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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158028
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20231019BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20231019BHJP
【FI】
G07G1/01 301E
G06Q30/06
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023137994
(22)【出願日】2023-08-28
(62)【分割の表示】P 2021117015の分割
【原出願日】2017-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】五反田 剛
(72)【発明者】
【氏名】中島 隆司
(72)【発明者】
【氏名】杉田 延裕
(72)【発明者】
【氏名】後藤 幾
(72)【発明者】
【氏名】菊池 淳
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 純
(72)【発明者】
【氏名】平松 顕也
(57)【要約】
【課題】チェックアウト業務に有用な情報を従業員に提示することができる商品販売データ処理装置を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、商品販売データ処理装置は、第1表示部、受信部、及び第2表示部を有する。第1表示部は、商品の販売に関わる処理のための第1画面を表示する。受信部は、第1外部装置から配信される第1データを受信する。第2表示部は、前記第1画面を表示する処理と連動することなく前記第1データをもとにした第2画面を表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の販売に関わる処理のための第1画面を表示する第1表示装置と、
第1外部装置から配信される第1データを受信する受信部と、
前記第1データに対応する第2外部装置から第2データを取得するデータ取得部と、
前記第1画面を表示する処理と連動することなく、前記第2データをもとにした第2画面を表示する、前記第1表示装置とは独立した第2表示装置と
を有する商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記第1外部装置に記憶された販売データまたは在庫データの少なくとも何れかを含むキーワードをもとに検索された第3データを前記第1外部装置から取得し、
前記第2表示装置は、前記第1画面を表示する処理と連動することなく、前記第3データをもとにした第3画面を表示する請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記第1外部装置から複数の装置に対して配信される前記第3データを受信する請求項2記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記第2表示装置は、前記第2表示装置に表示された画面内容の切り替えが指示された場合、表示対象とするデータが予め記憶されていれば、記憶されている表示対象のデータを表示する請求項1~3の何れかに記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記第2表示装置は、従業員用の前記第2画面を表示する請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等で利用される店舗会計システム(チェックアウトシステム)には、従業員によって操作される商品販売データ処理装置(例えば、POS(Point of Sales)端末)が設置される。POS端末は、従業員の入力操作に応じて、例えば顧客が買い上げる商品の登録処理、登録処理された商品についての決済処理の他、チェックアウト業務を関係する各種の処理を実行する。一般に、POS端末には、従業員による入力操作を受け付けると共に処理内容を表示させることができるタッチパネル、及び複数のキーが設けられたキーボード(ハードウェアキーボード)が設けられている。従業員は、チェックアウト業務における各種状況に応じて、タッチパネルに表示されたキー(ボタン)あるいはキーボードのキーを操作することで、その状況で必要とされる処理を実行させることができる。
【0003】
比較的大きな店舗では、複数のPOS端末が設置され、それぞれ個別に従業員により操作される。従業員は、チェックアウト業務をする際に必要となる情報を、個々にチェックアウト業務中に確認できるようにしている。例えば、本日の特売品などの情報については特売品が記載されたチラシをPOS端末の周辺に掲示したり、店長等からのメッセージを記入したメモ書きを所持したりしている。また、複数の従業員の間で共有すべき情報がある場合には、例えば従業員同士の会話により伝えられ、従業員が個々に覚えておく必要があった。
【0004】
従来のPOS端末では、従業員によるチェックアウト業務のための画面を表示するメインのディスプレイ(あるいはタッチパネル)の他に、サブのディスプレイ(あるいはタッチパネル)を備えたものがある。サブのディスプレイ(タッチパネル)は、例えば顧客に対して情報を提示したり、顧客により確認操作を受け付けたりするための画面を表示する客面用のディスプレイとして使用される。客面用のディスプレイでは、メインのディスプレイに表示される画面を利用したチェックアウト業務のための処理、例えば顧客が購入しようとする商品の登録処理や登録された商品についての決済処理と連動した画面が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-162208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、チェックアウト業務に有用な情報を従業員に提示することができる商品販売データ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、商品販売データ処理装置は、第1表示装置、受信部、データ取得部、及び第2表示装置を有する。第1表示装置は、商品の販売に関わる処理のための第1画面を表示する。受信部は、第1外部装置から配信される第1データを受信する。データ取得部は、前記第1データに対応する第2外部装置から第2データを取得する。前記第1表示装置とは独立した第2表示装置は、前記第1画面を表示する処理と連動することなく、前記第2データをもとにした第2画面を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の商品販売データ処理装置の外観を示す斜視図。
図2】本実施形態のコンビネーションキーボードの一例を示す図。
図3】本実施形態におけるPOS端末が設けられたシステムの構成を示すブロック図。
図4】本実施形態におけるサーバ及びPOS端末の機能構成を示すブロック図。
図5】本実施形態におけるサーバの動作を示すフローチャート。
図6】本実施形態におけるPOS端末の動作を示すフローチャート。
図7】本実施形態におけるタッチパネルに表示される画面の一例を示す図。
図8】本実施形態におけるタッチパネルにおいてブラウザにより表示される画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の商品販売データ処理装置の外観を示す斜視図である。商品販売データ処理装置は、スーパーマーケット等の店舗で使用されるチェックアウトシステムの一部を構成するもので、例えばPOS(Point of Sales)端末10として構成される。以下、POS端末10を例にして説明する。
【0010】
図1に示すように、POS端末10は、釣銭機11e、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j(キーボード11ja、タッチパネル11jb)、プリンタ11k、カードリーダライタ11m、及びディスプレイ11nが設けられている。
【0011】
POS端末10は、規定のハウジングに対して、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j、プリンタ11k、ディスプレイ11nが脱着可能となるように構成されている。このため、POS端末10は、店舗での使用に適した、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j、プリンタ11k、ディスプレイ11nを個々に選択して実装させることができる。
【0012】
例えば、コンビネーションキーボード11jは、図1及び図2に示すように、キーボード11jaとタッチパネル11jbとが設けられた形態の他、タッチパネル11jbに代えて、より多くのキーが実装されたキーボードのみの形態のものがある。また、コンビネーションキーボード11jを実装せずに、タッチパネル11hからのみ従業員による入力操作を受け付ける形態とすることもできる。本実施形態では、図2に示すキーボード11jaとタッチパネル11jbとが設けられたコンビネーションキーボード11jが実装されているものとして説明する。
【0013】
同様にして、例えばディスプレイ11nは、顧客に対して情報を提供するための客面用として用いられるもので、画面サイズの異なる複数のユニットから何れかを選択して実装することができる。また、顧客による入力操作を受け付けられるように、ディスプレイ11nに代えてタッチパネルを実装することも可能である。
【0014】
なお、本実施形態では、タッチパネル11h及びタッチパネル11jbに例えば複数のキーを含む操作画面を表示して、パネルに対してタッチ操作をさせるものとしているが他の入力操作をするようにしても良い。例えば、タッチパネル11h及びタッチパネル11jbに表示された操作画面に応じて、キーボード11jaを操作して何れかのキーを選択させたり、音声入力によって選択するキーを指定させたりすることも可能である。この場合、タッチパネル11hあるいはタッチパネル11jbに代えてディスプレイを設け、操作画面を表示するようにしても良い。
【0015】
図3は、本実施形態におけるPOS端末10(10-1,10-2,…,10-n)が設けられたシステムの構成を示すブロック図である。図3において、店舗に設けられたチェックアウトシステムは、複数のPOS端末10(10-1,10-2,…,10-n)、サーバ12(ストアコンピュータ)が、LAN(Local Area Network)14等のネットワークを介して相互に通信可能となるように接続されている。また、POS端末10とサーバ12は、個々にチェックアウトシステム外のインターネットを含むネットワーク16と接続される。POS端末10とサーバ12は、ネットワーク16(インターネット)を介してサーバ18(SNS(Social Networking Service)、Webサイト、ブログサイト、短文投稿サイト、データベースシステムなど)にアクセスしてデータを受信する。
【0016】
POS端末10は、コンピュータの機能が実装されており、プロセッサ(CPU(central processing unit)等)11a、ROM(read-only memory)11b、RAM(random-access memory)11c、記憶ユニット11d、釣銭機11e、通信ユニット11f、スキャナ11g、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j(キーボード11ja、タッチパネル11jb)、プリンタ11k、カードリーダライタ11m、ディスプレイ11n、及び通信ユニット11pを有する。
【0017】
プロセッサ11aは、ROM11b及びRAM11cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、POS端末10としての各種の動作を実現するべく各部を制御するための回路である。
【0018】
ROM11b及びRAM11cは、プロセッサ11aにより実行される各種プログラムの他、プロセッサ11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記録する。例えば、RAM11cには、商品の情報を登録する処理が実行される場合に、顧客による購入対象とする商品の情報が登録される登録商品テーブルが記録される。また、RAM11cには、タッチパネル11h及びタッチパネル11jbに表示させる画面のデータなどが記憶される。
【0019】
プロセッサ11aにより実行されるプログラムには、スキャナ11gを通じて商品の情報(商品コード等)を入力するスキャン処理、登録商品テーブルに登録された商品の情報に応じた決済処理に用いられる取引情報を生成する登録処理、取引情報をもとにした決済処理などを実行するための制御プログラムが含まれる。プロセッサ11aは、制御プログラムを実行することで、商品の販売に関わる処理(登録処理及び決済処理を含む)のための画面をタッチパネル11hに表示させる。また、制御プログラムには、サーバ12から配信されるデータを受信する受信処理(受信部)、タッチパネル11hに表示される画面を利用して実行される商品の販売に関わる処理と連動することなく、サーバ12から受信したデータをもとにした画面をタッチパネル11jbに表示する表示処理(表示部)を制御することができる表示制御プログラムが含まれる。
【0020】
記憶ユニット11dは、プロセッサ11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ11aの処理によって生成されたデータを記憶する。記憶ユニット11dとしては、例えばEEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などを使用できる。
【0021】
釣銭機11eは、投入される硬貨及び紙幣を収受、釣銭とする硬貨及び紙幣を排出する。
通信ユニット11fは、例えばインターネットを含むネットワーク16を介して、例えば、SNS、Webサイト、ブログサイト、短文投稿サイト、データベースシステムなど各種の情報を提供するサーバ18(外部装置)との通信を制御する。
【0022】
スキャナ11gは、例えば、光学的スキャンにより商品の情報を読み取って、商品に固有の商品コードを入力する。スキャナ11gは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナとしても良いし、商品を撮影した画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプとしても良い。また、スキャナ11gは、1つのタイプのみを設けても良いし、複数のタイプのものを設けても良い。
【0023】
タッチパネル11hは、従業員(キャッシャ)により入力操作がされるデバイスであり、表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、GUI(Graphical User Interface)画面などの任意の画面を表示する。例えば、表示デバイスは、買い上げ対象として登録された商品に関する取引情報(商品名、金額など)の一覧リストや小計金額等を含む登録画面(商品一覧画面)、各種の機能のそれぞれに対応した複数のキーを含むメニュー、及び各種機能の実行を指示するコマンドを入力するためのキーなどを含む操作画面を表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(Liquid Crystal Display)等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置される。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をプロセッサ11aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0024】
コンビネーションキーボード11jは、従業員(キャッシャ)により入力操作がされるデバイスであり、例えば特定の機能が個々に割り当てられた複数のキーが配列されたキーボード11jaとタッチパネル11jbを有する。タッチパネル11jbは、例えばタッチパネル11hと同様に構成される。タッチパネル11jbは、常に表示する必要がない補足情報や、店内の従業員で共有すべき情報(特売情報や店長からのメッセージなど)等が表示される。タッチパネル11jbは、例えば、サーバ12から配信されるデータをもとにした画面が表示される。
【0025】
プリンタ11kは、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列、画像、コードパターン(バーコード、2次元コードなど)などを印刷することにより、商品名、単価、合計金額などの取引内容が印刷された取引レシート等を発行する。
【0026】
カードリーダライタ11mは、カードに記録されたデータを読み取るとともに、カードへデータを書き込む。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカード、ポイントカードなどの決済処理に関わる情報を記録する各種のカードを含む。カードリーダライタ11mは、磁気式、接触式、あるいは非接触式の何れのデバイスであっても良いし、また複数種のデバイスを含んでいても良い。
【0027】
ディスプレイ11nは、例えば顧客に対して情報を提供するための客面用として用いられるデバイスであり、カラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。
【0028】
サーバ12は、プロセッサ(CPU等)21a、ROM21b、RAM21c、記憶ユニット21d、通信ユニット21f、キーボード21g、ディスプレイ21h、及び通信ユニット21pを含む。サーバ12は、コンピュータの機能を有する情報処理装置である。
【0029】
プロセッサ21aは、ROM21b及びRAM21cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、サーバ12としての各種の動作を実現するべく各部を制御するための回路である。
【0030】
ROM21b及びRAM21cは、プロセッサ21aにより実行されるオペレーティングシステム、ミドルウェア、アプリケーションプログラムなどのプログラムの他、プロセッサ21aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。
【0031】
プロセッサ21aにより実行されるプログラムには、商品販売に関するPOS機能を実現するためのPOSプログラム、POS端末10のタッチパネル11jbに表示させるデータを配信するためのデータ配信プログラムなどが含まれる。
【0032】
記憶ユニット21dは、プロセッサ21aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ21aでの処理によって生成されたデータを保存する。記憶ユニット21dとしては、例えばEEPROM(登録商標)、HDD、あるいはSSDなどを使用できる。記憶ユニット21dには、POS機能において処理される販売管理データ(商品マスタデータ、販売データ(商品名、価格、販売時刻、販売数などを含む)、在庫データなどを含む)、POS端末10への配信用として、例えば従業員のキーボード21gの操作により入力された入力配信データ、外部装置(サーバ18など)からPOS端末10への配信のために取得された取得データなどが記憶される。
【0033】
通信ユニット21fは、LAN14を介したPOS端末10等との通信を制御する。 キーボード21gは、サーバ12に対するデータを従業員による操作に応じて入力する。なお、サーバ12は、キーボード21g以外の入力デバイス(タッチパネル、マウス等)が設けられていても良い。
ディスプレイ21hは、プロセッサ21aにより実行されるPOS機能、データ配信処理等に応じた画面を表示する。
通信ユニット21pは、ネットワーク16を介したサーバ18(Webサイトなど)などの外部装置との通信を制御する。
【0034】
図4は、本実施形態におけるサーバ12及びPOS端末10の機能構成を示すブロック図である。
サーバ12は、プロセッサ21aによりデータ配信プログラムを実行することにより、キーワード取得部21a1、データ取得部21a2、データ配信部21a3の機能を実現する。キーワード取得部21a1は、記憶ユニット21d(記憶部21d1)に記憶されたデータをもとに、POS端末10に対して配信するデータ(配信データ)の提供元とする外部装置を設定する設定処理を実行する(設定部)。記憶部21d1には、POS端末10へ配信される配信データ30、POS機能(POSプログラム)により記憶される販売管理データ31が含まれる。配信データ30には、POS端末10への配信用として、例えば従業員のキーボード21gの操作により入力された入力配信データ30a、外部装置(サーバ18など)からPOS端末10への配信のために取得された取得データ30bが含まれる。入力配信データ30aには、例えば本日の特売品に関する情報(商品名、価格など)、店長から従業員に対するメッセージ(テキストデータ)、登録処理の際に顧客の年齢を確認する際に参照される年齢確認データ、ネットワーク16を通じてアクセス可能なデータ提供元となるWebサイトを示すURL(uniform resource locator)が含まれる。入力配信データ30aには、前述したデータの他、POS端末10に対して配信する任意のデータを記憶させることができる。
【0035】
キーワード取得部21a1は、例えば入力配信データ30a及び販売管理データ31をもとに、配信データの提供元とする外部装置を設定する。例えば、キーワード取得部21a1は、入力配信データ30aに外部装置のアクセス先を示すデータ(URLなど)が記憶されている場合、このアクセス先を示すデータをもとに配信データの提供元とする外部装置(サーバ18)を設定する。例えば、天気予報のWebサイトのURLを入力配信データ30aに記憶させることで、天気予報のWebサイトにアクセスして天気予報のデータ(Webページ)を取得できるように設定することができる。
【0036】
また、キーワード取得部21a1は、入力配信データ30aに記憶されたデータをもとに、例えばサーチエンジンを利用してアクセス先(配信データの提供元)を検索するための検索キーワードを作成することができる。例えば、キーワード取得部21a1は、入力配信データ30aに含まれる特売データの「商品名」を抽出して、検索キーワードとすることができる。同様にして、キーワード取得部21a1は、例えば、入力配信データ30aに含まれる店長メッセージ(テキストデータ)に含まれる単語、あるいは予めキーワード用として記憶されたデータを抽出して、検索キーワードとすることができる。
【0037】
また、予め登録されたURLが示すWebサイトにアクセスして、検索キーワードを指定して、特定のデータ(Webページ)を取得するようにしても良い。例えば、料理レシピを提供するWebサイトにアクセスして、特売品の「商品名」を検索キーワードとして指定し、特売品を利用した料理レシピについて記載されたWebページにアクセスする。
【0038】
また、キーワード取得部21a1は、記憶部21d1に記憶された販売管理データ31(販売データまたは在庫データの少なくとも何れか)に基づいて、ネットワーク16を介して接続されたサーバ18を検索するための検索キーワードを取得する。例えば、販売データをもとに、通常時よりも販売量が多い商品が検出された場合、この商品の「商品名」を検索キーワードとして取得する。例えば、販売量が特別に多い「商品名」をもとに、テレビ番組の案内サイトやニュースサイト(食品関係)にアクセスして、販売数の増加につながったと想定される、テレビ番組やニュースなどのページを取得できるようにする。
【0039】
なお、前述した配信データの提供元とする外部装置の設定については一例であって、その他の方法によって、データの提供元を設定するようにしても良い。
【0040】
データ取得部21a2は、キーワード取得部21a1によって設定された外部装置(サーバ18など)にネットワーク16を介してアクセスして、外部装置からPOS端末10への配信に用いられるデータを取得する。データ取得部21a2は、取得データ30bを配信データ30として記憶部21d1(記憶ユニット21d)に記憶させる。
【0041】
データ配信部21a3は、配信データ30(入力配信データ30a、取得データ30b)を複数のPOS端末10に配信して、POS端末10において動作する表示制御部11a1を通じて、配信データ30に応じた情報をタッチパネル11jbに表示させる。
【0042】
POS端末10は、プロセッサ11aにより表示制御プログラムを実行することにより、表示制御部11a1の機能を実現する。表示制御部11a1は、サーバ12(データ配信部21a3)から配信されるデータを受信し、この受信したデータをもとにした画面をタッチパネル11jbにおいて表示させる。表示制御部11a1は、商品の販売に関わる処理(登録処理、決済処理など)のためにタッチパネル11hに表示させる画面と連動することなく、タッチパネル11hの表示制御とは独立してタッチパネル11jbに対する表示制御をすることができる。
【0043】
なお、表示制御部11a1は、特定の状況において、タッチパネル11hの表示を利用して実行される処理と連動した画面をタッチパネル11jbに表示するようにしても良い。また、客面用のディスプレイ11nに対しては、基本的に、タッチパネル11hの表示を利用して実行される処理と連動した画面(例えば、登録処理により登録された商品の一覧画面、決済処理における支払い金額を表す決済画面など)を表示する。ただし、タッチパネル11jbと同様に、タッチパネル11hの表示を利用して実行される処理と連動しない独自の情報(顧客向けの情報)が表示されるようにしても良い。
【0044】
また、表示制御部11a1には、ネットワーク16を通じてサーバ18にアクセスし、サーバ18が提供するWebページを表示させるブラウザ11a2の機能が設けられる。ブラウザ11a2は、プロセッサ11aによりブラウザプログラムを実行することにより実現される。ブラウザ11a2は、例えばタッチパネル11jbに対する入力操作に応じて、入力操作により指定された例えばWebサイトにアクセスして、Webページをタッチパネル11jbに表示させることができる。
【0045】
次に、本実施形態におけるPOS端末10のタッチパネル11jbに対する表示制御に関係する、POS端末10とサーバ12の動作について説明する。図5は、本実施形態におけるサーバ12の動作を示すフローチャート、図6は、本実施形態におけるPOS端末10の動作を示すフローチャートである。
【0046】
POS端末10は、買い上げ対象とする商品の登録処理が起動されると、プロセッサ11aによる、ROM11bまたは記憶ユニット11dに記憶された制御プログラムに基づく制御処理を開始する。
【0047】
プロセッサ11aは、登録処理を開始すると、RAM11cに記録される登録商品テーブルをクリアし、タッチパネル11hに登録画面を表示させる。登録画面は、登録商品テーブルに登録された商品の情報などを表示するためのもので、登録処理の実施状況を従業員に確認させるための画面である。
【0048】
従業員の操作によりスキャナ11gから商品に付された商品コードが読み取られたことを検出すると、プロセッサ11aは、商品コードに対応する商品の情報を登録商品テーブルに登録(更新)する。また、プロセッサ11aは、更新後の登録商品テーブルの内容に応じて、タッチパネル11hに表示された登録画面の商品の情報を更新する。
【0049】
一方、サーバ12のプロセッサ21a(データ配信部21a3)は、記憶ユニット21d(記憶部21d1)に記憶された入力配信データ30aについて、予め設定された配信タイミングとなった場合に(Act15、Yes)、入力配信データ30aを複数のPOS端末10に対して配信する(Act16)。配信タイミングは、例えば入力配信データ30aとして記憶されたデータ別に特定の配信時刻が設定されていても良いし、POS端末10からの要求に応じたタイミングとしても良い。例えば、POS端末10において実行されるチェック業務の全般において参照されるデータについては、営業開始時刻(あるいはPOS端末10の起動時)に配信するように配信タイミングが設定されるものとする。例えば、入力配信データ30aに含まれる特売データ、店長メッセージデータ、年齢確認データなどは、チェック業務の全般において参照されるデータに相当する。
【0050】
一方、プロセッサ11a(表示制御部11a1)は、登録処理とは関係なく、サーバ12から配信されたデータを受信した場合(Act21、Yes)、取得データを記憶させると共に、取得データをもとにした画面をタッチパネル11jbに表示させる(Act22)。
【0051】
図7は、サーバ12から配信された入力配信データ30aをもとに、タッチパネル11jbに表示される画面の一例を示す図である。図7では、特売データに基づく「本日の目玉特売」の商品の情報、店長メッセージ、年齢確認のための参照情報が表示された例を示している。図7では、異なる3種のデータを1画面に表示させているが、タッチパネル11jbに情報を表示するフォーマットは、予め決められていても良いし、サーバ12から配信されるデータに応じて動的に変更されても良い。また、従業員の操作によって画面を切り替えて表示させることも可能である。
【0052】
タッチパネル11jbでは、タッチパネル11hの表示とは関係なく、サーバ12から受信したデータをもとに情報を表示させることができる。従って、POS端末10を操作する従業員は、常時、タッチパネル11jbに表示された情報を参照することができる。このため、特売品が掲載されたチラシをPOS端末10の周辺に掲示したり、年齢確認に参照される情報やメッセージを記載したメモ書きなどを用意したりするといったことが不要となる。また、サーバ12から複数のPOS端末10に対して、共通するデータを配信するので、複数の従業員の間で容易に情報の共有を図ることができる。
【0053】
また、サーバ12のプロセッサ21a(キーワード取得部21a1)は、入力配信データ30aにデータの提供元のURLが記憶されている場合、URLに対して設定された配信タイミングに応じて、このURLに応じて配信データの提供元とする外部装置(サーバ18)を設定する。データ取得部21a2は、キーワード取得部21a1により設定されるURLが示すWebサイトにアクセスし、Webページを取得して、記憶部21d1に記憶させる。データ配信部21a3は、データ取得部21a2によりWebサイトから取得された取得データを複数のPOS端末10に配信する。
【0054】
なお、前述したように入力配信データ30aとして記憶されたURLをもとにデータ取得部21a2がWebページにアクセスしてPOS端末10に配信するのではなく、データ配信部21a3から入力配信データ30aに設定されたURLをPOS端末10に配信するようにしても良い。POS端末10は、サーバ12から配信されたURLをもとに、ブラウザ11a2によりWebサイトにアクセスして、Webページをタッチパネル11jbに表示させるようにしても良い。
【0055】
図8は、タッチパネル11jbにおいてブラウザ11a2により表示される画面(ブラウザ画面)の一例を示す図である。図8では、天気予報のWebサイトのWebページを表示させた例を示している。ブラウザ画面には、Webページのコンテンツが表示される。また、ブラウザ画面の上部に、任意のWebページ(Webサイト)をブックマークとして設定するための例えば4つのタブ(TAB1~4)が設けられている。また、ブラウザ画面の下部には、表示されるページを更新するための操作を受け付けるためのボタン(前ページ、後ページ、更新、閉じる)が設けられ、ブラウザ画面の左部には、ページをスクロールさせるためのボタン(上ボタン、下ボタン)が設けられている。本実施形態のブラウザ11a2は、単純な操作のみを受け付けるボタンをブラウザ画面に設け、従業員による操作負担が増大しないようにしている。
【0056】
ブラウザ11a2により表示されるブラウザ画面では、一般的な情報機器(パーソナルコンピュータ、スマートフォンなど)と同様にして、例えば従業員の操作によりアクセス先を指定してWebページを表示させることができる。例えば、タブの選択操作によりサイトアクセス要求が入力された場合(Act27、Yes)、ブラウザ11a2は、ネットワーク16を通じて、選択操作されたタブに予め設定されたWebサイトにアクセスする(Act28)。ブラウザ11a2は、アクセスしたWebサイトのWebページをタッチパネル11jbに表示させる(Act29)。
【0057】
これにより、POS端末10では、ブラウザ11a2によって、サーバ12から配信されるWebページだけでなく、従業員の操作に応じた任意のWebサイトにアクセスして、Webページを表示させることができる。
【0058】
また、POS端末10では、タッチパネル11jbに表示された画面の内容を、従業員の操作によって切り替えることができる。プロセッサ11a(表示制御部11a1)は、例えばタッチパネル11jbに対する従業員の操作により表示の切り替えが指示された場合(Act23、Yes)、表示対象とするデータが予め記憶されている場合には、この記憶済みのデータをもとにタッチパネル11jbの表示を切り替える。また、表示対象とするデータが予め記憶されていない場合には、プロセッサ11a(表示制御部11a1)は、サーバ12に対してデータ取得要求を送信する(Act24)。サーバ12のプロセッサ21a(データ配信部21a3)は、POS端末10からデータ取得要求を受信すると(Act17、Yes)、POS端末10における操作により指定されたデータをPOS端末10に送信する(Act18)。
【0059】
POS端末10の表示制御部11a1は、データ取得要求送信に応じて、サーバ12からデータを受信すると(Act25)、取得データを記憶させると共に、取得データをもとにした画面をタッチパネル11jbに表示させる(Act26)。
【0060】
また、キーワード取得部21a1は、入力配信データ30aあるいは販売管理データ31をもとに、配信データの提供元とする外部装置を設定する。例えば、キーワード取得部21a1は、前述したように、入力配信データ30aに含まれる特売データの「商品名」を抽出する(Act11、Yes)。データ取得部21a2は、キーワード取得部21a1から抽出された「商品名」を検索キーワードとして取得し(Act12)、ネットワーク16を介して検索キーワードに該当するデータを取得する(Act13)。データ取得部21a2は、検索キーワードをもとに取得したデータを取得データ30bとして記憶部21d1(記憶ユニット21d)に記憶させる(Act14)。
【0061】
同様にして、キーワード取得部21a1は、販売管理データ31(販売データまたは在庫データの少なくとも何れか)に基づいて検索キーワードを取得し、検索キーワードをもとに取得したデータを取得データ30bとして記憶部21d1(記憶ユニット21d)に記憶させる(Act11~14)。
【0062】
プロセッサ21a(データ配信部21a3)は、記憶ユニット21d(記憶部21d1)に記憶された取得データ30bについて、前述した入力配信データ30aと同様に、予め設定された配信タイミングとなった場合に(Act15、Yes)、複数のPOS端末10に対して配信する(Act16)。なお、データ配信部21a3は、データ取得部21a2によって取得データ30bが記憶されたタイミングで、POS端末10に配信するようにしても良い。
【0063】
POS端末10は、タッチパネル11jbにおける表示終了が例えば従業員の操作により指示されると(Act30、Yes)、タッチパネル11jbにおけるサーバ12から受信したデータの表示を終了する。それまでの間、POS端末10は、前述したように、サーバ12から配信されたデータをもとに、タッチパネル11jbに各種の情報を表示することができる(Act21~29)。
【0064】
このようにして、本実施形態におけるPOS端末10では、サーバ12から配信されるデータをもとに、タッチパネル11hの表示を使用して実行されるチェックアウト業務のための処理(登録処理、決済処理など)と連動することなく、タッチパネル11jbに情報を表示させることができる。タッチパネル11jbでは、登録処理、決済処理の処理状況と関係なく情報を常に表示させたり、表示を切り替えたりすることができる。よって、POS端末10を操作する従業員に対して、チェックアウト業務に有用な情報を提示し、従業員の間での情報共有を容易にすることが可能となる。
【0065】
なお、前述した説明では、サーバ12から複数のPOS端末10に対して、タッチパネル11jbに表示させるデータが配信されるとしているが、データの配信元はサーバ12に限るものではない。例えば、複数のPOS端末10のうち何れからのPOS端末10からデータが配信されていても良いし、ネットワーク16を介して接続された店舗外に設けられた外部装置からデータが配信されても良い。また、個々のPOS端末10から他のPOS端末10に対して、従業員の操作により入力されたメッセージデータなどを配信することも可能である。この場合、各POS端末10は、他のPOS端末10から受信したデータをもとに、それぞれタッチパネル11jbに情報を表示させる。これにより、従業員の間での情報共有を容易にすることができる。
【0066】
また、前述した説明では、従業員が操作するPOS端末10を対象について説明しているが、チェックアウトシステムに設けられる他の商品販売データ処理装置を対象とすることが可能である。例えば、セミセルフタイプのチェックアウトシステムにおける登録装置と会計装置、セルフタイプのチェックアウトシステムにおける登録/会計装置を対象とすることが可能である。この場合、例えば登録装置、会計装置、登録/会計装置において、主とする処理のために操作されるタッチパネル(ディスプレイ)とは別に、サブのタッチパネルあるいはディスプレイを設けて、前述したタッチパネル11jbと同様に表示を制御する。また、会計装置と登録/会計装置は、主に顧客によって操作される装置であるため、前述したPOS端末10や登録装置において表示される従業員向けの情報ではなく、顧客向けの情報が表示されるように表示制御するようにしても良い。この場合、サーバ12は、従業員向けの情報を表示するためのデータと、顧客向けの情報を表示するためのデータを個々に配信するものとする。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0068】
また、前述した実施の形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【符号の説明】
【0069】
10…POS端末、11a…プロセッサ、11b…ROM、11c…RAM、11d…記憶ユニット、11e…釣銭機、11f…通信ユニット、11g…スキャナ、11h…タッチパネル、11j…コンビネーションキーボード、11ja…キーボード、11jb…タッチパネル、11k…プリンタ、12…サーバ(ストアコンピュータ)、18…サーバ。
図1
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