(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158040
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】電極組立体
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20231019BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20231019BHJP
H01M 10/0585 20100101ALI20231019BHJP
H01M 50/54 20210101ALI20231019BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/533
H01M10/0585
H01M50/54
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023140736
(22)【出願日】2023-08-31
(62)【分割の表示】P 2020546260の分割
【原出願日】2018-11-21
(31)【優先権主張番号】10-2017-0155464
(32)【優先日】2017-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0144796
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518050539
【氏名又は名称】リベスト インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LIBEST INC.
【住所又は居所原語表記】(Munji-dong, KAIST Munji Campus) T306, 193 Munji-ro, Yusung-gu, Daejeon 34051, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュ ソン
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ジン ホン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ギル ジュ
(57)【要約】
【課題】 曲げ耐久性及び安全性を向上させる構造の電極組立体を提供する。
【解決手段】 分離膜を挟んで異なる極性を有する一対の電極板を有する単位セルを少なくとも1つ以上含む電極組立体において、前記電極組立体に含まれる複数の電極板のうち少なくとも2つの電極板に電極リード連結用タブが形成され、前記電極リード連結用タブのうち少なくとも何れか1つ以上の幅は、前記電極板の幅の1/2倍以上の値に設計される。前記電極リード連結用タブ及び電極リードが結合されたタブ-リード結合部は、前記分離膜の内側に位置する。
【選択図】
図13a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離膜を挟んで異なる極性を有する一対の電極板を有する単位セルを少なくとも1つ以上含む電極組立体において、
前記電極組立体に含まれる複数の電極板のうち少なくとも2つの電極板に電極リード連結用タブが形成され、
前記電極リード連結用タブのうち少なくとも何れか1つ以上の幅は、前記電極板の幅の1/2倍以上の値に設計される、電極組立体。
【請求項2】
前記電極リード連結用タブ及び電極リードが結合されたタブ-リード結合部は、前記分離膜の内側に位置する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記単位セルに含まれる一対の電極板は、前記一対の電極板に形成されたそれぞれの電極リード連結用タブが重なるように積層されて配置される、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記電極リード連結用タブが重なるように配置された一対の電極板は、前記タブ-リード結合部が前記分離膜によって互いに分離されることで絶縁される、請求項3に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記電極リード連結用タブの幅は、前記電極板の幅と同一な値に設計される、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項6】
前記電極リード連結用タブのうち電極リードと連結される領域には、可撓性の物質が形成されている、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記一対の電極板に形成されたそれぞれの電極リード連結用タブは、前記電極組立体の一端で同一方向に配置されている、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記一対の電極板に形成されたそれぞれの電極リード連結用タブによって前記電極組立体内における厚さ段差が決定する、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記電極組立体は、独立的に互いに異なる面積の合剤層が配置された電極が3つ以上積層されることで構成される、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項10】
前記電極組立体において、最外郭電極板には、陰極が配置される、請求項9に記載の電極組立体。
【請求項11】
前記電極組立体のうち分離膜を挟んで前記陰極が配置された最外郭電極板と対面して位置する陽極板の合剤層の面積が最も小さい、請求項10に記載の電極組立体。
【請求項12】
前記一対の電極板のうち陰極板上に塗布された陰極合剤の面積は、陽極板上に塗布された陽極合剤の面積よりも大きく設定される、請求項1に記載の電極組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルな環境において、外部からの繰り返し的な力である曲げやねじりなどにより発生し得る電池の機械的な問題である電極及び電極端子の破損を防止し、電極組立体の最外郭電極を陰極で配置することにより、作業性を上げると同時にエネルギー密度の損失を最小化し、曲げ耐久性及び安全性を向上させる構造の電極組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(secondary battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電及び放電が可能な電池をいうものであって、セルラーフォン、ノートパソコン、カムコーダなどの先端電子機器分野で広く使用されている。上記した携帯型電子機器の軽量化と高機能化、及びモノのインターネット(Internet of things、IoT)の発展により、その駆動電源として使用される二次電池に関して多くの研究が行われている。
【0003】
特に、リチウム二次電池は、携帯用電子装備の電源として多く使用されているニッケル-カドミウム電池や、ニッケル-水素電池よりも電圧が高く、単位重量当たりのエネルギー密度も高いという長所があり、その需要が増加している傾向である。
【0004】
二次電池は、電解物質に陽極と陰極とを挿入した状態で、上記した陽極と陰極とを連結した際に電解物質と電極との間で生じる電気化学反応を利用した電池であり、既存の一次電池とは異なり、電気電子製品で消耗したエネルギーを充電器により再充電して繰り返し使用することのできる、充電と放電が可能な電池であるので、無線電気電子製品の大衆化と共に拡散している傾向である。
【0005】
通常、陽極板と陰極板との間に分離膜を挿入し、これらを共に螺旋状に巻き取ったゼリーロール状の巻取型電極組立体、あるいは分離膜を挟んで多数の陽極板と陰極板とを積層して形成された積層型電極組立体をリチウム二次電池に多く使用している。例えば、円筒形電池は、巻取型電極組立体を円筒形の缶に収納し、電解質を注入してから密封するものであり、角形電池は、巻取型電極組立体や積層型電極組立体を圧迫して平らで扁平にした後、角形の缶に収納するものである。また、ポーチ型電池は、巻取型電極組立体や積層型電極組立体を電解質と共にポーチ型の外装材で包装したものである。このような電極組立体において、陽極板と陰極板からそれぞれ陽極タブと陰極タブが電極組立体の外部に引き出され、二次電池の陽極と陰極に連結されることができる。
【0006】
一方、上下方向に積層された多数の陽極板と陰極板上の電極タブを介して電極リードに連結することになるが、従来の電極タブと電極リードとの結合構造は、直接溶着する過程で結合力が多少弱くなるので、曲げることのような電池の変形使用動作により前記電極タブと電極リードとの間の結合において問題が発生する。
【0007】
電極組立体と、前記電極組立体を包む外装材と、を有する既存のリチウム二次電池は、曲げ(ベンディング)評価が進行される場合に、外装材の損傷と同時に電極組立体内の構成要素である陽極、陰極、電極リード、分離膜のずれ及び誤整列による短絡の問題が発生する。上記のように、既存のリチウムイオン二次電池の場合には、外部からの衝撃や力により端子部分が容易に切断されて容量が急激に減少していき、電池としての機能を果たせない場合が多かった。
【0008】
韓国公開特許公報第10-2013-0063709号を参照しながらポーチ型電池を例に挙げて説明すると、2つの電極と分離膜、電解質をポーチに入れ、シーリングして使用するポーチ型二次電池において、ポーチが内部樹脂層、金属箔層、外部樹脂層からなり、内部樹脂層と金属箔層とが当接する面に金属箔層よりも反応性の小さいバッファ層が形成されていると開示されている。この場合、金属箔層よりも反応性の小さいバッファ層をさらに形成することによって、内部樹脂層にマイクロクラック(micro crack)が発生するなどの損傷がある場合も、金属箔層の酸化反応を抑制することにより、電池の外側の腐食を防止することができるという長所があるが、根本的に金属箔はベンディングの際に皺みのような変形に弱く、フレキシブル電池の特性を低下させるといった問題がある。
【0009】
従来技術において、一般の電池アセンブリの曲げ動作の際は、曲げる内側には圧縮応力が印加され、その反対側には引張応力が電池に印加されることにより、電池の電極組立体を包む外装材も伸びたり縮んだりしながら局所的な機械的破損が発生する。従って、フレキシブル電池の外装材だけでなく、内部の電極組立体を構成する電極板及び電極タブ、電極リード間の構造を改善することにより、新たなフレキシブル電池アセンブリが必要な状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2013-0063709号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、分離膜を介して上下に積層される複数の電極を有する電極組立体において、最外郭電極を陰極で配置することにより、フレキシブル電池を曲げる際に電極及び電極端子の破損を防止し、作業性を上げると同時にエネルギー密度の損失を最小化し、曲げ耐久性及び安全性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
分離膜を挟んで異なる極性を有する一対の電極板を有する単位セルを少なくとも1つ以上含む電極組立体において、前記電極組立体に含まれる複数の電極板のうち少なくとも2つの電極板に電極リード連結用タブが形成され、前記電極リード連結用タブのうち少なくとも何れか1つ以上の幅は、前記電極板の幅の1/2倍以上の値に設計される。
【0013】
前記電極リード連結用タブ及び電極リードが結合されたタブ-リード結合部は、前記分離膜の内側に位置する。
【0014】
前記単位セルに含まれる一対の電極板は、前記一対の電極板に形成されたそれぞれの電極リード連結用タブが重なるように積層されて配置される。
【0015】
前記電極リード連結用タブが重なるように配置された一対の電極板は、前記タブ-リード結合部が前記分離膜によって互いに分離されることで絶縁される。
【0016】
前記電極リード連結用タブの幅は、前記電極板の幅と同一な値に設計される。
【0017】
前記電極リード連結用タブのうち電極リードと連結される領域には、可撓性の物質が形成されている。
【0018】
前記一対の電極板に形成されたそれぞれの電極リード連結用タブは、前記電極組立体の一端で同一方向に配置されている。
【0019】
前記一対の電極板に形成されたそれぞれの電極リード連結用タブによって前記電極組立体内における厚さ段差が決定する。
【0020】
前記電極組立体は、独立的に互いに異なる面積の合剤層が配置された電極が3つ以上積層されることで構成される。
【0021】
前記電極組立体において、最外郭電極板には、陰極が配置される。
【0022】
前記電極組立体のうち分離膜を挟んで前記陰極が配置された最外郭電極板と対面して位置する陽極板の合剤層の面積が最も小さい。
【0023】
前記一対の電極板のうち陰極板上に塗布された陰極合剤の面積は、陽極板上に塗布された陽極合剤の面積よりも大きく設定される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、分離膜を介して上下に積層される複数の電極を有する電極組立体において、少なくとも1つ以上の電極は電極並列連結用タブと電極リード連結用タブとを含むように電極組立体を構成し、最外郭電極を陰極で配置する構造改善によって、フレキシブルな環境において外部からの繰り返し的な曲げやねじりなどにより発生し得る電池の機械的な問題である電極及び電極端子の破損を防止する。また、最上段及び最下段の最外郭電極を陰極にすることにより、作業性を上げると同時にエネルギー密度の損失を最小化し、曲げ耐久性及び安全性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に係るフレキシブル電池を構成する電極組立体の例示的な構成を示す。
【
図2】本発明の実施例により、電極組立体の最外郭電極を陰極で配置した状態の電極組立体の分解図を示す。
【
図3】電極組立体を構成する複数の電極及び前記複数の電極の間に配置される分離膜の配置構造を示す。
【
図4】電極組立体を構成する複数の電極及び前記複数の電極の間に配置される分離膜の配置構造を示す。
【
図5a】電極組立体の最外郭電極を陽極で配置した状態と陰極で配置した状態の様々な電極組立体の分解図を示す。
【
図5b】電極組立体の最外郭電極を陽極で配置した状態と陰極で配置した状態の様々な電極組立体の分解図を示す。
【
図5c】電極組立体の最外郭電極を陽極で配置した状態と陰極で配置した状態の様々な電極組立体の分解図を示す。
【
図5d】電極組立体の最外郭電極を陽極で配置した状態と陰極で配置した状態の様々な電極組立体の分解図を示す。
【
図5e】電極組立体の最外郭電極を陽極で配置した状態と陰極で配置した状態の様々な電極組立体の分解図を示す。
【
図5f】電極組立体の最外郭電極を陽極で配置した状態と陰極で配置した状態の様々な電極組立体の分解図を示す。
【
図6】電極組立体の最外郭電極を陽極で配置した状態で、内部の陰極と陽極の合剤の面積により、充放電過程中に陰極上にリチウム金属が析出される状態を示す。
【
図7】本発明により、電極並列連結用タブのみを含む状態で異なる極性を有する一対の電極板上に塗布された陰極合剤及び陽極合剤の面積を示す。
【
図8】前記電極並列連結用タブのみを含む陰極板と、電極並列連結用タブとリード連結用タブとを全て含む陽極板上の陰極合剤及び陽極合剤の面積を示す。
【
図9】電極組立体及び前記電極組立体を包む外装材部を有するフレキシブル電池を示す。
【
図10】フレキシブル電池をなす外装材部において、前記外装材部の幅と平行な方向に上部押印部及び下部押印部などのパターンが形成された様子を示す。
【
図11】外装材部に形成された上部押印部及び下部押印部の具体的な形態を説明する。
【
図12】本発明の実施例により、電極組立体の最外郭電極を陰極で配置した場合、最外郭電極を陽極で配置した場合、及び一般的な電池の組み合わせの場合に、充放電によるベンディングサイクルを示すグラフである。
【
図13a】本発明の電極幅とリード連結用タブの幅による実施例を説明するための図である。
【
図13b】本発明の電極幅とリード連結用タブの幅による実施例を説明するための図である。
【
図13c】本発明の電極幅とリード連結用タブの幅による実施例を説明するための図である。
【
図14】本発明の一実施例により、電極を積層することで電池の柔軟性を向上させるための方法を説明するための図である。
【
図15】本発明の一実施例により、電極組立体の最外郭電極が陽極である場合と陰極である場合とに区分し、ここに電極リード連結用タブの幅を互いに異なるように構成して組み合わせた電極組立体を製作し、製作したそれぞれの電極組立体で構成された電池のベンディング評価結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照しながら、本発明に係るフレキシブル電池について説明することとする。
【0027】
以下の実施例は、本発明の理解を助けるための詳細な説明であり、本発明の権利範囲を制限するものではないことは当然である。従って、本発明と同じ機能を果たす均等な発明も本発明の権利範囲に属するはずである。
【0028】
また、各図面の構成要素に参照符号を付け加えるにおいて、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されるとしてもなるべく同じ符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにおいて、関連した公知の構成又は機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を混乱させ得ると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。
【0029】
図1及び
図2を参照しながら、本発明に係る電極組立体の最外郭電極を陰極で配置した状態の電極組立体の一実施例を説明する。
【0030】
電極組立体は、陰極板10及び陽極板20と、陰極板と陽極板との間でイオン伝達媒介体の役割をする電解液と、電極板の縁に位置し、用途に応じて分離される電極並列連結用と電極リード連結用とに分けられる電極タブと、を含む。前記陰極板10と陽極板20とを含む電極板のうち何れか1つ以上の電極板は、電極並列連結用タブと電極リード連結用タブとを両側に離隔して配置することができる。例えば、電極組立体100の最上段又は最下段に配置される任意の陰極板10は、陰極並列連結用タブ12と陰極リード連結用タブ14とを備え、前記任意の陰極板10と対面して分離膜を境界に配置された任意の陽極板20は、陽極並列連結用タブ22と陽極リード連結用タブ24とを備える。
【0031】
ここで、電極板は、電極集電体の断面又は両面に電極合剤が塗布された形態であり、前記電極並列連結用タブ及び電極リード連結用タブは、電極合剤が塗布されていない状態で電極集電体が露出している形態である。
【0032】
前記複数の電極板は、電極並列連結用電極タブを介して同じ極同士が連結される。つまり、複数の陰極板10及び複数の陽極板20は、それぞれ電極タブの間を連結するタブ-タブ結合部により電気的に並列連結される。
【0033】
一方、電極組立体の電極リード連結用タブと電極リードとの電気的連結により、電極組立体から外装材の外部へ電子を移動させる経路を提供できるようになる。分離膜は、極性が互いに異なる電極板の間に位置させても良く、電子の流れを遮断するものの、電解液に含まれたイオンは通過させる機能をする。
【0034】
陰極板10又は陽極板20上の縁に形成される電極並列連結用タブ12、22は、同じ極性の電極板は互いに電気的に並列連結させる。並列連結されたタブ-タブ結合部は、電極組立体の最上段又は最下段をなす最外郭電極板の外面を包んでいる分離膜上に位置して仕上げテーピング処理される。
【0035】
本発明において、電極板に形成された電極並列連結用タブ12、22が互いに結合されたタブ-タブ結合部、及び電極リード連結用タブ14、24と電極リードとが互いに結合されたタブ-リード結合部は、スポット電気溶接、超音波溶接、レーザ溶接、及び導電性接着剤による結合を含む接合方式のうち何れか1つにより電気的に連結される。
【0036】
図3を参照すると、分離膜30を挟んで陰極板10と陽極板20とが連続して積層された状態において、前記分離膜は電極組立体の外郭を全体的に包むジグザグ積層形態であっても良い。既存の陰極板と陽極板とが単に積層される方式は、外部からの曲げやねじりなどにより、電極組立体内の電極と分離膜とのずれと誤整列によるリチウムの析出及び内部短絡の問題が発生し、安全性が低くなる。しかし、本発明においては、ジグザグ積層方式と並列連結用タブが電気的に連結されたタブ-タブ結合部が電極組立体内の電極を掴んでくれるため、フレキシブルな環境でもずれと誤整列を最小化する効果がある。
【0037】
図4を参照すると、ジグザグ積層した電極の面積の比較と構造の理解を助けるために広げた状態を示す。電極組立体の一側に配置された電極リード連結用タブ14、24上には別途の補強タブ70を補強することができる。前記補強タブ70に電極リード60を結合することにより、電極リード連結用タブ14、24と電極リード60とを補強タブ70を利用して重ね当て構造のタブ-リード結合部50を形成する。補強タブ70を利用して電極リード連結用タブ14、24と電極リード60とを結合する補強接合方式は、陽極タブ及び陰極タブのうち少なくとも何れか1つに該当する。
【0038】
前記補強タブ70は、電極リード連結用タブ14、24と電極リード60との連結部分の強度を補強することで物理的に強化する。例えば、電極組立体の電極板から延びる電極リード連結用タブの上段に前記電極リード連結用タブよりも1倍~5倍厚い同種又は異種の金属補強タブ70を重ね当てることで補強して溶着する。重ね当てることで補強された補強タブ70及び電極リード連結用タブは、同一又は異なる幅を有する。補強される補強タブ70の幅は3mm~5mm、長さは2mm~4mmであり得るが、これは一実施例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0039】
重ね当てることで補強された補強タブ70上に接合することによって電極リード連結用タブと結合する電極リードは、具体的に2mm~3mmの幅及び0.5mm~1mmの長さを有し得るが、これは一実施例に過ぎず、これに限定されるものではない。本発明において、電極板の集電体は、アルミニウム、ステンレススチール、及び銅を含むグループのうち何れか1つであっても良く、電極リードは、アルミニウム、ニッケル、及びニッケルがコーティングされた銅を含むグループのうち何れか1つの材質を有しても良い。電極リード連結用タブと電極リードのタブ-リード結合部上に重ね当てることで補強する補強タブは円形、楕円形、及び多角形を含むグループのうち1つの形状に形成される。
【0040】
また、電極組立体を構成する電極タブのうち何れか1つの電極リード連結用タブ上に結合された電極リードは前記電極組立体に向けて接合された状態で180゜反対方向に曲げられ、前記電極組立体の外側方向に向けた曲げタブ80構造を形成することができる。これは、フレキシブルな環境で局所的な機械的負荷を最小化し、電極タブと電極リードとの間の結合補強構造の特徴を有する。電極リード連結用タブと電極リード60の曲げによる接合方式は、陽極タブ及び陰極タブのうち少なくとも何れか1つに該当し、電極リード連結用タブ上に結合される電極リード60の幅は2mm~3mm、長さは1mm~3mmであり得るが、これは一実施例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0041】
一方、電極リード連結用タブ14、24と電極リード60とを補強タブ70を利用して結合したタブ-リード結合部50、及び電極リード連結用タブと曲げタブ80構造の電極リード60とが結合されたタブ-リード結合部50は、分離膜の内側に挿入/整列された、即ち内側に配置された状態を有する。これにより、フレキシブル電池の最大の弱点である端子部分の外部露出を防止することで保護する。
【0042】
図4上において、電極リード連結用タブと並列連結用タブとが同時に備えられた電極B、B’は、電極並列連結用タブのみを備えた電極Cに比べて塗布される合剤層の面積が小さい。
【0043】
さらに、電極B、B’のうち、外側に配置された電極Bの合剤層の面積が、内側に配置された電極B’の合剤層の面積よりも大きくなる。それにより、陰極の角付近で析出される金属リチウムの発生を低減することができる。
【0044】
本発明において、前記電極Bは、陰極である最外郭電極に該当し、電極B’は、前記最外郭電極と分離膜を境界にして対面する陽極電極板である。つまり、電極組立体上において最下層には陰極である電極Bが配置され、前記電極Bの直上段に陽極である電極B’が配置される。前記電極B’の上段としては、陰極である電極並列連結用タブのみを備えた電極Cが配置される。一方、前記電極B’と電極Cとの間には、並列連結用タブのみが形成された状態の一般電極がさらに配置されても良い。
【0045】
図5a乃至
図5fは、電極組立体の最外郭電極を陽極で配置した状態と陰極で配置した状態の様々な電極組立体の分解図を示す。
【0046】
図6は、電極組立体の最外郭電極を陽極で配置した状態で、内部の陰極と陽極の合剤の面積により、充放電過程中に陰極上にリチウム金属が析出される状態を示す。
【0047】
フレキシブル電池のベンディング過程で最も破断し易い電極タブ/リード結合部の損傷を防止するための方法として、前記電極タブ/リード結合部を電極の外部に露出することなく電極の内部に位置させる。そのための最も効果的な方法は、電極並列連結用タブのみを備えた電極に比べて電極並列連結用タブと電極リード連結用タブとを同時に備えた電極に塗布される合剤層の面積を小さくすることである。
【0048】
図5a乃至
図5b及び
図6のように、最外郭電極を陽極で配置する場合は、電極リード連結用タブが形成された陰極に対面する陽極の合剤層の面積もそれに応じて小さくならなければならない。上記のような理由は、そうでない場合に、充電時に陽極から抜け出したリチウムが陰極の角付近に析出されて容量と効率が減少し、抵抗が大きくなると同時に、析出されたリチウムが針状に成長して分離膜の損傷を誘発し、電池の内部に短絡(internal short)が発生するためである。
【0049】
図5aを参照すると、電極組立体の最外郭電極が陽極である場合、最外郭陽極は断面にコーティングされていなければならず、中間層に位置した陽極の場合、陽極活物質の含まれた陽極合剤の塗布層が陰極活物質の含まれた陰極合剤の塗布層と全面積で対面するよう合剤未塗布領域を備えていなければならない。
【0050】
また、
図5bを参照すると、他の解決方法において、最外郭陽極は断面にコーティングされていなければならず、電極並列連結用タブと電極リード連結用タブとを同時に備えた陰極と、電極並列連結用タブのみを備えた陰極の間に位置し、電極リード連結用タブを備えていない陽極の場合、電極並列連結用タブのみを備えた他の陽極よりも大きさが小さくならなければならない。つまり、陽極合剤層が配置されるべき一部501の領域を活用できないことにより、エネルギー密度が低くなる。また、電極が積層された電極組立体の厚さ方向を基準に、陰極リード/タブ結合部の周辺で厚さの段差が大きくなり、前記結合部の破損によるフレキシブル電池のベンディング時の品質を低下させることがあり得る。
【0051】
さらに、
図5cを参照すると、陰極と陽極とが対面しない部分502に、電解液と反応しない非活性材料でありながら、イオンの流れを遮断するアクリル系、又はウレタン系などにより構成される接着テープ、粘着剤、樹脂などのフレキシブル部材502を追加しなければならない。
【0052】
しかし、上述した解決方法は、陽極と陰極に並列連結用タブのみを備えた電極、リード連結用タブまでを全て備えた電極など、様々な大きさと種類に電極を製造しなければならず、陽極と陰極が接する面を全て考慮して設計、管理しなければならず、追加の素材を使用しなければならないので、工程性がかなり低く製造原価が高くなり、エネルギー密度が低くなる。
【0053】
また、
図5d及び
図5eを参照すると、タブ-リード結合部、即ちリード連結用タブと並列連結用タブとが同時に備えられた電極が電極組立体の電極のうち最外郭の何れか一方へ片寄らない場合、最外郭を陰極で配置するとしても、電極組立体の内部に配置されるタブ-リード結合部により、
図5dに示されたように、並列連結用タブのみを備えた陽極の大きさを互いに異ならせることで段差部503を有するように構成されるか、
図5eに示されたように、陽極活物質が反応しないように合剤層が塗布されていない部分504が形成されなければならない。
【0054】
しかしこれは、陽極と陰極に並列連結用タブのみを備えた電極、電極リード連結用タブまでを全て備えた電極など、様々な大きさと種類に電極を製造しなければならず、陽極と陰極が接する面を全て考慮して設計、管理しなければならないので、かなり工程性が低くなり、製造原価が高くなる。
【0055】
また、
図5fを参照すると、電極リード連結用タブが電極組立体の電極のうち厚さ方向の最外郭の何れか一方ではなく、電極組立体の電極の間に配置される場合、電池の充電時にデンドライト(Dendrite)が発生しないよう、様々な大きさの電極に分けて製造、管理しなければならないという問題がある。
【0056】
さらに、電極リードが電極組立体の中間部分に配置されている場合、内部電極の厚さの段差(例えば、505)により、ベンディング及びツイストのような電池の使用環境において耐久性がさらに弱くなる。従って、段差発生部505に可撓性の不活性材料を埋める方法などで段差発生部505を補完しないと、機械的な剛性及び軟性の脆弱な部分でクラック及び切断が発生し、性能が低下するか、駆動できないという問題を誘発する。
【0057】
つまり、上述した問題を総合してみると、リード連結用タブが備えられた電極と電極リードは、電極組立体の電極のうち最外郭に片寄って設計されることが好ましい。
【0058】
また、
図6を参照すると、電極組立体の最外郭電極が陽極である場合、内部の陽極と陰極とが対面しない、即ち陽極合剤層が陰極合剤層を越える場合(601)、特定の部位にリチウムの析出による性能の低下及びデンドライト(Dendrite)による安全性の問題が発生することができる。また、電極組立体の最外郭電極が両面の陽極になると、外側の陽極合剤層においてリチウムイオンが陰極の方に移動して反応しながら安全性の問題を誘発することになる。
【0059】
図7及び
図8において、上記した問題を解消するための適切な電極合剤層の面積の設計方法を示す。
【0060】
また、上記した現象を抑制するために容量発現に寄与する陽極の合剤層の面積を小さくすると、それに相応してエネルギー密度も低くなるので、好ましくない。
【0061】
その一方で、陽極の合剤層が両面に塗布される場合は、その塗布される面積を異なるようにしなければならないところ、製造工程上で工程能力が低下する問題が発生するので、本発明により、電極組立体の最外郭電極は陰極で構成することが好ましいといえる。
【0062】
図7は、電極並列連結用タブのみを含む状態で異なる極性を有する一対の電極板のうち、陰極板上に塗布された陰極合剤の面積は陽極板上に塗布された陽極合剤の面積よりも大きく設定されることを示す。陽極合剤の角を基準に陰極合剤との角の差dは5mm以内の範囲で外側にずれるように設計される。このとき、単位面積当たりの陽極容量に対する単位面積当たりの陰極容量は1~1.2倍である。
【0063】
図8は、電極並列連結用タブのみを含む陰極板と、電極並列連結用タブとリード連結用タブとを全て含む陽極板とが分離膜を挟んで対面した状態で、電極並列連結用タブのみを含む陰極板上に塗布された陰極合剤の面積が、電極並列連結用タブと前記リード連結用タブとを全て含む陽極板の面積よりも大きく設定されることを示す。陽極合剤の角を基準に陰極合剤との角の差dは5mm以内の範囲で外側にずれるように設計される。さらに、フレキシブル電池において物理的に最も脆弱な部位である電極タブと電極端子との連結部、即ち陽極板に形成されたタブ-リード結合部50を電極組立体の分離膜内に配置することにより、脆弱部におけるクラックや切断を防止することができる。そのために、タブ-リード結合部50を含む陽極板の縁に形成されると同時に陽極合剤が塗布されていない電極タブの長さDの分だけ電極並列連結用タブのみを含む陰極板が大きく設計されることができる。分かりやすく説明すれば、電極並列連結用タブのみを含む陰極板が電極並列連結用タブとリード連結用タブとを全て含む陽極板を覆う形状が好ましい。このような構造により、フレキシブル電池の電極タブ-端子結合部の曲げ耐久性を向上させることができる。
【0064】
図9を参照すると、本発明に係る電極組立体は、前記電極組立体の外部を包むように上部押印部と下部押印部とが繰り返し押印加工された構造の外装材部200を配置する。
【0065】
図10を参照すると、外装材部上に繰り返し的に押印加工された複数の上部押印部と下部押印部とは、曲げ、ねじり又は皺み動作において電極組立体を有するフレキシブル電池の圧縮及び引張が可能なようにパターン及び形態が繰り返される。
【0066】
前記複数の上部押印部と下部押印部とは、前記電極組立体及び外装材部の幅と平行な方向に連続して形成されることができる。
【0067】
前記複数の上部押印部と下部押印部とは、それぞれ上部及び下部の金型により押印されることができる。
【0068】
電極組立体の外部を包む外装材部は、シーリング部230の赤い点線を基準にし、前記電極組立体上において上部外装材部210及び下部外装材部220を有する形態であっても良い。つまり、外装材部上に繰り返される複数の上部押印部212、222と下部押印部214、224とは、シーリング部を基準に対称する構造に形成され、上部外装材部210及び下部外装材部220上に対称的に押印される。上記した状態において、前記シーリング部を上下対称に折り曲げた後、前記外装材部の内部に前記電極組立体を収容する。
【0069】
前記上部外装材部210と下部外装材部220とを区分する基準であるシーリング部の幅は3mm~5mmであり、実際のシーリング幅は1mm~2mmであり得るが、これは一実施例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0070】
図11を参照すると、前記外装材部上に繰り返される複数の上部押印部の高さhと下部押印部の高さh’とは同一(h=h’)であっても良い。
【0071】
前記外装材部上に繰り返される複数の上部押印部の高さhと下部押印部の高さh’は0.5mm~1mmであり、最適値は0.75mmであるが、これは一実施例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0072】
一方、前記外装材部上に隣接した複数の上部押印部の最高点間の幅aと複数の下部押印部の最低点間の幅bとは同一(a=b)であり、波状パターンを形成する。
【0073】
本発明は、分離膜を介して上下に積層される複数の電極を有する電極組立体のうち最外郭電極を陰極で配置し、フレキシブル電池を曲げる際に電極端子が破損することを防止する。
【0074】
図12は、本発明の実施例により、最外郭電極を陰極で配置した場合、最外郭電極を陽極で配置した場合、及び電極並列連結用タブ部と電極リード連結用タブ部とが別に構成されていない一般的な電池のそれぞれに対する、充放電と同時に行うベンディング回数に応じた電池の電圧変化を示すグラフである。試験条件は、曲率半径25mm、曲げ速度1分当たりに20回にして、ベンディングの繰り返しを行いながらリアルタイムで充電と放電を行い、電圧をモニタリングした結果である。
【0075】
図12を参照すると、最外郭電極上に陰極を適用した際と陽極を適用した電池の曲げ評価の結果を示す。上記した一般電池の場合は、30回の曲げを超えられずに電極リード-タブ結合部が破損された。最外郭電極が陽極で配置された場合は、3,800回付近で電圧ノイズが発生し、その後、充電中に急激な電圧降下が発生した。それに対し、本発明により最外郭電極を陰極で適用した場合は、6,000回以上の曲げにも電極の端子部分と電極に損傷がなく、正常な電気化学駆動を示した。
【0076】
つまり、本発明に係る電極組立体は、分離膜を含んで互いに異なる極性を有する陽極と陰極とが順に積層され、このとき、最上段と最下段の最外郭電極を陰極にすることで、工程性を上げると同時にエネルギー密度の損失を最小化し、曲げ耐久性及び安全性を向上させる効果がある。
【0077】
図13a乃至
図13cは、本発明の電極幅とリード連結用タブの幅による実施例を説明するための図である。
【0078】
図13aを参照すると、第1の電極(Electrode 1)の電極幅及びリード連結用タブの幅はそれぞれWn1、Wn2であり、第2の電極(Electrode 2)の電極幅及びリード連結用タブの幅はそれぞれWp1、Wp2である。
【0079】
図13aは、Wn2がWn1の半分以上であり、Wp2がWp1の半分以上である場合を説明するための図である。本実施例によると、隣り合う各電極の電極幅Wn1、Wp1が同一である場合、隣り合う各電極のリード連結用タブの幅Wn2、Wp2は電極幅Wn1、Wp1の半分以上に設計され、各電極間において所定の領域が重なるように形成されて配置されることができる。
【0080】
従来のフレキシブル電池は、電極タブ及び電極リードが結合されるタブ-リード結合部が電極組立体の分離膜外部に形成及び外部に露出されており、ベンディングのようなフレキシブルな環境で耐久性が低下し、電極リードが分離されたり、合剤がコーティングされていない電極タブが損傷、切断されたりする現象が頻繁にあった。
【0081】
それを解決するために、本願発明は、電極タブと電極リードとが結合されるタブ-リード結合部を電極組立体の分離膜内部に配置することで、その現象を補完した。しかし、ここでもより多い回数の外力が繰り返し的に作用されると、分離膜内部でも電極タブが損傷及び切断される問題が発生する。これは、分離膜内部に配置される電極タブとタブ-リード結合部、互いに異なる大きさに積層される電極間の厚さ段差により、曲げる際に段差部に沿って形成される材料の変形によって示される現象であった。従って、本願発明は、電極組立体内における厚さ段差を最小化することにより、上記した問題を解決するために、次のようなフレキシブル電池の製造方法を提案する。
【0082】
もし、互いに異なる極性を有し、(+)電極リード、(-)電極リードとそれぞれ連結される各電極の電極タブが同一方向で同じ線上に位置するように分離膜外部に配置されている場合、互いに異なる極性を有する各電極の電極タブが電気的に連結されると、内部ショートが起こり、安全性に問題が発生し得る。つまり、このような問題が発生しないために、互いに異なる極性を有する各電極の電極タブは、重ならないように互いに反対方向に分離するか離隔して配置されるように形成され、かかる各電極の電極タブの間の位置関係に応じて各電極の電極タブの幅が形成される。
【0083】
しかし、本願発明は、電極タブが電極組立体の分離膜内部に位置し、分離膜内部において電極タブと電極リードとが結合されたタブ-リード結合部が形成され得るので、分離膜によって互いに異なる極性の各電極の電極タブが絶縁されることができる。つまり、本願発明の各電極は、各電極に構成された電極タブの幅に対する設計自由度が向上することができる。例えば、
図13aのように、互いに異なる極性の各電極の電極幅がそれぞれWn1、Wp1とすると、リード連結用タブの幅Wn2、Wp2はそれぞれ電極幅Wn1、Wp1の半分(赤線)以上となるように製作することができる。つまり、各電極のリード連結用タブの幅Wn2、Wp2は、視覚的/物理的に所定の領域が重なっているように見えても、各電極のリード連結用タブ及びタブ-リード結合部が分離膜により分離されて電子絶縁されることができる。従って、本願発明は、各電極のリード連結用タブの幅Wn2、Wp2を各電極の電極幅Wn1、Wp1の半分以上に形成することにより、電極組立体内における厚さ段差による電極タブ-リード結合部におけるクラック及び断線を予防することができる。
【0084】
他の例において、
図13bは、リード連結用タブの幅(例えば、Wn2)と電極幅(例えば、Wn1)とが同一である場合を説明するための図である。
図13bを参照すると、第1の電極のリード連結用タブの幅1301及び第2の電極のリード連結用タブの幅1302を各電極の電極幅と同一に形成することができる。この場合、
図13aの実施例のように、タブ-リード結合部と電極タブとが電極組立体の分離膜内部に配置されることができるので、各電極間のショートの恐れを解消することができる。
【0085】
図13cは、本発明の一実施例に係る電極タブ-リード結合部において合剤の未コーティングによる厚さ段差を低減する方法を説明するための図である。
【0086】
図13cを参照すると、電極タブ-リード結合部において合剤の未コーティングによる厚さ段差を最大限低減するために、電極リードと連結される電極タブ領域1303に、陽極、陽極、及び電解液と反応しない可撓性の物質(例えば、アクリル系、ウレタン系などの樹脂及びこれらを混合して構成したフィルム、テープ又は粘着剤など)を挿入又は付着することができる。上記した可撓性の物質は、電極組立体を構成する電極合剤層それぞれの柔軟性と類似するか、あるいはより優れたものを採択することができる。
【0087】
図14は、本発明の一実施例に係る多数の電極を積層することで電池の柔軟性を向上させるための方法を説明するための図である。
図14を参照すると、本願発明を用いて様々な電極積層構造及び積層数のフレキシブル電池を製造することで電池の柔軟性を向上させることができる。このとき、電極リードと電極タブを連結することによって形成されたタブ-リード結合部は、電極組立体の分離膜内に位置させる。また、本願発明は、各電極の電極タブ-リード結合部領域で形成される厚さ段差を効果的に低減することにより、電池の曲げ特性が求められる使用環境において既存よりも向上した柔軟性と安定した駆動が可能になると同時に、内部ショートのような危険から安全になることができる。さらに、本願発明で上述したように、電極リードと結合される電極リード連結用タブの幅を従来のフレキシブル電池と比較してより大きく設計し、安定した電流の経路を確保することで電池の内部抵抗の上昇を最小化することができ、抵抗による発熱を最小化することで安全性を確保することができる。
【0088】
図15は、本発明の一実施例により、最外郭電極が陽極である場合と陰極である場合とに区分し、ここに電極リード連結用タブの幅を互いに異なるように構成して組み合わせた電極組立体を製作し、製作したそれぞれの電極組立体で構成された電池のベンディング評価結果を示すグラフである。
【0089】
ここで、評価試料は、計4種類(最外郭電極を陰極で配置+既存の電極タブ、最外郭電極を陰極で配置+開発電極タブ、最外郭電極を陽極で配置+既存の電極タブ、最外郭電極を陽極で配置+開発電極タブ)で構成した。開発電極タブとは、上述したように電極組立体の分離膜内部に位置し、分離膜を境界にして互いに対面する異なる極性の電極の間にそれぞれ構成された電極リード連結用タブ部の位置関係において、リード連結用タブ領域が投映領域を基準に互いに重なるように構成された電極タブを意味する。
【0090】
図15を参照すると、充電状態が50%の各試料を利用してベンディングの繰り返し評価を進行しながら電圧をモニタリングした。
【0091】
試験条件は、曲率半径20mm、曲げ速度1分当たりに25回にして、ベンディングの繰り返しを行いながらリアルタイムで電圧を確認した結果である。この結果から、電極組立体の最外郭電極が陽極である電池は、2,000回のベンディングの繰り返しの前に電圧ノイズが発生し、電極リード連結用タブ部分が切断されながら電圧が急激に下がった。しかし、電極組立体の最外郭電極が陰極である電池は、最外郭電極が陽極である電池よりよりも優れた耐久性を示し、開発電極タブで構成された電池の場合、既存の電極タブよりも優れた耐久性を示した。従って、本願発明により、電極組立体の最外郭電極が陰極であって開発電極タブ構造に構成されたフレキシブル電池は、従来のフレキシブル電池よりもベンディングの繰り返しなどの外力による耐久性の面で優れていると言える。