の例を示す図である。
図4】出力画面の一例を示す図である。
図5】出力画面の他の例を示す図である。
図6】出力画面の他の例を示す図である。
図7】出力画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムについて図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0016】
本発明の情報処理装置は、ユーザーから文字を含む商標を受け付ける受付部と、
前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断部と、
前記識別力判断部の判断の結果をユーザーに通知する通知部と、を有し、
前記識別力判断部は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する
ことを特徴とする。
【0017】
図1は、本実施形態の情報処理装置を説明するための図である。図中、情報処理装置10、記憶手段31、ユーザー40、端末41が図示されている。なお、図中の矢印はデータの流れや指示等を模式的に示している。また、図1は本実施形態の情報処理装置を説明するための図であるが、本実施形態のシステムを説明するための図と称してもよい。本発明よれば、商標の識別力の有無を判断できる装置だけでなく、商標の識別力の有無を判断できるシステムも提供可能である。
【0018】
ユーザー40としては、特に制限されるものではなく、例えば法人、個人、団体など適宜使用が可能であり、国、企業、特許事務所、その他の事務所等が挙げられる。ユーザーとしているが、使用者、管理者、利用者、対象者などと称してもよい。また、端末41としては、PC、スマートフォン、タブレット等が挙げられる。
【0019】
本実施形態の情報処理装置を使用するユーザー40の数は、特に制限はなく、少数であってもよいし、多数であってもよい。多数のユーザー40が使用する場合、ユーザー40としては不特定多数であってもよいし、特定された多数であってもよい。例えば、システムにログインする方式を用いた場合に、ユーザー40としては、ログインしたユーザーであってもよいし、ログインしていないユーザーであってもよい。本実施形態の情報処理装置やシステムは、多数のユーザー40が同時に使用することができる。
【0020】
本実施形態の情報処理装置10は、受付部11、識別力判断部12、通知部13を有し、必要に応じて、抽出部14等を有していてもよい。本実施形態の情報処理装置10は、このような構成に限られるものではなく、適宜変更することができるものである。図示する例は、本実施形態以外のその他の実施形態を含む例である。
【0021】
<受付部>
受付部11は、ユーザーから文字を含む商標を受け付ける。
以下、受付部11が受け付けた商標を受付商標とも称する。
【0022】
本実施形態では、ユーザー40が操作する端末41から受付商標と受付商品役務を受け付けているが、これに限られるものではない。情報処理装置10が入力手段などを有することにより、ユーザー40が情報処理装置10に対して直接入力するようにしてもよい。また、端末41と情報処理装置10との間にその他の装置を設けるようにし、その他の装置を介して受付商標と受付商品役務を受け付けるようにしてもよい。また、情報処理装置10が起因となって受付商標と受付商品役務を取得した場合も商品名又は役務名を受け付けることに該当する。
【0023】
端末41と情報処理装置10との通信方法は、特に制限されるものではなく、適宜変更することができる。インターネット等を介して通信してもよいし、有線や無線で通信してもよい。
【0024】
また、受付部11は、商品又は役務をユーザー40から受け付けてもよい。受け付けた商品又は役務を受付商品役務などとも称する。
【0025】
前記受付商品役務は、例えば特許庁で規定されている審査基準等に記載されているものに限られない。商標登録を検討している商品名や役務名であってもよいし、商標調査を行う予定の商品名や役務名であってもよいし、自己又は他社の業務に係る商品名や役務名であってもよい。
【0026】
受付商標としては、例えば文字列が挙げられ、文字としては、ひらがな、カタカナ、漢字、英字、数字、又はこれらの組合せである。また後述するように、受付商標は画像であってもよい。受付商標が画像である場合、抽出部14は画像に含まれる文字を抽出する。
【0027】
図2に、入力画面の一例を示す。ユーザー40は、商標入力欄61に商標を入力し、実行ボタン63を押下する。これにより、受付部11はユーザー40によって入力された商標を受付商標として受け付ける。
【0028】
図3に、入力画面の他の例を示す。ユーザー40は、商標入力欄61に商標を入力し、商品役務入力欄62に商品又は役務を入力する。次いで、実行ボタン63を押下する。これにより、受付部11はユーザー40によって入力された商標を受付商標として受け付け、入力された商品又は役務を受付商品役務として受け付ける。
【0029】
<識別力判断部>
識別力判断部12は、受付商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する。以下、「受付商標に含まれる文字の識別力」と称することもあるし、「受付商標の識別力」と称することもある。
【0030】
識別力判断部12は、受付商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
受付商標に含まれる文字に識別力がないと判断する。
【0031】
前記(a)~(f)は、商標登録出願をする際に、例えば商標法第3条第1項第1号~6号の中でも生じるケースが比較的多く、特に、専門知識のないユーザーが自分で商標登録出願をする際に生じることが多い。ユーザーが自分で商標登録出願をする場合などの際に、商標登録出願をする前に前記(a)~(f)のいずれかの場合に該当するか調べることで、拒絶理由となるケースを格段に減らすことができる。
【0032】
また、前記(a)~(f)とした理由は、実現可能なシステムとするためである。
従来技術には例えば商標法第3条第1項第1号~3号に該当するかどうかを調べるものがある。しかし、商標法第3条第1項第1号~3号では、普通名称、慣用商標、産地・販売地等の商標が掲げられているが、これらに該当するかを調べるシステムを作成するのは実際のところ非常に難しい。例えば普通名称や慣用商標として、どのようなものがあるかを調べるのは多大な労力が必要とされ、また普通名称や慣用商標は数多くのものが存在するが、精度を高めるためにできるだけ多くの普通名称や慣用商標をシステムに組み込もうとすると多大な労力が必要になる。また、商標登録出願に係る商標が普通名称や慣用商標等に該当して商標登録を受けることができるかどうかを判断するには、指定商品や指定役務との関係も考慮する必要があり、登録性の判断の精度を高めることが難しい。更に、普通名称や慣用商標としてシステムに組み込まれる商標が、商標法第3条第1項第1号~3号に掲げられる商標に該当するかどうかは、その商標の使用状況、使用実績等も考慮され、検討する人間によって判断が分かれる場合がある。
【0033】
一方、本実施形態では、前記(a)~(f)に厳選してシステム化することで、一義的な判断が可能となり、実際にシステムを構築することができる。また、前記(a)~(f)では、商標と指定商品や指定役務との関係を考慮する必要がなく、判断の精度を高めることができる。
【0034】
説明のために、前記(a)~(f)の一例を以下に示す。
(a)ローマ字1字のみからなる場合の例としては、例えば「A」、「a」が挙げられる。
(b)ローマ字2字のみからなる場合の例としては、例えば「AB」、「ab」が挙げられる。
(c)数字のみからなる場合の例としては、例えば「123」が挙げられる。
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合の例としては、例えば「A-B」が挙げられる。
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合の例としては、例えば「A123」、「AB123」、「a123」が挙げられる。
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合の例としては、例えば「123A」、「123AB」、「123a」が挙げられる。
【0035】
受付商標に含まれる文字が前記(a)~(f)のいずれかに該当するかを判断する方法としては、適宜選択することができ、例えばプログラムに判定の処理を設けることが挙げられる。この他にも、識別力のない単語が登録されたリストを用いる方法が挙げられる。本実施形態によれば、従来技術のように複雑な辞書やデータベースを構築する必要がなく、商標の識別力の有無を判断する装置やシステムを構築する際の労力を低減できる。
【0036】
受付商標が前記(c)、(e)、(f)に該当するかどうかを判断する場合、換言すると、受付商標が数字を含み、識別力がない場合に該当するかを判断する場合、このような商標は数字の組合せによって無数に存在するため、これらを全てリストに登録することは現実的ではない。そのため、識別力判断部14において、前記(c)、(e)又は(f)に該当するかの判断の処理方法と、前記(a)、(b)又は(d)に該当するかの判断の処理方法とが異なることが好ましい。
【0037】
前記(c)、(e)又は(f)に該当するかの判断においては、受付商標に含まれる文字に数字が含まれているかを調べ、数字が含まれている場合、数字のみに該当するか、又は、前記商標に含まれる文字における最初1文字、最初2文字、最後1文字もしくは最後2文字がローマ字に該当するかを調べる。受付商標に数字が含まれているかどうかについては、例えばプログラムに判定の処理を設ける方法が挙げられ、例えば正規表現を用いる方法が挙げられる。このようにすることで、リストを用いずに前記(c)、(e)又は(f)に該当するかを調べることができる。
【0038】
前記(a)、(b)又は(d)に該当するかの判断においては、識別力のない単語が登録されたリストに対して受付商標に含まれる文字が前記リストに登録されているかを調べる。受付商標に含まれる文字が前記リストに登録された単語のみからなる場合、識別力がないと判断できる。リストを用いる場合、判断の手法に変更が生じた場合にプログラムを修正する必要がなく、メンテナンス性の観点で利点がある。なお、上記「調べる」とあるのは、比較する、検索する、判断するなどと称してもよい。
【0039】
リストに登録される単語としては、上述の前記(a)、(b)、(d)で例示した「A」、「AB」等が挙げられる。一例を挙げると、例えば受付商標が「AB」である場合、識別力判断部12は受付商標を用いてリストの検索を行い、受付商標はリストに登録された「AB」と一致し、リストに登録された単語のみからなるため、受付商標に識別力がないと判断する。
【0040】
リストに登録される単語としては、上記の他にも適宜選択することができる。例えば、過去の商標登録出願の審査において商標登録出願に係る商標に識別力がないと認定された商標を登録してもよい。
【0041】
なお、リストは、情報処理装置10が有していてもよいし、情報処理装置10の外部にあってもよいし、システム外にあってもよい。また、記憶手段31がリストを有していてもよい。本例では記憶手段31がリストを有している。
【0042】
また、識別力判断部12は、受付商標に含まれる文字に識別力がないと判断した場合に、識別力がないと判断した理由に応じた解決策を選ぶことが好ましい。解決策を選び、ユーザーに通知することで、ユーザーは次の対応を取りやすくなる。特に、専門知識のないユーザーにとっては有用な態様である。
【0043】
解決策としては、適宜選択することができ、例えば、商標を変更する方法、特徴のある装飾を付して商標を作成する方法(ロゴ化する方法などとも称される)、商標を変更せずに、商標が有名であることを主張する対応を選択する方法などが挙げられる。
【0044】
また、識別力判断部12は、受付部11が受け付けた受付商品役務を用いて識別力の判断を行うことも可能である。この場合、識別力判断部12は、受付商標に含まれる文字が前記(a)~(f)のいずれかに該当するかを判断する第1の工程と、受付商標に含まれる文字が受付商品役務との関係で識別力を有するかどうかを判断する第2の工程と、を行う。
【0045】
第1の工程と第2の工程を行うことにより、受付商標の識別力の有無の判断において、精度を向上させることができる。
【0046】
第1の工程については、上記のようにして行うことができるため、以下、第2の工程について説明する。第2の工程では、受付商標に含まれる文字が受付商品役務との関係で識別力を有するかどうかを判断する。第2の工程では、例えば、受付商標が商標法第3条第1項1号乃至3号に掲げる商標に該当する場合、識別力がないと判断する。このような商標としては、例えば以下のものが挙げられるが、これらは一例である。
【0047】
・受付商品役務「サニーレタス」について、受付商標「サニーレタス」
・受付商品役務「スマートフォン」について、受付商標「スマホ」
・受付商品役務「パーソナルコンピュータ」について、受付商標「パソコン」
・受付商品役務「かばん」について、受付商標「バッグ」
・受付商品役務「美容」について、受付商標「美容」
・受付商品役務「宿泊施設の提供」について、受付商標「観光ホテル」
【0048】
受付商標が例えば商標法第3条第1項1号乃至3号に掲げられている商標に該当するかを判断する方法としては、適宜選択することが可能であり、プログラムに判定する処理を設けてもよい。その他にも、商品や役務と、その商品や役務についての識別力のない商標とをセットにして登録されたリスト(上記と区別するためリスト(2)などと称してもよい)を用いてもよいし、機械学習により得られた学習済みモデルを用いてもよい。これらの中では、メンテナンス性や精度の観点から、学習済みモデルを用いることが好ましい。
【0049】
ここで第2の工程において、機械学習により得られた学習済みモデルを用いる場合について説明する。
学習済みモデルは、公知の辞書、例えばweb上の辞書を用いて機械学習を行うことにより作成することができる。機械学習によって得られた学習済みモデルは、例えば、受付商品役務と受付商標を入力として受け付け、受付商品役務の属性と受付商標の属性を求め、両者の属性が近いかどうかを判断し、その判断結果を出力する。両者の属性が近い場合、受付商品役務との関係により受付商標の識別力がないと判断される。属性は、例えば多次元のベクトルで表され、両者の属性の近さは、例えばベクトルの距離で求められる。
【0050】
例えば、学習済みモデルに、受付商品役務として「スマートフォン」を入力し、また、受付商標として「スマホ」を入力する。次いで、学習済みモデルは、「スマートフォン」の属性(ベクトル)と「スマホ」の属性を求める。次いで、求められた2つの属性を比較し、両者の近さを求める。両者の近さは、例えばベクトルの距離を算出することで求められる。両者の近さが所定の閾値以下である場合、属性が近いとする判断結果を出力する。例えば「スマートフォン」と「スマホ」は属性が近いとする判断結果が出力されるため、識別力判断部12は、受付商品役務「スマートフォン」について受付商標「スマホ」は識別力がないと判断する。
【0051】
なお、学習済みモデルは、入力としてどちらが受付商品役務であるか、受付商標であるかを問わない。
【0052】
機械学習の方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、ニューラルネットワーク、SVM(サポートベクターマシン)等を用いることができる。機械学習は、情報処理装置10が行うようにしてもよいし、他の装置が行うようにしてもよく、他の装置によって学習されたモデルを識別力判断部12が用いるようにしてもよい。また機械学習としては、教師あり学習でもよいし、教師なし学習でもよい。
【0053】
第1の工程では、受付商品役務との関係を加味しないため、受付商標の識別力の有無を判断しやすい。一方、第2の工程においては、受付商品役務との関係を加味するため、受付商標の識別力の有無をはっきりといえない場合がある。第2の工程において、例えば上述のリスト(2)を用いた場合は、受付商標の識別力の有無をはっきりといいやすいかもしれないが、上述のリスト(2)を用いない場合などは、受付商標の識別力の有無をはっきりといえない場合がある。
【0054】
このため、第2の工程においては、単に識別力が「ある」又は「ない」と判断するだけでなく、識別力を有するかどうかの判断において、判断結果を数値化することが好ましい。判断結果を数値化することで、ユーザーは判断結果を理解しやすくなる。
【0055】
判断結果を数値化する方法としては、適宜選択することができる。例えば上記のように、学習済みモデルを用いる場合、多次元のベクトルで表される属性を求め、受付商品役務と受付商標の属性の近さ、例えばベクトルの距離を求めてこれを上記任意の数値としてもよい。
【0056】
上記任意の数値としては、適宜選択することが可能である。例えば、0~100の数値としてもよい。
【0057】
第2の工程では、商標を単語に分解し、各単語について受付商品役務との関係で識別力を有するかどうかを判断するようにしてもよい。このようにすることで、受付商標の識別力の有無の判断における精度を更に高めることができる。
【0058】
例えば受付商標が「大阪アパレルシャツ」である場合に、「大阪」、「アパレル」、「シャツ」に分解して、各単語について識別力の有無を判断するようにしてもよい。上記の例の場合、例えば、「大阪」は商品の産地等に該当し、識別力がないと判断され、「アパレル」は例えば受付商品役務が「洋服」等である場合に識別力がないと判断され、「シャツ」は例えば受付商品役務が「洋服」等である場合に識別力がないと判断される。上記の例の場合、受付商標「大阪アパレルシャツ」については、受付商品役務が「洋服」、「シャツ」等である場合に、識別力がないと判断される。ただし、受付商品役務が「洋服」、「シャツ」等以外の場合などにおいては、上記の受付商標であっても識別力を有する場合がある。
【0059】
また、単語を分解した場合、単語の組合せについてそれぞれ識別力を判断してもよい。上記の例では、単語の組合せとして「大阪アパレル」、「大阪アパレル」、「アパレルシャツ」が挙げられ、これらの単語の組合せについてそれぞれ識別力を判断し、その結果を出力するようにしてもよい。
【0060】
受付商標を単語に分解する方法としては、例えば、公知の形態素解析の技術を用いる方法が挙げられる。なお、識別力判断部12が単語分解してもよいし、その他が単語分解してもよい。
【0061】
<抽出部>
受付商標は文字を含んでいればよいため、受付商標は画像であってもよい。受付商標が画像である場合、抽出部14は、受付商標に含まれる文字を抽出し、識別力判断部12は、抽出部14によって抽出された文字について識別力の有無を判断する。識別力の有無の判断については、上記と同様にすることができる。
【0062】
画像から文字を抽出する方法としては、特に制限されるものではなく、例えば公知の画像認識の技術を用いることができる。
【0063】
<通知部>
通知部13は、識別力判断部12の判断の結果をユーザーに通知する。
識別力判断部12の判断の結果としては、上述のように、例えば識別力が「ある」、「ない」を判断の結果としてもよいし、任意の数値を判断結果としてもよい。
【0064】
通知部13は、識別力判断部12の判断の結果とともに、識別力判断部12が識別力の有無を判断した理由を通知することが好ましい。このように、識別力の有無を判断した理由を通知することで、専門知識のないユーザーであっても判断結果を理解しやすくなり、判断結果を踏まえての対応を行いやすくなる。
【0065】
識別力判断部12によって受付商標に含まれる文字に識別力がないと判断され、識別力がないと判断した理由に応じた解決策が選ばれた場合、通知部13は、識別力判断部12により選ばれた解決策を通知することが好ましい。これにより、ユーザーは次の対応を取りやすくなる。
【0066】
通知部13の通知方法としては、適宜選択することができる。例えば、ユーザー40の端末41に検索結果が表示されるようにしてもよい。その他にも、ユーザー40の端末41にメッセージを送信するようにしてもよいし、API(アプリケーションインターフェース)に送信してもよい。例えば、端末41の画面に表示するようにしてもよいし、push通知を行うようにしてもよい。
【0067】
また、情報処理装置10が他の装置に出力を行い、他の装置を介してユーザー40が判断結果を取得するようにしてもよい。この場合、他の装置から端末41にデータを送信する場合に限られず、端末41が起因となって他の装置からデータを取得するようにしてもよい。なお、本実施形態において、他の装置に判断結果を送信することは、通知部13が判断結果を出力することに含まれる。
【0068】
図4に、通知画面の一例を示す。本例の通知画面51では、受付商標「トレル」について識別力の有無を判断した結果を通知するものであり、識別力があると判断された場合の例である。図示する例では、判断結果として「商標登録を受けられる識別力がある」と記載しているが、これに限られるものではなく、適宜変更することができる。また、図示する例では、識別力の有無を判断した理由が表示されている。
【0069】
図5に、通知画面の他の例を示す。本例の通知画面51では、受付商標「AA」について識別力の有無を判断した結果を通知するものであり、識別力がないと判断された場合の例である。また、識別力がないと判断した結果として、受付商標がローマ字2字のみからなる場合は商標登録を受けられない旨を表示している。
【0070】
図6に、通知画面の他の例を示す。本例の通知画面51では、受付商標「トレル」、受付商品役務「洋服」について識別力の有無を判断した結果を通知するものであり、識別力があると判断された場合の例である。
【0071】
図7に、通知画面の他の例を示す。本例の通知画面51では、受付商標「スマホ」、受付商品役務「スマートフォン」について識別力の有無を判断した結果を通知するものであり、識別力がないと判断された場合の例である。受付商標「スマホ」は受付商品役務「スマートフォン」の略称であり、一般的な名称であると認識されるに至っているため、商品又は役務の普通名称に該当し、商標法第3条第1項第1号により登録を受けることができない。
【0072】
上記説明したように、本実施形態によれば、ユーザーは簡便な操作で商標の識別力の有無についての判断結果を取得することができ、簡便な操作で商標の識別力の有無を判断することができる。
【0073】
<情報処理方法>
本発明によれば、上述のように、コンピュータにより行う情報処理方法が提供される。
本発明の情報処理方法は、コンピュータにより情報処理を行う情報処理方法であって、
ユーザーから文字を含む商標を受け付ける受付工程と、
前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断工程と、
前記識別力判断工程の判断の結果をユーザーに通知する通知工程と、を含み、
前記識別力判断工程は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する
ことを特徴とする。
【0074】
<情報処理プログラム>
本発明によれば、上述のように、情報処理プログラムが提供される。
本発明の情報処理プログラムは、コンピュータに情報処理を実行させる情報処理プログラムであって、
ユーザーから文字を含む商標を受け付ける受付処理と、
前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断処理と、
前記識別力判断処理の判断の結果をユーザーに通知する通知処理と、を実行させ、
前記識別力判断処理は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する
ことを特徴とする。
【符号の説明】
【0075】
10 情報処理装置
11 受付部
12 識別力判断部
13 通知部
14 抽出部
31 記憶手段
40 ユーザー
41 端末
50 入力画面
51 通知画面
61 商標入力欄
62 商品役務入力欄
63 実行ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーから文字を含む商標と商品又は役務とを受け付ける受付部と、
前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断部と、
前記識別力判断部の判断の結果をユーザーに通知する通知部と、を有し、
前記識別力判断部は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する第1の工程と、前記商標に含まれる文字が前記商品又は役務との関係で識別力を有するかどうかを判断する第2の工程と、を行い、
前記第2の工程は、前記商標を単語に分解し、各単語について前記商品又は役務との関係で識別力を有するかどうかを判断することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の工程は、機械学習により得られた学習済みモデルを用いることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記学習済みモデルは、公知の辞書を用いて機械学習を行うことにより得られたものであることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記識別力判断部の判断の結果とともに、前記識別力判断部が識別力の有無を判断した理由を通知することを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記識別力判断部は、前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断した場合に、識別力がないと判断した理由に応じた解決策を選び、
前記通知部は、前記識別力判断部により選ばれた解決策を通知することを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記商標は画像であり、
前記商標に含まれる文字を抽出する抽出部を更に有し、
前記識別力判断部は、前記抽出部によって抽出された文字について識別力の有無を判断する
ことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記識別力判断部において、前記(c)、(e)又は(f)に該当するかの判断の処理方法と、前記(a)、(b)又は(d)に該当するかの判断の処理方法とが異なり、
前記(c)、(e)又は(f)に該当するかの判断においては、前記商標に含まれる文字に数字が含まれているかを調べ、数字が含まれている場合、数字のみに該当するか、又は、前記商標に含まれる文字における最初1文字、最初2文字、最後1文字もしくは最後2文字がローマ字に該当するかを調べ、
前記(a)、(b)又は(d)に該当するかの判断においては、識別力のない単語が登録されたリストに対して受付商標に含まれる文字が前記リストに登録されているかを調べることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
受付部と、識別力判断部と、通知部とを有するコンピュータが行う情報処理方法であり、前記受付部と、前記識別力判断部と、前記通知部とを用いて行われる情報処理方法であって、
前記受付部が、ユーザーから文字を含む商標と商品又は役務とを受け付ける受付工程と、
前記識別力判断部が、前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断工程と、
前記通知部が、前記識別力判断工程の判断の結果をユーザーに通知する通知工程と、
を備え、
前記識別力判断工程は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又
は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する第1の工程と、前記商標に含まれる文字が前記商品又は役務との関係で識別力を有するかどうかを判断する第2の工程と、を行い、
前記第2の工程は、前記商標を単語に分解し、各単語について前記商品又は役務との関係で識別力を有するかどうかを判断する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
ユーザーから文字を含む商標と商品又は役務とを受け付ける受付部と、
前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断部と、
前記識別力判断処理の判断の結果をユーザーに通知する通知部と、
して機能させ、
前記識別力判断部は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する第1の工程と、前記商標に含まれる文字が前記商品又は役務との関係で識別力を有するかどうかを判断する第2の工程と、を行い、
前記第2の工程は、前記商標を単語に分解し、各単語について前記商品又は役務との関係で識別力を有するかどうかを判断する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、ユーザーから文字を含む商標と商品又は役務とを受け付ける受付部と、
前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断部と、
前記識別力判断部の判断の結果をユーザーに通知する通知部と、を有し、
前記識別力判断部は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する第1の工程と、前記商標に含まれる文字が前記商品又は役務との関係で識別力を有するかどうかを判断する第2の工程と、を行い、
前記第2の工程は、前記商標を単語に分解し、各単語について前記商品又は役務との関係で識別力を有するかどうかを判断する
ことを特徴とする。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーから文字を含む商標と商品又は役務とを受け付ける受付部と、
前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断部と、
前記識別力判断部の判断の結果をユーザーに通知する通知部と、を有し、
前記識別力判断部は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する第1の工程と、前記商標に含まれる文字が前記商品又は役務との関係で識別力がないと判断する第2の工程と、を行い、
前記第2の工程は、前記商標を単語に分解し、各単語について前記商品又は役務との関係で識別力がないと判断することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の工程は、機械学習により得られた学習済みモデルを用いることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記学習済みモデルは、公知の辞書を用いて機械学習を行うことにより得られたものであることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記識別力判断部の判断の結果とともに、前記識別力判断部が識別力の有無を判断した理由を通知することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記識別力判断部は、前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断した場合に、識別力がないと判断した理由に応じた解決策を選び、
前記通知部は、前記識別力判断部により選ばれた解決策を通知することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記商標は画像であり、
前記商標に含まれる文字を抽出する抽出部を更に有し、
前記識別力判断部は、前記抽出部によって抽出された文字について識別力の有無を判断する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記識別力判断部において、前記(c)、(e)又は(f)に該当するかの判断の処理方法と、前記(a)、(b)又は(d)に該当するかの判断の処理方法とが異なり、
前記(c)、(e)又は(f)に該当するかの判断においては、前記商標に含まれる文字に数字が含まれているかを調べ、数字が含まれている場合、数字のみに該当するか、又は、前記商標に含まれる文字における最初1文字、最初2文字、最後1文字もしくは最後2文字がローマ字に該当するかを調べ、
前記(a)、(b)又は(d)に該当するかの判断においては、識別力のない単語が登録されたリストに対して受付商標に含まれる文字が前記リストに登録されているかを調べることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
受付部と、識別力判断部と、通知部とを有するコンピュータが行う情報処理方法であり、前記受付部と、前記識別力判断部と、前記通知部とを用いて行われる情報処理方法であって、
前記受付部が、ユーザーから文字を含む商標と商品又は役務とを受け付ける受付工程と、
前記識別力判断部が、前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断工程と、
前記通知部が、前記識別力判断工程の判断の結果をユーザーに通知する通知工程と、
を備え、
前記識別力判断工程は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又
は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する第1の工程と、前記商標に含まれる文字が前記商品又は役務との関係で識別力がないと判断する第2の工程と、を行い、
前記第2の工程は、前記商標を単語に分解し、各単語について前記商品又は役務との関係で識別力がないと判断する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
ユーザーから文字を含む商標と商品又は役務とを受け付ける受付部と、
前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断部と、
前記識別力判断処理の判断の結果をユーザーに通知する通知部と、
して機能させ、
前記識別力判断部は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する第1の工程と、前記商標に含まれる文字が前記商品又は役務との関係で識別力がないと判断する第2の工程と、を行い、
前記第2の工程は、前記商標を単語に分解し、各単語について前記商品又は役務との関係で識別力がないと判断する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、ユーザーから文字を含む商標と商品又は役務とを受け付ける受付部と、
前記商標に含まれる文字の識別力の有無を判断する識別力判断部と、
前記識別力判断部の判断の結果をユーザーに通知する通知部と、を有し、
前記識別力判断部は、前記商標に含まれる文字が
(a)ローマ字1字のみからなる場合、
(b)ローマ字2字のみからなる場合、
(c)数字のみからなる場合、
(d)ローマ字の2字をハイフン「-」で連結したもののみからなる場合、
(e)ローマ字の1字もしくは2字の次に数字を組み合わせたもののみからなる場合、又は、
(f)数字の次にローマ字の1字もしくは2字を組み合わせたもののみからなる場合、
前記商標に含まれる文字に識別力がないと判断する第1の工程と、前記商標に含まれる文字が前記商品又は役務との関係で識別力がないと判断する第2の工程と、を行い、
前記第2の工程は、前記商標を単語に分解し、各単語について前記商品又は役務との関係で識別力がないと判断する
ことを特徴とする。