IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アダプティブ プラズマ テクノロジー コーポレーションの特許一覧

<>
  • 特開-プラズマエッチングシステム 図1
  • 特開-プラズマエッチングシステム 図2
  • 特開-プラズマエッチングシステム 図3
  • 特開-プラズマエッチングシステム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158266
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】プラズマエッチングシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022067995
(22)【出願日】2022-04-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】519433126
【氏名又は名称】アダプティブ プラズマ テクノロジー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ウ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、サン ウ
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004BA06
5F004BA09
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB22
5F004CA06
(57)【要約】
【課題】プラズマエッチングシステムを提供すること。
【解決手段】上部電極15にRF電力を印加する電源電力モジュール11;下部電極にRF電力を印加するバイアス電力モジュール12;及びウェーハ18にバイアス直流電力を印加するバイアスDC電力モジュール13;を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部電極15にRF電力を印加する電源電力モジュール11と、
下部電極にRF電力を印加するバイアス電力モジュール12と、
ウェーハ18にバイアス直流電力を印加するバイアスDC電力モジュール13と、を含む
ことを特徴とするプラズマエッチングシステム。
【請求項2】
バイアスDC電力モジュール13によってパルス電力が印加される
請求項1に記載のプラズマエッチングシステム。
【請求項3】
バイアス直流電力は、静電チャックに配される多数個のDC電極ピン21_1ないし21_Nによって供給される
請求項1に記載のプラズマエッチングシステム。
【請求項4】
多数個のDC電極ピン21_1ないし21_Nのそれぞれは、静電チャックの上側表面を垂直方向に貫通して突出する
請求項3に記載のプラズマエッチングシステム。
【請求項5】
多数個のDC電極ピン21_1ないし21_Nのそれぞれは、上下に弾性移動が可能である
請求項3に記載のプラズマエッチングシステム。
【請求項6】
DCパルス電力の周波数は、1Hz~1,000kHzになる
請求項2に記載のプラズマエッチングシステム。
【請求項7】
バイアスDC電力モジュール13によってエッジリング32にDC電力が印加される
請求項1に記載のプラズマエッチングシステム。
【請求項8】
静電チャックの上側表面に突出しながら円周に沿って配列される多数個のDC電極ピン21_1ないし21_Nをさらに含む
請求項1に記載のプラズマエッチングシステム。
【請求項9】
多数個のDC電極ピン21_1ないし21_Nは、互いに絶縁されながら1~1,000個になる
請求項8に記載のプラズマエッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマエッチングシステムに係り、具体的に、直流電力の印加によってエッチング効率性を向上させたプラズマエッチングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程のうち、エッチング工程は、要求される膜質の特性に適するように化学的エッチング方式または物理的エッチング方式で進行しうる。一般的に、物理的及び化学的エッチング作用が混用されて使われるが、酸化(Oxide)膜質のような堅い膜質のエッチングのために、化学的作用に比べて物理的にイオン(Ion)の衝撃によるエッチング作用に有利である。堅い膜質を深くエッチングするために、イオン衝撃(Ion Bombardment)作用時に、直進性に優れ、エネルギーが高い必要がある。物理的エッチング方式で高周波を印加してプラズマを生成する容量結合プラズマ(Capacitive Coupled Plasma:CCP)方式または誘導結合プラズマ(Inductive Coupled Plasma:ICP)方式が適用可能である。半導体製造工程で酸化膜質のような堅固な膜質のエッチングが必要な場合、エッチング装置は、CCP構造からなる。このようなCCP構造の場合、上部電極に高周波RF電力(Radio Frequency Power)を印加し、下部電極に低周波RF電力(Power)を印加して、高密度のプラズマを生成させる。上部及び下部電極によってプラズマが生成されれば、発生したプラズマによってウェーハ表面に自己DCバイアス電圧(Self DC Bias Voltage)が生成され、それを制御してエッチング工程が進行する。
【0003】
プラズマによるエッチング工程と関連して、特許文献1は、ウェーハに層のエッチングを行う過程または層を形成する過程で均一なウェーハプロセッシングを提供するようにプラズマ密度を制御する技術について開示する。特許文献2は、プラズマエッチング装置及び半導体基板をプラズマエッチングを行う工程について開示する。RF電力によってウェーハに生成される自己DCバイアス電圧は、エネルギー使用効率が低く、これにより、半導体工程が微細化されて相対的に小さな面積がさらに大きな深さにエッチングされなければならない方向に発展する場合、適用が難しいという問題点を有する。このような問題点を解決するために、より大きなRF電力が使われるが、このような場合、アーク(arcing)が発生し、耐久性の確保が難しく、部分的にプラズマ密度が不均一になる付随的な問題が発生しうる。したがって、このような問題を解決することができる技術が作られる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2005/059960(ラムリサーチコーポレーション、2006.06.30.公開)均一性制御のための分割型無線周波数電極装置及び方法
【特許文献2】WO2020/035478(エヴァテックアクチエンゲゼルシャフト、2020.02.20.公開)低粒子プラズマエッチングのための方法及び装置
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、先行技術の問題点を解決するためのものであって、以下のような目的を有する。
本発明は、プラズマによるエッチング過程でウェーハに直流電力(Direct Current Power)を印加してエッチング工程効率を向上させるプラズマエッチングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の適切な実施形態によれば、プラズマエッチングシステムは、上部電極にRF電力を印加する電源電力モジュール;下部電極にRF電力を印加するバイアス電力モジュール;及びウェーハにバイアス直流電力を印加するバイアスDC電力モジュール;を含む。
【0007】
本発明の他の適切な実施形態によれば、バイアスDC電力モジュールによってパルス電力が印加される。
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、バイアス直流電力は、静電チャックに配される多数個のDC電極ピンによって供給される。
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、多数個のDC電極ピンのそれぞれは、静電チャックの上側表面を垂直方向に貫通して突出する。
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、多数個のDC電極ピンのそれぞれは、上下に弾性移動が可能である。
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、DCパルス電力の周波数は、1Hz~1,000kHzになる。
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、バイアスDC電力モジュールによってエッジリングにDC電力が印加される。
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、静電チャックの上側表面に突出しながら円周に沿って配列される多数個のDC電極ピンをさらに含む。
本発明のさらに他の適切な実施形態によれば、多数個のDC電極ピンは、互いに絶縁されながら1~1,000個になる。
【発明の効果】
【0008】
エッチング工程過程で酸化膜質のように堅い膜質のエッチングのために、直進性に優れ、衝撃エネルギーが高い状態のイオン衝撃作用の利用のために、上部電極に20~60MHzの高周波のRF Power印加して密度が高いプラズマが生成される必要がある。また、下部電極に400kHz~2MHzの低周波のRF電力が印加されてウェーハ方向に直進性があるイオン衝撃作用が誘導される必要がある。工程が微細化されながら狭くて深いエッチング作用が要求され、これにより、さらに高い下部のエネルギーが要求されて、さらに低い周波数とさらに高い電力とが使われなければならない。しかし、高いRF電力は、多様な付随的な問題を発生させる。例えば、高い電力の印加によるアーク発生(arching issue)、部品耐久性の減少、装備ノイズの発生または高いエネルギーの使用による電力量の増加による生産コストの増加問題が発生しうる。本発明によるプラズマエッチングシステムは、下部電極にDC電力、望ましくは、DCパルス電力を印加して相対的に低い高周波電力が使われても、直進性に優れ、衝撃エネルギーが大きなイオン衝撃作用が誘導されて、高い効率を有したエッチング装備の設計を可能にする。本発明によるプラズマエッチングシステムは、半導体工程を含めて、LED、OLEDまたはLCD工程のようにプラズマの適用が要求される多様な分野に適用可能であり、これにより、本発明は制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明によるプラズマエッチングシステムの実施形態を示した図面である。
図2】本発明によるプラズマエッチングシステムのための静電チャックの実施形態を示した図面である。
図3】本発明によるプラズマエッチングシステムの他の実施形態を示した図面である。
図4】本発明によるプラズマエッチングシステムによってエッチング工程が進行する過程の実施形態を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明は、添付図面に提示された実施形態を参照して詳細に説明されるが、実施形態は、本発明の明確な理解のためのものであって、本発明は、これに制限されるものではない。下記の説明で、互いに異なる図面で同じ図面符号を有する構成要素は、類似した機能を有するので、発明の理解のために、不要であれば、反復説明はせず、公知の構成要素は、簡略に説明されるか、省略されるが、本発明の実施形態から除外されない。
【0011】
図1は、本発明によるプラズマエッチングシステムの実施形態を図示したものである。
図1を参照すれば、プラズマエッチングシステムは、上部電極15にRF電力を印加する電源電力モジュール11;下部電極にRF電力を印加するバイアス電力モジュール12;及びウェーハ18にバイアス直流電力を印加するバイアスDC電力モジュール13;を含む。
【0012】
工程チャンバ14の内部にプラズマが生成され、プラズマは、互いに対向する上部電極15及び下部電極によって生成される容量結合プラズマ(CCP)方式で生成されうる。工程チャンバ14の内部に配された静電チャックの上側表面にウェーハ17が固定されて生成されたプラズマによってエッチング工程が進行しうる。工程チャンバ14の上側部分に円板状の上部電極15が配され、上部電極15と対向するように工程チャンバ14の下側部分に静電チャックが配され、静電チャックに下部電極が配置される。静電チャックは、胴体19の上側に形成され、例えば、アルミニウムのような金属素材からなるベースブロック16、及びベースブロック16の上側に形成される、例えば、セラミックのような素材からなる絶縁層17からなりうる。胴体19は、静電チャックを支えることができる多様な構造からなり、ベースブロック16は、全体として円板状になりうる。また、絶縁層17は、ベースブロック16の上側に結合される円板状になるか、ベースブロック16の上面と周面とを取り囲む形状になりうる。絶縁層17は、接着層によってベースブロック16と結合され、絶縁層17の下側部分に下部電極が形成されうる。このような構造を有する静電チャックの上面にウェーハ18が固定されれば、プラズマが生成されてエッチング工程が進行しうる。プラズマの発生のために、上部電極15にRF電力が電源電力モジュール11によって印加される。RF電力は、20~150MHzの周波数及び1~20kWの電力で印加される。上部電極15にRF電力が印加されながら、これと共に絶縁層17の下側に配される下部電極にバイアスRF電力モジュール12によってバイアスRF電力が印加される。バイアスRF電力は、例えば、100kHz~20MHzの周波数及び10~20kWの電力で印加される。このように、上部電極15及び下部電極に印加されるRF電力及びバイアスRF電力によってプラズマが生成されてエッチング工程が進行しうる。しかし、このような方法でエッチング工程が進行する場合、ウェーハ表面に対するイオン衝撃効果が弱く、これにより、堅固な膜に対して深い厚さのエッチングが難しいという短所を有する。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、バイアスDC電力モジュール13によって直流電流がウェーハ18に印加されてウェーハ表面に対するイオン衝撃が誘導される。バイアスDC電力モジュール13は、ウェーハに、ウェーハと静電チャックの上側表面との間、またはプラズマに直流電圧を印加する機能を有しうる。バイアスDC電力モジュール13は、パルス状の電力を印加することができ、例えば、1Hz~20kHzの周波数を有する5~20kWの電力を印加して、-5kV sow -20kVの電圧が発生するようにDC電力を印加することができる。バイアスDC電力モジュール13によって、例えば、1~99%のデューティーサイクル(duty cycle)を有したDCパルス電力が印加され、これにより、イオン衝撃効果が上昇しうる。このようなバイアスDC電力の印加のために、静電チャックにDC電極が配置される。DC電極は、多様な構造からなり、以下、このようなDC電極が配された静電チャックについて説明される。
【0014】
図2は、本発明によるプラズマエッチングシステムのための静電チャックの実施形態を図示したものである。
図2を参照すれば、工程チャンバまたはエッチングチャンバにおいて、下部電極は、静電チャック(electrostatic chuck:ESC)に形成され、これにより、ESCは、ウェーハ固定機能(chucking)と下部電極機能とを有しうる。ESCは、ウェーハが固定される上側平面を形成するセラミックプレート形態の絶縁層17及び絶縁層17の下側に接着層によって結合されたベースブロック16を含みうる。絶縁層17は、全体として円板状になり、絶縁層17の内部にウェーハの固定のためのDC電極が配置される。ベースブロック16は、全体としてドラム状になり、アルミニウムのような熱伝導性素材からなりながら少なくとも1つの冷却流路23を含みうる。このような静電チャックの構造で下部電極に印加されるRF電力は、ESCの下部構造であるベースブロック16に印加されてエッチングチャンバの上部電極に印加された電源RF電力によって点火(ignition)されたプラズマとエネルギーカップリングされてエッチング工程が進行しうる。このような過程において、DCパルス電力は、多様な方法で印加され、例えば、DCパルス電力は、ESCの下部構造に該当するアルミニウム素材のベースブロック16にRF電力と共に印加される。このようなDCパルス電力印加構造でRF電力は、キャパシタを通過してエネルギーの伝達が可能であるが、DC電力は、ベースブロック16、絶縁層17及びウェーハからなるキャパシタを通過してエネルギーをウェーハの表面及びプラズマに伝達しにくいか、伝達効率が極度に低くなるという短所を有する。したがって、ウェーハに対するDC電力エネルギーの伝達効率を高め、これにより、エッチング効率を向上させる方法が作られる必要がある。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、静電チャックにDCパルス電力の伝達のためのバイアスDC電極が配され、バイアスDC電極によってウェーハに、またはプラズマにバイアスDC電力が印加される。図2に示されたように、バイアスDC電極は、少なくとも1つのDC電極ピン21_1ないし21_Nになりうる。多数個のDC電極ピン21_1ないし21_Nが円板状の静電チャックの上側表面に均一に配置される。例えば、DC電極ピン21-_1ないし21_Nは、互いに異なる半径に該当する円周方向に沿って同じ間隔で分離されて配置される。DC電極ピン21_1ないし21_Nは、例えば、1~1,000個になり、望ましくは、5~100個、最も望ましくは、5~30個になりうるが、これに制限されるものではない。それぞれのDC電極ピン21_1ないし21_Nは、ベースブロック16及び絶縁層17を貫通して静電チャックの上面または絶縁層17の上面を垂直方向に突出する。また、多数個の電極ピン21_1ないし21_Nのそれぞれは、上下に弾性移動が可能である。それぞれのDC電極ピン24_Kは、固定経路211の内部に配されたコイルバネ、板バネ、弾性パッドまたはこれと類似した弾性ユニット212、及び弾性ユニット212に結合されて上下移動が可能な接触ピン213からなりうる。接触ピン213の上側端部は、曲面部位214で形成されながら選択的に伸縮性を有するように形成されうる。少なくとも接触ピン213が導体になり、例えば、接触ピン213は、金属素材からなりながら白金または金でコーティングされる。接触ピン213の少なくとも一部は、絶縁層17の上側に、例えば、0.5~3mmの長さに突出し、ウェーハによって圧力が加えられれば、弾性によって下側に移動することができる。ESCにウェーハが固定されれば、多数個のDC電極ピン21_Kがウェーハの下面に接触される。DC電極ピン21_Kは、前述したバイアスDC電力モジュールから供給されるパルス状の直流電力をウェーハに印加することができ、これにより、イオン衝撃効果が上昇しうる。多様な形態でDC電極ピン21_1ないし21_NによってウェーハまたはプラズマにDC電力が印加され、これにより、本発明は制限されるものではない。また、DC電力印加手段は、前述したようなピンは多様な構造からなり、これにより、本発明は制限されるものではない。
【0016】
図3は、本発明によるプラズマエッチングシステムの他の実施形態を図示したものである。
図3を参照すれば、エッチング過程でプラズマは、ウェーハの表面を基準に均一に分布される必要があり、イオン衝撃作用が、またウェーハ全体表面にわたって均一に発生する必要がある。例えば、ウェーハの中心部分とウェーハの縁部との間にプラズマの密度が均一でありながら、これと共にイオン衝撃効果が同様に発生する必要がある。これにより、工程結果の均一性が確保されながらウェーハの縁部領域のパターンプロファイル傾斜(pattern profile tilting)問題の発生が防止される。そのために、エッジリング32にDCパルス電力が印加される。バイアスDC電力モジュール13から前述した多数個のDC電極ピンに電力を供給するための配線経路が形成され、これと共にエッジリング32に直流パルス電力が印加される。具体的に、バイアスDC電力モジュール13の電力供給経路に配分回路31が形成されてエッジリング32に供給されるDCパルス電力が調節される。エッジリング32は、例えば、SiまたはSiCのような素材からなり、このような素材からなるエッジリング32が位置する部分に前述したDC電極ピンまたはこれと類似した構造のバイアスDC電力印加電極が形成されうる。エッジリング32に供給されるDCパルス電力は、ウェーハに供給されるDCパルス電力と同一または類似した特性を有しうるが、必要に応じて互いに異なる特性を有したDCパルス電力が印加される。プラズマの密度またはこれと類似したエッチング条件によって多様な特性を有したDCパルス電力がエッジリング32に印加され、これにより、本発明は制限されるものではない。
【0017】
図4は、本発明によるプラズマエッチングシステムによってエッチング工程が進行する過程の実施形態を図示したものである。
図4を参照すれば、ウェーハに対するエッチング工程過程は、ESCにバイアスDC電力印加のためのDC電極を配置する段階(P41)、ESCにウェーハが固定されれば、上部電極及び下部電極にRF高周波が印加されてプラズマが発生する段階(P42)、プラズマが発生すれば、ウェーハに接触されるDC電極にバイアスDC電力が印加される段階(P43)、及びエッジリングが位置する部分に配されたDC電極にバイアスDC電力が印加される段階(P44)を含む。
【0018】
エッジリングが位置する部分を含むESCに配されるバイアスDC電極は、前述したようなDC電極ピン構造になりうるが、これに制限されるものではない。DC電極ピンは、ウェーハ及びエッジリングが固定される位置を基準に均一に配置される(P41)。上部電極に印加されるRF電力の周波数は、例えば、27MHz、40MHzまたは100MHzになりうるが、これに制限されるものではない。また、下部電極に印加されるRF電力の周波数は、13,56MHz、2MHzまたは400kHzになりうるが、これに制限されるものではない。上部電極及び下部電極にRF高周波電力が印加されながらエッチングチャンバの内部にプラズマが発生してエッチング工程が進行しうる。このような過程で要求されるレベルのエッチング工程が進行するようにウェーハと接触されるDC電極ピンにバイアスDC電力が印加され、バイアスDC電力は、DCパルス電力になりうる。例えば、DCパルス電力は、1~1,000Hzの周波数を有しながら1~99%のデューティーサイクルを有したパルス電力になりうるが、これに制限されるものではない。ウェーハと接触されるDC電極ピンにDCパルス電力が印加されながら、これと共にエッジリングが位置する部分に配されたDC電極にDCパルス電力が印加される(P44)。エッジリングに印加されるDCパルス電力は、ウェーハに印加されるDCパルス電力と同一または類似しているが、プラズマの密度状態によって互いに異なりうる。エッチングチャンバの内部のプラズマの状態が探知され、該探知されたプラズマ密度に基づいてエッジリングに印加されるDCパルス電力の特性が適切に調節される。ウェーハまたはエッジリングに対するDCパルス電力の印加は、多様な方法からなり、これにより、本発明は制限されるものではない。
【0019】
以上、本発明は、提示された実施形態を参照して詳細に説明されたが、当業者は、提示された実施形態を参照して、本発明の技術的思想を外れない範囲で多様な変形及び修正発明を作ることができる。本発明は、このような変形及び修正発明によって制限されず、但し、下記特許請求の範囲によって制限される。
【符号の説明】
【0020】
11:電源電力モジュール
12:バイアス電力モジュール
13:バイアスDC電力モジュール
14:工程チャンバ
15:上部電極
16:ベースブロック
17:絶縁層
18:ウェーハ
21_1ないし21_N:DC電極ピン
32:エッジリング
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部電極15にRF電力を印加する電源電力モジュール11と、
下部電極にRF電力を印加するバイアス電力モジュール12と、
ウェーハ18にバイアス直流電力を印加するバイアスDC電力モジュール13と、を含み、
前記バイアスDC電力モジュール13によって印加される1Hz~1,000kHzの周波数のバイアス直流電力は、静電チャックに配される多数個のDC電極ピン21_1ないし21_Nによって供給されると同時に、前記バイアスDC電力モジュール13の電力供給経路に形成される配分回路31を通じてエッジリング32に供給され、
前記下部電極が形成される静電チャックは、 熱伝導性素材からなるベースブロック16及びセラミックプレート形態の絶縁層17を含み、
前記多数個のDC電極ピン21_1ないし21_Nは、前記静電チャックの上側表面を垂直方向に貫通して突出し互いに異なる半径に該当する円周方向に沿って分離されて配置され、
前記多数個のDC電極ピン21_1ないし21_Nのそれぞれは、
前記ベースブロック16及び前記絶縁層17を貫通して形成される固定経路211の内部に配された弾性ユニット212と、
前記弾性ユニット212に結合されて上下移動が可能であり、上側端部が前記絶縁層17の上側に突出する曲面部位214で形成される導体になる接触ピン213と、を含む
ことを特徴とするプラズマエッチングシステム。
【請求項2】
前記多数個のDC電極ピン21_1ないし21_Nは、互いに絶縁されながら~1,000個になる
請求項に記載のプラズマエッチングシステム。