(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158130
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】サイドリンク伝送におけるユーザ装置能力の標識方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 8/22 20090101AFI20231019BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20231019BHJP
H04W 72/25 20230101ALI20231019BHJP
【FI】
H04W8/22
H04W92/18
H04W72/25
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023144849
(22)【出願日】2023-09-06
(62)【分割の表示】P 2021557987の分割
【原出願日】2019-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】リ・グオルゥォン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ジエヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジィ・ポンユィ
(72)【発明者】
【氏名】ワン・シヌ
(57)【要約】
【課題】本発明は、サイドリンク伝送におけるユーザ装置能力の標識方法及び標識装置を提供する。
【解決手段】1つの特定のユーザ装置IDを使用して目的UEのUE能力を標識することで、送信端UEが目的UEのUE能力に基づいて、目的UE能力を超えない設定、及び該目的UEをメンテナンスする関連情報を提供し得るので、UE能力を効果的に標識するメカニズムを提供ことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他のユーザ装置とサイドリンク伝送を行うことができる通信部と、
ソース層2 ドレス(source L2 ID)及び目的層2アドレス(destination L2 ID)からなるアドレスペアによって、前記他のユーザ装置のユーザ装置能力を標識する(identifying)する第一標識部と、
を備える、ユーザ装置。
【請求項2】
前記サイドリンク伝送は、前記ユーザ装置と前記他のユーザ装置との間の1つリンク又は複数のユニキャストリンクを用いて行われる、請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項3】
前記アドレスペアは、前記ユーザ装置又は前記他のユーザ装置の上位層(upper layer)又はアクセス層によって提供される、請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項4】
前記アドレスペアに関する情報は、PC5-Sメッセージ又はPC5-RRCメッセージに含まれる、請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項5】
前記PC5-RRCメッセージは、PC5シグナリングで対応するPC5ユニキャストリンクを確立された後に、送信される、請求項4に記載のユーザ装置。
【請求項6】
前記他のユーザ装置が前記他のユーザ装置の層2アドレスをソース層2IDとして使用して送信するPC5-Sメッセージを受信する受信部と、
前記ユーザ装置の上位層が前記他のユーザ装置の層2IDを、前記他のユーザ装置のユーザ装置能力を標識する層2アドレスとしてRRC層に通知するようにさせる通知部と、
をさらに含む、請求項1に記載のユーザ装置。
【請求項7】
他のユーザ装置とサイドリンク伝送を行うユーザ装置であって、
前記サイドリンク伝送を行うことができる通信部と、
前記他のユーザ装置に、ソース層2アドレス(source L2 ID)及び目的層2アドレス(destination L2 ID)からなるアドレスペアというユーザ装置ID(UE ID)を提供することによって、前記他のユーザ装置が前記ユーザ装置IDを使用して前記ユーザ装置のユーザ装置能力を標識するようにさせる制御部と、
を備える、ユーザ装置。
【請求項8】
前記アドレスペアに関する情報は、PC5-Sメッセージ又はPC5-RRCメッセージに含まれる、請求項7に記載のユーザ装置。
【請求項9】
前記PC5-RRCメッセージは、PC5シグナリングで対応するPC5ユニキャストリンクを確立された後に、送信される、請求項8に記載のユーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信の分野に関し、特に、サイドリンク伝送におけるユーザ装置能力の標識方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クルマとモノをつなげる通信サービスがV2Xサービスと称される。V2Xサービスは複数の種類のサービス、例えば、V2V(Vehicle-to-Vehicle)通信サービス、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)通信サービス、V2P(Vehicle-to-Pedestrian)通信サービスなどを含む。V2XサービスはPC5インターフェース及び/又はUuインターフェースによって提供することができる。PC5インターフェースによって伝送されるV2Xサービスは、V2Xサイドリンク(sidelink)通信によって提供され、それはユーザ装置(User Equipment、UE)が直接PC5インターフェースを介して互いに通信し得る通信モードである。LTE(Long Term Evolution)又はNR(New radio、新無線)では、UEはネットワークのカバレッジの内外にあるときにすべて上述の通信モードをサポートし得る。
【0003】
従来のV2X通信では、ユーザ装置(User Equipment、UE)としての車と車の間でサイドリンク(sidelink)上でPC5インターフェースを介してデータの伝送が行われ、UEとネットワーク装置(Network Equipment、NE)の間で上り下りリンクによってUuインターフェースを介してデータの伝送が行われる。サイドリンクでは、データを送信するUEが送信端UE又はソースUEと称され、データを受信するUEが受信端UE又は目的UEと称される。
【0004】
なお、上述の背景技術についての紹介は、本発明の技術案を明確かつ完全に説明し、また、当業者がそれを理解しやすいためのものである。これらの技術案は、本発明の背景技術に記述されているため、当業者にとって周知であると解釈してはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
今のところ、3GPP(登録商標)(Third Generation Partnership Project)では次のようなことについて同意されており、即ち、1つの目的UEについてUEコンテキスト(UE context)が記憶され、サイドリンク伝送のUEコンテキスト(SL UE context)は少なくとも目的UEのサイドリンク伝送のUE能力を含み得る。しかしながら、アクセス層(AS層)設定情報もサイドリンク伝送のUE能力に含まれるかどうかが未だに確定されていない。また、次のようなことも認めされており、即ち、UEは、ユニキャスト(unicast)において2つのUEの間に新到来のサービス、例えば、新到来のユニキャストサービスのために目的UEのUE能力を記憶することができ、かつPC5-RRC接続によって、2つのUEの間でSL UE context間の同期が行われることをサポートする。
【0006】
発明者が次のようなことを発見しており、即ち、LTE V2Xでは、目的層2アドレス(destination layer-2 ID、destination L2 ID)とV2Xサービス類型の間に対応関係がある。NR V2Xでは、cast mode(送信類型であり、ユニキャストunicast、グループキャストgroupcast及びブロードキャストbroadcastを含む)と目的層2アドレスの間に対応関係があるかどうかが議論されている。SA2議論では、1つのUEと対等UEの間の複数のユニキャストサービス又はユニキャストリンクが同じ又は異なるソース層2アドレス(source L2 ID)を使用する可能性がある。よって、例えば、2つのUEの間に複数のユニキャストサービス又はユニキャストリンクが存在するときに、今のところ、ソース層2アドレス及び/又は目的層2アドレスが目的UEと一対一対応するかどうかが確定されていないため、目的UEのUE能力を如何に標識するかの問題を解決する必要がある。
【0007】
本発明の実施例はサイドリンク伝送におけるユーザ装置能力の標識方法及び装置を提供し、1つの特定のユーザ装置IDを使用して目的UEのUE能力を標識するので、UE能力を効果的に標識するメカニズムを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例の第一側面によれば、サイドリンク伝送におけるユーザ装置能力(UE context)の標識方法が提供され、前記方法は第一ユーザ装置側に応用され、前記方法は、
次のユーザ装置ID(UE ID)のうちの1つを使用して第二ユーザ装置のユーザ装置能力を標識することを含み、即ち、1つの層2アドレス(L2 ID);1つのソース層2アドレス(source L2 ID)及び1つの目的層2アドレスからなる1つのアドレスペア;1つのアクセス層(AS層)のID;1つのリンクID;及び、前記第二ユーザ装置がPC5-RRCメッセージを送信するときに使用する1つの標識であり、そのうち、前記サイドリンク伝送は前記第一ユーザ装置と前記第二ユーザ装置の間のサイドリンク伝送である。
【0009】
本発明の実施例の第二側面によれば、サイドリンク伝送におけるユーザ装置能力(UE context)の標識方法が提供され、前記方法は第二ユーザ装置側に応用され、前記方法は、
第一ユーザ装置に次の1つのユーザ装置ID(UE ID)を提供することで、前記第一ユーザ装置が前記ユーザ装置IDを用いて前記第二ユーザ装置のユーザ装置能力を標識するようにさせることを含み、即ち、1つの層2アドレス(destination L2 ID);1つのソース層2アドレス(source L2 ID)及び1つの目的層2アドレスからなる1つのアドレスペア;1つのリンクID;1つのアクセス層(AS層)のID;及び、前記第二ユーザ装置がPC5-RRCメッセージを送信するときに使用する1つの標識であり、そのうち、前記サイドリンク伝送は前記第一ユーザ装置と前記第二ユーザ装置の間のサイドリンク伝送である。
【0010】
本発明の実施例の第三側面によれば、サイドリンク伝送におけるユーザ装置能力(UE context)の標識装置が提供され、前記装置は第一ユーザ装置側に応用され、前記装置は、
第一標識ユニットを含み、それは、次のユーザ装置ID(UE ID)のうちの1つを使用して第二ユーザ装置のユーザ装置能力を標識し、即ち、1つの層2アドレス(L2 ID);1つのソース層2アドレス(source L2 ID)及び1つの目的層2アドレスからなる1つのアドレスペア;1つのアクセス層(AS層)のID;1つのリンクID;及び、前記第二ユーザ装置がPC5-RRCメッセージを送信するときに使用する1つの標識であり、そのうち、前記サイドリンク伝送は前記第一ユーザ装置と前記第二ユーザ装置の間のサイドリンク伝送である。
【0011】
本発明の実施例の第四側面によれば、サイドリンク伝送におけるユーザ装置能力(UE context)の標識装置が提供され、前記装置は第二ユーザ装置側に応用され、前記装置は、
第一提供ユニットを含み、それは、第一ユーザ装置に次の1つのユーザ装置ID(UE ID)を提供することで、前記第一ユーザ装置が前記ユーザ装置IDを使用して前記第二ユーザ装置のユーザ装置能力を標識するようにさせ、即ち、1つの層2アドレス(destination L2 ID);1つのソース層2アドレス(source L2 ID)及び1つの目的層2アドレスからなる1つのアドレスペア;1つのリンクID;1つのアクセス層(AS層)のID;及び、前記第二ユーザ装置がPC5-RRCメッセージを送信するときに使用する1つの標識であり、そのうち、前記サイドリンク伝送は前記第一ユーザ装置と前記第二ユーザ装置の間のサイドリンク伝送である。
【0012】
本発明の実施例の第五側面によれば、ユーザ装置が提供され、前記ユーザ装置は本発明の実施例の第三側面又は第四側面に記載の装置を含む。
【0013】
本発明の実施例の第六側面によれば、通信システムが提供され、前記通信システムは本発明の実施例の第五側面に記載のユーザ装置を含む。
【0014】
本発明の実施例の第七側面によれば、コンピュータ可読プログラムが提供され、そのうち、サイドリンク伝送におけるユーザ装置能力(UE context)の標識装置又はユーザ装置中で前記プログラムを実行するときに、前記プログラムは前記サイドリンク伝送におけるユーザ装置能力(UE context)の標識装置又はユーザ装置に本発明の実施例の第一側面又は第二側面に記載のサイドリンク伝送におけるユーザ装置能力(UE context)の標識方法を実行させる。
【0015】
本発明の実施例の第八側面によれば、コンピュータ可読プログラムを記憶している記憶媒体が提供され、そのうち、前記コンピュータ可読プログラムはサイドリンク伝送におけるユーザ装置能力(UE context)の標識装置又はユーザ装置に本発明の実施例の第一側面又は第二側面に記載のサイドリンク伝送におけるユーザ装置能力(UE context)の標識方法を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有利な効果が次のとおりである。即ち、1つの特定のユーザ装置IDを使用して目的UEのUE能力を標識することで、送信端UEが目的UEのUE能力に基づいて、目的UE能力を超えない設定、及び該目的UEをメンテナンスする関連情報を提供し得るので、UE能力を効果的に標識するメカニズムを提供ことができる。
【0017】
後述の説明及び図面を参照することで、本発明の特定の実施形態を詳しく開示し、本発明の原理を採用し得る態様を示す。なお、本発明の実施形態は、範囲上ではこれらにより限定されない。添付した特許請求の範囲内であれば、本発明の実施形態は、様々な変更、修正及び代替によるものを含んでも良い。
【0018】
また、1つの実施方式について説明した及び/又は示した特徴は、同じ又は類似した方式で1つ又は複数の他の実施形態に用い、他の実施形態における特徴と組み合わせ、又は、他の実施形態における特徴を置換することもできる。
【0019】
なお、「含む/有する」のような用語は、本明細書に使用されるときに、特徴、要素、ステップ、又はアセンブルの存在を指すが、1つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ、又はアセンブリの存在又は付加を排除しないということも指す。
【図面の簡単な説明】
【0020】
含まれている図面は、本発明の実施例への更なる理解を提供するために用いられ、これらの図面は、本明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示し、文字記載とともに本発明の原理を説明するために用いられる。また、明らかのように、以下に記載される図面は、本発明の幾つかの実施例を示すためのものに過ぎず、当業者は、創造性のある労働をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】本発明の実施例に係る通信システムを示す図である。
【
図2】本発明の実施例に係るPC5インターフェースのプロトコルスタックを示す図である。
【
図3】本発明の実施例1に係るサイドリンク伝送におけるユーザ装置能力の標識方法を示す図である。
【
図4】本発明の実施例1における例1.1の標識方法を示す図である。
【
図5】本発明の実施例1における例1.1のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示す図である。
【
図6】本発明の実施例1における例1.2の標識方法を示す図であり、該方法はUE1側に応用される。
【
図7】本発明の実施例1における例1.2のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示す図である。
【
図8】本発明の実施例1における例1.2のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示すもう1つの図である。
【
図9】本発明の実施例1における例1.2のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示すまたもう1つの図である。
【
図10】本発明の実施例1における例1.2の標識方法を示すもう1つの図である。
【
図11】本発明の実施例1における例1.2のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示すまたもう1つの図である。
【
図12】本発明の実施例1における例2の標識方法を示す図である。
【
図13】本発明の実施例1における例2のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示す図である。
【
図14】本発明の実施例1における例2の標識方法を示すもう1つの図である。
【
図15】本発明の実施例1における例2のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示すもう1つの図である。
【
図16】本発明の実施例1における例3の標識方法を示すもう1つの図である。
【
図17】本発明の実施例1におけるサイドリンク伝送における設定情報の生成方法を示す図である。
【
図18】本発明の実施例2に係るサイドリンク伝送におけるユーザ装置能力の標識方法を示す図である。
【
図19】本発明の実施例3に係るサイドリンク伝送におけるユーザ装置能力の標識方法を示す図である。
【
図20】本発明の実施例4におけるサイドリンク伝送におけるユーザ装置能力(UE context)の標識装置を示す図である。
【
図21】本発明の実施例5におけるサイドリンク伝送におけるユーザ装置能力(UE context)の標識装置を示す図である。
【
図22】本発明の実施例6におけるユーザ装置のシステム構成図である。
【
図23】本発明の実施例7におけるユーザ装置のシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付した図面及び以下の説明を参照することにより、本発明の前述及び他の特徴が明らかになる。なお、明細書及び図面では、本発明の特定の実施形態を開示するが、それは、本発明の原理を採用し得る一部のみの実施形態を示し、理解すべきは、本発明は、記載されている実施形態に限定されず、即ち、本発明は、添付した特許請求の範囲内のすべての変更、変形及び代替によるものも含むということである。
【0022】
本発明の実施例では、用語「通信ネットワーク」又は「無線通信ネットワーク」は、次のような任意の通信規格に準ずるネットワークを指しても良く、例えば、LTE(LTE、Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、WCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)、HSPA(High-Speed Packet Access)などである。
【0023】
また、通信システムにおける装置間の通信は、任意の段階の通信プロトコルに従って行われても良く、例えば、次のような通信プロトコルを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、1G(generation)、2G、2.5G、2.75G、3G、4G、4.5G及び将来の5G、新無線(NR、New Radio)など、及び/又は、その他の従来の又は将来開発される通信プロトコルである。
【0024】
本発明の実施例では、用語「ネットワーク装置」は、例えば、通信システムにおける、端末装置を通信ネットワークに接続し、かつ該端末装置にサービスを提供する装置を指す。ネットワーク装置は、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、基地局(BS、Base Station)、アクセスポイント(AP、Access Point)、送受信ポイント(TRP、Transmission Reception Point)、ブロードキャスト送信機、モバイル管理エンティティ(MME、Mobile Management Entity)、ネットワークゲートウェイ、サーバー、無線ネットワーク制御器(RNC、Radio Network Controller)、基地局制御器(BSC、Base Station Controller)などである。
【0025】
そのうち、基地局は、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、ノードB(NodeB又はNB)、進化ノードB(eNodeB又はeNB)及び5G基地局(gNB)などであり、さらにRRH(Remote Radio Head)、RRU(Remote Radio Unit)、リレー(relay)又は低パワーノード(例えば、femto、picoなど)を含んでも良い。また、用語「基地局」は、それらの一部又はすべての機能を含んでも良く、各基地局は、特定の地理的領域に対して通信カバレッジを提供することができる。用語「セル」が指すのは、基地局及び/又はそのカバーする領域であっても良く、これは、該用語のコンテキストによるものである。
【0026】
本発明の実施例では、用語「ユーザ装置」(UE、User Equipment)又は「端末装置」(TE、Terminal Equipment)は、例えば、ネットワーク装置により通信ネットワークにアクセスし、かつネットワークからのサービスを受ける装置を指す。ユーザ装置は、固定したもの又は移動するものであっても良く、また、移動ステーション(MS、Mobile Station)、端末、加入者ステーション(SS、Subscriber Station)、アクセス端末(AT、Access Terminal)、ステーションなどとも称される。
【0027】
そのうち、ユーザ装置は、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、例えば、セルラーフォン(Cellular Phone)、PDA(Personal Digital Assistant)、無線モデム、無線通信装置、キャリー装置、マシンタイプ通信装置、ラップトップコンピュータ、コードレス電話機、スマートフォン、スマートウォッチ、デジタルカメラなどである。
【0028】
また、例えば、IoT(Internet of Things)などのシナリオにおいて、ユーザ装置は、さらに、監視又は測定を行う機器又は装置であっても良く、例えば、次のようなものを含んでも良いが、それに限定されず、即ち、マシンタイプ通信(MTC、Machine Type Communication)端末、車載通信端末、D2D(Device to Device)端末、M2M(Machine to Machine)端末などである。
【0029】
以下、実例によって本発明の実施例に係るシナリオについて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0030】
図1は本発明の実施例における通信システムを示す図であり、ユーザ装置及びネットワーク装置を例とするケースを例示的に説明する。
図1に示すように、通信システム100はネットワーク装置101及びユーザ装置102、103、104を含んでも良く、ユーザ装置102、103、104は例えば車両である。そのうち、ネットワーク装置101はオプションである。
【0031】
本発明の実施例では、ネットワーク装置101とユーザ装置102、103、104の間は従来のトラフィック(サービス)又は将来実施し得るトラフィックを行うことができる。これらのトラフィックは、例えば、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、mMTC(massive Machine Type Communication)、URLLC(Ultra-Reliable and Low-Latency Communication)などを含んでも良いが、これに限られない。
【0032】
ユーザ装置102と103の間及びユーザ装置102と104の間はサイドリンク(sidelink)上のサービス(業務)を行うことができ、例えば、これらのサービスはV2Xサービス及びD2Dサービスを含むが、これに限定されない。例えば、ユーザ装置102は第一ユーザ装置UE1、即ち、送信端UEであり、ユーザ装置103は第二ユーザ装置UE2であり、ユーザ装置104は第三ユーザ装置UE3であり、UE2及びUE3は受信端UEである。
【0033】
例えば、UE1及びUE2は2つのV2Xサービス、即ち、サービス1及びサービス2を行い、UE1及びUE3は1つのV2Xサービス、即ち、サービス3を行う。UE1には目的UEのUEコンテキスト、即ち、目的UE2及び目的UE3のUEコンテキストを記憶する必要があり、UEコンテキストには該UEのUE能力が含まれ、また、対応するAS層設定(FFS)がさらに含まれても良い。
【0034】
図2は本発明の実施例に係るPC5インターフェースのプロトコルスタックを示す図である。
図2に示すように、サイドリンクと構成されるUE1及びUE2の、上位層(upper layer)としてのPC5-Signalling層(PC5-S層)又はV2X層又はV2Xアプリケーション層の間はPC5-signalling(PC5-S)メッセージによって通信が行われ、RRC層はPC5-RRCメッセージによって通信が行われる。送信端UE(例えば、UE1)では、上位層はMAC層に送信端UEのソース層2アドレス(source L2 ID)及び受信端UEの目的層2アドレス(destination L2 ID)を通信することができる。また、該プロトコルスタックはさらにSDAPプロトコル層を含んでも良く、それは例えばPC5-S層の下位及びPDCP層の上位にある(図示せず)。
【0035】
本発明の実施例では、上位層(upper layer)はアプリケーション層又はV2X層又はPC5-S層であり得る。また、アクセス層(AS層)はRRC層、SDAP層、PDCP層、RLC層、MAC層及びPHY層のうちの少なくとも1つを含み得る。
【実施例0036】
本発明の実施例はサイドリンク伝送におけるユーザ装置能力の標識方法を提供し、それは第一ユーザ装置側に応用される。
図3は本発明の実施例1に係るサイドリンク伝送におけるユーザ装置能力の標識方法を示す図である。
図3に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0037】
ステップ301:以下のユーザ装置ID(UE ID)のうちの1つを使用して第二ユーザ装置のユーザ装置能力を標識し、即ち、
1つの層2アドレス(L2 ID);
1つのソース層2アドレス(source L2 ID)及び1つの目的層2アドレスからなる1つのアドレスペア;
1つのリンクID;
1つのアクセス層(AS層)のID;及び
第二ユーザ装置がPC5-RRCメッセージを送信するときに使用する1つの標識であり、
そのうち、該サイドリンク伝送は第一ユーザ装置と第二ユーザ装置の間のサイドリンク伝送である。
【0038】
このようにして、1つの特定のユーザ装置IDを使用して目的UEのUE能力を標識することで、送信端UEが目的UEのUE能力に基づいて、目的UE能力を超えない設定、及び該目的UEをメンテナンスする関連情報を提供し得るので、UE能力を効果的に標識するメカニズムを提供ことができる。
【0039】
本実施例では、第一ユーザ装置及び第二ユーザ装置の間はサイドリンク伝送を行うことができ、例えば、第一ユーザ装置は送信端UEであり、UE1と記され、第二ユーザ装置は受信端UEであり、UE2と記される。
【0040】
本実施例では、リンクIDは例えばPC5リンクIDである。
【0041】
本実施例では、該方法はさらに以下のステップを含み得る。
【0042】
ステップ302:該ユーザ装置IDによって標識された後の第二ユーザ装置のユーザ装置能力を記憶する。
【0043】
本実施例では、該方法はさらに以下のステップを含み得る。
【0044】
ステップ303:該第二ユーザ装置からのPC5-RRCメッセージを受信し;
ステップ304:該PC5-RRCメッセージによって指示されるユーザ装置IDに基づいて、該PC5-RRCメッセージにおける全部の情報又は一部の情報を該ユーザ装置IDに対応するユーザ装置能力に記憶する。
【0045】
本実施例では、該PC5-RRCメッセージは例えば第二ユーザ装置のUE能力情報を含む。
【0046】
本実施例では、該ユーザ装置IDは該第一ユーザ装置、該第二ユーザ装置及びネットワーク装置のうちの1つによって提供され得る。
【0047】
本実施例では、該ユーザ装置IDは該第一ユーザ装置又は該第二ユーザ装置の上位層(upper layer)又はアクセス層(AS layer)によって提供され得る。
【0048】
本実施例では、該ユーザ装置IDはPC5-Sメッセージ又はPC5-RRCメッセージに明示又は黙示的に含まれ得る。
【0049】
例えば、明示的な場合、PC5-Sメッセージ又はPC5-RRCメッセージには該ユーザ装置IDが直接含まれ、黙示的な場合、PC5-Sメッセージ又はPC5-RRCメッセージには該ユーザ装置IDが直接含まれず、メッセージに対応するIDを解析することにより得る必要があり、例えば、該ユーザ装置IDは目的UEによって該メッセージに対応するMAC PDUのサブヘッダーに含められ、例えば、source L2 IDとされる。
【0050】
以下、例1-3に基づいて本実施例の第二ユーザ装置のユーザ装置能力を標識するためのユーザ装置IDの取得方法、及び標識するプロセスを例示的に説明する。そのうち、説明の便宜のため、送信端UEとしての第一ユーザ装置をUE1と称し、目的UEとしての第二ユーザ装置をUE2と称する。
【0051】
例1)UE2のユーザ装置能力を標識するためのユーザ装置IDはUE1又はUE2の上位層によって提供される1つの層2アドレス、又は1つのソース層2アドレス及び1つの目的層2アドレスからなる1つのアドレスペア、又は1つのリンクIDである。本実施例では、1つの層2アドレスを例にとって説明を行うが、1つのアドレスペア及び1つのリンクIDについてはその処理方式も同様である。
【0052】
例1.1)上位層が1つのUEの複数のリンクについて1つの層2アドレスを使用し、又は1つのUEの複数のリンクについて複数の層2アドレスを使用するが、異なる層2アドレスが異なる目的UEに対応すると見なされる場合について
例えば、UE1からUE2への2つのユニキャストサービス又はユニキャストリンクについて、UE2においてこの2つのユニキャストサービス又はユニキャストリンクに割り当てるソース層2アドレスが同じであり、言い換えれば、UE1について言えば、この2つのユニキャストサービス又はユニキャストリンクの目的層2アドレスは同じであり、また、UE1について言えば、複数のユニキャストサービス又はユニキャストリンクが使用するソース層2アドレスは同じであり又は異なる可能性がある。
【0053】
また、例えば、UE1からUE2への2つのユニキャストサービス又はユニキャストリンクについて、UE2においてこの2つのユニキャストサービス又はユニキャストリンクに割り当てるソース層2アドレスが異なり、言い換えれば、UE1について言えば、この2つのユニキャストサービス又はユニキャストリンクの目的層2アドレスは異なり、この2つの目的層2アドレスは2つの目的UEとして処理される。
【0054】
図4は本発明の実施例1における例1.1の標識方法を示す図であり、該方法はUE1側に応用される。
図4に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0055】
ステップ401:UE2がUE2の層2アドレスをソース層2アドレスとして用いて送信するPC5-Sメッセージを受信し;
ステップ402:UE1の上位層がUE2の層2アドレスを、UE2のユーザ装置能力を標識する層2アドレスとしてRRC層に通知し;及び
ステップ403:UE1のRRC層が該層2アドレスからのPC5-RRCメッセージ又は該層2アドレスを含むPC5-RRCメッセージを受信したときに、該PC5-RRCメッセージにおける全部の情報又は一部の情報を該ソース層2アドレスに対応するユーザ装置能力に記憶する。
【0056】
図5は本発明の実施例1における例1.1のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示す図である。
図5に示すように、ステップ501において、UE1はソース層2アドレス(source L2 ID)(例えば、L2 ID1)及び特定の目的層2アドレス(destination L2 ID)(例えば、該V2Xサービス類型に対応するL2 ID2)を使用してUE2にPC5-S直接接続リクエスト(PC5-S Direct Communication Request)を送信し、ステップ502において、UE2の上位層は、UE1がPC5-S直接接続リクエストを送信するときに使用するソース層2アドレスL2 ID1を、PC5-S直接接続リクエストの受信メッセージ(PC5-S Direct Communication Accept)を送信する目的層2アドレスとし、また、自ら、PC5-S直接接続リクエストの受信メッセージを送信するために用いるソース層2アドレス(例えば、L2 ID3)を確定し、ステップ503において、UE2はUE1にPC5-S直接接続リクエストの受信メッセージを送信し、ステップ504において、UE1のPC5-S層は該受信メッセージに対応するUE2の層2アドレス(即ち、L2 ID3)を取得し、また、UE1はさらに、UE2へのユニキャストサービス又はユニキャストリンクのシグナリング及びデータサービスの後続の通信のために該層2アドレスL2 ID3を利用することができ、ステップ505において、UE1及びUE2のPC5-S層はそれぞれ該層2アドレス(即ち、L2 ID3)をRRC層に通知し、ステップ506において、UE2はUE1に、PC5-RRCメッセージ、例えば、ユーザ装置能力情報(UE capability information)を含むものを送信する。その後、UE1のRRC層は該層2アドレス(即ち、L2 ID3)からの該PC5-RRCメッセージを受信した後に、該PC5-RRCメッセージにおける全部の情報又は一部の情報を該層2アドレスに対応するユーザ装置能力に記憶する。
【0057】
例1.2)上位層が1つのUEの複数のリンクについて複数の層2アドレスを使用し、かつ複数の層2アドレスが1つの目的に対応すべきである場合について
例えば、UE2の2つのユニキャストサービス又はユニキャストリンクについて、UE2においてこの2つのユニキャストサービス又はユニキャストリンクについて使用するソース層2アドレスが異なり、言い換えれば、UE1について言えば、この2つのユニキャストサービス又はユニキャストリンクの目的層2アドレスは異なる。
【0058】
このような場合、該ユーザ装置IDはUE1又はUE2の上位層によって提供される複数の層2アドレスのうちの1つ、又は複数の該アドレスペアのうちの1つ、又は複数の該リンクIDのうちの1つであり得る。本実施例では、複数の層2アドレスのうちの1つを例にとって説明を行うが、複数のアドレスペアのうちの1つ、及び複数の該リンクIDのうちの1つについてはその処理方式も同様である。
【0059】
図6は本発明の実施例1における例1.2の標識方法を示す図であり、該方法はUE1側に応用される。
図6に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0060】
ステップ601:UE1の上位層又はRRC層がユーザ装置IDを確定し;
ステップ602:UE1がPC5-Sメッセージ又はPC5-RRCメッセージによってユーザ装置IDを指示し;及び
ステップ603:UE1のRRC層が該ユーザ装置IDからのPC5-RRCメッセージを受信した後に、該PC5-RRCメッセージにおける全部の情報又は一部の情報を該ユーザ装置IDに対応するユーザ装置能力に記憶する。
【0061】
図7は本発明の実施例1における例1.2のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示す図であり、そのうち、PC5-Sメッセージによってユーザ装置IDを指示する。
図7に示すように、ステップ701において、UE1とUE2の間でPC5-S直接接続リクエスト及び該リクエストの受信メッセージの交互送信を行い、そのうち、UE2のユーザ装置能力を標識するための層2アドレスはUE1又はUE2によってPC5-Sメッセージに含めて相手に指示することができ、ステップ702において、UE1及びUE2のPC5-S層はそれぞれ該層2アドレスをRRC層に通知し、ステップ703において、UE2はUE1にPC5-RRCメッセージ、例えば、ユーザ装置能力情報(UE capability information)を含むメッセージを送信し、該PC5-RRCメッセージは該層2アドレスを明示又は黙示的に含む。UE1のRRC層は該PC5-RRCメッセージにおける全部の情報又は一部の情報を該層2アドレスに対応するユーザ装置能力に記憶する。
【0062】
図8は本発明の実施例1における例1.2のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示すもう1つの図であり、そのうち、PC5-RRCメッセージによってユーザ装置IDを指示する。
図8に示すように、ステップ801において、UE1とUE2の間でPC5-S直接接続リクエスト及び該リクエストの受信メッセージの交互送信を行い;ステップ802において、UE1の PC5-S層は該層2アドレスをRRC層に通知し、又は、UE1の PC5-S層は層2アドレスのリスト(list)をRRC層に通知し、また、オプションとして、UE2のPC5-S層は層2アドレスのリスト(list)をRRC層に通知し;ステップ803において、ステップ802でUE1のRRC層が該層2アドレスを受信した場合、該層2アドレスをPC5-RRCメッセージによってUE2に送信し、ステップ802でUE1のRRC層が層2アドレスのリストを受信した場合、UE1のRRC層は層2アドレスを確定し、そして、確定した層2アドレスをPC5-RRCメッセージによってUE2に送信し;ステップ804において、UE2はUE1にPC5-RRCメッセージ、例えば、ユーザ装置能力情報(UE capability information)を含むメッセージを送信し、該PC5-RRCメッセージは該層2アドレスを明示又は黙示的に含む。UE1のRRC層は該PC5-RRCメッセージにおける全部の情報又は一部の情報を該層2アドレスに対応するユーザ装置能力に記憶する。
【0063】
図9は本発明の実施例1における例1.2のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示すまたもう1つの図である。
図9に示すように、ステップ901において、UE1とUE2の間でPC5-S直接接続リクエスト及び該リクエストの受信メッセージを交互送信し;ステップ902において、UE2の PC5-S層は層2アドレスをRRC層に通知し、又は、UE2の PC5-S層は層2アドレスのリスト(list)をRRC層に通知し、また、オプションとして、UE1のPC5-S層は層2アドレスのリスト(list)をRRC層に通知し;ステップ903において、UE2はUE1にPC5-RRCメッセージ、例えば、ユーザ装置能力情報(UE capability information)を含むメッセージを送信し、該PC5-RRCメッセージは該層2アドレスを明示又は黙示的に含む。UE1のRRC層は該PC5-RRCメッセージにおける全部の情報又は一部の情報を該層2アドレスに対応するユーザ装置能力に記憶する。
【0064】
また、UE1及びUE2がユーザ装置能力を交換した後にPC5-Sが新しいリンク及び/又はサービスを確立する場合について以下のように説明する。
【0065】
図10は本発明の実施例1における例1.2の標識方法を示すもう1つの図であり、該方法はUE1側に応用される。
図10に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0066】
ステップ1001:UE1の上位層がPC5-SメッセージによってUE2からUE2のユーザ装置能力を標識するためのユーザ装置IDを受信し;及び
ステップ1002:UE1の上位層が該ユーザ装置IDをRRC層に通知する。
【0067】
図11は本発明の実施例1における例1.2のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示すまたもう1つの図である。
図11に示すように、ステップ1101において、UE2の RRC層はユーザ装置能力を標識するための層2アドレスをPC5-S層に通知し、又は、UE2のPC5-S層が既にユーザ装置能力を標識するための層2アドレスを知っている場合、該ステップ1101は含まれず;ステップ1102において、UE1とUE2の間でPC5-Sが新しいリンク及び/又はサービスを確立するための直接接続リクエスト及び該リクエストの受信メッセージの交互送信を行い、そのうち、該層2アドレスはUE2によってPC5-Sメッセージに明示的に含めてUE1に指示し、又はUE2は該PC5-SメッセージをUE1に送信するときに該層2アドレスをsource L2 IDとしてUE1に黙示的に指示し;ステップ1103において、UE1のPC5-S層は該層2アドレスをRRC層に通知し、オプションとして、新確立のリンク及び/又はサービスの情報も該層2アドレスと一緒にRRC層に、RRC層が該ユーザ装置の能力を更新するために通知することができる。
【0068】
例2)UE2のユーザ装置能力を標識するためのユーザ装置IDは1つのアクセス層のIDである。
【0069】
本実施例では、該アクセス層のIDは以下の標識のうちの1つであり、即ち、
アクセス層が割り当てる標識又は索引;
ネットワーク装置がUE2に割り当てるセル無線ネットワーク一時標識(C-RNTI);及び
ネットワーク装置がUE2に割り当てるセル無線ネットワーク一時標識及び物理セル標識(PCI)である。
【0070】
図12は本発明の実施例1における例2の標識方法を示す図であり、該方法はUE1側に応用される。
図12に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0071】
ステップ1201:UE1がPC5-Sメッセージによって1つのアクセス層のIDをユーザ装置IDとして指示し;
ステップ1202:UE1のRRC層が該アクセス層IDを含むPC5-RRCメッセージを受信したときに、該PC5-RRCメッセージにおける全部の情報又は一部の情報を該アクセス層IDに対応するユーザ装置能力に記憶する。
【0072】
図13は本発明の実施例1における例2のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示す図である。
図13に示すように、ステップ1301において、UE1のRRC層は1つのアクセス層のIDをPC5-S層に通知し、ステップ1302において、UE1とUE2の間でPC5-S直接接続リクエスト及び該リクエストの受信メッセージを交互送信し、そのうち、該アクセス層のIDはUE1によってPC5-Sメッセージに含めてUE2に指示され、ステップ1303において、UE2のPC5-S層は該アクセス層のIDをRRC層に通知し、ステップ1304において、UE2はUE1に該アクセス層IDを含むPC5-RRCメッセージ、例えば、ユーザ装置能力情報を含むメッセージを送信し、該PC5-RRCメッセージは該アクセス層IDを明示又は黙示的に含む。UE1のRRC層は該PC5-RRCメッセージにおける全部の情報又は一部の情報を該アクセス層のIDに対応するユーザ装置能力に記憶する。
【0073】
図14は本発明の実施例1における例2の標識方法を示すもう1つの図であり、該方法はUE1側に応用される。
図14に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0074】
ステップ1401:UE1がPC5-Sメッセージによって1つのアクセス層のIDをユーザ装置IDとして受信し;
ステップ1402:UE1のRRC層が該アクセス層IDを含むPC5-RRCメッセージを受信したときに、該PC5-RRCメッセージにおける全部の情報又は一部の情報を該アクセス層IDに対応するユーザ装置能力に記憶する。
【0075】
図15は本発明の実施例1における例2のPC5インターフェースのプロトコルスタックによる情報インタラクションを示すもう1つの図である。
図15に示すように、ステップ1501において、UE2のRRC層は1つのアクセス層のIDをPC5-S層に通知し、ステップ1502において、UE1とUE2の間でPC5-S直接接続リクエスト及び該リクエストの受信メッセージの交互送信を行い、そのうち、該アクセス層のIDはUE2によってPC5-Sメッセージに含めてUE1に指示し、又はUE2は該PC5-SメッセージをUE1に送信するときに該アクセス層のIDをsource L2 IDとし、ステップ1503において、UE2のPC5-S層は該アクセス層のIDをRRC層に通知し、ステップ1504において、UE2はUE1に該アクセス層IDを含むPC5-RRCメッセージ、例えば、ユーザ装置能力情報を含むメッセージを送信し、該PC5-RRCメッセージには該アクセス層IDが明示又は黙示的に含まれる。UE1のRRC層は該PC5-RRCメッセージにおける全部の情報又は一部の情報を該アクセス層のIDに対応するユーザ装置能力に記憶する。
【0076】
例3)該ユーザ装置IDはUE2がPC5-RRCメッセージを送信するときに使用する1つのソース層2アドレス又は1つのアクセス層のIDである。
【0077】
図16は本発明の実施例1における例3の標識方法を示すもう1つの図であり、該方法はUE1側に応用される。
図16に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0078】
ステップ1601:UE1がUE2からPC5-RRCメッセージを受信し;
ステップ1602:UE1がPC5-RRCメッセージに対応するデータパケットを解析し、UE2が該PC5-RRCメッセージを送信するときに使用する1つのソース層2アドレス又は1つのアクセス層のIDをユーザ装置IDとして取得し;及び
ステップ1603:UE1のRRC層が該ユーザ装置IDを含むPC5-RRCメッセージを受信した後に、該PC5-RRCメッセージにおける全部の情報又は一部の情報を該ユーザ装置IDに対応するユーザ装置能力に記憶する。
【0079】
例えば、ユーザ装置IDとしての1つのソース層2アドレス又は1つのアクセス層のIDはMAC PDUのサブヘッダーに含まれ、UE1のMAC層は、ユーザ装置能力情報を含むPC5-RRCメッセージに対応するMAC SDUを上位層に伝送する過程で、RRC層に該PC5-RRCメッセージに対応する標識を通知する。
【0080】
本実施例では、該ユーザ装置IDを指示するプロセスは例1及び例2と類似しても良いので、ここではその詳しい説明を省略する。
【0081】
以上、例1-3によって本実施例の第二ユーザ装置のユーザ装置能力を標識するためのユーザ装置IDの取得方法、及び標識するプロセスについて例示的に説明した。
【0082】
本実施例では、該方法はさらに以下のステップを含み得る。
【0083】
UE1の上位層がRRC層に以下の少なくとも1つの情報を、アクセス層(AS層)設定を生成するために通知し、即ち、UE1とUE2の間の1つの層2アドレス;UE1とUE2の間の1つのソース層2アドレス及び1つの目的層2アドレスからなるアドレスペア;UE1とUE2の間のリンクID;及び、目的層2アドレス及び/又はアドレスペア及び/又はリンクIDに対応するサービスのQoS情報であり;
UE1のRRC層が上記少なくとも1つの情報に基づいて、サービス又はリンクに対応するアクセス層設定を生成し;及び
生成されたアクセス層設定をUE2のユーザ装置能力に含める。
【0084】
例えば、サービスのQoS情報はサービスに対応するQoS流(QoS flow)のID、PQI(PC5 QoS Class Indicator)、通信範囲、QoSパラメータ(例えば、レート情報を含む)などを含み得る。
【0085】
また、上述のステップは独立して実行され得る。
図17は本発明の実施例1に係るサイドリンク伝送における設定情報の生成方法を示す図である。
図17に示すように、該方法は以下のステップを含む。
【0086】
ステップ1701:UE1の上位層がRRC層に以下の少なくとも1つの情報を、アクセス層(AS層)設定を生成するために通知し、即ち、UE1とUE2の間の1つの層2アドレス;UE1とUE2の間の1つのソース層2アドレス及び1つの目的層2アドレスからなるアドレスペア;UE1とUE2の間のリンクID;及び、目的層2アドレス及び/又はアドレスペアに対応するサービスのQoS情報であり;
ステップ1702:UE1のRRC層が上記少なくとも1つの情報に基づいて、サービスに対応するアクセス層設定を生成し;及び
ステップ1703:生成されたアクセス層設定をUE2のユーザ装置能力に含める。
【0087】
上述の実施例から分かるように、1つの特定のユーザ装置IDを使用して目的UEのUE能力を標識することで、送信端UEが目的UEのUE能力に基づいて、目的UE能力を超えない設定、及び該目的UEをメンテナンスする関連情報を提供し得るので、UE能力を効果的に標識するメカニズムを提供ことができる。
本発明の実施例2はさらに、サイドリンク伝送におけるユーザ装置能力の標識方法を提供し、該方法は第二ユーザ装置側に応用される。該方法は実施例1における第一ユーザ装置側のサイドリンク伝送におけるユーザ装置能力の標識方法に対応するため、ここでは同じ内容の重複説明が省略される。
ステップ1801:第一ユーザ装置に以下の1つのユーザ装置ID(UE ID)を提供することで、第一ユーザ装置がユーザ装置IDを使用して第二ユーザ装置のユーザ装置能力を標識するようにさせ、即ち、1つの層2アドレス(destination L2 ID);1つのソース層2アドレス(source L2 ID)及び1つの目的層2アドレスからなる1つのアドレスペア;1つのアクセス層(AS層)のID;1つのリンクID;及び、第二ユーザ装置がPC5-RRCメッセージを送信するときに使用する1つの標識であり、
そのうち、サイドリンク伝送は第一ユーザ装置と第二ユーザ装置の間のサイドリンク伝送である。
本実施例では、該ユーザ装置IDは該第一ユーザ装置又は該第二ユーザ装置の上位層(upper layer)又はアクセス層(AS layer)によって提供され得る。
例えば、明示的な場合、PC5-Sメッセージ又はPC5-RRCメッセージには該ユーザ装置IDが直接含まれ;黙示的な場合、PC5-Sメッセージ又はPC5-RRCメッセージには該ユーザ装置IDが直接含まれず、メッセージに対応するIDを解析することにより得る必要があり、例えば、該ユーザ装置IDは目的UEによってMAC PDUのサブヘッダーに含めることができる。
例えば、該ユーザ装置IDは該第一ユーザ装置又は該第二ユーザ装置の上位層によって提供される1つの層2アドレス、又は1つのソース層2アドレス及び1つの目的層2アドレスからなる1つのアドレスペア、又は1つのリンクIDであり得る。この場合、該方法はさらに以下のステップを含んでも良く、即ち、第二ユーザ装置がPC5-Sメッセージによって第二ユーザ装置のソース層2アドレスを第一ユーザ装置に送信する。
本実施例では、該ユーザ装置IDは該第一ユーザ装置又は該第二ユーザ装置の上位層によって提供される複数の層2アドレスのうちの1つ、又は複数の該アドレスペアのうちの1つ、又は複数のリンクIDのうちの1つであり得る。この場合、該方法はさらに以下のステップを含んでも良く、即ち、第二ユーザ装置の上位層又はRRC層が該ユーザ装置IDを確立し;及び、第二ユーザ装置がPC5-Sメッセージ又はPC5-RRCメッセージによって該ユーザ装置IDを指示する。
本実施例では、UE1及びUE2がユーザ装置能力を交換した後にPC5-Sが新しいリンク及び/又はサービスを確立する場合、該方法はさらに以下のステップを含んでも良く、即ち、第二ユーザ装置のRRC層が該ユーザ装置IDを上位層に通知し;及び、第二ユーザ装置がPC5-Sメッセージによって第一ユーザ装置に該ユーザ装置IDを指示する。
本実施例では、実施例1における例3に対応するため、UE2実行のステップは実施例1における例3の中のUE2に関する記載を参照することができ、ここではその詳しい説明を省略する。
上述の実施例から分かるように、1つの特定のユーザ装置IDを使用して目的UEのUE能力を標識することで、送信端UEが目的UEのUE能力に基づいて、目的UE能力を超えない設定、及び該目的UEをメンテナンスする関連情報を提供し得るので、UE能力を効果的に標識するメカニズムを提供ことができる。