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特開2023-158278N-アセチルインドール化合物の製造方法
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  • 特開-N-アセチルインドール化合物の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158278
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】N-アセチルインドール化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/08 20060101AFI20231023BHJP
   C07C 233/07 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
C07D209/08 CSP
C07C233/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068014
(22)【出願日】2022-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】304023318
【氏名又は名称】国立大学法人静岡大学
(71)【出願人】
【識別番号】000216243
【氏名又は名称】田岡化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】依田 秀実
(72)【発明者】
【氏名】仙石 哲也
(72)【発明者】
【氏名】西田 有児
(72)【発明者】
【氏名】平林 俊一
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB20
4H006AB84
4H006BM10
4H006BM30
4H006BM71
4H006BM73
4H006BV25
(57)【要約】
【課題】
高価な触媒等を用いず工業的実施が容易な、N-アセチルインドール化合物の製造方法の提供。
【解決手段】
アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩及びアルカリ金属のリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基存在下、以下一般式(2):
(式中、Xは臭素原子または塩素原子を示す。)
で表される化合物とトリフェニルホスフィンとを反応させることを特徴とする製造方法により前記課題が解決可能であることを見出した。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩及びアルカリ金属のリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基存在下、以下一般式(2):
【化1】
(式中、Xは臭素原子または塩素原子を示す。)
で表される化合物とトリフェニルホスフィンとを反応させる、以下一般式(1):
【化2】
で表されるN-アセチルインドール化合物の製造方法。
【請求項2】
以下一般式(2):
【化3】
(式中、Xは臭素原子または塩素原子を示す。)
で表される化合物。
【請求項3】
以下一般式(3):
【化4】
で表される化合物をブロモ化、又はクロロ化する以下一般式(2):
【化5】
(式中、Xは臭素原子または塩素原子を示す。)
で表される化合物の製造方法。
【請求項4】
以下一般式(3):
【化6】
で表される化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N-アセチルインドール化合物の改良された製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インドール骨格を有する化合物は医薬等に応用される化合物として知られており、特にインドール骨格のN位にアセチル基を有するインドール化合物(N-アセチルインドール化合物)はその生理活性の高さから様々な製造方法が検討されている。
【0003】
例えば非特許文献1には、アセトアニリド及びその誘導体をロジウム触媒及び酢酸銅存在下、酢酸アリルとを反応させる製造方法が提案されている。本方法によれば、中程度の収率でN-アセチルインドールが製造可能であるものの、高価なロジウム触媒を用いる他、当量以上の酢酸銅、及びヘキサフルオロアンチモン酸銀も必要であることから、工業的実施に際してはコスト面、及び反応後の後処理(特に銅等の重金属を含む排水の処理)が問題となり得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Org.Biomol.Chem., 2013, 11, 7427-7434
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、高価な触媒等を用いず工業的実施が容易な、N-アセチルインドール化合物の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の塩基存在下、特定の構造を有するN,N-ジアセチルアニリン誘導体とトリフェニルホスフィンとを反応させる方法によれば、高価な触媒等を用いずともN-アセチルインドール化合物が製造可能であることを見出した。具体的には、本発明は以下の発明を含む。
【0007】
[1]
アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩及びアルカリ金属のリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基存在下、以下一般式(2):
【0008】
【化1】
(式中、Xは臭素原子または塩素原子を示す。)
で表される化合物とトリフェニルホスフィンとを反応させる、以下一般式(1):
【0009】
【化2】
で表されるN-アセチルインドール化合物の製造方法。
【0010】
[2]
以下一般式(2):
【0011】
【化3】
(式中、Xは臭素原子または塩素原子を示す。)
で表される化合物。
【0012】
[3]
以下一般式(3):
【0013】
【化4】
で表される化合物をブロモ化、又はクロロ化する以下一般式(2):
【0014】
【化5】
(式中、Xは臭素原子または塩素原子を示す。)
で表される化合物の製造方法。
【0015】
[4]
以下一般式(3):
【0016】
【化6】
で表される化合物。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、高価な触媒などを用いず、また多量の重金属も用いることなく、N,N-ジアセチルアニリン誘導体から容易にN-アセチルインドール化合物が製造可能であることから、N-アセチルインドール化合物の工業的実施製法として非常に有用である。
【0018】
また、前述の特定の塩基存在下、式(2)化合物とトリフェニルホスフィンとを反応させることにより、系中でWittig試薬(リンイリド)が発生し、分子内Wittig反応が進行することによって式(1)化合物が生成すると考えられるが、Wittig試薬を調製するに際しては通常、アルカリ金属のアルコキシド等の比較的強い塩基を使用する必要があるところ、本発明においては、N,N-ジアセチルアニリン誘導体の芳香環上にフッ素原子を有するためか、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩及びアルカリ金属のリン酸塩といった比較的弱く、かつ入手性に優れる無機塩基で反応が進行すると共に、Wittig試薬を調製するに際しては、一旦ホスホニウム塩を単離等してから塩基で処理することが一般的であるところ、前述の通り該塩の単離をする必要がなく、反応初期から塩基を存在させていてもWittig反応が進行することから、これら点においても工業的実施に優位な製造方法といえる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施例1で得られた式(3-1)化合物のH-NMRチャートである。
図2図2は、実施例2で得られた式(2-1)化合物のH-NMRチャートである。
図3図3は、実施例3で得られた式(2-2)化合物のH-NMRチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書において、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。また、本明細書において、数値範囲を「A~B」で示す場合、A以上B以下を意味する。
【0021】
本発明のN-アセチルインドール化合物の製造方法は、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩及びアルカリ金属のリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基存在下、式(2)化合物とトリフェニルホスフィンとを反応させる方法である。以下、本発明のN-アセチルインドール化合物の製造方法について詳述する。
【0022】
本発明のN-アセチルインドール化合物の製造方法において用いられる式(2)化合物は例えば、後述する製造方法により製造することができる。また、式(2)において、Xは臭素原子または塩素原子を示し、臭素原子が好ましい。また、芳香環におけるフッ素原子の置換位置としてはハロゲン化メチル基に対しパラ位(5位)であることが好ましい。
【0023】
本発明のN-アセチルインドール化合物の製造方法において用いられるアルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩及びアルカリ金属のリン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基(以下、「特定の塩基」と称することがある)の内、アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等が挙げられ、アルカリ金属の炭酸水素塩としては、例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素セシウム等が挙げられ、アルカリ金属のリン酸塩としては、例えば、リン酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウムが挙げられる。これら特定の塩基の中でもナトリウムの炭酸塩及び炭酸水素塩が好ましい。また特定の塩基は単独で用いても良く、必要に応じ2種以上を併用してもよい。
【0024】
本発明のN-アセチルインドール化合物の製造方法における特定の塩基の使用量は、式(2)化合物1モルに対し、通常0.5モル以上、好ましくは0.8~5モル、より好ましくは0.9~4モルである。
【0025】
本発明のN-アセチルインドール化合物の製造方法におけるトリフェニルホスフィンの使用量は、式(2)化合物1モルに対し、通常0.5モル以上、好ましくは0.8モル~5モル、より好ましくは1~3モルである。
【0026】
本発明のN-アセチルインドール化合物の製造方法は溶媒存在下に実施することができる。使用可能な溶媒としては、特定の塩基、式(2)化合物及びトリフェニルホスフィンに対し不活性な有機化合物であればよく、具体的には、例えば、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、ニトリル類及びアミド類等が挙げられる。芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられ、脂肪族炭化水素類としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の鎖状脂肪族炭化水素類及びシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の環状脂肪族炭化水素類が挙げられ、ニトリル類としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、イソバレロニトリル等の脂肪族ニトリル類及びベンゾニトリル、4-シアノトルエン、フェニルアセトニトリル等の芳香族ニトリル類が挙げられ、アミド類としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等が挙げられる。これら溶媒の中でもニトリル類が好ましく、脂肪族ニトリル類がより好ましい。溶媒を使用する場合その使用量は、例えば、式(2)化合物1重量部に対し0.5~10重量部である。また、これら溶媒は単独で用いてもよく、必要に応じ2種以上を併用してもよい。
【0027】
本発明のN-アセチルインドール化合物の製造方法は、通常20~150℃、好ましくは30~120℃の範囲で実施する。
【0028】
式(2)化合物とトリフェニルホスフィンとの反応後に得られた反応混合物について、必要に応じて触媒の除去操作(例えば、ろ過等)、水洗、吸着処理等の後処理や、これらを組み合わせた後処理を行ってもよい。また、例えば、抽出、濃縮、晶析、濾過、カラムクロマトグラフィー等の慣用の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により、式(1)化合物を分離してもよい。
【0029】
式(2)化合物は式(3)化合物を常法によりブロモ化又はクロロ化することによって製造することができる。具体的に例えば、後述する実施例の項にて示す通り、溶媒存在下、式(3)化合物とN-ブロモスクシンイミド又はN-クロロスクシンイミドとを反応させることにより製造することができる。
【0030】
式(3)化合物は以下一般式(4):
【0031】
【化7】
で表される含フッ素2-メチルアニリンを常法によりジアセチル化することによって製造することができる。具体的に例えば、後述する実施例の項にて示す通り、式(4)化合物と無水酢酸とを反応させることにより製造することができる。
【実施例0032】
以下に実施例等を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0033】
(1)NMR測定
H-NMRは、JEOL-AL300(H 300MHz)分光計によって記録した。なお、各データは以下のように記載した。
【0034】
化学シフト、多重度(s=singlet、d=doublet、t=triplet、dd=doublet of doublets、dt=doublet of triplets、m=multiplet)、結合定数(Hz)、及びintegration。
【0035】
<式(3)化合物の製造例>
【0036】
(実施例1)
室温下、反応容器に5-フルオロ-2-メチルアニリン(2.44g、19.5mmо
l)及び無水酢酸(12mL)を加え、該混合溶液を120℃に昇温し、4時間攪拌した後、反応溶液を室温まで降温した後、飽和重曹水(15mL)を加え反応を停止した。その後、酢酸エチル(15mL)を加え、飽和重曹水(15mL)を用いて10回洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後綿栓濾過をし、濾液を減圧濃縮することで、粗生成物を無色油状物として得た。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:17g、ヘキサン/酢酸エチル=5/1to3/1(v/v))にて精製することにより以下式(3-1):
【0037】
【化8】
で表される化合物(3.57g、16.8mmol、収率86%)を無色油状物として得た。得られた式(3-1)化合物のH―NMRの分析結果は下記の通りであった。また、H―NMRチャートを図1に示す。
【0038】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ 7.28 (m, 1H, ArH), 7.05 (dt, J = 2.4, 8.4 Hz, 1H, ArH), 6.85 (dd, J = 2.4, 8.4 Hz, 1H, ArH), 2.27 (s, 6H, CH3), 2.11 (s, 3H, CH3).
【0039】
<式(2)化合物の製造例>
【0040】
(実施例2)
窒素雰囲気室温下、乾燥させた反応容器に式(3-1)化合物(1.21g、5.78mmol)、アセトニトリル(12mL)及びN-ブロモスクシンイミド(3.08g、17.3mmol)を入れ80°Cまで昇温した後、アゾビスイソブチロニトリル(190mg、1.16mmol)を加え、還流下6時間撹拌した。その後、反応溶液を室温まで降温した後、得られた反応溶液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(30mL)、酢酸エチル(30mL)を加え抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムにより乾燥後綿栓濾過をし、濾液を減圧濃縮することで、粗生成物を得た。
得られた粗生成物にトルエン(10mL)を加え、セライト濾過をすることでスクシンイミドの除去を行った。その後、減圧濃縮し得られた粗生成物(2.18g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:18g、トルエン/酢酸エチル=15/1 to10/1(v/v))にて精製することで以下式(2-1):
【0041】
【化9】
で表される化合物(1.40g、4.86mmol、収率84%)を黄色油状物として得た。得られた(2-1)化合物のH―NMRの分析結果は下記の通りであった。また、H―NMRチャートを図2に示す。
【0042】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ 7.54 (dd, J = 6.0, 8.7 Hz, 1H, ArH), 7.17 (dt, J = 2.7, 8.1 Hz, 1H, ArH), 6.88 (dd, J = 2.7, 8.7 Hz, 1H, ArH), 4.28 (s, 2H, CH2), 2.37 (s, 6H, CH3).
【0043】
(実施例3)
窒素雰囲気室温下、乾燥させた反応容器に式(3-1)化合物(214mg、1.02mmol)、アセトニトリル(2.0mL)、N-クロロスクシンイミド(422mg、3.16mmol)及びアゾビスイソブチロニトリル(33.5mg、0.204mmol)を入れ80°Cまで昇温した後、還流下6時間撹拌した。その後、反応溶液を室温まで降温した後、得られた反応溶液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(30mL)、酢酸エチル(30mL)を加え抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムにより乾燥後綿栓濾過をし、濾液を減圧濃縮することで、粗生成物を得た。
得られた粗生成物にトルエン(10mL)を加え、セライト濾過をすることでスクシンイミドの除去を行った。その後、減圧濃縮し得られた粗生成物(750mg)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO:19g、トルエン/酢酸エチル=15/1 to10/1(v/v))にて精製することで以下式(2-2):
【0044】
【化10】
で表される化合物(367mg、1.51mmol、収率50%)を黄色油状物として得た。得られた(2-2)化合物のH―NMRの分析結果は下記の通りであった。また、H―NMRチャートを図3に示す。
【0045】
1H-NMR (300 MHz, CDCl3):δ 7.53 (dd, J = 6.0, 8.4 Hz, 1H, ArH), 7.16 (dt, J = 3.0, 8.4 Hz, 1H, ArH), 6.92 (dd, J = 3.0, 8.4 Hz, 1H, ArH), 4.39 (s, 2H, CH2), 2.33 (s, 6H, CH3).
【0046】
<N-アセチルインドール化合物の製造例>
【0047】
(実施例4)
窒素雰囲気室温下、乾燥させた反応容器に式(2-1)化合物(215mg、0.746mmol)、アセトニトリル(1.5mL)、トリフェニルホスフィン(295mg、1.12mmol(式(2-1)化合物に対するモル比:1.5))及び炭酸ナトリウム(87.0mg、0.821 mmol(式(2-1)化合物に対するモル比:1.1))を加え、90°Cまで昇温し、同温度で8時間撹拌した。その後、室温まで降温し、トルエン(10mL)にてセライトろ過した後、濾液を減圧濃縮することで、粗生成物(465mg)を得た。
得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (SiO:19g、ヘキサン/酢酸エチル=10/1to6/1(v/v))にて精製することで式(1-1):
【0048】
【化11】
で表される化合物(114mg、0.596mmol、収率80%)を白色固体として得た。
【0049】
(実施例5-16)
使用する塩基及びその使用量、トリフェニルホスフィンの使用量、溶媒種、反応温度並びに反応時間を下記表1に示す通り変更する以外は実施例4と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
*表中、「使用量」は式(2-1)化合物に対するモル比を表す。
【0051】
(実施例17)
式(2-1)化合物の代わりに式(2-2)化合物を使用する以外は実施例4と同様に実施し式(1-1)化合物を収率50%で得た。
【0052】
(比較例1)
塩基を酸化アルミニウム(Al)とし、その使用量を式(2-1)化合物1mmolに対し1.0gとする以外は実施例4と同様に実施したところ、式(1-1)化合物を収率3%で得た。
【0053】
(比較例2)
塩基を酸化アルミニウム(Al)とし、その使用量を式(2-1)化合物1mmolに対し1.0gとする以外は実施例11と同様に実施したところ、式(1-1)化合物を収率14%で得た。
【0054】
(比較例3)
トリフェニルホスフィンの代わりにトリエトキシホスフィン(P(OEt))を使用する以外は実施例4と同様に実施したところ、式(1-1)化合物を収率1%で得た。
【0055】
(比較例4)
トリフェニルホスフィンの代わりにトリブチルホスフィン(PBu)を使用する以外は実施例4と同様に実施したが、式(1-1)化合物は得られなかった。
図1
図2
図3