(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158113
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】芳香族誘導体、その調製方法、およびその医学的適用
(51)【国際特許分類】
C07D 231/12 20060101AFI20231019BHJP
A61K 31/416 20060101ALI20231019BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20231019BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20231019BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20231019BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20231019BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231019BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
C07D231/12 CSP
A61K31/416
A61K31/496
A61K31/5377
C07D471/04 106H
A61K31/437
A61P43/00 111
A61P35/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023144389
(22)【出願日】2023-09-06
(62)【分割の表示】P 2020533340の分割
【原出願日】2018-09-04
(31)【優先権主張番号】201710791233.1
(32)【優先日】2017-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520075948
【氏名又は名称】バイオアーディス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】邵▲寧▼
(72)【発明者】
【氏名】王丁
(72)【発明者】
【氏名】袁宏斌
(72)【発明者】
【氏名】フランク カイザー
(57)【要約】
【課題】芳香族誘導体、その調製方法、およびその医学的適用を提供すること。
【解決手段】式(I)
によって表される芳香族誘導体、その薬学的に受容可能な塩またはそれを含有する薬学的組成物、そのための調製方法、ならびにこの芳香族誘導体およびその薬学的に受容可能な塩またはそれを含有する薬学的組成物の、治療剤、特にFGFR4チロシンキナーゼ阻害剤の調製における使用、ならびに新生物性疾患および炎症性疾患を処置および/または予防するための医薬の調製における使用。式(I)の置換基は、本明細書中で定義されるものと同じである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物:
【化84】
であって、一般式(I)において、
環Aは、存在しないか、または6員~14員アリーレン、5員~10員ヘテロアリーレン、C
3~C
8シクロアルキレンおよび3員~10員ヘテロシクリレンからなる群より選択され;
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13、-NR
11R
12、-C(O)R
13、-C(O)OR
13、-C(O)NR
11R
12、-NR
11C(O)R
13、-NR
11C(O)OR
13、-NR
11C(O)NR
11R
12、-OC(O)R
13、-OC(O)OR
13、-OC(O)NR
11R
12、-S(O)
pR
13、-S(O)
pOR
13、-S(O)
pNR
11R
12、-OS(O)
pR
13および-NR
11S(O)
pR
13からなる群より選択され;
R
6は各々独立して、Hおよび-CH
2CH
2-からなる群より選択され、そしてR
6が-CH
2CH
2-である場合、その他方の末端はXに結合しており、そして必要に応じて、-CH
2CH
2-の一方のメチレン基は、-O-または-NH-で置き換えられており;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13または-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルによって必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;
R
11、R
12およびR
13は各々独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ヘテロアルキル、C
3~C
8シクロアルキル、3員~10員ヘテロシクリル、5員~10員ヘテロアリールおよび6員~14員アリールからなる群より選択され;
Xは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;そしてYは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;ただし、XおよびYのうちの少なくとも一方はCH
2であり;
Wは、化学結合、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;
mは、0、1、2、3または4であり;そして
pは、1または2である、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規な芳香族誘導体またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物、あるいはそれを含有する薬学的組成物、ならびにその調製方法に関する。本発明はさらに、この芳香族エーテル誘導体を使用してFGFR4チロシンキナーゼ媒介性疾患を処置および/または予防する方法、ならびにFGFR4チロシンキナーゼ阻害剤および薬物の調製におけるこの芳香族エーテル誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
線維芽細胞増殖因子(FGF)は、下垂体および視床下部によって分泌されるポリペプチドである。FGFは、線維芽細胞有糸分裂の促進、中胚葉芽細胞の成長、脈管形成の刺激、創傷治癒、および肢の再生において、重要な役割を果たす。FGF受容体(FGFR)シグナル伝達系は、正常な発達および生理学的プロセスにおいて、重大な役割を果たす。FGFRは、4つのサブタイプ、すなわち、FGFR1~FGFR4を有し、これらは、高度に保存されたアミノ酸配列を有する。FGFR1~FGFR4は、異なる増殖因子に対する異なる結合力を有し、そしてこれらの組織分布は互いに異なる。完全なFGFR受容体タンパク質は、細胞外部分、疎水性の短鎖細胞膜部分、および細胞内チロシンキナーゼ部分を含む。FGFRの細胞外部分がFGF増殖因子と相互作用する場合、下流鎖のシグナル伝達(Ras-MAPK、AKT-PI3K、ホスホリパーゼC)が開始され、最終的に、細胞の成長、分裂および分化に影響を与え、これらを調節する(Eswarakumar, Cytokine & Growth Factor Reviews,
2005)。
【0003】
このシグナル伝達経路の異常な刺激(FGF増殖因子の過剰発現、FGFR受容体の過剰発現、およびFGFR受容体の遺伝子変異が挙げられる)は、腫瘍の増殖および処置に対する耐性をもたらす。何千もの腫瘍サンプルのDNA配列決定から、FGFR経路はしばしば変異することが見出された。FGFR4は、FGFR-4遺伝子によりコードされるタンパク質である。FGFR4遺伝子は、18のエキソンを有する。FGF-FGFRシグナル障害は、腫瘍形成および腫瘍進化に関連している。FGFR4-FGF19シグナル軸は、マウスにおける肝細胞がん(HCC)に密接に関連していることが見出されている。FGFR4発現は、肝臓がんなどの数種類のがんにおいて、有意に増加する。また、FGFR4は、肝臓がんが発症するために必要である。FGF19トランスジェニックマウスの子供は、肝臓がんを発症し得、一方で、FGFR4ノックアウトマウスの子供は、肝臓がんを発症しない。FGF19がFGF19特異的抗体により中和された後に、腫瘍の増殖は阻害される。さらに、FGFR4の過剰発現はまた、乳がん、結腸直腸がん、膵臓がん、前立腺がん、肺がん、および甲状腺がんを含めた、他の型の腫瘍においても起こる。FGFR4変異は、横紋筋肉腫において起こる。低分子で標的化される、FGFR4の阻害は、がん処置に使用され得る。マウスをFGFR-1阻害剤で処置すると、リン酸カルシウム沈着などの副作用が軟部組織において起こることが見出されている(Brown, AP et al., Toxicol. Pathol., 2005, p. 449-455)。このことは、FGFR1~FGFR4受容体の広範な阻害よりもむしろ、FGFR4レセプターの選択的阻害が、このような副作用を回避することを示す。
【0004】
国際公開第2014011900号、国際公開第2015061572号、国際公開第
20150197519号、国際公開第2015008844号、国際公開第2015057938号、国際公開第2015059668号、国際公開第2012174476号、国際公開第2015057963号、国際公開第2016064960号、国際公開第2016134294号、国際公開第2016134314号および国際公開第2016134320号などを含めた、FGFR4阻害剤についての一連の特許出願は、ここまで開示しているが、より良好な効力を有する新規化合物の開発が、依然として必要とされている。絶え間ない努力により、一般式(I)に示される構造を有する化合物が、本発明において設計され、そしてこのような構造を有する化合物は、優れた結果および特性を示すことが見出された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2014/011900号
【特許文献2】国際公開第2015/061572号
【特許文献3】国際公開第2015/0197519号
【特許文献4】国際公開第2015/008844号
【特許文献5】国際公開第2015/057938号
【特許文献6】国際公開第2015/059668号
【特許文献7】国際公開第2012/174476号
【特許文献8】国際公開第2015/057963号
【特許文献9】国際公開第2016/064960号
【特許文献10】国際公開第2016/134294号
【特許文献11】国際公開第2016/134314号
【特許文献12】国際公開第2016/134320号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Eswarakumar, Cytokine & Growth Factor Reviews, 2005
【非特許文献2】Brown, AP et al., Toxicol. Pathol., 2005, p. 449-455
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
要旨
本発明は、下記の技術的解決策に関する:
1つの局面において、本発明は、一般式(I)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物:
【化1】
を提供し、一般式(I)において、
環Aは、存在しないか、または6員~14員アリーレン、5員~10員ヘテロアリーレ
ン、C
3~C
8シクロアルキレンおよび3員~10員ヘテロシクリレンからなる群より選択され;
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13、-NR
11R
12、-C(O)R
13、-C(O)OR
13、-C(O)NR
11R
12、-NR
11C(O)R
13、-NR
11C(O)OR
13、-NR
11C(O)NR
11R
12、-OC(O)R
13、-OC(O)OR
13、-OC(O)NR
11R
12、-S(O)
pR
13、-S(O)
pOR
13、-S(O)
pNR
11R
12、-OS(O)
pR
13および-NR
11S(O)
pR
13からなる群より選択され;
R
6は各々独立して、Hおよび-CH
2CH
2-からなる群より選択され、そしてR
6が-CH
2CH
2-である場合、その他方の末端はXに結合しており、そして必要に応じて、-CH
2CH
2-の一方のメチレン基は、-O-または-NH-で置き換えられており;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13または-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;そしてR
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;
R
11、R
12およびR
13は各々独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ヘテロアルキル、C
3~C
8シクロアルキル、3員~10員ヘテロシクリル、5員~10員ヘテロアリールおよび6員~14員アリールからなる群より選択され;
Xは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;そしてYは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;ただし、XおよびYのうちの少なくとも一方はCH
2であり;
Wは、化学結合、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;
mは、0、1、2、3または4であり;そして
pは、1または2である。
【0008】
別の局面において、本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物、ならびに薬学的に受容可能な賦形剤を含有する、薬学的組成物を提供する。特定の実施形態において、本発明の化合物は、この薬学的組成物中に有効量で提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は、治療有効量で提供される。特定の実施形態において、本発明の化合物は、予防有効量で提供される。別の実施形態において、本発明の薬学的組成物は、他の治療剤をさらに含有する。
【0009】
別の局面において、本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物を収容する第一の容器;ならびに必要に応じて、他の治療剤を収容する第二の容器;ならびに必要に応じて、この化合物および/または他の治療剤を希釈または懸濁するための薬学的に受容可能な賦形剤を収容する第三の容器を備える、キットを提供する。
【0010】
別の局面において、本発明は、FGFR4チロシンキナーゼ阻害剤の調製における、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物
、あるいは本発明の薬学的組成物の使用をさらに提供する。
【0011】
別の局面において、本発明は、FGFR4チロシンキナーゼ媒介性疾患を処置および/または予防するための薬物の調製における、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物、あるいは本発明の薬学的組成物の使用をさらに提供する。
【0012】
別の局面において、本発明は、FGFR4チロシンキナーゼ媒介性疾患の処置および/または予防において使用するための、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物、あるいは本発明の薬学的組成物をさらに提供する。
【0013】
別の局面において、本発明は、被験体におけるFGFR4チロシンキナーゼ媒介性疾患を処置および/または予防するための方法をさらに提供し、この方法は、この被験体に、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物、あるいは本発明の薬学的組成物を投与する工程を包含する。
【0014】
上記局面の特定の実施形態において、上記疾患は、腫瘍、例えば、胃がん、甲状腺がん、前立腺がん、乳がん、肉腫(例えば、横紋筋肉腫)、皮膚がん(例えば、黒色腫)、肝がん(例えば、肝細胞がんおよび胆管癌)、膵臓がん(例えば、膵臓の表皮内新形成および膵臓の管腺癌)、肺がん(例えば、非小細胞肺がんおよび肺腺癌)、腎臓がん(例えば、腎細胞癌)、結腸直腸がんならびに卵巣がんである。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
一般式(I)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物:
【化84】
であって、一般式(I)において、
環Aは、存在しないか、または6員~14員アリーレン、5員~10員ヘテロアリーレ
ン、C
3~C
8シクロアルキレンおよび3員~10員ヘテロシクリレンからなる群より選択され;
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13、-NR
11R
12、-C(O)R
13、-C(O)OR
13、-C(O)NR
11R
12、-NR
11C(O)R
13、-NR
11C(O)OR
13、-NR
11C(O)NR
11R
12、-OC(O)R
13、-OC(O)OR
13、-OC(O)NR
11R
12、-S(O)
pR
13、-S(O)
pOR
13、-S(O)
pNR
11R
12、-OS(O)
pR
13および-NR
11S(O)
pR
13からなる群より選択され;
R
6は各々独立して、Hおよび-CH
2CH
2-からなる群より選択され、そしてR
6が-CH
2CH
2-である場合、その他方の末端はXに結合しており、そして必要に応じて、-CH
2CH
2-の一方のメチレン基は、-O-または-NH-で置き換えられており;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13または-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルによって必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;
R
11、R
12およびR
13は各々独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ヘテロアルキル、C
3~C
8シクロアルキル、3員~10員ヘテロシクリル、5員~10員ヘテロアリールおよび6員~14員アリールからなる群より選択され;
Xは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;そしてYは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;ただし、XおよびYのうちの少なくとも一方はCH
2であり;
Wは、化学結合、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;
mは、0、1、2、3または4であり;そして
pは、1または2である、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物。
(項目2)
一般式(II):
【化85】
に示される化合物である、項目1に記載の一般式(I)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物であって、一般式(II)において、
環Aは、6員~10員アリーレン、5員~6員ヘテロアリーレンまたはC
3~C
8シクロアルキレンからなる群より選択され;
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルコキシまたはC
1~C
6ハロアルコキシからなる群より選択され;
R
6は各々独立して、Hおよび-CH
2CH
2-からなる群より選択され、そしてR
6が-CH
2CH
2-である場合、その他方の末端はXに結合しており;
R
7は各々独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキルおよび-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;そしてR
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;
Xは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;そしてYは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;ただし、XおよびYのうちの少なくとも一方はCH
2であり;mは、0、1、2、3または4であり;
好ましくは、
環Aは、フェニレンまたは5員~6員ヘテロアリーレンであり;そして好ましくは、環Aはフェニレンであり;
R
1およびR
5は各々独立して、ハロゲンであり、そして好ましくは、ClまたはFであり;
R
2およびR
4は各々独立して、C
1~C
6アルコキシであり、そして好ましくは、-OCH
3であり;
R
3はHであり;
R
6はHであり;
R
7は各々独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキルおよび-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;そして好ましくは、R
7はHであり;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;そして好ましくは、R
8は、ビニルまたはプロピニルであり;
Xは-CH
2-であり;そしてYは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;そして
mは、0、1、2、3または4であり;そして好ましくは、mは0である、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物。
(項目3)
一般式(III):
【化86】
に示される化合物である、項目1に記載の一般式(I)に示される化合物またはその薬学
的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物であって、一般式(III)において、
環Aは、6員~10員アリーレン、5員~6員ヘテロアリーレンまたはC
3~C
8シクロアルキレンであり;好ましくは、環Aは、フェニル、ナフチル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニルおよびシクロヘキシルの二価ラジカルからなる群より選択され、そして好ましくは、環Aは、フェニレン、ピラゾリレンおよびシクロヘキシレンからなる群より選択され;
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルコキシまたはC
1~C
6ハロアルコキシからなる群より選択され;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキルおよび-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;
mは、0、1、2、3または4であり;そして
好ましくは、
環Aは、フェニレンまたは5員~6員ヘテロアリーレンであり;好ましくは、環Aは、フェニレンまたは5員ヘテロアリーレンであり;そして好ましくは、環Aは、フェニレンまたはピラゾリレンであり;
R
1およびR
5は各々独立して、Hおよびハロゲンからなる群より選択され、そして好ましくは、H、ClまたはFであり;
R
2およびR
4は各々独立して、C
1~C
6アルコキシであり、そして好ましくは、-OCH
3であり;
R
3はHであり;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキルおよび-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;そして好ましくは、R
7は、H、ハロゲン、メチル、-N(CH
3)CH
2CH
2N(CH
3)
2、-N(CH
3)
2、4-メチル-ピペラジニルまたはモルホリニルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;そして好ましくは、R
8は、ビニルまたはプロピニルであり;
mは、0、1、2、3または4であり;好ましくは、mは、0、1または2であり;そして好ましくは、mは1であり;
好ましくは、
環Aは、フェニレンまたは5員~6員ヘテロアリーレンであり;好ましくは、環Aは、フェニレンまたは5員ヘテロアリーレンであり;そして好ましくは、環Aは、フェニレンまたはピラゾリレンであり;
R
1およびR
5は各々独立して、Hおよびハロゲンからなる群より選択され、そして好
ましくは、H、ClまたはFであり;
R
2およびR
4は各々独立して、C
1~C
6アルコキシであり、そして好ましくは、-OCH
3であり;
R
3はHであり;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキルおよび-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;そして好ましくは、R
7は、H、ハロゲン、メチル、-N(CH
3)CH
2CH
2N(CH
3)
2、-N(CH
3)
2、または4-メチル-ピペラジニルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルであり;そして好ましくは、R
8はビニルであり;
mは、0、1、2、3または4であり;好ましくは、mは、0、1または2であり;そして好ましくは、mは1であり;
好ましくは、
環Aは、フェニレンまたは5員~6員ヘテロアリーレンであり;好ましくは、環Aは、フェニレンまたは5員ヘテロアリーレンであり;そして好ましくは、環Aは、フェニレンまたはピラゾリレンであり;
R
1およびR
5は各々独立して、ハロゲンであり、そして好ましくは、ClおよびFからなる群より選択され;
R
2およびR
4は各々独立して、C
1~C
6アルコキシであり、そして好ましくは、-OCH
3であり;
R
3はHであり;
R
7は各々独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキルおよび-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;そして好ましくは、R
7は、H、メチル、-N(CH
3)CH
2CH
2N(CH
3)
2、または4-メチル-ピペラジニルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルであり;そして好ましくは、R
8はビニルであり;そして
mは、0、1、2、3または4であり;好ましくは、mは、0、1または2であり;そして好ましくは、mは1である、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物。
(項目4)
一般式(IV):
【化87】
に示される化合物である、項目1に記載の一般式(I)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物であって、一般式(IV)において、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルコキシまたはC
1~C
6ハロアルコキシからなる群より選択され;
R
7は各々独立して、H、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルからなる群より選択され;
R
8は、C
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;
Xは-NH-であり、そしてYは-CH
2-であるか;または
Xは-CH
2-であり、そしてYは-NH-であり;
mは、0、1、2、3または4であり;
好ましくは、
R
1およびR
5は各々独立して、ハロゲンであり、そして好ましくは、ClまたはFであり;
R
2およびR
4は各々独立して、C
1~C
6アルコキシであり、そして好ましくは、-OCH
3であり;
R
3はHであり;
R
7はHであり;
R
8は、ビニルおよびプロピニルからなる群より選択され;
Xは-NH-であり;
Yは-CH
2-であり;そして
mは1である、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物。
(項目5)
一般式(V):
【化88】
に示される化合物である、項目1に記載の一般式(I)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物であって、一般式(V)において、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルコキシまたはC
1~C
6ハロアルコキシからなる群より選択され;
R
7は各々独立して、H、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルからなる群より選択され;
R
8は、C
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;
mは、0、1または2であり;
好ましくは、
R
1およびR
5は各々独立して、ハロゲンであり、好ましくは、ClまたはFであり、そしてより好ましくは、Clであり;
R
2およびR
4は各々独立して、C
1~C
6アルコキシであり、そして好ましくは、-OCH
3であり;
R
3はHであり;
R
7は、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択され、そして好ましくは、Hまたはメチルであり;
R
8は、ビニルおよびプロピニルからなる群より選択され、そして好ましくは、ビニルであり;
mは1であり;
好ましくは、
R
1およびR
5は各々独立して、Hおよびハロゲンからなる群より選択され、そして好ましくは、H、ClまたはFであり;
R
2およびR
4は各々独立して、C
1~C
6アルコキシであり、そして好ましくは、-OCH
3であり;
R
3はHであり;
R
7は各々独立して、H、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルからなる群より選択され;そして好ましくは、R
7は、Hおよびメチルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルであり;そして好ましくは、R
8はビニルであり;そして
mは、0、1、または2であり;そして好ましくは、mは1である、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物。
(項目6)
一般式(VI):
【化89】
に示される化合物である、項目1に記載の一般式(I)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物であって、一般式(VI)において、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルコキシまたはC
1~C
6ハロアルコキシからなる群より選択され;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、
C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシまたは-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;
mは、0、1、2、3または4であり;
好ましくは、
R
1およびR
5は各々独立して、ハロゲンであり、そして好ましくは、ClまたはFであり;
R
2およびR
4は各々独立して、C
1~C
6アルコキシであり、そして好ましくは、メトキシであり;
R
3はHであり;
R
7は、H、C
1~C
6アルキルおよび-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;そしてR
7は好ましくは、H、メチルまたは-N(CH
3)CH
2CH
2N(CH
3)
2であり;
R
8は、C
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され、そしてビニルおよびプロピニルからなる群より選択され;
mは1であり;
好ましくは、
R
1およびR
5は各々独立して、Hおよびハロゲンからなる群より選択され、そして好ましくは、H、ClまたはFであり;
R
2およびR
4は各々独立して、C
1~C
6アルコキシであり、そして好ましくは、-OCH
3であり;
R
3はHであり;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキルおよび-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;そして好ましくは、R
7は、H、ハロゲン、メチル、-N(CH
3)CH
2CH
2N(CH
3)
2、-N(CH
3)
2、4-メチル-ピペラジニルおよびモルホリニルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;そして好ましくは、R
8は、ビニルまたはプロピニルであり;
mは、0、1、2、3または4であり;好ましくは、mは、0、1または2であり;そして好ましくは、mは1であり;
好ましくは、
R
1およびR
5は各々独立して、Hおよびハロゲンからなる群より選択され、そして好ましくは、H、ClまたはFであり;
R
2およびR
4は各々独立して、C
1~C
6アルコキシであり、そして好ましくは、-
OCH
3であり;
R
3はHであり;
R
7は各々独立して、H、ハロゲンおよび-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;そして好ましくは、R
7は、H、ハロゲン、-N(CH
3)CH
2CH
2N(CH
3)
2、-N(CH
3)
2、および4-メチル-ピペラジニルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルであり;そして好ましくは、R
8はビニルであり;
mは、0、1、2、3または4であり;好ましくは、mは、0、1または2であり;そして好ましくは、mは1であり;
好ましくは、
R
1およびR
5は各々独立して、ハロゲンであり、そして好ましくは、ClおよびFからなる群より選択され;
R
2およびR
4は各々独立して、C
1~C
6アルコキシであり、そして好ましくは、-OCH
3であり;
R
3はHであり;
R
7は各々独立して、Hおよび-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;そして好ましくは、R
7は、H、-N(CH
3)CH
2CH
2N(CH
3)
2および4-メチル-ピペラジニルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルであり;そして好ましくは、R
8はビニルであり;そして
mは、0、1、2、3または4であり;好ましくは、mは、0、1または2であり;そして好ましくは、mは1である、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物。
(項目7)
一般式(VII):
【化90】
に示される化合物である、項目1に記載の一般式(I)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物であって、一般式(VII)において、
R
1およびR
5は各々独立して、ハロゲンであり、そして好ましくは、ClおよびFからなる群より選択され;
R
2およびR
4は各々独立して、C
1~C
6アルコキシであり、そして好ましくは、-OCH
3であり;
R
3はHであり;
R
7は各々独立して、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキルおよび-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;そして好ましくは、R
7は、ハロゲン、メチル、-N(CH
3)
2およびモルホリニルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルであり;そして好ましくは、R
8はビニルであり;そして
mは、0、1、2、3または4であり;好ましくは、mは、0、1または2であり;そして好ましくは、mは1である、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物。
(項目8)
前記化合物は:
【化91】
【化92】
【化93】
【化94】
【化95】
【化96】
【化97】
【化98】
である、化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物。
(項目9)
項目1~8のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶
媒和物、およびこれらの混合物、ならびに薬学的に受容可能な賦形剤を含有する、薬学的組成物。
(項目10)
FGFR4チロシンキナーゼ媒介性疾患を処置および/または予防するための薬物の調製における、項目1~8のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物、あるいは項目9に記載の薬学的組成物の使用。
(項目11)
被験体におけるFGFR4チロシンキナーゼ媒介性疾患を処置および/または予防するための方法であって、該被験体に、項目1~8のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物、あるいは項目9に記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
(項目12)
FGFR4チロシンキナーゼ媒介性疾患の処置および/または予防において使用するための、項目1~8のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物、あるいは項目9に記載の薬学的組成物。
(項目13)
前記疾患が、腫瘍、例えば、胃がん、甲状腺がん、前立腺がん、乳がん、肉腫(例えば、横紋筋肉腫)、皮膚がん(例えば、黒色腫)、肝がん(例えば、肝細胞がんおよび胆管癌)、膵臓がん(例えば、膵臓の表皮内新形成および膵臓の管腺癌)、肺がん(例えば、非小細胞肺がんおよび肺腺癌)、腎臓がん(例えば、腎細胞癌)、結腸直腸がん、ならびに卵巣がんである、項目10に記載の使用、または項目11に記載の方法、または項目12に記載の化合物もしくは組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
定義
本発明において使用される用語は、当業者に周知である意味を有する。本発明において定義が与えられる場合、本発明での定義が優先的に採用される。
【0016】
範囲の値が列挙される場合、この範囲内の各値および部分範囲を含むことが認められる。例えば、「C1~C6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、C1~C2、C2~C6、C2~C5、C2~C4、C2~C3、C3~C6、C3~C5、C3~C4、C4~C6、C4~C5およびC5~C6のアルキルを包含する。
【0017】
「C1~C6アルキル」とは、1個~6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基をいい、「低級アルキル」としても公知である。いくつかの実施形態において、C1~C4アルキルが特に好ましい。アルケニルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、s-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、およびこれらの種々の分枝異性体が挙げられるが、これらに限定されない。アルキルは、必要に応じて置換されていても置換されていなくてもよい。
【0018】
「C2~C6アルケニル」とは、2個~6個の炭素原子および1個またはそれより多く
の炭素-炭素二重結合(例えば、1個、2個または3個の炭素-炭素の炭素二重結合)を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素基をいう。この1個またはそれより多くの炭素-炭素二重結合は、内部にあっても(例えば、2-ブテニルにおいて)、末端にあってもよい(例えば、1-ブテニルにおいて)。いくつかの実施形態において、C2~C4アルケニルが特に好ましい。アルケニルの例としては、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、ブタジエニル、ペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、およびこれらの種々の分枝異性体が挙げられるが、これらに限定されない。アルケニルは、必要に応じて置換されていても置換されていなくてもよい。
【0019】
「C2~C6アルキニル」とは、2個~6個の炭素原子、1個またはそれより多くの炭素-炭素三重結合(例えば、1個、2個または3個の炭素-炭素三重結合)、および必要に応じて、1個またはそれより多くの炭素-炭素二重結合(例えば、1個、2個または3個の炭素-炭素二重結合)を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素基をいう。いくつかの実施形態において、C2~C4アルキニルが特に好ましい。いくつかの実施形態において、アルキニルは、二重結合を全く含まない。この1個またはそれより多くの炭素-炭素三重結合は、内部にあっても(例えば、2-ブチニルにおいて)、末端にあってもよい(例えば、1-ブチニルにおいて)。アルキニルの例としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、およびこれらの種々の分枝異性体が挙げられるが、これらに限定されない。アルキニルは、必要に応じて置換されていても置換されていなくてもよい。
【0020】
「C1~C6ヘテロアルキル」とは、1個またはそれより多く(例えば、1個、2個、3個または4個)のヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)をその親鎖中にさらに含む、本明細書中で定義されるアルキルをいい、ここでこの1個またはそれより多くのヘテロ原子は、親炭素鎖中の隣接炭素原子間にあり、そして/または1個またはそれより多くのヘテロ原子は、炭素原子と親分子との間、すなわち、結合点間にある。ヘテロアルキルは、必要に応じて置換されていても置換されていなくてもよい。いくつかの実施形態において、具体例として、C1~C6ヘテロアルキルは、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルキルチオ、C1~C6アルキルアミノなどを含み、これらは以下のように詳細に定義される。
【0021】
「C1~C6アルコキシ」とは、基-ORをいい、ここでRは、置換または非置換のC1~C6アルキルである。いくつかの実施形態において、C1~C4アルコキシが特に好ましい。特に、アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、s-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシおよび1,2-ジメチルブトキシならびにこれらの種々の分枝異性体が挙げられるが、これらに限定されない。アルコキシは、必要に応じて置換されていても置換されていなくてもよい。
【0022】
「C1~C6アルキルチオール」とは、基-SRをいい、ここでRは、必要に応じて置換されたC1~C6アルキルである。いくつかの実施形態において、C1~C4アルキルチオールが特に好ましい。特に、C1~C6アルキルチオール基としては、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、i-プロピルチオ、n-ブチルチオ、t-ブチルチオ、s-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、n-ヘキシルチオおよび1,2-ジメチルブチルチオならびにこれらの種々の分枝異性体などが挙げられるが、これらに限定されない。アルキルチオールは、必要に応じて置換されていても置換されていなくてもよい。
【0023】
「C1~C6アルキルアミノ」とは、基-NHRまたは-NR2をいい、ここでRは、必要に応じて置換されたC1~C6アルキルである。いくつかの実施形態において、C1~C4アルキルアミノが特に好ましい。特に、C1~C6アルキルアミノ基としては、メ
チルアミノ、エチルアミノ、n-イソプロピルアミノ、i-イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、t-ブチルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノおよびジエチルアミノ、ならびにこれらの種々の分枝異性体などが挙げられるが、これらに限定されない。アルキルアミノは、必要に応じて置換されていても置換されていなくてもよい。
【0024】
「ハロゲン」とは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)をいう。
【0025】
「シアノ」とは、-CNをいう。
【0026】
「C1~C6ハロアルキル」および「C1~C6ハロアルコキシ」とは、1個またはそれより多くのハロゲン基によって置換された、上記「C1~C6アルキル」および「C1~C6アルコキシ」をいう。いくつかの実施形態において、C1~C4ハロアルキルが特に好ましく、そしてC1~C2ハロアルキルがより好ましい。いくつかの実施形態において、C1~C4ハロアルコキシが特に好ましく、そしてC1~C2ハロアルコキシがより好ましい。例示的に、ハロアルキルとしては、-CF3、-CH2F、-CHF2、-CHFCH2F、-CH2CHF2、-CF2CF3、-CCl3、-CH2Cl、-CHCl2、2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。例示的に、アルコキシとしては、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3などが挙げられるが、これらに限定されない。ハロアルキルおよびアルコキシは、必要に応じて置換されていても置換されていなくてもよい。
【0027】
「C3~C8シクロアルキル」とは、3個~8個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する非芳香族シクロ炭化水素基をいう。いくつかの実施形態において、C3~C6シクロアルキルが特に好ましく、そしてC5~C6シクロアルキルがより好ましい。シクロアルキルは、上記シクロアルキル基が、1個またはそれより多くのシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールに、縮合、架橋またはスピロ結合している環系であって、これらの結合点がシクロアルキル環上にある、環系をさらに含み、この場合、炭素の数は依然として、このシクロアルキル系内の炭素の数を表す。例示的に、シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、およびこれらの種々の分枝異性体などが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキルは、必要に応じて置換されていても置換されていなくてもよい。
【0028】
「3員~10員ヘテロシクリル」とは、環炭素原子および1個~4個の環ヘテロ原子を有する3員~10員の非芳香環系の基をいい、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リンおよびケイ素からなる群より選択される。1個またはそれより多くの窒素原子を含むヘテロシクリルにおいて、その結合点は、原子価が許容する限り、炭素原子上であっても窒素原子上であってもよい。いくつかの実施形態において、3員~8員ヘテロシクリルが好ましく、これは、環炭素原子および1個~3個の環ヘテロ原子を有する3員~8員の非芳香環系である。いくつかの実施形態において、4員~7員ヘテロシクリルが特に好ましく、これは、環炭素原子および1個~3個の環ヘテロ原子を有する4員~7員の非芳香環系である。そして5員~6員ヘテロシクリルがより好ましく、これは、環炭素原子および1個~3個の環ヘテロ原子を有する5員~6員の非芳香環系である。例示的な、1個のヘテロ原子を含む3員ヘテロシクリルとしては、アザシクロプロピル、オキサシクロプロピルおよびチアシクロプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、1個のヘテロ原子を含む4員ヘテロシクリルとしては、アザシクロブチル、
オキサシクロブチルおよびチアシクロブチルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、1個のヘテロ原子を含む5員ヘテロシクリルとしては、テトラヒドロフリル、ジヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチエニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピロリル-2,5-ジオンが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、2個のヘテロ原子を含む5員ヘテロシクリルとしては、ジオキサシクロペンチル、オキサチアシクロペンチル、ジチアシクロペンチルおよびオキサゾリジン-2-オンが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、3個のヘテロ原子を含む5員ヘテロシクリルとしては、トリアゾリニル、オキサジアゾリニルおよびチアジアゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、1個のヘテロ原子を含む6員ヘテロシクリルとしては、ピペリジル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニルおよびチアシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、2個のヘテロ原子を含む6員ヘテロシクリルとしては、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアシクロヘキシル、およびジオキサニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、3個のヘテロ原子を含む6員ヘテロシクリルとしては、ヘキサヒドロトリアジニルが挙げられるが、これに限定されない。例示的な、1個のヘテロ原子を含む7員ヘテロシクリルとしては、アザシクロヘプチル、オキサシクロヘプチルおよびチアシクロヘプチルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、1個のヘテロ原子を含む8員ヘテロシクリルとしては、アザシクロオクチル、オキサシクロオクチルおよびチアシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、6員芳香環が縮合した5員ヘテロシクリル(本明細書中で、5,6-ビシクロヘテロシクリルとも称される)としては、インドリニル、i-インドリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、およびベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、6員芳香環が縮合した6員ヘテロシクリル(本明細書中で、6,6-ビシクロヘテロシクリルとも称される)としては、テトラヒドロキノリル、およびテトラヒドロイソキノリルなどが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクリルは、スピロ環、縮合環および架橋環のヘテロシクリルを含む。
【0029】
「スピロヘテロシクリル」とは、1個の原子(スピロ原子と称される)が単環式環間で共有されている、5員~20員の多環式ヘテロシクリルをいい、ここでこれらの環原子のうちの1個またはそれより多くは、窒素、酸素またはS(O)
m(ここでmは0~2の整数である)からなる群より選択されるヘテロ原子であり、そして残りの環原子は炭素である。これらは、1個またはそれより多くの二重結合を含み得るが、これらの環のいずれも芳香族性を有さない。これらは好ましくは6員~14員であり、そしてより好ましくは7員~10員である。環間で共有されるスピロ原子の数に応じて、スピロアルキルは、モノ-スピロヘテロシクリル、ジ-スピロヘテロシクリルまたはポリ-スピロヘテロシクリルに分類され、そして好ましくは、モノ-スピロヘテロシクリルおよびジ-スピロヘテロシクリルである。これらは、より好ましくは、4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員、または5員/6員の、モノ-スピロアルキルである。スピロアルキルの非限定的な例としては、
【化2】
が挙げられる。
【0030】
「縮合ヘテロシクリル」とは、環内の各環が、その系内の他の環と、隣接原子の対を共有し、1個またはそれより多くの環は、1個またはそれより多くの二重結合を含み得るが、これらの環は芳香族性を有さない、5員~20員の多環式ヘテロシクリルをいい、ここで1個またはそれより多くの環原子は、窒素、酸素およびS(O)
m(ここでmは0~2
の整数である)のヘテロ原子からなる群より選択され、そして残りの環原子は炭素である。これらは好ましくは6員~14員であり、そしてより好ましくは7員~10員である。構成環の数に応じて、これらは、二環式、三環式、四環式または多環式の縮合ヘテロシクリルに分類され得、そしてこれらは好ましくは、二環式または三環式であり、そしてより好ましくは、5員/5員、または5員/6員の二環式縮合ヘテロシクリルである。縮合ヘテロシクリルの非限定的な例としては、
【化3】
が挙げられる。
【0031】
このヘテロシクリル環は、アリール環、ヘテロアリール環またはシクロアルキル環に縮合し得、ここで親構造に結合している環は、ヘテロシクリルであり、そして非限定的な例としては、
【化4】
などが挙げられる。
【0032】
ヘテロシクリルは、必要に応じて置換されていても置換されていなくてもよい。
【0033】
「6員~14員アリール」とは、6個~14個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する、単環式または多環式(例えば、二環式もしくは三環式)の4n+2芳香環系(例えば、6個、10個または14個のπ電子が環状配置で共有されている)の基をいう。いくつかの実施形態において、アリールは、6個の環炭素原子を有する(「6員アリール」、例えばフェニル)。いくつかの実施形態において、アリールは、10個の環炭素原子を有する(「10員アリール」、例えば、ナフチル、例えば、1-ナフチルおよび2-ナフチル)。いくつかの実施形態において、アリールは、14個の環炭素原子を有する(「14員アリール」、例えばアントリル)。いくつかの実施形態において、6員~10員アリールが特に好ましく、そして6員アリールがより好ましい。アリールは、ヘテロアリール環、ヘテロシクリル環またはシクロアルキル環に縮合し得、ここで親構造に結合している環は、アリール環であり、そして非限定的な例としては、
【化5】
が挙げられ、アリールは、置換されていても非置換であってもよい。
【0034】
「5員~10員ヘテロアリール」とは、環炭素原子および1個~4個の環ヘテロ原子を有する、5員~10員の単環式または二環式の4n+2芳香環系(例えば、6個または10個のπ電子が環状配置で共有されている)の基をいい、ここで各ヘテロ原子は独立して
、窒素、酸素および硫黄からなる群より選択される。1個またはそれより多くの窒素原子を含むヘテロアリールにおいて、その結合点は、原子価が許容する限り、炭素原子上であっても窒素原子上であってもよい。いくつかの実施形態において、5員~6員ヘテロアリールが特に好ましく、これは、環炭素原子および1個~4個の環ヘテロ原子を有する、5員~6員の単環式4n+2芳香環系である。例示的な、1個の窒素原子を含む5員ヘテロアリールとしては、ピロリル、フリルおよびチエニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、2個の窒素原子を含む5員ヘテロアリールとしては、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、i-イソオキサゾリル、チアゾリルおよびi-チアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、3個の窒素原子を含む5員ヘテロアリールとしては、トリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、4個の窒素原子を含む5員ヘテロアリールとしては、テトラゾリルが挙げられるが、これに限定されない。例示的な、1個の窒素原子を含む6員ヘテロアリールとしては、ピリジニルが挙げられるが、これに限定されない。例示的な、2個の窒素原子を含む6員ヘテロアリールとしては、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、3個または4個の窒素原子を含む6員ヘテロアリールとしては、それぞれ、トリアジニルおよびテトラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な、1個の窒素原子を含む7員ヘテロアリールとしては、アザシクロヘプタトリエニル、オキサシクロヘプタトリエニルおよびチアシクロヘプタトリエニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な5,6-二環式ヘテロアリールとしては、インドリル、i-インドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチエニル、i-ベンゾチエニル、ベンゾフリル、ベンゾイソフリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドラジニルおよびプリニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な6,6-二環式ヘテロアリールとしては、ナフチリジニル、プテリジル、キノリル、i-キノリル、シンノリニル、キノキサリル、フタラジニルおよびキナゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリール環は、アリール環、ヘテロシクリル環またはシクロアルキル環に縮合し得、ここで親構造に結合している環は、ヘテロアリール環である。そして非限定的な例としては、
【化6】
が挙げられ、ヘテロアリールは、必要に応じて置換されていても置換されていなくてもよい。
【0035】
本明細書中で使用される、「アルキレン」、「アルケニレン」、「アルキニレン」、「アリーレン」、「ヘテロアリーレン」、「シクロアルキレン」および「ヘテロシクリレン」は、それぞれ、上記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクリルの二価ラジカルをいう。この基は、必要に応じて置換されていても置換されていなくてもよい。
【0036】
「C1~C6アルキレン」とは、C1~C6アルキルから1個の水素を除去することによって形成される、二価のアルキレンをいい、そして置換または非置換アルキレンであり得る。いくつかの実施形態において、C1~C4アルキレンが特に好ましい。非置換アルキレンとしては、これらに限定されない。メチレン(-CH2-)、エチリデン(-CH2CH2-)、プロピリデン(-CH2CH2CH2-)、ブチリデン(-CH2CH2CH2CH2-)、ペンチリデン(-CH2CH2CH2CH2CH2-)、ヘキシリデ
ン(-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-)などが挙げられるが、例示的な置換アルキレン、例えば、1個またはそれより多くのアルキル(メチル)によって置換されたアルキレンとしては、置換メチレン(-CH(CH3)-および-C(CH3)2-)、置換エチリデン(-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2-、および-CH2C(CH3)2-)、置換プロピリデン(-CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-、-CH2CH2CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2CH2-、-CH2C(CH3)2CH2-、および-CH2CH2C(CH3)2-)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
「C2~C6アルケニレン」とは、C2~C6アルケニルから1個の水素を除去することによって形成される、二価のアルケニルをいい、そして置換または非置換アルケニレンであり得る。いくつかの実施形態において、C2~C4アルケニレンが特に好ましい。例示的な非置換アルケニレンとしては、エチレン(-CH=CH-)ならびにプロペニリデン(例えば、-CH=CHCH2-および-CH2-CH=CH-)が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な置換アルケニレン、例えば、1個またはそれより多くのアルキル(メチル)によって置換されたアルケニレンとしては、置換エチレン(-C(CH3)=CH-、および-CH=C(CH3)-)、置換プロペニリデン(-C(CH3)=CHCH2-、-CH=C(CH3)CH2-、-CH=CHCH(CH3)-、-CH=CHC(CH3)2-、-CH(CH3)-CH=CH-、-C(CH3)2-CH=CH-、-CH2-C(CH3)=CH-、および-CH2-CH=C(CH3)-)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
「C2~C6アルキニレン」とは、C2~C6アルキニルから1個の水素を除去することによって形成される、二価のアルキニレンをいい、そして置換または非置換アルキニレンであり得る。いくつかの実施形態において、C2~C4アルキニレンが特に好ましい。例示的に、アルキニレンとしては、エチニレン(-C≡C-)および置換または非置換プロピニレン(-C≡CCH2-)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
「6員~14員アリーレン」、「5員~10員ヘテロアリーレン」、「C3~C8シクロアルキレン」および「3員~10員ヘテロシクリレン」は、それぞれ、上記6~14員アリール、5員~10員ヘテロアリール、C3~C8シクロアルキルおよび3員~10員ヘテロシクロアルキルから1個の水素を除去することによって形成される、二価の基をいう。
【0040】
本明細書中の全ての基は、必要に応じて置換されている。「必要に応じた」または「必要に応じて」とは、その後に記載される事象または状況が起こり得るが、必ずしも起こらなくてもよいことを意味し、その事象または状況が起こることと起こらないこととの両方を含む。例えば、「アルキルによって必要に応じて置換されたヘテロシクリル」とは、アルキルが存在するかもしれないが、必ずしも存在しなくてもよいことを意味し、ヘテロシクリルが、アルキルによって置換されている場合、およびアルキルによって置換されていない場合を含む。
【0041】
「置換(された)」とは、基の1個またはそれより多くの水素原子、好ましくは最大5個、そしてより好ましくは1個~3個の水素原子が、対応する数の置換基によって独立して置換されていることをいう。いうまでもなく、置換基は、それらの可能な化学的位置にのみ存在し、そして当業者は、過度の努力をすることなく、可能な置換または不可能な置換を(実験的にまたは理論的に)決定し得る。例えば、遊離水素を有するアミノ基またはヒドロキシ基は、不飽和(例えば、オレフィン性)結合を有する炭素原子と一緒になると、不安定であり得る。
【0042】
炭素原子上の例示的な置換基としては、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORaa、-ON(Rbb)2、-N(Rbb)2、-N(Rbb)3
+X-、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-CO2H、-CHO、-C(ORcc)2、-CO2Raa、-OC(=O)Raa、-OCO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-OC(=O)N(Rbb)2、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCO2Raa、-NRbbC(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-OC(=NRbb)N(Rbb)2、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、-C(=O)NRbbSO2Raa、-NRbbSO2Raa、-SO2N(Rbb)2、-SO2Raa、-SO2ORaa、-OSO2Raa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa)3、-OSi(Raa)3、-C(=S)N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)2Raa、-OP(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-OP(=O)(Raa)2、-OP(=O)(ORcc)2、-P(=O)2N(Rbb)2、-OP(=O)2N(Rbb)2、-P(=O)(NRbb)2、-OP(=O)(NRbb)2、-NRbbP(=O)(ORcc)2、-NRbbP(=O)(NRbb)2、-P(Rcc)2、-P(Rcc)3、-OP(Rcc)2、-OP(Rcc)3、-B(Raa)2、-B(ORcc)2、-BRaa(ORcc)、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0個、1個、2個、3個、4個、または5個のRdd基によって置換されるか;
あるいは炭素原子上の2個のgem-水素は、基=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=0)2Raa、=NRbbまたは=NORccによって置き換えられ;
Raaは各々独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択されるか、あるいは2個のRaa基が結合して、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0個、1個、2個、3個、4個、または5個のRdd基によって置換され;
Rbbは各々独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択されるか、あるいは2個のRbb基が結合して、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0個、1個、2個、3個、4個、または5個のRdd基によって置換され;
Rccは各々独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択されるか、あるいは2個のRcc基が結合して、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0個、1個、2個、3個、4個、または5
個のRdd基によって置換され;
Rddは各々、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORee、-ON(Rff)2、-N(Rff)2、-N(Rff)3
+X-、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-CO2H、-CO2Ree、-OC(=O)Ree、-OCO2Ree、-C(=O)N(Rff)2、-OC(=O)N(Rff)2、-NRffC(=O)Ree、-NRffCO2Ree、-NRffC(=O)N(Rff)2、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff)2、-OC(=NRff)N(Rff)2、-NRffC(=NRff)N(Rff)2、-NRffSO2Ree、-SO2N(Rff)2、-SO2Ree、-SO2ORee、-OSO2Ree、-S(=O)Ree、-Si(Ree)3、-OSi(Ree)3、-C(=S)N(Rff)2、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)2Ree、-P(=O)(Ree)2、-OP(=O)(Ree)2、-OP(=O)(ORee)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択され、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0個、1個、2個、3個、4個、または5個のRgg基によって置換されるか、あるいは2個のgem-Rdd置換基が結合して、=Oまたは=Sを形成し得;
Reeは各々独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群より選択され、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0個、1個、2個、3個、4個、または5個のRgg基によって置換され;
Rffは各々独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択されるか、あるいは2個のRff基が結合して、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0個、1個、2個、3個、4個、または5個のRgg基によって置換され;そして
Rggは各々独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-OC1~6アルキル、-ON(C1~6アルキル)2、-N(C1~6アルキル)2、-N(C1~6アルキル)3
+X-、-NH(C1~6アルキル)2
+X-、-NH2(C1~6アルキル)+X-、-NH3
+X-、-N(OC1~6アルキル)(C1~6アルキル)、-N(OH)(C1~6アルキル)、-NH(OH)、-SH、-SC1~6アルキル、-SS(C1~6アルキル)、-C(=O)(C1~6アルキル)、-CO2H、-CO2(C1~6アルキル)、-OC(=O)(C1~6アルキル)、-OCO2(C1~6アルキル)、-C(=O)NH2、-C(=O)N(C1~6アルキル)2、-OC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)C(=O)(C1~6アルキル)、-NHCO2(C1~6アルキル)、-NHC(=O)N(C1~6アルキル)2、-NHC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)NH2、-C(=NH)O(C1~6アルキル)、-OC(=NH)(C1~6アルキル)、-OC(=NH)OC1~6アルキル、-C(=NH)N(C1~6アルキル)2、-C(=NH)NH(C1~6アルキル)、-C(=NH)NH2、-OC(=NH)N(C1~6アルキル)2、-OC(NH)NH(C1~6アルキル)、-OC(NH)NH2、-NHC(NH)N(C1~6アルキル)2、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2(C1~6アルキル)、-SO2N(C1~6アルキル)2、-SO2NH(C1~6アルキル)、-SO2NH2、-SO2c1~6アルキル、-SO2OC1~6アルキル、-OSO2C1~6アルキル、-SOC1~6アルキル、-Si(C1~6アルキル)3、-OSi(C1~6アルキル)3、
-C(=S)N(C1~6アルキル)2、C(=S)NH(C1~6アルキル)、C(=S)NH2、-C(=O)S(C1~6アルキル)、-C(=S)SC1~6アルキル、-SC(=S)SC1~6アルキル、-P(=O)2(C1~6アルキル)、-P(=O)(C1~6アルキル)2、-OP(=O)(C1~6アルキル)2、-OP(=O)(OC1~6アルキル)2、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C7シクロアルキル、C6~C10アリール、C3~C7ヘテロシクリレン、C5~C10ヘテロアリールであるか;あるいは2個のgem-Rgg置換基が結合して、=Oまたは=Sを形成し得;ここでX-は対イオンである。
【0043】
窒素原子上の例示的な置換基としては、ハロゲン、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、あるいは2個のRcc基は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0個、1個、2個、3個、4個、または5個のRdd基によって置換され、そしてRaa、Rbb、RccおよびRddは、上記のとおりである。
【0044】
用語「薬学的に受容可能な塩」とは、過度の毒性、刺激、およびアレルギーなどなしに、ヒトおよび下等動物の組織との接触に適しており、そして信頼できる医学的判断の範囲内で、合理的な利益/危険比に見合う、塩をいう。薬学的に受容可能な塩は、当該分野において周知である。例えば、薬学的に受容可能な塩は、Berge et al., J. Pharmaceutical Sciences (1977) 66: 1-19に詳細に記載されている。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩としては、適切な無機酸および有機酸、ならびに無機塩基および有機塩基から誘導される塩が挙げられる。薬学的に受容可能な非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸から形成されるものである。イオン交換法などの、当該分野における従来の方法によって形成される塩もまた含まれる。他の薬学的に受容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ナイアシン、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ジヒドロキシナフタレン酸塩、ペクチン酸塩、化硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、および吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基から誘導される薬学的に受容可能な塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN+(C1~4アルキル)4の塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウムなどの塩が挙げられる。適切であれば、他の薬学的に受容可能な塩としては、非毒性のアンモニウム塩、第四級アンモニウム塩、ならびにハロゲ
ンイオンなどの対イオン、ヒドロキシルラジカル、カルボキシレートラジカル、スルフェートラジカル、ホスフェートラジカル、ニトレートラジカル、低級アルキルスルホネートラジカルおよびアリールスルホネートラジカルと形成されるアミン陽イオンが挙げられる。
【0045】
投与を受ける「被験体」としては、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例えば、小児被験体(例えば、乳児、児童および青少年)または成人被験体(例えば、初期成人、中年成人および老人))ならびに/あるいは非ヒト動物、例えば、霊長類(例えば、カニクイザルおよびアカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、齧歯類、ネコおよび/またはイヌなどの哺乳動物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、被験体はヒトである。いくつかの実施形態において、被験体は非ヒト動物である。
【0046】
「疾患」、「障害」および「病気」は、本明細書中で交換可能に使用される。
【0047】
他に特定されない限り、用語「処置」は、本明細書中で使用される場合、特定の疾患、障害または病気に罹患する被験体において起こる、その疾患、障害または病気の重篤度の低下、あるいはその疾患、障害または病気の発症の遅延または遅くすることの効果(「治療処置」)を含み、そしてまた、被験体が特定の疾患、障害、または病気に罹患し始める前に起こる効果(「予防処置」)を含む。
【0048】
一般に、化合物の「有効量」とは、目的の生物学的反応を引き起こすために十分な量をいう。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、例えば、生物学的目的、化合物の薬物動力学、処置されるべき疾患、投薬様式、ならびに被験体の年齢、健康状態および症状に従って変更され得る。この有効量には、治療有効量および予防有効量が含まれる。
【0049】
他に記載されない限り、本明細書中で使用される化合物の「治療有効量」とは、疾患、障害または病気の処置の過程において治療的利点を提供するために十分な量、あるいはこの疾患、障害または病気に関連する1つまたはそれより多くの症状を遅延または最小化させるための量である。化合物の治療有効量とは、単独でかまたは他の治療との併用で使用される場合の、疾患、障害または病気の処置の過程において治療的利点を提供する、治療剤の量をいう。用語「治療有効量」は、全体としての処置を改善するために必要とされる量、疾患または病気の症状または原因を減少または回避するために必要とされる量、あるいは他の治療剤の治療効果を増強するために必要とされる量を含み得る。
【0050】
他に記載されない限り、本明細書中で使用される化合物の「予防有効量」とは、疾患、障害または病気の処置を予防するために十分な量、あるいはこの疾患、障害または病気に関連する1つまたはそれより多くの症状を予防するために十分な量、あるいはこの疾患、障害または病気の再発を予防するための量である。化合物の予防有効量とは、単独でかまたは他の薬剤との併用で使用される場合の、疾患、障害または病気の予防の過程において予防的利点を提供する、治療剤の量をいう。用語「予防有効量」は、全体としての予防を改善するために必要とされる量、あるいは他の予防剤の予防効果を増強するために必要とされる量を含み得る。
【0051】
「併用」および関連の用語は、本発明の化合物と他の治療剤との、同時または逐次の投薬をいう。例えば、本発明の化合物は、他の治療剤と、別々の単位剤形中で同時にもしくは逐次的に、または他の治療剤と、単一の単位剤形中で同時に、投与され得る。
【0052】
「プロドラッグ」とは、体内での加水分解により、例えば血液中で、医学的効果を有す
る活性形態に転換される化合物をいう。薬学的に受容可能なプロドラッグは、T. Higuchi and V. Stella, Prodrugs as Novel Delivery Systems, A.C.S. Symposium Series, Vol. 14; Edward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American
Pharmaceutical Association and Pergamon
Press (1987);およびD. Fleisher, S. Ramon and H. Barbra, “Improved Oral Drug Delivery: Solubility Limitations Overcome by the Use of Prodrugs,” Advanced Drug Delivery Reviews (1996) 19(2): 115-130に記載されており、これらの各々は、本明細書中に参考として援用される。
【0053】
プロドラッグは、任意の共有結合したキャリアであり、そしてこのプロドラッグが患者に与えられると、インビボで本発明の化合物を放出する。プロドラッグは、通常、官能基を修飾することにより調製され、そしてこの修飾が、このプロドラッグをインビボで分離させて、親化合物を生成させる。プロドラッグとしては、例えば、ヒドロキシ、アミノまたはメルカプトが任意の基に結合している、本発明の化合物が挙げられ、そしてこのプロドラッグが患者に与えられると、分離してヒドロキシ、アミノまたはメルカプトを形成し得る。従って、プロドラッグの代表的な例としては、酢酸、ギ酸または安息香酸と、本発明による化合物中のヒドロキシ官能基、アミノ官能基またはメルカプト官能基を介して形成される、本発明による化合物の共有結合による誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、カルボン酸(-COOH)の場合、メチルエステルまたはエチルエステルなどのエステルが使用され得る。このエステル自体が活性であり得、そして/または人体内の条件で加水分解可能であり得る。適切な薬学的に受容可能なインビボで加水分解可能なエステルとしては、人体内で容易に分解して、親酸またはその塩を放出する、エステルが挙げられる。
【0054】
多くの有機化合物は、これらが反応、沈殿、または結晶化する溶媒と、複合体を形成し得ることが、当業者によって理解されるべきである。これらの複合体は、「溶媒和物」と称される。この溶媒が水である場合、これらの複合体は、「水和物」と称される。本発明は、本発明による化合物の全ての溶媒和物を包含する。
【0055】
本発明の化合物は、1つまたはそれより多くの不斉中心を含み得、従って、複数の立体異性体形態(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、およびラセミ体の形態)を有し得る。例えば、本発明の化合物は、別々のエナンチオマー、ジアステレオマー、または幾何異性体(例えば、cisおよびtrans異性体)であり得るか、あるいは立体異性体の混合物(ラセミ混合物が挙げられる)および1つもしくはそれより多くの立体異性体が富化された混合物の形態であり得る。異性体は、当業者に公知である方法(キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ならびにキラル塩の形成および結晶化が挙げられる)によって、混合物から分離され得るか、または好ましい異性体が、不斉合成によって調製され得る。
【0056】
さらに、本発明の化合物はまた、「互変異性体」として存在し得る。「互変異性体」とは、元の化合物の構造に起因して、2つの官能基間の平衡および完全な転換の現象により生成される、異性体をいう。
【0057】
化合物
1つの実施形態において、本発明は、一般式(I)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロド
ラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物:
【化7】
を提供し、一般式(I)において、
環Aは、存在しないか、または6員~14員アリーレン、5員~10員ヘテロアリーレン、C
3~C
8シクロアルキレンおよび3員~10員ヘテロシクリレンからなる群より選択され;
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13、-NR
11R
12、-C(O)R
13、-C(O)OR
13、-C(O)NR
11R
12、-NR
11C(O)R
13、-NR
11C(O)OR
13、-NR
11C(O)NR
11R
12、-OC(O)R
13、-OC(O)OR
13、-OC(O)NR
11R
12、-S(O)
pR
13、-S(O)
pOR
13、-S(O)
pNR
11R
12、-OS(O)
pR
13および-NR
11S(O)
pR
13からなる群より選択され;
R
6は各々独立して、Hおよび-CH
2CH
2-からなる群より選択され、そしてR
6が-CH
2CH
2-である場合、その他方の末端はXに結合しており、そして必要に応じて、-CH
2CH
2-の一方のメチレン基は、-O-または-NH-で置き換えられており;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13または-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;
R
11、R
12およびR
13は各々独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ヘテロアルキル、C
3~C
8シクロアルキル、3員~10員ヘテロシクリル、5員~10員ヘテロアリールおよび6員~14員アリールからなる群より選択され;
Xは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;そしてYは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;ただし、XおよびYのうちの少なくとも一方はCH
2であり;
Wは、化学結合、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;
mは、0、1、2、3または4であり;そして
pは、1または2である。
【0058】
特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4およびR5は各々独立して、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6アルコキシおよびC1~C6ハロアルコキシからなる群より選択される。
【0059】
特定の実施形態において、R1およびR5は各々独立して、ハロゲンであり、そして好ましくは、ClまたはFである。
【0060】
特定の実施形態において、R2およびR4は各々独立して、C1~C6アルコキシであり、そして好ましくは、メトキシである。
【0061】
特定の実施形態において、R3はHである。
【0062】
特定の実施形態において、R6はHである。
【0063】
特定の実施形態において、R7は各々独立して、H、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキルまたは-NRaRbからなる群より選択され、ここでRaおよびRbは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NRcRdにより置換されたC1~C6アルキルからなる群より選択され;RcおよびRdは各々独立して、HおよびC1~C6アルキルからなる群より選択されるか、あるいはRaおよびRbは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C1~C6アルキルまたはC1~C6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;そして好ましくは、R7は、H、C1~C6アルキルおよび-NRaRbからなる群より選択され、そして好ましくは、メチルまたは-N(CH3)CH2CH2N(CH3)2である。特定の実施形態において、R8は、C2~C6アルケニルおよびC2~C6アルキニルからなる群より選択され、そして好ましくは、ビニルおよびプロピニルからなる群より選択される。
【0064】
特定の実施形態において、環Aは6員~14員アリーレンであり、そして好ましくは、6員アリーレンである。
【0065】
特定の実施形態において、環Aは、5員~10員ヘテロアリーレン、好ましくは、5~6員ヘテロアリーレン、そして好ましくは、5員ヘテロアリーレンである。
【0066】
特定の実施形態において、環AはC3~C8シクロアルキレンである。
【0067】
特定の実施形態において、環Aは、フェニル、ナフチル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニルおよびシクロヘキシルの二価ラジカルからなる群より選択され、そして好ましくは、環Aは、フェニレン、ピラゾリレンおよびシクロヘキシレンからなる群より選択され;
特定の実施形態において、Wは化学結合である。
【0068】
特定の実施形態において、mは1である。
【0069】
別の実施形態において、本発明は、一般式(II)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物:
【化8】
を提供し、一般式(II)において、
環Aは、存在しないか、または6員~14員アリーレン、5員~10員ヘテロアリーレン、C
3~C
8シクロアルキレンおよび3員~10員ヘテロシクリレンからなる群より選択され;
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13、-NR
11R
12、-C(O)R
13、-C(O)OR
13、-C(O)NR
11R
12、-NR
11C(O)R
13、-NR
11C(O)OR
13、-NR
11C(O)NR
11R
12、-OC(O)R
13、-OC(O)OR
13、-OC(O)NR
11R
12、-S(O)
pR
13、-S(O)
pOR
13、-S(O)
pNR
11R
12、-OS(O)
pR
13および-NR
11S(O)
pR
13からなる群より選択され;
R
6は各々独立して、Hおよび-CH
2CH
2-からなる群より選択され、そしてR
6が-CH
2CH
2-である場合、その他方の末端はXに結合しており、そして必要に応じて、-CH
2CH
2-の一方のメチレンは、-O-または-NH-によって置き換えられており;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13または-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;そしてR
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;
R
11、R
12およびR
13は各々独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ヘテロアルキル、C
3~C
8シクロアルキル、3員~10員ヘテロシクリル、5員~10員ヘテロアリールおよび6員~14員アリールからなる群より選択され;
Xは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;そしてYは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;ただし、XおよびYのうちの少なくとも一方はCH
2であり;
mは、0、1、2、3または4であり;そして
pは、1または2である。
【0070】
特定の実施形態において、環Aは6員~14員アリーレンであり、そして好ましくは、6員アリーレンである。
【0071】
特定の実施形態において、環Aは、5員~10員ヘテロアリーレン、好ましくは、5~6員ヘテロアリーレン、そして好ましくは、5員ヘテロアリーレンである。
【0072】
特定の実施形態において、環AはC3~C8シクロアルキレンである。
【0073】
特定の実施形態において、環Aは、フェニル、ナフチル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニルおよびシクロヘキシルの二価ラジカルからなる群より選択され、そして好ましくは、環Aは、フェニレン、ピラゾリレンおよびシクロヘキシレンからなる群より選択され;
特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4およびR5は各々独立して、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6アルコキシおよびC1~C6ハロアルコキシからなる群より選択される。
【0074】
特定の実施形態において、R1およびR5は各々独立して、ハロゲンであり、そして好ましくは、ClまたはFである。
【0075】
特定の実施形態において、R2およびR4は各々独立して、C1~C6アルコキシであり、そして好ましくは、メトキシである。
【0076】
特定の実施形態において、R3はHである。
【0077】
特定の実施形態において、R6は各々独立して、Hおよび-CH2CH2-からなる群より選択され、そしてR6が-CH2CH2-である場合、その他方の末端はXに結合している。特定の実施形態において、R6はHである。
【0078】
特定の実施形態において、R6は、Hから選択される。
【0079】
特定の実施形態において、R7は各々独立して、H、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキルおよび-NRaRbからなる群より選択され、ここでRaおよびRbは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NRcRdにより置換されたC1~C6アルキルからなる群より選択され;RcおよびRdは各々独立して、HおよびC1~C6アルキルからなる群より選択され、そしてR7は、好ましくは、H、C1~C6アルキルおよび-NRaRbからなる群より選択され、好ましくは、メチルまたは-N(CH3)CH2CH2N(CH3)2であり、そして好ましくは、Hである。
【0080】
特定の実施形態において、R8は、C2~C6アルケニルおよびC2~C6アルキニルからなる群より選択され、そして好ましくは、ビニルおよびプロピニルからなる群より選択される。
【0081】
特定の実施形態において、Xは、-O-、-NH-および-CH2-からなる群より選択され;そしてYは、-O-、-NH-および-CH2-からなる群より選択され;ただし、XおよびYのうちの少なくとも一方はCH2であり;
特定の実施形態において、Xは-CH2-であり;そしてYは、-O-、-NH-および-CH2-からなる群より選択され;そして
特定の実施形態において、mは1である。
【0082】
別の実施形態において、本発明は、一般式(III)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物:
【化9】
を提供し、一般式(III)において、
環Aは、存在しないか、または6員~14員アリーレン、5員~10員ヘテロアリーレン、C
3~C
8シクロアルキレンおよび3員~10員ヘテロシクリレンからなる群より選択され;
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13、-NR
11R
12、-C(O)R
13、-C(O)OR
13、-C(O)NR
11R
12、-NR
11C(O)R
13、-NR
11C(O)OR
13、-NR
11C(O)NR
11R
12、-OC(O)R
13、-OC(O)OR
13、-OC(O)NR
11R
12、-S(O)
pR
13、-S(O)
pOR
13、-S(O)
pNR
11R
12、-OS(O)
pR
13および-NR
11S(O)
pR
13からなる群より選択され;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13または-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;
R
11、R
12およびR
13は各々独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ヘテロアルキル、C
3~C
8シクロアルキル、3員~10員ヘテロシクリル、5員~10員ヘテロアリールおよび6員~14員アリールからなる群より選択され;
mは、0、1、2、3または4であり;そして
pは、1または2である。
【0083】
特定の実施形態において、環Aは6員~14員アリーレンであり、そして好ましくは、6員アリーレンである。
【0084】
特定の実施形態において、環Aは、5員~10員ヘテロアリーレン、好ましくは、5~6員ヘテロアリーレン、そして好ましくは、5員ヘテロアリーレンである。
【0085】
特定の実施形態において、環AはC3~C8シクロアルキレンである。
【0086】
特定の実施形態において、環Aは、フェニル、ナフチル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニルおよびシクロヘキシルの二価ラジカルからなる群より選択され、そして好ましくは、環Aは、フェニレン
、ピラゾリレンおよびシクロヘキシレンからなる群より選択され;
特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4およびR5は各々独立して、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6アルコキシおよびC1~C6ハロアルコキシからなる群より選択される。
【0087】
特定の実施形態において、R1およびR5は各々独立して、Hおよびハロゲンからなる群より選択され、そして好ましくは、H、ClまたはFである。
【0088】
特定の実施形態において、R1およびR5は各々独立して、ハロゲンであり、そして好ましくは、ClまたはFである。
【0089】
特定の実施形態において、R2およびR4は各々独立して、C1~C6アルコキシであり、そして好ましくは、メトキシである。
【0090】
特定の実施形態において、R3はHである。
【0091】
特定の実施形態において、R7は各々独立して、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキルおよび-NRaRbからなる群より選択され、ここでRaおよびRbは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NRcRdにより置換されたC1~C6アルキルからなる群より選択され;RcおよびRdは各々独立して、HおよびC1~C6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはRaおよびRbは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C1~C6アルキルまたはC1~C6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;そしてR7は、好ましくは、H、ハロゲン、メチル、-N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、-N(CH3)2、4-アルキル-ピペラジニルおよびモルホリニルからなる群より選択され、好ましくは、H、ハロゲン、メチル、-N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、-N(CH3)2または4-メチル-ピペラジニルであり、好ましくは、H、メチル、-N(CH3)CH2CHN(CH3)2または4-メチル-ピペラジニルであり、好ましくは、HまたはC1~C6アルキルまたは-NRaRbであり、そして好ましくは、メチル-N(CH3)CH2CH2N(CH3)2である。
【0092】
特定の実施形態において、R8は、C2~C6アルケニルおよびC2~C6アルキニルからなる群より選択され、好ましくは、ビニルおよびプロピニルからなる群より選択され、そして好ましくは、ビニルである。
【0093】
特定の実施形態において、mは1である。
【0094】
別の実施形態において、本発明は、一般式(IV)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物:
【化10】
を提供し、一般式(IV)において、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13、-NR
11R
12、-C(O)R
13、-C(O)OR
13、-C(O)NR
11R
12、-NR
11C(O)R
13、-NR
11C(O)OR
13、-NR
11C(O)NR
11R
12、-OC(O)R
13、-OC(O)OR
13、-OC(O)NR
11R
12、-S(O)
pR
13、-S(O)
pOR
13、-S(O)
pNR
11R
12、-OS(O)
pR
13および-NR
11S(O)
pR
13からなる群より選択され;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13および-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;
R
11、R
12およびR
13は各々独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ヘテロアルキル、C
3~C
8シクロアルキル、3員~10員ヘテロシクリル、5員~10員ヘテロアリールおよび6員~14員アリールからなる群より選択され;
Xは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;そしてYは、-O-、-NH-および-CH
2-からなる群より選択され;ただし、XおよびYのうちの少なくとも一方はCH
2であり;
mは、0、1、2、3または4であり;そして
pは、1または2である。
【0095】
特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4およびR5は各々独立して、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6アルコキシおよびC1~C6ハロアルコキシからなる群より選択される。
【0096】
特定の実施形態において、R1およびR5は各々独立して、ハロゲンであり、そして好ましくは、ClまたはFである。
【0097】
特定の実施形態において、R2およびR4は各々独立して、C1~C6アルコキシであり、そして好ましくは、メトキシである。
【0098】
特定の実施形態において、R3はHである。
【0099】
特定の実施形態において、R7は各々独立して、H、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキルおよび-NRaRbからなる群より選択され、ここでRaおよびRbは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NRcRdにより置換されたC1~C6アルキルからなる群より選択され;RcおよびRdは各々独立して、HおよびC1~C6アルキルからなる群より選択され、そしてR7は、好ましくは、H、C1~C6アルキルおよび-NRaRbからなる群より選択され、そして好ましくは、メチルまたは-N(CH3)CH2CH2N(CH3)2である。
【0100】
特定の実施形態において、R8は、C2~C6アルケニルおよびC2~C6アルキニルからなる群より選択され、そして好ましくは、ビニルおよびプロピニルからなる群より選択される。
【0101】
特定の実施形態において、Xは-NH-であり、そしてYは-CH2-である。
【0102】
特定の実施形態において、Xは-CH2-であり、そしてYは-NH-である。
【0103】
特定の実施形態において、mは1である。
【0104】
別の実施形態において、本発明は、一般式(V)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物:
【化11】
を提供し、一般式(V)において、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13、-NR
11R
12、-C(O)R
13、-C(O)OR
13、-C(O)NR
11R
12、-NR
11C(O)R
13、-NR
11C(O)OR
13、-NR
11C(O)NR
11R
12、-OC(O)R
13、-OC(O)OR
13、-OC(O)NR
11R
12、-S(O)
pR
13、-S(O)
pOR
13、-S(O)
pNR
11R
12、-OS(O)
pR
13および-NR
11S(O)
pR
13からなる群より選択され;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13および-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルからなる群より選択され;
R
11、R
12およびR
13は各々独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ヘテロアルキル、C
3~C
8シクロアルキル、3員~10員ヘテロシクリル、5員~10員ヘテロアリールおよび6員~14員アリールからなる群より選択され;
mは、0、1または2であり;そして
pは、1または2である。
【0105】
特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4およびR5は各々独立して、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6アルコキシおよびC1~C6ハロアルコキシからなる群より選択される。
【0106】
特定の実施形態において、R1およびR5は各々独立して、Hおよびハロゲンからなる群より選択され、そして好ましくは、H、ClまたはFである。
【0107】
特定の実施形態において、R1およびR5は各々独立して、ハロゲンであり、そして好ましくは、ClまたはFである。
【0108】
特定の実施形態において、R2およびR4は各々独立して、C1~C6アルコキシであり、そして好ましくは、メトキシである。
【0109】
特定の実施形態において、R3はHである。
【0110】
特定の実施形態において、R7は各々独立して、H、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキルおよび-NRaRbからなる群より選択され、ここでRaおよびRbは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NRcRdにより置換されたC1~C6アルキルからなる群より選択され;RcおよびRdは各々独立して、HおよびC1~C6アルキルからなる群より選択され、そしてR7は、好ましくは、H、C1~C6アルキルおよび-NRaRbからなる群より選択され、好ましくは、メチルまたは-N(CH3)CH2CH2N(CH3)2であり、そして好ましくは、Hまたはメチルである。
【0111】
特定の実施形態において、R8は、C2~C6アルケニルおよびC2~C6アルキニルからなる群より選択され、好ましくは、ビニルおよびプロピニルからなる群より選択され、そして好ましくは、ビニルである。
【0112】
特定の実施形態において、mは1である。
【0113】
別の実施形態において、本発明は、一般式(VI)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物を提供し、これは、一般式(VI):
【化12】
に示される化合物であり、一般式(VI)において、
R
1、R
2、R
3、R
4およびR
5は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
3~C
8シクロアルキル、-OR
13、-NR
11R
12、-C(O)R
13、-C(O)OR
13、-C(O)NR
11R
12、-NR
11C(O)R
13、-NR
11C(O)OR
13、-NR
11C(O)NR
11R
12、-OC(O)R
13、-OC(O)OR
13、-OC(O)NR
11R
12、-S(O)
pR
13、-S(O)
pOR
13、-S(O)
pNR
11R
12、-OS(O)
pR
13および-NR
11S(O)
pR
13からなる群より選択され;
R
7は各々独立して、H、ハロゲン、シアノ、NO
2、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C8シクロアルキル、-OR
13または-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC1~C6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC1~C6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C1~C6アルキルまたはC1~C6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルおよびC
2~C
6アルキニルか
らなる群より選択され;
R
11、R
12およびR
13は各々独立して、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ヘテロアルキル、C
3~C
8シクロアルキル、3員~10員ヘテロシクリル、5員~10員ヘテロアリールおよび6員~14員アリールからなる群より選択され;
mは、0、1、2、3または4であり;そして
pは、1または2である。
【0114】
特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4およびR5は各々独立して、H、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6アルコキシおよびC1~C6ハロアルコキシからなる群より選択される。
【0115】
特定の実施形態において、R1およびR5は各々独立して、Hおよびハロゲンからなる群より選択され、そして好ましくは、H、ClまたはFである。
【0116】
特定の実施形態において、R1およびR5は各々独立して、ハロゲンであり、そして好ましくは、ClまたはFである。
【0117】
特定の実施形態において、R2およびR4は各々独立して、C1~C6アルコキシであり、そして好ましくは、メトキシである。
【0118】
特定の実施形態において、R3はHである。
【0119】
特定の実施形態において、R7は各々独立して、H、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキルおよび-NRaRbからなる群より選択され、ここでRaおよびRbは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NRcRdにより置換されたC1~C6アルキルからなる群より選択され;RcおよびRdは各々独立して、HおよびC1~C6アルキルからなる群より選択されるか、あるいはRaおよびRbは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C1~C6アルキルまたはC1~C6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;そしてR7は、好ましくは、H、ハロゲン、メチル、-N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、-N(CH3)2、4-アルキル-ピペラジニルおよびモルホリニルからなる群より選択され、好ましくは、H、ハロゲン、-N(CH3)CH2CH2N(CH3)2、-N(CH3)2または4-メチル-ピペラジニルであり、好ましくは、H、-N(CH3)CH2CH2N(CH3)2または4-メチル-ピペラジニルであり、好ましくは、HまたはC1~C6アルキルまたは-NRaRbであり、そして好ましくは、メチルまたは-N(CH3)CH2CH2N(CH3)2である。
【0120】
特定の実施形態において、R8は、C2~C6アルケニルおよびC2~C6アルキニルからなる群より選択され、好ましくは、ビニルおよびプロピニルからなる群より選択され、そして好ましくは、ビニルである。
【0121】
特定の実施形態において、mは1である。
【0122】
別の実施形態において、本発明は、一般式(VII)に示される化合物またはその薬学的に受容可能な塩、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、プロドラッグ、水和物もしくは溶媒和物、およびこれらの混合物を提供し、これは、一般式(VI):
【化13】
に示される化合物であり、一般式(VI)において、
R
1およびR
5は各々独立して、ハロゲンであり、そして好ましくは、ClおよびFからなる群より選択され;
R
2およびR
4は各々独立して、C
1~C
6アルコキシであり、そして好ましくは、-OCH
3であり;
R
3はHであり;
R
7は各々独立して、ハロゲン、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキルまたは-NR
aR
bからなる群より選択され、ここでR
aおよびR
bは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NR
cR
dにより置換されたC
1~C
6アルキルからなる群より選択され;R
cおよびR
dは各々独立して、HおよびC
1~C
6アルキルからなる群より選択されるか;あるいはR
aおよびR
bは、これらに結合しているN原子と一緒になって、C
1~C
6アルキルまたはC
1~C
6ハロアルキルにより必要に応じて置換された3員~10員ヘテロシクリル(例えば、6員ヘテロシクリル)を形成し;そして好ましくは、R
7は、ハロゲン、メチル、-N(CH
3)
2およびモルホリニルからなる群より選択され;
R
8は、必要に応じて置換されたC
2~C
6アルケニルであり;そして好ましくは、R
8はビニルであり;
mは、0、1、2、3または4であり;好ましくは、mは、0、1または2であり;そして好ましくは、mは1である。
【0123】
本発明の代表的な化合物としては、
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
基
本発明の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)および(VII)において、各一般式中に現われる基R1~R8、R11~R13、X、Y、W、および環Aなどは、これらの一般式中に存在する場合、以下のように定義される。同様に、本発明は、これらの定義を互いに組み合わせることによって得られる技術的解決策もまた包含する。
【0125】
R1
本発明において、R1は、H、ハロゲン、シアノ、NO2、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C8シクロアルキル、-OR13、-NR11R12、-C(O)R13、-C(O)OR13、-C(O)NR11R12、-NR11C(O)R13、-NR11C(O)OR13、-NR11C(O)NR11R12、-OC(O)R13、-OC(O)OR13、-OC(O)NR11R12、-S(O)pR13、-S(O)pOR13、-S(O)pNR11R12、-OS(O)pR13および-NR11S(O)pR13からなる群より選択され、ここでNR、R12、R13およびpは、本明細書中で定義されるとおりである。好ましくは、R1は、H、F、Cl、メトキシおよびエトキシからなる群より選択される。より好ましくは、R1は、H、FおよびClからなる群より選択される。
【0126】
R2
本発明において、R2は、H、ハロゲン、シアノ、NO2、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C8シクロアルキル、-OR13、-NR11R12、-C(O)R13、-C(O)OR13、-C(O)NR11R12、-NR11C(O)R13、-NR11C(O)OR13、-NR11C(O)NR11R12、-OC(O)R13、-OC(O)OR13、-OC(O)NR11R12、-S(O)pR13、-S(O)pOR13、-S(O)pNR11R12、-OS(O)pR13および-NR11S(O)pR13からなる群より選択され、ここでNR、R12、R13およびpは、本明細書中で定義されるとおりである。好ましくは、R2は、H、F、Cl、メトキシおよびエトキシからなる群より選択される。より好ましくは、R2は、H、メトキシおよびエトキシからなる群より選択される。
【0127】
R3
本発明において、R3は、H、ハロゲン、シアノ、NO2、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C8シクロアルキル、-OR13、-NR11R12、-C(O)R13、-C(O)OR13、-C(O)NR11R12、-NR11C(O)R13、-NR11C(O)OR13、-NR11C(O)NR11R12、-OC(O)R13、-OC(O)OR13、-OC(O)NR11R12、-S(O)pR13、-S(O)pOR13、-S(O)pNR11R12、-OS(O)pR13および-NR11S(O)pR13からなる群より選択され、ここでNR、R12、R13およびpは、本明細書中で定義されるとおりである。好ましくは、R3は、H、F、Cl、メトキシおよびエトキシからなる群より選択される。好ましくは、R3はHである。
【0128】
R4
本発明において、R4は、H、ハロゲン、シアノ、NO2、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C8シクロアルキル、-OR13、-NR11R12、-C(O)R13、-C(O)OR13、-C(O)NR11R12、-NR11C(O)R13、-NR11C(O)OR13、-NR11C(O)NR11R12、-OC(O)R13、-OC(O)OR13、-OC(O)NR11R12、-S(O)pR13、-S(O)pOR13、-S(O)pNR11R12、-OS(O)pR13および-NR11S(O)pR13からなる群より選択され、ここでNR、R12、R13およびpは、本明細書中で定義されるとおりである。好ましくは、R4は、H、F、Cl、メトキシおよびエトキシからなる群より選択される。好ましくは、R4は、H、メトキシおよびエトキシからなる群より選択される。
【0129】
R5
本発明において、R5は、H、ハロゲン、シアノ、NO2、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C8シクロアルキル、OR13、-NR11R12、-C(O)R13、-C(O)OR13、-C(O)NR11R12、-NR11C(O)R13、-NR11C(O)OR13、-NR11C(O)NR11R12、-OC(O)R13、-OC(O)OR13、-OC(O)NR11R12、-S(O)pR13、-S(O)pOR13、-S(O)pNR11R12、-OS(O)pR13および-NR11S(O)pR13からなる群より選択され、ここでNR、R12、R13およびpは、本明細書中で定義されるとおりである。好ましくは、R5は、H、F、Cl、メトキシおよびエトキシからなる群より選択される。好ましくは、R5は、H、F、およびClからなる群より選択される。
【0130】
R6
本発明において、R6は、Hおよび-CH2CH2-からなる群より選択される。R6が-CH2CH2-である場合、その他方の末端はXに結合しており、そして必要に応じて、-CH2CH2-の一方のメチレン基は、-O-または-NH-で置き換えられている。
【0131】
R7
本発明において、R7は、H、ハロゲン、シアノ、NO2、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C3~C8シクロアルキル、-OR13および-NRaRbからなる群より選択され、ここでRaおよびRbは各々独立して、Hおよび必要に応じて-NRcRdにより置換されたC1~C6アルキルからなる群より選択され;RcおよびRdは各々独立して、HおよびC1~C6アルキルからなる群より選択され;そしてR13は、本明細書中で定義されるとおりである。好ましくは、R7は、H、C1~C6アルキルおよび-NRaRbからなる群より選択される。好ましくは、R7は、メチルまたは-N(CH3)CH2CH2N(CH3)2である。
【0132】
R8
本発明において、R8は、必要に応じて置換されたC2~C6アルケニルおよびC2~C6アルキニルからなる群より選択され、ここでこの必要に応じた置換基は、本明細書中で定義されるとおりである。好ましくは、R7は、ビニル、エチニルまたはプロピニルである。
【0133】
R11
本発明において、R11は、H、C1~C6アルキル、C1~C6ヘテロアルキル、C3~C8シクロアルキル、3員~10員ヘテロシクリル、5員~10員ヘテロアリールおよび6員~14員アリールからなる群より選択される。
【0134】
R12
本発明において、R12は、H、C1~C6アルキル、C1~C6ヘテロアルキル、C3~C8シクロアルキル、3員~10員ヘテロシクリル、5員~10員ヘテロアリールおよび6員~14員アリールからなる群より選択される。
【0135】
R13
本発明において、R13は、H、C1~C6アルキル、C1~C6ヘテロアルキル、C3~C8シクロアルキル、3員~10員ヘテロシクリル、5員~10員ヘテロアリールおよび6員~14員アリールからなる群より選択される。
【0136】
環A
本発明において、環Aは、6員~14員アリール、5員~10員ヘテロアリール、C3~C8シクロアルキルまたは3員~10員ヘテロシクリレンからなる群より選択され;好ましくは、環Aは、6員~10員アリールまたは5員~6員ヘテロアリールである。好ましくは、環Aは、6員アリールまたは5員ヘテロアリールである。好ましくは、環Aは、フェニル、ナフチル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニルおよびシクロヘキシルからなる群より選択され、そして好ましくは、フェニル、ピラゾリルおよびシクロヘキシルからなる群より選択される。
【0137】
XおよびY
本発明において、Xは、-O-、-NH-および-CH2-からなる群より選択され、
そしてYは、-O-、-NH-および-CH2-からなる群より選択され;ただし、XおよびYのうちの少なくとも一方はCH2であり;好ましくは、Xは-O-であり、そしてYは-CH2-である。好ましくは、Xは-NH-であり、そしてYは-CH2-である。好ましくは、Xは-CH2-であり、そしてYは-CH2-である。好ましくは、Xは-O-であり、そしてYは-CH2-である。好ましくは、Xは-NH-であり、そしてYは-CH2-である。さらに、XがR6と結合して環を形成する場合、Xは-O-ではないべきである。
【0138】
W
本発明において、Wは、化学結合、-NH-および-CH2-からなる群より選択される。
【0139】
薬学的組成物、製剤、およびキット
別の局面において、本発明は、本発明の化合物(「活性成分」とも称される)および薬学的に受容可能な賦形剤を含有する、薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、この薬学的組成物は、有効量の活性成分を含有する。いくつかの実施形態において、この薬学的組成物は、治療有効量の活性成分を含有する。いくつかの実施形態において、この薬学的組成物は、予防有効量の活性成分を含有する。
【0140】
本発明のための、薬学的に受容可能な賦形剤とは、一緒に製剤化される化合物の薬理活性を損なわない、非毒性のキャリア、アジュバントまたは媒体をいう。本発明の組成物のために有用な薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたは媒体としては、イオン交換体、酸化アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、シリカゲル、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン-ポリプロピレンオキシド-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよびラノリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0141】
本発明は、キット(例えば、薬物パッケージ)をさらに包含する。提供されるキットは、本発明の化合物、他の治療剤、ならびに本発明の化合物および他の治療剤を収容する第一の容器および第二の容器(例えば、バイアル、アンプル、瓶、シリンジ、および/もしくは分散可能なパッケージまたは他の適切な容器)を備え得る。いくつかの実施形態において、提供されるキットは、本発明の化合物および/または他の治療剤を希釈または懸濁させるための薬学的賦形剤を収容する第三の容器を、必要に応じてさらに備え得る。いくつかの実施形態において、第一の容器および第二の容器内に提供される本発明の化合物および他の治療剤は、合わせられて単位用量形態を形成する。
【0142】
投与
本発明によって提供される薬学的組成物は、経口投与、非経口投与、吸入投与、局所投与、直腸投与、経鼻投与、経口投与、経膣投与、移植物投与または他の投与方法が挙げられるがこれらに限定されない、多くの方法で投与され得る。例えば、本明細書中で使用される非経口投与としては、皮下投与、皮内投与、静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与、動脈内投与、滑液包内投与、基質内投与、髄膜内投与、病巣内投与、頭蓋内注射または注入の技術が挙げられる。
【0143】
代表的に、有効量の、本明細書中で提供される化合物が与えられる。関連する条件(処置される病気、選択された投与経路、実際に与えられる化合物、個々の患者の年齢、体重
および応答、ならびに患者の症状の重篤度などが挙げられる)に従って、実際に与えられる化合物の量は、医師によって決定され得る。
【0144】
本発明の病気を予防するために使用される場合、本明細書中に適用される化合物は、この病気を罹患する危険がある被験体に、代表的には医師の助言に基づいて、医師の監督下で、上に記載されたような用量レベルで与えられる。特定の病気を罹患する危険がある被験体としては、通常、その病気の家族暦がある被験体、または遺伝子試験もしくはスクリーニングによって、その病気の罹患に特に感受性である被験体が挙げられる。
【0145】
本明細書中で提供される薬学的組成物はまた、長期間にわたって与えられ得る(「長期投与」)。長期投与とは、化合物またはその薬学的組成物を、長期間、例えば、3ヶ月間、6ヶ月間、1年間、2年間、3年間、5年間などにわたって与えることをいい、またはこの投与は、無制限に、例えば、その患者の寿命の残りにわたって、続けられ得る。いくつかの実施形態において、長期投与は、血液中での化合物の一定レベルを、長時間にわたって、例えば、処置ウィンドウ内で、提供することを意図される。
【0146】
種々の投与方法が、本発明の薬学的組成物をさらに送達するために使用され得る。例えば、いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、例えば、血液中の化合物の濃度を有効レベルまで上昇させる目的で、注射により投与され得る。注射用量は、体全体での活性成分の目標全身レベルに基づくものであり、例えば、筋肉内または皮下への注射用量は、活性成分をゆっくりと増大させ、一方で、静脈内に(例えば、IV静脈内点滴により)直接送達される注射は、より速い送達を提供し得、血液中の活性成分の濃度を、有効レベルまで迅速に上昇させ得る。他の実施形態において、薬学的組成物は、連続注入の形態で、例えば、IV静脈内点滴により与えられ得、これによって、被験体の身体内で、活性成分の定常状態の濃度を提供し得る。さらに、他の実施形態において、注射用量の薬学的組成物は、最初に与えられ得、その後、連続注入が与えられ得る。
【0147】
経口組成物は、バルク液体溶液もしくは懸濁物、またはバルク粉末の形態であり得る。しかし、より一般的には、正確な用量での投与を容易にする目的で、組成物は、単位用量の形態で提供される。用語「単位用量の形態」とは、ヒト患者および他の動物のための単位用量として適切な、物理的に不連続な単位をいい、各単位が、所定の数の活性物質、および所望の治療効果を生じるために適した適切な薬学的賦形剤を含む。代表的な単位用量の形態としては、予め包装された、予め計量された液体組成物のアンプルまたは注射器、あるいは固体組成物の場合には、丸剤、錠剤、およびカプセル剤などが挙げられる。この組成物において、化合物は、通常、小さい割合(約0.1~約50 wt%、または好ましくは約1~40 wt%)の成分であり、そして残りの部分は、所望の投与形態を形成するために有用な、種々のキャリアもしくは賦形剤および加工助剤である。
【0148】
経口用量について、代表的なプロトコルは、1日あたり1回~5回、特に2回~4回、そして代表的には3回の経口用量である。これらの用量投与様式を使用して、各用量は、約0.01~約20 mg/kgの、本発明の化合物を提供し、そして好ましい用量はそれぞれ、約0.1~約10 mg/kg、そして特に、約1~約5 mg/kgを提供する。
【0149】
注射用量が使用される場合と類似またはそれより低い血中レベルを提供する目的で、経皮用量は一般に、約0.01~約20 wt%、好ましくは約0.1~約20 wt%、好ましくは約0.1~約10 wt%、そしてより好ましくは約0.5~約15 wt%の量が選択される。
【0150】
約1時間から約120時間まで、そして特に、24時間から96時間まで、注射用量レ
ベルは、約0.1 mg/kg/h~少なくとも10 mg/kg/hの範囲である。十分なレベルを安定な状態で得る目的で、約0.1 mg/kg~約10 mg/kgまたはそれより多くの前装填注射もまた与えられ得る。40~80 kgのヒト患者について、最大許容用量は、約2 g/日を超えるべきではない。
【0151】
経口投与に適した液体形態は、適切な水性または非水性のキャリア、ならびに緩衝剤、懸濁化剤および分散剤、着色剤、および矯味矯臭剤などを含有し得る。固体形態は、例えば、下記の成分のうちのいずれか、または類似の特性を有する化合物を含有し得る:結合剤、例えば、微結晶セルロース、トラガカントまたはゼラチン;賦形剤、例えばデンプンまたはラクトース;崩壊剤、例えば、アルギン酸、Primogelまたはコーンスターチ;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム;流動助剤、例えばコロイド状シリカ;甘味剤、例えばスクロースまたはサッカリン;あるいは矯味矯臭剤、例えば、ミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ香味剤。
【0152】
注射可能な組成物は、代表的に、注射のために使用可能な滅菌食塩水またはリン酸緩衝化食塩水、あるいは当該分野において公知である他の注射可能な賦形剤をベースとする。上記のように、この組成物において、活性化合物は代表的に、小さい割合(しばしば、約0.05~10 wt%)の成分であり、そして残りの部分は、注射可能な賦形剤などである。
【0153】
経皮組成物は代表的に、活性成分を含有する局所軟膏剤またはクリーム剤として、製剤化される。軟膏剤として製剤化される場合、活性成分は代表的に、パラフィンまたは水混和性軟膏マトリックスと合わせられる。あるいは、活性成分は、例えば水中油型クリームマトリックスと合わせられて、クリームに製剤化され得る。この経皮製剤は当該分野において周知であり、そして一般に、活性成分または製剤の安定な皮膚浸透を増強するための、他の成分を含有する。このような全ての公知の経皮製剤および成分は、本発明により提供される範囲に含まれる。
【0154】
本発明の化合物はまた、経皮デバイスを通して与えられ得る。従って、経皮投与は、レザバ、または多孔膜型もしくは複数固体マトリックスパッチの使用によって、達成され得る。
【0155】
経口投与、注射または局所投与のための上記組成物の成分は、単に代表的なものである。他の材料および加工技術などは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th edition, 1985, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvaniaの第8部に説明されており、これは、本明細書中に参考として援用される。
【0156】
本発明の化合物はまた、持続放出形態で、または持続放出投与システムから、与えられ得る。代表的な持続放出材料の記載は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出され得る。
【0157】
本発明はまた、本発明の化合物の薬学的に受容可能な製剤に関する。1つの実施形態において、この製剤は、水を含有する。別の実施形態において、この製剤は、シクロデキストリン誘導体を含有する。最も一般的なシクロデキストリンは、それぞれ6個、7個および8個のα-1,4-結合グルコース単位からなる、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリンおよびγ-シクロデキストリンである。結合した糖部分に、これらは必要に応じて、1つまたはそれより多くの置換基(メチル化、ヒドロキシアルキル化、アシル化およびスルホアルキルエーテル置換が挙げられるが、これらに限定されない)を含む。いくつかの実施形態において、このシクロデキストリンは、スルホアルキルエーテルβ-
シクロデキストリン、例えば、スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンであり、これはCaptisolとしても公知である。例えば、米国特許第5,376,645号を参照のこと。いくつかの実施形態において、この製剤は、ヘキサプロピル-β-シクロデキストリン(例えば、水中10~50%)を含有する。
【0158】
組成物
本発明の化合物またはその組成物は、疾患を処置するために、他の治療剤と組み合わせて投与され得る。公知の治療剤の例としては、アドリアマイシン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、フルオロウラシル、トポテカン、タキソール、インターフェロン、プラチン誘導体、タキサン(例えば、パクリタキセル)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン)、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド)、シスプラチン、mTOR阻害剤(例えば、ラパマイシン)、メトトレキサート、アクチノマイシンD、デュラスチン10(dolastatin 10)、コルヒチン、エメチン、トリメトレキサート、メトプリン、シクロスポリン、ダウノルビシン、テニポシド、アムホテリシン、アルキル化剤(例えば、クロラムブシル)、5-フルオロウラシル、カンプトテシン、シスプラチン、メトロニダゾール、およびグリベックTMが挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態において、本発明の化合物は、アバスチン(Avastin)またはベクチビックス(VECTIBIX)などの生物学的薬剤と組み合わせて投与される。
【0159】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物またはその組成物は、アバレリクス(abarelix)、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アミホスチン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、BCG Live、ベバシズマブ、フルオロウラシル、ベキサロテン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カルステロン、カペシタビン、カンプトテシン、カルボプラチン、カルムスチン、セレコキシブ、セツキシマブ、クロラムブシル、クラドリビン、クロファラビン(clofarabine)、シクロホスファミド、シタラビン、アクチノマイシンD、ダルベポエチンアルファ、ドノマイシン、デニロイキン(denileukin)、デキスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピルビシン、エポエチンアルファ、エルロチニブ、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン(histrelin
acetate)、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブ、イダルビシン、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、イリノテカン、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、酢酸ロイプロリド、レバミゾール、ロムスチン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、6-MP、メスナ、メトトレキサート、メトキサレン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、ナンドロロン、ネララビン、ノフェツモマブ(nofetumomab)、オプレルベキン(oprevekin)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パリフェルミン(palifermin)、パミドロネート、ペガデマーゼ(pegademase)、ペグアスパラガーゼ(pegaspargase)、ペグフィルグラスチム(pegfilgrastim)、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プロカルバジン、キナクリン(quinacrine)、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、サルグラモスチン、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブマレアート、滑石、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、VM-26、テストラクトン、チオグアニン、6-TG、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ(tositumomab)、トラスツズマブ、トレチノイン、ATRA、ウラシルマスタード、バルルビシン(valrubicin)、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ゾレドロネートまたはゾレドロン酸からなる群より選択さ
れる、任意の1つまたはそれより多くの抗増殖剤または化学療法剤と組み合わせて投与され得る。
【0160】
本発明の化合物がまた組み合わせられ得る治療剤の他の例としては、アルツハイマー病のための治療剤、例えば、塩酸ドネペジルおよびリバスチグミン;パーキンソン病のための治療剤、例えば、L-DOPA/カルビドパ、エンタカポン、ロピニロール(ropinrole)、プラミペキソール、ブロモクリプチン、ペルゴリド、トリヘキシフェニジルおよびアマンタジン;多発性硬化症(MS)のための治療剤、例えば、βインターフェロン、グラチラマー酢酸塩およびミトキサントロン;喘息のための治療剤、例えば、アルブテロールおよびモンテルカスト;統合失調症のための治療剤、例えば、ジプレキサ、リスパダール(risperdal)、セロクエル(seroquel)およびハロペリドール;抗炎症剤、例えば、コルチコステロイド、TNF遮断薬、IL-1RA、アザチオプリン、シクロホスファミドおよびスルファサラジン;免疫調節剤および免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリンおよびスルファサラジン;神経栄養因子、例えば、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、インターフェロン、鎮痙薬、イオンチャネル遮断薬、リルゾールおよびパーキンソン病に対する薬剤;心血管疾患のための治療剤、例えば、β遮断薬、ACE阻害剤、利尿薬、ニトレート、カルシウムチャネル遮断薬およびスタチン;肝疾患のための治療剤、例えば、コルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロンおよび抗ウイルス剤;血液疾患のための治療剤、例えば、コルチコステロイド、抗白血病剤および増殖因子;ならびに免疫学的欠損の病気のための治療剤、例えば、ガンマグロブリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0161】
これらの他の活性剤は、本発明の化合物を含有する組成物とは別に、複数投与プロトコルの一部として投与され得る。あるいは、これらの活性剤は、本発明の化合物と一緒に単一の組成物に混合された、単一の剤形の一部であり得る。複数投与プロトコルの一部として投与される場合、2つの活性剤は、同時にか、逐次的にか、または互いの間である期間の間隔(通常、互いの間で5時間未満の間隔)で、提供され得る。
【0162】
適応症および疾患
FGFR-4は、肝細胞がん(HCC)の進行中の増殖、生存、およびα-フェトプロテイン分泌を調節する。従って、FGFR-4阻害剤は、この満たされない医学的必要性のための、有望な潜在的な治療剤である(Ho et al., Journal of
Hepatology, 2009, 50: 118-27)。HCCは、毎年世界中で550,000人を超える人々を苦しめており、あらゆるがんの種類のうちで、最も低い1年間生存率のうちの1つを有する。
【0163】
FGF19(線維芽細胞増殖因子(FGF)ファミリーのメンバーであり、ホルモンから構成される)による、血中グルコース、脂質およびエネルギーホメオスタシスの調節の改善は、FGFR-4とHCCとの関係の他の証拠を示す。増大した肝細胞増殖および肝腫瘍形成が、FGF19トランスジェニックマウスにおいて観察されている。FGF19はFGFR-4(その肝臓における主要な受容体)を活性化させ、そしてFGFR-4の活性化は、FGF19が肝細胞の増殖を増大させ得、そして肝細胞がんの形成を誘導し得る機構であると考えられる(Wu et al., J Biol chem (2010) 285 (8): 5165-5170)。FGF19はまた、HCCにおける駆動遺伝子として認識されている(Sawey et al., Cancer Cell
(2011) 19: 347-358)。従って、FGFR-4の潜在的かつ選択的な阻害剤である、本明細書中に開示される化合物は、HCCおよび他の肝がんを処置するために使用され得ると考えられる。
【0164】
活性化した線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR-4)のY367C変異は、腫瘍ゲノムスクリーニングによって、ヒト乳がん細胞株MDA-MB-453において同定されている。従って、FGFR-4は、乳がんにおける腫瘍増殖の駆動因子であり得ることが提唱されている(Roidl et al., Oncogene (2010) 29
(10): 1543-1552)。従って、本明細書中に開示される化合物(これは、FGFR-4の強力な選択的阻害剤である)は、FGFR-4により調節される乳がんを処置するために使用され得ると考えられる。
【0165】
FGFR-4の上流遺伝子の分子変化(例えば、転座)は、FGFR-4の活性化/過剰発現をもたらし得る。例えば、PAX3-FKHR転座/遺伝子融合は、FGFR-4の過剰発現をもたらす。従って、この機構により引き起こされるFGFR-4の過剰発現は、横紋筋肉腫(RMS)と関連付けられている(Cao et al., Cancer Res (2010) 70 (16): 6497-6508)。FGFR-4自体の変異(例えば、キナーゼドメイン変異)は、タンパク質の過剰活性化をもたらす。従って、この機構は、RMSサブグループと関連付けられている(Taylor et al., J Clin Invest (2009) 119: 3395-3407)。従って、本明細書中に開示される化合物(これは、FGFR-4の強力な選択的阻害剤である)は、FGFR-4により調節されるRMSおよび他の肉腫を処置するために使用され得ると考えられる。
【0166】
他の疾患が、FGFR-4上流遺伝子の変化またはFGFR-4自体の変異に関連付けられている。例えば、FGFR-4のキナーゼドメインの変異は、過剰活性化をもたらし、これは、肺腺癌と関連付けられている(Ding et al., Nature (2008) 455 (7216): 1069-1075)。FGFR-4の増幅は、腎細胞癌などの病理と関連付けられている(TCGA暫定データ)。さらに、FGFR4のサイレンスおよびリガンド-受容体結合の阻害は、卵巣腫瘍の成長を有意に遅くし、このことは、FGFR4阻害剤が卵巣がんを処置するために使用され得ることを示す(Zaid et al., Clin. Cancer Res. (2013) 809)。
【0167】
胆汁酸レベルの病原性の増加は、FGF19レベルの変化と関連付けられている(Vergnes et al., Cell Metabolism (2013) 17,
916-28)。従って、FGF19レベルの低下は、胆汁酸の合成の促進において、および従って、高脂質血症の処置において、有利であり得る。
【0168】
従って、本発明の化合物は、種々のFGFR関連疾患を処置するために使用され得、ここでこれらの疾患としては、胃がん、甲状腺がん、前立腺がん、乳がん、肉腫(例えば、横紋筋肉腫)、皮膚がん(例えば、黒色腫)、肝がん(例えば、肝細胞がんおよび胆管癌)、膵臓がん(例えば、膵臓表皮内新形成および膵臓管腺癌)、肺がん(例えば、非小細胞肺がんおよび肺腺癌)、腎臓がん(例えば、腎細胞癌)、結腸直腸がんならびに卵巣がんが挙げられるが、これらに限定されない。
【実施例0169】
実施形態
本発明の一般式(I)に記載される化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、下記の実施形態に記載される例示的な方法、および当業者によって使用される関連する公開された文献にある操作によって、調製され得るが、これらの実施形態は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0170】
化合物の構造を、核磁気共鳴(NMR)または質量分析(MS)により決定する。NMRによる決定において、Bruker AVANCE-400またはVarian Oxford-300核磁気機器を使用し、決定溶媒は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)、重水素化クロロホルム(CDCl3)または重水素化メタノール(CD3OD)であり、内部標準は、テトラメチルシラン(TMS)であり、そして化学シフトを、10-6(ppm)の単位で与える。
【0171】
MSによる決定において、Agilent SQD(ESI)質量分析器(製造業者:Agilent、モデル:6110)またはShimadzu SQD(ESI)質量分析器(製造業者:Shimadzu、モデル:2020)を使用する。
【0172】
HPLCによる決定において、Agilent 1200 DAD高圧液体クロマトグラフィー(Sunfire C18、150×4.6mm、5μm、クロマトグラフィーカラム)およびWaters 2695-2996高圧液体クロマトグラフィー(Gimini C18 150×4.6mm、5μmクロマトグラフィーカラム)を使用する。
【0173】
Qingdao Marine GF254シリカゲルプレートを、薄層クロマトグラフィーのためのシリカゲルプレートとして使用する。薄層クロマトグラフィー(TLC)のためのシリカゲルプレートの仕様は、0.15mm~0.2mmであり、そして生成物の分離および精製のための薄層クロマトグラフィーのためのシリカゲルプレートの仕様は、0.4mm~0.5mmである。
【0174】
Qingdao Marineの200~300メッシュのシリカゲルを一般に、カラムクロマトグラフィーでのキャリアとして使用する。
【0175】
本発明の既知の出発原料は、当該分野において公知である方法によって、または従って、合成され得るか、あるいはABCR GmbH&Co.KG、Acros Organics、Aldrich Chemical Company、およびAccela ChemBio Inc.、およびBeijing Coupling Chemicalsなどの会社から市販で入手可能であり得る。
【0176】
実施形態において、特に記載されない限り、反応は全て、アルゴン雰囲気下または窒素雰囲気下で行われる。
【0177】
アルゴン雰囲気または窒素雰囲気とは、反応フラスコを、約1Lの体積のアルゴンまたは窒素のバルーンに接続することをいう。
【0178】
水素雰囲気とは、反応フラスコを、約1Lの体積の水素バルーンに接続することをいう。
【0179】
Beijing Jiawei Kechuang Technology Co.,Ltd.製のGCD-500G高純度水素発生器およびBLT-2000中圧水素化機器を、加圧水素化反応に使用する。
【0180】
水素化反応において、反応物を通常排気し、そして水素ガスで満たし、この操作を3回繰り返す。
【0181】
モデルCEM Discover-SPのマイクロ波反応器を、マイクロ波反応に使用する。
【0182】
実施形態において、反応温度は、特に記載されない限り、20℃~30℃の範囲の室温である。
【0183】
実施形態において、薄層クロマトグラフィー(TLC)を使用して、反応の進行を監視し、そしてこの反応に使用した展開剤系は、A:ジクロロメタンおよびメタノール系;B:石油エーテルおよび酢酸エチル系を含み、そしてこれらの溶媒の体積比を、化合物の様々な極性に応じて調整する。
【0184】
化合物の精製に使用したカラムクロマトグラフィーの溶出液系および薄層クロマトグラフィーの展開剤系は、A:ジクロロメタンおよびメタノール系;B:石油エーテルおよび酢酸エチル系を含み、そしてこれらの溶媒の体積比を、化合物の様々な極性に応じて調整するか、あるいは少量の酸性試薬またはアルカリ性試薬(例えば、トリエチルアミン)を、調整のために添加し得る。
【0185】
実施形態10
N-(2-((6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アミノ)-3-メチルフェニル)アクリルアミド
【化14】
実施例10aを、実施例093bの操作工程を参照して調製した。
【0186】
工程1
2-(4-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-カルボニルシクロヘキシル)-2-カルボニル酢酸エチル10b
リチウムジイソプロピルアミドを、-78℃で、化合物3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン10a(9.5g、40.6mmol、1当量)の無水テトラヒドロフラン中の溶液に滴下により添加し、そして-78℃で0.5時間撹拌した。次いで、シュウ酸ジエチル(8.9g、60.9mmol、1.5当量)をこの反応溶液中に滴下により添加し、そしてこの溶液を室温まで昇温させ、そして2時間撹拌した。後処理:10mLの塩化アンモニウム水溶液を添加してこの反応をクエンチし、その有機相を層状にし、溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)に通して精製して、目標生成物である2-(4-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-カルボニルシクロヘキシル)-2-カルボニル酢酸エチル10b(7.7g、黄色液体)を得た。収率:57%。
MS m/z (ESI): 335[M+1]。
【0187】
工程2
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸エチル10c
化合物2-(4-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-カルボニルシクロヘキシル)-2-カルボニル酢酸エチル10b(7.7g、23.1mmol、1当量)およびヒドラジン水和物(1.6g、1.1当量)をエタノール/酢酸10:1(90mL)中に溶解させ、そして65℃で3時間反応させた。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)に通して精製して、目標生成物である6-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸エチル10c(3.5g、黄色液体)を得た。収率:46%。
MS m/z (ESI): 331[M+1]。
【0188】
工程3
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸エチル10d
化合物6-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸エチル10c(800mg、2.4mmol、1当量)および塩化カリウム(359mg、4.8mmol、2当量)をジオキサン/水3:1(40mL)中に溶解させ、そしてオキサン(3.0g、4.8mmol、2当量)を0℃の条件でゆっくりと滴下により添加した。この混合物をさらに3時間撹拌した。後処理:50mLの重炭酸ナトリウム水溶液を希釈のために添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出し、その有機相を減圧下での溶媒除去に供し、その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)に通して精製して、目標生成物である6-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸エチル10d(700mg、黄色液体)を得た。収率:72%。
MS m/z (ESI): 399[M+1]。
【0189】
工程4
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸エチル10e
化合物6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸エチル10d(2.5g、6.3mmol、1当量)をDMF(40mL)に溶解させ、水素化ナトリウム(0.38g、9.5mmol、1.5当量)を0℃の条件でゆっくりと滴下により添加し、そして0.5時
間撹拌した。p-メトキシベンジルクロリド(1.5g、9.5mmol、1.5当量)をそれに添加し、そしてこの混合物をさらに3時間撹拌した。後処理:この反応を、添加した50mLの水でクエンチし、そして酢酸エチルで抽出し、そしてその有機相を減圧下での溶媒除去に供し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)に通して精製して、目標生成物である6-(2,6-ジクロロ-3,5-メトキシベンジル)-1-(4-メトキシベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸エチル10e(1.2g、白色固体)を得た。
MS m/z (ESI): 519[M+1]。
【0190】
工程5
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボキシレート10f
化合物6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸エチル10e(2.0g、3.9mmol、1当量)をメタノール/テトラヒドロフラン/水=10:10:3(23mL)に溶解させ、そして水酸化ナトリウム(0.46g、11.6mmol、3当量)を、0℃の条件で滴下により添加した。この混合物を50℃まで昇温させ、そして5時間撹拌した。後処理:その有機相を減圧下で溶媒除去し、50mLの1N希塩酸をそれに添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出し、そしてスピン乾燥させた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)に通して精製して、目標生成物である6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸10f(1.1g、白色固体)を得た。収率:58%。
MS m/z (ESI): 491[M+1]。
【0191】
工程6
(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)カルバミン酸t-ブチル10g
化合物6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸10f(1.1g、2.2mmol、1当量)、ジフェニルホスホリルアジド(935mg、3.4mmol、1.5当量)、およびトリエチルアミン(0.66g、6.6mmol、3当量)をt-ブチルアルコール(20mL)中に溶解させ、そして窒素ガスの保護下で還流下で4時間反応させた。後処理:その有機相を減圧下で溶媒除去し、そしてスピン乾燥させた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)に通して精製して、目標生成物である(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)カルバミン酸t-ブチル10g(0.6g、白色固体)を得た。収率:50%。
MS m/z (ESI): 562[M+1]。
【0192】
工程7
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-アミン10h
化合物(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)カルバミン酸t-ブチル10g(600mg、1.1mmol、1当量)を無水ジクロロメタン
(15mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(3mL)をそれに添加し、そして反応を室温で2時間実施した。後処理:その有機相を減圧下で溶媒除去し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)を添加し、そしてこの混合物を酢酸エチルで抽出し、そしてスピン乾燥させて、目的生成物である6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-アミン10h(0.3g、白色固体)を得た。収率:60%。
MS m/z (ESI): 342[M+1]。
【0193】
工程8
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-N-(2-メチル-6-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-アミン10i
化合物6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-アミン10h(300mg、0.65mmol、1当量)、2-ブロモ-1-メチル-3-ニトロベンゼン(280mg、1.30mmol、2当量)、トリ(ジベンザルアセトン)ジパラジウム(119mg、0.13mmol、0.2当量)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2,4,6-トリイソプロピルビフェニル(124mg、0.26mmol、0.4当量)、および炭酸セシウム(424mg、1.32mmol、2当量)をDMF(10mL)中に溶解させ、そして窒素ガスの保護条件下で90℃で4時間加熱した。後処理:その有機相を減圧下で溶媒除去し、水溶液(20mL)を添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出し、そしてスピン乾燥させた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)に通して精製して、目標生成物である6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-N-(2-メチル-6-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-アミン10i(0.13g、黄色固体)を得た。収率:34%。
MS m/z (ESI): 597[M+1]。
【0194】
工程9
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-N-(2-メチル-6-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-アミン10j
化合物6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-N-(2-メチル-6-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-アミン10i(130mg、0.22mmol、1当量)を無水ジクロロメタン(30mL)に溶解させ、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.5mL)をそれに添加し、そして反応を室温で30分間実施した。後処理:飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)を添加し、そしてこの混合物をジクロロメタンで抽出し、そしてスピン乾燥させて、目的生成物である6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-N-(2-メチル-6-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-アミン10j(90mg、黄色固体)を得た。収率:86%。
MS m/z (ESI): 477[M+1]。
【0195】
工程10
N1-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-6-メチルフェニレン-1,2-ジアミン10k
化合物6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-N-(2-メチル-6-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-アミ
ン10j(90mg、0.19mmol、1当量)をエタノール(15mL)に溶解させ、亜鉛粉末(123mg、1.9mmol、10当量)および(218mg、1.9mmol、10当量)をこれに添加し、そして反応を50℃で3時間実施した。後処理:この混合物をスピン乾燥させて溶媒を除去し、そして酢酸エチルで希釈し、そして水で洗浄し、そしてスピン乾燥させて、目的生成物であるN1-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-6-メチルフェニレン-1,2-ジアミン10k(60mg、黄色固体)を得た。収率:70%。
MS m/z (ESI): 447[M+1]。
【0196】
工程11
N-(2-((6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アミノ)-3-メチルフェニル)アクリルアミド10
化合物N1-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-6-メチルフェニレン-1,2-ジアミン10k(40mg、0.09mmol、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(23mg、0.18mmol、1当量)を無水ジクロロメタン(10mL)中に溶解させ、そしてこの混合物を-40℃まで冷却した。塩化アクリロイル(8mg、0.09mmol、1当量)のジクロロメタン中の溶液をこれにゆっくりと添加し、そして反応を0.5時間実施した。化合物2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン15c(120mg、0.29mmol、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(75mg、0.58mmol、1当量)を無水ジクロロメタン(10mL)中に溶解させ、そしてこの混合物を-40℃まで冷却した。塩化アクリロイル(26mg、0.29mmol、1当量)のジクロロメタン中の溶液をこれにゆっくりと添加し、そして反応を0.5時間実施した。後処理:この混合物をスピン乾燥させて溶媒を除去し、そして分取液相分離および凍結乾燥に共して、目的生成物であるN-(2-((6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アミノ)-3-メチルフェニル)アクリルアミド10(5.8mg、白色固体)を得た。収率:14%。
MS m/z (ESI): 501 [M+1]。
【0197】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.77 (s, 1H), 9.67 (s, 1H), 7.58 (d, J
= 6.1 Hz, 1H), 7.12-6.97 (m, 2H), 6.88 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 6.46 (dd, J = 17.0, 10.2 Hz, 1H), 6.21 (dd, J = 17.0, 1.7 Hz, 1H), 5.73 (dd, J = 10.2, 1.7 Hz, 1H), 3.90 (dd, J = 18.3, 3.2 Hz, 7H),
3.32-3.20 (m, 2H), 2.57 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 2.34-2.24 (m, 1H), 2.16 (s, 3H), 1.70 (d, J = 9.9 Hz, 1H)。
【0198】
実施形態15
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド
【化15】
実施例15aを、実施例093dの操作工程を参照して調製した。
【0199】
工程1
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール15b
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール15a(250mg、0.66mmol、1当量)を5mlの酢酸に添加し、NCS(184mg、1.39mmol、2.1当量)をそれに添加し、そして反応を50℃で3時間実施した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣を、石油エーテル/酢酸エチル(2:1)系を用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して、黄色固体の生成物である6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール15b(200mg、黄色固体)を得た。収率:68%。
MS m/z (ESI): 448[M+1]。
【0200】
工程2
2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン15c
化合物6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール15b(200mg、0.45mmol、1当量)15b(2.0g、3.9mmol、1当量)をエタノール(10mL)に溶解させ、亜鉛粉末(290mg、4.5mmol、10当量)および塩化アンモニウム(517mg、4.5mmol、10当量)をこれに添加し、そして反応を50℃で3時間実施した。後処理:この混合物をスピン乾燥させて溶媒を除去し、そして酢酸エチルで希釈し、そして水で洗浄し、そしてその有機相をスピン乾燥させて、目標生成物である2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン15c(131mg、黄色固体)を得た。収率:70%。
MS m/z (ESI): 418[M+1]。
【0201】
工程3
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド15
化合物2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン15c(120mg、0.29mmol、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(75mg、0.5
8mmol、1当量)を無水ジクロロメタン(10mL)中に溶解させ、そしてこの混合物を-40℃まで冷却した。塩化アクリロイル(26mg、0.29mmol、1当量)のジクロロメタン中の溶液をこれにゆっくりと添加し、そして反応を0.5時間実施した。後処理:この混合物をスピン乾燥させて溶媒を除去し、そして分取液相分離および凍結乾燥に共して、目的生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド15(5mg、白色固体)を得た。収率:4%。
MS m/z (ESI): 501[M+1]。
【0202】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.98 (s, 1H), 11.48 (s, 1H), 8.49 (d, J = 6.9Hz, 1H), 7.59 (d, J = 7.0Hz, 1H), 7.33 (t, J = 7.6Hz, 1H), 7.18 (t, J = 7.1Hz, 1H), 6.90 (s, 1H), 6.43-6.20(m, 2H), 5.82 (d, J
= 9.2Hz, 1H), 4.03 (s, 1H), 3.93 (d, J = 3.6Hz, 6H), 3.42 (d, J
= 12.8Hz, 1H), 2.86-2.57 (m, 4H), 1.84 (d, J = 11.6Hz, 1H)。
【0203】
【0204】
工程1
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸27b
化合物6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸エチル27a(700mg、1.76mmol、1当量)をメタノール/テトラヒドロフラン/水=5:5:2(12mL)に溶解させ、そして水酸化ナトリウム(0.21g、5.28mmol、3当量)を0℃の条件で添加した。この混合物を50℃まで昇温させ、そして5時間撹拌した。後処理:その有機相を減圧下で溶媒除去し、15mLの1N希塩酸をそれに添加し、そしてその固体を濾過し、そして乾燥させて、目標生成物である6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸27b(0.52g、白色固体)を得た。収率:70%。
MS m/z (ESI): 371[M+1]。
【0205】
工程2
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-アミン27c
化合物6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸27b(2.5g、6.8mmol、1当量)、ジフェニルホスホリルアジド(2.3g、8.1mmol、1.2当量)、トリエチルアミン(1.4g、13.6mmol、2当量)をアセトニトリル(40mL)
中に溶解させ、そして窒素ガスの保護下で還流下で4時間反応させた。後処理:その有機相を減圧下で溶媒除去し、そしてスピン乾燥させた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1))に通して精製して、目標生成物である6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-アミン27c(0.3g、明黄色固体)を得た。収率:13%。
MS m/z (ESI): 342[M+1]。
【0206】
工程3
N-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アクリルアミド27
化合物6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-アミン27c(10mg、0.03mmol、1当量)を5mLのジクロロメタンに溶解させ、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(8mg、0.06mmol、2当量)をこれに添加した。この混合物を-40℃まで冷却し、そして塩化アクリロイル(8mg、0.06mmol、1当量)のジクロロメタン中の溶液を滴下により添加し、そして30分間撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そして調製した液体を相分離に供し、そしてフリーズドライさせて、目標生成物であるN-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アクリルアミド27(3mg、白色固体)を得た。収率:25%。
MS m/z (ESI): 396 [M+1]。
【0207】
1H NMR (400MHz, MeOD) δ 8.53 (s,1H), 7.42 (dd, J = 17.3, 10.5Hz, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.60 (dd, J = 17.3, 1.7Hz, 1H), 6.01 (dd, J = 10.5, 1.7Hz, 1H), 4.12-4.00 (m, 1H), 3.95 (s, 6H), 3.44 (dd, J = 16.6, 12.7Hz, 1H), 2.74 (ddd, J = 25.2, 12.6, 5.3Hz, 1H), 2.65-2.55 (m,
2H), 2.37 (ddd, J = 15.3, 12.4, 5.5Hz, 1H), 1.86 (d, J = 9.2Hz, 1H)。
【0208】
実施形態083
N-((6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)メチル)アクリルアミド
【化17】
最初の4工程の合成を、実施例010dおよび027bの工程を参照して実施した。
【0209】
工程5
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-ホルムアミド083f
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-カルボン酸083e(3.92g、10.57mmol、1当量)を40mLのジクロロメタンに溶解させた。その温度を0℃で制御しながら、塩化オキサリル(2.68g、21.13mmol、2当量)をそれに添加し、そして1滴の無水N,N-ジメチルホルムアミドを触媒として添加した。この反応物を室温で2時間撹拌し、次いでこの系をアンモニアガスで30分間パージした。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=5:1)に通して精製して、6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-ホルムアミド083f(3.19g、黄色固体)を得た。収率:82%。
MS m/z (ESI): 370[M+1]。
【0210】
工程6
(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)メチルアミン083g
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-ホルムアミド083f(1.00g、2.70mmol、1当量)を60mLのテトラヒドロフランに溶解させ、ボランのテトラヒドロフラン中の溶液(1M)(27mL、27.00mmol、10当量)をそれに添加し、そしてこの混合物を還流下で一晩撹拌した。後処理:その温度を0℃で制御しながら、この反応溶液をクエンチし、そして水を添加して希釈し、塩酸溶液でpH3に調整し、そして酢酸エチルで抽出して有機不純物を除去し、次いで水相を、水酸化ナトリウム溶液でpH9に調整し、そして酢酸エチルで抽出し、そしてその有機相を減圧下で溶媒除去して、(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)メチルアミン083g(0.70g、黄色固体)を得た。収率:73%。
MS m/z (ESI): 356[M+1]。
【0211】
工程7
N-((6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)メチル)アクリルアミド
化合物(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)メチルアミン083g(300mg、0.85mmol、1当量)を15mLのジクロロメタンに溶解させ、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(220mg、1.70mmol、2当量)をこれに添加した。この混合物を-40℃まで冷却し、そして塩化アクリロイル(76mg、0.85mmol、1当量)をこれに滴下により添加し、そして30分間撹拌した。後処理:この混合物を水-酢酸エチル系で抽出し、減圧下で溶媒除去し、そしてその残留物を分離し、そして高速液体クロマトグラフィーに通して精製して、N-((6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)メチル)アクリルアミド(15mg、黄色固体)を得た。収率:4.3%。
MS m/z (ESI): 410 [M+1]。
【0212】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 8.47 (t, J = 5.3Hz, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.28 (dd, J = 17.1, 10.1Hz, 1H), 6.13 (dd, J = 17.1, 2.2Hz, 1H), 5.61 (dd, J = 10.1, 2.2Hz, 1H), 4.32 (qd, J = 15.1, 5.4Hz, 2H), 3.90
(dd, J = 15.8, 3.3Hz, 7H), 3.39 (t, J = 6.2Hz, 1H), 2.75-2.53 (m,
3H), 2.40 (t, J = 12.6Hz, 1H), 1.77 (d, J = 9.4Hz, 1H), 1.31 (dd, J = 14.9, 7.4Hz, 1H)。
【0213】
実施形態91
N-(2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド
【化18】
【0214】
工程1
3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)アクリル酸エチル091b
2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒド(1g、4.27mmol)、水素化ナトリウム(60%)(512mg、8.54mmol)、およびテトラヒドロフラン(15mL)を混合し、そして0℃で撹拌し、そしてテトラヒドロフラン(3mL)に溶解させたホスホノ酢酸トリエチル1.43g、6.41mmol)をこの反応系にゆっくりと滴下により添加した。この系を室温まで温め、そしてさらに2時間撹拌した。後処理:飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)をこの混合溶液に添加し、そしてその有機相を減圧下で溶媒除去して、目標生成物である3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)アクリル酸エチル091b(1.1g、白色固体)を得た。収率:84%。
MS m/z (ESI): 305[M+1]。
【0215】
工程2
5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-カルボニルペンタ-4-エンニトリル091c
窒素ガスの保護下で、n-ブチルリチウム(3mL、7.2mmol)を、-78℃で、無水テトラヒドロフラン(20mL)中に混合した。アセトニトリル(296mg、7.2mmol)をこの反応系にゆっくりと滴下により添加し、そして反応を-78℃で1時間実施した。無水テトラヒドロフラン(5mL)に溶解させた3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)アクリル酸エチル(1.1g、3.6mmol)をこの
反応系にゆっくりと滴下により添加し、そしてこの系を室温までゆっくりと温め、そして3時間撹拌した。後処理:飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)をこの混合物に添加してこの反応をクエンチし、そしてその有機相を減圧下で溶媒除去して、目標生成物である5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-カルボニルペンタ-4-エンニトリル091c(800mg、白色固体)を得た。収率:72%。
MS m/z (ESI): 300[M+1]。
【0216】
工程3
5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシスチリル)-1H-ピラゾール-3-アミン091d
5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-カルボニルペンタ-4-エンニトリル(800mg、2.67mmol)、80%のヒドラジン水和物(2mL)、アセテート(1mL)およびエタノール(10mL)を混合し、60℃まで温め、そして3時間撹拌した。後処理:この混合物を室温まで冷却し、そして減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)に通して精製して、目標生成物である5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシスチリル)-1H-ピラゾール-3-アミン091d(400mg、白色固体)を得た。収率:38%。
MS m/z (ESI): 314[M+1]。
【0217】
工程4
5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-アミン091e
水素雰囲気下で、5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシスチリル)-1H-ピラゾール-3-アミン(400mg、1.27mmol)、パラジウム炭素触媒(100mg)、およびメタノール(10mL)を混合し、そして室温で3時間撹拌した。後処理:この系を濾過し、そして減圧下で溶媒除去して、目標生成物である5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-アミン091e(380mg、白色固体)を得た。収率:95%。
MS m/z (ESI): 316[M+1]。
【0218】
工程5
ブロモ-5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール091f
5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-アミン(5g、15.8mmol)および臭化水素酸(20mL)を混合し、そして室温で1時間撹拌した。水(5mL)に溶解した亜硝酸ナトリウム(1.2g、17.3mmol)をこの反応系に0℃でゆっくりと滴下により添加し、そしてさらに2時間撹拌した。この混合溶液を、臭化銅(3.4g、23.4mmol)および臭化水素酸(50mL)の混合溶液に添加し、そして室温で3時間撹拌した。後処理:この反応溶液を、ジクロロメタン(200mL×3)をこれに添加して抽出し、有機相を合わせ、そして減圧下で溶媒除去し、そして得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)に通して精製して、目標生成物である3-ブロモ-5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール091f(1.8g、白色固体)を得た。収率:30%。
MS m/z (ESI): 378[M+1]。
【0219】
工程6
5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-3-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール091g
3-ブロモ-5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール(500mg、1.32mmol)、o-ニトロベンゼンボロン酸(265mg、1.59mmol)、水酸化ナトリウム(158mg、3.96mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン]パラジウムクロリドジクロロメタン錯体(430mg、0.528mmol)、グリコールジメチルエーテル(5mL)、および水(2.5mL)を混合し、窒素ガスの保護下で100℃まで温め、そして6時間撹拌した。後処理:グリコールジメチルエーテルを減圧下で除去し、その残留物をジクロロメタン(50mL)および水(50mL)で抽出し、有機相を合わせ、そして減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)に通して精製して、5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-3-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール091g(300mg、白色固体)を得た。収率:53%。
MS m/z (ESI): 422[M+1]。
【0220】
工程7
2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-イル)アニリン091h
5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-3-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール(300mg、0.71mmol)、亜鉛粉末(463mg、7.1mmol)、塩化アンモニウム(376mg、7.1mmol)およびエタノール(5mL)を混合し、50℃まで温め、そして2時間撹拌した。後処理:この系を室温まで冷却し、濾過し、そして減圧下で溶媒除去して、目標生成物である2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-イル)アニリン091h(250mg、白色固体)を得た。収率:85%。
MS m/z (ESI): 392[M+1]。
【0221】
工程8
N-(2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド091
2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-イル)アニリン(100mg、0.25mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(90mg、0.75mmol)およびジクロロメタン(3mL)を混合した。-40℃で撹拌しながら、塩化アクリロイル(25mg、0.28mmol)をこれにゆっくりと添加し、そしてさらに30分間撹拌した。後処理:10mLの水をこの混合物に添加し、次いでこの混合物をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、次いで減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣を、高速液体クロマトグラフィーに通す分取分離および精製に供して、目標生成物であるN-(2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド091(15mg、白色固体)を得た。収率:13%。
MS m/z (ESI): 446[M+1]。
【0222】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 10.20 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.70 (ddd, J
= 12.8, 9.1, 4.7Hz, 1H), 7.62 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.7Hz, 1H), 7.35 (t, J = 7.8Hz, 1H), 6.86 (s, 1H), 6.47 (dd, J = 17.7, 9.3Hz, 2H), 6.28 (dd, J = 17.0, 1.5Hz, 1H), 5.77 (m, 1H), 3.93 (s, 6H), 3.24 (m, 2H), 2.80 (m, 2H)。
【0223】
実施例093
【化19】
実施例093aを、実施例098dを参照して合成した。
【0224】
工程1
6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール093b
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール093d(2g、5mmol)およびアセトニトリル(100ml)を混合し、select F(3.5g、10mmol)をこれに0℃で添加し、そしてこの混合物を室温までゆっくりと温め、そして一晩撹拌した。後処理:溶媒除去を行い、その残留物を、ジクロロメタン(100mL)および水(100mL)をこれに添加して抽出し、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:4)に通して精製して、6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール093b(640mg、1.5mmol、黄色固体)を得た。収率:15%。
MS m/z (ESI): 416 [M+1]。
【0225】
工程2
2-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン093c
亜鉛粉末(135mg、3mmol)、塩化アンモニウム(260mg、5mmol)、水(1mL)およびエタノール(10ml)を、6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(200mg、0.5mmol)中で混合し、50℃まで温め、そして2時間撹拌した。後処理:この混合物を濾過し、減圧下で溶媒除去し、ジクロロメタン(10mL)および水(10mL)をこれに添加して抽出し、そしてその有機相を減圧下で溶媒除去して、2-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン093f(120mg、0.3mmol、褐色固体)を得た。収率:60%。
MS m/z (ESI): 386 [M+1]。
【0226】
工程3
N-(2-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド093
2-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン(120mg、0.3mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(119mg、1mmol)およびジクロロメタン(3mL)を混合し、そして-40℃で撹拌しながら、塩化アクリロイル(30mg
、0.3mmol)をこれにゆっくりと添加し、そしてさらに30分間撹拌した。後処理:10mLの水をこの混合物に添加し、次いでこの混合物をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、次いで減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣を、高速液体クロマトグラフィーに通す分取分離および精製に供して、N-(2-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド093(40mg、0.1mmol、白色固体)を得た。収率:60%。
MS m/z (ESI): 440 [M+1]。
【0227】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.98 (s, 1H), 11.51 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 7.57 (d, J = 6.6Hz, 1H), 7.33 (t, J = 7.6Hz, 1H), 7.18 (t, J =
7.5Hz, 1H), 6.94 (t, J = 8.3Hz, 1H), 6.42-6.21 (m, 2H), 5.81 (d, J = 11.3Hz, 1H), 3.97-3.80 (m, 7H), 3.41 (d, J = 7.3Hz, 1H), 2.94 (t, J = 5.7Hz, 5H), 2.11 (d, J = 8.5Hz, 1H)。
【0228】
P1およびP2を、キラルカラム分割により得た。キラル分離の条件:デバイス:SFC、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AD、移動相:CO2-IPA(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化20】
【0229】
実施形態096
N-(2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド
【化21】
実施形態96を、工程8において、2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-イル)アニリン(100mg、0.25mmol)、2-ブチン酸(23mg、0.28mmol)およびジクロロメタン(5mL)を混合し、そして0℃で撹拌しながら、ジシクロヘキシルカルボジイミド(57mg、0.28mmol)および4-ジメチルアミノピリジン(6mg、0.025mmol)をゆっくりと滴下により添加し、そしてさらに30分間撹拌したこと以外は、実施形態91の
操作工程を参照して、調製した。後処理:10mLの水をこの混合物に添加し、次いでこの混合物をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、次いで減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣を、高速液体クロマトグラフィーに通す分取分離および精製に供して、目標生成物であるN-(2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジルアミノ)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド096(10mg、白色固体)を得た。収率:8%。
MS m/z (ESI): 468[M+1]。
【0230】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.76 (s, 1H), 10.63 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.47 (t, J = 8.3Hz, 2H), 7.32 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 6.45 (s, 1H), 3.92 (s, 6H), 3.23 (m, 2H), 2.80 (s, 2H), 2.06 (s, 3H)。
【0231】
【0232】
工程1
3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサノン098b
シクロヘキサノン(4g、41mmol)、2-5ジメトキシフェニルボロン酸(8.5g、47mmol)、炭酸セシウム(13g、41mmol)、酢酸パラジウム(1g、4mmol)、トリフェニルホスフィン(2.2g、8mmol)、クロロホルム(0.5mL)およびトルエン(100mL)を混合し、窒素ガスの保護下で85℃まで温め、そして24時間撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)に通して精製して、3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサノン098b(4.5g、黄色液体)を得た。収率:45%。
MS m/z (ESI): 235 [M+1]。
【0233】
工程2
5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサノン098c
3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサノン(4.2g、18mmol)およびテトラヒドロフラン(100ml)を混合し、そして窒素ガスの保護下で-78℃まで冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(8.3mL、20mmol)をこれにゆっくりと滴下により添加し、そしてこの混合物を-40℃まで温め、そして2時間撹拌した
。O-ニトロベンゾイルクロリド(3.5g、18mmol)をこれにゆっくりと添加し、そしてこの混合物を室温まで昇温させ、そして3時間撹拌した。後処理:この混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)に通して精製して、5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサノン098c(3.6g、黄色固体)を得た。収率:40%。
MS m/z (ESI): 384 [M+1]。
【0234】
工程3
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール098d
5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサノン(3.6g、10mmol)、ヒドラジン水和物(5mL)、酢酸(5mL)およびエタノール(50mL)を混合し、65℃まで温め、そして3時間撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)に通して精製して、6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール098d(2g、黄色固体)を得た。収率:65%。
MS m/z (ESI): 380 [M+1]。
【0235】
工程4
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール098e
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(2g、5mmol)、N-クロロスクシンイミド(,12mmol)および酢酸(100mL)を混合し、80℃まで温め、そして2時間反応させた。後処理:ジクロロメタンおよび水を添加して層状にし、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そして得られたものを、石油エーテル/酢酸エチル(1:1)系を用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して、黄色固体の生成物である6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール098e(2.2g、5mmol、黄色固体)を得た。収率:90%。
MS m/z (ESI): 448 [M+1]。
【0236】
工程5
2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン098f
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール098e(400mg、1mmol)を10mLのDMFに入れた。亜鉛粉末(310mg、5mmol、5当量)、塩化アンモニウム(530mg、10mmol、10当量)および1mlの水をこれに添加し、そしてこの系を50℃で0.8時間反応させた。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、ジクロロメタンおよび水相を層状にし、そしてその有機相をスピン乾燥させて、固体の粗生成物である2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン098f(230mg、0.5mmol、白色固体)を得た。収率:65%。
MS m/z (ESI): 418 [M+1]。
【0237】
工程6
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,
7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド098
2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン098f(250mg、0.6mmol)を20mLのDCMに入れた。DIPEA(260mg、2mmol、3当量)およびHATU(300mg、0.8mmol、1.2当量)をこれに添加し、次いで2-ブチン酸(45mg、0.6mmol、1当量)をゆっくりと添加した。この混合物を0℃から室温まで上昇させ、そして1時間反応させた。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、ジクロロメタンおよび水相を添加して層状にし、有機相をロータリーエバポレートして溶媒を除去し、そして分取液相分離により、白色固体生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド098(80mg、0.16mmol、白色固体)を得た。収率:50%。
MS m/z (ESI): 484 [M+1]。
【0238】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.98 (s, 1H), 11.60 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.18 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 4.02 (s,
1H), 3.91 (m, 6H), 3.31 (m, 1H), 2.71 (m, 4H), 2.01 (m, 3H), 1.80
(s, 1H)。
【0239】
実施形態100
N-(2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジルアミノ)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド
【化23】
【0240】
工程1
3-(2-ニトロフェニル)-3-カルボニルプロピオニトリル100b
窒素ガスの保護下で、n-ブチルリチウム(69mL、164mmol)を、-78℃で、無水テトラヒドロフラン(200mL)中に混合した。アセトニトリル(6.7g、164mmol)をこの反応系にゆっくりと滴下により添加し、そしてこの系を-78℃で1時間反応させた。無水テトラヒドロフラン(100mL)に溶解させた2-ニトロ安息香酸メチル(15g、82mmol)をこの反応系にゆっくりと滴下により添加し、そ
してこの系を室温までゆっくりと温め、そして3時間撹拌した。後処理:飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)をこの混合物に添加してこの反応をクエンチし、そしてその有機相を減圧下で溶媒除去して、目標生成物である3-(2-ニトロフェニル)-3-カルボニルプロピオニトリル100b(10g、黄色固体)を得た。収率:59%。
MS m/z (ESI): 191[M+1]。
【0241】
工程2
5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-アミン100c
3-(2-ニトロフェニル)-3-カルボニルプロピオニトリル(10g、52mmol)、80%のヒドラジン水和物(3.15g、78mmol)、酢酸(10mL)およびエタノール(100mL)を混合し、60℃まで温め、そして3時間撹拌した。後処理:この混合物を室温まで冷却し、減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)に通して精製して、目標生成物である5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-アミン100c(8g、黄色固体)を得た。収率:79%。
MS m/z (ESI): 205[M+1]。
【0242】
工程3
N-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジル)-5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-アミン100d
5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-アミン(1g、4.9mmol)、2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒド(1.1g、4.9mmol)、酢酸(2mL)およびメタノール(10mL)を混合し、そして室温で3時間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(455mg、7.35mmol)を、撹拌しながらこれにゆっくりと添加し、そしてさらに30分間撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)に通して精製して、目標生成物であるN-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジル)-5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-アミン100d(1.8g、白色固体)を得た。収率:87%。
MS m/z (ESI): 423[M+1]。
【0243】
工程4
5-(2-アミノフェニル)-N-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾール-3-アミン100e
N-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジル)-5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-アミン(200mg、0.47mmol)、亜鉛粉末(30mg、4.7mmol)、塩化アンモニウム(249mg、4.7mmol)およびエタノール(5mL)を混合し、50℃まで温め、そして2時間撹拌した。後処理:この系を室温まで冷却し、濾過し、そして減圧下で溶媒除去して、目標生成物である5-(2-アミノフェニル)-N-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾール-3-アミン100e(150mg、白色固体)を得た。収率:80%。
MS m/z (ESI): 393[M+1]。
【0244】
工程5
N-(2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジルアミノ)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド100
化合物5-(2-アミノフェニル)-N-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾール-3-アミン(150mg、0.38mmol)、2-(7-酸化ベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(120mg、0.38mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルア
ミン(147mg、1.14mmol)およびジクロロメタン(5mL)を混合した。0℃で撹拌しながら、2-ブチン酸(40mg、0.40mmol)をこれにゆっくりと添加し、そしてさらに30分間撹拌した。後処理:10mLの水をこの混合物に添加し、次いでこの混合物をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、次いで減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣を、高速液体クロマトグラフィーに通す分取分離および精製に供して、目標生成物であるN-(2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジルアミノ)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド100(15mg、白色固体)を得た。収率:9%。
MS m/z (ESI): 459[M+1]。
【0245】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.21 (d, J = 41.7Hz, 1H), 8.79 (m, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.66 (m, 1H), 7.23 (dd, J = 33.2, 25.1Hz, 1H), 6.94 (s, 1H), 6.56 (s, 1H), 6.00 (d, J = 35.9Hz, 2H), 4.49 (d, J = 5.5Hz, 2H), 3.94 (s ,6H), 2.06 (s, 3H)。
【0246】
実施形態101
N-(2-(3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド
【化24】
【0247】
工程1
(2-ニトロフェニル)-2,4-ジカルボニル酪酸エチル
化合物1-(2-ニトロフェニル)エタン-1-オン101a(16.80g、101.82mmol、1当量)およびシュウ酸ジエチル(29.73g、203.64mmol、2当量)を、無水テトラヒドロフラン(85mL)に溶解させた。その温度を0℃で制御しながら、作製したばかりのナトリウムエトキシド(13.85g、203.64mmol、2当量)を少しずつ添加し、そして反応を0℃で2時間実施した。後処理:この反応を、50mLの水を添加してクエンチし、そして酢酸エチルで抽出し、そしてその有機相を減圧下で溶媒除去して、目標生成物である4-(2-ニトロフェニル)-2,4-ジカルボニル酪酸エチル101b(21.05g、褐色液体)を得た。収率:78%。
MS m/z (ESI): 265[M+1]。
【0248】
工程2
(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチル
化合物4-(2-ニトロフェニル)-2,4-ジカルボニル酪酸エチル101b(21
.05g、79.4mmol、1当量)およびヒドラジン水和物(7.94g、158.8mmol、2当量)をエタノール/酢酸10:1(165mL)に溶解させ、そして還流下で2時間反応させた。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)に通して精製して、目標生成物である5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチル101c(16.7g、黄色固体)を得た。収率:81%。
MS m/z (ESI): 261[M+1]。
【0249】
工程3
(5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)メタノール
化合物5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸エチル(7.48g、28.66mmol、1当量)を無水テトラヒドロフラン(120mL)に溶解させた。その温度を0℃で制御しながら、水素化アルミニウムリチウム(1.31g、34.39mmol、1.2当量)を少しずつ添加し、そして反応を室温で2時間実施した。後処理:その温度を0℃で制御しながら、1.3mLの水および1.3mLの水酸化ナトリウム溶液(15%)を順番に添加した。徹底的に撹拌した後に、その固体を濾別し、そしてその濾液からの減圧下での溶媒除去から得られた残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)に通して精製して、目標生成物である(5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)メタノールを得た。101d(4.52g、黄色固体)。収率:72%。
MS m/z (ESI): 219[M+1]。
【0250】
工程4
3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール
化合物(5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル)メタノール101d(307mg、1.4mmol、1当量)、1,5-ジクロロ-2,4-ジメトキシフェノール8b(312mg、1.4mmol、1当量)およびトリフェニルホスフィン(440mg、1.68mmol、1.2当量)を30mLの無水テトラヒドロフランに溶解させ、そして0℃まで冷却した。アゾジギ酸ジエチル(292mg、1.68mmol、1.2当量)をこれに滴下により添加し、そしてこの混合物を室温まで昇温させ、そして2時間撹拌した。100mLの飽和塩化ナトリウムを添加し、そして層状にした。その水相を100mLの酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ、そして減圧下で溶媒除去した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)に通して精製して、目標生成物である3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール101e(550mg、白色固体)を得た。収率:93%。
MS m/z (ESI): 424[M+1]。
【0251】
工程5
2-(3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)アニリン
化合物3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-5-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール101e(515mg、1.21mmol、1当量)をエタノール(25mL)に溶解させた。水(2.5mL)、亜鉛粉末(395mg、6.07mmol、5当量)および塩化アンモニウム(262mg、4.86mmol、4当量)をこれに添加し、そして反応を50℃で2時間実施した。後処理:その固体を濾別し、スピン乾燥させて濾液を除去し、酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、そしてスピン乾燥させて、目的生成物である2-(3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)アニリン101f(239mg
、黄色固体)を得た。収率:50%。
MS m/z (ESI): 394[M+1]。
【0252】
工程6
N-(2-(3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド
化合物2-(3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)アニリン101f(120mg、0.31mmol、1当量)、ブチン酸(26mg、0.31mmol、1当量)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(118mg、0.92mmol、3当量)をジクロロメタン(20mL)に溶解させた。2-(7-酸化ベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(139mg、0.37mmol、1.2当量)をそれに添加し、そして反応を室温で2時間実施した。後処理:この混合物を、水を添加して希釈し、次いで酢酸エチルで抽出し、その有機相をスピン乾燥させ、そして分取液相分離および凍結乾燥により、目標生成物であるN-(2-(3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド101(2.6mg、明黄色固体)を得た。収率:1.9%。
MS m/z (ESI): 460[M+1]。
【0253】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 13.73 (s, 1H), 11.80 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.80 (d, J = 7.9Hz, 1H), 7.33 (t, J = 7.8Hz, 1H), 7.21 (d, J =
7.5Hz, 1H), 6.96 (s, 1H), 6.80 (s, 1H), 5.08 (s, 2H), 3.93 (s, 6H), 2.07 (s, 3H)。
【0254】
実施形態102
N-(2-(5-(((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)アミノ)メチル)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド
【化25】
102aを、実施例101dを参照して合成した。
【0255】
工程1
2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-N-((3-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)アニリン102b
化合物(3-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-イル)メタノール102a(100mg、0.46mmol、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(119mg、0.92mmol、2当量)を無水ジクロロメタン(15mL)中に添加した。窒素ガスの保護下で、メチルスルホニルクロリド(58mg、0.50mmol、1.1当量)を0℃で滴下により添加し、そしてこの混合物を室温まで昇温させ、そして30分間反応させた。ジクロロメタンを減圧下でスピンにより除去し、炭酸カリウム(58mg、0.50mmol、1.1当量)、2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシアニリン(58mg、0.50mmol、1.1当量)および5mLのDMFを添加し、そしてこの混合物を80℃まで加熱し、そして2時間反応させた。後処理:この混合物を、15mLの水を添加して希釈し、そして酢酸エチルで抽出し、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣を、石油エーテル/酢酸エチル(1:2)系を用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して、黄色固体の生成物である2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-N-((3-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)アニリン102b(51mg、黄色固体)を得た。収率:26%。
MS m/z (ESI): 423[M+1]。
【0256】
工程2
N-((3-(2-アミノフェニル)-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)-2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシアニリン102c
化合物2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-N-((3-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)アニリン102b(520mg、1.2mmol、1当量)をエタノール(10mL)に溶解させた。亜鉛粉末(390mg、6.0mmol、5当量)および塩化アンモニウム(690mg、6.0mmol、5当量)をこれに添加し、そして反応を50℃で3時間実施した。後処理:この混合物をスピン乾燥させて溶媒を除去し、酢酸エチルで希釈し、そして水で洗浄し、その有機相をスピン乾燥させて、目標生成物であるN-((3-(2-アミノフェニル)-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)-2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシアニリン102c(390mg、黄色固体)を得た。収率:81%。
MS m/z (ESI): 393[M+1]。
【0257】
工程4
N-(2-(5-(((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)アミノ)メチル)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド102
化合物N-((3-(2-アミノフェニル)-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)-2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシアニリン102c(80mg、0.2mmol、1当量)、ブチン酸(19mg、0.2mmol、1当量)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(52mg、0.4mmol、1当量)をDMF(6mL)中に溶解させた。2-(7-酸化ベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(114mg、0.3mmol、1.5当量)をそれに添加し、そして反応を室温で3時間実施した。後処理:この混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出し、その有機相をスピン乾燥させ、そして分取液相分離および凍結乾燥により、目標生成物であるN-(2-(5-(((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)アミノ)メチル)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド102(2mg、白色固体)を得た。収率:7%。
MS m/z (ESI): 459[M+1]。
【0258】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.86 (s, 1H), 8.27 (dd, J = 51.5, 7.8Hz,
1H), 7.87-7.62 (m, 2H), 7.28 (dd, J = 13.9, 8.2Hz, 2H), 7.20-7.12
(m, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.65 (s, 1H), 6.50 (s, 1H), 4.78-4.59 (m, 2H), 3.86(s, 6H), 2.07 (d, J=6.5Hz, 3H)。
【0259】
【0260】
工程1
3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサノン103bを、実施例098bを参照して合成した。
MS m/z (ESI): 235 [M+1]。
【0261】
工程2
5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(4-ニトロ-1H-ピラゾール-3-カルボニル)シクロヘキサノン103c
3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサノン103b(1.2g、5mmol)を100mlのテトラヒドロフランに入れ、そして窒素ガスで保護した。LDA(6mmol)を-78℃で添加し、そしてこの混合物を-40℃まで温め、そして2時間維持した。1-H-4-ニトロ-3-ベンゾイルクロロピラゾール(900mg、5mmol)をこれに添加した。この混合物を室温まで昇温させ、そして3時間反応させた。後処理:この混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)に通して精製して、5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(4-ニトロ-1H-ピラゾール-3-カルボニル)シクロヘキサノン103c(630mg、2mmol、黄色固体)を得た。収率:40%。
MS m/z (ESI): 374 [M+1]。
【0262】
工程3
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(4-ニトロ-1H-ピラゾール-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール103d
5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(4-ニトロ-1H-ピラゾール-3-カルボニル)シクロヘキサノン103c(630mg、1.7mmol)、ヒドラジン水和
物(5mL)、酢酸(5mL)およびエタノール(50mL)を混合し、65℃まで温め、そして3時間撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)に通して精製して、黄色固体生成物である6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(4-ニトロ-1H-ピラゾール-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール103d(580mg、1.2mmol、黄色固体)を得た。収率:40%。
MS m/z (ESI): 370 [M+1]。
【0263】
工程4
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(4-ニトロ-1H-ピラゾール-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール103e
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(4-ニトロ-1H-ピラゾール-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール103d(295mg、0.8mmol)および20mlの酢酸を混合した。NCS(220mg、1.8mmol)をそれに添加し、そして反応を80℃で2時間実施した。後処理:ジクロロメタンおよび水を添加して層状にし、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そして得られたものを、石油エーテル/酢酸エチル(1:1)系を用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して、黄色固体の生成物である6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(4-ニトロ-1H-ピラゾール-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール103e(120mg、0.3mmol、黄色固体)を得た。収率:90%。
MS m/z (ESI): 438 [M+1]。
【0264】
工程5
3-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-4-アミン103f
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(4-ニトロ-1H-ピラゾール-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール103e(120mg、0.3mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)を混合した。亜鉛粉末(100mg、1.5mmol)、塩化アンモニウム(160mg、3mmol)、および1mlの水をこれに添加し、そして反応を50℃で0.8時間実施した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、ジクロロメタンおよび水相を添加して層状にし、そしてその有機相を減圧下で溶媒除去して、固体の粗生成物である3-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-4-アミン103f(90mg、0.22mmol、明黄色固体)を得た。収率:60%。
MS m/z (ESI): 408 [M+1]。
【0265】
工程6
N-(3-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)アクリルアミド103
3-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-4-アミン103f(90mg、0.3mmol)およびジクロロメタン(20mL)を混合し、そしてジイソプロピルエチルアミン(129mg、1mmol)をこれに添加した。この混合物を-40℃まで冷却した後に、塩化アクリロイル(30mg、0.3mmol)をこれにゆっくりと添加し、反応を1時間行った。後処理:ジクロロメタンおよび水相を添加して層状にし、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そして分取液相分離により、白色固体生成物であるN-(3-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6
,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)アクリルアミド103(40mg、0.1mmol、白色固体)を得た。30% 収率:60%。
MS m/z (ESI): 462 [M+1]。
【0266】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 9.95 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 6.89 (s, 1H),
6.44 (m, 1H), 6.22 (d, J = 16.9Hz, 1H), 5.76 (d, J = 10.4Hz, 1H), 3.93 (s, 6H), 3.43 (m, 2H), 3.01 (d, J = 12.7Hz, 1H), 2.69 (m, 3H), 1.82 (d, J = 8.6Hz, 1H)。
【0267】
実施例107
N-(3-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アクリルアミド
【化27】
【0268】
実施例107を、工程2において、1-H-4-ニトロ-3-ベンゾイルクロロピラゾールを1-メチル-4-ニトロ-3-ベンゾイルクロロピラゾールで置き換えたこと以外は実施例103を参照して合成した。
MS m/z (ESI): 476 [M+1]。
【0269】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.70 (s, 1H), 10.00 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.48-6.36 (m, 1H), 6.22 (d, J = 16.6Hz, 1H), 5.77 (d, J = 10.7Hz, 1H), 3.97 (d, J = 7.9Hz, 1H), 3.93 (s, 6H), 3.86 (s, 3H), 3.47-3.37 (m, 1H), 3.04 (s, 1H), 2.78-2.56 (m, 3H), 1.81 (s, 1H)。
【0270】
実施例109
N-(2-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド
【化28】
【0271】
実施例109を、工程4において、塩化アクリロイルを2-ブチン酸で置き換え、098f(200mg、0.5mmol)および20mLのジクロロメタンを混合し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(190mg、1.5mmol)およびHATU(260mg、0.7mmol)をこれに添加し、次いで2-ブチン酸(40mg、0.5mmol)をこれにゆっくりと添加し、そしてこの混合物を0℃から室温まで上昇させ、そして1時間反応させたこと以外は、実施例093を参照して合成した。後処理:ジクロロメタンおよび水相を添加して層状にし、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そして分取液相分離により、白色固体生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)ブタ-2-インアミド109(60mg、0.13mmol、白色固体)を得た。
MS m/z (ESI): 452 [M+1]。
【0272】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.99 (s, 1H), 11.59 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.20 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 4.01 (s,
1H), 3.90 (m, 6H), 3.30 (m, 1H), 2.69 (m, 4H), 1.99 (m, 3H), 1.79
(s, 1H)。
【0273】
実施形態111
N-(2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジルアミノ)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド
【化29】
【0274】
実施形態111を、工程5において、5-(2-アミノフェニル)-N-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾール-3-アミン(150mg、0.38mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(147mg、1.14mmol)およびジクロロメタン(5mL)を混合し、そして0℃で撹拌しながら、塩化アクリロイル(36mg、0.40mmol)をゆっくりと滴下により添加し、そしてさらに30分間撹拌したこと以外は、実施形態100の操作工程を参照して、合成した。後処理:10mLの水をこの混合物に添加し、次いでこの混合物をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、次いで減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣を、高速液体クロマトグラフィーに通す分取分離および精製に供して、目標生成物であるN-(2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジルアミノ)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド111(10mg、白色固体)を得た。収率:6%。
MS m/z (ESI): 447[M+1]。
【0275】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.23 (s, 1H), 11.98 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.66 (d, J = 7.6Hz, 1H), 7.28 (t, J = 7.7Hz, 1H), 7.14 (t, J =
7.3Hz, 1H), 6.94 (s, 1H), 6.33 (d, J = 8.0Hz, 2H), 5.98 (s, 1H),
5.83 (m, 1H), 4.50 (d, J = 5.6Hz, 2H), 3.94 (s, 6H)。
【0276】
実施形態112
N-(2-(3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル)アクリルアミド
【化30】
【0277】
実施例112を、工程6において、ブチン酸を塩化アクリロイルで置き換えたこと以外は実施例101の工程を参照して合成して、N-(2-(3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル)アクリルアミド112を合成することにより調製した。
【0278】
工程6
N-(2-(3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル)アクリルアミド
化合物2-(3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)アニリン101f(100mg、0.25mmol、1当量)を15mLのジクロロメタンに溶解させ、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(98mg、0.76mmol、3当量)をこれに添加した。この混合物を-40℃まで冷却し、そして塩化アクリロイル(16mg、0.18mmol、0.7当量)を滴下により添加し、そして30分間撹拌した。後処理:この混合物を水-酢酸エチル系で抽出し、そして溶媒除去を減圧下で行って、目標生成物であるN-(2-(3-((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェノキシ)メチル)-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル)アクリルアミド粗生成物を得、これを調製により得ることができた(1.5mg、黄色固体)。収率:1.3%。
MS m/z (ESI): 448 [M+1]。
【0279】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 13.57 (s, 1H), 11.76 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 7.82 (d, J = 7.9Hz, 1H), 7.33 (t, J = 7.8Hz, 1H), 7.17 (d, J =
7.5Hz, 1H), 6.96 (s, 1H), 6.79 (s, 1H), 6.32 (s, 2H), 5.86 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 3.89 (d, J = 26.7Hz, 6H)。
【0280】
実施形態113
N-(2-(5-(((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)アミノ)メチル)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド
【化31】
113aを、実施例102を参照して合成した。
【0281】
化合物N-((3-(2-アミノフェニル)-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)-2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシアニリン113a(100mg、0.26 25mmol、1当量)をジクロロメタン(10mL)に溶解させた。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(67mg、0.52mmol、2当量)をそれに添加し、そしてこの混合物を-40℃まで冷却した。塩化アクリロイル(23mg、0.26mmol、1当量)のジクロロメタン中の溶液を滴下により添加し、そして30分間撹拌した。後処理:この混合物を減圧下で溶媒除去し、そして分取液相分離および凍結乾燥に共して、目的生成物であるN-(2-(5-(((2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)アミノ)メチル)-1H-ピラゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド113(12mg、白色固体)を得た。収率:10%。
MS m/z (ESI): 447 [M+1]。
【0282】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 13.15 (s, 1H), 11.86 (s, 1H), 8.54 (d, J = 7.3Hz, 1H), 7.69 (d, J = 7.5Hz, 1H), 7.30 (t, J = 7.5Hz, 1H), 7.15 (d, J = 7.0Hz, 1H), 6.66 (s, 1H), 6.50 (s, 1H), 6.32 (d, J =
9.6Hz, 2H), 5.85 (d, J = 7.1Hz, 1H), 5.25 (s, 1H), 4.60 (d, J =
6.9Hz, 2H), 3.86 (s, 6H)。
【0283】
【0284】
N-(2-(6-(2-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド114を、実施例093においてと同様に合成した。
MS m/z (ESI): 422 [M+1]。
【0285】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.98 (s, 1H), 11.59 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 7.58 (d, J = 7.4Hz, 1H), 7.33 (t, J = 7.6Hz, 1H), 7.19 (t, J =
7.5Hz, 1H), 6.63 (dd, J = 6.9, 2.8Hz, 1H), 6.55-6.45 (m, 1H), 6.38-6.19 (m, 2H), 5.82 (d, J = 11.4Hz, 1H), 3.79 (d, J = 35.1Hz, 6H),
3.28 (s, 1H), 2.96-2.74 (m, 4H), 1.97 (s, 2H)。
【0286】
実施形態117
N-(3-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)フェニル)アクリルアミド
【化33】
【0287】
117aを、実施形態091eを参照して合成した。
【0288】
工程1
3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン117b
5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-アミン(100mg、0.31mmol)、o-フルオロニトロベンゼン(53mg、0.37mmol)、およびN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)を混合し、そして窒素ガスの保護下で、この混合物を120℃まで温め、そして3時間撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)に通して精製して、3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン117b(50mg、黄色固体)を得た。収率:36%。
MS m/z (ESI): 436[M+1]。
【0289】
工程2
N1-(3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンゼン-1,2-ジアミン117c
3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-N-(2-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-5-アミン(300mg、0.68mmol)、亜鉛粉末(447mg、6.8mmol)、塩化アンモニウム(360mg、6.8mmol)およびエタノール(5mL)を混合し、50℃まで温め、そして2時間撹拌した。後処理:この系を室温まで冷却し、濾過し、そして減圧下で溶媒除去して、目標生成物であるN1-(3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンゼン-1,2-ジアミン117c(240mg、白色固体)を得た。収率:86%。
MS m/z (ESI): 406[M+1]。
【0290】
工程3
N-(2-(3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-5-イルアミノ)フェニル)アクリルアミド
N1-(3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンゼン-1,2-ジアミン(100mg、0.24mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(92mg、0.72mmol)およびジクロロメタン(5mL)を混合し、そして0℃で撹拌しながら、塩化アクリロイル(26mg、0.29mmol)をゆっくりと滴下により添加し、そしてさらに30分間撹拌した。後処理:10mLの水をこの混合物に添加し、次いでこの混合物をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、次いで減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣を、高速液体クロマトグラフィーに通す分取分離および精製に供して、目標生成物であるN-(2-(3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-5-イルアミノ)フェニル)アクリルアミド(15mg、白色固体)を得た。収率:13%。
MS m/z (ESI): 460[M+1]。
【0291】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.93 (s, 1H), 9.63 (s, 1H), 7.58 (s, 1H),
7.37 (d, J = 12.9Hz, 2H), 7.07 (t, J = 7.8Hz, 1H), 6.85 (s, 1H),
6.79 (t, J = 7.4Hz, 1H), 6.51 (dd, J = 16.8, 10.4Hz, 1H), 6.25 (d, J = 17.1Hz, 1H), 5.74 (m, 2H),3.92 (s, 6H), 3.18 (m, 2H), 2.73 (m, 2H)。
【0292】
実施形態120
N-(3-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)フェニル)ブタ-2-インアミド
【化34】
【0293】
実施形態120を、工程3において、N1-(3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-5-イル)ベンゼン-1,2-ジアミン(100mg、0.24mmol)、2-(7-酸化ベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(137mg、0.36mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(87mg、0.72mmol)およびジクロロメタン(5mL)を混合し、そして0℃で撹拌しながら、2-ブチン酸(29mg、1.2mmol)をこれにゆっくりと添加し、そしてさらに30分間撹拌したこと以外は、実施形態117の操作工程を参照して、合成した。後処理:10mLの水をこの混合物に添加し、次いでこの混合物をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、次いで減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣を、高速液体クロマトグラフィーに通す分取分離および精製に供して、目標生成物であるN-(3-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェネチル)-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)フェニル)ブタ-2-インアミド120(15mg、白色固体)を得た。収率:12%。
MS m/z (ESI): 472[M+1]。
【0294】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.91 (s, 1H), 9.95 (s, 1H), 7.59 (d, J =
20.7Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.28 (d, J = 7.6Hz, 1H), 7.08 (t, J =
7.6Hz, 1H), 6.84 (d, J = 6.5Hz, 1H), 6.77 (t, J = 7.5Hz, 1H), 5.72 (s, 1H), 3.92 (s, 6H), 3.18 (m, 2H), 2.73 (m, 2H), 2.05 (s, 3H)。
【0295】
実施形態122
N-((1R,2R)-2-(5-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジルアミノ)-1H-ピラゾール-3-イル)シクロヘキシル)アクリルアミド
【化35】
【0296】
工程1
(1R,2R)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルカルボン酸メチル122b
(1R,2R)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルカルボン酸(1g、3.6mmol)、塩化チオニル(2mL)、およびメタノール(10mL)を混合し、そして室温で一晩撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行って、(1R,2R)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルカルボン酸メチル122b(1.1g、白色固体)を得た。収率:95%。
MS m/z (ESI): 292[M+1]。
【0297】
工程2
(1R,2R)-2-(2-シアノアセチル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル122c
窒素ガスの保護下で、n-ブチルリチウム(3.08mL、7.4mmol)を、-78℃で、無水テトラヒドロフラン(20mL)中に混合し、アセトニトリル(303mg、7.4mmol)をこの反応系にゆっくりと滴下により添加し、そして反応を-78℃で1時間実施した。無水テトラヒドロフラン(5mL)に溶解させた(1R,2R)-2-(ベンジルオキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルカルボン酸メチル(1.1g、3.7mmol)をこの反応系にゆっくりと滴下により添加し、そしてこの系を室温までゆっくりと温め、そして3時間撹拌した。後処理:飽和塩化アンモニウム水溶液(200mL)をこの混合物に添加してこの反応をクエンチし、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)に通して精製して、目標生成物である(1R,2R)-2-(2-シアノアセチル
)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル122c(580mg、白色固体)を得た。収率:51%。
MS m/z (ESI): 301[M+1]。
【0298】
工程3
(1R,2R)-2-(3-アミノ-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル122d
(1R,2R)-2-(2-シアノアセチル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル(580mg、1.93mmol)、80%のヒドラジン水和物(2mL)、酢酸(2mL)およびエタノール(20mL)を混合し、60℃まで温め、そして3時間撹拌した。後処理:この混合物を室温まで冷却し、そして減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)に通して精製して、目標生成物である(1R,2R)-2-(3-アミノ-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル122d(320mg、黄色固体)を得た。収率:60%。
MS m/z (ESI): 315[M+1]。
【0299】
工程4
(1R,2R)-2-(3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミノ)-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル122e
(1R,2R)-2-(3-アミノ-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル(320mg、1.01mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(49mg、0.4mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(390mg、3.03mmol)およびジクロロメタン(5mL)を混合し、そして0℃で撹拌しながら、無水トリフルオロ酢酸(428mg、2.02mmol)をこれにゆっくりと添加した。この混合物を室温まで昇温させ、そして3時間撹拌した。後処理:10mLの水をこの混合物に添加し、次いでこの混合物をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、そして有機相を合わせ、次いで減圧下で溶媒除去して、目標生成物である(1R,2R)-2-(3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミノ)-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル122e(300mg、白色固体)を得た。収率:69%。
MS m/z (ESI): 411[M+1]。
【0300】
工程5
N-(5-((1R,2R)-2-アミノシクロヘキシル)-1H-ピラゾール-3-イル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド122f
水素雰囲気下で、(1R,2R)-2-(3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミノ)-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル(300mg、0.73mmol)、パラジウム炭素触媒(100mg)、およびメタノール(10mL)を混合し、そして室温で3時間撹拌した。後処理:この混合物を濾過し、そして減圧下で溶媒除去して、目標生成物であるN-(5-((1R,2R)-2-アミノシクロヘキシル)-1H-ピラゾール-3-イル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド122f(110mg、白色固体)を得た。収率:95%。
MS m/z (ESI): 277[M+1]。
【0301】
工程6
(1R,2R)-2-(3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミノ)-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル122g
N-(5-((1R,2R)-2-アミノシクロヘキシル)-1H-ピラゾール-3-イル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド(110mg、0.39mmol)、N
,N-トリフルオロアセトアミド(150mg、1.17mmol)およびテトラヒドロフラン(3mL)を混合し、そしてジ炭酸ジ-t-ブチル(102mg、20.47mmol)を、室温で撹拌しながら、ゆっくりと滴下により添加し、そしてさらに3時間撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに通して精製して、(1R,2R)-2-(3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミノ)-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル122g(90mg、白色固体)を得た。収率:61%。
MS m/z (ESI): 377[M+1]。
【0302】
工程7
(1R,2R)-2-(3-アミノ-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル122h
(1R,2R)-2-(3-(2,2,2-トリフルオロアセトアミノ)-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル(90mg、0.23mmol)、水酸化カリウム(26mg、0.46mmol)およびメタノール(3mL)を混合し、50℃まで温め、そして3時間撹拌した。後処理:この混合物を濾過し、そして減圧下で溶媒除去して、(1R,2R)-2-(3-アミノ-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル122h(60mg、白色固体)を得た。収率:89%。
MS m/z (ESI): 281[M+1]。
【0303】
工程8
(1R,2R)-2-(3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジルアミノ)-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル122i
(1R,2R)-2-(3-アミノ-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル(100mg、0.35mmol)、2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンズアルデヒド(99mg、0.42mmol)、酢酸(0.5mL)およびメタノール(3mL)を混合し、そして室温で3時間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(32mg、0.52mmol)を、撹拌しながらこれにゆっくりと添加し、そしてさらに30分間撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)に通して精製して、(1R,2R)-2-(3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジルアミノ)-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル122i(80mg、白色固体)を得た。収率:67%。
MS m/z (ESI): 499[M+1]。
【0304】
工程9
5-((1R,2R)-2-アミノシクロヘキシル)-N-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾール-3-アミン122j
(1R,2R)-2-(3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジルアミノ)-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシルカルバミン酸ベンジル(150mg、0.30mmol)および4Mのジオキサン塩酸塩(3mL)を混合し、そして室温で3時間撹拌した。後処理:この混合物を減圧下で溶媒除去して、5-((1R,2R)-2-アミノシクロヘキシル)-N-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾール-3-アミン122j(100mg、白色固体)を得た。収率:84%。
MS m/z (ESI): 399[M+1]。
【0305】
工程10
N-((1R,2R)-2-(3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジル
アミノ)-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシル)アクリルアミド122
5-((1R,2R)-2-アミノシクロヘキシル)-N-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジル)-1H-ピラゾール-3-アミン(100mg、0.25mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(96mg、0.75mmol)およびジクロロメタン(5mL)を混合し、0℃で撹拌しながら、塩化アクリロイル(27mg、0.30mmol)をゆっくりと滴下により添加し、そしてさらに30分間撹拌した。後処理:10mLの水をこの混合物に添加し、次いでこの混合物をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、次いで減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣を、高速液体クロマトグラフィーに通す分取分離および精製に供して、目標生成物であるN-((1R,2R)-2-(3-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシベンジルアミノ)-1H-ピラゾール-5-イル)シクロヘキシル)アクリルアミド122(15mg、白色固体)を得た。収率:13%。
MS m/z (ESI): 453[M+1]。
【0306】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.13 (s, 1H), 7.88 (d, J = 8.6Hz, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.04 (m, 2H), 5.50 (dd, J = 9.9, 2.4Hz, 1H), 5.29 (s,
1H), 4.91 (s, 1H), 4.36 (d, J = 5.8Hz, 2H), 3.91(s, 6H), 3.77 (m,
1H), 1.88 (d, J = 10.2Hz, 2H), 1.68 (d, J = 11.6Hz, 2H), 1.34 (m, 4H), 1.18 (s, 1H)。
【0307】
実施形態133
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド
【化36】
【0308】
工程1
4-フルオロ-2-ニトロベンゾイルクロリド133b
化合物4-フルオロ-2-ニトロ安息香酸133a(5g、27.0mmol、1当量)を塩化チオニル(60mL)中に添加し、そして1mLのDMFを触媒として、これに滴下により添加した。この混合物を還流下で3時間反応させた。後処理:この系を減圧下で溶媒除去し、そしてスピン乾燥させて、目的生成物である4-フルオロ-2-ニトロベンゾイルクロリド133b(5.1g、明黄色固体)を得た。収率:93%。
【0309】
工程2
5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(4-フルオロ-2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサン-1-オン133c
リチウムジイソプロピルアミド(1.3mL、2.5mmol、1.1当量)を、-78℃で、化合物3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン10a(540mg、2.3mmol、1当量)の無水テトラヒドロフラン(10mL)中の溶液にゆっくりと滴下により添加し、そして-30℃~-40℃で2時間撹拌した。次いで、4-フルオロ-2-ニトロベンゾイルクロリド133b(515mg、2.5mmol、1.1当量)をこの反応溶液に滴下により添加し、そしてこの溶液を室温まで昇温させ、そして2時間撹拌した。後処理:10mLの塩化アンモニウム水溶液を添加してこの反応をクエンチし、その有機相を層状にし、そして減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)に通して精製して、目標生成物であるエチル5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(4-フルオロ-2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサン-1-オン133c(470mg、黄色液体)を得た。収率:51%。
MS m/z (ESI): 402 [M+1]。
【0310】
工程3
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール133d
化合物5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(4-フルオロ-2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサン-1-オン133c(460mg、1.15mmol、1当量)、およびヒドラジン水和物(143mg、2.3mmol、2当量)をエタノール/酢酸 10:1(11mL)中に溶解させ、そして65℃で3時間反応させた。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)に通して精製して、目標生成物である6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール133d(240mg、黄色固体)を得た。収率:53%。
MS m/z (ESI): 398 [M+1]。
【0311】
工程4
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール113e
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール133d(1g、2.5mmol、1当量)を5mlの酢酸に添加し、NCS(1g、7.5mmol、3当量)をそれに添加し、そして反応を65℃で3時間実施した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣を、石油エーテル/酢酸エチル(2:1)系を用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して、黄色固体の生成物である6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール113e(1g、黄色固体)を得た。収率:86%。
MS m/z (ESI): 466 [M+1]。
【0312】
工程5
N1-(4-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-3-ニトロフェニル)-N1,N2,N2-トリメチルエタン-1,2-ジアミン113f
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール113e(1.3g、2.8mmol、20 1当量)を10mlのジメチルスルホキシドに添加した。N1,N1,N2-トリメチルエタン-1,2-ジアミン(1.4g、14.0mmol、5当量)をそれに添加し、そして反応を150℃で3時間実施した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣を、ジクロロメタン/メタノール(8:1)系を用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して、黄色固体の生成物であるN1-(4-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-3-ニトロフェニル)-N1,N2,N2-トリメチルエタン-1,2-ジアミン113f(387mg、黄色固体)を得た。収率:25%。
MS m/z (ESI): 548[M+1]。
【0313】
工程6
4-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-N1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N1-メチルベンゼン-1,3-ジアミン113g
化合物N1-(4-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-3-ニトロフェニル)-N1,N2,N2-トリメチルエタン-1,2-ジアミン113f(380mg、0.69mmol、1当量)をエタノール(15mL)に溶解させた。亜鉛粉末(226mg、3.47mmol、5当量)および塩化アンモニウム(184mg、3.47mmol、5当量)をこれに添加し、そして反応を50℃で3時間実施した。後処理:この混合物をスピン乾燥させて溶媒を除去し、酢酸エチルで希釈し、そして水で洗浄し、そしてその有機相をスピン乾燥させて、目標生成物である4-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-N1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N1-メチルベンゼン-1,3-ジアミン113g(180mg、黄色固体)を得た。収率:50%。
MS m/z (ESI): 518[M+1]。
【0314】
工程7
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド113
化合物4-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-N1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N1-メチルベンゼン-1,3-ジアミン113g(180mg、0.35mmol、1当量)を15mLのジクロロメタンに溶解させた。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(90mg、0.70mmol、2当量)をこれに添加した。この混合物を-40℃まで冷却した。塩化アクリロイル(31mg、0.35mmol、1当量)のジクロロメタン中の溶液を滴下により添加し、そして30分間撹拌した。後処理:この混合物を減圧下で溶媒除去し、そして分取液相分離および凍結乾燥に共して、目的生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド113(11mg、白色固体)を得た。収率:5.5%。
MS m/z (ESI): 572[M+1]。
【0315】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.84 (s, 1H), 10.87 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.71 (dd, J = 9.1, 2.4Hz, 1H), 6.32
(dd, J = 16.9, 10.0Hz, 1H), 6.18 (d, J = 16.7Hz, 1H), 5.72 (d, J
= 10.9Hz, 1H), 4.08-3.98 (m, 1H), 3.93 (d, J = 3.6Hz, 6H), 3.57-3.35 (m, 4H), 2.93 (s, 3H), 2.70 (ddd, J = 20.1, 14.1, 6.4Hz ,4H), 2.28 (s, 6H), 1.80 (d, J = 10.2Hz, 1H)。
【0316】
P1およびP2を、キラルカラム分割により得た。キラル分離の条件:デバイス:SFC、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AD、移動相:CO2-IPA(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化37】
【0317】
実施例137
【化38】
工程1
3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサノン137bを、実施例098bを参照して合成した。
【0318】
工程2
5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(5-フルオロ-2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサノン103c
3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサノン103b(4g、15mmol)および100mLのテトラヒドロフランを混合し、そして窒素ガスで保護した。リチウムジイソプロピルアミド(9mL、18mmol)を-78℃で添加し、そしてこの混合物を-40℃まで温め、そして2時間維持した。2-ニトロ-5-フルオロ-ベンゾイルクロリド(3.5g、15mmol)をこれに添加した。この混合物を室温まで昇温させ、そして3時間反応させた。後処理:この混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、ジクロロメタンおよび水相を添加して層状にし、その有機相を減圧下で溶媒除去し、次いで石油エーテル/酢酸エチル(3:1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して精製して、生成物である5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(5-フルオロ-2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサノン137c(5g、10mmol、黄色固体)を得た。収率:40%。
MS m/z (ESI): 402 [M+1]。
【0319】
工程3
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール137d
5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(5-フルオロ-2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサノン137c(4g、10mmol)、ヒドラジン水和物(2g、25mmol)および100mlの酢酸/エタノール(1:10)を混合し、そして65℃で3時間撹拌した。後処理:ジクロロメタンおよび水相を添加して層状にし、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そして石油エーテル/酢酸エチル(2:1)系を用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して、黄色固体の生成物である137d(3.1g、7mmol、黄色固体)を得た。収率:70%。
MS m/z (ESI): 398 [M+1]。
【0320】
工程4
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール137e
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール137d(1g、2.5mmol)および50mLの酢酸を混合した。N-クロロスクシンイミド(1g、7.5mmol)をそれに添加し、そして反応を80℃で2時間実施した。後処理:ジクロロメタンおよび水相を添加して層状にし、その有機相を減圧下で溶媒除去し、次いで石油エーテル/酢酸エチル(1:1)系を用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して、黄色固体の生成物である6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール137e(1.1g、2.3mmol、黄色固体)を得た。収率:85%。
MS m/z (ESI): 466 [M+1]。
【0321】
工程5
N1-(3-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-ニトロフェニル)-N1,N2,N2-トリメチルエタン-1,2-ジアミン137f
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール137e(1.1g、2.3mmol)、N-N’ジメチル-N-メチルエチレンジアミン(1.2g、12mmol)および5mLのジメチルスルホキシドを密封管内で混合し、そして110℃で1時間反応させた。後処理:溶媒除去を減圧下で行って、固体の粗生成物であるN1-(3-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-ニトロフェニル)-N1,N2,N2-トリメチルエタン-1,2-ジアミン137f(750mg、1.3mmol、黄色固体)を得た。収率:55%。
MS m/z (ESI): 548 [M+1]。
【0322】
工程6
3-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-N1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N1-メチルベンゼン-1,4-ジアミン137g
N1-(3-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-ニトロフェニル)-N1,N2,N2-トリメチルエタン-1,2-ジアミン137f(750mg、1.3mmol)および20mlのエタノールを混合した。亜鉛粉末(500mg、8mmol)、塩化アンモニウム(700mg、13mmol)および3mlの水をこれに添加し、そして反応を50℃で2時間実施した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、ジクロロメタンおよび水相を添加して層状にし、そしてその有機層を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)系を用いる中性アルミナクロマトグラフィーカラムに通して、固体生成物である3-
(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-N1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N1-メチルベンゼン-1,4-ジアミン137g(400mg、0.77mmol、白色固体)を得た。収率:60%。
MS m/z (ESI): 518[M+1]。
【0323】
工程7
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド137
3-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-N1-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-N1-メチルベンゼン-1,4-ジアミン137g(400mg、0.8mmol)および20mLのDCMを混合し、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(300mg、2.4mmol)をこれに添加した。この混合物を-40℃まで冷却し、次いで塩化アクリロイル(40mg、0.5mmol)をこれにゆっくりと添加し、反応を1時間行った。後処理:ジクロロメタンおよび水相を添加して層状にし、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そして分取液相分離に供して、白色固体生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-((2-(ジメチルアミノ)エチル)(メチル)アミノ)フェニル)アクリルアミド137(100mg、0.2mmol、白色固体)を得た。収率:30%。
MS m/z (ESI): 572 [M+1]。
【0324】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.84 (s, 1H), 10.87 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.71 (dd, J = 9.1, 2.4Hz, 1H), 6.32
(dd, J = 16.9, 10.0Hz, 1H), 6.18 (d, J = 16.7Hz, 1H), 5.72 (d, J
= 10.9Hz, 1H), 4.08-3.98 (m, 1H), 3.93 (d, J = 3.6Hz, 6H), 3.57-3.35 (m, 4H), 2.93 (s, 3H), 2.70 (ddd, J = 20.1, 14.1, 6.4Hz, 4H), 2.28 (s, 6H), 1.80 (d, J = 10.2Hz, 1H)。
【0325】
P1およびP2を、キラルカラム分割により得た。キラル分離の条件:SFCデバイス、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AD、移動相:CO2-IPA(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化39】
【0326】
【0327】
実施形態140を、工程1において、1-H-4-ニトロ-3-ベンゾイルクロロピラゾールを1-メチル-4-ニトロ-5-ベンゾイルクロロピラゾールで置き換えたこと以外は実施形態103の操作工程を参照して、合成した。
MS m/z (ESI): 476 [M+1]。
【0328】
1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.91 (s, 1H), 9.47 (s, 1H), 7.85 (s, 1H),
6.89 (s, 1H), 6.52 (dd, J = 17.2, 9.8Hz, 1H), 6.19 (d, J = 16.5Hz, 1H), 5.70 (m, 1H), 3.93 (d, J = 2.5Hz, 6H), 3.77 (s, 3H), 2.73
(m, 2H), 2.34 (s, 1H), 1.74 (m, 2H), 1.24 (s, 2H)。
【0329】
P1およびP2を、キラルカラム分割により得た。キラル分離の条件:デバイス:SFC、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AD、移動相:CO2-IPA(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化41】
【0330】
実施形態015-P1
(R)-N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド
【化42】
【0331】
工程1
(R)-3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン
アルゴンガスの保護下で、3,5-ジメトキシフェニルボロン酸(22.7g、123mmol)、アセチルアセトナトビス(エチレン)ロジウム(260mg、1mmol)、および(R)-BINAP(935mg、1.5mmol)を、250mLのジオキサンおよび25mLの水の混合溶媒中に添加し、その後、2-シクロヘキセン-1-オン(4.8g、50mmol)を添加した。上記反応溶液を105℃の油浴内で6時間反応させた。後処理:この混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮してジオキサンを除去し、次いで150mLの酢酸エチルを添加し、150mlの1.2M希塩酸を添加して有機相を洗浄し、その水相を廃棄し、次いで、その有機相を150mLの5%水酸化ナトリウム溶液で再度洗浄し、その有機相を分離して濃縮乾固させ、そしてその残留油状物を、中性アルミナカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)に通して精製して、(R)-3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン(4.2g、18mmol、無色油状物)を得た。収率:36%。
MS m/z (ESI): 235 [M+1]+。
【0332】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 6.39 (d, J = 2.2Hz, 2H), 6.36 (t, J = 2.2Hz, 1H), 3.81 (s, 6H), 3.01-2.90 (m, 1H), 2.64-2.36 (m, 4H), 2.19-2.07 (m, 2H), 1.92-1.70 (m, 2H)。
【0333】
工程2
(R)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサノン
(R)-3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサノン(4.0g、18mmol)およびテトラヒドロフラン(100ml)を混合し、そして窒素ガスの保護下で-78℃まで冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(8.3mL、20mmol)をこれにゆっくりと滴下により添加し、そしてこの混合物を-40℃まで温め、そして2時間撹拌した。O-ニトロベンゾイルクロリド(3.5g、18mmol)をこれにゆっくりと添加し、そしてこの混合物を室温まで昇温させ、そして3時間撹拌した。後処理:この混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、そしてその有機相を減圧下で溶媒除去して、(R)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(2-ニトロベンゾイル
)シクロヘキサノン(8.7g、明黄色油状物)を得、これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
MS m/z (ESI): 384 [M+1]+。
【0334】
工程3
(R)-6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール
(R)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサノン粗生成物(8.0g)、ヒドラジン水和物(10mL、80%)、酢酸(10mL)およびエタノール(100mL)を混合し、60℃まで温め、そして3時間撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)に通して精製して、(R)-6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(3.2g、黄色固体)を得た。2工程での収率:50%。
MS m/z (ESI): 380 [M+1]。
【0335】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.80 (d, J = 7.9Hz, 1H), 7.62-7.57 (m, 2H), 7.46-7.38 (m, 1H), 6.43-6.36 (m, 3H), 3.83 (s, 6H), 3.02-2.92 (m,
1H), 2.87-2.82 (m, 1H), 2.66-2.60 (m, 1H), 2.56-2.53 (m, 2H), 2.13-2.04 (m, 1H), 1.94-1.78 (m, 1H)。
【0336】
工程4
(R)-6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール
(R)-6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(2.5g、6.5mmol)を50mLのアセトニトリルに溶解させた。この混合物を-45℃まで冷却し、次いで塩化スルホニル(2.6g、20mmol)を滴下により添加した。この滴下での添加の後に、反応を-45℃で3時間実施し、そして5mLのメタノールを添加してこの反応をクエンチした。後処理:この混合物を室温まで自然に昇温させ、次いで濃縮して溶媒を除去し、50mLの水および100mLの酢酸エチルをこれに添加し、その液体を分離し、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そして石油エーテル/酢酸エチル(1:1)系を用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して、(R)-6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(2g、4.4mmol、オフホワイトの固体)を得た。収率:86%。
MS m/z (ESI): 449 [M+1]+。
【0337】
1H NMR (400MHz, CDC13): δ 7.79-7.77 (m, 1H), 7.63-7.57 (m, 2H), 7.40-7.36 (m, 1H), 6.55 (s, 1H), 4.15-4.06 (m, 1H), 3.95 (s, 6H), 3.43-3.36 (m, 1H), 2.78-2.72 (m, 1H), 2.67-2.49 (m, 3H), 1.85-1.81(m, 1H)。
【0338】
工程5
(R)-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン
(R)-6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(1.5g、3.3mmol)を50mLの酢酸エチルに溶解させ、パラジウム炭素(50mg、10%)をそれに添加し、そしてこの混合物を水素雰囲気下で室温で10時間撹拌した。後処理:パラジウム炭素を濾過により除去し、そしてその濾液を濃縮して、生成物である(R)-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒ
ドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン(1.5g、白色固体)を得た。収率:100%。
MS m/z (ESI): 419 [M+1]+。
【0339】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.34-7.31 (m, 1H), 7.04-7.02 (m, 1H), 6.77-6.70 (m, 2H), 6.55 (s, 1H), 6.01 (s, 2H), 4.17-4.11 (m, 2H), 3.95
(s, 6H), 3.51-3.44 (m, 1H), 2.81-2.64 (m, 4H)。
【0340】
工程6
(R)-N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド
化合物(R)-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン(120mg、0.29mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(75mg、0.58mmol)を無水ジクロロメタン(10mL)に溶解させ、そしてこの混合物を-40℃まで冷却した。塩化アクリロイル(26mg、0.29mmol)をこれにゆっくりと添加し、そして反応を-40℃で0.5時間実施した。後処理:この反応を、1mLのメタノールを添加してクエンチし、スピン乾燥させて溶媒を除去し、そして分取液相分離および凍結乾燥に共して、目的生成物である(R)-N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド(85mg、白色固体)を得た。収率:62%。
MS m/z (ESI): 473 [M+1]+。
【0341】
1HNMR (400MHz, DMSO): δ 12.96 (s, 1H), 11.48 (s, 1H), 8.49 (d, J =
7.9Hz, 1H), 7.59 (d, J = 7.3Hz, 1H), 7.32 (t, J = 7.7Hz, 1H), 7.17 (t, J = 7.3Hz, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.33-6.20 (m, 2H), 5.81 (d, J
= 10.8Hz, 1H), 4.03 (br.s, 1H), 3.93 (d, J = 3.7Hz, 6H), 3.49-3.37
(m, 1H), 2.82-2.58 (m, 4H), 1.84 (d, J = 11.2Hz, 1H)。
【0342】
アルカリ性高速液相の純度:99.59%(214nm)、99.70%(254nm)。
ee:96%。
【0343】
実施形態015-P2
(S)-N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド
【化43】
【0344】
工程1
(S)-3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン
アルゴンガスの保護下で、3,5-ジメトキシフェニルボロン酸(22.7g、123mmol)、アセチルアセトナトビス(エチレン)ロジウム(260mg、1mmol)、および(S)-BINAP(935mg、1.5mmol)を、250mLのジオキサンおよび25mLの水の混合溶媒中に添加し、その後、2-シクロヘキセン-1-オン(4.8g、50mmol)を添加し、そして上記反応溶液を105℃の油浴内で6時間反応させた。後処理:この混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮してジオキサンを除去し、次いで150mLの酢酸エチルを添加し、次いで150mlの1.2M希塩酸を添加して有機相を洗浄し、その水相を廃棄し、次いで、その有機相を150mLの5%水酸化ナトリウム溶液で再度洗浄し、その有機相を分離して濃縮乾固させ、そしてその残留油状物を、中性アルミナカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)に通して精製して、(S)-3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン(3.5g、15mmol、無色油状物)を得た。収率:30%。
MS m/z (ESI): 235 [M+1]+。
【0345】
1H NMS(400MHz, CDCl3): δ 6.39 (d, J = 2.2Hz, 2H), 6.36 (t, J = 2.2Hz, 1H), 3.81 (s, 6H), 3.01-2.91 (m, 1H), 2.64-2.32 (m, 4H), 2.17-2.07 (m, 2H), 1.87-1.78 (m, 2H)。
【0346】
工程2
(S)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサノン
(S)-3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサノン(4.0g、15mmol)およびテトラヒドロフラン(100ml)を混合し、そして窒素ガスの保護下で-78℃まで冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(8.3mL、17mmol)をこれにゆっくりと滴下により添加し、そしてこの混合物を-40℃まで温め、そして2時間撹拌した。O-ニトロベンゾイルクロリド(3.5g、18mmol)をこれにゆっくりと添加し、そしてこの混合物を室温まで昇温させ、そして3時間撹拌した。後処理:この混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、そしてその有機相を減圧下で溶媒除去して、(S)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(2-ニトロベンゾイル
)シクロヘキサノン(7.4g、明黄色油状物)を得、これをさらに精製せずに次の工程で直接使用した。
MS m/z (ESI): 384 [M+1]+。
【0347】
工程3
(S)-6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール
(S)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-(2-ニトロベンゾイル)シクロヘキサノン粗生成物(7.0g)、ヒドラジン水和物(10mL、80%)、酢酸(10mL)およびエタノール(100mL)を混合し、60℃まで温め、そして3時間撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)に通して精製して、(S)-6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(2.5g、黄色固体)を得た。2工程での収率:44%。
MS m/z (ESI): 380 [M+1]+。
【0348】
1H NMS (400MHz, CDCl3): δ 7.73-7.71 (m, 1H), 7.60-7.54 (m, 2H), 7.36-7.34 (m, 1H), 6.41-6.34 (m, 3H), 3.83 (s, 6H), 2.97-2.82 (m, 1H), 2.69-2.60 (m, 1H), 2.52-2.40 (m, 3H), 2.03 (s, 1H), 1.84-1.78 (m, 1H)
。
【0349】
工程4
(S)-6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール
【0350】
(S)-6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(2.5g、6.5mmol)を50mLのアセトニトリルに溶解させた。この混合物を-45℃まで冷却し、次いで塩化スルホニル(2.6g、20mmol)を滴下により添加した。この滴下での添加の後に、反応を-45℃で3時間実施し、そして5mLのメタノールを添加してこの反応をクエンチした。後処理:この混合物を室温まで自然に昇温させ、次いで濃縮して溶媒を除去し、50mLの水および100mLの酢酸エチルをこれに添加し、その液体を分離し、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そして石油エーテル/酢酸エチル(1:1)系を用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して、(S)-6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(1.8g、4.0mmol、オフホワイトの固体)を得た。収率:61%。
MS m/z (ESI): 449 [M+1]+。
【0351】
1H NMS (400MHz, CDCl3): δ 7.86-7.80 (m, 1H), 7.62-7.60 (m, 2H), 7.46-7.41 (m, 1H), 6.55 (s, 1H), 4.12-4.10 (m, 1H), 3.96 (d, J = 1.2Hz,
6H), 3.52-3.45 (m, 1H), 2.82-2.64 (m, 2H), 2.61-2.51 (m, 2H), 1.87-1.83 (m, 1H)。
【0352】
工程5
(S)-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン
(S)-6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(1.5g、3.3mmol)を50mLの酢酸エチルに溶解させ、Pd/C(50mg)をそれに添加し、そ
してこの混合物を水素雰囲気下で室温で10時間撹拌した。後処理:パラジウム炭素を濾過により除去し、そしてその濾液を濃縮し、次いで純粋な酢酸エチルを用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して、生成物である(S)-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン(0.8g、白色固体)を得た。収率:57%。
MS m/z (ESI): 419 [M+1]+。
【0353】
1H NMS (400MHz, CDCl3): δ 7.34-7.32 (m, 1H), 7.28 (s, 1H), 6.80-6.71
(m, 2H), 6.55 (s, 1H), 4.20-4.07 (m, 1H), 3.95 (s, 6H), 3.52-3.45 (m, 1H), 2.82-2.66 (m, 4H), 1.95-1.86 (m, 1H)。
【0354】
工程6
(S)-N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド
化合物(S)-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン(120mg、0.29mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(75mg、0.58mmol)を無水ジクロロメタン(10mL)に溶解させ、そしてこの混合物を-40℃まで冷却した。塩化アクリロイル(26mg、0.29mmol)をこれにゆっくりと添加し、そして反応を-40℃で0.5時間実施した。後処理:この反応を、1mlのメタノールを添加してクエンチし、スピン乾燥させて溶媒を除去し、そして分取液相分離および凍結乾燥に共して、目的生成物である(S)-N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド(90mg、白色固体)を得た。収率:65%。
MS m/z (ESI): 473[M+1]+。
【0355】
1H NMS (400MHz, DMSO): δ 12.96 (s, 1H), 11.48 (s, 1H), 8.49 (d, J
= 8.1Hz, 1H), 7.59 (d, J = 7.4Hz, 1H), 7.32 (t, J = 7.6Hz, 1H),
7.17 (t, J = 7.4Hz, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.41-6.16(m, 2H), 5.81 (d,
J = 9.6Hz, 1H), 4.03 (br.s, 1H), 3.93 (d, J = 3.7Hz, 6H), 3.50-3.37 (m, 1H), 2.86-2.59 (m, 4H), 1.84 (d, J = 11.4Hz, 1H)。
アルカリ性液相の純度:99.59%(214nm)、99.70%(254nm)。ee:95%。
【0356】
実施形態095
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)フェニル)アクリルアミド
【化44】
【0357】
工程1
4-(2-ニトロベンゾイル)-3-カルボニルピペリジン-1-カルボン酸t-ブチル
化合物3-カルボニルピペリジン-1-カルボン酸t-ブチル095a(20g、100.5mmol、1当量)を400mLのテトラヒドロフランに溶解させた。その温度を-78℃で制御しながら、リチウムジイソプロピルアミド(60.3ml、120.6mmol、1.2当量)をこれに添加した。この滴下での添加の後に、この混合物を-40℃まで温め、そして1時間反応させた。その後、2-ニトロベンゾイルクロリド(18.6g、100.5mmol、1当量)をこの系に-40℃で添加し、そしてこの系を室温まで上昇させ、そして3時間反応させた。後処理:飽和塩化アンモニウム水溶液(400ml)をそれに添加し、この混合物を酢酸エチル(200ml)で3回抽出し、そしてその有機相を減圧下で溶媒除去して、目標粗生成物である4-(2-ニトロベンゾイル)-3-カルボニルピペリジン-1-カルボン酸t-ブチル095b(42g、黄色油状物)を得た。収率:90%。
【0358】
工程2
3-(2-ニトロフェニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボン酸t-ブチル
化合物4-(2-ニトロベンゾイル)-3-カルボニルピペリジン-1-カルボン酸t-ブチル095b(40g、115mmol、1当量)、およびヒドラジン水和物(14.4g、287.5mmol、2.5当量)をエタノール/酢酸 10:1(200mL)中に溶解させ、そして65℃で3時間反応させた。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)に通して精製して、目標生成物である3-(2-ニトロフェニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボン酸t-ブチル
095c(15.3g、黄色固体)を得た。収率:39%。
MS m/z (ESI): 345[M+1]+。
【0359】
工程3
1-(4-メトキシベンジル)-3-(2-ニトロフェニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボン酸t-ブチル
化合物3-(2-ニトロフェニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボン酸t-ブチル095c(4g、11.6mmol、1当量)をDMF(120mL)に溶解させた。0℃の条件で、水素化ナトリウム(696mg、17.4mmol、1.5当量)をゆっくりと滴下により添加し、そして0.5時間撹拌した。p-メトキシベンジルクロリド(2.7g、17.4mmol、1.5当量)をこれに添加し、そしてさらに3時間撹拌した。後処理:この反応を、100mLの水でクエンチし、そして酢酸エチルで抽出し、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)に通して精製して、目標生成物である1-(4-メトキシベンジル)-3-(2-ニトロフェニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボン酸t-ブチル095d(7g、褐色固体)を得た。収率:90%。
MS m/z (ESI): 445 [M+1]+。
【0360】
工程4
1-(4-メトキシベンジル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン
化合物1-(4-メトキシベンジル)-3-(2-ニトロフェニル)-1,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-カルボン酸t-ブチル095d(7g、15.7mmol、1当量)をジクロロメタン(150ml)中に添加した。その後、トリフルオロ酢酸溶液(50ml)をこれに0~10℃で添加し、そしてこの温度で1時間撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)に通して精製して、目標化合物である1-(4-メトキシベンジル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン095e(3.2g、褐色固体)を得た。収率:59%。
MS m/z (ESI): 345 [M+1]+。
【0361】
工程5
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン
化合物1-(4-メトキシベンジル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン095e(3g、8.7mmol、1当量)をトルエン(100ml)中に添加した。1-ブロモ-3,5-ジメトキシベンゼン(2.8g、13.05mmol、1.5当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.6g、1.74mmol、0.2当量)、ビナフタレンジフェニルホスフィン(2.16g、3.48mmol、0.4当量)、およびナトリウムtert-ブトキシド(3.46g、36.1mmol、3当量)をこれに添加し、そして反応を窒素ガスの保護下で6時間実施した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)に通して精製して、目標化合物である6-(3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン095f(1.38mg、黄色固体)を得た。収率:31%。
MS m/z (ESI): 501 [M+1]+。
【0362】
工程6
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン
化合物6-(3,5-ジメトキシフェニル)-1-(4-メトキシベンジル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン095f(1.3g、2.6mmol、1当量)をトリフルオロ酢酸(50ml)に溶解させた。その後、この混合物を80℃まで温め、そして還流下で3時間反応させた。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)に通して精製して、目標化合物である6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン095g(400mg、褐色固体)を得た。収率:40%。
MS m/z (ESI): 401 [M+1]+。
【0363】
工程7
6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン
化合物6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン095g(250mg、0.66mmol、1当量)をアセトニトリル(20ml)中に添加した。その後、塩化スルホニル(240.6mg、1.78mmol、2.7当量)をこれに-40℃で添加し、そしてこの温度で1時間撹拌した。後処理:この混合物を、30mlの水を添加してクエンチし、そして50mlの酢酸エチルで抽出し、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)に通して精製して、目標化合物である6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン095h(150mg、明黄色固体)を得た。収率:50%。
【0364】
工程8および工程9での合成を、実施例289の工程を参照して実施した。最後に、目的生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-イル)フェニル)アクリルアミドを得た。
MS m/z (ESI): 474 [M+1]+。
【0365】
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.80 (s, 1H), 10.58 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 6.54 (s, 2H), 6.18 (s, 3H), 5.80 (s, 1H), 3.74 (s, 6H), 3.45 (s, 2H), 2.84 (s, 2H), 1.98 (s, 2H)。
【0366】
実施形態281
N-(5-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アクリルアミド
【化45】
【0367】
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(2g、5.2mmol)およびアセトニトリル(50ml)を混合し、select F(3.5g、10mmol)をこれに0℃で添加し、そしてこの混合物を室温までゆっくりと温め、そして一晩撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残留物を、添加したジクロロメタン(100mL)および水(100mL)で抽出し、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:4)に通して精製して、6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(800mg、1.9mmol、黄色固体)を得た。収率:19%。
【0368】
実施例281を、実施例093の操作工程を参照して、調製した。最終生成物であるN-(5-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アクリルアミドを得た。次いで、P1およびP2を、キラルカラム分割により得た。
【0369】
キラル分離の条件:デバイス:SFC、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AD、移動相:CO2-IPA(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化46】
MS m/z (ESI): 443.8[M+1]
+。
【0370】
P1: 1HNMR (400MHz, DMSO): δ 12.92 (s, 1H), 9.42 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 6.93 (t, J = 8.3Hz, 1H), 6.53 (dd, J = 17.0, 10.2Hz, 1H), 6.19 (dd, J = 17.0, 2.1Hz, 1H), 5.66 (dd, J = 10.2, 2.1Hz, 1H), 3.86
(s, 6H), 3.76 (s, 3H), 3.43-3.36 (m, 1H), 2.98-2.92 (m, 2H), 2.47-2.38 (m, 1H), 2.13-2.05 (m, 1H), 1.90 (d, J = 12.4Hz, 1H)。
e.e.99.0%。
【0371】
P2: 1HNMR (400MHz, DMSO): δ 12.92 (s, 1H), 9.42 (s, 1H), 7.84 (s,
1H), 6.93 (t, J = 8.3Hz, 1H), 6.53 (dd, J = 17.0, 10.2Hz, 1H), 6.19 (dd, J = 17.0, 2.1Hz, 1H), 5.66 (dd, J = 10.2, 2.1Hz, 1H), 3.86
(s, 6H), 3.76 (s, 3H), 3.43-3.36 (m, 1H), 2.98-2.92 (m, 2H), 2.47-2.38 (m, 1H), 2.13-2.05 (m, 1H), 1.90 (d, J = 12.4Hz, 1H)。
e.e.99.8%。
【0372】
実施形態283
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド
【化47】
【0373】
実施例283を、工程5において、N-N’ジメチル-N-メチルエチレンジアミンを1-メチルピペラジンで置き換えたこと以外は実施例137の工程を参照して合成した。最後に、目的生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミドを得た。
【0374】
最終生成物(ラセミ体)の分離条件:デバイス:質量分析によりガイドされるprep-HPLC;クロマトグラフィーカラム:-Gemini-C18 150×21.2mm、5μm、移動相:ACN--H20(0.05%NH3)、勾配:60~80。
【0375】
キラル分離の条件:SFCデバイス、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AS、移動相:CO2-ETOH(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化48】
【0376】
P1: MS m/z (ESI): 569.9[M+1]。
ee: 96.995%。
1H NMR (400MHz, MeOD): δ 8.01 (d, J = 8.4Hz, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.94 (d, J = 8.4Hz, 1H), 6.67 (s, 1H), 6.30-6.19 (m, 2H), 5.67 (d,
J = 9.3Hz, 1H), 4.53 (s, 2H), 4.07 (s, 1H), 3.83 (d, J = 3.4Hz, 6H), 3.25 (s, 5H), 2.95 (s, 4H), 2.65 (dd, J = 21.0, 14.8Hz, 3H), 2.57 (s, 3H)。
【0377】
P2: MS m/z (ESI): 569.8[M+1]。
ee: 97.5503%。
1H NMR (400MHz, MeOD): δ 8.00 (d, J = 7.9Hz, 1H), 7.03 (s, 1H), 6.94 (d, J = 9.1Hz, 1H), 6.67 (s, 1H), 6.24 (d, J = 9.4Hz, 2H), 5.66 (d, J = 9.1Hz, 1H), 4.52 (s, 2H), 4.07 (s, 1H), 3.83 (d, J = 3.6Hz, 6H), 3.25 (s, 5H), 2.92 (d, J = 8.9Hz, 4H), 2.68 (dd, J = 15.9, 6.1Hz, 2H), 2.60 (s, 1H), 2.53 (s, 3H)。
【0378】
実施形態284
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-(ジメチルアミノ)フェニル)アクリルアミド
【化49】
【0379】
実施例284を、工程5において、N-N’ジメチル-N-メチルエチレンジアミンをジメチルアミン塩酸塩で置き換えたこと以外は実施例133を参照して合成した。
【0380】
キラル分離の条件:SFCデバイス、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-IC、移動相:CO2-ETOH(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化50】
MS m/z (ESI): 516.4 [M+1]
+。
【0381】
P1: 1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.73 (s, 1H), 11.67 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.23-7.15 (m, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.54 (d, J =
7.4Hz, 1H), 6.26 (s, 1H), 5.80 (s, 1H), 3.93 (d, J = 3.7Hz, 6H),
2.94 (s, 6H), 2.73 (s, 3H), 2.00 (d, J = 7.5Hz, 2H), 1.82 (s, 2H)。
【0382】
P2: 1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.74 (s, 1H), 11.67 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.41 (d, J = 8.5Hz, 1H), 7.23-7.17 (m, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.54 (d, J = 8.1Hz, 1H), 6.26 (s, 1H), 5.81 (s, 1H), 3.93 (d, J =
3.7 Hz, 6H), 2.94 (s, 6H), 2.73 (s, 3H), 2.00 (dd, J = 14.4, 6.8Hz, 2H), 1.82 (s, 2H)。
【0383】
実施形態285
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-(ジメチルアミノ)フェニル)アクリルアミド
【化51】
【0384】
実施例285を、工程5において、N-N’ジメチル-N-メチルエチレンジアミンをジメチルアミン塩酸塩で置き換えたこと以外は実施例137の操作工程を参照して、調製した。次いで、P1およびP2を、キラルカラム分割により得た。
【0385】
キラル分離の条件:デバイス:SFC、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-IC、移動相:HEX-EtOH(DEA)。
【0386】
SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化52】
MS m/z (ESI): 514.7 [M+1]
+。
【0387】
P1: 1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.90 (s, 1H), 10.96 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.74 (dd, J = 9.1, 2.8Hz, 1H),
6.41-6.25 (m, 1H), 6.21-6.16 (m, 1H), 5.71 (dd, J = 10.0, 1.6Hz, 1H), 3.93 (d, J = 3.8Hz, 6H), 2.91 (s, 6H), 2.84-2.58(m, 5H), 2.51 (q, J = 2Hz, 2H)。
【0388】
P2: 1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.90 (s, 1H), 10.96 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.74 (dd, J = 9.1, 2.8Hz, 1H),
6.41-6.25 (m, 1H), 6.21-6.16(m, 1H), 5.71 (dd, J = 10.0, 1.6Hz, 1H), 3.93 (d, J = 3.8Hz, 6H), 2.91 (s, 6H), 2.84-2.58 (m, 5H), 2.51 (q, J = 2Hz, 2H)。
ee: 95.9%。
【0389】
実施形態286
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-メチルフェニル)アクリルアミド
【化53】
【0390】
実施例286を、工程1において、4-クロロ-2-ニトロ安息香酸を5-メチル-2-ニトロ安息香酸で置き換えたこと以外は実施例289を参照して合成した。最後に、目的生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-メチルフェニル)アクリルアミドを得た。
MS m/z (ESI): 486.1 [M+1]+。
【0391】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 10.86 (s, 1H), 8.52 (d, J = 8.3Hz, 1H),
7.31 (s, 1H), 7.15 (d, J = 8.4Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 6.32 (m, 2H), 5.69 (dd, J = 10.0, 1.4Hz, 1H), 4.20-4.14 (m, 1H), 3.89-3.56 (m,
7H), 3.66-3.54 (m, 1H), 2.87-2.72 (m, 4H), 2.35 (s, 3H)。
【0392】
実施形態287
N-(4-クロロ-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド
【化54】
【0393】
実施例287を、工程1において、4-クロロ-2-ニトロ安息香酸を5-クロロ-2-ニトロ安息香酸で置き換えたこと以外は実施例289を参照して合成した。最後に、目的生成物であるN-(4-クロロ-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミドを得た。
【0394】
2つの異性体P1(27mg)およびP2(25mg)を、キラル分割により得た。
【0395】
キラル分離の条件:デバイス:SFC、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-OD、移動相:CO2-ETOH(DEA)。
【0396】
SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS
-異性体であった。
【化55】
【0397】
P1: 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 11.26 (s, 1H), 8.68 (d, J = 8.9Hz, 1H), 7.50 (d, J = 2.5Hz, 1H), 7.32-7.24 (m, 2H), 6.54 (s, 1H), 6.37-6.22 (m, 2H), 5.73-5.70 (m, 1H), 4.26-4.10(m, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.63-3.56(m, 1H), 2.87-2.76 (m, 4H), 1.98-1.95 (m, 1H)。
【0398】
P2: 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 11.29 (s, 1H), 8.67 (d, J = 8.9Hz, 1H), 7.50 (d, J = 2.5Hz, 1H), 7.29-7.24 (m, 1H), 6.54 (s, 1H), 6.37-6.21 (m, 2H), 5.73-5.70(m, 1H), 4.22-4.12 (m, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 3.62-3.55 (m, 1H), 2.91-2.72 (m, 4H), 2.01-1.91 (m, 1H)。
ee: 99.1%。
【0399】
実施形態288
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-メチルフェニル)アクリルアミド
【化56】
【0400】
実施例288を、工程1において、4-クロロ-2-ニトロ安息香酸を4-メチル-2-ニトロ安息香酸で置き換えたこと以外は実施例289を参照して合成した。最後に、目的生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-メチルフェニル)アクリルアミドを得た。
【0401】
キラル分離の条件:Chiral prepHPLCデバイス、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-IC、移動相:CO2-ETOH(DEA)。この機械で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化57】
MS m/z (ESI): 487.4 [M+1]
+。
【0402】
P1: 1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.91 (s, 1H), 11.48 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.48 (d, J = 7.8Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.2Hz, 1H), 6.89 (s,
1H), 6.34-6.22 (m, 2H), 5.81 (d, J = 9.4Hz, 1H), 4.02 (s, 1H), 3.93 (d, J = 3.7Hz, 6H), 3.53-3.35 (m, 2H), 2.74 (t, J = 17.6Hz, 3H), 2.34 (s, 3H), 1.84 (d, J = 10.8Hz, 1H)。
【0403】
P2: 1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.91 (s, 1H), 11.48 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.48 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.00 (d, J = 7.6Hz, 1H), 6.89 (s,
1H), 6.34-6.22(m, 2H), 5.81 (d, J = 9.2Hz, 1H), 4.02 (s, 1H), 3.93
(d, J = 3.7Hz, 6H), 3.47-3.36 (m, 2H), 2.76 (d, J = 15.3Hz, 3H),
2.34 (s, 3H), 1.84 (d, J = 11.5Hz, 1H)。
【0404】
実施形態289
N-(5-クロロ-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド
【化58】
工程1
4-クロロ-2-ニトロベンゾイルクロリド
化合物4-クロロ-2-ニトロ安息香酸289a(18g、89.3mmol、1当量)を塩化チオニル(150ml)溶液中に添加し、そしてこの混合物を80℃まで温め、そして一晩反応させた。後処理:この反応系内に残っている塩化チオニル溶液を、直接スピン乾燥させて、目標粗生成物である4-クロロ-2-ニトロベンゾイルクロリド289b(20g、黄色油状物)を得、これを次の反応に直接使用した。収率:90%。
MS m/z (ESI): 221 [M+1]
+。
【0405】
工程2
2-(4-クロロ-2-ニトロベンゾイル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン
3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン(4.5g、19.2mmol、1当量)を50mLのテトラヒドロフランに溶解させた。その温度を-78℃制御しながら、リチウムジイソプロピルアミド(11.52ml、23.04mmol、1.2当量)をこれに添加した。この滴下での添加の後に、この混合物を-40℃まで温め、そして1時間反応させ、次いで4-クロロ-2-ニトロベンゾイルクロリド289b(4.2g、19.2mmol、1当量)をこの系中に-40℃で添加した。この系を室温まで上昇させ、そして3時間反応させた。後処理:飽和塩化アンモニウム水溶液(50ml)をそれに添加し、この混合物を酢酸エチル(50ml)で3回抽出し、そしてその有機相を減圧下で溶媒除去して、目標粗生成物である2-(4-クロロ-2-ニトロベンゾイル)-5-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン289c(3.8g、黄色固体)を得た。収率:47.5%。
【0406】
工程3および工程4における合成を、実施例010の工程を参照して実施して、目標生成物である3-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール289eを得た。
【0407】
工程5
5-クロロ-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン
化合物3-(4-クロロ-2-ニトロフェニル)-6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール289e(200mg、0.41mmol、1当量)を酢酸エチル(30mL)に溶解させ、そしてパラジウム炭素(150mg、75%)をこれに添加した。水素ガスを充填し、そして反応を室温で3時間実施した。後処理:パラジウム炭素を吸引濾過により除去し、そしてその溶液を酢酸エチルで3回洗浄し、そしてスピン乾燥させて、目的生成物である5-クロロ-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン289f(100mg、黄色固体)を得た。収率:54%。
MS m/z (ESI): 453.8 [M+1]+。
【0408】
工程6
N-(5-クロロ-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド
化合物5-クロロ-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)アニリン289f(100mg、0.22mmol、1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(85mg、0.66mmol、3当量)を無水ジクロロメタン(30mL)中に溶解させ、そしてこの混合物を-40℃まで冷却した。塩化アクリロイル(18mg、0.198mmol、0.9当量)のジクロロメタン中の溶液をこれにゆっくりと添加し、そして反応を0.5時間実施した。後処理:この混合物をスピン乾燥させて溶媒を除去し、そして分取液相分離および凍結乾燥に共して、目的生成物であるN-(5-クロロ-2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)フェニル)アクリルアミド(5.8mg、白色固体)を得た。収率:14%。
【0409】
キラル分離の条件:Chiral prepHPLCデバイス、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-IC、移動相:CO2-ETOH(DEA)。この機械で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化59】
MS m/z (ESI): 507 [M+1]
+。
【0410】
P1: 1H NMR (400MHz, DMSO): δ 13.06 (s, 1H), 11.69 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 7.62 (d, J = 8.1Hz, 1H), 7.24 (d, J = 5.3Hz, 1H), 7.23 (s,
1H), 6.90 (s, 1H), 6.34-6.25 (m, 2H), 5.87 (d, J = 11.0Hz,1H), 4.03 (s, 1H), 3.93 (d, J = 3.6Hz, 6H), 3.49-3.39 (m, 1H), 2.78 (d, J
= 15.8Hz, 3H), 2.65 (d, J = 12.6Hz, 1H), 1.85 (d, J = 10.8Hz, 1H)。
【0411】
P2: 1H NMR (400MHz, DMSO): δ 13.07 (s, 1H), 11.69 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 7.62 (d, J = 8.4Hz, 1H), 7.24 (d, J = 8.2Hz, 1H), 6.89 (s,
1H), 6.31 (t, J = 5.9Hz, 2H), 5.88 (s, 1H), 4.07-3.98 (m, 1H), 3.93 (d, J = 3.6Hz, 6H), 3.48-3.39 (m, 1H), 2.78 (d, J = 15.4Hz, 4H), 1.85 (d, J = 11.6Hz, 1H)。
【0412】
実施形態291
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-フルオロフェニル)アクリルアミド
【化60】
【0413】
実施例291を、工程1において、4-クロロ-2-ニトロ安息香酸を4-フルオロ-2-ニトロ安息香酸で置き換えたこと以外は実施例289の工程を参照して合成した。最後に、目的生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-フルオロフェニル)アクリルアミドを得た。
【0414】
キラル分離の条件:デバイス:Chiral prep-HPLC、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AD、移動相:HEX-ETOH(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体で
あった。
【化61】
【0415】
P1: MS m/z (ESI): 489.8[M+1]+。
ee: 100%。
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 13.01 (s, 1H), 11.74 (s, 1H), 8.39 (d, J
= 13.0Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.30 (d,
J = 2.6Hz, 2H), 5.87 (d, J = 7.7Hz, 1H), 4.02 (s, 1H), 3.93 (d,
J = 3.6Hz, 6H), 3.47-3.39 (m, 1H), 2.82-2.61 (m, 4H), 1.83 (s, 1H)。
【0416】
P2: MS m/z (ESI): 489.9 [M+1]+。
ee: 100%。
1H NMR (400MHz, MeOD) δ 8.33 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 6.94 (s, 1H),
6.77 (s, 1H), 6.36 (d, J = 4.8Hz, 2H), 5.87-5.78 (m, 1H), 4.16 (s, 1H), 3.93 (d, J = 3.7Hz, 6H), 3.56 (dd, J = 15.8, 12.2Hz, 1H), 2.78 (dd, J = 15.9, 5.5Hz, 4H), 1.88 (s, 1H)。
【0417】
実施形態292
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-フルオロフェニル)アクリルアミド
【化62】
【0418】
実施例292を、工程1において、4-フルオロ-2-ニトロ安息香酸を5-フルオロ-2-ニトロ安息香酸で置き換えたこと以外は実施例291の操作工程を参照して、合成した。最後に、目的生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-フルオロフェニル)アクリルアミド292を得た。次いで、P1およびP2を、キラルカラム分割により得た。
【0419】
キラル分離の条件:デバイス:SFC、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-IC、移動相:HEX-EtOH(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化63】
MS m/z (ESI): 490 [M+1]
+。
【0420】
P1: 1H NMR (400MHz, MeOD): δ 8.83 (s, 1H), 7.68 (d, J = 9.7Hz, 1H), 7.44 (t, J = 7.6Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.75-6.61 (m, 2H), 6.13 (dd, J = 7.6, 2.8Hz, 1H), 4.47 (s, 1H), 4.27 (d, J = 3.7Hz, 6H), 3.95-3.81 (m, 1H), 3.13 (s, 4H), 2.23 (d, J = 9.2Hz, 1H)。
【0421】
P2: 1H NMR (400MHz, MeOD): δ 8.83 (s, 1H), 7.68 (d, J = 9.7Hz, 1H), 7.44 (t, J = 7.6Hz, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.75-6.61 (m, 2H), 6.13 (dd, J = 7.6, 2.8Hz, 1H), 4.47 (s, 1H), 4.27 (d, J = 3.7Hz, 6H), 3.95-3.81 (m, 1H), 3.13 (s, 4H), 2.23 (d, J = 9.2Hz, 1H)。
【0422】
実施形態293
【化64】
工程1
1-シアノシクロプロパン-1-ホルミルクロリド
化合物293a(2g、18mmol、1当量)を塩化チオニル(10ml)溶液に溶
解させた。その油浴を80℃まで加熱した。この混合物を2時間撹拌し、そして室温まで冷却した。後処理:この系を減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。1-シアノシクロプロパン-1-ホルミルクロリド293b(1.9g、黄色油状物)。収率:83%。
【0423】
工程2
1-(4-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-カルボニルシクロヘキサン-1-カルボニル)シクロプロパン-1-ホルモニトリル
化合物3-(3,5-ジメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン(3.4g、14mmol、1当量)を50mLのテトラヒドロフランに溶解させた。その温度を-78℃で制御しながら、リチウムジイソプロピルアミド(8.4ml、16.8mmol、1.2当量)をこれに添加した。この滴下での添加の後に、この混合物を-40℃まで温め、そして、1時間反応させ、次いで1-シアノシクロプロパン-1-ホルミルクロリド293b(1.8g、14mmol、1当量)をこの系中に-40℃で添加した。この系を室温まで上昇させ、そして3時間反応させた。後処理:飽和塩化アンモニウム水溶液(30ml)をそれに添加し、この混合物を酢酸エチル(100ml)で3回抽出し、そしてその有機相を減圧下で溶媒除去して、目標粗生成物である1-(4-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-カルボニルシクロヘキサン-1-カルボニル)シクロプロパン-1-ホルモニトリル293c(2.6g、黄色油状物)を得た。収率:55%。
【0424】
工程3
1-(6-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロパン-1-ホルモニトリル
化合物1-(4-(3,5-ジメトキシフェニル)-2-カルボニルシクロヘキサン-1-カルボニル)シクロプロパン-1-ホルモニトリル293c(2.6g、8mmol、1当量)、およびヒドラジン水和物(1g、20mmol、2.5当量)をエタノール/酢酸 10:1(20mL)中に溶解させ、そして65℃で3時間反応させた。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)に通して精製して、目標生成物である1-(6-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロパン-1-ホルモニトリル293d(1.1g、黄色固体)を得た。収率:43%。
MS m/z (ESI): 324.2 [M+1]+。
【0425】
工程4
1-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロパン-1-ホルモニトリル
化合物1-(6-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロパン-1-ホルモニトリル293d(1.0g、3mmol、1当量)をACNに溶解させ、そして-40℃で撹拌し、そして塩化スルフリルを滴下により添加した。この混合物をさらに-40℃で3時間撹拌した。この混合物が完成した後に、これを室温まで上昇させた。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)に通して精製して、目標生成物である1-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロパン-1-ホルモニトリル293e(0.4g、黄色固体)を得た。収率:33%。
MS m/z (ESI): 392.2 [M+1]+。
【0426】
工程5
(1-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-
テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロピル)メチルアミン
化合物1-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロパン-1-ホルモニトリル293e(0.4g、1mmol、1当量)およびBH3(2ml、2mmol、2当量)をTHFに溶解させ、そしてこの管を密封した後に、この混合物を60℃で3時間撹拌した。次いで、メタノールをこれに添加した。この混合物をさらに60℃で3時間撹拌し、そしてこの反応を完了させた。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)に通して精製して、目標生成物である(1-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロピル)メチルアミン293f(120mg、黄色固体)を得た。収率:30%。
MS m/z (ESI): 396.1 [M+1]+。
【0427】
工程6
N-((1-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロピル)メチル)アクリルアミド
化合物(1-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロピル)メチルアミン293f(120mg、0.3mmol、1当量)およびDIEA(116mg、0.9mmol、3当量)をDCMに溶解させ、そして-40℃で撹拌した。次いで、塩化アクリロイル(28mg、0.3mmol、1当量)を滴下により添加し、そしてこの混合物を-40℃で0.5時間撹拌し、そしてこの反応を完了させた。後処理:調製のために送付。目標生成物:N-((1-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロピル)メチル)アクリルアミド。
【0428】
最終生成物(ラセミ体)の分離条件:デバイス:質量分析によりガイドされるprep-HPLC;クロマトグラフィーカラム:-Gemini-C18 150×21.2mm、5μm、移動相:ACN--H2O(0.05%NH3)、勾配:60~80。
【0429】
キラル分離の条件:デバイス:SFC、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AS、移動相:CO2-ETOH(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化65】
【0430】
P1: 1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.23-12.18 (m, 1H), 8.12-8.02 (m, 2H),
6.86 (s, 1H), 6.30-6.23 (m, 1H), 6.06 (dd, J = 17.0, 2.1Hz, 1H), 5.56 (d, J = 11.9Hz, 1H), 3.92 (d, J = 2.2Hz, 7H), 3.31 (s, 2H), 2.68 (s, 1H), 2.58 (s, 1H), 1.75-1.70 (m, 1H), 1.24 (s, 1H), 0.91-0.65 (m, 6H)。
【0431】
P2: 1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.23-12.18 (m, 1H), 8.12-8.02 (m, 2H),
6.86 (s, 1H), 6.30-6.23 (m, 1H), 6.06 (dd, J = 17.0, 2.1Hz, 1H), 5.56 (d, J = 11.9Hz, 1H), 3.92 (d, J = 2.2Hz, 7H), 3.31 (s, 2H), 2.68 (s, 1H), 2.58 (s, 1H), 1.75-1.70 (m, 1H), 1.24 (s, 1H), 0.91-0.65 (m, 6H)。
MS m/z (ESI): 450.1 [M+1]+。
【0432】
実施形態295
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-モルホリノフェニル)アクリルアミド
【化66】
【0433】
実施例295を、工程5において、N1,N1,N2-トリメチルエタン-1,2-ジアミンをモルホリンで置き換えたこと以外は実施例137の工程を参照して合成した。最後に、目的生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-モルホリノフェニル)アクリルアミドを得た。
【0434】
キラル分離の条件:デバイス:Chiral prep-HPLC、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AD、移動相:HEX-ETOH(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化67】
【0435】
P1: MS m/z (ESI): 557.0[M+1]+。
ee: 100% (214 nm); 100% (254 nm)。
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.93 (s, 1H), 11.08 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.95 (d, J = 8.3Hz, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.30 (s, 1H), 6.22 (s, 1H), 5.76 (s, 1H), 4.03 (s, 1H), 3.93 (d, J = 3.7Hz,
6H), 3.76 (t, J = 4.4Hz, 4H), 3.12 (d, J = 3.5Hz, 4H), 2.94-2.53
(m, 5H), 1.80(s, 1H)。
【0436】
P2: MS m/z (ESI): 557.0[M+1]。
ee: 98.128% (214 nm); 98.596% (254 nm)。
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.93(s, 1H), 11.09 (s, 1H), 8.33 (s, 1H),
7.01 (d, J = 41.8Hz, 2H), 6.89 (s, 1H), 6.28 (s, 1H), 6.22 (s, 1H), 5.75 (d, J = 9.5Hz, 1H), 4.04 (s, 1H), 3.93 (d, J = 3.2Hz, 6H), 3.75 (s, 4H), 3.12 (s, 4H), 2.76 (d, J = 20.8Hz, 5H), 1.82 (s,
1H)。
【0437】
実施形態296
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-フルオロフェニル)アクリルアミド
【化68】
【0438】
291の合成のプロセス中に、副生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-フルオロフェニル)アクリルアミドを、分離により得た。
MS m/z (ESI): 487.8 [M+1]+。
HPLC: 91.273% (214 nm); 94.245% (254 nm)。
【0439】
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 13.26 (s, 1H), 12.80 (s, 1H), 11.44 (s, 1H), 9.71 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.55 (s, 2H), 7.07 (s, 1H), 6.92 (s, 1H), 6.40 (s, 2H), 6.28 (d, J = 16.9Hz, 1H), 5.84 (s, 1H), 3.94
(s, 6H), 2.95 (s, 1H), 2.44-2.27 (m, 1H)。
【0440】
実施形態297
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-フルオロフェニル)アクリルアミド
【化69】
【0441】
292の合成のプロセス中に、副生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-フルオロフェニル)アクリルアミドを、分離により得た。
MS m/z (ESI): 488.0 [M+1]+。
【0442】
1H NMR (400MHz, MeOD): δ 8.36 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.28 (s, 1H),
7.13 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.38 (s, 3H), 5.80 (d, J = 8.4Hz, 1H
), 3.96 (s, 6H), 3.00 (d, J = 9.7Hz, 1H), 2.62 (s, 1H)。
【0443】
実施形態298
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-メチルフェニル)アクリルアミド
【化70】
【0444】
288の合成のプロセス中に、副生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-メチルフェニル)アクリルアミドを、分離により得た。
MS m/z (ESI): 485.4 [M+1]+。
【0445】
1H NMR (300MHz, DMSO) δ 12.83 (s, 2H), 11.08 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.42 (d, J = 35.7Hz, 2H), 7.18-6.81 (m, 4H), 6.34 (s, 4H), 6.18 (d, J = 16.7Hz, 2H), 5.70 (d, J = 8.6Hz, 2H), 3.92 (s, 12H), 2.47
(s, 8H), 2.34 (s, 6H)。
【0446】
実施形態299
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-(ジメチルアミノ)フェニル)アクリルアミド
【化71】
【0447】
285の合成のプロセス中に、副生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-(ジメチルアミノ)フェニル)アクリルアミドを、分離により得た。
MS m/z (ESI): 512.7 [M+1]+。
【0448】
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.90 (s, 1H), 10.96 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.74 (dd, J = 9.1, 2.8Hz, 1H), 6.41-6.25 (m, 1H), 6.18 (dd, J = 17.0, 1.7Hz, 1H), 5.75-5.69 (m, 1H), 3.93 (d, J = 3.8Hz, 6H), 2.91 (s, 6H), 2.84-2.58 (m, 5H), 2.51 (dt,
J = 3.5, 1.7Hz, 2H)。
【0449】
実施形態300
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒ
ドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-モルホリノフェニル)アクリルアミド
【化72】
【0450】
295の合成のプロセス中に、副生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-モルホリノフェニル)アクリルアミドを、分離により得た。
MS m/z (ESI): 555.0 [M+1]+。
HPLC: 82.029% (214 nm); 82.027% (254 nm)。
【0451】
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.95 (s, 1H), 7.95-7.68 (m, 1H), 7.00 (d,
J = 8.5Hz, 2H), 6.91 (t, J = 12.6Hz, 2H), 6.40 (d, J = 24.2Hz, 2H), 6.19 (d, J = 17.0Hz, 1H), 5.70 (d, J = 9.8Hz, 1H), 3.94 (s, 6H), 3.75 (s, 4H), 3.14 (s, 4H), 2.71 (d, J = 24.4Hz, 2H), 2.41 (s, 2H)。
【0452】
実施形態301
N-(2-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド
【化73】
【0453】
6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(3.33g、8.13mmol)およびアセトニトリル(100ml)を混合し、select F(5.93g、16.
26mmol)をこれに0℃で添加し、そしてこの混合物を室温までゆっくりと温め、そして2時間撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残留物を添加したジクロロメタン(100mL)および水(100mL)で抽出し、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)に通して精製して、6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(700mg、1.61mmol、黄色固体)を得た。収率:19%。
【0454】
実施例301を、工程4において、6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾールを6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾールで置き換えたこと以外は実施例283の操作工程を参照して、調製した。最後に、目的生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジフルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-4-(4-ピペラジン-1-イル)フェニル)アクリルアミド301を得た。次いで、P1およびP2を、キラルカラム分割により得た。キラル分離の条件:SFCデバイス、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AD、移動相:CO2-IPA(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化74】
【0455】
P1: MS m/z (ESI): 538.1 [M+1]+。
ee: 100%。
1HNMR (400MHz, DMSO): δ 12.91 (s, 1H), 11.08 (s, 1H), 8.29 (s, 1H),
7.02 (s, 1H), 6.94 (d, J = 8.3Hz, 2H), 6.30 (s, 1H), 6.19 (d, J
= 17.0Hz, 1H), 5.73(d, J = 10.1Hz, 1H), 3.86 (s, 6H), 3.37 (s, 2H), 3.14 (s, 4H), 2.92 (s, 2H), 2.67 (s, 1H), 2.46 (s, 4H), 2.22 (s, 3H), 1.99 (s, 2H)。
【0456】
P2: MS m/z (ESI): 538.2[M+1]+。
ee: 97.8%。
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 12.90 (s, 1H), 11.08 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.93 (t, J = 8.0Hz, 2H), 6.30 (s, 1H), 6.19 (d, J = 16.9Hz, 1H), 5.73 (d, J = 10.1Hz, 1H), 3.86 (s, 6H), 3.37 (s,
2H), 3.14 (s, 4H), 2.94 (d, J = 9.5Hz, 2H), 2.68 (s, 1H), 2.46 (s, 4H), 2.22 (s, 3H), 2.08 (s, 1H), 1.99 (s, 1H)。
【0457】
実施形態302
N-(5-(6-(2-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アクリルアミド
【化75】
【0458】
6-(2-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(1.7g、4.4mmol)およびアセトニトリル(50ml)を混合し、select F(1.7g、4.4mmol)をこれに0℃で添加し、そしてこの混合物を室温までゆっくりと温め、そして2時間撹拌した。後処理:溶媒除去を減圧下で行い、そしてその残留物を、添加したジクロロメタン(50mL)および水(50mL)で抽出し、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=5:4)に通して精製して、6-(2-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(800mg、1.9mmol、黄色固体)を得た。収率:47%。
【0459】
実施例302を、工程4において、6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾールを6-(2-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾールで置き換えたこと以外は実施例140の操作工程を参照して、調製した。最後に、目的生成物であるN-(5-(6-(2-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アクリルアミド302を得た。次いで、P1およびP2を、キラルカラム分割により得た。キラル分離の条件:SFCデバイス、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AD、移動相:CO2-IPA(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化76】
MS m/z (ESI): 426.0[M+1]
+。
【0460】
P1: 1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.91 (s, 1H), 9.41 (s, 1H), 7.81 (s,
1H), 6.61 (dd, J = 7.0, 2.8Hz, 1H), 6.56-6.46 (m, 1H), 6.18 (dd, J = 17.0, 2.0Hz, 1H), 5.70-5.62 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.32-3.20 (m, 1H), 2.96-2.72 (m, 1H), 2.48-2.30 (m, 1H), 1.89 (s, 1H)。
【0461】
P2: 1H NMR (400MHz, DMSO) δ 12.91 (s, 1H), 9.41 (s, 1H), 7.81 (s,
1H), 6.61 (dd, J = 7.0, 2.8Hz, 1H),6.56-6.46 (m, 1H), 6.19 (dd, J
= 17.0, 2.0Hz, 1H), 5.66 (dd, J = 10.2, 1.8Hz, 1H), 3.83 (s, 3H),
3.77 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.25 (d, J = 9.5Hz, 1H), 2.90 (dd, J
= 15.7, 5.2Hz, 1H), 2.85-2.70 (m, 1H), 2.49-2.30 (m, 1H), 1.89 (s,
1H)。
e.e.99.6%。
【0462】
実施形態303
N-(5-(6-(2-クロロ-6-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アクリルアミド
【化77】
【0463】
6-(2-クロロ-6-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-
インダゾール
6-(2-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(556mg、1.38mmol)、N-クロロスクシンイミド(184mg、1.38mmol)および酢酸(20mL)を混合し、80℃まで温め、そして3時間反応させた。後処理:ジクロロメタンおよび水を添加して層状にし、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そして石油エーテル/酢酸エチル(1:1)系を用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して、黄色固体の生成物である6-(2-クロロ-6-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(230mg、38%)を得た。
【0464】
実施例303を、工程5において、6-(2-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾールを6-(2-クロロ-6-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾールで置き換えたこと以外は実施例302の操作工程を参照して、調製した。最後に、目的生成物であるN-(5-(6-(2-クロロ-6-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アクリルアミド303を得た。次いで、P1およびP2を、キラルカラム分割により得た。キラル分離の条件:デバイス:SFC、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AD、移動相:CO2-IPA(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
MS m/z (ESI): 460.0 [M+1]
+。
【化78】
【0465】
P1: NMR (400MHz, DMSO): δ 12.95 (s, 1H), 9.48 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 6.91 (d, J = 7.8Hz, 2H), 6.53 (dd, J = 17.0, 10.2Hz, 1H), 6.19
(dd, J = 17.0, 2.1Hz, 1H), 5.66 (dd, J = 10.2, 2.1Hz, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 3. 65(dd, J = 16.9, 11.1Hz, 2H), 2.86 (dd, J = 15.6, 5.2Hz, 1H), 2.58 (dq, J = 7.8,5.5Hz, 1H),2.49-2.35 (m, 2H), 2.21 (s, 1H)。
【0466】
P2: 1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 12.94 (s, 1H), 9.47 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 6.91(d, J=7.8 Hz, 2H), 6.52(dd, J=17.0, 10.2 Hz, 1H), 6.19 (dd, J=17.0, 2.1 Hz, 1H), 5.66 (dd, J=10.2, 2.1 Hz, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 3.76( s, 3H), 3.71-3.58 (m, 2H), 2.86 (dd,J=15.7, 5.3 Hz, 1H), 2.38-2.46 (m, 2H), 2.21 (s, 1H), 1.87 (d, J=11.9 Hz, 1H)。
【0467】
実施形態304
N-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-(ジメチルアミノ)フェニル)アクリルアミド
【化79】
【0468】
284の合成のプロセス中に、副生成物であるN-(2-(6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5-ジヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-5-(ジメチルアミノ)フェニル)アクリルアミドを、分離により得た。
MS m/z (ESI): 514.4 [M+1]+。
【0469】
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 12.75(d,J =187.3 Hz,1H), 11.36 (s, 1H),
9.41 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.27 (s, 3H), 6.91 (s, 2H), 6.60 (s,
3H), 6.39-6.03 (m, 6H), 5.75 (s, 2H), 3.94 (s, 12H), 2.95 (s, 12H), 2.52 (s, 4H), 2.34 (s, 4H)。
【0470】
実施形態310
N-(5-(6-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アクリルアミド
【化80】
【0471】
実施例310を、工程4において、6-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾールを6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾールで置き換えたこと以外は実施例140の操作工程を参照して、調製した。最後に、目的生成物であるN-(5-(6-(3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アクリルアミド310を得た。
【0472】
キラル分離の条件:SFCデバイス、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AD、移動相:CO2-IPA(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうち
の一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化81】
MS m/z (ESI): 407.8 [M+1]
+。
【0473】
P1: 1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 12.89(s, 1H), 9.43 (s, 1H), 7.80 (s,
1H), 6.57 - 6.46 (m, 3H), 6.37 (t, J=2.2 Hz, 1H), 6.19 (dd, J=17.0, 2.1 Hz, 1H), 5.66 (dd, J=10.2, 2.0 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.74 (s, 6H), 3.00 - 2.86 (m, 2H), 2.75 (t, J=14.3 Hz, 1H), 2.49 - 2.41
(m, 1H), 2.36 (d, J=16.9 Hz, 1H), 1.97-1.75 (m, 2H)。
【0474】
P2: 1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 12.89 (s, 1H), 9.43 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 6.57 - 6.45 (m, 3H), 6.37 (t, J=2.2 Hz, 1H), 6.18 (dd, J=17.0, 2.0 Hz, 1H), 5.66 (dd, J=10.2, 1.9 Hz, 1H), 3.77(s, 3H), 3.74 (s, 6H), 2.92 (d, J=11.9 Hz, 2H), 2.75 (t, J=14.1 Hz, 1H), 2.49-2.41
(m, 1H), 2.36 (d, J=14.9 Hz, 1H), 2.01-1.77 (m, 2H)。
ee: 100%。
【0475】
実施形態311
N-(5-(6-(2-クロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アクリルアミド
【化82】
【0476】
6-(3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾ
ール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(250mg、0.6mmol)、N-クロロスクシンイミド(85mg、0.6mmol)および酢酸(10mL)を混合し、80℃まで温め、そして3時間反応させた。後処理:ジクロロメタンおよび水を添加して層状にし、その有機相を減圧下で溶媒除去し、そして石油エーテル/酢酸エチル(1:1)系を用いるシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通して、黄色固体の生成物である6-(2-クロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール(150mg、55%)を得た。
【0477】
実施例311を、工程5において、6-(2-フルオロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾールを6-(2-クロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-3-(1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾールで置き換えたこと以外は実施例302の操作工程を参照して、調製した。最後に、目的生成物であるN-(5-(6-(2-クロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-3-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)アクリルアミド311を得た。
【0478】
キラル分離の条件:SFCデバイス、クロマトグラフィーカラム:chiralpak-AD、移動相:CO2-IPA(DEA)。SFC機で短い保持時間を有するものをP1と名付け、そして長い保持時間を有するものをP2と名付けた。P1およびP2のうちの一方がR-異性体であり、そして他方がS-異性体であった。
【化83】
MS m/z (ESI): 442.0[M+1]
+。
【0479】
P1: 1H NMR (400 MHz, DMSO): δ12.96 (s, 1H), 9.49 (s, 1H), 7.83 (s,
1H), 6.62 (d, J=2.9 Hz, 2H), 6.52 (dd, J=17.0, 10.2 Hz,1H), 6.19 (d, J=17.0 Hz, 1H), 5.66(d, J=10.2 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 3.46 (s, 2H), 2.94 (dd, J=15.7, 5.1Hz, 1H), 2.75 - 2.66 (m, 1H), 2.38 (d, J=14.5Hz, 1H), 1.90 (s, 1H)。
【0480】
P2: 1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 12.99 (s, 1H), 9.49 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 6.62 (d,J =3.0 Hz, 2H), 6.52 (dd, J=17.0, 10.2Hz, 1H), 6.19
(d, J=17.0 Hz,1H), 5.66 (d,J=10.1 Hz,1H), 3.86 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 3.53 - 3.42 (m, 2H), 2.94 (dd, J=15.5, 4.7Hz, 1H),
2.76 - 2.65 (m, 1H), 2.39 (d, J=14.9 Hz, 1H), 1.90 (s, 1H)。
【0481】
FGFR4活性阻害試験
本発明の化合物の、チロシンキナーゼFGFR4の活性に対する影響を、インビトロキナーゼアッセイ実験により評価した。
【0482】
実験方法を下記のように要約する:
CISBIO Corp.製のHTRF(登録商標)KinEASETM-TK 20000 testsキナーゼアッセイキットを使用した。このキットは、ビオチン標識基質、EU標識リン酸化部位特異的抗体、およびXL665標識アビジンならびに関連する緩衝液を提供した。FGFR4は基質をリン酸化し、Eu-Abはリン酸化された基質を同定し、そしてXL665-SAはビオチンを基質に結合させて、EuをXL665に接近させ、これによって、HTRF信号を生成させた。キナーゼの活性の変化を、HTRF信号の強度を読み取ることによって検出した。このキナーゼアッセイ実験において、主に2段階の反応、すなわち、キナーゼ反応およびアッセイ反応が存在した。このキナーゼ反応において、キナーゼは基質をリン酸化するためにATPを消費し、そして同時に、リン酸基を含む基質を生成した。このアッセイ反応において、アッセイ試薬を添加してこのキナーゼ反応を終了させた。同時に、アッセイ試薬中の特異的抗体およびXL665標識アビジンは、それぞれ基質上のリン酸基およびビオチンに結合して、HTRF信号を生成した。この信号の強度は、基質のリン酸化レベルに直接比例し、これによって、キナーゼFGFR4の活性を定量的にアッセイすることができた。
【0483】
このアッセイ中に、化合物および酵素の結合およびインキュベーションを、室温で60分間行った。キナーゼ反応を、37℃の一定温度で40分間行った。Corning 3674黒色384ウェルアッセイプレートを使用した。キナーゼヒトFGFR4タンパク質(460~802アミノ酸)をCAMA Company(Art.No.08-136)から購入した。キナーゼ基質は、TK(Cisbioから購入)およびATP(Sigma)であった。光学信号を、マイクロプレートリーダーTECAN Spark 10M plate reader(TECAN)により読み取った。キナーゼ反応緩衝液は、1X Enzymatic buffer(CISBIO)、5mM MgCl2(Sigma)および1mM DTT(Sigma)を含んだ。キナーゼFGFR4を、緩衝液を用いて、キナーゼ反応溶液中に、0.25μg/mlの濃度で配合した。基質反応溶液は、0.75μMの基質および500μmのATPを含んだ。
【0484】
化合物のIC50を、10の濃度点から、下記の式により計算した。最初に、化合物を、96ウェルプレート内で100%DMSOに溶解させ、そして3つの濃度、すなわち、4mM、40μM、および0.4μMに希釈した。8μlの化合物を384 LDV Echo Sourceプレートに移し、そして化合物を、Echo550を用いてAssayプレートに移して、10の濃度点を得た。各濃度点に2つのコピー穴を与えた(開始点10μM、3倍希釈)。最初に、6μLのキナーゼ溶液を384ウェルアッセイプレートに添加し、均一に混合し、次いで、室温で60分間インキュベートした。次に、4μLの基質反応溶液を添加し、全反応体積を10μLにした。この反応混合物を、37℃の一定温度で40分間反応させた。その後、10μLのキナーゼアッセイ試薬を添加し、そしてこの反応を終了させた。次いで、TECAN plate readerで数値を読み取った。
【0485】
阻害百分率を、下記の式に基づいて計算した:
%阻害=[1-(RLU
compound-RLU
min)/(RLU
max-RLU
min)]×100
ここでRLU
compoundは、所定の化合物濃度でのルミネッセンスの読み取りであり、RLU
minは、キナーゼを添加しない場合のルミネッセンスの読み取りであり、そしてRLU
maxは、化合物を添加しない場合のルミネッセンスの読み取りである。化合物のIC
50を、ExcelのXLfitプログラムにより計算した。
【表2-1】
【表2-2】
【0486】
結論:本発明の化合物は、チロシンキナーゼFGFR4の活性に対して、明白な阻害効果を有する。
【0487】
上記内容は、特定の好ましい実施形態と組み合わせて、本発明のさらに詳細な説明である。本発明の具体的な実施は、これらの説明に限定されるとみなされるべきではない。本発明が属する分野の当業者はまた、本発明の概念から逸脱することなく、何らかの簡単な差し引きまたは交換を行い得、これらは全て、本発明の保護範囲に属するとみなされる。