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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158007
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】圧力スパイク吸収システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/175 20060101AFI20231019BHJP
   A61M 5/168 20060101ALI20231019BHJP
   A61M 5/145 20060101ALI20231019BHJP
   F16L 55/045 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
A61M5/175
A61M5/168 506
A61M5/145 500
F16L55/045
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023136245
(22)【出願日】2023-08-24
(62)【分割の表示】P 2020524853の分割
【原出願日】2018-11-07
(31)【優先権主張番号】15/807,475
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509024204
【氏名又は名称】ケアフュージョン・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CareFusion Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェイス、レイモンド
(57)【要約】
【課題】静脈内(IV)治療チューブ内の流体圧力の安全な管理を提供するためのシステム。
【解決手段】
第1のハウジング部分および第2のハウジング部分と、第1のチューブ通路と、第1の保持ボアと、第2のチューブ通路と、第2の保持ボアと、第1の端部、第2の端部、および内面を有する拡張可能なリザーバを備え、拡張可能なリザーバは、キャビティ内に配置されており、拡張可能なリザーバの第1の端部が第1の保持ボア内に延在し、拡張可能なリザーバの第2の端部が第2の保持ボア内に延在している、圧力スパイク吸収システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力スパイク吸収システムであって、
第1のハウジング部分および第2のハウジング部分であって、前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分は、両者の間にキャビティを形成するように取り外し可能に結合可能である、第1のハウジング部分および第2のハウジング部分と、前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分の第1の端部分を通って延在する第1のチューブ通路と、前記キャビティから前記第1のチューブ通路まで延在する第1の保持ボアと、前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分の第2の端部分を通って延在する第2のチューブ通路と、前記キャビティから前記第2のチューブ通路まで延在する第2の保持ボアと、
第1の開口部を有する第1の端部と、第2の開口部を有する第2の端部と、前記第1の開口部および前記第2の開口部の間に延在する通路を形成する内面とを備える、拡張可能なリザーバであって、前記拡張可能なリザーバは、前記キャビティ内に配置されており、前記拡張可能なリザーバの前記第1の端部が前記第1の保持ボア内に延在し、前記拡張可能なリザーバの前記第2の端部が前記第2の保持ボア内に延在している、拡張可能なリザーバと
を備える、圧力スパイク吸収システム。
【請求項2】
前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分のいずれかが、前記キャビティから前記第1のハウジング部分または前記第2のハウジング部分の外面へ延在する通気通路を備える、請求項1に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項3】
前記通気通路は、前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分との間に形成されている、請求項2に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項4】
前記キャビティの断面幅は、前記第1の保持ボアおよび前記第2の保持ボアのいずれかに向かって先細になっている、請求項1に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項5】
前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分の内面は、前記キャビティから前記第1の保持ボアおよび前記第2の保持ボアのいずれかに向かって先細となる断面幅を有する、請求項1に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項6】
前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分の間に延在するヒンジをさらに備える、請求項1に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項7】
前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分は、前記ヒンジを中心として互いに向かう方向または離れる方向に移動可能である、請求項6に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項8】
前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分の一方が、リテーナを備え、前記リテーナは、前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分の他方に対して係合し、前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分の分離に対して抵抗するように構成されている、請求項1に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項9】
前記第1のハウジング部分および前記第2のハウジング部分が、接着剤および溶接のいずれかによって互いに結合されている、請求項1に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項10】
圧力スパイク吸収システムであって、
ハウジングであって、キャビティと、前記ハウジングの第1の端部を通って延在する第1のチューブ通路と、前記キャビティから前記第1のチューブ通路まで延在する第1の保持ボアと、前記ハウジングの第2の端部を通って延在する第2のチューブ通路と、前記キャビティから前記第2のチューブ通路まで延在する第2の保持ボアと、を備えるハウジングと、
第1の開口部を有する第1の端部と、第2の開口部を有する第2の端部と、前記第1の開口部および前記第2の開口部の間に延在する通路を形成する内面とを備える、拡張可能なリザーバであって、前記拡張可能なリザーバは、前記キャビティ内に配置されており、前記拡張可能なリザーバの前記第1の端部が前記第1の保持ボア内に延在し、前記拡張可能なリザーバの前記第2の端部が前記第2の保持ボア内に延在している、拡張可能なリザーバと
を備える、圧力スパイク吸収システム。
【請求項11】
前記ハウジングの前記第1の端部および前記第2の端部のいずれかが、キャップを備え、前記キャップが、前記第1のチューブ通路または前記第2のチューブ通路、ならびに前記第1の保持ボアまたは前記第2の保持ボアを形成している、請求項10に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項12】
前記キャップの少なくとも一部が前記キャビティ内に配置されている、請求項11に記載の圧力スパイク吸収システムにおいて、
【請求項13】
前記第1の保持ボアおよび前記第2の保持ボアのいずれかが、前記キャビティから離れるにつれて先細になる断面幅を有する、請求項10に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項14】
前記ハウジングが、前記第1端部と前記第2端部との間に、前記キャビティから前記ハウジングの外面まで延在する開口部を備える、請求項10に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項15】
前記キャビティの断面幅が、前記第1の保持ボアおよび前記第2の保持ボアのいずれかに向かって先細になっている、請求項10に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項16】
前記ハウジングが、前記キャビティから前記ハウジングの外面へ延在する通気通路を備える、請求項10に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項17】
圧力スパイク吸収システムであって、
ハウジングであって、キャビティと、前記ハウジングの第1の端部を通って延在する第1のチューブ通路と、前記キャビティから前記第1のチューブ通路まで延在する第1の保持ボアと、前記ハウジングの第2の端部を通って延在する第2のチューブ通路と、前記キャビティから前記第2のチューブ通路まで延在する第2の保持ボアと、を備えるハウジングと、
第1の開口部を有する第1の端部と、第2の開口部を有する第2の端部と、前記第1の開口部および前記第2の開口部の間に延在する通路を形成する内面とを備える、拡張可能なリザーバであって、前記拡張可能なリザーバは、前記キャビティ内に配置されており、前記拡張可能なリザーバの前記第1の端部が前記第1の保持ボア内に延在し、前記拡張可能なリザーバの前記第2の端部が第2の保持ボア内に延在している、拡張可能なリザーバと、
前記第1のチューブ通路または前記第2のチューブ通路のいずれかを通って延在する末端部分を有する静脈内チューブであって、前記静脈内チューブの外面が、前記第1の保持ボアまたは前記第2の保持ボアの一方に沿って、前記拡張可能なリザーバの前記内面に対して係合する、静脈内チューブと
を備える、圧力スパイク吸収システム。
【請求項18】
前記ハウジングが、前記キャビティから前記ハウジングの外面へ延在する通気通路を備える、請求項17に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項19】
前記静脈内チューブが、前記拡張可能なリザーバに対して締まりばめによって結合されている、請求項17に記載の圧力スパイク吸収システム。
【請求項20】
前記キャビティの断面幅が、前記第1の保持ボアおよび前記第2の保持ボアのいずれかに向かって先細になっている、請求項17に記載の圧力スパイク吸収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静脈内(IV)治療チューブ内の流体圧力の安全な管理を提供するためのシステムに関する。より具体的には、IVセット内の流体圧力ボーラスを捕捉および分配するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IV注射は、IV流体を患者の静脈に流体接続されたチューブによって患者の静脈に投与するために使用される。IV流体は、一端が流体源に接続され、他端がIVカテーテルまたは延長チューブのハブに接続された柔軟なプラスチック製のチューブを通して注射される。プラスチック製のチューブは、多くの場合、IVチューブ、アクセスポート、および出口ポートを含むIVセットの一部である。IVセットは、流体が内部にあるIVバッグであり得る流体源と接続され得る。流体は、IVセットを通して流体源から患者の静脈に向けられる薬剤であり得る。流体は、IVセットの出口ポートに接続された針またはカテーテルを通して患者に注入することができる。本開示の圧力スパイク吸収システムは、IVセットまたは任意の流体送達システムと共に使用され得ることを理解されたい。
【0003】
IVチューブと接続されたアクセスポートを利用して、追加のまたは異なる流体を患者に投与することができる。例えば、ボーラスを達成するために、薬剤をIVチューブに注入することができる。IVボーラスは、多くの癌化学療法薬物などの希釈することができない薬物が投与されるとき、および治療目的が患者の血流のピーク薬物レベルを達成することであるときなどの緊急時において、薬剤の迅速な投与が必要なときに共通して使用される。IVボーラスは、IV点滴が必要ではないおよび/または可能ではないときにも利用することができる。
【0004】
IVボーラスを達成するために、介護者は、流体源をIVチューブと流体接続する。例えば、シリンジは、アクセスポートを通してIVチューブに接続することができる。介護者は、一定期間シリンジのプランジャを押し、流体をシリンジからIVチューブに注入する。IVチューブはマイクロボアチューブと呼ぶことができ、約10mm以下の内径を有し得る。IVチューブは注入される流体の流れを制限するため、介護者は、より大きな内径または内容積を有するチューブへの流体の注入と比較してより大きな力のレベルで、かつより長い期間、シリンジプランジャを押す必要がある。流体を注入するために必要な力のレベルが大きくなり、かつ期間が長くなると、介護者による身体運動の増加が必要になる。さらに、力のレベルおよび期間は、注入される流体の粘度に比例して増加し得る。
【0005】
IVボーラスは、IVセット内の通常の圧力と比較して、圧力スパイクをIVセット内に発生させる可能性がある。例えば、1ポンドの力を1立方センチメートルのシリンジのプランジャに加えると、シリンジによって1平方インチあたり40ポンドの出力が生成され得る。圧力がIVセットに向けられると、IVセットの物理的完全性が損なわれる可能性があり、その結果、IVチューブまたはIVセットの他の部分に漏れが生じる。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に開示される少なくともいくつかの実施形態によれば、流体をIVセットに注入することができるが、ボーラスがIVセット内で行われると特定の問題が発生するという認識である。例えば、IVセット内の圧力スパイクがIVセットの一部を損傷して漏れを引き起こし得、貴重な薬剤を失い、介護者および/または患者を有害物質にさらす可能性がある。
【0007】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、流体がIVセットに注入されるとき、介護者は、一定期間にわたってシリンジから流体を注入しなければならないという認識に関する。シリンジから流体を注入するのに必要な時間により、忙しい介護者は他のタスクまたは患者に対応するのが妨げられる。
【0008】
本明細書に開示される実施形態はまた、介護者がシリンジプランジャをシリンジに押し込み、IVチューブの流れ制限を克服するためにかなりの物理的応力を及ぼさなければならないという認識に関する。介護者は、作業シフトごとに、および複数の患者に対してこのプロセスを複数回繰り返す場合があり、それによって必要な身体運動を悪化させ、介護者に傷害を引き起こす。
【0009】
したがって、いくつかの実施形態では、IVボーラスによって引き起こされるIVセットへの損傷を防止する圧力スパイク吸収デバイスが提供される。例えば、いくつかの実施形態は、IVセット内のボーラスの圧力スパイクを低減することができる。したがって、本開示は、増加した圧力がIVセットの他の部分からそらされるように、IVセットに注入された流体の捕捉を可能にする。
【0010】
いくつかの実施形態では、一定の割合および/または圧力で圧力スパイク吸収デバイスからの捕捉された流体の分配を可能にする圧力スパイク吸収デバイスが提供される。したがって、本開示は、IVセットまたは患者に注入される流体の導入率を予測可能にする。
【0011】
いくつかの実施形態では、流体をIVセットに注入する介護者への傷害を防止する圧力スパイク吸収デバイスが提供される。例えば、いくつかの実施形態は、流体をIVセットに注入するのに必要な力を低減することができる。したがって、IVセットに注入された流体は、本開示のデバイスに受容され得、これはIVセットおよび/またはIVチューブの他の部分と比較して圧力の増加に対する抵抗を少なくする。
【0012】
加えて、本開示のいくつかの実施形態は、特定の特性を達成するためにシステムの交換可能なモジュール式部分を提供することができる。例えば、交換可能なハウジングおよび/または拡張可能なリザーバを組み合わせて、所望のサイズまたは形状を達成することができる。したがって、システムの交換可能な部分は、特定の断面幅および/または形状プロファイルを有するIVチューブと接続するように選択することができる。
【0013】
さらに、交換可能なハウジングおよび/または拡張可能なリザーバを組み合わせて、所望のシステム性能を達成することができる。したがって、システムの交換可能な部分は、ハウジングおよび/または拡張可能なリザーバの特定の流体容量、拡張可能なリザーバの特定の拡張率、ならびに拡張可能なリザーバの特定の圧縮率のいずれかを有するように選択することができる。
【0014】
主題の技術の追加の特徴および利点は、以下の説明に記載されており、一部は説明から明らかになるか、または主題の技術の実践によって学習される場合がある。主題の技術の利点は、本明細書およびその実施形態ならびに添付の図面において特に指摘される構造によって実現および達成されるであろう。
【0015】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的であり、主題の技術のさらなる説明を提供することが意図されていると理解されるべきである。
【0016】
本発明の例示的な実施形態の様々な特徴を、図面を参照して以下に説明する。図示の実施形態は、本発明を例示することを意図しており、限定することを意図していない。図面は、以下の図を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】いくつかの実施形態による、チューブと接続された圧力スパイク吸収システムの断面斜視図である。
図2】いくつかの実施形態による、圧力スパイク吸収システムのハウジングの断面図である。
図3】いくつかの実施形態による、圧力スパイク吸収システムのキャップの断面図である。
図4】いくつかの実施形態による、圧力スパイク吸収システムの拡張可能なリザーバの断面図である。
図5】いくつかの実施形態による、圧力スパイク吸収システムおよびチューブの分解図である。
図6A】いくつかの実施形態による、チューブに接続された圧力スパイク吸収システムの断面図である。
図6B】いくつかの実施形態による、チューブに接続された圧力スパイク吸収システムの断面図である。
図7】いくつかの実施形態による、圧力スパイク吸収システムおよびIVチューブのハウジングの別の実施形態の断面図である。
図8】いくつかの実施形態による、圧力スパイク吸収システムおよびIVチューブのハウジングの別の実施形態の断面図である。
図9】いくつかの実施形態による、圧力スパイク吸収システムを有する流体送達システムの図である。
図10】いくつかの実施形態による、圧力スパイク吸収システムを有する流体送達システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
主題の技術の様々な構成は、本開示から当業者には容易に明らかになり、主題の技術の様々な構成は、例として示され説明されることが理解される。認識されるように、主題の技術は、他の異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は、主題の技術の範囲から逸脱することなく、様々な他の点で修正することが可能である。したがって、概要、図面、および詳細な説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定と見なされるべきではない。
【0019】
以下に記載される詳細な説明は、主題の技術の様々な構成の説明として意図されており、主題の技術が実践され得る唯一の構成を表すことを意図していない。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、詳細な説明の一部を構成する。詳細な説明は、主題の技術の完全な理解を提供する目的のために特定の詳細を含む。しかしながら、主題の技術がこれらの特定の詳細なしに実践され得ることは、当業者には明らかであろう。いくつかの例では、主題の技術の概念を不明瞭にしないようにするために、周知の構造および構成要素がブロック図の形式で示されている。同様の構成要素には、理解を容易にするために同一の要素番号が付けられている。
【0020】
圧力スパイク吸収システム100は、IVセットなどの静脈内流体送達システムと共に使用することができるが、圧力スパイク吸収システム100は他の流体送達システムと共に使用することができることを理解されたい。しかしながら、明確かつ簡潔にするために、本開示は、IVセットに主に言及する。
【0021】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による圧力スパイク吸収システム100を示す。圧力スパイク吸収システム100は、ハウジング102と、拡張可能なリザーバ104と、キャップ106とを備えることができる。圧力スパイク吸収システム100は、チューブ110の第1の部分およびチューブ112の第2の部分と接続される。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態では、圧力スパイク吸収システム100の通気通路108は、拡張可能なリザーバ104の拡張および収縮中にガスがハウジング102のキャビティを出入りすることを可能にする。
【0023】
流体がチューブ110および112に注入されると、例えば、薬剤がIVセットに注入されて薬剤をIV点滴に導入すると、IVセット内の圧力は、IVセット内の流体容積の増大により増加する。増加した圧力は、圧力スパイク吸収システム100によって受容され得、拡張可能なリザーバ104は、IVセットの他の部分よりも圧力に対する抵抗を少なくすることができる。
【0024】
圧力により、拡張可能なリザーバ104が拡張し、内部の内容積が増大する。拡張可能なリザーバ104の増大した内容積は、流体容積の増大に適応する。流体容積の増大、したがって圧力の増加に適応することによって、圧力スパイク吸収システム100は、IVセットへの流体の注入中の流れに対する抵抗を低減し、圧力の増加がIVセットの他の部分に損傷を引き起こすことを防止する。
【0025】
図2は、圧力スパイク吸収システム100のハウジング102の断面図を示す。ハウジング102は、ハウジングのキャビティ内に拡張可能なリザーバ104の少なくとも一部を受容するように構成される。ハウジング102は、拡張可能なリザーバ104の拡張を限定することができ、拡張可能なリザーバ104の性能に損傷を与えるかまたは影響を及ぼし得る異物との意図しない接触から拡張可能なリザーバ104を保護することができる。
【0026】
ハウジング102は、第1の部分120と、第2の部分122と、キャビティ126と、第1の保持ボア128と、第1のチューブ通路132とを含むことができる。第1の部分120および第2の部分122は、ハウジング102の対向する部分を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1の部分120および第2の部分122は、互いに隣接して位置決めされ得る。
【0027】
ハウジング102は、管またはシリンダとして成形することができ、規則的または不規則的な形状を含む断面プロファイルを有することができる。例えば、断面プロファイルは、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、またはそれらの組み合わせのいずれかを含み得る。ハウジング102は、単一の部品としてモノリシックに形成することができ、または互いに接続された複数の部品で形成することができる。
【0028】
ハウジング102は、拡張可能なリザーバ104の拡張を制限することによって、圧力スパイク吸収システム100に受容される流体の容積を限定するように構成することができる。システム100に受容される流体の容積を限定するために、ハウジング102は、圧力スパイク吸収システム100によって受容される流体の容積に対応するサイズを有することができる。例えば、少容積の流体を受容することを意図した圧力スパイク吸収システム100は、比較的大容積の流体を受容することを意図した圧力スパイク吸収システム100と比較してより小さな拡張可能なリザーバ104で構成されてもよい。したがって、より小さな拡張可能なリザーバ104を受容することを意図した圧力スパイク吸収システム100は、より大きな拡張可能なリザーバ104を受容することを意図した圧力スパイク吸収システム100と比較してより小さなハウジング102を有し得る。
【0029】
ハウジングの内面124は、拡張可能なリザーバのためのキャビティ126を形成することができる。キャビティ126は、ハウジング102の一部内に形成することができ、拡張可能なリザーバ104の外面、またはその一部の周りに延びるように構成される。キャビティ126は、ハウジングの第2の部分122からハウジングの第1の部分120に向かって延びることができる。キャビティ126は、第1の部分120または第2の部分122でハウジング102の端部から、第1の部分120または第2の部分122の他方に向かって延びることができる。いくつかの実施形態では、キャビティ126は、第1の部分120と第2の部分122との間に延びる。さらに、キャビティ126は、ハウジング102の第1の部分120および第2の部分122のいずれかを通って延びてもよい。
【0030】
キャビティ126は、第1の部分120と第2の部分122との間に延びる長さL1を有することができる。長さL1は、少なくとも約1.0インチおよび/または約6.0インチ以下であり得る。さらに、長さL1はまた、約2.0インチ~約4.0インチであってもよい。
【0031】
キャビティ126は、第1の部分120と第2の部分122との間に延びるハウジング軸A1を横断する断面プロファイルを有することができる。キャビティ126の断面プロファイルは、規則的または不規則的な形状を含むことができる。断面プロファイルの形状は、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、またはそれらの組み合わせのいずれかを含み得る。キャビティ126の断面プロファイルは、キャビティの対向する内面の間を延びる幅W1を有することができる。幅W1は、少なくとも約0.25インチおよび/または約2.0インチ以下であり得る。さらに、幅W1はまた、約0.5インチ~1.0インチであってもよい。
【0032】
キャビティ126のサイズは、キャビティ126を形成するハウジングの内面124によって画定される容積によって説明することができる。キャビティ126は、少なくとも約0.25ccおよび/または約15cc以下の容積を有することができる。さらに、容量はまた、約1cc~約6ccであってもよい。
【0033】
拡張可能なリザーバ104がハウジング102内に位置決めされると、非拘束配向における拡張可能なリザーバ104の外面とハウジング102の内面との間の空間は、示差容量を画定する。示差容量は、圧力スパイク吸収システム100が適応するように意図されている容積を指定し得る。示差容量は、少なくとも約0.25ccおよび/または約10cc以下、または約0.5cc~約5ccであってもよい。本開示のいくつかの実施形態では、示差容量は、3ccである。
【0034】
本開示のいくつかの態様では、キャビティ126の容積または示差容量は、拡張可能なリザーバ104の容積に対する比であり得る。例えば、キャビティの容積または示差容量は、拡張可能なリザーバ104の容積よりも少なくとも約10%および/または約150%以下大きくすることができる。さらに、キャビティの容積または示差容量は、拡張可能なリザーバ104の容積よりも約25%~約50%大きくすることができる。
【0035】
ハウジング102の第1の保持ボア128は、拡張可能なリザーバ104の一部を受容するように構成される。第1の保持ボア128は、拡張可能なリザーバ104の一部を保持し、ハウジング102に対する拡張可能なリザーバの移動を制限する。
【0036】
第1の保持ボア128は、ハウジング102の内面によって形成することができる。第1の保持ボア128は、キャビティ126からハウジングの第1の部分120に向かって延びる。本開示のいくつかの実施形態では、第1の保持ボア128は、キャビティ126からハウジング102の外面を通って延びることができる。
【0037】
第1の保持ボア128は、拡張可能なリザーバ104の形状に対応する形状、または断面プロファイルを有することができる。例えば、第1の保持ボア128の断面プロファイルは、拡張可能なリザーバ104の外面の断面プロファイルと同じまたはほぼ同じであり得る。第1の保持ボア128は、キャビティ126とハウジング102の第1の部分120との間に延びる長さL2を有することができる。保持ボアの長さL2は、内部に保持することができる拡張可能なリザーバ104の長さに対応する。いくつかの実施形態では、保持ボアの長さL2は、拡張可能なリザーバ104の長さL3に対する比である。例えば、保持ボア128の長さL2は、拡張可能なリザーバ104の長さL3の少なくとも約1%および/または約49%以下であり得る。さらに、保持ボアの長さL2はまた、拡張可能なリザーバ104の長さL3の約20%~約30%であってもよい。
【0038】
拡張可能なリザーバ104が圧力スパイク吸収システム100と接続されると、拡張可能なリザーバ104の一部は、第1の保持ボア128内に位置決めされる。拡張可能なリザーバ104は、第1の保持ボア128内に位置決めされ、それにより拡張可能なリザーバの外面が第1の保持ボア128に沿ってハウジングの内面に対して係合する。拡張可能なリザーバ104と第1の保持ボア128との間の係合は、ハウジング102に対する拡張可能なリザーバ104の移動に抵抗する。第1の保持ボア128は、ハウジング軸A1に沿った拡張可能なリザーバ104の移動に抵抗することができ、かつ/またはハウジング軸A1の周りの拡張可能なリザーバ102の回転移動に抵抗することができる。
【0039】
本開示のいくつかの実施形態では、第1の保持ボアは、キャビティ126からハウジングの第1の部分120に向かって延び、第2の保持ボアは、キャビティ126からハウジングの第2の部分122に向かって延びる。
【0040】
ハウジング102は、キャビティと保持ボアとの間に移行面130を含み、リザーバの拡張および非拘束配向への拡張可能なリザーバの復帰中における拡張可能なリザーバ104への損傷を防止することができる。移行面130は、キャビティにおけるハウジングの内面と第1の保持ボア128におけるハウジングの内面との間に段階的な移行を形成する。ハウジング102の内面が段階的に移行することにより、ハウジング102に対して係合された拡張可能なリザーバに応力点が発生する可能性が低減される。
【0041】
移行面130は、キャビティ126と第1の保持ボア128との間のハウジング102の内面124によって形成することができる。移行面130は、キャビティ126と第1の保持ボア128との間で先細になる断面幅を有する形状にすることができる。内面124の断面幅は、キャビティ126から第1の保持ボア128に向かって先細になり得る。本開示のいくつかの態様では、キャビティ126の断面幅は、第1の保持ボア128の断面幅よりも大きく、それにより内面124がキャビティ126から第1の保持ボア128に向かって先細になる。
【0042】
ハウジング102の第1のチューブ通路132は、チューブの一部がハウジング102内に延びることを可能にし得る。第1のチューブ通路132は、IVチューブがハウジングを通って移動し、ハウジング102および拡張可能なリザーバ104のいずれかと接続することを可能にする、ハウジングを通る通路を提供する。
【0043】
第1のチューブ通路132は、キャビティ126とハウジング102の外面との間に延びる。第1のチューブ通路132は、第1の保持ボア128からハウジングの第1の部分120に向かって延びることができる。第1のチューブ通路132は、通路が第1のチューブ通路132および第1の保持ボア128の各々を通って延びるように、第1の保持ボア128と整列することができる。本開示のいくつかの態様では、軸A1は、第1のチューブ通路132および第1の保持ボア128を通って延びる。
【0044】
本開示のいくつかの実施形態では、第1のチューブ通路132は、ハウジングの第1の部分120と第2の部分122との間に位置決めされ、キャビティ126からハウジング102の外面に延びる。
【0045】
第1のチューブ通路132は、挿入されたチューブがハウジング102に対して移動することを可能にする断面幅を有することができる。本開示のいくつかの実施形態では、第1のチューブ通路132は、チューブの断面幅とほぼ同じである断面幅を含み、それによってチューブと第1のチューブ通路132との間の締まりばめを提供する。
【0046】
いくつかの態様では、第1のチューブ通路132の断面プロファイルは、拡張可能なリザーバ104の断面プロファイルよりも小さい。したがって、IVチューブがハウジングから離れる方向に移動すると、IVチューブに接続された拡張可能なリザーバ104の部分はハウジングに対して係合し、IVチューブの後退または圧力スパイク吸収システム100からのIVチューブの分離に抵抗する。
【0047】
本開示のいくつかの実施形態では、ハウジング102は、通気通路108を備える。通気通路108は、ガスがハウジング102に出入りすることを可能にする。ガスは、拡張可能なリザーバ104のサイズが増大するか、または拡張配向に向かって移動するときにハウジング102から移すことができる。拡張可能なリザーバが後退するか、または非拘束配向に向かって移動すると、通気通路108は、ガスがハウジング102内に移動することを可能にする。
【0048】
通気通路108は、ハウジングを通って延びる開口部として成形することができる。通気通路108は、ハウジングの内面とハウジングの外面との間に延びることができる。本開示のいくつかの実施形態では、通気通路108は、キャビティからハウジングの外面に延びる。
【0049】
通気通路108の一部は、キャビティ126を形成するハウジング102の一部に沿って位置決めすることができ、それによってガスがハウジングに向かって、またはハウジングから離れて移動することを可能にする。本開示のいくつかの実施形態では、圧力スパイク吸収システム100は、2つ以上の通気通路108を備える。例えば、第1の通気通路108は、ハウジングの第1の部分120の近位に位置決めすることができ、第2の通気通路108は、ハウジングの第2の部分122の近位に位置決めすることができる。
【0050】
通気通路108は、キャビティとハウジングの外面に隣接する大気との間を移動するガスの割合を限定するようなサイズにすることができる。その結果、通気通路108は、拡張可能なリザーバ108の拡張率を調節するように構成され得る。
【0051】
本開示のいくつかの実施形態では、通気通路108は、キャビティ126と圧力スパイク吸収システム100の外面に隣接する大気との間に延びる通路、ボア、チャネル、および溝のいずれかとすることができる。通気通路108は、ハウジングの第1の部分120および第2の部分122のいずれかを通って延びる通路であり得る。通気通路108は、キャビティ126、第1の保持ボア128、および第1のチューブ通路132のいずれかの表面に沿って延びるチャネルとすることができる。いくつかの態様では、通気通路108は、キャップ106を通って延びる通路、およびキャップ106の表面に沿って延びるチャネルのいずれかであってもよい。
【0052】
ハウジング102は、圧力スパイク吸収システム100の意図された使用中に変形に抵抗するように構成される材料を含むことができる。例えば、ハウジング102の材料は、拡張可能なリザーバ104に対して剛性であり得る。ハウジング102は、拡張可能なリザーバ104よりも剛性とすることができ、それにより拡張可能なリザーバ104が拡張中にハウジングに対して推進されると、ハウジング102は、形状またはサイズの変化に抵抗する。さらに、ハウジング102の材料は、閾値を超える拡張可能なリザーバ104の拡張を限定または防止するように選択することができる。ハウジング102の材料は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、複合材、およびそれらの任意の組み合わせのいずれかであってもよい。
【0053】
本開示のいくつかの実施形態では、ハウジング102、またはその一部は、形状の変化を可能にすることができる。例えば、ハウジングの材料は、特定の圧力までハウジングの形状を維持し、その後、拡張可能なリザーバによって推進または付勢されるように構成することができる。ハウジングの一部は、ハウジングの他の部分に対して撓むことができ、またはハウジングの一部は、ハウジングの他の部分に対して可動であることができる。
【0054】
ハウジング102は、拡張可能なリザーバ104に対する異物または人からの接触を防止することによって、損傷から拡張可能なリザーバ104を保護することができる。鋭利なまたは研磨性の物体による拡張可能なリザーバ104に対する接触は、拡張可能なリザーバ104を引き裂き、切断し、または貫通し、漏れをIVセットに引き起こす可能性がある。本開示の別の態様では、ハウジング102は、拡張可能なリザーバ104の望ましくない拡張に抵抗することによって、拡張可能なリザーバ104を引き裂く可能性がある拡張可能なリザーバ104への損傷を防止することができる。本開示のさらに別の態様では、ハウジング102は、拡張可能なリザーバ104の形状を維持し、それによってシステムの意図された性能または拡張可能なリザーバ104への損傷に影響を及ぼし得るリザーバの屈曲またはねじれを防止する。
【0055】
ハウジング102は、拡張可能なリザーバ104およびキャップ106と接続され、圧力スパイク吸収システム100を形成する。拡張可能なリザーバ104は、ハウジングのキャビティ126内に位置決めされ、キャップ106は、ハウジング102および拡張可能なリザーバ104に接続される。圧力スパイク吸収システム100は、ハウジングの第1の保持ボア128に位置決めされた、第1の開口部を備える拡張可能なリザーバ104の第1の部分と組み立てることができる。キャップ106は、第2の開口部を備える拡張可能なリザーバの第2の部分がキャップ106の保持ボアに位置決めされるように、ハウジング102と接続することができる。圧力スパイク吸収システム100が組み立てられると、拡張可能なリザーバの第3の部分がキャビティ126内に位置決めされる。
【0056】
図3を参照すると、圧力スパイク吸収システム100のキャップ106の断面図が示されている。キャップ106は、ハウジング102と接続してキャビティ126を囲み、拡張可能なリザーバ104の一部を保持するように構成される。キャップ106は、拡張可能なリザーバ104およびIVチューブのいずれかと接続し、圧力スパイク吸収システム100をIVチューブと共に保持することができる。本開示のいくつかの実施形態では、取り外し可能なキャップ106は、圧力スパイク吸収システム100のモジュール式組み立てを可能にすることができる。例えば、圧力スパイク吸収システム100の部分は、互いに交換可能に組み立てることができ、IVセットと組み立てることができる。
【0057】
キャップ106は、ハウジング102と接続してキャビティ126を囲み、かつ/または拡張可能なリザーバ104と係合するカバーまたはプラグとして成形することができる。キャップ106、またはその部分は、ハウジング102の外面上および内面124に沿って延びることができる。キャップはまた、ハウジング102の外面上に延びるカバーとして成形することができる。
【0058】
キャップ106は、第1の端部分202と、第1の端部分202の反対側の第2の端部分204とを含むことができる。本開示のいくつかの実施形態では、キャップ106は、圧力スパイク吸収システム100の第2の保持ボア208および第2のチューブ通路210を含む。キャップ軸B1は、第1の端部分202と第2の端部分204との間に延びる。
【0059】
第1の端部分202は、キャップ軸B1に対して半径方向外向きに延びるリップ206を含む。第2の端部分204の方を向いているリップの表面214は、ハウジングの第2の部分122に対して係合することができる。
【0060】
第1の端部分202は、キャップ軸B1に対して横断する断面プロファイルを有することができる。第1の端部分202の断面プロファイルは、ハウジング102の断面プロファイルと同じであり得、それによりリップ206の半径方向外面は、キャップがハウジング102と接続されるときにハウジング102の半径方向外面と同一平面にあるかまたは整列する。
【0061】
キャップの第2の端部分204は、第1の端部分202から延びることができる。第2の端部分204は、キャップ軸B1に対して横断する断面プロファイルを有することができる。第2の端部分204の断面プロファイルは、キャビティ126の断面プロファイルと同じであり得、それにより第2の端部分204の半径方向外面は、キャップがハウジング102と接続されるときにハウジングの内面124に対して係合する。本開示のいくつかの実施形態では、第2の端部分204は、キャップの対向する外面の間に延びる幅W2を有することができる。キャップの幅W2は、キャビティの幅W1と同じまたはほぼ同じであり得る。
【0062】
ハウジングに対する第2の端部分204の係合は、ハウジング102からのキャップ106の分離に抵抗することができる。キャップ106は、キャップの第2の端部分204の半径方向外面とハウジングの内面124との間の締まりばめによってハウジング102と接続され得る。本開示のいくつかの実施形態では、キャップ106およびハウジング102は、締まりばめ、溶接、接着剤、および機械的接続のいずれかによって互いに接続される。例えば、キャップ106は、ハウジング102と接着または溶接することができる。さらに別の例では、キャップ106およびハウジング102は、嵌合ねじ、対応するピンおよび溝、または機械的接続を備えてもよい。
【0063】
キャップ106は、拡張可能なリザーバ104の一部を受容するように構成された第2の保持ボア208を含むことができる。第2の保持ボア208は、上述の第1の保持ボア128と同じ機能および特徴を提供するように構成することができる。したがって、保持ボアのいくつかの詳細および機能は、簡潔にするためにここでは繰り返さない。
【0064】
第2の保持ボア208は、キャップ106の内面によって形成することができる。第2の保持ボア208は、第2の端部分204の端部から第1の端部分202に向かって延びる。本開示のいくつかの実施形態では、第2の保持ボア208は、第1の端部分202および第2の端部分204を通って延びることができる。
【0065】
第2の保持ボア208は、第1の保持ボア128と同様に機能し、拡張可能なリザーバ104の一部を受容および/または保持することができる。したがって、第1の保持ボア128と同様に、第2の保持ボア208は、拡張可能なリザーバ104の外面の断面プロファイルと同じまたはほぼ同じ断面プロファイルを有する形状にすることができる。
【0066】
第2の保持ボア208の長さL4は、第1の保持ボア128の長さL2とほぼ同じであり得る。本開示のいくつかの実施形態では、第2の保持ボア208は、第1の保持ボア128とは異なる長さまたは幅を有することができる。例えば、第1の保持ボア長さL2よりも大きい第2の保持ボア長さL4を有するキャップ106を使用して、第1の保持ボア128に対して拡張可能なリザーバ104のより長い部分を受容することができる。同様に、第1の保持ボア長さL2よりも小さい第2の保持ボア長さL4を有するキャップ106を使用して、第1の保持ボア128に対して拡張可能なリザーバ104のより短い部分を受容することができる。保持する第1の保持ボア長さよりも長いまたは短い第2の保持ボア長さを有するキャップを使用すると、拡張可能なリザーバ104の部分を拡張可能範囲よりもそれぞれ減少または増加させることができる。
【0067】
キャップ106は、移行面212を含み、リザーバの拡張および非拘束配向への拡張可能なリザーバの復帰中における拡張可能なリザーバ104への損傷を防止することができる。キャップの移行面212は、上述のハウジングの移行面130と同じ機能および特徴を提供するように構成することができる。したがって、移行面212のいくつかの詳細および機能は、簡潔にするためにここでは繰り返さない。
【0068】
移行面212は、第2の保持ボア208の一部に沿って位置決めすることができる。移行面212は、第2の保持ボア208の表面に沿った面取りとして成形することができる。本開示のいくつかの態様では、移行面212は、キャップ106の端面の凹状部分である。
【0069】
移行面212は、第2の保持ボア208の断面幅よりも大きい断面幅を有することができる。移行面212の断面幅は、キャップの第2の端部分204から第1の端部分202に向かって先細になる。
【0070】
本開示のいくつかの実施形態では、第2の保持ボア208の断面幅は、キャップの第2の端部分204から第1の端部分202に向かって先細になる。例えば、第2の保持ボア208は、キャビティ126の断面幅にほぼ等しいキャップの第2の端部分204の近位にある第1の断面幅と、第1の断面幅よりも小さい第1の端部分202の近位にある第2の断面幅とを有することができる。
【0071】
キャップ106は、チューブの一部がハウジング102内に延びることを可能にするためにキャップ106を通って延びる第2のチューブ通路210を含むことができる。第2のチューブ通路210は、上述の第1のチューブ通路132と同じ機能および特徴を提供するように構成することができる。したがって、保持ボアのいくつかの詳細および機能は、簡潔にするためにここでは繰り返さない。
【0072】
第2のチューブ通路210は、キャップ106の第1の端部分202と第2の端部分204との間に延びる。第2のチューブ通路210は、第2の保持ボア208からキャップ106の第1の端部分202に向かって延びることができる。第2のチューブ通路210は、通路が第2のチューブ通路210および第2の保持ボア208の各々を通って延びるように、第2の保持ボア208と整列することができる。本開示のいくつかの態様では、軸B1は、第2のチューブ通路210および第2の保持ボア208を通って延びる。
【0073】
第2のチューブ通路210は、チューブのセグメントがキャップ106を通して挿入されることを可能にすることができる。例えば、IVチューブの一部は、第2のチューブ通路210を通って移動し、拡張可能なリザーバ104の一部と接続し得る。
【0074】
本開示のいくつかの実施形態では、第2のチューブ通路210は、キャップ106の一部を通って延びるノッチまたはチャネルとして成形される。例えば、第2のチューブ通路210は、キャップ106の第1の端部分202と第2の端部分204との間で、半径方向外面からキャップ軸B1に向かって延びるチャネルとすることができる。いくつかの態様では、第2のチューブ通路210は、ハウジング102の一部を通って延びる。例えば、第2のチューブ通路210は、ハウジングの第2の部分122を通る通路またはチャネルのいずれかであってもよい。
【0075】
キャップ106は、圧力スパイク吸収システム100の使用中に変形に抵抗するように構成される材料を含むことができる。例えば、キャップ106の材料は、ハウジング102とほぼ同じかまたは同様の硬度であり得る。本開示のいくつかの実施形態では、キャップ102は、ハウジング102よりも低い硬度を有する材料を含み、キャップ106がハウジング102と接続する間にキャップ102が部分的に変形することを可能にし、ハウジング102との締まりばめをもたらす。
【0076】
キャップ102がハウジング106と接続されると、第2の開口部を備える拡張可能なリザーバの第2の部分は、第2の保持ボア208内に延びる。したがって、第1の保持ボア128は、拡張可能なリザーバ104の第1の部分を受容することができ、第2の保持ボア208は、拡張可能なリザーバ104の第2の部分を受容することができる。第2の保持ボア208は、ハウジング102およびキャップ106に対する拡張可能なリザーバ104の移動を防止することができる。例えば、拡張可能なリザーバ104の部分が第1の保持ボア128および第2の保持ボア208内に位置決めされると、第1および第2の保持ボアの間の軸に沿った拡張可能なリザーバ104の移動は、限定される。
【0077】
図4を参照すると、圧力スパイク吸収システム100の拡張可能なリザーバ104の断面図が示されている。拡張可能なリザーバ104は、液体またはガスなどの流体を受容し、拡張して流体の増加に適応するために変形するように構成される。
【0078】
拡張可能なリザーバ104は、第1の開口部302、第2の開口部304、ならびに第1および第2の開口部と流体連通する通路306を有する管として成形することができる。通路306は、第1の開口部302と第2の開口部304との間に延びることができる。第1の開口部302および第2の開口部304は、通路306と流体連通し、それによって流体が第1および第2の開口部のいずれかを通って通路306に出入りすることを可能にする。拡張可能なリザーバ104は管状形状を有するものとして示されているが、拡張可能なリザーバおよび/またはキャビティは、球形、正方形、長方形、および楕円形のいずれかを含む、任意の規則的または不規則的な形状であってもよい。
【0079】
拡張可能なリザーバ104は、第1の部分120と第2の部分122との間に延びる拡張可能なリザーバ軸C1を横断する断面プロファイルを有することができる。断面プロファイルは円形にすることができるが、断面プロファイルはまた、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、およびそれらの組み合わせのいずれかを含み得る。断面プロファイルは、拡張可能なリザーバ104の長さに沿って一定であり得るか、または拡張可能なリザーバ104の長さに沿って変化し得る。
【0080】
拡張可能なリザーバの通路306は、IVチューブの一部が通路306内に移動することを可能にするように、IVチューブの外面の断面幅にほぼ等しい断面幅W3を有することができる。拡張可能なリザーバ104とIVチューブとの間の締まりばめを可能にするために、第1の開口部302および第2の開口部304における通路306の断面幅W3は、IVチューブの外面の断面幅と同じであり得る。
【0081】
本開示のいくつかの実施形態では、通路の断面幅W3は、IVチューブの外面の断面幅よりも大きく、それによりギャップまたは空間が拡張可能なリザーバ104の内面とIVチューブの外面との間に存在する。ギャップにより、接着剤または他の接合材料を使用して、IVチューブを拡張可能なリザーバ104と接続することが可能になり得る。いくつかの態様では、拡張可能なリザーバ104およびIVチューブのいずれも、IVチューブと拡張可能なリザーバ104との接続を可能にするために収縮または拡張するように構成することができる。例えば、IVチューブの一部を第1の開口部302または第2の開口部304を通して挿入することができ、次いで内部にIVチューブを有する拡張可能なリザーバ104、またはその一部のサイズを小さくしてIVチューブと係合することができる。
【0082】
拡張可能なリザーバの通路306は、ある容積の流体を内部に受容することを可能にするサイズを有することができる。拡張可能なリザーバのサイズは、非拘束配向および/または拡張配向にあるときに容積を受容するように構成され得る。容積は、少なくとも約0.25ccおよび/または約10cc以下、または約0.5cc~約5ccであってもよい。本開示のいくつかの実施形態では、通路306は、3ccの容積を有することができる。
【0083】
拡張可能なリザーバ104は、拡張配向に向かって弾性変形し、非拘束配向に戻るように構成される材料を含む。拡張可能なリザーバ104が変形して非拘束配向に戻ることを可能にすることにより、材料は弾性があるか、または変形に対するいくらかの抵抗を提供する。例えば、拡張可能なリザーバ104の材料は、拡張可能なリザーバ104の特定の拡張率および/または非拘束配向への復帰を可能にするデュロメータを有することができる。材料は、拡張可能なリザーバ104が拡張配向にあるとき、内部の流体が特定の割合で圧力スパイク吸収システム100の外に向けられるように、デュロメータ硬度で構成することができる。
【0084】
拡張可能なリザーバ104は第1および第2の開口部を有することができるが、いくつかの実施形態では、拡張可能なリザーバ104は、通路またはキャビティと流体連通する1つの開口部を有することができる。1つの開口部を有する拡張可能なリザーバは、流体が通路に入り、拡張可能なリザーバを拡張させてIVセットの圧力の増加に適応することを可能にし得る。拡張可能なリザーバの力が内部の流体圧力を克服すると、拡張可能なリザーバは非拘束配向に向かって戻り、流体を開口部の外に向ける。流体アクセスポートと拡張可能なリザーバとの間に位置決めされた上流の流量制御弁は、アクセスポートに向かう流体の逆流を防止することができる。
【0085】
本開示のいくつかの実施形態では、第1の開口部302および第2の開口部304の間の拡張可能なリザーバ104、または拡張可能なリザーバの一部は、ベローズおよび/または折り目のいずれかを含む。例えば、いくつかの実施形態では、拡張可能なリザーバ104は、1つまたは複数の折り目を有し得、拡張可能なリザーバ軸C1に沿って、第1および第2の開口部の間に延びる。別の実施形態では、拡張可能なリザーバ軸C1の周りで、通路306の周囲に沿って延びる1つまたは複数の折り目。1つまたは複数の折り目は、圧力が通路306に加えられて拡張可能なリザーバ内の容積を増大させると、展開または拡張し得る。
【0086】
本開示のいくつかの実施形態では、拡張可能なリザーバ104は、ハウジング102および/またはIVチューブに対する拡張可能なリザーバ104のさらなる移動に抵抗することができる隆起部を含む。隆起部は、拡張可能なリザーバ軸C1の外面から離れるように延び、ハウジング102に対して係合することができる。本開示のいくつかの実施形態では、隆起部は、拡張可能なリザーバ102の内面から延び、内部に挿入されたIVチューブに対して係合することができる。
【0087】
本開示のいくつかの実施形態では、拡張可能なリザーバ104は、整列特徴310を含む。整列特徴310は、拡張可能なリザーバ104の一部が形状および/または方向を変更することを可能にする、ディンプル、窪み、チャネル、溝、および隆起部のいずれかであってもよい。例えば、拡張可能なリザーバ104は、第1の開口部302および第2の開口部304の各々に近接する、拡張可能なリザーバ軸C1の周りの外面内に延びる溝を有し得る。圧力が通路306に向けられると、溝の間の拡張可能なリザーバ104の部分は、溝と第1の開口部302および第2の開口部304との間の拡張可能なリザーバ104の部分に対して、半径方向外向きにさらに容易に拡張することができる。いくつかの態様では、整列特徴310は、ハウジング102に対する拡張可能なリザーバ104の位置の観察を可能にする、拡張可能なリザーバ104の内面および/または外面上のマーキングであり得る。
【0088】
拡張可能なリザーバ104は、半径方向の拡張に抵抗する拘束機構を含むことができる。拘束機構は、第1の開口部302と第2の開口部304との間の拡張可能なリザーバに沿って延びることができるワイヤであり得る。いくつかの実施形態では、拘束機構は、拡張可能なリザーバ104の外面に沿って延びる格子またはメッシュ形状を有する材料であり得る。別の実施形態では、拘束機構は、拡張可能なリザーバ104の外面に沿って延びる管状構造とすることができる。
【0089】
本開示のいくつかの実施形態では、圧力スパイク吸収システム100は、拡張可能なリザーバ104の半径方向の拡張に抵抗することができるばねまたはレバーを含む。例えば、ばねまたはレバーは、ハウジングの内面124から拡張可能なリザーバ104に向かって延びることができる。拡張可能なリザーバ104が拡張配向にあるとき、拡張可能なリザーバ104の外面は、ばねまたはレバーに対して係合することができる。拡張可能なリザーバ104に対するばねまたはレバーの力は、半径方向内向きに拡張可能なリザーバ104を向けることができ、それによって流体が通路306の外に向けられる。
【0090】
図5を参照すると、圧力スパイク吸収システム100の分解図が示されている。以下の説明は、圧力スパイク吸収システム100の部分間の組み立ておよび協働を示すことを理解されたい。したがって、圧力スパイク吸収システム100の組み立ては、以下の説明のいずれかを、任意の変形またはシーケンスで含むことができる。
【0091】
圧力スパイク吸収システム100は、IVチューブまたは流体送達システムの既存のセクションと接続することができる。例えば、チューブを切断し、チューブ110の第1の部分およびチューブ112の第2の部分を形成することができる。次に、チューブ110および112の第1および第2の部分の端部を、圧力スパイク吸収システム100に接続することができる。本開示のいくつかの実施形態では、圧力スパイク吸収システム100は、例えば、IVセットまたは流体送達システムの一部としてIVチューブと接続され得る。
【0092】
圧力スパイク吸収システム100をチューブと接続するために、チューブ110は、ハウジング102を通して挿入される。チューブ110は、ハウジングの第1の部分120から第2の部分122に向かってハウジング102を通して挿入することができる。ハウジング102を通して挿入されると、チューブ110の端部分は、チューブ通路132、第1の保持ボア128、およびキャビティ126を通って移動する。チューブ110の端部分がハウジングの第2の部分122を通って延びると、チューブ110は、拡張可能なリザーバ104に接続され得る。
【0093】
チューブ110は、チューブ110の端部分を拡張可能なリザーバの第1の開口部302を通して挿入することによって、拡張可能なリザーバ104に接続され得る。チューブ110は、チューブ110の外面が拡張可能なリザーバ104の内面に沿って延びるように、第1の開口部302を通って通路306内に移動することができる。通路306内のチューブ110の一部は、図5において破線で識別される。チューブ110の端部分は、拡張可能なリザーバの第1の開口部302から距離D1だけ延びる。
【0094】
チューブ112の別の部分は、キャップ106を通して挿入される。チューブ112は、チューブ112の端部分をチューブ通路210および第2の保持ボア208を通して第1の端部分202から第2の端部分204に向かって移動させることによって、キャップ106を通して挿入される。チューブ112がキャップの第2の端部分204を通って延びると、チューブ112は、拡張可能なリザーバ104に接続され得る。
【0095】
チューブ112は、チューブ112の端部分を拡張可能なリザーバの第2の開口部304を通して挿入することによって、拡張可能なリザーバ104に接続され得る。チューブ112は、チューブ112の外面が拡張可能なリザーバ104の内面に沿って延びるように、第2の開口部304を通って通路306内に移動することができる。第1の開口部302を通して挿入されたチューブ110の部分と同様に、チューブ112の部分は、距離D1だけ通路306内に延びることができる。
【0096】
キャップ106は拡張可能なリザーバ104に向かって移動することができ、それにより第2の開口部304に隣接する拡張可能なリザーバの一部が第2の保持ボア208内に位置決めされ、拡張可能なリザーバの第2の開口部304が第2のチューブ通路210と整列する。
【0097】
拡張可能なリザーバ104およびキャップ106の一部はハウジングのキャビティ126内に移動することができ、それにより第1の開口部302に隣接する拡張可能なリザーバの一部が第1の保持ボア128内に位置決めされ、第1の開口部302が第1のチューブ通路132と整列する。キャップ106がハウジング102と接続されると、拡張可能なリザーバ104は、第1の保持ボア128と第2の保持ボア208との間に延びる。
【0098】
本開示のいくつかの実施形態では、拡張可能なリザーバ104は、最初にハウジング102に挿入され、次にキャップ106がハウジングと接続される。キャップ106がハウジング102と接続されると、キャップの第2の端部分204がハウジング102に挿入され、拡張可能なリザーバ104の一部が第2の保持ボア208に受容される。
【0099】
図6Aおよび図6Bを参照すると、圧力スパイク吸収システム100の断面図が示されている。図6Aは、非拘束配向の拡張可能なリザーバ104を示し、図6Bは、拡張配向の拡張可能なリザーバ104を示す。
【0100】
非拘束配向では、第1の開口部302に隣接する拡張可能なリザーバ104の一部は、第1の保持ボア128内に位置決めされ、第1の開口部302は、第1のチューブ通路132と整列する。チューブ110の一部は、第1のチューブ通路132を通って延び、拡張可能なリザーバの第1の開口部302と接続される。
【0101】
第2の開口部304に隣接する拡張可能なリザーバ104の別の部分は、キャップ106と接続される。拡張可能なリザーバの別の部分は、第2の開口部304が第2のチューブ通路210と整列するようにキャップ106と接続される。チューブ112の一部は、第2のチューブ通路210を通って延び、拡張可能なリザーバの第2の開口部304と接続される。
【0102】
拡張可能なリザーバ104の外面およびハウジングの内面124は、拡張可能なリザーバ104がハウジングの内面に向かって移動する、すなわち、拡張することを可能にするために離間または分離される。拡張可能なリザーバ104の外面とハウジングの内面124との間の空間は、圧力スパイク吸収システム100の容量を画定する。ハウジングの通気孔108は、拡張可能なリザーバ104が拡張するときにガスがハウジング102の外に向けられることを可能にし、拡張可能なリザーバ104が非拘束配向に向かって移動するときにガスをハウジング102に引き込むことを可能にする。
【0103】
IVセット、または他の流体送達システムのチューブと接続されると、拡張可能なリザーバ104は変形し、IVセットまたはシステムの他の部分からの圧力および抵抗を解放することができる。例えば、流体がIVセットに注入されると、流体は患者にすぐには注入されず、したがって、圧力はIVセット内で増加する。流体圧力の増加は、最小の抵抗を有するIVセットの部分に作用し得る。いくつかの例では、圧力の増加はIVセットの損傷および漏れを引き起こし、流体をIVセットに注入する力に抵抗し得る。
【0104】
図6Bに示すように、拡張可能なリザーバはIVセットの他の部分と比較して抵抗を少なくし得るため、拡張可能なリザーバは変形するか、または拡張配向に移動して圧力を解放する。拡張可能なリザーバが変形すると、通路306の容積が増大し、流体が内部に収容されることを可能にする。流体を収容するように変形することによって、圧力がIVセットの他の部分から解放されるかまたは方向転換されるが、そうでなければ損傷を引き起こす可能性がある。さらに、拡張可能なリザーバ104の変形は、流体がより少ない抵抗でIVセットに注入されることを可能にする。
【0105】
拡張配向では、拡張可能なリザーバ104の力は、通路306内の流体に対して向けられ、力は、拡張可能なリザーバ104を非拘束配向に向かって推進する。例えば、拡張可能なリザーバ104の力は、拡張可能なリザーバ軸C1に向かって向けられ得る。
【0106】
圧力が拡張可能なリザーバ104に向けられなくなったとき、または拡張可能なリザーバ104の力が通路306に対して係合された流体の力よりも大きいとき、拡張可能なリザーバ104は、非拘束配向に向かって移動することができる。拡張可能なリザーバ104が非拘束配向に向かって移動すると、通路306の容積はより小さくなり、それによって流体を拡張可能なリザーバ104の外に向ける。
【0107】
本開示の実施形態では、圧力スパイク吸収システム100は、本開示に記載されている特徴のいずれか、または特徴の任意の組み合わせを含むことができる。図7および図8を参照すると、本開示に記載されている特徴を有するハウジングの実施形態が示されている。
【0108】
図7は、第1の部分404および第2の部分406を有するハウジング402、ならびに第1および第2の部分を通って延びるキャビティ408の断面図を示す。第1の部分404および第2の部分406の各々は、接続されているキャップ410を含む。
【0109】
キャビティ408は、ハウジング402を通る通路の形状および/または断面の変形を限定することによって、製造の複雑性を低減することができる。さらに、重要なサイズ公差がキャップ410に限定され得るため、ハウジング402は、より広い製造公差を可能にし得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、ハウジング402は、ハウジング402の内面と外面との間に延びる開口部412を含むことができる。開口部412は、第1の部分404と第2の部分406との間に延びる細長い通路であり得る。本出願のいくつかの実施形態では、第1の部分404と第2の部分406との間のハウジング402の一部は、複数の開口部を備えるメッシュまたは格子構造を含む。
【0111】
開口部412は、キャビティ408の通気を可能にすることができる。本開示のいくつかの態様では、開口部412は、キャビティおよび/または拡張可能なリザーバの観察を可能にする。例えば、開口部412は、拡張可能なリザーバが非拘束または拡張配向であるかどうかの観察および決定を可能にすることができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、開口部412は、窓のように機能することができ、開口部412を通る物体の移動に抵抗する透明な窓ガラスを含むことができるが、ハウジング内の観察を可能にし得る。本開示の態様では、圧力スパイク吸収システムの任意の部分、または全体を透明な材料で形成し、キャビティ内の観察を可能にすることができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、圧力スパイク吸収システムは、モジュール式であるか、または修正可能である。ハウジング、第1の部分404のキャップ、および第2の部分406のキャップはいずれも交換可能またはモジュール式であり得るため、圧力スパイク吸収システムは、異なる圧力および/もしくは容積容量での使用のために、ならびに/または種々の拡張可能なリザーバおよびIVチューブでの使用のために構成され得る。例えば、第1の部分404のキャップは、第1の断面直径を有する第1のIVチューブが通って移動することを可能にするように選択され得る。第2の部分406のキャップは、第1の断面直径とは異なる第2の断面直径を有する第2のIVチューブが通って移動することを可能にするように選択され得る。したがって、圧力スパイク吸収システムを使用して、IVセットの一部を第1の断面直径を有するIVチューブから第2の断面直径を有するIVチューブに移行させることができる。
【0114】
図8は、互いに接続することができる2つ以上の部分を有するハウジング452を示す。ハウジング452は、第1の部分454および第2の部分456を有することができ、これらは互いに接続され、キャビティ、保持ボア、チューブ通路、および通気通路のいずれかを形成することができる。いくつかの実施形態では、第1の部分454および第2の部分456のいずれかは、キャビティ458の一部、保持ボア460の一部、チューブ通路462の一部、および通気通路464の一部を形成する。
【0115】
ハウジングの第1の部分454および第2の部分456は、任意の締結または接合方法または機構を使用して互いに接続することができる。第1および第2の部分は、相補的なピンおよびポケット、またはスナップおよび爪を含むことができる。第1および第2の部分は、接着剤または溶接で互いに接合することができる。いくつかの実施形態では、バンドなどのリテーナは、ハウジングの第1の部分454および第2の部分456の外面の上または周りに延びることができる。ハウジングの第1の部分454および第2の部分456は、リビングヒンジ466によって互いに接続することができ、第2の部分456に対する第1の部分454の移動を可能にする。
【0116】
第1の部分454および第2の部分456を有するハウジング452を有する圧力スパイク吸収システムは、最初に拡張可能なリザーバをIVチューブの部分間に接続することによって組み立てることができる。次に、拡張可能なリザーバをキャビティ458の一部内に位置決めし、拡張可能なリザーバの第1の部分が保持ボア460の一部に位置決めされることで、チューブの第1の部分が第1のチューブ通路462を通って延びる。拡張可能なリザーバの第2の部分は、別の保持ボア460の一部に位置決めされ、それによりチューブの第2の部分が別のチューブ通路462を通って延びる。次に、ハウジングの第1および第2の部分を互いに接続し、拡張可能なリザーバをキャビティ458内で囲むことができる。ハウジングの第1および第2の部分は、ハウジングの第1の部分454をハウジングの第2の部分456に向かって移動または回転させることによって、互いに接続することができる。
【0117】
圧力スパイク吸収システムは、圧力スパイク吸収システムに対する流体の移動に抵抗するための流量制御弁を含むことができる。流量制御弁は、流体がIVセットのアクセスポートから圧力スパイク吸収システムに向かって移動することを可能にし、流体が圧力スパイク吸収システムからアクセスポートに向かって移動することを防止し得る。流量制御弁は、拡張可能なリザーバが拡張配向から非拘束配向に向かって移動するとき、アクセスポートに向かう流体の移動に抵抗することができる。アクセスポートに向かう流体の移動に抵抗することによって、流体は患者に向かって向けられる。
【0118】
図9および図10を参照すると、流量制御弁を有する流体送達システムが示されている。流体送達システムは、薬剤バッグなどの流体源500と、アクセスポート502と、圧力スパイク吸収システム504とを含むことができる。流体源500、アクセスポート502、および圧力スパイク吸収システム504は、チューブ512によって、互いにかつ患者510に流体接続され得る。
【0119】
図9を参照すると、圧力スパイク吸収システム504の実施形態は、流量制御弁506と、拡張可能なリザーバ508とを含むことができる。流量制御弁506は、圧力スパイク吸収システム504のハウジングおよび拡張可能なリザーバのいずれかに組み込むことができる。例えば、流量制御弁は、ハウジングの第1の部分で、チューブ通路および/または保持ボアと流体接続され得る。流体が流体源500またはアクセスポート502から圧力スパイク吸収システム504に向かって向けられると、流体は、流量制御弁506を通って拡張可能なリザーバ508の通路内に移動する。拡張可能なリザーバ508が非拘束配向に向かって移動すると、流量制御弁506は、拡張可能なリザーバ508からアクセスポート502に向かう方向の流体の移動に抵抗する。したがって、流体は患者510に向かって移動する。
【0120】
図10を参照すると、流量制御弁506は、アクセスポート502と圧力スパイク吸収システム504との間で、流体送達システムに接続することができる。例えば、流量制御弁506は、アクセスポート502と圧力スパイク吸収システム504との間で、チューブ512に流体接続され得る。流体が流体源500またはアクセスポート502から圧力スパイク吸収システム504に向かって向けられると、流体は、流量制御弁506を通って圧力スパイク吸収システム504内に移動する。拡張可能なリザーバ508が非拘束配向に向かって移動すると、流量制御弁506は、圧力スパイク吸収システム504からアクセスポート502に向かう方向の流体の移動に抵抗する。したがって、流体は患者510に向かって移動する。
【0121】
条項としての主題の技術の説明
便宜的に、本開示の態様の様々な例を、番号を付けた条項(1、2、3など)として説明する。これらは例として提供され、主題の技術を限定しない。図および参照番号の特定が単に例としておよび説明のために以下に提供され、条項は、これらの特定によって限定されない。
【0122】
条項1.ハウジングであって、キャビティ、および前記キャビティから前記ハウジングの第1の部分を通って前記ハウジングの外面に延びる第1のチューブ通路を備えるハウジングと、前記ハウジングの第2の部分に接続されたキャップであって、前記キャビティから前記キャップの外面を通って延びる第2のチューブ通路を備えるキャップと、第1の開口部と第2の開口部との間に延びる通路を備える拡張可能なリザーバであって、前記第1の開口部が前記第1のチューブ通路と整列し、前記第2の開口部が前記第2のチューブ通路と整列した状態で前記キャビティ内に位置決めされる拡張可能なリザーバとを備える、圧力スパイク吸収システム。
【0123】
条項2.前記ハウジングは、前記キャビティから前記第1のチューブ通路に向かって延びる第1の保持ボアを備え、前記キャップは、前記キャビティから前記第2のチューブ通路に向かって延びる第2の保持ボアを備える、条項1に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0124】
条項3.前記第1の開口部を備える前記拡張可能なリザーバの第1の部分は、前記第1の保持ボアに位置決めされ、前記第2の開口部を備える前記拡張可能なリザーバの第2の部分は、前記第2の保持ボアに位置決めされ、前記第1および第2の部分との間の前記拡張可能なリザーバの第3の部分は、前記キャビティ内に位置決めされる、条項2に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0125】
条項4.前記キャビティは、前記ハウジングの前記第2の部分を通って前記ハウジングの前記第1の部分に向かって延びる、条項1に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0126】
条項5.前記ハウジングの内面は、前記キャビティから前記第1のチューブ通路に向かって先細になる断面幅を含む、条項1に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0127】
条項6.前記キャップの内面は、前記キャビティから前記第2のチューブ通路に向かって先細になる断面幅を含む、条項1に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0128】
条項7.前記ハウジングは、前記キャビティから前記ハウジングの前記外面に延びる通気通路を備える、条項1に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0129】
条項8.前記キャップは、第1の端部分と、第2の端部分とを備え、前記第2の端部分は、前記ハウジングの前記キャビティに位置決めされる、条項1に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0130】
条項9.前記拡張可能なリザーバに流体接続された流量制御弁を備える、条項1に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0131】
条項10.アクセスポートおよび出口ポートを有する静脈内チューブと、ハウジングであって、キャビティ、前記キャビティから前記ハウジングの第1の部分を通って延びる第1のチューブ通路、および前記キャビティから前記ハウジングの第2の部分を通って延びる第2のチューブ通路を備えるハウジングと、第1の開口部、第2の開口部、および前記第1および第2の開口部の間に延びる通路を備える拡張可能なリザーバであって、前記キャビティ内に位置決めされ、前記アクセスポートと前記出口ポートとの間で前記静脈内チューブと流体接続する拡張可能なリザーバとを備え、流体が前記アクセスポートを通して注入されると、前記流体は、前記通路に向けられ、前記拡張可能なリザーバを非拘束配向から拡張配向に向かって移動させる、圧力スパイク吸収システム。
【0132】
条項11.前記拡張可能なリザーバの外面は、前記非拘束配向で前記ハウジングの内面から離間している、条項10に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0133】
条項12.前記拡張可能なリザーバの外面は、前記拡張配向で前記ハウジングの内面に対して係合する、条項10に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0134】
条項13.前記拡張可能なリザーバが前記拡張配向から前記非拘束配向に向かって移動するとき、前記流体は、前記通路から前記出口ポートに向かって向けられる、条項10に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0135】
条項14.前記キャビティと前記第1のチューブ通路との間に延びる第1の保持ボアと、前記キャビティと前記第2のチューブ通路との間に延びる第2の保持ボアとを備える、条項10に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0136】
条項15.前記非拘束配向および前記拡張配向において、前記第1の開口部を備える前記拡張可能なリザーバの第1の部分は、前記第1の保持ボアに位置決めされ、前記第2の開口部を備える前記拡張可能なリザーバの第2の部分は、前記第2の保持ボアに位置決めされ、前記第1および第2の部分の間の前記拡張可能なリザーバの第3の部分は、前記キャビティ内に位置決めされる、条項14に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0137】
条項16.第1の端部分、第2の端部分を有するキャップを備え、前記第2の保持ボア、および前記第2のチューブ通路は、前記キャップを通って延びる、条項14に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0138】
条項17.前記第2の端部分は、前記ハウジングの前記キャビティ内に延びるように構成される、条項15に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0139】
条項18.前記拡張可能なリザーバの前記通路は、前記非拘束配向における第1の容積と、前記拡張配向における前記第1の容積よりも大きい第2の容積とを含む、条項10に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0140】
条項19.前記アクセスポートと前記拡張可能なリザーバとの間に接続された流量制御弁を備え、前記流量制御弁は、前記拡張可能なリザーバから前記アクセスポートに向かう流体の移動に抵抗する、条項10に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0141】
条項20.前記ハウジングは、前記キャビティから前記ハウジングの外面に延びる通気通路を備え、前記通気通路は、前記拡張可能なリザーバが前記非拘束配向から前記拡張配向に向かって移動するときにガスが前記キャビティの外に移動することを可能にし、前記拡張可能なリザーバが前記拡張配向から前記非拘束配向に向かって移動するときにガスが前記キャビティ内に移動することを可能にするように構成される、条項10に記載の圧力スパイク吸収システム。
【0142】
さらなる考慮事項
いくつかの実施形態では、本明細書における条項はいずれも、独立条項のいずれか一項または従属条項のいずれか一項に従属することができる。一態様では、条項(例えば、従属または独立条項)はいずれも、いずれかの他の1つまたは複数の条項(例えば、従属または独立条項)と組み合わせることができる。一態様では、請求項は、1つの条項、文、句または段落において挙げられた語(例えば、ステップ、動作、手段または構成要素)のいくつかまたはすべてを含むことができる。一態様では、請求項は、1つまたは複数の条項、文、句または段落において挙げられた語のいくつかまたはすべてを含むことができる。一態様では、条項、文、句または段落の各々におけるいくつかの語を削除することができる。一態様では、付加的な語または要素を条項、文、句または段落に追加することができる。一態様では、主題の技術は、本明細書に記載された構成要素、要素、機能または動作のいくつかを利用することなく実施することができる。一態様では、主題の技術は、付加的な構成要素、要素、機能または動作を利用して実施することができる。
【0143】
前述の説明は、当業者が本明細書に記載された様々な構成を実践することを可能にするために提供される。主題の技術は、様々な図および構成を参照して具体的に説明されているが、これらは例示のみを目的としており、主題の技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0144】
主題の技術を実装するための多くの他の方法が存在し得る。主題の技術の範囲を逸脱することなく、本明細書で説明される様々な機能および要素を示されるものとは異なるように区分化することができる。これらの構成に対する様々な修正を当業者は容易に理解し、本明細書において定義される包括的な原理を他の構成に適用することができる。したがって、主題の技術の範囲を逸脱することなく、当業者によって、主題の技術に対する多くの変更および修正を行うことができる。
【0145】
開示されたプロセスにおけるステップの具体的な順序または階層は、例示的なアプローチの例示であることが理解される。設計上の選好に基づいて、プロセスにおけるステップの具体的な順序または階層は、再編成可能であることが理解される。ステップのいくつかは、同時に実行することができる。添付の方法クレームは、サンプルの順序において様々なステップの要素を提示しており、提示された具体的な順序または階層に限定されることを意図していない。
【0146】
本明細書で使用されているように、一連の事項に続く句「の少なくとも1つ」は、その事項の任意のものを分離するための用語「および」または「または」を伴うとき、列挙されたものの各部材(すなわち、各事項)ではなく、全体として最初のものを修飾する。句「の少なくとも1つ」は、列挙された各事項の少なくとも1つを選択する必要はなく、むしろ、この句は、事項の任意の1つの少なくとも1つ、および/または事項の任意の組み合わせの少なくとも1つ、および/または事項の各々の少なくとも1つを含む意味を許容する。例として、句「A、B、およびCの少なくとも1つ」または「A、B、またはCの少なくとも1つ」は各々、Aのみ、Bのみ、またはCのみ、A、B、およびCの任意の組み合わせ、および/またはA、B、およびCの各々の少なくとも1つを指す。
【0147】
「上部」、「底部」、「前方」、「後方」などの用語は、本開示で使用する場合、通常の重力基準系ではなく、任意の基準系に関連するものと理解されたい。したがって、上面、底面、前面、および後面は、重力基準系においては上方に、下方に、対角線方向に、または水平方向に延びることがある。
【0148】
さらに、「含む(include)」、「有する(have)」などの用語が本明細書または特許請求の範囲で使用されている範囲で、そのような用語は、「備える(comprise)」が請求項中で移行語として用いられる場合に解釈される場合の「備える(comprise)」という用語と同様の様式で包括的であることが意図されている。
【0149】
1つまたは複数の態様では、「約」、「実質的に」、および「およそ」という用語は、それらの対応する用語および/または事項間の相対性に対する産業上一般的な公差を提供することができる。
【0150】
「例示的な」という語は、本明細書では「例、事例、または例示として役立つ」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的な」として説明される実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されない。
【0151】
単数形の要素への言及は、特に明記しない限り、「1つおよび1つだけの」を意味するものではなく、「1つまたは複数」を意味することが意図されている。男性代名詞(例えば、彼の)は、女性および中性(例えば、彼女の、およびその)を含み、逆もまた同様である。「いくつかの」という用語は、1つまたは複数を指す。下線および/またはイタリック体の見出しおよび小見出しは、便宜のためにのみ使用され、主題の技術を限定せず、主題の技術の説明の解釈に関連して参照されない。当業者に既知であるかまたは後に既知になる、本開示全体を通して説明される様々な構成の要素に対するすべての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明白に組み込まれ、主題の技術によって包含されるように意図される。さらに、本明細書に開示されるものは、かかる開示が上記の説明の中で明示的に引用されているか否かにかかわらず、公衆に提供されるようには意図されない。
【0152】
詳細な説明は多くの特定のものを含むが、これらは、主題の技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、単に主題の技術の異なる例および態様を説明するものとして解釈されるべきである。主題の技術の範囲は、上記で詳細に論じられていない他の実施形態を含むことを理解されたい。本開示の範囲を逸脱することなく、本明細書に開示される主題の技術の方法および装置の配置、動作および詳細において、様々な他の修正、変更および改変がなされ得る。別様に表されない限り、単数形の要素への言及は、明示的に述べられていない限り、「1つおよび1つだけの」を意味するものではなく、「1つまたは複数」を意味することが意図されている。加えて、本開示の範囲内に包含されるために、デバイスまたは方法が、本開示の異なる実施形態によって解決可能であるあらゆる問題に対処する(または達成可能であるあらゆる利点を有する)必要はない。本明細書における「できる(can)」およびその派生語の使用は、肯定的な能力とは反対に「可能な」または「任意選択的に」の意味で理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10