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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158285
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】ランナー及びそれを備えたセット
(51)【国際特許分類】
   B66C 9/02 20060101AFI20231023BHJP
   B66C 7/08 20060101ALI20231023BHJP
【FI】
B66C9/02
B66C7/08
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068025
(22)【出願日】2022-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】500410846
【氏名又は名称】岡田装飾金物株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142594
【弁理士】
【氏名又は名称】阪中 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100090686
【弁理士】
【氏名又は名称】鍬田 充生
(72)【発明者】
【氏名】岡田 鐵男
【テーマコード(参考)】
3F202
3F203
【Fターム(参考)】
3F202CA02
3F202CA03
3F203CA02
3F203CA07
3F203CB01
3F203DA08
3F203EB03
3F203EB07
(57)【要約】
【課題】多様なレイアウトの搬送路であっても、円滑に走行可能なランナーと、このランナーとレール部材とのセット、並びに搬送システムを提供する。
【解決手段】レール部材を走行可能なランナー11aは、走行方向に間隔をおいて、ベース部20に回動可能に取り付けられた1又は複数のランナーユニット12aを備えており、各ランナーユニット12aは、少なくとも一対の車輪部17aと、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備えており、前記支持部には回動軸部材が抜け止め状態で取り付けられ、この回動軸部材は、複数のランナーユニットではランナーの走行方向に間隔をおいて、ベース部20に対して回動可能に取り付けられ、前記複数のランナーユニット12aが、前記回動軸部材を中心として回動可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備えた少なくとも1つのランナーユニットと;このランナーユニットが取り付け可能なベース部と、このベース部に取り付けられ、被搬送体が取り付け可能な取付部材とを備え、前記走行路を走行可能なランナーであって、
前記支持部に対して抜け止め状態で、少なくとも前記ベース部に対して前記ランナーユニットが回動可能に取り付けられている、ランナー。
【請求項2】
走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備えた複数のランナーユニットが、走行方向に間隔をおいてベース部に取り付けられ、先頭ランナーユニットと後続ランナーユニットとが前記走行路を走行可能なランナーであって、
前記ランナーユニットの前記支持部に抜け止め状態で取り付けられた回動軸部材と、これらの回動軸部材がランナーの走行方向に間隔をおいて取り付けられたベース部と、このベース部に取り付けられ、被搬送体が取り付け可能な取付部材とを備えており、
前記複数のランナーユニットのうち、少なくとも後続ランナーユニットの前記回動軸部材が少なくとも前記ベース部に対して回動可能に取り付けられている、請求項1記載のランナー。
【請求項3】
前記ランナーユニットが、前記支持部に抜け止め状態で取り付けられた回動軸部材を中心として、少なくとも前記ベース部に対して回動可能である、請求項1又は2記載のランナー。
【請求項4】
1~4つのランナーユニットを備えており;各ランナーユニットが、一対の車輪部若しくはランナーの走行方向に間隔をおいて二対~五対の車輪部を備えている、請求項1又は2記載のランナー。
【請求項5】
ランナーユニットが、下記(a1)~(a4)のいずれかの形態の支持部を備えている、請求項1又は2記載のランナー。
(a1)互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態の支持壁と、前記両側壁から互いに対向する方向に延び、車輪部が装着可能な少なくとも一対の軸部材とを備えた支持部
(a2)底部壁と、この底部壁からアーチ状又は多角枠状の形態で延びる支持枠と、この支持枠から両側方向に延び、車輪部が装着可能な軸部材とを備えた支持部
(a3)立設した支持壁と、この支持壁から両側方向に延び、車輪部が装着可能な軸部材とを備えた支持部
(a4)板状部材と、この板状部材から立設し、車輪部が装着可能な軸部材とを備えた支持部
【請求項6】
前記支持部が、互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態の支持壁と、前記両側壁から互いに対向する方向に延びる少なくとも一対の軸部材とを備えており、前記側壁と底部壁とのコーナー部に補強部が形成されている、請求項1又は2記載のランナー。
【請求項7】
前記ランナーユニットが、互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態の支持壁と、走行方向に間隔をおいて、前記両側壁から互いに対向する方向に延びる複数対の軸部材を備えた支持部と、
前記複数対の軸部材にそれぞれ車輪部が回転可能に装着された複数対の車輪部と、前記底部壁に回動可能に取り付けられた回動軸部材とを備えており、
複数の前記ランナーユニットの前記回動軸部材が、走行方向に間隔をおいてベース部に対して回動可能に取り付けられ、前記ランナーユニットが、それぞれ、前記回動軸部材を中心として、少なくとも前記ベース部に対して回動可能である、請求項1又は2記載のランナー。
【請求項8】
前記取付部材が、前記ベース部に対して、以下の形態で取り付けられ;被搬送体を着脱可能に取付又は連結するための取付け部を備えている、請求項1又は2記載のランナー。
(b1)前記取付部材が、前記ベース部に対して固定されている
(b2)前記取付部材が、前記ベース部に対して回動可能に取り付けられている
(b3)前記取付部材が、前記ベース部に対して回動及び揺動可能に取り付けられている
【請求項9】
請求項1~7のいずれかに記載のランナーと、このランナーが走行可能なレール部材とのセット。
【請求項10】
前記レール部材が、下記(A1)又は(A2)のいずれかのレール部材である、請求項9記載のセット。
(A1)断面I字状の形態を有し;縦方向の中間域を形成し、長手方向に延びるレール支持壁と;このレール支持壁の両端部から両側部方向に延出して形成され、ランナーの車輪部が走行可能な走行路を有する走行壁と;この走行壁から前記レール支持壁に向かって幅が狭まる断面三角形状の形態で傾斜する補強傾斜壁部と;前記レール支持壁の両側壁に、縦方向に間隔をおいて、長手方向に延びる複数の溝部とを備えており;長手方向に対して横方向に曲げ可能である、レール部材
(A2)下部壁にスリット状開口部が形成された下部開口の断面中空筒状の形態を有し;前記開口部に隣接して形成され、前記ランナーの車輪部が走行可能な走行路を有する走行壁を備えている、レール部材。
【請求項11】
被搬送体が交換若しくは積み込み及び荷下ろし可能な少なくとも1つのステーションを経由する走行路を備えた搬送路を形成可能なレール部材と、
このレール部材を施工部位に取り付けるためのブラケットと、
前記走行路を走行可能な請求項1~8のいずれかに記載のランナーとを備え、被搬送体を所定のステーションに搬送するための搬送システム。
【請求項12】
レール部材が、請求項10記載のレール部材(A1)又は(A2)を含む、請求項11記載の搬送システム。
【請求項13】
搬送路が、直線状の走行路、湾曲した走行路及び/又はループ状の走行路を備えている、請求項11記載の搬送システム。
【請求項14】
前記レール部材を走行可能な前記ランナーと;このランナーの取付部材に取り付け可能であり、被搬送体を少なくとも上下動させるための電動の上下動機構と;この上下動機構に接続された電線コードと;前記レール部材を走行可能な一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備え、かつこの電線コードが架け渡し可能な複数の第2のランナーとを備えており、
少なくとも隣接する第2のランナーのうち対向する第2のランナーの前記支持部の対向部に、隣接する第2のランナーが進入又は乗り上げるのを規制するための規制部が形成されている、請求項11記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レール部材の走行路に沿って被搬送体(又は荷物)、特に、重量物を搬送するのに有用なランナー、このランナーとレール部材とのセット、並びに搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場、倉庫、配送センター、農場、畜舎などでは、種々の荷物が運搬され、所定の部位(ステーション)で前記荷物の着脱交換、荷下ろしなどが行われている。このような荷物の運搬に、所定の形態にレイアウトされたレール部材と、このレール部材の走行路を走行可能なランナーとが利用され、このランナーは、車輪が回転可能に装着された軸部を有する支持部と、この支持部に取り付けられ、前記荷物が取り付け可能な取付け部とを備えている。
【0003】
特開2019-39165号公報(特許文献1)には、断面I字状の形態のレール部材と、このレール部材の走行路を走行可能な走行部材とが記載され、この走行部材が、上部が開放した断面コ字状の支持部と、この支持部の両側壁に対向して、かつ走行方向に間隔をおいて取り付けられた二対の軸部材と、これらの軸部材に回転可能に取り付けられ、前記レール部材の走行路を走行可能な二対の車輪部とを備え、前記支持部の屈曲コーナー部に内側に窪んだ陥没部(又は刻設部)を形成して補強することが記載されている。また、この文献には、前記支持部の下部壁に、軸部材を周方向に回転可能に取り付け、この軸部材に、被搬送体を着脱可能に取り付けるリング部材を揺動可能に取り付けることも記載されている。
【0004】
特開2019-142713号公報(特許文献2)には、直線状に延びる断面I字状の形態の基準レールと、この基準レールの端部から分岐して延びる2つの断面I字状の形態の分岐レールと、前記基準レールと前記分岐レールとの間に介在する断面I字状の形態の可動レール部材とを備えたレール構造が記載され、前記レールに沿って走行可能なランナーが、上部が開放した断面コ字状の支持部と、この支持部の両側壁に対向して、かつ走行方向に間隔をおいて取り付けられた二対の軸部材と、これらの軸部材に回転可能に取り付けられた二対の車輪部とを備えていることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-39165号公報
【特許文献2】特開2019-142713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの特許文献に記載のレール部材とランナーとを組み合わせると、レール部材に沿って或る程度の重量物を搬送又は運搬できる。しかし、多様なレイアウトで搬送又は運搬ルートを形成すると、ランナーが円滑に走行できなくなるケースがある。例えば、前記二対の軸部材を有するランナーは、耐荷重が低下し、被搬送体の重量が制約され、重量物を搬送できなくなるとともに、分岐部で間隔が拡がった走行路などでは、ランナーが脱輪するおそれがある。また、荷重を分散させるため、走行方向の間隔をおいて、三対以上の複数対の軸部材を支持部の両側壁に形成すると、湾曲度が大きな走行路では、支持部及び両側壁が規制壁として作用し、ランナーが円滑に走行できなくなるケースがある。特に、重量が大きな被搬送体を搬送するため、ランナーの走行方向に間隔をおいて三対以上の軸部材を形成し、このような軸部材に車輪部を装着すると、湾曲した走行路ではランナーが走行できなくなるケースがある。このように、ランナーの車輪対の数を少なくすると、被搬送体の荷重に制約が生じて重量物を搬送できなくなり、ランナーの車輪対の数を多くすると、湾曲した走行路を円滑に走行させて被搬送体を搬送できなくなる。そのため、被搬送体の重量が大きくなると、湾曲した走行路では、長期間に亘り被搬送体(重量物)を安定に搬送できなくなるケースがある。
【0007】
従って、本発明の目的は、多様なレイアウトでレール部材による搬送路を形成しても、搬送路に沿って円滑に走行可能なランナーと、このランナーとレール部材とのセット、並びに搬送システムを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、被搬送体が重量物であっても、湾曲した走行路などの種々の形態の走行路に沿って安定かつ円滑に搬送又は運搬可能なランナーと、このランナーとレール部材とのセット、並びに搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を達成するため鋭意検討の結果、ベース部又は保持体に対して、少なくとも一対の車輪部を有するランナーユニットを、回動可能な形態で、走行方向に間隔をおいて取り付けると、1つのランナーとして機能するとともに、各ランナーユニットも独立してランナーとして機能すること、このようなランナーでは、走行路が湾曲していても、各ランナーユニットの車輪部が走行路の湾曲度に応じて(湾曲走行路に追随)して回動して走行すること、ランナーユニットの車輪部の数、ランナーユニットの数を増加させると、耐荷重性を向上でき、被搬送体が重量物であっても安定かつ円滑に搬送又は運搬できることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】
本発明のランナーは、(1)走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備えた少なくとも1つのランナーユニットと;このランナーユニットが取り付け可能なベース部(又は保持部)とを備えており、前記走行路を走行可能である。前記ランナーは、前記ベース部に取り付けられ、被搬送体が取り付け可能な取付部材を備えており、前記支持部に対して抜け止め状態で、少なくとも前記ベース部に対して前記ランナーユニットが回動可能に取り付けられている。
【0011】
このようなランナーでは、走行路が湾曲していても、走行に伴って、ランナーユニットが回動可能である。そのため、ランナーの走行方向が自動的に矯正され、ランナーが走行路を安定して走行可能である。
【0012】
本発明のランナーは、少なくとも1つのランナーユニットを備えていればよく、複数のランナーユニットを備えていてもよい。例えば、前記ランナー(1)において、(2)走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備えた複数のランナーユニットが、走行方向に間隔をおいてベース部(又は保持部)に取り付けられ、先頭ランナーユニットと後続ランナーユニットとが前記走行路を走行可能であってもよい。前記ランナーは、前記ランナーユニットの前記支持部に抜け止め状態で取り付けられた回動軸部材と、これらの回動軸部材がランナーの走行方向に間隔をおいて取り付けられたベース部と、このベース部に取り付けられ、被搬送体が取り付け可能な取付部材とを備えていてもよい。そして、前記複数のランナーユニットのうち、少なくとも後続ランナーユニットの前記回動軸部材は少なくとも前記ベース部に対して回動可能に取り付けてもよい。
【0013】
このようなランナーでは、走行路が湾曲していても、少なくとも後続ランナーユニットが、走行に伴って、前記回動軸部材を中心として回動可能である。そのため、後続ランナーユニットの走行方向が自動的に矯正され、ランナーが走行路を安定して走行可能である。しかも、複数のランナーユニットを備えているため、耐荷重性を大きくでき、重量物であっても円滑かつ安定に搬送又は運搬できる。
【0014】
なお、前記ランナー(1)又は(2)において、(3)ランナーユニットは、前記回動軸部材を中心として、少なくとも前記ベース部に対して回動可能であってもよい。例えば、複数のランナーユニットにおいて、全てのランナーユニット(後続ランナーユニットだけでなく、先頭ランナーユニットも)が、前記回動軸部材を中心として、少なくとも前記ベース部に対して回動可能であってもよい。すなわち、回動可能なランナーユニットの前記回動軸部材は、それぞれ、少なくとも前記ベース部に対して回動可能に取り付けてもよく;前記ランナーユニットは、それぞれ、前記回動軸部材を中心として、少なくとも前記ベース部に対して回動可能であってもよい。
【0015】
前記ランナー(1)~(3)のいずれかにおいて、(4)ランナーは、例えば、1~4程度のランナーユニットを備えていてもよく;各ランナーユニットは、少なくとも一対の車輪部を備えていればよく、一対若しくはランナーの走行方向に間隔をおいて二対~五対の車輪部を備えていてもよい。前記ランナー(1)~(3)のいずれかにおいて、(4)1又は複数のランナーユニット(1~4のランナーユニット)を備えていてもよい。このようなランナーユニットの回動軸部材は、複数のランナーユニットでは、ランナーの走行方向に間隔をおいて(隣接するランナーユニットが互いに回動可能な間隔で)、少なくとも前記ベース部に対して回動可能に取り付けてもよい。
【0016】
なお、前記回動軸部材は、前記支持部に対して固定していてもよいが、好ましい態様では、前記支持部及び前記ベース部に対して回動可能であってもよく;前記ベース部に対しても抜け止め可能であってもよい。
【0017】
具体的には、前記ランナー(1)~(4)のいずれかにおいて、(5)ランナーユニットは、下記(a1)~(a3)のいずれかの形態の支持部を備えていてもよい。
【0018】
(a1)互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態の支持壁と、前記両側壁から互いに対向する方向に延び、車輪部が装着可能な少なくとも一対の軸部材とを備えた支持部
(a2)底部壁と、この底部壁からアーチ状又は多角枠状の形態で延びる支持枠と、この支持枠から両側方向に延び、車輪部が装着可能な少なくとも一対の軸部材とを備えた支持部
(a3)立設した(又は縦方向に延びる)支持壁と、この支持壁から両側方向に延び、車輪部が装着可能な少なくとも一対の軸部材とを備えた支持部
(a4)板状部材と、この板状部材から立設し、車輪部が装着可能な軸部材とを備えた支持部
さらに、走行方向において、少なくとも隣接するランナーのうち対向するランナーユニットの前記支持部の対向部(前部及び/又は後部)には、前記ランナーユニットの少なくとも幅方向に延びる規制部を形成し、隣接して対向する前記支持部の進入を規制してもよい。
【0019】
また、前記ランナー(1)~(5)のいずれかのランナーにおいて、(6)互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態を有する前記支持部(例えば、前記形態(a1)の支持部)において、前記側壁と底部壁とのコーナー部には補強部を形成してもよい。
【0020】
前記ランナー(1)~(6)のいずれかのランナーにおいて、(7)前記ランナーユニットは、互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態の支持壁(底部壁と、この底部壁の両端部から立設して互いに対向する両側壁とを有する支持壁)と、走行方向に間隔をおいて、前記両側壁から互いに対向する方向に延びる複数対の軸部材とを備えた支持部を備えていてもよく;前記複数対の軸部材にそれぞれ車輪部が回転可能に装着された複数対の車輪部と、前記底部壁(例えば、底部壁の中央部又は重心部)に回動可能に取り付けられた回動軸部材とを備えていてもよい。さらに、複数の前記ランナーユニットの前記回動軸部材は、走行方向に間隔をおいてベース部に対して回動可能に取り付けてもよく、回動可能なランナーユニットは、それぞれ、前記回動軸部材を中心として、少なくとも前記ベース部に対して回動可能であってもよい。
【0021】
なお、前記ランナー(1)~(7)のいずれかのランナーにおいて、(8)前記取付部材は、前記ベース部に対して、以下の形態(b1)~(b3)のうちいずれかの形態で取り付けてもよく;被搬送体を着脱可能に取付又は連結するための取付け部を備えていてもよい。
【0022】
(b1)前記取付部材が、前記ベース部に対して固定されている
(b2)前記取付部材が、少なくとも前記ベース部に対して回動可能に取り付けられている
(b3)前記取付部材が、前記ベース部に対して回動及び揺動可能に取り付けられている
【0023】
本発明は、(9)前記ランナーと、このランナーが走行可能なレール部材とのセットも包含する。このようなセット(9)において、(10)前記レール部材は、下記(A1)又は(A2)のいずれかのレール部材であってもよい。
【0024】
(A1)断面I字状の形態を有し;縦方向の中間域を形成し、長手方向に延びるレール支持壁(例えば、板状のレール支持壁)と;このレール支持壁の両端部から両側部方向に延出して形成され、ランナーの車輪部が走行可能な走行路を有する走行壁と;この走行壁から前記レール支持壁に向かって幅が狭まる断面三角形状の形態で傾斜する補強傾斜壁部と;前記レール支持壁の両側壁に、縦方向に間隔をおいて、長手方向に延びる複数の溝部とを備えていてもよく;長手方向に対して横方向に曲げ可能であってもよいレール部材。
【0025】
(A2)下部壁にスリット状開口部が形成された下部開口の断面中空筒状(例えば、断面コ字状)の形態を有し;前記開口部に隣接して形成され、前記ランナーの車輪部が走行可能な走行路を有する走行壁を備えていてもよいレール部材。
【0026】
本発明は、さらに、(11)被搬送体(荷物)を搬送又は運搬するための搬送システム(運搬又は輸送システム)も包含する。このような搬送システムは、被搬送体が交換若しくは積み込み又は荷下ろし(積み卸し)可能な少なくとも1つのステーションを経由する走行路を備えた搬送路を形成可能なレール部材と、このレール部材を施工部位に取り付けるためのブラケットと、前記走行路を走行可能な前記ランナー(前記(1)~(8)のいずれかに記載のランナー)とを備えており、被搬送体を搬送するための搬送システムを構築してもよい。なお、前記(11)の搬送システムにおいて、(12)レール部材は、前記(10)のレール部材(A1)又は(A2)を含んでいてもよく;前記(11)又は(12)の搬送システムにおいて、(13)前記搬送路は、直線状の走行路、湾曲した走行路及び/又はループ状(閉じた形態)の走行路を備えていてもよい。
【0027】
さらに、前記(11)~(14)のいずれかに記載の搬送システムにおいて、(14)前記搬送システム(運搬又は輸送システム)は、前記レール部材を走行可能な前記ランナーと、このランナーの取付部材に取り付け可能であり、被搬送体を少なくとも上下動させるための電動の上下動機構と、この上下動機構に接続された電線コードと、前記レール部材を走行可能であり、かつこの電線コードが架け渡し可能な複数の第2のランナーとを備えていてもよい。このような前記搬送システム(運搬システム)において、少なくとも隣接する第2のランナーのうち対向する第2のランナーの前記支持部の対向部には、隣接する第2のランナーが進入又は乗り上げるのを規制するための規制部を形成してもよい。
【0028】
なお、一対の軸部材(車軸部材)で回転可能に支持され、走行路を走行可能な一対の車輪部(ローラ部)を備えた単位ユニットを「走行エレメント」と称する場合がある。また、進行方向又は走行方向によっては、先頭ランナーユニット又は走行エレメントが後尾ランナーユニット又は走行エレメントとなるケースがある。そのため、本明細書において、「先頭ランナーユニット」又は「先頭走行エレメント」とは、一方の方向へのランナーの進行又は走行において、先頭に位置するランナーユニット又は走行エレメントを意味し、「後尾ランナーユニット」又は「後尾走行エレメント」とは、一方の方向へのランナーの進行又は走行において、最後尾に位置するランナーユニット又は走行エレメントを意味する。また、被搬送体を搬送するための搬送路がレール部材で形成されることから、レール部材と搬送路とを同義に用いる場合がある。
【0029】
さらに、前記回動可能なランナーユニットを備えたランナーを「第1のランナー」と称し、電動上下動機構(上下動ユニット)への電線コードが取り付け可能なランナーを「第2のランナー」と称する場合がある。
【発明の効果】
【0030】
本発明では、レール部材の走行路が湾曲していても、ランナーユニットが回動可能であるため、湾曲した走行路に沿ってランナーが走行可能である。そのため、レール部材を用いて多様なレイアウトで搬送路を形成しても、搬送路の走行路に沿ってランナーを円滑に走行させることができる。また、複数のランナーユニットでは、先頭ランナーユニットに後続する後続ランナーユニットが回動可能であるため、レール部材の走行路が湾曲していても、後続するランナーユニットが湾曲した走行路に追随して走行可能である。そのため、レール部材を用いて多様なレイアウトで搬送路を形成しても、搬送路の走行路に沿ってランナーを円滑に走行させることができ、被搬送体(被運搬物又は荷物)を円滑に所定のステーションに搬送又は輸送できる。また、ランナーユニットに複数対の車輪部を形成し、複数の前記ランナーユニットを利用すると、耐荷重性を向上でき、被搬送体(被運搬物又は荷物)が重量物であっても、湾曲した走行路などの種々の形態の走行路に沿って安定かつ円滑に搬送又は運搬できる。特に、ベース部に対してランナーユニットを独立して回動可能に取り付けると、湾曲度が変化していても湾曲した走行路に対して高い自由度でランナーを走行させることができ、被搬送体又は被輸送体を安定かつ円滑に搬送又は輸送できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は本発明のランナーの一例を示す概略斜視図である。
図2図2図1のランナーとレール部材との関係を示す概略図である。
図3図3図1のランナーを示す概略断面図である。
図4図4は本発明のランナーの他の例を示す概略斜視図である。
図5図5図4のランナーとレール部材との関係を示す概略図である。
図6図6は本発明のランナーのさらに他の例を示す概略斜視図である。
図7図7図6のランナーとレール部材との関係を示す概略図である。
図8図8は本発明のランナーの別の例を示す概略斜視図である。
図9図9図8のランナーとレール部材との関係を示す概略図である。
図10図10は本発明の他のランナーを示す概略斜視図である。
図11図11は本発明のランナーのさらに別の例を示す概略斜視図である。
図12図12図11のランナーレール部材との関係を示す概略図である。
図13図13は本発明の他のランナーを示す概略斜視図である。
図14図14図13のランナーレール部材との関係を示す概略図である。
図15図15は本発明のさらに他のランナーを示す概略斜視図である。
図16図16図15のランナーレール部材との関係を示す概略図である。
図17図17は本発明の別のランナーを示す概略斜視図である。
図18図18図17のランナーレール部材との関係を示す概略図である。
図19図19は本発明のランナーの他の例を示す概略斜視図である。
図20図20は、本発明のランナーの他の例を示す概略分解斜視図である。
図21図21図20のランナーレール部材との関係を示す概略図である。
図22図22は本発明のランナーの他の例を示す概略分解斜視図である。
図23図23図23のランナーレール部材との関係を示す概略図である。
図24図24は本発明のランナーの他の例を示す概略分解斜視図である。
図25図25図24のランナーレール部材との関係を示す概略図である。
図26図26は本発明のランナーの他の例を示す概略分解斜視図である。
図27図27図26のランナーレール部材との関係を示す概略図である。
図28図28は本発明の他のランナーを示す概略側面図である。
図29図29は本発明のランナー及びレール部材のさらに他の例を示す概略分解斜視図である。
図30図30は本発明のランナーの他の取付部材の形態を示す概略側面図である。
図31図31は本発明のランナーのさらに他の取付部材の形態を示す概略側面図である。
図32図32は第2のランナーを備えた本発明の搬送システムを説明するための概略図である。
図33図33図32の第2のランナーを示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、必要に応じて添付図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。図1は本発明のランナーの一例を示す概略斜視図であり、図2図1のランナーとレール部材との関係を示す概略図であり、図3図1のランナーを示す概略断面図である。
【0033】
この例では、搬送システムは、長手方向に対して横方向に曲げ可能であり、かつ少なくとも1つのステーションを経由する走行路を備えた搬送路を形成するレール部材1aと、このレール部材の走行路を走行可能なランナー11aとを備えており;前記ランナー11aは、ベース部(又は保持体)20に対して回動可能に取り付けられた2つのランナーユニット12aを備えており、前記レール部材1aとランナー11aとで、被搬送体を搬送又は運搬可能な搬送システムを形成している。
【0034】
前記レール部材1aは、アルミニウム、ステンレススチールなどの金属で形成された断面I字状の形態を有し、長手方向に延び、かつ縦方向の中間域を形成する細幅で平坦なレール支持壁(又は板状支持壁)2と、このレール支持壁2の両側壁に、縦方向に等間隔に、長手方向に延びて形成された複数の溝部(この例では、縦方向に等間隔に形成された5つの溝部)3と、前記レール支持壁2の縦方向の両端部から両側部方向に延出する走行壁(上部走行壁及び下部走行壁)4aと、この走行壁に断面U字状に湾曲して形成され、ランナー11aの車輪部が走行又は転動可能な走行路(断面U字状の湾曲溝部で形成された走行路)5aと、前記走行壁4aの走行路5aのうち内周壁から前記レール支持壁(縦方向の中間域)2に向かって幅が狭まる断面三角形状の形態で傾斜する補強傾斜壁部6と、前記走行壁4aの幅方向の中央部(前記支持壁と走行壁との交点部)に形成され、長手方向に延びるアリ溝状の連結溝部(上部連結溝部及び下部連結溝部)7とを備えている。
【0035】
このようなレール部材1aは、補強傾斜壁部6が前記レール支持壁2にいくにつれて幅が狭まる断面三角形状の形態を有し、しかも前記レール支持壁2に、縦方向に間隔をおいて複数の溝部3が形成されているため、長手方向に対して横方向に曲げても、座屈又は変形することがなく、円滑に曲げ可能である。しかも、前記アリ溝状の連結溝部7に連結棒(又は連結ピン)(図示せず)を装着することにより、レール部材1aを隣接させて連結できる。そのため、種々のレイアウトの形態の搬送路を形成でき、1又は複数のステーションを経由する走行路5aを備えた搬送路を形成できる。さらに、前記レール支持壁2の厚みを含め、レール部材1aを大きくすることにより、重量物などの被搬送体又は被運搬体を搬送又は運搬するのに適している。
【0036】
前記走行路5aを走行可能な前記ランナー11aは、長方形状の板状ベース部(又は保持体)20と、このベース部に、前記ランナー11aの走行方向に間隔をおいて回動可能に取り付けられた2つのランナーユニット12aとを備えており、隣接するランナーユニット12aはそれぞれ独立して回動可能である。
【0037】
各ランナーユニット12aは、互いに対向する両側壁14と底部壁15とを備え、上部が開放した断面コ字状の形態を有する支持壁13と、前記ランナー11aの走行方向に間隔をおいて前記両側壁14から互いに対向する方向に延びる二対の軸部材(車軸部材)16と、これらの軸部材に片持ち状態で回転可能に装着された車輪部(ローラ部)17aと、前記両側壁14と底部壁15とのコーナー部のうち前記軸部材(車軸部材)16に対応するコーナー部が内方に嵌入(押入)又は陥没して形成された補強部19とを備えている。なお、断面コ字状の支持壁13と軸部材(車軸部材)16とで支持部を形成し、前記両側壁14から延びる一対の軸部材(車軸部材)16と、これらの軸部材に回転可能に装着された一対の車輪部(ローラ部)17aとで1つの走行エレメントを形成しており、前記の例では、二対の軸部材(車軸部材)16と二対の車輪部17aとで2つの走行エレメントを形成している。前記支持部(底部壁15)の中心部(又は重心部)の挿通孔(図示せず)及びベース部20の挿通孔(図示せず)には回動軸部材21が回動可能に挿通され、この回動軸部材21は、前記支持部(底部壁15)及び前記ベース部20に対して回動可能である。
【0038】
この例では、車輪部(ローラ部)17aの外周部は、前記レール部材1aの走行路5aに対応して、断面形状において、外方向に膨出して湾曲した膨出湾曲部18aで形成され、ベアリングを備えた車輪部、若しくは外周部が樹脂又は金属で被覆されたボールベアリングで形成されている。ベース部20の挿通孔は、各ランナーユニット12aの前記底部壁15の中心部(又は重心部)の挿通孔に対応する部位、すなわち、前記ベース部20の中心部と長手方向の両端部との間に位置する2つの部位に形成され、前記回動軸部材21は、前記支持部(底部壁15)及び前記ベース部20の挿通孔に遊びをもって挿入されている。
【0039】
前記挿通孔に挿通された前記回動軸部材21は、前記支持部(底部壁15)及び前記ベース部20に対して抜け止め可能である。すなわち、この例では、前記回動軸部材21は、円柱状の形態を有し、一方の端部に前記支持部(底部壁15)からの抜けを防止するための第1の抜け止め部22が形成され、他方の端部には、前記ベース部20からの抜けを防止するための第2の抜け止め部23が形成されている。この例では、前記回動軸部材21はボルトで形成され、第1の抜け止め部22はボルトの頭部で形成され、第2の抜け止め部23は、前記ボルトの他方の端部のネジ部に螺合され、かつネジ部に溶着又は溶接されたナットで形成されている。
【0040】
なお、前記回動軸部材21を中心として各ランナーユニット12aを回動可能とするため、第1の抜け止め部22と第2の抜け止め部23との間の回動軸部材21の長さは、前記底部壁15とベース部20との合計厚みよりも大きく形成され、前記ベース部20にランナーユニット12aを配設した状態で、前記底部壁15とベース部20とは密着することなく、前記底部壁15の下面と、ベース部20の上面との間には、ランナーユニット12aが回動可能な隙間、例えば、0.3~0.5mm程度の隙間が形成されている。
【0041】
さらに、前記ベース部20の下部壁の幅方向の中央部からは、長手方向に沿って板状取付部材24が一体に固定して延出しており、この板状取付部材には、被搬送体が直接的に又は間接的に取り付け可能な取付け孔25が形成されている。なお、紐、チェイン、ワイヤーなどの連結部材又は接続部材を介して、前記取付け孔25に係止又は係合可能な係止部材又は係合部材(図示せず)と、籠などの収容容器又はケース(図示せず)とを連結又は接続し、前記収容容器又はケースに被搬送体を収容して、ランナー11aの取付部材24から垂下した状態(又は吊り下げ状態)で、所定のステーションに搬送又は運搬可能である。
【0042】
このようなランナー11aは、走行方向に四対の車輪部(ローラ部)17aを有していても、1つのランナー(四対の車輪部17aを有するランナー)11aが、独立して回動可能な2つのランナー(二対の車輪部17aを有するランナーユニット又はエレメント12a)として挙動又は振る舞う。すなわち、各ランナーユニット12aが二対の車輪部(ローラ部)17aを有し、2つのランナーユニット12aが前記ベース部20に配設されているため、レール部材1aの走行路5aを走行する合計8つの車輪部17aで被搬送体を支持できる。さらに、前記補強部19で前記両側壁14と底部壁15とが補強されている。そのため、被搬送体の重量が大きくても、搬送路(走行路5a)に沿って安定して円滑に所定のステーションに搬送でき、前記ステーションで被搬送体を着脱交換でき積み込み及び荷下ろし(積み卸し)可能である。また、分岐したレール構造では、レール部材1aの分岐部での走行路の距離が大きくなるため、従来のランナーの車輪が脱線しやすくなるものの、合計8つの車輪部17aが分岐部の走行路5aを走行するため、分岐部の走行路5aでランナー11aが脱輪することもない。
【0043】
さらに、各ランナーユニット12aが回動軸部材21を中心として前記ベース部20に対してそれぞれ回動可能であるため、走行路5aが湾曲していても、走行路5aの湾曲度に応じて各ランナーユニット12aが回動可能である。そのため、直線状の走行路5aは勿論のこと、湾曲した走行路5aに対しても高い自由度でランナー11aを走行させることができる。例えば、S字などの異なる湾曲度の走行路5aが隣接した走行路5aであっても、走行路5aの湾曲度の変化に追随して各ランナーユニット12aが回動するため、変化をもって湾曲した走行路(異なる湾曲度の走行路が連なる走行路)5aや、直線状の走行路5aと湾曲した走行路5aとを組み合わせた走行路5aであっても、ランナー11aを安定かつ円滑に走行させることができる。
【0044】
なお、以下の例において、前記レール部材及びランナーについて共通する部材又は要素並びに部位については同一の符号を付して説明する。
【0045】
ランナー(B)は、レール部材(A)の構造に応じて、種々の形態で、レール部材に沿って走行可能であればよく、通常、レール部材(A)は、少なくとも下端部又は下部において、走行路を有する走行壁又は延出壁が隣接して横方向に形成されていればよく、このようなレール部材(A)を走行可能なランナー(B)は、レール部材(A)の走行路を走行又は転動可能な少なくとも一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備えていればよい。例えば、レール部材(A)は、断面I字状又は逆T字状の形態を有していてもよく、スリット状開口部を有する下部開口の断面中空筒状の形態であってもよい。特に、レール部材の構造に応じて、ランナーの走行構造(又は走行機構)を選択でき、(1)断面I字状又は逆T字状の形態のレール部材(A1)は、上部開口の断面中空筒状(例えば、前記上部開放の断面コ字状)の支持部を有するランナー(B1)と組み合わせて使用でき、(2)スリット状開口部を有する下部開口の断面中空筒状の形態のレール部材(A2)は、前記スリット状開口部に沿って移動可能な支持部を有するランナー(B2)と組み合わせて使用できる。
【0046】
前記ランナー(B)の前記支持部も、レール部材の構造及びランナーの走行機構に応じて、前記車輪部が回転可能に軸支又は装着可能な軸部材(車軸部材)を少なくとも備えており、さらには、これらの軸部材(車軸部材)を支持する支持壁(例えば、前記上部開放の断面コ字状の支持部の両側壁)とを備えていてもよい。
【0047】
[断面I字状又は逆T字状の形態のレール部材(A1)]
前記レール部材(A1)は、断面I字状又は逆T字状の形態を有していればよく、前記断面I字状又は逆T字状の形態のレール部材1aの構造に限定されない。例えば、前記例では、断面I字状の形態のレール部材1aにおいて、前記レール支持壁2の縦方向の両端部から両側部方向に延出部又は走行壁(上部走行壁及び下部走行壁)4が延出しているが、前記レール支持壁2の縦方向の一方の端部から両側部方向に延出部又は走行壁(ランナーの車輪部が走行可能な走行路を有する走行壁)が延出していてもよく、上部走行壁及び下部走行壁(上部延出部及び下部延出部)のうち、少なくとも一方の延出部又は走行壁に走行路を形成してもよい。すなわち、レール部材は、例えば、断面逆T字状又は断面I字状の形態であってもよい。好ましい形態は、レール部材の取り付けに際して方向性をなくすため(縦方向の上下両端部の延出部又は走行壁のうち、いずれの延出部又は走行壁もランナーの走行に利用可能であるため)、断面I字状の形態である。なお、断面I字状の形態のレール部材では、上下両端部の延出部又は走行壁のうち一方の延出部又は走行壁(上端部の延出部又は走行壁)は、ブラケットでレール部材を施工部位に取り付けるために利用してもよく、断面逆T字状の形態のレール部材では、上端部にブラケットが取り付け可能な取り付け部を形成してもよい。
【0048】
前記断面I字状又は逆T字状の形態のレール部材において、レール支持壁2は、長手方向に延びて縦方向の中間域を形成すればよく、必ずしも平坦な板状の形態である必要はなく、被搬送体の重量などに応じて、細幅に限らず、肉厚な支持壁を形成してもよい。
【0049】
また、レール支持壁2に長手方向に延びる溝部3は必ずしも必要ではないが、レール支持壁の長手方向に少なくとも溝部(特に、縦方向に間隔をおいて複数の溝部)を形成すると、湾曲させる曲げ加工しても、歪みが生じることなく、平滑なレール部材を形成できる。なお、レール支持壁2の両側壁には、縦方向に異なる間隔で溝部3を形成してもよいが、曲げ加工性を高めるためには、縦方向に等間隔に溝部3を形成するのが有効である。溝部3の数は、レール部材のレール支持壁の高さに応じて、例えば、2~15、好ましくは3~10、さらに好ましくは4~8(例えば、4~6)程度であってもよい。
【0050】
さらに、前記補強傾斜壁部6は、必ずしも必要ではないが、レール部材の曲げ加工性を高めるためには、補強傾斜壁部6を形成するのが有効である。補強傾斜壁部6は、走行壁から前記レール支持壁に向かって幅が狭まる形態を有していればよく、前記走行路5のうち内周壁から前記レール支持壁2にいくにつれて直線的に又は湾曲して幅が狭まる形態で傾斜していてもよく、前記走行路5のうち内周壁から前記レール支持壁2にいくにつれて、直線的に幅が狭まる断面三角形状の形態に限らず、外方向に又は内方向に湾曲(特に、緩やかに湾曲)して幅が狭まる形態(補強傾斜壁部6の両側壁が湾曲した形態)などであってもよい。
【0051】
レール部材は、直線状であってもよく、湾曲していてもよく、さらに、必要であれば、閉じた枠状(多角枠状、リング状、又はループ状など)の形態で配設してもよい。レール部材は、必ずしも曲げ加工する必要はないが、多様なレイアウトの走行路又は搬送路を形成するため、施工箇所及び搬送路のレイアウトの形態などに応じて、長手方向に対して横方向(例えば、レール支持壁に対して直交する方向)に曲げ可能であるのが好ましい。断面I字状の形態のレール部材は、長手方向に対して横方向(例えば、レール支持壁に対して直交する方向)に曲げ加工するのに適している。断面I字状の形態のレール部材は、前記特許文献2(特開2019-142713号公報)に記載のように、ランナーが走行可能な基準レールと、この基準レールの端部から複数の方向に延び、ランナーが走行可能な複数の分岐レールと、前記基準レールと分岐レールとの分岐部に配置され、前記基準レールと所定の分岐レールとを連絡させるための可動レール部材(ヒンジ式に取り付けられ、所定の分岐レールに向けて配向可能な可動レール部材)とで、種々のレイアウトの搬送路を形成できる。特に、断面I字状の形態のレール部材が曲げ可能であるため、断面I字状の形態のレール部材を用いると、多様な搬送路を形成できる。
【0052】
さらに、レール部材の走行壁には、必ずしもアリ溝状の連結溝部7を形成する必要はなく、連結溝部7は、前記走行壁4の幅方向の中央部に限らず、レール部材又は走行壁の適所、例えば、走行壁に隣接して肉厚部などを形成し、この肉厚部などに形成してもよい。また、上部連結溝部及び下部連結溝部のうち少なくとも一方の連結溝部7を形成してもよいが、上部連結溝部及び下部連結溝部の双方に連結溝部7を形成すると、連結ピンを利用して隣接するレール部材を安定に連結できる。複数の隣接するレール部材の連結溝部7に連結ピンを装着又は挿入し、連結ピンで複数のレール部材を接続又は連結すると、多様なレイアウトの搬送路を形成でき、直線状の走行路、湾曲した走行路、及び/又はループ状(多角枠状、リング状などの閉じた形態)の走行路を備えた搬送路を形成できる。
【0053】
このようなレール部材は、左右及び/又は上下非対称の形状に形成してもよいが、縦方向の中心軸線を基準として線対称の形態の断面形状を有していてもよい。
【0054】
被搬送体の重量などに応じて、レール部材は大型化又は厚肉化してもよく、例えば、レール部材1の高さは30~100mm(例えば、40~90mm、好ましくは50~80mm、さらに好ましくは55~75mm)、レール支持壁2の厚みは3~15mm(例えば、4~12mm、好ましくは5~10mm)、レール支持壁2の長さは、レール部材1の高さ全体の30~70%(例えば、35~65%、好ましくは40~60%)、延出部又は走行壁4を含む上部壁及び下部壁の幅(上端面及び下端面全体の幅)はそれぞれ15~50mm(例えば、20~45mm、好ましくは25~40mm、さらに好ましくは30~40mm)、走行壁(上部走行壁及び下部走行壁)4の厚みは2~10mm(例えば、3~8mm、好ましくは4~6mm)程度であってもよい。さらに、走行壁4の最小厚みは、1~5mm(例えば、1.2~3mm、好ましくは1.5~2.5mm)、レール支持壁2の溝部3の深さは0.1~1.5mm(例えば、0.3~1.2mm、好ましくは0.5~1mm)程度であってもよい。
【0055】
このようにレール部材は、軽量物のみならず、重量物(例えば、20kg以上(例えば、30~500kg)、好ましくは30kg以上(例えば、40~400kg)、さらに好ましくは50kg以上(例えば、50~300kg)程度の重量の被搬送体を搬送するのに有用であり;30kg以上(例えば、30~250kg、好ましくは40~200kg、さらに好ましくは50~150kg)程度の重量の被搬送体;100kg以上(例えば、100~450kg、好ましくは150~400kg、さらに好ましくは200~300kg)程度の重量の搬送体を搬送するのにも適している。特に、複数のランナーユニットを備えた本発明のランナーと組み合わせると、機械的強度を大きくでき、重量物の移送に利用しても耐久性を向上できる。
【0056】
[ランナーの車輪部とレール部材の走行路]
なお、ランナーの車輪部(ローラ部)はレール部材の走行路を走行又は転動可能であればよく、通常、ランナーの車輪部はレール部材の走行路に対応した形態又は形状の外周部を備えている。例えば、走行路は、断面U字状の湾曲部で形成する必要はなく、断面凹状(又は断面コ字状)、断面V字状の溝部で形成してもよく、断面凸状(又は凸条)の凸状部で形成してもよく、平坦状部で形成してもよい。なお、断面凸状又は断面コ字状の走行路は、走行路壁の幅方向の適所、例えば、中間部や外側部(外縁部)に形成してもよい。
【0057】
図4は本発明のランナーの他の例を示す概略斜視図であり、図5図4のランナーとレール部材との関係を示す概略図である。この例では、レール部材1bは、前記と同様に、断面I字状の形態に形成され、レール支持壁2の縦方向の両端部から両側部方向に延出する走行壁4bの走行路5bは、断面U字状に湾曲した湾曲部に代えて、前記走行壁4bの外側部で縦方向に対向して突出する凸条部5bで形成されている。一方、ランナー11bのランナーユニット12bの車輪部17bの外周部は、膨出形状に代えて、平坦状に形成され、幅方向の中央部に前記凸条部5bに対応する凹溝8bを有する平坦部(溝付き平坦部)で形成されている。
【0058】
図6は本発明のランナーのさらに他の例を示す概略斜視図であり、図7図6のランナーとレール部材との関係を示す概略図である。この例では、レール部材1cは、前記と同様に、断面I字状の形態に形成され、レール支持壁2の縦方向の両端部から両側部方向に延出する走行壁4cの走行路5cは、断面U字状に湾曲した湾曲部に代えて、断面V字状の凹溝(V字状溝)5cで形成されている。一方、ランナー11cのランナーユニット12cの車輪部17cの外周部は、膨出形状に代えて、前記V字状溝6cに対応して鋭角に突出した断面三角状突出部18cで形成されている。
【0059】
図8は本発明のランナーの別の例を示す概略斜視図であり、図9図8のランナーとレール部材との関係を示す概略図である。この例では、レール部材1dは、前記と同様に、断面I字状の形態に形成され、レール支持壁2の縦方向の両端部から両側部方向に延出する走行壁4dの走行路は、断面U字状に湾曲した湾曲部に代えて、断面コ字状の凹溝(コ字状溝)5dで形成されている。一方、ランナー11dのランナーユニット12dの車輪部17dの外周部は、膨出形状に代えて、前記コ字状溝5dに対応して平坦部18dで形成されている。
【0060】
上記のように、ランナーの車輪部の外周部とレール部材の走行壁の走行路とは互いに対応する形態(密着する形態)を有している必要はなく、ランナーの車輪部は、レール部材の走行路を走行又は転動可能な形態を有していればよく、走行路と車輪部とが接触可能であればよく、車輪部の外周部の一部が走行路と接触してもよい。例えば、前記断面U字状の走行路に対して、車輪部の外周部は、膨出湾曲部18aに限らず、平坦部18d、溝付き平坦部18b、突出部18cなどで形成してもよい。
【0061】
以下にも説明するように、ランナーの車輪部の外周部とレール部材の走行壁の走行路との関係は前記と同様である。
【0062】
前記の例では、各ランナーユニットが2つの走行エレメントを備えているが、ランナーユニットは、複数の走行エレメントに限らず、1つの走行エレメントを備えていてもよい。
【0063】
図10は、本発明の他のランナー31(一対の車輪部を有するランナーユニットを備えたランナー31)を示す概略斜視図であり、この例では、各ランナーユニット32が、それぞれ、二対の車輪部(2つの走行エレメント)に代えて、一対の車輪部(1つの走行エレメント)17aを備えており、2つのランナーユニット12aに代えて、4つのランナーユニット32がベース部20に間隔をおいて回動自在に取り付けられていることを除き、前記ランナー11aと同様に形成されている。すなわち、各ランナーユニット32は、前記と同様に、断面コ字状の支持部の両側壁14から一対の軸部材(車軸部材)16が互いに対向する方向に延び、これらの軸部材には一対の車輪部17aが回転可能に装着され、前記両側壁14と底部壁15とのコーナー部には補強部19が形成され、前記支持部の底部壁15の中心部(又は重心部)に挿通孔(図示せず)が形成されている。前記ベース部20の長手方向には、前記底部壁15の挿通孔に対応して4つの挿通孔(図示せず)が形成され、各ランナーユニット32の前記底部壁15の前記挿通孔と前記ベース部20の4つの挿通孔とに、それぞれ回動軸部材21が回動可能に挿通され、それぞれ回動可能に挿通され、第1の抜け止め部22及び第2の抜け止め部23により、回動軸部材21が、前記支持部(底部壁15)及び前記ベース部20に対して抜け止め状態で装着されている。また、ベース部20には、前記と同様に、取付け孔25を有する板状取付部材24が一体に固定して延出している。
【0064】
このようなランナー31であっても、前記ランナー11aと同様に、被搬送体の重量が大きくても、搬送路(走行路5a)に沿って安定して円滑に所定のステーションに搬送でき、湾曲した走行路5aに対しても高い自由度でランナー31を走行させることができる。なお、この例のランナー31は、各ランナーユニット32に、それぞれ、一対の車輪部17aが形成されているため、より高い自由度でランナー31を走行させることができ、湾曲度が大きな走行路5aでも安定かつ円滑に被搬送体を搬送できる。
【0065】
[上部開口の断面中空筒状の支持部を有するランナー(B1)]
前記断面I字状又は逆T字状の形態のレール部材(A1)を走行可能なランナー(B1)は、少なくとも一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備えた少なくとも1つ(1又は複数)のランナーユニットを備えていればよく;このランナーユニットは少なくとも前記ベース部に対して回動可能であってもよい。ランナーユニットの回動には種々の回動機構が採用でき、例えば、ベース部に形成された半円弧状の複数の孔部(例えば、互いに対向して、円周に沿って形成された半円弧状の複数の孔部)と、前記支持部から下方に突出した形態で形成され、この孔部に装着して回動可能な半円弧状突出部とで形成してもよく、この半円弧状突出部は、前記孔部に隣接する前記ベース部の下部壁と係合可能であってもよい。
【0066】
好ましい態様では、耐荷重性及び耐久性を高めるため、前記支持部に対して抜け止め状態で、少なくとも前記ベース部に対して前記ランナーユニットが回動可能に取り付け可能な回動軸部材を備えている。そのため、前記回動機構を前記回転軸部材と読み替え可能である(以下、本明細書において同じ)。
【0067】
前記ランナー(B1)は、さらに耐荷重性及び耐久性を高めるため、複数のランナーユニットを備えていてもよく、複数のランナーユニットのうち少なくとも後続のランナーユニット、好ましくは全てのランナーユニットがベース部に対して回動可能であってもよい。各ランナーユニットは、前記走行壁の走行路を走行又は転動可能な車輪部を回転可能に支持する上部開口の断面中空筒状の支持部を有していてもよく、この支持部の上部の開口部は走行方向に延びて形成してもよい。前記支持部は、断面中空円筒状、断面中空楕円形状、断面中空多角形状などの中空筒体であって、上部が開口した形態を有していてもよい。
【0068】
好ましいランナーは、前記のように、互いに対向する両側壁と底部壁とを備え、上部開放の断面コ字状の形態の支持部(a1)を有していてもよい。ランナーは、断面中空筒状の支持部の両側部(好ましくは、前記支持壁としての前記両側壁)から互いに対向する方向に延びる少なくとも一対の軸部材(車軸部材)と、この軸部材に回転可能に装着又は取り付けられた少なくとも一対の車輪部とを備えていてもよく;一対の軸部材と一対の車輪部とで走行エレメントを形成してもよい。ベース部に対して回動可能なランナーユニットの底部壁には、ベース部(又は保持体)に対して抜け止め状態で回動軸部材を回動可能に装着又は取り付けてもよい。
【0069】
[下部開口の断面中空筒状の形態のレール部材(A2)]
レール部材(A2)は、前記断面I字状又は逆T字状の形態に限らず、長手方向に延びて走行空間を形成するスリット状開口部(下部開口)を備えた断面中空筒状の形態を有していてもよく;前記スリット状開口部に隣接して形成され、前記ランナーの車輪部が走行又は転動可能な走行路を有する走行壁を備えたレール部材(A2a)であってもよい。すなわち、下部壁に前記スリット状開口部が形成された下部開口の断面中空筒状の形態を有し、前記スリット状開口部の両側部には、ランナーの車輪部が走行又は転動可能な走行路を有する走行壁を形成していてもよい。また、下部開口の断面中空筒状の形態のレール部材(A2)は、側壁内部から走行壁が延出した形態のレール部材(A2b)であってもよい。
【0070】
前記レール部材(A2)において、前記スリット状開口部は、ランナーの支持部が移動可能な移動空間を形成する。このようなレール部材の断面形状は、下部開口で走行壁を有する形態であればよく、断面中空円筒状、断面中空楕円形状、断面多角形状、両側壁が側部外方向又は内方向に湾曲又は屈曲した形態などであってもよく;前記スリット状開口部に隣接する走行壁の外壁は湾曲していてもよく、前記走行壁の外壁は平坦であってもよく;施工性などの観点から、断面コ字状の形態であるのが好ましい。
【0071】
このような下部開口の断面中空筒状の形態のレール部材は、長さ方向に対して横方向に曲げ可能であってもよく;直線状レール部材による直線状走行路を備えた搬送路を形成してもよく;直線状レール部材による直線状走行路と湾曲したレール部材による湾曲した走行路とを備えた搬送路を形成してもよく;ループ状レール部材(三角枠状などの多角枠状、リング状、又はループ状などの閉じた枠状レールなど)を形成して、ランナーが走行可能な閉じた走行路を有する搬送路を構築してもよく;前記ループ状レール部材の閉じた走行路と、前記ループ状レール部材の周方向に間隔をおいて分岐し、前記閉じた走行路と通じる分岐走行路(直線状走行路及び/又は湾曲した走行路)とを備えた搬送路を形成してもよい。
【0072】
このような下部開口の断面中空筒状の形態のレール部材(A2)も前記断面I字状又は逆T字状の形態のレール部材(A1)と同様の耐荷重性を有していてもよく、前記レール部材(A1)と同様の重量の被搬送体(軽量物及び重量物)を搬送してもよい。
【0073】
下部開口の断面中空筒状(好ましくは断面コ字状)の形態のレール部材は、前記と同様に、連結ピンで連結可能な連結孔部、ブラケットの取り付け部を備えていてもよい。
【0074】
[ランナー(B2)]
スリット状開口部で形成された下部開口の断面中空筒状の形態のレール部材(A2)を走行可能なランナー(B2)も、少なくとも一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備えた少なくとも1つ(1又は複数)のランナーユニットを備えていればよく;このランナーユニットは、前記と同様に、回動機構(前記回転軸部材)を利用して、少なくとも前記ベース部に対して回動可能であってもよい。複数のランナーユニットを備えたランナーでは、複数のランナーユニットのうち少なくとも後続のランナーユニット(特に、全てのランナーユニット)がベース部に対して回動可能であってもよい。
【0075】
前記ランナー(B2)は、ランナーユニットが、底部壁と、この底部壁からアーチ状(膨出湾曲枠状状)又は多角枠状の形態で延びる支持枠と、この支持枠から両側方向に延びる一対の軸部材とを備えた少なくとも1つの支持部(a2)を有するランナー(B2a);立設した(又は縦方向に延びる)支持壁(板状の支持壁)と、この支持壁から両側方向に延びる少なくとも一対の軸部材とを備えた支持部(a3)を有するランナー(B2b)を含む。
【0076】
前記ランナー(B2a)において、前記底部壁は、平面多角板状、円盤状又は円形状の形態を有していてもよく、前記支持枠は、底部壁も含めて、四角枠、五角枠、六角枠状などの多角枠状の形態を有していてもよい。好ましい支持枠は、アーチ状(膨出湾曲枠状状)、四角枠状、五角枠状の形態を有していてもよい。前記支持枠は、底部壁から立設する立設壁と、この立設壁が上部で合流する合流壁とを備えていてもよい。前記軸部材は、前記支持枠の適所から両側方向に延びていてもよく、前記支持枠の前記合流壁から両側方向に延びていてもよい。
【0077】
前記ランナー(B2a)のランナーユニットは、前記軸部材に回転可能に装着された車輪部を備えていてもよく;ベース部に対して回動可能なランナーユニットは、ベース部に対して抜け止め状態で回動可能な回動軸部材を備えていてもよい。前記車輪部は、前記と同様に、ベアリングを備えた車輪部、若しくは外周部が樹脂又は金属で被覆されたボールベアリングなどで形成できる。
【0078】
なお、前記ランナー(B2a)において、各ランナーユニットは少なくとも1つの支持部(a2)を備えていてもよく、走行方向に間隔をおいて(ランナーユニットが回動可能な位置関係で)複数の支持部(a2)を備えていてもよい。すなわち、第1の底部壁としての板状部材に、長手方向に間隔をおいて、複数の前記支持部(a2)の第2の底部壁としての底部壁を固定し、底部壁(第2の底部壁)と板状部材(第1の底部壁)とが一体化した底部壁を形成し、この底部壁に、回動軸部材を回動可能に取り付けてもよい。詳細には、各ランナーユニットは、長手方向(走行方向)に間隔をおいて、板状部材(第1の底部壁)に固定された複数の走行エレメントを備えていてもよく、各走行エレメントは、前記形態の支持部(底部壁、支持枠及び軸部材)を備え、この支持部の底部壁(第2の底部壁)は板状部材(第1の底部壁)に固定してもよい。
【0079】
図11は本発明のランナーのさらに別の例を示す概略斜視図であり、図12図11のランナーレール部材との関係を示す概略図である。
【0080】
この例では、レール部材41aは、上部壁42と、この上部壁から延びる両側壁43と、長手方向にスリット状開口部が形成された下部壁44aとを備えた下部開口の断面コ字状の形態を有し、このスリット状開口部の両側に対向して位置する走行壁(下部壁)44aと、この走行壁に断面U字状に湾曲して形成された走行路45aとを備えており、前記走行壁には、連結ピンで連結するための連結孔部47が形成され、施工部位に密着させるため、上部壁には淺溝部が形成され、ブラケットを利用してレール部材を施工部位に取り付けるため、両側壁の上部には係止凹部壁48が形成されている。なお、この例では、側壁43のうち上部と係止凹部壁48との間は緩やかに傾斜した傾斜壁として形成され、前記連結孔部47は、前記走行壁と下部壁とのコーナー部から斜め外方向に向いて開口している。
【0081】
このようなレール部材41aを走行可能なランナー51aは、前記と同様に、ベース部の長手方向(走行方向)に間隔をおいて配設され、ベース部に対して回動可能な複数のランナーユニット52aを備えており、各ランナーユニットは、長方形状の板状部材(第1の底部壁)54aに、長手方向に間隔をおいて固定された2つの走行エレメント53aを備えている。すなわち、各走行エレメント53aは、平面円盤状又は円形状の底部壁(第2の底部壁)54bと、この底部壁から五角枠状の形態で立設された支持枠55と、この支持枠から両側方向に延びる軸部材56と、この軸部材に回転可能に装着された車輪部57aとを備えており、各ランナーユニット52aは、前記板状部材(第1の底部壁)54aと、前記底部壁(第2の底部壁)54bと、前記支持枠55と、前記軸部材56とで、車輪部57aを回転可能に支持する支持部53を形成している。前記2つの走行エレメント53aの支持部53の底部壁(第2の底部壁)54bは、長方形状の板状部材(第1の底部壁)54aに、固定部材(この例では、ボルト・ナット)59で固定されている。
【0082】
なお、前記支持枠55は、底部壁54bから立設する立設壁と、この立設壁が上部で合流する合流壁とを備えており、前記軸部材56は、前記支持枠55の前記合流壁に形成されている。すなわち、一対の車輪部57aを支持する1つの支持部53が、長手方向に間隔をおいて、板状部材(第1の底部壁)54aに固定されている。なお、車輪部57の外周部57aは、前記走行路45aの形態に対応して、断面形状において、外方向に膨出して湾曲した膨出湾曲部58aで形成されている。
【0083】
前記板状部材(第1の底部壁)54aのうち、2つの走行エレメント53aの間に位置する中間部の挿通孔には、前記と同様に、前記板状部材54a及びベース部20に対して抜け止め状態で、回動軸部材21が回動可能に装着されている。また、前記ベース部20の下部壁には、前記と同様に、取付け孔25を有する板状取付部材24が一体に固定して延出している。
【0084】
図13は本発明の他のランナーを示す概略斜視図であり、図14図13のランナーレール部材との関係を示す概略図である。この例では、レール部材41bは、前記と同様に、下部開口の断面コ字状の形態に形成され、スリット状開口部の両側に対向して位置する走行壁44bの走行路は、前記走行壁44bの内側部で縦方向に突出する凸条部45bで形成されている。一方、ランナー51bのランナーユニット52bの走行エレメント53bの車輪部57bの外周部は、平坦部の幅方向の中央部に前記凸条部45bに対応する凹溝58bを有する溝付き平坦部で形成されている。
【0085】
図15は本発明の他のランナーを示す概略斜視図であり、図16図15のランナーレール部材との関係を示す概略図である。この例では、レール部材41cは、前記と同様に、下部開口の断面コ字状の形態に形成され、走行壁44cの走行路は、断面U字状に湾曲した湾曲部に代えて、断面V字状の凹溝(V字状溝)45cで形成されている。一方、ランナー51cのランナーユニット52cの走行エレメント53cの車輪部57cの外周部は、膨出形状に代えて、前記V字状溝45cに対応して鋭角に突出した断面三角形状突出部58cで形成されている。なお、この例では、連結孔部47は、側壁から延出する走行壁44cの延出基部(若しくは側壁と走行壁とのコーナー部の外壁部)に斜め内方向に開口して形成されている。
【0086】
図17は本発明の他のランナーを示す概略斜視図であり、図18図17のランナーレール部材との関係を示す概略図である。この例では、レール部材41dは、前記と同様に、下部開口の断面コ字状の形態に形成され、走行路は、スリット状開口部の両側で、下部壁から立設した形態の走行壁44dの上端部に成形された平坦部45dで形成されている。一方、ランナー51dのランナーユニット52dの走行エレメント53dの車輪部57dの外周部は、前記走行路44dの形態に対応して平坦部58dで形成されている。なお、下部壁から走行壁44dが立設する基部内壁には斜め外方向に開口して連結孔部47が形成されている。
【0087】
なお、ランナーユニットは複数の走行エレメントで形成する必要はなく、単一の走行エレメントで形成してもよく、前記板状部材(第1の底部壁)54aは必ずしも必要ではない。
【0088】
図19は、本発明の他のランナー61(ランナーユニットが一対の車輪部を有する単一の走行エレメントを備えたランナー)を示す概略斜視図であり、この例では、4つのランナーユニット62aがベース部20に間隔をおいて回動自在に取り付けられ、各ランナーユニット62aが、それぞれ、一対の車輪部67aを有する単一の走行エレメント63aを形成している。すなわち、1つの走行エレメント63aは、前記平面円盤状又は円形状の底部壁(第2の底部壁)54bと、この底部壁から五角枠状の形態で立設された支持枠55と、この支持枠から両側方向に延びる軸部材56と、この軸部材に回転可能に装着された車輪部57aとを備えている。
【0089】
このような形態のランナー61は、1つの走行エレメント63aがランナーユニット62aを形成しており、4つのランナーユニット62aが、それぞれ、回動軸部材21を中心としてベース部20上で回動可能である。
【0090】
さらに、前記ランナー(B2b)の各ランナーユニットの支持部(a3)は、立設した(縦方向に延びる)支持壁(板状の支持壁)と、この支持壁から両側方向に延びる少なくとも一対の軸部材とを備えていてもよい。このランナーユニットでも、前記ランナーと同様に、支持壁(板状の支持壁)には、走行方向に間隔をおいて複数対の軸部材を取り付けてもよく、各軸部材に車輪部を回転可能に装着し、複数対の車輪部を形成してもよい。この態様のランナー(B2b)では、前記支持壁に縦方向に中空筒状の装着部を形成し、この装着部に対して抜け止め状態で回動軸部材を装着し、ベース部に対して回動軸部材を回動可能に取り付けてもよい。
【0091】
図20は、本発明のランナーの他の例を示す概略分解斜視図であり、図21図20のランナーレール部材との関係を示す概略図である。
【0092】
この例では、レール部材41aは、前記図12と同様に、断面U字状に湾曲した走行路45aを有する下部開口の断面コ字状の形態に形成され、ランナー71aは、ベース部20の長手方向(走行方向)に間隔をおいて互いに回動可能な2つのランナーユニット72aを備えており、各ランナーユニット72aは、互いに溶着された一対の長方形状の板状部材で形成された支持壁74と、この支持壁の長手方向(走行方向)に間隔をおいて、両側方向に延びて取り付けられた軸部材76(合計二対の軸部材76)と、これらの軸部材に回転可能に装着された車輪部77a(合計二対の車輪部77a)とを備えている。なお、車輪部77aの外周部は、前記走行路45aの形態に対応して、断面形状において、外方向に膨出して湾曲した膨出湾曲部78aで形成されている。また、一対の軸部材76と、これらの軸部材に装着された一対の車輪部77aとで1つの走行エレメント73aを形成している。
【0093】
前記支持壁74のうち隣接する前記二対の軸部材76(隣接する前記二対の車輪部77a)の間には、前記一対の板状部材のうち、上端部を余して、それぞれ両側方向に湾曲して縦方向に延びる中空円筒状の装着部80が形成され、この装着部には、抜け止め状態で回動軸部材21が装着され、この回動軸部材は、前記と同様に、ベース部20に対して回動可能に取り付けられている。なお、図示する例では、回動軸部材21の上端部は、中空円筒状の装着部80に対して係止可能な円盤状(中空円筒状の装着部80の内径よりも大きな円形板状)に形成され、前記一対の長方形状の板状部材の両端部(先頭部及び後尾部)は、それぞれ両側部方向に屈曲して折曲げ部79を形成している。
【0094】
図22は本発明のランナーの他の例を示す概略分解斜視図であり、図23図22のランナーレール部材との関係を示す概略図である。
【0095】
この例では、レール部材41bは、前記図14と同様のレール部材(走行壁44bの内側部が縦方向に突出した凸条部45bを有する下部開口の断面コ字状の形態に形成されたレール部材)が示され、ランナー71bの2つのランナーユニット72bの車輪部77bの外周部は、平坦部の幅方向の中央部に前記凸条部55bに対応する凹溝58bを有する溝付き平坦部で形成されている。
【0096】
図24は本発明のランナーの他の例を示す概略分解斜視図であり、図25図24のランナーレール部材との関係を示す概略図である。
【0097】
この例では、レール部材41cは、前記図16と同様に、走行壁44cに断面V字状の凹溝(V字状溝)45cの走行路を有する下部開口の断面コ字状の形態に形成され、ランナー71cのランナーユニット72cの車輪部77cの外周部は、前記V字状溝46cに対応して鋭角に突出した断面三角状突出部78cで形成されている。
【0098】
図26は本発明のランナーの他の例を示す概略分解斜視図であり、図27図26のランナーレール部材との関係を示す概略図である。
【0099】
この例では、レール部材41dは、前記図18と同様に、立設した形態の走行壁44dの上端部の平坦部45dで形成された走行路を有する下部開口の断面コ字状の形態に形成され、ランナー71dの2つのランナーユニット72dの車輪部77dの外周部は、膨出形状に代えて、前記走行路44dの形態に対応して平坦部78dで形成されている。
【0100】
図28は本発明の他のランナー81(ランナーユニットが一対の車輪部を有する単一の走行エレメントを備えたランナー)を示す側面図であり、この例では、各ランナーユニット82が、それぞれ、一対の車輪部87を有する単一の走行エレメント83を備えており、このような4つのランナーユニット82がベース部20に間隔をおいて回動自在に取り付けられている。
【0101】
すなわち、この例では、支持壁84は、前記支持壁74よりも高さが大きく形成され、この支持壁84の上部には両側部方向に一対の軸部材86が延出しており、一対の軸部材には、それぞれ車輪部87が回転可能に装着され、一対の車輪部87を形成している。また、前記支持壁84のうち、前記軸部材86の下部には、前記と同様に、両側方向に湾曲して縦方向に延びる中空円筒状の装着部80が形成され、この装着部には、抜け止め状態で回動軸部材21が装着され、この回動軸部材は、前記と同様に、ベース部20に対して回動可能に取り付けられている。また、ベース部20には、板状の取付部材24に代えて、抜け止め状態で周方向に回転可能な回転軸軸部材89が取り付けられ、この軸部材にはリング部材90が揺動自在に取り付けられている。
【0102】
なお、前記ランナーにおいて、支持壁は一対(2枚)の板状部材で形成する必要はないが、一対の板状部材で形成すると、曲げ加工なども含め、前記装着部などを形成しやすい。また、折曲げ部79は必ずしも必要ではないが強度を向上させる上で有用である。
【0103】
前記下部開口の断面中空筒状(特に、断面コ字状)のレール部材(A2)は、前記のように、スリット状開口部に隣接する両側部に走行壁が形成されたレール部材(A2a)に限らず、側壁内部(内壁)から走行壁が延出した形態のレール部材(A2b)であってもよい。前記レール部材(A2)では、車輪部が、前記のように、縦方向(横方向に延びる軸部材の周方向)に回転可能なランナー(B2a)(B2b)であってもよく、前記レール部材(A2)では、車輪部が横方向(縦方向に延びる軸部材の周方向)に回転可能なランナー(B2c)であってもよい。
【0104】
このようなランナー(B2c)は、縦方向に延びた形態で、レール部材のスリット状開口部に沿って移動可能又はスライド自在な少なくとも1つの軸部材と、この軸部材が固定された板状部材(第1の底部壁)とを備えた支持部(a4)を有していてもよく、1つの軸部材と、この軸部材に周方向(横方向)に回転可能に装着された少なくとも1つの車輪部(縦方向の延びる軸部材の軸方向に間隔をおいて装着された複数の車輪部を含む)とで1つの走行エレメントを形成してもよい。
【0105】
搬送システムは、前記のように、ランナーが走行可能な閉じた形態の走行路を有するループ状レール部材(三角枠状などの多角枠状のレールなど)と、このループ状レール部材から周方向に間隔をおいて分岐し、前記閉じた形態の走行路と通じて、ランナーが走行可能な分岐走行路を有する分岐レール部材(3方向に延びる分岐レール部材など)とを備えていてもよい。このようなレール部材については、特開2019-188176号公報、特開2021-448号公報などを参照できる。図29は本発明のランナー及びレール部材のさらに他の例を示す概略分解斜視図であり、この例では、前記分岐レールが示されている。
【0106】
レール部材(分岐レール部材)91(及び前記ループ状レール部材)は、スリット状開口部を有する下部開口の断面コ字状(又は四角枠状)の形態を有しており、対向する両側壁(内壁部)93,94からは、傾斜した走行路95a,96aを有する一対の走行壁95,96が、互いに異なる高さ位置から、互いに対向する方向に延出していてもよい。すなわち、一方の側壁(内壁部)93の下部壁からは、第1の走行壁95が内方に延出し、他方の側壁(内壁部)94のうち第1の走行壁95よりも上方の上部壁からは、第2の走行壁96が内方に延出し、これらの走行壁95,96の上面は、それぞれ、内方(開口部方向)に向かって下方に傾斜し、ランナー101の車輪部が接触して走行可能な走行路95a,96aを形成していてもよい。なお、他方の内壁部94からは、スリット状開口部を形成する下部壁97としての突出壁(又は規制壁)が内方に延出し、この突出壁も内方(延出方向)に向かって下方に傾斜し、かつ前記第1の走行壁95の走行路(傾斜面)95aよりも下方に位置する傾斜面を有している。そのため、前記他方の下部壁97は、回転又は車輪部と非接触状態ではあるものの、ランナー101の過度な傾斜や脱輪を規制する突出壁(又は規制壁)97として機能する。また、分岐レール部材91の内壁部と走行壁95,96とのコーナー部には、内方に突出した規制壁部95b,96bが形成され、ランナー101の走行位置を規制している。
【0107】
なお、前記分岐レール部材91の下端部のコーナー部には、連結ピン(図示せず)で隣接するレールを接続して延長可能とするための連結孔部98が形成されている。さらに、前記と同様に、両側壁93,94の上部外壁には、ブラケットで所定部位に取り付けるための断面コ字状の凹部壁99が形成されている。
【0108】
前記分岐レール部材91を走行可能なランナー101は、ベース部20の長手方向に間隔をおいて、互いに回動可能に取り付けられた2つのランナーユニット102を備えており、各ランナーユニットは、前記レール部材101のスリット状開口部に沿って移動可能又はスライド自在な2つの軸部材106と、これらの2つの軸部材が長手方向に間隔をおいて固定された長方形状の板状部材(第1の底部壁)105と、前記軸部材の上部に、軸方向に間隔をおいて装着され、周方向(図示する例では横方向又は水平方向)に独立して回転自在な上下一対の車輪部107とを備えている。なお、各車輪部107は前記軸部材106に装着可能なボールベアリングを備えており、軸部材106と板状部材(第1の底部壁)105とで、車輪部を回転可能に支持する支持部を形成し、ランナーユニット102において、1つの軸部材106と、上下一対の車輪部107とで1つの走行エレメント102aを形成している。
【0109】
また、前記板状部材(第1の底部壁)106のうち2つの軸部材106の間に形成された挿通孔には、回動軸部材21が抜け止め状態で装着され、ベース部20に対して2つのランナーユニット102が回動軸部材21を中心としてそれぞれ回動自在である。なお、これらの回動軸部材21は、前記同様に、回動軸部材の上部に第1の抜け止め部22としての頭部を有し、下端部のネジ部に溶着された第2の抜け止め部23としてのナット部を有している。
【0110】
このような分岐レール部材91及びループ状レール部材とで形成された走行路を備えた搬送路でも、ランナー101の合計8つの車輪部107で被搬送体を支持しつつ搬送できる。また、被搬送体の重量が大きくても、搬送路(走行路95a,96a)に沿って安定して円滑に所定のステーションに搬送でき、前記ステーションで被搬送体を着脱交換でき積み込み及び荷下ろし(積み卸し)可能である。
【0111】
なお、下部開口の断面中空筒状の形態のレール部材(A2)を走行可能な前記ランナー(B2a)~(B2c)も1又は複数のランナーユニットを備えていればよく、前記ランナー(B2c)の各ランナーユニットの支持部(a4)は、車輪部が周方向に回動可能に装着可能な少なくとも1つの軸部材を備えていればよく、複数の軸部材(棒状の支持体)と、これらの軸部材が、ランナーの走行方向に間隔をおいて取り付け可能な板状部材とを備えていてもよい。なお、軸部材には、少なくとも1つの車輪部が装着可能であればよく、好ましい態様では、軸方向(縦方向)に間隔をおいて複数の車輪部が装着可能であってもよい。
【0112】
前記レール部材(A)に沿って走行可能な前記ランナー(B)は、ベース部(又は保持体)に、少なくとも1つのランナーユニットを備えていればよく、耐荷重性を向上させるため、走行方向に間隔をおいて、複数(少なくとも2つ)のランナーユニットを備えていてもよく;複数のランナーユニットは、例えば、2~5のランナーユニット、好ましくは2~4のランナーユニットを備えていてもよい。
【0113】
先頭ランナーユニットと後続ランナーユニットとを備えた複数のランナーユニットが走行路を走行可能なランナーにおいて、複数のランナーユニットの全てがベース部に対して回動可能である必要はなく、湾曲した走行路や分岐走行路などを走行させるには、少なくとも後続ランナーユニットがベース部に対して回動可能であればよい。すなわち、少なくとも後続ランナーユニットの前記回動軸部材を少なくとも前記ベース部に対して回動可能に取り付けてもよい。好ましい態様では、先頭ランナーユニットも含めて全ての複数のランナーユニットがベース部に対して回動可能であってもよい。なお、複数のランナーユニットは、ランナーユニットが回動可能な間隔で形成すればよく、ベース部には、規則的又は不規則的な間隔で複数のランナーユニットを回動可能に取り付けてもよい。なお、ベース部には、回動可能な複数のランナーユニットが走行方向に沿って1列の形態で配列していてもよい。
【0114】
各ランナーユニットは、走行路(レール部材に形成された走行路)を走行又は転動可能な少なくとも一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備えていればよく;この支持部は、少なくとも前記車輪部を回転可能に軸支する軸部材を備えており、さらに、この軸部材が取り付けられる取り付け部位、例えば、前記のように、支持壁又は支持枠、底部壁又は板状部材を備えていてもよい。なお、一対の軸部材と一対の車輪部とで1つの走行エレメントを形成してもよい。
【0115】
具体的には、支持部は下記(a1)~(a3)のいずれかの形態を備えていてもよい。
【0116】
(a1)互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態の支持壁と、前記両側壁から互いに対向する方向に延び、車輪部が装着可能な少なくとも一対の軸部材とを備えた支持部。この支持部は、前記両側壁に、ランナーの走行方向に間隔をおいて取り付けられ、車輪部が装着可能な複数対の軸部材(例えば、二対の軸部材)を備えていてもよい。
【0117】
(a2)底部壁と、この底部壁からアーチ状又は多角枠状の形態で延びる支持枠と、この支持枠(例えば、支持枠の上部)から両側方向に延び、車輪部が装着可能な少なくとも一対の軸部材とを備えた支持部。この支持部において、前記底部壁に回転軸部材が抜け止め状態で挿通可能な挿通孔を形成してもよく;ランナーの走行方向に間隔をおいて複数の前記底部壁(例えば、前記支持枠を有する2つの底部壁)が取り付けられた板状部材を備えていてもよく、この板状部材のうち、複数の前記底部壁の間に位置する部位に、回転軸部材が抜け止め状態で挿通可能な挿通孔を形成してもよい。
【0118】
(a3)立設した(縦方向に延びる)支持壁と、この支持壁から両側方向に延び、車輪部が装着可能な少なくとも一対の軸部材とを備えた支持部。この支持部は、支持壁に、ランナーの走行方向に間隔をおいて取り付けられ、車輪部が装着可能な複数対の軸部材(例えば、二対の軸部材)と、ランナーの走行方向に隣接する軸部材の間に位置する支持壁に縦方向に形成され、回転軸部材が抜け止め状態で挿通可能な装着部とを備えていてもよく、支持壁は一対の板状部材を加工して形成してもよい。
【0119】
(a4)板状部材と、この板状部材から立設し、車輪部が装着可能な軸部材(軸方向又は縦方向に間隔をおいて複数の車輪部(例えば、2つの車輪部)が装着可能な軸部材)とを備えた支持部。この支持部は、板状部材と、この板状部材に、ランナーの走行方向に間隔をおいて立設された複数の軸部材(例えば、2つの軸部材)とを備えていてもよい。さらに、軸部材(複数の車輪部を備えた軸部材)を回動軸部材として利用してもよい。例えば、1つの板状部材に、回動軸部材としての1つの軸部材が抜け止め状態で挿通又は装着可能な挿通孔を形成してもよい。
【0120】
好ましい態様では、前記ランナーユニットの前記支持部は、互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態を有していてもよい。さらに、前記側壁14と底部壁15とのコーナー部には補強部19は、必ずしも形成する必要はないが、補強部を形成すると、ランナーの支持部を補強でき、被搬送体の搬送に有利である。前記コーナー部には、少なくとも1つの補強部を形成すればよく、複数の補強部、例えば、ランダムな間隔で、好ましくは等間隔で、2~6(好ましくは2~4,さらに好ましくは2~3)程度の補強部を形成してもよい。前記補強部19は、前記コーナー部の適所に形成でき、前記軸部材16に対応するコーナー部に限らず、長手方向(走行方向)の前記コーナー部の中央部、この中央部と両端部との中間部などに形成してもよい。好ましい態様では、前記補強部19は、前記軸部材16に対応する前記コーナー部に形成できる。
【0121】
なお、補強部は、前記コーナー部の内側の肉厚部で形成してもよいが、前記コーナー部を内方に圧入した圧入部又は陥没部で形成してもよい。
【0122】
各ランナーユニットは、少なくとも一対の車輪部を備えていればよく、一対の車輪部、若しくはランナーの走行方向に間隔をおいて支持部に取り付けられた二対~五対の車輪部を備えていてもよい。好ましい態様では、各ランナーユニットは、一対~四対の車輪部、さらに好ましくは二対~三対の車輪部、特に、二対の車輪部を備えていてもよい。
【0123】
なお、複数のランナーユニットは、同一の又は異なる走行エレメント(同一の又は異なる対の車輪部を有する走行エレメント)を有するランナーユニットで形成してもよく、例えば、一対の車輪部を有するランナーユニットと、複数対の車輪部を有するランナーユニットとでランナーを形成してもよい。複数のランナーユニットの回動軸部材は、ランナーの走行方向に間隔をおいて(隣接するランナーユニットが互いに回動可能な間隔で)、少なくとも前記ベース部に対して回動可能に取り付け可能である。ベース部に回動自在に取り付けられる複数のランナーユニットの数(回動軸部材の数)は、走行路又は搬送路の湾曲度とレイアウト形態などに応じて、2~5程度、好ましくは2~4程度、さらに好ましくは2~3程度であってもよい。
【0124】
複数のランナーユニットのうち、先頭ランナーユニットの回動軸部材は、ベース部に固定してもよく、先頭ランナーユニットに後続する後続ランナーユニットの回転軸部材は、それぞれ、少なくとも前記ベース部に対して回動可能に取り付け可能であってもよい。すなわち、少なくとも後続ランナーユニットは、それぞれ、回転軸部材を中心として、少なくとも前記ベース部に対して回動可能であってもよい。
【0125】
好ましい態様において、前記ランナーユニットは、互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態の支持壁と、走行方向に間隔をおいて、前記両側壁から互いに対向する方向に延びる複数対の軸部材とを備えた支持部と、前記複数対の軸部材にそれぞれ車輪部が回転可能に装着された複数対の車輪部と、前記底部壁(底部壁の中心部又は重心部)に回動可能に取り付けられた回動軸部材とを備えていてもよく;複数の前記ランナーユニットのうち少なくとも後続ランナーユニットの前記回動軸部材(好ましくは先頭ランナーユニットも含め全ての複数の前記ランナーユニットの前記回動軸部材)は、走行方向に間隔をおいてベース部に対して回動可能に取り付け、回動可能なランナーユニットが、それぞれ、前記回動軸部材を中心として、少なくとも前記ベース部に対して回動可能であってもよい。
【0126】
ベース部に対して支持部(ランナーユニット)又はその底部壁は回動可能であればよく、支持部(ランナーユニット)の回動域は、回動軸部材を中心として360°(若しくは180°)であってもよいが、後続するランナーユニットが順次に回動可能であるため、1つのランナーユニットの回動角度域が小さくても、全体としては湾曲度の大きなレール部材に沿ってランナーが走行可能である。そのため、支持部(ランナーユニット)の回動域は、回動機構(回動軸部材)を中心として10~90°、好ましくは15~60°、さらに好ましくは20~45°程度であってもよい。
【0127】
また、ベース部と接する支持部(ランナーユニット)の形態(底部壁の形態)は、図1図10に示す支持部の方形状の底部壁15、図11図18に示す長方形状の板状部材(第1の底部壁)54a、図29に示す板状部材(第1の底部壁)105のように、長方形状である必要はなく、隣接する支持部(ランナーユニット)の底部壁の回動域を大きくするため、円形状(円盤状)、楕円形状、多角形状(五角形状、六角形状、八角形状など)であってもよい。円形状、長軸を走行方向に向けた楕円形状、先頭部及び後尾部が膨出して湾曲した方形状(正方形状、長方形状など)の形態などのように、走行方向の先頭部及び後尾部が膨出して湾曲した形態の底部壁(隣接する支持部の底部壁において、膨出して湾曲した湾曲部が対向した形態の底部壁)を利用すると、ランナーユニットの回動中心部(例えば、回動軸部材)の間隔(ピッチ)が小さくても、支持部(ランナーユニット)を回動できる。
【0128】
さらに、ランナーユニットの回動中心部(例えば、回動軸部材)の間隔(ピッチ)は、支持部の底部壁(ランナーユニット)が回動可能であればよく、ベース部において、等間隔であってもよく、不規則的な間隔であってもよい。
【0129】
回動可能なランナーユニットの前記回動軸部材は、前記ランナーユニットの前記支持部に対して抜け止め状態(抜けが規制された状態)で回動可能に取り付ければよく、前記支持部に対して固定してしてもよく、前記支持部に対して抜け止め状態で回動可能に取り付けてもよい。好ましい態様では、回動軸部材を中心としてランナーユニットを円滑に回動させるとともにランナーを円滑に走行又は搬送するため、前記回動軸部材は、前記支持部及び前記ベース部に対して抜け止め可能である。
【0130】
回動軸部材は、円筒状に限らず角柱状であってもよく、ボルトに限らず、柱状(特に、円柱状)の部材で形成してもよく、第1の抜け止め部及び第2の抜け止め部も、柱状部材と一体化(溶着又は溶接)して形成してもよい。すなわち、回動軸部材は、ボルトの頭部とネジ部に溶着したナットとで形成する必要はなく、円柱体の上部に、第1の抜け止め部に対応する第1の抜け止め部材を溶着などにより一体化し、前記円柱体の下部に、第2の抜け止め部に対応する第2の抜け止め部材を溶着などにより一体化してもよい。
【0131】
なお、前記ベース部にランナーユニットを配設した状態で、支持部の下面と、ベース部の上面との間に位置する回動軸部材には、必要により、所定間隔を維持するため、回動軸部材に遊びをもって筒状のカラー又はスペーサを装着してもよく;支持部及びベース部のうち少なくとも一方の部材には、支持部とベース部との対向部(支持部の回動域)に凸部を形成してもよく、この凸部をスペーサとして利用してもよい。
【0132】
ベース部は、平面形状が、板状などの形態であってもよく、多角形状(長方形を含む四角形状)、円形状、楕円形状などであってもよい。ベース部は、単一のベース部材で形成してもよく、隣接するベース部材が互いにヒンジ式に連結された複数のベース部材(ヒンジ部を中心として互いに回動又は屈曲可能なベース部材)で形成してもよい。なお、複数のベース部材には、1又は複数のランナーユニットの回動軸部材を回動自在に取り付けることができる。耐荷重性及び耐久性を高めるためには、ベース部は、1つのベース部材で形成するのが有利である。
【0133】
前記ベース部は、被搬送体が取り付け可能な取付部材を備えている。この取付部材は、前記ベース部に連結され、被搬送体が取り付け可能な紐、チェイン、ワイヤーなどの連結部材又は接続部材を備えていてもよく;(b1)前記ベース部に対して固定されていてもよく;(b2)前記ベース部に対して回動可能に取り付けられていてもよく;(b3)前記ベース部に対して回動及び揺動可能に取り付けられていてもよい。また、取付部材は、被搬送体を着脱可能に取付又は連結するための取付け部を備えていてもよい。
【0134】
具体的には、(b1)取付部材は、前記取付け孔25を有する板状取付部材24のように、取付け部(鈎状部、フック部などの係止部又は掛止部、環状部(リング部)など)を備え、前記ベース部に固定された固定部材で形成してもよく、(b2)(b3)前記ベース部に回動可能及び/又は揺動可能に取り付けられた部材で形成してもよい。例えば、前記取付部材(b2)は、前記ベース部に対して回動可能に取り付けてもよく;図30に示されるように、前記ベース部20に対して抜け止め状態で周方向に回転可能に取り付けられた回転軸部材111と、この回転軸部材に固定され、被搬送体が取り付け可能な取付け部(リング部、S字状、鈎状、U字状フック部などの係止部又は係合部など)112とを備えていてもよい。前記取付部材(b3)は、前記ベース部に対して回動及び揺動可能に取り付けてもよく、図31(並びに前記図28)に示されるように、前記ベース部20に対して抜け止め状態で周方向に回転可能に取り付けられた回転軸部材121と、この回転軸部材に揺動可能に取り付けられ、取付け部(リング部、フック部などの係止部など)122を有する揺動部材(揺動可能なリング部材、S字状、鈎状、U字状などの形態を有し、揺動可能な係止又は係合部材など)を備えていてもよい。
【0135】
なお、被搬送体を懸垂状態で所定のステーションに搬送して着脱交換若しくは積み込み又は荷下ろしするため、前記取付け部は、被搬送体を着脱可能に取付又は連結するのが好ましい。このような取付部材は、少なくともリング状又は鈎状係止部(フック部)、若しくはリング部材又は係止部材(係合部材)を備えているのが好ましく、前記ベース部に対して周方向に回転可能な軸部材と、この軸部材に固定されたリング状、又は鈎状、U字状などの係止部(フック部)、若しくは前記軸部材に対して揺動可能に取り付けられたリング部材又は係止部材(係合部材)とを備えていてもよい。なお、前記リング部及びリング部材は、開放部を有していてもよく、この開放部には開閉可能な開閉ピンを備えていてもよく、例えば、前記リング部及びリング部材の開放部に、被搬送体をワンタッチ式に着脱するため、開閉ピンが取り付けられたワンタッチ式リング部及びリング部材であってもよい。
【0136】
[セット及び搬送システム]
本発明は、前記ランナーと、このランナーが走行可能なレール部材とのセットも包含する。このようなセットは、前記レール部材を施工部位に取り付けるためのブラケット;ランナーの走行(又は脱落)を規制又は防止するため、前記レール部材のうちランナーの非走行部位(前記レール部材の端部などの)に取り付けられ、被搬送体の搬送又は移動を規制する規制部材;前記レール部材の連結孔部に装着して前記レール部材を連結するための連結ピン(又は連結棒);前記レール部材と走行するランナーとが対向する対向部のうち前記レール部材及び/又はランナー(特に、レール部材)に取り付けられ、ランナーの走行を停止させるためのストッパーなどを備えていてもよい。
【0137】
このようなセットは、被搬送体を搬送するための搬送システムを形成するのに有用であり、被搬送体を搬送するための搬送システムを形成するため、前記セットは、さらに、前記ランナーの取付部材と被搬送体とを連結又は接続するための連結部材又は接続部材(例えば、取付部材と被搬送体とに対する連結部(フック部などの係止部など)を有する紐状体、チェイン、ワイヤーなど);被搬送体を収容するための収容容器、この収容容器とランナーの取付部材とを着脱可能に連結し、吊り下げ又は懸垂するための連結部材又は接続部材(収容容器に対して着脱可能な連結部(係止部など)と、ランナーの取付部材に対して着脱可能であってもよい連結部(係止部など)とを備えた紐状体、チェイン、ワイヤーなど)などを備えていてもよい。
【0138】
さらに、被搬送体を少なくとも上下動させるため、前記ランナーの取付部材には、着脱可能であってもよい形態(締結、係止、掛止などの形態(好ましくは係止の形態))で上下動機構(上下動ユニット)を取り付けてもよく、この上下動機構(上下動ユニット)は、被搬送体に対して直接的又は間接的に着脱可能に連結又は接続可能な連結部材又は接続部材(例えば、係止部を有する紐状体、チェイン、ワイヤーなど)を、少なくとも上下方向(上下方向、上下左右方向)に牽引可能であってもよい。なお、上下動機構は、前記ランナーの取付部材に対して、着脱可能であってもよい係止部と、被搬送体に対して直接的又は間接的に着脱可能な係止部を有する前記連結部材又は接続部材(例えば、係止部を有するワイヤーなど)を備えている場合が多く、上下動機構の連結部材又は接続部材の係止部と被搬送体との間には、前記のように、前記収容容器などが介在していてもよい。このような上下動機構(上下動ユニット)は、例えば、電動又は手動ホイスト、電動又は手動ウインチ、電動又は手動チェインブロックなどであってもよい。好ましい上下動機構は、操作が容易な電動又は手動ウインチ、電動又は手動チエインブロックである。
【0139】
さらには、前記上下動機構に接続された電気コードを、前記上下動機構の移動(又はランナーの走行)に同伴させるため、前記レール部材の走行路を走行可能な第2のランナーを備えていてもよい。
【0140】
図32は前記第2のランナーを備えた本発明の搬送システムを説明するための概略図であり、図33は前記第2のランナーを示す概略斜視図である。この例では、前記と同様の断面I字状のレール部材1aを走行可能な前記ランナー(第1のランナー)11aの取付部材24には、取付け孔25を利用して、電動ウインチ143の係止部144が係止可能であり、前記電動ウインチ143から延びる電気コード142は、前記レール部材1aを走行可能な複数の第2のランナー131に取り付け又は架け渡し可能である。(仮止め可能である)。
【0141】
具体的には、前記ランナー(第1のランナー)11aは、前記と同様の構造を有しており、前記ベース部20に対して回動可能な前記ランナーユニット12aを備えており、前記ベース部20の取付部材24には前記取付け孔25が形成されている。
【0142】
前記電動ウインチ143から延びる電気コード142が架け渡し可能な複数の第2のランナー131は、それぞれ、前記ランナーユニット12aと同様に、両側壁134と底部壁135とを備えた上部開口の断面コ字状の支持壁133を備えている。また、前記両側壁134から互いに対向する方向に延びる一対の軸部材(車軸部材)136と、これらの軸部材に車輪部が回転可能に装着された一対の車輪部137と、前記両側壁134と底部壁135とのコーナー部に形成された補強部139とを備えている。さらに、前記両側壁134のうち走行方向の両端部(前後方向の両端部)には、幅方向のうち内方向に延びて、隣接する第2のランナー131が互いに進入又は重なり合うのを規制するための規制部(規制壁部)138が形成されている。さらに、前記支持部の底部壁135の挿通孔(図示せず)には、底部壁135に対して抜け止め状態で軸部材140が周方向に回動自在に挿通され、この回転軸部材(回転軸部材の孔部)には、リング部材141が揺動自在に取り付けられている。
【0143】
前記リング部材141には、電動ウインチ143から延びる電気コード142が取り付け若しくは連結された状態(仮止め状態)で架け渡し可能であり、前記電動ウインチ143は、前記のように、前記ランナー11aの取付け孔25を利用して取付部材24に係止可能な係止部(フック部など)144を備えており、前記電動ウインチ143から延びるワイヤ145には鈎状係止部材(フック部材など)146が取り付けられ、この係止部材は、被搬送体を収容可能な収容容器147に取り付け又は連結された連結部材に対して着脱可能に係止可能である。なお、この例では、電気コード142は、紐状体で前記リング部材141に緩く仮止め状態で連結され、複数の前記リング部材141に架け渡されている。
【0144】
このような搬送システムでは、収容容器147に被搬送体を収容し、電動ウインチ143でワイヤ145を巻き上げて収容容器147を上昇させ、レール部材1aに沿って、前記ランナー(第1のランナー)11aの走行とともに前記電動ウインチ143を前進動させ、所定のステーションに搬送できる。前記前進動では、弛緩した電気コード142が伸長するともに、複数の第2のランナー131が円滑に走行する。また、前記所定のステーションでは、被搬送体を着脱交換でき、被搬送体の荷下ろし及び/又は新たな被搬送体の積み込みが可能である。必要であれば、このような動作は、レール部材1aで形成された搬送路に沿って複数のステーションで行うことができる。
【0145】
一方、前記第2のランナー131の車輪部137がレール部材1aの両側部の走行壁で回転可能に支持されているため、前記第2のランナー131は前後方向に傾倒可能である。そのため、前記ランナー(第1のランナー)11a及び前記電動ウインチ143を後退動させると、電気コード142の弛緩度(弛み度)が大きくなるとともに、強く後退動させると、隣接する第2のランナー131が前後方向に傾倒し、一方の第2のランナー131が他方の第2のランナー131に乗り上げ又は重複した状態となり、第2のランナー131を円滑に後退動できない場合がある。しかし、前記第2のランナー131の走行方向の両端部(前後方向の両端部)には、前記両側壁134から規制部(規制壁部)138が延びているため、一方の第2のランナー131が他方の第2のランナー131に進入又は乗り上げることがなく、隣接する前記第2のランナー131が互いに重複又は重なり合うのを防止できる。
【0146】
前記第2のランナーは、ベース部を備えておらず、一対の車輪部(ローラ部)を有するランナーユニットに対応した形態を有し、前記規制部(又は規制壁部)を備えている以外、基本的には、前記断面I字状又はT字状の形態のレール部材(A1)を走行可能な前記ランナー(B1)、及び前記下部開口の断面中空筒状の形態のレール部材(A2)を走行可能な前記ランナー(B2)と同様の構造を有していてもよく、このような第2のランナーも上記と同様の作用効果を奏する。
【0147】
そのため、本発明の搬送システム(又は運搬システム)は、前記第2のランナーも包含する。搬送システムは、前記レール部材を走行可能な前記第1のランナー(ベース部に対して回動可能なランナーユニットを備えたランナー)と、この第1のランナーの取付部材に取り付け可能であり、被搬送体を少なくとも上下動させるための電動の上下動機構(上下動ユニット)と、この上下動機構(上下動ユニット)に接続された電線コードと、前記レール部材を走行可能であり、かつこの電線コードが架け渡し可能な複数の第2のランナーとを備えており、少なくとも隣接する第2のランナーのうち、対向する第2のランナーの前記支持部の対向部(走行方向の前部及び/又は後部)に、隣接する第2のランナーが進入又は乗り上げるのを規制するための規制部(規制壁部)が形成されている。
【0148】
この規制部(規制壁部)は、第2のランナーの走行方向の両端部に形成でき、少なくとも幅方向(幅方向のうち内方向)に延びて形成してもよく;第2のランナーの走行方向の両端部から前後方向に突出していてもよく;前後方向に突出して幅方向に延びていてもよい。また、電線コードは、複数の第2のランナーの取付部材の取付け部に架け渡してもよく、架け渡しは、リング部での緩い締結又は強固な締結に限らず、リング部への挿通、S字状部、鈎状部などのフック部への係合又は係止、挿通部への挿通などを利用してもよい。
【0149】
被搬送体(被運搬体、荷物)を搬送するための搬送システム(又は運搬システム)において、前記レール部材は、少なくとも1つのステーションを経由する走行路を備えた搬送路を形成可能であればよく、前記のように、直線状走行路、湾曲状走行路、ループ状又は閉じた形態の走行路、及びこれらの走行路を組み合わせた走行路を備えた搬送路を形成できる。そのため、レール部材は、複数のステーションを経由する搬送路を形成することもできる。前記ステーションでは、前記のように、被搬送体が着脱可能及び/又は交換可能であってもよく、被搬送体を積み込み又は荷下ろし(積み卸し)可能であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明は、被搬送体(被運搬体)の搬送又は移動が必要な種々の用途に利用でき、工場、農場や栽培場(水耕栽培場、ビニールハウスなどの果実、野菜、花などを栽培するハウス栽培場を含む)、酪農場、畜舎(豚舎、牛舎、養鶏舎など)などを含む畜産場、養魚場、水産加工場、木材加工場、材料・製品などを貯蔵・保管するための倉庫、物品・品物などの仕分け場(物品・品物を仕分けて発送するための配送センター、選果場などを含む)などで、被搬送体(被運搬物又は荷物)を搬送又は移動させるのに有用であり、軽量物に限らず、重量物であっても円滑に搬送又は運搬できる。
【0151】
被搬送体(被運搬物又は荷物)の種類は、特に制限されず、用途に応じて、例えば、工業原料(プラスチック加工原料などの化学原料);工具などの加工機器;パーツ、物品、組立部品、半完成品、所定の処理が施される被加工物(例えば、被塗装部品などの被加工体)、加工された部材(例えば、塗装部品などの加工処理体)など;仕分け物品;果物、野菜、水、栄養源(散水、農薬散布など)の供給ユニットやホース、苗木、収穫物、肥料、飼料、乳製品などが例示できる。
【0152】
なお、前記搬送システムのレール部材は、家庭や施設内において歩行者の誘導レールなどとしても利用でき、前記搬送システムは、動物(高齢者などのヒト、動物など)の移動などにも利用できる。例えば、リハビリテーションを含む医療及び介護などの分野において、必要により、ランナーの取付部材と、高齢者や身体障害者などの歩行者又は利用者との間に、移動又は歩行するための補助装置(移動又は歩行補助装置)を介在させ、歩行が困難な高齢者、障害者などの歩行者が円滑にかつ安定して歩行して所望の場所に移動することを補助(支援)するのに利用できる。
【符号の説明】
【0153】
1a~1d,41a~41d,91…レール部材
5a~5d,45a~45d…走行路
11a~11d,31,51a~51d,61,71a~71d,81,101…ランナー
12a~12d,32,52a~52d,62a,72a~72d,82,102…ランナーユニット
16,56,76106136…軸部材
17a~17d,57a~57d,67a,77a~77d,87,107,137…車輪部
20…ベース部
21…回動軸部材
24…取付部材
25…取付け孔
143…電動ウインチ
131…第2のランナー
138…規制部(規制壁部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
【手続補正書】
【提出日】2023-04-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備えた少なくとも1つのランナーユニットと;このランナーユニットが取り付け可能なベース部と、このベース部に取り付けられ、被搬送体が取り付け可能な取付部材とを備え、前記走行路を走行可能なランナーであって、
前記支持部に対して抜け止め状態で、少なくとも前記ベース部に対して前記ランナーユニットが回動可能に取り付けられている、ランナー。
【請求項2】
走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備えた複数のランナーユニットが、走行方向に間隔をおいてベース部に取り付けられ、先頭ランナーユニットと後続ランナーユニットとが前記走行路を走行可能なランナーであって、
前記ランナーユニットの前記支持部に抜け止め状態で取り付けられた回動軸部材と、これらの回動軸部材がランナーの走行方向に間隔をおいて取り付けられたベース部と、このベース部に取り付けられ、被搬送体が取り付け可能な取付部材とを備えており、
前記複数のランナーユニットのうち、少なくとも後続ランナーユニットの前記回動軸部材が少なくとも前記ベース部に対して回動可能に取り付けられている、請求項1記載のランナー。
【請求項3】
前記ランナーユニットが、前記支持部に抜け止め状態で取り付けられた回動軸部材を中心として、少なくとも前記ベース部に対して回動可能である、請求項1又は2記載のランナー。
【請求項4】
1~4つのランナーユニットを備えており;各ランナーユニットが、一対の車輪部若しくはランナーの走行方向に間隔をおいて二対~五対の車輪部を備えている、請求項1又は2記載のランナー。
【請求項5】
ランナーユニットが、下記(a1)~(a4)のいずれかの形態の支持部を備えている、請求項1又は2記載のランナー。
(a1)互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態の支持壁と、前記両側壁から互いに対向する方向に延び、車輪部が装着可能な少なくとも一対の軸部材とを備えた支持部
(a2)底部壁と、この底部壁からアーチ状又は多角枠状の形態で延びる支持枠と、この支持枠から両側方向に延び、車輪部が装着可能な軸部材とを備えた支持部
(a3)立設した支持壁と、この支持壁から両側方向に延び、車輪部が装着可能な軸部材とを備えた支持部
(a4)板状部材と、この板状部材から立設し、車輪部が装着可能な軸部材とを備えた支持部
【請求項6】
前記支持部が、互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態の支持壁と、前記両側壁から互いに対向する方向に延びる少なくとも一対の軸部材とを備えており、前記側壁と底部壁とのコーナー部に補強部が形成されている、請求項1又は2記載のランナー。
【請求項7】
前記ランナーユニットが、互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態の支持壁と、走行方向に間隔をおいて、前記両側壁から互いに対向する方向に延びる複数対の軸部材を備えた支持部と、
前記複数対の軸部材にそれぞれ車輪部が回転可能に装着された複数対の車輪部と、前記底部壁に回動可能に取り付けられた回動軸部材とを備えており、
複数の前記ランナーユニットの前記回動軸部材が、走行方向に間隔をおいてベース部に対して回動可能に取り付けられ、前記ランナーユニットが、それぞれ、前記回動軸部材を中心として、少なくとも前記ベース部に対して回動可能である、請求項1又は2記載のランナー。
【請求項8】
前記取付部材が、前記ベース部に対して、以下の形態で取り付けられ;被搬送体を着脱可能に取付又は連結するための取付け部を備えている、請求項1又は2記載のランナー。
(b1)前記取付部材が、前記ベース部に対して固定されている
(b2)前記取付部材が、前記ベース部に対して回動可能に取り付けられている
(b3)前記取付部材が、前記ベース部に対して回動及び揺動可能に取り付けられている
【請求項9】
請求項1又は2記載のランナーと、このランナーが走行可能なレール部材とのセット。
【請求項10】
被搬送体が交換若しくは積み込み及び荷下ろし可能な少なくとも1つのステーションを経由する走行路を備えた搬送路を形成可能なレール部材と、
このレール部材を施工部位に取り付けるためのブラケットと、
前記走行路を走行可能な請求項1又は2記載のランナーとを備え、被搬送体を所定のステーションに搬送するための搬送システム。
【請求項11】
前記レール部材を走行可能な前記ランナーと;このランナーの取付部材に取り付け可能であり、被搬送体を少なくとも上下動させるための電動の上下動機構と;この上下動機構に接続された電線コードと;前記レール部材を走行可能な一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備え、かつこの電線コードが架け渡し可能な複数の第2のランナーとを備えており、
少なくとも隣接する第2のランナーのうち対向する第2のランナーの前記支持部の対向部に、隣接する第2のランナーが進入又は乗り上げるのを規制するための規制部が形成されている、請求項10記載の搬送システム。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備えた少なくとも1つのランナーユニットと;このランナーユニットが取り付け可能なベース部と、このベース部に取り付けられ、被搬送体が取り付け可能な取付部材とを備え、前記走行路を走行可能なランナーであって、
下記(a)及び/又は(b)の形態を有し、前記支持部に対して抜け止め状態で、前記ランナーユニットが回動可能に取り付けられている、ランナー。
(a)前記支持部に対して抜け止め状態で、少なくとも前記ベース部に対して回動可能に取り付けられた回動軸部材又は回動機構を備えている
(b)前記ベース部が板状の形態を有している
【請求項2】
走行路を走行可能な少なくとも一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備えた複数のランナーユニットが、走行方向に間隔をおいてベース部に取り付けられ、先頭ランナーユニットと後続ランナーユニットとが前記走行路を走行可能なランナーであって、
前記ランナーユニットの前記支持部に抜け止め状態で取り付けられた回動軸部材と、これらの回動軸部材がランナーの走行方向に間隔をおいて取り付けられたベース部と、このベース部に取り付けられ、被搬送体が取り付け可能な取付部材とを備えており、
前記複数のランナーユニットのうち、少なくとも後続ランナーユニットの前記回動軸部材が少なくとも前記ベース部に対して回動可能に取り付けられている、請求項1記載のランナー。
【請求項3】
ランナーユニットが、単一又は複数の走行エレメントを備えており、各走行エレメントが、下記(a1)~(a4)のいずれかの形態の支持部を備えている、請求項1又は2記載のランナー。
(a1)互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態の支持壁と、前記両側壁から互いに対向する方向に延び、車輪部が装着可能な少なくとも一対の軸部材とを備え、前記回動軸部材又は回動機構が、前記底部壁に対して抜け止め状態で取り付け可能である支持部
(a2)底部壁と、この底部壁からアーチ状又は多角枠状の形態で延びる支持枠と、この支持枠から両側方向に延び、車輪部が装着可能な少なくとも一対の軸部材とを備え、前記回動軸部材又は回動機構が、前記底部壁に対して抜け止め状態で、若しくはランナーの走行方向に間隔をおいて複数の走行エレメントの底部壁が取り付けられた板状部材に対して抜け止め状態で取り付け可能である支持部
(a3)立設した支持壁と、この支持壁から両側方向に延び、車輪部が装着可能な少なくとも一対の軸部材と、前記支持壁に縦方向に形成された装着部とを備え、前記回動軸部材又は回動機構が、前記支持壁の装着部に抜け止め状態で取り付け可能である支持部
(a4)板状部材と、この板状部材から立設し、車輪部が装着可能な少なくとも1つの軸部材とを備え、前記回動軸部材又は回動機構が、前記板状部材に抜け止め状態で取り付け可能である支持部
【請求項4】
前記支持部が、互いに対向する両側壁と底部壁とを有する断面コ字状の形態の支持壁と、前記両側壁から互いに対向する方向に延びる少なくとも一対の軸部材とを備えており、前記側壁と底部壁とのコーナー部に補強部が形成されている、請求項1又は2記載のランナー。
【請求項5】
請求項1又は2記載のランナーと、このランナーが走行可能なレール部材とのセット。
【請求項6】
前記レール部材が、下記(A1)又は(A2)のいずれかのレール部材である、請求項5記載のセット。
(A1)断面I字状の形態を有し;縦方向の中間域を形成し、長手方向に延びるレール支持壁と;このレール支持壁の両端部から両側部方向に延出して形成され、ランナーの車輪部が走行可能な走行路を有する走行壁と;この走行壁から前記レール支持壁に向かって幅が狭まる断面三角形状の形態で傾斜する補強傾斜壁部と;前記レール支持壁の両側壁に、縦方向に間隔をおいて、長手方向に延びる複数の溝部とを備えており;長手方向に対して横方向に曲げ可能である、レール部材
(A2)下部壁にスリット状開口部が形成された下部開口の断面中空筒状の形態を有し;前記開口部に隣接して形成され、前記ランナーの車輪部が走行可能な走行路を有する走行壁を備えている、レール部材。
【請求項7】
被搬送体が交換若しくは積み込み及び荷下ろし可能な少なくとも1つのステーションを経由する走行路を備えた搬送路を形成可能なレール部材と、
このレール部材を施工部位に取り付けるためのブラケットと、
前記走行路を走行可能な請求項1又は2記載のランナーとを備え、被搬送体を所定のステーションに搬送するための搬送システム。
【請求項8】
前記レール部材を走行可能な前記ランナーと;このランナーの取付部材に取り付け可能であり、被搬送体を少なくとも上下動させるための電動の上下動機構と;この上下動機構に接続された電線コードと;前記レール部材を走行可能な一対の車輪部と、これらの車輪部を回転可能に支持する支持部とを備え、かつこの電線コードが架け渡し可能な複数の第2のランナーとを備えており、
少なくとも隣接する第2のランナーのうち対向する第2のランナーの前記支持部の対向部に、隣接する第2のランナーが進入又は乗り上げるのを規制するための規制部が形成されている、請求項記載の搬送システム。