(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158219
(43)【公開日】2023-10-26
(54)【発明の名称】不動産評価システム及び不動産評価プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20231019BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023147182
(22)【出願日】2023-09-11
(62)【分割の表示】P 2020138495の分割
【原出願日】2020-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】504192911
【氏名又は名称】株式会社トーラス
(74)【代理人】
【識別番号】100148518
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100160314
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 公芳
(74)【代理人】
【識別番号】100134038
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 薫央
(72)【発明者】
【氏名】木村 幹夫
(57)【要約】
【課題】 ユーザーが不動産の価値を手軽に知ることができ、登記情報の取得に要するコストも削減することができる不動産評価システムを提供する。
【解決手段】 本発明に係る不動産評価システム1は、スマートフォン2のディスプレイに、地番に対応する領域を重ね合わせて地図を表示する表示手段4と、スマートフォン2の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付手段5と、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する領域の面積を算出する面積算出手段6と、不動産の路線価を記憶する単価記憶手段9から、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する領域に関する路線価を取得する単価取得手段7と、面積算出手段6が算出した面積に単価取得手段7が取得した路線価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価手段8とを備え、表示手段4は、評価手段8が算出した評価額をスマートフォン2のディスプレイに表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付部と、
前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域の面積を算出する面積算出部と、
不動産の単価を記憶する単価記憶部から、前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域に関する単価を取得する単価取得部と、
前記面積算出部が算出した面積に前記単価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価部と、
前記評価部が算出した評価額を表示する表示部と、
を備える不動産評価システム。
【請求項2】
前記地番に対応する登記情報を記憶する登録情報記憶部をさらに備える請求項1に記載の不動産評価システム。
【請求項3】
前記表示部は、前記登記情報が、前記登記情報記憶部に記憶されている場合に、当該登記情報を表示する請求項2に記載の不動産評価システム。
【請求項4】
ユーザ端末の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付部と、
前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域の面積を算出する面積算出部と、
前記面積算出部が算出した面積に前記地番に対する領域の単価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価部と、
前記評価部が算出した評価額を表示する表示部と、
を備える不動産評価システム。
【請求項5】
ユーザ端末の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付部と、
前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域の面積を当該領域の形状に基づいて算出する面積算出部と、
前記面積算出部が算出した面積に前記地番に対応する領域に関する単価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価部と、
前記評価部が算出した評価額を表示する表示部と、
を備える不動産評価システム。
【請求項6】
コンピュータを、
ユーザー端末の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付部と、
前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域の面積を算出する面積算出部と、
不動産の単価を記憶する単価記憶部から、前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域に関する単価を取得する単価取得部と、
前記面積算出部が算出した面積に前記単価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価部と、
前記評価部が算出した評価額を表示する表示部と、
を備える不動産評価システムとして機能させる不動産評価プログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
ユーザ端末の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付部と、
前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域の面積を当該領域の形状に基づいて算出する面積算出部と、
前記面積算出部が算出した面積に前記地番に対応する領域に関する単価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価部と、
前記評価部が算出した評価額を表示する表示部と、
を備える不動産評価システムとして機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産の価値を評価する不動産評価システム及び不動産評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
土地活用サービスの提供や不動産開発を事業とする事業者では、担当者が市中を歩いていて気になった不動産があると、それをメモや写真に留めて事業所に戻った後に、住居地図の上に公図の内容を重ね合わせたブルーマップを用いて地番を調べ、地番に基づいて登記情報を取得し、登記情報に含まれる地積等から不動産の価値を金銭的に評価し、その不動産に関する事業を進めるかどうかを判断することが一般に行われている。
【0003】
ただ、このような業務の進め方では、担当者が特定の不動産に着目してから、その活用可能性をある程度見極めるまでに工数と時間がかかり、登記情報については、担当者が都度手配することから、過去に取得した登記情報と同じものを重複して取得することによるコストが発生していた。
【0004】
一方、特許文献1には、簡単な操作によって迅速に不動産の価値評価を行える不動産評価システムが記載され、特許文献2には、金融機関の顧客の不動産評価管理業務について、不動産物件を評価するシステム、地図情報を管理するシステム、不動産の登記情報を管理するシステム等を相互連携させて業務上必要な情報を集約し、業務の効率化を図ることができる不動産評価管理統合システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1では、汎用的なスマートフォンであるユーザー端末が不動産評価システムの操作・出力手段として機能し(特許文献1の段落0042)、ユーザーが評価対象となる土地を撮影すると、不動産評価システムがその土地の境界線を決定して面積を推定し、これに坪単価を掛けて土地価格を算定するなどの演算を実行するが、撮影時に専用の比較プレートを写し込まなければならなかったり、ユーザーが境界線を修正しなければならなかったりするので(特許文献1の段落0076乃至0085)、情報端末(ユーザー端末)を所持して市中を歩いているユーザーが、目の前の不動産に着目してその価値を手軽に知り得るという観点からは、改良の余地があった。
【0008】
また、特許文献2の実施例1に記載の不動産評価管理統合システムでは、ユーザー(金融機関の担当者)が評価対象の不動産を撮影することなく営業店の端末に表示された地図上で指定することができるが、指定された不動産の評価は不動産評価サービス提供機関から提供されるので(特許文献2の段落0035乃至0039、
図2)、やはりユーザーが目の前の不動産の価値をその場で手軽に知り得るものではない。同実施例には、地図上で評価に使用する路線価を指定すると、その路線価で不動産評価価格が計算され、簡易評価を行うことも可能である旨記載されているが(特許文献2の段落0036)、この簡易評価が、特許文献2の実施例2についての
図20に記載のように登記情報の面積に路線価を乗じて行われるとすると、不動産の評価に先立ち登記情報を取得していることが必須ということになり、ユーザーが簡易評価の結果をみてその不動産の事業化をすぐにやめるような場合には、評価のために行った登記情報の取得が結果として無駄になる。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、ユーザーが不動産の価値を手軽に知ることができ、登記情報の取得に要するコストも削減することができる不動産評価システム及び不動産評価プログラムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る不動産評価システムは、ユーザー端末のディスプレイに、地番に対応する領域を重ね合わせて地図を表示する表示手段と、前記ユーザー端末の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付手段と、前記地番受付手段が受け付けた地番に対応する領域の面積を算出する面積算出手段と、不動産の単価を記憶する単価記憶手段から、前記地番受付手段が受け付けた地番に対応する領域に関する単価を取得する単価取得手段と、前記面積算出手段が算出した面積に前記単価取得手段が取得した単価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価手段とを備え、前記表示手段は、前記評価手段が算出した評価額を前記ディスプレイに表示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る不動産評価プログラムは、コンピューターを、ユーザー端末のディスプレイに、地番に対応する領域を重ね合わせて地図を表示する表示手段、前記ユーザー端末の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付手段、前記地番受付手段が受け付けた地番に対応する領域の面積を算出する面積算出手段、不動産の単価を記憶する単価記憶手段から、前記地番受付手段が受け付けた地番に対応する領域に関する単価を取得する単価取得手段、及び、前記面積算出手段が算出した面積に前記単価取得手段が取得した単価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価手段として機能させ、前記表示手段は、前記評価手段が算出した評価額を前記ディスプレイに表示することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る不動産評価システム及び不動産評価プログラムにおいて、前記表示手段は、前記地番受付手段が受け付けた地番に対応する登記情報が、過去に取得した登記情報を記憶する登記情報記憶手段に記憶されている場合に、その登記情報を前記ディスプレイに表示してもよく、このとき、前記表示手段は、前記地番受付手段が受け付けた地番に対応する登記情報が、前記登記情報記憶手段に記憶され、かつ、過去に取得した登記情報が変更されているか否かを確認する変更確認手段により、前記地番受付手段が受け付けた地番に対応する登記情報が変更されていると確認された場合に、前記地番受付手段が受け付けた地番に対応する登記情報が変更されている旨を前記ディスプレイに表示してもよい。
【0013】
さらに、本発明に係る不動産評価システム及び不動産評価プログラムにおいて、前記表示手段は、前記ユーザー端末の現在地を含む地図を表示してもよい。
【0014】
本発明に係る不動産評価プログラムは、メッセンジャーのアプリケーションプログラム上で動作するアプリケーションプログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザーが不動産の価値を手軽に知ることができ、登記情報の取得に要するコストも削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】発明を実施するための形態に係る不動産評価システムの構成を示す説明図である。
【
図2】
図1のスマートフォンのディスプレイに表示される、不動産評価時の初期画面を示す説明図である。
【
図3】
図2の初期画面に続いて表示される、評価対象となる不動産の場所を指定するための地図を含む画面を示す説明図である。
【
図4】
図3の画面に続いて表示される、指定場所の住所が記されたメッセージ、地番に対応する領域を重ね合わせた指定場所付近の地図、並びに、指定場所の住所、地番及び面積が記されたメッセージを含む画面を示す説明図である。
【
図5】
図4の画面に続いて表示される、ユーザーが入力した地番が記されたメッセージ、その地番に対応する領域について最寄りの相続税路線価が記されたメッセージ、及び、不動産評価額等が記されたメッセージ等を含む画面を示す説明図である。
【
図6】
図5の画面に続いて表示される、過去に取得した登記情報が記されたメッセージ、及び、過去に取得した登記情報が変更されている旨が記されたメッセージ等を含む画面を示す説明図である。
【
図7】過去に取得した登記情報が変更されている旨が記されたメッセージに続いて、ユーザーに最新の不動産登記簿謄本を取得するかどうかを尋ねるメッセージを含む画面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態に係る不動産評価システム1は、スマートフォン2と、スマートフォン2が通信可能なサーバ3とを備え、スマートフォン2においてメッセンジャーのアプリケーションプログラム(チャットボットを含む。)上で動作するアプリケーションプログラムが、スマートフォン2のCPU等を表示手段4、地番受付手段5、面積算出手段6、単価取得手段7及び評価手段8として機能させるとともに、サーバ3のCPU、HDD等を単価記憶手段9、登記情報記憶手段10及び変更確認手段11として機能させることにより構成されている。
【0019】
表示手段4は、スマートフォン2のディスプレイ12(
図2参照)の表示を制御し、GPS等により特定されるスマートフォン2の現在地を含む地図、又は、スマートフォン2のユーザーにより住所や施設名称等が指定された場合に、その住所地や施設等を含む地図をディスプレイ12に表示する。また、表示手段4は、その地図、又は、その地図をトリミング等した地図に対し、地番に対応する領域(例えば、公図の一筆ごとに区画された領域)を重ね合わせて表示する。地図を描画するためのデータや地番に対応する領域を描画するためのデータは、必要に応じてサーバ3等から取得されてもよく、地番に対応する領域は、地番を付記して表示されてもよい。
【0020】
地番受付手段5は、ユーザーがスマートフォン2の入力操作をすることにより、ディスプレイ12に表示された地番(地番に対応する領域)のうち評価対象となる不動産の地番を受け付けるもので、面積算出手段6は、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する領域の面積を、その領域の地図上の形状に基づいて算出する。
【0021】
単価取得手段7は、不動産の単価として路線価を記憶する単価記憶手段9から、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する領域に関する路線価(ここでは、その領域の最寄りの路線価)を取得し、評価手段8は、面積算出手段6が算出した面積に単価取得手段7が取得した路線価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する。このとき、評価手段8は、単に面積×路線価で算出される金額を評価額とするのではなく、面積×路線価に所定の掛け目や補正率を乗じる等して算出される金額を評価額としてもよい。ここで算出された評価額は、表示手段4によりディスプレイ12に表示される。
【0022】
登記情報記憶手段10は、不動産評価システム1が過去に取得した登記情報(ここでは、過去に取得した不動産登記簿謄本から抽出された情報)を記憶しており、表示手段4は、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する登記情報が、登記情報記憶手段10に記憶されている場合に、その登記情報の全部又は一部をディスプレイ12に表示する。
【0023】
変更確認手段11は、不動産評価システム1が過去に取得した登記情報が変更されているか否かを、図示を略すサーバ(サーバ3以外のサーバ)に照合する等して確認するもので、表示手段4は、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する登記情報が、登記情報記憶手段10に記憶され、かつ、変更確認手段11により、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する登記情報が変更されていると確認された場合に、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する登記情報が変更されている旨をディスプレイ12に表示する。
【0024】
不動産評価システム1による評価の流れを例示すると、
図2に示すように、表示手段4は、まずディスプレイ12にメッセージ形式で「地図をクリックし場所を指定ください」と表示するとともに、その直下に「場所を指定する」のボタンを表示し、このボタンをユーザーがクリックすると、スマートフォン2の現在地付近の地図(現在地を含む地図)を表示する。その地図において、
図3に示すように、ユーザーがクリックして評価対象となる不動産の場所を指定すると、表示手段4は、
図4に示すように、その指定された場所の住所(
図4では「東京都中央区銀座6丁目17-xx」)をディスプレイ12に表示する。
【0025】
次に、表示手段4は、地番に対応する領域Pを地番とともに地図(
図3においてユーザーに指定された場所を含むように、
図3の地図をトリミングした地図)に重ね合わせて表示した上で、ユーザーの指定場所の住所、この住所に対応する地番(
図4では「中央区銀座6丁目207-xx」)、この地番に対応する面積(
図4では「2619m
2」)及び「地番を確定させますので、地番の枝番だけ入力してください。」とのメッセージをディスプレイ12に表示する。ここで表示される面積は、ユーザーの指定場所の地番に対応する領域Pについて、面積算出手段6が算出したものである。
【0026】
そして、
図5に示すように、ユーザーが評価対象となる不動産を特定する地番(
図5では「207-xx」)を入力すると、これを地番受付手段5が受け付け、単価取得手段7が、その地番に対応する領域Pに関する路線価を単価記憶手段9から取得し、それを表示手段4が「最寄りの相続税路線価」としてディスプレイ12に表示する。
【0027】
続いて、評価手段8が、単価記憶手段9から取得した路線価に、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する領域Pの面積(
図4の時点で、面積算出手段6により算出済みの面積)及び掛け目を乗じて評価額を算出し、これを表示手段4が「不動産評価額」として、「固定資産税」及び「都市計画税」とともにディスプレイ12に表示する。
【0028】
また、表示手段4は、「この住所で登記されている法人は以下の通りでした。」と表示し、評価対象となる不動産の住所を本店所在地とする法人を列挙するとともに、
図6に示すように、「この地番で過去に取得済みの謄本があるか調べています。」と表示した上で、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する登記情報が登記情報記憶手段10に記憶されている場合には、その登記情報を「過去の謄本情報」としてディスプレイ12に表示する。表示手段4は、「過去の謄本情報」が記されたメッセージの直下に「過去の謄本を見る」のボタンを表示し、このボタンをユーザーがクリックすると、過去に取得した不動産登記簿謄本のPDFファイルを表示する。
【0029】
さらに、表示手段4は、変更確認手段11により、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する登記情報が変更されていると確認された場合に、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する登記情報が変更されている旨(
図6では「この土地で2015年02月28日から2020年04月末までに発生した権利の動きは以下の通りです。…」)をディスプレイ12に表示する。その後、
図7に示すように、「最新の登記簿を取得しますか?」と表示して、ユーザーに最新の不動産登記簿謄本を取得するかどうかを尋ね、ユーザーが「YES」の意思表示として「1」を入力すると、最新の不動産登記簿謄本の取得が行われ、そこに記載の登記情報が登記情報記憶手段10に記憶される。
【0030】
本実施の形態に係る不動産評価システム1は、スマートフォン2のディスプレイ12に、地番に対応する領域Pを重ね合わせて地図を表示する表示手段4と、スマートフォン2の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付手段5と、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する領域Pの面積を算出する面積算出手段6と、不動産の路線価を記憶する単価記憶手段9から、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する領域Pに関する路線価を取得する単価取得手段7と、面積算出手段6が算出した面積に単価取得手段7が取得した路線価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価手段8とを備え、表示手段4は、評価手段8が算出した評価額をディスプレイ12に表示するので、ユーザーが、表示手段4によりスマートフォン2のディスプレイ12に表示された地図を見ながら、スマートフォン2を操作して評価対象の不動産の地番を入力すると、その評価額が、面積算出手段6が算出した面積及び単価取得手段7が取得した路線価に基づいて評価手段8により直ちに算出された後に、表示手段4によりディスプレイ12に表示されることによって、ユーザーが不動産の価値を手軽に知ることができる。
【0031】
また、評価額の算出には面積算出手段6が算出した面積が用いられ、登記情報を必要としないので、評価のために行った登記情報の取得が無駄に帰する事態が生じず、登記情報の取得に要するコストを削減することができる。
【0032】
本実施の形態において、表示手段4は、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する登記情報が登記情報記憶手段10に記憶されている場合に、その登記情報をディスプレイ12に表示するので、ユーザーが評価対象となる不動産について評価額のみならず登記情報も知りたいときに、過去に取得した登記情報を活用することができ、登記情報の重複取得に伴うコストの発生を抑制することができる。
【0033】
加えて、表示手段4は、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する登記情報が登記情報記憶手段10に記憶され、かつ、変更確認手段に11より地番受付手段5が受け付けた地番に対応する登記情報が変更されていると確認された場合に、地番受付手段5が受け付けた地番に対応する登記情報が変更されている旨をディスプレイ12に表示するので、ユーザーは、過去に取得した登記情報を(取得時期が古い等の理由で)活用し得ないと判断したときにだけ、新たに登記情報を取得し直せばよく、登記情報の取得コストをより一層抑制することが可能となる。
【0034】
さらに、表示手段4は、まず現在地を含む地図をスマートフォン2のディスプレイ12に表示するので、スマートフォン2を持ったユーザーが市中を歩いていて気になった不動産があった場合に、直ちにその不動産を地図上で指定することにより、その場でその不動産の評価額を知ることができる。
【0035】
本実施の形態に係る不動産評価システム1は、メッセンジャーのアプリケーションプログラム上で動作するアプリケーションプログラムにより実現しているので、ユーザーは、日頃使い慣れた対話形式のインターフェースで入力操作すれば不動産の評価額が得られ、使い勝手に優れている。
【0036】
以上、本発明の実施の形態について例示したが、本発明の実施形態は上述したものに限られず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更等してもよい。
【0037】
例えば、上記実施の形態では、表示手段4、地番受付手段5、面積算出手段6、単価取得手段7及び評価手段8がスマートフォン2に設けられ、単価記憶手段9、登記情報記憶手段10及び変更確認手段11がサーバ3に設けられるとしたが、各手段が設けられる物理的な場所は任意でよく、例えば面積算出手段や評価手段がサーバ側に設けられてもよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、地番受付手段5がユーザーから実際に地番を受け付けるよりも先に、面積算出手段6がその受け付けられる地番に対応する領域の面積を算出したが、地番受付手段5による地番の受付と面積算出手段6による面積の算出に時間的先後関係の制約はなく、面積算出手段6は、結果として地番受付手段5が受け付けた地番に対応する領域Pの面積を算出するものであればよい(単価取得手段7による単価の取得、評価手段8による評価についても同様である。)。
【0039】
さらに、上記実施の形態では、ユーザー端末としてスマートフォンを例示したが、スマートフォン以外の情報端末が用いられてもよく、不動産評価プログラムは、メッセンジャーのアプリケーションプログラムの存在を前提としないもの(メッセンジャーのアプリケーションプログラム上以外の環境で動作するもの)であってもかまわない。
【符号の説明】
【0040】
1 不動産評価システム
2 スマートフォン(ユーザー端末)
3 サーバ
4 表示手段
5 地番受付手段
6 面積算出手段
7 単価取得手段
8 評価手段
9 単価記憶手段
10 登記情報記憶手段
11 変更確認手段
12 ディスプレイ
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー端末の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付部と、
前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域の面積を算出する面積算出部と、
不動産の単価を記憶する単価記憶部から、前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域に関する単価を取得する単価取得部と、
前記面積算出部が算出した面積に前記単価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価部と、
前記評価部が算出した評価額を表示する表示部と、
を備える不動産評価システム。
【請求項2】
ユーザー端末の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付部と、
前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域の面積を算出する面積算出部と、
前記面積算出部が算出した面積に前記地番に対応する領域に関する単価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価部と、
前記評価部が算出した評価額を表示する表示部と、
を備える不動産評価システム。
【請求項3】
ユーザー端末の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付部と、
前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域の面積を当該領域の形状に基づいて算出する面積算出部と、
前記面積算出部が算出した面積に前記地番に対応する領域に関する単価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価部と、
前記評価部が算出した評価額を表示する表示部と、
を備える不動産評価システム。
【請求項4】
前記地番に対応する登記情報を記憶する登録情報記憶部をさらに備える請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の不動産評価システム。
【請求項5】
前記表示部は、前記登記情報が、前記登記情報記憶部に記憶されている場合に、当該登記情報を表示する請求項4に記載の不動産評価システム。
【請求項6】
コンピュータを、
ユーザー端末の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付部と、
前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域の面積を算出する面積算出部と、
不動産の単価を記憶する単価記憶部から、前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域に関する単価を取得する単価取得部と、
前記面積算出部が算出した面積に前記単価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価部と、
前記評価部が算出した評価額を表示する表示部と、
を備える不動産評価システムとして機能させる不動産評価プログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
ユーザー端末の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付部と、
前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域の面積を算出する面積算出部と、
前記面積算出部が算出した面積に前記地番に対応する領域に関する単価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価部と、
前記評価部が算出した評価額を表示する表示部と、
を備える不動産評価システムとして機能させる不動産評価プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
ユーザー端末の操作により、評価対象となる不動産の地番を受け付ける地番受付部と、
前記地番受付部が受け付けた地番に対応する領域の面積を当該領域の形状に基づいて算出する面積算出部と、
前記面積算出部が算出した面積に前記地番に対応する領域に関する単価を乗じて評価対象となる不動産の評価額を算出する評価部と、
前記評価部が算出した評価額を表示する表示部と、
を備える不動産評価システムとして機能させる不動産評価プログラム。