(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023158295
(43)【公開日】2023-10-30
(54)【発明の名称】チューブ容器検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/90 20060101AFI20231023BHJP
【FI】
G01N21/90 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022068038
(22)【出願日】2022-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000156824
【氏名又は名称】関西チューブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117145
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 純
(72)【発明者】
【氏名】吉田 拓也
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA13
2G051AB02
2G051BB01
2G051CA04
2G051CA07
2G051CA08
2G051CB01
2G051EA11
2G051ED09
(57)【要約】
【課題】チューブ容器の円筒形状の表面と光源からの距離を均一すると共に、口頭部の側面及び口頭部の開口部の画像を撮影するとともに、照明調整の不具合から生じる表面欠陥の見落としをなくすことを目的とする。
【解決手段】チューブ容器の口頭部の外周に略等間隔で配置された複数台の撮像装置と、当該撮像装置が口頭部の側面画像を複数の方向から撮影することによって取得された複数の画像を処理する画像処理装置とを有し、照明器がチューブ容器の口頭部の外周長より大きい内周長を有するリング状に形成され、かつ当該照明器が口頭部の垂直方向上部に配置されていることを特徴とするチューブ容器検査装置。更に口頭部の垂直方向上部に撮像装置が配置されていることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ容器の口頭部における欠陥領域を検出するためのチューブ容器検査装置において、前記チューブ容器がマンドレルに外嵌され口頭部を上方として垂直に立設し、前記口頭部の外周に略等間隔で配置された複数台の撮像装置と、当該撮像装置が口頭部の側面画像を複数の方向から撮影することによって取得された複数の画像を処理する画像処理装置とを有し、隣接する撮像装置によって取得された画像が口頭部の外周における重複する箇所を有し、当該画像処理装置において取得された複数の画像を少なくとも二値化アルゴリズムにおいて設定されたしきい値から異常個所を特定し、及びピクセルの画素集積面積において設定されたしきい値から異常個所の面積を把握し、抽出された前記異常個所及び面積より製品における不具合を検出することを特徴とするチューブ容器検査装置。
【請求項2】
前記複数の画像が、口頭部の外周に略等間隔で配置された4台の撮像装置によって口頭部の側面画像を四方向から撮影することによって取得することを特徴とする請求項1に記載されたチューブ容器検査装置。
【請求項3】
前記チューブ容器検査装置が更に照明器を有し、当該照明器がチューブ容器の口頭部の外周長より大きい内周長を有するリング状に形成され、かつ当該照明器が口頭部の垂直方向上部に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載されたチューブ容器検査装置。
【請求項4】
前記口頭部の垂直方向上部に撮像装置が配置され、開口部内側面の画像を上方から撮影することによって取得することを特徴とする請求項3に記載されたチューブ容器検査装置。
【請求項5】
前記撮像装置が2~4本のチューブ容器の口頭部を連続撮影し、チューブ容器1体ずつの画像を個別に取得することを特徴とする請求項3又は4に記載されたチューブ容器検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ容器の口頭部、特にキャップを螺着する口部における表面欠陥を検出するチューブ容器検査装置に関する。特にチューブ容器の製造工程途中における口頭部を形成した後、キャップを取り付ける前の工程で口部の螺着箇所における表面欠陥を検出する工程で使用されるチューブ容器検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ラミネートチューブ容器は、その利便性や意匠性から、歯磨き粉や絵の具等といった日用品のみならず、医薬品、食品、化粧品、接着剤など幅広い分野で使用されている。なぜなら、ラミネートチューブ容器は、押出成形やブロー成型によって成形されるチューブ容器と比較し、胴体部にアルミ箔や無機酸化物蒸着フィルム等の無機系高バリアー材を自由に積層することができ、その内容物保護性が高く評価されているためである。
上記のようなラミネートチューブ容器は、口頭部及び肩部が、一般的には射出成型や圧縮成型によってオレフィン系樹脂にて形成され、その後口頭部にキャップが嵌合されている。そのため、口頭部及び肩部の練り込み異物、炭化ブツなどの外観不良や口バリ、傷(口部、ネジ部)などの成形不良をキャップ嵌合する前に検査する必要がある。特に、医薬品、食品、化粧品分野において、口頭部及び肩部の練り込み異物、炭化ブツの外観不良について非常に厳しくなってきているのが現状である。
このような背景から、チューブ容器の製造において、外観検査は必須の工程となっている。このような外観検査を行う装置としては、従来から種々の検査装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、チューブ容器を回転させながら撮像装置で画像を取得する技術が開示されている。本検査装置では、撮像装置は1台設置すれば良く、異常個所の特定の精度も高くなる。しかし、本検査装置は、チューブ容器を搬送する機械側にチューブ容器の回転機構が必須となる。そのためチューブ容器を搬送ベルトから回転機構に受け渡す際にチューブ容器の表面に傷がつく危険性が高くなるほか、受け渡し時にチューブが落下する危険性があり、結果として不良が多くなる危険性がある。また、チューブ容器の搬送を止めて容器を一回転させるため、製造速度もその分遅延することになる。さらにチューブ容器の回転装置を設置するため、撮像装置を3台増設するよりも設備コストが高騰する問題もある。
【0004】
このような問題を解決するために、特許文献2に開示された技術が開発された。特許文献2に開示された技術を使用することによって、チューブ容器の傷が防止でき、製造速度もより高速化する。さらに設備コストも低廉化することが可能である。なお本検査装置は、キャッピング工程後にキャップのねじ込み状態を検査するものであり、本発明とは撮像の目的は異なるが、本検査装置をキャッピング工程の前に組み込むことは可能である。
本検査装置を応用すれば、搬送を止めることなく、流れの中で三方向から画像を取得し、得られた画像を分析することによって、口頭における表面欠陥を検出することが可能になる。
しかし
図8に示す如く、本検査装置50では、チューブ容器51の外周を3台の撮像装置52,53,54が、1台のチューブ容器51の外周を約120°毎に撮影することになる。そのため、隣接する撮像装置との撮影範囲、例えば撮像装置52と撮像装置53の交差部分である重複する箇所(D)が存在しないか、又は撮影範囲が狭小になってしまう問題があった。すなわち、本検査装置が検出対象とするチューブ容器51は、円筒形状の表面を有しているため、撮像装置52,53,54で得られた画像の両縁は、曲面を有する口頭部に対して歪みが生じ易いという問題が発生する。またチューブ容器51の円筒形状の表面箇所によっては、一台の撮像装置からの距離が異なっていることから、特に取得した画像の端部において、表面欠陥を見落とす危険性が指摘されていた。
また本検査装置は、複数の撮像装置の間に照明55,56,57が配置されるため、照明調整の困難性や、円筒形状の表面箇所と照明からの距離が一律でないことに起因する検査漏れが発生することが考えられる。すなわち本検査装置を使用しても、より高度な品質規定が要求される例えば医療用のチューブ容器等の要求特性を満足させることができなかった。さらに本検査装置を使用した後に、目視による外観検査の人員を増やす必要があり、人件費の増大も危惧されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8-72832号公報
【特許文献2】特開2014-126527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明に係るチューブ容器検査装置は、撮像装置で取得された画像の両端における歪みや撮像装置におけるピントの不具合から生じる表面欠陥の見落としを低減させることを目的とする。
また本発明に係るチューブ容器検査装置は、照明を配置する空間を確保することによってチューブ容器の円筒形状の表面と光源からの距離を均一すると共に、口頭部の側面及び口頭部の平面開口部の画像を撮影するとともに、照明調整の不具合から生じる表面欠陥の見落としをなくすことを目的とする。
さらに本発明に係るチューブ容器検査装置は、高度な品質規定が要求されるチューブ容器の要求特性を満たすと共に、目視による外観検査の人員の負担を減少させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための以下の構成を有する。
(1)チューブ容器の口頭部における欠陥領域を検出するためのチューブ容器検査装置において、前記チューブ容器がマンドレルに外嵌され口頭部を上方として垂直に立設し、前記口頭部の外周に略等間隔で配置された複数台の撮像装置と、当該撮像装置が口頭部の側面画像を複数の方向から撮影することによって取得された複数の画像を処理する画像処理装置とを有し、隣接する撮像装置によって取得された画像が口頭部の外周における重複する箇所を有し、当該画像処理装置において取得された複数の画像を少なくとも二値化アルゴリズムにおいて設定されたしきい値から異常個所を特定し、及びピクセルの画素集積面積において設定されたしきい値から異常個所の面積を把握し、抽出された前記異常個所及び面積より製品における不具合を検出することを特徴とするチューブ容器検査装置である。
【0008】
ここで画像処理装置における画像処理の種類としては、画像加工、画像補正、画像変換、画像解析、画像の特徴抽出、画像認識等が構成されている。画像加工のアルゴリズムの内容としては、ノイズ除去、エッジ抽出、拡大と縮小、画像強調、画像ぼかし等が挙げられる。また画像補正のアルゴリズムの内容としては、コントラスト、明るさ補正等が挙げられる。また画像変換のアルゴリズムの内容としては、グレー画像への変換、二値化、限定色だけの表示が挙げられる。また画像解析のアルゴリズムの内容としては、検出によって得られた領域の面積や含まれる数量の計測が挙げられる。また画像の特徴抽出のアルゴリズムの内容としては、検出によって得られた図形の特徴検出、ディープラーニング等が挙げられる。また画像認識のアルゴリズムの内容としては、パターン分類、画像の機械学習等が挙げられる。
また本発明における撮像装置は、略等間隔で配置されていることを特徴とする。略等間隔とは、装置における支柱等の影響で多少ずらして配置しなければならない状況を考慮した記述である。本発明の作用効果に照らした場合、等間隔に撮像装置を配置すれば良いが、場合によっては1~20°ほど外れた間隔で配置した場合も含むことを意味している。
ここで二値化アルゴリズムとは、例えば、1画素が0~255階調のグレー画像を、設定した「しきい値」を境として黒(0)と白(1)の二値に変換した画像データを使用して行う。例えば、予め欠陥を示すしきい値として、100以上を設定することにより、100以上の値を示す画素が認識された場合は、その部分を異常箇所として認定することができる。例えば炭化物がチューブ容器の表面に表出している箇所が、二値化アルゴリズムにおいて設定されたしきい値から特定される。
また、ピクセルによる画像集積面積とは、複数の隣接する画素において異常箇所が認定された場合、予めかかる画素の数値をしきい値として設定することにより特定される。例えば、上記の二値化アルゴリズムによって、異常箇所が特定された場合、その異常箇所を示す一画素が隣接して6画素以上認定された場合にのみ、異常箇所を知らせる等の対応が可能となる。この場合は「しきい値」として「6」を設定することになる。
このようにして本チューブ容器検査装置は、抽出された異常個所及び面積より製品における不具合を検出することが可能となる。ただし、二値化アルゴリズムとピクセルによる画像集積面積は、最低限の画像処理を示すものであり、本発明は上記二種類の画像処理に限定されるものではない。例えば上記二種類の画像処理に、画像補正やノイズ除去等が追加されている検査装置も本発明の技術的範囲に属するものとする。
また、本チューブ容器検査装置は、チューブ容器の口頭部だけでなく、胴部上部の汚れ、異物付着、上述した画像処理を用いて検出することが可能である。さらに、胴部上部の印刷デザインを識別することにより、逆さチューブ(胴部が天地逆になった不具合チューブ)も検出可能である。
【0009】
(2)前記複数の画像が、口頭部の外周に略等間隔で配置された4台の撮像装置によって口頭部の側面画像を四方向から撮影することによって取得されたことを特徴とする上記(1)に記載されたチューブ容器検査装置である。
撮像装置を4台とすることによって、1台の撮像装置がチューブ容器41の外周を約90°ずつ撮影することになる。一方、従来の如く3台の撮像装置を使用した場合は、隣接する撮像装置の撮影範囲と重複する面積が狭くなり、検査精度が低くなってしまう。そこで撮像装置を4台とすることによって、隣接する撮像装置との撮影範囲と重複する面積を拡大することができ、検査精度を格段に向上させることができる。
また撮像装置が検査装置やチューブ容器成形機の支柱と緩衝するため、現実問題としてチューブ容器の外周に5台の撮像装置を設置することは困難である。また撮像装置を5台にすることによって重複する撮影範囲は拡大するが、90°の場合と比較して、検査漏れの効果に大きな差はなく、費用対効果の観点からは5台の撮像装置を設置するメリットはないものと考えられる。
【0010】
(3)前記チューブ容器検査装置が更に照明器を有し、当該照明器がチューブ容器の口頭部の外周長より大きい内周長を有したリング状に形成され、口頭部の垂直方向上部に配置されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載されたチューブ容器検査装置である。
当該検査機は、特許文献2に開示されていた従来の検査装置のように、透過光で物体の輪郭のみをとらえる検査ではなく、異物の濃さや大きさを撮像する必要がある。そのため、同軸に照明を配置すると隣接するカメラに照明が干渉してしまい撮像条件の調整が難しくなる。また、チューブ容器のネジ部は円筒状の表面を有するため、光源までの距離が一定ではなく、検査精度においても十分ではないという問題点もある。さらに撮像機の台数を増やすと、同軸上に照明を配置するための空間を確保することが困難になるという問題点も予想される。
特に照明を配置する空間の確保が困難である。しかし、本発明においてチューブ容器をマンドレルに外嵌され口頭部を上方として垂直に立設することによって、チューブ容器の上方部に空間を設け、かかる空間にリング状の照明を配置することによって、撮像条件を満たすとともに、口頭部の全周にわたって一定の光量を確保することが可能となる。また従来技術においては、撮像装置と順光に照明器が設定されており、この状態で撮像装置を90°ずつ4台設定すると、対向側にある撮像装置に対して逆光状態が発生するため、ハレーションによる撮像画像の白化や不要な像の発生等が発生する問題が発生した。そこで本発明の構成を採用することによって、このような従来技術の問題点を防止できることから、優れた効果として参酌されるべきものである。
本発明に係る照明器を使用することによって、チューブ容器から光源までの距離を一定に保持することができる。また略順光の状態を作り出すことができるため、チューブ表面における欠陥を明確に撮影することが可能となる。
【0011】
(4)前記口頭部の垂直方向上部に撮像装置が配置され、開口部内側面の画像を上方から撮影することによって取得することを特徴とする上記(1)~(3)に記載されたチューブ容器検査装置である。
本発明に係るチューブ容器検査装置を使用することによって、チューブ容器の開口部における品質を同時に検査することが可能となる。すなわち、開口部及びその内側面に異物(例えば炭化物)がある場合や、開口部にバリや傷等がある場合を検査することができる。例えば、
図7は、不具合チューブの一例を示す写真である。左側は開口部にバリが発生している状態を示し、右側は正常な状態を示している。
【0012】
(5)前記撮像装置が2~4本のチューブ容器の口頭部を連続撮影し、チューブ容器1体ずつの画像を個別に取得することを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか一に記載されたチューブ容器検査装置である。 チューブ容器の頭部成形機は、生産性(機械回転数)向上のため多連式になっているのが一般的である。すなわち、一度のコンプレッションで複数のチューブ容器の頭部が成形可能となっている。当該検査装置は、検査スペースをチューブ容器が通過しながら連続的に複数本の検査が可能であるため、チューブ容器の頭部成形機がもつ機械回転数を損なうことなく、導入可能である。ここで、同時に検査するチューブ容器を5本以上とすると、頭部成形機自体が大型化し、レイアウトの制限が増える、設備費用が増大する、型替えの手間が増える、という問題が発生する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るチューブ容器検査装置を採用することによって、撮像装置で取得された画像の両端における歪みや撮像装置におけるピントの不具合から生じる表面欠陥の見落としを低減させることができる。
また本発明に係るチューブ容器検査装置によって、照明を配置する空間を確保することによって、チューブ容器の円筒形状の表面と光源からの距離を均一にし、照明調整の不具合から生じる表面欠陥の見落としをなくすという従来技術にはない優れた効果を奏する。
また本発明に係るチューブ容器検査装置によって、口頭部の側面に加えて、チューブ容器の平面開口部及びその内側面における撮像画像を得ることができる。
さらに本発明に係るチューブ容器検査装置によって、高度な品質規定が要求されるチューブ容器の要求特性を満たすことができ、目視による外観検査の人員の負担を減少させるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明のチューブ容器検査装置に係る一実施態様(実施形態1)の平面図である。
【
図2】本発明のチューブ容器検査装置に係る一実施態様(実施形態1)の側面図である。
【
図3】本発明のチューブ容器検査装置に係るその他の実施態様(実施形態2)の側面図である。
【
図4】撮像範囲の検証に使用したチューブ容器を示す正面図である。
【
図5】実施形態1に係るチューブ容器検査装置を使用した場合の撮像範囲の検証結果を示す表である。
【
図6】比較例1に係るチューブ容器検査装置を使用した場合の撮像範囲の検証結果を示す表である。
【
図8】チューブ容器検査装置に係る従来技術の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明に係るチューブ容器検査装置の実施形態を示す。以下に記載する実施形態は本発明の一例を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1
本発明に係るチューブ容器検査装置は、口頭部における欠陥領域を検出するためのものである。
図1に示す如く、本発明に係るチューブ容器検査装置10は、チューブ容器1の口頭部の外周に等間隔で配置された4台の撮像装置2,3,4,5を有する。本発明に係るチューブ容器検査装置10は、前記撮像装置2,3,4,5が口頭部の側面画像を複数の方向から撮影することによって複数の画像を取得する。また前記チューブ容器検査装置10は、更に照明器7を有する。前記照明器7は、チューブ容器の口頭部の外周長より大きい内周長を有したリング状に形成されている。
本発明に係るチューブ容器検査装置10は、
図2に示す如く、チューブ容器1の口頭部6を挟むように対面方向に2台の撮像装置2,4が配置されている。前記照明器7は、チューブ容器1の口頭部6の垂直方向上部に配置されている。
【0016】
[撮像範囲の検証試験]
ここで比較例1のチューブ容器検査装置として、チューブ容器の口頭部の外周に等間隔で配置された3台の撮像装置を有するチューブ容器検査装置を製造した。
そして、
図4に示すチューブ容器41を製造した。かかるチューブ容器は、φ25mmである。チューブ容器41の口頭部42には、1mm×1mmの黒異物に模したシール40を貼り付けてある。
この状態で実施形態1に係るチューブ容器検査装置10と、比較例1のチューブ容器検査装置を使用して撮影した画像を比較した。
図5及び
図6に比較結果を示す。
図5は、実施形態1に係るチューブ容器検査装置を使用した場合の撮像範囲の検証結果を示す表で、
図6は、比較例1に係るチューブ容器検査装置を使用した場合の撮像範囲の検証結果を示す表である。
図5及び
図6において、シール40の中心部を0度とし、0度地点より右方向(矢印R)をマイナス角とし、左方向(矢印L)をプラス角として、横軸に表した。縦軸は、撮像されたシール40の幅をmm単位で示している。
図5に示す如く、実施形態1に係るチューブ容器検査装置10の重複範囲における撮像されたシール40の幅は約0.70mmである。一方、
図6に示す比較例1のチューブ容器検査装置の重複範囲における撮像されたシール40の幅は約0.48mmである。
このように実施形態1に係るチューブ容器検査装置10の方が重複範囲の面積が増加しているため、チューブ容器の表面欠陥の見落としを低減させることができることが判明した。
【0017】
実施形態2
実施形態2に係る本発明に係るチューブ容器検査装置30は、チューブ容器31の口頭部36の外周に間隔で配置された4台の撮像装置32,34を有している。本発明に係るチューブ容器検査装置30は、前記撮像装置32,34が口頭部36の側面画像を複数の方向から撮影することによって複数の画像を取得する。また前記チューブ容器検査装置30は、チューブ容器31の口頭部36を挟むように対面方向に2台の撮像装置32,34が配置されている。前記照明器37は、チューブ容器31の口頭部36の垂直方向上部に配置されている。
更に前記チューブ容器31の口頭部36の上部に撮像装置38が配置され、チューブ容器の口頭部36の平面開口部及びその内側面の画像を斜め上方から撮影することによって取得する。
【符号の説明】
【0018】
1,31 チューブ容器
2,3,4,5,32,34,38 撮像装置
7,37 照明器
10,30 チューブ容器検査装置
36 口頭部
40 チューブ容器
42,43,44 従来の撮像装置
D 重複する箇所
45,46,47 照明